IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コヴィディエン リミテッド パートナーシップの特許一覧

特表2023-546164外科用ステープル留め装置のためのアンビルバットレスの取り付け
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】外科用ステープル留め装置のためのアンビルバットレスの取り付け
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523550
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 US2021055376
(87)【国際公開番号】W WO2022086842
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】17/073,545
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アブラメク, パヴェル
(72)【発明者】
【氏名】カッポラ, ケネス エム.
(72)【発明者】
【氏名】チョワニク, マシュー ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】フェルナンデス, ロアニット
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC23
4C160CC29
(57)【要約】
アンビルバットレス装填システムは、アンビルアセンブリと、アンビルバットレス装填ツールと、アンビルバットレスと、を含む。アンビルバットレスは、アンビルバットレス装填ツール及びアンビルバットレスの各々で保持可能であり、アンビルバットレス装填ツールからアンビルアセンブリまで移送可能である。アンビルアセンブリは、アンビルプレートと、アンビル先端と、を含む。アンビルプレートは、内部に複数のステープル形成ポケットを画定する組織対向面を有し、組織対向面の近位端部分は、フックアセンブリを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンビルバットレス装填システムであって、
アンビルプレート及びアンビル先端を含む、アンビルアセンブリであって、前記アンビルプレートが、内部に複数のステープル形成ポケットを画定する組織対向面を有し、前記組織対向面の近位端部分が、フックアセンブリを含む、アンビルアセンブリと、
内部にキャビティを画定するキャリアを含むアンビルバットレス装填ツールであって、前記キャリアが、支持面を有し、前記キャリアの近位端部分が、一対の近位突起を含み、前記キャリアの遠位端部分が、遠位突起を含む、アンビルバットレス装填ツールと、
本体と、前記本体から近位に延在する一対の近位タブと、前記本体から遠位に延在する遠位タブと、を含む、アンビルバットレスと、を備え、
前記アンビルバットレスの前記本体は、前記一対の近位タブが前記一対の近位突起と係合し、前記遠位タブが前記遠位突起と係合して、前記アンビルバットレスをアンビルバットレス装填ユニットに保持するために、前記アンビルバットレス装填ツールの前記支持面に位置決め可能であり、
前記アンビルバットレスの前記本体が、前記アンビルアセンブリの前記組織対向面に位置決め可能であり、前記本体の近位端部分が前記フックアセンブリと係合し、遠位端部分が前記アンビル先端と係合して、前記アンビルバットレスを前記アンビルアセンブリ上で保持し、
前記アンビルバットレスが、前記アンビルバットレス装填ツールから前記アンビルアセンブリまで移送可能である、アンビルバットレス装填システム。
【請求項2】
前記アンビルアセンブリの前記フックアセンブリが、前記組織対向面を通して画定された中央長手方向スロットの両側に配設された一対のフックを含み、各フックが、前記組織対向面にアンカーされた第1の端部と、そこから延在するフィンガを含む第2の端部アームと、を含む、請求項1に記載のアンビルバットレス装填システム。
【請求項3】
前記アームの前記第1の端部が、その近位端で前記組織対向面にアンカーされ、前記第2の端部が、その遠位に配設される、請求項2に記載のアンビルバットレス装填システム。
【請求項4】
前記フィンガの末端部が、前記アンビルアセンブリの前記組織対向面に対して付勢されて、前記組織対向面に対して移動可能である、請求項2に記載のアンビルバットレス装填システム。
【請求項5】
前記アンビルバットレスが、前記本体の前記近位端部分に画定された近位窓を有し、前記近位窓が、そこを通して前記一対のフックの前記フィンガを受容するように構成されている、請求項2に記載のアンビルバットレス装填システム。
【請求項6】
前記アンビルバットレスが、前記アンビルバットレスの遠位端部分を通して画定された遠位窓を含み、前記遠位窓が、そこを通して前記アンビル先端を受容するように構成されている、請求項1に記載のアンビルバットレス装填システム。
【請求項7】
前記アンビルバットレス装填ツールの前記キャリアが、前記支持面の両側から延在する長手方向レールを含み、前記アンビルアセンブリが、前記長手方向レールの間で位置決め可能であり、前記組織対向面が、前記支持面に隣接する、請求項1に記載のアンビルバットレス装填システム。
【請求項8】
前記アンビルバットレス装填ツールの前記キャリアが、前記長手方向レールの遠位端を横断し、かつ前記キャビティへの遠位開口部を画定する前記支持面の上に延在する、横方向レールを含む、請求項7に記載のアンビルバットレス装填システム。
【請求項9】
アンビルバットレス装填アセンブリであって、
内部にキャビティを画定するキャリアを含むアンビルバットレス装填ツールであって、前記キャリアが、支持面を有し、前記キャリアの近位端部分が、一対の近位突起を含み、前記キャリアの遠位端部分が、遠位突起を含む、アンビルバットレス装填ツールと、
本体と、前記本体から近位に延在する一対の近位タブと、前記本体から遠位に延在する遠位タブと、を含む、アンビルバットレスと、を備え、
前記アンビルバットレスの前記本体が、前記支持面に位置決めされ、前記一対の近位タブが、前記一対の近位突起と係合され、前記遠位タブが、前記遠位突起と係合される、アンビルバットレス装填アセンブリ。
【請求項10】
前記アンビルバットレス装填ツールの前記キャリアが、前記支持面の両側から延在する長手方向レールを含む、請求項9に記載のアンビルバットレス装填アセンブリ。
【請求項11】
複数の軸方向に離間され、かつ対向するタブが、前記長手方向レールから、かつ前記支持面の上に延在する、請求項10に記載のアンビルバットレス装填アセンブリ。
【請求項12】
前記アンビルバットレス装填ツールの前記キャリアが、前記長手方向レールの遠位端を横断し、かつ前記キャビティへの遠位開口部を画定する支持面の上に延在する横方向レールを含む、請求項10に記載のアンビルバットレス装填アセンブリ。
【請求項13】
前記遠位突起が、前記横方向レールから延在する、請求項12に記載のアンビルバットレス装填アセンブリ。
【請求項14】
前記アンビルバットレスが、前記本体の遠位端部分を通して画定された遠位窓を含み、前記遠位窓が、前記キャリアの前記遠位開口部と整列される、請求項12に記載のアンビルバットレス装填アセンブリ。
【請求項15】
装填ユニットであって、
ステープルカートリッジアセンブリと、
アンビルプレート及びアンビル先端を含むアンビルアセンブリであって、前記アンビルプレートが、内部に複数のステープル形成ポケットを画定する組織対向面を有し、前記組織対向面の近位端部分が、フックアセンブリを含む、アンビルアセンブリと、
前記フックアセンブリによって前記アンビルアセンブリに着脱可能に結合された近位端部分を有する本体を含む、アンビルバットレスと、を備える、装填ユニット。
【請求項16】
前記フックアセンブリが、前記アンビルアセンブリの前記組織対向面を通して画定された中央長手方向スロットの両側に配設された一対のフックを含み、各フックが、前記組織対向面にアンカーされた第1の端部と、そこから延在するフィンガを含む第2の端部と、を有する、アームを有する、請求項15に記載の装填ユニット。
【請求項17】
前記アームの前記第1の端部が、その近位端で前記組織対向面にアンカーされ、前記第2の端部が、その遠位に配設される、請求項16に記載の装填ユニット。
【請求項18】
