(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】自動停止機能を備えた電気手術デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523090
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 IB2021059484
(87)【国際公開番号】W WO2022079672
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522368684
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック メディカル デバイス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】モク、ダニエル ウイング ファイ
(72)【発明者】
【氏名】デイビス、ガレス
(72)【発明者】
【氏名】ウルバンスキ、ジョン ポール
(72)【発明者】
【氏名】モリヤマ、エドゥアルド
(72)【発明者】
【氏名】ライアン、パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ディチッコ、マシュー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK20
4C160KK35
4C160KK70
(57)【要約】
組織に穿刺部を作り出すように構成された穿刺デバイスであって、細長い部材を備え、細長い部材は、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む。細長い部材は、長手方向軸から離れるように湾曲している可撓性遠位部分と、組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、を更に含む。細長い部材の可撓性遠位部分上に配置された感知素子が、遠位部分の湾曲を検出し、それにより、細長い部材の可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、エネルギーが遠位先端部に送達され、細長い部材の可撓性遠位部分が湾曲すると、エネルギーが遠位先端部に送達されない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に穿刺部を作り出すように構成された穿刺デバイスであって、前記穿刺デバイスは、
細長い部材であって、前記細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む、細長い部材と、
前記長手方向軸から離れるように湾曲している前記細長い部材の可撓性遠位部分と、
前記組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、
前記遠位部分の湾曲を検出するように、前記細長い部材の前記可撓性遠位部分上に配置されている感知素子と、を備え、
前記細長い部材の前記可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、エネルギーが前記遠位先端部に送達され、前記細長い部材の前記可撓性遠位部分が湾曲すると、エネルギーが前記遠位先端部に送達されない、
穿刺デバイス。
【請求項2】
前記感知素子が、ひずみゲージである、請求項1に記載の穿刺デバイス。
【請求項3】
前記細長い部材が、導電性材料から構成されている、請求項1に記載の穿刺デバイス。
【請求項4】
前記細長い部材が、前記導電性材料の上に絶縁性の層を含む、請求項3に記載の穿刺デバイス。
【請求項5】
前記感知素子が、前記絶縁性の層の上に配置されている、請求項4に記載の穿刺デバイス。
【請求項6】
前記感知素子が、前記絶縁性の層の下に配置されている、請求項4に記載の穿刺デバイス。
【請求項7】
前記感知素子が、湾曲したときに圧縮される前記可撓性遠位部分の内側部分上に配置されている、請求項1に記載の穿刺デバイス。
【請求項8】
前記感知素子が、湾曲したときに張力を受ける前記可撓性遠位部分の外側部分上に配置されている、請求項1に記載の穿刺デバイス。
【請求項9】
前記穿刺デバイスが、ガイドワイヤである、請求項1に記載の穿刺デバイス。
【請求項10】
前記ガイドワイヤが、J型先端ガイドワイヤである、請求項9に記載の穿刺デバイス。
【請求項11】
前記ガイドワイヤが、ピッグテールガイドワイヤである、請求項9に記載の穿刺デバイス。
【請求項12】
組織に穿刺部を作り出すように構成された穿刺デバイスであって、前記穿刺デバイスは、
導電性コアワイヤから構成された細長い部材であって、前記細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む、細長い部材と、
前記長手方向軸から離れるように湾曲している前記細長い部材の可撓性遠位部分であって、
前記導電性コアワイヤを取り囲んでいる導電性コイルを含む、可撓性遠位部分と、
前記組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、を備え、
前記細長い部材の前記可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、前記導電性コイルが前記導電性コアワイヤに接触して、前記遠位先端部へのエネルギー送達を有効にし、前記細長い部材の前記可撓性遠位部分が湾曲すると、前記導電性コイルが前記導電性コアワイヤに接触せず、前記遠位先端部へのエネルギー送達を無効にする、
穿刺デバイス。
【請求項13】
組織を穿刺するための穿刺アセンブリであって、前記穿刺アセンブリは、
細長い部材を備える穿刺デバイスであって、前記細長い部材が、前記細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を有し、
前記長手方向軸から離れるように湾曲している前記細長い部材の可撓性遠位部分と、前記可撓性遠位部分の湾曲を検出するように、前記細長い部材の前記可撓性遠位部分上に配置されている感知素子と、を更に備え、
前記可撓性遠位部分が、前記組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部で終端している、穿刺デバイスと、
前記穿刺デバイスを受け入れるように構成された管腔を備える支持部材と、を備え、
前記可撓性遠位部分が、前記支持部材の前記管腔内に受け入れられると、真っ直ぐな構成に拘束される、
穿刺アセンブリ。
【請求項14】
前記可撓性遠位部分が前記支持部材内に拘束されているときに、エネルギー送達が有効になり、前記可撓性遠位部分が拘束されていないときに、エネルギー送達が無効になる、請求項13に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項15】
前記支持部材が、ダイレータを含む、請求項13に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項16】
前記穿刺デバイスが、穿刺ガイドワイヤを含む、請求項13に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項17】
前記穿刺ガイドワイヤが、J型先端ガイドワイヤを含む、請求項16に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項18】
前記穿刺ガイドワイヤが、ピッグテールガイドワイヤを含む、請求項16に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項19】
前記感知素子が、ひずみゲージである、請求項13に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項20】
前記細長い部材が、導電性材料から構成されている、請求項13に記載の穿刺デバイス。
【請求項21】
前記細長い部材が、前記導電性材料の上に絶縁性の層を含む、請求項20に記載の穿刺デバイス。
【請求項22】
前記感知素子が、前記絶縁性の層の上に配置されている、請求項21に記載の穿刺デバイス。
【請求項23】
