(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】長繊維熱可塑性樹脂材料を製造する方法
(51)【国際特許分類】
B29B 11/16 20060101AFI20231025BHJP
B29B 9/06 20060101ALI20231025BHJP
B29B 9/14 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
B29B11/16
B29B9/06
B29B9/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023544614
(86)(22)【出願日】2021-09-28
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 NL2021050586
(87)【国際公開番号】W WO2022066020
(87)【国際公開日】2022-03-31
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511095850
【氏名又は名称】ネーデルランドセ・オルガニサティ・フォール・トゥーヘパスト-ナトゥールウェテンスハッペライク・オンデルズーク・テーエヌオー
(71)【出願人】
【識別番号】523112769
【氏名又は名称】ケメロット・サイエンティフィク・パーティシペイションズ・ベー・フェー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マルク・ルドルフ・ステファン・ハイスマン
(72)【発明者】
【氏名】アマンディーヌ・マリー・フロリアーヌ・マガリ-ソフィー・コドウ
【テーマコード(参考)】
4F072
4F201
【Fターム(参考)】
4F072AA02
4F072AA08
4F072AB09
4F072AB14
4F072AD04
4F072AG05
4F072AH23
4F072AK15
4F072AK16
4F201AA11
4F201AB17
4F201AB25
4F201AD02
4F201AD16
4F201BA01
4F201BA02
4F201BC01
4F201BC13
4F201BD04
4F201BD05
4F201BK25
4F201BL12
(57)【要約】
長繊維熱可塑性樹脂LFT押出材料を製造する方法であって、熱可塑性樹脂供給材料、熱可塑性樹脂複合TPC供給材料、例えばフレーク又はチップを準備する工程であり、TPC供給材料が断片を含み、断片が、個々に、繊維及び熱可塑性樹脂材料の両方を含む、工程を含み、方法が、押出システム(I)において実施される押出工程を含み、前記押出システム(1)が、押出方向(ED)を有する押出機(2)を備え、押出機(2)が、バレル(3)、単軸スクリュー(4)、第1の投入口開口部(6)及び排出口開口部(5)を備え、スクリュー(4)が、前記押出機(2)内に流路を設け、押出工程が、熱可塑性樹脂供給材料及びTPC供給材料を押出機(2)に供給すること、熱可塑性樹脂供給材料とTPC供給材料との混合物を排出口開口部(5)へ送り、それにより混合材料Cを得ること、次いで、排出口開口部(5)を通して混合材料Cを押し出し、LFT押出材料Dを得ることを含む、方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長繊維熱可塑性樹脂(LFT)押出材料を製造する方法であって、
前記方法が、
- 熱可塑性樹脂供給材料;
- 熱可塑性樹脂複合(TPC)供給材料、例えばフレーク又はチップを準備する工程であり、前記TPC供給材料が断片を含み、前記断片が、個々に、繊維及び熱可塑性樹脂材料の両方を含む、工程を含み;
前記方法が、押出システム(1)において実施される押出工程を含み;
前記押出システム(1)が、押出方向(ED)を有する押出機(2)を備え;
前記押出機(2)が、バレル(3)、単軸スクリュー(4)、第1の投入口開口部(6)及び排出口開口部(5)を備え、前記スクリュー(4)が、前記押出機(2)内に流路(8)を設け;
前記押出工程が、
- 前記熱可塑性樹脂供給材料及び前記TPC供給材料を前記押出機(2)に供給すること;
- 前記熱可塑性樹脂供給材料と前記TPC供給材料との混合物を前記排出口開口部(5)へ送り、それにより混合材料(C)を得ること;
- 前記排出口開口部(5)を通して前記混合材料(C)を押し出し、LFT押出材料(D)を得ることを含む、方法。
【請求項2】
- 前記熱可塑性樹脂供給材料と前記TPC供給材料との混合物を含む単一供給流(Z)を、前記第1の投入口開口部(6)を通して、前記押出機(2)内の前記流路(8)へ供給する工程;
- 前記混合物を前記排出口開口部(5)へ送り、それにより前記混合材料(C)を得る工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記TPC供給材料が、フレーク若しくはチップ、又はCFRT廃材流からの細断材料を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
熱可塑性樹脂複合(TPC)供給材料を準備する前記工程が、
B1)乾燥連続繊維を準備すること、
B2)前記繊維に熱可塑性樹脂を含浸させ、端部を有する含浸繊維連続シートを得ること、
B3)前記含浸繊維連続シートから前記端部の少なくとも一部を分離して、分離された端部断片であり、且つ個々に、繊維、熱可塑性樹脂材料、及びトリミングされた連続シートを含有する、フレークを得ること、
B4)前記フレークを、前記熱可塑性樹脂複合(TPC)供給材料の少なくとも一部として使用することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記方法で得られた長繊維強化熱可塑性樹脂材料が、長繊維強化熱可塑性樹脂材料の総質量に対して10~75質量%、好ましくは30~60質量%の繊維を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記LFT押出材料をペレット化してLFTペレットにする工程であって、前記ペレットがLFT射出成形及び/又はLFT押出に適している、工程を更に含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記押出システム(1)が、一体型射出成形ユニット及び押出機を備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の方法によって得られる長繊維熱可塑性樹脂(LFT)材料。
【請求項9】
前記材料において、最初の繊維長(I)に対する繊維長D90の比率が少なくとも30%、好ましくは少なくとも50%である、請求項8に記載のLFT材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長繊維熱可塑性樹脂(LFT)押出材料を製造する方法に関する。好ましい実施形態において、本方法は、熱可塑性樹脂供給材料とTPC供給材料との混合物を含む単一供給流を押出機に供給する工程を含む。
【背景技術】
【0002】
序論
