(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】高い沿面距離を有する超小型リレー
(51)【国際特許分類】
H01H 51/22 20060101AFI20231025BHJP
H01H 50/02 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
H01H51/22 R
H01H50/02 L
H01H50/02 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524334
(86)(22)【出願日】2021-12-21
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 CN2021140179
(87)【国際公開番号】W WO2022143308
(87)【国際公開日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202011609586.3
(32)【優先日】2020-12-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519048160
【氏名又は名称】厦▲門▼宏▲発▼信号▲電▼子有限公司
【氏名又は名称原語表記】XIAMEN HONGFA SIGNAL ELECTRONICS CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 83 Yinong Road, Haicang District, Xiamen, Fujian 361027, P.R.China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】汪 志坤
(72)【発明者】
【氏名】林 佳▲賓▼
(72)【発明者】
【氏名】董 欣▲賞▼
(57)【要約】
本開示は高い沿面距離を有する超小型リレーを開示し、台座部分(2)及び可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ(3)を含む。前記台座部分(2)はコイル(26)、鉄心(21)、固定接点ばね、コイル端子(22)及び射出成形方式によってコイル(26)、鉄心(21)、固定接点ばね、コイル端子(22)を一体部材に集積される第一プラスチック体(23)を含む。台座部分(2)において、第一プラスチック体(23)に射出成形された固定接点ばねは第一プラスチック体(23)のコイル軸線の他端に対応する位置に位置する常開固定接点ばね片(24)及びコイル軸線の中間位置に対応する少なくとも可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ(3)を支持するための溶接ラグ構造(311)の溶接台(25)のみを含み、常閉固定接点ばねがない。本開示はリレーの体積を増加させない前提で、コイル(26)と接点との間の沿面距離を効果的に向上させることができ、それにより新エネルギー、車載等の分野におけるリレーの入力及び出力に対してますます高くなる沿面距離要件を満たす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高い沿面距離を有する超小型リレーであって、台座部分及び可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせを含み、前記台座部分はコイル、鉄心、固定接点ばね、コイル端子及び第一プラスチック体を含み、前記第一プラスチック体は射出成形方式によって前記コイル、前記鉄心、前記固定接点ばね、前記コイル端子を一体部材に集積し、且つ前記第一プラスチック体は前記コイルを完全に被覆し、前記鉄心の両端の極面はそれぞれ前記第一プラスチック体内から突出して前記第一プラスチック体の上端までに延在され、且つそれぞれ前記第一プラスチック体の両端に位置し、前記コイル端子の前記第一プラスチック体から露出する部分は前記第一プラスチック体の一端に位置し、前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせは二組の可動接点ばね片、アーマチュア及び第二プラスチック体を含み、前記第二プラスチック体は射出成形方式によって前記二組の可動接点ばね片、前記アーマチュアを一体部材に集積し、前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの中間位置に溶接ラグ構造が設けられ、前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせは前記溶接ラグ構造によって前記台座部分の頂端の中間位置に取り付けられ、且つ前記第二プラスチック体から露出する前記アーマチュアの両端はそれぞれ前記鉄心の両端の極面に対応して係合される、高い沿面距離を有する超小型リレーにおいて、