前記感知素子が、前記絶縁性の層の下に配置されている、請求項21に記載の穿刺デバイス。
【請求項24】
前記感知素子が、湾曲したときに圧縮される前記可撓性遠位部分の内側部分上に配置されている、請求項13に記載の穿刺デバイス。
【請求項25】
前記感知素子が、湾曲したときに張力を受ける前記可撓性遠位部分の外側部分上に配置されている、請求項13に記載の穿刺デバイス。
【請求項26】
支持部材の管腔内に収容された穿刺デバイスを備える穿刺アセンブリを使用して、心臓の中隔を穿刺するための方法であって、
(i)患者の血管系へのアクセスを得る工程と、
(ii)エネルギーを送達するように構成された前記穿刺デバイスの遠位先端部を前記支持部材の遠位先端部の外側に露出させる一方で、前記穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分が前記支持部材の管腔内に拘束されたままになるように、前記穿刺アセンブリを前記中隔の標的位置まで前進させる工程であって、前記穿刺デバイスの前記可撓性湾曲遠位部分が、前記遠位部分の湾曲を検出するための感知素子を備える、工程と、
(iii)前記標的位置に穿刺部を作り出すように、前記穿刺デバイスの前記遠位先端部にエネルギーを送達する工程と、
(iv)前記穿刺デバイスの前記可撓性湾曲遠位部分が、前記支持部材の前記管腔内に拘束されなくなるように、前記穿刺デバイスを前進させる工程であって、それによって、前記感知素子が、前記穿刺デバイスの前記可撓性湾曲遠位部分の非拘束下での湾曲を検出し、前記穿刺デバイスの前記遠位先端部へのエネルギーの送達を無効にする、工程と、
を含む、方法。
【請求項27】
標的組織を穿刺するためのアセンブリであって、前記アセンブリは、
穿刺デバイスであって、
細長い部材と、
前記標的組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、
前記細長い部材上に配置された感知素子と、
を備える穿刺デバイスと、
支持部材であって、
支持部材近位部分及び支持部材遠位部分であって、その間に延びている、前記穿刺デバイスを受け入れるように構成された管腔を有し、
前記支持部材遠位部分が、湾曲部分と、前記湾曲遠位部分より遠位にある直線部分と、を含む、支持部材近位部分及び支持部材遠位部分と、
前記直線部分において開放遠位端と、
を含む支持部材と、を備え、
前記穿刺デバイスが前記支持部材に挿入されると、前記穿刺デバイスが前記支持部材遠位部分を通して前進するにつれて、前記感知素子が、前記穿刺デバイスの湾曲の変化を検出する、
アセンブリ。
【請求項28】
前記感知素子が、前記穿刺デバイスの前記遠位先端部が前記支持部材の前記開放遠位端から突出したときに、前記感知素子が前記支持部材の前記湾曲部分内に位置するように、前記細長い部材上に配置されている、請求項27に記載のアセンブリ。
【請求項29】
前記感知素子が、前記支持部材の前記湾曲部分内に拘束されているときに、エネルギー送達を有効にし、前記湾曲部分によって拘束されていないときに、エネルギー送達を無効にするように構成されている、請求項28に記載のアセンブリ。
【請求項30】
前記感知素子が、前記穿刺デバイスの前記遠位先端部が前記支持部材の前記開放遠位端から突出したときに、前記感知素子が前記支持部材の前記湾曲部分より近位に位置するように、前記細長い部材上に配置されている、請求項27に記載のアセンブリ。
【請求項31】
前記感知素子が、前記湾曲部分によって拘束されていないときに、エネルギー送達を有効にし、前記湾曲部分によって拘束されているときに、エネルギー送達を無効にするように構成されている、請求項30に記載のアセンブリ。
【請求項32】
前記支持部材が、ダイレータである、請求項27~31のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項33】
前記感知素子が、前記穿刺デバイスの絶縁性の層の下に配置されている、請求項27~32のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項34】
前記感知素子が、前記穿刺デバイスの絶縁性の層の上に配置されている、請求項27~32のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項35】
前記感知素子が、前記湾曲部分によって湾曲されると張力を受けるように、前記穿刺デバイスの外側部分に配置されている、請求項27~34のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項36】
前記感知素子が、前記湾曲部分によって湾曲されると圧縮されるように、前記穿刺デバイスの内側部分に配置されている、請求項27~34のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項37】
前記穿刺デバイスが、可撓性J型先端ガイドワイヤである、請求項27~36のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項38】
前記穿刺デバイスが、可撓性ピッグテールガイドワイヤである、請求項27~36のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項39】
標的組織を穿刺するための穿刺デバイスであって、前記穿刺デバイスは、
細長い部材であって、前記細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む、細長い部材と、
前記長手方向軸から離れるように湾曲している前記細長い部材の可撓性遠位部分と、
前記組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、
前記細長い部材の前記近位部分に沿って延びている第1の導電性ワイヤであって、前記可撓性遠位部分に沿ってある一定の距離で終端している、第1の導電性ワイヤと、
前記遠位先端部に結合された第2の導電性ワイヤであって、前記第1の導電性ワイヤより遠位で終端している、第2の導電性ワイヤと、を備え、
前記第1の導電性ワイヤ及び前記第2の導電性ワイヤが、前記可撓性遠位部分の外縁に沿って配置されており、
それにより、前記可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、前記第1の導電性ワイヤが前記第2の導電性ワイヤに接触することによって、エネルギー送達が有効になり、また、
それにより、前記可撓性遠位部分が湾曲すると、前記第1の導電性ワイヤが前記第2の導電性ワイヤに接触せず、それによってエネルギー送達が無効になる、
穿刺デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生体組織にエネルギーを送達するように構成された外科用穿孔デバイスであって、エネルギーの送達がデバイスの遠位部分の湾曲によって制御される、外科用穿孔デバイスに関する。より具体的には、本発明は、デバイスの遠位部分の湾曲を利用して、穿刺の完了時に心房中隔へのエネルギーの送達を自動的に停止させると共に、心房中隔に穿孔を作り出すためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の医療処置は、心臓の組織を貫通する穿刺部又はチャネルを作り出すことが可能な、医療デバイスの使用を必要とする。具体的には、心臓の中隔を穿刺することにより、様々な心臓処置が実施される、左心房への経路が作り出される。左心房へのアクセスを得ることを補助する1つのデバイスは、高周波(radiofrequency、RF)経中隔穿刺デバイスである。このようなデバイスでは、発生器からのRFエネルギーが標的組織に送達され、穿孔が作り出される。操作時に、ユーザは、心臓の中隔上に位置している卵円窩上の標的位置に、穿刺デバイスを位置決めして、発生器をオンにして標的位置へのエネルギーの送達を開始する。RFエネルギーを組織に送達することにより、デバイスと接触している細胞の、細胞内液の蒸発が生じる。最終的には、これにより、標的組織部位に、空隙、穴、又はチャネルが生じる。
【0003】
