(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】時間キャリブレーション方法、通信装置およびコンピュータ可読媒体
(51)【国際特許分類】
H04L 7/00 20060101AFI20231025BHJP
【FI】
H04L7/00 990
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524974
(86)(22)【出願日】2021-10-18
(85)【翻訳文提出日】2023-04-24
(86)【国際出願番号】 CN2021124333
(87)【国際公開番号】W WO2022089231
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202011165572.7
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511151662
【氏名又は名称】中興通訊股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZTE CORPORATION
【住所又は居所原語表記】ZTE Plaza,Keji Road South,Hi-Tech Industrial Park,Nanshan Shenzhen,Guangdong 518057 China
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】劉峰
(72)【発明者】
【氏名】何力
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA18
5K047BB15
(57)【要約】
本開示は、第1の装置から送信された第1のセルに応答して、第1のセルに対応する第1の受信時間を決定し、第1の装置へ第2のセルを送信することと、第1の装置からフィードバックされた、第2のセルに対応する第2の受信時間が運ばれる第3のセルを受信し、第1の送信時間、第1の受信時間、第2のセルに対応する第2の送信時間および第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うことと、を含む時間キャリブレーション方法を提供する。本開示は通信装置とコンピュータ可読媒体をさらに提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置から送信されたた第1のセルに応答して、前記第1のセルに対応する第1の受信時間を決定し、前記第1の装置へ第2のセルを送信し、前記第1のセルでは、前記第1のセルに対応する第1の送信時間が運ばれることと、
前記第1の装置からフィードバックされた、前記第2のセルに対応する第2の受信時間が運ばれる第3のセルを受信し、前記第1の送信時間、前記第1の受信時間、前記第2のセルに対応する第2の送信時間および前記第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、前記第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うことと、
を含む時間キャリブレーション方法。
【請求項2】
前記第1のセル、前記第2のセルおよび前記第3のセルでは、それぞれに対応する正確な時間プロトコルメッセージの少なくとも一部のメッセージデータが運ばれ、前記正確な時間プロトコルメッセージは、時間同期メッセージ、遅延要求メッセージおよび遅延要求応答メッセージを含む、請求項1に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項3】
単一の前記正確な時間プロトコルメッセージは複数のメッセージセルに対応し、そのすべてのメッセージデータは、当該複数のメッセージセルのオーバーヘッド領域における汎用通信チャネルによって送信される請求項2に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項4】
前記第1のセルは、前記時間同期メッセージに対応する複数の第1のメッセージセルにおける初めてのセルであり、前記第2のセルは、前記遅延要求メッセージに対応する複数の第2のメッセージセルにおける初めてのセルであり、
前記第1のセルに対応する第1の受信時間を決定する前記ステップは、
前記第1のセルの受信時間を前記第1の受信時間として決定するか、または、前記第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を前記第1の受信時間として決定することを含み、
前記第1の送信時間、前記第1の受信時間、前記第2のセルに対応する第2の送信時間および前記第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、前記第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行う前記ステップの前に、
前記第2のセルの送信時間を前記第2の送信時間として決定するか、または、前記第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を前記第2の送信時間として決定することをさらに含む、請求項3に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項5】
前記第1の受信時間は、前記第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間により決定され、前記第2の送信時間は、前記第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間により決定され、
前記第1の装置から送信された各セルマルチフレームの付随コードブロック数量を受信し、前記第1の装置より送信された各セルマルチフレームの第1の予想受信時間を、前記付随コードブロック数量と前記第1の受信時間とに基づいて決定することと、前記付随コードブロック数量と前記第2の送信時間とに基づき、それ自体により送信される各セルマルチフレームの第1の予想送信時間を決定することとをさらに含み、
前記第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行う前記ステップの後、
前記第1の装置から送信された第4のセルに応答して、前記第4のセルの属するセルマルチフレームの第1の予想受信時間を前記第4のセルに対応する第3の受信時間とし、前記第4のセルでは、前記第4のセルに対応する第3の送信時間が運ばれることと、