前記第一プラスチック体に射出成形された前記固定接点ばねは常開固定接点ばね片及び溶接台のみを含み、常閉固定接点ばね片を含まず、前記常開固定接点ばね片は前記第一プラスチック体の他端に設置され、前記溶接台は前記第一プラスチック体の中間位置に対応して設置され、且つ少なくとも前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの前記溶接ラグ構造を支持することに用いられ、常閉固定接点ばね片を除去することによって前記コイル端子と前記固定接点ばねとの間の前記第一プラスチック体の外部における沿面距離を向上させる
ことを特徴とする高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項2】
前記コイルの軸線は水平に設置され、前記鉄心はU型形状である
ことを特徴とする請求項1に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項3】
前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの中間位置の両側にそれぞれ前記溶接ラグ構造が設けられ、2つの前記溶接ラグ構造はそれぞれ対応する一組の前記可動接点ばね片に一体に設けられ且つ前記第二プラスチック体の外に露出し、前記可動接点ばね片は前記溶接ラグ構造に対して非対称構造であり、前記可動接点ばね片の前記常開固定接点ばね片に対応する片側には、前記第二プラスチック体の外に露出する常開側が設けられ、且つ前記可動接点ばね片の常開側に常開可動接点が取り付けられ、前記可動接点ばね片の常開側に対応する他側は前記第二プラスチック体内に完全に被覆される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項4】
前記第一プラスチック体の水平断面は矩形又は矩形に近い形状を呈し、前記第一プラスチック体の矩形の長辺に対応する側壁において、前記コイル端子の前記第一プラスチック体から露出する部分と前記第一プラスチック体から露出する溶接台との間に対応する沿面経路に第一凹溝が設けられ、前記第一凹溝を利用して前記コイル端子の前記第一プラスチック体から露出する部分と前記溶接台との間の沿面距離を増加させる
ことを特徴とする請求項1に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項5】
前記第一プラスチック体の水平断面は矩形又は矩形に近い形状を呈し、前記第一プラスチック体の矩形の長辺に対応する側壁において、前記第一プラスチック体の一端に近接する頂端にさらに第一障壁が上向きに突出して延設され、それにより前記コイル端子の前記第一プラスチック体から露出する部分から前記鉄心を通って常開端接点までの間の沿面経路が前記第一プラスチック体の矩形の短辺に対応する側壁に沿ってクリープする
ことを特徴とする請求項1に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項6】
前記第一プラスチック体の矩形の短辺に対応する側壁には、前記コイル端子の前記第一プラスチック体から露出する部分と前記鉄心の一端との間に対応する沿面経路に第二凹溝が設けられ、前記第二凹溝を利用して前記コイル端子の前記第一プラスチック体から露出する部分から前記鉄心を通って前記常開端接点までの間の沿面距離を増加させる
ことを特徴とする請求項5に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項7】
前記第一プラスチック体の上端には、前記鉄心の他端と前記常開端接点との間に対応する沿面経路に第二障壁がさらに設けられ、前記第二障壁を利用して前記コイル端子の前記第一プラスチック体から露出する部分から前記鉄心を通って前記常開端接点までの間の沿面距離をさらに増加させる
ことを特徴とする請求項6に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項8】
前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせはさらに永久磁石を含み、前記永久磁石は前記アーマチュアの長手方向に沿って分布し、且つ前記アーマチュアと積層され、且つ前記永久磁石は前記第一プラスチック体の他端の方向に向かってオフセットされる
ことを特徴とする請求項3に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項9】
前記可動接点ばね片において、前記溶接台にさらに前記第一プラスチック体から露出する共通端引出端子が下向きに設けられ、前記共通端引出端子は前記第一プラスチック体の他端の方向に向かってオフセットされる
ことを特徴とする請求項8に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項10】
前記二組の可動接点ばねにおいて、常開側に対応する他側の間はさらに接続シートによって電気的に接続され、且つ前記接続シートは前記第二プラスチック体に完全に被覆され、前記接続シートは一体成形方式によって二組の前記可動接点ばね片と一体に接続され、又は前記接続シートは単独の部品であり、前記接続シートの両端はそれぞれ二組の前記可動接点ばね片に当接され又は溶接されて接続される
