(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】改善されたフレッシュさを付与する組成物
(51)【国際特許分類】
C11B 9/00 20060101AFI20231025BHJP
A61K 8/46 20060101ALI20231025BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
C11B9/00 Z
C11B9/00 L
C11B9/00 J
C11B9/00 S
A61K8/46
A61Q13/00 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524469
(86)(22)【出願日】2021-10-21
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 EP2021079177
(87)【国際公開番号】W WO2022084437
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】390009287
【氏名又は名称】フイルメニツヒ ソシエテ アノニム
【氏名又は名称原語表記】Firmenich SA
【住所又は居所原語表記】7,Rue de la Bergere,1242 Satigny,Switzerland
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】エティエンヌ ブッケアート
(72)【発明者】
【氏名】ロバート ナブ
(72)【発明者】
【氏名】アルノー ストリュイゥ
【テーマコード(参考)】
4C083
4H059
【Fターム(参考)】
4C083AB032
4C083AB172
4C083AB222
4C083AB332
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC182
4C083AC212
4C083AC242
4C083AC302
4C083AC312
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC402
4C083AC422
4C083AC432
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC532
4C083AC562
4C083AC642
4C083AC692
4C083AC712
4C083AC742
4C083AC761
4C083AC762
4C083AC782
4C083AC812
4C083AC852
4C083AC862
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD132
4C083AD152
4C083AD162
4C083AD172
4C083AD202
4C083AD282
4C083AD352
4C083BB41
4C083CC05
4C083CC17
4C083CC23
4C083CC33
4C083CC38
4C083DD01
4C083DD02
4C083DD08
4C083DD11
4C083DD31
4C083DD33
4C083DD41
4C083KK02
4H059BA19
4H059BA22
4H059BA30
4H059DA09
4H059EA35
(57)【要約】
本発明は、賦香組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正する方法であって、賦香組成物に少なくとも1つの香料前駆体化合物を添加する工程を含む、方法に関する。本発明はさらに、少なくとも1つの香料前駆体化合物および少なくとも1つの賦香組成物を含む香料入り組成物、ならびに上記香料入り組成物を含む香料入り消費者製品に関する。本発明はさらに、賦香組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するための少なくとも1つの香料前駆体化合物の使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
賦香組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正する方法であって、前記賦香組成物に少なくとも1つの香料前駆体化合物を添加する工程を含む、方法。
【請求項2】
前記香料前駆体化合物が、式
【化1】
[式中、
a)wは1~10000の整数を表し、
b)nは1または0を表し、
c)mは1~6の整数を表し、
d)Pは水素原子、または発香性α,β-不飽和ケトン、アルデヒドもしくはカルボン酸エステルを生成しやすいラジカルを表し、式
【化2】
によって表され、
式中、
波線は前記PとXとの間の結合の位置を示し、
R
1は水素原子、C
1~C
6アルコキシルラジカル、または場合によりC
1~C
4アルキル基によって置換されたC
1~C
15直鎖、環状もしくは分岐アルキル、アルケニルもしくはアルカジエニルラジカルを表し、
R
2、R
3およびR
4は水素原子、芳香環、もしくは場合によりC
1~C
4アルキル基によって置換されたC
1~C
15直鎖、環状もしくは分岐アルキル、アルケニルもしくはアルカジエニルラジカルを表すか、または基R
1~R
4の2つもしくは3つが結合して、5~20個の炭素原子を有し、前記R
1、R
2、R
3もしくはR
4基が結合している炭素原子を含む飽和もしくは不飽和の環を形成し、この環は、場合によりC
1~C
8直鎖、分岐または環状アルキルまたはアルケニル基によって置換されるが、ただし、P基の少なくとも1つが、以上に定義される式(II)を有し、
e)Xは、式i)~xiv):
【化3】
からなる群から選択される官能基を表し、
式中、
波線は先に定義した通りであり、太線は前記XとGとの間の結合の位置を示し、R
5は水素原子、場合によりC
1~C
6アルキルもしくはアルコキシル基、またはハロゲン原子によって置換された飽和または不飽和のC
1~C
22アルキル基またはアリール基を表すが、ただし、Pが水素原子を表す場合、Xが存在しないことがあり、
f)Gは、1~22個の炭素原子を有する環状、直鎖、脂環式または分岐アルキル、環状、直鎖、脂環式または分岐アルケニル、フェニル、アルキルフェニルまたはアルケニルフェニル炭化水素ラジカルから得られる多価ラジカル(m+1価を有する)を表し、前記炭化水素ラジカルは、場合により置換され、ハロゲン、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、チオール、チオエーテル、アミン、第四級アミンおよびアミドからなる群から選択される1~10個の官能基を有し、
g)Qは水素原子を表すか(この場合、w=1およびn=1)、またはポリ(アルキルイミン)からなる群から選択されるポリマーもしくはコポリマー、ペプチド(例えばリジン)、またはセルロース、シクロデキストリンおよびデンプンからなる群から選択される多糖、またはカチオン性四級化シリコンポリマー、あるいは式A-1)、A-2)、A-3)、B-1)、B-2)、C-1)、C-2)およびC-3):
【化4】
からなる群から選択されるモノマー単位から得られるポリマーまたはランダムコポリマーを表し、
式中、
ハッチング線は、前記モノマー単位とGとの間の結合の位置を示し、
Yは、酸素もしくは硫黄原子、またはNR
7基を表し、
o、p、q、r、s、t、uおよびvは、いずれも0から1の間の互いに独立した分数を表し、o+p+q=1、r+s=1かつt+u+v=1であるが、ただし、oまたはpのいずれか、ならびにrおよびtは、0に等しくなく、
R
6は水素原子、またはグリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニン、グルタミン、アスパラギン、トレオニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、バリン、チロシンもしくはトリプトファン等の天然もしくは非天然アミノ酸に由来する側鎖を表し、
R
7は、同時にまたは独立して水素原子またはC
1~C
16炭化水素基を表し、
R
8は、同時にまたは互いに独立して、
- 水素もしくはハロゲン化物原子;
- 酸素および硫黄原子からなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を任意に含むC
1~C
6炭化水素基;
- R
*が水素原子、任意に1~30個の酸素原子を含むC
1~C
60アルキルもしくはアルケニル基を表す、式COOR
*のカルボン酸基;
- OR
7基もしくはCOR
7基;または
- 窒素原子によって連結されたピロリドン単位
を表し、
Mは水素原子、アルカリまたはアルカリ土類金属イオンを表す]
の化合物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記式(I)の香料前駆体化合物が、式
【化5】
[式中、RはC
1~C
20アルキルまたはアルケニル基、好ましくはC
6~C
15アルキルまたはアルケニル基、より好ましくはC
12アルキル基を表す]
の化合物、またはそれらの任意の組合せである、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記式(I)の香料前駆体化合物が、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オンまたはそれらの混合物である、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
前記賦香組成物が、フルーティーおよび/またはウッディおよび/またはフレッシュおよび/またはフローラルおよび/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含み、好ましくは、前記賦香組成物が、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、およびフローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
前記フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分が、化合物群A、B、C、Dまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、
- 群Aの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、アリル(3-メチルブトキシ)アセテート、アリル(シクロヘキシルオキシ)アセテート、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(3,3-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-[(1RS,2SR,4SR)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘキセン-2-オン、1-(スピロ[4.5]デカ-7-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン、2-シクロヘキシル-1,6-ヘプタジエン-3-オン、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート、(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Bの賦香成分は、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、4-フェニル-2-ブタノン、酢酸シクロヘキシル、3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Cの賦香成分は、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、6-ヘキシルテトラヒドロ-(2H)-ピラン-2-オン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、4-デカノリド、(1’R)-2-[2-(4’-メチル-3’-シクロヘキセン-1’-イル)プロピル]シクロペンタノン、2-(5-ヘキセン-1-イル)シクロペンタノンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Dの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イルプロパノエート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イル2-メチルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イル2-メチルプロパノエートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、
請求項5記載の方法。
【請求項7】
前記ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分が、化合物群E、F、G、Hまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、
- 群Eの賦香成分は、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキサノール、パチョリ油、(+/-)-メチル2-エチルヘキサノエート、1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エテノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノン、1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、シダーウッド油またはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Fの賦香成分は、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Gの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Hの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イルプロパノエート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イル2-メチルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イル2-メチルプロパノエートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、
請求項5または6記載の方法。
【請求項8】
前記フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分が、化合物群I、J、K、Lまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、
- 群Iの賦香成分は、10-ウンデセナール、デカナール、ウンデカナール、9-ウンデセナール、10-ウンデセナール、ドデカナール、2-メチルウンデカナール、5,9-ジメチル-4-デセナール、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、ラバンジン油またはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Jの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、アリル(3-メチルブトキシ)アセテート、アリル(シクロヘキシルオキシ)アセテート、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(3,3-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-[(1R/S,2S/R,4S/R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘキセン-2-オン、1-(スピロ[4.5]デカ-7-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン、2-シクロヘキシル-1,6-ヘプタジエン-3-オンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Kの賦香成分は、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、ジヒドロターピネオール、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、2,6-ジメチル-2-オクタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Lの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、
請求項5から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
前記フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分が、化合物群M、N、O、P、Q、R、S、Tまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、
- 群Mの賦香成分は、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、4-フェニル-2-ブタノン、酢酸シクロヘキシル、3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテート、(+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼン、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート、2-ヘキシル-3-フェニル-2-プロペナールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Nの賦香成分は、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3-[(1R)-4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、4-メチル-6-フェニル-2-ヘキサノール、(+/-)-4,7,9-トリメチルデカン-2-オールおよび(+/-)-4,6,8-トリメチルデカン-2-オールおよび(+/-)-2,4,6,8-テトラメチルノナン-1-オールおよび(+/-)-3,8,9-トリメチルデカン-2-オールおよび(+/-)-2,3,6,7-テトラメチルノナン-1-オールを含む混合物、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Oの賦香成分は、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Pの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Qの賦香成分は、安息香酸メチル、安息香酸エチル、シクロペンチリデン酢酸メチルまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Rの賦香成分は、1-(2-ナフチル)エタノン、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレニル)エタノン、2-メトキシナフタレン、アントラニル酸メチルまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Sの賦香成分は、2-フェニルエタノール、酢酸2-フェニルエチル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、シクロヘキシリデン(フェニル)アセトニトリルまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Tの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イルプロパノエート、トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-3-エン-8-イル2-メチルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.0
2,6]デカ-4-エン-8-イル2-メチルプロパノエートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される、
請求項5から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つの香料前駆体化合物を嗅覚有効量、好ましくは、前記賦香組成物の総重量を基準として0.1~80wt%、より好ましくは0.25~60wt%、さらに好ましくは0.5~40wt%、さらに好ましくは1.0~20wt%、さらに好ましくは1.5~19wt%の量で添加する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
請求項1から10までのいずれか1項で定義した賦香組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するための少なくとも1つの香料前駆体化合物の使用。
【請求項12】
- 請求項2から4までのいずれか1項で定義した式(I)による少なくとも1つの香料前駆体化合物、
- 請求項5から9までのいずれか1項で定義した少なくとも1つの賦香成分、
- 任意に、香料担体および1つ以上の賦香補助成分からなる群から選択される少なくとも1つの成分、ならびに
- 任意に、少なくとも1つの香料助剤
を含む、香料入り組成物。
【請求項13】
前記少なくとも1つの香料前駆体化合物が、前記香料入り組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するのに有効な量で前記香料入り組成物中に存在する、請求項12記載の香料入り組成物。
【請求項14】
前記少なくとも1つの香料前駆体化合物が、前記香料入り組成物の総重量を基準として0.05~30wt%の量、好ましくは0.1~20wt%の量、より好ましくは1~15wt%の量で存在する、請求項12または13記載の香料入り組成物。
【請求項15】
請求項12から14までのいずれか1項記載の香料入り組成物を含む香料入り消費者製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、賦香組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正する方法であって、賦香組成物に少なくとも1つの香料前駆体化合物を添加する工程を含む、方法に関する。本発明はさらに、少なくとも1つの香料前駆体化合物および少なくとも1つの賦香組成物を含む香料入り組成物、ならびに上記香料入り組成物を含む香料入り消費者製品に関する。本発明はさらに、賦香組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するための少なくとも1つの香料前駆体化合物の使用に関する。
【0002】
発明の背景
香料業界では、賦香組成物の賦香効果を延長および増強することができる添加物に特に関心が寄せられている。嗅覚的にフレッシュな香料入り組成物が、例えば高品質または機能性の香料または化粧品のような様々な用途において望まれる。特に布地の洗浄および柔軟化の分野では、洗浄、柔軟化および乾燥の後に、特に長期にわたってより効果的であり、嗅覚的にフレッシュであると知覚されるように賦香成分の効果を改善することが常に求められている。この点で、洗濯物のフレッシュさの知覚を可能な限り長く持続させ、改善することが特に望ましい。これは、この側面が布地用洗浄製品または布地用柔軟剤の使用者に特に重視されるためである。
【0003】
このタイプの用途に特に適した多くの活性物質は、洗濯物に対する付着性が不足していること、あるいは、すすぎ洗いの際に洗濯物に残らないことが知られており、そのため、それらの賦香効果および洗濯物のフレッシュさは短時間のみであり、それほど強くはない。香料業界におけるこのタイプの用途の重要性に鑑みて、特に前述した問題に対する新しくより効果的な解決手段を見つけることを目的として、この分野の研究が継続されてきた。
【0004】
今回、驚くべきことに、賦香組成物に香料前駆体化合物を添加することで、上記賦香組成物のフレッシュさを改善することができることが見出された。特に、驚くべきことに、香料前駆体化合物の添加により、賦香組成物のフレッシュさを増強および延長することができることが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)またはδ-ダマスコンを含む布地用柔軟剤配合物で処理した際のタオルの芳香強度の比較官能評価を示す図である。
【
図2】4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オンおよび4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)またはイオノンの混合物を含む布地用柔軟剤配合物で処理した際のタオルの芳香強度の比較官能評価を示す図である。
【
図3】3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)またはδ-ダマスコンを含む布地用柔軟剤配合物で処理した際のタオルのフレッシュさの比較官能評価を示す図である。
