(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】バイパス接続用途のためのコネクタホルダ
(51)【国際特許分類】
H01R 12/71 20110101AFI20231025BHJP
H01R 12/91 20110101ALI20231025BHJP
H01R 13/631 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
H01R12/71
H01R12/91
H01R13/631
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524097
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 IB2021060084
(87)【国際公開番号】W WO2022091053
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-11-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】アラン カントル
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ディルマン
【テーマコード(参考)】
5E021
5E223
【Fターム(参考)】
5E021FA05
5E021FA11
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB01
5E021FB07
5E021FC31
5E223AB26
5E223AB65
5E223BA01
5E223BA06
5E223CD01
5E223DA33
5E223DB08
5E223DB14
(57)【要約】
【解決手段】コネクタホルダは、ハウジング(基板の開口部内に固定されるように構成されている)と、ハウジング内に配設され、かつ支持部材の上方に延在する嵌合インターフェースを提供するように構成された第1のコネクタと、コネクタに接続され、かつ支持部材の下方に延在するケーブルと、を含む。第1のコネクタは、関連する電気構成要素との電気的接続を提供するために使用され、見ずに行う嵌合を提供することができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタホルダであって、
上部表面及び底部表面を有する基板に形成された開口部内に固定されるように構成されたハウジングであって、該ハウジングは、前記底部表面から前記開口部内に挿入されるように構成されている、ハウジングと、
該ハウジング内に配設され、かつ前記上部表面の上方に延在する嵌合インターフェースを含む第1のコネクタであって、前記嵌合インターフェースは、対応する第2のコネクタに係合するように構成され、かつ複数の端子を含む、第1のコネクタと、
前記複数の端子に接続され、かつ前記底部表面の下方に延在するように前記ハウジングから出るように構成されたケーブルと、を備える、コネクタホルダ。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記コネクタホルダを前記開口部内に固定するための複数の保持クリップを備える、請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項3】
前記複数の保持クリップは、前記開口部に係合するように構成された複数のレバーアームを備え、該レバーアームは、前記開口部内での前記コネクタホルダの移動を可能にするように構成されている、請求項2に記載のコネクタホルダ。
【請求項4】
前記第1のコネクタは、嵌合コネクタからの複数の位置決めピンを受け入れるように構成された複数のテーパ状開口部を更に備える、請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項5】
前記第2のコネクタが前記第1のコネクタに嵌合されるときに嵌合方向における前記第1のコネクタの並進に対抗するように構成された付勢部材を更に備える、請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項6】
前記付勢部材は、前記第1のコネクタの底部表面に沿って配設された板ばねを含む、請求項5に記載のコネクタホルダ。
【請求項7】
