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特表2023-546236ロッド状の物品の品質管理をするための検査装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】ロッド状の物品の品質管理をするための検査装置
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/34 20060101AFI20231025BHJP
   A24C 5/01 20200101ALI20231025BHJP
【FI】
A24C5/34 A
A24C5/01
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524342
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021079117
(87)【国際公開番号】W WO2022084404
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】20203168.8
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(74)【代理人】
【識別番号】100228337
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 綾
(72)【発明者】
【氏名】ナヴァッキア エウジェニオ
(72)【発明者】
【氏名】モントレオーネ イヴァーノ
【テーマコード(参考)】
4B144
【Fターム(参考)】
4B144CF06
4B144CL01
4B144CL20
4B144CM14
(57)【要約】
本発明は、ロッド状の物品の品質管理のための検査装置に関し、装置は、外表面(13、40)を画定し、複数の座(41)を含むドラム(4)であって、複数のうちの各座(41)がロッド状の物品を受けるように適合されている、ドラムと、複数のうちの一つの座(41)に位置する誘導性センサー(5)であって、誘導性センサー(5)が、ロッド状の物品の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積(50)を画定するコイル(51)を含み、誘導性センサー(5)が、ロッド状の物品内のサセプタ(12)の特性を感知するように適合されている、誘導性センサーと、を備え、コイル(51)は、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび/または第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができるコイル(51)を形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離され、電流が全く流れることができない第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、第一の半コイルがドラム(4)の外表面(13、40)の下に位置し、第二の半コイルがドラム(4)の外表面(13、40)の上に位置し、第一の半コイルおよび第二の半コイルが、第一の動作位置から第二の動作位置まで移動するように、またその逆に移動するように適合されているアクチュエータ(6)と、を備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド状の物品の品質管理をするための検査装置であって、前記装置が、
外表面を画定し、複数の座を含むドラムであって、前記複数のうちの各座がロッド状の物品を受けるように適合されているドラムと、
前記複数のうちの一つの座に位置する誘導性センサーであって、前記誘導性センサーが、前記ロッド状の物品の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定するコイルを含み、前記誘導性センサーが、前記ロッド状の物品内のサセプタの特性を感知するように適合されており、
前記コイルが、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる前記コイルを形成する第一の動作位置から、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互から分離される第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、
前記第一の半コイルが前記ドラムの前記外表面の下に位置し、前記第二の半コイルが前記ドラムの前記外表面の上に位置する、誘導性センサーと、
前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが、前記第一の動作位置から前記第二の動作位置まで移動するように、またその逆で移動するように適合されているアクチュエータと、を備える、検査装置。
【請求項2】
前記アクチュエータに対して、前記第一の半コイルまたは前記第二の半コイルを、ロッド状の物品が前記座上にある時に、前記第二の動作位置から前記第一の動作位置に動かすよう命令するように適合された制御ユニットを含む、請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記座が、受容表面、前記ドラムの前記外表面の一部を含み、前記第一の半コイルが前記座の前記受容表面の下に位置付けられる、請求項1または2に記載の検査装置。
【請求項4】
ロッド状の物品の品質管理をするための検査装置であって、前記装置が、
複数の座を含むドラムであって、前記複数のうちの各座がロッド状の物品を受けるように適合されたドラムと、
前記複数のうちの一つの座に位置する誘導性センサーであって、前記誘導性センサーが、前記ロッド状の物品の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定するコイルを含み、前記誘導性センサーが、前記ロッド状の物品内のサセプタの特性を感知するように適合されている、誘導性センサーと、
前記複数のうちの前記座と整列した圧縮空気システムと、
前記ロッド状の物品が前記座内に位置する時に、前記圧縮空気システムを起動して空気を吹き出し、前記ロッド状の物品を前記コイルの内側に押し込むように適合されたアクチュエータと、を備える、検査装置。
【請求項5】
前記ドラムが回転軸を有し、前記複数のうちの各座が長軸方向軸を画定し、前記長軸方向軸および前記回転軸が互いに平行である、請求項1~4の一項以上に記載の検査装置。
【請求項6】
前記コイルの長さが20ミリメートル~40ミリメートルである、請求項1~5の一項以上に記載の検査装置。
【請求項7】
前記誘導性センサーに電気的に接続された制御ユニットを備え、前記制御ユニットが前記誘導性センサーから信号を受信し、前記信号を閾値と比較するように適合されている、請求項1~6の一項以上に記載の検査装置。
【請求項8】
前記制御ユニットが、前記ロッド状の物品内に位置するサセプタの長さを計算するように適合される、請求項7に記載の検査装置。
【請求項9】
前記誘導性センサーによって発される信号に基づいてロッド状の物品を拒絶するように適合された拒絶装置を備える、請求項1~8の一項以上に記載の検査装置。
【請求項10】
前記ドラムが、複数の誘導性センサーを備え、前記複数の座の各座について一つのセンサーを備える、請求項1~9の一項以上に記載の検査装置。
【請求項11】
前記座が座軸を画定し、前記コイルがコイル軸を画定し、前記コイル軸と前記座軸が互いに平行である、請求項1~10の一項以上に記載の検査装置。
【請求項12】
検査装置であって、
第一の外表面を画定し、第一の複数の座を含む第一のドラムであって、前記第一の複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合された第一のドラムと、
前記第一の複数のうちの一つの座に位置付けられた第一の誘導性センサーであって、前記第一の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品の第一の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第一のコイルを含み、前記第一の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品中の第一のサセプタの特性を感知するように適合されている、第一の誘導性センサーと、
前記第一のコイルが、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる前記第一のコイルを形成する第一の動作位置から、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互から分離される第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、
前記第一の半コイルが、前記第一のドラムの前記第一の外表面の下に位置し、前記第二の半コイルは、前記第一のドラムの前記第一の外表面の上に位置し、
前記第一のドラム内で、前記第一のコイルの前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルを、前記第一の動作位置から前記第二の動作位置に移動し、またその逆にも移動するよう適合された、第一のアクチュエータと、
第二の外表面を画定し、第二の複数の座を含むドラムであって、前記第二の複数のうちの各座がロッド状の物品を受けるように適合されている第二のドラムと、
前記第二の複数の座に位置する第二の誘導性センサーであって、前記第二の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品の第二の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第二のコイルを含み、前記第二の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品中の第二のサセプタの特性を感知するように適合されている、第二の誘導性センサーと、
前記第二のコイルが、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる前記第二のコイルを形成する第一の動作位置から、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが相互から分離される第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、
前記第二のコイルの前記第一の半コイルが、前記第二の外表面の下に位置し、前記第二のコイルの前記第二の半コイルが、前記第二の外表面の上に位置することが好ましく、
前記第二のドラム内で、前記第二のコイルの前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルを、前記第一の動作位置から前記第二の動作位置に移動し、またその逆に移動するよう適合された、第二のアクチュエータと、を備え、
前記第一のドラムおよび前記第二のドラムが、前記第一のドラムから前記第二のドラムへの前記ロッド状の物品の移送を可能にするように、実質的に接する、検査装置。
【請求項13】
検査装置であって、
第一の複数の座を含む第一のドラムであって、前記第一の複数のうちの各座がロッド状の物品を受けるように適合された、第一のドラムと、
前記第一の複数のうちの一つの座に位置付けられた第一の誘導性センサーであって、前記第一の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品の第一の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第一のコイルを含み、前記第一の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品中の第一のサセプタの特性を感知するように適合されている、第一の誘導性センサーと、
前記第一の複数のうちの前記座と整列した第一の圧縮空気システムと、
前記ロッド状の物品が前記第一の複数のうち前記座内に位置する時に、前記第一の圧縮空気システムを起動して空気を吹き出し、前記ロッド状の物品を前記第一のコイルの内側に押し込むように適合された第一のアクチュエータと、
第二の複数の座を含む第二のドラムであって、前記第二の複数のうちの各座がロッド状の物品を受けるように適合された第二のドラムと、
前記第二の複数のうちの一つの座に位置付けられた第二の誘導性センサーであって、前記第二の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品の第二の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第二のコイルを含み、前記第二の誘導性センサーが、前記ロッド状の物品中の第二のサセプタの特性を感知するように適合されている、第二の誘導性センサーと、
前記第二の複数のうちの前記座と整列した第二の圧縮空気システムと、
前記ロッド状の物品が前記第二の複数のうちの前記座内に位置する時に、前記第二の圧縮空気システムを起動して空気を吹き出し、前記ロッド状の物品を前記第二のドラムの前記第二のコイルの内側に押し込むように適合された第二のアクチュエータと、を備え、
前記第一のドラムおよび前記第二のドラムが、前記第一のドラムから前記第二のドラムへの前記ロッド状の物品の移送を可能にするように、実質的に接する、検査装置。
【請求項14】
ロッド状の物品を検査する方法であって、
請求項1に従属する時、請求項1~3、または請求項5~12の一項以上に記載の検査装置を提供することと、
前記ロッド状の物品を前記ドラムの前記座内に位置付けることであって、前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルが前記第二の動作位置内にある、位置付けることと、
前記第一の半コイルおよび前記第二の半コイルを前記第一の動作位置で移動させることと、
サセプタの特性を感知することと、を含む、方法。
【請求項15】