前記第1の装置へ第5のセルを送信し、前記第5のセルの属するセルマルチフレームの第1の予想送信時間を前記第5のセルに対応する第4の送信時間とすることと、
前記第1の装置からフィードバックされた、前記第5のセルに対応する第4の受信時間が運ばれる第6のセルを受信し、前記第3の送信時間、前記第3の受信時間、前記第4の送信時間および前記第4の受信時間に基づいて第2の時間偏差値を決定し、前記第2の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うことと、をさらに含む、請求項4に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項6】
第1のセルに対応する第1の送信時間を決定し、前記第1の送信時間を前記第1のセルに配置し、第2の装置へ前記第1のセルを送信することと、
前記第2の装置から送信された第2のセルに応答して、前記第2のセルに対応する第2の受信時間を決定し、前記第2の受信時間を第3のセルに配置し、前記第2の装置が前記第1の送信時間、前記第1のセルに対応する第1の受信時間、前記第2のセルの第2の送信時間および前記第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、前記第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うように、前記第2の装置へ前記第3のセルをフィードバックすることとを含む、時間キャリブレーション方法。
【請求項7】
前記第1のセル、前記第2のセルおよび前記第3のセルでは、それぞれに対応する正確な時間プロトコルメッセージの少なくとも一部のメッセージデータが運ばれ、前記正確な時間プロトコルメッセージは、時間同期メッセージ、遅延要求メッセージおよび遅延要求応答メッセージを含む、請求項6に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項8】
単一の前記正確な時間プロトコルメッセージは複数のメッセージセルに対応し、そのすべてのメッセージデータは、当該複数のメッセージセルのオーバーヘッド領域における汎用通信チャネルによって送信される請求項7に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項9】
前記第1のセルは、前記時間同期メッセージに対応する複数の第1のメッセージセルにおける初めてのセルであり、前記第2のセルは、前記遅延要求メッセージに対応する複数の第2のメッセージセルにおける初めてのセルであり、
第1のセルに対応する第1の送信時間を決定する前記ステップは、
前記第1のセルの送信時間を前記第1の送信時間として決定するか、または、前記第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を前記第1の送信時間として決定することを含み、
前記第2のセルに対応する第2の受信時間を決定する前記ステップは、
前記第2のセルの受信時間を前記第2の受信時間として決定するか、または、前記第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を前記第2の受信時間として決定することを含む、請求項8に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項10】
前記第1の送信時間は、前記第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間により決定され、前記第2の受信時間は、前記第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間により決定され、
各セルマルチフレームの付随コードブロック数量と前記第1の送信時間とに基づいて、それ自体により送信される各セルマルチフレームの第2の予想送信時間を決定することと、前記付随コードブロック数量および前記第2の受信時間に基づいて前記第2の装置より送信される各セルマルチフレームの第2の予想受信時間を決定することをさらに含み、
前記第2の装置へ前記第3のセルをフィードバックする前記ステップの後、
第4のセルの属するセルマルチフレームの第2の予想送信時間を前記第4のセルに対応する第3の送信時間とし、前記第3の送信時間を前記第4のセルに配置し、前記第2の装置へ前記第4のセルを送信することと、
前記第2の装置から送信された第5のセルに応答して、前記第5のセルの属するセルマルチフレームの第2の予想受信時間を前記第5のセルの第4の受信時間とし、前記第4の受信時間を第6のセルに配置し、前記第2の装置が前記第3の送信時間、前記第4のセルに対応する第3の受信時間、前記第5のセルに対応する第4の送信時間および前記第4の受信時間に基づいて第2の時間偏差値を決定し、前記第2の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うように、前記第2の装置へ前記第6のセルをフィードバックすることとをさらに含む請求項9に記載の時間キャリブレーション方法。
【請求項11】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムが記憶されるように構成される記憶装置とを備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される際、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項1~5のいずれか1項に記載の時間キャリブレーション方法を実現させる通信装置。
【請求項12】
1つまたは複数のプロセッサと、
1つまたは複数のプログラムが記憶されるように構成される記憶装置とを備え、
前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される際、前記1つまたは複数のプロセッサに請求項6~10のいずれか1項に記載の時間キャリブレーション方法を実現させる通信装置。
【請求項13】
コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読媒体であって、