前記開口部は、X方向及びY方向に延在する表面に孔を画定し、前記ハウジングは、前記開口部中で前記X方向及び前記Y方向のうちの少なくとも一方に並進するように構成され、前記コネクタは、前記ハウジング中でZ方向に並進するように構成され、前記付勢部材は、前記底部表面から前記上部表面に延在する方向に前記コネクタを付勢するように構成されている、請求項5に記載のコネクタホルダ。
【請求項8】
前記ケーブルは、複数のツイナックスケーブルを含む、請求項1に記載のコネクタホルダ。
【請求項9】
コネクタシステムであって、
上部表面及び底部表面を有する基板であって、該基板は、開口部を含む、基板と、
前記開口部内に位置付けられたコネクタホルダであって、該コネクタホルダは、
前記開口部内に固定されるように構成されたハウジングであって、該ハウジングは、前記底部表面から前記開口部内に挿入されるように構成されている、ハウジングと、
該ハウジング内に配設され、かつ前記上部表面の上方に延在する第1の嵌合インターフェースを含む第1のコネクタであって、前記第1の嵌合インターフェースは、複数の端子を含む、第1のコネクタと、
前記複数の端子に接続され、かつ前記ハウジングから出て前記底部表面の下方に延在するように構成されたケーブルと、を備える、コネクタホルダと、
集積回路(IC)と通信する第2のコネクタであって、前記ICは、前記基板によって少なくとも部分的に支持され、前記第2のコネクタは、前記第1のコネクタに嵌合されている、第2のコネクタと、を備える、コネクタシステム。
【請求項10】
前記ケーブルは、前記底部表面と実質的に平行に前記ハウジングから出るように構成されている、請求項9に記載のコネクタシステム。
【請求項11】
前記第1のコネクタは、前記嵌合方向に一致する軸に沿って前記ハウジング中を並進するように構成され、前記ハウジングは、前記嵌合方向に実質的に垂直な方向に前記開口部中で並進するように構成されている、請求項9に記載のコネクタシステム。
【請求項12】
前記コネクタホルダは、前記嵌合方向とは反対の方向に前記第1のコネクタを付勢するように構成された付勢要素を含む、請求項11に記載のコネクタシステム。
【請求項13】
前記付勢要素は、前記ハウジングと前記第1のコネクタとの間に位置付けられた板ばねである、請求項12に記載のコネクタシステム。
【請求項14】
前記第1のコネクタ及び前記第2のコネクタは、25Gbpsのデータレートをサポートするように構成されている、請求項9に記載のコネクタシステム。
【請求項15】
前記第1のコネクタは、2つの位置合わせ開口部を含み、前記第2のコネクタは、前記位置合わせ開口部に係合するように構成された2つの位置決めピンを含む、請求項9に記載のコネクタシステム。
【請求項16】
前記ハウジングは、複数の保持クリップを含み、該複数の保持クリップは、前記ハウジングが前記開口部中でX方向及びY方向に並進することを可能にするように構成されている、請求項9に記載のコネクタシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年11月2日に出願された、米国特許仮出願第63/108,445号の優先権を主張し、当該仮出願の全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、電気コネクタの分野に関し、より詳細には、高データレート用途での使用に好適なコネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
高データレート用途で使用される電気コネクタは、典型的には、電気的領域及び機械的領域の両方における厳しい要件を満たすように設計される。高速又は高データレートの電気コネクタは、例えば、非常に高い導体密度及び高データレートを必要とするバックプレーン用途で使用されることが多い。
【0004】
バイパスコネクタシステムは、入力/出力(input/output、IO)コネクタと、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit 、ASIC)又は他の集積回路(integrated circuit、IC)タイプのデバイスとの間の接続を提供することが知られている。1つの一般的な構成では、ボックスのフェースパネルに位置付けられた第1のコネクタ(典型的にはIOコネクタ)を有する一方で、ASIC近くの回路基板(又は別のコネクタ)に嵌合する第2のコネクタを有し、第1のコネクタ及び第2のコネクタがケーブルを介して接続される。知られているように、ケーブルは、標準的な回路基板よりも損失がはるかに少なく、ケーブルの使用は、第1のコネクタと第2のコネクタとの間の損失を実質的に減少させる。そのため、ある特定の人々は、特に高データレート用途で使用されるような、ICタイプデバイスとの相互接続及びICタイプデバイス間の相互接続において更により高い柔軟性を可能にするバイパス様コネクタシステムを高く評価するであろう。