ロッド状の物品を検査する方法であって、
請求項2に従属する時、請求項2、または請求項5~12の一項以上に記載の検査装置を提供することと、
前記ロッド状の物品を前記ドラムの前記座内に位置付けることと、
前記ロッド状の物品を、空気流によって前記コイル内に押し込むことと、
前記サセプタの特性を感知することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロッド状の物品の品質管理のための検査装置、特に、誘導加熱されることが可能な導電性バンドが、たばこセグメントのサセプタなどのエアロゾル発生材料の内側に挿入される、エアロゾル発生物品に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生装置は公知であり、これはエアロゾル形成基体および誘導加熱装置を備える。誘導加熱装置は誘導源を備え、これがサセプタ内で熱を発生させる渦電流とヒステリシス損失を誘導する交流電磁場を発生させる。サセプタはエアロゾル形成基体、例えばたばこ基体と熱的に近接している。加熱されたサセプタは次に、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する材料を含むエアロゾル形成基体を加熱する。
【0003】
一部の構成要素では、サセプタは、エアロゾル発生物品の構成要素の内側に位置付けられる。
【0004】
製造公差を理由に、構成要素内のサセプタが望ましい位置にない、または適正な向きを有しないことが生じる場合がある。サセプタが正しくない位置または向きのままである場合、構成要素がエアロゾル発生装置内で使用されている時のエアロゾルの送達に関して、製品の適合性の欠如が起こる場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、こうした欠陥を可能な限り早期に検出して、適合する製品のみが製造されることと、不必要なコストおよび無駄が回避されることとを確実にすることが望ましい。
【0006】
さらに、構成要素(サセプタを包含する構成要素を含む)は、高速(例えば、毎分5000個の構成要素など)で加工される。それ故に、こうした構成要素をチェックして製造要件への適合を判定できる時間窓は比較的に短い。例えば、構成要素がコンバイナのドラムの中に位置付けられている時に、構成要素は高速回転速度を有し、センサーが必要なデータを捕捉してサセプタの形状、位置、または存在もしくは不在を評価するための時間窓は約200ミリ秒である。
【0007】
それ故に、比較的に高速でサセプタに関連する欠陥を検出することが望ましい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第一の態様では、本発明は、ロッド状の物品の品質管理のための検査装置に関し、外表面を画定し、複数の座を含むドラムを含み、複数のうちの各座は、ロッド状の物品を受容するように適合される。検査装置は、複数のうちの一つの座に位置付けられた誘導性センサーを含むことが好ましく、誘導性センサーは、ロッド状の物品の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定するコイルを含み、誘導性センサーは、ロッド状の物品内のサセプタの特性を感知するように適合されている。コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができるコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離される第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であることが好ましい。
【0009】
本発明の別の態様によれば、ロッド状の物品が提供されている。ロッド状の物品は、例えば、エアロゾル発生物品の構成要素として使用されうる。構成要素は、好ましくはロッドの形状を有する。ロッド状の物品は、長軸方向軸を画定することが好ましい。ロッド状の物品は、第一の端および第二の端を画定することが好ましい。
【0010】
長軸方向軸に垂直な平面に沿ったロッド状の物品の断面は、円または楕円形であることが好ましい。しかしながら、ロッド状の物品はまた、長方形または多角形の断面を有してもよい。ロッド状の物品は、長軸方向軸に沿って延びる、好ましくは実質的に円筒状の外表面を備える。実質的に円筒状のロッド状の物品の場合、長軸方向軸は円筒の軸に対応する。
【0011】
ロッド状の物品は、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生物品の構成要素、またはエアロゾル発生物品の二つ以上の構成要素を含むことが好ましい。エアロゾル発生物品の構成要素は、エアロゾル形成基体を含んでもよい。エアロゾル形成基体は均質化したたばこ材料を含んでもよい。
【0012】
ロッド状の物品は、サセプタをさらに含む。サセプタはエアロゾル形成基体と熱的接触状態にあることが好ましい。熱接触は、エアロゾル形成基体を加熱するために作製される。加熱すると、エアロゾル形成基体はエアロゾルを放出する。サセプタはエアロゾル形成基体に囲まれることが好ましい。サセプタは、ロッド状の物品の構成要素内に完全に挿入され、すなわち、サセプタは、ロッド状の物品の外側からは見えないことが好ましい。サセプタは、すべての方向において、エアロゾル形成基体によって囲まれることが好ましい。
【0013】
好ましくは、サセプタは長軸方向軸を画定する。サセプタは、ロッド状の物品の第二の端よりも、ロッド状の物品の第一の端に近いことが好ましい。長軸方向軸に垂直な平面を仮定し、そしてロッド状の物品を、第一の端を含む第一の半分と第二の端を含む第二の半分とに分割すると、サセプタは、主として第一の半分内にあることが好ましい。サセプタは、ロッド状の物品の第一の端にて、またはその近傍に位置することが好ましい。サセプタは、ロッド状の物品の構成要素の中に完全に挿入されていることが好ましい。サセプタは、ロッド状の物品の構成要素の第一の端から第二の端に延びることが好ましい。好ましくは、サセプタは長軸方向軸を画定する。サセプタは、その長軸方向軸がロッド状の物品の長軸方向軸に平行であるように、ロッド状の物品の中に挿入されていることが好ましい。サセプタの長軸方向軸は、ロッド状の物品の長軸方向軸に平行である、または20度より小さい角度を形成することが好ましい。サセプタの長軸方向軸とロッド状の物品の長軸方向軸とは、合致することがより好ましい。
【0014】
サセプタの長軸方向軸は、サセプタの対称軸であってもよい。
【0015】
サセプタは、導電性材料で実現される。サセプタは金属で実現されることが好ましい。サセプタは、強磁性材料で実現されることが好ましい。サセプタは導電性材料で実現されるものの、他の材料、固体(異なる材料の層など)、または液体(ゲルなど)によって覆われてもよい。
【0016】
サセプタは、細片の形状を有することが好ましい。その厚さは、30マイクロメートル~60マイクロメートルから成ることが好ましい。サセプタの長さは、5ミリメートル~20ミリメートルから成ることが好ましい。
【0017】
ロッド状の物品は、ラッピングシートの中に巻かれていることが好ましい。
【0018】
本発明は、ドラムを提供することをさらに含む。ドラムは、ドラムが周りを回転するように適合されているドラム回転軸を画定する。ドラムは、例えばギアまたは歯付きベルトを備えるドラムドライブによって機械的に駆動されることができる。ドラムは、電気ドラムドライブによって駆動されてもよい。ドラムは、円筒形状であり、外表面を備えることが好ましい。外表面は、例えば幾何学的中心としてドラム回転軸を有する実質的に円筒状の表面である。
【0019】
ドラムは、ロッド状の物品を搬送および回転させるように適合されている。ドラムは、複数のロッド状の物品を搬送および回転させるように適合されることが好ましい。ドラムは、N個のロッド状の物品を搬送および回転するように適合されることが好ましく、ここで、5<N<100、より好ましくは20<N<50である。一部の実施形態では、ドラムは40個の座を備える。
【0020】
ドラムは、少なくとも座を含む。座は、ドラムの外表面上に形成されていることが好ましい。ドラムは、座内で搬送中にロッド状の物品を保持するように適合されていることが好ましい。例えば、ドラムは、その回転軸を中心とするドラムの回転中に、ロッド状の物品を座内に保持するように適合されている。座は、座軸に沿って長軸方向に延びることが好ましい。座は、ドラムが回転するにつれて、ロッド状の物品を受容するように適合される。ロッド状の物品は、その長軸方向軸が座軸に平行な状態で座内に嵌合することが好ましい。各座は、座軸とロッド状の物品の長軸方向軸とが平行である時に、ロッド状の物品をその中に収容することができるように構成されていることが好ましい。座軸とロッド状の物品の長軸方向軸は、合致することがより好ましい。座は、単一のロッド状の物品を収容するように適合されていることが好ましい。
【0021】
座軸は、ドラムの回転軸に平行であることが好ましい。そのため、ロッド状の物品が座内に位置付けられる時、ロッド状の物品の長軸方向軸は、ドラムの回転軸と平行であることが好ましい。すべての座は、ドラムの周辺表面に形成されていることが好ましい。座は、ドラムの外表面の周りに均等に間隙を介していることがより好ましい。
【0022】
ドラム内に存在するすべての座は、同じ幾何学的形状を有することが好ましい。例えば、各座は、ロッド状の物品の外表面に接触するように適合された受容表面を備える。受容表面は、陥凹表面、例えば円筒状表面の一部分を含むことが好ましい。受容表面は、ドラムの外表面の一部分である。受容表面は、ドラムによって搬送されるロッド状の物品の直径と等しい、またはこれよりもわずかに大きい直径を有する円筒状の表面の一部分であってもよい。受容表面の軸は、座軸を画定する。
【0023】
座軸はドラムの回転軸に平行であることが好ましく、従ってロッド状の物品がドラムの座内に位置付けられている時に、それらの長軸方向軸はドラムの回転軸に平行である。
【0024】
ドラムはまた、外表面の二つの対向する側面に位置する、第一の側面および第二の側面を備えることが好ましい。座は、第一の側面から反対側の第二の側面に延びることが好ましい。座が二つの端にて「開放」しているように、座は第一の側面、または第二の側面、またはその両方に到達してもよい。あるいは、座端は第一の側面または第二の側面に到達せず、この場合、座は「閉鎖した」座である。
【0025】
各座は、ドラムが回転する間、吸引によってロッド状の物品を座内に保持するように適合された、吸引システムまたは空気圧システムに接続された吸引開口を含むことが好ましい。例えば、ロッド状の物品のサイズおよび重量に応じて、二つ以上の開口が存在してもよい。
【0026】
少なくともドラムの座は、誘導性センサーと関連付けられている。より好ましくは、ドラムの複数の座、なおより好ましくは、ドラムのすべての座は、誘導性センサーと関連付けられている。技術分野において、誘導性センサー(inductive sensor)と誘導センサー(induction sensor)は同義語である。誘導性センサーは、磁場によって誘発された電流を使用して、金属物体などの近くの導電性物体を検出する。誘導性センサーは、高周波磁場などの磁場を発生するために、インダクタであるコイルを備える。ロッド状の物品の中に埋め込まれたサセプタなどの導電性物体が、変化する磁場の近くにある場合、電流は導電性物体内で流れることになる。この結果として生じる、導電性物体内の電流の流れは、コイル内に流れる電流によって形成された元の磁場と反対の新しい磁場を作り出す。正味の効果は、誘導性センサー内のシステム「コイルおよびサセプタ」のインピーダンス、例えば抵抗などを変化させることである。インピーダンス、またはインピーダンスのパラメータ関数を測定することによって、センサーは、導電性材料がいつ誘導性センサーの近くにもたらされたかを判定することができる。インピーダンスの変化は、物体が作製される導電性材料のタイプと、物体とセンサーの間の距離と、物体のサイズおよび形状とに依存する。
【0027】
誘導性センサーは、例えばTexas Instrumentsの集積回路LCD 1101であってもよい。誘導性センサーは、サセプタと等価な抵抗を測定することが好ましい。誘導性センサーは、共振器によって散逸されたエネルギーを監視しながら、一定のレベルで閉ループ構成において振動の振幅を調節することによって、等価なシステム「コイルおよびサセプタ」のインピーダンスおよび共振周波数を測定してもよい。共振器の中に注入された電力の量をモニターすることによって、誘導性センサーは、共振器の等価な並列抵抗を判定し、それをデジタル値として返すことができる。
【0028】
したがって、誘導性センサーはドラムの座と関連付けられ、好ましくは、複数の誘導性センサーは、ロッド状の物品内に埋め込まれたサセプタの特性を検出するために、ドラム当たり一つのセンサーで、ドラムの複数の座と関連付けられる。
【0029】
サセプタの特性は、サセプタの存在または不在であってもよい。サセプタの特性は、サセプタの長さであってもよい。サセプタの特性は、サセプタの形状または組成の性質または一貫性を示しうる。二つ以上のサセプタの特性が、誘導性センサーによって検出されてもよい。特性はまた、サセプタの寸法、サセプタが形成される材料の質量を含んでもよい。
【0030】
測定されるサセプタの特性は、コイルのインピーダンス、またはシステム「コイルおよびサセプタ」のパラメータ関数を測定することによって測定されることが好ましい。
【0031】
インピーダンスのパラメータ関数は、コイルのインピーダンスZ自体、またはコイルの等価抵抗、またはコイルのインダクタンスであることが好ましい。
【0032】
誘導性センサーは、内部体積を画定するコイルを含む。内部体積は、コイルの巻線によって区切られる。例えば、誘導性センサーは、ワイヤの複数の巻線を備える円筒状コイルを含む。コイルはコアを含まない、すなわち内部体積は空気を含むことが好ましい。コイルの内部体積は、ロッド状の物品を少なくとも一部分について、コイルの内部に挿入することができるほど十分に大きいことが好ましい。コイルの全長は、サセプタの長さよりも長いことが好ましい。サセプタの長さは、サセプタの長さの測定が望ましい場合、サセプタの名目上の長さを意味する。適正な挿入のために、コイルの内径は、ロッド状の物品の直径よりも大きいことが好ましい。コイルは、以下においてコイル軸と呼ばれる長軸方向軸を画定することが好ましい。