【
図4】4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オンおよび4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)の混合物、またはα-およびβ-イオノンの混合物を含む布地用柔軟剤配合物で処理した際のタオルのフレッシュさの比較官能評価を示す図である。
【0006】
詳細な説明
嗅覚は複雑かつ動的なプロセスであり、揮発性の香料化合物の放出挙動を制御することで、香料配合物の効果を最大化し、その使用時の感覚体験を豊かにすることができる。賦香組成物への香料前駆体化合物の添加は、賦香組成物中の高揮発性の香料原料(PRM)の放出挙動に制御および長期持続性の側面を加え、長期にわたって驚くほど改善されたフレッシュさまたは芳香強度の知覚をもたらすことができる。
【0007】
本発明は、賦香組成物または香料入り消費者製品のフレッシュさを付与、改善、増強または修正する方法であって、上記組成物または香料入り消費者製品に有効量の少なくとも1つの香料前駆体化合物を添加する工程を含む、方法に関する。
【0008】
代替的な態様では、本発明は、賦香組成物または香料入り消費者製品の芳香強度を付与、改善、増強または修正する方法であって、上記組成物または香料入り消費者製品に有効量の少なくとも1つの香料前駆体化合物を添加する工程を含む、方法に関する。
【0009】
「賦香組成物」とは、快楽効果を付与することができる組成物と理解すべきである。言い換えると、賦香組成物であるとみなされる組成物は、匂いを付与するだけではなく、香料の技術分野の当業者によって、嗅覚認識をポジティブなまたは心地よい形で付与または修正することができると認識されなければならない。
【0010】
「フレッシュさ」と称される匂い記述子は、当業者に既知である。匂いのフレッシュさは、香料の香りの知覚空間における基礎的次元を表す。通例、フレッシュな匂いは、香料を嗅いだときに初めに認識されるトップノートに見ることができ、オリエンタル、パウダリーおよびアニマリックな香り等のフレッシュとは最も異なる匂いは、ベースノートに見られる。
【0011】
「芳香強度」と称される匂い記述子も当業者に既知である。賦香組成物の芳香強度を付与、改善、増強または修正するとは、賦香組成物の主要なアコードまたは幾つかのアコード、特に全てのアコード、すなわち賦香組成物の支配的なアコードまたは幾つかのアコード、特に全てのアコードの芳香強度を付与、改善、増強または修正することを表す。
【0012】
本発明によれば、賦香組成物に少なくとも1つの香料前駆体化合物が添加される。
【0013】
香料前駆体またはプロフレグランスは、PRM(香料原料)とも称される1つ、2つまたは最大3つの香料化合物を、PRMの賦香効果が延長されるように外的影響により放出することができる化合物である。これにより、香料原料が香料前駆体化合物の(化学的)開裂によって香料前駆体化合物から放出される。
【0014】
香料前駆体化合物の開裂をもたらす外的影響は、光であり得る。「光」とは、任意の形態の電磁放射線を意味し、任意の特定の波長に限定されない。このような香料前駆体化合物からのPRMの放出は、通常はより低い波長(より高いエネルギー入力)でより効果的である。
【0015】
或る特定の香料前駆体化合物の開裂は、空気/酸素によって誘発されることもある。これにより、PRMを空気(周囲空気)または酸素の存在下での酸化によって香料前駆体化合物から放出することができる。
【0016】
さらに、PRMは、熱によって或る特定の香料前駆体化合物から放出されることがある。「熱」とは、温度の上昇によって引き起こされる任意のエネルギー入力を意味する。
【0017】
さらに、PRMは、水分によって或る特定の香料前駆体化合物から放出されることがある。このような香料前駆体化合物は、水によって誘導される開裂を起こしやすい化学結合を示すことがあり、したがって水の存在下で開裂され得る。場合によっては、或る特定のpH値が開裂を誘導および/または支持することがある。
【0018】
さらに、PRMは、酵素への曝露によって或る特定の香料前駆体化合物から放出されることがある。このような香料前駆体化合物は、酵素の存在下で効率的に開裂され得る化学結合を示すことがある。
【0019】
場合によっては、PRMは、1種類の放出機構に基づくだけでなく、例えば空気/酸素および水分による放出のように、上述の種類の2つ以上に同時に基づいて或る特定の香料前駆体化合物から放出されることがある。
【0020】
特定の実施形態では、香料前駆体化合物は、硫黄含有香料前駆体である。
【0021】
特定の実施形態では、香料前駆体化合物は、式
【化1】
[式中、
a)wは1~10000の整数を表し、
b)nは1または0を表し、
c)mは1~6の整数を表し、
d)Pは水素原子、または発香性α,β-不飽和ケトン、アルデヒドもしくはカルボン酸エステルを生成しやすいラジカルを表し、式
【化2】
によって表され、
式中、
波線は上記PとXとの間の結合の位置を示し、
R
1は水素原子、C
1~C
6アルコキシルラジカル、または場合によりC
1~C
4アルキル基によって置換されたC
1~C
15直鎖、環状もしくは分岐アルキル、アルケニルもしくはアルカジエニルラジカルを表し、
R
2、R
3およびR
4は水素原子、芳香環、もしくは場合によりC
1~C
4アルキル基によって置換されたC
1~C
15直鎖、環状もしくは分岐アルキル、アルケニルもしくはアルカジエニルラジカルを表すか、または基R
1~R
4の2つもしくは3つが結合して、5~20個の炭素原子を有し、上記R
1、R
2、R
3もしくはR
4基が結合している炭素原子を含む飽和もしくは不飽和の環を形成し、この環は、場合によりC
1~C
8直鎖、分岐または環状アルキルまたはアルケニル基によって置換されるが、ただし、P基の少なくとも1つが、以上に定義される式(II)を有し、
e)Xは、式i)~xiv):
【化3】
からなる群から選択される官能基を表し、
式中、
波線は先に定義した通りであり、太線は上記XとGとの間の結合の位置を示し、R
5は水素原子、場合によりC
1~C
6アルキルもしくはアルコキシル基、またはハロゲン原子によって置換された飽和または不飽和のC
1~C
22アルキル基またはアリール基を表すが、ただし、Pが水素原子を表す場合、Xが存在しないことがあり、
f)Gは、1~22個の炭素原子を有する環状、直鎖、脂環式または分岐アルキル、環状、直鎖、脂環式または分岐アルケニル、フェニル、アルキルフェニルまたはアルケニルフェニル炭化水素ラジカルから得られる多価ラジカル(m+1価を有する)を表し、上記炭化水素ラジカルは、場合により置換され、ハロゲン、アルコール、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、チオール、チオエーテル、アミン、第四級アミンおよびアミドからなる群から選択される1~10個の官能基を有し、
g)Qは水素原子を表すか(この場合、w=1およびn=1)、またはポリ(アルキルイミン)、ポリペプチド(例えばポリリジン)からなる群から選択されるポリマーもしくはコポリマー、またはセルロース、シクロデキストリンおよびデンプンからなる群から選択される多糖、またはカチオン性四級化シリコンポリマー、あるいは式A-1)、A-2)、A-3)、B-1)、B-2)、C-1)、C-2)およびC-3):
【化4】
からなる群から選択されるモノマー単位から得られるポリマーまたはランダムコポリマーを表し、
式中、
ハッチング線は、上記モノマー単位とGとの間の結合の位置を示し、
Yは、酸素もしくは硫黄原子、またはNR
7基を表し、
o、p、q、r、s、t、uおよびvは、いずれも0から1の間の互いに独立した分数を表し、o+p+q=1、r+s=1かつt+u+v=1であるが、ただし、oまたはpのいずれか、ならびにrおよびtは、0に等しくなく、
R
6は水素原子、またはグリシン、アラニン、フェニルアラニン、アルギニン、ヒスチジン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、システイン、メチオニン、グルタミン、アスパラギン、トレオニン、セリン、ロイシン、イソロイシン、バリン、チロシンもしくはトリプトファン等の天然もしくは非天然アミノ酸に由来する側鎖を表し、
R
7は、同時にまたは独立して水素原子またはC
1~C
16炭化水素基を表し、
R
8は、同時にまたは互いに独立して、
- 水素もしくはハロゲン化物原子;
- 酸素および硫黄原子からなる群から選択される1~4個のヘテロ原子を任意に含むC
1~C
6炭化水素基;
- R
*が水素原子、任意に1~30個の酸素原子を含むC
1~C
60アルキルもしくはアルケニル基を表す、式COOR
*のカルボン酸基;
- OR
7基もしくはCOR
7基;または
- 窒素原子によって連結されたピロリドン単位
を表し、
Mは水素原子、アルカリまたはアルカリ土類金属イオンを表す]
の化合物である。
【0022】
特定の実施形態では、Xは、式ii)、iii)、viii)、ix)およびxiv)からなる群から選択される官能基を表す。特定の実施形態では、Xは式ii)の官能基を表す。
【0023】
Pの定義に使用される表現である「発香性α,β-不飽和ケトン、アルデヒドまたはカルボン酸エステル」とは、賦香成分として香料に使用されると当業者に認識されるα,β-不飽和ケトン、アルデヒドまたはカルボン酸エステルが理解される。一般的には、上記発香性α,β-不飽和ケトン、アルデヒドまたはカルボン酸エステルは、8~20個の炭素原子、またはさらに好ましくは10~15個の炭素原子を有する化合物である。
【0024】
同様に、以上で定義した本発明の化合物の合成に使用され、その後放出され得る、現在既知の発香性化合物の網羅的なリストを提供することはできない。しかしながら、好ましい例として以下のものを挙げることができる:α-ダマスコン、β-ダマスコン、γ-ダマスコン、δ-ダマスコン、α-イオノン、β-イオノン、γ-イオノン、δ-イオノン、β-ダマセノン、1-[6-エチル-2,6-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、2-メチル-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタ-2-エン-1-オン、3-メチル-5-プロピル-2-シクロヘキセン-1-オン、2-メチル-5-(1-プロペン-2-イル)-2-シクロヘキセン-1-オン、2,5-ジメチル-5-フェニル-1-ヘキセン-3-オン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエナール、8-メチル-α-イオノンまたは10-メチル-α-イオノン、2-オクテナール、1-(2,2,3,6-テトラメチルシクロヘキシル)ブタ-2-エン-1-オン、4-(2,2,3,6-テトラメチルシクロヘキシル)ブタ-3-エン-2-オン、2-シクロペンタデセン-1-オン、4,4a-ジメチル-6-(1-プロペン-2-イル)-4,4a,5,6,7,8-ヘキサヒドロ-2(3H)-ナフタレノン、(E)-3-フェニルプロパ-2-エナール(シンナム)アルデヒド、2,6,6-トリメチルスピロ[ビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3,1’-シクロヘキサン]-2’-エン-4’-オン、エチル2,4-デカジエノエート、エチル2-オクテノエート、メチル2-ノネノエート、エチル2,4-ウンデカジエノエート、4-メチルペンタ-3-エン-2-オン、オクタ-2-エン-4-オンおよびメチル5,9-ジメチル-2,4,8-デカトリエノエート。
【0025】
特定の実施形態では、Pは、その異性体のいずれか1つの形態で、式(P-1)~(P-14):
【化5】
からなる群から選択されるラジカルを表し、
式中、波線は上に示した意味を有し、点線は単結合または二重結合を表し、R
aは水素原子またはメチル基であり、R
bは水素原子、ヒドロキシルもしくはメトキシ基を表すか、またはC
1~C
4直鎖もしくは分岐アルキル基を表し、R
cは水素原子、またはC
1~C
4直鎖もしくは分岐アルキル基を表す。
【0026】
特定の実施形態では、Pは、式
【化6】
からなる群から選択されるラジカルを表し、
式中、波線は上に示した意味を有し、点線は単結合または二重結合を表し、R
aは水素原子またはメチル基である。
【0027】
特定の実施形態では、Pは、上で定義した式(P-1)、(P-2)、(P-1)’、(P-2)’、(P-3)、(P-7)、(P-13)、(P-14)または(P-14)’からなる群から選択されるラジカルを表す。好ましくは、Pは、上で定義した式(P-1)、(P-1)’、(P-2)、(P-2)’、(P-3)または(P-14)’からなる群から選択されるラジカルを表す。
【0028】
特定の実施形態では、Gは、1~22個の炭素原子を有する2価の環状、直鎖、脂環式または分岐アルキル、アルケニル、アルカンジエニルまたはアルキルベンゼン炭化水素ラジカルを表すことができ、上記炭化水素ラジカルは、場合により置換され、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、チオール、チオエーテル、アミン、第四級アミンおよびアミドからなる群から選択される1~10個の官能基を有する。
【0029】
特定の実施形態では、Gは、1~22個の炭素原子を有する2価の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル炭化水素ラジカルを表し、上記炭化水素ラジカルは、場合により置換され、エーテル、エステル、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、チオール、チオエーテル、アミン、第四級アミンおよびアミドからなる群から選択される1~5個の官能基を有する。
【0030】
特定の実施形態では、Gは、2~15個の炭素原子を有する2価の直鎖または分岐アルキルまたはアルケニル炭化水素ラジカルを表し、上記炭化水素ラジカルは、場合により置換され、エーテルおよびエステルからなる群から選択される1~2個の官能基を有する。
【0031】
特定の実施形態では、Gは、3~15個の炭素原子を有する2価の直鎖アルキルまたはアルケニル炭化水素ラジカルを表し、上記炭化水素ラジカルは、場合により置換され、1個のエステル官能基を有する。
【0032】
特定の実施形態では、Gは、3~14個の炭素原子を有する2価の直鎖アルキルまたはアルケニル炭化水素ラジカルを表す。
【0033】
特定の実施形態では、Qは水素原子、または上で定義した式B-1の少なくとも1つの反復単位を含むコポリマーを表す。
【0034】
特定の実施形態では、Qは水素原子、または式B-1の少なくとも1つの反復単位と式B-2の少なくとも1つの反復単位とを含むコポリマーを表す。
【0035】
特定の実施形態では、R7は、同時にまたは独立して水素原子またはC1~3アルキル基を表す。好ましくは、R7は、同時にまたは独立して水素原子、またはメチルもしくはエチル基を表す。より好ましくは、R7は、同時にまたは独立して水素原子またはメチル基を表す。
【0036】
特定の実施形態では、香料前駆体化合物は、上述のように式(I)によって定義され、
- w=1;n=1;m=1であり、
- Pは、発香性α,β-不飽和ケトン、アルデヒドを生成しやすいラジカルを表し、式
【化7】
によって表され、
式中、R
2、R
3およびR
4は、互いに独立して水素原子、C
6~C
10芳香環、または場合によりC
1~C
4アルキル基によって置換されたC
1~C
15直鎖、環状もしくは分岐アルキル、アルケニルもしくはアルカジエニルラジカルを表すか、または基R
1~R
4の2つもしくは3つが結合して、5~20個の炭素原子を有し、上記R
1、R
2、R
3もしくはR
4基が結合している炭素原子を含む飽和もしくは不飽和の環を形成し、この環は、場合によりC
1~C
8直鎖、分岐または環状アルキルまたはアルケニル基によって置換され、
- Xは式ii)を表し、
- Gは、2~8個の炭素原子を有する環状、直鎖または分岐アルキル、アルケニル、フェニル、アルキルフェニルまたはアルケニルフェニル炭化水素ラジカルから得られる2価のラジカルを表し、任意に1または2個の酸素、硫黄および/または窒素原子を含み、
- Qは、式B-1)から得られるポリマーまたはランダムコポリマーを表し、R
7はC
1~C
16炭化水素基を表す。
【0037】
特定の実施形態では、硫黄含有香料前駆体化合物は、式
【化8】
の少なくとも1つの反復単位を含む直鎖ポリシロキサンコポリマーであり、
式中、二重ハッチング線は、別の反復単位との結合を示す。
【0038】
式(III)の香料前駆体は、カルボンとしても知られる2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-2-エン-1-オンを香料化合物として放出する。カルボンは、2つのエナンチオマー、すなわち(R)-(-)-2-メチル-5-(1-プロペン-2-イル)-2-シクロヘキセン-1-オン(l-カルボンまたはカルボンレボ)および(S)-(+)-2-メチル-5-(1-プロペン-2-イル)-2-シクロヘキセン-1-オン(d-カルボンまたはカルボンデクストロ)の形態で存在する。これら2つのエナンチオマーは、僅かに異なるミントの香調を有することが報告されている。それにもかかわらず、コポリマーの調製および放出効率の観点から、両方のエナンチオマーが同様の効果を有することが期待される。
【0039】
特定の実施形態では、硫黄含有香料前駆体化合物は、式(IV)
【化9】
を有し、
式中、
Pは、上で定義したものと同じ意味を有し、
Gは、2~15個の炭素原子を有し、場合により-OR
9、-NR
9
2、-COOR
9およびR
9基からなる群から選択される1つ以上の基で置換された直鎖または分岐アルキルまたはアルケニルラジカルから得られる2価のラジカルを表し、ここで、R
9は水素原子またはC
1~C
6アルキルまたはアルケニル基を表し、
Qは水素原子を表す。
【0040】
特定の実施形態では、式(I)の香料前駆体化合物は、式a)~d)
【化10】
の化合物またはそれらの任意の組合せであり、
式中、RはC
1~C
20アルキルまたはアルケニル基、好ましくはC
6~C
15アルキルまたはアルケニル基、より好ましくはC
12アルキル基を表す。
【0041】
特定の実施形態では、式(I)の香料前駆体化合物は、メチルまたはエチル2-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イルアミノ)-3-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イルチオ)プロパネート、メチルまたはエチル2-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-イルアミノ)-3-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-イルチオ)プロパネート、メチルまたはエチル2-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-4-イルアミノ)-3-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-4-イルチオ)プロパネート、メチルまたはエチル2-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-4-イルアミノ)-3-(2-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-4-イルチオ)プロパネート、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)-1-ブタノン、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)-1-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)-2-ブタノン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)-2-ブタノン、2-ドデシルスルファニル-5-メチル-ヘプタン-4-オン、2-シクロヘキシル-1-ドデシルスルファニル-ヘプタ-6-エン-3-オン、3-(ドデシルチオ)-5-イソプロペニル-2-メチルシクロヘキサノン、2-(ドデシルチオ)-4-オクタノン、2-(ドデシルスルホニル)オクタン-4-オン、4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン、メチルまたはエチルN,S-ビス(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イル)-L-システイネート、メチルまたはエチルS-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イル)-L-システイネート、4-オキソオクタン-2-イルドデカノエートおよびそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。好ましくは、式(I)の香料前駆体化合物は、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(Haloscent(登録商標)D)、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-1-オン、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オン(Haloscent(登録商標)I)および4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(Haloscent(登録商標)I)、2-(ドデシルチオ)-4-オクタノン、2-(ドデシルスルホニル)オクタン-4-オン、4-(ドデシルチオ)-4-メチルペンタン-2-オン、メチルもしくはエチルN,S-ビス(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イル)-L-システイネート、メチルもしくはエチルS-(4-オキソ-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-2-イル)-L-システイネートおよび4-オキソオクタン-2-イルドデカノエート、またはそれらの任意の混合物からなる群から選択することができる。好ましくは、式(I)の香料前駆体化合物は、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)またはそれらの混合物であり得る。好ましくは、式(I)の香料前駆体化合物は、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)、4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)および4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)の混合物であり得る。
【0042】
特定の実施形態では、賦香組成物のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するために、1つの香料前駆体化合物のみを賦香組成物に添加する。好ましくは、1つの香料前駆体化合物は、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)または4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)である。
【0043】
特定の実施形態では、賦香組成物または香料入り消費者製品のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するために、2つの香料前駆体化合物を賦香組成物に添加する。好ましくは、2つの香料前駆体化合物は、3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)および4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)である。
【0044】
特定の実施形態では、賦香組成物または香料入り消費者製品は、フルーティーおよび/もしくはウッディおよび/もしくはフレッシュおよび/もしくはフローラルな匂いのノート、ならびに/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。
【0045】
フルーティー、ウッディ、フレッシュ、フローラルおよびグリーンという匂い記述子は、香料業界では一般的な匂い記述子であり、当業者に既知である。
【0046】
好ましい実施形態では、賦香組成物は、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および/またはウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および/またはフレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および/またはフローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。好ましくは、賦香組成物は、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。より好ましくは、賦香組成物は、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分および/またはフローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。