【発明の概要】
【0005】
一実施形態では、支持部材に形成された開口部内に電気コネクタ組立体を支持するためのコネクタホルダが提供される。コネクタ組立体は、ハウジング(開口部内に固定されるように構成されている)と、支持部材の上方に延在するようにハウジング内に配設された第1のコネクタと、第1のコネクタに結合され、かつ支持部材の下方に延在する接続モジュールとから形成される。第1のコネクタは、関連する電気構成要素との電気的接続を提供するために使用され、接続モジュールは、支持部材の下面に沿って延在し、かつ関連する電気構成要素への信号経路相互接続を提供するケーブルを含む。一実施形態において、ハウジングは、コネクタホルダを開口部内に固定するための複数の保持クリップ(例えば、レバーアーム)を含み得る。コネクタホルダの開示される実施形態はまた、1つ以上の第2のコネクタの第1のコネクタとの位置合わせを容易にするために複数の位置決めピンを利用し得、コネクタホルダは、第1のコネクタに形成され、かつ複数の位置決めピンを受け入れるように位置付けられた複数の開口部を含むように形成され得る。開示される実施形態には、外部電気構成要素との接触を維持するために、第1のコネクタに対して上向きのばね力を提供する付勢部材が含まれ得る。
【0006】
別の実施形態では、少なくとも一部が回路基板上に搭載された電子IC間のデータ経路相互接続を作り出すための電気相互接続組立体が提供される。電気相互接続組立体は、回路基板の厚さを貫通して形成された複数の開口部内に配設される、上記の方式で形成された、複数のコネクタホルダ組立体に基づいている。この場合、複数のコネクタホルダ組立体の第1のコネクタホルダからの少なくとも1つのケーブルは、複数のコネクタホルダ組立体の第2のコネクタホルダのケーブルに接続され、第1のコネクタホルダ上に搭載された第1のICと第2のコネクタホルダ上に搭載された第2のICとの間のデータ経路を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示は、実施例として例示され、添付図面に限定されるものではなく、添付図面では、同様の参照番号は類似の要素を示す。
【0008】
【
図1】従来の回路基板内に位置付けられたコネクタホルダの一実施形態の等角図である。
【
図2】開示されるコネクタホルダの特定の要素を例示する、
図1の一部分の拡大図である。
【
図3】例示的なコネクタホルダの拡大等角図である。
【
図5】コネクタホルダ間のケーブル相互接続の可能性を例示する、いくつかのコネクタホルダが取り込まれた回路基板の下面等角図である。
【
図6】コネクタホルダ間の接続だけでなく、外部電子回路要素へのケーブル接続も示す、コネクタホルダの別の実施形態の下側等角図である。
【
図7】外部コネクタ(第2のコネクタなど)に取り付けられたものを含む、開示されるコネクタホルダの上部部分の詳細等角図である。
【
図8】非嵌合位置にある外部コネクタを示す、
図7と同様の分解等角図である。
【
図9】第1のコネクタ及び第2のコネクタの一実施形態の分解等角図である。
【
図10】第1のコネクタ内部設計の実施形態を例示する、ハウジングを伴わない開示されるコネクタホルダの選択された要素の下面等角図である。
【
図11】開示されるコネクタホルダの別の等角図であり、この場合、コネクタホルダによって支持されるコネクタを支持するために含まれ得る付勢要素を例示する。
【
図12】ハウジングが取り外された状態で、関連付けられた回路基板に対する組立体の個々の要素の位置付けを例示する、開示されるコネクタホルダの等角簡略側面図である。
【
図13】
図12と同様であるが、ハウジング及び付勢要素を示す等角図である。
【
図14】
図13と同様であるが、コネクタホルダの第1のコネクタに対する付勢力の方向を示す、切り欠き側面図である。
【
図15】システムの一部としての、基板に形成された開口部内に位置付けられた、開示されるコネクタホルダの断面図である。