現在、エネルギーの送達に関するパラメータとしては、1)エネルギー送達の持続時間、及び2)エネルギーのパルス送達又は一定送達が挙げられる。典型的には、ユーザは、穿刺を実行する前に、パラメータ、例えば、2秒間の持続時間にわたる一定のエネルギー送達を選択することになる。ユーザは、発生器上のボタンを押すことによって、又はフットペダルを介して、送達を作動させる。エネルギー送達の持続時間が完了すると、ユーザは、種々の手段(例えば、蛍光透視法、圧力読取、超音波、又は造影剤注入)を使用して確認を行い、穿刺が成功したかどうかを判断することになる。失敗した場合、ユーザは、エネルギー送達を再び手動で作動させることになる。持続時間が完了すると、ユーザは、穿刺が成功したかどうかをもう一度確認することになる。ユーザは、発生器上のボタン又はフットペダルを使用して、持続時間が完了する前にエネルギーの送達をオフにすることが可能ではあるが、穿刺が成功したか否かをエネルギーの送達中に確認する方法はまだ存在していない。エネルギー送達中のこの穿刺の成功に関する認識の欠如は、周囲組織への不慮の損傷につながる可能性がある。例えば、持続時間が2秒に設定されているが、穿刺が1秒で完了した場合、穿刺デバイスは、左心房に入った後も、さらなる時間の間エネルギーを送達しているため、これは、左心房内の不慮の穿孔につながり得る。心臓の他の組織の不慮の穿孔は、左心房内の一般的な組織損傷、補助デバイス損傷(すなわち、心房に位置するペースメーカーリードへの損傷)、又は心タンポナーデもしくは不慮の大動脈穿孔などの重大な合併症を起こす可能性があり得る。心タンポナーデは、生命を脅かす、経中隔穿刺の合併症であり、左心房壁、左心房天井、又は左心耳に穿孔が作り出されたときに生じる。この心房壁の穿孔は、心臓の周囲の心膜腔内での流体の蓄積につながる可能性がある。この流体の蓄積が、心臓を圧迫することにより、心臓に入ることが可能な血液の量が減少する。不慮の大動脈穿孔は、穿刺デバイスが大動脈に入り、大動脈を穿孔するという、生命を脅かす、まれな合併症であり、外科的修復が必要となる場合がある。
【0004】
周囲組織への不慮の損傷に関連するこれらの合併症の可能性を考慮して、穿刺デバイスが穿刺を完了して左心房に進入した後に高周波エネルギーの送達が自動的に作動停止する、新規の高周波穿刺デバイスを提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0005】
本発明を容易に理解することができるように、添付図面において、本発明の実施形態が例として示される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】患者の左心房へのアクセスを得るために経中隔穿刺部を作り出すときに使用されるシステムの図である。
【
図2A】ひずみゲージを有する穿刺デバイスの構造の図である。
【
図2B】ひずみゲージを有するJ型先端ガイドワイヤの図である。
【
図2C】ひずみゲージを有するピッグテールガイドワイヤの図である。
【
図3A】絶縁体の下で、コアワイヤに取り付けられたひずみゲージを有するJ型先端ガイドワイヤの図である。
【
図3B】絶縁体の外側に取り付けられたひずみゲージを有するJ型先端ガイドワイヤの図である。
【
図4A】シース及びダイレータによって拘束された穿刺デバイスの図である。
【
図4B】シース及びダイレータによって拘束されていない穿刺デバイスの図である。
【
図5】エネルギー送達の停止を制御するための例示的なコンピュータアルゴリズムの図である。
【
図6A】遠位部分に導電性コイルによって取り囲まれた導電性ワイヤを含む、穿刺デバイスの断面図である。
【
図6B】遠位部分が拘束されて、導電性コイルと導電性ワイヤとの間の接触をもたらしている、穿刺デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
様々な低侵襲的処置には、生体組織に穿孔を作成する工程が含まれる。そのような処置の1つとして、経中隔穿刺の実施があり、これにより、外科医は、心臓の右側から中隔を貫通して穿刺部を作成することによって、心臓の左側へのアクセスを得ることができる。近年、医療デバイスは、エネルギー、具体的には高周波エネルギーを組織に送達することによって穿刺を行うように構成されている。高周波エネルギーを組織に送達することにより、エネルギー送達デバイスと接触している細胞の、細胞内液の蒸発が生じる。これにより、標的組織部位に穿孔を生じさせる。経中隔穿刺の間に生じ得る問題の1つとして、左心房壁又は大動脈の不慮の穿刺がある。生命を脅かす可能性のあるこれらの問題は、周囲組織もしくは補助デバイスへの損傷、又は左心房壁もしくは大動脈の穿孔をもたらし得る。
【0008】
左心房の不慮の穿刺の問題は、中隔の穿刺が完了した後にエネルギーの送達を停止する機構を有する電気手術穿刺デバイスを提供することによって解決される。
1つの広範な態様では、本発明の実施形態は、組織に穿刺部を作り出すように構成された穿刺デバイスを含む。穿刺デバイスは、細長い部材を有し、この細長い部材は、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む。細長い部材は、長手方向軸から離れるように湾曲している可撓性遠位部分と、組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、を更に含む。感知素子は、遠位部分の湾曲を検出するように、細長い部材の可撓性遠位部分上に配置されている。可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、エネルギーは遠位先端部に送達され、可撓性遠位部分が湾曲すると、エネルギーは遠位先端部に送達されない。
【0009】
この広範な態様の特徴として、感知素子は、ひずみゲージである。
この広範な態様の別の特徴として、細長い部材は、導電性材料から構成されている。いくつかの実施形態では、細長い部材は、導電性材料の上に絶縁性の層を含む。いくつかの実施形態では、感知素子は、絶縁性の層の上に配置されている。代替的実施形態では、感知素子は、絶縁性の層の下に配置されている。
【0010】
この態様の特徴として、感知素子は、可撓性遠位部分の、湾曲したときに圧縮される側に配置されている。代替的実施形態では、感知素子は、可撓性遠位部分の、湾曲したときに張力を受ける側に配置されている。
【0011】
この広範な態様の別の特徴として、穿刺デバイスは、ガイドワイヤである。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは、J型先端ガイドワイヤである。代替的実施形態では、ガイドワイヤは、ピッグテールガイドワイヤである。
【0012】
別の広範な態様では、本発明の実施形態は、導電性コアワイヤから構成された細長い部材を備える、組織に穿刺部を生り出すように構成された穿刺デバイスを含む。細長い部材は、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む。細長い部材は、長手方向軸から離れるように湾曲している可撓性遠位部分を更に含む。可撓性遠位部分は、導電性コアワイヤを取り囲む導電性コイルを含む。可撓性遠位部分は、エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部で終端しており、細長い部材の可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、導電性コイルが、導電性コアワイヤに接触して、遠位先端部へのエネルギー送達を有効にする。細長い部材の可撓性遠位部分が湾曲すると、導電性コイルが、導電性コアワイヤに接触せず、遠位先端部へのエネルギー送達を無効にする。
【0013】
別の広範な態様として、本発明の実施形態は、組織を穿刺するための穿刺アセンブリを含む。穿刺アセンブリは、穿刺デバイスを備える。穿刺デバイスは、細長い部材を備え、この細長い部材は、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を有する。穿刺デバイスは、可撓性遠位部分と、可撓性遠位部分の湾曲を検出するように、可撓性遠位部分上に配置されている感知素子と、を更に備える。可撓性遠位部分は、エネルギーを組織に送達するように構成された遠位先端部で終端している。穿刺アセンブリは、穿刺デバイスを受け入れるように構成された管腔を含む支持部材を更に備え、それにより、穿刺デバイスの可撓性遠位部分は、支持部材の管腔内に受け入れられると、真っ直ぐな構成に拘束される。
