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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】ロッド状の物品の検査方法
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/34 20060101AFI20231025BHJP
   A24C 5/01 20200101ALI20231025BHJP
【FI】
A24C5/34 A
A24C5/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524341
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021079121
(87)【国際公開番号】W WO2022084406
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】20203167.0
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ナヴァッキア エウジェニオ
(72)【発明者】
【氏名】モントレオーネ イヴァーノ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CF06
4B144CL01
4B144CL20
4B144CM14
(57)【要約】
本発明は、ロッド状の物品の検査方法に関し、方法は、複数の座を有する第一のドラムを提供することと、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供することと、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、第一のサセプタを含むロッド状の物品を提供することであって、第一のサセプタが導電性材料を含む、提供することと、ロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入することと、ロッド状の物品の挿入中に、コイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を検出することと、インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、ロッド状の物品を破棄することとを含む。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド状の物品の検査方法であって、
複数の座を有する第一のドラムを提供することと、
前記第一のドラムの前記複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供することと、
前記第一のドラムの前記複数の座のうちの前記少なくとも一つの座に、第一のサセプタを含むロッド状の物品を提供することであって、前記第一のサセプタが導電性材料を含む、提供することと、
前記ロッド状の物品を前記誘導性センサーの前記コイルの中に挿入することと、
前記ロッド状の物品の前記挿入中に、前記コイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を検出することと、
前記インピーダンスの前記パラメータ関数の前記最大値または前記最小値に基づいて、前記ロッド状の物品を破棄することと、を含む、方法。
【請求項2】
前記インピーダンスのパラメータ関数の前記最大値または前記最小値を閾値と比較することと、
前記比較に基づいて前記ロッド状の物品を破棄することと、を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ロッド状の物品の前記挿入中の前記コイルの前記インピーダンスの前記パラメータ関数の前記最大値または前記最小値に基づいて、前記第一のサセプタの長さを測定することを含む、請求項1~2の一項以上に記載の方法。
【請求項4】
前記ロッド状の物品の前記挿入中の時間の関数として、前記コイルの前記インピーダンスの前記パラメータ関数を測定することを含む、請求項1~3の一項以上に記載の方法。
【請求項5】
前記コイルの中への前記ロッド状の物品の挿入中の時間の関数として、前記コイルの前記インピーダンスの前記パラメータ関数によって画定された前記プロファイルに基づいて、前記第一のサセプタの前記長さを測定することを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記第一のサセプタが、名目上の長さを有し、かつ前記第一のドラムの前記複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供する前記工程が、
前記第一のドラムの前記複数の座のうちの少なくとも一つの座に、前記第一のサセプタの前記名目上の長さよりも長い長さを有するコイルを備える誘導性センサーを提供することを含む、請求項1~5の一項以上に記載の方法。
【請求項7】
前記ロッド状の物品が長軸方向軸を有し、かつ前記第一のドラムが回転軸を有し、かつ前記第一のドラムの前記複数の座のうちの前記少なくとも一つの座に、第一のサセプタを含むロッド状の物品を提供する工程が、
前記第一のドラムの前記複数の座のうちの前記少なくとも一つの座に、前記回転軸に実質的に平行な前記長軸方向軸を有する前記ロッド状の物品を提供することを含む、請求項1~6の一項以上に記載の方法。
【請求項8】
前記ロッド状の物品が第一の端および第二の端を有し、かつ前記第一のサセプタが前記ロッド状の物品の前記第一の端に位置し、かつ前記ロッド状の物品を前記誘導性センサーの前記コイルの中に挿入する前記工程が、
前記ロッド状の物品の前記第一の端が前記コイル内に位置するように、前記ロッド状の物品を前記誘導性センサーの前記コイルの中に挿入することを含む、請求項1~7の一項以上に記載の方法。
【請求項9】
前記インピーダンスの前記パラメータ関数の前記最大値または最小値に基づいて、前記ロッド状の物品を破棄する前記工程が、
前記インピーダンスの前記パラメータ関数の前記最大値または前記最小値が、予め設定された範囲外である場合に、前記ロッド形状を破棄することを含む、請求項1~8の一項以上に記載の方法。
【請求項10】
前記ロッド状の物品が、第一の端および第二の端および第二のサセプタを有し、前記第一のサセプタが前記ロッド状の物品の第一の端に位置し、かつ前記第二のサセプタが前記ロッド状の物品の第二の端に位置し、かつ
複数の座を有する第二のドラムを提供することと、
前記第二のドラムの前記複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供することと、
前記ロッド状の物品が、前記第二のドラムの前記複数の座のうちの前記少なくとも一つの座の中に収容されるように、前記ロッド状の物品を前記第一のドラムから前記第二のドラムに移送することと、
前記ロッド状の物品の前記第二の端が前記コイル内にあるように、前記ロッド状の物品を前記第二のドラムの前記誘導性センサーの前記コイルの中に挿入することと、
前記ロッド状の物品の前記挿入中に、前記コイルの前記インピーダンスの前記パラメータ関数の最大値または最小値を検出することと、
前記インピーダンスの前記パラメータ関数の前記最大値または前記最小値に基づいて、前記ロッド状の物品を破棄することと、を含む、請求項1~9の一項以上に記載のロッド状の物品の検査方法。
【請求項11】
前記誘導性センサーの前記コイルの中に前記ロッド状の物品を挿入する前記工程が、
前記ロッド状の物品を前記コイルの中に挿入するように、前記ロッド状の物品を前記座の底面上で摺動させることを含む、請求項1~10の一項以上に記載の方法。
【請求項12】
前記ロッド状の物品を前記コイルの中に挿入するように、前記ロッド状の物品を前記座の底面上で摺動させる前記工程が、
前記ロッド状の物品を、空気流によって前記コイルの内部に押すことを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記コイルが、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる前記コイルを形成する第一の動作位置から、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互から分離され、いかなる電流も流れることができない第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、前記ロッド状の物品を前記誘導性センサーの前記コイルの中に挿入する前記工程が、
前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルを前記第二の動作位置から前記第一の動作位置に移動させることを含む、請求項1~10の一項以上に記載の方法。
【請求項14】
名目上の長さと等しい長さを有する、第一のサセプタ、または第二のサセプタ、またはその両方を含むロッド状の物品を使用して、前記誘導性センサーを較正することを含む、請求項1~13の一項以上に記載の方法。
【請求項15】
前記ロッド状の物品が、エアロゾル発生物品の構成要素を含む、請求項1~14の一項以上に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッド状の物品、好ましくはエアロゾル発生物品の構成要素を検査する方法に関する。本発明の方法による検査は、誘導性センサーによって実施される。
【0002】
エアロゾル発生装置は周知であり、これはエアロゾル形成基体および誘導加熱装置を備える。誘導加熱装置は誘導源を備え、これはサセプタ内で熱を発生する渦電流およびヒステリシス損失を誘発する交流電磁場を生成する。サセプタはエアロゾル形成基体(例えば、たばこ基体)と熱的に近接している。加熱されたサセプタは次に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する材料を含むエアロゾル形成基体を加熱する。
【背景技術】
【0003】
一部の構成要素において、サセプタは、エアロゾル発生物品の構成要素の内部に位置付けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
製造公差を理由に、構成要素内のサセプタが望ましい位置にない、または適正な向きを有しないことが生じる場合がある。サセプタが正しくない位置または向きのままである場合、構成要素がエアロゾル発生装置内で使用されている時のエアロゾルの送達に関して、製品の適合性の欠如が起こる場合がある。
【0005】
従って、こうした欠陥を可能な限り早期に検出して、適合する製品のみが製造されることと、不必要なコストおよび無駄が回避されることとを確実にすることが望ましい。
【0006】
さらに、構成要素(サセプタを包含する構成要素を含む)は、高速(例えば、毎分5000個の構成要素など)で加工される。それ故に、こうした構成要素をチェックして製造要件への適合を判定できる時間窓は比較的に短い。例えば、構成要素がコンバイナのドラムの中に位置付けられている時に、構成要素は高速回転速度を有し、センサーが必要なデータを捕捉してサセプタの形状、位置、または存在もしくは不在を評価するための時間窓は約200ミリ秒である。
【0007】
それ故に、比較的に高速でサセプタに関連する欠陥を検出することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一態様によると、本発明は、ロッド状の物品の検査方法に関し、方法は、複数の座を有する第一のドラムを提供することを含む。方法は、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供することを含むことが好ましい。方法は、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、第一のサセプタを含むロッド状の物品を提供することを含むことが好ましく、第一のサセプタは導電性材料を含む。方法は、ロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入することを含むことが好ましい。方法は、ロッド状の物品の挿入中に、コイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を検出することを含むことが好ましい。方法は、インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、ロッド状の物品を破棄することを含むことが好ましい。