ことを特徴とする請求項8に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【請求項11】
前記接続シートは前記第二プラスチック体の対応端の端部位置に近接し、それにより前記永久磁石に十分な配置空間を提供する
ことを特徴とする請求項10に記載の高い沿面距離を有する超小型リレー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本開示は、2020年12月30日に出願された出願番号が202011609586.3である中国特許出願の優先権を主張し、当該中国特許出願の内容の全体を本願に援用する。
【0002】
本開示はリレー技術分野に関し、特に高い沿面距離を有する超小型リレーに関する。
【背景技術】
【0003】
従来の超小型リレーは、一般的には切断された固定接点ばね片を射出成形方式によってコイル、台座等と一体に接続し、固定接点ばね片の引出端子及びコイル端子の引出端子は射出成形された切断シート体を利用して折り曲げて形成され、このような超小型リレーの各引出端子は一般的にはコイル軸線の両側に沿って分布する。
図1は従来技術の超小型リレーの立体構造概略図(ハウジングを含まない)である。
図2は従来技術の超小型リレーの可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの構造概略図である。
図3は従来技術の超小型リレーの台座部分の構造概略図である。
図1、
図2、
図3に示すように、従来技術のこのような超小型リレーは、コイル、鉄心101、固定接点ばね及びコイル端子102を射出成形方式で一体に組み立ててプラスチック体109を含む台座部分100を形成し、ここで、固定接点ばねは2つの常開固定接点ばね片103、2つの常閉固定接点ばね片104及び2つの共通端ばね片105を含む。常開固定接点ばね片103、常閉固定接点ばね片104及び共通端ばね片105には、それぞれプラスチック体109の外に露出する常開固定接点ばね引出端子1031、常閉固定接点ばね引出端子1041、共通端引出端子1051が設けられる。常開固定接点ばね片103、常閉固定接点ばね片104のプラスチック体の上端に露出する部分には、さらにそれぞれ常開固定接点1032、常閉固定接点1042が接続される。このような超小型リレーの可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ106は二組の可動接点ばね片107とアーマチュア108を射出成形方式によってプラスチック部品110を含む一体構造に形成し、各組の可動接点ばね片107の両端はそれぞれプラスチック部品110の外に露出する常開側1071と常閉側1072とし、中間にプラスチック部品110の外に露出する溶接ラグ構造1073が設けられ、可動接点ばね片107の常開側1071及び常閉側1072にそれぞれ常開可動接点及び常閉可動接点が取り付けられる。可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ106を台座部分100に取り付ける際には、可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ106の溶接ラグ構造1073と台座部分100の共通端ばね片105の溶接台とを溶接によって一体に固定し、これにより可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ106がシーソー構造を呈する。台座部分100において、コイル端子102の引出端子1021はプラスチック体109の一端に位置し、常閉固定接点ばね引出端子1041、共通端引出端子1051及び常開固定接点ばね引出端子1031は、順にプラスチック体109の一端からプラスチック体109の他端の方向へ分布し、常開固定接点ばね引出端子1031はプラスチック体109の他端に位置する。従来技術のこのような超小型リレーは、
図3に示すように、製品の体積が小さく、全体構造がコンパクトであるため、コイル端子102と固定接点ばね(常閉固定接点ばね片104)との間の沿面距離M及びコイル端子102と固定接点(常閉固定接点1042)との間の沿面距離Nがいずれも短いという弊害をもたらし、新エネルギー、車載等の分野におけるリレーの入力及び出力(即ちコイルと接点との間)に対してますます高くなる安全要件(即ち高い沿面距離)を満たすことができない。
【発明の概要】
【0004】
本開示の目的は従来技術の欠点を克服し、高い沿面距離を有する超小型リレーを提供することであり、構造を改良することにより、リレーの体積を増加させない前提で、コイルと接点との間の沿面距離を効果的に向上させることができ、それにより新エネルギー、車載等の分野におけるリレーの入力及び出力に対してますます高くなる安全要件を満たす。
【0005】