【
図16】開示されるコネクタホルダ(回路基板内に含まれる)を別の接続モジュールと嵌合させるための接続アーキテクチャを例示する概略図である。
【
図17】別の概略図であり、この場合、回路基板に配設されたコネクタホルダの上の位置にあり、そのコネクタホルダと接続された
図16の別個の接続モジュールを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
当業者が、当該技術分野において既に知られていることに鑑みて、本明細書に開示される実施形態を製作、使用、及び最良に実施することを効果的に可能にするために、例示及び記載の両方における簡潔さ及び明瞭さが求められる。当業者であれば、本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の特定の実施形態に様々な修正及び変更がなされ得ることが理解されよう。そのため、本明細書及び図面は、限定的又は包括的ではなく、例証的かつ例示的であると見なされるべきであり、本明細書に記載される特定の実施形態への全てのそのような修正は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。更に、以下の詳細な説明は、例示的な実施形態を説明し、明示的に開示された組み合わせに限定されることを意図するものではないことを理解されたい。したがって、特に明記されない限り、本明細書で開示される特徴は、簡潔にする目的で別様に説明又は示されなかった追加の組み合わせを形成するために、一緒に組み合わされてもよい。
【0010】
1つ以上の例示的な実施形態を、方法として説明する場合があることにも留意されたい。方法は、例示的なシーケンス(すなわち、順次)として記載され得るが、そのような方法はまた、並行に、共同して、又は同時に行われ得ることを理解されたい。加えて、方法内の各変形工程の順序は、入れ替えられてもよい。説明する方法は、完了したときに終了することができ、また、例えば、そうした工程が当業者に既知である場合、本明細書に記載されていない追加の工程を含んでもよい。
【0011】
本明細書で使用する場合、「実施形態」又は「例示的」という用語は、本開示の範囲内に入る実施例を意味する。
【0012】
図1~
図6は、基板上に含まれ得る様々なIC間の相互接続を提供するために、本開示に従って形成された例示的なコネクタホルダ10を示す。いくつかの例示的な実施形態では、コネクタホルダ10は、1つのコネクタホルダから別のコネクタホルダへのケーブル接続を介して、1つのIC又は別のICからの「基板下」相互接続を提供し得る。他の例示的な実施形態では、コネクタホルダ10は、回路基板上に搭載されたICと外部構成要素(すなわち、回路基板の外部)との間の基板下接続を提供し得る。場合によっては、両方のタイプの接続が、共通基板上に搭載される異なるコネクタホルダによって提供されてもよい。以下で詳細に考察するように、本開示に従って形成された例示的なコネクタホルダは、基板の下方に配設され、かつ薄型で直角の基板下ケーブル出口経路を可能にするケーブルを含み得る。
【0013】
特に
図1を参照すると、コネクタホルダ10は、基板1の厚さを貫通して形成された開口部2a内に位置付けられた状態で示されている。基板1は、従来技術の構成のものであり、従来の回路基板であってもよいが、本明細書で開示されるコネクタホルダ10は、フレーム及び任意の他の好適な支持材料を含む、嵌合コネクタ間の電気的相互接続を容易にするために、様々な他のタイプの基板、取付台、支持体などとともに使用され得ることを理解されたい。本開示に従って形成されたコネクタホルダの例示的な実施形態は、第1のコネクタ(関連付けられた嵌合コネクタと嵌合するために使用される)を支持するハウジングを含む。追加の開口部2b、2cが基板1上に示されており、本開示に従って形成された同様のコネクタホルダが、これらの追加の開口部内に位置付けられ得る。当然ながら、好適なシステムは、システムの設計に応じて、1つ以上のコネクタホルダを有し得る。コネクタホルダ10は、ホルダの特定の構成要素が、基板1の上部表面1aに対するコネクタホルダ10の十分なX方向及びY方向の移動を可能にするように構成され得る。すなわち、コネクタホルダ10は、見ずに行う嵌合作業を可能にするように、種々の外部回路を開示されるコネクタホルダ10に接続する際に有用な公差を提供する方式で、(開口部2aの境界内で)X方向及びY方向に「浮動」するように構成され得る。典型的には、X方向及びY方向は、基板の表面と平行であり、嵌合方向に対して垂直である。また、