【0033】
ロッド状の物品は、誘導性センサーのコイルの中に挿入されていることが好ましい。挿入は完全であることができ、すなわちロッド状の物品全体がコイルの内部体積内に収容される、または部分的にのみ、すなわちロッド状の物品の一部分のみがコイルの内部体積内に収容される。しかしながら、ロッド状の物品は、挿入の終わりにサセプタ全体がコイルの内部体積内に位置するように、コイルの中に挿入されていることが好ましい。
【0034】
誘導性センサーのコイルは、コイル軸と座軸が相互に平行であるようなやり方で、ドラムの座に据え付けられていることが好ましい。これは好ましくは結果として、座内に存在する時に、コイル軸とロッド状の物品の長軸方向軸も同様に平行であることを意味する。
【0035】
誘導性センサーは、ロッド状の物品内のサセプタの特性を測定するために使用される。この理由のため、検査装置は制御ユニットを含むことが好ましい。制御ユニットは、誘導性センサーに電気的に接続されることが好ましい。制御ユニットは、サセプタの特性を評価するために、誘導性センサーからの信号を生成する。制御ユニットは、誘導性センサーの一部であってもよい。
【0036】
ロッド状の物品を誘導性センサーの中に挿入するために、ロッド状の物品と誘導性センサーの間の相対的な移動が行われる。
【0037】
コイルの中へのロッド状の物品の挿入は、ロッド状の物品の第一の端から行われることが好ましい。サセプタは、第二の端よりも第一の端に近いことが好ましく、それ故に第一の端からの挿入に必要なコイルは、サセプタがコイルの内部体積内に完全に挿入されるために、第二の端からの挿入よりも短い。このようにして、ロッド状の物品の限られた部分のみが、サセプタの特性を調査するためにコイルの中へと入る必要がある。
【0038】
コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含む。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、コイルの長軸方向軸に平行な平面に沿って分割されたコイルの二つの部分である。従って、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、異なるサイズを有してもよい。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、コイルの長軸方向軸を包含する平面に沿って分割された時に、各々コイルの半部であることがより好ましい。各半コイルは、複数の半巻線を含む。各半巻線は、例えば円周の円弧、より好ましくは半分の円周である。第一の半コイルの円周の円弧と、第二の半コイルの対応する円周の円弧とは、コイルの巻線を形成する。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、他方に対して移動可能である。第一の半コイル、または第二の半コイル、またはその両方によって実施される移動は、好ましくは平行移動、すなわち直線的な移動である。第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが、完全なコイルが形成されるようなやり方で接触していて、電流がコイルの巻線の中に流れることができる、第一の動作位置にあってもよい。この第一の動作位置において、第一の半コイルの半巻線の各々は、第二のコイルの半巻線に対応する。さらに、第二の半コイルの各半巻線に対して、第一の半コイルの半巻線が対応する。この第一の動作位置において、第一の半コイルと第二の半コイルの間の接触は、二つの半コイルによって形成されたコイル内に電流が流れることができるような接触である。従って、誘導性センサーは、サセプタの特性を検出することができる。導電性の細片は、例えば第二の半コイルまたは第一の半コイルが摺動する、ドラムの外表面上に形成されてもよい。
【0039】
第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが互いに所定の距離にある第二の動作状態にあってもよい。この第二の動作位置では、すべての巻線が完全ではないか、または完全な巻線がない。第一の半コイルと第二の半コイルとの間の「距離」が存在する。第一の半コイルと第二の半コイルとの間の距離の存在は、第一の半コイルの少なくとも半巻線が第二の半コイルの半巻線に対応しないことを意味する。第二の動作位置で、二つの半コイルは、コイルの長軸方向軸に沿って交互に連続し、その間にギャップがあることが好ましい。第二の動作位置において、第一の半コイルのうちいくつかの半巻線が、第二の半コイルのうちいくつかの半巻線と接触している場合、電流は、形成された少数の全巻線で流れうるが、この構成では測定は行われない。あるいは、第二の動作位置では、電流がコイル内に流れることができない。電流の流れは、第一の半コイルと第二の半コイルとの間の電気接点のタイプに依存する。
【0040】
第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の動作位置から第二の動作位置まで移動可能であり、その逆も同様である。
【0041】
「第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の動作位置から第二の動作位置まで移動可能である」という場合、第一の半コイルのみが移動してもよく、第二の半コイルのみが移動してもよく、または第一の半コイルと第二の半コイルの両方が移動してもよいことを意味する。
【0042】
第一の半コイルおよび第二の半コイルの移動は、以下のとおりであってもよい。第一の半コイルは、第二の半コイルに対して直線的に移動してもよい。第二の半コイルは、ドラムの外表面と一体であり、すなわち、第二の半コイルは外表面と共に回転するが、外表面に対して移動しない(すなわち、第二の半コイルは外表面に対して静止している)。あるいは、第二の半コイルは、第一の半コイルに対して直線的に移動してもよい。第一の半コイルは、ドラムの外表面に対して静止している、すなわち、第一の半コイルは外表面と共に回転するが、外表面に対しては移動しない。あるいは、第一の半コイルおよび第二の半コイルの両方は、一方が他方に対して移動する。第一の半コイルおよび第二の半コイルの各々は、第一の半コイルおよび第二の半コイルの他方に向かって、および他方から離れて往復運動を行ってもよい。
【0043】
第一の半コイルは、ドラムの外表面の下に位置付けられる。表面「下」という用語は、第一の半コイルがドラム内で半径方向内側に延在することを意味する。第二の半コイルとの電気的接続を形成するために、第二の半コイルの半巻線との電気的接続がなされうるように、第一の半コイルの半巻線の末端がドラムの外表面から突出する。第一の半コイルの半巻線の端は、ドラムの外表面と実質的に同一平面であることが好ましい。
【0044】
第二の半コイルは、ドラムの外表面上に延在することが好ましい。例えば、ドラムは、レール、例えば、第二の半コイルが第一の半コイルに向かって、およびそこから離れて走行しうる各座用の一対のレールを含んでもよい。
【0045】
ドラムの外表面はまた、第二の半コイルを第一の半コイルに向かって、およびそこから離れて摺動させると同時に、二つの半コイル間の電気的接続を保証する導電性ストリップを含んでもよい。
【0046】
外表面は、第一の半コイルが移動する電気トラックを含んでもよく、そのため、第一の半コイルおよび第二の半コイルの相対位置が、完全なコイルが形成される(第一の半コイルおよび第二の半コイルが第一の動作位置にある)ような位置である時、第一の半コイルの半巻線の終端は、第二の半コイルの半巻線の終端に対応し、その間に存在する導電性トラックによって、電流はそのように形成された巻線内を流れることができる。
【0047】
第一の半コイル、第二の半コイル、またはその両方は、アクチュエータによって移動される。アクチュエータは、線形アクチュエータであってもよい。移動は、コイル軸に平行な方向での直線的な移動であることが好ましい。移動は、座軸に平行な直線的な移動であることが好ましい。アクチュエータは、例えば、ピストンを含む空気圧式アクチュエータを含んでもよい。ピストンは、第二の半コイルに固定され、第一の半コイルに向かって、また第一の半コイルから離れるように移動させる。アクチュエータは、ラック・アンド・ピニオン機構を含んでもよい。
【0048】
動作中、ロッド状の物品は、誘導性センサーによるサセプタの特性の検出が実行されるドラムの座内に位置付けられる。誘導性センサーは、コイルのインピーダンスのパラメータ関数を測定してもよい。誘導性センサーの測定は、好ましくは、繰り返される、すなわち、ロッド状の物品のコイルへの挿入中に、サセプタの特性についていくつかの測定が行われる。ロッド状の物品がコイルから抽出された時にも、いくつかの測定が行われることが好ましい。ロッド状の物品の座の中に位置付けることは、例えば別のドラムまたはコンベアからの移送に起因する場合がある。好ましくは、ロッド状の物品の座内への移動の瞬間、第一の半コイルおよび第二の半コイルは第二の動作位置にあり、そのため、座内でのロッド状の物品の位置決めが可能である。例えば、位置決めは、ロッド状の物品が、少なくとも部分的に第一の半コイルの上方に位置するようになされる。
【0049】
ロッド状の物品が座内に着座すると、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、アクチュエータによって第一の動作位置に移動させられ、そのため、コイルが形成される。第一の半コイルおよび第二の半コイルが第一の動作位置で移動される時、第二の半コイルは、ロッド状の物品の上方を摺動して、ロッド状の物品の一部分を包含する。
【0050】
コイル内では、電流が発生してコイルの全長に流れ、サセプタの特性の検出を実行することができる。誘導性センサーによってなされる検出は、サセプタの存在または不在に関連したものであってよい。サセプタが存在しない場合、渦電流は作り出されず、またコイルによって形成された磁場に変化はない。そのうえ、誘導性センサーによってなされた測定は、サセプタのサイズに関連する場合がある。誘導性センサーによって出力される信号は、サセプタの材料、サイズ、形状、距離に依存する。材料は既知であり、また距離は測定可能であり、サセプタのサイズまたは形状は測定されることができる。重量を知ることなどによってサイズを知ることで、サセプタの寸法は、例えば、誘導性センサーによって測定されるシステム「コイルおよびサセプタ」のインピーダンスに対する信号の最小または最大から取得することができる。実際に、「コイルおよびサセプタ」のインピーダンスも、サセプタの特性に依存する。
【0051】
従って、ドラムの座上に位置付けられると、ロッド状の物品の移動は、サセプタの特性を得るために必要とされなくなる。測定は、誘導性センサーを用いて可能である迅速な測定に起因して、非常に高速とすることができる。ロッド状の物品を移動させるために、複雑な機械部品は必要とされない。ロッド状の物品は、ドラム内での不適切な取り扱いに起因する変形を回避する。
【0052】
検査装置は制御ユニットを含むことが好ましい。好ましくは、制御ユニットは、誘導性センサーと通信する。誘導性センサーは、制御ユニットに送信されるサセプタの特性に対して一つ以上の信号を発生するように適合されることが好ましい。
【0053】
好ましくは、検査装置は、ロッド状の物品が座上にある時に、第一の半コイル、または第二の半コイル、またはその両方を、第二の動作位置から第一の動作位置に動かすようにアクチュエータに命令するよう適合された制御ユニットを含む。ロッド状の物品をドラムの座内に置くために、座は好ましくは「自由」である、すなわち、他の物体が座の上方に位置付けられて、ロッド状の物品の位置付けが妨げられるべきではない。ロッド状の物品は、例えば、別のドラムから、またはコンベアから、ドラムの座に移動させられてもよい。よって、ロッド状の物品が座内に位置付けられている時に、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、相互から分離されて第二の動作位置にあることが好ましく、それによって座の上方の体積が「自由」であり、かつロッド状の物品をいかなる障害物もなく座に位置付けることができる。ロッド状の物品が座内にある時に、第一の半コイルおよび第二の半コイルは第一の動作位置に移動され、サセプタの特性の検出を行うことができる。それ故に、アクチュエータは、第一の半コイルの半巻線が第二の半コイルの相補的な半巻線に対応するまで、第一の半コイルまたは第二の半コイルを移動させる。制御ユニットは、第一の動作位置に到達するまで第二の半コイルを移動させるようにアクチュエータに命令する。制御ユニットの命令は、座内のロッド状の物品の存在または不在を感知するさらなるセンサーによってトリガされてもよい。それ故に、センサーがロッド状の物品の存在を感知する時に、センサーは制御ユニットに信号を送信し、これは次に信号をアクチュエータへと送信して、第一の半コイルおよび第二の半コイルを第一の動作位置にもたらし、誘導性センサーによる検出が行われてもよい。あるいは、制御ユニットによってアクチュエータに送信された命令は、ドラムの回転と同期される。ドラムが回転する間、制御ユニットは、ドラムの角速度およびドラムの中へのロッド状の物品の挿入点を受信または判定するように適合されている。この情報から、制御ユニットは、ドラム内の各ロッド状の物品の角度位置を計算してもよい。制御ユニットは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが、所与の周波数で第二の動作位置から第一の動作位置に移動するように、誘導性センサーが存在している座のアクチュエータに命令してもよい。
【0054】
