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特表2023-546271高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法
(51)【国際特許分類】
   B22F 7/08 20060101AFI20231025BHJP
   H01G 4/30 20060101ALI20231025BHJP
   C22C 5/06 20060101ALI20231025BHJP
   B22F 1/05 20220101ALI20231025BHJP
   B22F 1/00 20220101ALI20231025BHJP
   B22F 1/17 20220101ALI20231025BHJP
【FI】
B22F7/08 C
H01G4/30 516
H01G4/30 201D
H01G4/30 201G
C22C5/06 Z
B22F1/05
B22F1/00 N
B22F1/17
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547729
(86)(22)【出願日】2021-05-24
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 CN2021095427
(87)【国際公開番号】W WO2022246589
(87)【国際公開日】2022-12-01
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523141482
【氏名又は名称】成電智慧材料股▲フン▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Chengdian Intelligent Materials Corp.
【住所又は居所原語表記】3F No. 439 Sung-Shan Road, Taipei, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(72)【発明者】
【氏名】李文熙
【テーマコード(参考)】
4K018
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
4K018AA14
4K018BA08
4K018BB04
4K018BC22
4K018BD04
4K018JA36
4K018KA32
5E001AB03
5E001AC09
5E001AD04
5E001AF06
5E001AJ01
5E082AB03
5E082EE05
5E082EE24
5E082GG10
5E082GG11
(57)【要約】
【課題】本発明は、高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法を提供する。
【解決手段】二種類の新規材料方法は、厚膜アルミニウム電極の導電性を改善でき、厚膜印刷の銀電極や還元雰囲気の元での燒結での銅電極の導電性に相当させ、また、その新材料で新形態の積層セラミックス素子の電極端子を製作できる。当該材料には、化学酸化還元によって、厚膜アルミニウム電極を高導電性の厚膜金属や合金電極に置換したものが含まれ、また、化学的や物理的に薄膜をアルミニウム粒子の表面に覆って核シェルが形成されて、焼結加熱によって積層金属とアルミニウム合金が生成され、そして、当該合金を液化し密集的に蓄積したアルミニウム粒子を連結して超高導電性の厚膜印刷アルミニウム電極になる。新規の電極形態により、積層セラミックス素子の電極端子に応用でき、浸漬鍍金と高温焼成による5辺電極端子を、印刷や湿式鍍金或いは化学鍍金によって製作される低温の2~3辺電極端子に切り替える。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアルミニウム粒子の表面において、化学或いは物理方式によって、薄い金属膜を積層して、アルミニウムの核とシェルの金属組織が形成され、焼結加熱によって、当該金属シェルと、当該アルミニウム核の外部に、アルミニウムシェル金属合金が形成されから、アルミニウムシェル金属合金融解点の燒結温度である300~660℃になるように加熱し、当該アルミニウムシェル金属合金を液化して、周囲において、密集配列に蓄積されたアルミニウム粒子が連結され、高導電性厚膜アルミニウム電極の高導電性厚膜アルミニウムペーストが製作される、ことを特徴とする高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項2】
