(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】生物学的流体処理システム用のモジュール式光装置
(51)【国際特許分類】
A61M 1/02 20060101AFI20231025BHJP
A61L 2/10 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A61M1/02 170
A61L2/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523555
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-06-09
(86)【国際出願番号】 US2021071920
(87)【国際公開番号】W WO2022087580
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】500031766
【氏名又は名称】シーラス コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】チャーチ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】アイソン, ロイド
【テーマコード(参考)】
4C058
4C077
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB06
4C058DD01
4C058DD02
4C058DD07
4C058KK02
4C058KK14
4C058KK28
4C058KK46
4C077AA12
4C077BB10
4C077CC04
4C077DD13
4C077GG03
4C077KK09
4C077NN14
(57)【要約】
本明細書では、本開示の実施例による電子処理装置で使用するためのモジュール式光装置を実装するためのシステム及び方法が提供される。1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置は、処理装置に出し入れできる独立したコンポーネントとして実施することができる。1つまたは複数の実施例では、光装置は、選択された波長のUV光を透過するように構成された光源アレイチャンバを含むことができ、光源アレイチャンバは、生体試料に光を照射するために光装置の一部として集合的に構成された1つまたは複数の光源アレイ及び光センサを含むことが可能である。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物学的流体を処理するための電子装置と組み合わせて使用するためのモジュール式光装置であって、前記モジュール式光装置は、処理のために1つまたは複数の生物学的流体に光を透過するように集合的に構成された複数のコンポーネントを備え、前記モジュール式光装置は、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数のコンポーネントを収容するように構成されたハウジングと、
光を透過するように構成された光源アレイチャンバであって、前記光源アレイチャンバは、
それぞれがUV光を生成するように構成された複数の光源を含む、1つまたは複数の光源アレイ、及び、
光を検出するように構成された1つまたは複数の光センサを含む、前記光源アレイチャンバと、
前記複数の光源によって生成されたUV光を、処理のために前記1つまたは複数の生物学的流体に通すように構成された窓部分と、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数のコンポーネントに通信可能に結合され、前記1つまたは複数のコンポーネントを動作させるように構成されたドライバと、を備える、前記モジュール式光装置。
【請求項2】
前記光源アレイチャンバが、温度を測定するように構成された1つまたは複数の温度センサを備える、請求項1に記載のモジュール式光装置。
【請求項3】
前記複数の光源の各光源が、20ナノメートル未満の半値全幅(FWHM)スペクトル帯域幅を有する光を放射する、請求項1または請求項2に記載のモジュール式光装置。
【請求項4】
前記複数の光源の各光源が発光ダイオード(LED)である、請求項1~3のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項5】
前記1つまたは複数の光源アレイの各々が、前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放射するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項6】
前記電子装置が、前記1つまたは複数の生物学的流体のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成された処理チャンバを備える、請求項1~5のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項7】
前記モジュール式光装置が、前記電子装置の前記処理チャンバ内の1つまたは複数の生物学的流体に光を透過させるために、前記電子装置内に配置されるよう構成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項8】
前記ハウジングが、前記電子装置内に配置されたときに前記モジュール式光装置を機械的に固定するように、前記電子装置の1つまたは複数のレールと機械的にインターフェースするように構成される1つまたは複数のトラックを備える、請求項1~7のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項9】
前記1つまたは複数のトラックが、前記モジュール式光装置を取り外す及び電子装置に挿入するために、前記モジュール式光装置をスライド可能に移動できるように構成される、請求項8に記載のモジュール式光装置。
【請求項10】
前記モジュール式光装置が、前記光源アレイ及び/または前記モジュール式光装置から熱を逃がすように構成された1つまたは複数の熱交換器を備える、請求項1~9のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項11】
前記1つまたは複数の熱交換器が、前記1つまたは複数の熱交換器を通過する空気と熱を交換して、前記光源アレイ及び/または前記モジュール式光装置から熱を移動させるように構成される、請求項10に記載のモジュール式光装置。
【請求項12】
前記1つまたは複数の熱交換器が、前記電子装置の1つまたは複数のファンから前記1つまたは複数の熱交換器を通過する空気と熱を交換するように構成される、請求項10~11のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項13】
前記窓部分が、前記モジュール式光装置の開口部を覆うまたは取り囲む窓材を備え、前記窓材はガラス製である、請求項1~12のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項14】
前記窓部分が、前記モジュール式光装置の開口部を覆うまたは取り囲む窓材を備え、前記窓材は高分子材料で作られる、請求項1~12のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項15】
前記窓部分が、選択された波長のUV光に対して少なくとも80%透過性である、請求項1~14のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項16】
前記モジュール式光装置が、前記1つまたは複数の光源アレイ上に配置された1つまたは複数の光センサを備える、請求項1~15のいずれか1項に記載のモジュール式装置。
【請求項17】
前記モジュール式光装置が、前記窓部分に配置され、前記モジュール式光装置によって生成された光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサを備える、請求項1~16のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項18】
前記モジュール式光装置が、前記窓部分に配置された1つまたは複数の回路を備え、前記1つまたは複数の回路は、前記回路に配置され、前記モジュール照明装置によって生成された光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサを備える、請求項1~17のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項19】
前記光源アレイチャンバが、前記光源アレイチャンバの1つまたは複数の縁部に沿って配置された複数の反射板パネルを含む、請求項1~18のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項20】
前記複数の反射板パネルが、前記光源アレイチャンバの周囲での光エネルギーの損失を最小限に抑えるように、前記光源アレイチャンバ内に配置される、請求項19に記載のモジュール式光装置。
【請求項21】
前記光源アレイチャンバの前記1つまたは複数の光センサが、別個のモジュール式光装置によって生成された光を検出するように配向される、請求項1~20のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項22】
前記1つまたは複数の光センサが、フォトダイオードを使用して実装される、請求項1~21のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項23】
前記1つまたは複数の温度センサが、サーミスタを使用して実装される、請求項1~22のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項24】
前記1つまたは複数の温度センサのうちの1つまたは複数が、前記1つまたは複数の光源の1つの光源とその上に光源が配置されるプリント回路基板(PCB)との間の接合部で温度を測定するように構成され、請求項1~23のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項25】
前記複数の光源がUV-A光を生成するように構成される、請求項1~24のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項26】
前記複数の光源が、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される、請求項25に記載のモジュール式光装置。
【請求項27】
前記複数の光源が、UV-BまたはUV-C光を生成するように構成される、請求項1~24のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項28】
前記1つまたは複数の光源のアレイは各々、前記アレイの第2のピーク波長を有する紫外線を放射するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルを含み、前記第2のピーク波長は、前記第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、請求項5~27のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項29】
前記1つまたは複数の光源のアレイは各々、UV-Aスペクトルにおける前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外光を放射するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルと、UV-BまたはUV-Cスペクトルにおける前記アレイの第2のピーク波長を持つ紫外光を放射するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルと、を備える、請求項28に記載のモジュール式光装置。
【請求項30】
前記ハウジングが、前記モジュール式光装置を前記電子装置に通信可能に結合するように構成された1つまたは複数の電子インターフェースを備える、請求項1~29のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項31】
前記1つまたは複数の電子インターフェースが、前記電子装置が前記モジュール式光装置をオフにすることを可能にするように構成されたインターロック接続を含む、請求項30に記載のモジュール式光装置。
【請求項32】
前記1つまたは複数の電子インターフェースが、通信ポートであって、前記電子装置が前記モジュール式光装置にコマンドを送信できるように構成され、前記モジュール式光装置が前記電子装置にデータを送信できるように構成された前記通信ポートを備える、請求項30に記載のモジュール式光装置。
【請求項33】
前記1つまたは複数の電子インターフェースが、前記電子装置から前記モジュール式光装置に電力を伝送するように構成された電力ポートを含む、請求項30に記載のモジュール式光装置。
【請求項34】
前記光源アレイチャンバのいくつかの光源が、前記1つまたは複数の生物学的流体に所定の照射量の光を提供するように構成される、請求項1~33のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項35】
前記光源アレイチャンバの前記1つまたは複数の光源が、光を集合的に生成し、前記光の放射照度が前記生物学的流体の表面で実質的に均一になるように前記光を集合的に生成する、請求項1~34のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項36】
前記生物学的流体の表面にわたる前記光の放射照度の変動が25%未満である、請求項35に記載のモジュール式光装置。
【請求項37】
前記光源アレイチャンバの前記1つまたは複数の光源が、約110度~約130度のビーム角を有するように構成されたLEDである、請求項1~36のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項38】
処理プロセス中に前記モジュール式光装置から生物学的流体に照射される線量が、前記1つまたは複数の光センサのうちの1つまたは複数よって検出される光に基づく、請求項1~37のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項39】
前記モジュール式光装置が処理プロセス中に活性化される時間量が、前記1つまたは複数の光センサうちの1つまたは複数によって検出される光に基づく、請求項1~38のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項40】
処理プロセス中に前記モジュール式光装置によって生成される光の強度は、前記1つまたは複数の光センサのうちの1つまたは複数によって検出される光に基づく、請求項1~39のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項41】
生物学的流体を処理するための前記電子装置が、処理される生物学的流体に面するように配向された第1のモジュール式光装置を備え、前記第1のモジュール式光装置は、処理のために前記生物学的試料に光を照射する、請求項1~40のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項42】
生物学的流体を処理するための前記電子装置が、第1のモジュール式光装置及び第2のモジュール式光装置を備え、前記第1及び第2のモジュール式光装置は、お互いが向き合うように配向され、前記第1及び第2のモジュール式光装置は、処理のために生物学的流体に集合的に光を照射する、請求項1~41のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項43】
前記第1及び第2の光装置が、テストを実施するように構成され、前記テストは、
前記第1のモジュール式光装置から光を透過すること、
前記第2のモジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって、前記第1の装置から透過された前記光を検出すること、及び、
前記検出された光を所定の光量と比較することにより、前記第1のモジュール式光装置によって透過された前記光に対する1つまたは複数のオクルージョンの有無を判定すること、を含む、請求項42に記載のモジュール式光装置。
【請求項44】
前記テストが、
前記第2のモジュール式光装置から光を透過すること、
前記第1のモジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって、前記第2のモジュール式光装置から透過された前記光を検出すること、及び、
前記検出された光を所定の光レベルと比較することにより、前記第2のモジュール式光装置によって透過された前記光に対する1つまたは複数のオクルージョンの有無を判定すること、をさらに含む、請求項43に記載のモジュール式光装置。
【請求項45】
前記テストが、
前記第1のモジュール式光装置によって前記第2のモジュール式光装置に透過される光のベースライン量を決定することをさらに含む、請求項43または44に記載のモジュール式光装置。
【請求項46】
前記テストが、前記電子装置内の遮られた光路の存在を判定するためのテストである、請求項43~45のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項47】
前記テストが、前記電子装置内で処理される生物学的流体の存在を判定するためのテストである、請求項43~45のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項48】
前記モジュール式光装置はテストを実施するように構成され、前記テストは、
前記モジュール式光装置の前記光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源アレイから光を透過することと、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって、前記1つまたは複数の光源アレイによって透過された前記光を検出することとを含む、請求項17~47のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項49】
前記1つまたは複数の光センサが、前記モジュール式光装置の前記窓部分に配置された光センサである、請求項48に記載のモジュール式光装置。
【請求項50】
前記テストが、
前記検出された光を所定の光量と比較することをさらに含む、請求項48または請求項49に記載のモジュール式光装置。
【請求項51】
前記テストが、
a)前記1つまたは複数のセンサのうちの1つまたは複数の完全性を判定すること、
b)前記1つまたは複数の光源アレイの1つまたは複数の光源の完全性を判定すること、の一方または両方を含む、請求項48~50のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項52】
前記モジュール式光装置は較正プロセスを実施するように構成され、前記プロセスは、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数の光源アレイから光を透過すること、
前記電子装置内に配置された較正装置からデータを受信することであって、前記較正装置は、前記モジュール式光装置の前記光源アレイ(複数可)によって透過された前記光を、前記較正装置の1つまたは複数の光センサによって検出するように構成される、前記データを受信すること、
受信した前記データを所定の光量と比較すること、及び
前記比較に基づいて、前記光源アレイ(複数可)の1つまたは複数の光源の強度を調整すること、を含む、請求項1~51のいずれか1項に記載のモジュール式光装置。
【請求項53】
生物学的流体を処理する方法であって、
前記生物学的流体を提供すること、及び、
請求項1~52のいずれか一項に記載の1つまたは複数のモジュール式光装置で前記生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で前記生物学的流体を照明すること、を含む、前記方法。
【請求項54】
生物学的流体を処理する方法であって、
病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体を提供すること、及び、
前記生物学的流体を、請求項1~52のいずれか1つに記載の1つまたは複数のモジュール式光装置を用いて前記生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で照射すること、を含む、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年10月19日に出願された米国仮出願第63/093,722号の優先権を主張し、この全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、生物学的流体と光化学物質との混合物を含む生物学的流体を、光で処理するためのシステム、方法、及び装置に関し、より具体的には、生物学的流体処理システムにおいて使用するためのモジュール式光装置アーキテクチャに関する。
【背景技術】
【0003】
生物学的流体を光で処理するためのシステム及び方法はよく知られている。例えば、米国特許第7,459,695号(特許文献1)、同第6,986,867号(特許文献2)、及び同第5,593,823号(特許文献3)は、生物学的流体を光で処理して、生物学的流体中の病原体を不活性化するためのシステムについて記載している。光は、生物学的流体中の病原体を、特に病原体の光化学的不活性化によって不活性化するのに有効な選択された波長範囲内で放射される。生物学的流体を光で処理するための他のシステム及び方法としては、例えば、米国特許第6,843,961号(特許文献4)、同第7,829,867号(特許文献5)、同第9,320,817号(特許文献6)、及び同第8,778,263号(特許文献7)、WO2019133929A1(特許文献8)、ならびにSchlenke,2014,Transfus.Med.Hemother.41:309-325に記載されているシステム及び方法を含むことができる。
【0004】
例えば、血小板及び血漿成分ならびにそれらの誘導体を含む血液製剤の場合、血液製剤を受容する個体が感染する危険性を最小限にするために、血液製剤が確実に病原体を含まないようにすることが重要である。血液中の病原体の存在に関するテストは、テストが利用可能な病原体及びアッセイの感度によって制限される。病原体のテストの代替法または補助として、様々な化合物(例えば、化学物質、光化学物質)に基づく不活性化方法を使用して、病原体を不活性化して輸血感染の危険性を低減するための方法(例えば、Schlenke etal., Transfus Med Hemother, 2014, 41, 309-325及びProwse, VoxSanguinis, 2013, 104, 183-199に開示されるようなもの)が、当該技術分野において公知である。血液製剤を処理するためのソラレン及び紫外線光に基づく光化学的病原体不活性化システムとしては、市販入手可能なINTERCEPT(登録商標)Blood System(Cerus Corporation)が含まれ、これは、使い捨てのプロセシングセット及び紫外線照射装置(INT-100)を利用している。血漿や血小板などの血液製剤は、プロセシングセット内でソラレン、アモトサレンと混合され、次に紫外線A光が照射される。処理される血液製剤の種類、及びそれらの血液製剤の特定の特性、例えば、体積及び血小板数などに応じて、複数の異なる使い捨てプロセシングセットを使用することができる。
【0005】
生物学的流体中の病原体を不活化するために生物学的流体を光で処理するには、正確な量(例えば、用量)の所望のタイプの光(例えば、紫外線)を生物学的流体全体に均一に送達する必要がある。したがって、1つまたは複数の例において、生物学的流体を処理するように構成された電子装置は、多くの場合、電子装置内の内部に配置された専用の光源コンポーネントを含むことができ、これは、処理される生体試料に特定量の光を照射するように構成することができる。専用の光源コンポーネントは、電子装置が温度、消費電力、フットプリントなどの多くの重要な動作要件を維持しながら、正確な量の光を照射するように構成される必要がある。したがって、専用の光源コンポーネントのアーキテクチャとレイアウトは、光源コンポーネントが生物学的流体中の病原体を効果的に不活化するために必要な要件を満たすことができるようにするために重要である。例えば、UV光が効果的に病原体の核酸を不可逆的に架橋できることを確実にし、病原体を不活性にするために、特定の量の紫外光(例えば、病原体不活化化合物と組み合わせて)を一定の時間及び強度で生物学的流体に照射する必要があり得る。したがって、光源コンポーネントは、病原体の不活性化に必要な要件を満たすと同時に、電子装置全体が商業的に実行可能であることを保証するために必要な他の設計要件を満たすように設計する必要がある。
【0006】
光源コンポーネントが動作しなければならない正確な仕様、及び光源コンポーネントを交換する必要性(処理装置の寿命中におそらく複数回)を考慮すると、正確な電気的及び機械的要件に合わせて動作できるように光源コンポーネントを実装すると同時に、必要に応じて光装置を簡単に交換できるモジュール設計を提供するための満たされていないニーズがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】米国特許第7,459,695号明細書
【特許文献2】米国特許第6,986,867号明細書
【特許文献3】米国特許第5,593,823号明細書
【特許文献4】米国特許第6,843,961号明細書
【特許文献5】米国特許第7,829,867号明細書
【特許文献6】米国特許第9,320,817号明細書
【特許文献7】米国特許第8,778,263号明細書
【特許文献8】国際公開第2019/133929号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
特定の要件を満たすように電子処理装置の光源コンポーネントを設計するには、多くの課題が生じ得る。例えば、光源コンポーネントに課される要件は、光源コンポーネントが、例えば生物学的流体などの試料を照明するために使用される光源を含むだけでなく、様々なセンサ、電気制御、及び他の光源コンポーネントを仕様に従って安全に動作させるために必要な安全機能が必要とされ得る。電子装置の寿命の間、光源コンポーネントの性能は、光源の減衰及び/または光源(例えば、発光ダイオード(LED))の焼損、光源の平均寿命、または光源コンポーネントを意図した目的に不十分なものにするその他の意図しない動作環境により低下する可能性がある。しかし、光源コンポーネントがその要件に従って動作していない可能性がある一方で、電子装置の残りの部分は正常に動作している場合がある。したがって、電子装置全体を単純に交換するのは費用対効果が低く、代わりに、光源の1つまたは複数の故障したコンポーネントを単純に交換する方がより実用的である。ただし、光源の単一コンポーネントへのアクセスは複雑であり、リソースの非効率的な使用になり得る。光源の単一のコンポーネントを交換する代わりに、1つの選択肢としては、単純に光装置全体を交換することである。ただし、光装置が電子装置に組み込まれており、取り外しが困難になったり、かなりの時間とリソースが必要になったりする場合、光装置の1つのコンポーネントに障害が発生するたびに、装置の顧客またはユーザーは、装置を動作状態に戻すのが大幅に遅れたり、修理に多大なリソースを費やしたりする可能性がある。さらに、光源コンポーネントの交換には、交換用光源コンポーネントが取り付けられたときに装置の他のコンポーネントと確実に連動して動作するように、複雑な機械的及び電気的手順が必要になり得る。しかし、光源コンポーネントの交換に複雑な手順が必要な場合、光源コンポーネントが故障した、またはそうでなければ処理装置で使用するには思わしくない場合、単に光源コンポーネントを交換するのは費用対効果が高くない可能性がある。
【0009】
いくつかの実施形態では、本開示は、生物学的流体を処理するための電子装置(例えば、電子処理装置)と組み合わせて使用するためのモジュール式光装置を提供し、モジュール式光装置は、処理のために光を1つまたは複数の生物学的流体に透過させるように集合的に構成された複数のコンポーネントを含み、モジュール式光装置は、モジュール式光装置の1つまたは複数のコンポーネントを収容するように構成されたハウジングと、光(例えば、選択された波長(例えば、ピーク波長)の紫外線(UV))を透過するように構成された光源アレイチャンバであって、光源アレイチャンバは、1つまたは複数の光源アレイを含み、それぞれが、UV光を生成するように構成された複数の光源と、光を検出(例えば、測定)するように構成された1つまたは複数の光センサと、複数の光源によって生成されたUV光を処理のために1つまたは複数の生物学的流体に通すように構成されたモジュール式光装置上(すなわち、上または中)に配置された窓部分(例えば、窓開口部、透明窓、透過窓)と;モジュール式光装置の1つまたは複数のコンポーネント(例えば、モジュール式光装置の光源アレイチャンバ)に通信可能に結合され、1つまたは複数のコンポーネントを操作するように構成されたドライバ(例えば、光源ドライバ)と、ドライバ(例えば、光源ドライバ)に通信可能に結合され、ドライバ(例えば、光源ドライバ)を動作させるように構成されるコントローラーと、を備える。
【0010】
いくつかの実施形態では、モジュール式光装置光源アレイチャンバは、(例えば、光装置の)温度を測定するように構成された1つまたは複数の温度センサを備える。
【0011】
いくつかの実施形態では、複数の光源の各光源は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する。
【0012】
いくつかの実施形態では、複数の光源の各光源は発光ダイオード(LED)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源アレイの各々は、アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放射するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。
【0014】
いくつかの実施形態では、電子装置は、(例えば、処理のための)1つまたは複数の生物学的流体のうちの少なくとも1つを受け取る(例えば、保持する、運ぶ)ように構成された処理チャンバを備える。
【0015】
いくつかの実施形態では、モジュール式光装置は、電子装置の処理チャンバ内の1つまたは複数の生物学的流体に光を透過させるために、電子装置内に配置されるよう構成される。
【0016】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、電子装置内に配置されたときにモジュール式光装置を機械的に固定するように、電子装置と機械的にインターフェースするように構成される。いくつかの実施形態では、ハウジングは、電子装置内に配置されたときにモジュール式光装置を機械的に固定するように、電子装置の1つまたは複数のレールと機械的にインターフェースするように構成される1つまたは複数のトラックを備える。
【0017】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトラックは、モジュール式光装置を取り外す及び電子装置に挿入するために、モジュール式光装置をスライド可能に移動できるように構成される。
【0018】
いくつかの実施形態では、モジュール式光装置は、光源アレイ及び/またはモジュール式光装置から熱を逃がすように構成された1つまたは複数の熱交換器を備える。
【0019】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の熱交換器はフィン形状である。
【0020】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の熱交換器は、1つまたは複数の熱交換器を通過する(例えば、吹き飛ばされる、移動する)空気と熱を交換して、光源アレイ及び/またはモジュール式光装置から熱を移動させるように構成される。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の熱交換器は、電子装置内に配置された1つまたは複数のファンによって1つまたは複数の熱交換器を横切って引き出される空気と熱を交換するように構成される。
【0022】
いくつかの実施形態では、光装置は、1つまたは複数の熱交換器によって伝達された熱を除去するために、1つまたは複数の熱交換器にわたって空気を通過させる(例えば、吹き飛ばす、引き寄せる、移動させる)ように構成された1つまたは複数のファンを備える。
【0023】
いくつかの実施形態では、窓部分は、モジュール式光装置の開口部(例えば、モジュール式光装置のハウジング内の開口部、モジュール式光装置の光源アレイチャンバへの開口部)である。
【0024】
いくつかの実施形態では、窓部分は、モジュール式光装置の開口部(例えば、モジュール式光装置のハウジング内の開口部、モジュール式光装置の光源アレイチャンバへの開口部)を覆うまたは囲む窓材料を含む。
【0025】
いくつかの実施形態では、窓部分(例えば、窓材料)はガラス製である。
【0026】
いくつかの実施形態では、窓部分(例えば、窓材料)は高分子材料(例えば、プラスチック)で作られる。
【0027】
いくつかの実施形態では、窓部分は、選択された波長のUV光に対して少なくとも80%透過性である。
【0028】
いくつかの実施形態では、窓部分は、選択された波長のUV光に対して少なくとも90%透過性である。
【0029】
いくつかの実施形態では、モジュール式光装置は、窓部分に配置され、モジュール式光装置によって(例えば、モジュール式光装置の1つまたは複数の光源アレイによって、モジュール式光装置の1つまたは複数の光源によって)生成された光を検出(例えば、測定)するように構成された1つまたは複数の光センサを備える。
【0030】
いくつかの実施形態では、モジュール式光装置は、窓部分に(例えば、上に、または(少なくとも部分的に)横切って)配置された1つまたは複数の回路(例えば、フレキシブル回路)を含み、1つまたは複数の回路(例えば、フレキシブル回路)は、回路(例えば、フレキシブル回路)上に配置され、モジュール式光装置によって(例えば、モジュール式光装置の1つまたは複数の光源アレイによって、モジュール式光装置の1つまたは複数の光源によって)生成された光を検出(例えば、測定)するように構成された1つまたは複数の光センサを備える。
【0031】
いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバは、光源アレイチャンバの1つまたは複数のエッジに沿って配置された複数の反射板パネルを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバの周囲での光エネルギーの損失を最小限に抑えるように、複数の反射板パネルが光源アレイチャンバ内に配置される。
【0033】
いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバの1つまたは複数の光センサは、別個のモジュール式光装置によって生成された光を検出(例えば、測定)する(例えば、光源アレイ上に配置されて別のモジュール式光装置によって生成された光を検出(例えば、測定)する)ように配向される。
【0034】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光センサは、フォトダイオードを使用して実装される。
【0035】
いくつかの実施形態では、サーミスタを使用して1つまたは複数の温度センサが実装される。
【0036】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の温度センサのうちの1つまたは複数は、1つまたは複数の光源の光源とその上に光源が配置される(光源アレイの)プリント回路基板(PCB)との間の接合部で温度を測定するように構成される。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の光源は、UV-A光を生成するように構成される。
【0038】
いくつかの実施形態では、複数の光源は、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の光源は、約315nm~約335nmの第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の光源は、約320nm~約330nmの第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の光源は、約330nm~約350nmの第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の光源は、約340nm~約350nmの第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、複数の光源は、約345nm±5nmの範囲内第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される。
【0039】
いくつかの実施形態では、複数の光源は、UV-BまたはUV-C光を生成するように構成される。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源のアレイは各々、アレイの第2のピーク波長を有する紫外線を放射するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルを含み、第2のピーク波長は、第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる。
【0041】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源のアレイは各々、UV-Aスペクトルにおけるアレイの第1のピーク波長を有する紫外光を放射するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルと、UV-BまたはUV-Cスペクトルにおけるアレイの第2のピーク波長を持つ紫外光を放射するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルと、を備える。
【0042】
いくつかの実施形態では、ハウジングは、モジュール式光装置を電子装置に通信可能に結合するように構成された1つまたは複数の電子インターフェースを備える。
【0043】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電子インターフェースは、電子装置がモジュール式光装置をオフにすることを可能にするように構成されたインターロック接続を含む。
【0044】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電子インターフェースは、通信ポートであって、電子装置がモジュール式光装置にコマンドを送信できるように構成され、モジュール式光装置が電子装置にデータを送信できるように構成された通信ポートを含む。
【0045】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電子インターフェースは、電子装置からモジュール式光装置に電力を伝送するように構成された電力ポートを含む。
【0046】
いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバのいくつかの光源は、1つまたは複数の生物学的流体に所定の照射量(例えば、密度)の光を提供する(例えば、光を透過する)ように構成される。
【0047】
いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源は、実質的に均一な線量(例えば、量)の光(例えば、生物学的流体の表面において、生物学的流体の体積内の平面において、照射量内で、モジュール式光装置から送信される)を集合的に生成する。いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源は、実質的に均一な放射照度(例えば、生物学的流体の表面においてまたはその上で(例えば、生物学的流体を含む容器)照射量内で、モジュール式光装置から透過された)を集合的に生成する。いくつかの実施形態では、生物学的流体の表面にわたる光の放射照度の変動は、25%未満である。いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源は、統生物学的流体上(例えば、生物学的流体を含む容器)の任意の5cm2面積を、全体の生物学的流体(例えば、生物学的流体を含む容器)遮断面全体の積分放射照度から25%未満の変動(表面積全体平均)で集合的に照射する。
【0048】
いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源は、約110度~約130度のビーム角(例えば、ビーム幅)を有するように構成されたLEDである。いくつかの実施形態では、光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源は、約120度のビーム角(例えば、ビーム幅)を有するように構成されたLEDである。
【0049】