本開示がその技術的問題を解決するために用いる技術的解決手段は以下の通りである:高い沿面距離を有する超小型リレーであって、台座部分及び可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせを含む;前記台座部分はコイル、鉄心、固定接点ばね、コイル端子及び第一プラスチック体を含み、第一プラスチック体は射出成形方式によってコイル、鉄心、固定接点ばね、コイル端子を一体部材に集積し、且つ第一プラスチック体はコイルを完全に被覆する;鉄心の両端の極面はそれぞれ第一プラスチック体内から第一プラスチック体の上端に突出し、且つ第一プラスチック体の両端に位置し、コイル端子の第一プラスチック体から露出する部分は第一プラスチック体の一端に位置する;前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせは二組の可動接点ばね片、アーマチュア及び第二プラスチック体を含み、第二プラスチック体は射出成形方式によって二組の可動接点ばね片、アーマチュアを一体部材に集積する;前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの中間位置に溶接ラグ構造が設けられ、可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせは溶接ラグ構造によって台座部分の頂端の中間位置に取り付けられ、且つ第二プラスチック体から露出するアーマチュアの両端はそれぞれ鉄心の両端の極面に対応して協力する;第一プラスチック体に射出成形された固定接点ばねは、常開固定接点ばね片及び溶接台のみを含み、常閉固定接点ばね片を含まず、常開固定接点ばね片は第一プラスチック体の他端に設置され、溶接台は第一プラスチック体の中間位置に対応して設置され、且つ少なくとも可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの溶接ラグ構造を支持することに用いられ、常閉固定接点ばね片を除去することによってコイル端子と固定接点ばねとの間の第一プラスチック体の外部における沿面距離を向上させる。
【0006】
前記コイルの軸線は水平に設置され、前記鉄心はU型形状である。
【0007】
前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの中間位置の両側にそれぞれ1つの溶接ラグ構造が設けられ、2つの溶接ラグ構造はそれぞれ対応する一組の可動接点ばね片に一体に設けられ且つ第二プラスチック体の外に露出する;前記可動接点ばね片は溶接ラグ構造に対して非対称構造であり、可動接点ばね片の常開固定接点ばね片に対応する片側には、第二プラスチック体の外に露出する常開側が設けられ、且つ可動接点ばね片の常開側に常開可動接点が取り付けられる;可動接点ばね片の常開側に対応する他側は第二プラスチック体内に完全に被覆される。
【0008】
前記第一プラスチック体の水平断面は矩形又は矩形に近い形状を呈し、第一プラスチック体の矩形の長辺に対応する側壁において、コイル端子の第一プラスチック体から露出する部分と第一プラスチック体から露出する溶接台との間の沿面経路に対応して第一凹溝が設けられ、第一凹溝を利用してコイル端子の第一プラスチック体から露出する部分と溶接台との間の沿面距離を増加させる。
【0009】
前記第一プラスチック体の水平断面は矩形又は矩形に近い形状を呈する;第一プラスチック体の矩形の長辺に対応する側壁には、前記第一プラスチック体の一端に近接する頂端にさらに第一障壁が上向きに突出して延設され、それによりコイル端子の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心を通って常開端接点までの間の沿面経路が第一プラスチック体の矩形の短辺に対応する側壁に沿ってクリープする。
【0010】
第一プラスチック体の矩形の短辺に対応する側壁には、コイル端子の第一プラスチック体から露出する部分と鉄心の一端との間の沿面経路に対応して第二凹溝が設けられ、第二凹溝を利用してコイル端子の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心を通って常開端接点までの間の沿面距離を増加させる。
【0011】
前記第一プラスチック体の上端には、鉄心の他端と常開端接点との間の沿面経路に対応してさらに第二障壁が設けられ、前記第二障壁を利用してコイル端子の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心を通って常開端接点までの間の沿面距離をさらに増加させる。
【0012】
前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせはさらに永久磁石を含み、前記永久磁石はアーマチュアの長手方向に沿って分布し、且つ前記アーマチュアと積層され、且つ永久磁石は第一プラスチック体の他端の方向に向かってオフセットされる。
前記可動接点ばね片において、溶接台にさらに第一プラスチック体から露出する共通端引出端子が下向きに設けられ、前記共通端引出端子は第一プラスチック体の他端の方向に向かってオフセットされる。
【0013】
二組の前記可動接点ばね片において、常開側に対応する他側の間はさらに接続シートによって電気的に接続され、且つ前記接続シートは前記第二プラスチック体に完全に被覆される;前記接続シートは一体成形方式によって二組の可動接点ばね片と一体に接続され、又は接続シートは単独の部品であり、接続シートの両端はそれぞれ二組の可動接点ばね片に当接され又は溶接されて接続される。