前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際、請求項1~5のいずれか1項に記載の時間キャリブレーション方法におけるステップを実現する、および/または、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際、請求項6~10のいずれか1項に記載の時間キャリブレーション方法におけるステップを実現するコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2020年10月27日に提出された中国特許出願第202011165572.7号の優先権を主張し、当該中国特許出願の全ての内容を援用によって引用することとする。
【0002】
本開示は通信技術分野に関し、特に、時間キャリブレーション方法、通信装置およびコンピュータ可読媒体に関するものである。
【背景技術】
【0003】
現段階において、通信ネットワーク情報伝送帯域幅は急速に増加しており、通信機器のインタフェース帯域幅は現在100Gに達している。ネットワークは高帯域幅サービスに、これに対応するサポートを提供すると同時に、依然として電気、銀行、鉄道などの低速度率の専用回線サービスを伝送する必要がある。このような専用線サービスに必要な帯域は機器ネットワークのインタフェース帯域幅に比べてはるかに小さいが、帯域サービスに対するその品質要求は非常に高く、帯域幅が排他的で物理的に分離され、他のサービスの影響を受けないことを厳密に保証する必要がある。これに対し、ネットワークでは通常セルモデルを採用して通信を行っており、対応するサービスは複数のセルモデルで運ばれ、帯域幅の需要が小さい場合は少数のセルモデルが使用され、様々なタイプの速度が異なるクライアントのニーズを解決した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、時間同期は、通信ネットワークの基本的な要件であり、セルモデルで通信を行うときにイーサネット(登録商標)デバイス間の時間同期は、現在の研究テーマとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の様態において本開示の実施形態は、第1の装置から送信されたた第1のセルに応答して、前記第1のセルに対応する第1の受信時間を決定し、前記第1の装置へ第2のセルを送信し、前記第1のセルでは、前記第1のセルに対応する第1の送信時間が運ばれることと、前記第1の装置からフィードバックされた、前記第2のセルに対応する第2の受信時間が運ばれる第3のセルを受信し、前記第1の送信時間、前記第1の受信時間、前記第2のセルに対応する第2の送信時間および前記第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、前記第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うことと、を含む時間キャリブレーション方法を提供する。
【0006】
第2の様態において本開示の実施形態は、第1のセルに対応する第1の送信時間を決定し、前記第1の送信時間を前記第1のセルに配置し、第2の装置へ前記第1のセルを送信することと、前記第2の装置から送信された第2のセルに応答して、前記第2のセルに対応する第2の受信時間を決定し、前記第2の受信時間を第3のセルに配置し、前記第2の装置が前記第1の送信時間、前記第1のセルに対応する第1の受信時間、前記第2のセルの第2の送信時間および前記第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、前記第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うように、前記第2の装置へ前記第3のセルをフィードバックすることとを含む、時間キャリブレーション方法をさらに提供する。
【0007】
第3の様態において本開示の実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが記憶される記憶装置とを備え、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される際、前記1つまたは複数のプロセッサに、上記実施形態に記載の、前記第1の装置へ第2のセルを送信するステップを含む時間キャリブレーション方法を実現させる通信装置をさらに提供する。
【0008】
第4の様態において本開示の実施形態は、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のプログラムが記憶される記憶装置とを備え、前記1つまたは複数のプログラムが前記1つまたは複数のプロセッサによって実行される際、前記1つまたは複数のプロセッサに、上記実施形態に記載の、第2の装置へ第1のセルを送信するステップを含む時間キャリブレーション方法を実現させる通信装置をさらに提供する。
【0009】
第5の様態において本開示の実施形態は、コンピュータプログラムが記憶されるコンピュータ可読媒体であって、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際、上記実施形態に記載の、前記第1の装置へ第2のセルを送信することを含む時間キャリブレーション方法におけるステップを実現する、および/または、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際、上記実施形態に記載の、第2の装置へ第1のセルを送信することを含む、時間キャリブレーション方法におけるステップを実現するコンピュータ可読媒体をさらに提供する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法のフローチャート図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態におけるステップS1の具体的な実施形態のフローチャート図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態におけるステップS2の具体的な実施形態のフローチャート図である。
【
図4】
図4は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法の別のフローチャート図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法のまた別のフローチャート図である。
【
図6】
図6は、本開示の実施形態におけるステップS7の具体的な実施形態のフローチャート図である。
【
図7】
図7は、本開示の実施形態におけるステップS8の具体的な実施形態のフローチャート図である。
【
図8】