【0009】
本発明の方法は、第一のドラムを提供することを含む。第一のドラムは、第一のドラムが周りを回転するように適合されているドラム回転軸を画定する。第一のドラムは、例えばギアまたは歯付きベルトを備えるドラムドライブによって機械的に駆動されることができる。第一のドラムは、電気ドラムドライブによって駆動されてもよい。第一のドラムは、円筒状形状であることが好ましい。第一のドラムは、外表面を備えることが好ましい。外表面は、例えば幾何学的中心としてドラム回転軸を有する実質的に円筒状の表面である。
【0010】
第一のドラムは、ロッド状の物品を搬送し、第一のドラムの回転軸を中心として回転させるように適合されている。第一のドラムは、複数のロッド状の物品を搬送し、回転させるように適合されていることが好ましい。第一のドラムは、N個のロッド状の物品を搬送および回転するように適合されていることが好ましく、ここで、5<N<100であり、より好ましくは20<N<50である。
【0011】
第一のドラムは、少なくとも座を備え、座は好ましくはドラムの外表面上に形成されている。第一のドラムは、座内で搬送中にロッド状の物品を保持するように適合されていることが好ましい。例えば、第一のドラムは、その回転軸を中心とする第一のドラムの回転中に、ロッド状の物品を座内に保持するように適合されている。座は、座軸に沿って長軸方向に延びることが好ましい。座は、第一のドラムが回転するにつれて、ロッド状の物品を受容するように適合されている。ロッド状の物品は、その長軸方向軸が座軸に平行な状態で座内に嵌合することが好ましい。各座は、座軸とロッド状の物品の長軸方向軸とが平行である時に、ロッド状の物品をその中に収容することができるように構成されていることが好ましい。座軸とロッド状の物品の長軸方向軸は、合致することがより好ましい。座は、単一のロッド状の物品を収容するように適合されていることが好ましい。
【0012】
座軸は、第一のドラムの回転軸に平行であることが好ましい。そのため、ロッド状の物品が座内に位置付けられている時に、ロッド状の物品の長軸方向軸は、第一のドラムの回転軸に平行であることが好ましい。
【0013】
第一のドラムは、N個の座を備えることが好ましく、ここで、5<N<100であり、より好ましくは20<N<50である。すべての座は、第一のドラムの周辺表面に形成されていることが好ましい。座は、第一のドラムの外表面の周りに均等に離隔していることがより好ましい。一部の実施形態において、第一のドラムは40個の座を備える。
【0014】
第一のドラム内に存在するすべての座は、同じ幾何学的形状を有することが好ましい。例えば、各座は、ロッド状の物品の外表面に接触するように適合された受容表面を備える。受容表面は、陥凹表面、例えば円筒状表面の一部分を含むことが好ましい。受容表面は、第一のドラムの外表面の一部分である。受容表面は、第一のドラムによって搬送されるロッド状の物品の直径と等しい、またはこれよりもわずかに大きい直径を有する円筒状表面の一部分であってもよい。受容表面の軸は、座軸を画定する。
【0015】
座軸は第一のドラムの回転軸に平行であることが好ましく、従ってロッド状の物品が第一のドラムの座内に位置付けられている時に、それらの長軸方向軸は第一のドラムの回転軸に平行である。
【0016】
第一のドラムはまた、外表面の二つの対向する側面に位置する、第一の側面および第二の側面を備えることが好ましい。座は、第一の側面から反対側の第二の側面に延びることが好ましい。座が二つの端にて「開放」しているように、座は第一の側面、または第二の側面、またはその両方に到達してもよい。別の方法として、座端は第一の側面または第二の側面に到達せず、この場合、座は「閉鎖した」座である。
【0017】
各座は、ドラムが回転する間、吸引によってロッド状の物品を座内に保持するように適合された、吸引システムまたは空気圧システムに接続された吸引開口を含むことが好ましい。例えば、ロッド状の物品のサイズおよび重量に応じて、二つ以上の吸引開口が存在してもよい。
【0018】
本発明によると、ロッド状の物品は第一のドラムの座の中に提供されている。ロッド状の物品は、第一のドラムの複数の座内に提供されていることが好ましい。ロッド状の物品は、長軸方向軸を画定することが好ましい。ロッド状の物品は、第一の端および第二の端を画定することが好ましい。
【0019】
長軸方向軸に垂直な平面に沿ったロッド状の物品の断面は、円または楕円形であることが好ましい。しかしながら、ロッド状の物品はまた、長方形または多角形の断面を有してもよい。ロッド状の物品は、長軸方向軸に沿って延びる、好ましくは実質的に円筒状の外表面を備える。実質的に円筒状のロッド状の物品の場合、長軸方向軸は円筒の軸に対応する。
【0020】
ロッド状の物品は、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生物品の構成要素、またはエアロゾル発生物品の二つ以上の構成要素を含むことが好ましい。エアロゾル発生物品の構成要素は、エアロゾル形成基体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。
【0021】
ロッド状の物品は、第一のサセプタをさらに備える。第一のサセプタはエアロゾル形成基体と熱的に接触していることが好ましい。熱的接触は、エアロゾル形成基体を加熱するために作り出される。加熱に伴い、エアロゾル形成基体はエアロゾルを放出する。第一のサセプタはエアロゾル形成基体によって囲まれていることが好ましい。第一のサセプタは、ロッド状の物品の構成要素の中に完全に挿入されていていること、すなわち第一のサセプタは、ロッド状の物品の外側から見えないことが好ましい。第一のサセプタは、すべての方向において、エアロゾル形成基体によって囲まれていることが好ましい。
【0022】
第一のサセプタは、ロッド状の物品の第二の端よりも、ロッド状の物品の第一の端に近いことが好ましい。長軸方向軸に垂直な平面であるとし、第一の端を含む第一の半部と第二の端を含む第二の半部とにロッド状の物品を分割すると、第一のサセプタは、主に第一の半部内にあることが好ましい。第一のサセプタは、ロッド状の物品の第一の端にて、またはその近傍に位置することが好ましい。第一のサセプタは、ロッド状の物品の構成要素の中に完全に挿入されていることが好ましい。第一のサセプタは、ロッド状の物品の構成要素の第一の端から第二の端に延びることが好ましい。第一のサセプタは長軸方向軸を画定することが好ましい。第一のサセプタは、第一のサセプタの長軸方向軸がロッド状の物品の長軸方向軸に平行であるように、ロッド状の物品の中に挿入されていることが好ましい。第一のサセプタの長軸方向軸は、ロッド状の物品の長軸方向軸に平行である、または20度より小さい角度を形成することが好ましい。第一のサセプタの長軸方向軸とロッド状の物品の長軸方向軸とは、合致することがより好ましい。
【0023】
第一のサセプタの長軸方向軸は、第一のサセプタの対称軸であってもよい。
【0024】
第一のサセプタは導電性材料で実現される。第一のサセプタは金属で実現されることが好ましい。第一のサセプタは強磁性材料で実現されることが好ましい。第一のサセプタは導電性材料で実現されるものの、他の材料、例えば固体(異なる材料の層など)、または液体(ゲルなど)によって覆われてもよい。
【0025】
第一のサセプタは、細片の形状を有することが好ましい。第一のサセプタの厚さは、30マイクロメートル~60マイクロメートルから成ることが好ましい。第一のサセプタの長さは、5ミリメートル~20ミリメートルから成ることが好ましい。
【0026】
ロッド状の物品は、ラッピングシートの中に巻かれていることが好ましい。
【0027】
少なくともドラムの座は、誘導性センサーと関連付けられている。より好ましくは、ドラムの複数の座、なおより好ましくは、ドラムのすべての座は、誘導性センサーと関連付けられている。技術分野において、誘導性センサー(inductive sensor)と誘導センサー(induction sensor)は同義語である。誘導性センサーは、磁場によって誘発された電流を使用して、金属物体などの近くの導電性物体を検出する。誘導性センサーは、高周波磁場などの磁場を発生するために、インダクタであるコイルを備える。ロッド状の物品の中に埋め込まれた第一のサセプタなどの導電性物体が、変化する磁場の近くにある場合、電流は導電性物体内で流れることになる。この結果として生じる、導電性物体内の電流の流れは、コイル内に流れる電流によって形成された元の磁場と反対の新しい磁場を作り出す。正味の効果は、誘導性センサー内のシステム「コイルおよび第一のサセプタ」のインピーダンス、例えば抵抗などを変化させることである。インピーダンスを測定することによって、センサーは、導電性材料がいつ誘導性センサーの近くにもたらされたかを判定することができる。インピーダンスの変化は、物体が作製される導電性材料のタイプと、物体とセンサーの間の距離と、物体のサイズおよび形状とに依存する。
【0028】
誘導性センサーは、例えばTexas Instrumentsの集積回路LCD 1101であってもよい。誘導性センサーは、第一のサセプタと等価な抵抗を測定することが好ましい。誘導性センサーは、共振器によって散逸されたエネルギーを監視しながら、一定のレベルで閉ループ構成で振動の振幅を調節することによって、等価なシステム「コイルおよび第一のサセプタ」のインピーダンスおよび共振周波数を測定してもよい。共振器の中に注入された電力の量をモニターすることによって、誘導性センサーは、共振器の等価な並列抵抗を判定し、それをデジタル値として返すことができる。
【0029】
それ故に、コイルのインピーダンスの関数であるパラメータを検出するために、誘導性センサーはドラムの座と関連付けられていて、好ましくは、複数の誘導性センサーは、座当たり一つのセンサーで、ドラムの複数の座と関連付けられている。システム「コイルおよび第一のサセプタ」の関数であるパラメータが検出されることが好ましい。
【0030】
インピーダンスのパラメータ関数は、コイルのインピーダンスZ自体、またはコイルの等価抵抗、またはコイルのインダクタンスであることが好ましい。
【0031】
誘導性センサーは、内部体積を画定するコイルを含む。内部体積は、コイルの巻線によって区切られる。例えば、誘導性センサーは、ワイヤの複数の巻線を備える円筒状コイルを含む。コイルはコアを含まない、すなわち内部体積は空気を含むことが好ましい。コイルの内部体積は、ロッド状の物品を少なくとも一部分について、コイルの内部に挿入することができるほど十分に大きいことが好ましい。コイルの全長は、第一のサセプタの長さよりも長いことが好ましい。第一のサセプタの長さは、第一のサセプタの長さの測定が望ましい場合、第一のサセプタの名目上の長さを意味する。適正な挿入のために、コイルの内径は、ロッド状の物品の直径よりも大きいことが好ましい。コイルは、以下においてコイル軸と呼ばれる長軸方向軸を画定することが好ましい。
【0032】
ロッド状の物品は、誘導性センサーのコイルの中に挿入されていることが好ましい。挿入は完全であることができ、すなわちロッド状の物品全体がコイルの内部体積内に収容される、または部分的にのみ、すなわちロッド状の物品の一部分のみがコイルの内部体積内に収容される。しかしながら、ロッド状の物品は、挿入中に第一のサセプタ全体がコイルの内部体積内に位置するように、コイルの中に挿入されていることが好ましい。
【0033】