【0047】
好ましくは、賦香組成物は、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、およびフローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。さらに好ましくは、賦香組成物は、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、およびフローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分からなる。
【0048】
別の好ましい実施形態では、賦香組成物は、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および/またはウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および/またはフレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および/またはフローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。
【0049】
好ましくは、賦香組成物は、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、およびグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。さらに好ましくは、賦香組成物は、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、およびグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分からなる。
【0050】
本発明の任意の実施形態によれば、賦香組成物は、賦香組成物の総重量を基準として10~25wt%に含まれる量のフルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、賦香組成物の総重量を基準として10~20wt%に含まれる量のウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、賦香組成物の総重量を基準として10~30wt%に含まれる量のフレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、賦香組成物の総重量を基準として30~60wt%に含まれる量のフローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、および賦香組成物の総重量を基準として0~15wt%に含まれる量のグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。
【0051】
特定の実施形態では、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、化合物群A、B、C、Dまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、
- 群Aの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、アリル(3-メチルブトキシ)アセテート、アリル(シクロヘキシルオキシ)アセテート、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(3,3-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-[(1RS,2SR,4SR)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘキセン-2-オン、1-(スピロ[4.5]デカ-7-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン、2-シクロヘキシル-1,6-ヘプタジエン-3-オン、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート、(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Bの賦香成分は、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、4-フェニル-2-ブタノン、酢酸シクロヘキシル、3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Cの賦香成分は、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、6-ヘキシルテトラヒドロ-(2H)-ピラン-2-オン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、4-デカノリド、(1’R)-2-[2-(4’-メチル-3’-シクロヘキセン-1’-イル)プロピル]シクロペンタノン、2-(5-ヘキセン-1-イル)シクロペンタノンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Dの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルプロパノエート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イル2-メチルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イル2-メチルプロパノエートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0052】
好ましくは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの群Cの賦香成分からなる。好ましくは、群Cの賦香成分は、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノンである。
【0053】
好ましくは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの群Dの賦香成分からなる。好ましくは、群Dの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートおよび/またはトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルアセテートである。
【0054】
好ましくは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの化合物群Aの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Bの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Cの賦香成分および少なくとも1つの化合物群Dの賦香成分からなる。好ましくは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの化合物群Bの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Cの賦香成分および少なくとも1つの化合物群Dの賦香成分からなる。
【0055】
好ましくは、少なくとも1つの化合物群Aの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートおよび/または(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートおよび/または(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Bの賦香成分は、酢酸ベンジルである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Cの賦香成分は、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノンである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Dの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートである。
【0056】
好ましくは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、酢酸ベンジル、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、ならびにトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートの混合物である。
【0057】
別の好ましい実施形態では、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、酢酸ベンジル、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテート、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート、(+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、(+/-)-2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノンおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートの混合物である。
【0058】
別の好ましい実施形態では、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、アリル(3-メチルブトキシ)アセテート、酢酸ベンジル、(+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートの混合物である。
【0059】
好ましくは、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテートは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~5wt%、好ましくは1.5~4wt%、さらに好ましくは2~4wt%に相当する。
【0060】
好ましくは、酢酸ベンジルは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の5~15wt%、好ましくは10~15wt%、さらに好ましくは11~14wt%に相当する。別の実施形態では、酢酸ベンジルは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の20~35wt%、好ましくは25~30wt%に相当する。
【0061】
好ましくは、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノンは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の20~60wt%、好ましくは25~60wt%、好ましくは40~60wt%または50~60wt%に相当する。別の実施形態では、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノンは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは15~20wt%に相当する。
【0062】
好ましくは、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の20~35wt%、好ましくは25~35wt%、好ましくは25~32wt%に相当する。別の実施形態では、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の15~35wt%、好ましくは15~30wt%に相当する。
【0063】
好ましくは、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の2~20wt%、好ましくは5~10wt%に相当する。
【0064】
好ましくは、(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~40wt%、好ましくは15~30wt%に相当する。
【0065】
好ましくは、3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテートは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.5~5wt%、好ましくは1~3wt%に相当する。
【0066】
好ましくは、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~10wt%、好ましくは4~9wt%に相当する。
【0067】
好ましくは、(+/-)-2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノンは、フルーティーな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の2~20wt%、好ましくは5~10wt%に相当する。
【0068】
フルーティーな匂いのノートを付与する賦香成分の更なる例は、γ-ウンデカラクトン、2-メチル-4-プロピル-1,3-オキサチアン、4-デカノリド、エチル2-メチル-ペンタノエート、酢酸ヘキシル、エチル2-メチルブタノエート、γ-ノナラクトン、ヘプタン酸アリル、2-フェノキシエチルイソブチレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、3-メチル-2-ヘキセン-1-イルアセテート、1-[3,3-ジメチルシクロヘキシル]エチル[3-エチル-2-オキシラニル]アセテートおよび/またはジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレートである。
【0069】
特定の実施形態では、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、化合物群E、F、G、Hまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、ここで、
- 群Eの賦香成分は、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキサノール、パチョリ油、(+/-)-メチル2-エチルヘキサノエート、1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノン、1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、シダーウッド油またはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Fの賦香成分は、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Gの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Hの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルプロパノエート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イル2-メチルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イル2-メチルプロパノエートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0070】
上述のような「パチョリ油」という表現は、パチョリから抽出された任意の油、パチョリ油の任意のテルペン画分、またはClearwood(登録商標)(供給元:Firmenich SA,Geneva,Switzerland)を指す。
【0071】
好ましくは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの群Eの賦香成分からなる。好ましくは、群Eの賦香成分は、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテートである。
【0072】
好ましくは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの群Hの賦香成分からなる。好ましくは、群Hの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートおよび/またはトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルアセテートである。
【0073】
好ましくは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの化合物群Eの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Fの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Gの賦香成分および少なくとも1つの化合物群Hの賦香成分からなる。
【0074】
好ましくは、少なくとも1つの化合物群Eの賦香成分は、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、および/またはパチョリ油、および/または(+/-)-メチル2-エチルヘキサノエート、および/または1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノン、および/または1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エテノン、および/または1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノン、および/または1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノンである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Fの賦香成分は、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オンである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Gの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Hの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートである。
【0075】
好ましくは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、ならびにトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートの混合物である。
【0076】
別の好ましい実施形態では、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、パチョリ油、(+/-)-メチル2-エチルヘキサノエート、1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オンおよびトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートの混合物である。
【0077】
別の好ましい実施形態では、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、シダーウッド油、パチョリ油、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノンおよび(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イル2-メチルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イル2-メチルプロパノエートの混合物である。
【0078】
好ましくは、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテートは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の35~60wt%、好ましくは38~60wt%、好ましくは40~60wt%、さらに好ましくは45~55wt%に相当する。別の実施形態では、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテートは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~30wt%、好ましくは15~20wt%に相当する。
【0079】
好ましくは、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オンは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の4~10wt%、好ましくは5~8wt%に相当する。別の実施形態では、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オンは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~30wt%、好ましくは10~15wt%に相当する。
【0080】
好ましくは、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の15~25wt%、好ましくは17~22wt%に相当する。別の実施形態では、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の20~50wt%、好ましくは30~40wt%に相当する。
【0081】
好ましくは、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の15~25wt%、好ましくは17~22wt%に相当する。
【0082】
好ましくは、パチョリ油は、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の2~20wt%、好ましくは5~10wt%に相当する。別の実施形態では、パチョリ油は、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.1~10wt%、好ましくは1~5wt%に相当する。
【0083】
好ましくは、(+/-)-メチル2-エチルヘキサノエートは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~40wt%、好ましくは15~30wt%に相当する。
【0084】
好ましくは、1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン/1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン/1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン/1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノンは、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の2~20wt%、好ましくは6~15wt%に相当する。
【0085】
好ましくは、シダーウッド油は、ウッディな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは15~20wt%に相当する。
【0086】
ウッディな匂いのノートを付与する賦香成分の更なる例は、1-[(1RS,6SR)-2,2,6-トリメチルシクロヘキシル]-3-ヘキサノール、3,3-ジメチル-5-[(1R)-2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル]-4-ペンテン-2-オール、3,4’-ジメチルスピロ[オキシラン-2,9’-トリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカ[4]エン、(1-エトキシエトキシ)シクロドデカン、2,2,9,11-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-イルアセテート、1-(オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-ナフタレニル)-1-エタノン、(1’R,E)-2-エチル-4-(2’,2’,3’-トリメチル-3’-シクロペンテン-1’-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール、メチルセドリルケトン、5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテニル)-3-メチルペンタン-2-オール、1-(2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタン-1-オンおよび/または酢酸イソボルニルである。
【0087】