いくつかの実施形態では、処理プロセス中にモジュール式光装置から生物学的流体に照射される線量は、1つまたは複数の光センサの1つまたは複数よって検出される(例えば、測定される)光に基づく(例えば、部分的に基づく、少なくとも部分的に基づく)。
【0050】
いくつかの実施形態では、処理プロセス中にモジュール式光装置が起動する(例えば、光を放射している)時間の量は、1つまたは複数の光センサの1つまたは複数よって検出される(例えば、測定される)光に基づく(例えば、部分的に基づく、少なくとも部分的に基づく)。いくつかの実施形態では、モジュール式光装置が起動する時間の量は、1つまたは複数の光源が起動している(光を放射している)時間の量である。いくつかの実施形態では、モジュール式光装置が起動する時間の量は、パルス幅変調の各サイクル(例えば、パルス幅変調サイクル)において1つまたは複数の光源が活性化している時間の量である。いくつかの実施形態では、モジュール式光装置が起動する時間の量は、処理プロセス中のパルス幅変調によって1つまたは複数の光源が活性化している累積時間の量である。
【0051】
いくつかの実施形態では、処理プロセス中にモジュール式光装置によって生成される光の強度は、1つまたは複数の光センサの1つまたは複数よって検出される(例えば、測定される)光に基づく(例えば、部分的に基づく、少なくとも部分的に基づく)。いくつかの実施形態では、処理プロセス中にモジュール式光装置によって生成される光の強度は、(例えば、1つまたは複数の光センサのうちの1つまたは複数によって検出される光に基づいて)1つまたは複数の光源に適用されるパルス幅変調の関数であり得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理するための電子装置は、処理される生物学的流体に面するように配向された(例えば、電子装置の処理チャンバ内に)第1のモジュール式光装置を備え、第1のモジュール式光装置は、処理のために生物学的流体に光を透過する(透過するように構成される)(例えば、ある量または線量の光を送達する、所定のまたは指定された量または線量の光を送達する)ように配向されている。いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理するための電子装置は、(例えば、電子装置の処理チャンバ内に)第1のモジュール式光装置と第2のモジュール式光装置を備え、第1及び第2のモジュール式光装置は、お互いが向き合うように配向され(例えば、それぞれが処理される生物学的流体に向かって配置される)、第1及び第2のモジュール式光装置は、処理のために生物学的流体に集合的に光を照射する。いくつかの実施形態では、生物学的流体は、光化学化合物(例えば、病原体不活化化合物)を含む(例えば、混合される)。
【0053】
いくつかの実施形態では、第1及び第2の光装置は、テスト(例えば、動作テスト、完全性テスト、健全性テスト)を実行するように構成され、テストは、第1のモジュール式光装置から光を透過すること、第1の装置によって透過された光を、第2のモジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって検出(例えば、測定)すること、検出された光を所定の光量と比較することによって(例えば、光のベースライン量と比較する、所定のレベルと比較した光の減少(例えば、部分的な減少、遮断)を決定するために比較する)、1つまたは複数のオクルージョン(例えば、妨害、障害)が第1のモジュール式光装置によって透過された光に存在するかしないかを決定することを含む。いくつかの実施形態では、テストは、第1のモジュール式光装置によって透過される(例えば、第2のモジュール式光装置に透過される)光のベースライン量を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、テストは、第1のモジュール式光装置を較正し、第1のモジュール式光装置によって透過される光のベースライン量を設定することをさらに含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、テストは、第2のモジュール式光装置から光を透過すること、第2のモジュール式光装置によって透過された光を、第1のモジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって検出(例えば、測定)すること、検出された光を所定の光レベルと比較することによって(例えば、ベースライン光量と比較する、所定のレベルと比較した光の減少(例えば、部分的な減少、遮断)を決定するために比較する)、1つまたは複数のオクルージョン(例えば、妨害、障害)が第2のモジュール式光装置によって透過された光に存在するかしないかを決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、テストは、第2のモジュール式光装置によって透過される(例えば、第1のモジュール式光装置に透過される)光のベースライン量を決定することをさらに含む。いくつかの実施形態では、テストは、第2のモジュール式光装置を較正し、第2のモジュール式光装置によって透過される光のベースライン量を設定することをさらに含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、テストは、電子装置内の妨害された光路の存在(例えば、モジュール式光エンジンの窓または電子装置のプラットフォーム/トレイ上の引っかき傷または異物(例えば、ほこり))を決定するためのテストである。
【0056】
いくつかの実施形態では、テストは、電子装置内でされる生物学的試料の存在を決定するためのテストである。
【0057】
いくつかの実施形態では、モジュール式光装置は、テスト(例えば、動作テスト、完全性テスト、健全性テスト)を実行するように構成され、テストは、モジュール式光装置の光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源アレイから光を透過すること、モジュール式光装置の(例えば、モジュール式光装置の光源アレイチャンバの)1つまたは複数の光センサによって、1つまたは複数の光源アレイによって透過された光を検出すること、検出された光を所定の光量と比較すること(例えば、所定の量と比較した光の減少/変化を決定するため)を含む。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光センサは、モジュール式光装置の窓部分に配置された(例えば、窓部分に配置された回路に配置された)光センサである。
【0058】
いくつかの実施形態では、テストは、検出された光を所定の光量と比較することをさらに含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、テストは、1つまたは複数のセンサの1つまたは複数(例えば、それぞれ)の完全性(例えば、機能的完全性、健全性状態、動作状態)を、(例えば、互いに比較することによって、ベースラインまたは標準と比較することによって)決定することをさらに含む。
【0060】
いくつかの実施形態では、テストは、1つまたは複数の光源アレイの1つまたは複数(例えば、それぞれ)の光源の完全性(例えば、機能的完全性、健全性状態、動作状態)を、(例えば、互いに比較することによって、ベースラインまたは標準と比較することによって)決定することをさらに含む。
【0061】
いくつかの実施形態では、モジュール式光装置は、較正プロセスを実行するように構成され、較正プロセスは、モジュール式光装置の1つまたは複数の光源アレイから光を透過すること、モジュール式光装置の光源アレイ(複数可)によって透過された光を、モジュール式光装置の外部の較正装置(例えば、放射計)の1つまたは複数の光センサによって検出することであって、較正装置は電子装置内に配置される、検出すること、検出された光を所定の光量と比較すること、及び光源アレイ(複数可)の1つまたは複数の光源を調整すること(例えば、強度を調整する)を含む。いくつかの実施形態では、光源アレイ(複数可)の1つまたは複数の光源を調整する(例えば、強度を調整する)ことは、個々の光源を調整することによる。いくつかの実施形態では、光源アレイ(複数可)の1つまたは複数の光源を調整する(例えば、強度を調整する)ことは、光源チャネルを調整することによる。いくつかの実施形態では、光源アレイ(複数可)の1つまたは複数の光源を調整する(例えば、強度を調整する)ことは、光源アレイを調整することによる。
【0062】
本開示の別の態様では、生物学的流体を処理するための方法は、生物学的流体を提供すること、及び生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で、上記の実施形態のいずれか1つに記載される1つまたは複数のモジュール式光装置で生物学的流体を照明することを含む。
【0063】
いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理するための方法は、病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供すること、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で上記の実施形態のいずれか1つに記載される1つまたは複数のモジュール式光装置で生物学的流体を照明することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的な装置を示す。
【
図2】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための
図1に関して説明された装置の別の例示的な図を示す。
【
図3】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための別の例示的な図を示す。
【
図4】本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムの例示的なプロセス図を示す。
【
図5】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【
図6】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図である。
【
図7】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図を示す。
【
図8A】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図を示す。
【
図8B】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的なシステムの斜視図を示す。
【
図9】本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムの例示的な内部ハードウェアレイアウトを示す。
【
図10】本開示の実施例による生物学的流体系を処理するためのシステムで使用するための例示的なモジュール式光装置を示す。
【
図11】本開示の実施例による生物学的流体系を処理するためのシステムで使用するための例示的なモジュール式光装置を示す。
【
図12】本開示の実施例による生物学的流体系を処理するためのシステムで使用するための例示的なモジュール式光装置の側面図を示す。
【
図13】本開示の実施例による生物学的流体系を処理するためのシステムで使用するための例示的なモジュール式光装置の下面図を示す。
【
図14】本開示の実施例による生物学的流体系を処理するためのシステムで使用するためのモジュール式光装置を実装するための例示的な熱管理構造を示す。
【
図15A】本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムの例示的な内部ハードウェアレイアウトの別の図を示す。
【
図15B】本開示の実施例による生物学的流体系を処理するためのシステムで使用するための例示的なモジュール式光装置の別の図を示す。
【
図16】本開示の実施例によるモジュール式光装置テストプロセスを示す。
【
図17A】本開示の実施例による例示的な較正プロセスを示す。
【
図17B】本開示の実施例による別の例示的な較正プロセスを示す。
【
図18】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための照明システムの例示的なシステム図を示す。
【
図19】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための照明システムの別の例示的なシステム図を示す。
【
図20】本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムの例示的なシステム図を示す。
【
図21】本開示の実施例によるドメイン固有通信プロトコルの例示的な実装を示す。
【
図22】本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的なシステムを操作する例示的な方法を示す。
【
図23】本開示の実施例によるコンピューティング装置の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0065】
以下の説明では、例示的な方法、パラメーターなどを述べる。しかしながら、そのような説明は、本開示の範囲を制限することを意図するものではなく、代わりに、例示的な実施形態の説明として提供されることを認識されたい。
【0066】
以下の本開示の詳細な説明及び実施形態では、添付図面への参照が行われ、これらの図面は、実施することができる特定の実施形態を一例として示す。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び実施例を実施することができ、変更を行うことができることを理解されたい。
【0067】
さらに、以下の説明で使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が別途明確に示さない限り、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、「及び/または」という用語は、関連する列挙した項目のうちの1つまたは複数の任意の及びすべての可能な組み合わせを指し、包含することも理解されるべきである。「含む(includes)」、「含む(including)」、「含む(comprises)」、及び/または「含む(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/または単位の存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、単位、及び/またはそれらの群の存在または追加を排除しないことをさらに理解されたい。
【0068】
以下の発明を実施するための形態のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する操作のアルゴリズム及び記号表現に関して提示される。これらのアルゴリズムの記述及び表現は、データ処理技術の当業者が自分の作業の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用する手段である。本明細書でのアルゴリズムは、一般的に、望ましい結果につながるステップ(命令)の一貫したシーケンスであると考えられる。これらのステップは物理量の物理的操作を必要とするものである。通常、必須ではないが、これらの量は、記憶され、移転され、組み合わされ、比較され、そうでない場合、操作が可能な電気、磁気、または光信号の形式をとる。主に一般的使用上の理由で、これらの信号を「ビット」、「値」、「要素」、「記号」、「文字」、「用語」、「番号」等として称することは、時に好都合である。さらに、一般性を失うことなく、モジュールまたはコード装置として物理量の物理的操作を必要とするステップの特定の配置を参照することも、時に好都合である。
【0069】
しかしながら、これらまたは同様の語句は、適当な物理的分量に関連付けられ、単にこれらの分量に適用される好都合な標識にすぎない。特に断りのない限り、さもなければ以下の議論から明らかなように、説明全体を通して、「処理する」、「演算する」、「計算する」、「決定する」、「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのメモリやレジスタ、またはその他の情報ストレージ、送信、または表示装置内の物理(電子)量として表されるデータを操作及び変換する、コンピュータシステムまたは同様の電子計算装置の動作及びプロセスを言及している。
【0070】
本発明の特定の態様は、アルゴリズムの形式で本明細書に記載されるプロセスステップ及び命令を含むことができる。本発明のプロセスステップ及び命令は、ソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアで具現化することができ、ソフトウェアで具現化する場合、ダウンロードして、様々なオペレーティングシステムによって使用される異なるプラットフォーム上に常駐し、そこから操作することができることに留意されたい。
【0071】
図1は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム100を示している。本明細書で使用される場合、「生物学的流体」は、生物(例えば、ヒト、動物、植物、微生物)において見出されるか、もしくはそれに由来する、または生物(その合成(例えば、変異型を含む)バージョンを含め)において見出されるか、それから単離されるか、もしくはそれに由来する1つまたは複数の成分(例えば、生物剤)を含む、任意の流体を指す。生物学的流体としては、血液及び血液製剤、ワクチン、細胞(例えば、初代細胞、細胞株、細胞培養物)、天然及び組換えのペプチドまたはタンパク質(例えば、処理薬、抗体)、細菌培養物、ウイルス懸濁液などを含むことができるが、これらに限定されない。本明細書で使用される場合、「血液製剤」は、血液(例えば、全血)、または血液の成分もしくは由来物、例えば、例として、赤血球、白血球、血小板、血漿、もしくはこれらの成分(例えば、凝固因子、アルブミン、フィブリノーゲン)、クリオプレシピテート及び脱クリオ(例えば、クリオ低減)血漿、または血液から分離されたそのような成分のうちの1つまたは複数の組み合わせを指す。1つまたは複数の実施例では、生物学的流体は、非生物学的流体、例えば、例として、生理食塩水、緩衝溶液、栄養液、血小板添加剤溶液(PAS)、及び/または抗凝血溶剤溶液を含むがこれらに限定されない、生理学的溶液(例えば、希釈溶液)をさらに含み得る。1つまたは複数の実施例では、生物学的流体が生物学的流体処理システムのチャンバ内(図示せず)に配置される(例えば、生物学的流体がプラットフォーム上に配置または保有された処理バッグなどの容器内にある)とき、生物学的流体は、指定された強度で所定の期間、ある特定のスペクトルプロファイルを有する光(例えば、可視光、紫外線光)によって照射される。
【0072】
システム100は、電源スイッチ110と、ディスプレイ120と、スキャナー130と、プラットフォーム140と、プラットフォーム150と、を含む。
図1のシステム100は記載された要素を含むが、システム100の実施例は、開示の範囲から逸脱することなく、記載された要素または追加の要素の異なる組み合わせを含むことができる。いくつかの実施例では、システム100は、有線または無線接続を介してコンピューティング装置(例えば、コンピュータ、モバイル装置)(図示せず)に結合することができる。
【0073】
いくつかの実施例では、電源スイッチ110への入力に応答して、電力がシステム100に提供される。例えば、電源スイッチ110は、機械的なボタンであり得る。システム100がオフであるとき、電源スイッチ110の押下に応答して、電力がシステム100に提供される(例えば、システム100がオンになる)。システム100がオンであるとき、電源スイッチ110の押下に応答して、システム100に提供された電力が停止される(例えば、システム100がオフになる)。いくつかの例では、処理中、システム100はオンのままであり、電源スイッチの押下に応答してオフにならない。
【0074】
別の例として、電源スイッチ110は、(例えば、ユーザーの指を電源スイッチに置くことによって)タッチ入力で起動できる容量性スイッチとすることができる。さらに別の例として、電源スイッチは、2つ以上の状態を有するボタンであり得る。電源スイッチが第1の位置にあるとき(例えば、押されていない、第1の側にひっくり返されているとき)、電源スイッチは「オフ」状態であり得る。電源スイッチが第2の位置にあるとき(例えば、押されていない、第2の側にひっくり返されているとき)、電源スイッチは「オン」状態であり得る。
【0075】
いくつかの実施例では、ディスプレイ120はタッチスクリーンである。例えば、ディスプレイ120は、容量性タッチスクリーンまたは抵抗性タッチスクリーンとすることができる。いくつかの実施例では、ディスプレイ120は、システム100を操作するためのグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)を表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、スキャナー130からの入力を受け取るように構成されている。1つまたは複数の実施例では、ディスプレイ120は、GUI上の入力を受け取るように構成されている。例えば、GUI上に表示される複数のGUIオブジェクトのうちの1つのGUIオブジェクトは、タッチスクリーン上にユーザーの手動入力(例えば、タッチ入力またはホバー入力)を提供することによって選択され得る。入力を受け取ることに応答して、システム100は、選択されたGUIオブジェクトに関連付けられている操作を実施することができる。例えば、GUIオブジェクトは生物学的流体処理の開始に関連付けることができ、GUIオブジェクトを選択する入力を受け取ることに応答して、システム100は生物学的流体を処理するプロセスを開始する。1つまたは複数の実施例では、ディスプレイ120は、GUI上のユーザーオペレーターへの命令(例えば、オペレーター命令)を表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、スキャナー130からユーザーオペレーターへの入力を表示するように構成されている。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、音声入力(例えば、1つまたは複数のマイクロフォン)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによって、ユーザーが入力コマンドとして認識することができるディスプレイ120上の視覚形態(例えば、コマンドテキスト、コマンドコード)にプロセシングされる(例えば、音声からテキストへの変換)音からの入力を表示するように構成されており、例えば、1つまたは複数のマイクロフォン(例えば、システム100の内部、外部、及び/または外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによって、ユーザーが入力コマンドとして認識できるディスプレイ120上のコマンドテキストに変換される、ユーザーの音声コマンドなどである。いくつかの実施形態では、ディスプレイ120は、運動センサ(例えば、1つまたは複数のカメラ)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによってユーザーが入力コマンドとして認識することができるディスプレイ120上の視覚形態(例えば、コマンドテキスト、コマンドコード、コマンドアイコン、コマンドグラフィック)にプロセシングされる(例えば、運動からテキストへの変換、運動からグラフィックへの変換)ユーザー視覚運動からの入力を表示するように構成されており、その入力コマンドは、例えば、1つまたは複数のカメラ(例えば、システム100の内部、外部、及び/または外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによって、ユーザーが入力コマンドとして認識できるディスプレイ120上の視覚コマンドテキストまたは視覚グラフィックに変換される、ユーザーのハンドジェスチャ(例えば、スワイプする手の動き)などである。1つのディスプレイ120が
図1に示されているが、システム100は、いくつかの実施例では、複数のディスプレイを含むことができる。
【0076】
入力コンポーネント及び/またはスキャナー130からの入力としてタッチスクリーンを使用することによって、システム100のユーザーインターフェースを簡素化することができる。例えば、タッチスクリーンを使用すると、タッチスクリーンを使用して同様に実施され得る機能に対応する物理的なボタンの必要性を低減することができる。システム100を使用した生物学的流体処理は、簡素化されたユーザーインターフェースを使用してより効率的にすることができる。
【0077】
電源スイッチ110及びディスプレイ120が、ユーザー入力を受信するように構成できるシステム100の要素として記載されているが、本開示の範囲から逸脱することなく、他の要素または入力手段をシステム100に含めることができる。例えば、システム100は、方向入力キー、マウスパッド、またはディスプレイ120上に表示されたGUIを操作するように構成されたスクロールホイールを含むことができる。いくつかの実施形態では、システム100は、音声入力(例えば、1つまたは複数のマイクロフォン)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによってシステム100が入力コマンドとして認識できる言語形態(例えば、コマンドテキスト、コマンドコード)にプロセシングされる(例えば、音声からテキストへの変換)音からのユーザーの入力を受け取るように構成されており、例えば、1つまたは複数のマイクロフォン(例えば、システム100の内部、外部、及び/または外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによって、システム100が入力コマンドとして認識できるコマンドテキストに変換される、ユーザーの音声コマンドなどである。いくつかの実施形態では、システム100は、運動センサ(例えば、1つまたは複数のマイクロフォン)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによって言語形態(例えば、コマンドテキスト、コマンドコード)にプロセシングされる(例えば、音声からテキストへの変換)ユーザーの視覚運動からの入力を受け取るように構成されており、例えば、1つまたは複数のマイクロフォン(例えば、システム100の内部、外部、及び/または外部ハウジングの一部の任意の構成で位置付けられている)によって検出され、1つまたは複数のプロセッサによって、システム100が入力コマンドとして認識できるコマンドテキストに変換される、ユーザーのハンドジェスチャなどである。代替的または追加的に、システム100は、例えば、システム100のために実装された1つまたは複数のセンサからなど、ユーザー入力以外の入力を受信するように構成することができる。(例えば、処理チャンバ内に、光源コンポーネントと一緒に)実装され得る様々なセンサの非限定的な例としては、処理チャンバの様々な部分における光強度及び/または1つまたは複数の生物学的流体の様々な部分に入射する光強度を測定するように構成された1つまたは複数の光センサ、1つまたは複数の空気流センサ、処理チャンバの温度及び/または1つまたは複数の生物学的流体の温度を測定するための1つまたは複数の熱センサ、1つまたは複数の生物学的流体の存在及び/または種類を検出するための1つまたは複数のセンサ(例えば、圧力センサ、光再帰反射センサ、光透過センサ、ラベルリーダー、スキャナー、バーコードスキャナー、RFIDセンサなど)、生物学的流体の特性(例えば、透過性)を検出するための1つまたは複数のセンサ(例えば、光学センサ、分光センサ)、生物学的流体中の光化学化合物を検出するための1つまたは複数のセンサ(例えば、蛍光分光分析)、ならびに1つまたは複数の生物学的流体の一部分(例えば、様々な部分)の流体の深さを検出するように配置された1つまたは複数のセンサ(例えば、超音波センサ)が含まれる。
【0078】
いくつかの実施形態では、システム100は、システム100のために実装された1つまたは複数のスキャナーからの入力を受け取るように構成され得る。いくつかの実施形態では、スキャナー130は、生物学的流体に関連する情報を取得するように構成されている。いくつかの例では、スキャナー130は、処理される生物学的流体に関連する識別情報を取得するように構成され得る。例えば、生物学的流体は、容器(例えば、血液適合性バッグ、処理バッグ)(図示せず)に保存されてもよく、その容器または複式容器アセンブリ(例えば、使い捨て流体プロセシングセット)内の他の容器は、可視形態(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)など)及び/または送信可能な形態(例えば、電子識別子、無線周波数識別(RFID))などの、何らかの形態の識別情報を含むタグもしくはラベルまたは指定された領域を含むことができる。いくつかの実施例では、識別情報は、生物学的パラメーターまたは他のパラメーター(例えば、提供ID、製品コード、セットコード、ロット番号、生物学的流体の種類、生物学的流体の体積、生物学的流体の内容物、例えば、血小板数)、及び処理パラメーターなどの、生物学的流体に関する情報を表すことができる。いくつかの実施例では、生物学的パラメーターまたは他のパラメーターは、任意選択で、1つまたは複数のセンサからの入力及び/またはユーザー入力と組み合わせて処理パラメーターを決定してもよい。いくつかでは、識別情報の複数のセットを取得することができる。例えば、識別情報の複数のセットは、生物学的流体に関連付けられている(例えば、生物学的流体を格納するか、またはこれを格納する複式容器アセンブリの一部である)1つまたは複数のそれぞれの容器上に位置付けることができ、識別情報のセットは、スキャナー130によってそれぞれの容器から取得することができる。いくつかの実施例では、スキャナーは、マルチスキャンスキャナー(例えば、マルチスキャン機能を備えたカメラ、マルチスキャンプロセシング機能を有する回路(例えば、ハードウェア及び/またはソフトウェア)と連携したカメラ、マルチスキャン機能を備えたハンドヘルドスキャナー、マルチスキャンプロセシング機能を有する回路(例えば、ハードウェア及び/またはソフトウェア)と連携したハンドヘルドスキャナー、マルチスキャン機能を備えたラベルリーダー、マルチスキャンプロセシング機能を有する回路(例えば、ハードウェア及び/またはソフトウェア)と連携したラベルリーダーとすることができ、これらは、1つまたは複数の容器に配置された、識別情報の複数のセット(例えば、複数のバーコード、複数のQRコード(登録商標)、複数のラベル、英数字テキスト及び/または記号の異なる文字列または構成の光学的文字認識(OCR)、画像認識など)を順次または実質的に同時に捕捉する(例えば、取得する)、例えば、例として、「バッチ」モードで識別情報の複数のセットを捕捉する(例えば、識別情報の複数のセットを取得するマルチスキャン操作を、命令する、トリガーする、または他の方法で開始する単一のユーザー入力または単一の装置入力に応答して)ように構成されている。単一のマルチスキャン操作は、順次または実質的に同時に(例えば、同時に)、識別情報の複数のセットを捕捉することができる(例えば、単一の操作において、カメラは、生物学的製品の複数のパラメーター、例えば、例として、提供ID、製品コード、セットコード、ロット番号、生物学的流体の種類、生物学的流体の体積、生物学的流体の内容物を示す1つまたは複数のラベルの1つまたは複数の画像を捕捉することができ、単一の操作において、マルチスキャナーは、上記の複数のパラメーターを示す1つまたは複数のラベルのうちの1つまたは複数のスキャンを実施することができる)。いくつかの実施形態では、マルチスキャナーまたはシステム100は、マルチスキャン操作でキャプチャされた、キャプチャした識別情報(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)、英数字テキスト及び/または記号、画像を認識(及び/または解読))の複数のセットを認識する(及び/またはマルチスキャナーまたはシステム100によって認識される別の形式に変換する)ように構成される。識別情報の複数のセットを(例えば、キャプチャされた画像(複数可)で、実行されたスキャン(複数可)で)キャプチャした後、マルチスキャナーは、認識された(及び/または変換された)形式(例えば、システム100が、例えばパラメーターデータとしてすでに認識できる言語形式)または認識されない形式で(例えば、キャプチャされた画像(複数可)、実行されたスキャン(複数可))それらをシステム100に(例えば、有線または無線接続を介して)伝達または通信することができる。認識されない形態である場合、システム100は、捕捉された識別情報の複数のセットを認識される形態にプロセシングすることができる。システム100は、処理される生物学的流体に関連付けられた処理チャンバのGUIを表示するときに、ディスプレイ120のGUIの対応するフィールド(例えば、自動入力情報フィールド)に識別情報の複数のセットを割り当てることができる。したがって、マルチスキャン操作は、便利で効率的で時間を節約できる自動入力技術を介して、生物学的流体のすべてまたはほとんどのパラメーターデータの複数の特定のデータフィールドへのデータ入力を提供することができる。例えば、マルチスキャン操作では、ユーザーは、特定の順序で提示され得る識別情報の複数のセットを捕捉するために、特定の順序で複数のスキャンを実施する必要がない(例えば、GUI上でユーザーに提示される特定のデータフィールドの視覚的順序で、容器上の各ラベルに対してスキャンを実施する必要がない)。
【0079】
いくつかの実施例では、識別情報は、スキャナー130の視野に入ることができ、スキャナー130は、情報が視野内にあるときに識別情報を取得することができる。例えば、ユーザーは、バーコードがスキャナー130に面する状態で生物学的流体処理容器(例えば、バッグ)を保持することができ、スキャナー130は、バーコードを撮像、スキャン、または読み取ることができ、得られたバーコードに基づいて、システム100は、生物学的流体製品に関する情報を決定することができる。いくつかの実施例では、識別情報は、スキャナー130の検出範囲に入ることができ、スキャナー130は、情報が検出範囲にあるときに識別情報を取得することができる。例えば、ユーザーはRFIDタグ付きの生物学的流体処理バッグをスキャナー130の近くに保持することができ、スキャナー130はRFIDタグを検出することができ、検出されたRFIDタグから得られた情報に基づいて、システム100は、生物学的流体製品に関する情報を決定することができる。
【0080】
スキャナー130は、
図1ではシステム100の外部に配置されているように示されているが、スキャナー130は、システム100の異なる場所に配置することができる。1つまたは複数の実施例では、スキャナー130は、システム100の内側に配置される。例えば、スキャナー130は、システム100の処理チャンバの上部に配置することができる。スキャナー130は、生物学的流体がプラットフォーム上及び/またはチャンバ内に置かれた後、生物学的流体に関連する情報を取得することができる。
【0081】
いくつかの例では、スキャナー130は、システム100に結合された装置に含めることができる。例えば、スキャナー130は、システム100に結合されたハンドヘルドスキャナー(例えば、バーコードスキャナー、QRコード(登録商標)スキャナー)に含まれ得る。いくつかの実施例では、スキャナー130は、有線接続を介してシステム100に結合する。いくつかの実施例では、スキャナー130は、無線接続を介してシステム100に結合する。
【0082】
1つのスキャナー130が
図1に示されているが、システム100は、複数のスキャナー130を含むことができる。例えば、システム100は、複数の処理チャンバを含むことができ、各処理チャンバは、対応するスキャナー(例えば、内部スキャナー)を有してもよい。別の例として、システム100は、複数のプラットフォームを含むことができ、各プラットフォームは、それぞれのプラットフォームの開口部の近くまたは開口部に位置付けられた対応するスキャナー(例えば、外部スキャナー)を有してもよい。プラットフォームが開口部を通って移動すると、生物学的流体を格納する容器(例えば、処理バッグ)がそれぞれのスキャナーの視野を横切ることができ、生物学的流体に関連付けられている情報が、容器または関連する複式容器アセンブリの容器上の可視形態で、それぞれのスキャナーによって取得され得る。別の例として、システム100は、システムと一体化された第1のスキャナー(例えば、システム100の外部に配置され、システム100の処理チャンバ内に配置された)と、システム100に結合された第2のスキャナー(例えば、ハンドヘルド型スキャナー)との両方を含むことができる。
【0083】
いくつかの実施例では、プラットフォーム140(例えば、引き出し、トレイ、ウェル、プレート、ステージ)は、処理中に生物学的流体を(例えば、生物学的流体を格納する容器内で)保持するように構成されている。いくつかの実施例では、プラットフォームは、処理チャンバの内部と外部との間を移動可能である(例えば、摺動可能に移動可能であり、処理チャンバの内側から処理チャンバの外側(例えば、処理チャンバの部分的に外)と並進するように構成されている)。いくつかの実施例では、プラットフォームは、閉位置と開位置との間で移動可能な第1のパネル180をさらに備え、第1のパネル180は、閉位置において第1の処理チャンバへの第1の開口部を覆い、第1のパネル180は、開位置において第1の処理チャンバへの第1の開口部を覆わない。いくつかの実施形態では、第1のパネルは、プラットフォーム140に取り付けられるか、それと一体化されるか、または一緒に形成される(例えば、引き出し構成において)。いくつかの実施例では、第1のパネル180は、プラットフォーム140とは別個の構造体であり(例えば、第1の処理チャンバへの第1の開口部を覆い、また覆わない別個のヒンジ式ドア)、プラットフォーム140は、第1のパネル180とは別個に第1の処理チャンバの中及び外に摺動することができる。
【0084】
いくつかの実施例では、プラットフォーム及び/または第1のパネルを、処理中に閉位置に留まるように係止することができる。システム100は、第1のパネルを係止して閉位置に留まらせることによって、処理中にユーザーがプラットフォーム140の内容物に早々にアクセスすること(例えば、処理チャンバにアクセスすること)を防ぐことができる。いくつかの実施例では、第1のパネルは、ピン(例えば、ソレノイド及びピン)または磁気係止機構によって係止することができる。システム100は、ユーザーが、第1のパネルを係止解除することによって、処理の前後にプラットフォーム140の内容物にアクセスすること(例えば、生物学的流体をプラットフォーム140に載せること、生物学的流体をプラットフォーム140から降ろすこと)、または入力(例えば、GUI上の入力、ラッチを開くための入力、ボタンスイッチへの入力)の後にアクセスすることを可能にすることができる。
【0085】
図1に示されるように、プラットフォーム150の構造体は、垂直軸を中心としたプラットフォーム140の構造体を対称的に反映している。もう1つの実施例では、プラットフォーム150は、サイズ、形状、または向きがプラットフォーム140と実質的に同様である。例証されるように、プラットフォーム140及び150は、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が、第1のプラットフォーム及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに同じ平面内にあるように、水平に配設されている。上述したように、第1のパネル180はプラットフォーム140に関連付けられ得るため、第2のパネル190はプラットフォーム150に関連付けられてもよい。
【0086】
図1において2つのプラットフォームがシステム100の一部であるものとして示されているが、システム100は、本開示の範囲から逸脱することなく、プラットフォーム140またはプラットフォーム150と実質的に同様である1つのプラットフォームまたは3つ以上のプラットフォームを含むことができる。一般に、システム100~300に関連付けられている図示されたプラットフォーム及び処理チャンバの数は例示的なものであり、システム100~300の実施形態は、本開示の範囲から逸脱することなく、プラットフォーム、処理チャンバ、及びそれらの関連要素(例えば、スキャナー、光アレイ、区画)の異なる数及び組み合わせを含むことができる。例えば、1つまたは複数の実施例では、システムは、1つのプラットフォームのみを備えた1つのチャンバのみを含むことができる。1つまたは複数の実施例では、システムは、2つ以上のプラットフォームを備えた1つのチャンバのみを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、各々が1つのプラットフォームのみを備えた2つのチャンバを含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、各々が2つ以上のプラットフォームを備えた2つのチャンバを含むことができる。
【0087】