図8は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法のさらなるフローチャート図である。
【
図9】
図9は、本開示の実施形態によって提供される通信装置の構造模式図である。
【
図10】
図10は、本開示の実施形態によって提供される通信装置の別の構造模式図である。
【
図11】
図11は、本開示の実施形態によって提供されるコンピュータ可読媒体の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の技術案を当業者がより良く理解できるように、本開示によって提供される時間キャリブレーション方法、通信装置とコンピュータ可読媒体を、図面を組み合わせながら以下に詳細に説明する。
【0012】
以下、図面を参照して例示的な実施形態について詳細に説明するが、前記例示的な実施形態は異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された実施形態に限定されると解釈すべきではない。これら実施形態の提供は、本開示を徹底して完全なものにし、当業者に本開示の範囲を十分に理解させることを目的とする。
【0013】
本開示にて使用される用語は特定の実施形態について説明するためのものにすぎず、本開示を制限する意図はない。本開示にて使用される「一つの」と「当該」という単数形も、上下文に別途明らかに説明しない限り複数形も含むことが意図される。また、本明細書にて「含む」および/または「…からなる」という用語を使用したときは、特定の特徴、全体、ステップ、オペレーション、素子、および/またはコンポーネントの存在を指定するが、1つまたは複数の他の特徴、全体、ステップ、オペレーション、素子、コンポーネント、および/またはそれらのグループの存在または追加を除外するものでないことが、さらに理解されるであろう。
【0014】
第1、第2などの用語を用いて各素子について記述することができるが、これら素子はこれら用語に制限すべきではないことが理解されるであろう。これら用語は1つの素子と別の素子とを区別するのに用いるに過ぎない。従って、本開示の示唆を逸脱しない限り、以下に記述するように、第1の素子、第1のコンポーネントまたは第1のモジュールは、第2の素子、第2のコンポーネントまたは第2のモジュールと称することもできる。
【0015】
本明細書で使用されるすべての用語(技術用語および科学用語を含む)は、特に限定されない限り、当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有するものとする。また、常用辞典にて限定される用語は、関連技術案および本開示の背景での意味と一致する意味を有し、本開示にて明確に定義しない限り、理想的または過度に形式的な意味を有するとして解釈されないであろうことがさらに理解されるであろう。
【0016】
本開示によって提供される時間キャリブレーション方法、通信装置およびコンピュータ可読媒体は、セルを用いて相応の時間情報の伝達を行い、セルに対応する送信時間と受信時間とを決定し、時間偏差値を算出して時間キャリブレーションを行い、これによりセルモデルを用いて通信時の時間同期を行うことができる。
【0017】
図1は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法のフローチャート図である。
図1に示すように、この時間キャリブレーション方法は、第2の装置に適用され、以下のステップS1とS2を含む。
【0018】
ステップS1:第1の装置から送信された第1のセルに応答して、第1のセルに対応する第1の受信時間を決定し、第1の装置へ第2のセルを送信する。
【0019】
第1のセルでは、対応する第1の送信時間が運ばれる。
【0020】
具体的には、セルの受信時間は、このセルを受信する装置のクロックにより得られ、つまり、この装置がこのセルを受信する時の対応の時刻であり、セルの送信時間は、このセルを送信する装置のクロックにより得られ、つまり、この装置がこのセルを送信する時の対応の時刻である。ステップS1では、一般的には、第1のセルに対応する第1の受信時間は第1のセルの受信時間であり、直接測定するか、または他のセルの受信時間と関連コードブロック数量に基づいて算出して決定することができる。幾つかの実施形態では、第1のセルに対応する第1の受信時間はまた、第1のセルの属するセルマルチフレームの関連時間パラメータに基づいて決定することができる。
【0021】
ステップ2:第1の装置からフィードバックされた、第2のセルに対応する第2の受信時間が運ばれる第3のセルを受信し、第1の送信時間、第1の受信時間、第2のセルに対応する第2の送信時間および第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行う。
【0022】
具体的には、ステップS2では、一般的には、第2のセルに対応する第2の送信時間は第2のセルの送信時間であり、直接測定するか、または他のセルの送信時間と関連コードブロック数量に基づいて算出する方法で決定することができる。幾つかの実施形態では、第2のセルに対応する第2の送信時間はまた、第2のセルの属するセルマルチフレームの関連時間パラメータに基づいて決定することができる。
【0023】
幾つかの実施形態では、第1の送信時間T1、第1の受信時間T2、第2の送信時間T3と第2の受信時間T4に基づき、時間偏差値Offsetを決定するステップでは、具体的には、
T2=T1+Delay+Offset;T4=T3+Delay-Offsetという式に基づいて、遅延値Delayと時間偏差値Offsetを求める。
【0024】
なお、時間偏差値を算出するについての上記の説明は、本開示における実施の一態様に過ぎず、本開示の技術案を限定するものではなく、他の算出方法およびパラメータの決定過程も同様に本開示の技術案に適用する。
【0025】
幾つかの実施形態では、第1の装置はマスタ装置または基準装置と呼ばれてよく、第2の装置はスレーブ装置と呼ばれてよく、第1の装置を基準クロック源として時間キャリブレーションを行って、2つの装置間の時間同期を実現する。
【0026】
本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法は、セルモデルを用いて通信を行う時、第1のセルに対応する第1の送信時間と第1の受信時間を受信、決定し、第2のセルをフィードバックし第2のセルに対応する第2の受信時間と第2の送信時間を決定し、2組の送信時間と受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し時間キャリブレーションを行い、これにより本装置と参照装置との間の時間同期を実現することができる。