特定の実施形態では、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、化合物群I、J、K、Lまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、ここで、
- 群Iの賦香成分は、10-ウンデセナール、デカナール、ウンデカナール、9-ウンデセナール、10-ウンデセナール、ドデカナール、2-メチルウンデカナール、5,9-ジメチル-4-デセナール、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、ラバンジン油またはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Jの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、アリル(3-メチルブトキシ)アセテート、アリル(シクロヘキシルオキシ)アセテート、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(3,3-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、1-[(1R/S,2S/R,4S/R)-ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2-イル]-5-ヘキセン-2-オン、1-(スピロ[4.5]デカ-7-エン-7-イル)ペンタ-4-エン-1-オン、2-シクロヘキシル-1,6-ヘプタジエン-3-オンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Kの賦香成分は、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、ジヒドロターピネオール、2,6-ジメチル-2-ヘプタノール、2,6-ジメチル-2-オクタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Lの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0088】
好ましくは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの群Iの賦香成分からなる。好ましくは、群Iの賦香成分は、10-ウンデセナールである。
【0089】
好ましくは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの化合物群Iの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Jの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Kの賦香成分および少なくとも1つの化合物群Lの賦香成分からなる。好ましくは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの化合物群Iの賦香成分、少なくとも1つの化合物群Kの賦香成分および少なくとも1つの化合物群Lの賦香成分からなる。
【0090】
好ましくは、少なくとも1つの化合物群Iの賦香成分は、10-ウンデセナール、および/またはメチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、および/またはラバンジン油である。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Jの賦香成分は、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテートである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Kの賦香成分は、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オールである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Lの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)である。
【0091】
好ましくは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、10-ウンデセナール、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、ならびに3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)の混合物である。
【0092】
別の好ましい実施形態では、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、10-ウンデセナール、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、ラバンジン油、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、(+/-)-1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、ならびに(+/-)-(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールの混合物である。
【0093】
別の好ましい実施形態では、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、10-ウンデセナール、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、ラバンジン油、ならびに(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールの混合物である。
【0094】
好ましくは、10-ウンデセナールは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の7~20wt%、好ましくは7~15wt%、好ましくは10~15wt%、さらに好ましくは10~14wt%に相当する。別の実施形態では、10-ウンデセナールは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の5~30wt%、好ましくは10~20wt%に相当する。
【0095】
好ましくは、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテートは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.5~2wt%、好ましくは1.0~1.8wt%に相当する。別の実施形態では、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテートは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~20wt%、好ましくは2~10wt%に相当する。
【0096】
好ましくは、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オールは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の30~60wt%、好ましくは35~60wt%、好ましくは50~60wt%、さらに好ましくは53~59wt%に相当する。別の実施形態では、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オールは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の50~85wt%、好ましくは70~80wt%に相当する。
【0097】
好ましくは、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)は、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の15~35wt%、好ましくは16~35wt%、好ましくは20~35wt%、さらに好ましくは24~32wt%に相当する。
【0098】
好ましくは、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテートは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは16~20wt%に相当する。
【0099】
好ましくは、ラバンジン油は、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~20wt%、好ましくは3~10wt%に相当する。
【0100】
好ましくは、(+/-)-1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オンは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.05~5wt%、好ましくは0.1~2wt%に相当する。
【0101】
好ましくは、(+/-)-(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールは、フレッシュな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~20wt%、好ましくは5~10wt%に相当する。
【0102】
特定の実施形態では、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、化合物群M、N、O、P、Q、R、S、Tまたはそれらの任意の混合物からなる群から選択され、ここで、
- 群Mの賦香成分は、酢酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、4-フェニル-2-ブタノン、酢酸シクロヘキシル、3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテート、(+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼン、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート、2-ヘキシル-3-フェニル-2-プロペナールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Nの賦香成分は、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、3-[(1R)-4-メチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-1-ブタノール、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-オール、4-メチル-6-フェニル-2-ヘキサノール、(+/-)-4,7,9-トリメチルデカン-2-オールおよび(+/-)-4,6,8-トリメチルデカン-2-オールおよび(+/-)-2,4,6,8-テトラメチルノナン-1-オールおよび(+/-)-3,8,9-トリメチルデカン-2-オールおよび(+/-)-2,3,6,7-テトラメチルノナン-1-オールを含む混合物、またはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Oの賦香成分は、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Pの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1-オクテン-3-オール、3,7-ジメチル-3-オクタノール、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、プロピル2-(tert-ペンチルオキシ)プロパノエート、(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Qの賦香成分は、安息香酸メチル、安息香酸エチル、シクロペンチリデン酢酸メチルまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Rの賦香成分は、1-(2-ナフチル)エタノン、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-2-ナフタレニル)エタノン、2-メトキシナフタレン、アントラニル酸メチルまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Sの賦香成分は、2-フェニルエタノール、酢酸2-フェニルエチル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、シクロヘキシリデン(フェニル)アセトニトリルまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択され、
- 群Tの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルアセテート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルプロパノエート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イル2-メチルプロパノエート、(1R/S,2R/S,6R/S,7R/S,8S/R)-トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イル2-メチルプロパノエートまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0103】
好ましくは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、少なくとも1つの群Tの賦香成分からなる。好ましくは、群Tの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートおよび/またはトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-4-エン-8-イルアセテートである。
【0104】
好ましくは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、化合物群M、N、O、P、Q、R、SおよびTのそれぞれの少なくとも1つの賦香成分からなる。好ましくは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、化合物群M、N、O、P、R、SおよびTのそれぞれの少なくとも1つの賦香成分からなる。
【0105】
好ましくは、少なくとも1つの化合物群Mの賦香成分は、酢酸ベンジル、および/または(+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼン、および/またはメチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、および/または(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Nの賦香成分は、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オールである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Oの賦香成分は、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オンである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Pの賦香成分は、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)である。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Qの賦香成分は、安息香酸メチルである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Rの賦香成分は、1-(2-ナフチル)エテノンである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Sの賦香成分は、2-フェニルエタノールである。好ましくは、少なくとも1つの化合物群Tの賦香成分は、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートである。
【0106】
好ましくは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、酢酸ベンジル、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)、安息香酸メチル、1-(2-ナフチル)エテノン、2-フェニルエタノール、ならびにトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートの混合物である。
【0107】
好ましい実施形態では、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、酢酸ベンジル、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、安息香酸メチル、1-(2-ナフチル)エテノン、2-フェニルエタノール、(+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼン、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、ならびに(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートの混合物である。
【0108】
好ましい実施形態では、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、安息香酸メチル、酢酸ベンジル、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、2-ヘキシル-3-フェニル-2-プロペナール、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、1-(2-ナフチル)エテノン、2-フェニルエタノール、ならびに(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートの混合物である。
【0109】
好ましくは、酢酸ベンジルは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の20~30wt%、好ましくは21~28wt%に相当する。別の実施形態では、酢酸ベンジルは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは15~20wt%に相当する。
【0110】
好ましくは、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オールは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~20wt%、好ましくは12~18wt%に相当する。
【0111】
好ましくは、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オンは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の5~10wt%、好ましくは6~9wt%に相当する。
【0112】
好ましくは、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(リナロール)は、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の5~15wt%、好ましくは7~12wt%に相当する。別の実施形態では、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは15~20wt%に相当する。
【0113】
好ましくは、安息香酸メチルは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.05~15wt%、好ましくは0.5~14wt%に相当する。
【0114】
好ましくは、1-(2-ナフチル)エテノンは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の3~10wt%、好ましくは4~8wt%に相当する。
【0115】
好ましくは、2-フェニルエタノールは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは16~30wt%、好ましくは20~30wt%、さらに好ましくは22~28wt%に相当する。別の実施形態では、2-フェニルエタノールは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の5~20wt%、好ましくは10~15wt%に相当する。
【0116】
好ましくは、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の2~5wt%、好ましくは2.5~4.5wt%に相当する。
【0117】
好ましくは、(+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼンは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の2~5wt%、好ましくは2.5~4.5wt%に相当する。
【0118】
好ましくは、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテートは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは15~20wt%に相当する。
【0119】
好ましくは、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~20wt%、好ましくは3~10wt%に相当する。
【0120】
好ましくは、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエートは、フローラルな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~20wt%、好ましくは3~10wt%に相当する。
【0121】
フローラルな匂いのノートを付与する賦香成分の更なる例は、ジヒドロジャスモン酸メチル、リナロール、シトロネロール、フェニルエタノール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-2-メチルプロパナール、ヘキシルシンナムアルデヒド、酢酸ベンジル、サリチル酸ベンジル、テトラヒドロ-2-イソブチル-4-メチル-4(2H)-ピラノール、βイオノン、メチル2-(メチルアミノ)ベンゾエート、(E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン、(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、1-(2,6,6-トリメチル-1,3-シクロヘキサジエン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-[2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-イル]-2-ブテン-1-オン、(2E)-1-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、2,5-ジメチル-2-インダンメタノール、2,6,6-トリメチル-3-シクロヘキセン-1-カルボキシレート、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、サリチル酸ヘキシル、3,7-ジメチル-1,6-ノナジエン-3-オール、3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、酢酸ベルジル、ゲラニオール、p-メンタ-1-エン-8-オール、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアセテート、4-シクロヘキシル-2-メチル-2-ブタノール、サリチル酸アミル、高シスジヒドロジャスモン酸メチル、3-メチル-5-フェニル-1-ペンタノール、ベルジルプロプリオネート、酢酸ゲラニル、テトラヒドロリナロール、cis-7-p-メンタノール、プロピル(S)-2-(1,1-ジメチルプロポキシ)プロパノエート、2-メトキシナフタレン、2,2,2-トリクロロ-1-フェニルエチルアセテート、4/3-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、アミルシンナムアルデヒド、8-デセン-5-オリド、4-フェニル-2-ブタノン、酢酸イソノニル、4-(1,1-ジメチルエチル)-1-シクロヘキシルアセテート、イソ酪酸ベルジル、および/またはメチルイオノン異性体の混合物である。
【0122】