当該積層された薄い金属膜は、銀の薄い金属膜であり、当該アルミニウムシェル金属合金は、アルミニウム銀合金である、ことを特徴とする、請求項1に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項3】
当該アルミニウム粒子は、粒径が5μmと2μmで、もっとも、密集的に蓄積されるように配列される、ことを特徴とする、請求項1に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項4】
当該高導電性厚膜アルミニウムペーストは、安全キャパシタやGPSアンテナ、サーミスタ、バリスター或いは、表面を電極として応用できる全ての素子に印刷できる、ことを特徴とする、請求項1に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項5】
当該高導電性厚膜アルミニウム電極は、皿状セラミックス素子や金属プレート及びガラス基板、または、低温同時焼成セラミックスの内部電極に適用される、ことを特徴とする、請求項1に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項6】
高酸化電位の厚膜アルミニウム層を厚膜印刷してから、低酸化電位の金属溶液に沈み、溶液温度と浸し時間を制御することにより、化学酸化還元置換反応を進行させて、低酸化電位の厚膜金属層になる、ことを特徴とする、高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項7】
当該金属溶液は、硫酸銅や硫酸ニッケル、硫酸マンガン(II)、硫酸クロム、ケイ素化合物或いはその組み合わせである、ことを特徴とする、請求項6に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項8】
当該厚膜金属層は、厚膜銅層や厚膜ニッケル層、厚膜銅ニッケル合金層、厚膜銅・マンガン・ニッケル合金層或いは、厚膜NiCrSi合金層である、ことを特徴とする、請求項6に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項9】
当該厚膜金属層は、大気の元で、高導電性の銅電極或いは銅ダイボンディング電極に燒結される、ことを特徴とする、請求項6に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項10】
当該銅電極は、低温熱処理から高温燒結までのプラスチックソフトボードやガラス基板、ソーラーシリコン基板とセラミックス基板の製作及び、積層セラミックスコンデンサーの新形態電極端子の製作に、応用され、また、当該プラスチックソフトボードの処理温度が、低温の70~200℃で、当該ガラス基板の処理温度が、中温の500~600℃であり、当該ソーラーシリコン基板の処理温度が、中温の500~600℃でありながら、当該セラミックス基板の処理温度が、850~1000℃の高温である、ことを特徴とする、請求項9に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項11】
当該積層セラミックスコンデンサーの新形態電極端子は、銅やニッケルを利用して、置換めっきで、積層セラミックスコンデンサーの銅やニッケルの側電極を製作し、当該積層セラミックスコンデンサーの低温側電極工程と、内部電極の上下電極端子の印刷製作とにより、積層セラミックスコンデンサーの2辺或いは3辺の新形態電極端子が、製作される、ことを特徴とする、請求項10に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【請求項12】
当該積層セラミックスコンデンサーの側電極は、化学鍍金や金めっき及びスパッタリングを利用して、積層セラミックスコンデンサーの銅やニッケルの側電極を製作する、ことを特徴とする、請求項11に記載されの高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高導電性針金や合金及び、新形態積層セラミックス素子電極端子の製作方法に関し、特に、厚膜アルミニウム電極の導電性が、厚膜印刷の銀電極や還元雰囲気のもとで燒結された銅電極の導電性に相当する高導電性針金や合金に関し、更特に、化学酸化還元置換によって、厚膜アルミニウム電極(置換金属を含む)を、高導電性の厚膜銅電極或いは、例えば、ニッケルや合金の他の金属に置換するものに関し、また、化学置換処理を必要しなくて、アルミニウム(置換金属を含む)電極を厚膜印刷して燒結することだけで、大気の元で、燒結された印刷銀電極や還元雰囲気のもとで、燒結された銅電極の導電性に相当する高導電性針金や、例えば、ニッケルや合金の他の金属を関する。当該材料の新規技術は、新規電極に応用でき、既存の受動素子の積層セラミックス素子の浸漬鍍金や高温焼成による5辺電極端子の代わりに、印刷や湿式鍍金或いは化学鍍金によって製作される低温2~3辺電極端子を適用できる。