本発明は、一態様において、長繊維熱可塑性樹脂(long fibre thermoplastic, LFT)材料を作製する方法、特にLFT押出材料(押出成形品)を作製する方法に関する。LFT材料は、長繊維強化熱可塑性樹脂材料と呼ばれることもある。LFT押出材料は、例えば、自動車のドアパネル、インストルメントキャリア、フロントエンド等の自動車部品、またエレクトロニクス等の他の分野における部品等、LFT材料を含む幅広い製品の製造に使用することができる。LFT押出材料は、例えば、LFT製品を形成する射出成形の原料として使用される。LFT押出材料は、例えばカットしてペレットにされ、ペレットは射出成形に使用される。LFT材料の射出成形はこのようなものとして公知であり、供給材料として、多くの場合LFTペレットを使用する。そのようなLFTペレットは、例えば5~15mm長、好ましくは約11mm長で、例えば1~10mm、例えば1~5mmの直径を有する。各LFTペレットは、熱可塑性ポリマーと共に繊維(例えば、炭素繊維、ガラス繊維又は天然繊維)を含む。
【0003】
LFTペレットを作製する現在の例示的な方法は、乾燥連続繊維を使用するワイヤーコーティング又は熱可塑性樹脂引抜成形をベースとする。ここで、「乾燥」とは、繊維が、例えば熱可塑性樹脂材料にまだ埋め込まれていないことを示している。例えば、LFTペレットを作製するいくつかの先行技術の方法では、乾燥繊維を熱可塑性ポリマーでワイヤーコーティングしている。ワイヤーコーティング及び引抜成形により、例えば11mmの長さのペレットに寸法調整(例えばカット)される、コーティングされた又は含浸された繊維のストランド(strand)がそれぞれ得られる。これより長いペレットは、射出成形では加工が困難である。繊維は、ワイヤーコーティング及び引抜成形で得られるストランドでは連続的で整列している。このようなストランドをカットして作製された各ペレットでは、繊維は平行に整列され、ペレットの長さにわたって平行配列で延びている。現在利用可能な、LFTペレットを作製するための典型的な製造方法では、繊維長はペレットの長さと同じである。長繊維は射出成形されたLFT部品の機械的特性に寄与するため、長繊維が望ましい。引抜成形とは異なる押出は、一般にLFTストランド又はペレットの作製には使用されない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】US 2002/0089082
【特許文献2】EP 1008435B1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LFT材料、例えばLFTペレットを作製する方法であって、製造されたLFT材料が、LFT射出成形又は更なる押出工程等の、LFT物品作製のための更なる製造工程に適しており、方法がより経済的であり、且つ/又は改善された特性を有するLFT材料が得られる、方法を提供することが望まれる。
【0006】
US 2002/0089082において、繊維強化樹脂組成物の製造方法であって、二軸スクリュー可塑化押出機を備えた装置が使用され、溶融樹脂と繊維材料とが可塑化押出機の入口開口部で組み合わされる、方法が記載されている。
【0007】
EP 1008435B1には、可塑化押出機を使用した繊維強化樹脂塊の製造方法であって、繊維と熱可塑性樹脂顆粒及び/又は長繊維強化リサイクルチップとを可塑化し、更に加工可能な可塑化材料として取り出す、方法が記載されている。直径約50mmの円形、長さ200mmまでの、大型長繊維強化リサイクルチップを秤量し、加熱されたチューブワームコンベア装置に1回分ごとに(in a dosed manner)投入し、粘着性が出る直前まで予備加熱して乾燥させる。その後、チップは、可塑化押出機に投入される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、第1の態様において、材料、例えば押出材料、好ましくは長繊維熱可塑性樹脂(LFT)押出材料を製造する方法であって、
- 熱可塑性樹脂供給材料及び熱可塑性樹脂複合(TPC)供給材料を準備する工程であり、TPC供給材料が、例えばフレーク又はチップを含み、TPC供給材料が、断片、例えばフレーク又はチップを含み、断片が、個々に、繊維及び熱可塑性樹脂材料の両方を含む、工程を含み;方法が、押出システムにおいて実施される押出工程を含み;押出システムは、押出方向を有する押出機を備え;押出機は、バレル、単軸スクリュー、第1の投入口開口部及び排出口開口部を備え、スクリューが、押出機内に流路を設け;押出工程が、
- 熱可塑性樹脂供給材料及びTPC供給材料を押出機に供給すること;
- 前記押出機内の熱可塑性樹脂供給材料とTPC供給材料との混合物を前記排出口開口部へ送り、それにより混合材料を得ること;並びに
- 排出口開口部を通して混合材料を押し出し、LFT押出材料を得ることを含む、方法に関する。好ましくは、これらの供給、搬送、及び押出の工程は、前記順序で実施される。
【0009】
本発明は、更なる態様において、本方法によって得られる長繊維熱可塑性樹脂(LFT)材料に関する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明による第1の実施例の押出システムを模式的に示す図である。
【
図2A】
図2は本発明による例示的な方法を模式的に示す図である。特に、
図2Aは、例示的な押出工程及び他のいくつかの他の工程を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、TCP供給物をもたらすいくつかの例示的な工程を示す図である。
【
図2C】
図2Cは、押出と射出成形とを組み合わせた実施形態を示す図である。
【
図3】LFT物品を作製する比較用方法を模式的に示す図である。
【
図4】フレーク+MFI-50の射出成形バーにおいて測定された繊維長分布の対数スケールを表す図である。
【
図5】同じ条件で試料を加工後に測定された曲げ弾性率及び強度、並びに衝撃特性を表す図である。
【
図7】ヒストグラムからD90及びD50の値を算出した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図は、本発明を限定するものではなく、例示的なものに過ぎない。
【0012】
本発明の実施形態は、概して、例えばLFT射出成形及び/又は押出、押出成形及び/又は圧縮成形によるLFT物品の製造に適したLFT材料、例えばLFTペレットが、スクリューを備える押出機、好ましくは単軸スクリュー押出機で行われる押出工程であって、TPC供給材料が熱可塑性樹脂材料と混合されるように、熱可塑性樹脂材料及びTPC供給材料の両方が押出機内に供給される、押出工程を使用することによって有利に作製され得るという、妥当な見識に基づいている。驚くべきことに、これにより押出工程における繊維の摩耗を少なくすることができることが見出された。
【0013】
本明細書で使用される略語「TPC」は、「熱可塑性樹脂複合材料(thermoplastic composite)」を意味する。
【0014】