好ましくは、座は、受容表面、ドラムの外表面の一部を含み、第一の半コイルは、座の受容表面の下に位置する。好ましくは、第一の半コイルは、ロッド状の物品が位置付けられる座の受容表面の下に位置する。第二の半コイルは、好ましくは、第二の半コイルが座の上方に位置する第一の動作位置から、第二の半コイルが座の上方ではない第二の動作位置に移動する。第二の動作位置では、第二の半コイルは、座の端に向かってシフトされる。例えば、第二の半コイルは、ドラムの側面に向かって移動される。第二の半コイルの移動は、座軸に平行な方向に沿ったものであることが好ましい。
【0055】
別の態様によれば、本発明は、ロッド状の物品の品質管理のための検査装置に関し、装置は、複数の座を含むドラムを備え、複数のうちの各座は、ロッド状の物品を受けるように適合されている。検査装置は、複数のうちの一つの座に位置する誘導性センサーを含んでもよく、誘導性センサーは、ロッド状の物品の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定するコイルを含み、誘導性センサーは、ロッド状の物品内のサセプタの特性を感知するように適合されている。検査装置は、複数の座と整列した圧縮空気システムを含みうる。検査装置は、ロッド状の物品が座内に位置し、ロッド状の物品をコイル内で押す時に、圧縮空気システムを起動させて空気を吹き出すよう適合されたアクチュエータを含んでもよい。
【0056】
例えば、圧縮空気システムは、圧縮空気の流れを排出するように適合されているノズルを含んでもよい。圧縮空気の流れの主方向は、座の長軸方向軸に平行であることが好ましい。従って、圧縮空気の流れは、ロッド状の物品の端のうちの一つに衝突し、それをコイルに向かって押すことが好ましい。コイルは、座と整列されている、すなわちコイルの長軸方向軸は、ロッド状の物品の長軸方向軸に平行またはそれと一致していることが好ましい。コイルの長軸方向軸は、圧縮空気の流れの平均軸に平行であることが好ましい。
【0057】
圧縮空気システムは、第一の圧縮空気流と反対向きの圧縮空気流を排出して、ロッド状の物品をコイルの外側に押すための第二のノズルを含むことが好ましい。第二のノズルは、所与の距離で第一のノズルに面することが好ましい。所与の距離は、ロッド状の物品の長さよりも長いことが好ましい。第一のノズルおよび第二のノズルは、コイルの対向する側に位置することが好ましい。
【0058】
コイルの内部体積のサイズは、ロッド状の物品が、少なくとも一部分について、その端のうちの一つからコイル内に挿入可能であるようなサイズである。
【0059】
この態様では、ドラムおよびロッド状の物品は、前の態様と同じであり、それらの特性はここでは繰り返されない。さらに、サセプタについて測定される特性は、前の態様に記載されるとおりである。
【0060】
この態様では、ロッド状の物品と誘導性センサーとの間の相対的な移動は、誘導性センサーのコイルに向かってのロッド状の物品の移動を少なくとも含む。相対的な移動は、誘導性センサーのコイルに向かってのロッド状の物品の動きのみを含むことが好ましい。誘導性センサーのコイルは、固定されて、ドラムの外表面と共に移動すること、すなわち、コイルはドラムの外表面に対して静止していることが好ましい。したがって、コイルはドラムの外表面と共に回転する。ロッド状の物品は、座内に位置付けられることが好ましい。座の位置決めの後、ロッド状の物品は、圧縮空気流によって誘導性センサーのコイル内に挿入される。
【0061】
ロッド状の物品の挿入は、例えば、ロッド状の物品がドラムの座に位置付けられる時に行われる圧縮空気の流れの排出を介して行われてもよい。
【0062】
好ましくは、検査は制御ユニットを含む。好ましくは、制御ユニットは、誘導性センサーと通信する。誘導性センサーは、サセプタの特性に対して一つ以上の信号を生成するように適合されることが好ましい。これらの特性には、サセプタの存在または不在、サセプタの寸法、サセプタが形成される材料の質量が含まれてもよい。好ましくは、制御ユニットは、誘導性センサーと通信する。
【0063】
誘導性センサーは、コイルのインピーダンスのパラメータ関数を表す信号を発するように適合されることが好ましい。
【0064】
好ましくは、検査装置は、ロッド状の物品が座上にある時に圧縮空気システムを指令して圧縮空気流を排出するよう適合された制御ユニットを含む。座は、ロッド状の物品が座内に位置付けられていない時には、空であってもよい。あるいは、座は、その中に位置しているロッド状の物品を含んでもよい。ロッド状の物品が座内に位置する時に、圧縮空気システムが起動されることが好ましい、すなわち、圧縮空気流が排出されることが好ましい。このようにして、圧縮空気流は、誘導性センサーのコイル内でロッド状の物品を押し出すことができる。ロッド状の物品は、例えば、別のドラムから、またはコンベアから、ドラムの座に移動させられてもよい。ロッド状の物品が座内にある時に、制御ユニットは圧縮空気システムに空気流を排出するよう命令することが好ましい。制御ユニットの命令は、座内のロッド状の物品の存在または不在を感知するさらなるセンサーによってトリガされてもよい。したがって、センサーがロッド状の物品の存在を感知すると、空気流を排出してロッド状の物品をコイル内に押し込むために、センサーが制御ユニットに信号を送信し、次に制御ユニットは圧縮空気システムに信号を送信する。ドラムが回転する間、制御ユニットは、ドラムの角速度およびドラムの中へのロッド状の物品の挿入点を受信または判定するように適合されている。この情報から、制御ユニットは、ドラム内の各ロッド状の物品の角度位置を計算してもよい。制御ユニットは、座がロッド状の物品によって占有されている時のみ、座内の空気流を排出するように、所定の頻度で圧縮空気システムを指令してもよい。
【0065】
複数の座の全てに対して単一の圧縮空気システムが存在してもよい。圧縮空気システムは、ドラムの外表面の側面に位置してもよい。圧縮空気システムは、ドラムの第一の側面または第二の側面に面することが好ましい。圧縮空気システムは、静止していてもよく、すなわち、ドラムと共に回転しない。圧縮空気システムは、各時間間隔で、圧縮空気流を単一の座に排出してもよい。ところが、圧縮空気システムは、圧縮空気システムのノズルの前を通過する間、複数のうちいくつかの座内に圧縮空気流を排出してもよい。ノズルは、ドラムの回転によって座がノズルの前方を移動する間、静止している。新しい座がノズルの前に存在するたびに、新しい空気流が排出されることが好ましい。
【0066】
任意の態様において、ドラムは回転軸を有し、また複数のうちの各座は座軸を画定し、座軸および回転軸は相互に平行であることが好ましい。すべての座は、ドラムの回転軸に平行な座軸を有することが好ましい。すべての座軸は相互に平行であることが好ましい。これは結果として、ロッド状の物品が座内に位置する時に、ロッド状の物品の長軸方向軸が回転軸に対して平行であることを意味する場合がある。サセプタの特性を判定するために、ロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動(例えば、半コイルが移動する、またはロッド状の物品が移動する、またはその両方のいずれか)が必要である。ロッド状の物品がドラムの回転軸に平行である構成は、ドラムが同時にホストしうるロッド状の物品の数を最大化する。
【0067】
本発明の好ましい一実施形態では、コイルの長さは、20ミリメートル~40ミリメートルから成る。コイルの長さは、サセプタ全体がコイルに挿入されることができるように、サセプタの長さよりも長いことが好ましい。コイルの長さは、コイル軸に沿って取られる。
【0068】
検査装置は、誘導性センサーに電気的に接続された制御ユニットを備えることが好ましい。制御ユニットは、誘導性センサーから信号を受信するように、および信号を閾値と比較するように適合されていることが好ましい。誘導性センサーは、コイルおよびサセプタによって形成されたシステムのインピーダンス、またはコイルのインピーダンスのパラメータ関数を測定することが好ましい。導電性材料で作製されたサセプタにおいて、渦電流が発生され、これは次に、磁場を形成する。誘導性センサーによって測定されたインピーダンスのパラメータ関数は、サセプタの特性に依存する。誘導性センサーの一部の実施形態では、誘導性センサーは抵抗を測定する。特に、誘導性センサーは、サセプタと等価の直列抵抗を測定するように適合されている。誘導性センサーによって測定されるその抵抗が200ミリオーム~500ミリオームから成る場合、サセプタは許容可能であると見なされることが好ましい。サセプタの組成が既知であるという事実に起因して、閾値との比較は、サセプタの特性を判定することを可能にする。
【0069】
サセプタがロッド状の物品に不在である場合、コイルのインピーダンスにおける変化はなく、サセプタを除き、ロッド状の物品内に他の導電性物体が概して含まれていないと見なされる。
【0070】
制御ユニットは、ロッド状の物品内に位置するサセプタの長さを計算するように適合されることがより好ましい。サセプタの長さは、コイル内のロッド状の物品の位置に従って誘導性センサーによって発せられた信号の変動をチェックすることによって計算されてもよい。誘導性センサーによって発せられた信号は、システムコイルおよびサセプタのインピーダンスに依存する。このインピーダンスは、サセプタ全体がコイルの内部に入る時に最大(または最小)レベルに到達し、かつサセプタの端がコイルを出るとすぐに減少(または増加)し始める。この信号をコイルの内部のロッド状の物品の位置と比較することによって、サセプタの正確な長さを判定することが可能である。
【0071】
誘導性センサーによって発される信号に基づいてロッド状の物品を拒絶するように適合される拒絶装置が提供されることが好ましい。ロッド状の物品の内部のサセプタの特性のうちの一つが仕様の範囲外である、例えばサセプタが存在しない、またはそのサセプタの長さが短すぎるもしくは長すぎることを誘導性センサーが感知する場合、ロッド状の物品は、さらに加工されないことが好ましい。「欠陥のある」サセプタを包含するロッド状の物品は、例えば有効なサセプタを包含するロッド状の物品が移送されるドラムと異なる拒絶ドラムに移送される。制御ユニットは、欠陥のあるサセプタを包含するロッド状の物品が、有効なサセプタを包含するロッド状の物品と異なるように座から排出されるようなやり方で、ロッド状の物品を座内に保つ吸引システムを制御することが好ましい。有効なサセプタと欠陥サセプタの間の鑑別は、制御ユニットによってなされることが好ましい。鑑別は、誘導性センサーによって感知されたサセプタの特性に基づくことが好ましい。
【0072】
ドラムは、複数の誘導性センサー、複数の座の各座に対する誘導性センサーを含むことが好ましい。このようにして、複数のロッド状の物品を迅速にチェックすることができる。
【0073】
コイルは、10ミリメートル~20ミリメートルから成る直径を有することが好ましい。本明細書で考えられるコイルの直径は、コイルの内径、すなわちロッド状の物品の挿入のために利用可能な直径である。コイルのサイズは、ロッド状の物品を挿入できるようなサイズである。
【0074】
座は座軸を画定し、コイルはコイル軸を画定し、コイル軸および座軸は互いに平行であることが好ましい。サセプタの特性を測定するために、ロッド状の物品はコイルの中に挿入される。コイルおよびロッド状の物品が、相互に平行なそれぞれの軸を有する場合、コイルとロッド状の物品の間で実施される相対的な移動は、単純な直線的な移動である。それ故に、機械的構造は比較的に単純である。
【0075】
別の態様によれば、本発明は、第一の複数の座であって、第一の複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合され、第一のドラムが第一の外表面を画定する第一の複数の座を含む、第一のドラムを備える、検査装置に関する。検査装置はまた、第一の複数のうちの一つの座に位置付けられた第一の誘導性センサーを備えてもよく、第一の誘導性センサーは、ロッド状の物品の第一の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第一のコイルを含み、第一の誘導性センサーは、ロッド状の物品内の第一のサセプタの特性を感知するように適合される。第一のコイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる第一のコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離され、いかなる電流も流れることができない第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であることが好ましい。好ましくは、第一の半コイルは、第一のドラムの第一の外表面の下に位置し、第二の半コイルは、第一のドラムの第一の外表面の上に位置する。検査装置はまた、第一のドラム内で、第一のコイルの第一の半コイルおよび第二の半コイルを第一の動作位置から第二の動作位置へ移動し、その逆に移動するように適合された第一のアクチュエータを備えてもよい。検査装置はまた、第二の複数の座を含む第二のドラムを備えてもよく、第二の複数のうちの各座はロッド状の物品を受容するように適合され、第二のドラムは第二の外表面を画定する。検査装置は、第二の複数のうちの一つの座に位置する第二の誘導性センサーを備えてもよく、第二の誘導性センサーは、ロッド状の物品の第二の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第二のコイルを含み、第二の誘導性センサーは、ロッド状の物品内の第二のサセプタの特性を感知するように適合されている。第二のコイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる第二のコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離され、いかなる電流も流れることができない第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であることが好ましい。第二のコイルの第一の半コイルは、第二の外表面の下に位置することが好ましく、第二のコイルの第二の半コイルは、第二の外表面の上に位置することが好ましい。検査装置はまた、第二のドラム内で、第二のコイルの第一の半コイルおよび第二の半コイルを第一の動作位置から第二の動作位置へ移動し、その逆も同様であるように適合された第二のアクチュエータを備えてもよい。第一のドラムおよび第二のドラムは、第一のドラムから第二のドラムへのロッド状の物品の移送を可能にするように、実質的に接することが好ましい。