【背景技術】
【0002】
市場において、既存の金属化技術の材料の主流が、厚膜印刷銀電極であり、その工程によれば、大気の元で燒結できるが、金属銀が貴金属であるため、材料コストが非常に高い。また、その代わりとして、厚膜印刷銅電極を利用でき、低コストの銅材料であるが、金属銅は、高温の下で燒結する場合、容易に酸化するため、還元雰囲気の元で、窒素保護によって銅電極の酸化を避けることができるが、工程コストが高くなる。また、200℃より低い超低温燒結を行う場合、ナノの銀粉で、ナノ銀ペーストを作製することにより、密集的な高導電性銀電極が得られるが、ナノ銀粉の価額が、既存の銀粉の価額の十倍になる。このように、厚膜印刷銀ペーストやナノ銀ペーストは、ともに、貴金属材料であるため、コストが非常に高くて、また、このような卑金属導電厚膜や合金厚膜印刷導体ペーストは、高温や格別な還元雰囲気の元で処理されて製作されるため、製作コストが大幅に高くなり、市場の競争に不利であり、例えば、厚膜印刷銅ペーストは、窒素の還元雰囲気の元で燒結されることにより、酸化しないため、工程コストが高価になる。
【0003】
厚膜印刷アルミニウム電極は、低工程コストの大気の元で燒結でき、原材料も、非常に安いが、厚膜金属アルミニウム粉粒子の表面に、一層の薄い酸化アルミニウム膜が存在するため、燒結する時、厚膜印刷アルミニウム電極の金属アルミニウム粉が、密集化に収縮できず、また、酸化アルミニウム層の存在することによって、アルミニウム粒子の接触を妨げるから、厚膜アルミニウム電極の導電性が、遥かに、一般の厚膜銀電極や銅電極よりも低くなり、その導電性は、厚膜印刷の大気の元での燒結の銀電極や還元雰囲気の元での燒結の銅電極の1/500乃至1/1000になり、既存の厚膜導体市場のソーラー電池において、反射でき、大面積を有だけとして、利用される。
【0004】
また、電極形態について、下記表1を参照すると、既存の受動素子の電極端子の製作技術は、主として、二種類があり、その一種類は、5辺電極端子技術であり、その構成は、図17aのようであり、内部電極1が、セラミックス体2内に堆積されて、両端が、電極端子3になり、主な工程は、図18のようであり、浸漬鍍金工程で、一体成形させ、更に、高温熱処理を行い、銅やニッケルの導体ペーストの場合は、酸化を避けるために、還元雰囲気の元で、熱処理工程を行い、その他の一種類は、3辺電極端子技術であり、その構成は、図17bのようであり、主な工程は、スクリーン印刷を利用して、表面側電極4と裏面側電極5を製作し、焼成してから、スパッタリングを利用して、側面電極6を製作する。成形された電極端子の外観形態は、一種類目の5辺は、浸漬鍍金によって一体成形された電極端子が、容易に月辺形態になり、図19aのようであり、二種類目の3辺は、印刷とスパッタリングによって成形された電極端子が、月辺無しの方正形態であり、図19bのようである。
【0005】
【表1】
【0006】
既存の積層セラミックスコンデンサー技術は、薄い誘電体層や多層数内部電極を利用する高容量の方向へ發展し、多層セラミックスと内部電極とを同時に利用する場合、金属電極とセラミック成形体の收縮がマッチしないから、容易に内部応力が発生し、電極端子の高温焼成を行う時、その内部応力から、エネルギーを釈放するため、容易に、素子の割れ目が生成し、そのため、電極端子の焼成温度は、できるだけ、より低い方がよく、また、積層セラミックスコンデンサーの素子サイズも、より小さくなり、そして、電極端子の製作も、より方正の形態とより精密なものを要求する。
【0007】
上記の背景技術の各々の問題を解決するため、厚膜印刷アルミニウム電極の導電性を改善でき、厚膜印刷によって、大気の元で燒結された銀電極や還元雰囲気の元で燒結された銅電極の導電性に相当させ、そして、新規材料を結合して、チップ抵抗の3辺電極端子に類似する技術を利用し、セラミックコンデンサを積層製作する発明が必要になる。
【0008】
本発明者は、上記欠点を解消するため、慎重に研究し、また、学理を活用して、有効に上記欠点を解消でき、設計が合理である本発明を提案する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、背景技術の諸問題を解消するため、高導電性針金や合金と新形態電極端子の製作方法をとして、厚膜アルミニウム電極の導電性を改善して、厚膜印刷の銀電極や還元雰囲気の元で燒結された銅電極の導電性に相当させる、二種類の新規方法を提案する。
【0010】