押出機に供給される材料は、TPC供給材料を含む。TPC供給材料は、例えば、TPCチップ及び/又はTPCフレークを含む。他のTPC供給材料も使用可能である。TPC供給材料は、例えば、TPC材料の独立した固体断片を含む。TPC供給材料は、例えば、TPC材料の固体断片として提供される。断片としては、例えば、TPCチップ及び/又はTPCフレークが挙げられる。
【0015】
略語「LFT」は、「長繊維熱可塑性樹脂(long fibre thermoplastic)」を意味する。本明細書で使用される場合、長繊維熱可塑性樹脂材料は、熱可塑性ポリマー及び長繊維を含む、又はそれらから実質的になる、或いはそれらから本質的になる材料を指し、ここでポリマーは、例えば、未加工ポリマー、又は添加剤と混合したポリマーであり得る。長繊維は、0.5~50mm、より好ましくは1~20mm、最も好ましくは2~10mmの代表長さを有し、例えば、1.0~100μm、又は2~50μm、最も好ましくは5~30μmの典型的直径を有する。LFT材料において、長繊維は、例えば、熱可塑性ポリマーが含浸された繊維の場合のように、例えば熱可塑性ポリマーに埋め込まれている。例示的な実施形態において、TPC供給材料は、繊維が熱可塑性ポリマーに埋め込まれているLFT材料を含む。
【0016】
本明細書で使用される熱可塑性樹脂複合(TPC)材料とは、熱可塑性ポリマーと、繊維(乾燥した繊維、含浸された短い繊維、長い繊維、及び連続した繊維又はそれらの混合物)とを含む、又はそれらから実質的になる、或いはそれらから本質的になる材料を指し、ここでポリマーは、例えば未加工ポリマー、又は添加剤と混合したポリマーであり得、繊維は、例えば乾燥又は含浸した、例えば短繊維、長繊維、若しくは連続繊維又はそのような任意の繊維の混合物である。本明細書で使用されるTPC供給材料は、例えばLFT供給材料である。TPC供給材料のいくつかの実施形態において、繊維は、例えば熱可塑性ポリマーが含浸された繊維の場合、熱可塑性ポリマーに埋め込まれている。TPC供給材料、特に断片は、例えば長繊維、好ましくは少なくとも0.50mm、少なくとも1.0mm、又は少なくとも2mmの長さ、例えば0.5~50mm、より好ましくは1~20mm、最も好ましくは2~10mmの長さを有し、任意に1.0~100μm、又は2~50μm、最も好ましくは5~30μmの典型的直径を有する繊維を含む。好ましくは、押出機に供給されるTPCチップ及び/又はTPCフレークは、このような長さを有する繊維を含む。
【0017】
独立した固体断片は、典型的には、少なくとも1.0mmである少なくとも1つの寸法を有し、典型的には、少なくとも1.0mmである少なくとも2つの垂直な寸法を有する。独立した固体断片は、好ましくは、個々に繊維と熱可塑性樹脂材料とを含む。
【0018】
例示的な実施形態において、TPC供給材料は、厚さが少なくとも100μm、典型的には厚さが50mm未満であり、且つ、厚さ方向に垂直な方向の最小サイズが、少なくとも1mm、少なくとも10mm、又は少なくとも100mmであるTPC材料のフレークを含んでもよい。TPC供給材料の独立した断片は、通常、少なくとも1つの寸法において10cm未満のサイズを有する。特に、独立した断片は、3つの寸法で10cm未満のサイズを有する。
【0019】
TPC供給材料は、例えば、TPCフレーク及び/又はTPCチップを含む。このようなTPCフレークは、例えば2mm~40mmの長さ、2mm~40mmの幅、並びに長さ未満の厚さ且つ/又は5.0mm未満の厚さ、例えば0.1~4.0mmの厚さを有する。TPCチップは、例えば2~50mmの長さ(L)、2~50mmの幅(W)及び例えば0.1L<H<Lの厚さ(H)を有する。TPCフレークは、例えば少なくとも10、例えば少なくとも20のアスペクト比L/Hを有する。TPCフレークは、端部と2つの側面とを有し、例えば、そのような各側面あたり、少なくとも5mm2又は少なくとも10mm2の表面積を有する。このような寸法を有するTPCフレークは、例えば、LFTフレークである。
【0020】
TPCフレークは、例えば、テープから材料をカット又は切断する(chopping)ことによって得ることができる。TPCチップは、例えば、CFRT(連続繊維強化熱可塑性樹脂、Continuous Fibre Reinforced Thermoplastic)材料の細断、例えば、積層体の細断によって、又はTPC材料の使用済み(end of life)部分の細断によって得ることができる。TPCチップは、例えば、CFRTシート作製プロセスからの製造廃材として得られ得る。フレーク及びチップ等のTPC供給材料は、繊維含有量のため、典型的にはざらざらしている(abrasive)。
【0021】
いくつかの実施形態において、TPC供給材料は、例えばサイズ縮小された(例えば細断された)廃材を含み、該廃材はTPC材料を含む、又はTPC材料からなる。TPC供給材料は、特定の熱可塑性ポリマーに限定されず、また、特定の繊維材料に限定されない。
【0022】
本発明を限定するものではないが、非常に好ましい実施形態において、TPC供給材料は、含浸繊維テープ又はシート等の含浸繊維層の、分離された側端(例えば、トリム)を含む。このようなテープは、連続繊維強化材料の特定の製造方法における中間段階である。材料はまた、例えば、CFRTシート等のCFRT材料、又はCFRT自動車部品等のCFRT物品の細断により生じたチップであり得る。
【0023】
いくつかの実施形態において、本発明による、LFT押出材料を作製する方法により、連続繊維強化熱可塑性樹脂(CFRT)廃材のリサイクルがもたらされる。いくつかの実施形態において、本発明は、LFT押出材料を製造する方法であって、供給流の少なくとも一部として、そのような分離された側端を供給することを含む、方法に関する。
【0024】
更に、TPC供給材料は、いくつかの実施形態において、少なくとも部分的に、CFRT材料及びCFRT部品、構成要素及び物品を作製するプロセスのリサイクル流、並びに/又は使用済みCFRT物品からのリサイクル流により供給される。
【0025】
本発明で使用されるTPC供給材料が廃材であり得ることは、本発明の利点である。これは、本方法が環境に優しい材料加工方法であり、TPC原料が経済的であるという利点をもたらす。本発明は、これまで廃材と考えられていた特定の材料をリサイクルする方法を提供する。
【0026】
更に、本発明の方法は、廃材を高品質のリサイクルLFT材料、例えば、LFT射出成形に使用することができる高品質のLFTペレットに変換する、非常に手際のよい方法を提供する。
【0027】
熱可塑性樹脂供給材料は、熱可塑性ポリマー、好ましくは本明細書で論じられる熱可塑性ポリマーを含み、好ましくは非強化(non-reinforced)であり、好ましくは含まれる非ポリマー成分が1.0質量%未満である。熱可塑性樹脂供給材料は、例えば、ISO 1133-1に従って測定されたMFIで、少なくとも50のMFIを有する。熱可塑性樹脂供給材料は、例えば、少なくとも50のMFIを有するポリオレフィン、例えばポリプロピレンを含む、又はそれからなる。より低い粘度は、有利には、良好な混合に寄与し得る。
【0028】