【0014】
前記接続シートは第二プラスチック体の対応端の端部位置に近接し、それにより永久磁石に十分な配置空間を提供する。
【0015】
従来技術に比べて、本開示の有益な効果は以下の通りである:
【0016】
1、本開示は、台座部分において、第一プラスチック体に射出成形された固定接点ばねが常開固定接点ばね片及び溶接台のみを含み、常閉固定接点ばね片を含まず、常開固定接点ばね片が第一プラスチック体のコイル軸線の他端に対応する位置に設置され、溶接台がコイル軸線の中間位置に対応して設置され、且つ少なくとも可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの溶接ラグ構造を支持することに用いられる。本開示のこのような構造は、台座部分における常閉固定接点ばね片を除去することによってコイル端子と固定接点ばねとの間の沿面距離を向上させることができ、これによりリレーの体積を増加させない前提で、コイルと接点との間の沿面距離を効果的に向上させることを実現し、それにより新エネルギー、車載等の分野におけるリレーの入力及び出力に対してますます高くなる安全要件を満たす。
【0017】
2、本開示は、第一プラスチック体において、リレーの入力及び出力(即ちコイルと接点との間)のコイル端子と溶接台との間のこの沿面経路に対応して第一凹溝が設けられ、それによりコイルと接点との間の沿面距離をさらに向上させることができる。
【0018】
3、本開示は、第一プラスチック体において、リレーの入力及び出力(即ち、コイルと接点との間)のコイル端子に対応して鉄心を通って常開端接点との間のこの沿面経路にさらに第二凹溝及び第二障壁が設けられ、且つ第一障壁を利用し、沿面経路を第一プラスチック体の矩形の長辺に対応する側壁から第一プラスチック体の矩形の短辺に対応する側壁に沿ってクリープさせ、それによりコイルと接点との間の沿面距離をさらに増加させることができる。
【0019】
4、本開示は第一プラスチック体の共通端に対応する位置に可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの溶接ラグ構造を支持するための溶接台のみが設けられ、引出端子が設けられず、且つ二組の可動接点ばねにおいて、常開側に対応する他側の間はさらに接続シートによって一体に接続される。本開示のこのような構造は、接続シートによって二組の可動接点ばね片を電気的に接続し、常開端接点の直列接続を実現し、接点隙間は従来技術のリレーの接点隙間の二倍であり、接点の隙間、接点を切断する耐圧及び製品の切断能力を効果的に向上させることができ、このように、外部の直列接続を必要とせず、接点隙間の耐圧及び接点隙間を切断する距離を満たすことができる。
【0020】
5、本開示は、永久磁石がアーマチュアの長手方向に沿って分布し且つ前記アーマチュアと積層され、且つ永久磁石が第一プラスチック体の他端の方向に向かってオフセットする。本開示のこのような構造は、非平衡型の二重磁気回路構造を用いることにより、常開端により大きな偏向力を持たせ、シーソー型リレーの常閉接点圧力がないためにリレーが駆動しにくく又は駆動困難等の現象の発生を回避し、リレーを確実に動作させることができる。
【0021】
以下では図面及び実施例を参照しながら本開示をさらに詳細に説明する;しかし本開示の高い沿面距離を有する超小型リレーは実施例に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、従来技術の超小型リレーの立体構造概略図(ハウジングを含まない)である。
【
図2】
図2は、従来技術の超小型リレーの可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの構造概略図である。
【
図3】
図3は、従来技術の超小型リレーの台座部分の立体構造概略図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施例1の立体構造概略図(ハウジングを含まない)である。
【
図5】
図5は、本開示の実施例1の左側面図(ハウジングを含まない)である。
【
図6】
図6は、本開示の実施例1の右側面図(ハウジングを含まない)である。
【
図7】
図7は、本開示の実施例1の構造断面図(ハウジングを含む)である。
【
図8】
図8は、本開示の実施例1の台座部分の立体構造概略図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施例1の台座部分の断面図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施例1の可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの立体構造概略図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施例1の可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの底面図である。
【
図12】