特定の実施形態では、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、7-プロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、(+/-)-3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、(+/-)-(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノール、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(2Z)-2-フェニル-2-ヘキセンニトリル、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールまたはそれらの任意の組合せからなる群から選択される。
【0123】
好ましくは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、7-プロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、(+/-)-3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、(+/-)-(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノール、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(2Z)-2-フェニル-2-ヘキセンニトリルおよび3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールの混合物である。
【0124】
好ましくは、7-プロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オンは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.05~5wt%、好ましくは0.1~0.5wt%に相当する。
【0125】
好ましくは、(+/-)-3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナールは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の10~30wt%、好ましくは15~20wt%に相当する。
【0126】
好ましくは、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナールは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.5~10wt%、好ましくは1~5wt%に相当する。
【0127】
好ましくは、(+/-)-(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノールは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の5~20wt%、好ましくは10~15wt%に相当する。
【0128】
好ましくは、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナールは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.5~10wt%、好ましくは1~5wt%に相当する。
【0129】
好ましくは、(2Z)-2-フェニル-2-ヘキセンニトリルは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の1~20wt%、好ましくは3~10wt%に相当する。
【0130】
好ましくは、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナールは、グリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分の0.5~10wt%、好ましくは1~5wt%に相当する。
【0131】
以上から分かるように、一部の賦香成分は、上述の匂いのノート(フルーティー、ウッディ、フレッシュ、フローラルまたはグリーン)の1つを付与するだけでなく、むしろ2つ以上の匂いのノートを同時に付与する。したがって、このような賦香成分は、上述のアルファベットの化合物群(A~T)の1つだけでなく、むしろアルファベットの化合物群の2つ以上にグループ分けされることがある。
【0132】
特定の実施形態では、賦香組成物は、10-ウンデセナール、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、酢酸ベンジル、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、安息香酸メチル、1-(2-ナフチル)エテノン、ならびに2-フェニルエタノールを含む。
【0133】
特定の実施形態では、賦香組成物は、10-ウンデセナール、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、酢酸ベンジル、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、安息香酸メチル、1-(2-ナフチル)エテノン、ならびに2-フェニルエタノールからなる。
【0134】
好ましくは、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテートは、賦香組成物の0.1~1.5wt%に相当する。好ましくは、酢酸ベンジルは、賦香組成物の5~15wt%に相当する。好ましくは、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノンは、賦香組成物の5~10wt%に相当する。好ましくは、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートは、賦香組成物の5~10wt%に相当する。好ましくは、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテートは、賦香組成物の5~10wt%に相当する。好ましくは、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オンは、賦香組成物の1~10wt%に相当する。好ましくは、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オールは、賦香組成物の10~20wt%に相当する。好ましくは、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オールは、賦香組成物の10~20wt%に相当する。好ましくは、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オールは、賦香組成物の3~10wt%に相当する。好ましくは、安息香酸メチルは、賦香組成物の2~8wt%に相当する。好ましくは、1-(2-ナフチル)エテノンは、賦香組成物の1~5wt%に相当する。好ましくは、2-フェニルエタノールは、賦香組成物の5~15wt%に相当する。
【0135】
特定の実施形態では、賦香組成物は、10-ウンデセナール、7-プロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、酢酸ベンジル、(+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼン、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、パチョリ油、(+/-)-3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート、メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート、3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、ラバンジン油、(+/-)-(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノール、(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、安息香酸メチル、1-(2-ナフチル)エタノン、(4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール、(+/-)-1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、(+/-)-メチル2-エチルヘキサノエート、2-フェニルエタノール、3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテート、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート、(2Z)-2-フェニル-2-ヘキセンニトリル、(+/-)-(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール、1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール、(+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、(+/-)-2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、ならびにトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートを含むか、またはそれらからなる。上記実施形態では、化合物は、好ましくは全賦香組成物を基準として以下の量:
- 10-ウンデセナール:1~10wt%、好ましくは2~5wt%;
- 7-プロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン:0.001~5wt%、好ましくは0.01~1wt%;
- アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート:0.1~10wt%、好ましくは0.2~1wt%;
- 酢酸ベンジル:1~20wt%、好ましくは7~15wt%;
- (+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼン:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- 3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール:1~20wt%、好ましくは2~5wt%;
- パチョリ油:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- (+/-)-3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- 2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール:1~10wt%、好ましくは2~8wt%;
- 4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート:1~10wt%、好ましくは2~8wt%;
- ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート:1~10wt%、好ましくは1.5~5wt%;
- メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート:1~20wt%、好ましくは5~12wt%;
- 3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール:0.001~10wt%、好ましくは0.01~1wt%;
- (+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン:1~10wt%、好ましくは2~5wt%;
- ラバンジン油:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- (+/-)-(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノール:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- (+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール:1~10wt%、好ましくは2~8wt%;
- 安息香酸メチル:0.01~10wt%、好ましくは0.1~1wt%;
- 1-(2-ナフチル)エタノン:1~10wt%、好ましくは2~5wt%;
- (4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール:0.01~10wt%、好ましくは0.1~1wt%;
- (+/-)-1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン:0.001~10wt%、好ましくは0.01~1wt%;
- (+/-)-メチル2-エチルヘキサノエート:1~10wt%、好ましくは2~5wt%;
- 2-フェニルエタノール:1~10wt%、好ましくは2~8wt%;
- 3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテート:0.1~10wt%、好ましくは0.2~5wt%;
- (-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート:0.1~10wt%、好ましくは1~5wt%;
- (2Z)-2-フェニル-2-ヘキセンニトリル:0.1~10wt%、好ましくは0.2~5wt%;
- (+/-)-(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- 1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノンおよび1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- 3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール:0.001~10wt%、好ましくは0.01~1wt%;
- (+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン:0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- (+/-)-2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン:0.1~10wt%、好ましくは1~5wt%;
- トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート:0.1~10wt%、好ましくは1~10wt%
を示す。
【0136】
特定の実施形態では、賦香組成物は、10-ウンデセナール、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート、酢酸ベンジル、シダーウッド油、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール、パチョリ油、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート、(+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン、2-ヘキシル-3-フェニル-2-プロペナール、安息香酸メチル、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン、ラバンジン油、(+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール、1-(2-ナフチル)エテノン、2-フェニルエタノール、(-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート、1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノン、ならびにトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテートを含むか、またはそれらからなる。上記実施形態では、化合物は、好ましくは全賦香組成物を基準として以下の量:
- 10-ウンデセナール:0.05~15wt%、好ましくは1~5wt%;
- アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート:0.05~10wt%、好ましくは0.1~5wt%;
- 安息香酸メチル:0.05~5wt%、好ましくは0.4~2wt%;
- 酢酸ベンジル:2~30wt%、好ましくは7~13wt%;
- シダーウッド油:1~20wt%、好ましくは3~10wt%;
- 3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール:1~20wt%、好ましくは3~10wt%;
- パチョリ油:0.05~10wt%、好ましくは0.1~5wt%;
- 2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール:2~30wt%、好ましくは10~15wt%;
- 4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート:1~20wt%、好ましくは3~10wt%;
- (+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン:1~20wt%、好ましくは3~10wt%;
- 2-ヘキシル-3-フェニル-2-プロペナール:1~20wt%、好ましくは3~10wt%;
- (+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン:1~20wt%、好ましくは2~10wt%;
- ラバンジン油:0.05~10wt%、好ましくは0.5~5wt%;
- (+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール:1~25wt%、好ましくは7~13wt%;
- 1-(2-ナフチル)エテノン:0.5~10wt%、好ましくは1~5wt%;
- 2-フェニルエタノール:1~20wt%、好ましくは5~10wt%;
- (-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート:0.5~10wt%、好ましくは1~5wt%;
- 1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノンおよび1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エテノン:0.5~10wt%、好ましくは1~5wt%;
- トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート:1~15wt%、好ましくは5~10wt%
を示す。
【0137】
特定の実施形態では、少なくとも1つの香料前駆体化合物を嗅覚有効量、好ましくは、賦香組成物の総重量を基準として0.1~80wt%、より好ましくは0.25~60wt%、さらに好ましくは0.5~40wt%、さらに好ましくは1.0~20wt%、さらに好ましくは1.5~19wt%の量で添加する。
【0138】
本発明の別の態様は、上で定義した賦香組成物または香料入り消費者製品のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するための上で定義した少なくとも1つの香料前駆体化合物の使用に関する。
【0139】
本発明の別の態様は、上で定義した賦香組成物または香料入り消費者製品の芳香強度を付与、改善、増強または修正するための上で定義した少なくとも1つの香料前駆体化合物の使用に関する。
【0140】
本発明はさらに、
- 上で定義した式(I)による少なくとも1つの香料前駆体化合物、
- 上で定義した、好ましくはフルーティーおよび/またはウッディおよび/またはフレッシュおよび/またはフローラルおよび/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分、
- 任意に、香料担体および1つ以上の賦香補助成分からなる群から選択される少なくとも1つの成分、ならびに
- 任意に、少なくとも1つの香料助剤
を含む、香料入り組成物に関する。
【0141】
特定の実施形態では、香料入り組成物は、1つの香料前駆体化合物を含む。別の特定の実施形態では、香料入り組成物は、2つの香料前駆体化合物を含む。さらに別の特定の実施形態では、香料入り組成物は、3つの香料前駆体化合物を含む。
【0142】
特定の実施形態では、少なくとも1つの香料前駆体化合物は、少なくとも1つの賦香成分のフレッシュさを付与、改善、増強または修正するのに有効な量で香料入り組成物中に存在する。
【0143】
特定の実施形態では、少なくとも1つの香料前駆体化合物は、香料入り組成物の総重量を基準として少なくとも0.05wt%、好ましくは少なくとも0.1wt%、より好ましくは少なくとも1wt%、さらに好ましくは少なくとも2wt%の量で存在する。特定の実施形態では、少なくとも1つの香料前駆体化合物は、香料入り組成物の総重量を基準として30wt%以下、好ましくは20wt%以下、より好ましくは15wt%以下、さらに好ましくは10wt%以下の量で存在する。
【0144】
特定の実施形態では、少なくとも1つの香料前駆体化合物は、香料入り組成物の総重量を基準として0.05~30wt%の量、好ましくは0.1~20wt%の量、より好ましくは1~15wt%の量、さらに好ましくは2~10wt%の量で存在する。
【0145】
特定の実施形態では、香料入り組成物は、好ましくはフルーティーおよび/またはウッディおよび/またはフレッシュおよび/またはフローラルおよび/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分を含む。
【0146】
特定の実施形態では、好ましくはフルーティーおよび/またはウッディおよび/またはフレッシュおよび/またはフローラルおよび/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、香料入り組成物の総重量を基準として0.1~80wt%、より好ましくは1~60wt%、さらに好ましくは2.5~40wt%、さらに好ましくは5~20wt%、さらに好ましくは7~14wt%の量で存在する。
【0147】
別の特定の実施形態では、好ましくはフルーティーおよび/またはウッディおよび/またはフレッシュおよび/またはフローラルおよび/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分は、香料入り組成物の総重量を基準として2~14wt%の量で存在する。
【0148】
特定の実施形態では、香料入り組成物中の、好ましくはフルーティーおよび/またはウッディおよび/またはフレッシュおよび/またはフローラルおよび/またはグリーンな匂いのノートを付与する少なくとも1つの賦香成分と、少なくとも1つの香料前駆体との重量比は、100:1~1:100である。好ましくは、香料入り組成物中の少なくとも1つの賦香成分と少なくとも1つの香料前駆体との重量比は、75:1~1:1、より好ましくは50:1~5:1である。
【0149】
特定の実施形態では、香料入り組成物のpH値は、常温(20℃)で2~12である。好ましくは、pH値は7~11、さらに好ましくは9~11である。
【0150】
特定の実施形態では、香料入り組成物はカプセル化される。香料入り組成物は、マイクロカプセルにカプセル化することができる。好ましくは、香料入り組成物はコア-シェルマイクロカプセルにカプセル化され、香料入り組成物は、シェルに囲まれているコアの中に含まれる。マイクロカプセルのシェルは、香料入り組成物を環境から保護する。シェルは、香料入り組成物を放出することができる材料から作られる。好ましくは、シェルは、シェルの破壊時におよび/またはシェルを通り抜ける拡散によって香料入り組成物を放出することができる材料から作られる。当業者は、上記マイクロカプセルを調製するプロセスをよく認識している。
【0151】
別の特定の実施形態では、香料入り組成物全体ではなく、少なくとも1つの香料前駆体化合物および/または少なくとも1つの賦香成分のみがカプセル化される。
【0152】
シェルの性質は多様であり得る。特定の実施形態によれば、マイクロカプセルのシェルは、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート(すなわちポリアクリレートおよび/またはポリメタクリレート)、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、尿素およびホルムアルデヒド、メラミンおよびホルムアルデヒド、メラミンおよび尿素、またはメラミンおよびグリオキサールのポリマー、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される材料を含む。シェルは、架橋された少なくとも2種類の無機粒子から構成されるハイブリッドシェル等のハイブリッド、すなわち有機-無機、あるいはポリアルコキシシランマクロモノマー組成物の加水分解および縮合反応によって得られるシェルであってもよい。
【0153】
特定の実施形態によれば、コア-シェルマイクロカプセルは、様々なカプセル化方法を用いて調製することもできる。
【0154】