前記フィンガの末端部が、前記アンビルアセンブリの前記組織対向面に対して付勢されて、前記組織対向面に対して移動可能である、請求項16に記載の装填ユニット。
【請求項19】
前記アンビルバットレスが、前記本体の前記近位端部分に画定された近位窓を有し、前記一対のフックの前記フィンガが、前記近位窓を通って延在して前記組織対向面に対して位置決めされる、請求項16に記載の装填ユニット。
【請求項20】
前記アンビルバットレスが、前記本体の遠位端部分を通して画定された遠位窓を含み、前記遠位窓が前記アンビル先端の周りに結合することによって、前記アンビルバットレスの前記遠位端部が、前記アンビルアセンブリに係合される、請求項15に記載の装填ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年10月19日に出願された米国特許出願第17/073,545号の利益及びそれに対する優先権を主張するものであり、その全容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本出願は、概して、外科用ステープル留め装置に関するものであり、より具体的には、アンビルバットレス、アンビルバットレス取り付けアセンブリを含むアンビルアセンブリ、及び外科用ステープル留め装置にアンビルバットレスを解放可能に固定するためのアンビルバットレス装填ツールに関するものである。
【背景技術】
【0003】
外科用ステープル留め装置は、身体組織セグメントを一緒に接合する目的で、1列以上のファスナ、例えば、ステープル又は2部品型ファスナを身体組織に順次に又は同時に適用するために、外科医によって用いられる。そのような装置は、概して、その間に接合されるべき身体組織が配置される一対のジョー又はフィンガ状構造を含む。外科用ステープル留め装置を作動又は「発射」させたときに、長手方向に移動する発射バーが、ジョーのうちの1つのステープル駆動部材に接触する。ステープル駆動部材は、外科用ステープルに身体組織を通過させて、ステープルを形成する反対側のジョーのアンビルの中へ押し込む。身体組織を除去又は分離する場合は、装置のジョー内にナイフブレードを提供して、ステープルのラインの間で身体組織を切断することができる。
【0004】
外科用支持体、例えば、メッシュ又はバットレス材料が、患者内の組織欠損を埋める、再建、及び/又は補強するために、外科用ステープル留め装置と組み合わせて使用され得る。臨床医は、外科処置中に手術室内で外科用ステープル留め装置にバットレス材料を手動で取り付け得るか、又は、例えば、高価な自動化された取り付けプロセスによって、そこに予め挿入されたバットレス材料を含む外科用ステープル留め装置を利用し得る。バットレス材料は、ステープル又は縫合線を補強し、並びに組織の接合部を覆って、治癒前の漏出を低減する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、外科用ステープル留め装置の装填ユニットへのアンビル側バットレス材料の取り付けに関する。アンビルバットレス、アンビルバットレス取り付けアセンブリを含むアンビルアセンブリ、及びアンビルバットレス装填ツールは、手術室内でのアンビルバットレスの取り付けを、単純で、容易で、かつコスト効率的な処置にするように設計されている。例えば、アンビルバットレス、アンビルアセンブリ、及びアンビルバットレス装填ツールは、アンビルアセンブリ又はアンビルバットレス装填ツールのいずれかにアンビルバットレスを機械的に係合させるように、及びアンビルバットレスが装填されたアンビルバットレス装填ツールをアンビルアセンブリの上へ、及びその外へ摺動させることによって、アンビルバットレスをアンビルバットレス装填ツールからアンビルアセンブリに移送するように構成されている。かかる構成は、例えば接着剤の使用を必要とする取り付けシステムと比較して、アンビルバットレスを伴う外科用ステープル留め装置を使用するために必要とされる構成要素の数及び/又は組み立てステップを低減し、それによって、外科用ステープル留め装置のセットアップ及び/又は使用を簡略化し、かつユーザに対する時間及び/又はコストを低減する。別の実施例として、アンビルバットレス装填ツールは、(例えば、製造業者によって、又は手術室内で使用前に)アンビルバットレスによって予め装填され得、それにより、ユーザは、装填ツールを介してアンビルアセンブリにアンビルバットレスを装填することしか必要とせず、これもまた、外科用ステープル留め装置のセットアップ及び/又は使用を簡略化し、かつ外科処置の時間及び/又はコストを低減する。
【0006】
一態様では、本開示は、アンビルアセンブリと、アンビルバットレス装填ツールと、アンビルバットレスと、を含む、アンビルバットレス装填システムを提供する。アンビルアセンブリは、アンビルプレートと、アンビル先端と、を含む。アンビルプレートは、内部に複数のステープル形成ポケットを画定する組織対向面を有し、組織対向面の近位端部分は、フックアセンブリを含む。アンビルバットレス装填ツールは、内部にキャビティを画定するキャリアを含む。キャリアは、支持面を有し、キャリアの近位端部分が、一対の近位突起を含み、キャリアの遠位端部分が、遠位突起を含む。アンビルバットレスは、本体と、本体から近位に延在する一対の近位タブと、本体から遠位に延在する遠位タブと、を含む。アンビルバットレスの本体は、一対の近位タブが一対の近位突起と係合し、遠位タブが遠位突起と係合して、アンビルバットレスをアンビルバットレス装填ユニット上で保持するように、アンビルバットレス装填ツールの支持面に位置決め可能である。アンビルバットレスの本体は、アンビルアセンブリの組織対向面に位置決め可能であり、本体の近位端部分がフックアセンブリと係合し、遠位端部分がアンビル先端と係合して、アンビルバットレスをアンビルアセンブリ上で保持する。アンビルバットレスは、アンビルバットレス装填ツールからアンビルアセンブリまで移送可能である。
【0007】
アンビルアセンブリのフックアセンブリは、組織対向面を通して画定された中央長手方向スロットの両側に配設された一対のフックを含み得る。各フックは、組織対向面にアンカーされた第1の端部と、そこから延在するフィンガを含む第2の端部と、を有する、アームを含み得る。アームの第1の端部は、その近位端で組織対向面にアンカーされ得、アームの第2の端部は、その遠位に配設され得る。フィンガの末端部は、アンビルアセンブリの組織対向面に対して付勢されて、組織対向面に対して移動可能であり得る。
【0008】
アンビルバットレスは、本体の近位端部分に画定された近位窓を有し得る。近位窓は、そこを通して一対のフックのフィンガを受容するように構成され得る。アンビルバットレスは、アンビルバットレスの遠位端部分を通して画定された遠位窓を有し得る。遠位窓は、そこを通してアンビル先端を受容するように構成され得る。
【0009】
アンビルバットレス装填ツールのキャリアは、支持面の両側から延在する長手方向レールを含み得る。アンビルアセンブリは、長手方向レールの間で位置決め可能であり得、組織対向面は、支持面に隣接する。アンビルバットレス装填ツールのキャリアは、長手方向レールの遠位端を横断し、かつキャビティへの遠位開口部を画定する支持面の上に延在する横方向レールを含み得る。
【0010】
別の態様では、本開示は、アンビルバットレス装填ツールと、アンビルバットレスと、を含む、アンビルバットレス装填アセンブリを提供する。アンビルバットレス装填ツールは、内部にキャビティを画定するキャリアを含む。キャリアは、支持面を有し、キャリアの近位端部分が、一対の近位突起を含み、キャリアの遠位端部分が、遠位突起を含む。アンビルバットレスは、本体と、本体から近位に延在する一対の近位タブと、本体から遠位に延在する遠位タブと、を含む。アンビルバットレスの本体は、支持面に位置決めされ、一対の近位タブは、一対の近位突起と係合され、遠位タブは、遠位突起と係合される。
【0011】
アンビルバットレス装填ツールのキャリアは、支持面の両側から延在する長手方向レールを含み得る。複数の軸方向に離間され、かつ対向するタブは、長手方向レールから、及び支持面の上に延在し得る。アンビルバットレス装填ツールのキャリアは、長手方向レールの遠位端を横断し、かつキャビティへの遠位開口部を画定する支持面の上に延在する横方向レールを含み得る。遠位突起は、横方向レールから延在し得る。アンビルバットレスは、本体の遠位端部分を通して画定された遠位窓を含み得、遠位窓は、キャリアの遠位開口部と整列される。