【0076】
検査装置は、第一のドラムおよび第二のドラムという実質的に二つのドラムを備え、第一のドラムおよび第二のドラムの各々は、上述の本発明の第一の態様に従って実現される。ロッド状の物品が第一のサセプタおよび第二のサセプタを含む時に、二つのドラムが使用されることが好ましい。第一のサセプタおよび第二のサセプタは、ロッド状の物品の二つの対向する遠位端に位置することが好ましい。したがって、第一の誘導性センサーを有する第一のドラムは、第一のサセプタが存在するロッド状の物品の第一の端を検査するために使用される。第二の誘導性センサーを有する第二のドラムは、第二のサセプタが存在するロッド状の物品の第二の端を検査するために使用される。第一のドラムにおいて、ロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動は、第一の軸に沿っていて、その一方で第二のドラムにおけるロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動は、第一の軸に平行な軸に沿っているが、反対向きの方向である。第一のサセプタが検査される第一のドラム内の検査の後、ロッド状の物品は第二のドラムに移送されることが好ましい。移送は、第一のサセプタに欠陥がない場合にのみ行われることが好ましい。移送は、現場での標準的な方法に従ってなされる。それ故に、第一のサセプタと第二のサセプタの両方の速くて完全なチェックが達成される。
【0077】
さらなる態様によれば、本発明は、第一の複数の座を含む第一のドラムであって、第一の複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合される、第一のドラムを備える、検査装置に関連する。検査装置は、第一の複数のうちの一つの座に位置する第一の誘導性センサーを備えることが好ましく、第一の誘導性センサーは、ロッド状の物品の第一の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第一のコイルを含み、第一の誘導性センサーは、ロッド状の物品内の第一のサセプタの特性を感知するように適合される。検査装置は、好ましくは、第一の複数の座と整列した第一の圧縮空気システムを備える。検査装置は、好ましくは、ロッド状の物品が第一の複数の座内に位置する時に、第一の圧縮空気システムを起動して空気を吹き出し、それを第一のドラムの第一のコイルの内側に押し込むように適合された第一のアクチュエータを備える。検査装置は、好ましくは、第二の複数の座を含む第二のドラムを備え、第二の複数のうちの各座は、ロッド状の物品を受容するように適合されている。検査装置は、第二の複数のうちの一つの座に位置付けられた第二の誘導性センサーを備えることが好ましく、第二の誘導性センサーは、ロッド状の物品の第二の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第二のコイルを含み、第二の誘導性センサーは、ロッド状の物品内の第一のサセプタの特性を感知するように適合されている。検査装置は、好ましくは、第二の複数の座と整列した第二の圧縮空気システムを備える。検査装置は、好ましくは、ロッド状の物品が第二の複数の座内に位置する時に、第二の圧縮空気システムを起動して空気を吹き出し、それを第二のドラムの第二のコイルの内側に押し込むように適合された第二のアクチュエータを備える。第一のドラムおよび第二のドラムは、第一のドラムから第二のドラムへのロッド状の物品の移送を可能にするように、実質的に接することが好ましい。
【0078】
検査装置は、実質的に二つのドラム、第一のドラムおよび第二のドラムを備え、第一のドラムおよび第二のドラムの各々は、上述の本発明の第二の態様に従って実現される。ロッド状の物品が第一のサセプタおよび第二のサセプタを含む時に、二つのドラムが使用される。第一のサセプタおよび第二のサセプタは、ロッド状の物品の二つの対向する遠位端に位置することが好ましい。したがって、第一の誘導性センサーを有する第一のドラムは、第一のサセプタが存在するロッド状の物品の第一の端を検査するために使用される。第二の誘導性センサーを有する第二のドラムは、第二のサセプタが存在するロッド状の物品の第二の端を検査するために使用される。したがって、第一のドラムにおいて、ロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動は、第一の軸に沿っていて、その一方で第二のドラムにおけるロッド状の物品とコイルの間の相対的な移動は、第一の軸に平行な軸に沿っているが、反対向きの方向である。第一のドラム内の検査の後、ロッド状の物品は、第二のドラムに移送されることが好ましい。移送は、第一のサセプタに欠陥がない場合にのみ行われることが好ましい。移送は、現場での標準的な方法に従ってなされる。それ故に、第一のサセプタと第二のサセプタの両方の速くて完全なチェックが達成される。
【0079】
「インピーダンス」は、抵抗の複素数値による一般化を意味する。インピーダンスZは、V(電圧)/I(電流)を表す複素数である。コイルなどの理想的なインダクタLの場合、インピーダンスZLは以下の式によって与えられる。
【数1】
【0080】
【0081】
【0082】
以下において、「ロッド状の物品」という用語は、エアロゾル発生物品内に含まれてもよい任意の要素を指してもよく、または完全なエアロゾル発生物品を指してもよい。こうした要素は当技術分野で周知であり、以下でさらに詳述しない。例えば、こうしたロッド状の物品は、フィルターのプラグ、熱源、たばこロッド、木炭要素等を含んでもよい。ロッド状の物品は、植物材料含有物品、特にたばこ含有物品であることが好ましい。たばこ物品は、たばこカットフィラーまたはエアロゾル形成再構成たばこを包含してもよい。物品は、燃焼されるまたは加熱されるたばこロッドを備えてもよい。本発明によるロッド状の物品は、完全な組み立てられたエアロゾル発生物品であってもよく、または例えば加熱式喫煙装置の消耗部品などの、エアロゾルを生成するための組み立てられたエアロゾル発生物品を提供するために一つ以上の他の構成要素と組み合わせられたエアロゾル発生物品の要素であってもよい。
【0083】
エアロゾル発生物品の要素は、加熱に伴いエアロゾル発生基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含むことが好ましい。
【0084】
好ましくは、ロッド状の物品は、熱源、または揮発性風味発生構成成分、例えばメントールカプセル、木炭要素、またはサセプタを含んでもよい。
【0085】
さらに、ロッド状の物品は、一緒に組み合わせられたエアロゾル発生物品の複数の構成要素、またはエアロゾル発生物品以外のものさえも含んでもよい。
【0086】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱へと変換する能力を有する材料を指す。交流電磁場内に位置する時に、サセプタ内に渦電流が誘発され、かつヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を引き起こす。サセプタがエアロゾル形成基体と熱的に接触して位置している、または熱的に近接近して位置しているため、エアロゾル形成基体はサセプタによって加熱され、これによってエアロゾルが形成される。サセプタは、例えばエアロゾル形成たばこ基体内で、エアロゾル形成基体と物理的に直接接触して配設されていることが好ましい。
【0087】
サセプタは、エアロゾル形成基体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱されることができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは強磁性材料(例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくは強磁性ステンレス鋼)を含んでよく、またはそれから成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。適切なサセプタは、非金属コア上に配置された金属層(例えばセラミックコアの表面上に形成された金属のトラック)を有する非金属コアを備えてもよい。サセプタは、サセプタを封入する保護用外部層、例えば保護用セラミック層または保護用ガラス層を有してよい。サセプタは、サセプタ材料のコアを覆って形成された、ガラス、セラミック、または不活性金属によって形成された保護被覆を含んでもよい。
【0088】
サセプタは多材料サセプタであってもよく、第一のサセプタ材料と第二のサセプタ材料を含んでもよい。第一のサセプタ材料は第二のサセプタ材料と物理的に密着した状態で配置されている。第二サセプタ材料は500℃より低いキュリー温度を有することが好ましい。第一サセプタ材料は、主に揺動電磁場にサセプタが配置されるときにサセプタを加熱するために使用されることが好ましい。任意の適切な材料が使用されてもよい。例えば、第一のサセプタ材料はアルミニウムであってもよく、またはステンレス鋼などの鉄系材料であってもよい。第二のサセプタ材料は、サセプタが特定の温度(第二のサセプタ材料のキュリー温度である温度)に達した時を示すために主に使用されることが好ましい。動作中にサセプタ全体の温度を調節するために、第二のサセプタ材料のキュリー温度を使用することができる。それ故に、第二のサセプタ材料のキュリー温度はエアロゾル形成基体の発火点を下回るべきである。第二のサセプタ材料に適切な材料には、ニッケルおよび特定のニッケル合金が挙げられうる。
【0089】
サセプタは、フィラメント、ロッド、シート、または帯の形態を有することが好ましい。サセプタの輪郭が一定の断面、例えば円形断面の輪郭である場合、輪郭は約1ミリメートル~約5ミリメートルの好ましい幅または直径を有する。サセプタの輪郭がシートまたは帯の形態を有する場合、シートまたは帯は、好ましくは約2ミリメートル~約8ミリメートルの幅、より好ましくは約3ミリメートル~約5ミリメートル(例えば4ミリメートル)の幅と、好ましくは約0.03ミリメートル~約0.15ミリメートルの厚さ、より好ましくは約0.05ミリメートル~約0.09ミリメートル(例えば0.07ミリメートル)の厚さとを有する長方形の形状を有することが好ましい。
【0090】
好ましくは、ロッド状の物品は、約5ミリメートル~約20ミリメートルの長さ、好ましくは約8ミリメートル~約16ミリメートル(例えば約12ミリメートル)の長さを有してもよい。一部の場合において、ロッド状の物品は、約40ミリメートル~約85ミリメートルの長さを有してもよい。
【0091】
以下において、「長さ」という用語は、別途指定のない限り、ロッド状の物品の長軸方向軸に沿ったロッド状の物品の長さを指す。
【0092】
以下において、「ロッド状の」という用語は、実質的に円筒状、長円形または楕円形断面の、概して円筒状の要素を指す。しかしながら、異なる断面を有する他の角柱状の形態も可能である。
【0093】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル発生物品」は、エアロゾル形成基体が加熱された時に吸入可能なエアロゾルを発生する任意の物品である。この用語は、電気発熱体などの外部熱源によって加熱されるエアロゾル形成基体を含む物品を含む。エアロゾル形成物品は、エアロゾル形成基体の燃焼を有しないで揮発性化合物を放出する物品である、不燃性エアロゾル発生物品であってもよい。エアロゾル形成物品は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出するために、燃焼ではなく加熱されることが意図されているエアロゾル形成基体を含むエアロゾル発生物品である、加熱式エアロゾル発生物品であってもよい。この用語は、エアロゾル形成基体と、一体型の熱源(例えば、可燃性熱源)とを備える物品を含む。
【0094】
エアロゾル発生物品はマウスピース要素を備えてもよい。マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の口側端または下流端に位置してもよい。
【0095】
エアロゾル発生物品は、少なくとも一つのフィルター要素を備えてもよい。
【0096】
フィルターセグメントは、セルロースアセテートトウで作製されたセルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルターセグメントは、低い微粒子濾過効率または非常に低い微粒子濾過効率を有してもよい。フィルターセグメントは、エアロゾル形成基体から長軸方向に間隙を介してもよい。フィルターセグメントは、長軸方向で5ミリメートル~約14ミリメートルの長さを有してもよい。フィルターセグメントは、約7ミリメートルの長さを有してもよい。
【0097】
エアロゾル発生物品の複数の要素は、支持要素およびエアロゾル冷却要素のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0098】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生物品の複数の要素をロッドの形態に巻くラッパーを備えることが好ましい。ラッパーは、紙および箔のうちの少なくとも一つを含んでもよい。
【0099】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを発生するために加熱に伴い揮発性化合物を放出する能力を有するエアロゾル形成材料から形成された、またはエアロゾル形成材料を含む基体を意味する。エアロゾル形成基体は、たばこ材料を含有してもよく、または非たばこ材料を含有してもよく、またはたばこ材料と非たばこ材料の両方の組み合わせを含有してもよい。エアロゾル形成基体は、ニコチンで含浸されたセルロース系材料であってもよく、一つ以上の風味を含むことが好ましい。有利なことに、エアロゾル形成基体は、たばこ材料、好ましくは均質化したたばこ材料、好ましくは一つ以上のエアロゾル形成体を含むたばこ材料を含む。本明細書で使用される「均質化したたばこ材料」という用語は、粒子状たばこを凝集することによって形成された材料を意味する。