【0027】
幾つかの実施形態では、第1のセル、第2のセル、第3のセルでは、それぞれに対応する正確な時間プロトコル(Precision Time Protocol。PTPという)メッセージの少なくとも一部のメッセージデータが運ばれ、正確な時間プロトコルメッセージは、時間同期(Synchronize。Syncという)メッセージ、遅延要求(Delay Request。Delay_Reqという)メッセージと遅延要求応答(Delay Response。Delay_Respという)メッセージを含む。
【0028】
具体的には、正確な時間プロトコルを用いて時間キャリブレーションを行う場合、第1の送信時間、第1の受信時間、第2の送信時間と第2の受信時間はいずれもタイムスタンプの形で表現され、第2の装置は、セルに運ばれるメッセージデータにおけるタイムスタンプ(Timestamp)を取得し、タイムスタンプを解析、記録することによって、これに対応する送信時間または受信時間を決定する。
【0029】
装置間でメッセージモデルで通信を行う場合、各装置は、タイムスタンプが運ばれる正確な時間プロトコルメッセージを直接送信し、メッセージを解析しタイムスタンプを抽出すれば時間偏差値および後の時間キャリブレーションを完成することができる。しかしながら、装置間でセルモデルで通信を行う場合、正確な時間プロトコルメッセージを直接伝達することができず、これにより正確な時間プロトコルメッセージに対応する送信時間と受信時間を決定することができず、正確な時間プロトコルに基づいた時間同期を行うことができない。本開示の実施形態では、それぞれに対応する正確な時間プロトコルメッセージの少なくとも一部のメッセージデータをセルが運ぶことによって、正確な時間プロトコルの時間キャリブレーションと時間同期を実現する。
【0030】
図2は、本開示の実施形態におけるステップS1の具体的な実施形態のフローチャート図である。具体的には、単一の正確な時間プロトコルメッセージは複数のメッセージセルに対応し、そのすべてのメッセージデータはこの複数のメッセージセルのオーバーヘッド領域における汎用通信チャネル(General Communication Channel。GCCという)によって送信され、第1のセルは時間同期メッセージに対応する複数の第1のメッセージセルにおける初めてのセルであり、
図2に示すように、ステップS1では、第1のセルに対応する第1の受信時間を決定するステップは、第1のセルの受信時間を第1の受信時間として決定するステップS101aを含む。
【0031】
S101aでは、直接第1のセルの受信時間を第1の受信時間とし、すなわち、時間同期メッセージに対応する複数の第1のメッセージセルの初めてのセルの受信時間を第1の受信時間とする。
【0032】
具体的には、単一の正確な時間プロトコルメッセージが複数のメッセージセルに対応することは、単一の正確な時間プロトコルメッセージのメッセージデータが複数のメッセージセルによって運ばれることを意味し、「メッセージセル」についての記載は、このセルで対応するメッセージのメッセージデータが運ばれることを体現するためのものにすぎない。1つのセルのオーバーヘッド領域が運ぶことのできる情報は少なく、単一の正確な時間プロトコルメッセージの長さは少なくとも64バイトであるため、幾つかの実施形態では、1つの正確な時間プロトコルメッセージは複数のセルにより運ばれる必要がある。
【0033】
あるいは、ステップS1では、第1のセルに対応する第1の受信時間を決定するステップは、第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を第1の受信時間として決定するステップS101bを含む。
【0034】
S101bでは、第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を第1の受信時間とし、すなわち、時間同期メッセージに対応する初めてのセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を第1の受信時間とする。具体的には、第1のセルは時間同期メッセージに対応する複数の第1のメッセージセルにおける初めてのセルである。第1のセルが、これの属するセルマルチフレームの初めてのセルでない場合があるため、この際に、このセルマルチフレームの初めてのセルの時間情報を基準とする。
【0035】
なお、メッセージに対応する初めてのセルにおける「初めての」は、このメッセージに対応するすべてのセルにおいて、このセルの送信順序が初めてであることを示し、つまり、時間的な順序において優先されるものである。
【0036】
図3は、本開示の実施形態におけるステップS2の具体的な実施形態のフローチャート図である。具体的には、第2のセルは、遅延要求メッセージに対応する複数の第2のメッセージセルにおける初めてのセルである。ステップS2では、第1の送信時間、第1の受信時間、第2のセルに対応する第2の送信時間および第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うステップの前に、第2のセルの送信時間を第2の送信時間として決定するステップS201aをさらに含む。
【0037】
S201aでは、直接第2のセルの受信時間を第2の送信時間とし、すなわち、遅延要求メッセージに対応する複数の第2のメッセージセルにおける初めてのセルの送信時間を第2の送信時間とする。
【0038】
あるいは、ステップS2では、第1の送信時間、第1の受信時間、第2のセルに対応する第2の送信時間および第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うステップの前に、第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を第2の送信時間として決定するステップS201bをさらに含む。
【0039】
S201bでは、第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を第2の送信時間とし、すなわち、遅延要求メッセージに対応する初めてのセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を第2の送信時間とする。
【0040】