本発明の方法は、熱可塑性樹脂供給材料及びTPC供給材料を押出機に供給する工程、例えば、これらの材料を好ましくは混合後に1つの複合流として押出機に供給する工程を含む。本方法は更に、押出機内、特に流路内の熱可塑性樹脂供給材料とTPC供給材料との混合物を排出口開口部に向けて送り、それにより混合材料を得る工程を含む。本方法は更に、押出機内で形成された混合材料を、押出機の排出口開口部を通して押し出して、LFT押出材料を得る工程を含む。一体型装置では、排出口開口部は、装置の押出機部分の排出口であってもよい。工程の順序は、連続プロセスシステムにおける位置を示している。
【0029】
本発明の第1の好ましい方法において、熱可塑性樹脂供給材料及びTPC供給材料は、押出機内の、材料の単一流として供給される。この好ましい実施形態において、本発明の方法は、例えば、熱可塑性樹脂供給材料とTPC供給材料との混合物を含む単一供給流(Z)を押出機に供給する工程を含む。該混合物は、例えば少なくとも10質量%の熱可塑性樹脂供給材料と少なくとも10質量%のTPC供給材料とを含み、好ましくは、TPC供給材料と熱可塑性樹脂供給材料との合計で少なくとも95質量%又は少なくとも99質量%が構成される。混合物中のTPC供給材料と熱可塑性樹脂供給材料との質量比は、製品において繊維の所望の質量分率が得られるように調整され得る。好ましくは、該混合物は、押出機への全供給物の少なくとも99質量%を供給し、好ましくは、押出機への唯一の供給物である。いくつかの実施形態において、該混合物は、押出機の1つの投入口開口部のみに完全に供給され、押出機の2つ以上の開口部には供給されない。いくつかの実施形態において、押出機の1つの開口部は、押出機への全供給物の少なくとも90質量%を受け取り、好ましくは、該開口部は単一供給流(Z)として該供給物を受け取る。
【0030】
いくつかの実施形態において、単一供給流は、TPC供給材料、例えばチップ又はテープからなる。好ましくは、該供給流は、押出機への全供給物の少なくとも99質量%を供給し、好ましくは、押出機への唯一の供給物である。いくつかの実施形態において、該供給流は、全て押出機の1つの投入口開口部のみに供給され、押出機の2つ以上の開口部には供給されない。いくつかの実施形態において、押出機の1つの開口部は、押出機への全供給物の少なくとも90質量%を受け取り、好ましくは、該開口部は単一供給流として該供給物を受け取る。
【0031】
この単一供給流は、投入口開口部から押出機の流路に供給される。本方法は、例えば、熱可塑性樹脂供給材料とTPC供給材料とを混合ユニットで混合して複合供給流とし、該供給流を押出機の投入口開口部に供給する工程を含む。複合供給流は顆粒状であり、すなわち独立した固体粒子で構成される。混合ユニットは、押出システムと一体化してもよく、異なるユニットとしてもよい。例えば、押出システムは、混合ユニットを含む。
【0032】
好ましくは、供給流は、押出機の唯一の投入口、又は押出機の最も上流の投入口に供給される。好ましくは、混合ユニットから供給流を受け取る直前の押出機流路は、空であり、すなわち、まだ材料を含有していない。
【0033】
本実施形態において、熱可塑性樹脂供給材料は、好ましくは固体材料であり、ペレットの形態で押出機に投入される。熱可塑性樹脂供給材料は、1種又は複数の熱可塑性ポリマー、すなわち、例えばバージンポリマー、リサイクルポリマー、又はこれらの組み合わせであり得る非強化熱可塑性ポリマーを含んでもよい。
【0034】
TPC供給材料は、一般に、例えばTPC材料のフレーク又はチップ、又は例えばTPCペレット、好ましくはLFT材料を含む。TPC供給材料は、フレーク又はチップ等のTPC材料の断片を含み、好ましくは各断片が繊維及び熱可塑性樹脂材料を含む。フレーク又はチップは、例えばリサイクル品である。任意に、フレーク又はチップ等のTPC供給材料は、ペレットに変換される。
【0035】
本明細書で論じられるように、TPC供給材料は、CFRT材料、又はCFRT物品若しくは部品の製造プロセスから、或いは使用済みCFRT物品又は部品から得ることができる。CFRT物品は、例えば、織られた、織られていない又は等方性CFRT物品である。TPC供給材料は、例えば、一般にLFT部品及び物品から得られ得る。例えばLFT射出成形部品及び物品、並びに/又はLFT押出成形部品及び物品から、例えば使用済みLFT部品及び物品、例えばガラス繊維マット又は長繊維熱可塑性樹脂直接成形部品を含むLFT部品及び物品を細断することにより得られ得る。TPC供給材料は、LFT部品及び物品を作製する方法からの製造廃材として得られ得る。
【0036】
TPC供給材料は、好ましくはLFT供給材料として、断片を含み、該断片が、個々に、例えば少なくとも一部が含浸された繊維からなり、該繊維は、一部又は全部が熱可塑性ポリマーで含浸されている。TPC供給材料は、乾燥繊維等の他の成分を含んでもよい。
【0037】
TPC供給材料は、例えば実質的に1種類の熱可塑性ポリマーのみを含み、例えばTPC供給材料の熱可塑性部分の少なくとも90質量%は、単一のポリマーである。好ましくは、TPC材料のポリマー又はポリマーブレンドは、熱可塑性樹脂供給材料に使用されるポリマー又はポリマーブレンドと同じポリマーである。
【0038】
熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリールエーテルケトン、及びポリエチレンイミンからなる群から選択されるポリマーである。熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレンである。
【0039】
本明細書で使用される用語「熱可塑性ポリマー」は、少なくとも、ある上昇した温度で柔軟又は成形可能になり、冷却すると固化する可塑性ポリマーを含む。
【0040】
本発明を限定するものではないが、いくつかの実施形態において、熱可塑性ポリマーは架橋されておらず、硬化されていない。
【0041】
TPC供給材料は繊維を含み、繊維は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維及び天然繊維からなる群から選択され、天然繊維は、例えば、麻、亜麻、ジュート、竹及びセルロース繊維からなる群から選択される。TPC供給材料は、追加の繊維を含んでもよい。TPC供給材料は、例えば少なくとも10質量%の繊維、又は少なくとも20質量%の繊維、又は少なくとも30質量%の繊維、及び典型的には80質量%未満の繊維を含む。
【0042】
驚くべきことに、本方法により、例えば、Table 1(表1)(実施例セクション)及び他の実施例における測定されたガラス繊維の長さによって証明されるように、当技術分野において公知である方法よりも繊維の摩耗が少なくなることが見出された。
【0043】
図1は、本発明による第1の好ましい方法の一例を模式的に示している。本方法は、押出機(2)を備える押出システム(1)を備える装置において実施される。押出機(2)は、バレル(3)及び単軸スクリュー(4)を備える。スクリュー(4)は軸方向に回転可能である。バレルは、中空容器であり、典型的には、長さ及び直径を有する円筒形の容器である。スクリューは、バレル内に、典型的にはバレルの長さの中で配置され、円柱形のシャフト(11)及びフライト(12)、典型的には1つ又は複数のヘリカルフライトを備える。フライトのピッチは単に模式的に示されている。スクリューは、押し出される材料を受け入れるために適合した押出機内の流路(8)を提供する。運転中、押し出される材料は、投入口から流路に受け入れられ、スクリューを押出方向(ED)に回転させて排出口開口部(5)に送られる。スクリューとバレルとの剪断作用により、流路内で材料の少なくとも一部が溶融して溶融物を形成し、該溶融材料は、通常ダイに設けられた排出口開口部で押し出されて押出材料となる。