【0100】
エアロゾル形成基体は、加熱に伴いエアロゾル形成基体から放出される揮発性たばこ風味化合物を含有することが好ましい。エアロゾル形成基体は、ブレンドされたたばこカットフィラーを含んでもよく、もしくはそれから成ってもよく、または均質化したたばこ材料を含んでもよい。均質化したたばこ材料は、粒子状たばこを凝集することによって形成されてもよい。エアロゾル形成基体は、非たばこ含有材料、例えばたばこ以外の均質化した植物由来材料を追加的に含んでもよい。
【0101】
エアロゾル形成基体は、たばこ材料、繊維、結合剤、およびエアロゾル形成体を含む、(好ましくは捲縮した)たばこシートであることが好ましい。たばこシートはキャストリーフであることが好ましい。キャストリーフは、たばこ粒子、繊維粒子、エアロゾル形成体、結合剤、および例えば風味も含むスラリーから形成されている、再構成たばこの一形態である。
【0102】
たばこ粒子は、望ましいシート厚さおよびキャスティング間隙に応じて、30マイクロメートル~250マイクロメートル程度の粒子、好ましくは30マイクロメートル~80マイクロメートル程度、または100マイクロメートル~250マイクロメートル程度の粒子を有するたばこダストの形態であってもよく、キャスティング間隙は典型的に、シートの厚さを画定する。
【0103】
たばこ粒子のサイズは、体積分布におけるたばこ粒子のDv95サイズを指す。
【0104】
繊維粒子はまた、たばこ茎材料、葉柄または他のたばこ植物材料、および他のセルロース系繊維(リグニン含有量の低い木材繊維など)を含んでもよい。繊維粒子は、低い含有率、例えば約2パーセント~15パーセントの含有率に対して十分な引張強さをキャストリーフに生成するという所望に基づいて選択されてもよい。あるいは、植物繊維などの繊維を上述の繊維粒子とともに、または代わりに使用してもよく、これには麻および竹が含まれる。
【0105】
キャストリーフを形成するスラリーに含まれるエアロゾル形成体、または他のエアロゾル形成基体に使用されるエアロゾル形成体は、一つ以上の特性に基づいて選ばれてもよい。機能的には、エアロゾル形成体は、エアロゾル形成体の特定の揮発温度を超えて加熱された時に、エアロゾル形成体を揮発させて、エアロゾル形成体がニコチンまたは風味剤またはその両方をエアロゾルの状態で運ぶことを可能にする機構を提供する。異なるエアロゾル形成体は典型的に、異なる温度で気化する。エアロゾル形成体は、使用時に高密度の安定したエアロゾルの形成を容易にする、および誘導加熱可能なたばこ基体とともに使用されるべきである誘導加熱装置の動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性がある、任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物であってもよい。エアロゾル形成体は、例えば室温または室温近くで安定性を保つ、しかしより高い温度、例えば摂氏40度~摂氏450度で揮発することができるその能力に基づいて選ばれてもよい。
【0106】
エアロゾル形成体はまた、基体がたばこ由来の産物から成る、特にたばこ粒子を含む時に、エアロゾル形成基体において望ましい量の水分を維持するのに役立つ湿潤剤タイプの特性を有してもよい。特に、一部のエアロゾル形成体は湿潤剤として機能する吸湿性材料であり、すなわち湿潤剤を含有するたばこ基体を湿った状態に保つのに役立つ材料である。
【0107】
一つ以上のエアロゾル形成体は組み合わせられて、その組み合わせられたエアロゾル形成体の一つ以上の特性を利用してもよい。例えば、有効成分を運ぶトリアセチンの能力とグリセリンの湿潤剤特性とを利用するために、トリアセチンはグリセリンおよび水と組み合わせられてもよい。
【0108】
エアロゾル形成体はポリオール、グリコールエーテル、ポリオールエステル、エステル、脂肪酸から選ばれてよく、また、以下の化合物、すなわちグリセリン、エリスリトール、1,3-ブチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、プロピレンカーボネート、ラウリン酸エチル、トリアセチン、メソ-エリスリトール、ジアセチン混合物、スベリン酸ジエチル、クエン酸トリエチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸ベンジル、バニリン酸エチル、トリブチリン、酢酸ラウリル、ラウリン酸、ミリスチン酸、プロピレングリコールのうちの一つ以上を含んでよい。
【0109】
エアロゾル形成基体は、他の添加物および成分(風味剤など)を含んでもよい。エアロゾル形成基体はニコチンおよび少なくとも一つのエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0110】
本発明によるエアロゾル発生物品は、フィルター付き可燃性紙巻たばこ、またはたばこ材料が燃焼して煙を形成する他の喫煙物品の形態であってもよい。
【0111】
好ましくは、エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に垂直な周囲とを有してもよい。エアロゾル発生物品は、約30ミリメートル~約100ミリメートルの全長を有してもよい。エアロゾル発生物品は、約5ミリメートル~約12ミリメートルの外径を有してもよい。
【0112】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちのいずれか一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様のうちのいずれか一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【実施例
【0113】
実施例1:ロッド状の物品の品質管理をするための検査装置であって、装置が、
複数の座を含むドラムであって、複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合され、ドラムが外表面を画定する、ドラムと、
複数のうちの一つの座に位置する誘導性センサーであって、誘導性センサーが、ロッド状の物品の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定するコイルを含み、誘導性センサーが、ロッド状の物品内のサセプタの特性を感知するように適合されている、誘導性センサーと、
コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができるコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離される第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、
第一の半コイルがドラムの外表面の下に位置し、第二の半コイルがドラムの外表面の上に位置し、
第一の半コイルおよび第二の半コイルが、第一の動作位置から第二の動作位置まで移動するように、またその逆に移動するように適合されているアクチュエータと、を備える、装置。
【0114】
実施例2:ロッド状の物品が座上にある時に、第一の半コイルまたは第二の半コイルを第二の動作位置から第一の動作位置に移動するようにアクチュエータに命令するよう適合された制御ユニットを含む、実施例1による検査装置。
【0115】
実施例3:座が、受容表面、ドラムの外表面の一部を含み、第一の半コイルが座の受容表面の下に位置付けられる、実施例1または実施例2による検査装置。
【0116】
実施例4:ドラムの外表面が、第一の半コイルに向かって、および第一の半コイルから離れる第二の半コイルの摺動を可能にし、第一の半コイルと第二の半コイルとの間の電気的接続を可能にする、一つ以上の導電性ストリップを含む、実施例1~実施例3のうちの一つ以上による検査装置。
【0117】
実施例5:アクチュエータが空気圧式アクチュエータを含む、実施例1~実施例4のうちの一つ以上による検査装置。
【0118】
実施例6:空気圧式アクチュエータが第二の半コイルに固定されたピストンを含む、実施例5による検査装置。
【0119】
実施例7:コイルがコイル軸を画定し、第一の半コイルおよび第二の半コイルの第一の動作位置から第二の動作位置への移動、およびその逆の移動が直線的な移動である、実施例1~実施例6のうちの一つ以上による検査装置。
【0120】
実施例8:直線的な移動がコイル軸に平行な方向の移動である、実施例7による検査装置。
【0121】
実施例9:直線的な移動が座軸に平行する直線的な移動である、実施例7または実施例8による検査装置。
【0122】
実施例10:誘導性センサーと通信する制御ユニットを含み、制御ユニットが、サセプタの特性に対して誘導性センサーから信号を受信するように適合されている、実施例1~実施例9のうちの一つ以上による検査装置。
【0123】
実施例11:ロッド状の物品の品質管理をするための検査装置であって、装置が、
複数の座を含むドラムであって、複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合されたドラムと、
複数のうちの一つの座に位置する誘導性センサーであって、誘導性センサーが、ロッド状の物品の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定するコイルを含み、誘導性センサーが、ロッド状の物品内のサセプタの特性を感知するように適合されている、誘導性センサーと、
複数のうちの座と整列した圧縮空気システムと、
ロッド状の物品が座内に位置してロッド状の物品をコイルの内側に押す時に、圧縮空気システムを起動して空気を吹き出すよう適合されたアクチュエータと、を備える、検査装置。
【0124】
実施例12:座が座軸を画定し、圧縮空気システムが、座軸と実質的に平行な圧縮空気の流れを排出するよう適合されたノズルを含む、実施例11による検査装置。
【0125】
実施例13:ドラムが回転軸を有し、複数のうちの各座が座軸を画定し、長軸方向軸および座軸が互いに平行である、実施例1~実施例12のうちの一つ以上による検査装置。
【0126】
実施例14:コイルがコイル軸を有し、複数のうちの各座が座軸を画定し、コイル軸および座軸が互いに平行である、実施例1~実施例13のうちの一つ以上による検査装置。
【0127】
実施例15:コイルの長さが20ミリメートル~40ミリメートルである、実施例1~実施例14のうちの一つ以上による検査装置。
【0128】
実施例16:誘導性センサーに電気的に接続された制御ユニットを備え、制御ユニットが誘導性センサーから信号を受信して、信号を閾値と比較するように適合されている、実施例1~実施例15のうちの一つ以上による検査装置。
【0129】
実施例17:サセプタの特性が、サセプタの長さである、実施例1~実施例16のうちの一つ以上による検査装置。
【0130】
実施例18:制御ユニットが、ロッド状の物品内に位置するサセプタの長さを計算するように適合される、実施例16または実施例17による検査装置。
【0131】
実施例19:誘導性センサーによって放射される信号に基づいてロッド状の物品を拒絶するように適合された拒絶装置を備える、実施例1~実施例18のうちの一つ以上による検査装置。
【0132】
実施例20:ドラムが、複数の誘導性センサーを備え、複数の座のうちの各座について一つのセンサーを備える、実施例1~実施例19のうちの一つ以上による検査装置。
【0133】
実施例21:コイルが10ミリメートル~20ミリメートルである直径を有する、実施例1~実施例20のうちの一つ以上による検査装置。
【0134】
実施例22:複数のうちの各座が座軸を画定し、座軸が互いに平行である、実施例1~実施例21のうちの一つ以上による検査装置。
【0135】
実施例23:キットであって、
サセプタを含むロッド状の物品と、
実施例1~実施例22のうちの一つ以上による検査装置と、を含む、キット。
【0136】
実施例24:ロッド状の物品が、エアロゾル発生物品の構成要素を備える、実施例23によるキット。
【0137】
実施例25:サセプタがエアロゾル形成材料と接触している、実施例23または実施例24によるキット。
【0138】
実施例26:エアロゾル形成材料がたばこ材料を含む、実施例25によるキット。
【0139】
実施例27:検査装置であって、
第一の複数の座を含む第一のドラムであって、第一の複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合され、第一のドラムが第一の外表面を画定する、第一のドラムと、
第一の複数のうち一つの座に位置付けられた第一の誘導性センサーであって、第一の誘導性センサーが、ロッド状の物品の第一の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第一のコイルを含み、第一の誘導性センサーが、ロッド状の物品中の第一のサセプタの特性を感知するように適合されている、第一の誘導性センサーと、を備え、
第一のコイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる第一のコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離される第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、
第一の半コイルが、第一のドラムの第一の外表面の下に位置し、第二の半コイルは、第一のドラムの第一の外表面の上に位置し、
第一のドラム内で、第一のコイルの第一の半コイルおよび第二の半コイルを、第一の動作位置から第二の動作位置に移動し、またその逆に移動するよう適合された、第一のアクチュエータと、
第二の複数の座を含む第二のドラムであって、第二の複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合され、第二のドラムが第二の外表面を画定する、第二のドラムと、