好ましい実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、各々独立して、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素およびポリウレタンシェルおよびそれらの混合物の群から選択され得る。
【0155】
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、メラミン-ホルムアルデヒド、または尿素-ホルムアルデヒド、または架橋メラミンホルムアルデヒド、またはメラミングリオキサール等のアミノプラストコポリマーを含む。
【0156】
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、例えば、限定されるものではないが、イソシアネートベースのモノマーと、炭酸グアニジンおよび/またはグアナゾール等のアミン含有架橋剤とから作製されるポリ尿素ベースである。或る特定のポリ尿素マイクロカプセルは、少なくとも2つのイソシアネート官能基を含む少なくとも1つのポリイソシアネートと、アミン(例えば、水溶性グアニジン塩およびグアニジン)からなる群から選択される少なくとも1つの反応物との間の重合の反応生成物であるポリ尿素壁;コロイド安定剤または乳化剤;およびカプセル化される香料を含む。しかしながら、アミンの使用は省略することができる。
【0157】
特定の実施形態では、コロイド安定剤は、0.1%~0.4%のポリビニルアルコール、0.6%~1%のビニルピロリドンおよび四級化ビニルイミダゾールのカチオン性コポリマーの水溶液を含む(全てのパーセンテージは、コロイド安定剤の総重量に対する重量で定義される)。特定の実施形態では、乳化剤は、例えばアラビアゴム、大豆タンパク質、ゼラチン、カゼイン酸ナトリウムおよびそれらの混合物からなる群から選ばれ得るアニオン性または両親媒性生体高分子である。
【0158】
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、例えば、限定されるものではないが、ポリイソシアネートおよびポリオール、ポリアミド、ポリエステル等から作製されるポリウレタンベースである。
【0159】
特定の実施形態では、マイクロカプセルは、シェルが場合により架橋される複合コアセルベーションによって得られるポリマーシェルを有する。
【0160】
コア-シェルマイクロカプセルの特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、疎水性活性物質、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む油性コアと、第1の材料および第2の材料を含む複合シェルとを含み、第1の材料および第2の材料は異なり、第1の材料はコアセルベートであり、第2の材料はポリマー材料である。
【0161】
特定の実施形態では、第1の材料と第2の材料との重量比は、50:50~99.9:0.1に含まれる。
【0162】
特定の実施形態では、コアセルベートは、好ましくはタンパク質(ゼラチン等)、ポリペプチドまたは多糖(キトサン等)、最も好ましくはゼラチンの中から選択される第1の高分子電解質と、第2の高分子電解質、好ましくはアルギン酸塩、セルロース誘導体グアーガム、ペクチン酸塩、カラギーナン、ポリアクリル酸およびメタクリル酸、またはキサンタンガム、あるいはアカシアゴム(アラビアゴム)等の植物ゴム、最も好ましくはアラビアゴムとを含む。
【0163】
コアセルベートである第1の材料は、グルタルアルデヒド、グリオキサール、ホルムアルデヒド、タンニン酸もしくはゲニピン等の適切な架橋剤を用いて化学的に硬化させることができ、またはトランスグルタミナーゼ等の酵素を用いて酵素的に硬化させることができる。
【0164】
第2のポリマー材料は、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリシロキサン、ポリカーボネート、ポリスルホンアミド、尿素およびホルムアルデヒド、メラミンおよびホルムアルデヒド、メラミンおよび尿素、またはメラミンおよびグリオキサールのポリマー、ならびにそれらの混合物、好ましくはポリ尿素および/またはポリウレタンからなる群から選択することができる。第2の材料は、好ましくはマイクロカプセルスラリーの総重量を基準として3wt%未満、好ましくは1wt%未満の量で存在する。
【0165】
コア-シェルマイクロカプセルの水分散液/スラリーの調製は、当業者に既知である。特定の実施形態では、マイクロカプセル壁材料は、任意の適切な樹脂を含むことができ、特にメラミン、グリオキサール、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、等が含まれる。適切な樹脂としては、アルデヒドとアミンとの反応生成物が挙げられ、適切なアルデヒドとしては、ホルムアルデヒドおよびグリオキサールが挙げられる。適切なアミンとしては、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、グリコルリルおよびそれらの混合物が挙げられる。適切なメラミンとしては、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、イミノメラミンおよびそれらの混合物が挙げられる。適切な尿素としては、ジメチロール尿素、メチル化ジメチロール尿素、尿素-レゾルシノールおよびそれらの混合物が挙げられる。作製に適切な材料は、以下の会社:Solutia Inc.(St Louis,Missouri U.S.A.)、Cytec Industries(West Paterson,New Jersey U.S.A.)、Sigma-Aldrich(St. Louis,Missouri U.S.A.)の1つ以上から得ることができる。
【0166】
コア-シェルマイクロカプセルの特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、
- 疎水性活性物質を含み、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む香料入り組成物を含む油性コア、
- 任意に、重合多官能性モノマーから作られる内側シェル、
- 少なくとも1つのタンパク質が架橋した、タンパク質を含む生体高分子シェル
を含む。
【0167】
特定の実施形態によれば、タンパク質は乳タンパク質、カゼイン酸ナトリウムまたはカゼイン酸カルシウム等のカゼイン酸塩、カゼイン、乳清タンパク質、加水分解タンパク質、ゼラチン、グルテン、エンドウ豆タンパク質、大豆タンパク質、絹タンパク質およびそれらの混合物、好ましくはカゼイン酸ナトリウムからなる群で選ばれる。
【0168】
特定の実施形態によれば、タンパク質はカゼイン酸ナトリウム、および好ましくは乳清タンパク質、β-ラクトグロブリン、オボアルブミン、ウシ血清アルブミンからなる群で選ばれる球状タンパク質、植物性タンパク質、ならびにそれらの混合物を含む。
【0169】
タンパク質は、好ましくはカゼイン酸ナトリウムと乳清タンパク質との混合物である。
【0170】
特定の実施形態によれば、生体高分子シェルは、カゼイン酸ナトリウムおよび/または乳清タンパク質からなる群で選ばれる架橋タンパク質を含む。
【0171】
特定の実施形態によれば、マイクロカプセルのスラリーは、
- 疎水性活性物質を含み、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む香料入り組成物を含む油性コア、
- 重合多官能性モノマー、好ましくは少なくとも2つのイソシアネート官能基を有するポリイソシアネートから作られる内側シェル、
- 少なくとも1つのタンパク質が架橋した、タンパク質を含む生体高分子シェルであって、タンパク質が好ましくはカゼイン酸ナトリウムと球状タンパク質、好ましくは乳清タンパク質とを含む混合物を含有する、生体高分子シェル、
- 任意に、少なくとも外側ミネラル層
から作られる少なくとも1つのマイクロカプセルを含む。
【0172】
実施形態によれば、カゼイン酸ナトリウムおよび/または乳清タンパク質は、架橋タンパク質である。
【0173】
カゼイン酸ナトリウムと乳清タンパク質との重量比は、好ましくは0.01~100、好ましくは0.1~10、より好ましくは0.2~5に含まれる。
【0174】
特定の実施形態では、マイクロカプセルは、
1)香料入り組成物と、少なくとも2つのイソシアネート官能基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートとを混合して、油相を形成する工程;
2)アミノプラスト樹脂および任意に安定剤を水に分散または溶解して、水相を形成する工程;
3)油相と水相とを混合することで、平均液滴サイズが1~100ミクロンに含まれる水中油型分散液を調製する工程;
4)硬化工程を行い、上記マイクロカプセルの壁を形成する工程;ならびに
5)任意に、最終分散液を乾燥させて、乾燥コア-シェルマイクロカプセルを得る工程
を含むプロセスによって得られる1シェルアミノプラストコア-シェルマイクロカプセルである。
【0175】
特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、ホルムアルデヒドを含まないカプセルである。ホルムアルデヒドを含まないアミノプラストマイクロカプセルのスラリーを調製する典型的なプロセスは、
1)
a.メラミンまたはメラミンと2つのNH2官能基を含む少なくとも1つのC1~C4化合物との混合物の形態のポリアミン成分;
b.グリオキサール/C4~62,2-ジアルコキシ-エタナールのモル比が1/1~10/1に含まれる、グリオキサール、C4~62,2-ジアルコキシ-エタナールおよび任意にグリオキシレートの混合物の形態のアルデヒド成分;ならびに
c.プロトン酸触媒
の反応生成物を含むか、またはそれらを反応させることで得られるオリゴマー組成物を調製する工程;
2)液滴サイズが1~600ミクロンに含まれ、
a.油;
b.水媒体;
c.工程1で得られる少なくとも1つのオリゴマー組成物;
d.
i.C4~C12芳香族もしくは脂肪族ジイソシアネートもしくはトリイソシアネート、ならびにそれらのビウレット、トリウレット、トリマー、トリメチロールプロパン付加物、およびそれらの混合物;ならびに/または
ii.式:
Q-(オキシラン-2-イルメチル)n
[式中、nは2または3を表し、Qは、任意に2~6個の窒素および/または酸素原子を含むC2~C6基を表す]
のジオキシランもしくはトリオキシラン化合物
の中から選択される少なくとも1つの架橋剤;
e.任意に、2つのNH2官能基を含むC1~C4化合物
を含む水中油型分散液を調製する工程;
3)分散液を加熱する工程;ならびに
4)分散液を冷却する工程
を含む。
【0176】
上記のプロセスは、国際公開第2013/068255号により詳細に記載されている。
【0177】
コア-シェルマイクロカプセルの特定の実施形態では、コア-シェルマイクロカプセルは、
- 疎水性活性物質を含み、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む油性コア、ならびに
- ポリアミドシェルであって、
・塩化アシル、
・第1のアミノ化合物、および
・第2のアミノ化合物
を含むか、またはそれらから得られるポリアミドシェル
を含むポリアミドコア-シェルポリアミドマイクロカプセルである。
【0178】
特定の実施形態によれば、ポリアミドコア-シェルマイクロカプセルは、
疎水性活性物質を含み、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む油性コア、ならびに
ポリアミドシェルであって、
・好ましくは5~98%、好ましくは20~98%、より好ましくは30~85%w/wに含まれる量の塩化アシル、
・好ましくは1%~50%w/w、好ましくは7~40%w/wに含まれる量の第1のアミノ化合物、
・好ましくは1%~50%w/w、好ましくは2~25%w/wに含まれる量の第2のアミノ化合物、
・好ましくは0~90%、好ましくは0.1~75%、より好ましくは1~70%に含まれる量の安定剤、好ましくは生体高分子
を含むか、またはそれらから得られるポリアミドシェル
を含む。
【0179】
特定の実施形態によれば、ポリアミドコア-シェルマイクロカプセルは、
- 疎水性活性物質を含み、好ましくは式(I)の少なくとも1つの化合物を含む香料入り組成物を含む油性コア、ならびに
- ポリアミドシェルであって、
・塩化アシル、
・アミノ酸であり、好ましくはL-リジン、L-アルギニン、L-ヒスチジン、L-トリプトファンおよび/またはそれらの混合物からなる群で選ばれる第1のアミノ化合物、
・エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、シスタミンおよび/またはそれらの混合物からなる群で選ばれる第2のアミノ化合物、ならびに
・カゼイン、カゼイン酸ナトリウム、ウシ血清アルブミン、乳清タンパク質および/またはそれらの混合物からなる群で選ばれる生体高分子
を含むか、またはそれらから得られるポリアミドシェル
を含む。
【0180】
第1のアミノ化合物は、第2のアミノ化合物と異なっていてもよい。
【0181】
通例、ポリアミドベースのマイクロカプセルを調製するプロセスは、以下の工程:
a)少なくとも1つの塩化アシルを疎水性材料、好ましくは香料に溶解して、油相を形成する工程;
b)工程a)で得られる油相を、第1のアミノ化合物を含む水相に分散させ、水中油型エマルションを形成する工程;
c)硬化工程を行い、スラリーの形態のポリアミドマイクロカプセルを形成する工程
を含み、
安定剤を油相および/または水相に添加し、
少なくとも第2のアミノ化合物を、水中油型エマルションの形成前の水相、および/または工程b)の後に得られる水中油型エマルションに添加する。
【0182】
特定の実施形態では、マイクロカプセルのシェルは、ポリ尿素またはポリウレタンベースである。ポリ尿素およびポリウレタンベースのマイクロカプセルスラリーを調製するプロセスの例は、例えば国際公開第2007/004166号、欧州特許第2300146号明細書および欧州特許第2579976号明細書に記載されている。通例、ポリ尿素またはポリウレタンベースのマイクロカプセルスラリーを調製するプロセスは、以下の工程:
a)少なくとも2つのイソシアネート基を有する少なくとも1つのポリイソシアネートを油に溶解して、油相を形成する工程;
b)乳化剤またはコロイド安定剤の水溶液を調製して、水相を形成する工程;
c)油相を水相に添加して、平均液滴サイズが1~500μm、好ましくは5~50μmに含まれる水中油型分散液を形成する工程;および
d)界面重合を誘導し、スラリーの形態のマイクロカプセルを形成するのに十分な条件を適用する工程
を含む。
【0183】
特定の実施形態では、マイクロカプセルは粉末の形態であってもよく、これは特に、マイクロカプセルスラリーを噴霧乾燥のような乾燥に供して、マイクロカプセルをそのまま、すなわち粉末状で提供することによって得ることができる。このような乾燥を行うための当業者に既知の任意の標準的な方法も適用可能であることが理解される。特に、スラリーを、好ましくはポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、デキストリン、天然もしくは加工デンプン、アラビアゴム、植物ゴム、ペクチン、キサンタン、アルギネート、カラギーナンまたはセルロース誘導体等のポリマー担体材料の存在下で噴霧乾燥して、粉末形態のマイクロカプセルを提供することができる。
【0184】
しかしながら、他の乾燥方法、例えば押出し、被覆、噴霧造粒、流動床、またはさらには国際公開第2017/134179号に開示される特定の基準を満たす材料(担体、乾燥剤)を用いた室温での乾燥も挙げることができる。
【0185】
特定の実施形態では、本発明による香料入り組成物は、香料担体を含む。
【0186】
「香料担体」とは、本明細書では、香料の観点から実質的に中性である、すなわち賦香成分の官能特性を著しく変化させない材料を意味する。上記担体は液体であっても固体であってもよい。
【0187】
液体担体としては、非限定的な例として、乳化系、すなわち溶剤と界面活性剤との系、または香料で一般的に使用される溶剤を挙げることができる。香料において一般的に使用される溶剤の性質および種類の詳細な説明を網羅的にすることはできない。しかしながら、非限定的な例として、ブチレンもしくはプロピレングリコール、グリセロール、ジプロピレングリコールおよびそのモノエーテル、1,2,3-プロパントリイルトリアセテート、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、1,3-ジアセチルオキシプロパン-2-イルアセテート、フタル酸ジエチル、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール、2-(2-エトキシエトキシ)-1-エタノ、クエン酸トリエチル、またはそれらの混合物等の溶剤を挙げることができ、これらが最も一般的に使用される。上で規定したもの以外の適切な香料担体は、エタノール、水/エタノール混合物、リモネンもしくは他のテルペン、Isopar(登録商標)(供給元:Exxon Chemical)の商標で知られているもの等のイソパラフィン、またはDowanol(登録商標)(供給元:Dow Chemical Company)の商標で知られているもの等のグリコールエーテルおよびグリコールエーテルエステル、またはCremophor(登録商標)RH 40(供給元:BASF)の商標で知られているもの等の水添ヒマシ油であってもよい。好ましくは、液体担体は、クエン酸トリエチルまたはジプロピレングリコールである。
【0188】
固体担体は、香料入り組成物または香料入り組成物のうちの一部の要素が化学的または物理的に結合することができる材料を指すことが意図されている。一般的に、そのような固体担体は、組成物を安定化させるために、または組成物もしくは一部の成分の蒸発速度を制御するために使用される。固体担体は当該技術分野で現在使用されており、当業者は望まれる効果に到達させる方法を認識している。しかしながら、固体担体の非限定的な例として、吸収性ガムまたはポリマーまたは無機材料、例えば多孔質ポリマー、シクロデキストリン、木材系材料、有機もしくは無機ゲル、粘土、石膏タルク、またはゼオライトを挙げることができる。
【0189】
固体担体の他の非限定的な例として、カプセル化材料を挙げることができる。そのような材料の例には、単糖、二糖もしくは三糖、天然もしくは加工デンプン、親水コロイド、セルロース誘導体、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、タンパク質、またはペクチン等の壁形成材料および可塑化材料を含めることができ、あるいはH. Scherz, Hydrokolloide: Stabilisatoren, Dickungs- und Geliermittel in Lebensmitteln, Band 2 der Schriftenreihe Lebensmittelchemie, Lebensmittelqualitaet, Behr’s Verlag GmbH & Co., Hamburg, 1996等の参考テキストの中で挙げられている材料が含まれ得る。カプセル化は当業者に既知のプロセスであり、例えば噴霧乾燥、凝集、さらには押出し等の技術を使用することによって行うことができ、またはコアセルベーションおよび複合コアセルベーション技術を含むコーティングカプセル化からなる。
【0190】
固体担体の非限定的な例としては、特に、任意にポリマー系安定剤またはカチオン性コポリマーの存在下で、重合、界面重合、コアセルベーション、または全て一緒に行うことによって誘発される(上記技術は全て従来技術で説明されている)、相分離プロセスのような技術を使用する、アミノプラスト、ポリアミド、ポリエステル、ポリ尿素もしくはポリウレタンタイプの樹脂、またはそれらの混合物(上記樹脂は全て当業者に既知である)を用いたコア-シェルカプセルを挙げることができる。
【0191】
樹脂は、アルデヒド(例えばホルムアルデヒド、2,2-ジメトキシエタナール、グリオキサール、グリオキシル酸またはグリコールアルデヒド、およびそれらの混合物)と、尿素、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、メラミン、メチロールメラミン、メチル化メチロールメラミン、グアナゾール等、ならびにそれらの混合物等のアミンとの重縮合によって製造することができる。あるいは、商標Urac(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Cymel(登録商標)(供給元:Cytec Technology Corp.)、Urecoll(登録商標)またはLuracoll(登録商標)(供給元:BASF)で市販されているもの等の予備成形された樹脂であるアルキロール化ポリアミンを使用することができる。
【0192】
他の樹脂は、グリセロールのようなポリオールと、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、イソホロンジイソシアネートもしくはキシリレンジイソシアネートの三量体、またはヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット、またはキシリレンジイソシアネートの三量体のようなポリイソシアネートと、トリメチロールプロパンとの重縮合によって得られるもの(Takenate(登録商標)の商標で知られる;供給元:Mitsui Chemicals)、中でも、キシリレンジイソシアネートの三量体と、トリメチロールプロパンと、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットとの重縮合によって得られるものである。
【0193】
アミノ樹脂の重縮合、すなわちメラミン系樹脂とアルデヒドとの重縮合による香料のカプセル化に関する幾つかの影響力のある文献としては、K. Dietrich et al.によって発表された論文であるActa Polymerica, 1989, vol. 40, pages 243, 325および683、ならびに1990, vol. 41, page 91等の論文が挙げられる。そのような論文には、従来技術の方法に従ったこのようなコア-シェルマイクロカプセルの製造に影響を及ぼす様々なパラメータがすでに記載されており、これらは特許文献においてもさらに詳しく説明され、例示されている。Wiggins Teape Group Limitedの米国特許第4,396,670号明細書は、後者の関連する初期の例である。それ以降、多くの他の著者がこの分野の文献を充実させており、全ての公開された開発を本明細書で網羅することは不可能であると考えられるが、カプセル化技術における基本知識は非常に重要である。そのようなマイクロカプセルの適切な使用を開示する適切なより最近の刊行物としては、例えば、K. Bruyninckx and M. Dusselier, ACS Sustainable Chemistry & Engineering, 2019, vol. 7, pages 8041-8054の論文が挙げられる。
【0194】
特定の実施形態では、本発明による香料入り組成物は、賦香補助成分を含む。
【0195】
賦香補助成分は、本発明による化合物ではなく、すなわち香料前駆体化合物ではなく、上で定義した賦香成分ではない。さらに、「賦香補助成分」という用語は、快楽効果を付与するために香料入り調製物または組成物に使用される化合物として理解される。言い換えると、賦香性であるとみなされる補助成分は、匂いを有するだけではなく、当業者によって、組成物の匂いをポジティブなまたは心地よい形で付与または修正することができると認識されなければならない。
【0196】
基剤中に存在する賦香補助成分の性質および種類については、本明細書ではより詳細な説明は保証されず、いずれにせよ網羅されないが、当業者は基本知識に基づき、使用または利用目的および望まれる感覚刺激効果に応じて、それらを選択することができる。一般的には、これらの賦香補助成分は、アルコール、ラクトン、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン系炭化水素、窒素または硫黄ヘテロ環化合物、および精油等の多様な化学的分類に属し、賦香補助成分は天然起源であっても合成起源であってもよい。特に、
- 芳香性ハーブ成分:ユーカリ油、樟脳、ユーカリプトール、5-メチルトリシクロ[6.2.1.02,7]ウンデカン-4-オン、1-メトキシ-3-ヘキサンチオール、2-エチル-4,4-ジメチル-1,3-オキサチアン、2,2,7/8,9/10-テトラメチルスピロ[5.5]ウンデカ-8-エン-1-オン、メントールおよび/またはα-ピネン;
- バルサム成分:クマリン、エチルバニリンおよび/またはバニリン;
- 柑橘成分:ジヒドロミルセノール、オレンジ油、酢酸リナリル、シトロネリルニトリル、オレンジテルペン、リモネン、1-p-メンテン-8-イルアセテートおよび/または1,4(8)-p-メンタジエン;
- グリーン成分:2-メチル-3-ヘキサノン(E)-オキシム、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-カルバルデヒド、2-tert-ブチル-1-シクロヘキシルアセテート、酢酸スチラリル、アリル(2-メチルブトキシ)アセテート、4-メチル-3-デセン-5-オール、ジフェニルエーテル、(Z)-3-ヘキセン-1-オールおよび/または1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン;