【0014】
この広範な態様の特徴として、可撓性遠位部分は支持部材内に拘束されて、エネルギーが有効になり、可撓性遠位部分が拘束されていないときに、エネルギー送達が無効になる。
【0015】
この広範な態様の別の特徴として、支持部材は、ダイレータを含む。
この広範な態様の特徴として、穿刺デバイスは、穿刺ガイドワイヤを含む。いくつかの実施形態では、穿刺ガイドワイヤは、J型先端ガイドワイヤを含む。代替的実施形態では、穿刺ガイドワイヤは、ピッグテールガイドワイヤを含む。
【0016】
この広範な態様の別の特徴として、感知素子は、ひずみゲージである。
この広範な態様の別の特徴として、細長い部材は、導電性材料から構成されている。いくつかの実施形態では、細長い部材は、導電性材料の上に絶縁性の層を含む。いくつかの実施形態では、感知素子は、絶縁性の層の上に配置されている。代替的実施形態では、感知素子は、絶縁性の層の下に配置されている。
【0017】
この態様の特徴として、感知素子は、可撓性遠位部分の、湾曲したときに圧縮される側に配置されている。代替的実施形態では、感知素子は、可撓性遠位部分の、湾曲したときに張力を受ける側に配置されている。
【0018】
別の広範な態様では、本発明の実施形態は、支持部材の管腔内に収容された穿刺デバイスを備える穿刺アセンブリを使用して、心臓の中隔を穿刺するための方法を含む。本方法は、(i)患者の血管系へのアクセスを得る工程と、(ii)エネルギーを送達するように構成された穿刺デバイスの遠位先端部を支持部材の遠位先端部の外側に露出させる一方で、穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分が支持部材管腔内に拘束されたままになるように、穿刺アセンブリを中隔の標的位置まで前進させる工程であって、穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分が、遠位部分の湾曲を検出するための感知素子を備える、工程と、(iii)標的位置に穿刺部を作り出すように、穿刺デバイスの遠位先端部にエネルギーを送達する工程と、(iv)穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分が、支持部材の管腔内に拘束されなくなるように、穿刺デバイスを前進させる工程と、を含む。感知素子は、穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分の非拘束下での湾曲を検出し、穿刺デバイスの遠位先端部へのエネルギーの送達を無効にする。
【0019】
ここで詳細な図面を具体的に参照するが、示されている詳細は、例であり、本発明の特定の実施形態の例示的考察のみを目的としている点に留意されたい。本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その適用において、以下の説明に記載されている、若しくは図面に示されている、構造の詳細及び構成要素の配置に限定されるものではない点を理解されたい。本発明は、他の実施形態が可能であり、又は、様々な方式で実施若しくは実行することが可能である。また、本明細書で採用されている表現及び用語は、説明を目的とするものであり、限定するものと見なされるべきではない点も理解されたい。
【0020】
図1は、経中隔穿刺により左心房にアクセスするために使用することが可能な、例示的なシステム100の一実施形態を示す。システム100は、穿刺デバイス110と、シース120と、ダイレータ130と、接続手段150を介して穿刺デバイスに接続されたエネルギー発生器140と、を備える。穿刺デバイス110、例えば、ピッグテールガイドワイヤ(図示せず)又はJ型先端ガイドワイヤは、組織(患者の心臓の心房中隔など)に、エネルギーを送達するように構成されている。エネルギーは、発生器140から、穿刺デバイス110の遠位先端部に配置されたエネルギー送達デバイスに送達される。この実施形態では、穿刺デバイス110は、遠位部分240に配置された感知素子を備える。感知素子は、感知素子が取り付けられた遠位部分240の湾曲を検出するように構成されており、発生器140に信号を送信する。感知素子からの信号は、遠位部分の湾曲によって変化する。遠位部分が非拘束状態(すなわち、湾曲した遠位部分240)であるとき、発生器140は、信号を処理し、対応する動作を行うように構成されている。例えば、いくつかの実施形態では、発生器140が、遠位部分240が非拘束状態にあることに対応した信号を受信すると、発生器は、エネルギー送達を自動的に停止することになる。
【0021】
本発明を使用して患者の左心房にアクセスする例示的な方法は、以下の工程を含み得る。
(i)血管系への、例えば、鼠径部を通した大腿静脈へのアクセスを得る工程。
【0022】
(ii)穿刺デバイス110及びアセンブリ(すなわち、シース120及びダイレータ130)を、一実施形態では、患者の心臓の卵円窩である標的位置に前進させる工程。この段階では、穿刺デバイス110の遠位部分240は、ダイレータ130及びシース120のアセンブリによって拘束されて、真っ直ぐになっている。遠位部分240は、拘束されていないときには、所定の非線形形状を有する。
【0023】
(iii)エネルギーを、発生器140から、穿刺デバイス110を介して卵円窩に送達し、中隔に穿刺部を作り出す工程。
(iv)穿刺デバイス110を穿刺部を通して前進させ、左心房に進入させる工程。遠位部分240は、アセンブリを出ると、シース120及びダイレータ130によって拘束されなくなり、その所定の非線形形状に戻る。感知素子は、この幾何学的形状の変化を検出し、発生器140に信号を送ってエネルギーの送達を停止する。
【0024】
代替的方法では、心臓へのアクセスは、上大静脈を通して得られてもよく、穿刺デバイス110は、鎖骨下静脈を介して血管系に進入する。当業者であれば、血管系にアクセスする場所(例えば、鎖骨下静脈)、及び解剖学的構造(例えば、心臓の右心房)に応じて、アセンブリ及び穿刺デバイスの寸法が異なっても良いことを理解するであろう。
【0025】
上述のシステム100及び方法で使用される本発明の様々な実施形態は、
図2A~
図2Cに見ることができる。
図2Aを参照すると、穿刺デバイス110は、電気絶縁材料210でコーティングされたワイヤなどの細長い部材250から構成されており、電気絶縁材料210は、導電性の細長い部材を実質的に覆い、遠位先端部の一部を露出させて電極220を形成している。細長い部材250は、遠位部分240に、可撓性をもたらすテーパ270を更に含んでもよい。テーパ270に加えて、細長い部材250の遠位部分240は、支持を提供するためにコイル260を備えてもよい。細長い部材250及びコイル270は両方とも、エネルギーが発生器から細長い部材250に沿って電極220に送達されることを可能にするために、ニチノール又はステンレス鋼などの導電性材料から構成されてもよい。コーティング210は、高周波エネルギーの送達が、穿刺デバイス110の長さに沿って、露出した電極先端220まで伝わることを確実にするために、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)コーティングなどの電気絶縁材料から構成されている。あるいは、細長い部材250には、絶縁コーティングが適用されなくてもよい。むしろ、エネルギーが穿刺デバイス110の遠位先端部を通って送達されることを確実にするために、シース又はダイレータが、非導電性材料から構成されてもよい。代替的実施形態では、細長い部材250が、ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK)又はポリイミドなどの非導電性材料から構成されてもよい。この代替的実施形態では、エネルギーを遠位先端部に送達するために導電性要素(例えば、絶縁ワイヤ)が必要となるであろう。遠位領域240は、中心軸から離れるように曲がった湾曲が存在するように、製造中に、典型的には、遠位領域240が所望の形状に固定されている間に熱にさらして形成されてもよい。電極220は、発生器から穿刺デバイス110の遠位先端部にある電極220にエネルギーを搬送する導電性ワイヤに結合されてもよい。感知素子230は、穿刺デバイス110の遠位部分240に取り付けられており、穿刺デバイス110が拘束状態(すなわち、