本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法は、セルモデルで通信を行う場合、正確な時間プロトコルメッセージに対応するメッセージデータがセルに配置されて、セルモデルと正確な時間プロトコルとに基づいた時間キャリブレーションと時間同期を実現することができる。
【0041】
図4は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法の別のフローチャート図である。
図4に示すように、この時間キャリブレーション方法は
図1に示す方法に基づいた具体的な実施形態である。具体的には、第1の受信時間は、第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間により決定され、第2の送信時間は、第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間により決定される。この時間キャリブレーション方法はステップS1とステップS2を含むのみならず、以下のステップS3からステップS6をさらに含む。
【0042】
ステップS3:第1の装置から送信された各セルマルチフレームの付随コードブロック数量を受信し、第1の装置より送信された各セルマルチフレームの第1の予想受信時間を、付随コードブロック数量と第1の受信時間とに基づいて決定し、また、付随コードブロック数量と第2の送信時間とに基づき、それに自体より送信される各セルマルチフレームの第1の予想送信時間を決定する。
【0043】
ステップS3では、第1の装置より送信された各セルマルチフレームをそれ自体が受信することが予想される時間を、付随コードブロック数量と第1の受信時間とに基づいて決定し、また、付随コードブロック数量と第2の送信時間とに基づき、各セルマルチフレームをそれ自体が送信することが予想される時間を決定する。これにより得られたセルマルチフレームの第1の予想受信(送信)時間は、そのうちの初めてのセルの予想受信(送信)時間である。
【0044】
具体的には、第1の予想受信時間Tx+1は以下の式に基づいて得られる。
【0045】
[数1]
Tx+1=Tx+(n*m+yx)*w*t
【0046】
Txは前回の時間キャリブレーション過程において対応する第1の受信時間であり、nは1つのセルマルチフレームにおけるセルの数量であり、mは1つのセルにおけるビットブロックの数量であり、wはビットブロックの大小であり、tは1つのビットブロックに対応する送信時間であり、n、mとtは固定値に設定されて良い。yxは付随コードブロック数量を示し、付随コードブロックは、Sブロック、DブロックとTブロック以外の他のコードブロック(例えば、Oブロックとアイドルブロック)でないブロックである。第1の予想送信時間は、近似する方法で算出し得る。
【0047】
なお、本開示の実施形態は、ステップS1、ステップS2およびステップS3の実行順序について限定せず、ステップS3はステップS2の後に行うこともでき、ステップS3はステップS2の前に実行することも可能である。
【0048】
第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行うステップS2の後、前記時間キャリブレーション方法は、第1の装置から送信された第4のセルに応答して、第4のセルの属するセルマルチフレームの第1の予想受信時間を第4のセルに対応する第3の受信時間とするステップS4をさらに含んで良い。
【0049】
第4のセルでは、第4のセルに対応する第3の送信時間が運ばれる。
【0050】
具体的には、その後、再度時間キャリブレーションを行う場合、算出し得た予想受信(送信)時間を用いて、セルに対応する受信(送信)時間を直接算出し、これにより、リアルタイムの検出を行う過程が不要となる。
【0051】
幾つかの実施形態では、セルでは、それの属するセルマルチフレームのセルマルチフレーム標識がさらに運ばれ、これにより、装置は、このセルの属するセルマルチフレームを迅速に知ることができ、また、これを用いて対応する受信(送信)予想時間を探し求めることができる。セルマルチフレーム標識は、セルマルチフレームシリアル番号とセルマルチフレームラベルなどの複数種類の形式を含んで良い。一般的には、各セルマルチフレームは、それぞれに対応するシリアル番号に従って送信され、シリアル番号は何度も繰り返され、各セルマルチフレームは送信を循環する。
【0052】
ステップS5:第1の装置へ第5のセルを送信し、第5のセルの属するセルマルチフレームの第1の予想送信時間を第5のセルに対応する第4の送信時間とする。
【0053】
ステップS6:第1の装置からフィードバックされた、第5のセルに対応する第4の受信時間が運ばれた第6のセルを受信し、第3の送信時間、第3の受信時間、第4の送信時間および第4の受信時間に基づいて第2の時間偏差値を決定し、第2の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行う。
【0054】
本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法は、付随コードブロック数量と前回の時間キャリブレーションの時間情報に基づいて現時点で行った時間キャリブレーションの要する時間情報を算出することができ、これによりリアルタイムの検出過程の必要はなく、キャリブレーション効率が向上する。
【0055】
図5は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法のまた別のフローチャート図である。
図5に示すように、この時間キャリブレーション方法は、第1の装置に適用され、以下のステップS7とS8を含む。
【0056】
ステップS7:第1のセルに対応する第1の送信時間を決定し、第1の送信時間を第1のセルに配置し、第2の装置へ第1のセルを送信する。
【0057】
ステップS8:第2の装置から送信された第2のセルに応答して、第2のセルに対応する第2の受信時間を決定し、第2の受信時間を第3のセルに配置し、第2の装置へ第3のセルをフィードバックする。
【0058】
ステップS8では、第2の装置へ第3のセルをフィードバックして、第2の装置は第1の送信時間、第1のセルに対応する第1の受信時間、第2のセルに対応する第2の送信時間および第2の受信時間に基づいて第1の時間偏差値を決定し、第1の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行う。
【0059】
幾つかの実施形態では、第1のセル、第2のセルと第3のセルでは、それぞれに対応する正確な時間プロトコルメッセージの少なくとも一部のメッセージデータが運ばれ、正確な時間プロトコルメッセージは、時間同期メッセージ、遅延要求メッセージおよび遅延要求応答メッセージを含む。