誘導性センサーのコイルは、コイル軸と座軸が相互に平行であるようなやり方で、第一のドラムの座に据え付けられていることが好ましい。これは好ましくは結果として、座内に存在する時に、コイル軸とロッド状の物品の長軸方向軸も同様に平行であることを意味する。
【0034】
誘導性センサーは、ロッド状の物品内部の第一のサセプタの存在に起因して変化する、コイルのインピーダンスのパラメータ関数を測定するために使用される。この理由のため、検査装置は制御ユニットを含むことが好ましい。制御ユニットは、誘導性センサーに電気的に接続されている。制御ユニットは、インピーダンス自体などのインピーダンスのパラメータ関数を評価するために、誘導性センサーから来る信号を精緻化する。制御ユニットは、誘導性センサーの一部であってもよい。制御ユニットはまた、以下に詳述の通り、インピーダンスのパラメータ関数の最大または最小を計算するように適合されてもよい。
【0035】
ロッド状の物品を誘導性センサーの中に挿入するために、ロッド状の物品と誘導性センサーの間の相対的な移動が行われる。
【0036】
コイルの中へのロッド状の物品の挿入は、ロッド状の物品の第一の端から行われることが好ましい。第一のサセプタは、第二の端よりも第一の端に近いことが好ましく、それ故に第一の端からの挿入に必要なコイルは、サセプタがコイルの内部体積内に完全に挿入されるために、第二の端からの挿入よりも短い。このようにして、ロッド状の物品の限られた部分のみが、第一のサセプタの特性を調査するためにコイルの中へと入る必要がある。
【0037】
ロッド状の物品をコイルの中に挿入するための移動は、コイル軸に平行な方向での直線的な移動であることが好ましい。移動は、座軸に平行な直線的な移動であることが好ましい。移動は、コイルへと向かうロッド状の物品の移動(およびコイルは静止している)、またはロッド状の物品へと向かうコイルの移動(およびロッド状の物品は静止している)、または相互へと向かうコイルとロッド状の物品の両方の移動のいずれかとすることができる。要素が静止していると言われる場合、ドラムの外表面について述べられていることが理解される。それ故に、コイルまたはロッド状の物品は、ドラムの外表面に対して静止していてもよい。外表面自体は、ロッド状の物品の検査中に回転する。
【0038】
コイル、またはロッド状の物品、またはその両方の移動は、多くの異なるやり方で実施されることができる。例えば、コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含む。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、コイルの長軸方向軸に平行な平面に沿って分割されたコイルの二つの部分である。従って、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、異なるサイズを有してもよい。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、コイルの長軸方向軸を包含する平面に沿って分割された時に、各々コイルの半部であることがより好ましい。各半コイルは、複数の半分の巻線を含む。各半分の巻線は、例えば円周の円弧、より好ましくは半分の円周である。第一の半コイルの円周の円弧と、第二の半コイルの対応する円周の円弧とは、コイルの巻線を形成する。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、他方に対して移動可能である。第一の半コイル、または第二の半コイル、またはその両方によって実施される移動は、好ましくは平行移動、すなわち直線的な移動である。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが、完全なコイルが形成されるようなやり方で接触していて、電流がコイルの巻線の中に流れることができる、第一の動作可能な位置にあってもよい。この第一の動作可能な位置において、第一の半コイルの半分の巻線の各々は、第二の半コイルの半分の巻線に対応する。さらに、第二の半コイルの各半分の巻線に対して、第一の半コイルの半分の巻線が対応する。この第一の動作位置において、第一の半コイルと第二の半コイルの間の接触は、二つの半コイルによって形成されたコイル内に電流が流れることができるような接触である。従って、誘導性センサーは、サセプタの特性を検出することができる。導電性の細片は、例えば第二の半コイルまたは第一の半コイルが摺動する、ドラムの外表面上に形成されてもよい。
【0039】
このシステムで、ロッド状の物品は、座内に位置付けられ、周りにコイルが「形成される」時に、静止したままである。それ故に、ロッド状の物品が一旦ドラムの座上に位置付けられると、サセプタのインピーダンスのパラメータ関数の測定を得るために、ロッド状の物品の移動は必要とされない。測定は、誘導性センサーを用いて可能である迅速な測定に起因して、非常に高速とすることができる。ロッド状の物品を移動させるために、複雑な機械部品は必要とされない。ロッド状の物品は、ドラム内での不適切な取り扱いに起因する変形を回避する。
【0040】
別の方法として、ロッド状の物品は、コイルの内部に押されてもよい。ロッド状の物品の挿入は、例えばロッド状の物品がドラムの座に位置付けられている時に行われる圧縮空気の流れの排出によって行われてもよい。この場合、コイルは静止していて、ロッド状の物品は移動する。
【0041】
誘導性センサーによって実施される測定は、単一の測定ではなく、複数の測定であることが好ましい。様々な測定は、固定周波数で実施されることが好ましい。従って、コイルのインピーダンスの値関数の測定は、所与の時間間隔で数回繰り返されることが好ましい。繰り返しは、コイルのインピーダンスのパラメータ関数が、コイルからの第一のサセプタの距離に応じて、およびコイルの内部への第一のサセプタの挿入の程度に応じて変化するという事実に起因する。第一のサセプタ全体がコイルの内部に挿入されている時に、この値の最大値または最小値(値の計算方法による)に到達する。
【0042】
動作時に、ロッド状の物品は、第一のサセプタによって変更される際に、誘導性センサーによってコイルのインピーダンスのパラメータ関数の測定が実施されるドラムの座内に位置付けられている。ロッド状の物品の座の中に位置付けることは、例えば別のドラムまたはコンベアからの移送に起因する場合がある。
【0043】
ロッド状の物品が座内に着座すると、コイルの全長を流れるように電流が作られ、インピーダンスのパラメータ関数の検出を行うことができる。第一のサセプタが存在しない場合、渦電流は作り出されず、またコイルによって形成された磁場に変化はない。従って、この場合、コイルのインピーダンスは挿入中に変化しない。コイルの「変化しない」インピーダンスの値はそれ故に、考慮される最大値または最小値である。
【0044】
その他の場合において、ロッド状の物品がコイルに近づく(またはコイルがロッド状の物品に近づく)間に、インピーダンスの値が変化し、この変化は、誘導性センサーによって実施される様々な測定によって検出される。変動は、第一のサセプタ全体がコイルの中に挿入されるまで検出されることが好ましい。変動はまた、ロッド状の物品がコイルから抜き出される時に検出されることが好ましい。
【0045】
コイルのインピーダンスのパラメータ関数の測定は、最大または最小またはその両方を有する。この最大または最小は、第一のサセプタの特性の兆候である。実際、誘導性センサーによって出力される信号は、第一のサセプタの材料、サイズ、形状、距離に依存する。材料は既知であり、また距離は測定可能であり、第一のサセプタのサイズまたは形状は測定されることができる。重量を知ることによってなど、サイズを知ることによって、第一のサセプタの寸法は、例えば誘導性センサーによって測定されたシステム「コイルおよび第一のサセプタ」のインピーダンス(第一のサセプタの特性にも依存する「コイルおよび第一のサセプタ」のインピーダンス)に対する信号の最小または最大から得られる場合がある。このようにして、サセプタがサセプタ全体であるかどうかは、例えば判定されることができる。
【0046】
単純で迅速な測定を用いて、インピーダンスの値関数の最大または最小が所望の通りでない場合に、ロッド状の物品を破棄することができる。インピーダンスの値関数の最大または最小の適切ではない値は、短すぎる第一のサセプタ、大きすぎる第一のサセプタ、材料を欠如している第一のサセプタ、第一のサセプタの欠如、第一のサセプタ以上のものが一緒に挿入されている、または他を示す場合がある。
【0047】
方法は、インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を閾値と比較することを含むことが好ましい。方法はまた、比較に基づいてロッド状の物品を破棄することを含むことが好ましい。好ましくは、この比較は、誘導性センサーに電気的に接続された制御ユニットによって行われてもよい。制御ユニットは、誘導性センサーから信号を受信するように、および信号を閾値と比較するように適合されていることが好ましい。誘導性センサーは、コイルおよび第一のサセプタによって形成されたシステムのインピーダンスのパラメータ関数を測定することが好ましい。導電性材料で作製された第一のサセプタにおいて、渦電流が発生され、これは次に、磁場を形成する。誘導性センサーによって測定されたインピーダンスの値関数は、第一のサセプタの特性に依存する。誘導性センサーの一部の実施形態において、誘導性センサーは抵抗を測定する。特に、誘導性センサーは、第一のサセプタと等価の直列抵抗を測定するように適合されている。誘導性センサーによって測定される抵抗の最大が200ミリオーム~500ミリオームから成る場合、第一のサセプタは許容可能であると見なされることが好ましい。第一のサセプタの組成が既知であるという事実に起因して、インピーダンスの最大または最小の値と閾値との比較は、第一のサセプタの特性を判定することを可能にする。
【0048】
第一のサセプタがロッド状の物品に不在である場合、コイルのインピーダンスにおける変化はなく、サセプタを除き、ロッド状の物品内に他の導電性物体が概して含まれていないと見なされる。
【0049】
方法は、ロッド状の物品の挿入中に、コイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、第一のサセプタの長さを測定することを含むことが好ましい。誘導性センサーによってなされた測定は、第一のサセプタのサイズに関連する場合がある。第一のサセプタの長さは、コイル内のロッド状の物品の位置に従って誘導性センサーによって発せられた信号の変動をチェックすることによって計算されてもよい。誘導性センサーによって発せられた信号は、システムコイルおよび第一のサセプタのインピーダンスに依存する。インピーダンスのこのパラメータ関数は、第一のサセプタ全体がコイルの内部に入った時に最大(または最小)レベルに到達し、かつ第一のサセプタの端がコイルを出るとすぐに減少(または増加)し始める。この信号をコイルの内部のロッド状の物品の位置と比較することによって、第一のサセプタの正確な長さを判定することが可能である。
【0050】
方法は、ロッド状の物品の挿入中の時間の関数として、コイルのインピーダンスのパラメータ関数を測定することを含むことが好ましい。測定は、所与の周波数で実施されてもよい。測定の開始は、例えばドラムの座内のロッド状の物品の存在の検出とすることができる。周波数はまた可変であってもよく、例えば第一の周波数は、ロッド状の物品およびコイルが相互から所与の距離を上回る距離にある時に使用されてもよく、また第二の周波数は、ロッド状の物品およびコイルが相互から所与の距離を下回る距離にある時に使用されてもよい。第二の周波数は第一の周波数よりも高いことが好ましい。このようにして、コイルおよびロッド状の物品が相互に近接している時に、または挿入が行われた時に、より多くの測定が行われる。測定は、コイルの中へのロッド状の物品の全体の挿入中に行われることが好ましい。方法は、ロッド状の物品をコイルから抜き出す工程を含むことが好ましい。測定は、コイルからのロッド状の物品の抜き出し中に行われることが好ましい。