いくつかの実施例では、プラットフォームは、第1の区画と、第1の区画とは別個の第2の区画と、を備える。いくつかの実施例では、第1の区画は、生物学的流体を格納する容器(例えば、複式容器アセンブリの容器)を照射のための位置に持つ(例えば、保持)するように構成されている。いくつかの実施例では、第2の区画は、生物学的流体を格納しない容器(例えば、複式容器アセンブリの容器)を照射のためではない位置に持つように構成されている。いくつかの実施例では、プラットフォームは、少なくとも第1の生物学的流体を備えた第1の容器と、第2の生物学的流体を備えた第2の容器とを別個に保持するように構成されている。いくつかの例では、プラットフォームは照明に使用される光のピーク波長の100nm(例えば、75nm、50nm、40nm、30nm、20nm)以内の波長の光に対して透明である(例えば、選択された波長の光を透過するように選択された材料で作られ、実質的に透明、>95%透明、>90%透明、>80%透明、>80%透明、>70%透明、>60%透明、>50%透明である)。いくつかの実施例では、プラットフォームは、紫外線光(例えば、UV-A、UV-B、及び/またはUV-C)に対して透明(例えば、実質的に透明、>95%透明、>90%透明、>80%透明、>80%透明、>70%透明、>60%透明、>50%透明)である。
【0088】
図2は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム200を示している。1つまたは複数の実施例では、
図1に示されるように、システム200は、システム100と実質的に同様である。電源スイッチ210は、電源スイッチ110に対応することができる。ディスプレイ220は、ディスプレイ120に対応することができる。プラットフォーム240及び250は、プラットフォーム140及び150にそれぞれ対応することができる。パネル280及び290は、パネル180及び190にそれぞれ対応することができる。
【0089】
いくつかの実施例では、システム200は、外部スキャナー230を含む。図示されるように、外部スキャナー230は、他の要素を収容するハウジングの外部にあり、システム200のプロセッサに動作可能に結合することができる。いくつかの例では、外部スキャナー230はハンドヘルドスキャナーである。外部スキャナー230は、
図2に無線接続で示されているが、外部スキャナー230は、有線接続を使用して動作可能に結合することができる。
【0090】
図2に示されるように、プラットフォーム240及び250は、
図1において閉位置にあるプラットフォーム140及び150とは対照的に、開位置において引き出し構成にある。プラットフォーム240とプラットフォーム250との両方が、
図2において引き出し構成で開いているものとして図示されているが、引き出し構成にある一方のプラットフォームが一度に開くこともできる(例えば、他の一方は閉じたままである)。
【0091】
いくつかの実施形態では、プラットフォーム240及び250に関連付けられている第1のパネル280及び第2のパネル290は、いずれのハンドルも欠いている。いくつかの実施形態では、閉位置において、パネルは、開く方向と反対の力を適用することによって開くことができる(例えば、パネルの外部を押して、パネルを開くために解放するプッシュラッチに係合させる)。いくつかの実施形態では、閉位置において、パネルは、パネルを作動させるために(例えば、ヒンジ式ドアとして、引き出し構成のプラットフォームの一部として)、機械的コンポーネント(例えば、モーター、サーボ)を使用して開くことができる。いくつかの実施形態では、システムは、ユーザーがパネルを開くことによって(例えば、ばね機構によって)プラットフォームのコンテンツにアクセスできるようにし、ユーザーにプラットフォームからさらに手動でスライドアウトさせる。例えば、処理手順が開始または完了しているという決定に従って、システムは、1つまたは複数の生物学的流体容器(例えば、処理バッグ)を載せたり降ろしたりするための処理に対応する1つまたは複数のパネルを機械的に開くことができる。
【0092】
いくつかの実施例では、プラットフォームは、本明細書に記載される区画と実質的に同様の区画260を含む。
図2は、1つの区画が可視であるようにプラットフォームを示している(例えば、開位置にある引き出し構成のプラットフォームの場合)が、システム200のプラットフォームの各々は、適用の範囲から逸脱することなく、任意の数の区画を含むことができる。
【0093】
図3は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム300を示している。いくつかの実施例では、システム300は、システム100と実質的に同様であるが、処理チャンバ及びプラットフォームが垂直に配設されているという違いがある。電源スイッチ310は、電源スイッチ110に対応することができる。ディスプレイ320は、ディスプレイ120に対応することができる。スキャナー330は、スキャナー130に対応することができる。プラットフォーム140及び150が水平に配設されたシステム100とは対照的に、プラットフォーム340及び350は、第1のプラットフォーム上及び第2のプラットフォーム上にそれぞれ配置されたときに、第1の生物学的流体及び第2の生物学的流体が並列の平面上にあるように、垂直に配設されている。また、パネル180及び190が水平に配設されているシステム300とは対照的に、パネル380及び390は垂直に配設されている。
【0094】
図1~3の実施例は、以下で詳細に説明するシステムアーキテクチャの例示的なコンテキストを提供することを意図しており、決してアーキテクチャに限定することを意図していない。本明細書に提示されるシステムアーキテクチャは、
図1~
図3に関して上述されていない様々な生物学的流体処理装置で利用することができる。
【0095】
図4は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムの例示的なプロセス図を示す。
図4のダイアグラム400は、生物学的流体を処理するためのシステムの様々なコンポーネントを示し、処理プロセスに関して各コンポーネントがどのような機能を実行するかのマッピングを提示する。
図4の実施例では、この図は、生物学的流体を処理するために互いに集合的に作用することができる複数のプロセス402、404、406、408、及び410を含むことができる。1つまたは複数の実施例において、生物学的流体試料を処理するための装置及びシステムは、特定の生物学的流体に適用される光(例えば、UV光)の量を監視するように構成された光感知プロセス402を含み得る。1つまたは複数の実施例では、光感知プロセス402は、1つまたは複数の光センサ(例えば、フォトダイオード)412を利用する(例えば、相互作用する)ことができる。光センサ412は、光を電流に変換するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、光センサ412から放射される電流は、光センサによって受け取られる光の量に比例し得る。光感知プロセス402はまた、1つまたは複数の光源(例えば、UV光源)414と相互作用することができる。一実施例では、光感知プロセス402は、1つまたは複数の光センサ412を使用して、1つまたは複数の光源(例えば、UV光源)414によって生成される光を感知することを含むことができる。1つまたは複数の実施例では、光源(例えば、UV光源)414によって生成された光に基づいて光センサ412によって生成された電流をコントローラー416に送信して、コントローラー416が処理中の生物学的流体が、生物学的流体の処理に必要な適切な量の光を確実に受けるようにする。
【0096】
1つまたは複数の実施例において、生物学的流体を処理するための装置及びシステムは、特定の生物学的流体に適用される光(例えばUV光)を生成するように構成された照明プロセス404を含むことができる。照明プロセス404は、生物学的流体を処理するために、1つまたは複数の光源(例えば、UV光源)414に光(例えば、UV光)(上述のように)を生成させることを含むことができる。
図400に示すように、照射プロセス404は、生物学的流体中(例えば、それとの混合物中で)で、例えば、血液成分(例えば、血小板/血漿)428などの生物学的流体と、ソラレン(例えば、amotosalen)などの光活性病原体不活化化合物430の両方に作用することができる。
【0097】
1つまたは複数の実施例では、装置は攪拌プロセス406を含むことができる。撹拌器406は、処理容器の内容物を撹拌して(例えば、証明による生物学的流体の処理中に)、生物学的流体及び/または病原体不活化化合物を生物学的流体中に(例えば、混合して)分配する(例えば、均等に分配する)ように構成することができる。撹拌は、例えば、生物学的流体中の化合物(例えば、光化学化合物、病原体不活性化化合物)の混合を提供することによって、または生物学的流体の成分(例えば、血小板、細胞)を懸濁状態に維持することによって、処理を促進することができる。1つまたは複数の実施例において、攪拌プロセス406は、機械的攪拌機418に生物学的流体(例えば、光活性病原体不活化化合物430を含む生物学的流体)を攪拌させることを含み得る。1つまたは複数の実施例では、コントローラー416は、撹拌プロセス406を実行するように撹拌器418を制御することができる。1つまたは複数の実施例では、1つまたは複数のモーターまたはサーボ(例えば、プラットフォームにまたはプラットフォーム上に取り付けられた)を機械的攪拌器418として構成することができる。1つまたは複数のモーターまたはサーボは、プラットフォームまたはその一部に物理的に結合され得、かつプラットフォームまたはその一部(例えば、関連トレイ)を前後に(例えば、レールまたはトラックに沿って)移動させて、プラットフォーム上で保持された生物学的流体(例えば、容器内の生物学的流体)を撹拌し得る。1つまたは複数のモーターまたはサーボは、任意の好適な撹拌設計(例えば、1つまたは複数のモーターまたはサーボがプラットフォームまたはその一部に取り付けられた親ねじを移動させる親ねじ設計、1つまたは複数のモーターまたはサーボがプラットフォームまたはその一部に取り付けられた1つまたは複数のトラックに係合し、これを移動させる1つまたは複数のギア(例えば、歯を備えたギア)を回転させる1つまたは複数のベルトを移動させるベルト駆動設計)の一部であってもよく、制御回路に電気的に接続された電気配線からの制御信号に基づいて動作してもよい。1つまたは複数の実施例では、システムは、撹拌の動きの1つまたは複数の態様、例えば、オフセット(すなわち、撹拌中の往復(線形、前後方向など)運動のストローク長)、速度、加速、及び減速を制御する(例えば、調整可能に制御する)ように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、撹拌速度は、調整可能であってもよい(例えば、異なる処理の間に異なる速度を有するように調整され、単一の処理の間に異なる速度を有するように調整され、所定の速度計画に基づいて調整され、リアルタイムでのユーザーの入力に基づいてリアルタイムで動的に調整される)、そのような制御回路は、制御回路のソフトウェア及び/またはハードウェアとして実装された制御プログラムに基づいて、撹拌機(例えば、1つまたは複数のモーターまたはサーボ)を制御し得る。
【0098】
1つまたは複数の実施例では、装置は、移送プロセス408を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、移送プロセス408は、生物学的流体を処理チャンバに出し入れするために必要な操作を含むことができる。例えば、移送プロセス408は、照明チャンバ420の1つまたは複数のドアを操作して、装置が現在関与している処理プロセスの部分に応じて開閉し、ロックまたはロック解除することを含むことができる。1つまたは複数の実施例では、コントローラー416は、移送プロセス408を実行するように照明チャンバ420を制御することができる。
【0099】
1つまたは複数の実施例では、装置は、温度管理プロセス410を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、温度プロセス410は、装置(例えば、生物学的流体が処理されている)を特定の温度範囲内維持するように集合的に構成された1つまたは複数のハードウェアコンポーネント(例えば気流及び/または温度センサ422、熱交換器424、ファン426)の動作を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、温度管理プロセス410は、装置の内部温度が(例えば、温度センサ(例えば、サーミスタ)422によって検出されるように、所定の温度閾値を超えた場合に装置を冷却するために(例えば、熱交換器424と連動して)外気432に作用することができる1つまたは複数のファン426を動作させるように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、コントローラー416は、温度管理プロセス410を実行するために、1つまたは複数のファン426を制御することができる。
【0100】
図5は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム500の斜視図である。いくつかの実施形態では、システム500は、
図1に示されているように、システム100と実質的に同様である。生物学的流体を処理するための例示的なシステム500は、1つまたは複数の生物学的流体510を受容するための第1の処理チャンバ502及び第2の処理チャンバ504と、1つまたは複数の生物学的流体510を照射するように配置された光源アレイ506と、を含む。いくつかの実施形態では、光源アレイ506は、1つまたは複数の生物学的流体510を照射するように配置されたチャンバ502及び504内の唯一の光源を備え得る。
図6に関して以下に説明する他の実施形態では、複数の光源アレイを使用して、チャンバ502及び504の様々な実施形態に配置された1つまたは複数の生物学的流体を照明することができる。本明細書に記載されるように、「光源アレイ」は、任意の2次元または3次元の表面(例えば、連続表面、非連続表面)上に配設された1つまたは複数の光源を意味する。
【0101】
1つまたは複数の光源チャネルが、本開示の光源のアレイに含まれ得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源チャネル508が光源のアレイ506に含まれる。特定の光源は特定の光源チャネルに属するものとして示されているが、光源の異なる組み合わせが異なる光源チャネルを形成し得ることが理解される。各光源チャネル508は、同じかまたは実質的に同じ波長(例えば、ピーク波長、最大ピーク波長)を有する1つまたは複数の光源のセットであり得る。例示的なセットにおいて、1つの光源は、1つのピーク波長を有し得る。別の例示的なセットでは、2つの光源が互いに同じピーク波長を有し得る。さらに別の例示的なセットでは、複数の光源のそれぞれは、互いに異なるピーク波長を有し得る。さらなる例示的なセットでは、1つまたは複数の光源の第1のサブセットが1つのピーク波長を有し、1つまたは複数の光源の第2のサブセットが異なるピーク波長を有し得る。複数の光源を有する光源チャネル内で、光源のすべては、それぞれのピーク波長(例えば、最大ピーク波長)を有し得、これは、すべてが光源チャネルの波長範囲内である(例えば、1~20nm、1~10nmの範囲、例えば、特定の波長を1nm、2nm、3nm、4nm、5nm、またはそれを超えて、上回る及び/または下回る)。例えば、いくつかの実施形態では、複数の光源を有する光源チャネル内で、光源のすべてが、本開示に記載される範囲内、例えば、例として、約315nm~約350nm(例えば、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm、約340nm~約350nm)のピーク波長を有し得る。光源チャネルにおいて、各光源は、望ましい特性(例えば、ピーク波長、最大ピーク波長、スペクトルバンド幅)の光を提供する任意の光源であり得、これには、ソリッドステート照射(SSL)、発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、及びレーザーダイオードが含まれるが、これらに限定されない。光源アレイの光源チャネルは、直列回路、並列回路、または直列回路と並列回路との組み合わせで接続することができる。複数の光源を有する光源チャネルにおいて、それらの光源は一緒にまたは別々に制御され得る。
【0102】
各光源チャネルは、1つまたは複数のピーク波長の光が生物学的流体の1つまたは複数の部分に適用される異なる強度で光を放射するように調整または設定され得る(例えば、光量を調整する、エネルギー量を調整する)。例えば、各光源チャネルは、最大強度(例えば、100%)で、または最大強度未満(例えば、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、40%、約30%、約20%、またはそれ以下)で光を放射し得る。
【0103】
各光源チャネルは、様々なタイプの光を放射し得る。例えば、各光源チャネルは、紫外光、紫外A光、紫外B光、紫外C光、及び/または可視光を放射し得る。さらに、各光源チャネルは、様々なピーク波長の光を放射し得る。例えば、放射されたピーク波長(複数可)は、紫外Aスペクトル(例えば、315~400nm)、紫外Bスペクトル(例えば、280~315nm)、紫外Cスペクトル(例えば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)、または可視光スペクトル(例えば、400~800nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長(複数可)は、約240nm~約250nm、約245nm~約255nm、約250nm~約260nm、約255nm~約265nm、約260nm~約270nm、約265nm~約275nm、約270nm~約280nm、または約275nm~約285nmであり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長(複数可)は、約280nm~約290nm、約285nm~約295nm、約290nm~約300nm、約300nm~約310nm、約305nm~約315nm、または約310nm~約320nmであり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長(複数可)は、約315nm~約325nm、約320nm~約330nm、約325nm~約335nm、約330nm~約340nm、約335nm~約345nm、約340nm~約350nm、約345nm~約355nm、約350nm~約360nm、約355nm~約365nm、約360nm~約370nm、約365nm~約375nmnm、約370nm~約380nm、約375nm~約385nm、約380nm~約390nm、約385nm~約395nm、約390nm~約400nmであり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約240nm、約245nm、約250nm、約255nm、約260nm、約265nm、約270nm、約275nm、約280nm、約285nm、約290nm、約295nm、約300nm、約305nm、約310nm、約315nm、約320nm、約325nm、約330nm、約335nm、約340nm、約345nm、約350nmnm、約355nm、約360nm、約365nm、約370nm、約375nm、約380nm、約385nm、約390nm、約395nm、または約400nmであり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約255nm~約275nm(例えば、約260nm~約270nm、約265nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約275nm~約295nm(例えば、約280nm~約290nm、約285nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約300nm~約320nm(例えば、約305nm~約315nm、約310nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約315nm~約335nm(例えば、約320nm~約330nm、約325nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約330nm~約350nm(例えば、約335nm~約345nm、約340nm~約350nm、約340nm、約345nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約355nm~約375nm(例えば、約360nm~約370nm、約365nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、約375nm~約395nm(例えば、約380nm~約390nm、約385nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、(1)紫外Aスペクトル(例えば、315~400nm)、及び(2)紫外Bスペクトル(例えば、280~315nm)または紫外Cスペクトル(例えば、100~280nm、200~280nm、240~280nm)であり得る。いくつかの実施形態では、放射されたピーク波長は、紫外線Aスペクトルで、約315nm~約350nm(例えば、約320nm~約345nm、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm、約340nm~約350nm)である。
【0104】
いくつかの実施形態では、光源アレイのすべての光源チャネルは、ほぼ同じ(例えば、変動範囲±1nm、±2nm、±3nm、±4nm、±5nm、±6nm、±7nm、±8nm、±9nm、±10nm以内)ピーク波長(例えば、最大ピーク波長)の光を放射し得る。例えば、いくつかの実施形態では、光源アレイのすべての光源チャネルは、325±10nm、330±10nm、335±10nm、340±10nm、325±5nm、330±5nm、335±5nm、340±5nm、345±5nm、345±4nm、345±3nm、または345±2nmのピーク波長の光を放射し得る。光源チャネルは、変動範囲内で異なるピーク波長(例えば、測定されたピーク波長)を有する複数の光源を含み得る。いくつかの実施形態では、単一の光源チャネルの複数の光源にわたる平均ピーク波長は、単一の光源チャネル内の特定の光源の特定のピーク波長と同じであり得る。他の実施形態では、単一の光源チャネルの複数の光源にわたる平均ピーク波長(例えば、約1nm、2nm、3nm、4nm、5nmまたはそれ以上、それを超える、またはそれ未満)は、単一の光源チャネル内の各光源のすべての特定のピーク波長異とは異なり得る。いくつかの実施形態では、いくつかの光源チャネルは、第1のピーク波長の光を放射し得、他の光源チャネルは、第2のピーク波長の光を放射し得る。第1のピーク波長は、第2のピーク波長と、少なくとも(例えば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nm、またはそれ以上異なり得る。例えば、非限定的な実施形態では、第1の光源チャネルは、上述のような紫外Aスペクトル(例えば、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm、約340nmから約350nm)のピーク波長を有する光を放射し得、第2の光源チャネルは、上述のような紫外Cスペクトル(例えば、約250nm~約260nm、約260nm~約270nm)、または上記のような紫外Bスペクトル(例えば、約305nm~約315nm)のピーク波長を有する光を放射し得る。別の非限定的な実施形態では、第1の光源チャネルは、上記のような紫外Aスペクトル(例えば、約330nm~約350nm、約340nm~約350nm)のピーク波長を有する光を放射し得、第2の光源チャネルもまた、上述のような紫外Aスペクトル(例えば、約315nm~約335nm、約355nm~約375nm)のピーク波長を有する光を放射し得る。いくつかの実施形態では、第1のピーク波長は、第1の光源チャネルの1つまたは複数の光源の平均ピーク波長である。いくつかの実施形態では、光源のアレイは、それぞれが第1、第2、及び第3のピーク波長の光を放射する第1、第2、及び第3の光源チャネルを備え得る。いくつかの実施形態では、第1のピーク波長は、第2のピーク波長と、少なくとも(例えば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nmまたはそれ以上異なり得、及び/または第2のピーク波長は、第3のピーク波長と、少なくとも(例えば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nmまたはそれ以上異なり得る。あるいは、第1、第2、及び第3のピーク波長のそれぞれは、少なくとも(例えば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nmまたはそれ以上、互いに異なり得る。いくつかの実施形態では、光源のアレイは、それぞれが第1、第2、第3及び第4のピーク波長の光を放射する第1、第2、第3及び第4の光源チャネルを備え得る。いくつかの実施形態では、第1、第2、第3、及び第4のピーク波長のうちの少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つが、少なくとも(例えば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nm以上互いに異なり得る。あるいは、第1、第2、第3及び第4のピーク波長のそれぞれは、少なくとも(例えば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nmまたはそれ以上、互いに異なり得る。あるいは、第1のピーク波長は、第3のピーク波長とほぼ同じであってもよく(例えば、変動範囲±1nm、±2nm、±3nm、±4nm、±5nmでそれに等しくてもよく)、第2のピーク波長は、第4のピーク波長とほぼ同じであってもよく(例えば、それに等しくてもよく)、第1のピーク波長は、第2のピーク波長とは少なくとも(例えば、以下を上回って)5nm、10nm、15nm、または20nm異なってもよい。
【0105】
いくつかの実施形態では、各光源チャネルは、スペクトル帯域幅が狭い光を照射することができる。例えば、各光源チャネルによって放射される光の半値全幅(FWHM)スペクトル帯域幅(例えば、最大ピーク強度におけるスペクトル帯域幅)は、20nm未満、18nm未満、16nm未満、14nm未満、12nm未満、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、または5nm未満であり得る。いくつかの実施形態では、各光源チャネルによって放射される光の半値全幅(FWHM)スペクトル帯域幅は、ピーク波長よりも10nm以内短い及び/または10nm以内長い(例えば、ピーク波長よりも10nmを超えて長くはない、10nmを超えて短くはない)である。いくつかの実施形態では、各光源チャネルによって放出される光の半値全幅(FWHM)スペクトル帯域幅は、1nm超、2nm超、3nm超、または4nm超、またはそれ以上であり得る。他の実施例では、各光源チャネルによって放射される光の最大ピーク強度の50%は、ピーク波長の10nm以内、9nm以内、8nm以内、7nm以内、6nm以内、5nm以内、4nm以内、または3nm以内(例えば、ピーク波長よりも10nmを超えて長くはない、10nmを超えて短くはない;ピーク波長よりも10nm以内短い、10nm以内長い)である。他の実施例では、各光源チャネルによって放射される光の最大ピーク強度の50%での光強度は、20nm未満、18nm未満、16nm未満、14nm未満、または12nm、10nm未満、9nm未満、8nm未満、7nm未満、6nm未満、または5nm未満のスペクトル幅以内(例えば、ピーク波長よりも10nmを超えて長くはない、10nmを超えて短くはない;ピーク波長よりも10nm以内短い、10nm以内長い)である。市販入手可能なLED及びレーザーダイオードは、上記に考察されるピーク波長においてそのような狭いスペクトルバンド幅の照射を提供することができる光源の非限定的な例である。
【0106】
いくつかの実施形態では、発光のピーク波長、発光のスペクトル帯域幅、発光の持続時間、及び各光源チャネル508の発光の強度のうちの1つまたは複数を調整または設定することができる。
【0107】
これらの様々な光源チャネルパラメーターの調整は、処理チャンバ502及び504、光源アレイ506、及び/またはコンピュータシステム524に動作可能に結合された(例えば、通信可能に結合された)制御回路520によって実行され得る。本明細書で使用される場合、「動作可能に結合された」とは、2つ以上のコンポーネントが情報、制御命令、及び/または制御シグナルを交換することを可能にする、2つ以上のコンポーネントの間の任意の有線または無線接続を指す。以下により詳細に考察されるように、制御回路520は、コンピュータシステム524から制御命令及び/または制御シグナルを受信することができ、制御命令及び/または制御シグナルを処理チャンバ502及び504の様々なコンポーネントに送信して、チャンバ502及504の様々なコンポーネントに関連付けられている様々なパラメーターを調整または設定することができる。チャンバの処理パラメーターが、1つまたは複数の生物学的流体510の処理プロファイルに確実に従うように、チャンバ502及び504の様々なパラメーターの調整が望ましい場合がある。いくつかの実施例では、制御回路520及び/または制御回路520の機能は、コンピュータシステム524内に含まれ得ることが、認識されるはずである。いくつかの実施例では、制御回路520は、コンピュータシステム524及び/またはコンピュータシステム524の機能を含み得る。いくつかの実施例では、制御回路520は、処理チャンバ502及び504に構造的に取り付けられ得る(例えば、外側、上部、及び/または処理チャンバ502及び504の底面)。いくつかの実施例では、制御回路520は、処理チャンバ502及び504に構造的に一体化されてもよい(例えば、処理チャンバ502及び504の内側に位置付けられるか、または処理チャンバ502及び504の構造体の一部を形成していてもよい)。
【0108】
コンピュータシステム524は、制御回路520及び/または本明細書で考察される様々なセンサのいずれかに動作可能に(有線または無線で)結合することができる。コンピュータシステムは、1つまたは複数のプロセッサ544(
図5の544、
図6の644)と、メモリ542(
図5の542、
図6の642)と、入力/出力(I/O)インターフェース546(
図5の546、
図6の646)と、ユーザーインターフェース(UI)548(
図5の548、
図6の648)と、を含み得る。1つまたは複数のプロセッサ544は、任意の種類の汎用コンピュータプロセッサのうちの1つまたは複数であり得る。メモリまたはコンピュータ可読媒体542は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光記憶媒体(例えば、コンパクトディスクまたはデジタルビデオディスク)、フラッシュドライブ、またはその他の形式のデジタルストレージ、ローカルまたはリモートなどの容易に利用可能なメモリのうちの1つまたは複数を含み得る。いくつかの実施例では、メモリ542の非一時的コンピュータ可読記憶媒体を使用して、本明細書で説明するように、1つまたは複数の治処理プロファイルに従って1つまたは複数の生物学的流体を照射するための命令を保存することができる。コンピュータシステム524は、パーソナルコンピュータ(PC)、デスクトップコンピュータ、ラップトップ、コンピュータ端末、サーバコンピュータ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、携帯情報端末(PDA)など、あらゆる種類のコンピュータを包含し得る。いくつかの実施例では、制御回路520及び/または制御回路520の機能は、コンピュータシステム524内に含まれ得る。
【0109】
UI548で、ユーザーは、1つまたは複数の生物学的流体(例えば、生物学的流体510)の一連の特性のうちの1つまたは複数の特性を入力することができる。あるいは、またはさらに、1つまたは複数の生物学的流体の一連の特性のうちの1つまたは複数の特性は、処理チャンバ(例えば、処理チャンバ502、処理チャンバ504)のための1つまたは複数のセンサからのコンピュータシステム524及び/または制御回路520に入力されるフィードバックに基づいて決定され得る。生物学的流体の特徴セットの特徴としては、例えば、生物学的流体の種類(例えば、血液製剤、例えば、血漿、血小板、赤血球;細胞、例えば、真核細胞;タンパク質、例えば、抗体;ワクチン)、生物学的流体中の光化学物質(例えば、種類、体積、濃度)、生物学的流体の体積、生物学的流体の光透過性、生物学的流体を保持する容器の種類及び/または形状、ならびに生物学的流体の温度を含むことができる。
【0110】
UI548で、ユーザーは、1つまたは複数の生物学的流体(例えば、生物学的流体510)の処理プロファイルを含む1つまたは複数のパラメーターを入力することができる。あるいは、またはさらに、コンピュータシステム524は、1つまたは複数の生物学的流体の特性のそれぞれのセットに基づいて、1つまたは複数の生物学的流体(例えば、生物学的流体510)の1つまたは複数の処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターを自動的に決定することができる。具体的には、メモリ542は、生物学的流体の1つまたは複数の特性を、各生物学的流体の生物学的流体の処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターにマッピングする命令を含むコンピュータプログラムを格納することができる。生物学的流体の1つまたは複数の特徴を各生物学的流体の生物学的流体の処理プロファイルの1つまたは複数のパラメーターにマッピングする命令は、ユーザーがプログラム可能な規則のセットとして実装され得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、光源アレイ506は、熱交換器528に熱的に結合されてもよい(例えば、動作可能に結合され、制御回路520によって制御され得るヒートシンク、フィンヒートシンク、熱交換器)。熱交換器528は、1つまたは複数の生物学的流体510に面するアレイ506から熱エネルギーを奪い、それによって、生物学的流体510の熱エネルギー(例えば、生物学的機能を損傷し得る熱エネルギー)への曝露を最小限にすることができる。チャンバ502及び504の温度及び/または1つまたは複数の生物学的流体510の温度のさらなる制御は、制御回路520に動作可能に結合され、それによって制御され得、チャンバ502及び504の温度を調整または設定するように構成され得る、加熱/冷却ユニット526によって提供され得る。加熱/冷却ユニット526は、例えば、例として、ファン、ヒートポンプ、ペルチェクーラー、及び/またはヒートパイプなど、当該技術分野において公知の任意の好適な技術であり得る。加熱/冷却ユニット526は、チャンバ502及び504の外部にあってもよく、内側にあってもよく、及び/またはそれと一体化されていてもよい。例えば、1つまたは複数のファンを処理チャンバ(複数可)の後部に配置して、システム500の外部ハウジングの入口から空気を引き込み、外部ハウジングの背面の排気口から空気を排出することができる。
【0112】
いくつかの実施形態では、加熱/冷却ユニット526は、加熱ユニットまたは冷却ユニットまたは加熱―冷却ユニットであり得る。加熱/冷却ユニット526の使用を通じて、システム500は、照射による生物学的流体の処理中に、生物学的流体の温度を一定の温度範囲(例えば、1℃の範囲、2℃の範囲、3℃の範囲など)内に維持するように、加熱/冷却ユニット526を制御することができる。例えば、熱または温度センサは、制御回路520に、または制御回路520を介してコンピュータシステム524に、温度表示または測定値を提供することができる。制御回路520及び/またはコンピュータシステム524が、温度指示または測定値を、目標温度値またはプロファイルに関連する特定の閾値または条件の交差を示すものとしてプロセシングまたは解釈した場合、制御回路520及び/またはコンピュータシステム524は、チャンバ502または504の温度及び/または1つまたは複数の生物学的流体510の温度を調整するためのアクションをとるように、加熱/冷却ユニット526に、指示または命令または有効化または係合または作動を行うことができる。例えば、制御回路520及び/またはコンピュータシステム524は、冷却を開始するために送風を始めるように、増加した冷却速度を提供するためにより速く送風するように、減少した冷却速度を提供するためにより遅く送風するように、または冷却を停止するために送風を止めるように、1つまたは複数のファンに、指示または命令または有効化または係合または作動を行うことができる。照射による生物学的流体の処理中、生物学的流体の温度を一定の温度範囲(例えば、1℃の範囲、2℃の範囲、3℃の範囲など)内に維持するために、制御回路520及び/またはコンピュータシステム524の制御下で、1つまたは複数のファンが動作サイクルで動作してもよい。制御回路520及び/またはコンピュータシステム524は、チャンバ502もしくは504の温度及び/または1つまたは複数の生物学的流体510の温度を調整するためのアクションをとるように、例えば、例として、ファン、ヒートポンプ、ペルチェクーラー及び/またはヒートパイプなどの当技術分野で公知の任意の他の好適な技術、またはそのような技術の任意の組み合わせに、指示または命令または有効化または係合または作動を行うことができる。
【0113】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のファンは、処理チャンバ(複数可)の後側に位置付けられてもよい。1つまたは複数のファンは、前から後ろの方向または後ろから前の方向、あるいはその両方に空気を吹き込むことができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のファンが空気を引き込んで処理チャンバを通過し、システムの後部の排気口から空気を排出することができる。1つまたは複数のファンへの吸気は、処理チャンバ(複数可)の前部または側面(複数可)に、またはその近くに配置されたベントを通って入ることができ、1つまたは複数のファンからの排気は、処理チャンバ(複数可)の後部に配置されたベントを通って出ることができる。
【0114】
処理チャンバ502及び504は、光を吸収するように構成された複数の内部表面(例えば、各々が光を吸収するように構成されている)、例えば、例として、ある特定の波長の光を実質的に吸収する材料(例えば、黒色プラスチック、黒色珪酸塩、黒色塗料)から作製されるかまたはそれがコーティングされた1つまたは複数の壁をさらに含み得る。代替または追加として、いくつかの実施形態では、処理チャンバ502及び504は、光を反射するように構成された(例えば、各々が光を反射するように構成された)1つまたは複数の内部表面、例えば、例として、ある特定の波長の光を実質的に反射する材料から作製されるかまたはそれがコーティングされた1つまたは複数の壁をさらに含み得る。
【0115】
処理チャンバ502及び504は、1つまたは複数の生物学的流体510(例えば、生物学的流体の容器)を保持するように構成されたプラットフォーム530をさらに備え得る。プラットフォーム530は、生物学的流体または生物学的流体の容器を保持するのに好適な任意の支持体であり得る。プラットフォーム530は、それがチャンバ502及び504の中及び外に手動で摺動可能に移動可能となるような「引き出し構成」で配置することができる。プラットフォーム530は、電気モーターまたはサーボなどの任意の好適なアクチュエーターによって、自動で摺動可能に移動可能であってもよい。生物学的流体510を保持するプラットフォーム530は、光源アレイ506の上に、光源アレイ506がプラットフォーム530に面する状態で配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、1つまたは複数の生物学的流体を保持するプラットフォーム530は、光源アレイ506の下に、光源アレイ506がプラットフォーム530に面する状態で配置されてもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、システム500は、処理チャンバ502及び504内に1つまたは複数のスキャナー532を含む。1つまたは複数のスキャナー532は、流体が処理のために配置されたときに、生物学的流体510の上に位置付けられてもよい(例えば、第1の処理チャンバ内のスキャナー532A、第2の処理チャンバ内のスキャナー532B)。図示されるように、1つまたは複数のスキャナー532(例えば、スキャナー532C)はまた、システム500の外部(例えば、外部ハウジング、外面)の第1の処理チャンバと第2の処理チャンバとの間に位置付けることもできる。1つまたは複数のスキャナー532は、本明細書に記載されるスキャナーと実質的に同様であり得る。生物学的流体がそれぞれの処理チャンバに載せられると、それぞれのチャンバ内のそれぞれのスキャナーは、本明細書に記載されるように、生物学的流体に関する識別情報を取得することができる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のスキャナーは、第1の処理チャンバ502の第1の開口部、第2の処理チャンバ504の第2の開口部、または両チャンバの開口部に位置付けられ得る。