【0060】
図6は、本開示の実施形態におけるステップS7の具体的な実施形態のフローチャート図である。具体的には、単一の正確な時間プロトコルメッセージは複数のメッセージセルに対応し、そのすべてのメッセージデータはこの複数のメッセージセルのオーバーヘッド領域における汎用通信チャネルによって送信され、第1のセルは時間同期メッセージに対応する複数の第1のメッセージセルにおける初めてのセルであり、
図6に示すように、ステップS7では、第1のセルに対応する第1の受信時間を決定するステップは、第1のセルの送信時間を第1の送信時間として決定するステップS701aを含む。
【0061】
S701aでは、直接第1のセルの送信時間を第1の送信時間とし、すなわち、時間同期メッセージに対応する複数の第1のメッセージセルにおける初めてのセルの送信時間を第1の送信時間とする。
【0062】
あるいは、ステップS7では、第1のセルに対応する第1の送信時間を決定するステップは、第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を第1の送信時間として決定するステップS701bを含む。
【0063】
S701bでは、第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を第1の送信時間とし、すなわち、時間同期メッセージに対応する初めてのセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間を第1の送信時間とする。
【0064】
図7は、本開示の実施形態におけるステップS8の具体的な実施形態のフローチャート図である。具体的には、第2のセルは、遅延要求メッセージに対応する複数の第2のメッセージセルにおける初めてのセルである。
図7に示すように、ステップS8では、第2のセルに対応する第2の受信時間を決定するステップは、第2のセルの受信時間を第2の受信時間として決定するステップS801aを含む。
【0065】
S801aでは、直接第2のセルの受信時間を第2の受信時間とし、すなわち、遅延要求メッセージに対応する複数の第2のメッセージセルにおける初めてのセルの受信時間を第2の受信時間とする。
【0066】
あるいは、ステップS8では、第2のセルに対応する第2の受信時間を決定するステップは、第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を第2の受信時間として決定するステップS801bを含む。
【0067】
S801bでは、第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を第2の受信時間とし、すなわち、遅延要求メッセージに対応する初めてのセルマルチフレームの初めてのセルの受信時間を第2の受信時間とする。
【0068】
図8は、本開示の実施形態によって提供される時間キャリブレーション方法のさらなるフローチャート図である。
図8に示すように、この時間キャリブレーション方法は
図5に示す方法に基づいた具体的な実施形態である。具体的には、第1の送信時間は、第1のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間により決定され、第2の送信時間は、第2のセルの属するセルマルチフレームの初めてのセルの送信時間により決定される。この時間キャリブレーション方法はステップS7とステップS8を含むのみならず、以下のステップS9からステップS11をさらに含む。
【0069】
ステップS9:各セルマルチフレームの付随コードブロック数量と第1の送信時間とに基づいて、それ自体により送信される各セルマルチフレームの第2の予想送信時間を決定し、付随コードブロック数量と第2の受信時間とに基づいて第2の装置より送信される各セルマルチフレームの第2の予想受信時間を決定する。
【0070】
ステップS9では、各セルマルチフレームをそれ自体が送信することが予想される時間を、付随コードブロック数量と第2の受信時間とに基づいて決定し、また、付随コードブロック数量と第2の受信時間とに基づき、第2の装置より送信された各セルマルチフレームをそれ自体が受信することが予想される時間を決定する。これにより得られたセルマルチフレームの第2の予想受信(送信)時間は、そのうちの初めてのセルの予想受信(送信)時間である。具体的な算出方法はステップS3の相応記載を参照可能である。
【0071】
なお、本開示の実施形態では、ステップS7とステップS8とステップS9の実行順序について限定せず、ステップS9はステップS8の後に行うこともでき、ステップS9はステップS8の前に実行することも可能である。
【0072】
第2の装置へ第3のセルをフィードバックするステップS8の後、前記時間キャリブレーション方法は、ステップS10をさらに含んで良い。
【0073】
ステップS10:第4のセルの属するセルマルチフレームの第2の予想送信時間を第4のセルに対応する第3の送信時間とし、第3の送信時間を第4のセルに配置し、第2の装置へ前記第4のセルを送信する。
【0074】
具体的には、その後、再度時間キャリブレーションを行う場合、算出した予想受信(送信)時間を用いて、セルに対応する受信(送信)時間を直接算出し、これにより、リアルタイムの検出を行う過程が不要となる。
【0075】
ステップS11:第2の装置から送信された第5のセルに応答して、第5のセルの属するセルマルチフレームの第2の予想受信時間を第5のセルに対応する第4の受信時間とし、第4の受信時間を第6のセルに配置し、第2の装置へ第6のセルをフィードバックする。
【0076】
ステップS11では、第2の装置へ第6のセルをフィードバックして、第2の装置は第3の送信時間、第4のセルに対応する第3の受信時間、第5のセルに対応する第4の送信時間および第4の受信時間に基づいて第2の時間偏差値を決定し、第2の時間偏差値に基づいて時間キャリブレーションを行う。
【0077】
図9は、本開示の実施形態によって提供される通信装置の構造模式図である。
図9に示すように、この通信装置は、1つまたは複数のプロセッサ101と、1つまたは複数のプログラムが記憶され、この1つまたは複数のプログラムがこの1つまたは複数のプロセッサ101によって実行される際、この1つまたは複数のプロセッサ101に、上記いずれかの、ステップS1を含む時間キャリブレーション方法を実現させるメモリ(装置)102と、プロセッサ101とメモリ102との間に接続され、プロセッサ101とメモリ102との間の情報対話を実現するように構成された1つまたは複数のI/Oインタフェース103とを備える。