【0012】
更に別の態様では、本開示は、ステープルカートリッジアセンブリと、アンビルアセンブリと、アンビルバットレスと、を含む、装填ユニットを提供する。アンビルアセンブリは、アンビルプレートと、アンビル先端と、を含む。アンビルプレートは、内部に複数のステープル形成ポケットを画定する組織対向面を有し、組織対向面の近位端部分がフックアセンブリを含む。アンビルバットレスは、フックアセンブリによってアンビルアセンブリに着脱可能に結合された近位端部分を有する本体を含む。
【0013】
フックアセンブリは、アンビルアセンブリの組織対向面を通して画定された中央長手方向スロットの両側に配設された一対のフックを含み得る。各フックは、組織対向面にアンカーされた第1の端部と、そこから延在するフィンガを含む第2の端部と、を有する、アームを有し得る。アームの第1の端部は、その近位端で組織対向面にアンカーされ得、アームの第2の端部は、その遠位に配設され得る。フィンガの末端部は、アンビルアセンブリの組織対向面に対して付勢されて、組織対向面に対して移動可能であり得る。
【0014】
アンビルバットレスは、本体の近位端部分に画定された近位窓を有し得、一対のフックのフィンガが近位窓を通って延在して組織対向面に対して位置決めされる。アンビルバットレスは、本体の遠位端部分を通して画定された遠位窓を有し得、アンビルバットレスの遠位端部分は、アンビル先端の周りに遠位窓が係合することによって、アンビルアセンブリに係合される。
【0015】
本開示の1つ以上の態様の詳細は、付随する図面及び以下の記述において説明される。本開示に記載されている他の態様、並びに態様の特徴、目的、及び利点は、本明細書及び図面から、並びに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本開示の一態様による、外科用ステープル留め装置の斜視図である。
【0017】
図2図1の外科用ステープル留め装置のツールアセンブリの分解斜視図である。
【0018】
図3図2のツールアセンブリのアンビルアセンブリの底面斜視図である。
【0019】
図4】本開示の一態様による、アンビルバットレスを装填したアンビルバットレス装填ツールの斜視図である。
【0020】
図5】部品を分離させた、図3のアンビルアセンブリ及び図4のアンビルバットレス装填ツールの斜視図である。
【0021】
図6図5のアンビルバットレス装填ツール内に前進させた、図5のアンビルアセンブリの斜視図である。
【0022】
図7図6の切断線7-7に沿って切断した、図6のアンビルアセンブリ及びアンビルバットレス装填ツールの断面図である。
【0023】
図8】アンビルアセンブリのフックアセンブリがアンビルバットレスと係合した状態を示す、図7のアンビルアセンブリの近位部分及びアンビルバットレス装填ツールの拡大図である。
【0024】
図9】アンビルバットレスが装填された、図6のアンビルアセンブリの底面斜視図である。
【0025】
図10】アンビルアセンブリのフックアセンブリが、アンビルバットレスを通して画定された近位窓と係合した状態を示す、図9のアンビルアセンブリの近位部分及びアンビルバットレスの拡大図である。
【0026】
図11】本開示の一態様による、アンビル先端、及びアンビルバットレスが装填されたアンビルアセンブリ、及びアンビル装填ツールの、部品を分離させた斜視図である。
【0027】
図12】部品を分離させた、図11のアンビル装填ツール、アンビル先端、及びアンビルバットレスの斜視図である。
【0028】
図13図11の切断線13-13に沿って切断した、図11のアンビルバットレス装填ツールの断面図である。
【0029】
図14図11のアンビルアセンブリの近位端部分の底面斜視図である。
【0030】
図15図11のアンビル先端の上面斜視図である。
【0031】
図16図11のアンビルバットレス装填ツールの遠位端部分の拡大図である。
【0032】
図17図16の切断線17-17に沿って切断した、図16のアンビルバットレス装填ツールの断面図である。
【0033】
図18図11のアンビルバットレス装填ツール内に前進させた、図11のアンビルアセンブリの斜視図である。
【0034】
図19図18のアンビルアセンブリ及びアンビルバットレス装填ツールの底面斜視図である。
【0035】
図20】アンビルバットレス装填ツールのリテーナがアンビルプレートから除去された状態を示す、図18のアンビルアセンブリ及びアンビルバットレス装填ツールの斜視図である。
【0036】
図21】アンビルバットレスが装填された、図20のアンビルアセンブリの底面斜視図である。
【0037】
図22図21の切断線22-22に沿って切断した、図21のアンビルアセンブリの遠位端部分の断面図である。
【0038】
図23】外科用ステープル留め装置の発射ストローク中の、図21のアンビルアセンブリ及びアンビルバットレスを含む、図1の外科用ステープル留め装置の断面図である。
【0039】
図24図21のアンビルアセンブリの遠位端部分の上面図である。
【0040】
図25】本開示の別の態様による、アンビルアセンブリの、部品を分離させた斜視図である。
【0041】
図26図25のアンビルアセンブリ、及びアンビルバットレスの、部品を分離させた、底面斜視図である。
【0042】
図27】アンビルアセンブリに装填された、図26のアンビルバットレスの底面斜視図である。
【0043】
図28】アンビルアセンブリ内に配設されたばねアセンブリを例示する、カバープレートが除去された状態の図25のアンビルアセンブリの上面斜視図である。
【0044】
図29】ばねアセンブリがクランプ解除位置に配設された状態を示す、図28のアンビルアセンブリの断面図である。
【0045】
図30】ばねアセンブリがクランプ位置に配設された状態を示す、図28のアンビルアセンブリの断面図である。
【0046】
図31図30のアンビルアセンブリの遠位端部分の斜視図である。
【0047】
図32図1の外科用ステープル留め装置の発射ストローク中の、図29のアンビルアセンブリの遠位端部分の断面図である。
【0048】
図33】本開示の更に別の態様による、部品を分離させた、アンビルアセンブリ及びアンビルバットレスが装填されたアンビル装填ツールの斜視図である。
【0049】
図34図33のアンビルアセンブリの近位端部分の底面斜視図である。
【0050】
図35図33のアンビルバットレス装填ツール及びアンビルバットレスの、部品を分離させた斜視図である。
【0051】
図36図33のアンビルバットレス装填ツール及びアンビルバットレスの底面斜視図である。
【0052】
図37図36のアンビルバットレス装填ツールの近位端部分及びアンビルバットレスの拡大図である。
【0053】
図38】アンビルバットレスが装填された、図33のアンビルアセンブリの底面斜視図である。
【0054】
図39】アンビルバットレスのアンビルアセンブリへの装填中を示す、図33のアンビルアセンブリ及びアンビル装填ツールの部分断面図である。
図40】アンビルバットレスのアンビルアセンブリへの装填中を示す、図33のアンビルアセンブリ及びアンビル装填ツールの部分断面図である。
図41】アンビルバットレスのアンビルアセンブリへの装填中を示す、図33のアンビルアセンブリ及びアンビル装填ツールの部分断面図である。
【0055】
図42】アンビルバットレスが装填された、図33のアンビルアセンブリの底面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0056】
以下、本開示の実施形態が、同じ参照番号が同様の、又は同一の要素を特定する図面を参照して詳述に説明される。本明細書全体を通じて、「近位」という用語は、ユーザのより近くにある構造の一部分又はその構成要素を指し、「遠位」という用語は、ユーザからより遠くにある構造の一部分又はその構成要素を指す。
【0057】
以下、図1を参照すると、本開示の態様に従って組織をステープル留めする際に使用するための例示的な外科用ステープル留め装置又は外科用ステープラ1が示されている。外科用ステープル留め装置1は、一般に、ハンドルアセンブリ10と、ハンドルアセンブリ10から遠位に延在する細長い管状本体20と、細長い管状本体20から遠位に延在する装填ユニット30と、を含む。装填ユニット30は、ハウジング部分32と、第1のジョー部材34a及び第2のジョー部材34bを含むツール又はジョーアセンブリ34と、を含む。第1のジョー部材34a及び/又は第2のジョー部材34bは、ツールアセンブリ34が、第1のジョー部材34a及び第2のジョー部材34bが互いに対して離間される開位置と、第1のジョー部材34a及び第2のジョー部材34bが互いに実質的に隣接する閉位置との間で移動可能であるように、ハウジング部分32に対して枢動可能である。