【0117】
図6は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム600の斜視図である。いくつかの実施形態では、システム600は、
図5に示されるようにシステム500と実質的に同様である。生物学的流体を処理するための例示的なシステム600は、1つまたは複数の生物学的流体610を受容するための第1の処理チャンバ602及び第2の処理チャンバ604と、1つまたは複数の生物学的流体610を下から照射するように配置された各チャンバ内の第1の光源アレイ606と、1つまたは複数の生物学的流体610を上から照射するように配置された各チャンバ内の第2の光源アレイ608と、1つまたは複数の生物学的流体610(例えば、生物学的流体の容器)を保持するように構成された各チャンバ内のプラットフォーム630と、処理チャンバに載せられた生物学的流体の識別情報を取得するように構成されたセンサ(例えば、スキャナー)632と、を含む。処理チャンバ602及び604の各々内の1つまたは複数の生物学的流体610の上下に配置された第1の光源アレイ606及び第2の光源アレイ608は、1つ(すなわち、上もしくは下)または2つ(すなわち、両方)のいずれかの方向から生物学的流体を照射することを提供する。
【0118】
システム600は、第1の処理チャンバ602に関連付けられている位置(例えば、第1の処理チャンバ602の開口部またはその近く)におけるシステム600の外部(例えば、外部ハウジング、外面)に配置されたスキャナー632Aと、第2の処理チャンバ604に関連付けられている位置(例えば、第2の処理チャンバ604の開口部またはその近く)におけるシステム600の外部(例えば、外部ハウジング、外面)に配置されたスキャナー632Bと、を含むことができる。システム600はまた、第1の処理チャンバ602と第2の処理チャンバ604との間のシステム600の内側(例えば、内壁、天井、床)に配置されたスキャナー632Cも含むことができる。いくつかの実施形態では、スキャナー632Cは、いずれかの処理チャンバまたは両方の処理チャンバ内に配置された容器から情報を取得するように構成することができる。
【0119】
図7は、生物学的流体を処理するための例示的なシステム700の斜視図である。いくつかの実施形態では、システム700は、
図3に示されているシステム300、及び
図6に示されているシステム600と実質的に同様であり、第1の処理チャンバ702及び第2の処理チャンバ704がシステム700内で垂直に(互いの上及び下に)配置されている点で異なる。生物学的流体を処理するための例示的なシステム700は、1つまたは複数の生物学的流体710を受容するための第1の処理チャンバ702及び第2の処理チャンバ704と、1つまたは複数の生物学的流体710を下から照射するように配置された各チャンバ内の第1の光源アレイ706と、1つまたは複数の生物学的流体710(例えば、生物学的流体の容器)を保持するように構成された各チャンバ内のプラットフォーム730と、処理チャンバ内に載せられた生物学的流体の識別情報を取得するように構成されたセンサ(例えば、スキャナー)732と、を含む。生物学的流体710を保持するプラットフォーム730は、光源アレイ706の上に、光源アレイ706がプラットフォーム730に面する状態で配置され得る。しかしながら、他の実施形態では、1つまたは複数の生物学的流体を保持するプラットフォーム730は、光源アレイ706の下に、光源アレイ706がプラットフォーム730に面する状態で配置され得る。光源チャンバ702及び704の各々は、
図6に示されるように、例えば、例としてシステム600と同様に、1つまたは複数の生物学的流体710の上下に配置された、第2の光源アレイ(図示せず)をさらに備え得る。
【0120】
システム700は、第1の処理チャンバ702の内側(例えば、生物学的流体710A及び710Bのための区画の上の天井)に配置されたスキャナー732A及び732Bと、第2の処理チャンバ704の内部(例えば、生物学的流体710C及び710Dのための区画の上の天井)に同様に配置された2つのスキャナーと、を含むことができる。システム700は、第1の処理チャンバ702と第2の処理チャンバ704との間のシステム700の外部(例えば、外部ハウジング、外面)に配置されたスキャナー732Eを含むことができる。いくつかの実施形態では、スキャナー732Eは、いずれかの処理チャンバまたは両方の処理チャンバ内に配置された容器から情報を取得するように構成することができる(例えば、引き出し構成にあるプラットフォームがスキャナー732Eの視野内の開位置にあるとき、RFIDタグがスキャナー732Eの検出範囲内にあるとき)。
【0121】
図8Aは、処理チャンバ812内に配置された光源アレイ804を含む、1つまたは複数の生物学的流体806及び808の処理のための例示的なシステム800の斜視図を示す。光源アレイ804は、生物学的流体用のプラットフォーム810に面している。光源アレイ804は、熱交換器816に熱的に結合され得る。処理チャンバ812は、光源アレイ804の下に配置されたプラットフォーム810を含み得、プラットフォームは、1つまたは複数の生物学的流体806及び808を保持するように構成されている。処理チャンバ812、光源アレイ804、熱交換器816、及びプラットフォーム810はそれぞれ、それぞれのパラメーターを調整または設定することができる制御回路818に動作可能に結合することができる。
図8Bは、例示的なシステム800が、処理チャンバ812内にバリア(例えば、光バリア、保護バリア)858及び様々なセンサ812、866、868、880も含み得ることを示している。いくつかの実施形態では、バリアは、第1のピーク波長の30nm以内(例えば、第1のピーク波長よりも15ナノメートル以内短い、15ナノメートル以内長い;第1のピーク波長よりも15ナノメートルを超えて長くはない、15ナノメートルを超えて短くはない)の波長を有する光に対して透明である(例えば、実質的に透明であり、95%超透明であり、90%超透明であり、80%超透明であり、80%超透明である)。いくつかの実施形態では、バリアは、紫外線光、例えば、紫外線Aスペクトルの波長を有する光などに対して透明である(例えば、実質的に透明であり、95%超透明であり、90%超透明であり、80%超透明であり、80%超透明である)。いくつかの実施形態では、バリアは、例えばUVAスペクトルにおける光の波長未満の波長を有する光などの光の透過率を低下させる(例えば、最小化、減衰、ブロック)ように構成された光バリア(例えば、光フィルタ)である。いくつかの実施形態では、バリアは、UVBスペクトルにおける光の波長未満の波長を有する光の透過率を低下させるように構成された光バリアである。いくつかの実施形態では、バリアは、第1のピーク波長より少なくとも20nm短い(例えば、少なくとも25nm短い、少なくとも30nm短い)波長及び/または別のピーク波長(例えば、第2、第3、または第4のピーク波長より少なくとも20nm短い)を有する光の透過率を低下(例えば、最小化、減衰、ブロック)するように構成された光バリア(例えば、光フィルタ)である。いくつかの実施形態では、バリアは、第1のピーク波長より少なくとも20nm長い(例えば、少なくとも25nm長い、少なくとも30nm長い)波長及び/または別のピーク波長(例えば、第2、第3、または第4のピーク波長より少なくとも20nm長い)を有する光の透過率を低下するように構成された光バリア(例えば、光フィルタ)である。バリア858は、光源804のアレイとプラットフォーム810(例えば、1つまたは複数の生物学的流体806及び808)との間に配置される。センサ812、866、868は、プラットフォーム810に取り付けられるか、または配置され得る。センサ880は、バリア858に(例えば、上または下に)取り付けられるか、またはバリア858内に配置され得る。
【0122】
光源アレイ804は、光源チャネルのアレイを含むことができる。光源アレイ804の各光源チャネルは、上述の様々なピーク波長の光を、上述の光源及び光源チャネルの様々な配置で放射するように構成され得る。
【0123】
光源アレイ804及びプラットフォーム810は両方とも、上記の平行移動のように、それらの間の距離826を増加または減少させるために互いに対して平行移動するように構成され得る。プラットフォーム810は、処理チャンバ812の底まで下げられ、処理チャンバ812は、外部底面(例えば、床、地面、デスクなど)から上げられるか、または外部底面と同じ高さであり得る。光源アレイ804は、処理チャンバ812の上部まで上げることができる。
図8Bでは、光源アレイ804、バリア858、及びプラットフォーム810はすべて、光源アレイ804、バリア858、及びプラットフォーム810の任意の対の間の距離826、882、及び884を増加または減少させるために、互いに対して並進するように構成され得る。この並進は、光源アレイ804、バリア858、及びプラットフォーム810の並進を別々に制御することができる制御回路818によって制御される任意の数のアクチュエーター(例えば、電気モーター、サーボなど)によってもたらされ得る。いくつかの実施形態では、光源アレイ804、バリア858、及びプラットフォーム810のうちの1つまたは2つが、処理チャンバ812内の所定の位置に固定され得る。例えば、バリア858は、処理チャンバ812内の位置に固定され得る。別の実施例として、バリア858及び光源アレイ804は、プラットフォーム810が移動して距離826及び884を増加または減少させるように構成され得る処理チャンバ812内の固定距離882で互いに対して所定の位置に固定され得る。別の実施例として、バリア858及びプラットフォーム810は、光源アレイ804が移動して距離826及び882を増加または減少させるように構成され得る処理チャンバ812内の固定距離884で互いに対して所定の位置に固定され得る。
【0124】
図1~8(a及びb)に関して上述したように、生物学的流体処理システム(例えば、電子処理装置)は、生物学的流体を安全かつ効果的に処理するために協調して動作することが必要な多数のコンポーネント及びシステムを含むことができる。上記の実施例は、2つの処理チャンバが互いに対して水平に向けられている、及び/または処理チャンバが互いに垂直に向けられている装置で、1つまたは複数の生物学的流体を処理するために使用されるコンポーネントの例示的なレイアウトを示し得る。
図9は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムの別の例示的な内部ハードウェアレイアウトを示す。装置900の実施例では、装置が2つの生物学的流体を同時に処理しているときに、生物学的流体を装置内で上下に配置できるように、処理チャンバを互いに対して垂直に向けることができる。
【0125】
システム(例えば、生物学的流体を処理するための電子装置)900は、システム900の実施例において、処理チャンバ918及び920が互いに対して垂直に配向され得るように、2つの別個の処理チャンバ918及び920を含み得る。1つまたは複数の実施例では、各処理チャンバ918及び920は、1つまたは複数のプラットフォーム(例えば、引き出し)及び関連するトレイ908を含むことができ、これらは、生物学的流体を(例えば、容器内で)運ぶように構成され、生物学的流体を装置内の生物学的流体を除去及び/または配置できるユーザーがアクセスできるようにする。1つまたは複数の実施例では、システム900は、例えば、プラットフォーム908に構成された(例えば、接続、結合、一体化された)アジテータなどのアジテータ(例えば、モーター、サーボ)を用いて構成することがで、そのためプラットフォーム(例えば、引き出し、及び関連するトレイ)908上で運ばれるいずれの生物学的流体も処理中に攪拌することができる。1つまたは複数の実施例では、各プラットフォーム(例えば、引き出し)908は、例えば、一体化されたアジテータなどのアジテータ(例えば、モーター、サーボ)を用いて構成することができ、そのためプラットフォーム(例えば、引き出し、及び関連するトレイ)908上で運ばれるいずれの生物学的流体も処理中に攪拌することができる。
【0126】
1つまたは複数の実施例では、各処理チャンバ918及び920は、1つまたは複数のモジュール式光装置(例えば、光エンジン)コンポーネント910も含むことができる。1つまたは複数の実施例では、各処理チャンバ918及び920のモジュール式光装置コンポーネント910は、所望の量の光(例えばUV光)を、各処理チャンバ内(例えば、処理チャンバ内のプラットフォーム上)に配置された生物学的流体に照射するように構成された1つまたは複数の光源アレイ(例えば、UV光源)を含むことができる。
【0127】
1つまたは複数の実施例では、以下でさらに詳細に説明するように、システム(例えば、電子装置)900は、装置の1つまたは複数のコンポーネント、例えば、装置の安全上重要なコンポーネントなどの動作を調整するように構成された制御システムボード(CSB)904を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、安全上重要なコンポーネントは、処理される生物学的流体と相互作用する電子装置の1つまたは複数のコンポーネントを指す場合があり、その操作が不適切に行われると、生物学的流体における処理プロセスの安全性及び有効性が危険にさらされる可能性がある(例えば、必要な仕様を満たす)。1つまたは複数の実施例では、CSB904は、安全上重要なコンポーネントを許可されていない(例:悪意のある)ユーザーによるアクセスから保護するように構成されたドメイン固有のカスタマイズされた通信プロトコルを使用して、安全上重要なコンポーネント(以下でさらに詳細に説明する)のそれぞれと通信し、コマンドを発行するように構成することができ、運用の中断を最小限に抑え及び/または装置の規制遵守を維持しながら装置をモジュール式かつスケーラブルできるよう構成されている。1つまたは複数の実施例では、CSB904は、とりわけ、プラットフォーム(例えば、引き出し及び関連するトレイ)908及び光装置コンポーネント910と通信し、それらの動作を制御するように構成することができ、これらのコンポーネントは直接生物学的試料と相互作用するため、これらのコンポーネントの不適切な操作は、処理プロセスの安全性及び/または有効性を危険にさらす可能性がある。1つまたは複数の実施例では、CSB904はまた、装置と処理中の生物学的流体を冷却し、過熱を防ぐために1つまたは複数のファン912を動作させて、電子装置を通して空気を移動させる(例えば、空気を電子装置の前面から装置の背面に引き込む)ように構成することもできる。コンポーネントのそれぞれを制御することに加えて、システムCSB904は、コンポーネントのそれぞれからの結果を評価するように構成することができ、1つまたは複数の実施例では、それに連続的に通信することができる。CSB904は、例えば、攪拌を停止する、照明を開始及び/または終了する、または処理プロセスを完了するために結果を使用して装置の後続の動作ステップを決定するように構成することができる。
【0128】
上述の処理チャンバ固有のコンポーネントに加えて、1つまたは複数の実施例では、電子装置900は、特定の処理チャンバ専用ではなく、代わりに装置全体を動作させるように構成され、したがって、両方の処理チャンバに共通である、1つまたは複数のコンポーネントを含むことができる。1つまたは複数の実施例では、電子装置900は、装置900の1つまたは複数のコンポーネントの動作を管理するように構成できるユーザーインターフェースコントローラー(UIC)902を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、UIC902は、1つまたは複数の安全上重要でないハードウェア及びソフトウェアコンポーネントの動作を調整するように構成することができる(以下でさらに詳細に説明する)。例えば、1つまたは複数の実施例では、UIC902は、ディスプレイ914に表示される1つまたは複数のグラフィカルユーザーインターフェースを操作するように構成することができる。1つまたは複数のグラフィカルユーザーインターフェースは、処理プロセスを通じてユーザーをガイドし、ユーザーからの入力を受信して、処理される生物学的流体に関する情報、及び装置が処理プロセスを実行するために必要とする可能性のある他の情報を決定するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、ディスプレイ914は、ユーザーがディスプレイの表面に触れて任意の入力を入力するか、さもなければ処理プロセス中に装置と対話できる「タッチディスプレイ」として実装することができる。
【0129】
1つまたは複数の実施例では、UIC902は、スキャナー(例えば、バーコードスキャナー)916と通信し、それを制御することもできる。スキャナー916は、生物学的流体の識別に関連する情報、及び材料の適切な処理を確実にするために必要な他の情報を含む、生物学的流体を保持する容器上に見受けられる識別情報(例えば、バーコード)の1つまたは複数のソースをスキャンするように構成することができる。
【0130】
図8Bに示されるように、システムは、処理のために試料に光を送達するために互いに連携して動作する複数のコンポーネント及びセンサを含むことができる。例えば、
図8Bに関して上述したように処理チャンバ812は、光源アレイ804と、処理中の試料を照らすために互いに関連して動作する1つまたは複数のセンサ812、866、868、及び880とを含むことができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、処理される生物学的流体が、正確な量(例えば、線量)の光で均一に照射され、光源及び/または照射プロセスが、装置全体を過熱させない温度で動作することを確実にするために構成される(連帯的に構成される)、センサ812、866、868、及び880は、光センサ(例えば、フォトダイオード)及び温度センサ(例えば、サーミスタ)の混合物を含むことができる。
【0131】
しかし、紫外線を生物学的流体に届けるために連携するコンポーネントの1つが故障したり、アップグレードされたり、寿命となったり場合、単にそのコンポーネントを交換することは困難で複雑なプロセスになる可能性がある。例えば、光源アレイ804内の1つまたは複数のLEDが故障して、光源アレイ全体が適切な量のUV光を生物学的流体に送達できない場合、電子装置を通常の動作状態に戻すには単に光源アレイを交換するだけでは十分でない場合がある。例えば、センサは、装置に最初に設置された光源アレイに対して配置及び構成されている可能性があるため、その光源アレイを交換するには、1つまたは複数のセンサを再構成する必要があり得る。例えば、フォトダイオードの例では、光源アレイ内のLEDが以前の光の配列と同じ位置にない可能性があるため、光源アレイが変更された場合、1つまたは複数のフォトダイオードの位置を再構成する必要があり得る。フォトダイオードの位置を変更しないと、光源アレイによって生成された光を正確に捕捉して、処理対象の試料に十分な光が伝達されているかどうかを判断できない場合がある。あるいは、またはさらに、光源アレイ804のうちの1つまたは複数を異なる光源アレイと交換する場合、単に光源アレイを交換するだけでは、電子装置を通常の動作状態に戻すのに十分でない場合がある。例えば、異なるピーク波長(複数可)を組み込む、光源の効率を高める、ビーム幅を変更するなど、光源アレイ内の光源(例えば、LED)をアップグレードまたは変更するには、光センサのフォトダイオードを変更する必要があり得る。
【0132】
光照射に関連するコンポーネントの一部またはすべてを再構成することに加えて、コンポーネント(複数可)を交換するには、様々なコンポーネント(すなわち、光源アレイやセンサ)をすべて電気的に再接続し、コンポーネントが相互に作用して、適切な量のUV光が処理対象の生物学的流体に照射されることを確実にする(例えば、検証する)ために、多大な時間と大きな労働力も要し得る。例えば、光源アレイ804が交換された場合、1つまたは複数の実施例では、光源アレイを様々なセンサ812、866、868、及び880に再接続して、コンポーネントが互いに確実に通信、安全かつ効率的な方法で装置全体を操作できるようにする必要があり得る。
【0133】
したがって、1つまたは複数の実施例において、コンポーネントのうちの1つが故障またはアップグレードされた場合、光供給システム全体を一緒に交換できるため、他の各コンポーネントを再構成して、交換したコンポーネントに再接続する必要がなくなるように、光照射に関連するコンポーネント(すなわち、光源アレイ、センサ、及び他の制御電子機器)の複数またはすべてを単一のハウジングに収容することが有利であり得る。
図9の実施例に戻ると、1つまたは複数の実施例において、各光装置910は、処理中の生物学的流体にUV光を送達することに関連するコンポーネント及びセンサの実質的にすべてを含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、スタンドアローンであり、光の照射に必要なセンサ及びコンポーネントを含む光装置を提供することによって、光装置を「モジュール式」にすることができるため、光装置の1つまたは複数のコンポーネントが故障したり、アップグレードされたり、寿命が近づいたりした場合、光装置全体を交換することができる。
【0134】
図9に示されるように、生物学的流体を処理するための電子装置は、4つの光装置コンポーネント910及び2つのプラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)908を含むことができる。
図9に示される光装置コンポーネント910及びプラットフォーム908の数は、例としてのみ意図されており、限定するものと見なされるべきではない。生物学的流体を処理するための電子装置は、多少の各コンポーネントを含むことができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、各プラットフォーム908(使用中に処理のための生物学的流体(例えば、生物学的流体を含む容器)を保持する)は、それに向けられた2つの光装置コンポーネント910を有することができ、1つはプラットフォームの上に配置され、もう1つはプラットフォームの下に配置され、各光装置コンポーネントの光源がプラットフォームに向けられ(例えば、方向付けられ)、プラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)上の生物学的流体に特定量のUV光を照射するように構成される。したがって、1つまたは複数の実施例では、コンポーネントによって生成された光がプラットフォーム908に向かって下向きに方向付けられ、プラットフォーム908の下に配置された光装置コンポーネント910は、プラットフォーム908に向かって上向きに方向付けることができるように、プラットフォーム908の上に配置された光装置コンポーネント910を方向付けることができる。このようにして、生物学的流体を保持するプラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)908は、上下から発生するUV光によって処理することができる。上述のように、光装置コンポーネント910のいずれかのコンポーネントの1つが誤動作するか、そうでなければ交換(例えば、アップグレード)する必要がある場合、故障したコンポーネントやアップグレードされたコンポーネントを単純に交換しようとするのではなく、光照射コンポーネントのすべてを収容する単一のユニットを簡単に交換できることが有利であろう。したがって、本開示の1つまたは複数の実施例では、光装置コンポーネントは、コンポーネントの1つが誤動作するか、そうでなければ交換が必要な場合に、モジュール式で容易に交換できるように構成された単一の装置に収容することができる。
【0135】
1つまたは複数の実施例では、光装置コンポーネント910は、それらがすべて同じ構成を有する同一のコンポーネントを含むという点で実質的に同一であり得る。しかし、1つまたは複数の実施例では、光装置コンポーネント910の各セット(単一の光装置に収容することができる)は、互いに異なるように構成することができる。例えば、所与の処理チャンバに関連する光装置コンポーネント910の1つは、特定のピーク波長の光(例えば、UV-A光)を放射するように構成することができ、光装置コンポーネント910の別のものは、異なるピーク波長の光(例えば、UV-BまたはUV-C光)を放射するように構成することができる。このようなシナリオでは、処理プロセス中にプラットフォーム908上にある生物学的流体は、異なる波長(例えば、ピーク波長)の光を放射する2つの光源によって同時に処理することができる。病原体の不活性化のプロセスが、UV-A及びUV-BまたはUV-Cの両方の光によって処理されることで利益を得ることができることが判明した場合、そのような必要性が生じる可能性がある。
【0136】
図10は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステム(例えば、電子装置)で使用するための例示的なモジュール式光装置を示す。
図10の実施例に示すように、かつ以下でさらに詳細に説明するように、モジュール式光装置1000は、例えば、光を生成し、処理中の生物学的流体に(例えば、所望の線量のUV光を)照射するために必要な実質的にすべてのコンポーネント(例えば、光源)及びセンサ(例えば、自給式光装置)など複数を収容するように構成することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、光装置内にコンポーネントを収容するように構成されたハウジング1002を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、ハウジング1002は、モジュール式光装置1000内に収容された光源が処理中の生物学的流体に光を照射できるように構成された窓部分(例えば、透明材料部分、透過材料部分)1004を含むことができる(すなわち、光源からの光を通すように構成されている)。1つまたは複数の実施例では、窓部分はハウジングの開口部であってもよい。1つまたは複数の実施例では、窓部分は、光源アレイ(複数可)及び光源(複数可)を汚染の可能性(例えば、生物学的流体、塵埃)から保護することができる。1つまたは複数の実施例では、窓部分は、光源アレイチャンバへの開口部を覆う/取り囲む窓材料を備えることができる。1つまたは複数の実施例では、窓部分(例えば、透明材料部分、透過材料部分)1004は、UV透過性であるように構成され得る(例えば、選択された波長の光を透過または通過させるように選択された材料で作られる)。1つまたは複数の実施例では、窓部分(例えば、透明材料部分、透過材料部分)1004は、装置によって生成された光エネルギーのかなりの量を透過するように構成される、ガラス、石英ベース、プラスチック、アクリル、または他のポリマー(例えば、熱可塑性)材料などの材料(例えば、透明材料、透過材料)から作られ得る。1つまたは複数の実施例では、窓部分1004は、UV透過性(すなわち、>50%透明、>60%透明、>70%透明、>80%透明、>90%透明、>95%透明)になるように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、窓部分1004の透過性は、モジュール式光装置1000によって照射される光の量に相関させることができる。したがって、1つまたは複数の実施例では、処理中の生物学的流体への正確な量の光を照射するために、透過率が80%のみの窓1004を有するモジュール式光装置1000を、透過率が90%の窓1004よりも高い強度で光を生成するように構成することができる。1つまたは複数の実施形態では、窓部分は、平坦な(例えば、平面の)窓部分(例えば、窓材料)で構成され得る。1つまたは複数の実施形態では、窓部分は、湾曲した(例えば、凸状、凹状)材料部分で構成され得る。
【0137】
本開示の1つまたは複数の実施例では、窓部分1004は、窓1004上または窓1004を横切って(例えば、光源、光源アレイに面して)配置された1つまたは複数の光センサ(例えば、フォトダイオード)を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、窓部分1004は、窓1004上または窓1004を横切って(例えば、光源、光源アレイ(複数可)に面して)配置された1つまたは複数の回路(例えば、ケーブル、PCBトレース、フレキシブル回路ストリップ)1006を含むことができ、1つまたは複数の光センサ(例えば、光源、光源アレイ(複数可)に面するフォトダイオード)をサポートするように構成することができる。以下でさらに詳細に説明するように、回路(例えば、フレックス回路)1006上に配置されたフォトダイオードは、例えば、モジュール式光装置1000内に収容された光源アレイ(例えば、LEDアレイ)など、光源によって照射されている光量を測定するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、光センサは、例えば、UV光電管及び/またはフォトダイオードを含む任意の数の光感知技術を使用して実装することができる。1つまたは複数の実施例では、各回路はフレックス回路であり、各フレックス回路が光路に影を作る可能性があるため、フレックス回路は、例えば、約5ミリメートル以下、約4ミリメートル以下、または約3ミリメートル以下の幅であり得、それは生物学的流体に照射される光に関して生じる可能性のある干渉を最小限に抑えるためである。フレックス回路1006は、モジュール式光装置の光路にシャドーイングを生成し得るが、シャドーイング(ノイズ源を表す)は、1つまたは複数の実施例において、処理チャンバ内の生物学的流体の攪拌及び/または光源アレイ内の光源の数及び/または配置によって変調(すなわち、平均化)され得る。したがって、いくつかの例では、生物学的流体を処理するために使用される攪拌プロセスは、シャドーイングに関連する性能低下を最小限に抑えるようにも作用し得る。1つまたは複数の実施例では、3つのフレックス回路1006がまとめて9つの光センサ(例えば、フォトダイオード)を保持できるように、3つのフレックス回路のそれぞれを、3つの光センサ(例えば、フォトダイオード)を保持するように構成することができる。より多くの光センサ(例えば、フォトダイオード)及び/またはフレックス回路を追加すると、モジュール式光装置1000によって生成される光のより正確な測定につながる可能性がある一方で、それは生物学的流体に照射される光のより多くの閉塞または障害につながる可能性がある。同様に、光センサ(例えば、フォトダイオード)及び/またはフレックス回路を少なく(すなわち、より少なく)含むことは、フレックス回路1006によって生成されるシャドーを低減し得るが、光測定の精度の損失につながる可能性がある。したがって、フォトダイオード及びフレックス回路の量は、測定精度とモジュール式光装置1000によって生成される光のシャドーイングとの間の設計上のトレードオフを表すことができる。
【0138】
本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、窓1004の下(例えば、内部)に配置され、複数の光源(例えば、LED)、センサ、及び処理用の光を生成するために必要な他のコンポーネント(以下でさらに詳細に論じる)を保持するように構成された光源アレイチャンバ/キャビティ(例えば、LEDアレイチャンバ)1008を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、光源アレイチャンバ(例えば、LEDアレイチャンバ)1008は、1つまたは複数の光源アレイ(例えば、LEDアレイ)1010を含むことができる。光源アレイ(例えば、LEDアレイ)1010(
図11に関して以下でさらに詳細に論じる)は、1つまたは複数の光源(例えば、LED)及び光センサ(例えば、フォトダイオード)、及び任意選択で、1つまたは複数の温度センサを含むことができる。1つまたは複数の光源アレイ(例えば、LEDアレイ)1010に加えて、光源アレイチャンバ(例えば、LEDアレイチャンバ)1008は、チャンバ1008の側面に配置され、光源アレイ(複数可)(例えば、LEDアレイ)1010の周囲を取り囲むように構成された1つまたは複数の反射器1012を含むことができる。リフレクタ1012は、光源アレイ(LEDアレイ)1010の周囲の光源(例えば、LED)によって生成された光を、窓(例えば、窓の中央部分)1004に向かって戻すように向け直し、光源アレイチャンバ(例えば、LEDアレイチャンバ)1008の端部における光エネルギーの損失を最小限にするように構成することができる。このように、光源アレイ(複数可)(例えば、LEDアレイ)の周囲にある光源(例えば、LED)は、光(例えば、光の一部)を処理中の生物学的流体に向けるのではなく、光源アレイチャンバ(例えば、LEDアレイチャンバ)1008の壁に向けることができ、反射器1012は、その光を窓1004に向かって向け直し、窓1004を通して戻すことができるので、光は無駄にならず、生物学的流体を処理するために使用することができ、それによって光源アレイ(複数可)(例えば、LEDアレイ)1010の全体的な効率を改善する。したがって、リフレクタ1012は、潜在的に浪費される光エネルギーを節約するのに役立つ一方で、モジュール式光装置1000がより均一な量の光を(例えば、装置全体にわたって、処理される生物学的流体の表面にわたって、照射量内で)確実に生成することも保証する。
【0139】
本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、モジュール式光装置を電子処理装置の様々なコンポーネントに電気的に接続するための1つまたは複数のインターフェース(例えば、ポート)を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、ハウジング1002の側面に配置されたインターフェースパネル1014を含むことができる。インターフェースパネル1014は、モジュール式光装置1010を電子処理装置の様々なコンポーネントに電気的に接続するための1つまたは複数のインターフェースを含むことができる。1つまたは複数の実施例では、インターフェースパネル1014は、インターロックコネクタ1016を含むことができる。電子装置に接続されたとき、インターロックコネクタ1016は、装置がモジュール式光装置1010の動作の継続が望ましくない状態、障害、または状況に遭遇した場合に、電子装置がモジュール式光装置を迅速かつ効率的にシャットダウンできるよう構成することができる。一例として、電子装置が、処理中の生物学的流体に問題があることを検出した場合(つまり、生物学的流体がトレイまたは処理チャンバ内に適切にロードされていないこと)、または攪拌機が故障していることを検出した場合、装置はインターロックコネクタ1016の使用を介して、モジュール式光装置1000を迅速にシャットダウンすることができる。
【0140】
1つまたは複数の実施例では、インターフェースパネル1014は、モジュール式光装置1000を電子処理装置の電源に接続するように構成された電源ポート1018を含むことができる。このように、モジュール式光装置1000は、それ自体に電源を担持する必要がなく、代わりに、モジュール式光装置1000が電子装置に設置されると、電子装置の電源に接続することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、電源ポート1018は、外部電源を、光源(例えば、LED)、センサなどの電力を必要とする電子装置の内部コンポーネントに接続するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、電源ポート1018は、外部電源から、電力をモジュール式光装置1000内の様々なコンポーネントに分配するように構成できる1つまたは複数のコントローラー/ドライバ(以下でさらに詳細に説明)に電力を伝送するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、電源ポート1018の定格を48Vにすることができ、モジュール式光装置自体を約225Wの電力を消費するように構成することができる。
【0141】
1つまたは複数の実施例では、インターフェースパネル1014は、例えば、イーサネット(登録商標)ポート1020などの通信ポートを含むことができる。イーサネット(登録商標)ポート1020は、装置に接続されたときに、ネットワーキング機能をモジュール式光装置1000に提供するように構成することができる。以下でさらに詳細に説明するように、イーサネット(登録商標)ポートは、電子装置の安全上重要なコンポーネントを外部ソースによる干渉から分離するように構成された特殊なドメイン固有の通信プロトコルを使用して、モジュール式光装置が電子装置内の他の安全上重要なコンポーネントと通信できるようにすることができる。
【0142】
本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、ハウジング1002の底部(例えば、ベース)に配置された熱交換器1022を含むことができる。以下でさらに詳細に説明するように、所望の動作温度(例えば、所望の動作温度範囲内)でモジュール式光装置、処理チャンバ及び/または生物学的流体を維持するために、熱交換器は、モジュール式光装置の様々なコンポーネントによって生成される熱を、モジュール式光装置から離して(例えば、生物学的流体から離して)低減または除去するような形状及び構成にすることができる。
【0143】
図11は本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムで使用するための例示的なモジュール式光装置1100の上面図を示す。
図11は、
図10の光源アレイチャンバ(例えば、LEDアレイチャンバ)1008内に見られるコンポーネントをさらに示している。
図11に示すように、モジュール式光装置1100は、モジュール式光装置1100の動作中にUV光を生成するように構成されたUVLED1102などの複数の光源を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、光源アレイ(複数可)の複数のLED光源1102は、1つまたは複数のパネル1108上に分散させることができる。例えば、
図11の実施例では、光源アレイチャンバ(例えば、LEDアレイチャンバ)1008は、チャンバの内部ベースに配置された3つのパネル1108を含むことができ、LED光源1102は、LED光源の一部が各パネル1108上に配置されるように、3つのパネル全体に配置され得る。光源アレイチャンバ1008内の光源(例えば、LED)1102の数は、多くの要因に依存し得る。1つまたは複数の実施例では、電子処理装置の各モジュール式光装置1100は、処理バッグ内の生物学的流体の特定の深さ、及び/または処理バッグを取り囲む所定の照射量(例えば、所定の照射量内に含まれる流体)の周囲で、処理バッグまたは他の処理容器(例えば、生物学的流体を含む)の表面全体に光を生成するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、所定の照射量は、光装置によって実質的に均一な量の光が送達されるプラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)の周りの3次元空間を表すことができる。したがって、所定の照射量において、モジュール式光装置は、所定の仕様に従って実質的に均一な量の光を提供するように構成することができる。照射量のサイズ及び照射量に照射される必要がある光の強度は、各モジュール式光装置1100に含まれる光源(例えば、LED光源)の数を決定する際の要因として役立ち得る。
【0144】
1つまたは複数の実施例において、照射量内の光の均一性は、光源の放射照度の関数として定量化することができる。したがって、1つまたは複数の実施例では、光源が光源に面する生物学的液体(例えば、液体容器、液体容器遮断面)の表面全体の放射照度の変動を25%未満(例えば、20%未満、15%未満、10%未満)で処理チャンバ内の生物学的流体を照明するように、複数の光源を集合的に構成することができる。いくつかの実施形態では、光源は、処理チャンバ内の生物学的流体上(例えば、生物学的流体を含む容器)の任意の5cm2面積を、全体の生物学的流体(例えば、生物学的流体を含む容器)遮断面全体の積分放射照度(表面積にわたって平均化)から25%未満の変動で照射するように構成される。
【0145】
1つまたは複数の実施例では、生物学的流体の表面は、例えば、流体を保持する生物学的流体容器の表面、または生物学的流体の任意の部分と交差する平面によって画定され得る。一実施例では、光源は、光源が生物学的流体を、光源のアレイに面する生物学的流体の表面全体の放射照度から25%未満(例えば、20%未満、15%未満、10%未満)の変動で照明するように構成(例えば、アレイに配置)され得る。言い換えれば、光源のアレイに面する生物学的流体の表面の任意の部分における光強度は、光源のアレイに面する生物学的流体の表面の他の任意の部分における光強度とは、25%未満(例:20%未満、15%未満、10%未満)異なり得る。
【0146】