図2Aに示されるように、シース及び/又はダイレータの内部で、真っ直ぐになっている)から非拘束状態(例えば、
図2B又は
図2Cに示されるような湾曲した状態)に移行するにつれて、幾何学的形状の変化にさらされる。感知素子230は、ひずみゲージを含んでもよい。当業者であれば、遠位部分240の幾何学的形状の変化を検出するために他の感知手段が使用されてもよいことを理解するであろう。
【0026】
ここで、
図2Bを参照すると、穿刺デバイス110は、拘束されていないときにJ型先端構成になるように成形された遠位部分240を有する。感知素子230は、遠位部分240がその非拘束構成(例えば、J型先端構成)にあるとき、感知素子230が湾曲とともに屈曲するか又は歪曲するように取り付けられている。
【0027】
穿刺デバイス110は、
図2Cに図示されるように、拘束されていないときにピッググテール構成を有する遠位部分240を備えてもよい。感知素子230は、好ましくは、穿刺デバイス110が曲がり始めると感知素子230がすぐに屈曲するように、遠位部分240に沿って最も遠位の湾曲部分に配置される。感知素子230の形状の変化は、遠位部分240が拘束されなくなると検出される。形状の変化の検出に応答して、発生器は、「自動オフ」モードで動作し、RFエネルギーの送達を自動的に停止することができる。この構成は、穿刺デバイス110が左心房に入るとすぐにエネルギー送達を停止することを可能にし、意図せずRFを送達することによって穿刺デバイス110が周囲組織を損傷する可能性を低減する。
【0028】
いくつかの実施形態では、感知素子230は、
図3Aに示されるように、細長い部材250に直接取り付けられてもよい。例えば、感知素子230は、細長い部材250に溶接又は接着されてもよい。当業者は、感知素子230を細長い部材250に取り付けるために、他の手段が使用されてもよいことを理解するであろう。絶縁コーティング210は、感知素子230ならびに絶縁された内部配線610の両方を覆ってもよい。別の実施形態では、感知素子230は、
図3Bに示すように、絶縁コーティング210に直接取り付けられてもよい。例えば、感知素子230は、溶接又は接着によって絶縁コーティング210に取り付けられてもよい。絶縁された内部配線610が、穿刺デバイス110の長さに沿って延びていてもよい。代替的実施形態では、絶縁された内部配線610は、絶縁コーティング210(図示せず)の外側に取り付けられ、絶縁コーティング210の外側に沿って延びていてもよい。絶縁された内部配線610は、その近位端において穿刺デバイス110を出て、今度は発生器に接続している。感知素子230は、穿刺デバイス110の遠位部分240の幾何学的形状の変化を検出することが可能である。いくつかの実施形態では、感知素子230は、湾曲の内側又は外側部分上で遠位部分240に配置され、それにより、感知素子230は、遠位部分240の湾曲とともに屈曲又は歪曲する。一実施形態では、絶縁された内部配線610が、感知素子230からの信号を発生器に送達する。
【0029】
一実施形態では、感知素子230は、
図3A及び
図3Bに図示されるように、湾曲の内側部分に取り付けられるひずみゲージを含んでもよい。代替的実施形態では、ひずみゲージは、湾曲の外側部分上に配置されてもよい。当業者であれば、ひずみゲージの配置は、真っ直ぐな状態と湾曲した状態とでひずみゲージの読み取り値に差が生じるような、湾曲部分に沿った任意の場所であってよいことを理解するであろう。ひずみゲージは、遠位部分240の湾曲とともに歪曲する。ひずみゲージの歪曲により、ひずみゲージの電気抵抗が変化することになる。例えば、ひずみゲージが圧縮されると、抵抗が減少し、一方で、張力を受けると、抵抗が増加することになる。この抵抗の変化は、遠位部分がその拘束構成(すなわち、シース及び/又はダイレータの形状に適合している)にあるか、又はその非拘束構成(すなわち、その所定の形状)にあるかを判断するために使用される。ひずみゲージからの検出信号は、穿刺デバイス110へのエネルギーの送達を有効又は無効にするために使用され得る。例えば、測定結果は、基準ひずみを測定されたひずみと比較するアルゴリズムに実装することができる。基準ひずみは、穿刺デバイス110の遠位部分240が湾曲しているとき又は成形されたときのひずみゲージのひずみの量のように、非拘束状態でのひずみの測定値であってもよい。この測定は、製造中に行うことができる。次いで、アルゴリズムは、測定されたひずみをこの基準と比較して、遠位部分240が真っ直ぐである(すなわち、拘束されている)か、又は湾曲している(すなわち、拘束されていない)かを判断して、エネルギーの送達を有効又は無効にし得る。例えば、検出されたひずみが基準ひずみよりも正である(すなわち、抵抗の変化が正であり、ひずみゲージが張力を受けていることを意味する)場合、穿刺デバイス110の遠位部分240が真っ直ぐである又は拘束されていることに該当し、したがって、エネルギーの送達が有効になる。検出されたひずみが基準ひずみと同じである場合には、それは、穿刺デバイス110の遠位部分240が湾曲していること、又は拘束されていないことを示すことになる。発生器は、デバイスの現在のひずみが基準ひずみと等しいことを検出すると、穿刺デバイスへのエネルギーの送達を無効にするように構成されてもよい。
【0030】
穿刺デバイス110の拘束状態及び非拘束状態は、それぞれ、
図4A及び
図4Bに図示される。この実施形態では、穿刺デバイス110は、補助デバイスの管腔内に挿入されると、ダイレータ130によって拘束される。穿刺デバイス110の遠位部分240の可撓性により、通常、湾曲遠位部分240を、真っ直ぐにさせる。これにより、感知素子230も同様に真っ直ぐにされる。いくつかの実施形態では、穿刺デバイス110のこの構成(
図4Aに見られる)は、穿刺を行うために準備された状態である。感知素子230の構成は、穿刺デバイス110がエネルギーを電極220に送達するための位置にあることを示す。例えば、感知素子230がひずみゲージである場合、検出されるひずみは、基準ひずみより大きくなる(すなわち、検出されるひずみは、非拘束構成にある穿刺デバイスのものである)。発生器は、この情報を受信し、エネルギーの送達を有効にすることになる。いくつかの実施形態では、エネルギー送達は、ユーザによって開始されてもよい。例えば、発生器は、音、ユーザインターフェースプロンプト、光学アラート(すなわち、点灯)、又は任意の他のアラート手段を介して、エネルギー送達を開始するようにユーザにアラートしてもよい。代替的実施形態では、エネルギー送達は、自動的であってもよく、それにより、感知素子が拘束構成になると、エネルギーが送達される。穿刺が完了すると、穿刺デバイス110は、中隔内の孔を通して押し出され、左心房に進入する。穿刺デバイス110の遠位部分240は、ダイレータ130から押し出されて左心房に入る。穿刺デバイス110が左心房に入ると、遠位部分240は、拘束されなくなり、その元の形状に戻る(