【0058】
ハンドルアセンブリ10は、固定ハンドル部材12aと、移動可能なハンドル部材12bと、バレル部分14と、を含む。移動可能なハンドル部材12bの作動は、ツールアセンブリ34の第1のジョー部材34aと第2のジョー部材34bとの間で捕捉された組織にステープル70(図2)のラインを印加する。関節運動レバー16は、ツールアセンブリ34の関節運動を容易にするために、バレル部分14の前端に装着される。回転部材18もまた、関節運動レバー16に隣接してバレル部分14の前端に装着される。バレル部分14に対する回転可能部材18の回転は、ステープル留めされた組織に対してツールアセンブリ34を適切に配向するように、ハンドルアセンブリ10に対して細長い管状本体20及び装填ユニット30を回転させる。一対のノブ19は、移動可能にバレル部分14に沿って位置決め可能である。一対のノブ19は、互いに対してツールアセンブリ34の第1のジョー部材34a及び第2のジョー部材34bに接近する又は閉じるように遠位に前進され、また、互いに対してツールアセンブリ34の第1のジョー部材34a及び第2のジョー部材34bから離れる又は開くように近位に後退される。
【0059】
装填ユニット30は、細長い管状本体20に解放可能に固定され、したがって、新しい装填ユニット30と交換可能である、使い捨ての装填ユニット(disposable loading unit、「DLU」)である。装填ユニット30は、1回使用され、次いで、患者への外科用ステープル留め装置1の複数回使用を容易にするために交換される、単回使用装填ユニット(single use loading unit、「SULU」)であり得る。例えば、外科処置中に、外科用ステープル留め装置1を使用して、組織をステープル留めして切断することができ、外科用ステープル留め装置1の各ステープル及び切断動作後に、SULU全体が交換される。装填ユニット30は、所定の回数再使用可能である、複数回使用装填ユニット(multi-use loading unit、「MULU」)であり得る。例えば、外科処置中に、外科用ステープル留め装置1を使用して、組織をステープル留めして切断することができ、MULU全体の交換が必要になる前に、外科用ステープル留め装置1の各ステープル及び切断動作後に、MULUの再装填アセンブリ(例えば、図2に見られるステープルカートリッジ64)を所定の回数だけ交換する。代替的に、装填ユニット30は、細長い管状本体20に恒久的に固定され得る。
【0060】
図1及び図2に示されるように、ツールアセンブリ34の第1のジョー部材34aは、アンビルアセンブリ40を含み、ツールアセンブリ34の第2のジョー部材34bは、ステープルカートリッジアセンブリ60を含む。アンビルアセンブリ40は、アンビルプレート42と、アンビルプレート42の上に固定されたカバープレート44と、を含む。図2と併せて図3に見られるように、アンビルプレート42は、内部に形成された中央長手方向スロット41と、その内向き又は組織対向面46に画定された複数のステープル形成ポケット又はキャビティ43と、を有し、アンビル先端48は、ステープル形成ポケット43の遠位に延在する。組織対向面46は、内部に画定され、かつアンビル先端48を通してアンビルアセンブリ40の外面45に向かって外向きに角度付けされた又は先細りのステープル形成ポケット43を有する長さに沿って実質的に平面である。アンビル先端48は、湾曲先端部48aと、及びアンビル先端48の両側に配設された一対の肩部48bと、を有する。一対の肩部48bは、遠位に面しており、また、そこに外科用バットレスの遠位端部分を固定するためのストップ面を提供するように構成されている。ステープル形成ポケット43の近位に延在するアンビルプレート42の近位部分42aは、そこに外科用バットレスの近位端部分を固定するように構成されたフックアセンブリ50を含む。
【0061】
図3を引き続き参照すると、フックアセンブリ50は、一対のフック52を含み、各フック52は、中央長手方向スロット41の両側に配設されている。各フック52は、アンビルプレート42の組織対向面46にアンカー又は固定された第1の又は近位端部分54aと、そこから延在するフィンガ56を含む第2の又は遠位端部分54bと、を有する、アーム54を含む。フィンガ56は、フィンガ56の末端部56aがアンビルプレート42の組織対向面46に対して付勢される(例えば、直接接触する)ように、アーム54に対して屈曲又は湾曲される。各フック52は、そこに力が加えられた時点でフィンガ56が組織対向面46から離れて(例えば、そこから上昇することができる)移動可能であるように、その近位端部分54aでアンビルプレート52にヒンジ的又はばね付勢的に接続される。態様では、一対のフック52は、板ばねフックであるが、例えば、可撓性アーム及び剛性フィンガを含む他の片持ちフック構成が想到される。
【0062】
図2を再度参照すると、ステープルカートリッジアセンブリ60は、内部でステープルカートリッジ64を選択的に受容して支持するように構成及び寸法決めされた細長い支持体チャネル61を画定するカートリッジキャリア62を含む。ステープルカートリッジ64は、例えばスナップ嵌め接続、戻り止め、ラッチ、当業者の範囲内の他のタイプのコネクタによって、除去可能に及び/又は交換可能にキャリアカートリッジ62に取り付けられ得る。ステープルカートリッジ64は、複数のファスナ又はステープル70及びステープルプッシャ72を受容するように内部に形成されたステープルポケット又は保持スロット65を画定する内向き又は組織対向面68を有する、カートリッジ本体66を含む。中央長手方向スロット67は、駆動アセンブリ80のナイフブレード82がそこを通るのを容易にするように、カートリッジ本体66の実質的な長さに形成され、かつそれに沿って延在する。
【0063】
ナイフブレード82は、ツールアセンブリ34と動作可能に関連付けられるIビーム84の中央壁部分84aの遠位縁部に画定される。Iビーム84の中央壁部分84aは、アンビルとステープルカートリッジアセンブリ40、60との間に摺動可能に配設され、Iビーム84の上部レール84b及び下部レール84cは、それぞれ、アンビルアセンブリ40及びステープルカートリッジアセンブリ60内で支持される。Iビーム84は、細長い駆動ビーム86に結合され、当該駆動ビームは、外科用ステープル留め装置1の細長い管状本体20(図1)の駆動部材(図示せず)が装填ユニット30と係合されたときに、当該駆動部材と係合するように構成されている。駆動部材は、ハンドルアセンブリ10から、細長い駆動ビーム86に、したがってIビーム84に軸方向移動を付与する。したがって、外科用ステープル留め装置1の動作中に、Iビーム84の遠位前進は、作動スレッド74を、ステープルカートリッジ64を通して並進させ、かつ作動スレッド74のカムくさび76を前進させてステープルプッシャ72と連続的に接触させ、これが次に、ステープルプッシャ72を、ステープルポケット65内を垂直方向に並進させて、ステープルポケット65から、アンビルアセンブリ40のアンビルプレート42の組織対向面46に向かってステープル70を付勢させる。
【0064】
例示的な外科用ステープル留め装置の構造及び機能の詳細な説明については、米国特許第6,241,139号、同第6,330,965号、及び同第7,819,896号が参照され得、これらの各々の全容は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示の原理は、例えば、米国特許第5,964,394号、同第7,128,253号、及び同第7,334,717号に記載されているタイプなどの他の構成を有する外科用ステープル留め装置にも同様に適用可能であることが認識されるべきであり、これらの各々の全容は、参照により本明細書に組み込まれる。したがって、様々な外科用ステープル留め装置が、本開示の態様とともに利用され得ることが理解されるべきである。例えば、本開示の態様は、例えば、Medtronic(North Haven,CT)を通して入手可能な、GIA(商標)、Endo GIA(商標)、TA(商標)、及びEndo TA(商標)ステープラ、並びに/又は例えばTri-Staple(商標)技術による線形及び半径方向再装填などの、腹腔鏡ステープラ又はオープンステープラとともに利用され得る。