図1には、基板1に取り付けられ、かつコネクタホルダ10(この図でははっきりとは認められないが、例えば、以下の
図6に示される)によって支持されるコネクタに接続され得る特定用途向け集積回路(ASIC)モジュール3の例を示す。コネクタホルダ10は、種々の寸法で形成され得、同様に、開口部2は、様々なコネクタホルダ幾何学形状を収容するのに好適な特定の寸法で形成され得る。
【0014】
図2は、
図1の配置の一部分の拡大図であり、コネクタホルダ10を幾分より詳細に示しており、
図3も同様にコネクタホルダ10の拡大等角上面図である。コネクタホルダ10は、基板1の厚さを貫通して形成された開口部2a内に配設された状態で
図2及び
図3に例示されている。コネクタホルダ10は、ハウジング11を含み、ハウジング11は絶縁材料から形成され得、ハウジング11内に配設され、かつ特定の第2のコネクタ組立体(ASIC3とともに使用されるコネクタ組立体など)と相互接続するように配置され得る一対の第1のコネクタ12a、12bを更に備えた状態で
図2~
図3に示されている。
図2は、特に、第1のコネクタ12a、12bに位置合わせされ、かつ嵌合され得る一対の第2のコネクタ120a、120bを示す。図示する実施形態から理解され得るように、第2のコネクタ120a、120bは、IC(ASICモジュール3によって示されるような)上に搭載され(又は接続され)、これにより、第1のコネクタ12a、12bと対応するICとの間の接続を提供することができる。図示するコネクタホルダは2つのコネクタを支持するが、例示的なコネクタホルダは、挿入力及び位置合わせ公差の実際的な限界を考慮して、所望に応じて、1つ以上のコネクタを支持し得ることに留意されたい。
図2~
図3には、一組の保持クリップ161、162、163及び164も示されており、これらは、ハウジング11の一部を形成し得、コネクタホルダ10を開口部2a内の所定の位置に固定するために使用される。一組の4つの保持クリップが
図2の実施形態に示されているが、他の実施形態は、所望に応じて、より少ない又はより多いクリップ(又はいくつかの同等のタイプの固定装置)を使用し得る、例えば、関連付けられた開口部のサイズ及びトポロジに依存し得ることを理解されたい。保持クリップ16は、ハウジング11のレバーアーム部分として形成され得、レバーアームのばね力は、コネクタホルダ10を開口部2a内の所定の位置に固定するのに十分であるが、嵌合コネクタ(コネクタ120など)をコネクタホルダ10に取り付けるのに必要な公差を緩和するのに望ましい十分なX-Y移動を可能にする。
【0015】
図4は、基板1上の所定位置にあるコネクタホルダ10の下面からの図であり、特に、第1のコネクタ12a、12b内にそれぞれ含まれる端子と接続し得る第1の複数のケーブル18a及び第2の複数のケーブル18bを例示する。
図4に示すように、ケーブル18は、基板1の下面1bに沿って延在する(すなわち、基板下信号経路を形成する)ように配設され、基板1上に位置付けられた状態で他のコネクタホルダ10に接続し得るか、又は代替的に、オフボード接続装置に延在し得る。場合によっては、ケーブル18は、高速データチャネル(例えば、25Gbps以上)の伝送をサポートするために使用されてもよく、ツイナックスケーブル構成であってもよい。以下で詳細に考察するように、開示される実施形態の一態様は、嵌合する第2のコネクタとの接触を維持するように、第1のコネクタ12を「上方向」(すなわち、Z軸方向)に促すように機能する付勢要素20a、20bをコネクタホルダ10内に含むことである。
図4は、第1のコネクタ12a、12bのすぐ下にそれぞれ位置付けられた付勢要素20a、20b(これは、板ばねとして示されているが、コイルばね又は圧縮材料などの任意の他の所望の構成であってもよい)を示しており、付勢要素20a、20bは、第1のコネクタ12a、12bに対して付勢力を加えるために使用され得る。当然ながら、付勢要素は、第1のコネクタの下方ではなく、第1のコネクタの側部に位置付けられることが所望される場合、その様にもされてもよい。
【0016】