第二の複数の座に位置する第二の誘導性センサーであって、第二の誘導性センサーが、ロッド状の物品の第二の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第二のコイルを含み、第二の誘導性センサーが、ロッド状の物品中の第二のサセプタの特性を感知するように適合されている、第二の誘導性センサーと、
第二のコイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルを含み、第一の半コイルおよび第二の半コイルは、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互に接触して、電流が流れることができる第二のコイルを形成する第一の動作位置から、第一の半コイルおよび第二の半コイルが相互から分離され、電流が全く流れることができない第二の動作位置に移動可能であり、またその逆も可能であり、
第二のコイルの第一の半コイルは、第二の外表面の下に位置し、第二のコイルの第二の半コイルが、第二の外表面の上に位置し、
第二のドラム内で、第二のコイルの第一の半コイルおよび第二の半コイルを、第一の動作位置から第二の動作位置に移動し、またその逆にも移動するよう適合された、第二のアクチュエータと、を備え、
第一のドラムおよび第二のドラムが、第一のドラムから第二のドラムへのロッド状の物品の移動を可能にするように、実質的に接する。
【0140】
実施例29:検査装置であって、
第一の複数の座を含む第一のドラムであって、第一の複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合された、第一のドラムと、
第一の複数のうちの一つの座に位置する第一の誘導性センサーであって、第一の誘導性センサーが、ロッド状の物品の第一の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第一のコイルを含み、第一の誘導性センサーが、ロッド状の物品中の第一のサセプタの特性を感知するように適合されている、第一の誘導性センサーと、
第一の複数のうちの座と整列した第一の圧縮空気システムと、
ロッド状の物品が第一の複数のうちの座内に位置する時に、第一の圧縮空気システムを起動して空気を吹き出し、それを第一のドラムの第一のコイルの内側に押し込むように適合された第一のアクチュエータと、
第二の複数の座を含む第二のドラムであって、第二の複数のうちの各座がロッド状の物品を受容するように適合された第二のドラムと、
第二の複数のうちの一つの座に位置付けられた第二の誘導性センサーであって、第二の誘導性センサーが、ロッド状の物品の第二の端をその中に受容するのに十分な大きさの内部体積を画定する第二のコイルを含み、第二の誘導性センサーが、ロッド状の物品中の第二のサセプタの特性を感知するように適合されている、第二の誘導性センサーと、
第二の複数のうちの座と整列した第二の圧縮空気システムと、
ロッド状の物品が第二の複数のうちの座内に位置する時に、第二の圧縮空気システムを起動して空気を吹き出し、第二のドラムの第二のコイルの内側に押し込むように適合された第二のアクチュエータと、を備え、
第一のドラムおよび第二のドラムが、第一のドラムから第二のドラムへのロッド状の物品の移送を可能にするように、実質的に接する。
【0141】
実施例30:サセプタを含むロッド状の要素を備えるエアロゾル発生物品を製造するための機器であって、前記機器が、実施例1~実施例29のいずれかによる検査装置を備える、機器。
【0142】
実施例31:ロッド状の要素がエアロゾル形成材料を含む、実施例30による機器。
【0143】
実施例32:ロッド状の物品を検査する方法であって、
実施例1~実施例10に従って検査装置を提供することと、
ロッド状の物品をドラムの座内に位置付けることであって、第一の半コイルおよび第二の半コイルが第二の動作位置内にある、位置付けることと、
第一の半コイルおよび第二の半コイルを第一の動作位置内に移動させることと、
サセプタの特性を感知することと、を含む、方法。
【0144】
実施例33:ロッド状の物品を検査する方法であって、
実施例11~実施例22に従って検査装置を提供することと、
ロッド状の物品をドラムの座内に位置付けることと、
ロッド状の物品を、空気流によってコイル内に押し込むことと、
サセプタの特性を感知することと、を含む、方法。
ここで、図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0145】
図1図1は、本発明に従って検査されるサセプタを含むロッド状の物品の、部分的に断面にした概略斜視図である。
図2図2は、図1のロッド状の物品の側方断面図である。
図3図3は、本発明の第一の実施形態による検査装置の第一の構成における概略斜視図である。
図4図4は、本発明の第二の実施形態による検査装置の概略斜視図である。
図5図5は、時間シーケンスにおける図4の検査装置の概略上面図である。
図6図6は、本発明の検査装置内に存在する誘導性センサーの機能の工程のシーケンスである。
図7図7は、図3図4、または図5の検査装置のコイルの断面の詳細図である。
図8図8は、図7のコイルの正面図である。
図9図9は、本発明に従って検査されるロッド状の物品の別の実施形態の側方図である。
図10図10は、本発明による検査装置の第三の実施形態である。
図11図11は、二つの異なる実施形態における図10の二つの詳細の二つの拡大図である。
図12図12は、二つの異なる実施形態における図10の二つの詳細の二つの拡大図である。
図13図13は、図3の検査装置の第一の実施形態のコイルの、それぞれ第一の動作位置および第二の動作位置における二つの断面図である。
図14図14は、図3の検査装置の第一の実施形態のコイルの、それぞれ第一の動作位置および第二の動作位置における二つの断面図である。
【0146】
図1および図2を最初に参照すると、ロッド状の物品の一例はすべて、60で示されている。ロッド状の物品60は、エアロゾル発生物品(例えば、完全なエアロゾル発生物品)の幾つかの構成要素を備えることが好ましい。
【0147】
エアロゾル発生物品60は、例えばロッドの形態で組み立てられた複数の要素を備える。複数の要素は、プラグ要素11と、たばこプラグの形態のエアロゾル形成基体10と、エアロゾル形成基体10内に位置付けられたサセプタ材料12と、中空アセテート管16と、さらなる中空アセテート管18と、マウスピース2と、外側ラッパー22とを備えてもよい。エアロゾル発生物品60は、口側端24と遠位端26とを備える。ロッド状の物品60は、長軸方向軸61を画定する。
【0148】
上記の列挙された複数の要素は、ロッド状の物品60の長軸方向軸61に沿って次々と展開することが好ましい。それらはすべて、同じ直径を有することが好ましい。
【0149】
その長軸方向軸61に垂直な平面に沿ったロッド状の物品60の断面は、円であることが好ましい。
【0150】
ロッド状の物品60は、長軸方向軸61に沿って延びる、好ましくは実質的に円筒状の外表面13を備える。ロッド状の物品60の長軸方向軸61は、円筒の軸に対応してもよい。
【0151】
エアロゾル形成基体10は均質化したたばこ材料を含んでもよい。
【0152】
サセプタ12は、エアロゾル形成基体10と熱的に接触していて、これによって、サセプタが誘導加熱された時に、熱はエアロゾル形成基体10に伝達され、それによってエアロゾルが放出されることが好ましい。サセプタ12は、エアロゾル形成基体10を形成するたばこ材料によって完全に囲まれていることが好ましい。
【0153】
図1および図2の実施例に示す通り、サセプタ12は、ロッド状の物品60の中に完全に包含されていて、より好ましくはエアロゾル形成基体10の中に完全に包含されている。
【0154】
サセプタ12は導電性材料で実現される。サセプタは金属で実現され、また一部の実施形態において、強磁性材料で実現されることが好ましい。
【0155】
好ましい実施形態によると、図1および図2においての通り、サセプタ12は細片の形状を有する。あるいは、ロッドの形状を有してもよい。その厚さは、30マイクロメートル~60マイクロメートルから成ることが好ましい。サセプタの長さは、5ミリメートル~20ミリメートルから成ることが好ましい。
【0156】
図3は、本発明の第一の態様による検査装置100のドラム4の好ましい一実施形態の一部分を示す。
【0157】
明瞭化のために、検査装置100は図3に部分的にのみ示す。
【0158】
以下の説明から明らかになる通り、検査装置100は、ロッド状の物品60、特にサセプタ12の品質を制御するように適合されている。
【0159】
検査装置100によって提供される品質管理は、サセプタ12の存在、完全性、または正確な位置だけでなく、後者のさらなる特性のいずれかをチェックすることを伴ってもよい。
【0160】
非限定的な例として、こうした特性は、サセプタの長さと、サセプタの厚さと、直線的な展開からのサセプタの逸脱と、ロッド状の物品60の長軸方向軸61との平行性からのサセプタの軸の逸脱と、サセプタの電磁特性とのうちの一つ以上を含んでもよい。
【0161】
また、品質管理は、エアロゾル発生物品の製造プロセスの任意の段階で行われてもよい。これは、エアロゾル形成基体10がマウスピースフィルター要素2、もしくはそれに固定される任意の他の構成要素に結合されている時に、ロッド状の物品60をチェックすることが可能であること、またはサセプタ12を含むエアロゾル形成基体10それ自体がチェックされることができることを意味する。
【0162】
図3を再び参照すると、ドラム4は、複数の座41を備え、その各々はロッド状の物品60を受容するように適合されている。座41は、ドラム4の外表面40上に位置することが好ましい。ドラム4には約20~60(好ましくは約40)の座41があることが好ましい。
【0163】
一部の実施形態において、ドラム4は円筒形状であり、好ましくは、座41が位置する外表面40は、円筒の側方表面に対応する。
【0164】
当然のことながら、座41は、ロッド状の物品60を少なくとも部分的に受容するために、寸法設定され、かつ形作られていることが好ましい。座41の寸法および形状はどちらも、ロッド状の物品60を受容するように選択されることが好ましい。より一般的に、品質管理は、ロッド状の物品60を座41のうちの一つに位置付けることを含むことが好ましい。
【0165】
ロッド状の物品60の位置付けることは、適切な位置付け装置(図面に図示せず)を使用することと、または例えば別のドラムもしくはコンベヤからロッド状の物品60を他の任意の可能な様態で移送することと、のいずれかによって生じてもよい。
【0166】
一部の実施形態において、検査装置100は、エアロゾル発生物品を製造するための設備に含まれてもよく、またロッド状の物品60は、設備のコンベア要素から検査装置100に移送されてもよい。
【0167】
ドラム4は、回転軸67を有する回転ドラムであることが好ましい。その結果、ドラム4は、ロッド状の物品60を第一の位置から第二の位置に移送し、好ましくは、それが座上に位置付けられる入口と、それが座から取り外される出口位置とを形成することを可能にする。第一の位置および第二の位置(図面3に描写せず)は、ドラムの角回転によって分離される。
【0168】
一部の実施形態において、座41は、それぞれの座軸42を画定するような楕円形状であってもよい。座41の座軸42および回転軸67は、相互に平行であることが好ましい。複数の座41のすべての軸42は、相互に平行であることが好ましい。
【0169】
座41は、ドラム4の外表面40上に形成されていることが好ましい。座41は、ドラム4の外表面40上に実現される陥凹部の形態であってもよい。
【0170】
それにもかかわらず、座41は、ドラム4の外表面上の他の要素によって画定されてもよく、例えばそれに固定され、かつそれから半径方向に突出していてもよいことが十分に明らかである。
【0171】
ドラム4は、前面64および後面(図では見えない)を画定することが好ましい。後面は、軸方向で前面64の反対側である。
【0172】
一部の実施形態において、座41は、前面64から後面に延び、すなわち座には対向する開放端が提供されてもよい。
【0173】
このようにして、ロッド状の物品60は、好ましくは、座軸42によって画定された方向に沿って摺動することによって、横方向で座に近づくことによって座41内に受容されてもよい。
【0174】
図3の実施形態に示す通り、座41は、チェックされるロッド状の物品60の長さと少なくとも等しい長さを有してもよい。より長い座41(これはその中でのロッド状の物品60の摺動を可能にする)が使用されてもよい。
【0175】
一部の実施形態において、ドラム4の回転軸67は、実質的に水平である。
【0176】
座41は、ロッド状の物品60をドラム4から解放するために重力がロッド状の物品60に作用する特定の角度位置にロッド状の物品60が回転軸67に沿って到達する時に、ロッド状の物品60が座41から排出されるように構成されてもよい。
【0177】
検査装置100は、複数の座41のうちの一つに少なくとも位置付けられた誘導性センサー5をさらに備える。当然のことながら、図3の実施形態は、特定の座41に位置付けられた単一の誘導性センサー5を表すものの、ドラム4の各座41は、それぞれの誘導性センサー5を備えてもよい。
【0178】
また、さらなる可能な実施形態によると、誘導性センサー5は、例えば所定の角度距離で、選択された座41に提供されてもよい。
【0179】
誘導性センサー5は、少なくともロッド状の物品60の端を中に受容するのに十分に大きい内部体積50を画定するコイル51を含むことが好ましい。
【0180】
図7および図8は、好ましい一実施形態によるコイル51を示す。
【0181】
コイル51はコイル軸70を画定し、また10ミリメートル~18ミリメートルから成る、より好ましくは12ミリメートル~16ミリメートルから成る内径71を有することが好ましい。コイル51の内径71は14ミリメートルであることが好ましい。
【0182】
当然のことながら、上記の直径は、ロッド状の物品60の口側端24または遠位端26をその中に受容するのに十分に広いコイル51にするためであるが、それと同時に、検査装置100で使用されるかさばる要素を回避するために選択される。
【0183】