- ムスク成分:1,4-ジオキサ-5,17-シクロヘプタデカンジオン、(Z)-4-シクロペンタデセン-1-オン、3-メチルシクロペンタデカノン、1-オキサ-12-シクロヘキサデセン-2-オン、1-オキサ-13-シクロヘキサデセン-2-オン、(9Z)-9-シクロヘプタデセン-1-オン、2-{(1S)-1-[(1R)-3,3-ジメチルシクロヘキシル]エトキシ}-2-オキソエチルプロピオネート、3-メチル-5-シクロペンタデセン-1-オン、1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロ-4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-シクロペンタ-g-2-ベンゾピラン、(1S,1’R)-2-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシ]-2-メチルプロピルプロパノエート、オキサシクロヘキサデカン-2-オンおよび/または(1S,1’R)-[1-(3’,3’-ジメチル-1’-シクロヘキシル)エトキシカルボニル]メチルプロパノエート;
- 他の成分(例えばアンバー、パウダリースパイシーまたはウォータリー):ドデカヒドロ-3a,6,6,9a-テトラメチル-ナフト[2,1-b]フランおよびその任意の立体異性体、ヘリオトロピン、アニスアルデヒド、オイゲノール、シンナムアルデヒド、クローブ油、3-(1,3-ベンゾジオキソール-5-イル)-2-メチルプロパナール、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン、2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロ-2-ナフタレノール、酢酸1-フェニルビニル、6-メチル-7-オキサ-1-チア-4-アザスピロ[4.4]ノナン、ならびに/または3-(3-イソプロピル-1-フェニル)ブタナール
のような香料配合物で一般的に使用されている賦香補助成分を挙げることができる。
【0197】
本発明による香料入り組成物は、上述の賦香補助成分に限定されない場合があり、これら補助成分の他の多くは、いずれの場合もS. Arctanderによる書籍Perfume and Flavor Chemicals, 1969, Montclair, New Jersey, USAもしくはそのより新しい版、または同様の性質の他の著作物等の参考テキスト、および香料の分野の豊富な特許文献の中に記載されている。上記補助成分が、香料前駆体またはプロフレグランスとしても知られる様々な種類の賦香化合物を制御された形で放出することが知られている化合物であってもよいことも理解される。適切な香料前駆体の非限定的な例としては、2-フェニルエチルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、(Z)-ヘキサ-3-エン-1-イルオキソ(フェニル)アセテート、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-1-イルヘキサデカノエート、ビス(3,7-ジメチルオクタ-2,6-ジエン-1-イル)スクシネート、(2-((2-メチルウンデカ-1-エン-1-イル)オキシ)エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(3-メチル-4-フェネトキシブタ-3-エン-1-イル)ベンゼン、(3-メチル-4-フェネトキシブタ-3-エン-1-イル)ベンゼン、1-(((Z)-ヘキサ-3-エン-1-イル)オキシ)-2-メチルウンデカ-1-エン、(2-((2-メチルウンデカ-1-エン-1-イル)オキシ)エトキシ)ベンゼン、2-メチル-1-(オクタン-3-イルオキシ)ウンデカ-1-エン、1-メトキシ-4-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゼン、1-メチル-4-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ベンゼン、2-(1-フェネトキシプロパ-1-エン-2-イル)ナフタレン、(2-フェネトキシビニル)ベンゼン、2-(1-((3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-イル)オキシ)プロパ-1-エン-2-イル)ナフタレン(2-((2-ペンチルシクロペンチリデン)メトキシ)エチル)ベンゼンまたはそれらの混合物を挙げることができる。
【0198】
特定の実施形態では、本発明による香料入り組成物は、少なくとも1つの香料助剤を含む。
【0199】
「香料助剤」という用語は、色、特定の耐光性、化学的安定性等の付加的に追加される利点を付与し得る成分として理解される。賦香基剤において一般的に使用されている助剤の性質および種類の詳細な説明を網羅的にすることはできないものの、成分が当業者に既知であることには言及する必要がある。しかしながら、具体的な非限定的な例として、以下のものを挙げることができる:粘度剤(例えば界面活性剤、増粘剤、ゲル化剤および/またはレオロジー調整剤)、安定剤(例えば防腐剤、酸化防止剤、熱/光および/もしくは緩衝剤またはキレート剤、例えばBHT)、着色剤(例えば染料および/または顔料)、防腐剤(例えば抗細菌または抗微生物または抗真菌または抗刺激剤)、研磨剤、皮膚冷却剤、固定剤、昆虫忌避剤、軟膏、ビタミンおよびそれらの混合物。
【0200】
本発明による賦香組成物と組み合わせて任意に使用される他の適切な香料助剤は、モノエタノールアミンまたは第三級アミン等のアミン、特に高い水溶性を有するもの、例えばトリエタノールアミン、トリエチルアミン、メチルジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、1,1’,1’’,1’’’-[1,2-エタンジイルジ(ニトリロ)]テトラ(2-プロパノール)、アルキルジエタノールアミンおよびエトキシ化アルキルジエタノールアミンを含む。
【0201】
本発明の香料組成物の特定の態様は、(上述の組成物に加えて)式
【化11】
[式中、
R
9およびR
10は、別個にかつ互いに独立して、水素原子、ハロゲン原子、好ましくは塩素、C
1~C
4直鎖もしくは分岐アルキル基、アミノ基もしくはベンジルアミノ基を表すか、または代替的には、R
4およびR
5が一緒になって、場合により1~4個のC
1~C
4直鎖または分岐アルキルもしくはアルケニル基、および/もしくは1~2個のハロゲン原子、好ましくは塩素原子で置換されたフェニルもしくはピリジン環を表し、
R
11は水素原子、アルカリ金属原子、特にNaもしくはK、場合により1もしくは2個のハロゲン原子および/もしくは1もしくは2個のメチル、トリフルオロメチル、メトキシもしくはアミノ基で置換されたフェニルもしくはベンジル基、アミン基、または場合により1もしくは2個の窒素、酸素もしくはハロゲン原子で置換されたC
1~C
8不飽和、直鎖、分岐もしくは環状炭化水素基を表す]
のイソチアゾリノンの中から選択される少なくとも1つの化合物をさらに含むものに関する。
【0202】
本発明の特定の実施形態によれば、上記式(IV)の化合物は、R9およびR10が、別個にかつ互いに独立して水素原子、塩素原子もしくはメチル基を表すか、または代替的には、R9およびR10が一緒になってフェニル環を表し、R11が水素原子またはメチル基を表すものである。
【0203】
本発明の特定の実施形態によれば、上記式(IV)の化合物は、1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、4-もしくは5-クロロ-2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、もしくは2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オン、またはより好ましくは5-クロロ-2-メチルイソチアゾール-3(2H)-オンもしくは1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オン、最も好ましくは1,2-ベンゾイソチアゾール-3(2H)-オンからなるイソチアゾリノンの群から選択される。
【0204】
本発明の特定の実施形態によれば、上記式(IV)の化合物は、本発明の組成物中に組成物の総重量に対して0.0%~5%の重量濃度で存在する。本発明のより好ましい実施形態によれば、式(IV)の化合物の濃度は、総重量の0.001~3%、好ましくは0.005~0.1%に含まれる。
【0205】
当業者は、単に当該技術分野の標準的な知識を適用することによって、および試行錯誤の方法論によって、香料入り組成物の上述した成分を混合することにより、望まれる効果のための最適な配合を完全に設計できることが理解される。
【0206】
特定の実施形態では、香料入り組成物は、
- 上で定義した式(I)による少なくとも1つの香料前駆体化合物、
- 上で定義した少なくとも1つの賦香成分、
- 香料担体および1つ以上の賦香補助成分からなる群から選択される少なくとも1つの成分、ならびに
- 任意に、少なくとも1つの香料助剤
からなる。
【0207】
本発明の組成物は、上記組成物が添加される消費者製品の匂いをポジティブに付与または修正するために、最新の香料、すなわち高品質なまたは機能性の香料のあらゆる分野において有利に使用することもできる。その結果として、本発明の別の態様は、本発明による香料入り組成物を含む香料入り消費者製品に関する。
【0208】
明確にするために記載しておくと、「香料入り消費者製品」という用語は、それを施与した表面(例えば皮膚、毛髪、繊維製品または硬質表面)に少なくとも心地よい賦香効果をもたらすことが期待される消費者製品として理解されることに言及する必要がある。言い換えると、本発明による香料入り消費者製品は、本発明の香料入り組成物、ならびに任意選択的な望まれる消費者製品に対応する追加の有益な薬剤、例えばコンディショナー、洗剤またはエアフレッシュナーと、嗅覚に有効な量の本発明による賦香組成物とを含有する香料入り消費者製品である。明確にするために記載しておくと、香料入り消費者製品は非食用製品である。
【0209】
香料入り消費者製品の構成要素の性質および種類については、本明細書ではより詳細な説明は保証されず、いずれにせよ網羅されないが、当業者は自身の基本知識に基づき、製品の性質および所望の効果に応じて、それらを選択することができる。
【0210】
適切な香料入り消費者製品の非限定的な例としては、ファインパフューム、スプラッシュもしくはオードパルファム、コロン、もしくはシェーブもしくはアフターシェーブローション等の香水;液体もしくは固形もしくはポッド(pods)の洗剤、布地用柔軟剤、液体もしくは固形の芳香促進剤、ドライヤーシート、布地用リフレッシュ剤、アイロニングウォーター、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品等のファブリックケア製品;ヘアケア製品(例えばシャンプー、カラーリング用調製物またはヘアスプレー、カラーケア製品、整髪用製品)、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品等のボディケア製品;化粧品(例えばスキンクリームもしくはローション、バニシングクリーム、またはデオドラントもしくは制汗剤(例えばスプレーまたはロールオン)、脱毛剤、日焼け剤もしくは日焼け止め剤もしくは日焼け後製品、ネイル製品、皮膚クレンジング、メイク用品);またはスキンケア製品(例えば石鹸、シャワーもしくはバス用のムース、オイルもしくはジェル、または衛生用品、またはフット/ハンドケア製品);家庭内空間(部屋、冷蔵庫、食器棚、靴または車)および/もしくは公共スペース(ホール、ホテル、モール等)において使用可能なエアフレッシュナーもしくは「すぐに使用可能な」粉末状エアフレッシュナー等のエアケア製品;またはカビ除去剤、家具ケア製品、ワイプ、食器用洗剤もしくは硬質表面(例えば床、浴室、トイレまたは窓掃除用)洗剤等のホームケア製品;レザーケア製品;ポリッシュ、ワックスもしくはプラスチッククリーナー等のカーケア製品が挙げられる。
【0211】
本発明の香料入り組成物を配合することができる布地用洗剤または柔軟剤組成物の典型的な例は、国際公開第97/34986号、または米国特許第4,137,180号明細書および同第5,236,615号明細書、または欧州特許第799885号明細書に記載されている。使用可能な他の典型的な洗剤および柔軟剤組成物は、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, Vol. 20, Wiley-VCH, Weinheim, p. 355-540 (2012);Flick, Advanced Cleaning Product Formulations, Noye Publication, Park Ridge, New Jersey (1989);Showell, in Surfactant Science Series, vol. 71: Powdered Detergents, Marcel Dekker, New York (1988);Proceedings of the World Conference on Detergents (4th, 1998, Montreux, Switzerland), AOCS print等の著作物の中に記載されている。
【0212】
本発明による香料入り組成物を前述した様々な物品または組成物に配合できる比率は、幅広い範囲の値の範囲内で変化する。これらの値は、香り付けする物品または製品の性質に依存する。
【0213】
特定の実施形態では、香料入り消費者製品は、香料入り組成物を香料入り消費者製品の総重量を基準として0.1~10wt%、好ましくは0.2~5wt%、より好ましくは0.3~4wt%、さらに好ましくは0.4~2wt%の量で含む。
【0214】
特定の実施形態では、香料入り消費者製品は、少なくとも1つの香料前駆体化合物を香料入り消費者製品の総重量を基準として0.001~10wt%、好ましくは0.05~5wt%、より好ましくは0.1~2.5wt%、より好ましくは0.15~1.5wt%の量で含む。
【0215】
特定の実施形態では、香料入り消費者製品は香料、ファブリックケア製品、ボディケア製品、化粧品、スキンケア製品、エアケア製品またはホームケア製品である。好ましくは、香料入り消費者製品は布地用柔軟剤である。
【0216】
特定の実施形態では、香料入り消費者製品は、ファインパフューム、スプラッシュもしくはオードパフューム、コロン、シェーブもしくはアフターシェーブローション、液体もしくは固形の洗剤、布地用柔軟剤、布地用リフレッシュ剤、アイロニングウォーター、紙、漂白剤、カーペットクリーナー、カーテンケア製品、シャンプー、カラーリング用調製物、カラーケア製品、整髪用製品、デンタルケア製品、消毒剤、インティメイトケア製品、ヘアスプレー、ヘアコンディショニング製品、バニシングクリーム、デオドラントもしくは制汗剤、脱毛剤、日焼け剤もしくは日焼け止め剤、ネイル製品、皮膚クレンジング、メイク用品、香料入り石鹸、シャワーもしくはバス用のムース、オイルもしくはジェル、またはフット/ハンドケア製品、衛生用品、エアフレッシュナー、「すぐに使用可能な」粉末状エアフレッシュナー、カビ除去剤、家具ケア製品(furnisher care)、ワイプ、食器用洗剤もしくは硬質表面洗剤、レザーケア製品、カーケア製品である。
【0217】
本発明の任意の実施形態によれば、香料入り消費者製品は、リシノール酸亜鉛、酢酸亜鉛および/もしくはステアリン酸亜鉛等の亜鉛塩、ラウレス-3、テトラヒドロキシプロピルエチレンジアミン、プロピレングリコール、またはそれらの混合物を含んでいてもよい。
【0218】
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量の布地用柔軟剤活性基剤を含む布地用液体柔軟剤である。布地用柔軟剤活性基剤は、ジアルキル第四級アンモニウム塩、ジアルキルエステル第四級アンモニウム塩、ハンブルクエステルクワット(Hamburg esterquat)、トリエタノールアミンクワット、シリコーンおよびそれらの混合物を含み得る。任意に、布地用液体柔軟剤は、好ましくは塩化カルシウムからなる群で選ばれる粘度調整剤を、活性基剤の総重量を基準として0.05~1重量%に含まれる量でさらに含むことができる。
【0219】
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量の万能クリーナー活性基剤を含む万能クリーナーである。
【0220】
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量の液体洗剤活性基剤を含む液体洗剤である。液体洗剤活性基剤は、アルキルベンゼンスルホネート(ABS)、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、第二級アルキルスルホネート(SAS)、第一級アルコールスルフェート(PAS)、ラウリルエーテルスルフェート(LES)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、メチルエステルスルホネート(MES)等のアニオン性界面活性剤;アルキルアミン、アルカノールアミド、脂肪アルコールポリ(エチレングリコール)エーテル、脂肪アルコールエトキシレート(FAE)、エチレンオキシド(EO)およびプロピレンオキシド(PO)コポリマー、アミンオキシド、アルキルポリグルコシド、アルキルポリグルコサミド等の非イオン性界面活性剤;またはそれらの混合物を含み得る。
【0221】
本発明の特定の実施形態によれば、本発明の香料入り消費者製品は、香料入り消費者製品の総重量を基準として85~100重量%に含まれる量の固形洗剤活性基剤を含む固形洗剤である。固形洗剤活性基剤は、アニオン性、非イオン性、カチオン性、両性イオン性界面活性剤およびそれらの混合物からなる群で選ばれる少なくとも1つの界面活性剤を含み得る。固形洗剤活性基剤中の界面活性剤は、好ましくは直鎖アルケンベンゼンスルホネート(LABS)、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、αオレフィンスルホネート(AOS)、メチルエステルスルホネート(MES)、アルキルポリグルコシド(APG)、第一級アルコールエトキシレート、特にラウリルアルコールエトキシレート(LAE)、第一級アルコールスルホネート(PAS)、石鹸およびそれらの混合物からなる群で選ばれる。固形洗剤活性基剤は、TAED(テトラアセチルエチレンジアミン)等の漂白剤;緩衝剤;ゼオライト、炭酸ナトリウムまたはそれらの混合物等のビルダー;汚れ除去または汚れ懸濁ポリマー;セルラーゼ、リパーゼ、プロテアーゼ、マンナナーゼ、ペクチナーゼまたはそれらの混合物等の粒状酵素粒子;腐食防止剤;消泡剤;泡立ち抑制剤;染料;ケイ酸ナトリウム、硫酸ナトリウムまたはそれらの混合物等の充填剤;過炭酸ナトリウムまたは過ホウ酸ナトリウム等の過酸化水素源;およびそれらの混合物からなる群から選択される、粉末洗剤消費者製品に一般的に使用される更なる構成成分を含み得る。
【0222】
実施例
実施例1
様々な布地用柔軟剤配合物によるタオルの処理
布地用柔軟剤処理時のタオルの芳香強度およびフレッシュさに対する香料前駆体化合物の添加の効果を調査するために、以下の布地用柔軟剤配合物を調製した:
配合物A-1(本発明):賦香組成物および香料前駆体化合物3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)を合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、98.0wt%の賦香組成物の量および2.0wt%の香料前駆体化合物の量で構成されていた。次いで、得られた香料入り組成物を、最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として1.0wt%の量で標準的な布地用柔軟剤配合物に組み入れた。香料前駆体化合物の量は、最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として0.02wt%であった。
【0223】
配合物A-2(比較):賦香組成物およびδ-ダマスコンを合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、99.0wt%の賦香組成物の量および1.0wt%のδ-ダマスコンの量で構成されていた。次いで、得られた香料入り組成物を、最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として1.0wt%の量で標準的な布地用柔軟剤配合物に組み入れた。δ-ダマスコンの量は、最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として0.01wt%であった。
【0224】
配合物B-1(本発明):賦香組成物および香料前駆体化合物4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)を合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、98.0wt%の賦香組成物の量および2.0wt%の香料前駆体化合物の量で構成されていた。次いで、得られた香料入り組成物を、最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として1.0wt%の量で標準的な布地用柔軟剤配合物に組み入れた。香料前駆体化合物の量は、最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として0.02wt%であった。
【0225】
配合物B-2(比較):賦香組成物およびα-イオノンとβ-イオノンとの組合せを合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、98.94wt%の賦香組成物の量、ならびに0.58wt%のα-イオノンおよび0.48wt%のβ-イオノンの量で構成されていた。次いで、得られた香料入り組成物を、最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として1.0wt%の量で標準的な布地用柔軟剤配合物に組み入れた。最終布地用柔軟剤配合物の総重量を基準として、α-イオノンの量は0.0058wt%、β-イオノンの量は0.0048wt%であった。
【0226】
上述の全ての配合物(A-1、A-2、B-1、B-2)の調製に使用した賦香組成物は、以下の組成を有していた:10-ウンデセナール(3.21wt%)、アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート(0.71wt%)、酢酸ベンジル(12.5wt%)、5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン(7.14wt%)、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート(8.93wt%)、4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート(8.93wt%)、(+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン(4.64wt%)、3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール(15.36wt%)、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール(14.29wt%)、3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール(6.79wt%)、安息香酸メチル(4.62wt%)、1-(2-ナフチル)エテノン(2.5wt%)および2-フェニルエタノール(10.36wt%)。
【0227】
上述の全ての配合物(A-1、A-2、B-1、B-2)の調製に使用した布地用柔軟剤は、以下の成分で構成されていた:
【表1】
【0228】
メチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを秤量し、これを65℃で加熱することによって柔軟剤を調製した。次いで、水および1,2-ベンゾチアゾリン-3-オンを反応器に入れ、撹拌しながら65℃で加熱した。上記の混合物にメチルビス[エチル(タローエート)]-2-ヒドロキシエチルアンモニウムメチルスルフェートを添加した。混合物を15分間撹拌し、CaCl2を添加した。次いで、香料を添加した。混合物を15分間撹拌し、撹拌しながら室温まで冷却した(粘度測定:結果35±5mPas(剪断速度106秒-1))。
【0229】
綿のテリータオル(20枚、18cm×18cm、各約30g)を、欧州の洗濯機(MieleのNovotronic W300-33CH)において、40℃でショートサイクルプログラムを用いて30gの無香料の洗剤で洗濯した。洗濯に続いて、12.7gの上記濃縮布地用柔軟剤を用いて900rpmですすいだ。次いで、テリータオルを96時間吊り干し乾燥させた後、7人のパネリストのパネルにより評価した。
【0230】
上述の布地用柔軟剤配合物のそれぞれについて布地用柔軟剤の適用を行った後、7人のパネリストからなる官能パネル(n=7)が、処理したタオルを全体的な芳香強度およびフレッシュさについて評価した。評価は布地用柔軟剤の適用が終了した4日後に行った。
【0231】
芳香強度に関しては、上述の4つの布地用柔軟剤配合物(A-1/2、B-1/2)のそれぞれについて、パネリストに全体的な芳香強度を1~7のスケール(値が大きいほど高い強度を示す)で示すように求めた。
【0232】