1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1100は、LEDアレイチャンバ1008内に216個のLED1102を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、LEDアレイチャンバ1008は、より多いまたはより少ないLEDを含むことができる。照射量及び処理プロセスの要件に加えて、LEDの数は、LEDアレイチャンバのサイズ(例えば、窓からLEDのアレイまでの距離)1008、モジュール式光装置1000の電力仕様、ならびに処理される生物学的流体の所望の処理時間によって影響され得る。例えば、生物学的流体に対する所望のUV処理線量が、処理時間と強度の所望の組み合わせから6.3J/cm2である実施例では、216個のLEDが必要な光線量を提供することができる。しかしながら、1つまたは複数の実施例において、モジュール式光装置においてより少ないLED及び/またはより低い強度を使用することは、必要電力を削減することができるが、生物学的流体が処理されるためにはより多くの時間を必要とし得る。逆に、チャンバ内でより多くのLEDを使用する、及び/またはより高い強度を使用すると、処理に必要な時間を短縮することができるが、LEDの量を増加及び/または高い強度に関連して、電力と温度のコストが上昇する可能性がある。本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、光源アレイチャンバ1008内に、5個以上、10個以上、25個以上、50個以上、100個以上、150個以上、200個以上、250個以上、300個以上、または400個以上の光源(例えば、LED)を含むことができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、光源アレイチャンバ1008内に、例えば、50~400個、100~300個、または150~250個の光源など500個以下、400個以下、300個以下、250個以下、200個以下、150個以下、または100個以下の光源(例えば、LED)を含むことができる。
【0147】
本開示の1つまたは複数の実施例において
図11に示されるように、光源アレイチャンバ(例えば、LEDアレイチャンバ)は、LED自体が配置されるプリント回路基板(複数可)上に配置される1つまたは複数の光センサ(例えば、フォトダイオード)1104を含むことができる。上述のフレックス回路(複数可)1006上に配置されたフォトダイオードに加えて、フォトダイオード1104を含めることができる(フレックス回路(複数可)1006上に配置されたフォトダイオード1104は、
図12によって提供される図に見ることができる)。フレックス回路1006(複数可)上に配置されたフォトダイオードとは対照的に、フォトダイオード1104は、モジュール式光装置1000からの処理チャンバ(例えば、プラットフォーム、処理バッグ)の反対側に配置された第2のモジュール式光装置によって透過される光を捕捉するように方向付けることができ、したがって、第2のモジュール式光装置によって透過される光を測定するように構成することができる。上述のように、フレックス回路1006上のフォトダイオードは、モジュール式光装置自体によって処理チャンバ(例えば、プラットフォーム、処理バッグ)に向かって直接透過される光を捕捉するように方向付け及び構成することができる。
【0148】
1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1100は、光アレイチャンバ1008のプリント回路基板(複数可)(例えば、回路基板ごとに3個)上に配置される9個のフォトダイオード1104と、上述のフレックス回路(複数可)上に配置された他の9個(例えば、フレックス回路ごとに3個)1006の合計18個のフォトダイオードを含むことができる。任意のモジュール式光装置に含まれるフォトダイオードの数は、例えば、必要な測定精度、光源アレイ(複数可)の構成、及びモジュール式光装置によって課されるスペースの制約によって決定することができる。したがって、1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置は、測定精度を向上させるより多くのフォトダイオードを含むことができるが、例えば、コンポーネントのより狭い間隔または光エンジンの体積の増加を犠牲にする。逆に、モジュール式光装置1000は、より少ないフォトダイオードを含むことができ、これは、例えば、光装置全体のフットプリントを減少させることができるが、測定精度を犠牲にする。本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、2個以上、4個以上、6個以上、8個以上、10個以上、15個以上、20個以上、25個以上、または30個以上のフォトダイオード(例えば、上述のプリント回路基板(複数可)及びフレックス回路(複数可)のいずれかまたは両方に配置される)を含むことができる。1つまたは複数の例において、フォトダイオードは、モジュール式光装置が適切な量の光を生成していない(または処理チャンバの他方のモジュール式光装置が適切な光量を生成していない場合)と判断された場合、装置によって是正措置を講じることができるように(例えば、オペレーターに状態を警告する、光源の強度を調整する、光源への電流を調整する、処理プロセスを終了することによって)、制御電子機器(以下でさらに詳細に説明する)に接続することができる。あるいは、またはさらに、1つまたは複数の実施例では、処理チャンバ内の生物学的流体の有無を、処理チャンバの反対側にあるモジュール式光装置によって透過される光量に基づいて判断できるように、フォトダイオードを制御電子機器(以下でさらに詳細に説明する)に接続することができる。
【0149】
1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000の光アレイチャンバ1008は、1つまたは複数の温度センサ1106を含むことができる。温度センサ1106は、モジュール式光装置1000の温度を測定するように構成することができる。モジュール式光装置の動作中、光源(例えば、LED)は、光エネルギーを透過することに加えて、かなりの量の熱エネルギーも生成することができる。温度センサ1106は、LED光源によって発せられる熱を測定して、LED光源がそれらの仕様及び/または生物処理プロファイルの仕様で動作していることを確認するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置がその仕様を超える温度で動作していると判断された場合に光装置をシャットダウンできる、またはその他の是正措置を講じることができるように、温度センサを制御電子機器(以下でさらに詳細に説明する)に接続することができる。いくつかの実施形態では、LED光源は、センサ(複数可)による温度測定に応答して、例えば、オンとオフの間を循環する(例えば、パルス変調)など、変調することができる。温度センサ(例えば、各温度センサ)1106は、LEDの大分量が光装置によって生成される熱の原因であるため、例えば、LED接合部(すなわち、LEDとLEDが配置されるPCBとの間の接合部)に取り付けることができる。代わりに、またはそれに加えて、温度センサ(例えば、各温度センサ)1106は、例えば、ライトアレイチャンバ1008のプリント回路基板に取り付けることができる。1つまたは複数の実施例では、温度センサは、ライトアレイチャンバ1008の温度に比例して抵抗を変化させることができるサーミスタ(または温度の変化を測定するように構成された任意の他のコンポーネント)を使用して実装することができる。さらに、1つまたは複数の温度センサは、熱電対、赤外線センサ、バイメタル装置、温度計、状態変化センサ、シリコンダイオードなど、様々な種類のセンサを使用して実装することができる。1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、合計6つの温度センサを含むことができる。フォトダイオード1104と同様に、ライトアレイチャンバ1008は、多少の温度センサを含むことができる(例えば、1個以上、2個以上、3個以上、4個以上、5個以上、8個以上、または10個以上)。温度センサの数が多いほど測定精度が高くなるが、スペースを犠牲にし得る。逆に、温度センサが少ないと、例えばスペースが少なくてすむが、測定精度が犠牲になり得る。
【0150】
図12は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステム(例えば、電子処理装置)で使用するための例示的なモジュール式光装置の側面図(断面図)を示す。
図12に提供される光装置1000の側面
図1200は、本開示の1つまたは複数の実施例による光装置のいくつかの追加の特徴をよりよく示すことができる。例えば、側面
図1200に示されるように、光装置1000は、光装置1002のハウジング内に含まれる制御回路1202を含む(図示の目的で、制御回路のハウジング1002は、制御回路を明らかにするために取り除かれている)。制御回路1202は、コントローラーPCB1204と1つまたは複数の光源(例えば、LED)ドライバPCB1206の両方を含むことができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、コントローラーPCB1204は、光装置の「頭脳」として機能するように構成することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、コントローラーPCB1204は、より広範な処理装置と光装置1000自体との間の通信を容易にすることができ、1つまたは複数のLEDPCB1206を操作するように構成することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、コントローラーPCB1204は、1つまたは複数のマイクロプロセッサ、メモリ、及び通信インターフェースを含むことができる。
【0151】
本開示の1つまたは複数の実施例では、LEDドライバPCB1206は、ライトアレイチャンバ1008の光源アレイ上に配置された各LED1102の電流及び電力を調整するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、2つのLEDドライバPCB1206を含むことができ、各ドライバは、照明アレイチャンバ1008内に配置された216個のLED1102の電流及び電力を集合的に調整するように構成された18個のドライバチップを含む。1つまたは複数の実施例では、LEDドライバPCB1206は、光装置1000がIEC61010規格に準拠することを保証するように構成することができる。例えば、LEDドライバPCB1206の各ドライバは、それ自体の温度センサを含むことができる。LEDドライバPCBの数、ならびにドライバチップの総数は、より多くてもより少なくてもよく、大きくはライトアレイチャンバ1008内に配置されたLED1102の数の関数であり得る。本開示の1つまたは複数の実施例では、LEDドライバPCB1206の各ドライバチップは、モジュール式光装置の温度を監視するように構成された専用の温度センサを含むことができる。光装置1000の別の例示的な実施形態では、コントローラーPCB1204及びLEDドライバPCB1206を含む制御回路を、上述のシステム全体のCSBコントローラーに統合することができる。しかしながら、これらの制御ユニットを光装置1000自体に統合することは、光装置の交換(例えば、アップグレード)が、光装置1000に関連する制御電子機器をアップグレードするためのシステムワイドCSBコントローラーにアクセスしなければならないのではなく、ユニット全体を交換するという単純な方法であり得るという点で、設計をよりモジュール式にすることができる。
【0152】
図12の側面
図1200はまた、LEDPCB1206上に配置された個々の光源(例えば、LED)のビーム角度1208を示すのに役立ち得る。1つまたは複数の実施例では、LEDのビーム角度は、LEDによって生成された光が分配または放射される角度を表すことができる。上述のように、LED配置は、処理バッグの所望の照明表面積または容積によって大きく影響を受ける可能性がある。したがって、1つまたは複数の実施例では、照射仕様を満たすように、適切なビーム角度1208を有するLEDを選択することができる。本開示の1つまたは複数の例では、選択されたビーム角度は約120°であり得るが、角度はそれより大きくも小さくもあり得る(例えば、約100°~約140°、約110°~約130°、約115°~約125°、約100°、約110°、約115°、約125°、約130°、約140°)。本開示の1つまたは複数の実施例では、各LEDは、光を所望のビーム角度に集束させることができるレンズ及び/またはパッケージングを各LEDに含めることによって、所望のビーム角度を達成することができる。さらに、側面
図1200は、窓1004上に配置された、フレックス回路(複数可)1006の光センサ1212(例えば、フォトダイオード)を示すのに役立ち得、それはモジュール式光装置の光源アレイ(複数可)上の光源に面して配置され、そこから発せられた光を検出する。
【0153】
図13は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステム(例えば、電子処理装置)で使用するための例示的なモジュール式光装置の底面図を示す。
図13に提供される光装置1000の底面
図1300は、動作中に光装置によって生成された熱を除去するように構成することができる熱交換器1302をよりよく示すことができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、熱交換器1302は、電子処理装置上に配置された1つまたは複数のファン(例えば、外部ファン)から熱交換器を通過して引き込まれるまたは吹き出される空気にさらされる装置の表面積を最大化するように成形することができる。1つまたは複数の実施例では、熱交換器1302は、熱交換器1302を通り過ぎてファン(複数可)からまたはファン(複数可)へと移動する(例えば、吹き込む)空気が、光装置1000から通過する空気に移動し、光源アレイ及び/またはモジュール式光装置の全体的な温度を下げる効果を作り出すように構成することができる。
【0154】
図13の実施例に示すように、1つまたは複数の例において、熱交換器1302は、特定の高さ及び幅のフィンとして成形することができるが、吹き抜ける空気にさらされる表面積を最大にするように大きな高さ及び大きな幅を選択することができ、高さと幅が大きくなると、光装置全体のフットプリントのサイズが大きくなり、したがって、熱交換器1302の高さと幅は、光装置に課される任意のサイズ要件によって制約を受ける可能性がある。熱交換器1302の形状は、空気が熱交換器1302の個々のフィンの上及びその間を循環するように、交換器を通り過ぎて引き込まれるかまたは吹き飛ばされることを可能にするように構成することができる。このようにして、気流にさらされる表面積の量が最大化される。
【0155】
1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000から熱を移動させるために空気を使用するのではなく、1つまたは複数の実施例では、光装置1000は、例えば、液体を循環させる能動冷却など、他の形態の能動冷却を含むことができる。光装置1000を冷却する冷却剤(例えば、熱交換器1302の周り)。1つまたは複数の実施例では、光装置1000は、受動冷却を使用して光装置を冷却することもでき、1つまたは複数の熱交換器1302は、自然伝導、対流、及び放射を利用して光装置1000を冷却するように構成される。
【0156】
上で示したように、本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1000は、光装置の外部にある1つまたは複数のファンによって提供される、それらの上を通過する空気と熱を交換するように構成された複数のヒートシンクを含むことができる(すなわち、処理装置上にある)。しかしながら、後述するように、1つまたは複数の実施例では、光装置1000は、光装置内に内部に収容され、モジュール構造の一部となり得る独自のファンを含むことができる。
【0157】
図14は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムで使用するための光装置を実装するための例示的なファン構造を示す。もう1つの実施例では、
図14に示すように、モジュール式光装置1402は、光装置の一部として1つまたは複数のファン1404を含むことができる。光装置1402の実施例では、1つまたは複数のファン1404は、例えば、光装置のLEDからの熱を交換するように構成された複数の内部ヒートシンクまたは熱交換器を通過するなど、光源アレイチャンバを通過して空気を吹き出すか、または引き込むように構成することができる。ファンを光装置の一部として含めることは、光装置1402を操作する追加のコンポーネントが1つの光装置内に共同配置されるという点で、よりモジュール化された設計につながり得る。これにより、光装置自体が独自の冷却メカニズムをより直接的に制御できるため、より効率的なモジュール化につながり得る。
【0158】
しかし、1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1402の一部として1つまたは複数のファンを含めることも、光装置の全体の重量及びサイズを増加させる可能性がある。例えば、
図14に示されるように、光装置の一部として1つまたは複数のファンを含まない光装置1406は、光装置の一部としてファンを含む光装置1402よりも小さいサイズのフットプリントを有することができる。一例として、内部ファン1404を含む光装置1402は、内部ファンを含まない光装置1406よりも大きな高さ及び重量を有し得る。したがって、光装置が外部ファン(電子処理装置のコンポーネントであるファンなど)または受動冷却に依存する「ファンレス」設計を使用すると、光装置をより小さくより軽量にすることができ、光装置の設計をよりモジュール化された(つまり、交換が容易な)ものにできる。1つまたは複数の実施例では、内部ファンを含まない(例えば、「ファンレス」)モジュール式光装置は、6インチ以下、5インチ以下、4インチ以下、または3インチ以下の高さを有し得る。
【0159】
光装置のモジュラー設計をサポートするために(すなわち、例えば、光装置の故障、さもなければ所望の操作に従って機能しない場合、またはアップグレードする場合に、光装置を簡単に取り外して交換できるようにする)、電子処理装置自体を、光装置のモジュール性をサポートするように構成することができる。換言すれば、処理装置は、モジュール式光装置を機械的にサポートし、その簡単な取り外しまたは追加を容易にするように構成することができる。光装置の効率的な取り外しと交換を容易にするように処理装置を構成すると、光装置の交換をより効率的にすることができ、それは機械の作業をするユーザーは単純にモジュール式光装置を(例えば、側面から、正面から、後方から)「スライドアウト」し、交換品を「スライドイン」するだけでよく、最小限の数の電気的接続(例:電源、イーサネット(登録商標)、上記のインターロック)を行うだけで済む。
【0160】
図15Aは、本開示の実施例による生物学的流体(例えば、電子処理装置)を処理するためのシステムの例示的な内部ハードウェアレイアウトの別の図を示す。
図15Aの
図1500は処理装置の側面図(例えば、断面図)を表す。1つまたは複数の実施例において、モジュール式光装置が交換される場合、1つまたは複数の実施例において、処理装置のサイドパネルは、
図15Aに示されるように取り外すことができ、これにより、装置内に常駐する1つまたは複数のモジュール式光装置へのアクセスが提供される。
図15Aの側面
図1500に示すように、処理装置1502は、4つの別個のモジュール式光装置1504、1506、1508、及び1510を含むことができる。上述の実施例と同様に、光装置1504及び1506は、処理プラットフォーム1512(例えば、及び関連するトレイ)及びプラットフォーム上に配置された生物学的流体に実質的に均一な光(例えば、UV光)を提供するように構成及び配置することができる。光装置1508及び1510は、処理プラットフォーム1514(例えば、及びその上に配置された生物学的流体)に実質的に均一な光(例えばUV光)を提供するように構成及び配置することができる。
【0161】
1つまたは複数の実施例では、電子処理装置1502は、電子装置の一方の側から他方の側への方向に向けられた機械レール1516、1518、1520、及び1522の4つの別々のセット(例えば対)を含むことができ、これらは、光装置が処理装置によって機械的に支持されるように、各光装置がそれらの中にスライドされることを可能にするように構成されている。1つまたは複数の実施例では、レール1516、1518、1520、及び1522の各セットは、電子装置の両側に配置された2つのレールを含むことができる。
図15は、レール1516、1518、1520、及び1522の各セットのための単一のレールを示す。各セットの第2レールは、電子装置の反対側に配置されており、図では見えない。したがって、1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置1504のハウジング上に設けられたトラックは、光装置1504を機械的に支持するために、処理装置1502のレール1516内に(例えば、処理装置1502の側面から)スライドさせることができる。光装置1506のハウジング上に設けられたトラックは、光装置1506を機械的に支持するために、処理装置1502のレール1518にスライドさせることができる。光装置1508のハウジング上に設けられたトラックは、光装置1508を機械的に支持するために、処理装置1502のレール1520にスライドさせることができる。最後に、光装置1510のハウジング上に設けられたトラックは、光装置1510を機械的に支持するために、処理装置1502のレール1522にスライドさせることができる。交換中に光装置を処理装置内にスライドさせることができるように、各モジュール式光装置に一組のレールを補完する一組のトラックを処理装置に設けることにより、モジュール式光装置の交換が効率的かつ容易なプロセスとなる。
【0162】
図15Bは、本開示の例によるモジュール式光装置の別の例示的な図を示す。
図15Bの
図1524は、1つまたは複数の実施例において、光装置1508を機械的に支持するために処理装置1502のレール1516、1518、1520及び1522のいずれか1つ上をスライドするように構成された光装置のトラック1526(
図15Aに関して上で論じた)を示すのに役立つことができる。
図15Bによって提供される
図1524に示されるように、トラック1526は、レール1516、1518、1520、及び1522上をスライドする際に、トラック1526がひとたびレール1516、1518、1520及び1522上に配置されると、光装置の滑りまたは横方向の移動を防止するようにレールと結合できるように形作ることができる。
【0163】
本開示の1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置は、電子処理装置内のモジュール式光装置のそれぞれがそれらの要件に従って動作していること、光装置の窓に光路の障害物やその他のオクルージョン(例えば、ほこり、傷、汚れなど)がないこと、及び/または処理装置のプラットフォーム(例、関連するトレイ)上に光路の障害物がないことを保証するために、テストプロセス(例えば、健全性チェックプロセス)に供することができる。1つまたは複数の実施例では、テストプロセス(例えば、健全性チェックプロセス)は、1つまたは複数の光装置が処理装置に最初に設置/交換されるときに実行することができ、及び/または装置の動作寿命全体にわたって断続的に実行することができる(例:各処理プロセスの前)。1つまたは複数の実施例では、テストプロセスは、(例えば、電子処理装置のプラットフォーム上の、処理チャンバ内の)処理される生物学的流体(例えば、生物学的流体を有する容器)の存在または非存在を決定するために実行され得る。
【0164】
図16は、本開示の実施例における、例示的なモジュール式光装置テストプロセス(例えば、光が完全に及び/または均等に処理試料を照らさない、窓及び/またはプラットフォームの障害物または他のオクルージョン(例えば、汚染)があるかどうかを決定するための)を示す。本開示の1つまたは複数の実施例では、
図16に示されるプロセス1600は、ステップ1602で開始することができ、光装置自体に関連付けられた、または処理装置に関連付けられた1つまたは複数のプロセッサが、一般に、光装置及び/または処理装置のチェックプロセスを開始することができる。1つまたは複数の実施例では、光装置及び/または電子処理装置のテストプロセス(例えば、健全性チェックプロセス)は、装置内で処理されている生物学的流体がない、及び、プラットフォーム(例えば、関連付けられたトレイに)にロードされた生物学的流体がないときに開始され得る。このように、光装置の健全性チェックプロセスは、処理が行われていない時間に実行されるため、処理プロセス全体に干渉することはなく、プラットフォーム上に配置された生物学的流体の存在が健全性チェックプロセスに干渉することもない。
【0165】
プロセスがステップ1602で開始されると、プロセス1600はステップ1604に進み、ここで、単一のプラットフォーム(例えば、関連するトレイ)(上記の説明を参照)に関連する光装置の両方が両方ともオフにされ(例えば、現在オンの場合)、どちらのライト装置も光を送信しないようにする。ステップ1604でプラットフォームに関連付けられた両方の光装置がオフになるか、または遮断されると、プロセス1600はステップ1606に進み、2つの光装置のうちの第1の光装置が起動される。以下の説明から明らかなように、健全性チェックを実行するために一度に1つの光装置のみをオンにすることにより、健全性チェック中に測定される正確な光源を知ることができる。対照的に、健全性チェック中に両方の光装置が同時に起動された場合、測定された光がどこから来ているのかを確認したり、正確に測定したりすることが困難になり得る。
【0166】
ステップ1606で第1の光装置が起動されると、プロセス1600は1608に進み、第1の光装置から来る(例えば、処理チャンバのプラットフォームを通過する)光を、第2の光装置上のフォトダイオードを使用して測定することができる。上述のように、光アレイ(例えば、LEDPCB)上に直接配置された1つまたは複数のフォトダイオードは、プラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)の反対側にある別の光装置から透過される光を特に捕捉するように配向される。対照的に、(上述の)フレキシブル回路上に配置された1つまたは複数のフォトダイオードは、光装置自体によって透過される光を測定するように配向することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、第1の光装置のフレキシブル回路上のフォトダイオードは、同じ(例えば、第1の)光装置から来る光も測定することができる。
【0167】
ステップ1608で、第1の光装置によって透過される光が第2の光装置によって測定されると、プロセスはステップ1610に進み、第1の光装置の光源(例えば、LED)を遮断することができる。一旦遮断されると、プロセスはステップ1616(後述)またはステップ1612に直接進み、ここで第2の光装置の光源(例えば、LEDS)が起動される(例えば、第2の光装置及び/または電子装置の健全性をチェックするため)。ステップ1612のステップで第2の光装置がオンになると、プロセス1600はステップ1614に進み、ここで、第2の光装置によって透過される(例えば、処理チャンバのプラットフォームを通過する)光が、ステップ1606~1610で上述したプロセスと実質的に同様の方法で、第1の光装置の1つまたは複数のフォトダイオードによって測定され得る。本開示の1つまたは複数の実施例では、第2の光装置のフレキシブル回路上のフォトダイオードは、同じ(例えば、第2の)光装置から来る光も測定することができる。
【0168】
ステップ1614で、第2の光装置からの光が第1の光装置によって測定されると、プロセス1600はステップ1616に進み、ステップ1608及び1614で取得された測定値に基づいて、光装置(複数可)及び/または電子装置(例えば、プラットフォーム)の健全性について判定が行われる。1つまたは複数の実施例では、光装置または電子装置のうちの1つまたは複数が健全性テストに合格しないと判断された場合、処理装置は、処理装置のディスプレイに表示されるグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)の形式でユーザーにアラートを送信することができる。ステップ1616で光装置(複数可)の健全性が判定された後、プロセス1600はステップ1618に進み、終了する。
【0169】
図16に関して上述したプロセスは、各モジュール式光装置の健全性、ならびに各光装置からの光が、処理容器を保持するプラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)に(例えば、通過して)透過されているかどうかを判定することができ、1つまたは複数の実施例では、上記の健全性チェックは、所望の線量(例えば、照明量)が達成されているかどうかを判断するのに十分でない場合があり得る。例えば、
図16に関して上述したプロセスは、(例えば、生物学的流体の表面、測定照射量への)総線量を測定(例えば、適切な測定)することができない可能性があり、それは上記のプロセスは各光装置の光源(例えば、LED)が光を透過しているか、透過する光を遮るオクルージョンがない判断するために構成されているためである。したがって、1つまたは複数の実施例では、個々の及び/または結合された光装置が所望の光量を提供しているか(例えば、適切な照明量を生成しているか、適切な放射照度を生成しているか)を判断するために、光装置の動作ライフサイクル全体にわたって断続的に較正手順を実行することができる。このような較正手順に基づいて、例えば、1つまたは複数の光源(例えば、LED)の強度を増加させて、経時的な光の効率の低下を補償するなどの調整を行うことができる。一実施形態では、そのような強度の増大により、光源のライフサイクル全体にわたって実質的に不変の処理プロセス時間を装置が維持する(例えば、操作者が経験する)ことが可能になる。
【0170】
図17Aは、本開示の実施例による例示的な光装置較正プロセスを示す。プロセス1700は、装置のプラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)上に配置されるように構成された(例えば、モジュール式光装置から独立した、電子装置から独立した)コンポーネントとして実装できる較正装置を利用することができ、プロセス1700は、1つまたは両方のモジュール式光装置から受信した光の量を測定し、照射される総線量(照射量など)を含む様々な要因を計算できる複数のフォトダイオードまたは他の光センサで構成されている。1つまたは複数の実施例では、光装置を較正するためのプロセス1700は、ステップ1702で開始することができ、ここで、較正装置は、処理装置(通常、処理装置の動作中に生物学的流体/処理容器を保持する)のプラットフォーム(例えば、関連するトレイ)上に配置される。
【0171】
1つまたは複数の実施例では、ステップ1702で較正装置がプラットフォーム上の所定の位置に配置されると、プロセス1700はステップ1704に進み、プラットフォームを照射するように構成された1つまたは複数の光装置が起動される(すなわち、光装置(複数可)のLEDがオンになり、較正装置に光が透過される)。ステップ1704で1つまたは複数の光装置が起動された後、プロセス1700はステップ1706に進み、較正装置(すなわち、フォトダイオード)の1つまたは複数の光測定装置が、1つまたは複数の光装置から受け取った光に関する測定値を記録することができる。1つまたは複数の実施例では、ステップ1706で測定が行われると、プロセス1700はステップ1708に進み、較正装置(または較正装置に接続されたプロセッサ)が照度(例えば、線量、照射量)を計算することができる。1つまたは複数の実施例では、ステップ1708で、較正装置は、テスト中に装置が適切な線量を受け取ったかどうか、またはテストが失敗したかどうかについて、装置のユーザーに表示を送信することができる。ステップ1708で照度が計算されると、プロセス1700はステップ1710に進み、終了する。
【0172】
図17Bは、本開示の実施例による別の例示的な較正プロセスを示す。1つまたは複数の実施例では、
図17Bのプロセス1712は、
図17Aのプロセスと実質的に同様であり得る。例えば、ステップ1714、1716、及び1718は、
図17Aのステップ1702、1704、及び1706と実質的に同様であり得る。したがって、上記のステップ1702、1704、及び1706の説明を参照して、それぞれステップ1714、1716、及び1718の詳細を理解することができる。1つまたは複数の実施例では、ステップ1718で光測定値が取得されると、プロセス1714はステップ1720に進み、ステップ1718で得られた測定値を所定の閾値(例えば、所定の線量)と比較することができる。1つまたは複数の実施例では、所定の閾値は、ステップ1718で得た測定値がそれを下回った場合、装置が病原体の不活性化に必要とする現在の処理時間が適切ではない(例えば、不十分な照射、不十分な線量)ことを示す値を表すことができる。1つまたは複数の実施例では、所定の閾値は経験的に決定することができる。1つまたは複数の実施例では、較正装置は、測定値を取得し、その測定値を処理装置またはモジュール式光装置に(例えば、電子装置を介して)送信して、ステップ1720の比較を実行することができる。追加または代替として、較正装置自体がステップ1720の比較を実行することができる。
【0173】
1つまたは複数の実施例では、1718で得た測定値が予想量または所望の量(例えば、ステップ1720での所定の閾値)と異なる較正テストに応答して、例えば、電子装置と光装置との間の通信に基づいて、光装置の1つまたは複数の光源によって放射された光に調製を加えることができる。1つまたは複数の実施例では、ステップ1720にて1718で得た測定値が所定の閾値を下回る較正テストに応答して、装置は、処理プロセス中に生物学的流体が受けた低い光量を補償するために、処理時間を延長することができる。しかし、1つまたは複数の実施例では、処理装置の全体的な効率及び生産性を低下させる可能性があるため、処理時間を延長することは望ましくない場合がある。したがって、1つまたは複数の実施例では、ステップ1718で得た測定値がステップ1720で所定の閾値を下回った場合、1つまたは複数の実施例では、プロセス1714はステップ1722に進み、較正プロセス1714中に使用される光源の強度(例えば、光装置の光源)を、より低い量の光を考慮する(例えば、補償する)ように調整(すなわち増加)することができる。このようにして、光源からの低い光出力を考慮して処理時間を増加させる必要はなく、光源の強度を増加させることができ、それによって光装置の寿命を通じて処理時間を実質的に一定に保つことができる。較正装置がステップ1720に関して説明した比較を実行する実施例では、次に、1つまたは複数の実施例では、較正装置は、ステップ1722に関して上記で説明したように、強度を調整する指示を電子装置に送信することができる。
【0174】
モジュール式光装置は、光装置の故障または悪意のある操作が失敗(例えば、所定基準を満たさない)または危険な処理プロセスにつながる可能性がある限り、安全上重要なコンポーネントと見なすことができる。1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置が故障した場合、または悪意のあるユーザーが直接制御できるように光装置にアクセスした場合、処理されている生物学的流体は使用上安全でないものと判断される。したがって、以下で詳細に説明するように、上記のモジュール式光装置は、より広範な電子処理装置で動作するように構成することができ、かつ以下に説明する処理装置の1つまたは複数の機能(安全機能、モジュールコンポーネントアスペクト及び/またはドメイン固有の通信プロトコルなど)と互換性を持つように構成することができる。
【0175】
図18は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するための照明システム(例えば、電子処理装置)の例示的なシステム図を示す。1つまたは複数の実施例において、システム1800によって処理される生物学的流体は、血小板、血漿、血液、及び血液製剤のうちの1つまたは複数を含み得る。
図1~3に関して上述したように、装置は、生物学的流体を、1つまたは複数の実施例では紫外線-A(UV-A)、UV-B、及び/またはUV-Cスペクトルで波長を有するものなどの、光(例えば、紫外線)で照射することにより生物学的流体を処理することができる。光を使用して流体を処理するために、装置は、病原体を不活性化させる目的で、光(例えば、紫外光、UVA光)を所定の時間(例えば、所望の線量を達成するために)、特定の強度で生物学的流体に照射するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、装置は、病原体不活化化合物(例えば光活性化合物)と混合された生物学的流体を光(例えばUV光)で処理することができる。
【0176】
本開示の1つまたは複数の実施例では、システム1800は、制御モジュール1816及び処理モジュール1802を含むことができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、処理モジュール1802は、2つのサブシステム、すなわち(1)一次サブシステム1804及び安全サブシステム1814を含むことができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、一次サブシステム1804は、光処理(例えば、UVA光処理)を実行するコンポーネント及びシステムを含むことができる一方、安全サブシステム(以下で詳細に説明される)は、一次サブシステム1804によって実行される活動を監視するように構成されたコンポーネント及びシステムを含むことができる。
【0177】
1つまたは複数の実施例では、一次サブシステム1804は、生物学的流体を処理するための光源(複数可)(例えば、光源アレイ(複数可))を含む1つまたは複数のモジュール式光装置1806を含み得る。各モジュール式光装置1806は、可変強度の光(例えば、UVA光)を放射するように構成することができ、光源が放射しているときに装置内の生物学的流体が光源から発せられる光(例えば、光波)に暴露されるように装置内に配置される、1つまたは複数の光源を含むことができる。本開示のいくつかの実施例では、生物学的流体は、容器(例えば、バッグ)内に含まれてもよく、例えば、プラットフォーム(例えば、及び関連するトレイ)などの装置内に配置することができ、光源から発せられる光(例えば、光波)に暴露され得る。
【0178】
一次サブシステム1804はまた、処理される生物学的流体を収容する処理容器(例えば、バッグ)を受容するための1つまたは複数のチャンバ(図示せず)を含み得る。処理容器は、処理チャンバ内のプラットフォーム(例えば、関連する製品トレイ)1808上に配置することができる。各処理チャンバは、それに関連付けられた1つまたは複数のモジュール式光装置を有することができる。例えば、各チャンバは、1つまたは複数の光装置1806から光(例えば、UVA光)を受けて、処理チャンバ内の処理容器内の生物学的流体を処理することができる。もう1つの実施例では、複数の処理チャンバ内の複数の処理容器(例えば、バッグ)に対して同時に処理を行うことができる。
【0179】
いくつかの例では、一次サブシステムは攪拌機1810を含み得る。撹拌器1810は、処理容器の内容物を撹拌して、生物学的流体及び/または病原体不活化化合物を生物学的流体中に(例えば、混合して)分配する(例えば、均等に分配する)ために使用され得る。一次システムは、処理プロセスを支援する様々な他の機能を実行するために、様々なコンポーネント1812をさらに含むことができる。これらの機能には、1つまたは複数のセンサ(例えば、光、光強度、光量を検出するため)、処理容器の配置の検出、及び特定の処理容器で処理が行われたことを示すためのマーキングメカニズムが挙げられるが、これらに限定されない。
【0180】
本開示のいくつかの例では、処理モジュール1802内の安全サブシステム1814を使用して、一次サブシステム1804で発生する処理活動を監視することができる。安全サブシステム1814の機能は、インターロック、ロックアウト、ハードウェア及びソフトウェアウォッチドッグなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0181】
いくつかの実施例では、照射処理システム1800は、ユーザーが処理要求を行い、照明システム1800と相互作用することを可能にし得る制御モジュール1816を含み得る。いくつかの実施例では、制御モジュール1816は、照明システム1800から物理的に分離されていてもよい。物理的に分離されている場合、制御モジュール1816は、有線または例えばブルートゥース(登録商標)またはWiFiなどの所定の無線通信規格を使用して無線で照明システム1800に接続され得る。いくつかの実施例では、1つの制御モジュール1816が、照明システム1800のような複数のシステムに関連付けられてもよい。
【0182】