図5は、基板1の下面1bからの等角図であり、この簡略図において、様々なコネクタホルダ10に関連付けられたケーブル18間に形成され得る例示的な相互接続を例示する。この図示では、ASICモジュール3は、コネクタホルダ10-3に含まれる第1のコネクタ12a、12bに接続した状態で例示されている(具体的な相互接続については、
図15に関連して以下で考察する)。ASICモジュール3に関連付けられたケーブル18-3a及び18-3bは、基板1の下面1bに沿って通っている状態で示されており、ケーブル18-3aは、コネクタホルダ10bによって支持された第1のコネクタ12に接続され得、ケーブル18-3bは、コネクタホルダ10cによって支持された第1のコネクタ12に接続され得る。これは、本開示に従って形成されるコネクタホルダを使用することによって提供され得る基板下高速データ接続のタイプの単なる一例である。
【0017】
図6は、複数のASICモジュール3a、3bとコネクタホルダ10との間の若干詳細なタイプの相互接続の断面図である。本開示のこの実施形態には、基板下ケーブル18を使用することによってASICモジュール3a、3bと相互接続され得るオフボードインターコネクタ組立体構成要素300も示されている。
図6の実施形態は、オンボード(搭載)IC及びオフボード要素の両方を含む、種々のタイプの電子回路構成要素への高速データ接続を可能にする、開示されるコネクタホルダの能力を例示する。
図16及び
図17に関連して以下で考察するように、第1のコネクタ12は、個々のICを越えて様々なタイプの回路モジュールへの相互接続を提供するために、すなわち、他の回路基板、ケーブルなどと相互接続するために使用され得る。
【0018】
コネクタホルダ10の例示的な実施形態の詳細な等角上面図を
図7に示す。この図では、第2の120b(基板1によって支持されるように意図されたICに関連付けられ得る)が、第1のコネクタ12b(コネクタホルダ10内に位置付けられた)の上の所定の位置に位置付けられ、かつそれに嵌合された状態で図示されており、第1のコネクタ12は、嵌合されていない配置で示されている。
図8は、
図7と同様の図であり、この場合、第2のコネクタ120bと第1のコネクタ12bとの間の接続の方向を示す分解図である。
図7及び
図8の両方の説明を続けると、一対の位置決めピン1301、1302が示されており、これらは、第1のコネクタ12との第2のコネクタ120の適切に位置合わせされた取付けを容易にするために、例示的な第2のコネクタ120とともに使用され得る。第2のコネクタ120を第1のコネクタ12に取り付けるとき、位置決めピン130は、第1のコネクタ12に形成された位置合わせ開口部131と位置合わせして、第1のコネクタ及び第2のコネクタを適切に位置合わせしかつ嵌合するのを助け得る。
【0019】
図7及び
図8にはまた、保持クリップ16が示されており、保持クリップ16は、基板1の開口部2内にコネクタホルダ10を固定するために使用され得る。
図8に最もよく示されるが、保持クリップ16は、ハウジング11の一部分として形成され、開口部2の周縁部の周りの適所に「スナップ」するレバーアームとして構成され得る。保持クリップ16が基板1の上部表面1aと係合してコネクタホルダ10と基板1との間の物理的に接触した状態で、コネクタホルダ10を基板1の下面1bから関連付けられた開口部2(上記で考察したように)を通して上方に通過させて開口部2内の所定の位置に位置付けることによって、コネクタホルダ10を基板1と組み付けることが可能である。保持クリップ16を使用して開口部2a内にコネクタホルダ10を搭載することによって、保持クリップは、開口部2内のコネクタホルダ10の位置付けのある程度のX-Y調整を可能にすることができる。ハウジング11は、保持クリップが基板の底部表面に係合すると同時に、基板の上部表面に係合するように構成されたリップ11a(
図13に標識されている)を含んだ状態で
図8に示されおり、これにより、基板に対するハウジングの位置をZ方向に制御することができる。
【0020】