図4B)。この遠位部分240の湾曲が、感知素子230を屈曲させる。感知素子230は、遠位部分の構成の変化を検出する。一実施形態では、検出された信号は、穿刺デバイス110が穿刺を完了したものと判断され、エネルギーの送達は停止される必要がある。例えば、感知素子230がひずみゲージである場合、検出されるひずみは、(デバイスが非拘束状態にあるときに得られる)基準ひずみにほぼ等しくなる。この状態を検出したことに応答して、発生器は、エネルギーの送達を無効にするように構成され得る。加えて、発生器は、ユーザにアラートし、エネルギー送達が無効にされたことをユーザに通知してもよい。このアラートは、音、ユーザインターフェースプロンプト、光学アラート(すなわち、光の消灯)、又は任意の他のアラート手段の形態であってもよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、感知素子230は、細長い部材250に沿って、遠位部分240より近位に配置されてもよい。一例として、感知素子230は、穿刺デバイス110が最適な穿刺位置にあるときに、感知素子230がダイレータ130の湾曲部分内に位置するように、細長い部材250に沿って配置されてもよい。この構成では、感知素子230は、直線構成(すなわち、感知素子230がダイレータの湾曲部より近位にあるとき)から湾曲構成(すなわち、感知素子230がダイレータの湾曲部内に含まれるとき)への変化を検出する。この実施形態では、感知素子230が直線構成のときは、エネルギーは電極220に送達されない。感知素子230が湾曲構成のときに、エネルギーは送達され得る。換言すれば、感知素子230がダイレータ130の湾曲部分内に位置しているときに(穿刺デバイス110が組織を穿刺するための最適位置にあるときに)、エネルギーが電極220に送達され、デバイス110が穿刺を行うことを可能にする。穿刺が完了すると、穿刺デバイス110を前進させてもよく、感知素子230は、湾曲構成(例えば、ダイレータ130の湾曲部分内に位置する)から直線構成(例えば、湾曲部分より遠位にあるダイレータ130の直線部分内に位置する)に移行し、これにより、エネルギーの送達が無効になる。代替的実施形態では、感知素子230は、直線構成にある間、エネルギーの送達を有効にするように構成されてもよい。この実施形態の一例として、感知素子230は、穿刺デバイス110が組織を穿刺するのに最適な位置にあるときに、感知素子230が、補助デバイス(例えば、ダイレータ130)の湾曲部分より近位にあり、エネルギーを組織に送達するために準備された直線形状にあるように、細長い部材250上に配置されてもよい。穿刺が完了すると、穿刺デバイス110は、ダイレータ130を通して前進され、ダイレータ130の湾曲部分に進入する。感知素子230は、湾曲構成においては、エネルギーの送達を無効にするように構成されている。換言すれば、感知素子230がダイレータ130の湾曲部分に到達すると、エネルギー送達が無効になる。いくつかの実施形態では、感知素子230は、穿刺デバイス110の絶縁層210の上に配置されてもよい。別の実施形態では、感知素子230は、穿刺デバイス110の絶縁層210の下に配置されてもよい。いくつかの実施形態では、感知素子230は、穿刺デバイスの内側部分に配置されてもよい。換言すれば、感知素子230は、ダイレータ130の湾曲部分によって拘束されると圧縮されることになる。代替的実施形態では、感知素子230は、ダイレータ130の湾曲部分によって拘束されると、張力を受けるように、穿刺デバイスの外側部分に配置されてもよい。
【0032】
前述のように、発生器から穿刺デバイスへのエネルギーの送達を制御するために、ソフトウェアアルゴリズムが実装されてもよい。アルゴリズムは、感知素子からの信号を使用して、遠位部分の幾何学的形状を判断してもよい。これが、今度は、エネルギーの送達を制御するために使用される。例えば、感知素子が遠位部分の湾曲部上に配置されたひずみゲージであった場合、感知素子は、前述のようにひずみ測定値を使用して、発生器に信号を送り、エネルギーの送達を有効又は無効にし得る。
【0033】
代替的実施形態では、発生器は、既知の電圧をひずみゲージに印加してもよい。ひずみゲージが歪曲すると、ひずみゲージの抵抗が変化することになり、最終的に、発生器に戻る電流が変化する。電流の基準値は、製造中に決定され、穿刺デバイスが拘束されていないときの値として設定されてもよい。この基準値は、穿刺が完了した後に穿刺デバイスが左心房に入ったことを示すことになる値であるため、エネルギーの送達を停止するために使用されることになる。例えば、ここで
図5を参照すると、発生器は、処置の間中、既知の電圧をひずみゲージに印加することになる(510)。ひずみゲージの既知の電圧及び抵抗を使用して、電気信号の電流を計算することができる(520)。アルゴリズムは、電気信号の電流を比較して、それが基準電流値(すなわち、拘束されていない湾曲遠位部分)と一致するかどうかを確認することができる(530)。ひずみゲージは、張力下に置かれると、抵抗が増加する。したがって、穿刺デバイスの遠位部分が拘束されているときには、拘束されていないときと比較して、電流は、減少することになる。したがって、測定された電流が基準電流値未満である場合、エネルギーの送達が有効になり(540)、測定された電流は比較され続ける(530)。測定された電流が電流基準値と一致する場合、エネルギーの送達が無効になり(550)、穿刺が完了し、穿刺デバイスが左心房に入ったことが信号送信される。当業者であれば、エネルギーの送達を制御するために、他の電気信号特性がアルゴリズムに使用及び実装され得ることを理解するであろう。
【0034】
あるいは、エネルギーの送達は、ハードウェア手段によって実装されてもよい。一実施形態では、感知素子は、穿刺デバイスへのエネルギーの送達を制御する、発生器内のスイッチを制御してもよい。いくつかの実施形態では、感知素子は、エネルギーの送達を制御するための電流ゲートスイッチを有し得る、ひずみゲージを含んでもよい。電流ゲートスイッチは、ひずみゲージの屈曲に応じてオン又はオフに切り替えることができる。例えば、ひずみゲージが屈曲する(すなわち、穿刺デバイスが拘束されていない)と、電流ゲートスイッチが切り替わり、エネルギーの送達が停止され得る。
【0035】
前述のように、穿刺デバイス110は、電極220を遠位先端部に備え、この遠位先端部は、組織を穿刺するようエネルギーを送達するために使用され得る。穿刺デバイス110は、細長い部材250を更に備え、この細長い部材250は、(
図6A及び
図6Bに示されるように)遠位部分240においてテーパ270を有する。コイル260は、遠位部分240に支持を提供するために使用される。本発明の代替的実施形態では、コイル260及び細長い部材250は、導電性材料から構成されてもよく、絶縁性の層210がデバイスに適用される。非拘束状態では、
図6Aに示されるように、コイル260及び細長い部材250は、互いに接触していない。しかしながら、拘束状態では、
図6Bに図示されるように、細長い部材250は、ねじれる傾向があり、それによって、コイル260と細長い部材250との間の接触がもたらされる可能性がある。いくつかの実施形態では、コイル260は、穿刺デバイス110が拘束される(すなわち、細長い部材250がねじれる)と、コイル260と細長い部材250との間の接触によってエネルギーが送達されるように、発生器に接続されてもよい。したがって、エネルギーは、発生器からコイル260に送達されることになり、それが、次いで、細長い部材250に送達され、最終的に、遠位先端部にある電極220に送達されることになる。穿刺が完了すると、穿刺デバイス110が、押し出されて、非拘束状態になり(
図6A)、この場合、細長い部材250とコイル260は、接触しなくなる。それによって、電極220へのエネルギー送達を停止する。
【0036】
本発明の代替的実施形態では、穿刺デバイス110は、エネルギーを送達して組織を穿刺するように構成された遠位先端部に電極220を備える。いくつかの実施形態では、エネルギーは、導電性ワイヤを介して電極220に送達されてもよい。いくつかの実施形態では、導電性ワイヤは、絶縁ワイヤ610であってもよい。絶縁ワイヤ610は、湾曲遠位部分240の外側に沿って延びるように、穿刺デバイス110上に配置されてもよい。すなわち、穿刺デバイス110が拘束されていないときには、絶縁ワイヤ610は、張力下にあることになる。絶縁ワイヤ610は、2つの別個の部分、すなわち、遠位部分及び近位部分から構成されてもよい。絶縁ワイヤ610は、湾曲遠位部分240が、補助デバイス(例えば、ダイレータ130)によって拘束されると、絶縁ワイヤ610の2つの別個の部分が互いに接触して、エネルギーの送達を可能にするように、穿刺デバイス110に沿って配置され得る。換言すれば、穿刺デバイス110が、穿刺のために準備された位置又は最適な位置にあるとき、穿刺デバイスの湾曲遠位部分240は、真っ直ぐになる。湾曲遠位部分240を真っ直ぐにすることにより、絶縁ワイヤ610の遠位部分及び近位部分が共に圧縮され、それによってエネルギー送達が可能になる。穿刺が完了すると、穿刺デバイス110が、ダイレータ130の外に前進され、それにより、湾曲遠位部分240は、拘束されなくなり、湾曲遠位部分240の湾曲構成に戻る。その結果、絶縁ワイヤ610の遠位部分と近位部分とは、湾曲遠位部分240の外周の遠位部が引き伸ばされるために、互いに引き離される。したがって、回路が遮断され、エネルギー送達が無効になる。