【0044】
本発明の第1の好ましい方法では、熱可塑性樹脂供給材料(A)をミキサー(18)でTPC供給材料(B)と混合し混合流(Z)を得て、これを押出機(2)に供給し、任意に第1の供給装置(16)を介して第1の投入口開口部(6)へ送る。混合物は、流路(8)内で押出機を通って送られ、第1の混合材料(C)となる。「第1の投入口開口部」という用語は、供給材料の第1の投入口開口部の上流に投入開口部が存在しないことを指す。得られた混合材料(C)は、ダイ(15)に送られ、LFT押出材料(D)は、排出口開口部(5)から受け取られる。
【0045】
本発明をいかなる形でも限定するものではないが、好ましい実施形態において、TPC供給材料は以下のように供給される。
B1)乾燥連続繊維を準備すること、
B2)繊維に熱可塑性樹脂を含浸させ、端部を有する含浸繊維連続シートを得ること、
B3)含浸繊維連続シートから端部の少なくとも一部を分離して、分離された端部断片であり、且つ個々に、繊維、熱可塑性樹脂材料、及びトリミングされた連続シートを含有する、フレークを得ること、
B4)フレークを、前記TPC供給材料の少なくとも一部として使用すること;
B5)任意に、トリミングされた連続シートをサイズ調整してシート又はテープにし、任意に、シート又はテープから積層体を作製すること。シート、テープ又は積層体は、例えば、型に入れられ、(例えば、熱により)成形され、成形CFRT物品となる。
【0046】
図2は、本発明による好ましい方法の一例を模式的に示している。例示に過ぎないこの好ましい実施形態において、LFT押出材料を作製する方法は、
図2Aに図示されるように、熱可塑性樹脂(TP)及びTPC材料、例えばLFT材料(例えば
図2Bに図示される流れA1、A2、A3、A4、並びにこれらを互いに及び/又は他の流れと組み合わせたもの)を使用して、押出材料ストランド等のLFT製品を得る押出工程(205)を含む。LFT製品は、更にサイズ調整(206)(すなわち、寸法調整、ペレット化)されてLFTペレットとなる。更に、LFTペレットは任意に射出成形又は押出(207)されてLFT部品となる。これらの部品は、例えばLFT物品又はLFT構成要素である。
【0047】
この好ましい実施形態において、供給材料を供給する工程は、CFRT材料を作製する方法を含む(
図2B)。本方法は、例えば、上述の工程B1~B5を含み、且つ連続乾燥繊維(例えば、ガラス繊維、天然繊維又は炭素繊維)に熱可塑性ポリマー樹脂を含浸(201)させて含浸連続シート又はテープ(単層シート)を得る工程を含む。繊維は、例えば、織られた、織られていない又は等方性テープとして提供される。品質の低い端部を有するシートは、典型的には、これらの端部を除去するために処理(202)、例えば、トリミングされる。除去された端部は、カット又は切断してサイズ縮小され(202A)、LFTフレーク(A1)として回収される。例示的な実施形態において、TPC供給材料は、このようなLFTフレークを押出工程に供給することによって提供される。端部が除去されたシートは、依然として連続シートであり、積層(203)されて、CFRT積層体等のCFRT材料となる。CFRT積層体は、例えばトリミング(204)され、トリミングされた積層体(「ブランク」)及びトリミング屑が得られる。トリミング屑は、例えば、サイズ調整(例えば、細断)され、例えばTPC供給材料の少なくとも一部として使用されるLFTチップ(A2)となる。
【0048】
CFRT材料は、CFRT物品を得るための加工(208)に使用され得る。例えば、加工(208)は、成形されたCFRT物品が得られるように、CFRTブランク等の固体CFRT材料を型に入れ、型を閉じ、熱及び/又は圧力を使用して材料を成形することによる、材料の成形である。成形段階は、通常、CFRTシートの製造とは別に、例えば、CFRT材料の保管及び輸送後に行われる。加工(208)からの規格外品は、サイズ調整(例えば、細断)して、TPC供給材料の少なくとも一部として任意に使用されるチップ(A3)にすることができる。更に、使用済みCFRT物品(例えば、ポストコンシューマ物品)は、サイズ調整(209)(細断等)して、TPC供給材料の少なくとも一部として任意に使用されるチップ(A4)にすることができる。図示されたTPC供給材料(A1、A2、A3及びA4)は、例示に過ぎない。
【0049】
端部除去工程(202)、例えばエッジトリミング工程から生じるLFTフレークは、先行技術では廃材と考えられ、例えば、先行技術の方法では焼却炉で焼かれるか、又は粉砕工程で粉砕されてダストとなる。本発明では、LFTフレークだけでなく、他の種類のTPC材料も、本発明による押出工程(205)のためのTPC供給材料として、熱可塑性樹脂材料と共に供給流の一部として使用し、LFT押出材料(押出成形品)を製造することができる。本発明の方法は一般に、更に好ましくは、押出工程(205)からのLFT押出材料をペレット化(206)してLFTペレットを得る工程を含む。これらのペレットは、任意に保管及び/又は輸送され、任意に、例えばLFT射出成形において更に使用され得る。
【0050】
各LFTペレットは、繊維と熱可塑性樹脂材料とを含む。LFTペレットは、例えば、LFT射出成形(207)に使用することができる。LFTペレットを作製するための比較用調製方法は、図示されるように、連続繊維と熱可塑性樹脂とを組み合わせて(208)連続ストランドを得る工程(組み合わせ工程は、例えばワイヤーコーティング又は引抜成形である)、及びストランドをサイズ調整(209)してLFTペレットにする更なる工程をベースとする。
【0051】
本発明の方法によって得られるLFTペレットは、LFT射出成形、押出、及び/又は圧縮成形に非常に適している。本発明の方法の、任意の更なる工程であるこのようなLFT射出成形工程(207)において、LFTペレットは加熱されて熱可塑性部分が溶融し、繊維含有溶融物が型に注入される。型は閉じられ、型内の材料は型内で固化して、熱可塑性ポリマーと繊維とを含む成形品である射出成形されたLFT部品が得られる。繊維は、望ましくは成形品内で比較的長い長さを有する。射出成形されたLFT部品は、例えば、自動車部品である。
【0052】
本発明の方法の、この好ましい実施形態において、通常のCFRT製造工程で、事実上廃材として得られるTPCフレーク及びTPCチップが、驚くべきことに、非常に有利に、高価値の製品にリサイクルされる。本発明の方法の本実施形態は、フレーク若しくはチップを焼却する、又はフレーク若しくはチップを粉砕してダストとし、ダストを低コストのフィラーとして使用する等の現在使用されている方法と比較して、非常に有利である。
【0053】