本発明の他の目的は、化学置換処理を必要しなくて、厚膜印刷のアルミニウム電極の燒結により、大気の元で燒結されて印刷された銀電極や還元雰囲気の元で燒結された銅電極の導電性に相当する高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法を提案する。上記の目的を達成するために、本発明に係る、高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法は、複数のアルミニウム粒子の表面に、化学や物理方式によって一層の薄い金属膜が積層されて、アルミニウムの核とシェルの金属組織が形成され、そして、焼結加熱により、当該金属シェルと当該アルミニウム核の外部に、アルミニウムシェル金属合金が形成され、それから、当該アルミニウムシェル金属合金の融解点より高い燒結温度である300~660℃に加熱することにより、当該アルミニウムシェル金属合金が液化されて周囲に密集的に蓄積配列されたアルミニウム粒子が連結されて、化学置換処理を必要しなくて、高導電性の厚膜アルミニウム電極を製作できる、高導電性厚膜アルミニウムペーストが得られる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施例によれば、当該積層された薄い金属膜は、薄い銀膜であり、当該アルミニウムシェル金属合金は、アルミニウム銀合金(Ag2Al)である。
【0012】
本発明の実施例によれば、当該らのアルミニウム粒子は、粒径が5μmと2μmで、もっとも、密集的に蓄積されるように配列される。
【0013】
本発明の実施例によれば、当該高導電性厚膜アルミニウムペーストは、例えば、安全キャパシタやGPSアンテナ、サーミスタ(NTC、PTC)、バリスター或いは、表面を電極として応用できる全ての素子等の、各種類の皿状や塊状のセラミックス素子の表面電極として印刷できる。
【0014】
本発明の実施例によれば、当該高導電性厚膜アルミニウム電極は、皿状セラミックス素子や金属プレート及びガラス基板、または、低温同時焼成セラミックスの内部電極に適用される。
【0015】
本発明の更に他の目的は、厚膜印刷と金めっき沈積技術とを統合して、大気の元での厚膜印刷と燒結を、そして、金属酸化還元の沈積技術を利用して、卑金属導電厚膜や合金厚膜の高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法を提案する。
【0016】
上記の目的を達成するため、本発明は、高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法を提案し、当該方法は、高酸化電位の厚膜アルミニウム層(置換金属を含む)を厚膜印刷した後、低酸化電位の金属溶液に入れ込んで、溶液温度と浸し時間を制御しながら、化学酸化還元置換反応を行わせて、低酸化電位の厚膜金属層になる。
【0017】
本発明の実施例によれば、当該金属溶液は、硫酸銅や硫酸ニッケル、硫酸マンガン(II)、硫酸クロム、ケイ素化合物或いはその組み合わせである。
【0018】
本発明の実施例によれば、当該厚膜金属層は、厚膜銅層や厚膜ニッケル層、厚膜銅ニッケル合金層、厚膜銅・マンガン・ニッケル合金層或いは、厚膜NiCrSi合金層である。
【0019】
本発明の実施例によれば、当該厚膜金属層は、大気の元で、高導電性の銅電極或いは銅ダイボンディング電極に燒結される。
【0020】
本発明の実施例によれば、当該銅電極は、低温熱処理から高温燒結までのプラスチックソフトボードやガラス基板、ソーラーシリコン基板とセラミックス基板の製作及び、積層セラミックスコンデンサーの新形態電極端子の製作に、応用され、また、当該プラスチックソフトボードの処理温度が、低温の70~200℃で、当該ガラス基板の処理温度が、中温の500~600℃であり、当該ソーラーシリコン基板の処理温度が、中温の500~600℃でありながら、当該セラミックス基板の処理温度が、850~1000℃の高温である。
【0021】
本発明の実施例によれば、当該積層セラミックスコンデンサーの新形態電極端子は、銅やニッケルを利用して、置換めっきで、積層セラミックスコンデンサーの銅やニッケルの側電極を製作し、当該積層セラミックスコンデンサーの低温側電極工程と、内部電極の上下電極端子の印刷製作とにより、積層セラミックスコンデンサーの2辺或いは3辺の新形態電極端子が、製作される。
【0022】
本発明の実施例によれば、当該積層セラミックスコンデンサーの側電極は、化学鍍金や金めっき及びスパッタリングを利用して、積層セラミックスコンデンサーの銅やニッケルの側電極を製作する。