【0037】
更なる実施例
実施例1
組織に穿刺部を作り出すように構成された穿刺デバイスであって、穿刺デバイスは、
細長い部材であって、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む、細長い部材と、
長手方向軸から離れるように湾曲している細長い部材の可撓性遠位部分と、
組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、
遠位部分の湾曲を検出するように、細長い部材の可撓性遠位部分上に配置されている感知素子と、を備え、
細長い部材の可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、エネルギーが遠位先端部に送達され、細長い部材の可撓性遠位部分が湾曲すると、エネルギーが遠位先端部に送達されない、穿刺デバイス。
【0038】
実施例2
感知素子が、ひずみゲージである、実施例1に記載の穿刺デバイス。
実施例3
細長い部材が、導電性材料から構成されている、実施例1に記載の穿刺デバイス。
【0039】
実施例4
細長い部材が、導電性材料の上に絶縁性の層を含む、実施例3に記載の穿刺デバイス。
実施例5
感知素子が、絶縁性の層の上に配置されている、実施例4に記載の穿刺デバイス。
【0040】
実施例6
感知素子が、絶縁性の層の下に配置されている、実施例4に記載の穿刺デバイス。
実施例7
感知素子が、湾曲したときに圧縮される可撓性遠位部分の内側部分上に配置されている、実施例1に記載の穿刺デバイス。
【0041】
実施例8
感知素子が、湾曲したときに張力を受ける可撓性遠位部分の外側部分上に配置されている、実施例1に記載の穿刺デバイス。
【0042】
実施例9
穿刺デバイスが、ガイドワイヤである、実施例1に記載の穿刺デバイス。
実施例10
ガイドワイヤが、J型先端ガイドワイヤである、実施例9に記載の穿刺デバイス。
【0043】
実施例11
ガイドワイヤが、ピッグテールガイドワイヤである、実施例9に記載の穿刺デバイス。
実施例12
組織に穿刺部を作り出すように構成された穿刺デバイスであって、穿刺デバイスは、
導電性コアワイヤから構成された細長い部材であって、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む、細長い部材と、
長手方向軸から離れるように湾曲している細長い部材の可撓性遠位部分であって、
導電性コアワイヤを取り囲んでいる導電性コイルを含む、可撓性遠位部分と、
組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、を備え、
細長い部材の可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、導電性コイルが導電性コアワイヤに接触して、遠位先端部へのエネルギー送達を有効にし、細長い部材の可撓性遠位部分が湾曲すると、導電性コイルが導電性コアワイヤに接触せず、遠位先端部へのエネルギー送達を無効にする、穿刺デバイス。
【0044】
実施例13
組織を穿刺するための穿刺アセンブリであって、穿刺アセンブリは、
細長い部材を備える穿刺デバイスであって、細長い部材が、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を有し、
長手方向軸から離れるように湾曲している細長い部材の可撓性遠位部分と、可撓性遠位部分の湾曲を検出するように、細長い部材の可撓性遠位部分上に配置されている感知素子と、を更に備え、
可撓性遠位部分が、組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部で終端している、穿刺デバイスと、
穿刺デバイスを受け入れるように構成された管腔を備える支持部材と、を備え、
可撓性遠位部分が、支持部材の管腔内に受け入れられると、真っ直ぐな構成に拘束される、穿刺アセンブリ。
【0045】
実施例14
可撓性遠位部分が支持部材内に拘束されているときに、エネルギー送達が有効になり、可撓性遠位部分が拘束されていないときに、エネルギー送達が無効になる、実施例13に記載の穿刺アセンブリ。
【0046】
実施例15
支持部材が、ダイレータを含む、実施例13に記載の穿刺アセンブリ。
実施例16
穿刺デバイスが、穿刺ガイドワイヤを含む、実施例13に記載の穿刺アセンブリ。
【0047】
実施例17
穿刺ガイドワイヤが、J型先端ガイドワイヤを含む、実施例16に記載の穿刺アセンブリ。
【0048】
実施例18
穿刺ガイドワイヤが、ピッグテールガイドワイヤを含む、実施例16に記載の穿刺アセンブリ。
【0049】
実施例19
感知素子が、ひずみゲージである、実施例13に記載の穿刺アセンブリ。
実施例20
細長い部材が、導電性材料から構成されている、実施例13に記載の穿刺デバイス。
【0050】
実施例21
細長い部材が、導電性材料の上に絶縁性の層を含む、実施例20に記載の穿刺デバイス。
【0051】
実施例22
感知素子が、絶縁性の層の上に配置されている、実施例21に記載の穿刺デバイス。
実施例23
感知素子が、絶縁性の層の下に配置されている、実施例21に記載の穿刺デバイス。
【0052】
実施例24
感知素子が、湾曲したときに圧縮される可撓性遠位部分の内側部分上に配置されている、実施例13に記載の穿刺デバイス。
【0053】
実施例25
感知素子が、湾曲したときに張力を受ける可撓性遠位部分の外側部分上に配置されている、実施例13に記載の穿刺デバイス。
【0054】
実施例26
支持部材の管腔内に収容された穿刺デバイスを備える穿刺アセンブリを使用して、心臓の中隔を穿刺するための方法であって、
(i)患者の血管系へのアクセスを得る工程と、
(ii)エネルギーを送達するように構成された穿刺デバイスの遠位先端部を支持部材の遠位先端部の外側に露出させる一方で、穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分が支持部材の管腔内に拘束されたままになるように、穿刺アセンブリを中隔の標的位置まで前進させる工程であって、
穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分が、遠位部分の湾曲を検出するための感知素子を備える、工程と、
(iii)標的位置に穿刺部を作り出すように、穿刺デバイスの遠位先端部にエネルギーを送達する工程と、
(iv)穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分が、支持部材の管腔内に拘束されなくなるように、穿刺デバイスを前進させる工程であって、
それによって、感知素子が、穿刺デバイスの可撓性湾曲遠位部分の非拘束下での湾曲を検出し、穿刺デバイスの遠位先端部へのエネルギーの送達を無効にする、工程と、を含む、方法。
【0055】
実施例27
標的組織を穿刺するためのアセンブリであって、アセンブリは、
穿刺デバイスであって、
細長い部材と、
標的組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、
細長い部材上に配置された感知素子と、
を備える穿刺デバイスと、
支持部材であって、
支持部材近位部分及び支持部材遠位部分であって、その間に延びている、穿刺デバイスを受け入れるように構成された管腔を有し、
支持部材遠位部分が、湾曲部分と、湾曲遠位部分より遠位にある直線部分と、を含む、支持部材近位部分及び支持部材遠位部分と、
直線部分において開放遠位端と、
を含む支持部材と、を備え、
穿刺デバイスが支持部材に挿入されると、穿刺デバイスが支持部材遠位部分を通して前進するにつれて、感知素子が、穿刺デバイスの湾曲の変化を検出する、
アセンブリ。
【0056】
実施例28
感知素子が、穿刺デバイスの遠位先端部が支持部材の開放遠位端から突出したときに、感知素子が支持部材の湾曲部分内に位置するように、細長い部材上に配置されている、実施例27に記載のアセンブリ。
【0057】
実施例29
感知素子が、支持部材の湾曲部分内に拘束されているときに、エネルギー送達を有効にし、湾曲部分によって拘束されていないときに、エネルギー送達を無効にするように構成されている、実施例28に記載のアセンブリ。