【0078】
プロセッサ101はデータ処理能力を有するコンポーネントであり、これには中央処理装置(CPU)などが含まれるが、これらに限定されない。メモリ102はデータ記憶能力を有する装置であり、ランダムアクセスメモリ(RAM。より具体的にはSDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH)(登録商標)を含むが、これらに限定されない。I/Oインタフェース(読み書きインタフェース)103は、プロセッサ101とメモリ102との間に接続され、プロセッサ101とメモリ102との間の情報対話を実現するものであり、データバス(Bus)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0079】
幾つかの実施形態では、プロセッサ101、メモリ102とI/Oインタフェース103はバス104を介して互いに接続され、さらにコンピューティングデバイスの他のコンポーネントに接続されている。
【0080】
図10は、本開示の実施形態によって提供される通信装置の別の構造模式図である。
図10に示すように、この通信装置は、1つまたは複数のプロセッサ201と、1つまたは複数のプログラムが記憶され、この1つまたは複数のプログラムがこの1つまたは複数のプロセッサ201によって実行される際、この1つまたは複数のプロセッサ201が上記いずれかの実施形態の、ステップS7を含む時間キャリブレーション方法を実現させるメモリ202と、プロセッサ201とメモリ202との間に接続され、プロセッサ201とメモリ202との間の情報対話を実現するように構成された1つまたは複数のI/Oインタフェース203とを備える。
【0081】
ここで、プロセッサ201はデータ処理能力を有するコンポーネントであり、これには中央処理装置(CPU)などが含まれるが、これらに限定されない。メモリ202はデータ記憶能力を有する装置であり、ランダムアクセスメモリ(RAM。より具体的にはSDRAM、DDRなど)、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(FLASH)を含むが、これらに限定されない。I/Oインタフェース(読み書きインタフェース)203は、プロセッサ201とメモリ202との間に接続され、プロセッサ201とメモリ202との間の情報対話を実現するものであり、データバス(Bus)などが含まれるが、これらに限定されない。
【0082】
幾つかの実施形態では、プロセッサ201、メモリ202とI/Oインタフェース203はバス204を介して互いに接続され、さらにコンピューティングデバイスの他のコンポーネントに接続されている。
【0083】
図11は、本開示の実施形態によって提供されるコンピュータ可読媒体の構造模式図である。このコンピュータ可読媒体ではコンピュータプログラムが記憶され、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際、上記何れかの一実施形態における、ステップS1を含む時間キャリブレーション方法におけるステップを実現し、および/または、このコンピュータプログラムがプロセッサによって実行される際、上記何れかの一実施形態における、ステップS7を含む時間キャリブレーション方法におけるステップを実現する。
【0084】
当業者は、上文で開示された方法におけるステップ、装置のうちの機能モジュール/ユニットの全てまたはいくつかが、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、およびそれらの適切な組み合わせとして実行されてもよいことを理解するであろう。ハードウェア実施形態において、上記の説明で言及した機能モジュール/ユニット間の区分は、必ずしも物理的構成要素の区分に対応しない。例えば、1つの物理的構成要素は複数の機能を有してもよく、1つの機能またはステップは幾つかの物理的構成要素の協働によって実行されてもよい。いくつかの物理的構成要素またはすべての物理的構成要素は中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、もしくはマイクロプロセッサなどのプロセッサによって実行されるソフトウェアとして、またはハードウェアとして、さらには特定用途向け集積回路などの集積回路として実行され得る。このようなソフトウェアは、コンピュータ記憶媒体(または非一時的媒体)および通信媒体(または一時的媒体)を含み得るコンピュータ可読媒体上に配置され得る。当業者によく知られているように、コンピュータ記憶媒体という用語は、コンピュータ可読命令やデータ構造、プログラムモジュール、他のデータなどの情報を記憶するための任意の方法または技術で実行される揮発性および不揮発性、取り外し可能および取り外し不可能な媒体を含む。コンピュータ記憶媒体は、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、CD-ROM、デジタル多用途ディスク(DVD)もしくは他の光ディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージもしくは他の磁気メモリ、または所望の情報を記憶するために使用され得、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含むが、これらに限定されない。また、通信媒体は、通常、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または搬送波もしくは他の搬送メカニズムなどの変調データ信号内の他のデータを含み、かつ、任意の情報配信媒体を含み得ることが当業者に知られている。
【0085】
本明細書においては実施形態の例がすでに公開されており、また具体的な用語が用いられているが、それらは一般的な説明的な意味としてのみ使用されており、そう解釈されるべきであり、限定を目的としたものではない。いくつかの実例では、特定の実施形態と組み合わせて説明される特徴、特性および/または要素は、別途明確に指摘しない限り、単独で、または他の実施例にて説明される特徴、特性、および/または要素と組み合わせて使用され得ることが当業者に明らかであろう。したがって、添付の請求項によって明らかにされている本開示の範囲から逸脱しない限り、様々な形態および細部における変更が行われ得ることを当業者は理解するであろう。
【国際調査報告】