図1から、香料前駆体化合物3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)を以上に記載される賦香組成物(布地用柔軟剤配合物A-1)と組み合わせて使用することで、布地用柔軟剤の適用の終了の4日後に知覚される全体的な芳香強度が、上述の香料前駆体化合物によっても放出される香料原料、すなわちδ-ダマスコンを直接使用する場合(布地用柔軟剤配合物A-2)と比較して有意に高くなることが分かる(配合物A-1の芳香強度、4.6;配合物A-2の芳香強度、3.71)。上記実験から、それぞれの香料前駆体化合物を以上に記載される賦香組成物と組み合わせて布地用柔軟剤に使用することが、香料前駆体化合物によっても放出される香料原料を直接使用する場合と比較して、典型的な賦香組成物の全体的な芳香強度の増強および延長により効果的であることが示される。
【0233】
図2から、香料前駆体化合物4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)を以上に記載される賦香組成物と組み合わせて使用することで、布地用柔軟剤の適用の終了の4日後に知覚される全体的な芳香強度が、上述の香料前駆体化合物によっても放出される香料原料、すなわちα-イオノンを直接使用する場合と比較して有意に高くなることが分かる(配合物B-1の芳香強度、6.29;配合物B-2の芳香強度)。上記実験から、それぞれの香料前駆体化合物を以上に記載される賦香組成物と組み合わせて布地用柔軟剤に使用することが、香料前駆体化合物によっても放出される香料原料を直接使用する場合と比較して、典型的な賦香組成物の全体的な芳香強度の増強および延長により効果的であることが示される。
【0234】
フレッシュさの評価については、パネリストに、それぞれの香料前駆体化合物(それぞれHaloScent(登録商標)DまたはHaloScent(登録商標)I)を含む布地用柔軟剤配合物、または上述の香料前駆体化合物によっても放出される香料原料(それぞれδ-ダマスコンまたはα-イオノン)を直接含む布地用柔軟剤配合物のいずれが好ましいかを示すように求めた(強制選択試験)。
【0235】
図3に、7人のパネリストのそれぞれが、布地用柔軟剤の適用が終了した4日後に知覚されるタオルのフレッシュさについて、香料前駆体化合物(HaloScent(登録商標)D)を以上に記載される賦香組成物と組み合わせて含む布地用柔軟剤配合物を、δ-ダマスコンを直接含む配合物よりも好んだことが示される。このことは、それぞれの香料前駆体化合物を、典型的な賦香組成物とは別に以上に記載される賦香組成物と組み合わせて布地用柔軟剤に使用することで、香料前駆体化合物によっても放出される香料原料を直接使用する場合と比較してフレッシュさの知覚の改善がもたらされることを示す。したがって、それぞれの香料前駆体化合物の使用により、フレッシュさの知覚にポジティブな形で影響を与えることができる。
【0236】
同様に、
図4には、7人中6人のパネリストが、布地用柔軟剤の適用が終了した4日後に知覚されるタオルのフレッシュさについて、香料前駆体化合物(HaloScent(登録商標)I)を以上に記載される賦香組成物と組み合わせて含む布地用柔軟剤配合物を、α-イオノンを直接含む配合物よりも好んだことが示される。このことは、同様に、それぞれの香料前駆体化合物を、典型的な賦香組成物とは別に以上に記載される賦香組成物と組み合わせて布地用柔軟剤に使用することで、香料前駆体化合物によっても放出される香料原料を直接使用する場合と比較してフレッシュさの知覚の改善がもたらされることを示す。したがって、それぞれの香料前駆体化合物の使用により、フレッシュさの知覚にポジティブな形で影響を与えることができる。
【0237】
上述の結果から、それぞれの香料前駆体化合物からも放出される香料原料を直接使用する代わりに、香料前駆体化合物を以上に記載される賦香組成物と組み合わせて使用する場合、フレッシュさの知覚について優れた結果を達成し得ることが示される。
【0238】
実施例2
香料入り組成物の調製:
賦香組成物および香料前駆体化合物3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)を合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、98.0wt%の賦香組成物の量および2.0wt%の香料前駆体化合物の量で構成されていた。
【0239】
同様に、賦香組成物および香料前駆体化合物4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オンおよび4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)を合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、98.0wt%の賦香組成物の量および2.0wt%の香料前駆体化合物の量で構成されていた。
【0240】
どちらの場合も、上述の配合物の調製に使用される賦香組成物は、以下の組成:
- 10-ウンデセナール:2.90wt%;
- 7-プロピル-2H,4H-1,5-ベンゾジオキセピン-3-オン:0.02wt%;
- アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート:0.32wt%;
- 酢酸ベンジル:10wt%;
- (+/-)-(3-メトキシ-2-メチルプロピル)ベンゼン:0.97wt%;
- 3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール:4.84wt%;
- パチョリ油:0.97wt%;
- (+/-)-3-(4-イソプロピルフェニル)-2-メチルプロパナール:0.97wt%;
- 2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール:6.77wt%;
- 4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート:6.13wt%;
- ジエチル1,4-シクロヘキサンジカルボキシレート:1.61wt%;
- メチル2-((1RS,2RS)-3-オキソ-2-ペンチルシクロペンチル)アセテート:9.68wt%;
- 3-(3,3/1,1-ジメチル-5-インダニル)プロパナール:0.06wt%;
- (+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン:4.19wt%;
- ラバンジン油:0.97wt%;
- (+/-)-(2,5-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-2-イル)メタノール:0.97wt%;
- (+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール:6.77wt%;
- 安息香酸メチル:0.42wt%;
- 1-(2-ナフチル)エタノン:2.26wt%;
- (4E)-4-メチル-5-(4-メチルフェニル)-4-ペンテナール:0.10wt%;
- (+/-)-1-(5-エチル-5-メチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン:0.03wt%;
- (+/-)-メチル2-エチルヘキサノエート:3.22wt%;
- 2-フェニルエタノール:6.45wt%;
- 3-メチル-2-ブテン-1-イルアセテート:0.32wt%;
- (-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート:2.90wt%;
- (2Z)-2-フェニル-2-ヘキセンニトリル:0.32wt%;
- (+/-)-(2Z)-4,8-ジメチル-2,7-ノナジエン-4-オール:1.61wt%;
- 1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノンおよび1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン:1.61wt%;
- 3-(4,4-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)プロパナール:0.06wt%;
- (+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン:4.84wt%;
- (+/-)-2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン:1.61wt%;
- トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート:8.06wt%
を有していた。
【0241】
実施例3
香料入り組成物の調製:
賦香組成物および香料前駆体化合物3-(ドデシルチオ)-1-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-3-エン-1-イル)ブタン-1-オン(HaloScent(登録商標)D)を合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、98.0wt%の賦香組成物の量および2.0wt%の香料前駆体化合物の量で構成されていた。
【0242】
同様に、賦香組成物および香料前駆体化合物4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-2-エン-1-イル)ブタン-2-オンおよび4-(ドデシルチオ)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタン-2-オン(HaloScent(登録商標)I)を合わせ、香料入り組成物を形成した。香料入り組成物は、98.0wt%の賦香組成物の量および2.0wt%の香料前駆体化合物の量で構成されていた。
【0243】
どちらの場合も、上述の配合物の調製に使用される賦香組成物は、以下の組成:
- 10-ウンデセナール:3.21wt%;
- アリル(2-メチルブトキシ)アセテートおよび/またはアリル(3-メチルブトキシ)アセテート:0.71wt%;
- 安息香酸メチル:0.46wt%;
- 酢酸ベンジル:10.71wt%;
- シダーウッド油:5.36wt%;
- 3,7-ジメチル-6-オクテン-1-オール:6.79wt%;
- パチョリ油:0.36wt%;
- 2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール:14.29wt%;
- 4-(2-メチル-2-プロパニル)シクロヘキシルアセテート:5.36wt%;
- (+/-)-5-ヘプチルジヒドロ-2(3H)-フラノン:7.14wt%;
- 2-ヘキシル-3-フェニル-2-プロペナール:6.07wt%;
- (+/-)-(3E)-3-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オンおよび(+/-)-(1E)-1-(2,6,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-1-ペンテン-3-オン:3.57wt%;
- ラバンジン油:0.71wt%;
- (+/-)-3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール:10.71wt%;
- 1-(2-ナフチル)エタノン:2.50wt%;
- 2-フェニルエタノール:7.14wt%;
- (-)-(2S)-1-オキソ-1-(2-プロパニルオキシ)-2-プロパニル2,2-ジメチルプロパノエート:1.79wt%;
- 1-[(1RS,2RS)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン、1-((2RS,3RS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロナフタレン-2-イル)エタノン、1-[(2RS,3RS,8aRS)-2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノンおよび1-[(1RS,2RS,8aSR)-1,2,8,8-テトラメチル-1,2,3,5,6,7,8,8a-オクタヒドロ-2-ナフタレニル]エタノン:1.79wt%;
- トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-3-エン-8-イルアセテート:7.14wt%
を有していた。
【0244】
実施例4
本発明の香料入り組成物を含む透明等方性シャンプー配合物の調製
典型的な無香料の透明等方性シャンプー配合物を表1に挙げる。無香料のシャンプー配合物は、ポリクオタニウム-10を水中に分散させることによって調製する。相Aの残りの成分を、各添加後に十分に混合しながら順に添加することによって別々に混合する。このプレミックスをポリクオタニウム-10分散液に添加し、さらに5分間混合する。次いで、プレミックス相Bおよびプレミックス相Cを撹拌しながら添加する(Monomuls(登録商標)90L-12は、Texapon(登録商標)NSO IS中で加熱して融解する)。相Dおよび相Eを撹拌しながら添加する。pHをクエン酸溶液で5.5~6.0に調整する。
【0245】
【0246】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(無香料のシャンプー配合物の総重量に対して0.15~1.3重量%)を、表1に挙げた無香料のシャンプー配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入りシャンプー配合物を得る。
【0247】
実施例5
本発明の香料入り組成物を含む真珠光沢シャンプー配合物の調製
典型的な無香料の真珠光沢シャンプー配合物を表2に挙げる。無香料のシャンプー配合物は、EDTA四ナトリウム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドおよびポリクオタニウム-10を水中に分散させることによって調製する。相Aが均質になった時点でNaOH(10%水溶液、相B)を添加する。次いで、プレミックス相Cを添加し、混合物を75℃に加熱する。相Dの成分を添加し、混合物が均質になるまで混合する。混合物を冷却する。45℃で相Eの成分を混合しながら添加する。最終粘度をNaCl(25%水溶液)で調整し、NaOH(10%水溶液)でpH5.5~6.0に調整する。
【0248】
【0249】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(無香料のシャンプー配合物の総重量に対して0.15~1.3重量%)(無香料のシャンプー配合物の総重量に対して0.05~0.50重量%)を、表2に挙げた無香料の真珠光沢シャンプー配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入り真珠光沢シャンプー配合物を得る。
【0250】
実施例6
本発明の香料入り組成物を含むリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物の調製
典型的な無香料のリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物を表3に挙げる。無香料のリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物は、均一な混合物が得られるまで相Aの成分を混合することによって調製する。Tylose(登録商標)を完全に溶解させる。次いで、混合物を70~75℃に加熱する。相Bの成分を合わせ、70~75℃で融解する。次いで、相Bの成分をよく撹拌しながら相Aに添加し、混合物の温度が60℃になるまで混合を続ける。次いで、相Cの成分を撹拌しながら添加し、混合物が40℃に冷却されるまで混合し続ける。pHをクエン酸溶液で3.5~4.0に調整する。
【0251】
【0252】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(無香料のコンディショナー配合物の総重量に対して0.25~1.5重量%)を、表3に挙げた無香料のリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入りリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物を得る。
【0253】
実施例7
本発明の香料入り組成物を含む構造化シャワージェル配合物の調製
典型的な無香料の構造化シャワージェル配合物を表4に挙げる。実施例1~3の香料入り組成物(構造化シャワージェルの総重量に対して0.15~2重量%)を、表4の無香料の構造化シャワージェル配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入り構造化シャワージェルを調製する。
【0254】
【0255】
実施例8
本発明の香料入り組成物を含む透明シャワージェル配合物の調製
典型的な無香料の透明シャワージェル配合物を表5に挙げる。実施例1~3の香料入り組成物(透明シャワージェルの総重量に対して0.55~2重量%)を、表5の無香料の透明シャワージェル配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入り透明シャワージェルを調製する。
【0256】
【0257】
実施例9
本発明の香料入り組成物を含む乳状シャワージェル配合物の調製
典型的な無香料の乳状シャワージェル配合物を表6に挙げる。実施例1~3の香料入り組成物(乳状シャワージェルの総重量に対して0.15~2重量%)を、表6の無香料の乳状シャワージェル配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入り乳状シャワージェルを調製する。
【0258】
【0259】
実施例10
本発明の香料入り組成物を含む無水制汗剤スプレー配合物の調製
典型的な無香料の無水制汗剤スプレー配合物を表7に挙げる。無水制汗剤スプレー配合物は、高速撹拌機を用いて調製する。シリカおよびクオタニウム-18-ヘクトライトをミリスチン酸イソプロピルおよびシクロメチコンの混合物に添加する。完全に膨潤した後、アルミニウムクロロハイドレートを混合物が均質になり、塊がなくなるまで撹拌しながら少量ずつ添加する。
【0260】
【0261】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(制汗剤スプレー配合物の総重量に対して1重量%)を、表7の無香料の制汗剤スプレー配合物に添加することによって香料入り配合物を得る。
【0262】
エアゾール缶に25%の懸濁液および75%のプロパン/ブタン(2.5バール)を充填した。
【0263】
実施例11
本発明の香料入り組成物を含むデオドラントスプレーエマルション配合物の調製
典型的なデオドラントスプレーエマルション配合物を、表8の順序に従って全ての成分を混合および溶解することによって調製する。次いで、実施例1~3の香料入り組成物(デオドラントスプレー配合物の総重量に対して1.55重量%)を軽く振盪しながら添加する。次いで、エアゾール缶に充填し、噴射剤を圧着および添加する。エアゾール充填:40%活性溶液 60%プロパン/ブタン(2.5バール)。
【0264】
【0265】
実施例12
本発明の香料入り組成物を含むデオドラントスティック配合物の調製
典型的な無香料のデオドラントスティック配合物を表9に挙げる。デオドラントスティック配合物は、パートAの全成分を秤量し、70~75℃に加熱することによって得られる。他のパートAの成分を混合および加熱した後にセテアレス-25を添加する。セテアレス-25が溶解した後、ステアリン酸を添加する。トリクロサンを1,2-プロピレングリコール中に溶解することによってパートBを調製する。蒸発した水を補う。次いで、混合下でパートBをパートAにゆっくりと注ぎ込む。
【0266】
【0267】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(デオドラントスティック配合物の総重量に対して0.95重量%)を軽く振盪しながら添加することによって香料入りデオドラントスティック配合物を得る。貯蔵のために、プラスチック袋をバケツに入れ、冷却後に密封する。約70℃で金型に充填する。
【0268】
実施例13
本発明の香料入り組成物を含むデオドラントロールオン配合物の調製
典型的な無香料のデオドラントロールオン配合物を表10に挙げる。ヒドロキシエチルセルロースが完全に膨潤して、澄明なゲルが得られるまでタービンで急速に撹拌しながら、ヒドロキシエチルセルロースを水に少しずつ振り入れることによってパートAを調製する。混合物全体が均質になるまで撹拌を続けながらパートBをパートAにゆっくりと注ぎ込む。次いで、パートCを添加する。
【0269】
【0270】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(デオドラントスティック配合物の総重量に対して0.95重量%)を軽く振盪しながら添加することによって香料入りデオドラントロールオン配合物を得る。
【0271】
実施例14
本発明の香料入り組成物を含むデイクリームベースO/Wエマルションの調製
式(I)の本発明の化合物を含む典型的なデイクリームベースO/Wエマルション配合物を表11に挙げる。相AおよびBを別個に70~75℃に加熱した後、相Aを相Bに添加し、真空を適用する。混合物を撹拌し、15分間55℃に冷却する。室温まで冷却した後、45℃の温度に達した時点でフェノキシエタノール(および)ピロクトンオラミン(相C)を添加する。混合物を5分間撹拌した後、カルボマーナトリウム(相D)、実施例1~3の香料入り組成物、および本発明の式(I)の化合物の少なくとも1つ(相E)を添加する。混合物を3分間撹拌した後、撹拌を15分間停止する。混合物の温度が30℃に達した時点で、クリームが均質となり、光沢を有し、塊がなくなるまで撹拌をさらに15分間再開する。必要に応じて、pHをGlydant(登録商標)、Phenonip(登録商標)またはNipaguard(登録商標)PO5で6.70~7.20に調整するか、またはNikkoguard(登録商標)で6.30~7.00に調整する。
【0272】
【0273】
実施例15
本発明の香料入り組成物を含む液体洗剤配合物の調製
表12に挙げた成分を混合することによって典型的な液体洗剤配合物を調製する。次いで、実施例1~3の香料入り組成物(液体洗剤の総重量に対して0.35~1.8重量%)を、表12の無香料の液体洗剤配合物に軽く振盪しながら添加する。
【0274】
【0275】
実施例16
本発明の香料入り組成物を含む手洗い食器用洗剤(hand dishwash)配合物の調製
典型的な無香料の手洗い食器用洗剤配合物を表13に挙げる。水と水酸化ナトリウムおよびジエタノールアミドを混合することによって無香料の手洗い食器用洗剤を調製する。次いで、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸を添加する。中和後に残りの成分を添加し、pHを必要に応じて7~8に調整する。
【0276】
【0277】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(手洗い食器用洗剤配合物の総重量に対して0.95重量%)を、表13の無香料の手洗い食器用洗剤配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入り手洗い食器用洗剤配合物を得る。
【0278】
実施例17
本発明の香料入り組成物を含む万能硬質表面クリーナー配合物の調製
下に挙げる成分を混合することによって無香料の万能硬質表面クリーナーを調製する:
Neodol(登録商標)91-8(供給元;Shell Chemicals) 5.0重量%
Marlon(登録商標)A 375(供給元;Huels AG) 4.0重量%
クモルスルホン酸ナトリウム 2.0重量%
Kathon(登録商標) CG(供給元;Rohm and Haas) 0.2重量%
脱イオン水 88.8重量%
【0279】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(万能硬質表面クリーナー配合物の総重量に対して1.5重量%)を、上述の無香料の万能硬質表面クリーナー配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入り万能硬質表面クリーナー配合物を得る。
【0280】
実施例18
本発明の香料入り組成物を含むリンスオフ型アコンディショニング硬質表面クリーナー配合物の調製
典型的な無香料のリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物を表14に挙げる。無香料のリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物は、相Aの成分を均一な混合物が得られるまで混合することによって調製する。Tylose(登録商標)を完全に溶解させる。次いで、混合物を70~75℃に加熱する。相Bの成分を合わせ、70~75℃で融解する。次いで、相Bの成分をよく撹拌しながら相Aに添加し、混合物の温度が60℃になるまで混合を続ける。次いで、相Cの成分を撹拌しながら添加し、混合物が40℃に冷却されるまで混合し続ける。pHをクエン酸溶液で3.5~4.0に調整する。
【0281】
【0282】
次いで、実施例1~3の香料入り組成物(無香料のコンディショナー配合物の総重量に対して0.25~1.5重量%)を、表14に挙げた無香料のリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物に軽く振盪しながら添加することによって香料入りリンスオフ型ヘアコンディショナー配合物を得る。
【国際調査報告】