図12は、本開示の実施例1の可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ(第二プラスチック体を除去する)の底面図である。
【
図13】
図13は、本開示の実施例1の可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ(第二プラスチック体を除去する)の立体構造概略図である。
【
図14】
図14は、本開示の実施例1の磁気回路構造の概略図である。
【
図15】
図15は、本開示の実施例1の構造断面図(ハウジングを含まず、且つ磁気回路の常閉端が閉じている)である。
【
図16】
図16は、本開示の実施例1の構造断面図(ハウジングを含まず、且つ磁気回路の常開端が閉じている)である。
【
図17】
図17は、本開示の実施例1のコイル端子及び固定接点ばねの分布概略図である。
【
図18】
図18は、本開示の実施例1のコイル端子、固定接点ばね及び可動接点ばね片が係合する応用概略図である。
【
図19】
図19は、本開示の実施例2の立体構造概略図(ハウジングを含まない)である。
【
図20】
図20は、本開示の実施例2の台座部分の立体構造概略図である。
【
図21】
図21は、本開示の実施例2の可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ(第二プラスチック体を除去する)の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例一
図4から
図18に示すように、本開示の高い沿面距離を有する超小型リレーは、ハウジング1、台座部分2及び可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ3を含む。前記台座部分2はコイル26、鉄心21、固定接点ばね、コイル端子22及び第一プラスチック体23を含み、第一プラスチック体23は射出成形方式によってコイル26、鉄心21、固定接点ばね、コイル端子22を一体部材に集積し、且つ第一プラスチック体23はコイル26を完全に被覆し、コイル26はボビン及びエナメル線を含み、本実施例において、コイル26の軸線は水平に設置され、鉄心21の両端の極面211はそれぞれ第一プラスチック体23内から突出して第一プラスチック体23の上端までに延在され、且つそれぞれ第一プラスチック体23の両端に位置し、コイル端子22は2つであり、2つのコイル端子22はそれぞれ第一プラスチック体23の一端に位置し、即ちコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分は第一プラスチック体の一端に位置し、コイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分はコイル引出端子221を含み、コイル端子22のコイル引出端子221はほぼ第一プラスチック体23の一端の角部位置に位置し、第一プラスチック体23は台座を含む。前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ3は二組の可動接点ばね片31、一つのアーマチュア32及び第二プラスチック体33を含み、第二プラスチック体33は射出成形方式によって二組の可動接点ばね片31、アーマチュア32を一体部材に集積し、ここで、コイル軸線方向に沿って、アーマチュア32は中間にあり、二組の可動接点ばね片31はそれぞれアーマチュア32の両側にある。前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ3の中間位置の両側にそれぞれ溶接ラグ構造311が設けられ、可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ3の溶接ラグ構造311は台座部分2の頂端の中間位置に取り付けられ、且つ可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ3における第二プラスチック体33から露出するアーマチュア32の両端はそれぞれ鉄心21の両端の極面211に対応して協力する。前記台座部分2において、第一プラスチック体23に射出成形された固定接点ばねは常開固定接点ばね片24及び溶接台25のみを含み、常閉固定接点ばね片を含まず、常開固定接点ばね片24は第一プラスチック体23の他端の位置に位置し、溶接台25は第一プラスチック体23の中央位置に対応し、且つ少なくとも可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ3の溶接ラグ構造311を支持することに用いられ、常閉固定接点ばね片を除去することによってコイル端子と固定接点ばねとの間の第一プラスチック体の外部における沿面距離を向上させる。本実施例において、鉄心はU型形状である。
【0024】
本実施例において、前記溶接ラグ構造311は可動接点ばね片31に一体に設けられ且つ第二プラスチック体33の外に露出する。前記可動接点ばね片31は溶接ラグ構造に対して非対称構造であり、可動接点ばね片31の常開固定接点ばねに対応する一側に第二プラスチック体の外に露出する常開側312が設けられ、可動接点ばねの常開側312に常開可動接点313が取り付けられ、可動接点ばね片31の常開側に対応する他側は第二プラスチック体33内に完全に被覆される。