【0065】
以下、図4を参照すると、アンビルバットレス90(本明細書では、一般に、外科用バットレスとも称される)が、アンビルバットレス装填ツール100(本明細書では、装填ツールとも称される)内に装填されて示されている。アンビルバットレス90は、本体92の近位端部分92aを通して画定された第1の又は近位窓93と、本体92の遠位端部分92bを通して画定された第2の又は遠位窓95(図5)と、を有する、本体92を含む。一対の近位タブ94は、本体92の近位端部分92aから近位に延在し、各タブ94は、そこを通る開口部97を画定する。遠位タブ96は、本体92の遠位端部分92bから遠位に延在して、そこを通る開口部99を画定する。
【0066】
アンビルバットレス90は、生体吸収性又は非吸収性の天然又は合成材料である、生体適合性材料から製造される。単一の又は組み合わせた天然、合成、生体吸収性、及び/又は非生体吸収性の材料を使用して、アンビルバットレス90が形成され得ることが理解されるべきである。態様では、アンビルバットレス90は、切断して成形される単一の材料シートから形成される。他の態様では、アンビルバットレス90は、同じ又は異なる材料から製造される複数の材料シートから形成され、並びに/又はアンビルバットレス90の構成要素(例えば、本体、タブなど)は、例えば溶接、接着剤の使用、縫合糸の結束などによって互いに取り付けられる、同じ又は異なる材料から形成される。
【0067】
アンビルバットレス90は、多孔質、非多孔質、又はそれらの組み合わせであり得る。好適な多孔質構造としては、例えば、線維状構造(例えば、編み込み構造、織り込み構造、及び不織構造)及び/又は発泡体(例えば、連続気泡発泡体又は独立気泡発泡体)が挙げられる。好適な非多孔質構造としては、例えば、フィルムが挙げられる。アンビルバットレス90は、単一の多孔質層又は非多孔質層であり得るか、又は多孔質層及び非多孔質層の任意の組み合わせを含む複数の層を含み得る。例えば、アンビルバットレスは、交互様式で積層される、複数の多孔質層及び非多孔質層を含み得る。別の実施例では、アンビルバットレスは、外側層が多孔質であり、内側層が非多孔質である、又はその逆である、「サンドイッチ状の」様式で形成され得る。
【0068】
外科用バットレス内の多孔質層は、流体を吸収し、出血を低減し、及び/又は創傷を密封する、外科用バットレスの能力を増強し得る。また、多孔質層は、組織の内殖が外科用バットレスを適所に固定することを可能にし得る。外科用バットレスの非多孔質層は、製造中、輸送中、取り扱い中、及び/又はステープル留めプロセス中に、断裂及び穿孔に耐える外科用バットレスの能力を増強し得る。また、非多孔質層は、周囲組織からの組織の内殖を遅延させるか、又は防止し得、それによって、癒着障壁として作用し、不要な瘢痕組織の形成を防止する。
【0069】
図4を引き続き参照すると、アンビルバットレス装填ツール100は、ハンドル110と、ハンドル110に固定に固定されたキャリア120と、を含む。ハンドル110は、ユーザによって把持するように構成され、キャリア120は、内部にアンビルバットレス90を解放可能に保持して、その上にアンビルバットレス90を装填するためのアンビルアセンブリ40(図3)を受容するように構成される。キャリア120は、支持面124(図7)と、支持面124の両側から延在する長手方向レール126と、長手方向レール126から延在し、かつ支持面124の上に延在する複数の軸方向に離間された対向タブ128と、を有する、ハウジング122を含む。キャビティ121は、支持面124、長手方向レール126、及びタブ128によってキャリア120内に画定される。横方向レール130は、長手方向レール126の遠位端126aを横断して支持面124の上に延在する。横方向レール130は、支持面124に対して離間関係で配設されて、キャビティ121への遠位開口部125(図5)を画定する。一対の近位突起132は、支持面124の近位端124aから近位に延在し、遠位突起134は、横方向レール130の外面130aから外向きに延在する。
【0070】
装填ツール100にアンビルバットレス90を装填する方法では、アンビルバットレス90の本体92は、キャリア120の支持面124に対して配置される。アンビルバットレス90の本体92が支持面124に位置決めされることで、本体92の近位端部分92aの一対の近位タブ94は、支持面124の近位端124aの一対の近位突起132と整列又は位置合わせされ、本体92の遠位端部分92bの遠位タブ96は、横方向レール130の遠位突起134と整列又は位置合わせされる。アンビルバットレス90の近位端部分92a及び遠位端部分92bは、一対の近位タブ94を一対の近位突起132と係合させ、遠位タブ96を遠位突起134と係合させるように操作される。図5に見られるように、装填構成では、アンビルバットレス90を通して画定された遠位窓95は、装填ツール100の遠位開口部125と整列される。アンビルバットレスのタブを装填ツールのキャリアに固定するための他の取り付け特徴が想到されることが理解されるべきである。
【0071】
図5図8に示されるように、アンビルアセンブリ40にアンビルバットレス90を装填する方法では、アンビルアセンブリ40のアンビル先端48は、装填ツール100のキャリア120の近位端120aと整列される。アンビルアセンブリ40は、アンビルアセンブリ40の組織対向面46がアンビルバットレス90と隣接又は接触するように、キャリア120のキャビティ121の中へ遠位に摺動される。アンビルアセンブリ40は、支持面124、長手方向レール126、及び複数のタブ128によって、キャリア120のキャビティ121を通して誘導されて、その中で保持される。アンビルアセンブリ40は、図6に見られるように、アンビル先端48がアンビルバットレス90を通して画定された遠位窓95を通って延在するまで遠位に摺動され、アンビル先端48の一対の肩部48b(図3)は、遠位移動に対するストップ面として作用する。この摺動移動中に、フックアセンブリ50は、支持面124の近位端124aに画定された開口部127(図5)の中へ摺動して、図7及び図8に見られるように、アンビルバットレス90の近位端部分92aをフィンガ56の配置を通して、アンビルバットレス90の近位窓93内で捕捉する。追加的又は代替的に、装填ツール100は、アンビルアセンブリ40に対して近位に摺動され得ることが理解されるべきである。
【0072】
図6に示されるように、アンビルアセンブリ40が装填ツール100のキャリア120の中へ完全に前進された時点で、装填ツール100は、装填ツール100及び/又はアンビルアセンブリ40を互いに離れて摺動させることによって、アンビルアセンブリ40から分離され得る。アンビルアセンブリ40及び装填ツール100が互いに離されるにつれて、アンビルバットレス90の本体92の近位端部分92a及び遠位端部分92bが、キャリア120の近位突起132及び遠位突起134から係脱する。
【0073】
図9及び図10に示されるように、アンビルバットレス90の近位端部分92aは、近位窓93を通したフックアセンブリ50の係合によってアンビルアセンブリ40上で保持され、アンビルバットレス90の遠位端部分92bは、遠位窓95を通したアンビル先端48の遠位タブ96との係合によってアンビルアセンブリ40上で保持される。外科用ステープル留め装置1(図1)は、アンビルアセンブリ40にアンビルバットレス90が装填されることで、使用可能となる。態様では、図1に見られるように、ステープルカートリッジアセンブリ60は、カートリッジバットレス91が予め装填されており、及び/又は装填される。
【0074】