【0051】
方法は、コイルの中へのロッド状の物品の挿入中の時間の関数として、コイルのインピーダンスのパラメータ関数によって画定されたプロファイルに基づいて、第一のサセプタの長さを測定することを含むことがより好ましい。
【0052】
第一のサセプタは名目上の長さを有し、また第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供する工程は、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、第一のサセプタの名目上の長さよりも長い長さを有するコイルを備える誘導性センサーを提供することを含むことが好ましい。インピーダンスのパラメータ関数の最大または最小を適切に評価するために、サセプタ全体がコイルの中に挿入されていることが好ましい。この目的のために、コイルはサセプタよりも長いことが好ましい。本発明の好ましい一実施形態において、コイルの長さは、20ミリメートル~40ミリメートルから成る。コイルの長さは、コイル軸に沿って取られる。
【0053】
好ましくは、ロッド状の物品は長軸方向軸を有し、また第一のドラムは回転軸を有し、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、第一のサセプタを含むロッド状の物品を提供する工程は、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、回転軸に実質的に平行な長軸方向軸を有するロッド状の物品を提供することを含む。ロッド状の物品は、簡単な検査のために、回転軸に平行な軸で移動することが好ましい。
【0054】
好ましくは、座は座軸を有し、またコイルはコイル軸を有し、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供する工程は、第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイル軸に実質的に平行な座軸を提供することを含む。ロッド状の物品は、簡単な検査のために、回転軸に平行な軸で移動することが好ましい。第一のサセプタの特性を測定するために、ロッド状の物品はコイルの中に挿入される。コイルおよびロッド状の物品が、相互に平行なそれぞれの軸を有する場合、コイルとロッド状の物品の間で実施される相対的な移動は、単純な直線的な移動である。それ故に、機械的構造は比較的に単純である。
【0055】
ドラムは回転軸を有し、また複数の各座は座軸を画定し、座軸および回転軸は相互に平行であることが好ましい。すべての座は、第一のドラムの回転軸に平行な座軸を有することが好ましい。すべての座軸は相互に平行であることが好ましい。これは結果として、ロッド状の物品が座内に位置する時に、ロッド状の物品の長軸方向軸が第一のドラムの回転軸に対して平行であることを意味する場合がある。第一のサセプタの特性を判定するために、ロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動(例えば、半コイルが移動する、またはロッド状の物品が移動する、またはその両方のいずれか)が必要である。ロッド状の物品が第一のドラムの回転軸に平行である構成は、第一のドラムが同時にホストしうるロッド状の物品の数を最大化する。
【0056】
コイルは、10ミリメートル~20ミリメートルから成る直径を有することが好ましい。本明細書で考えられるコイルの直径は、コイルの内径、すなわちロッド状の物品の挿入のために利用可能な直径である。コイルのサイズは、ロッド状の物品を挿入できるようなサイズである。
【0057】
ロッド状の物品は、第一の端および第二の端を有し、また第一のサセプタは、ロッド状の物品の第一の端に位置することが好ましい。ロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入する工程は、ロッド状の物品の第一の端がコイル内に位置するように、ロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入することを含むことが好ましい。ロッド状の物品は、内部に「非対称的に据え付けられた」第一のサセプタを有することが好ましい。第一のサセプタは、例えばロッド状の物品の第二の端よりも第一の端の近くに存在することが好ましい。従って、コイルの中へのロッド状の物品の挿入は、ロッド状の物品の第一の端から実施されることが好ましい。このようにして、第一のサセプタ全体を収容するために必要なコイルは、より小さい。
【0058】
インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、ロッド状の物品を破棄する工程は、インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値が予め設定された範囲外である場合に、ロッド形状を破棄することを含むことが好ましい。
【0059】
ロッド状の物品は、第一の端および第二の端および第二のサセプタを有し、第一のサセプタはロッド状の物品の第一の端に位置し、かつ第二のサセプタはロッド状の物品の第二の端に位置することが好ましい。方法は、複数の座を有する第二のドラムを提供することを含むことが好ましい。方法は、第二のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供することを含むことが好ましい。方法は、ロッド状の物品が、第二のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座の中に収容されるように、ロッド状の物品を第一のドラムから第二のドラムに移送することを含むことが好ましい。方法は、ロッド状の物品の第二の端がコイル内にあるように、ロッド状の物品を第二のドラムの誘導性センサーのコイルの中に挿入することを含むことが好ましい。方法は、ロッド状の物品の挿入中に、当該第二のドラムの当該誘導性センサーのコイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を検出することを含むことが好ましい。方法は、インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、ロッド状の物品を破棄することを含むことが好ましい。
【0060】
一部の実施形態において、ロッド状の物品は、二つのサセプタを含んでもよい。それ故に、方法は、二つのドラム、第一のドラムおよび第二のドラムを使用し、第一のドラムおよび第二のドラムの各々は、上述の本発明の第一の態様に従って使用される。ロッド状の物品が第一のサセプタおよび第二のサセプタを含む時に、二つのドラムが使用される。第一のサセプタおよび第二のサセプタは、ロッド状の物品の二つの対向する遠位端に位置することが好ましい。それ故に、第一の誘導性センサーは、ロッド状の物品の第一の端に位置する第一のサセプタによって変化された(第一の誘導性センサーの)コイルのインピーダンスを測定する。第二の誘導性センサーは、ロッド状の物品の第二の端に位置する第二のサセプタによって変化された(第二の誘導性センサーの)コイルのインピーダンスを測定する。好ましくは、第一のドラムにおいて、ロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動は、第一の軸に沿っていて、その一方で第二のドラムにおけるロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動は、第一の軸に平行な軸に沿っているが、反対向きの方向である。第一のドラム内の検査の後、ロッド状の物品は、第二のドラムに移送されることが好ましい。移送は、第一のサセプタに欠陥がない場合にのみ行われることが好ましい。移送は、現場での標準的な方法に従ってなされる。それ故に、第一のサセプタと第二のサセプタの両方の速くて完全なチェックが達成される。
【0061】
第一のドラムと第二のドラムは、同じ特性を有することが好ましい。従って、第二のドラムは、第一のドラムを参照して上述したものと同じ特性を有する。
【0062】
第一のサセプタと第二のサセプタは、同じ特性を有することが好ましい。従って、第二のサセプタは、第一のサセプタを参照して上述したものと同じ特性を有する。
【0063】
第一のドラム内の誘導性センサーと第二のドラム内の誘導性センサーは、同じ特性を有することが好ましい。従って、第二のドラム内の誘導性センサーは、第一のドラム内の誘導性センサーを参照して上述したものと同じ特性を有する。
【0064】
誘導性センサーのコイルの中にロッド状の物品を挿入する工程は、ロッド状の物品をコイルの中に挿入するように、ロッド状の物品を座の底面上で摺動させることを含むことが好ましい。ロッド状の物品をコイルの中に挿入するようにロッド状の物品を座の底面上で摺動させる工程は、空気流によってロッド状の物品をコイルの内部に押すことを含むことがより好ましい。例えば、空気流は、圧縮空気システムによって生成されてもよい。圧縮空気システムは、圧縮空気の流れを排出するように適合されているノズルを含んでもよい。圧縮空気の流れの主方向は、座の長軸方向軸に平行であることが好ましい。従って、圧縮空気の流れは、ロッド状の物品の端のうちの一つに衝突し、それをコイルに向かって押すことが好ましい。コイルは、座と整列されている、すなわちコイルの長軸方向軸は、ロッド状の物品の長軸方向軸に平行またはそれと一致していることが好ましい。コイルの長軸方向軸は、圧縮空気の流れの平均軸に平行であることが好ましい。
【0065】
圧縮空気システムは、第一の圧縮空気流と反対向きの圧縮空気流を排出して、ロッド状の物品をコイルの外側に押すための第二のノズルを含むことが好ましい。第二のノズルは、所与の距離で第一のノズルに面することが好ましい。所与の距離は、ロッド状の物品の長さよりも長いことが好ましい。第一のノズルおよび第二のノズルは、コイルの対向する側に位置することが好ましい。
【0066】
コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができるコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離され、いかなる電流も流れることができない第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であることが好ましい。誘導性センサーのコイルの中にロッド状の物品を挿入する工程は、第一の半コイルおよび第二の半コイルを、第二の動作位置から第一の動作位置に移動することを含むことが好ましい。ロッド状の物品が座内に位置付けられている時に、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、相互から分離されて第二の動作位置にあることが好ましく、それによって座の上方の体積が「自由」であり、かつロッド状の物品をいかなる障害物もなく座に位置付けることができる。ロッド状の物品が座内にある時に、第一の半コイルおよび第二の半コイルは第一の動作位置に移動され、サセプタの特性の検出を行うことができる。それ故に、アクチュエータは、第一の半コイルの半分の巻線が第二の半コイルの相補的な半分の巻線に対応するまで、第一の半コイルまたは第二の半コイルを移動させる。制御ユニットは、第二の半コイルを第一の動作位置に到達するまで移動させるようにアクチュエータに命令する。制御ユニットの命令は、座内のロッド状の物品の存在または不在を感知するさらなるセンサーによってトリガされてもよい。それ故に、センサーがロッド状の物品の存在を感知する時に、センサーは制御ユニットに信号を送信し、これは次に信号をアクチュエータへと送信して、第一の半コイルおよび第二の半コイルを第一の動作位置にもたらし、誘導性センサーによる検出が行われてもよい。別の方法として、制御ユニットによってアクチュエータに送信された命令は、第一のドラムの回転と同期される。第一のドラムが回転する間、制御ユニットは、ドラムの角速度および第一のドラムの中へのロッド状の物品の挿入点を受信または判定するように適合されている。この情報から、制御ユニットは、第一のドラム内の各ロッド状の物品の角度位置を計算してもよい。制御ユニットは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが、所与の周波数で第二の動作位置から第一の動作位置に移動するように、誘導性センサーが存在している座のアクチュエータに命令してもよい。