図9は、第1のコネクタ12b及び第2のコネクタ120bの一実施形態の分解図である。第1のコネクタ12bは、第1の端子17を支持する第1のハウジング12baを含む。一方、第2のコネクタ120bは、第2の端子127を支持する第2のハウジング120baを含む。第1の端子17は、第1のコネクタ12bが第2のコネクタ120bと嵌合すると、第2の端子127と係合し得る。この図には、第2のハウジング120baによって支持された位置決めピン130が示されており、位置決めピン130は、第2のコネクタ120bを第1のコネクタ12bに接合するときに、位置合わせ開口部131(これは、第1のハウジング12baに形成された状態で示されている)に係合するように意図されている。ピン及び位置合わせ開口部は有用であるが、第1のハウジング12ba及び第2のハウジング120baはまた、第1のコネクタ12bが第2のコネクタ120bに見ずに嵌合されるときに嵌合を確実にするための位置合わせ形状を提供するために追加の要素が必要とされないように、適切な面取り及び/又はテーパ状の形状を有して構成され得る。
図9にはまた、導体12と端子17との間の接続を支持するのを助ける一組のコネクタフレーム13が示されている。
【0021】
ケーブル接続モジュール14bも
図9に示されており、ケーブル18を支持するのを助けるために、例えば張力緩和を提供するために使用され得、導体15が対応する端子17と適切に位置合わせされて、したがって、それらがともに接続され得ることを確実にするのを助けることができる。理解され得るように、図示される第1のコネクタ12a、12bは、第1のコネクタ12を通る垂直方向からケーブル18に関連付けられた水平方向(基板下)への信号フローの「直角」方向転換を提供する。本開示の例示的な実施形態では、ケーブル18は、ツイナックスケーブルを備え得る。
【0022】
図10は、第1のコネクタ12a、12b及び第2のコネクタ120a、120bの下面図であり、第1のコネクタ12aの端子と関連付けられたケーブル18aとの間の可能な相互接続を明確に示すために、選択された要素が省略されている。図示するように、コネクタホルダ10が基板1上の開口部2内に位置付けられると、第1のコネクタ12aは、基板1の上部表面1aの上方に上方向に延在し得、ケーブル18は、基板1の下面1bを横切って延在する。ケーブル接続モジュール14a、14bのそれぞれの第1のコネクタ12a、12bとの位置付けは、
図10に示される状態であり得、この場合、ケーブル接続モジュール14aの端子15は、第1のコネクタ12a内に含まれる導体13と係合した状態で示されている。
【0023】
図10にはまた、第1のコネクタ12bのバックプレート22bに隣接して位置付けられた付勢要素20bが示されている。上述し、以下で詳細に考察するように、付勢要素20a、20bは、本開示の様々な実施形態において、第1のコネクタ12a、12bに対して上向きの力を提供するために使用され得る。
図10に図示するように、第1のコネクタ12a、12bと第2のコネクタ120a、120bとの間の位置合わせされた接続を容易にするために使用され得る位置決めピン130b1、130b2と同様に、第2のコネクタ120a、120bも示されている(第1のコネクタ12bは、位置決めピン130b1及び130b2をそれぞれ受け入れるための位置合わせ開口部131b1、131b2を含む)。
【0024】
図11は、本開示に従って形成された例示的なコネクタホルダ10の下側からの部分分解図であり、この場合、第1のコネクタ12a、12bのバックプレート22a、22bのそれぞれを示す。バックプレート22a、22bは、付勢要素20a、20bによって係合され得るようにハウジング11内に位置付けられた状態で示されており、付勢要素20a、20bは、ハウジング11に固定されたハウジングプレート30によって支持されている(理解され得るように、必須ではないが、ハウジングプレート30は、
図11に示唆される方式でねじ32によってハウジング11に付けることができる)。当然ながら、ハウジングプレート30は、異なる方式で(例えば、接着剤又は熱かしめの使用によって、又はハウジング11と一体的に形成されることによって、又は任意の他の望ましい方式によって)ハウジング11に固定することができる。理解され得るように、第1のコネクタ12a、12bは、「z軸」方向(例えば、嵌合方向と一致する方向)に並進する能力を伴ってコネクタホルダ10中で支持されるように構成され、付勢要素20によって、嵌合方向とは反対である第1の方向に付勢される。作業中、第2のコネクタ120a、120bは、第1のコネクタ12a、12bに対して押圧することができ、付勢要素20a、20bは、第1のコネクタ12a、12bのz軸方向におけるいくらかの変位を可能にすることができる(第1のコネクタ及び第2のコネクタが嵌合されると)一方で、第1のコネクタ12及び第2のコネクタ120がともに嵌合されることを確実にするために必要とされる嵌合力に克服するための十分な付勢力が存在することを確実にする。例えば、コネクタが嵌合されることを確実にするために、概して、10ニュートンの力を要する場合、付勢要素は、少なくとも10ニュートンの付勢力を提供するように構成することができ、より好ましくは、10ニュートンを上回る付勢力を提供することになる。