動作中に、上で説明したように、装填ユニット30にアンビルバットレス90が装填された状態で、外科用ステープル留め装置1が、当業者に知られている方法に従って使用される。アンビルアセンブリ40及びステープルカートリッジアセンブリ60が組織上へクランプされた時点で、外科用ステープル留め装置1が発射され、それによって、アンビルバットレス90を組織にステープル留めする。発射中には、Iビーム84のナイフブレード82がツールアセンブリ34を通って遠位に進行して、実質的に同時に組織を切断して分割し、アンビルバットレス90が、形成されたステープル70の列の間に配設される。発射が完了して、アンビルアセンブリ40及びステープルカートリッジアセンブリ60がクランプ解除されたときに、現在組織にステープル留めされているアンビルバットレス90がアンビルアセンブリ40から引き離され、ツールアセンブリ34を手術部位から除去することができる。次いで、使用済みのステープルカートリッジ64がツールアセンブリ34から除去されて、新しいステープルカートリッジ64と交換され得る。新しいアンビルバットレス90は、上で説明したように、必要又は所望に応じて、アンビルアセンブリ40の上へ設置され得る。
【0075】
以下、図11を参照すると、アンビルアセンブリ240、及びアンビルバットレス290が装填されたアンビルバットレス装填ツール200、及びアンビル先端248が、本開示が示される他の態様に従って示されている。アンビル先端248は、アンビルアセンブリ240に解放可能に結合可能であり、装填ツール200によってそこに結合されたアンビルバットレス290がアンビルアセンブリ240上へ装填される。
【0076】
図14及び図15と併せて図11に示されるように、アンビルアセンブリ240は、アンビルプレート242と、アンビルプレート242の上に固定されたカバープレート244と、を含む。アンビル先端248は、アンビルプレート242から分離可能である。アンビルプレート242は、内部に形成された中央長手方向スロット241と、その内向き又は組織対向面246に画定された複数のステープル形成ポケット又はキャビティ243と、を有する。ステープル形成ポケット243の近位に延在するアンビルプレート242の近位端部分242aは、そこに外科用バットレスの近位端部分を固定するように構成されたフックアセンブリ250を含む。
【0077】
フックアセンブリ250は、一対のフック252を含み、各フック252は、中央長手方向スロット241の両側に配設されている。各フック252は、アンビルプレート242の組織対向面246にアンカー又は固定された第1の又は遠位端部分254aと、そこから延在するフィンガ256を含む第2の又は近位端部分254bと、を有する、アーム254を含む。アーム254は、フィンガ256がアンビルアセンブリ240の組織対向面246の近位に、かつそれに対して離間関係で延在するように、組織対向面246から上向きに離れて延在する。
【0078】
カバープレート244は、その遠位端244aに画定されたノッチ247aと、アンビルプレート242を通して画定された溝242c(図22)と位置合わせされる、それを通して画定された開口部247bと、を含む。
【0079】
アンビル先端248は、湾曲先端部248aと、湾曲先端部248aから近位に延在する一対の脚248cと、を有する。一対の脚248cは、それらの間でアンビルプレート242を受容するように構成されている。ポケット260は、アンビル先端248に画定される。ポケット260は、湾曲面262と、ポケット260の両側に画定された長手方向側面スロット263と、を含む。開口部265は、湾曲面262を通って延在し、かつ球状遠位領域265aと、スロット付き近位領域265bと、を含む。
【0080】
カンチレバービーム266は、一対の脚248cの間で湾曲面262から近位に延在する。カンチレバービーム266は、その近位端266aに配設された留め具268を含む。留め具268は、アンビル先端248をアンビルプレート242に接続するための係合面268aと、カンチレバービーム266を横方向に偏向させてアンビルプレート242からアンビル先端248を接続解除するためのカム面268bと、を含む。
【0081】
以下、図12を参照すると、アンビル先端248は、そこにアンビルバットレス290の遠位端部分292bを固定するように構成された保持アセンブリ270を含む。保持アセンブリ270は、プレート272と、プレート272から近位に延在する細長いバー274と、を含む。細長いバー274は、湾曲尾部276において終端する。プレート272は、アンビル先端248に画定されたポケット260内に位置決めするように輪郭形成される(例えば、湾曲する)。プレート272は、ポケット260の長手方向側面スロット263内で受容されるプレート272の長手方向縁部によってアンビル先端248の湾曲面262に対して位置決め可能であり、内部を近位位置と遠位位置との間で摺動可能である。プレート272は、そこを通して画定されたスロット273を含み、これは、プレート272を遠位位置まで移動させたときに、アンビル先端248の湾曲面262を通って延在する開口部265のスロット付き近位領域265bと整列されるよう構成されている。細長いバー274は、発射ストローク中に駆動アセンブリ80のIビーム84(図2)によって係合されて、近位位置(付勢位置、図16を参照されたい)から遠位位置(図23を参照されたい)まで保持アセンブリ270を摺動させるように構成されている。保持アセンブリ270の湾曲尾部276は、保持アセンブリ270を近位位置と遠位位置との間で移動させることを可能にするように変形可能であり得る。
【0082】
図11図13に示されるように、アンビルバットレス290は、そこを通して画定された近位窓293を含む近位端部分292aを有する本体292と、そこから延在する段付き近位タブ294と、を含む。段付き近位タブ294は、そこを通して画定された開口部297を含む。本体292は、そこから延在する遠位タブ296を含む遠位端部分292bを有する。遠位タブ296は、本体292に対して離間関係でそれと実質的に平行して延在するリップ296aを含む、略C字形状の構成を有する。
【0083】
図11図13を引き続き参照すると、アンビルバットレス装填ツール200は、キャリア220と、リテーナ231と、リテーナ231及びテザー239を相互接続するキャリア220と、を含む。テザー239は、可撓性ストラップ、コード、バンド、ロープ、ケーブル、などであり、それを中心にリテーナ231がキャリア220に対して移動することができる。リテーナ231は、基部233と、及び基部233から延在するペグ235(図16)と、を有する。キャリア220は、支持面224と、支持面224の両側から延在する長手方向レール226と、を有する、ハウジング222を含み、長手方向レール226の各々は、フランジ228を含む。キャビティ221は、支持面224及び長手方向レール226によってキャリア220に画定される。支持面224は、長手方向レール226を越えて近位に延在する近位端部分224aを含む。近位端部分224aは、そこを通して画定された窓230と、そこから近位に延在する近位突起232と、を含む。
【0084】
装填ツール200にアンビルバットレス290及びアンビル先端248を装填する方法では、近位タブ294を通して画定された開口部297が支持面224の近位突起232に係合するように、アンビルバットレス290の本体292が、キャリア220の支持面224に対して配置される。アンビル先端248は、図17に見られるように、アンビル先端248の長手方向縁部が長手方向レール226のフランジ228に係合するように、キャリア220のキャビティ221を通してアンビル先端248を摺動させることによって、キャリア220の遠位端部分220bに配置される。アンビル先端248をキャリア220内に位置決めする間、アンビルバットレス290の遠位タブ296は、遠位タブ296の末端部296aが湾曲面262に対して静置されるように、アンビルプレート248に画定された開口部265のスロット付き近位領域265bに挿通される。次いで、図16に示されるように、保持アセンブリ270がアンビル先端248のポケット260内に配置され、プレート272が湾曲面262の上に位置決めされ、それらの間でアンビルバットレス290の遠位タブ296を捕捉する。次いで、リテーナ231のペグ235が、アンビル先端248を通して画定された開口部265の球状遠位領域265aに係合して、装填ツール200上でアンビルバットレス290及びアンビル先端248を保持するように、装填ツール200のリテーナ231が、アンビル先端248の上に配置される。装填構成では、アンビルバットレス290の近位端部分292aは、キャリア220の支持面224から延在する近位突起232と係合され、アンビルバットレス290の遠位端部分292bは、保持アセンブリ270によってアンビル先端248内で捕捉される。
【0085】