【0058】
実施例30
感知素子が、穿刺デバイスの遠位先端部が支持部材の開放遠位端から突出したときに、感知素子が支持部材の湾曲部分より近位に位置するように、細長い部材上に配置されている、実施例27に記載のアセンブリ。
【0059】
実施例31
感知素子が、湾曲部分によって拘束されていないときに、エネルギー送達を有効にし、湾曲部分によって拘束されているときに、エネルギー送達を無効にするように構成されている、実施例30に記載のアセンブリ。
【0060】
実施例32
支持部材が、ダイレータである、実施例27~31のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0061】
実施例33
感知素子が、穿刺デバイスの絶縁性の層の下に配置されている、実施例27~32のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0062】
実施例34
感知素子が、穿刺デバイスの絶縁性の層の上に配置されている、実施例27~32のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0063】
実施例35
感知素子が、湾曲部分によって湾曲されると張力を受けるように、穿刺デバイスの外側部分に配置されている、実施例27~34のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0064】
実施例36
感知素子が、湾曲部分によって湾曲されると圧縮されるように、穿刺デバイスの内側部分に配置されている、実施例27~34のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0065】
実施例37
穿刺デバイスが、可撓性J型先端ガイドワイヤである、実施例27~36のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0066】
実施例38
穿刺デバイスが、可撓性ピッグテールガイドワイヤである、実施例27~36のいずれか1つに記載のアセンブリ。
【0067】
実施例39
標的組織を穿刺するための穿刺デバイスであって、穿刺デバイスは、
細長い部材であって、細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む、細長い部材と、
長手方向軸から離れるように湾曲している細長い部材の可撓性遠位部分と、
組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、
細長い部材の近位部分に沿って延びている第1の導電性ワイヤであって、可撓性遠位部分に沿ってある一定の距離で終端している、第1の導電性ワイヤと、
遠位先端部に結合された第2の導電性ワイヤであって、第1の導電性ワイヤより遠位で終端している、第2の導電性ワイヤと、を備え、
第1の導電性ワイヤ及び第2の導電性ワイヤが、可撓性遠位部分の外縁に沿って配置されており、
それにより、可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、第1の導電性ワイヤが第2の導電性ワイヤに接触することによって、エネルギー送達が有効になり、また、
それにより、可撓性遠位部分が湾曲すると、第1の導電性ワイヤが第2の導電性ワイヤに接触せず、それによってエネルギー送達が無効になる、穿刺デバイス。
【0068】
上述の本発明の実施形態は、例示のみを意図している。それゆえ、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されることが意図されている。
明確化のために別個の実施形態の文脈で説明されている、本発明の特定の特徴はまた、単一の実施形態において組み合わせて提供することもできる点が理解されよう。逆に、簡略化のために単一の実施形態の文脈で説明されている、本発明の様々な特徴もまた、別個に、又は任意の好適な部分的組み合わせで提供することができる。
【0069】
本発明を、その特定の実施形態に関連して説明してきたが、多くの代替形態、修正形態、及び変形形態が当業者には明らかとなる点が明白である。したがって、添付の特許請求の範囲の広義の範囲内に収まる、全てのそのような代替形態、修正形態、及び変形形態を包含することが意図されている。本明細書で言及される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、個別の刊行物、特許、又は特許出願のそれぞれが、具体的かつ個別に、参照により本明細書に組み込まれるように示された場合と同程度に、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。更には、本出願における、いずれの参考文献の引用又は特定も、そのような参考文献が本発明に対する先行技術として利用可能であることの承認として解釈されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織に穿刺部を作り出すように構成された穿刺デバイスであって、前記穿刺デバイスは、
細長い部材であって、前記細長い部材の長さに沿って長手方向軸を画定している近位部分を含む、細長い部材と、
前記長手方向軸から離れるように湾曲している前記細長い部材の可撓性遠位部分と、
前記組織にエネルギーを送達するように構成された遠位先端部と、
前記遠位部分の湾曲を検出するように、前記細長い部材の前記可撓性遠位部分上に配置されている感知素子と、
を備える、穿刺デバイス。
【請求項2】
前記細長い部材の前記可撓性遠位部分が真っ直ぐになると、エネルギーが前記遠位先端部に送達され、前記細長い部材の前記可撓性遠位部分が湾曲すると、エネルギーが前記遠位先端部に送達されない、請求項1に記載の穿刺デバイス。
【請求項3】
前記感知素子が、ひずみゲージである、請求項1又は2に記載の穿刺デバイス。
【請求項4】
前記細長い部材が、導電性材料から構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の穿刺デバイス。
【請求項5】
前記細長い部材が、前記導電性材料の上に絶縁性の層を含む、請求項4に記載の穿刺デバイス。
【請求項6】
前記感知素子が、前記絶縁性の層の上に配置されている、請求項5に記載の穿刺デバイス。
【請求項7】
前記感知素子が、前記絶縁性の層の下に配置されている、請求項5に記載の穿刺デバイス。
【請求項8】
前記感知素子が、湾曲したときに圧縮される前記可撓性遠位部分の内側部分上に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の穿刺デバイス。
【請求項9】
前記感知素子が、湾曲したときに張力を受ける前記可撓性遠位部分の外側部分上に配置されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の穿刺デバイス。
【請求項10】
前記細長い部材が、ガイドワイヤ、J型先端ガイドワイヤ、又はピッグテールガイドワイヤである、請求項1~9のいずれか一項に記載の穿刺デバイス。
【請求項11】
前記細長い部材を受け入れるように構成された管腔を含む支持部材を更に備え、
前記可撓性遠位部分が、前記支持部材の前記管腔内に受け入れられると、真っ直ぐな構成に拘束される、請求項1~10のいずれか一項に記載の穿刺デバイス。
【請求項12】
前記可撓性遠位部分が前記支持部材内に拘束されているときに、前記遠位先端部へのエネルギー送達が有効になり、前記可撓性遠位部分が拘束されていないときに、前記遠位先端部へのエネルギー送達が無効になる、請求項11に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項13】
前記支持部材が、ダイレータを含む、請求項11又は12に記載の穿刺アセンブリ。
【請求項14】
前記支持部材が、湾曲部分と、前記湾曲部分より遠位にある直線部分とを含む遠位部分を含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の穿刺デバイス。
【請求項15】
前記細長い部材が、コイルを含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の穿刺デバイス。
【国際調査報告】