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明の特徴や技術内容について、詳しく説明するが、それらの図面等は、参考や説明のためであり、本発明は、それによって制限されることが無い。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1-図16cを参照しながら、それぞれは、本発明に係る酸化還元反応の銅粒子がアルミニウム粒子を置換する時と、銅厚膜がアルミニウム厚膜を置換する時との概念図と本発明に係る金属の酸化還元反応を利用して置換する時の概念図、本発明に係る高導電性銅電極を異なる基板の表面と裏面に応用される時の概念図、本発明に係る異なるサイズのアルミニウム粒子を密集的に蓄積配列して、厚膜アルミニウム電極になる時の概念図、本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子と、既存の積層セラミックスコンデンサーの5辺電極端子の構成比較概念図、本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子に側辺の内部電極を増設する時の密度の概念図、本発明に係る積層セラミックスのインダクタの2~3辺電極端子に側辺の内部電極を増設する時の密度の概念図、本発明に係る低温セラミックス同時焼成のLTCCフィルターの2~3辺電極端子に側辺の内部電極を増設する時の密度の概念図、本発明に係る、両面ソーラーの裏アルミニウム電極を高導電性銅電極に変換する時の概念図、本発明に係る、両面ソーラーの裏アルミニウム電極を高導電性銅電極に変換して、ソーラー電池の光電変換効率が向上される時の概念図、本発明に係る、低温銅ダイボンディングと既存のナノ銀ダイボンディングの接着試験結果の概念図、本発明に係る、積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子の製作流れの概念図、本発明に係る、低温アルミニウムペーストで積層セラミックス素子の電極端子を製作する時の概念図、本発明に係る、積層セラミックス素子の電極端子が硫酸銅溶液に浸されて銅電極端子に置換される時の概念図、本発明に係る、積層セラミックスコンデンサー側面電極を利用して金めっき(化学鍍金)を行う時の製作概念図、本発明に係る積層セラミックスコンデンサーは、側辺に密集したニッケル内部電極を利用して、湿式化学処理によってニッケル側電極をリードアウトする時の構成概念図、本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子の概念図、本発明に係る、厚膜印刷の銀クラッドアルミニウム金属ぺ一ストが、異なる温度において燒結される時の導電性の概念図、本発明は、燒結温度の向上とともに、Ag2Alを生成する時のXRD図及び、本発明に係る銀クラッドアルミニウム金属ぺ一ストは、異なる温度において燒結される時のミクロ構造の SEM 図である。図のように、本発明は、高導電性針金や合金及び、新形態電極端子の製作方法に関し、当該高導電性針金や合金が、フレックスボードRFIDアンテナやPCBダイボンディング、ソーラー電池、セラミックス素子の電極端子、LED放熱基板及び、ガラス基板に応用でき、厚膜アルミニウム電極の導電性を改善して、厚膜印刷の銀電極や還元雰囲気の元で燒結された銅電極の導電性に相当させる、二種類の新規方法を提案する。
【0025】
一種類目の新規方法は、厚膜アルミニウム電極(置換金属を含む)を高導電性の厚膜銅電極に化学置換する。この新規方法は、厚膜印刷と金めっき沈積技術を統合して、大気の元での厚膜印刷と燒結を、そして、金属酸化還元の沈積技術を利用して、卑金属導電厚膜や合金厚膜を製作する。
【0026】
上記の新規方法は、金属の酸化還元反応を、置換に応用し、図1図2のようにである。図1aにおいて、高酸化電位の単一アルミニウム粒子11を低酸化電位の金属溶液12に浸して酸化還元置換反応を行わせ、本実施例によれば、アルミニウム粒子11を銅粒子13に置換させる。同じように、図1bにおいて、一層の燒結の後に印刷された高酸化電位の厚膜アルミニウム層21(置換金属を含む)が、低酸化電位の金属溶液22に浸されれば、所定の浸し時間を経過すると、酸化還元置換反応によって、低酸化電位の厚膜金属層になり、本実施例によれば、厚膜アルミニウム層21を厚膜銅層23に置換する。
【0027】
アルミニウム金属粉が、比較的に安いだけでなく、酸化電位が高いため、フッ化水素酸で表面前処理すると、犠牲層として利用できる。図2のように、この厚膜金属アルミニウム層21は、非常に高い酸化電位を有し、例えば、硫酸銅や硫酸ニッケル、硫酸マンガン(II)、硫酸クロム及び、ケイ素化合物等の多い低酸化電位の金属溶液22を利用して、厚膜アルミニウム層21を厚膜銅層23や厚膜ニッケル層24に、そして、厚膜銅ニッケル合金層25や銅・マンガン・ニッケル或いは、NiCrSi合金層に置換できる。
【0028】