アンビルアセンブリ240にアンビルバットレス290及びアンビル先端248を装填する方法では、アンビルプレート242の組織対向面246がアンビルバットレス290と隣接又は接触するように、アンビルプレート242及びアンビルカバー244が、キャリア220のキャビティ221の中へ遠位に摺動される。アンビルアセンブリ240は、支持面224、長手方向レール226、及びフランジ228によって、キャリア220のキャビティ221を通して誘導され、その中で保持される。アンビルアセンブリ240は、図18及び図19に示されるように、キャリア220とともに完全に前進されるまで遠位に摺動され、ビーム266の留め具268は、図22に見られるように、アンビルプレート242に画定された溝242cに係合し、アンビル先端248をアンビルプレート242にロックする。図19に見られるように、アンビルバットレス290の近位窓293は、フック252が近位窓293を通って延在して、アンビルバットレス290の近位端部分292aをアンビルアセンブリ240に保持するように、装填ツール200内に完全に挿入されたときに、アンビルプレート242のフックアセンブリ250と整列される。
【0086】
装填ツール200は、図20に示されるように、リテーナ231をアンビル先端248から除去する(例えば、反転させる)こと、並びに装填ツール200及び/又はアンビルアセンブリ240を互いに離れて摺動させることによって、アンビルアセンブリ240から分離される。図21に示されるように、アンビルバットレス290の近位端部分292aは、近位窓293を通したフックアセンブリ250の係合によってアンビルアセンブリ240上で保持され、アンビルバットレス290の遠位端部分292bは、アンビル先端248によってアンビルアセンブリ240上で保持される。具体的には、アンビルバットレス290の遠位端部分292bは、上で説明したように、保持アセンブリ270の遠位タブ296との係合によって、アンビルアセンブリ240上で保持される。
【0087】
外科用ステープル留め装置1(図1)は、アンビルアセンブリ240にアンビルバットレス290が装填されることで、使用可能となる。使用時には、図23に示されるように、発射ストロークの終了時に、Iビーム84が保持アセンブリ270を遠位にカム作用させ、プレート272のスロット273をアンビル先端248のスロット付き近位領域265bと整列させて、アンビルバットレス290の遠位タブ296を解放する。使用後には、図24に見られるように、装填ツール200上のペグ244(図20)が、カバープレート244を通して画定された開口部247bを通して利用されて、留め具268をアンビルプレート242の溝242cの外へ移動させて、アンビルアセンブリ240からアンビル先端248を解放し得る。
【0088】
以下、図25及び図26を参照すると、本開示の更に別の態様によるアンビルアセンブリ340が示されている。アンビルアセンブリ340は、アンビルプレート342と、アンビルプレート342の上に固定されたカバープレート344と、を含む。アンビルプレート342は、内部に形成された中央長手方向スロット341と、その内向き又は組織対向面346に画定された複数のステープル形成ポケット又はキャビティ343と、を有し、アンビル先端348は、ステープル形成ポケット343の遠位に延在する。一対の凹部349は、アンビルプレート342とアンビル先端348との間で、アンビルアセンブリ340の側縁部に画定される。ステープル形成ポケット343の近位に延在するアンビルプレート342の近位部分342aは、そこに外科用バットレスの近位端部分を固定するように構成されたフックアセンブリ350を含む。アンビル先端348は、そこに外科用バットレスの遠位端部分を固定するように構成されたばねアセンブリ380を含む。
【0089】
フックアセンブリ350は、一対のフック352を含み、各フック352は、中央長手方向スロット341の両側に配設される。各フック352は、アンビルプレート342の組織対向面346にアンカー又は固定された第1の又は遠位端部分354aと、そこから延在するフィンガ356を含む第2の又は近位端部分354bと、を有する、アーム354を含む。アーム354は、フィンガ356がアンビルアセンブリ340の組織対向面346の近位に、かつそれに対して離間関係で延在するように、組織対向面346から上向きに離れて延在する。
【0090】
キャビティ360は、アンビルプレート342のアンビル先端348及び遠位端部分342bの中に画定される。キャビティ360は、アンビル先端348においてアンビルアセンブリ340の外面345に開かれ、かつアンビルプレート342の遠位端部分342bにおいてカバープレート344によって覆われる。アンビル先端348に画定されたキャビティ360の遠位部分360aの寸法又は幅は、アンビルプレート342に画定されたキャビティ360の近位部分360bの寸法又は幅よりも小さい。アンビル先端348は、外面345からキャビティ360の中へ延在する傾斜面348dを含む。
【0091】
ばねアセンブリ380は、スライダ382と、ばね384と、を含む。スライダ382は、本体386と、本体386の近位部分386aから横方向に延在する一対のウイング388と、を含む。ばね384は、スライダ382の本体386の近位部分386aの周りに延在するように構成された一対の脚390を含む近位端部分384aを有する剛性構造体(例えば、ワイヤフレーム)と、一対の脚390に相互接続するブリッジ392を含む遠位端部分384bと、を有する。
【0092】
図28に示されるように、ばね384は、アンビルアセンブリ340のキャビティ360内に位置決めされ、近位端部分384aは、キャビティ360の近位部分360bの中に配設されている。一対の脚390の一部分は、ばね384の遠位端部分384bがキャビティ360外側に、かつアンビルプレート342の組織対向面346を横断して配設されるように、アンビルプレート342に画定された一対の凹部349を通って延在する(図29)。スライダ382は、キャビティ360内に位置決めされ、一対のウイング388が、キャビティ360の近位部分360bの中でばね384の一対の脚390の上に位置決めされ、本体386が、キャビティ360の遠位部分360aの中へ遠位に延在する。
【0093】
ばねアセンブリ380は、図29に示されるように、クランプ解除位置又は装填解除位置を有し、その位置では、ブリッジ392がアンビルアセンブリ340の組織対向面346から離れて、かつそれに対して離間関係で延在するように、スライダ382が遠位位置に配設され、スライダ382の一対のウイング388がばね384を遠位にカム作用させる。ばねアセンブリ380はまた、図30に示されるように、クランプ位置又は装填位置も有し、その位置では、スライダ382が近位位置内に配設され、一対のウイング388がばね384をキャビティ360内で上向きにカム作用させて、ブリッジ392をアンビルアセンブリ340の組織対向面346と接触させるように移動させる。
【0094】
図27に示されるように、アンビルバットレス390は、そこを通して画定された近位窓393を含む近位端部分392aと、そこから延在する遠位タブ396を含む遠位端部分392bと、を有する、本体392を含む。遠位タブ396は、本体392よりも小さい寸法又は幅を有する。
【0095】
アンビルアセンブリ340にアンビルバットレス390を装填する方法では、ばねアセンブリ380は、図26図27、及び図29に示されるように、装填解除位置に位置決めされる。アンビルバットレス390の本体392は、近位窓393がフックアセンブリ350に係合し、遠位タブ396が組織対向面246とばね384のブリッジ392との間に位置決めされるように、アンビルアセンブリ340の組織対向面346に対して配置される。次いで、図30及び図31に見られるように、スライダ382は、スライダ382にキャビティ360の開放遠位部分360aを通してアクセスして、例えば装填ツール(図示せず)によって、スライダ382を近位に押すことによって、装填位置に移動される。
【0096】
外科用ステープル留め装置1(図1)は、アンビルアセンブリ340にアンビルバットレス390が装填されることで、使用可能となる。使用時には、図32に示されるように、発射ストロークの終了時に、Iビーム84がばねアセンブリ380を装填解除位置まで遠位にカム作用し、アンビルアセンブリ340から遠位タブ396のアンビルバットレス390を解放する。上で説明したように、新しいアンビルバットレス390がアンビルアセンブリ340に装填されるまで、ばねアセンブリ380は、装填解除位置のままである。