本開示の1つまたは複数の実施例では、制御モジュール1816は、ユーザーインターフェース1818を含み得る。ユーザーインターフェース1818は、ユーザーが照明システム1800と対話することを可能にするディスプレイであってもよい。1つまたは複数の実施例では、ユーザーインターフェース1818は、装置とのユーザー対話を容易にするために、ユーザーが選択可能なボタン、アイコン、及びテキストを利用するタッチスクリーンインターフェースを備えたLCDディスプレイとして実装することができる。ユーザーインターフェースには、タッチパッド、キーボード、マウス、バーコードを読み取るカメラなどの入出力装置が含まれ得る。
【0183】
本開示の1つまたは複数の実施例では、システム1800は、共通インターフェース1822を含むことができる。いくつかの例では、システム1800は生物学的流体を処理するための電子装置であり、共通インターフェース1822は電子装置の処理インターフェースである。
【0184】
いくつかの実施形態では、共通インターフェース1822は、制御モジュール1816(例えば、制御モジュール1816の制御サブシステム1820)、一次サブシステム1804、及び安全サブシステム1814に通信可能に結合される。共通インターフェース1822は、制御モジュール1816と一次サブシステム1804または安全サブシステム1814との間の通信経路を提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、制御モジュールとサブシステムとの間の通信は、ユーザーインターフェース1818への入力によって引き起こされる。いくつかの実施形態では、制御モジュールとサブシステムとの間の通信は、照明システムへのサブシステムまたはコンポーネントの導入によって引き起こされる(例えば、モジュール式光装置がシステムに設置される)。
【0185】
上記のモジュール、コンポーネント、及びシステムには、それぞれの機能に関連する様々なコンポーネントを含めることができる。これらのコンポーネントは、1つまたは複数の生物学的流体の効果的かつ効率的な処理を容易にするために、これらのコンポーネントを互いに調整できるシステムアーキテクチャに配置することができる。
【0186】
図19は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するための照明システムの別の例示的なシステム図を示す。本開示のいくつかの実施例では、システムアーキテクチャ1900は、制御モジュール1916及び処理モジュール1902を含むことができる。制御モジュール1916は、様々な機能を実行することができる制御サブシステム1920を含むことができる。例えば、制御サブシステム1920は、グラフィックアイコン、画面遷移、ボタン押下、及びユーザーインターフェース1918での他のユーザー対話を管理することができる。発生した処理の記録を印刷することができる。これは、例えば、イーサネット(登録商標)を介して照明システム1900の外部のネットワークと対話することにより、通信マネージャとして機能することができる。1つまたは複数の実施例では、制御サブシステム1920は、行われた処理のデータベースを維持することによって、データマネージャとして機能することもできる。1つまたは複数の実施例では、制御サブシステム1920は、照明システム1900の(例えば、内部及び/または外部で)発生する異なるイベントを記録することによって、イベントログマネージャとしても機能することができる。これらのイベントには、通常及び異常な環境条件、アラーム、誤動作などが含まれまるが、これらに限定されない。1つまたは複数の実施例では、コントローラーはCPUまたはマイクロプロセッサであり得、揮発性及び不揮発性メモリを含み得る。
【0187】
1つまたは複数の実施例では、制御サブシステム1920は、ポート(例えば、イーサネット(登録商標)ポート)1926を介して制御モジュール1916と外部ネットワークとの間の通信を可能にすることができる。例えば、照明システム1900の外部にある任意の装置は、ポート1926を介して制御サブシステム1920に接続することができる。これらの装置は、外部パーソナルコンピュータ、照明システム1900との間でデータを送受信するための外部血液管理システムなどを含み得るが、これらに限定されない。例えば、血液管理システムは、照明システム1900から報告を収集することができる。また、ソフトウェア及びデータを照明システム200に送信して、異なる制御機能を実行することもできる。これらの機能は、異なる処理プロファイル及びユーザー情報を用いて照明システム1900をプログラミングすること、照明システム1900のメンテナンス及び健全性チェック(例えば、診断)を実行することなどを含み得るが、これらに限定されない。
【0188】
1つまたは複数の実施例では、制御モジュール1916は、共通インターフェース1922(以下でさらに詳細に説明する)の助けを借りて、処理モジュール1902から分離することができる。例えば、そのような隔離は、処理モジュール1902の重要な機能を制御モジュール1916の重要でない機能から物理的に分離するのに役立ち得る。本開示の1つまたは複数の実施例では、重要なコンポーネントと重要でないコンポーネントとの間の分離により、より厳密なテストを必要とする安全上重要なソフトウェア及びハードウェアを処理モジュール1902に配置し、安全上重要でないソフトウェア及びハードウェアを制御モジュール1916に配置することを可能にすることができる。このようにして、装置の重要でないコンポーネントから重要なコンポーネントへの交換または変更によって生じる影響を最小限に抑えることができる。
【0189】
いくつかの実施形態では、共通インターフェースは、定義済みのドメイン固有の通信プロトコルを使用して、制御モジュール1916と処理モジュール1902との間の通信を可能にする。例えば、制御モジュール1916内の制御サブシステム1920(1つまたは複数の実施例ではコントローラーとして実装することができる)は、処理モジュール1902内の別個のコントローラー1924と通信することができる。
【0190】
1つまたは複数の実施例では、制御サブシステム1920は、制御モジュール1916内に配置された1つまたは複数の安全上重要でないコンポーネントに通信可能に結合することができ、コントローラー1924を介して処理モジュール1902に通信可能に結合することもできる。処理モジュール1902内のコントローラー1924は、光装置1928及び撹拌器1910などの1つまたは複数の安全上重要なコンポーネントに通信可能に結合することができ、制御モジュール1916の制御サブシステム1920にも通信可能に結合することができる。
【0191】
1つまたは複数の実施例では、制御サブシステム1920の、処理モジュール1902のコンポーネントとの唯一のインターフェースは、コントローラー1924を介することができ、一方、制御モジュール1916内のコンポーネントとのコントローラー1924の唯一のインターフェースは、制御サブシステム1920を介することができる。このようにして、制御モジュール1916内の安全上重要でないコンポーネントと処理モジュール1902内の安全上重要なコンポーネントとの間の隔離を維持することができる。2つの別個のコントローラーを使用してこの隔離を維持することにより、制御モジュール1916内のコンポーネントに対する将来の変更(すなわち、コンポーネントの変更または拡張)によって引き起こされる処理モジュール502への影響を最小限に抑えることができる。したがって、制御モジュール1916の変更は、規制精査に合格しなければならない処理モジュール1902内のコンポーネントの面倒な再テストに関与しなければならないことを必要としなくてもよい。さらに、制御サブシステム1920とコントローラー1924との間の通信を容易にするために事前定義されたドメイン固有通信プロトコル1922を使用することによって、制御モジュール1916内の安全上重要でないコンポーネントと処理モジュール1902との間のさらなる隔離をさらに維持することができる。制御サブシステム1920とコントローラー1924との間で通信するために使用されるドメイン固有のインターフェースプロトコル522は、制御モジュール1916及び処理モジュール1902を構成するコンポーネントの変更にもかかわらず、2つのモジュール1916及び1920が一貫性を保つ方法を意味し得る。
【0192】
1つまたは複数の実施例では、コントローラー1924は、処理モジュール1902において安全関連機能を実行し得る。例えば、コントローラー1924は、イルミネータシステム1900が安全かつ適切な方法で取り扱われることを監視することができ、安全でないまたは不適切な状態が検出されると、インターロックまたはロックアウト機構を実装することができる。コントローラー1924はまた、処理プロセス中に発生するエラーを示し、ユーザーインターフェース1918を介してユーザーにアラーム情報を示すようにプログラムされたアラームを実装することができる。いくつかの実施形態では、コントローラー1924は、特定の処理プロファイルに従って照明システム1900内の異なるコンポーネントを管理することによって処理タスクを実行することもできる。例えば、コントローラー1924は、モジュール式光装置1906のオンオフ時間及び光の強度を制御することによって、生物学的流体(例えば、生物学的流体を含む処理バッグ)がどれだけの光エネルギー(例えば、UVAエネルギー)に暴露されるかを制御し得る。いくつかの例では、コントローラー1924はまた、光装置によって放射される光の波長及び/または撹拌器1910の速度を制御し得る。いくつかの実施形態では、コントローラー1924は、プロセッサを備えたシングルボードコンピュータまたはカスタムプリント回路基板であり得る。コントローラー1924は、揮発性及び不揮発性メモリを含み得る。
【0193】
本開示の1つまたは複数の実施例では、照明システム1900は、1つまたは複数のスマートコンポーネント1928を含み得る。これらのスマートコンポーネント1928は、モジュール式光装置1906、コントローラー1924、ユーザーインターフェース1918、制御サブシステム1920のようなコンポーネントを含むことができるが、各コンポーネントに独立した内蔵コンピューティングハードウェアを有している。各スマートコンポーネントのコンピューティングハードウェアは、そのコンポーネントに固有の機能を実行するようにプログラムすることができる。例えば、コントローラー1924内のコンピューティングハードウェアは、処理プロセスを実行するためにすべてのコンポーネント間の相互作用を管理するアルゴリズムを実行することができる。いくつかの実施形態では、光装置1906のスマートコンポーネントは、送達される光(例えば、UV)エネルギーを監視し、処理時間及び線量率を調整するためのアルゴリズムを有し得る。さらに、ライト装置1906は、コントローラー1924から指示及びコマンドを受け取ることができる場合がある。いくつかの実施形態では、スマートコンポーネント1928のコンピューティングハードウェアは、カスタムプリント回路基板、FPGA、ASICを使用して実装することができ、揮発性及び不揮発性メモリを含むことができる。
【0194】
本開示の1つまたは複数の実施例では、照明システム1900は、1つまたは複数のセンサ(図示せず)を含むことができる。例えば、モジュール式光装置1906は、光装置1906内に光源によって放出される(例えば、LEDを出る)光(例えば、光エネルギー)の量(例えば、総線量)及び/または例えば、処理容器内の、生物学的流体に照射される光の量(例えば光エネルギー)を検出する光センサ(例えば、フォトダイオード)を含むことができる。センサの他の例としては、近接センサ、重量センサ、空気センサ、温度センサなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0195】
いくつかの例では、システム1900は生物学的流体を処理するための電子装置であり、共通インターフェース1922は電子装置の処理インターフェースである。いくつかの例では、システムの制御モジュール(例えば、制御モジュール1016、制御モジュール1916)は、第1のコントローラー及び第2のコントローラーを含む。処理インターフェースを介して、第1のコントローラーは、本明細書に記載されているもののような複数の安全上重要でないコンポーネントに通信可能に結合することができ、第2のコントローラーは、本明細書に記載されているもののような複数の安全上重要なコンポーネントに通信可能に結合することができる。
【0196】
いくつかの実施形態では、複数の安全上重要でないコンポーネントを処理インターフェースに通信可能に結合し、複数の安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースに通信可能に結合することに応答して、システムは、制御モジュールを用いて、電子装置内の複数の安全上重要でないコンポーネントと、複数の安全上重要なコンポーネントを検出する。
【0197】
いくつかの例では、システムは、処理インターフェースを介して、第1のコントローラーと安全上重要でないコンポーネントとの間で、安全上重要でないコンポーネントに関連する第1のメッセージを送信することができ、システムは、処理インターフェースを介し第2のコントローラーと安全上重要なコンポーネントとの間で第2のメッセージを送信することができる。いくつかの実施形態では、第1及び第2のメッセージはドメイン固有のインターフェース言語に基づく。例えば、ドメイン固有のインターフェース言語はTCP/IPである。いくつかの実施形態では、メッセージの受信に応答して、コントローラーモジュールまたはコンポーネントは、それぞれのメッセージの受信を確認するために送信者に応答(例えば、メッセージが受け入れられた、メッセージが拒否された、メッセージが情報を欠落している、受信者がビジーである)を送信することができる。
【0198】
いくつかの実施例では、システムは、第1のメッセージに基づいて安全上重要でないコンポーネントの状態を決定し、第2のメッセージに基づいて安全上重要なコンポーネントの状態を決定する。例えば、状態は、「未初期化」、「初期化中」、「準備完了」、「実行中」、「較正中」、「シャットダウン中」、「サービス中」、及び「故障」のうちの1つまたは複数であり得る。状態は、本明細書に記載されたものに限定されないことが理解される。
【0199】
いくつかの実施例では、メッセージは、メッセージヘッダーとメッセージデータを含み得る。メッセージヘッダーには、1つまたは複数のコマンド、トランザクション番号、メッセージタイプ、及びメッセージサイズに関連する情報を含めることができる。メッセージデータは、本明細書で説明される状態のうちの1つまたは複数に関連する情報を含むことができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、メッセージはシステムに関する情報を含むことができる。例えば、システムに関する情報には、処理される生物学的流体に関連する処理量、生物学的流体の最大処理時間、処理完了後の最大保持時間、データ更新インターフェース(例えば、どのくらいの頻度で処理の進捗がシステムに通知されているか)、コンポーネントの速度(例えば:撹拌機電流速度(Hz))が含まれる。リストされた情報は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。いくつかの実施形態では、メッセージ内の情報は、ユーザーによって定義されたパラメーターである(例えば、ユーザー定義の処理パラメーターから導出された情報)。
【0201】
いくつかの実施例では、メッセージは処理に関する情報を含むことができる。例えば、処理に関する情報は、処理の経過時間、照射量、チャンバ温度、生物学的流体温度、及びコンポーネントの速度(例えば、撹拌機電流速度(Hz))を含むことができる。リストされた情報は例示的なものであり、限定的なものではないことを理解されたい。
【0202】
いくつかの実施例では、メッセージは、システムに実行をキャンセル(例えば、処理の停止)させるための情報を含めることができる。いくつかの例では、メッセージは、実行が完了したこと(例えば、処理が終了したこと)をシステムに通知するための情報と、完了した処理に関連するデータ(例えば、統計)を含むことができる。
【0203】
いくつかの実施形態では、メッセージはシステムのサービスに関連付けることができる。いくつかの実施例では、メッセージは、システムでサービスを開始するための要求である場合がある。いくつかの実施例では、メッセージは、システム上で実行されている現在のサービス(メンテナンスなど)に関する情報を含む。いくつかの実施例では、メッセージは、完了したサービスに関する情報を含む(例:通知、サービスログ)。
【0204】
いくつかの実施形態では、メッセージは、システムのシャットダウンに関連付けることができる(例えば、システムをシャットダウンする要求、特定の時間にシステムをシャットダウンする要求)。いくつかの実施形態では、メッセージは、システム障害に関連付けることができる(例えば、障害のあるコンポーネントの識別、障害回復の指示、障害に関連するログ)。いくつかの実施形態では、メッセージは、システム較正(例えば、較正ファイルの転送、構成ファイルの転送)に関連付けることができる。いくつかの実施形態では、メッセージは、サブシステムまたはコンポーネントのバージョンに関連付けることができる(例えば、インターフェースバージョン、ファームウェアバージョン、OSバージョン、BIOSバージョン、ハードウェアバージョン、コンポーネントバージョン、サブシステムシリアル番号)。例えば、サブシステムまたはコンポーネントのバージョンに関連付けられたメッセージにより、システムの安全性、信頼性、または互換性の要件が最新であることを確認することができる。
【0205】
いくつかの実施例では、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントが状態を変更する場合がある。例えば、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントは、第1の状態にある。システムは、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を(例えば、ユーザー入力に応答して)第1の状態から第2の状態に変更することができる。いくつかの実施例では、状態の変化に応答して、システムは、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントから、共通インターフェースを介して制御モジュールに第2のメッセージを送信する(例えば、第1のメッセージとは異なる)。いくつかの実施形態では、システムは、第1のコントローラーまたは第2のコントローラーで第2のメッセージを受信し、第2のメッセージの受信に応答して、システムは処理コンポーネントの第2の状態を決定する。
【0206】
いくつかの例では、システムに電力が供給され、システムへの電力の供給に応答して、複数の安全上重要でないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントの存在が検出される。例えば、電源投入時及びシステムの初期化時に、これらのコンポーネントの存在が検出される。
【0207】
いくつかの実施例では、システムに電力が供給されることに応答して、システムは、ローカルネットワークアドレス(例えば、IPアドレス、MACアドレス)及びポート(例えば、TCPポート)を複数の安全上重要でないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントにアサインする。いくつかの実施形態では、ローカルネットワークアドレス及びポートは、ドメイン固有のインターフェース言語に基づく。例えば、ローカルアドレスはIPアドレスまたはMACアドレスであり得、ローカルポートはTCPポートであり得る。
【0208】
図20は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するためのシステムの例示的なシステム図を示す。
図20のシステム例2000は、
図19に関して上記で提供された実施例に関して追加の例示的なシステム図として役立つことができる。1つまたは複数の実施例では、システム2000は、装置の1つまたは複数の安全上重要でないコンポーネントとインターフェースできるユーザーインターフェースコントローラー2002を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、安全上重要でないコンポーネントは、ディスプレイ(例えば、タッチディスプレイ)2008、スキャナー(例えば、バーコードスキャナー)2010、イーサネット(登録商標)ポート2012、及び1つまたは複数のUSBポート2014を含むことができる。安全上重要でないコンポーネントは、装置によって処理される1つまたは複数の生物学的流体と直接相互作用せず、その動作が処理プロセスの安全性及び有効性に実質的な影響を及ぼさない、システム2000内のコンポーネントを指すことができる。
【0209】
1つまたは複数の実施例では、UIC2002は、装置の外部ユーザーによってアクセス可能なシステムの1つまたは複数のコンポーネントを制御及び相互作用することができる。例えば、1つまたは複数の実施例では、UIC2002は、1つまたは複数のグラフィカルユーザーインターフェースを表示するように構成することができ、ユーザーから1つまたは複数のタッチ入力を受け取るように構成されたタッチディスプレイ2008と相互作用することができる。1つまたは複数の実施例では、UIC2002は、生物学的流体に関連付けられた(例えば、生物学的流体に関連付けられた容器上の)1つまたは複数のバーコードをスキャンするように構成され、生物学的流体に関する識別情報が含まれている、1つまたは複数のバーコードスキャナー2010を制御またはバーコードスキャナー2010と相互作用することができる。1つまたは複数の実施例では、UIC2002は、装置が外部コンピューティングネットワーク(インターネットまたはエンタープライズコンピューティングシステムなど)に接続できるように構成できるイーサネット(登録商標)ポート2012と相互作用することができ、装置はイーサネット(登録商標)ポート2012経由で装置に接続されたコンピュータによって外部から制御またはアクセスすることができる。1つまたは複数の実施例では、UIC2002は、1つまたは複数のユニバーサルシリアルバス(USB)ポート2014を制御して相互作用するように構成することができる。USBポート2014は、マウスまたはキーボードなどの外部装置をシステム2000に接続できるようにし得る。
【0210】
1つまたは複数の実施例では、UIC2002は、1つまたは複数の外部に面するコンポーネント(すなわち、システムの一部ではないユーザーまたは装置によって制御できるコンポーネント)と相互作用することができるが、ユーザーまたは装置が装置の1つまたは複数の安全上重要なコンポーネント2018を直接制御することはできない。以下で詳細に説明するように、UIC2002は、UIC2002からコマンドを受信し、それらのコマンドを1つまたは複数の安全上重要なコンポーネント2018によって実行される1つまたは複数の動作に変換するように構成できるコントロールシステムボード(CSB)2006と通信することができる。
【0211】
本開示の1つまたは複数の実施例では、システム2000は、パケット交換を使用してデータを受信し、システム内の特定のコンポーネントに転送することによって、システムのコンポーネント間の送信をルーティングできるネットワークスイッチ2004を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、ネットワークスイッチ2004は、UIC2002からCSB2006への1つまたは複数のパケット(コマンドまたは情報を含む)を受信するように構成することができる。例えば、UIC2002は、タッチディスプレイ2008を介して外部ユーザーから1つまたは複数の入力を受信することができ、次いでネットワークスイッチ2004を介してそれらのコマンドをCSB2006に送信することができるため、CSB2004はユーザーの入力に基づいて装置の安全上重要なコンポーネントを制御することができる。1つまたは複数の実施例では、ネットワークスイッチ2004はまた、CSB2004から1つまたは複数のパケットを受信することができ、1つまたは複数のパケットを1つまたは複数の安全上重要なコンポーネント2018(両方の処理チャンバ2020及び2022を含むことができる処理モジュールに関連付けられる)にルーティングすることができ、処理チャンバ2020及び2022内の生物学的流体の処理のために安全上重要なコンポーネントを操作する。
【0212】
上記で簡単に説明したように、処理チャンバ2020及び2022のそれぞれは、1つまたは複数の安全上重要なコンポーネント2018を含むことができる。安全上重要なコンポーネント2018は、1つまたは複数の生物学的流体を処理するために装置によって使用されるセンサ及びハードウェアを指す場合がある。1つまたは複数の実施例では、各処理チャンバ内に含まれる安全上重要なコンポーネントには、モジュール式光装置モジュール2024、温度センサ2026、プラットフォーム(例えば、引き出し)ラッチセンサ2028、セット検出センサ2030、トレイ位置センサ2032、プラットフォーム(例えば、引き出し)2034、プラットフォーム(例えば、引き出し)ロック2036、及び撹拌機2038が挙げられる。
【0213】
1つまたは複数の実施例では、モジュール式光装置モジュール2024には、1つまたは複数の光源(例えば、UV光源)及び光センサが挙げられ、光(例えば、UV光)を生物学的流体に送達するだけでなく、生物学的流体に照射される及び/または生物学的流体によって受け取られる光の量を監視するように構成される。本開示の1つまたは複数の実施例では、安全上重要なコンポーネント2018は、処理容器の内容物を攪拌して、生物学的流体及び/または生物学的流体中(例えば、混合物中)の病原体不活化化合物を分配する(例えば、均等に分配する)ように構成できる攪拌器を含むことができる。1つまたは複数の実施例では、攪拌器2038は、生物学的液体または生物学的液体中の(例えば、混合物中の)光活性病原体不活性化化合物を攪拌するように構成された機械的攪拌器(例えば、モーター、サーボ)を含み得る。1つまたは複数の実施例では、安全上重要なコンポーネントは、CSB2006からのコマンドに基づいて処理チャンバのプラットフォーム(例えば、引き出し)をロックまたはロック解除する(すなわち、プラットフォーム(例えば、引き出し)が開くことを防止する)ように構成されたプラットフォーム(例えば、引き出し)ロック2036を含むことができる。
【0214】
安全上重要なコンポーネント2018は、装置の動作に関する情報をCSB2006に提供するように構成された複数のセンサをさらに含むことができる。1つまたは複数の実施例では、温度センサ2026は、システム及び/または生物学的流体の温度を監視するように構成することができ、生物学的流体及び/または装置の温度を示す更新をCSB2006に送信するように構成することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、プラットフォーム(例えば、引き出し)ラッチセンサ2028は、装置(上で詳細に説明した)のプラットフォーム(例えば、引き出し)上のラッチ(例えば、ロック)が開位置または閉位置にあるかどうかを検出するように構成することができ、ラッチの位置を示す信号をCSB2006に送信するように構成することができる。1つまたは複数の例において、セット(例えば、処理セット、流体処理セット)検出器センサ2030は、生物学的流体を含有する容器(例えば、バッグ)がプラットフォーム(例えば、引き出し、関連トレイ)の上または中、及び/または処理チャンバ内に存在するかどうかを検出するように構成することができ、かつ、容器中(例えば、バッグ)のそれらの存在または欠如を示す信号をCSB2006に送信するように構成することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、トレイ位置センサ2032は、例えば、トレイ及び/またはプラットフォーム(例えば、引き出し)内のトレイの位置(例えば、移動)など、トレイの存在及び/または装置のトレイの位置(上記で詳細に説明されている)を決定するように構成することができ、プラットフォーム/トレイ/引き出しの位置を示す信号をCSB2006に送信するように構成することができる。1つまたは複数の実施例では、プラットフォーム(例えば、引き出し)及び/または関連するセンサ2034は、処理チャンバのプラットフォーム(例えば、引き出し)の位置を決定する(例えば、プラットフォーム(例えば、引き出し)が処理チャンバ内の閉鎖位置にあるかどうかを決定する)ように構成することができ、引き出しの位置を示す信号をCSB2006に送信するように構成することができる。1つまたは複数の例において、「トレイ」は、処理中に生物学的流体を収容し、プラットフォームの取り外し可能な部分またはコンポーネントを指すことができ、それは透明であり得、例えばトレイの床(例えば、底)などの1つまたは複数の表面上で(例えば、光が通過できるように完全にまたは部分的に透明である)。1つまたは複数の実施例において、「引き出し」という用語は、トレイを保持し、撹拌機モーターを固定できるプラットフォーム及び関連するフレームを指すことができる。1つまたは複数の実施例では、引き出しは、トレイをオペレーターに提示するように構成することができる。1つまたは複数の例において、トレイは、例えば、プラットフォーム(例えば、引き出し)内で直線的に前後に動かすことなどによって、処理中に攪拌することができる。
【0215】
本開示の1つまたは複数の実施例では、CSB2006は、装置の電源ボタンと直接通信して装置をオンまたはオフにし、続いて安全上重要なコンポーネント2018のそれぞれにコマンドを発行して操作を停止または操作を開始するように構成することができる。システム2000はまた、システム2000内のコンポーネントのそれぞれに電気信号を提供してそれらの動作に電力を供給するために使用できる電源2040を含むことができる。
【0216】
図20に示すように、システム2000は、安全上重要でないコンポーネント及び安全上重要なコンポーネント2018をそれぞれ制御するために、UIC2002及びCSB2006の2つの別個のコントローラーを含むことができる。2つの別個のコントローラーを含むことにより、システム2000は、外部ユーザーまたは装置からの装置の不正または誤った操作が安全上重要なコンポーネント2018の操作に与える影響を最小限にさせることができる。安全上重要なコンポーネントをさらに隔離するために、安全上重要でないコンポーネントについては、UIC2002を、第1の通信プロトコルで安全上重要でないコンポーネントと通信するように構成し、CSB2006は第1の通信プロトコルとは異なる2番目の通信プロトコル中の安全上重要なコンポーネントと通信することができる。1つまたは複数の実施例では、システム2000は、システムに固有のドメイン固有の通信プロトコルをさらに利用して、安全上重要なコンポーネント2018と通信し、それらに命令することができる。
図20の実施例では、ドメイン固有の通信プロトコルは、処理モジュールインターフェース(TMI)プロトコルと称され得る。
【0217】
1つまたは複数の実施例では、安全上重要なコンポーネントがCSB2006から送信されたコマンドにのみ応答するように、TMIプロトコルを構成することができる。このように、外部に面するコンポーネント(すなわち、外部のユーザーまたは装置がアクセスできるコンポーネント)のすべてを制御するように構成されたUIC2002は、安全上重要なコンポーネント2018を直接制御するために使用することはできず、よって処理プロセスのセキュリティ層を厚くする。したがって、1つまたは複数の実施例では、ユーザーがタッチディスプレイ2008などの安全上重要でないコンポーネントの1つに入力し、コマンドが安全上重要なコンポーネント2018のうちの1つからのアクションを必要とする場合、コマンドをUIC2002からネットワークスイッチ2004を介してCSB2006へ送信することができる。1つまたは複数の実施例では、ネットワークスイッチ2004はオプションであり、必須ではない場合がある。一旦CSB2006がUIC2002から所望のアクションを受信すると、UIC2002によって登録された所望のアクションに従ってこれらのコンポーネントを操作するために、TMIプロトコルを使用して安全上重要なコンポーネント2018のための1つまたは複数のコマンドを生成することができる。
【0218】
上記の相互作用を容易にするために、TMIプロトコルは、1つまたは複数の実施例では、コマンドがCSB2006から発行されたかどうかをパケットの受信者が判断できるように、任意のパケットの送信者/発信者を識別するように構成することができる。本開示の1つまたは複数の実施例では、TMIプロトコルは、CSB2006から発信されたコマンドのみが安全上重要なコンポーネント2018に作用することを可能にするように構成することができる。したがって、安全上重要と見なされるコンポーネントは、CSB2006からのTMIパケットのみを受け入れるように構成することができる。
【0219】
1つまたは複数の実施例では、TMIプロトコルは、CSB2006と処理モジュールのコンポーネントとの間のメッセージ及びコマンド転送として機能することができるカスタム通信インターフェースとして構成することができる。TMIは、安全上重要でない機能と安全上重要な機能を分離することにより、安全性とサイバーセキュリティ(上記のとおり)をサポートするように構成することができる。安全性をサポートすることに加えて、TMIプロトコルは、装置のモジュール性とスケーラビリティを可能にし、装置の信頼性とテスト容易性を向上させるように構成することもできる。1つまたは複数の実施例では、TMIプロトコルは、イーサネット(登録商標)、UDP/IPトランスポート媒体を利用して、プロトコルに書かれた通信を中継することができる。
【0220】
図21は、本開示の実施例によるドメイン固有通信プロトコルの例示的な実装を示す。
図21の例示的なダイアグラム2100は、外部ユーザーによって発行されたコマンドが、生物学的流体を処理するための電子装置の個々のコンポーネントを操作するために使用される1つまたは複数のコマンドに変換されるプロセスを示す。
【0221】
1つまたは複数の実施例では、ダイアグラム2100に示されるプロセスは、生物学的流体の処理を開始するコマンドを装置に発行するユーザー2102から開始することができる。1つまたは複数の実施例では、ユーザー2102は、ユーザーインターフェース2104を介してコマンド2116を発行することができる。ユーザーインターフェース2104は、ディスプレイ(例えば、タッチスクリーンディスプレイ)、音声認識コンポーネント、動き検出コンポーネント、キーボード、またはユーザーがその所望のアクションを電子装置に入力できるように構成し、装置がそれらのコマンドに基づいて動作できる任意の他の装置を含むことができる。
【0222】
1つまたは複数の実施例では、ユーザーインターフェース2104がユーザー2102からコマンド2116を受信すると、ユーザーインターフェース2104は、ユーザーのコマンドを、ユーザーインターフェースコントローラー(UIC)2106と互換性があるように特別にフォーマットされたコマンド2118に変換することができる(上記で詳しく説明される)。UIC2106は、コマンド2118を受信すると、2120に示されるように、コマンドを処理及び検証することができる。UICによって受信されたコマンド2118が無事に検証された場合(すなわち、コマンドが適切であり、1つまたは複数の実施例では認証された場合)、UIC2106は、信号2122をユーザーインターフェース2104に送信することができ、それにより、ユーザーインターフェース2104は、インターフェース2104を介して、処理が無事に開始されたという表示をユーザー2102に提供する。
【0223】
1つまたは複数の実施例では、受信したコマンド2118を処理及び検証した後、UIC2106は、システムコントローラー2108に警告するように構成された(
図20に関して上述した)ドメイン固有のTMI通信プロトコルを使用してフォーマットされたコマンド2124を生成及びユーザーの所望の電子装置の操作に送信することができる。1つまたは複数の実施例では、TMIプロトコルでフォーマットされたコマンド2124は、コマンド2124の送信者(この場合はUIC2106)に関する情報を含むことができ、システムコントローラーは、UIC2106によって送信された処理を開始するコマンドのみを受け入れるように構成することができる。システムコントローラー2108がUIC2106からTMIフォーマットメッセージ2124を受信すると、システムコントローラー2108は、2126で示されるように、コマンドを処理及び検証することができる。
【0224】
1つまたは複数の実施例では、システムコントローラー2108が2126でUIC2106からのTMIフォーマットメッセージ2124を処理及び検証すると、システムコントローラーは、コンポーネント2110、2112、及び2114のそれぞれに1つまたは複数のコマンドを生成して送信し、生物学的流体の処理プロセスを開始することができる。1つまたは複数の実施例では、コンポーネント2110、2112、及び2114は、装置の処理チャンバ内に配置された安全上重要なコンポーネントを表すことができ、1つまたは複数の実施例では、光装置コンポーネント、攪拌機、プラットフォーム/トレイ/引き出しロック、及び
図12に関して上で詳細に論じたセンサを含むことができる。1つまたは複数の実施例では、システムコントローラーは、生物学的流体の処理に関与する可能性のあるコンポーネント2110、2112、及び2114のそれぞれに対して別個のコマンド2128、2132、及び2136を生成することができる。1つまたは複数の実施例では、コマンド2128、2132、及び2136は、電子装置内のコンポーネントだけが知っているドメイン固有のTMI通信プロトコルを使用してフォーマットすることができる。さらに、TMI通信プロトコルを使用して生成されたコマンド2128、2132、及び2136は、コマンド(この場合、システムコントローラー2108)の発信に関する情報を含むことができ、コンポーネント2110、2112、及び2114のそれぞれは、システムコントローラー2108から発信されたと判断されたコマンドにのみ応答するよう構成することができる。
【0225】
1つまたは複数の実施例では、システムコントローラー2108は、処理チャンバ2110の第1のコンポーネントに対して、コンポーネントがとるべきアクションを示し、メッセージの発信元を識別するTMIメッセージ2128を生成することができる。一旦第1のコンポーネント2110がコマンド2128を受信すると、2130でコマンドを処理及び検証して、コマンドが適切であるだけでなく、それがシステムコントローラー2108から発信されたことも保証することができる。コンポーネント2110が、コマンド2128が不適切であるか、またはコマンド2128がシステムコントローラー2108から発信されたことを決定できないと判断した場合、コンポーネントは、システムコントローラー2108にエラーを警告するメッセージを送信することができる(図示されず)。しかし、コマンドが適切に検証され、認証された場合、1つまたは複数の実施例では、コンポーネント2110は、メッセージ2128によって示されるアクションを実行することができる。コンポーネント2110がアクションを実行すると、要求されたアクションが実行されたことをシステムコントローラー2108に知らせるTMIプロトコルを使用してフォーマットされたメッセージ2144を生成することができる。
【0226】
1つまたは複数の実施例では、システムコントローラー2108は、処理チャンバ2112の第2のコンポーネントに対して、コンポーネントがとるべきアクションを示し、メッセージの発信元を識別するTMIメッセージ2132を生成することができる。一旦第2のコンポーネント2112がコマンド2132を受信すると、2134でコマンドを処理及び検証して、コマンドが適切であるだけでなく、それがシステムコントローラー2108から発信されたことも保証することができる。コンポーネント2112が、コマンド2132が不適切であるか、またはコマンド2132がシステムコントローラー2108から発信されたことを決定できないと判断した場合、コンポーネント2112は、システムコントローラー2108にエラーを警告するメッセージを送信することができる(図示されず)。しかし、コマンドが適切に検証され、認証された場合、1つまたは複数の実施例では、コンポーネント2112は、メッセージ2132によって示されるアクションを実行することができる。コンポーネント2112がアクションを実行すると、要求されたアクションが実行されたことをシステムコントローラー2108に知らせるTMIプロトコルを使用してフォーマットされたメッセージ2140を生成することができる。
【0227】
1つまたは複数の実施例では、システムコントローラー2108は、処理チャンバの第3のコンポーネント2114に対して、コンポーネントがとるべきアクションを示し、メッセージの発信元を識別するTMIメッセージ2136を生成することができる。一旦第3のコンポーネント2114がコマンド2136を受信すると、2138でコマンドを処理及び検証して、コマンドが適切であるだけでなく、それがシステムコントローラー2108から発信されたことも保証することができる。コンポーネント2114が、コマンド2136が不適切であるか、またはコマンド2136がシステムコントローラー2108から発信されたことを決定できないと判断した場合、コンポーネント2114は、システムコントローラー2108にエラーを警告するメッセージを送信することができる(図示されず)。しかし、コマンドが適切に検証され、認証された場合、1つまたは複数の実施例では、コンポーネント2114は、メッセージ2136によって示されるアクションを実行することができる。コンポーネント2114がアクションを実行すると、要求されたアクションが実行されたことをシステムコントローラー2108に知らせるTMIプロトコルを使用してフォーマットされたメッセージ2142を生成することができる。