【0067】
方法は、名目上の長さと等しい長さを有する、第一のサセプタ、または第二のサセプタ、またはその両方を含むロッド状の物品を使用して、誘導性センサーを較正する工程を含むことが好ましい。
【0068】
ロッド状の物品を破棄する工程は、インピーダンスのパラメータ関数の最大または最小に関連して誘導性センサーによって発せられた信号に基づいて、ロッド状の物品を拒絶するように適合されている、拒絶装置によって実施されることが好ましい。ロッド状の物品の内部の第一のサセプタの特性のうちの一つが仕様の範囲外である、例えば第一のサセプタが存在しない、または第一のサセプタの長さが短すぎるもしくは長すぎることを誘導性センサーが感知する場合、ロッド状の物品は、さらに加工されないことが好ましい。「欠陥のある」第一のサセプタを包含するロッド状の物品は、例えば有効なサセプタを包含するロッド状の物品が移送される第一のドラムと異なる拒絶ドラムに移送される。制御ユニットは、欠陥のあるサセプタを包含するロッド状の物品が、有効なサセプタを包含するロッド状の物品と異なるように座から排出されるようなやり方で、ロッド状の物品を座内に保つ吸引システムを制御することが好ましい。有効なサセプタと欠陥サセプタの間の鑑別は、制御ユニットによってなされることが好ましい。鑑別は、誘導性センサーによって感知されたサセプタの特性に基づくことが好ましい。
【0069】
「インピーダンス」は、抵抗の複素数値による一般化を意味する。インピーダンスZは、V(電圧)/I(電流)を表す複素数である。コイルなどの理想的なインダクタLの場合、インピーダンスZLは以下の式によって与えられる。

【0070】
【0071】
以下において、「ロッド状の物品」という用語は、エアロゾル発生物品内に含まれてもよい任意の要素を指してもよく、または完全なエアロゾル発生物品を指してもよい。こうした要素は当業界で周知であり、以下でさらに詳述しない。例えば、こうしたロッド状の物品は、フィルターのプラグ、熱源、たばこロッド、木炭要素等を含んでもよい。ロッド状の物品は、植物材料含有物品、特にたばこ含有物品であることが好ましい。たばこ物品は、たばこカットフィラーまたはエアロゾル形成再構成たばこを包含してもよい。物品は、燃焼されるまたは加熱されるたばこロッドを備えてもよい。本発明によるロッド状の物品は、完全な組み立てられたエアロゾル発生物品であってもよく、または例えば加熱式喫煙装置の消耗部品などの、エアロゾルを生成するための組み立てられたエアロゾル発生物品を提供するために一つ以上の他の構成要素と組み合わせられたエアロゾル発生物品の要素であってもよい。
【0072】
エアロゾル発生物品の要素は、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含むことが好ましい。
【0073】
好ましくは、ロッド状の物品は、熱源、または揮発性風味発生構成成分、例えばメントールカプセル、木炭要素、またはサセプタを含んでもよい。
【0074】
さらに、ロッド状の物品は、一緒に組み合わせられたエアロゾル発生物品の複数の構成要素、またはエアロゾル発生物品以外のものさえも含んでもよい。
【0075】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱へと変換する能力を有する材料を指す。交流電磁場内に位置する時に、サセプタ内に渦電流が誘発され、かつヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を引き起こす。サセプタがエアロゾル形成基体と熱的に接触して位置している、または熱的に近接近して位置していると、エアロゾル形成基体はサセプタによって加熱され、これによってエアロゾルが形成される。サセプタは、例えばエアロゾル形成たばこ基体内で、エアロゾル形成基体と物理的に直接接触して配設されていることが好ましい。
【0076】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは強磁性材料(例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくは強磁性ステンレス鋼)を含んでよく、またはそれから成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。適切なサセプタは、非金属コア上に配置された金属層(例えばセラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)を有する非金属コアを備えてもよい。サセプタは、サセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層を有してよい。サセプタは、サセプタ材料のコアを覆って形成された、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を含んでもよい。
【0077】
サセプタは多材料サセプタであってもよく、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と物理的に密着した状態で配置されている。第二のサセプタ材料は、500℃よりも低いキュリー温度を有することが好ましい。第一のサセプタ材料は、サセプタが変動する電磁場内に定置された時に、サセプタを加熱するために主に使用されることが好ましい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料に適切な材料には、ニッケルおよび特定のニッケル合金が挙げられうる。
【0078】
サセプタは、フィラメント、ロッド、シート、または帯の形態を有することが好ましい。サセプタの輪郭が一定の断面、例えば円形断面の輪郭である場合、輪郭は約1ミリメートル~約5ミリメートルの好ましい幅または直径を有する。サセプタの輪郭がシートまたは帯の形態を有する場合、シートまたは帯は、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートルの幅、より好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートル(例えば4ミリメートル)の幅と、好ましくは約0.03ミリメートル~約0.15ミリメートルの厚さ、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.09ミリメートル(例えば0.07ミリメートル)の厚さとを有する長方形の形状を有することが好ましい。
【0079】
好ましくは、ロッド状の物品は、約5ミリメートル~約20ミリメートルの長さ、好ましくは約8ミリメートル~約16ミリメートル(例えば約12ミリメートル)の長さを有してもよい。一部の場合において、ロッド状の物品は、約40ミリメートル~約85ミリメートルの長さを有してもよい。
【0080】
以下において、「長さ」という用語は、別途指定のない限り、ロッド状の物品の長軸方向軸に沿ったロッド状の物品の長さを指す。
【0081】
以下において、「ロッド状の」という用語は、実質的に円筒状、長円形または楕円形断面の、概して円筒状の要素を指す。しかしながら、異なる断面を有する他の角柱状の形態も可能である。
【0082】
本明細書で使用される「エアロゾル発生物品」は、エアロゾル形成基体が加熱された時に吸入可能なエアロゾルを発生する任意の物品である。この用語は、電気発熱体などの外部熱源によって加熱されるエアロゾル形成基体を含む物品を含む。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体の燃焼を有しないで揮発性化合物を放出する物品である、不燃性エアロゾル発生物品であってもよい。エアロゾル形成物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されているエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品である、加熱式エアロゾル発生物品であってもよい。この用語は、エアロゾル形成基体と、一体型の熱源(例えば、可燃性熱源)とを備える物品を含む。
【0083】
エアロゾル発生物品はマウスピース要素を備えてもよい。マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の口側端または下流端に位置してもよい。
【0084】
エアロゾル発生物品は、少なくとも一つのフィルター要素を備えてもよい。
【0085】
フィルターセグメントは、セルロースアセテートトウで作製されたセルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルターセグメントは、低い微粒子濾過効率または非常に低い微粒子濾過効率を有してもよい。フィルターセグメントは、エアロゾル形成基体から長軸方向に離隔していてもよい。フィルターセグメントは、長軸方向で5ミリメートル~約14ミリメートルの長さを有してもよい。フィルターセグメントは、約7ミリメートルの長さを有してもよい。
【0086】
エアロゾル発生物品の複数の要素は、支持要素およびエアロゾル冷却要素のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0087】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の複数の要素をロッドの形態に巻くラッパーを備えることが好ましい。ラッパーは、紙および箔のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0088】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを発生するために加熱に伴い揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成材料から形成された、またはエアロゾル形成材料を含む基体を意味する。エアロゾル形成基体は、たばこ材料を含有してもよく、または非たばこ材料を含有してもよく、またはたばこ材料と非たばこ材料の両方の組み合わせを含有してもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンで含浸されたセルロース材料であってもよく、一つ以上の風味を含むことが好ましい。有利なことに、エアロゾル形成基体は、たばこ材料、好ましくは均質化したたばこ材料、好ましくは一つ以上のエアロゾル形成体を含むたばこ材料を含む。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を意味する。
【0089】
エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、ブレンドされたたばこカットフィラーを含んでもよく、もしくはそれから成ってもよく、または均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料、例えばたばこ以外の均質化した植物由来材料を追加的に含んでもよい。
【0090】
エアロゾル形成基体は、たばこ材料、繊維、結合剤、およびエアロゾル形成体を含む、(好ましくは捲縮した)たばこシートであることが好ましい。たばこシートはキャストリーフであることが好ましい。キャストリーフは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤、および例えば風味も含むスラリーから形成されている、再構成たばこの一形態である。
【0091】