図3のように、本新規方法を利用して、還元雰囲気の元での燒結を必要しなくて、図の左から右へ、それぞれ、セラミックスやPET膜(厚切り)、PET 膜(薄片)、ガラス基板及びアルミニウム合金シャシーの異なる基板に、高導電性銅針金を製作でき、その中、上の列の図が基板の表面で、下の列の図が、基板の裏面である。
【0029】
二種類目の新規方法は、アルミニウム粉前処理の高導電性厚膜アルミニウム電極である。厚膜アルミニウム電極の導電性を改善するため、この新規方法は、複数の異なる粒径を有するアルミニウム粒子31の表面に、化学や物理方式によって、一層の薄い金属膜32を積層して、核(アルミニウム)シェル(金属)の構成が形成され、また、焼結加熱により、当該金属シェルと当該アルミニウム核の外部にアルミニウムシェル金属合金33を形成してから、アルミニウムシェル金属合金融解点である燒結温度の300~660℃に加熱させ、当該アルミニウムシェル金属合金を液化することにより、周囲において、密集的にアルミニウム粒子31を蓄積配列して、厚膜アルミニウム電極全体の導電性を向上させ、図4のように、厚膜アルミニウム電極の最高導電性を得るため、粒径が5μm と2μmのアルミニウム粒子 31を積層することにより、厚膜アルミニウム電極の密集的な蓄積配列が実現され、これにより、前記積層された金属膜32によって金属膜アルミニウムの合金が形成されて、各々の金属アルミニウム粉が液化されて連結されることにより、厚膜アルミニウム電極の導電性が、市場主流の厚膜銀電極や銅電極導電性に相当する。
【0030】
本発明は、上記新規高導電材料を利用して、新形態応用でありながら、新規積層セラミックス素子の電極端子を製作でき、これにより、既存の浸漬鍍金と高温焼成を利用する5辺形電極端子形態を、印刷と金めっき或いは化学鍍金沈積で、2辺や3辺形電極端子に変換できる。
【0031】
本発明に係る新規積層セラミックスコンデンサー(Multi-layer ceramic capacitors,MLCC)電極端子技術と既存の積層セラミックスコンデンサーの電極端子技術とは、構成や工程、材料及び特徴を比較すると、表2と図5のようであり、その中、図5aは、本発明に係る新規積層セラミックスコンデンサーの電極端子(チップ抵抗の電極端子に類似する)技術で製作する積層セラミックスコンデンサーの電極端子であり、図5bは、既存の積層セラミックスコンデンサーの電極端子技術で製作した積層セラミックスコンデンサーの電極端子である。当該表2によって説明されるように、新規技術によって、既存の積層セラミックスコンデンサーの5辺の電極端子形態を、既存のチップ抵抗の3辺の電極端子形態に切り替え、また、電極端子の形態の変更に伴って、工程方法や使用材料も、変更することを説明する。
【0032】
【表2】
【0033】
上記の比較から分かるように、工程において、元の浸漬鍍金の一体成形と焼成熱処理から、表裏面電極印刷とセラミック成形体の同時焼成に変更し、そして、低温金めっきと化学鍍金或いはスパッタリング工程で側辺の第三電極端子を製作する。
【0034】
この積層セラミックスコンデンサーの新規2~3辺電極端子技術は、既存の5辺電極端子技術と比較すると、少なくとも、四つのアドバンテージがあり、
1.浸漬鍍金工程の代わりに、印刷工程を利用して、月辺なしの方正の電極端子形態を製作することにより、電極端子形態の品質問題を改善でき、特に、小さいサイズの積層セラミックスコンデンサーの場合である。
2.超低温工程<100℃で、内部応力を低減できるため、電極端子の、高温還元雰囲気の元の熱処理による割れの品質問題を改善でき、また、新規電極端子の密集と薄層によっては、既存のガラスを含む銅ペーストを浸漬鍍金して、銅電極端子を高温燒結する時の品質問題を改善できる。
3.既存の積層セラミックスコンデンサーの浸漬鍍金工程と還元雰囲気での電極端子の高温焼成工程を省略でき、大幅に工程コストを低減できる。
4.厚膜銅導体ペーストの代わりに、銅やニッケル化学溶液を利用でき、大幅に、材料コストを低減できる。
【0035】
また、この新規2~3辺電極端子を、例えば、積層セラミックスコンデンサー(図6a図6b のように)の積層セラミックス素子や積層セラミックスのインダクタ(図7a図7bのように)及び低温セラミックスの同時焼成のLTCCフィルター(図8a図8bのように)等に応用でき、内層電極をスクリーン印刷する時、素子の両端に2~3辺の電極端子の側辺電極のシード電極を製作でき、側辺電極の電極密度(図6b図7b及び図8bのように)を増大して、後工程の金めっきや化学鍍金で2~3辺電極端子の側辺電極を製作することに有利である。
【0036】
以下は、実施例を挙げて、本発明を詳しく説明するが、本発明は、これによって制限されない。
【0037】
実施形態一:ソーラー電池