【0228】
図21の実施例は、3つのコンポーネント2110、2112、2114を含む装置の通信プロセスを示すが、この実施例は、
図21に関して上述した方法及びプロセスから逸脱することなく、任意の数のコンポーネントを有する装置に容易に適用することができる。21.したがって、コンポーネント2110、2112、及び2114は、例示を目的とするものであり、限定するものと見なすべきではない。
【0229】
1つまたは複数の実施例では、システムコントローラー2108がコンポーネント2110、2112、及び2114からメッセージ2140、2142、及び2144を受信すると、システムコントローラー2108は、2146で受信メッセージを処理及び検証することができ、その後、処理が終了した(例えば、処理が完了した)ことを示すTMIフォーマットメッセージ2148生成し、UIC2106へ送信することができる。1つまたは複数の実施例では、システムコントローラー2108から、処理が終了したことを示すメッセージ2148を受信すると、UICは、メッセージ2150を(TMIフォーマットまたはディスプレイによって理解される別のフォーマットのいずれかで)ユーザーインターフェース2104に送信し、処理プロセスが終了したことをユーザーに示す1つまたは複数のグラフィカルユーザーインターフェースを表示するようにユーザーインターフェースに指示することができる。
【0230】
図21の実施例に関して上で実証したように、装置は、ドメイン固有のTMI通信プロトコルを使用して、UIC2106によって制御されるコンポーネントとシステムコントローラー2108によって制御されるコンポーネントとの間の分離を提供するように構成することができる。生物学的流体を処理するために使用される安全上重要なコンポーネントがTMIプロトコルで生成されたコマンド(装置によって内部でのみ認識される)のみを受け入れ、システムコントローラー2108によって生成されたコマンドのみを受け入れることができるようにTMIプロトコルを構成することにより、許可なく装置に命令する悪意のあるユーザーまたはその他の外部アクターが最小限に抑えられる。1つまたは複数の実施例では、システムコントローラーが新しいコンポーネントを検出し、確実それのみがそれらを操作するコマンドを発行できるため、TMI通信プロトコルはさらに、装置への混乱を最小限に処理チャンバ内の新しいコンポーネントまたは交換コンポーネントの導入を促進するように構成することができる。
【0231】
1つまたは複数の実施例では、TMI通信プロトコルは、コントローラー2108と各処理チャンバ内に配置されたコンポーネントとの間のメッセージ及びコマンド転送として機能することができる。TMI通信プロトコルは、安全上重要なコンポーネントを安全上重要でないコンポーネントから分離及び隔離することで、装置の安全性とサイバーセキュリティのニーズをサポートし、モジュール性とスケーラビリティを実現し、信頼性とテスト容易性を向上させることができる。1つまたは複数の実施例では、TMI通信プロトコルは、設計の複雑さを軽減し、誤用のための変更を減らし、コンポーネント間のエラーを分離し、効率的な方法でイベントを装置に報告できる状態ベースの設計を使用して構成することができる。1つまたは複数の実施例では、TMI通信プロトコルは、イーサネット(登録商標)またはUDP/IPなどの市販のトランスポートプロトコルを利用して、装置の様々なコンポーネント間でメッセージを前後に転送することができる。
【0232】
図22は、本開示の実施例による生物学的流体を処理するための例示的なシステムを操作する例示的な方法2200を示す。いくつかの実施例では、方法2200は、本明細書で開示される装置またはシステムを用いて実行することができる。
【0233】
方法2200は、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースに結合すること(ステップ2202)を含む。例えば、
図18及び19を参照すると、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントのうちの1つが、共通インターフェース1822または1822に通信可能に結合される。
【0234】
この方法は、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの処理インターフェースへの結合に応答して、コントローラーを使用して、電子装置の安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在を検出すること(ステップ2204)を含む。例えば、
図18及び19を参照すると、ステップ2202で実行された結合に応答して、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在が検出される。
【0235】
この方法は、領域固有のインターフェース言語に基づくメッセージを、処理インターフェースを介してコントローラーと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間で送信すること(ステップ2206)を含む。例えば、
図18及び19を参照すると、本明細書で開示されるように、結合コンポーネントとコントローラーモジュールとの間でメッセージが送信されている。
【0236】
この方法は、メッセージに基づいて安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を決定すること(ステップ2208)を含む。例えば、
図18及び19を参照すると、ステップ2206で送信されたメッセージに基づいて、本明細書で開示される結合コンポーネントの状態が決定される。
【0237】
複数の安全上重要でないコンポーネント及び安全上重要なコンポーネントを含むシステムに関して共通インターフェースが説明されているが、上記の説明は、個々の安全上重要でないコンポーネントまたは個々の安全上重要なコンポーネントにも適用可能であることが理解される。例えば、システムは、制御モジュール、安全上重要でないコンポーネント、安全上重要なコンポーネント、及び共通インターフェース(例えば、生物学的流体を処理するための電子装置の処理インターフェース)を含む。共通インターフェースを使用する制御モジュールと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間の相互作用は、本明細書で説明される制御モジュール、安全上重要でないコンポーネント、及び安全上重要なコンポーネントとの間の共通インターフェース相互作用と実質的に同様であり得る。簡潔にするために、制御モジュールと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間の相互作用については説明しない。全てのこのような変形が、本開示の範囲内にあることが理解される。
【0238】
図23は、一実施形態によるコンピューティング装置の実施例を示している。装置2300は、ネットワークに接続されたホストコンピュータであり得る。装置2300は、クライアントコンピュータまたはサーバーであり得る。
図23に示されるように、装置2300は、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、サーバー、または電話機もしくはタブレットなどのハンドヘルドコンピューティング装置(ポータブル電子装置)などの任意の好適な種類のマイクロプロセッサベースの装置であり得る。装置は、例えば、プロセッサ2302、入力装置2306、出力装置2308、ストレージ2310、及び通信装置2304のうちの1つまたは複数を含むことができる。入力装置2306及び出力装置2308は、一般に、前述のものに対応し得、コンピュータと接続可能であってもよく、またはコンピュータに統合されてもよい。
【0239】
入力装置2306は、タッチスクリーン、キーボードもしくはキーパッド、マウス、または音声認識装置など、入力を提供する任意の好適な装置であり得る。出力装置2308は、タッチスクリーン、触覚装置、またはスピーカーなど、出力を提供する任意の好適な装置であり得る。
【0240】
ストレージ2310は、RAM、キャッシュ、ハードドライブ、またはリムーバブルストレージディスクを含む電気的、磁気的、または光学的メモリなど、ストレージを提供する任意の適切な装置であり得る。通信装置2304は、ネットワークインターフェースチップまたは装置などネットワークを介して信号を送受信することができる任意の適切な装置を含むことができる。コンピュータのコンポーネントは、任意の好適な方法で、例えば、物理バスを介してまたは無線で接続することができる。
【0241】
ストレージ2310に記憶され、プロセッサ2310によって実行され得るソフトウェア2312は、例えば、本開示の機能を具現化するプログラミング(例えば、上述した装置に具体化される)を含むことができる。
【0242】
ソフトウェア2312はまた、命令実行システム、装置、または装置、例えば、上述したような、ソフトウェアに関連付けられている命令を命令実行システム、装置、または装置から取り出して命令を実行することができるものによって、またはそれらに関連して使用するために、任意の非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に記憶及び/または輸送することもできる。本文書の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、もしくは装置による使用のために、またはそれらと接続してプログラムを含むまたは記憶することができる任意の媒体、例えば、ストレージ2310であり得る。
【0243】
ソフトウェア2312はまた、命令実行システム、装置、または装置、例えば、上述したような、ソフトウェアに関連付けられている命令を命令実行システム、装置、または装置から取り出して命令を実行することができるものによって、またはそれらに関連して使用するために、任意の輸送媒体内に伝播させることもできる。本開示の文脈において、輸送媒体は、命令実行システム、装置、または装置によって、またはそれらに関連して使用するために、プログラミングを通信、伝播、または輸送することができる任意の媒体であり得る。輸送可読媒体としては、電子、磁気、光、電磁気、または赤外線の有線または無線の伝播媒体が含まれるが、これらに限定されない。
【0244】
装置2300は、任意の好適な種類の相互接続された通信システムであり得るネットワークに接続され得る。ネットワークは、任意の好適な通信プロトコルを実装することができ、任意の好適なセキュリティプロトコルによって保護され得る。ネットワークは、無線ネットワーク接続、T1もしくはT3回線、ケーブルネットワーク、DSL、または電話回線などのネットワーク信号の送受信を実装できる任意の好適な構成のネットワークリンクを含むことができる。
【0245】
装置2300は、ネットワーク上での動作に好適な任意のオペレーティングシステムを実装することができる。ソフトウェア2312は、C、C++、Java(登録商標)、またはPythonなどの任意の好適なプログラミング言語で書くことができる。様々な実施形態では、本開示の機能を具現化するアプリケーションソフトウェアは、例えば、クライアント/サーバー構成で、またはウェブベースのアプリケーションもしくはウェブサービスとしてウェブブラウザを介してなど、異なる構成でデプロイすることができる。
【0246】
一態様では、生物学的流体を処理するための電子装置は、複数の安全上重要ではないコンポーネント;複数の安全上重要でないコンポーネントに通信可能に結合され、複数の安全上重要でないコンポーネントを操作するように構成されている、第1のコントローラー;1つまたは複数のプラットフォームを含み、1つまたは複数のプラットフォームの各プラットフォームは、1つまたは複数の生物学的流体を運ぶように構成されている、複数の安全上重要なコンポーネント;1つまたは複数のモジュール式光装置であって、各光装置が生物学的流体を照射するように構成されている、1つまたは複数のモジュール式光装置;及び安全上重要なコンポーネントの動作を監視するように構成されている1つまたは複数の安全コンポーネント;及び複数の安全上重要なコンポーネントに通信可能に結合され、第1のコントローラーに通信可能に結合され、複数の安全上重要なコンポーネントに関与する1つまたは複数の動作を調整するように構成される第2のコントローラー、を含み、第1のコントローラー及び第2のコントローラーは、複数の安全上重要でないコンポーネントを複数の安全上重要なコンポーネントから分離するように構成されたドメイン固有のインターフェース言語を使用して互いに通信する。
【0247】
特定のコンポーネント、構成、特徴、及び機能が、上記に提供されているが、当業者であれば、他の変化形を使用することができることを理解するであろう。加えて、特徴は、特定の実施形態と関連して記載されているように見え得るが、当業者であれば、記載される実施形態の様々な特徴を組み合わせることができることを認識するであろう。さらに、ある実施形態と関連して記載される態様は、単独であってもよい。
【0248】
いくつかの実施形態では、上述した処理システム及び装置のいずれかを使用して、例えば、病原体不活性化化合物(例えば、光活性病原体不活性化化合物、ソラレン)と混合した生物学的流体を含む、1つまたは複数の生物学的流体中の病原体(複数可)を不活性化し得る。具体的には、上述した処理システム及び装置のいずれかが、1つまたは複数の病原体不活性化化合物と、生物学的流体、例えば、例として、血液または血液製剤(例えば、血小板組成物、血漿組成物、及びそれらの誘導体)との混合物に、ある特定の波長の光(例えば、紫外線光)を照射して光化学反応を引き起こし、生物学的流体中に存在する可能性のある病原体(複数可)、例えば、ウイルス、細菌、寄生虫、及び他の混入物質、例えば、例として、細胞混入物質(例えば、白血球)を不活性化することができる。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、付加物及び/または架橋を光化学的に形成するために核酸を標的とする。例えば、本開示の装置は、生物学的流体を処理する方法において使用され得、方法は、光活性病原体不活性化化合物(例えば、ソラレン、アモトサレン)と混合した生物学的流体を提供することと、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出された約315nm~約350nm(例えば、約315nm~約335nm、約330nm~約350nm、約340nm~約350nm、約340nm、約345nm)の第1のピーク波長を有する紫外線光、例えば、紫外線光などで生物学的流体を照射することと、を含み、生物学的流体を照射することは、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。いくつかの例では、本開示の装置は、生物学的流体を処理する方法において使用され得、方法は、1つまたは複数の第1の光源によって放射された紫外線光(例えば、UV-A,UV-B,UV-C)によって生物学的流体を照射することを含み、生物学的流体を照射することは、生物学的流体中の病原体を不活化するのに十分な持続時間及び強度で行われる。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)である。
【0249】
「病原体不活性化化合物」という用語は、生物学的流体、例えば、例として血液または血液製剤に存在している可能性のある病原体を不活性化するために使用することができる、任意の好適な化合物、例えば、小分子有機化合物を指す。「光活性」または「光活性化」または「光化学的」または「光感作性」化合物である病原体不活性化化合物は、病原体を十分に不活性化するための、なんらかのレベルの光を必要とする、好適な化合物である。そのような化合物は、不活性化プロセスに対する制御を提供するため、生物学的製剤中の病原体の不活性化において好ましい。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、ポルフィリン、及びメロシアニン540からなる群から選択される光活性病原体不活性化化合物である。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物はソラレンである。いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、アモトサレン(例えば、S-59)である。本明細書に記載されるそのような光活性化または光化学的病原体不活性化化合物としては、ソラレン、イソアロキサジン、アロキサジン、フタロシアニン、フェノチアジン、及びポルフィリンを含むことができるが、これらに限定されず、ここで、これらの用語は、化合物の一般的なクラス、すなわち、コア化合物及びその好適な誘導体を包含するように理解される。例えば、ソラレン(複数または単数)は、一般に、ソラレンコア化合物及びその任意の誘導体(例えば、アモトサレン)を指し、イソアロキサジン(複数または単数)は、一般に、イソアロキサジンコア及びその任意の誘導体(例えば、リボフラビン)を指すなどである。そのような誘導体は、コア化合物構造及びコア上の追加の置換基を含む。そのような化合物の説明には、それらの任意の塩が含まれる。
【0250】
「アモトサレン」という用語は、化合物3-(2-アミノエトキシメチル)-2,5,9-トリメチルフロ[3,2-g]クロメン-7-オン及びその任意の塩を意味する。この化合物はまた、4’-(4-アミノ-2-オキサ)ブチル-4,5’,8-トリメチルソラレンとも称され得る。本開示の方法が、アモトサレンHCl(アモトサレンのHCl塩)を添加することを含む場合、この化合物を生物学的流体、例えば、例として血液製剤(例えば、血小板組成物、血小板のユニット、血漿組成物、全血組成物、血漿組成物)から除去することは、アモトサレンが、他の塩または遊離塩基として溶液中に存在し得るため、アモトサレンHClの除去に限定されない。本明細書に記載される方法において使用する場合、アモトサレンの除去は、本明細書に記載されるアッセイによって測定される、任意の形態、例えば、遊離塩基または任意の塩としてのこの化合物の除去を意味する。
【0251】
いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、4-第1級アミノ置換ソラレンであり、これは、2~20個の炭素の全長を有する炭化水素鎖によってソラレンの4’位に連結されたNH2基を有するソラレン化合物であり、ここで、これらの炭素のうちの0~6個は、独立して、NHまたはOによって置き換えられ、置き換えの各々の点は、互いの置き換え点から少なくとも2炭素離れており、ソラレンから少なくとも1炭素離れている。4’-第1級アミノ置換ソラレンは、ソラレンの4、5’、及び8位に追加の置換を有してもよく、当該置換としては、以下の基が含まれるがこれらに限定されない:H及び(CH2)nCH3、式中、n=0~6。いくつかの実施形態では、4’-第1級アミノ置換ソラレンは、a)-(CH2)u-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)z-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)z-NH2、及び-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)y-R4-(CH2)z-NH2を含む群から選択される、4’炭素原子上の置換基R1(式中、R2、R3、及びR4は、独立して、O及びNHを含む群から選択され、uは、1~10の整数であり、wは、1~5の整数であり、xは、2~5の整数であり、yは、2~5の整数であり、zは、2~6の整数である)、ならびにb)H及び(CH2)vCH3またはそれらの塩を含む群から独立して選択される、それぞれ4、5’、及び8位の炭素原子上の置換基R5、R6、及びR7(式中、vは、0~5の整数である)を含む。
【0252】
いくつかの実施形態では、病原体不活性化化合物は、5-第1級アミノ置換ソラレンであり、これは、1~20個の炭素の全長を有する炭化水素鎖によってソラレンの5’位に連結されたNH2基を有するソラレン化合物であり、ここで、これらの炭素のうちの0~6個は、独立して、NHまたはOによって置き換えられ、置き換えの各々の点は、互いの置き換え点から少なくとも2炭素離れており、ソラレンから少なくとも1炭素離れている。5’-第1級アミノ置換ソラレンは、ソラレンの4、4’、及び8位に追加の置換を有してもよく、当該置換としては、以下の基が含まれるがこれらに限定されない:H及び(CH2)nCH3、式中、n=0~6。いくつかの実施形態では、5’-第1級アミノ置換ソラレンは、a)-(CH2)u-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)z-NH2、-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)z-NH2、及び-(CH2)w-R2-(CH2)x-R3-(CH2)y-R4-(CH2)z-NH2を含む群から選択される、5’炭素原子上の置換基R1(式中、R2、R3、及びR4は、O及びNHを含む群から独立して選択され、uは、1~10の整数であり、wは、1~5の整数であり、xは、2~5の整数であり、yは、2~5の整数であり、zは、2~6の整数である)、ならびにb)H及び(CH2)vCH3またはその塩を含む群から独立して選択される、それぞれ4、4’、及び8の炭素原子上の置換基R5、R6、及びR7(式中、vは、0~5の整数であり、R1が、-(CH2)u-NH2を含む群から選択される場合、R7は、(CH2)vCH3であり、R5、R6、及びR7が、(CH2)vCH3である場合、uは、3~10の整数である)を含む。例示的なソラレン化合物は、例えば、米国特許第5,593,823号に記載されている。
【0253】
いくつかの実施形態では、生物学的流体は、血小板添加剤溶液(PAS)中の病原体不活性化化合物(PIC)と混合される。いくつかの実施形態では、PICは、生物学的流体と混合する前に、PASと混合される。血小板添加剤溶液は、例えば、Alhumaidanら及びRingwaldら(Alhumaidan, H. and Sweeney, J., J Clin Apheresis, 27: 93-98 (2012)、Ringwald et al., Transfusion Medicine Reviews, 20: 158-64(2006))によって説明されているように、当該技術分野において公知であり、これらは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。いくつかの実施形態では、血小板添加剤溶液(PAS)は、塩化物、酢酸塩、クエン酸塩、カリウム、マグネシウム、リン酸塩、グルコン酸塩、グルコース、及び重炭酸塩のうちの1つまたは複数を含む。いくつかの実施形態では、血小板添加剤溶液(PAS)は、規制当局または当該分野において一般に受け入れられている認定機関によって承認されたPASである。
【0254】
いくつかの実施形態では、方法は、生体学的流体を撹拌することをさらに含む。本明細書に提供される方法のいずれかのいくつかの実施形態では、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量(例えば、1つまたは複数の光源によって放出される、1つまたは複数の光源のセットによって放出される、光源アレイによって放出される)は、約0.5J/cm2~約50J/cm2、例えば、約0.5J/cm2~約10J/cm2、約0.5J/cm2~約15J/cm2、約0.5J/cm2~約25J/cm2、約1J/cm2~約10J/cm2、約1J/cm2~約15J/cm2、約1J/cm2~約25J/cm2、約3J/cm2~約10J/cm2、約3J/cm2~約15J/cm2、約3J/cm2~約25J/cm2、約5J/cm2~約10J/cm2、約5J/cm2~約15J/cm2、約5J/cm2~約25J/cm2、約10J/cm2~約30J/cm2、約10J/cm2~約20J/cm2、約15J/cm2~約50J/cm2、約15J/cm2~約35J/cm2、約20J/cm2~約30J/cm2、約25J/cm2~約50J/cm2、約30J/cm2~約40J/cm2、または約40J/cm2~約50J/cm2のいずれかである。いくつかの実施形態では、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約0.5J/cm2以上、例えば、およそで、1J/cm2以上、2J/cm2以上、3J/cm2以上、4J/cm2以上、5J/cm2以上、6J/cm2以上、7J/cm2以上、8J/cm2以上、9J/cm2以上、10J/cm2以上、15J/cm2以上、20J/cm2以上、25J/cm2以上、30J/cm2以上、35J/cm2以上、40J/cm2以上、45J/cm2以上、または50J/cm2以上のうちのいずれかである。いくつかの実施形態では、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量は、約50J/cm2未満、約40J/cm2未満、約30J/cm2未満、約25J/cm2未満、約20J/cm2未満、約15J/cm2未満、または約10J/cm2未満である。いくつかの実施形態において、生物学的流体を照射することは、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる(例えば、生物学的流体中に存在する場合)。例えば、いくつかの実施形態では、生物学的流体を照射することは、生物学的流体に照射する紫外線光の総線量(例えば、所望の総線量、所与の総線量、前述の総線量)を提供するに十分な期間及び強度(例えば、総線量の紫外線光を提供するに十分な期間及び強度の任意の好適な組み合せ)で生じる。いくつかの実施形態では、強度は、1~1000mW/cm2(例えば、1~100mW/cm2)である。いくつかの実施形態では、期間は、1秒間~2時間(例えば、1分間~60分間)である。
【0255】
存在する可能性のある病原体(複数可)を不活性化するための生物学的流体の処理は、必ずしも存在する可能性のあるすべての病原体を完全に不活性化するものではなく、病原体の存在から生じる危険性(例えば、病原体が混入した生物学的流体の投与に関連する感染症、血液製剤による輸血関連疾患、血液製剤による輸血で伝達される感染)を大幅に低減するために、病原体の量を実質的に低減するものであることを理解されたい。病原体の不活性化は、ある特定の体積中の感染性病原体(例えば、ウイルス粒子、細菌)の数を測定することによってアッセイすることができ、不活性化のレベルは、典型的に、病原体の感染力の対数低減値、すなわち力価の対数低減値で表される。力価の対数低減値をアッセイする方法、及びそれを測定して病原体の不活性化のレベルを評価する方法は当該技術分野において周知である。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、装置、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(例えば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するのに十分である。いくつかの実施形態では、照射後の生物学的流体は、残留病原体不活性化化合物またはその光産物(複数可)を除去するためにさらにプロセシングすることなく、対象への注入に好適である。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、装置、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(例えば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するのに十分であり、生物学的流体は、生物学的流体を照射した後に10μM以下の病原体不活性化化合物を含む。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、装置、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(例えば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するのに十分であり、生物学的流体は、照射後に、7.5μM以下の病原体不活性化化合物を含む。いくつかの実施形態では、処理するためのシステム、装置、及び/または方法は、存在するときに生物学的流体中の少なくとも1対数(例えば、少なくとも2対数、少なくとも3対数、少なくとも4対数、またはそれ以上)の病原体を不活性化するに十分であり、生物学的流体は、照射後に、5μM以下(例えば、4μM以下、3μM以下、2μM以下、1μM以下、0.5μM以下)の病原体不活性化化合物を含む。いくつかの実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活化化合物の濃度は、少なくとも約10μM(例えば、少なくとも約30μM、少なくとも約60μM、少なくとも約90μM、少なくとも約110μM)である。いくつかの実施形態では、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活化化合物の濃度は、約15μM~約150μM(例えば、少なくとも約30μM~約110μM、約60μM~約90μM、約75μM)である。いくつかの実施形態では、照射後の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度は、照射前の生物学的流体と混合した病原体不活性化化合物の濃度の高くとも1/3である。いくつかの実施形態では、照射後の生物学的流体は、十分な生物学的活性を維持しており、結果として、生物学的流体は、対象への注入に好適である。上述の任意の実施形態では、生物学的流体は、血液製剤(例えば、血小板、血漿)であり得る。
【0256】
上記装置のいくつかの態様では、第1のコントローラーは出力ポートを含み、第1のコントローラーは、出力ポートを使用して外部コンピューティング装置と通信するように構成される。
【0257】
上記の装置のいくつかの態様では、複数の安全上重要でないコンポーネントを複数の安全上重要なコンポーネントから分離することは、1つまたは複数の安全上重要でないコンポーネントへの変更から複数の安全上重要なコンポーネントへの影響を最小限に抑えるように、ドメイン固有のインターフェース言語を構成することを含む。
【0258】
上記の装置のいくつかの態様では、装置は、生物学的流体を受け取るように構成された1つまたは複数の処理チャンバをさらに含み、1つまたは複数のプラットフォームの各プラットフォームは、1つまたは複数の処理チャンバのうちの1つの処理チャンバ内に配置されるように構成される。
【0259】
上記の装置のいくつかの態様では、安全上重要なコンポーネントは、1つまたは複数の攪拌機をさらに含み、各攪拌機は、1つまたは複数のプラットフォームの少なくとも1つを攪拌するように構成される。
【0260】
上記の装置のいくつかの態様では、安全上重要なコンポーネントは、1つまたは複数の光装置からの光エネルギーを検出するように構成された1つまたは複数のセンサをさらに備える。
【0261】
上記の装置のいくつかの態様では、1つまたは複数のモジュール式光装置は、生物学的流体を照射するように配置された1つまたは複数の光源アレイを含み、1つまたは複数の光源のアレイは、紫外光スペクトルの光を放出するように構成されている。
【0262】
上記装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の光源アレイは複数の光源を含み、複数の光源の各光源は20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する。
【0263】
上記装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の光源のアレイは複数の光源を含み、複数の光源の各光源は発光ダイオード(LED)である。
【0264】
上記装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の光源のアレイの各々は、アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放射するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える。
【0265】
上記装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の光源のアレイの各々は、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放射するように構成された第1の光源チャネルを備える。
【0266】
上記装置のいくつかの態様では、第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、1つまたは複数の光源を備える。
【0267】
上記の装置のいくつかの態様では、第1の光源チャネルは1つまたは複数の光源を含み、1つまたは複数の光源は発光ダイオード(LED)である。
【0268】
上記装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の光装置は、1つまたは複数の光源のアレイからの光エネルギーを検出するように構成された1つまたは複数のセンサをさらに備える。
【0269】
上記の装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の安全上重要なコンポーネントは、1つまたは複数のアルゴリズムを実行するように構成され、電子装置の動作に関する情報を格納するように構成されたコンピューティングハードウェアを含む。
【0270】
上記の装置のいくつかの態様では、第2のコントローラーは、装置の1つまたは複数の動作条件に基づいて、安全上重要なコンポーネントの1つまたは複数をオンまたはオフにするように構成されている。
【0271】
上記の装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の安全コンポーネントは、ハードウェアウォッチドッグを実装するように集合的に構成されている。
【0272】
上記の装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の安全コンポーネントは、ソフトウェアウォッチドッグを実装するように集合的に構成されている。
【0273】
上記の装置のいくつかの態様では、1つまたは複数の安全上重要でないコンポーネントは、装置のユーザーに情報を提供する、及び/または装置のユーザーからの入力を受け取るように構成されたディスプレイを含む。
【0274】
上記の装置のいくつかの態様では、生物学的流体を処理する方法に使用され、方法は、病原体不活性化化合物との混合された生物学的流体を提供すること、及び、生物学的流体を、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光で照射することを含み、1)1つまたは複数の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、または2)1つまたは複数の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)であり、生物学的流体を照射することは、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。
【0275】
上記の装置のいくつかの態様では、装置はさらに、処理インターフェースであって、処理インターフェースを通じて、第1のコントローラーは、複数の安全上重要でないコンポーネントに通信可能に結合され、第2のコントローラーは、複数の安全上重要なコンポーネントに通信可能に結合される、処理インターフェースと、1つまたは複数のプロセッサと、メモリと、1つまたは複数のプログラムであって、メモリに格納され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成される、1つまたは複数のプログラムと、を含み、1つまたは複数のプログラムは、複数の安全上重要ではないコンポーネントを処理インターフェースに通信可能に結合し、複数の安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースに通信可能に結合することに応答して、コントローラーで複数の安全上重要ではないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントの存在を検出し、第1のメッセージを第1のコントローラーと安全上重要ではないコンポーネント間に処理インターフェースを介して送信し、第2のメッセージを第2のコントローラーと安全上重要なコンポーネント間に処理インターフェースを介して送信し、第1のメッセージと第2のメッセージはドメイン固有のインターフェース言語に基づいており、第1のメッセージに基づいて安全上重要でないコンポーネントの状態を決定し、第2のメッセージに基づいて安全上重要なコンポーネントの状態を決定する。
【0276】
上記の装置のいくつかの態様では、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントは第1の状態にあり、1つまたは複数のプログラムは、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を変更するための命令をさらに含み、状態の変化に応答して、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントから、処理インターフェースを介して第1のコントローラーまたは第2のコントローラーに第2のメッセージを送信し、第1のコントローラーまたは第2のコントローラーで第2のメッセージを受信し、第2のメッセージの受信に応答して、処理コンポーネントの第2の状態を決定する。
【0277】
上記の装置のいくつかの態様では、1つまたは複数のプログラムは、電子装置に電力を供給するための命令をさらに含み、電子装置への電力供給に応答して、複数の安全上重要でないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントの存在がさらに検出される。
【0278】
上記の装置のいくつかの態様では、1つまたは複数のプログラムは、電子装置への電力の供給に応答して、ローカルネットワークアドレス及びポートを複数の安全上重要でないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントに割り当てるための命令をさらに含み、ローカルネットワークアドレスまたはポートはドメイン固有の装置インターフェース言語に基づく。
【0279】
上記の装置のいくつかの態様では、ドメイン固有のインターフェース言語で書かれた1つまたは複数のメッセージを、TCP/IPを使用して送信することができる。
【0280】
別の態様では、生物学的流体を処理する方法は、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供すること、及び、上述されるいずれかの装置を用いて、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生物学的流体を照射すること、を含む。
【0281】
別の態様では、生物学的流体を処理するための電子装置を操作する方法であって、電子装置は、コントローラー、安全上重要でないコンポーネント、安全上重要なコンポーネント、及び処理インターフェースを含み、本方法は、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースへ結合すること、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの処理インターフェースへの結合に応答して、電子装置内の安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在をコントローラーで検出すること、ドメイン固有のインターフェース言語に基づいて、処理インターフェースを介してコントローラーと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間でメッセージを送信すること、及び、メッセージに基づいて、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を決定することを含む。
【0282】
上記の方法のいくつかの態様では、電子装置は、処理インターフェースに結合された第2のコントローラーをさらに備え、安全上重要なコンポーネントは処理インターフェースに結合され、方法は、安全上重要でないコンポーネントを処理インターフェースに結合すること、及び、安全上重要でないコンポーネントを安全上重要なコンポーネントから分離することを含み、分離することは、安全上重要でないコンポーネントへの1つまたは複数の変更による安全上重要なコンポーネントへの影響を最小限に抑えるように、ドメイン固有のインターフェース言語を構成することを含む。
【0283】