たばこ粒子は、望ましいシート厚さおよびキャスティング間隙に応じて、30マイクロメートル~250マイクロメートル程度の粒子、好ましくは30マイクロメートル~80マイクロメートル程度、または100マイクロメートル~250マイクロメートル程度の粒子を有するたばこダストの形態であってもよく、キャスティング間隙は典型的に、シートの厚さを画定する。たばこ粒子のサイズは、体積分布におけるたばこ粒子のDv95サイズを指す。
【0092】
繊維粒子はまた、たばこ茎材料、葉柄または他のたばこ植物材料、および他のセルロース系繊維(リグニン含有量の低い木材繊維など)を含んでもよい。繊維粒子は、低い含有率、例えば約2パーセント~15パーセントの含有率に対して十分な引張強さをキャストリーフに生成するという所望に基づいて選択されてもよい。別の方法として、植物繊維などの繊維を上述の繊維粒子とともに、または代わりに使用してもよく、これには麻および竹が含まれる。
【0093】
キャストリーフを形成するスラリーに含まれるエアロゾル形成体、または他のエアロゾル形成基体に使用されるエアロゾル形成体は、一つ以上の特性に基づいて選ばれてもよい。機能的には、エアロゾル形成体は、エアロゾル形成体の特定の揮発温度を超えて加熱された時に、エアロゾル形成体を揮発させて、エアロゾル形成体がニコチンまたは風味剤またはその両方をエアロゾルの状態で運ぶことを可能にする機構を提供する。異なるエアロゾル形成体は典型的に、異なる温度で気化する。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にする、および誘導加熱可能なたばこ基体とともに使用されるべきである誘導加熱装置の動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性がある、任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物であってもよい。エアロゾル形成体は、例えば室温または室温近くで安定性を保つ、しかしより高い温度、例えば摂氏40度~摂氏450度で揮発することができるその能力に基づいて選ばれてもよい。
【0094】
エアロゾル形成体はまた、基体がたばこ由来の産物から成る、特にたばこ粒子を含む時に、エアロゾル形成基体において望ましい量の水分を維持するのに役立つ湿潤剤タイプの特性を有してもよい。特に、一部のエアロゾル形成体は湿潤剤として機能する吸湿性材料であり、すなわち湿潤剤を含有するたばこ基体を湿った状態に保つのに役立つ材料である。
【0095】
一つ以上のエアロゾル形成体は組み合わせられて、その組み合わせられたエアロゾル形成体の一つ以上の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの湿潤剤特性とを利用するために、トリアセチンはグリセリンおよび水と組み合わせられてもよい。
【0096】
エアロゾル形成体はポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、脂肪酸から選ばれてよく、また、以下の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3-ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ-エリスリトール、ジアセチン混合物、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、プロピレングリコールのうちの一つ以上を含んでよい。
【0097】
エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0098】
本発明によるエアロゾル発生物品は、フィルター付き可燃性紙巻たばこ、またはたばこ材料が燃焼して煙を形成する他の喫煙物品の形態であってもよい。
【0099】
好ましくは、エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に垂直な周囲とを有してもよい。エアロゾル発生物品は、約30ミリメートル~約100ミリメートル、より好ましくは40ミリメートル~55ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径、より好ましくは6ミリメートル~8ミリメートルの外径を有してもよい。
【0100】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0101】
実施例1:ロッド状の物品の検査方法であって、
複数の座を有する第一のドラムを提供することと、
第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供することと、
第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、第一のサセプタを含むロッド状の物品を提供することであって、第一のサセプタが導電性材料を含む、提供することと、
ロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入することと、
ロッド状の物品の挿入中に、コイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を検出することと、
インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、ロッド状の物品を破棄することと、を含む方法。
実施例2:
インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を閾値と比較することと、
比較に基づいてロッド状の物品を破棄することと、を含む、実施例1に記載の方法。
実施例3:
ロッド状の物品の挿入中のコイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、第一のサセプタの長さを測定することを含む、実施例1または実施例2に記載の方法。
実施例4:
ロッド状の物品の挿入中の時間の関数として、コイルのインピーダンスのパラメタ関数を測定することを含む、実施例1~3の一つ以上に記載の方法。
実施例5:
コイルの中へのロッド状の物品の挿入中の時間の関数として、コイルのインピーダンスのパラメータ関数によって画定されたプロファイルに基づいて、第一のサセプタの長さを測定することを含む、実施例4に記載の方法。
実施例6:第一のサセプタが、名目上の長さを有し、かつ第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供する工程が、
第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、第一のサセプタの名目上の長さよりも長い長さを有するコイルを備える誘導性センサーを提供することを含む、実施例1~5の一つ以上に記載の方法。
実施例7:ロッド状の物品が長軸方向軸を有し、かつ第一のドラムが回転軸を有し、かつ第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、第一のサセプタを含むロッド状の物品を提供する工程が、
第一のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、回転軸に実質的に平行な長軸方向軸を有するロッド状の物品を提供することを含む、実施例1~6の一つ以上に記載の方法。
実施例8:ロッド状の物品が第一の端および第二の端を有し、かつ第一のサセプタがロッド状の物品の第一の端に位置し、かつロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入する工程が、
ロッド状の物品の第一の端がコイル内に位置するように、ロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入することを含む、実施例1~7の一つ以上に記載の方法。
実施例9:インピーダンスの最大値または最小値に基づいて、ロッド状の物品を破棄する工程が、
インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値が、予め設定された範囲外である場合に、ロッド形状を破棄することを含む、実施例1~8の一つ以上に記載の方法。
実施例10:ロッド状の物品が、第一の端および第二の端および第二のサセプタを有し、第一のサセプタがロッド状の物品の第一の端に位置し、かつ第二のサセプタがロッド状の物品の第二の端に位置し、かつ
複数の座を有する第二のドラムを提供することと、
第二のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座に、コイルを備える誘導性センサーを提供することと、
ロッド状の物品が、第二のドラムの複数の座のうちの少なくとも一つの座の中に収容されるように、ロッド状の物品を第一のドラムから第二のドラムに移送することと、
ロッド状の物品の第二の端がコイル内にあるように、ロッド状の物品を第二のドラムの誘導性センサーのコイルの中に挿入することと、
ロッド状の物品の挿入中に、コイルのインピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値を検出することと、
インピーダンスのパラメータ関数の最大値または最小値に基づいて、ロッド状の物品を破棄することと、を含む、実施例1~9の一つ以上に記載のロッド状の物品の検査方法。
実施例11:誘導性センサーのコイルの中にロッド状の物品を挿入する工程が、
ロッド状の物品をコイルの中に挿入するように、ロッド状の物品を座の底面上で摺動させることを含む、実施例1~10の一つ以上に記載の方法。
実施例12:ロッド状の物品をコイルの中に挿入するように、ロッド状の物品を座の底面上で摺動させる工程が、
ロッド状の物品を、空気流によってコイルの内部に押すことを含む、実施例11に記載の方法。
実施例13:コイルが、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルが、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができるコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離され、いかなる電流も流れることができない第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、ロッド状の物品を誘導性センサーのコイルの中に挿入する工程が、
第一の半コイルおよび第二の半コイルを第二の動作位置から第一の動作位置に移動させることを含む、実施例1~10の一つ以上に記載の方法。
実施例14:
名目上の長さと等しい長さを有する、第一のサセプタ、または第二のサセプタ、またはその両方を含むロッド状の物品を使用して、誘導性センサーを較正する工程を含む、実施例1~13の一つ以上に記載の方法。
実施例15:ロッド状の物品が、エアロゾル発生物品の構成要素を含む、実施例1~14の一つ以上に記載の方法。
実施例16:コイルのインピーダンスのパラメータ関数が、コイルのインピーダンス自体Z、またはコイルの等価抵抗R、またはコイルのインダクタンスLである、実施例1~15の一つ以上に記載の方法。
実施例17:ロッド状の物品が、エアロゾル発生物品またはエアロゾル発生物品の構成要素を含む、実施例1~16の一つ以上に記載の方法。
実施例18:エアロゾル発生物品がエアロゾル形成基体を含む、実施例17に記載の方法。
実施例19:エアロゾル形成基体が、均質化したたばこ材料を含む、実施例18に記載の方法。
実施例20:エアロゾル形成基体がサセプタを囲む、実施例18または実施例19に記載の方法。
実施例21:エアロゾル発生物品を含むロッド状の物品、またはエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品の構成要素を製造する方法であって、当該方法が、実施例1~20のうちの一つ以上の方法に従ってロッド状の物品を検査する工程を含む、方法。
【0102】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1図1は、本発明の方法に従って検査されるサセプタを含むロッド状の物品の、部分的に断面にした概略斜視図である。