図9aは、ソーラー電極の裏アルミニウム電極であり、本発明に係る新規工程により、両面ソーラーの元の裏アルミニウム電極を、高導電性の銅電極に変換でき、電極の導電性が増加するため、ソーラー電池の光電変換効率も向上され、図9Bには、両面ソーラーモジュールの最も良い状態と最も良い状態の前表面と後表面の情報が示される。
同じ製作方法を利用して、ソーラー電池の既存の銀表電極の代わりに、高導電性のアルミニウム表電極を印刷製作でき、そして、当該アルミニウム表電極を硫酸銅溶液に浸して、高導電性の銅表電極に変換でき、上記のように、既存の太陽エネルギーの銀表電極として、本発明に係る新規の大気燒結の銅表電極を利用できる。
【0038】
実施形態二:ダイボンディング
既存のダイボンド用接着フィルムは、スズ鉛を主な材料としているが、環境問題だけでなく、ハイパワーダイボンディングに応用される時、熱伝導度不足も課題になるため、既存の産業において、既存のスズ鉛ダイボンディングペーストの代わりに、低温燒結できるナノ銀を利用するが、ダイボンディングペーストとして利用されるナノ銀が高価であり、本発明に係る新規工程によれば、大気の元での低温燒結の高導電性ダイボンディング銅でアルミニウムペースト(硫酸銅結晶を含む)を置換してなる低温銅ダイボンディングは、市場に利用されている既存のナノダイボンディング銀ペースト(Heraeus)と比較すると、コストが遥かに低い銅電極を製作でき、また、特性を比較すれば、図10aと表3 のように、本新規工程に係る低温銅ダイボンディングの特性(例えば、粘着力や導熱性及び導電性)の実験値は、ともに、既存のナノ銀ダイボンディングに相当し、図10bは、図10aの当該低温銅ダイボンディング(銅でアルミニウムを置換するもの)のミクロ構造であり、表4のように、本発明に係る低温銅ダイボンディング(銅でアルミニウムを置換するもの)の粘着力が、既存のナノ銀ダイボンディング(Heraeus)の粘着力に相当する。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】
実施形態三:RFIDアンテナ
既存の、無線周波数識別(radio frequency identification, RFID)アンテナを製作する時、約10μm アルミ箔や銅はくにポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate, PET)膜上を粘着して、複雑な印刷やベーキング、露光、現像及びエッチング等の引き算工程を経て、RFIDアンテナを製作し、他の方法は、本発明に係る新規工程と材料を利用して、厚膜アルミニウムペースト(硫酸銅結晶を含む)を印刷し、また、ベーキングしてから、硫酸銅溶液において、30分の化学置換を行うことにより、高導電性の RFID 銅アンテナ(その中、浸し時間を制御しながら、0minのアルミニウムと5minの少し銅、10minの部分銅及び20minの銅を形成するような化学置換処理を行う)になり、この工程は、足し算工程であるため、材料の無駄を低減でき、また、工程設備が簡単であり、アンテナ特性のリターンロスは、表5を参照しながら、エッチングRFIDアルミニウムアンテナの-14.707dBより優れた-24.248dBである。
【0042】
【表5】
【0043】
実施形態四:安全キャパシタに応用される前処理銀積層の高導電アルミニウム電極
図11図18を参照しながら、本発明によって製作された2~3辺電極端子の積層セラミックスコンデンサーの工程と、既存の5辺電極端子の積層セラミックスコンデンサーの工程の流れを比較すると、本発明に係る新規の2~3辺電極端子の積層セラミックスコンデンサーは、元のニッケル電極を印刷と燒結する工程の時、同時に、表裏面のニッケル電極端子を印刷燒結し、また、元の金めっき工程の代わりに、金めっきや化学鍍金を利用して、側面電極を製作することにより、新規の積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子が形成され、この新規工程は、元の5辺電極端子の積層セラミックスコンデンサーより、元の電極端子を製作するための銅ペーストを浸漬鍍金する工程と、還元雰囲気(窒素)の元で、銅電極端子を高温焼成する工程10との二つの工程が、低減される。2~3辺の電極端子の積層セラミックスコンデンサーの電極端子工程は、内部電極をスクリ-ン印刷する工程において、表裏面電極の両辺を製作してから、アルミニウム電極で銅側電極を置換するか、電極端子を金めっきや化学鍍金する工程で、もう1辺の側辺電極を製作する。
【0044】
(a)アルミニウム電極で、側辺の銅電極端子を置換めっき
先ず、低温アルミニウムペーストの浸漬鍍金とベーキングによって、積層セラミックス素子のアルミニウム電極端子を製作し、図12a のように、それから、当該アルミニウム電極端子を硫酸銅溶液に浸して、当該アルミニウム電極端子が、銅電極端子に置換され、図12bのようである。