【0025】
本開示は、シーソー型リレーの常閉固定接点ばね及び可動接点ばねの常閉側を除去することにより、常開型シーソー型リレーとなる。
【0026】
本実施例において、第一プラスチック体23の水平断面は矩形又は矩形に近い形状を呈し、前記第一プラスチック体23における矩形の長辺に対応する側壁即ちコイル軸線に平行な側壁231には、コイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分と第一プラスチック体23から露出する溶接台25との間に対応する沿面距離に第一凹溝232が設けられ、第一凹溝232を利用してコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分と溶接台5との間の沿面距離を増加させる。
【0027】
本実施例において、第一プラスチック体23の矩形の長辺に対応する側壁231には、前記第一プラスチック体23の一端に近接する頂端にさらに第一障壁235が上向きに突出して延設され、それによりコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心21を通って常開端接点までの間の沿面経路が第一プラスチック体23の矩形の短辺に対応する側壁233に沿ってクリープする。
【0028】
本実施例において、前記第一プラスチック体23において、第一プラスチック体23の矩形の短辺に対応する側壁即ちコイル軸線に垂直な側壁233には、コイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分と鉄心21の一端との間に対応する沿面経路第二凹溝234が設けられ、第二凹溝234を利用してコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心を通って常開端接点までの間の沿面距離を増加させる。
本実施例において、前記第一プラスチック体23の上端には、鉄心21の他端と常開端接点との間に対応する沿面経路に第二障壁236がさらに設けられ、前記第二障壁236を利用してコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心を通って常開端接点までの間の沿面距離をさらに増加させる。
【0029】
本実施例において、前記可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせ3はさらに永久磁石34を含み、前記永久磁石34はアーマチュアの長手方向即ちコイルの軸線方向に沿って分布し、且つ前記アーマチュア32と積層され、且つ永久磁石34は第一プラスチック体の他端のこの片側方向に向かってオフセットされ、実際には、可動接点ばね片31の常開側312のこの片側方向に向かってオフセットされる。つまり、永久磁石34の中間線はアーマチュア32の中間線に対してオフセット状態を呈し、且つ磁気回路の常開端にオフセットする。
【0030】
本実施例において、前記二組の可動接点ばね片31において、常開側に対応する他側の間はさらに接続シート35によって電気的に接続され、且つ前記接続シート35は前記第二プラスチック体33内に完全に被覆される。接続シートは二組の可動接点ばね片31の常開側に対応する他側の間に一体成形されてもよく、この時の二組の可動接点ばね片31は同一の部品であり、ほぼU字形である。接続シートは単独の部品であってもよく、接続シートの両端は溶接方式によって二組の可動接点ばね片31の常開側に対応する他側に固定され、又は接続シートの両端は二組の可動接点ばね片31の常開側に対応する他側に掛けられ且つ射出成形され、それにより接続シートの両端がそれぞれ二組の可動接点ばね片31に密着することを実現する。
【0031】
本実施例において、前記接続シート35は第二プラスチック体33の対応端の端部位置に近接し、それにより永久磁石34に十分な配置空間を提供する。
【0032】
本実施例のリレーは一組の常開型リレーである。
【0033】
本開示の高い沿面距離を有する超小型リレーは、台座部分2において、第一プラスチック体23に射出成形された固定接点ばねが常開固定接点ばね片24及び溶接台25のみを含み、常閉固定接点ばね片を含まず、常開固定接点ばね片24が第一プラスチック体のコイル軸線に対応する他端に位置し、溶接台25がコイル軸線の中央位置に対応し、且つ少なくとも可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせの溶接ラグ構造を支持することに用いられる。本開示のこのような構造は、台座部分2における常閉固定接点ばね片を除去することによってコイル端子22と固定接点ばねとの間の沿面距離を向上させることができ、リレーの体積を増加させない前提で、コイルと接点との間の沿面距離を効果的に向上させることを実現し、それにより新エネルギー、車載等の分野におけるリレーの入力及び出力に対してますます高くなる絶縁要件を満たす。
【0034】