図2図2は、図1のロッド状の物品の側方図である。
図3図3は、本発明の第一の実施形態に従って機能する検査装置の第一の構成における概略斜視図である。
図4図4は、本発明の第二の実施形態に従って機能する検査装置の概略斜視図である。
図5図5は、時間シーケンスにおける図4の検査装置の概略上面図である。
図6図6は、本発明の検査装置内に存在する誘導性センサーの機能の工程のシーケンスである。
図7図7は、図3図4、または図5の検査装置の要素の断面の詳細図である。
図8図8は、図7の要素の正面図である。
図9図9は、本発明に従って検査されるロッド状の物品の別の実施形態の側方図である。
図10図10は、本発明に従って機能する検査装置の第三の実施形態である。
図11図11は、二つの異なる実施形態における図10の二つの詳細の二つの拡大図である。
図12図12は、二つの異なる実施形態における図10の二つの詳細の二つの拡大図である。
図13図13は、図3の検査装置の第一の実施形態のコイルの、それぞれ第一の構成および第二の構成における二つの断面図である。
図14図14は、図3の検査装置の第一の実施形態のコイルの、それぞれ第一の構成および第二の構成における二つの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
図1および図2を最初に参照すると、ロッド状の物品の一例はすべて、60で示されている。
【0105】
ロッド状の物品60は、エアロゾル発生物品(例えば、完全なエアロゾル発生物品)の幾つかの構成要素を備えることが好ましい。
【0106】
エアロゾル発生物品60は、例えばロッドの形態で組み立てられた複数の要素を備える。複数の要素は、プラグ要素11と、たばこプラグの形態のエアロゾル形成基体10と、エアロゾル形成基体10内に位置付けられたサセプタ材料12と、中空アセテート管16と、さらなる中空アセテート管18と、マウスピース2と、外側ラッパー22とを備えてもよい。エアロゾル発生物品60は、口側端24と遠位端26とを備える。ロッド状の物品60は、長軸方向軸61を画定する。
【0107】
上記の列挙された複数の要素は、ロッド状の物品60の長軸方向軸61に沿って次々と展開することが好ましい。すべての要素は、同じ直径を有することが好ましい。
【0108】
長軸方向軸61に垂直な平面に沿ったロッド状の物品60の断面は、円であることが好ましい。
【0109】
ロッド状の物品60は、長軸方向軸61に沿って延びる、好ましくは実質的に円筒状の外表面13を備える。ロッド状の物品60の長軸方向軸61は、円筒の軸に対応してもよい。
【0110】
エアロゾル形成基体10は均質化したたばこ材料を含んでもよい。
【0111】
サセプタ12は、エアロゾル形成基体10と熱的に接触していて、これによって、サセプタが誘導加熱された時に、熱はエアロゾル形成基体10に伝達され、それによってエアロゾルが放出されることが好ましい。サセプタ12は、エアロゾル形成基体10を形成するたばこ材料によって完全に囲まれていることが好ましい。
【0112】
図1および図2の実施例に示す通り、サセプタ12は、ロッド状の物品60の中に完全に包含されていて、より好ましくはエアロゾル形成基体10の中に完全に包含されている。
【0113】
サセプタ12は導電性材料で実現される。サセプタは金属で実現され、また一部の実施形態において、強磁性材料で実現されることが好ましい。
【0114】
好ましい実施形態によると、図1および図2においての通り、サセプタ12は細片の形状を有する。別の方法として、ロッドの形状を有してもよい。その厚さは、30マイクロメートル~60マイクロメートルから成ることが好ましい。サセプタの長さは、5ミリメートル~20ミリメートルから成ることが好ましい。
【0115】
図3は、本発明の第一の態様による検査装置100のドラム4の好ましい一実施形態の一部分を示す。
【0116】
明瞭化のために、検査装置100は図3に部分的にのみ示す。
【0117】
以下の説明から明らかになる通り、検査装置100は、ロッド状の物品60、特にサセプタ12の品質を制御するように適合されている。
【0118】
検査装置100によって提供される品質管理は、サセプタ12の存在、完全性、または正確な位置だけでなく、さらなる特性のいずれかをチェックすることを伴ってもよい。
【0119】
非限定的な例として、こうした特性は、サセプタの長さと、サセプタの厚さと、直線的な展開からのサセプタの逸脱と、ロッド状の物品60の長軸方向軸61との平行性からのサセプタの軸の逸脱と、サセプタの電磁特性とのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0120】
また、品質管理は、エアロゾル発生物品の製造プロセスの任意の段階で行われてもよい。これは、エアロゾル形成基体10がマウスピースフィルター要素2、もしくはそれに固定される任意の他の構成要素に結合されている時に、ロッド状の物品60をチェックすることが可能であること、またはサセプタ12を含むエアロゾル形成基体10それ自体がチェックされることができることを意味する。
【0121】
図3を再び参照すると、ドラム4は、複数の座41を備え、その各々はロッド状の物品60を受容するように適合されている。座41は、ドラム4の外表面40上に位置することが好ましい。ドラム4には約20~60(好ましくは約40)の座41があることが好ましい。
【0122】
一部の実施形態において、ドラム4は円筒状の形状であり、好ましくは、座41が位置する外表面40は、円筒の側方表面に対応する。
【0123】
当然のことながら、座41は、ロッド状の物品60を少なくとも部分的に受容するために、寸法設定され、かつ形作られていることが好ましい。座41の寸法および形状はどちらも、ロッド状の物品60を受容するように選択されることが好ましい。より一般的に、品質管理は、ロッド状の物品60を座41のうちの一つに位置付けることを含むことが好ましい。
【0124】
ロッド状の物品60の位置付けることは、適切な位置付け装置(図面に図示せず)を使用することと、または例えば別のドラムもしくはコンベヤからロッド状の物品60を他の任意の可能な様態で移送することとのいずれかによって生じてもよい。
【0125】
一部の実施形態において、検査装置100は、エアロゾル発生物品を製造するための設備に含まれてもよく、またロッド状の物品60は、設備のコンベア要素から検査装置100に移送されてもよい。
【0126】
ドラム4は、回転軸67を有する回転ドラムであることが好ましい。その結果、ドラム4は、ロッド状の物品60を第一の位置から第二の位置に移送し、好ましくは、それが座上に位置付けられる入口と、それが座から取り外される出口位置とを形成することを可能にする。第一の位置および第二の位置(図面3に描写せず)は、ドラムの角回転によって分離される。
【0127】
一部の実施形態において、座41は、それぞれの座軸42を画定するような楕円形状であってもよい。座41の座軸42および回転軸67は、相互に平行であることが好ましい。複数の座41のすべての軸42は、相互に平行であることが好ましい。
【0128】
座41は、ドラム4の外表面40上に形成されていることが好ましい。座41は、ドラム4の外表面40上に実現される陥凹部の形態であってもよい。
【0129】
それにもかかわらず、座41は、ドラム4の外表面上の他の要素によって画定されてもよく、例えばそれに固定され、かつそれから半径方向に突出していてもよいことが十分に明らかである。
【0130】
ドラム4は、前面64および後面(図では見えない)を画定することが好ましい。後面は、軸方向で前面64の反対側である。
【0131】
一部の実施形態において、座41は、前面64から後面に延び、すなわち座には対向する開放端が提供されてもよい。
【0132】
このようにして、ロッド状の物品60は、好ましくは、座軸42によって画定された方向に沿って摺動することによって、横方向で座に近づくことによって座41内に受容されてもよい。
【0133】
図3の実施形態に示す通り、座41は、チェックされるロッド状の物品60の長さと少なくとも等しい長さを有してもよい。より長い座41(これはその中でのロッド状の物品60の摺動を可能にする)も使用されてもよい。
【0134】
一部の実施形態において、ドラム4の回転軸67は、実質的に水平である。
【0135】
座41は、ロッド状の物品60をドラム4から解放するために重力がロッド状の物品60に作用する特定の角度位置にロッド状の物品60が回転軸67に沿って到達する時に、ロッド状の物品60が座41から排出されるように構成されてもよい。
【0136】
検査装置100は、複数の座41のうちの一つに少なくとも位置付けられた誘導性センサー5をさらに備える。当然のことながら、図3の実施形態は、特定の座41に位置付けられた単一の誘導性センサー5を表すものの、ドラム4の各座41は、それぞれの誘導性センサー5を備えてもよい。
【0137】
また、さらなる可能な実施形態によると、誘導性センサー5は、例えば所定の角度距離で、選択された座41に提供されてもよい。
【0138】
誘導性センサー5は、少なくともロッド状の物品60の端を中に受容するのに十分に大きい内部体積50を画定するコイル51を含むことが好ましい。
【0139】
図7および図8は、好ましい一実施形態によるコイル51を示す。
【0140】
コイル51はコイル軸70を画定し、また10ミリメートル~18ミリメートルから成る、より好ましくは12ミリメートル~16ミリメートルから成る内径71を有することが好ましい。コイル51の内径71は14ミリメートルであることが好ましい。
【0141】
当然のことながら、上記の直径は、ロッド状の物品60の口側端24または遠位端26を中に受容するのに十分に広いコイル51にするためであるが、それと同時に、検査装置100で使用されるかさばる要素を回避するために選択される。
【0142】
一部の実施形態において、コイル51の長さは、ロッド状の物品60をその中に完全に収容するように適合されている。
【0143】
好ましくは、コイルの長さ72は、20ミリメートル~40ミリメートルから成り、より好ましくは25ミリメートル~35ミリメートルから成る。コイル51の長さ72は32ミリメートルであることが好ましい。
【0144】
一部の実施形態において、コイル51は、一対の平行な巻き上げられたワイヤによって形成されている。
【0145】
コイル51は、26~46から成る総巻数を備えることが好ましい。巻数は、30~42から成ることがより好ましい。巻数は32であることが好ましい。
【0146】
コイル51が一対のワイヤによって形成されている場合、各ワイヤは、上述の総巻数の半分を備えてもよい。
【0147】
コイル51は、円筒状形状であることが好ましい。コイル51は、コイル軸70が座軸42と平行であるように座に位置付けられていることが好ましい。
【0148】
ロッド状の物品60内のサセプタ12の存在は、ロッド状の物品60をコイル51に対して移動させることと、サセプタ12とコイル51の間の相互作用によって発生されるフィードバック信号の変動を考慮することとによって感知されてもよい。
【0149】
この目的のために、図3における通りの一部の実施形態において、検査装置100は、誘導性センサー5に電気的に接続された、かつ誘導性センサー5から信号を受信するように、およびサセプタ12の存在によって発生された信号の変動を検出するために、信号を閾値と比較するように適合された制御ユニット7を備える。
【0150】
当然のことながら、信号のこうした変動は、図3の実施例においての通り、ロッド状の物品60に対してコイル51を移動することと、または図4もしくは図5の実施形態においての通り、ロッド状の物品60をコイル51に対して移動させることとのいずれかによって引き起こされてもよい。
【0151】
一般に、当然のことながら、誘導性センサー5は、サセプタ12によって通過された時に変化する、コイル51内の交番磁場を発生する場合がある。より一般的に、誘導性センサー5は、好ましくはコイル51の軸70に対応する、検出方向で交互の磁気的信号を発生するように構成されている。