図2Cは、一体型押出/射出成形装置205Aを使用することができる実施形態を示している。このような装置は、可塑化ユニット及び成形ユニットの両方を備える。可塑化ユニットは、成形ユニットの上流に直接あり、バレル及び単軸スクリューと共に、複合供給物のための投入口を含有する。いくつかの実施形態において、1つのスクリューのみが使用されるが、これは、直列に2つのスクリューを有する装置よりも単純である。いくつかの実施形態において、1つの単軸スクリューバレルのみが使用されるが、これもまた、直列に2つのバレルを有する装置よりも単純である。実施例では、本発明の方法を用いたことで、1つのバレル及び1つのスクリューのみを有するこのような単純なユニットにおいてさえ、得られた材料の驚くほど良好な機械的特性が示された。
【0054】
図3は、本発明によるものではない、LFT物品を作製する比較用方法を模式的に示している。ここでは、熱可塑性樹脂及び連続乾燥繊維を、引抜成形又はワイヤーコーティング等のプロセス(305)で組み合わせてLFTストランドが得られ、このLFTストランドはサイズ調整(例えば、カット)(306)されてペレットとなる。ペレットは、LFT射出成形及び/又はLFT押出(307)、及び/又は圧縮成形に使用され得る。
【0055】
好ましい実施形態において、TPC供給材料は、フレーク、チップ、CFRT廃材流からの細断材料、又はそれらの組み合わせを含み、より好ましくは、全供給流の少なくとも90質量%又は少なくとも95質量%の量を占める。フレーク又はチップは、好ましくはTPC材料からなり、任意の適切な供給源から得られ得る。
【0056】
したがって、本発明は、一態様において、押出ストランド又はペレット等の長繊維熱可塑性樹脂(LFT)押出材料を作製する方法に関する。
【0057】
この好ましい方法において、熱可塑性樹脂供給材料は、好ましくは繊維を含有せず、特に好ましくは熱硬化性ポリマー若しくは非ポリマー繊維を含有せず、又はそのような繊維が、好ましくは熱可塑性樹脂供給材料に対して合計で5.0質量%未満、若しくは1.0質量%未満である。
【0058】
複合供給流は、好ましくは固体材料であり、ペレットの形態で押出機に投入される。熱可塑性樹脂供給材料は、例えばバージンポリマー、リサイクルポリマー、又はこれらの組み合わせであり得る非強化熱可塑性ポリマーを、好ましくは少なくとも80質量%含む。
【0059】
本明細書で論じられるように、TPC供給材料は、CFRT材料、又はCFRT物品若しくは部品の製造プロセスから、或いは使用済みCFRT物品又は部品から得られ得る。CFRT物品は、例えば、織られた、織られていない又は等方性CFRT物品である。TPC供給材料は、例えば、一般にLFT部品及び物品から得ることもできる。例えばLFT射出成形部品及び物品、並びに/又はLFT押出成形部品及び物品から、例えば使用済みLFT部品及び物品を細断することにより得ることもできる。TPC供給材料は、LFT部品及び物品を作製する方法からの製造廃材として得られ得る。
【0060】
TPC供給材料は、好ましくはLFT供給材料として、断片を含み、該断片が、個々に、例えば少なくとも一部が含浸された繊維からなり、該繊維は、一部又は全部が熱可塑性ポリマーで含浸されている。TPC供給材料は、乾燥繊維等の他の成分を含んでもよい。
【0061】
TPC供給材料は、例えば実質的に1種類の熱可塑性ポリマーのみを含み、例えばTPC供給材料の熱可塑性部分の少なくとも90質量%は、単一のポリマーである。好ましくは、TPC材料のポリマー又はポリマーブレンドは、熱可塑性樹脂供給材料に使用されるポリマー又はポリマーブレンドと同じポリマーである。
【0062】
TCP供給材料及び/又は熱可塑性樹脂供給材料に使用される熱可塑性ポリマーは、例えば、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリールエーテルケトン、及びポリエチレンイミンからなる群から選択されるポリマーである。
【0063】
本明細書で使用される用語「熱可塑性ポリマー」は、少なくとも、ある上昇した温度で柔軟又は成形可能になり、冷却すると固化するプラスチックポリマーを含む。
【0064】
本発明を限定するものではないが、いくつかの実施形態において、熱可塑性ポリマーは未架橋であり、硬化されていない。
【0065】
好ましくは、熱可塑性ポリマー供給物は、TPC供給材料の少なくとも80質量%に使用されるのと同じポリマー又はポリマーブレンドを、全熱可塑性ポリマー供給物を基準にして少なくとも80質量%含む。
【0066】
TPC供給材料は繊維を含み、繊維は、例えば、ガラス繊維、炭素繊維及び天然繊維からなる群から選択され、天然繊維は、例えば、麻、亜麻、ジュート及びセルロース繊維からなる群から選択される。TPC供給材料は、追加の繊維を含んでもよい。TPC供給材料は、例えば少なくとも10質量%の繊維、又は少なくとも20質量%の繊維、又は少なくとも30質量%の繊維、及び典型的には80質量%未満の繊維を含む。TPC供給材料は、例えば30~70質量%の繊維、又は例えば50~70質量%の繊維を含む。本方法は、押出システムで実施される押出工程を含む。押出システムは、中にスクリュー及び排出口開口部を有するバレルを備える押出機を備える。排出口開口部は、押出機の下流の最後にあるダイに設けられている。押出機は、スクリューの長さ方向に、排出口開口部に向かう押出方向を有する。押出機は、二軸スクリュー押出機ではなく、単軸スクリュー押出機である。したがって、バレルは、バレルの長さの中における各位置に1つ以下のスクリューを含有する。バレルは、本実施例で有利に使用されるように、例えば少なくとも150℃又は少なくとも200℃、例えば230~280℃の範囲の温度まで加熱される。例えば、押出はこれらの範囲の温度で行われる。
【0067】
スクリューは、押出機内に流路を設ける。流路は、スクリューのシャフト、フライトとバレルの内壁との間に設けられた開放空間である。バレルは、例えば円筒形の容器である。運転中、材料は、スクリューの回転作用により、流路を通って押出方向に送られる。
【0068】
押出機は、熱可塑性樹脂供給材料を押出機に供給するための第1の投入口開口部を備える。任意に、TPC供給材料も第1の投入口開口部を介して供給される。第1の投入口開口部は、熱可塑性樹脂供給材料、及び任意にTPC供給材料をスクリューに供給するための第1の開口部をバレルに備える。熱可塑性樹脂供給材料及びTPC供給材料の両方が第1の投入口開口部を介して供給される実施形態において、これらの供給材料は、好ましくは、熱可塑性樹脂供給材料とTPC供給材料との混合物を(典型的には各供給材料の粒子の混合物として)含む単一供給流(Z)として、第1の投入口開口部を通して供給される。
【0069】
本発明において、押出機はまた、典型的にはダイを含有する。それゆえ、ダイは、典型的には、スクリューと平行に、押出方向におけるスクリューの突出部(projection)に配置される。ダイは、典型的には、これらの投入口を含有するバレルに装着される、又は取り付けられる。
【0070】
本方法は、任意に、LFT押出材料、特にストランドをペレット化してLFTペレットにする工程を更に含む。好ましくは、LFTペレットは、LFT射出成形及び/又はLFT押出に適している。