【0097】
以下、図33を参照すると、本開示の別の態様によるアンビルアセンブリ440及びアンビルバットレス装填ツール400が示されている。アンビルアセンブリ440は、アンビルプレート442と、アンビルプレート442の上に固定されたカバープレート444と、を含む。図33と併せて図34に示されるように、アンビルプレート442は、内部に形成された中央長手方向スロット441と、その内向き又は組織対向面446に画定された複数のステープル形成ポケット又はキャビティ443と、を有し、アンビル先端448は、ステープル形成ポケット443の遠位に延在する。ステープル形成ポケット443の近位に延在するアンビルプレート442の近位部分442aは、そこに外科用バットレスの近位端部分を固定するように構成されたばね及びフックアセンブリ450を含む。
【0098】
ばね及びフックアセンブリ450は、一対のばね及びフック部材452を含み、各ばね及びフック部材452は、中央長手方向スロット441の両側に配設されている。各ばね及びフック部材452は、アンビルプレート442の組織対向面446にアンカー又は固定された第1の又は近位端部分454aと、そこから延在する第1のフィンガ456及び第2のフィンガ458を含む第2の又は遠位端部分454bと、を有する、アーム454を含む。第1のフィンガ456は、第1のフィンガ456の末端部456a(図39)が組織対向面446に画定されたノッチ446aに付勢されるように、組織対向面446に向かって下向きにアーム454に対して屈曲又は湾曲される。第2のフィンガ458は、第2のフィンガ458の末端部458aが組織対向面446に対して離間関係で付勢されるように、第1のフィンガ456の横方向内向きに配設されて、組織対向面446から上向きに離れて屈曲又は湾曲される。各アーム454は、第2のフィンガ458上に力が作用したときに、第2のフィンガ458が組織対向面446から持ち上がり、第1のフィンガ456がノッチ446aの外へ移動されるように、その近位端部分454aでアンビルプレート452にヒンジ的又はばね付勢的に接続される。
【0099】
図35に示されるように、アンビルバットレス490は、その近位端部分492aから横方向に延在する一対のウイング491を有する、本体492を含む。第1の又は近位窓493は、本体492の近位端部分492aを通して一対のウイング491の近位に画定される。一対の近位タブ494は、本体492の近位端部分492aから近位に延在し、各近位タブ494は、そこを通る開口部497を画定する。遠位タブ496は、本体492の遠位端部分492bから遠位に延在し、そこを通る開口部499を画定する。
【0100】
図35図37に示されるように、アンビルバットレス装填ツール400は、内部でアンビルバットレス490を解放可能に保持し、その上にアンビルバットレス490を装填するためのアンビルアセンブリ440(図33)を受容するように構成されたキャリア420を含む。キャリア420は、支持面424と、支持面424の上の延在するカバー423と、を有する、ハウジング422を含む。キャビティ421は、支持面424及びカバー423によってキャリア420に画定される。一対のスリット426は、キャリア420の近位端部分420aにおいて支持面424とカバー423との間に画定される。支持面424は、カバー423を越えて近位に延在し、支持面424の近位端424aから近位に延在する一対の近位突起432を含む。ランプ429は、一対の近位突起342の間に配設される。カバー423は、キャリア420の遠位端部分420bにおいてそこを通して画定された開口部423aを含み、開口部423aの中へ近位に延在する遠位突起434を含む。
【0101】
装填ツール400にアンビルバットレス490を装填する方法では、アンビルバットレス490の本体492が、キャリア420のキャビティ421を通り、キャリア420の支持面424に対して位置決めされ、一対のウイング491が、一対のスリット426内で受容される。アンビルバットレス490の本体492が支持面424に位置決めされることで、一対の近位タブ494は、支持面424の一対の近位突起432と整列又は位置合わせされ、遠位タブ496は、カバー423の遠位突起434と整列又は位置合わせされる。したがって、アンビルバットレス490の近位端部分492a及び遠位端部分492bは、開口部423aを通して一対の近位タブ494を一対の近位突起432及び遠位タブ496と係合させ、遠位突起434と係合させるように操作される。
【0102】
最初に図33で見たように、アンビルアセンブリ440にアンビルバットレス490を装填する方法では、アンビルアセンブリ440のアンビル先端448は、装填ツール400のキャリア420の近位端420aと整列される。アンビルアセンブリ440は、アンビルアセンブリ440の組織対向面446がアンビルバットレス490と隣接又は接触するように、キャリア420のキャビティ421の中へ遠位に摺動される。アンビルアセンブリ440は、支持面424及びカバー423によって、キャリア420のキャビティ421を通して誘導されて、その中で保持される。アンビルアセンブリ440は、アンビル先端448がアンビルバットレス490を通して画定された遠位窓495を通って延在するまで遠位に摺動される。図39及び図40に示されるように、この摺動移動中に、キャリア420のランプ429は、ばね及びフックアセンブリ450の第2のフィンガ548に接触し、アンビルプレート442の組織対向面446から第2のフィンガ548を上昇させ、組織対向面446に画定されたノッチ446aの外へ第1のフィンガ456を持ち上げる。図41に示されるように、ランプ429が第2のフィンガ458を空けた時点で、アーム454が下向きへ跳ね返り、第1のフィンガ456が近位窓493を通って延在し、ノッチ446aに再度進入し、それによって、アンビルバットレス490の近位端部分492aをアンビルアセンブリ440に捕捉する。
【0103】
図38に見られるように、アンビルアセンブリ440が装填ツール400のキャリア420の中へ完全に前進した時点で、装填ツール400は、装填ツール400及び/又はアンビルアセンブリ440を反対方向で摺動させることによって、アンビルアセンブリ440から分離され得る。アンビルアセンブリ440及び装填ツール400が互いに分離されると、ばね及びフックアセンブリ450のアーム454は、ランプ429がアンビルアセンブリ440の組織対向面446を通り過ぎるまでその中へ下向きに弾性変形する。図42に見られるように、アンビルバットレス490の近位端部分492aは、近位窓493を通したばね及びフックアセンブリ450の係合によってアンビルアセンブリ440上で保持され、アンビルバットレス490の遠位端部分492bは、遠位窓495を通した遠位タブ496のアンビル先端448との係合によってアンビルアセンブリ440上で保持される。外科用ステープル留め装置1(図1)は、アンビルアセンブリ440にアンビルバットレス490が装填されることで、使用可能となる。
【0104】
本開示の態様が図面に示されているが、本開示は当該技術分野が許容する広い範囲として捉えられるべきであり、本明細書も同様に読み取られるべきと考えられるので、本開示はこれらの態様に限定されるものではないことが意図される。したがって、本開示が記載される正確な態様に限定されないこと、及び本開示の範囲又は趣旨から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正が当業者によって影響され得ることを理解されたい。追加的に、特定の本開示の態様に関連して示され、説明されている要素及び特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、特定の他の態様の要素及び特徴と組み合わせられてもよく、かかるその修正及び変形もまた本開示の範囲に含まれる。したがって、上記の説明は、限定するものとして解釈されるべきではなく、単に本開示の態様の例証として解釈されるべきである。したがって、本開示の範囲は、与えられた実施例によってではなく、添付の特許請求の範囲及びそれらの法的均等物によって決定されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
【国際調査報告】