本開示の高い沿面距離を有する超小型リレーは、第一プラスチック体23において、リレーの入力及び出力(即ち、コイルと接点との間)のコイル端子と溶接台との間に対応する沿面経路に第一凹溝232が設けられ、それによりコイルと接点との間の沿面距離をさらに向上させることができる。本開示は第一プラスチック体23中において、リレーの入力及び出力(即ち、コイルと接点との間)のコイル端子に対応して鉄心21と常開端接点との間のこの沿面経路にさらに第二凹溝234と第二障壁236が設けられ、且つ第一障壁235を利用して、沿面経路を第一プラスチック体の矩形の長辺に対応する側壁231から第一プラスチック体の矩形の短辺に対応する側壁233クリープに沿ってクリープさせ、それによりコイルと接点との間の沿面距離をさらに向上させることができる。
図5、
図6及び
図8に示すように、コイル端子と常開端接点との間の沿面距離は二本あり、一本の沿面距離はコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分から溶接台25まで(溶接台が常開端接点に直接連通するため)であり、当該沿面距離の沿面距離Sはコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分から溶接台25までであり、他の一本の沿面距離はコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心を経て常開端接点までであり、当該沿面経路の沿面距離はコイル端子22の第一プラスチック体から露出する部分から鉄心21の一端までの距離D1と鉄心21の他端から常開端接点までの距離D2との和であり、二本の沿面距離のうち、沿面距離が短い方が、リレーのコイルと接点との間の沿面距離となる。
【0035】
本開示の高い沿面距離を有する超小型リレーは、永久磁石34がアーマチュアの長手方向即ちコイルの軸線方向に沿って分布し、且つ前記アーマチュア32と積層され、且つ永久磁石34は第一プラスチック体の他端の片側方向に向かってオフセットし、即ち可動接点ばね片の常開側の片側方向に向かってオフセットする。
図14から
図16に示すように、本開示のこのような構造は、非平衡型の二重磁気回路構造を用いることにより、常開端により大きな偏向力を持たせ、シーソー型リレーの常閉接点圧力がないためにリレーが駆動しにくく又は駆動しにくい等の現象の発生を回避し、リレーを確実に動作させることができる。
図15に示すようにリレーが初期状態にある場合、この時に永久磁石の磁力と可動接点ばねの弾性反力は同じ方向であり、アーマチュア復元力=永久磁石の磁力+可動接点ばねの弾性反力である。従来技術の構造では、常閉接点のオーバーランによる接点圧力が発生し、即ちアーマチュア復元力=永久磁石の磁力+可動接点ばねの弾性反力-常閉接点圧力である。
図16に示すように、リレーは動作状態(常開接点が閉じる)にあり、この時にリレーはコイル吸引力を受け、永久磁石の磁力と可動接点ばねの弾性反力は逆方向であり、この時にアーマチュア復元力=コイルの電磁吸引力+永久磁石の磁力-可動接点ばねの反力-接点圧力である。
【0036】
本開示の高い沿面距離を有する超小型リレーは、第一プラスチック体の共通端に対応する位置に可動接点ばねとアーマチュアの組み合わせを支持するための溶接ラグ構造の溶接台25のみが設けられて引出端子が設けられず、且つ二組の可動接点ばね片31の常開側に対応する他側の間が接続シート35によって一体に接続され、且つ接続シート35を第二プラスチック体33の対応端の端部位置に接近させることにより、永久磁石に十分な配置空間を提供する。本開示のこのような構造は、
図18に示すように、接続シート35を介して二組の可動接点ばね片31を電気的に接続し、常開端接点の直列接続を実現し、接点隙間は従来技術のリレーの接点隙間の二倍であり、接点の隙間、接点を切断する耐圧及び製品の切断能力を効果的に向上させることができ、このように、外部の直列接続を必要とせず、接点隙間の耐圧及び接点隙間を切断する距離を満たすことができる。
【0037】
実施例2
図19から
図21に示すように、本開示の高い沿面距離を有する超小型リレーは、実施例1との相違点は以下の通りである。前記固定接点ばねにおいて、溶接台25にさらに第一プラスチック体23から露出する共通端引出端子251が下向きに設けられ、前記共通端引出端子251は第一プラスチック体23の他端の方向に向かってオフセットされる。それにより本実施例のリレーは二組の常開型リレーとなる。
【0038】
以上は本開示の好適な実施例に過ぎず、本開示をいかなる形式で制限するものではない。本開示は好適な実施例によって以上のように開示したが、本開示を限定するものではない。当業者であれば、本開示の技術的解決手段の範囲から逸脱することなく、上記開示された技術的内容を利用して本開示の技術的解決手段に対して多くの可能な変更及び修飾を行うことができ、または同等の等価実施例に修正することができる。したがって、本開示の技術的解決手段の内容から逸脱せずに、本開示の技術の本質に基づいて以上の実施例に対して行われた任意の簡単な修正、同等の変化及び修飾は、いずれも本開示の技術的解決手段の保護範囲内に含まれるべきである。
【国際調査報告】