【0152】
誘導性センサー5によって発生された磁場は、サセプタ12が中に位置するべきであるロッド状の物品60の第一の端24、26が、誘導性センサー5のコイル51の内部体積50の中に受容されている時に変化することが好ましい。
【0153】
言い換えれば、誘導性センサー5の内部体積50を通るサセプタ12の通過によって発生された磁場は、センサー5によって、すなわちコイル51によって発生された磁場に対して作用する。レンツの法則によると、サセプタ12はコイル51内で、またはより一般的に誘導性センサー5内で、抵抗として作用する。
【0154】
より詳しくは、強磁性材料が磁場に入る時に、電磁力がその中に誘起され(マクスウェル-ファラデーの法則)、これは交互の渦電流を生成する。この交流電流は、センサーの磁場(レンツの法則)と反対の誘起磁場(マックスウェル-アンペールの法則)を発生する。
【0155】
ロッド状の物品60内のサセプタ12の存在または不在はそれに応じて、磁場におけるこうした予想される挙動の観点から判定されてもよい。ロッド状の物品60が、コイル51によって発生された交番磁場を通過する時に、変化が生じない場合、サセプタ12はロッド状の物品60内に存在しない可能性が高い。
【0156】
対照的に、変化は、以前に説明した通り、サセプタ12がコイル51の内部体積50を通過するにつれて変化する、ロッド状の物品60のインピーダンスを計算することによって判定されてもよい。
【0157】
好ましい実施形態によると、サセプタ12が内部体積50を通過するにつれて発生されたフィードバック信号は、サセプタ12の他の特性を判定するために使用されることができる。
【0158】
図6を参照すると、フィードバック信号の可能な使用は、サセプタ12の長さを判定することを目的としてもよい。
【0159】
図6は、システム「コイルおよびサセプタ」の等価抵抗が、内部体積50内のサセプタ12の相対的な位置に従ってどのように変化するかを示す。
【0160】
最初は、ロッド状の物品60が内部体積50に入っていない時に、誘導性センサー5によって出力されたフィードバック信号は変化しない。
【0161】
ロッド状の物品60が内部体積50に入るにつれて、フィードバック信号の変動が生じる。
【0162】
フィードバック信号は、サセプタ12全体が内側体積50に完全に入った時に最小レベルに到達し、サセプタ12の端がコイル51の外に出るとすぐに減少し始める。
【0163】
この信号を内部体積50の内部のロッド状の物品60の位置と比較することによって、サセプタ12の長さを判定することが可能である。
【0164】
サセプタ12の長さは、適切な較正後に判定される、測定等価抵抗のピークに従って推定されることが好ましい。
【0165】
別の方法として、インピーダンスのパラメータ関数は、サセプタがコイルの中に完全に挿入されている時に、最小ではなく最大を示す。
【0166】
こうした実施形態において、コイル51、またはより一般的に、誘導センサー5の内部体積50は、前述のコイルの特性にも従って、サセプタ12の予想される長さよりも長い。
【0167】
コイル51の長さは、コイルの端での磁場の歪みを回避するために、少なくとも1側面当たり10ミリメートルのサセプタ12の予想される長さよりも長くなるように選択されることが好ましい。
【0168】
好ましい実施形態によると、制御ユニット7は、内部体積50のロッド状の物品60の位置によるフィードバック信号の変動をチェックすることによって、サセプタ12の長さが予想される値に対応するかを判定するように構成されている。
【0169】
当然のことながら、制御ユニット7は、例えば内部体積50とのロッド状の物品1の相互作用中に誘導性センサー5の他の特定の挙動を一般的に考慮して、異なる方法にも従って、ロッド状の物品60内に位置するサセプタ12の長さを計算するように適合されてもよい。
【0170】
より一般的に、フィードバック信号の等価抵抗は、サセプタ12の形状または組成物の性質または一貫性を示す場合がある。その結果、サセプタ12のさらなる特性は、本発明の検査装置100によって判定される場合がある。
【0171】
ロッド状の物品60をコイル51の中に導入するために、図3の検査装置100において、コイル51は二つの半コイル65および66に分割されている。第一の半コイル66は、ドラム4の外表面40の下方に位置付けられていて、その一方で第一の半コイルは、ドラムの外表面40の上方に位置付けられている。二つの半コイル65、66は、図13に示す第一の動作位置から移動することができ、ここで二つの半コイルはコイル51を形成する。この第一の動作位置において、誘導性センサーによる上述の、例えば図6に示された測定を実施することができる。図3および図13に描写した第二の動作位置、第二の半コイル65はコイル軸70に沿って移動されていて、かつ第一の半コイルから距離を置いていて、これによってロッド状の物品60は座41内に位置することができる。移動は、制御ユニット7に接続されたアクチュエータ6によって実施されている。
【0172】
図3図13、および図14の検査装置100において、動作中にロッド状の物品60は座41の中に挿入されている。ロッド状の物品が座内に位置付けられている時に、第一の半コイル66および第二の半コイル65は、第二の動作位置にある、すなわち図3および図14においての通り、二つの半コイル65、66は相互から分離されている。ロッド状の物品60が座内にあるとすぐに、第一の半コイル66および第二の半コイル65は、誘導性センサー5を用いて測定を行うことができるように、図13の第一の動作位置に移動される。第一の半コイルと第二の半コイルの相対的な移動は、以下の通りであり、すなわち第一の半コイル66は外表面40の下方に位置付けられていて、かつ外表面40の下方に対して固定されていて、その一方で第二の半コイル65は図14の第一の動作位置から図3および図14の第二の動作位置に前後に平行移動し、またその逆も可能である。第一の動作位置から第二の動作位置への第二の半コイル65のシフト、およびその逆は、アクチュエータ6に接続されたピストン69によって得られる。ピストン69は、図3の矢印68によって示す通り、第二の半コイルに取り付けられていて、第二の半コイルを第一の半コイルに向かっておよび第一の半コイルから離れるように直線的に移動する。
【0173】
図4および図5で描写した本発明の異なる一実施形態において、図3図13、および図14の実施形態における通りのロッド状の物品に対するコイルの移動の代わりに、コイル51に対するロッド状の物品60の移動が行われる。検査装置200において、同じ要素を識別するために、検査装置100において使用された参照番号と同じ番号が使用されている。検査装置200において、誘導性センサー5はコイル51を含み、これはこの場合、ドラム4の外表面40に取り付けられている。コイル51(図7および図8において、よりよく分かる)は、例えば座41の一方の端に位置する。検査装置200は、圧縮空気発生装置9と圧縮空気の流れを排出するためのガン8とを含む圧縮空気システム8、9を含む。ガンは、座軸42に実質的に平行な、それ故にロッド状の物品60の長軸方向軸に平行な方向で、圧縮空気の流れを排出してもよい。ガンは、ドラム4の一方の側に位置してもよく、また静止していてもよく、すなわちドラムとともに回転しない。このようにして、単一の圧縮空気システムをすべての座41に対して使用してもよい。回転中に、ロッド状の物品がガン8の前を通る時に、圧縮空気の流れが排出され、これがロッド状の物品60をコイル51の内部に押し、誘導性センサー5を使用して上述の測定を行うことができる。これは図5に示されていて、この図には連続した時間間隔で取られた一連の「スクリーンショット」が描写されている。図の左端において、ロッド状の物品60は座41の中に挿入されている。後続の回転において、ロッド状の物品60を有する座は、ガン8の前方を通り、圧縮空気の流れは、ガン8によって方向83に沿って排出される。次いで、ロッド状の物品60は、コイル51の内部に押される(図の左から右への(破線64までの)以下のスナップショットを参照のこと)。
【0174】
破線84は図5を二つに分離する。図5の破線84の右側の第二部は、左の部分よりも後の幾つかの時間間隔で取られている(詳細は下記を参照のこと)。
【0175】
本発明の検査装置100、200はまた、サセプタ12を中に有しない、または予想される特性と適合していないサセプタ12を有するロッド状の物品60を拒絶するように適合された拒絶装置(図5の右部分に長方形82として概略的に描写されている)も備えてもよい。以前に説明した通り、ロッド状の物品60は有利なことに、制御ユニット7によってなされた計算または判定に従って、誘導センサー5によって発せられた信号に基づいて、拒絶される場合がある。図5の右部分に示す通り、例えば拒絶装置82の効果は、加工を継続するために、有効なロッド状の物品60が他のドラム(図示せず)に移送される間、欠陥のあるロッド状の物品60をドラム4に保つことである。
【0176】
ロッド状の物品600はまた、図9に描写の通り、第一のサセプタ12および第二のサセプタ121を含んでもよい。ロッド状の物品600は、図1および図2の実施形態による二つのロッド状の物品60を実質的に含む。
【0177】
ロッド状の物品600が二つ以上のサセプタを含む場合、図10の検査装置300として、第三の実施形態による検査装置が提供されることが好ましい。
【0178】
検査装置300は、二つ以上のチェッキングドラム4、少なくとも第一のドラムおよび第二のドラムを含み、その各々はコイル51を含む。第一のドラムまたは第二のドラムは、ドラム4と同一であり、これは図3および図13図14の第一の実施形態、または図4もしくは図5の第二の実施形態のいずれかによるものとすることができる。しかしながら、ドラムは、同じタイプであること、すなわち検査装置100の第一の実施形態、または検査装置200の第二の実施形態のいずれかによるものであることが好ましい。
【0179】
第一のドラム4は、ロッド状の物品600の第一のサセプタ12をチェックするように適合されていて、その一方で第二のドラム4は、ロッド状の物品600の第二のサセプタ121をチェックするように適合されている。例えば、第一のドラムおよび第二のドラムが、図4および図5の第二の実施形態による場合、第一のドラムにおいて、圧縮空気システムは第一のドラムの第一の側に位置し、また第二のドラムにおいて、圧縮空気システムは第二のドラムの第二の側面に位置する。
【0180】
図11および図12に描写の通り、第一のサセプタ12の検査後、ロッド状の物品600は、第一のドラムから第二のドラムに移送される。第一のドラムと第二のドラムは、実質的に相互に接する。第一のドラムと第二のドラムの間の間隙は、ロッド状の物品600をそれらの間に挿入することができるような間隙である。移送は、第一のドラムの座と第二のドラムの座との間で行われる。
【0181】
図11において、図3図13図14の第一の実施形態による二つのドラム4の間の移送が示されている。図12において、図4図5の第二の実施形態による二つのドラム4の間の移送が示されている。
【0182】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10パーセントとして理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが表す特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
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図8
図9
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図11
図12
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【国際調査報告】