【0071】
いくつかの実施形態において、実施例で例示されるように、一体型押出/射出成形装置を使用することができる。
【0072】
好ましくは、LFTペレットは、2~25mm、好ましくは6~15mmの範囲の長さを有する。このような長さのペレットは、LFT射出成形に特に適している。本発明の方法は、ペレットを形成するためのペレット化と、例えば射出成形におけるペレットの使用との間におけるLFTペレットの保管、パッケージ化及び/又は輸送を伴ってもよい。
【0073】
本発明は、更なる態様において、本方法で得られるLFT押出材料、特にLFTペレットに関する。本方法により、不連続長繊維を使用して、比較的長い繊維及び比較的高い繊維分率を有するLFT押出材料を製造することができる。
【0074】
好ましくは、材料、好ましくはLFTペレットにおいて、最初の繊維長(I)に対する繊維長D90の比率が少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%である。好ましくは、材料において、最初の繊維長(I)に対する繊維長D50の比率が少なくとも10%、少なくとも20%であり、より好ましくは、併せて、最初の繊維長(I)に対する繊維長D90の比率が少なくとも30%、少なくとも40%又は少なくとも50%である。好ましくは、材料は、少なくとも20質量%、又は少なくとも30質量%、又は少なくとも40質量%の繊維含有量を有し、好ましくは記載されたような比率と組み合わされている。好ましくは、繊維は、ガラス繊維、炭素繊維、又は天然繊維を含有する。
【0075】
ここで、D90は、度数分布での繊維長分布(ヒストグラム)において、全繊維の90%以下が含有される点を指す。例えば、D90が11mmの場合、
図7に示されるように、試料の90%が11mm以下のサイズであることを意味する。D50繊維長は、これに対応して、度数分布での繊維長分布(ヒストグラム)において、0mmを起点として、全繊維の50%以下が含有される点として算出される。D90(D50)は、カウントした全繊維の90%(50%)以下が含有される繊維長を指す。
【0076】
各繊維の繊維長は、例えば光学画像解析を使用して決定され得る。材料のD90値は、例えばLFT射出成形でLFT材料から製造されたLFT物品の(機械的)特性にとって重要である。
【0077】
最初の繊維長は、押出機に供給されるTCP材料の繊維長、好ましくは、押出機に供給されるTCP材料のD50繊維長値である。好ましい実施形態において、最初の繊維長は、押出機に供給されるTPC断片(例えばチップ若しくはフレーク、又はTPCペレット)の長さ(最大寸法)、すなわち、例えばフレークについては投入長さに等しいと解釈される。TPCペレットは、ペレットのサイズ以内の最大長さを有する繊維を有する熱可塑性樹脂ペレットを含む。
【0078】
例示的な実施形態において、最初の繊維長は、製造されたLFTペレットの長さに等しいと解釈される。したがって、いくつかの実施形態において、LFTペレットにおいて、ペレット長に対するD90の比率が少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%である。
【0079】
本発明はまた、例えば本発明の方法で得られる長さを有するLFTペレットを提供し、ここで、LFTペレットにおいて、ペレット長さに対するD90の比率は少なくとも30%、少なくとも40%、又は少なくとも50%であり、ペレット長は例えば10~20mm、例えば12~16mmの範囲である。好ましくは、ペレットは、方法に関連して記載されるような熱可塑性樹脂材料と繊維とを含む。好ましくは、ペレットは、少なくとも20質量%、又は少なくとも30質量%、又は少なくとも40質量%の繊維含有量を有する。
【0080】
本明細書で使用される動詞「含む(comprising)」は、言及されたもの以外の他の要素(構成要素、工程、特徴)が追加で存在する場合があることを示している。
【0081】
【0082】
図6Aは、顆粒(1)、フレーク/チップ(2)、ダイ(3)、冷却部(4)及びペレタイザー(5)を有する押出機の配置SF1の例を示している。
【0083】
図6Bは、顆粒(1)、フレーク/チップ(2)、ダイ(3)、冷却部(4)及びペレタイザー(5)を有する押出機の配置SF2の例を示している。顆粒及びフレーク/チップの投入口が、SF-1よりも比較的下流に配置されている。
【0084】
図7は、ヒストグラムからD90及びD50の値を算出した例を示している。
【実施例】
【0085】
ここで、本発明を以下の実施例によって説明するが、これは例示的なものに過ぎず、本発明又は特許請求の範囲を限定するものではない。
【0086】
(実施例1)
材料
約70質量%の連続ガラス繊維(GF)で強化されたポリプロピレン(PP)製マスタースプール(公称厚さ0.25mm、及び質量600mm)を調査のベースとして使用した。これらのスプールを切り離して12mm幅の等方性テープロールとした。次いで、ストランドではなくテープをカットするように変更されたペレタイザーを使用することによりこれらをサイズ縮小し、長さ5mm(繊維方向)、幅12mm(横方向)のフレークを製造した。メルトフローインデックスが異なるPPのバージンホモポリマーを溶融加工希釈のために使用し、2、50、80g/10min(230℃、2.16kgで測定-ISO 1133)という広い範囲のMFIを調査した。MFIはメルトフローインデックスを指す。
【0087】
参照用試料は、Sabic(登録商標)社から供給されたStamax(登録商標)40YM240(Ref. 1として機能)、及びCelanese(登録商標)社のCelstran(登録商標)PP-GF40-02(Ref. 2)であった。これらの材料はいずれも40質量%のGFを含有し、参照用試料として選択され、同じ条件での加工後に比較された。これらの材料はいずれも、長さ約11mmのサイズである長ガラス繊維強化グレードのペレットである。
【0088】
方法
PP/GF複合材料は、可塑化ユニットがバレルとスクリューの構成である(単軸スクリュー:スクリュー直径30mm、L/Dスクリュー長20.5)Engel Victory 50射出成形機において、溶融加工により調製した。押出又は溶融加工を、250℃、rpm13で行った。バレル及び型は、それぞれ250℃及び80℃に設定された。最終濃度が40質量%GFになるように、PP/GFフレーク及びバージンPPペレットを押出又は溶融混合してLFT押出材料とし、射出成型してISO 527規格引張試験片にした。試料は、それらの混合に使用したペレットのMFIを参照して、MFI-2、MFI-50、MFI-80とラベル付けした。
【0089】
引張試験及び曲げ試験を、Instron社製5966万能試験機で実施した。引張試験を、ISO 527規格に従い、クリップオン伸び計を使用して5mm/minで測定した。曲げ試験を、ISO 178規格に従い、クロスヘッド速度10mm/minで実施した。衝撃強度特性をアイゾット装置で測定し、試験前にノッチングカッターを使用して全ての試験片にノッチを付けた。ノッチ付きアイゾット衝撃試験を、ISO 180規格に従ってZwick/Roell社製衝撃試験機で実施した。全ての試験について、5回の測定の平均を求め、標準偏差を報告した。