一部の実施形態において、コイル51の長さは、ロッド状の物品60をその中に完全に収容するように適合されている。
好ましくは、コイルの長さ72は、20ミリメートル~40ミリメートルから成り、より好ましくは25ミリメートル~35ミリメートルから成る。コイル51の長さ72は32ミリメートルであることが好ましい。
【0184】
一部の実施形態において、コイル51は、一対の平行な巻き上げられたワイヤによって形成されている。
【0185】
コイル51は、26~46から成る総巻数を備えることが好ましい。巻数は、30~42から成ることがより好ましい。巻数は32であることが好ましい。
【0186】
コイル51が一対のワイヤによって形成されている場合、各ワイヤは、上述の総巻数の半分を備えてもよい。
【0187】
コイル51は、円筒形状であることが好ましい。コイル51は、コイル軸70が座軸42と平行であるように座に位置付けられていることが好ましい。
【0188】
ロッド状の物品60内のサセプタ12の存在は、ロッド状の物品60をコイル51に対して移動させることと、サセプタ12とコイル51の間の相互作用によって発生されるフィードバック信号の変動を考慮することと、によって感知されてもよい。
【0189】
この目的のために、図3における通りの一部の実施形態において、検査装置100は、誘導性センサー5に電気的に接続された、かつ誘導性センサー5から信号を受信するように、およびサセプタ12の存在によって発生された信号の変動を検出するために、信号を閾値と比較するように適合された制御ユニット7を備える。
【0190】
当然のことながら、信号のこうした変動は、図3の実施例においての通り、ロッド状の物品60に対してコイル51を移動することと、または図4もしくは図5の実施形態においての通り、ロッド状の物品60をコイル51に対して移動させることとのいずれかによって引き起こされてもよい。
【0191】
一般に、当然のことながら、誘導性センサー5は、サセプタ12によって通過された時に変化する、コイル51内の交番磁場を発生する場合がある。より一般的に、誘導性センサー5は、好ましくはコイル51の軸70に対応する、検出方向で交互の磁気的信号を発生するように構成されている。
【0192】
誘導性センサー5によって発生された磁場は、サセプタ12が中に位置するべきであるロッド状の物品60の第一の端24、26が、誘導性センサー5のコイル51の内部体積50の中に受容されている時に変化することが好ましい。
【0193】
言い換えれば、誘導性センサー5の内部体積50を通るサセプタ12の通過によって発生された磁場は、センサー5によって、すなわちコイル51によって発生された磁場に対して作用する。レンツの法則によると、サセプタ12はコイル51内で、またはより一般的に誘導性センサー5内で、抵抗として作用する。
【0194】
より詳しくは、強磁性材料が磁場に入る時に、電磁力がその中に誘起され(マクスウェル-ファラデーの法則)、これは交互の渦電流を生成する。この交流電流は、センサーの磁場(レンツの法則)と反対の誘起磁場(マックスウェル-アンペールの法則)を発生する。
【0195】
ロッド状の物品60内のサセプタ12の存在または不在はそれに応じて、磁場におけるこうした予想される挙動の観点から判定されてもよい。ロッド状の物品60が、コイル51によって発生された交番磁場を通過する時に、変化が生じない場合、サセプタ12はロッド状の物品60内に存在しない可能性が高い。
【0196】
対照的に、変化は、以前に説明した通り、サセプタ12がコイル51の内部体積50を通過するにつれて変化する、ロッド状の物品60のインピーダンスを計算することによって判定されてもよい。
【0197】
好ましい実施形態によると、サセプタ12が内部体積50を通過するにつれて発生されたフィードバック信号は、サセプタ12の他の特性を判定するために使用されることができる。
【0198】
図6を参照すると、フィードバック信号の可能な使用は、サセプタ12の長さを判定することを目的としてもよい。
【0199】
図6は、システム「コイルおよびサセプタ」の等価抵抗が、内部体積50内のサセプタ12の相対的な位置に従ってどのように変化するかを示す。
【0200】
最初は、ロッド状の物品60が内部体積50に入っていない時に、誘導性センサー5によって出力されたフィードバック信号は変化しない。
【0201】
ロッド状の物品60が内部体積50に入るにつれて、フィードバック信号の変動が生じる。
【0202】
フィードバック信号は、サセプタ12全体が内側体積50に完全に入った時に最小レベルに到達し、サセプタ12の端がコイル51の外に出るとすぐに減少し始める。
【0203】
この信号を内部体積50の内部のロッド状の物品60の位置と比較することによって、サセプタ12の長さを判定することが可能である。
【0204】
サセプタ12の長さは、適切な較正後に判定される、測定等価抵抗のピークに従って推定されることが好ましい。
【0205】
あるいは、インピーダンスのパラメータ関数は、サセプタがコイルの中に完全に挿入されている時に、最小ではなく最大を示す。
【0206】
こうした実施形態において、コイル51、またはより一般的に、誘導センサー5の内部体積50は、前述のコイルの特性にも従って、サセプタ12の予想される長さよりも長い。
【0207】
コイル51の長さは、コイルの端での磁場の歪みを回避するために、少なくとも1側面当たり10ミリメートルのサセプタ12の予想される長さよりも長くなるように選択されることが好ましい。
【0208】
好ましい実施形態によると、制御ユニット7は、内部体積50のロッド状の物品60の位置によるフィードバック信号の変動をチェックすることによって、サセプタ12の長さが予想される値に対応するかを判定するように構成されている。
【0209】
当然のことながら、制御ユニット7は、例えば内部体積50とのロッド状の物品1の相互作用中に誘導性センサー5の他の特定の挙動を一般的に考慮して、異なる方法にも従って、ロッド状の物品60内に位置するサセプタ12の長さを計算するように適合されてもよい。
【0210】
より一般的に、フィードバック信号の等価抵抗は、サセプタ12の形状または組成物の性質または一貫性を示す場合がある。その結果、サセプタ12のさらなる特性は、本発明の検査装置100によって判定される場合がある。
【0211】
ロッド状の物品60をコイル51の中に導入するために、図3の検査装置100において、コイル51は二つの半コイル65および66に分割されている。第一の半コイル66は、ドラム4の外表面40の下方に位置付けられていて、その一方で第一の半コイルは、ドラムの外表面40の上方に位置付けられている。二つの半コイル65、66は、図13に示す第一の動作位置から移動することができ、ここで二つの半コイルはコイル51を形成する。この第一の動作位置において、誘導性センサーによる上述の、例えば図6に示された測定を実施することができる。図3および図13に描写した第二の動作位置、第二の半コイル65はコイル軸70に沿って移動されていて、かつ第一の半コイルから距離を置いていて、これによってロッド状の物品60は座41内に位置することができる。移動は、制御ユニット7に接続されたアクチュエータ6によって実施されている。
【0212】
図3図13、および図14の検査装置100において、動作中にロッド状の物品60は座41の中に挿入されている。ロッド状の物品が座内に位置付けられている時に、第一の半コイル66および第二の半コイル65は、第二の動作位置にある、すなわち図3および図14においての通り、二つの半コイル65、66は相互から分離されている。ロッド状の物品60が座内にあるとすぐに、第一の半コイル66および第二の半コイル65は、誘導性センサー5を用いて測定を行うことができるように、図13の第一の動作位置に移動される。第一の半コイルと第二の半コイルの相対的な移動は、以下の通りであり、すなわち第一の半コイル66は外表面40の下方に位置付けられていて、かつ外表面40の下方に対して固定されていて、その一方で第二の半コイル65は図14の第一の動作位置から図3および図14の第二の動作位置に前後に平行移動し、またその逆も可能である。第一の動作位置から第二の動作位置への第二の半コイル65のシフト、およびその逆は、アクチュエータ6に接続されたピストン69によって得られる。ピストン69は、図3の矢印68によって示す通り、第二の半コイルに取り付けられていて、第二の半コイルを第一の半コイルに向かって、および第一の半コイルから離れるように直線的に移動する。
【0213】
図4および図5で描写した本発明の異なる一実施形態において、図3図13、および図14の実施形態における通りのロッド状の物品に対するコイルの移動の代わりに、コイル51に対するロッド状の物品60の移動が行われる。検査装置200において、同じ要素を識別するために、検査装置100において使用された参照番号と同じ番号が使用されている。検査装置200において、誘導性センサー5はコイル51を含み、これはこの場合、ドラム4の外表面40に取り付けられている。コイル51(図7および図8において、よりよく分かる)は、例えば座41の一方の端に位置する。検査装置200は、圧縮空気発生装置9と圧縮空気の流れを排出するためのガン8とを含む圧縮空気システム8、9を含む。ガンは、座軸42に実質的に平行な、それ故にロッド状の物品60の長軸方向軸に平行な方向で、圧縮空気の流れを排出してもよい。ガンは、ドラム4の一方の側に位置してもよく、また静止していてもよく、すなわちドラムとともに回転しない。このようにして、単一の圧縮空気システムをすべての座41に対して使用してもよい。回転中に、ロッド状の物品がガン8の前を通る時に、圧縮空気の流れが排出され、これがロッド状の物品60をコイル51の内部に押し、誘導性センサー5を使用して上述の測定を行うことができる。これは図5に示されていて、この図には連続した時間間隔で取られた一連の「スクリーンショット」が描写されている。図の左端において、ロッド状の物品60は座41の中に挿入されている。後続の回転において、ロッド状の物品60を有する座は、ガン8の前方を通り、圧縮空気の流れは、ガン8によって方向83に沿って排出される。次いで、ロッド状の物品60は、コイル51の内部に押される(図の左から右への(破線64までの)以下のスナップショットを参照のこと)。
【0214】
破線84は図5を二つに分離する。図5の破線84の右側の第二部は、左の部分よりも後の幾つかの時間間隔で取られている(詳細は下記を参照のこと)。
【0215】
本発明の検査装置100、200はまた、サセプタ12をその中に有しない、または予想される特性と適合していないサセプタ12を有するロッド状の物品60を拒絶するように適合された拒絶装置(図5の右部分に長方形82として概略的に描写されている)も備えてもよい。以前に説明した通り、ロッド状の物品60は有利なことに、制御ユニット7によってなされた計算または判定に従って、誘導センサー5によって発せられた信号に基づいて、拒絶される場合がある。図5の右部分に示す通り、例えば拒絶装置82の効果は、加工を継続するために、有効なロッド状の物品60が他のドラム(図示せず)に移送される間、欠陥のあるロッド状の物品60をドラム4に保つことである。
【0216】
ロッド状の物品600はまた、図9に描写の通り、第一のサセプタ12および第二のサセプタ121を含んでもよい。ロッド状の物品600は、図1および図2の実施形態による二つのロッド状の物品60を実質的に含む。
【0217】
ロッド状の物品600が二つ以上のサセプタを含む場合、図10の検査装置300として、第三の実施形態による検査装置が提供されることが好ましい。
【0218】
検査装置300は、二つ以上のチェッキングドラム4、少なくとも第一のドラムおよび第二のドラムを含み、その各々はコイル51を含む。第一のドラムまたは第二のドラムは、ドラム4と同一であり、これは図3および図13図14の第一の実施形態、または図4もしくは図5の第二の実施形態のいずれかによるものとすることができる。しかしながら、ドラムは、同じタイプであること、すなわち検査装置100の第一の実施形態、または検査装置200の第二の実施形態のいずれかによるものであることが好ましい。
【0219】
第一のドラム4は、ロッド状の物品600の第一のサセプタ12をチェックするように適合されていて、その一方で第二のドラム4は、ロッド状の物品600の第二のサセプタ121をチェックするように適合されている。例えば、第一のドラムおよび第二のドラムが、図4および図5の第二の実施形態による場合、第一のドラムにおいて、圧縮空気システムは第一のドラムの第一の側に位置し、また第二のドラムにおいて、圧縮空気システムは第二のドラムの第二の側面に位置する。
【0220】
図11および図12に描写の通り、第一のサセプタ12の検査後、ロッド状の物品600は、第一のドラムから第二のドラムに移送される。第一のドラムと第二のドラムは、実質的に相互に接する。第一のドラムと第二のドラムの間の間隙は、ロッド状の物品600をそれらの間に挿入することができるような間隙である。移送は、第一のドラムの座と第二のドラムの座との間で行われる。
【0221】
図11において、図3図13図14の第一の実施形態による二つのドラム4の間の移送が示されている。図12において、図4図5の第二の実施形態による二つのドラム4の間の移送が示されている。
【0222】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±10パーセントとして理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが表す特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつその中の任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
図3
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図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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【国際調査報告】