【0025】
図12は、コネクタホルダ10(図示せず)内に支持される状態の、第1のコネクタ12a、12b及び第2のコネクタ120a、120bの例示的な実施形態の等角側面図を含む。
図12の図は、基板1及び開口部2aの位置の表示を含む。理解され得るように、ケーブル18は、基板1の下面1bに沿って延在し、これにより、同じ基板上に配置された他のコネクタホルダに接続するのが容易である(例えば、
図4又は
図6を参照)。第1のコネクタ12aは、ケーブル18への高速データ接続を提供する内部接続要素(
図10を参照)を露出させるようにハウジング11の周囲部分が除去された状態で
図12に例示されている。第2のコネクタ120a、120bは、コネクタホルダ10の第1のコネクタ12a、12bの上に位置付けられ、かつ第1のコネクタ12a、12bに取り付けられた状態で、
図12の図示に含まれる。
【0026】
図13の等角図は、第1のコネクタ12に対するケーブル接続モジュール14の位置付けを明確に示している。コネクタホルダ10のこの例示的な実施形態は、一組の6つの保持クリップ161~166を含み、保持クリップ165及び166は、コネクタホルダ10の対向する中間点(すなわち、第1のコネクタ12aと12bとの間)に位置付けられることに留意されたい。当然ながら、開口部の形状、ハウジング11によって支持されるコネクタのサイズ及び数に応じて、いくらかの他の数の保持クリップを使用することができる。
【0027】
図14は、本開示に従って形成された例示的なコネクタホルダ10の切り欠き側面図であり、この切り欠き図は、関連付けられた第1のコネクタ12bのすぐ下の付勢部材20bの例示的な位置付けを例示している。
図14に含まれる矢印は、第1のコネクタ12bに対する板ばね20bのばね力(すなわち、Z方向の印加)の方向を示している。位置決めピン130b1、130b2はまた、この図では、第1のコネクタ12bに形成された位置合わせ開口部131b1、131b2内に位置付けられた状態で示されている。
【0028】
基板1の開口部2内に位置付けられた状態の例示的なコネクタホルダ10の断面図が
図15に示されている。接続モジュール14a、14bの基板下位置付け、及び取り付けられたケーブル18a、18bの基板下位置がそれぞれ示されている。ICを接続ホルダ10に接続するための典型的な配置を例示するために、取り付けられたICの下部部分も
図15に示されている。理解され得るように、第1のコネクタ12a、12bは、コネクタホルダによって支持され、係合された第2のコネクタを有しており、第2のコネクタは、ICに電気的に接続されている。
【0029】
上記の実施形態は、ICを回路基板(又は他の基板)に取り付けるのに有用な構成要素として、本開示に従って形成されたコネクタホルダの使用を例示しているが、開示されるコネクタホルダはまた、第2のコネクタ組立体に典型的に見られる他の要素との接続を提供するために使用され得ることを理解されたい。例えば、
図16は、基板1とモジュールボード100との間の相互接続を提供するための、開示されるコネクタホルダの利用の高レベルブロック図の例示である。この例では、一対のコネクタホルダ101及び102が図示されており、一組の基板下ケーブル18cが、コネクタホルダ101と102との間の相互接続を提供するために使用されている。モジュール100は、一組のコネクタ組立体110、112、114、及び116を含んだ状態で示されている。
図17は、コネクタホルダ101、102の第1のコネクタ12へのモジュールボード100の接続を例示している。
図16及び
図17の図示は、本開示に従って形成されるようなコネクタホルダの使用によって簡略化され得る、1つのタイプの基板対基板接続の単なる例示である。
【0030】
本明細書で提供される開示は、その好ましい実施形態及び例示的な実施形態の観点から特徴を説明する。当業者には、添付の特許請求の範囲及び趣旨内での多くの他の実施形態、修正、及び変形が、本開示を検討することにより想起されるであろう。
【国際調査報告】