上記の方法のいくつかの態様では、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントは第1の状態にあり、方法はさらに、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を第1の状態から第2の状態に変更すること、状態を変更することに応答して、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントからコントローラーに処理インターフェースを介して第2のメッセージを送信すること、コントローラーで第2のメッセージを受信すること、及び、第2のメッセージを受信することに応答して、処理コンポーネントの第2の状態を決定することを含む。
【0284】
上記の方法のいくつかの態様では、安全上重要なコンポーネントは、プラットフォーム、光装置、攪拌機、及び安全コンポーネントのうちの1つであり、1つまたは複数の安全コンポーネントは、安全上重要なコンポーネントの動作を監視するように構成されている。
【0285】
上記の方法のいくつかの態様では、方法は、ドメイン固有のインターフェース言語を使用して外部ネットワークから処理インターフェースを分離することをさらに含む。
【0286】
上記の方法のいくつかの態様では、方法は、電子装置に電力を供給することをさらに含み、処理コンポーネントの存在は、電子装置への電力供給に応答してさらに検出される。
【0287】
上記の方法のいくつかの態様では、方法は、電子装置への電力の供給に応答して、ローカルネットワークアドレスまたはポートを安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントに割り当てることをさらに含み、ローカルネットワークアドレスまたはポートは、ドメイン固有のインターフェース言語に基づく。
【0288】
上記の方法のいくつかの態様では、ドメイン固有のインターフェース言語で書かれた1つまたは複数のメッセージを、TCP/IPを使用して送信することができる。
【0289】
別の態様では、生物学的流体を処理するための電子装置は、コントローラー、安全上重要でないコンポーネント、安全上重要なコンポーネント、処理インターフェース、1つまたは複数のプロセッサ、メモリ、及び、1つまたは複数のプログラムを備え、1つまたは複数のプログラムがメモリに格納され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成され、1つまたは複数のプログラムは、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの処理インターフェースへの結合に応答して、コントローラーを使用して、電子装置内の安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在を検出すること、コントローラーと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間で、処理インターフェースを介して処理インターフェースにドメイン固有のインターフェース言語に基づくメッセージを送信すること、及びメッセージに基づいて、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を決定することの命令を備える。
【0290】
別の態様では、1つまたは複数のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、1つまたは複数のプログラムは命令を備え、命令は、1つまたは複数のプロセッサ及びメモリを備えた電子装置によって実行されると、装置に:安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースに結合させ、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの処理インターフェースへの結合に応答して、コントローラーを使用して、電子装置内の安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在を検出させ、ドメイン固有のインターフェース言語に基づいて、コントローラーと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間のメッセージを、処理インターフェースを介して処理インターフェースに送信させ、メッセージに基づいて、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を判断させる。
【0291】
いくつかの実施形態では、電子装置は、複数の安全上重要でないコンポーネント、複数の安全上重要でないコンポーネントに通信可能に結合された第1のコントローラー、複数の安全上重要なコンポーネント、及び複数の安全上重要なコンポーネントに通信可能に結合された第2のコントローラーを含む。いくつかの実施形態では、電子装置は処理インターフェースを含む。
【0292】
いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理するための電子装置は、複数の安全上重要ではないコンポーネント;複数の安全上重要でないコンポーネントに通信可能に結合され、複数の安全上重要でないコンポーネントを操作するように構成されている、第1のコントローラー;1つまたは複数のプラットフォームを含み、1つまたは複数のプラットフォームの各プラットフォームは、1つまたは複数の生物学的流体を運ぶように構成されている、複数の安全上重要なコンポーネント;1つまたは複数の光装置であって、各光装置が生物学的流体を照射するように構成されている、1つまたは複数の光装置;及び安全上重要なコンポーネントの動作を監視するように構成されている1つまたは複数の安全コンポーネント;及び複数の安全上重要なコンポーネントに通信可能に結合され、第1のコントローラーに通信可能に結合され、複数の安全上重要なコンポーネントに関与する1つまたは複数の動作を調整するように構成される第2のコントローラー、を含み、第1のコントローラー及び第2のコントローラーは、複数の安全上重要でないコンポーネントを複数の安全上重要なコンポーネントから分離するように構成されたドメイン固有のインターフェース言語を使用して互いに通信する。
【0293】
いくつかの実施形態では、第1のコントローラーは出力ポートを含み、第1のコントローラーは、出力ポートを使用して外部コンピューティング装置と通信するように構成される。
【0294】
いくつかの実施形態では、複数の安全上重要でないコンポーネントを複数の安全上重要なコンポーネントから分離することは、1つまたは複数の安全上重要でないコンポーネントへの変更から複数の安全上重要なコンポーネントへの影響を最小限に抑えるように、ドメイン固有のインターフェース言語を構成することを含む。
【0295】
いくつかの実施形態では、装置は、生物学的流体を受け取るように構成された1つまたは複数の処理チャンバをさらに含み、1つまたは複数のプラットフォームの各プラットフォームは、1つまたは複数の処理チャンバのうちの1つの処理チャンバ内に配置されるように構成される。
【0296】
いくつかの実施形態では、安全上重要なコンポーネントは、1つまたは複数の攪拌機をさらに含み、各攪拌機は、1つまたは複数のプラットフォームの少なくとも1つを攪拌するように構成される。
【0297】
いくつかの実施形態では、安全上重要なコンポーネントは、1つまたは複数のモジュール式光装置からの光エネルギーを検出するように構成された1つまたは複数のセンサをさらに備える。
【0298】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のモジュール式光装置は、生物学的流体を照射するように配置された1つまたは複数の光源アレイを含み、1つまたは複数の光源のアレイは、紫外光スペクトルの光を放出するように構成されている。
【0299】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光源のアレイの各々は、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光を放射するように構成された第1の光源チャネルを備える。
【0300】
いくつかの実施形態では、第1の光源チャネルは、各々が20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、1つまたは複数の光源を備える。
【0301】
いくつかの実施形態では、第1の光源チャネルは1つまたは複数の光源を含み、1つまたは複数の光源は発光ダイオード(LED)である。
【0302】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の光装置は、1つまたは複数の光源のアレイからの光エネルギーを検出するように構成された1つまたは複数のセンサをさらに備える。
【0303】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の安全上重要なコンポーネントは、1つまたは複数のアルゴリズムを実行するように構成され、電子装置の動作に関する情報を格納するように構成されたコンピューティングハードウェアを含む。
【0304】
いくつかの実施形態では、第2のコントローラーは、装置の1つまたは複数の動作条件に基づいて、安全上重要なコンポーネントの1つまたは複数をオンまたはオフにするように構成されている。
【0305】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の安全コンポーネントは、ハードウェアウォッチドッグを実装するように集合的に構成されている。
【0306】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の安全コンポーネントは、ソフトウェアウォッチドッグを実装するように集合的に構成されている。
【0307】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の安全上重要でないコンポーネントは、装置のユーザーに情報を提供する、及び/または装置のユーザーからの入力を受け取るように構成されたディスプレイを含む。
【0308】
いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法に使用され、方法は、病原体不活性化化合物との混合された生物学的流体を提供すること、及び、生物学的流体を、1つまたは複数の第1の光源のセットによって放出される、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する紫外線光で照射することを含み、1)1つまたは複数の第1の光源の各々は、20ナノメートル未満の全幅半値(FWHM)スペクトルバンド幅を有する光を放出する、または2)1つまたは複数の第1の光源の各々は、発光ダイオード(LED)であり、生物学的流体を照射することは、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生じる。
【0309】
いくつかの実施形態では、装置はさらに、処理インターフェースであって、処理インターフェースを通じて、第1のコントローラーは、複数の安全上重要でないコンポーネントに通信可能に結合され、第2のコントローラーは、複数の安全上重要なコンポーネントに通信可能に結合される、処理インターフェースと、1つまたは複数のプロセッサと、メモリと、1つまたは複数のプログラムであって、メモリに格納され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成される、1つまたは複数のプログラムと、を含み、1つまたは複数のプログラムは、複数の安全上重要ではないコンポーネントを処理インターフェースに通信可能に結合し、複数の安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースに通信可能に結合することに応答して、コントローラーで複数の安全上重要ではないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントの存在を検出し、第1のメッセージを第1のコントローラーと安全上重要ではないコンポーネント間に処理インターフェースを介して送信し、第2のメッセージを第2のコントローラーと安全上重要なコンポーネント間に処理インターフェースを介して送信し、第1のメッセージと第2のメッセージはドメイン固有のインターフェース言語に基づいており、第1のメッセージに基づいて安全上重要でないコンポーネントの状態を決定し、第2のメッセージに基づいて安全上重要なコンポーネントの状態を決定する。
【0310】
いくつかの実施形態では、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントは第1の状態にあり、1つまたは複数のプログラムは、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を第1の状態から第2の状態に変更するための命令をさらに含み、状態の変化に応答して、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントから、処理インターフェースを介して第1のコントローラーまたは第2のコントローラーに第2のメッセージを送信し、第1のコントローラーまたは第2のコントローラーで第2のメッセージを受信し、第2のメッセージの受信に応答して、処理コンポーネントの第2の状態を決定する。
【0311】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプログラムは、電子装置に電力を供給するための命令をさらに含み、電子装置への電力供給に応答して、複数の安全上重要でないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントの存在がさらに検出される。
【0312】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプログラムは、電子装置への電力の供給に応答して、ローカルネットワークアドレス及びポートを複数の安全上重要でないコンポーネント及び複数の安全上重要なコンポーネントに割り当てるための命令をさらに含み、ローカルネットワークアドレスまたはポートはドメイン固有のインターフェース言語に基づく。
【0313】
いくつかの実施形態では、ドメイン固有のインターフェース言語で書かれた1つまたは複数のメッセージを、TCP/IPを使用して送信することができる。
【0314】
いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理する方法は、光活性病原体不活性化化合物と混合した生物学的流体を提供すること、及び、上述されるいずれかの装置を用いて、生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で生物学的流体を照射すること、を含む。
【0315】
いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理するための電子装置を操作する方法であって、電子装置は、コントローラー、安全上重要でないコンポーネント、安全上重要なコンポーネント、及び処理インターフェースを含み、本方法は、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースへ結合すること、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの処理インターフェースへの結合に応答して、電子装置内の安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在をコントローラーで検出すること、ドメイン固有のインターフェース言語に基づいて、処理インターフェースを介してコントローラーと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間でメッセージを送信すること、及び、メッセージに基づいて、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を決定することを含む。
【0316】
いくつかの実施形態では、電子装置は、処理インターフェースに結合された第2のコントローラーをさらに備え、安全上重要なコンポーネントは処理インターフェースに結合され、方法は、安全上重要でないコンポーネントを処理インターフェースに結合すること、及び、安全上重要でないコンポーネントを安全上重要なコンポーネントから分離することを含み、分離することは、安全上重要でないコンポーネントへの1つまたは複数の変更による安全上重要なコンポーネントへの影響を最小限に抑えるように、ドメイン固有のインターフェース言語を構成することを含む。
【0317】
いくつかの実施形態では、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントは第1の状態にあり、方法はさらに、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を第1の状態から第2の状態に変更すること、状態を変更することに応答して、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントからコントローラーに処理インターフェースを介して第2のメッセージを送信すること、コントローラーで第2のメッセージを受信すること、及び、第2のメッセージを受信することに応答して、処理コンポーネントの第2の状態を決定することを含む。
【0318】
いくつかの実施形態では、安全上重要なコンポーネントは、プラットフォーム、モジュール式光装置、攪拌機、及び安全コンポーネントのうちの1つであり、1つまたは複数の安全コンポーネントは、安全上重要なコンポーネントの動作を監視するように構成されている。
【0319】
いくつかの実施形態では、方法は、ドメイン固有のインターフェース言語を使用して外部ネットワークから処理インターフェースを分離することをさらに含む。
【0320】
いくつかの実施形態では、方法は、電子装置に電力を供給することをさらに含み、処理コンポーネントの存在は、電子装置への電力供給に応答してさらに検出される。
【0321】
いくつかの実施形態では、方法は、電子装置への電力の供給に応答して、ローカルネットワークアドレスまたはポートを安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントに割り当てることをさらに含み、ローカルネットワークアドレスまたはポートは、ドメイン固有のインターフェース言語に基づく。
【0322】
いくつかの実施形態では、ドメイン固有のインターフェース言語で書かれた1つまたは複数のメッセージを、TCP/IPを使用して送信することができる。
【0323】
いくつかの実施形態では、生物学的流体を処理するための電子装置は、コントローラー、安全上重要でないコンポーネント、安全上重要なコンポーネント、処理インターフェース、1つまたは複数のプロセッサ、メモリ、及び、1つまたは複数のプログラムを備え、1つまたは複数のプログラムがメモリに格納され、1つまたは複数のプロセッサによって実行されるように構成され、1つまたは複数のプログラムは、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの処理インターフェースへの結合に応答して、コントローラーを使用して、電子装置内の安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在を検出すること、コントローラーと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間で、処理インターフェースを介して処理インターフェースにドメイン固有のインターフェース言語に基づくメッセージを送信すること、及びメッセージに基づいて、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を決定することの命令を備える。
【0324】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のプログラムを格納する非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、1つまたは複数のプログラムは命令を備え、命令は、1つまたは複数のプロセッサ及びメモリを備えた電子装置によって実行されると、装置に:安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントを処理インターフェースに結合させ、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの処理インターフェースへの結合に応答して、コントローラーを使用して、電子装置内の安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの存在を検出させ、ドメイン固有のインターフェース言語に基づいて、コントローラーと安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントとの間のメッセージを、処理インターフェースを介して処理インターフェースに送信させ、メッセージに基づいて、安全上重要でないコンポーネントまたは安全上重要なコンポーネントの状態を判断させる。
【0325】
本明細書に提供される実施形態の変化形は、前述の説明を読めば、当業者には明らかになり得る。当業者であれば、適宜、そのような変化形、ならびに本明細書に具体的に記載されるもの以外の本明細書に記載される組成物、方法、及びキットの実施を用いることができることが予想される。したがって、本明細書に記載されるシステム及び方法には、該当する法律によって許容される本明細書に添付の特許請求の範囲に列挙される主題のすべての修正形及び均等物が含まれる。さらに、上述の要素のそのすべての可能性のある変化形における任意の組合せが、本明細書に別途示されるかまたは文脈により明らかに矛盾しない限り、本説明に包含される。以下は、本開示の特定の実施形態のリストである。リストは例示であり、本明細書で提供される開示を限定することを意図するものではない。
【0326】
実施形態1:生物学的流体を処理するための電子装置と組み合わせて使用するためのモジュール式光装置であって、前記モジュール式光装置は、処理のために1つまたは複数の生物学的流体に光を透過するように集合的に構成された複数のコンポーネントを備え、前記モジュール式光装置は、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数のコンポーネントを収容するように構成されたハウジングと、
光を透過するように構成された光源アレイチャンバであって、前記光源アレイチャンバは、
それぞれがUV光を生成するように構成された複数の光源を含む、1つまたは複数の光源アレイ、及び、
光を検出するように構成された1つまたは複数の光センサを含む、前記光源アレイチャンバと、
前記複数の光源によって生成されたUV光を、処理のために前記1つまたは複数の生物学的流体に通すように構成された窓部分と、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数のコンポーネントに通信可能に結合され、前記1つまたは複数のコンポーネントを動作させるように構成されたドライバと、を備える、前記モジュール式光装置。
【0327】
実施形態2:前記光源アレイチャンバが、温度を測定するように構成された1つまたは複数の温度センサを備える、実施形態1に記載のモジュール式光装置。
【0328】
実施形態3:前記複数の光源の各光源が、20ナノメートル未満の半値全幅(FWHM)スペクトル帯域幅を有する光を放射する、実施形態1または実施形態2に記載のモジュール式光装置。
【0329】
実施形態4:前記複数の光源の各光源が発光ダイオード(LED)である、実施形態1~3のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0330】
実施形態5:前記1つまたは複数の光源アレイの各々が、前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外線光を放射するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルを備える、実施形態1~4のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0331】
実施形態6:前記電子装置が、前記1つまたは複数の生物学的流体のうちの少なくとも1つを受け入れるように構成された処理チャンバを備える、実施形態1~5のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0332】
実施形態7:前記モジュール式光装置が、前記電子装置の前記処理チャンバ内の1つまたは複数の生物学的流体に光を透過させるために、前記電子装置内に配置されるよう構成される、実施形態1~6のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0333】
実施形態8:前記ハウジングが、前記電子装置内に配置されたときに前記モジュール式光装置を機械的に固定するように、前記電子装置の1つまたは複数のレールと機械的にインターフェースするように構成される1つまたは複数のトラックを備える、実施形態1~7のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0334】
実施形態9:前記1つまたは複数のトラックが、前記モジュール式光装置を取り外す及び電子装置に挿入するために、前記モジュール式光装置をスライド可能に移動できるように構成される、実施形態8に記載のモジュール式光装置。
【0335】
実施形態10:前記モジュール式光装置が、前記光源アレイ及び/または前記モジュール式光装置から熱を逃がすように構成された1つまたは複数の熱交換器を備える、実施形態1~9のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0336】
実施形態11:前記1つまたは複数の熱交換器が、前記1つまたは複数の熱交換器を通過する空気と熱を交換して、前記光源アレイ及び/または前記モジュール式光装置から熱を移動させるように構成される、実施形態10に記載のモジュール式光装置。
【0337】
実施形態12:前記1つまたは複数の熱交換器が、前記電子装置の1つまたは複数のファンから前記1つまたは複数の熱交換器を通過する空気と熱を交換するように構成される、実施形態10~11のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0338】
実施形態13:前記窓部分が、前記モジュール式光装置の開口部を覆うまたは取り囲む窓材を備え、前記窓材はガラス製である、実施形態1~12のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0339】
実施形態14:前記窓部分が、前記モジュール式光装置の開口部を覆うまたは取り囲む窓材を備え、前記窓材は高分子材料で作られる、実施形態1~12のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0340】
実施形態15:前記窓部分が、選択された波長のUV光に対して少なくとも80%透過性である、実施形態1~14のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0341】
実施形態16:前記モジュール式光装置が、前記1つまたは複数の光源アレイ上に配置された1つまたは複数の光センサを備える、実施形態1~15のいずれか1つに記載のモジュール式装置。
【0342】
実施形態17:前記モジュール式光装置が、前記窓部分に配置され、前記モジュール式光装置によって生成された光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサを備える、実施形態1~16のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0343】
実施形態18:前記モジュール式光装置が、前記窓部分に配置された1つまたは複数の回路を備え、前記1つまたは複数の回路は、前記回路に配置され、前記モジュール照明装置によって生成された光を検出するように構成される1つまたは複数の光センサを備える、実施形態1~17のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0344】
実施形態19:前記光源アレイチャンバが、前記光源アレイチャンバの1つまたは複数の縁部に沿って配置された複数の反射板パネルを含む、実施形態1~18のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0345】
実施形態20:前記複数の反射板パネルが、前記光源アレイチャンバの周囲での光エネルギーの損失を最小限に抑えるように、前記光源アレイチャンバ内に配置される、実施形態19に記載のモジュール式光装置。
【0346】
実施形態21:前記光源アレイチャンバの前記1つまたは複数の光センサが、別個のモジュール式光装置によって生成された光を検出するように配向される、実施形態1~20のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0347】
実施形態22:前記1つまたは複数の光センサが、フォトダイオードを使用して実装される、実施形態1~21のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0348】
実施形態23:前記1つまたは複数の温度センサが、サーミスタを使用して実装される、実施形態1~22のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0349】
実施形態24:前記1つまたは複数の温度センサのうちの1つまたは複数が、前記1つまたは複数の光源の1つの光源とその上に光源が配置されるプリント回路基板(PCB)との間の接合部で温度を測定するように構成される、実施形態1~23のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0350】
実施形態25:前記複数の光源がUV-A光を生成するように構成される、実施形態1~24のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0351】
実施形態26:前記複数の光源が、約315nm~約350nmの第1のピーク波長を有する光を生成するように構成される、実施形態25に記載のモジュール式光装置。
【0352】
実施形態27:前記複数の光源が、UV-BまたはUV-C光を生成するように構成される、実施形態1~24のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0353】
実施形態28:前記1つまたは複数の光源のアレイは各々、前記アレイの第2のピーク波長を有する紫外線を放射するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルを含み、前記第2のピーク波長は、前記第1のピーク波長とは少なくとも5ナノメートル異なる、実施形態5~27のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0354】
実施形態29:前記1つまたは複数の光源のアレイは各々、UV-Aスペクトルにおける前記アレイの第1のピーク波長を有する紫外光を放射するように構成されたそれぞれの第1の光源チャネルと、UV-BまたはUV-Cスペクトルにおける前記アレイの第2のピーク波長を持つ紫外光を放射するように構成されたそれぞれの第2の光源チャネルと、を備える、実施形態28に記載のモジュール式光装置。
【0355】
実施形態30:前記ハウジングが、前記モジュール式光装置を前記電子装置に通信可能に結合するように構成された1つまたは複数の電子インターフェースを備える、実施形態1~29のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0356】
実施形態31:前記1つまたは複数の電子インターフェースが、前記電子装置が前記モジュール式光装置をオフにすることを可能にするように構成されたインターロック接続を含む、実施形態30に記載のモジュール式光装置。
【0357】
実施形態32:前記1つまたは複数の電子インターフェースが、通信ポートであって、前記電子装置が前記モジュール式光装置にコマンドを送信できるように構成され、前記モジュール式光装置が前記電子装置にデータを送信できるように構成された前記通信ポートを備える、実施形態30に記載のモジュール式光装置。
【0358】
実施形態33:前記1つまたは複数の電子インターフェースが、前記電子装置から前記モジュール式光装置に電力を伝送するように構成された電力ポートを含む、実施形態30に記載のモジュール式光装置。
【0359】
実施形態34:前記光源アレイチャンバのいくつかの光源が、前記1つまたは複数の生物学的流体に所定の照射量の光を提供するように構成される、実施形態1~33のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0360】
実施形態35:前記光源アレイチャンバの前記1つまたは複数の光源が、光を集合的に生成し、前記光の放射照度が前記生物学的流体の表面で実質的に均一になるように前記光を集合的に生成する、実施形態1~34のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0361】
実施形態36:前記生物学的流体の表面にわたる前記光の放射照度の変動が25%未満である、実施形態35に記載のモジュール式光装置。
【0362】
実施形態37:前記光源アレイチャンバの前記1つまたは複数の光源が、約110度~約130度のビーム角を有するように構成されたLEDである、実施形態1~36のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0363】
実施形態38:処理プロセス中に前記モジュール式光装置から生物学的流体に照射される線量が、前記1つまたは複数の光センサのうちの1つまたは複数よって検出される光に基づく、実施形態1~37のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0364】
実施形態39:前記モジュール式光装置が処理プロセス中に活性化される時間量が、前記1つまたは複数の光センサうちの1つまたは複数によって検出される光に基づく、実施形態1~38のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0365】
実施形態40:処理プロセス中に前記モジュール式光装置によって生成される光の強度は、前記1つまたは複数の光センサのうちの1つまたは複数によって検出される光に基づく、実施形態1~39のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0366】
実施形態41:生物学的流体を処理するための前記電子装置が、処理される生物学的流体に面するように配向された第1のモジュール式光装置を備え、前記第1のモジュール式光装置は、処理のために前記生物学的試料に光を照射する、実施形態1~40のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0367】
実施形態42:生物学的流体を処理するための前記電子装置が、第1のモジュール式光装置及び第2のモジュール式光装置を備え、前記第1及び第2のモジュール式光装置は、お互いが向き合うように配向され、前記第1及び第2のモジュール式光装置は、処理のために生物学的流体に集合的に光を照射する、実施形態1~41のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0368】
実施形態43:前記第1及び第2の光装置が、テストを実施するように構成され、前記テストは、
前記第1のモジュール式光装置から光を透過すること、
前記第2のモジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって、前記第1の装置から透過された前記光を検出すること、及び、
前記検出された光を所定の光量と比較することにより、前記第1のモジュール式光装置によって透過された前記光に対する1つまたは複数のオクルージョンの有無を判定すること、を含む、実施形態42に記載のモジュール式光装置。
【0369】
実施形態44:前記テストが、
前記第2のモジュール式光装置から光を透過すること、
前記第1のモジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって、前記第2のモジュール式光装置から透過された前記光を検出すること、及び、
前記検出された光を所定の光レベルと比較することにより、前記第2のモジュール式光装置によって透過された前記光に対する1つまたは複数のオクルージョンの有無を判定すること、をさらに含む、実施形態43に記載のモジュール式光装置。
【0370】
実施形態45:前記テストが、前記第1のモジュール式光装置によって前記第2のモジュール式光装置に透過される光のベースライン量を決定するステップをさらに含む、実施形態43または44に記載のモジュール式光装置。
【0371】
実施形態46:前記テストが、前記電子装置内の遮られた光路の存在を判定するためのテストである、実施形態43~45のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0372】
実施形態47:前記テストが、前記電子装置内で処理される生物学的流体の存在を判定するためのテストである、実施形態43~45のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0373】
実施形態48:前記モジュール式光装置はテストを実施するように構成され、前記テストは、
前記モジュール式光装置の前記光源アレイチャンバの1つまたは複数の光源アレイから光を透過することと、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数の光センサによって、前記1つまたは複数の光源アレイによって透過された前記光を検出することとを含む、実施形態17~47のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0374】
実施形態49:前記1つまたは複数の光センサが、前記モジュール式光装置の前記窓部分に配置された光センサである、実施形態48に記載のモジュール式光装置。
【0375】
実施形態50:前記テストが、前記検出された光を所定の光量と比較することをさらに含む、実施形態48または実施形態49に記載のモジュール式光装置。
【0376】
実施形態51:前記テストが、
a)前記1つまたは複数のセンサのうちの1つまたは複数の完全性を判定すること、
b)前記1つまたは複数の光源アレイの1つまたは複数の光源の完全性を判定すること、の一方または両方を含む、実施形態48~50のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0377】
実施形態52:前記モジュール式光装置は較正プロセスを実施するように構成され、前記プロセスは、
前記モジュール式光装置の1つまたは複数の光源アレイから光を透過すること、
前記電子装置内に配置された較正装置からデータを受信することであって、前記較正装置は、前記モジュール式光装置の前記光源アレイ(複数可)によって透過された前記光を、前記較正装置の1つまたは複数の光センサによって検出するように構成される、前記データを受信すること、
受信した前記データを所定の光量と比較すること、及び、
前記比較に基づいて、前記光源アレイ(複数可)の1つまたは複数の光源の強度を調整すること、を含む、実施形態1~51のいずれか1つに記載のモジュール式光装置。
【0378】
実施形態53:生物学的流体を処理する方法であって、
前記生物学的流体を提供すること、及び、
前記生物学的流体を、実施形態1~52のいずれか1つに記載の1つまたは複数のモジュール式光装置を用いて前記生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で照射すること、を含む、前記方法。
【0379】
実施形態54:生物学的流体を処理する方法であって、
病原体不活性化化合物と混合した前記生物学的流体を提供すること、及び、
前記生物学的流体を、実施形態1~52のいずれか1つに記載の1つまたは複数のモジュール式光装置を用いて前記生物学的流体中の病原体を不活性化するのに十分な期間及び強度で照射すること、を含む、前記方法。
【0380】
これまでの記述は、説明目的で、具体的な実施形態を参照して記述された。しかしながら、上記の例示的な考察は、網羅的であることを意図するものではなく、または本開示を開示された正確な形態に限定するものではない。上記の教示を考慮して、多くの修正及び変形が可能である。実施形態は、技法の原理及びそれらの実用的な応用を最もよく説明するために選択され、説明された。それにより、当業者であれば、企図される特定の使用に適した様々な修正を用いて、本技術及び様々な実施形態を最適に利用することが可能となる。
【0381】
開示及び実施例は、添付図面を参照して完全に説明されたが、様々な変更及び修正が当業者には明らかになることに留意されたい。そのような変更及び修正は、特許請求の範囲によって定義される開示及び実施例の範囲内に含まれるものとして理解されるべきである。
【国際調査報告】