【0090】
加工後のガラス繊維含有量を測定し、元の各テープロールの含有量と比較した。両種類の材料のGF含有量を、既知の量のフレーク、又は射出成形バーのPPマトリックスを600℃で60分間焼き尽くした後に得た。試験を少なくとも2回繰り返した。
【0091】
ポリマーを灰化後、残存GF長をIST-AGスキャナー及びソフトウェアを使用して測定した。ISO 9276-1/2の手順に従って測定を繰り返した。各配合物について、平均60,000~100,000本の繊維を測定した。
【0092】
結果
モルフォロジー特性評価
マスタースプールは、65~72質量%のGF繊維含有量を含有していた。比較及び均質性のために、1ロールのテープから得られたフレークを使用し、ガラス繊維含有量は69.5±0.1質量%と測定された。
【0093】
射出成形後、未試験のバーを特性評価し、ガラス繊維含有量及び長さを測定し、参照用材料と比較した(Table 1(表1)参照)。リサイクル材料のガラス繊維含有量の標準偏差は、参照用材料と比較すると、許容範囲内(<2%)ではあるものの、わずかに高かった。この差は、バーの製造に伴うプロセスの違いによって容易に説明することができる。リサイクルフレークを、加工前にPPペレットとドライブレンドしたが、連続製造された参照用材料は均質であり、入手したままで加工した。予想通り、加工後のGF長は著しく減少したが、いずれも1mm超であり、したがって、定義上のLFTである。成形された参照用LFTバーは、射出成形後に40質量%の繊維でより高い残存GF長を示した。得られた差は投入材料の最初のサイズによるもので、Table 1(表1)に記載されるように、リサイクル品の繊維の長さが5mmであるのに対し、参照用材料の繊維の長さは、2倍超、すなわち約11mmであった。フレーク及びMFI-50で調製したバーを灰化後に測定した粒度分布を
図4に示す。この図において、q1(左軸)は長さによる密度分布、Q1(右軸)は長さ(mm)による累積分布を示している。図からわかるように、繊維長の範囲はかなり広く、これは算出方法(すなわち、測地線長)に起因していると思われる。
【0094】
【0095】
機械的性能
図5は、リサイクル材料及び市販材料を全て同じ条件で加工し、曲げ試験及び衝撃試験を実施して得られた機械的性能を示している。リサイクル材料及びバージン材料の両方で測定された弾性率は、約9GPaである。弾性領域において、剛性は繊維含有量に大きく依存することが知られているが、繊維-マトリックス相互作用は大きな影響を与えないと予想される。リサイクル材料を使用して得られた高い標準偏差は、測定され及びTable 1(表1)に報告されたガラス繊維含有量の高い標準偏差に関係している可能性がある。この挙動は、参照用ペレットと比較してドライブレンドの供給が均質でないことに関連していると思われる。
【0096】
試料Ref. 2の含浸配向ペレットを使用すると、リサイクル材料及び他の参照用材料(約200MPa)と比較して、曲げ強度がわずかに高く(約215MPa)なり、変形に対する耐性がより高いことを意味している。これは、加工後の残存GFが長いこと、及び引抜繊維の適切な埋め込みによりPPとガラス繊維との結合が良好であることの両方に関係している可能性がある。異なるMFIで加工されたリサイクル材料については、低粘度PP:MFI-50の使用により、曲げ強度が最適になるようである。MFI-2を使用すると材料強度が低下したが、これはこの粘性相の不適切な混合、又は射出成形バー内の残留応力に関係している可能性がある。衝撃強度の値は、繊維含有量、繊維長、繊維/マトリックス相互作用等、多くのパラメータに関係している。全てのリサイクル材料及び試料Ref. 1は同じ範囲にある一方、試料Ref. 2がわずかに高い値を示した。これは材料Ref. 2のガラス繊維が最も長いことに関係している可能性がある。全ての材料は、約20kJ/m2の衝撃強度を示している。MFIは、この結果に大きな影響を与えない。
【0097】
この実施例1では、テープ廃材及び市販のLFTペレットで作製された射出成形バーの性能を比較している。高濃度でガラス繊維を含有するテープを、メルトフローインデックスの異なるバージンPPで希釈し、最終的なGF含有量が40質量%になるようにした。メルトフローインデックスは曲げ強度に大きな影響を与え、弾性率及び衝撃強度にはわずかに影響を与えた。この結果は、測定された各材料の繊維含有量及び繊維サイズと相関があった。これにより、LFT材料の製造に複合材料廃材を使用することの高い潜在力が明確に示されている。リサイクル材料では、市販の参照用試料と比較して、競争力のある機械的特性が得られている。
【0098】
(実施例2)
ガラス繊維(GF)又は炭素繊維(CF)含有テープ及び他の熱可塑性樹脂複合(TPC)供給材料と、
図6Aに例示される押出機の配置SF1、又は
図6Bに例示される代替的な押出機の配置SF2(試料#7)を使用して、Table 2(表2)に示すように、ペレットを製造するための様々な試料について押出方法を試験した。ノズル直径とは、ダイ直径を指す。投入長さは、押出機に供給されるチップ/フレークの長さを指す。
【0099】
供給される熱可塑性樹脂顆粒は、テープ/TPC材料に使用されるのと同じ種類の熱可塑性ポリマー(PP又はPA6)であった。
【0100】
製品中の繊維長は、繊維の50%が有する最大長さ(D50)、又は繊維の90%が有する最大長さ(D90)として、頻度によるパーセンテージ(繊維形状長さ分布ヒストグラム;ヒストグラムは例えば
図4参照)で表される。すなわち、繊維の90%又は50%がそれより短い長さを有する。
【0101】
繊維長は、ペレットを焼き、並びにFibreshape(商標)ソフトウェア及びFibreShape Mスキャナーを使用した光学画像解析によって決定された。テープ出発原料は、テープ方向に整列した連続繊維を含有する。テープをカットしてフレークにすると、フレーク長に等しい最初の繊維長が得られる。フレーク長は、投入長さである。これとは対照的に、繊維マット、積層体、又は織られた部品等のTPC出発原料をカットすると、最初の繊維長の幅が広くなる。
【0102】
投入長さ(I)に対するD50又はD90の比率が記載されているTable 2A(表3)が示すように、繊維長の良好な保持(摩耗が少ない)が達成された。様々な出発原料を使用した参照用押出機プロセスでは、D90/I比率は典型的に17%~32%であった。
【0103】
【0104】
【0105】
(実施例3)
実施例1に加えて、押出方法を、様々な試料(実施例1に記載)、直接射出成形(一体型射出成形装置、配置SFd)、及び示されるMFIで試験した。結果をTable 3(表4)に示す。繊維長測定は実施例2と同じである。
【0106】
【符号の説明】
【0107】
1 押出システム
2 押出機
3 バレル
4 単軸スクリュー
5 排出口開口部
6 投入口開口部
8 流路
11 シャフト
12 フライト
15 ダイ
16 供給装置
18 ミキサー
A 熱可塑性樹脂供給材料
B TPC供給材料
C 混合材料
D LFT押出材料
ED 押出方向
Z 混合流
【国際調査報告】