【0045】
(b)直接に側辺の銅やニッケル電極端子を金めっきや化学鍍金
金めっき技術を利用して、積層セラミックスコンデンサーを硫酸銅や硫酸ニッケル溶液の陰極に浸して、図13のように、陽極のニッケル金属や銅金属を酸化させて銅イオンやニッケルイオンを生成する。積層セラミックスコンデンサーの側辺電極の密度が陰極より高いため、銅イオンやニッケルイオンが、積層セラミックスコンデンサーの側辺電極に還元されて、側辺の銅電極や側辺のニッケル電極が形成され、図14は、積層セラミックスコンデンサーが、側辺に密集するニッケル内部電極を利用して、湿式化学処理(金めっきや一般化学鍍金或いは置換めっき)でニッケル側電極をリードアウトする時の構成概念図であり、同時に、新規の積層セラミックス素子の3辺ニッケル電極端子は、概念図15のように、内部ニッケル電極を印刷する同時に、上下辺のニッケル電極端子を製作しから、側辺に密集するニッケル内部電極を利用して、湿式化学処理(金めっきや一般化学鍍金及び置換めっき)で、3辺ニッケル電極端子を製作する。
【0046】
本発明に係る新規の2~3辺電極端子と元の5辺電極端子の電気的試験と、電極端子の機械強度試験と半田性試験は、表6のようであり、積層セラミックス素子の2~3辺の電極端子の実験値は、既存の5辺電極端子よりやや優れる。
【0047】
【表6】
【0048】
実施形態五:安全キャパシタに応用される前処理銀積層高導電アルミニウム電極
本発明は、積層の薄い銀膜を化学置換して、金属アルミニウム粉にアルミニウム銀核シェル構成が形成され、そして、熱処理によってアルミニウム銀合金(Ag2Al)が形成され、アルミニウム銀合金を液化することにより、アルミニウム粒子が連結されて、導電性は、金属銀電極の導電性に相当する。その中、図16aを参照しながら、銀クラッドアルミニウム金属ぺ一ストを厚膜印刷する時、450℃や500℃、550℃及び600℃において燒結され、その導電性が、それぞれ、1x10-1Ω*mと3x10-3 Ω*m、6x10-5 Ω*m及び、1x10-5 Ω*mになり、図16bのX線回折(X-ray diffraction, XRD)分析によれば、燒結温度の上昇に伴って、金属アルミニウムと金属銀の外に、Ag2Alが生成され、その融解点が、約550℃であり、図16cのように、走査電子顕微装置(Scanning electron microscopy, SEM)による電子ミクロ構造から分かるように、全ての銀クラッドアルミニウム金属ぺ一ストが、550℃と600℃において、燒結され、そのミクロ構造は、明白に変化し、アルミニウム粒子とアルミニウム粒子との間において、Ag2Alの相生成によって連結される。
【0049】
表7は、安全キャパシタに使用された既存の銀電極の特性であり、本発明に係る新規の高導電アルミニウム電極は、導電性が、一般の貴金属の銀電極よりやや低いが、電極として、安全キャパシタに利用される時、一般銀電極と本発明に係る新規の高導電性アルミニウム電極によって製作させた容量の誘電特性(C値=0.35nFとtanδ=0.92%)と機械強度特性(引力=1.75kg)とは、ともに、相当する。
【0050】
【表7】
【0051】
因此、本発明の主な技術の特徴は、下記のようである。
1.アルミニウム電極(硫酸銅結晶を含む)を厚膜印刷した後、銅溶液に入れ込み、溶液温度と浸し時間を制御して、化学酸化還元置換を行い、大気の元で燒結できる高導電性の銅電極を製作し、この銅電極は、低温(70℃)の熱処理から高温(1000℃)の燒結までのプラスチックソフトボード(70~200℃の低温)とガラス基板(500~600℃の中温)、ソーラーシリコン基板(500~600℃の中温)及び、セラミックス基板(850~1000℃の高温)を製作することに応用できる。
2.本工程をソーラーの表裏面電極に応用すれば、既存のソーラー電池の表銀裏アルミニウムの電極の代わりに、銅電極を利用でき、そのため、光電変換効率が向上だけでなく、大幅に材料をコストダウンできる。
3.ダイボンド用接着フィルムアルミニウム或いは、ダイボンディングスズ化合物ペースト(硫酸銅結晶を含む)を利用して、銅溶液に浸して、溶液温度と浸し時間を制御しながら、化学酸化還元置換を行って、大気の元で、導電と高導熱の銅ダイボンディング電極が燒結される。
4.本工程は、既存のスズやスズ鉛ダイボンディングペーストの代わりに、チップダイボンディングに応用される時、無鉛の環境要求事項に満足でき、また、高導熱を必要とするパワーエレクトロニクスダイボンディングパッケージに応用できる。
5.RFIDアンテナの製作に応用される本工程は、低材料コストと低工程コストの利点が得られ、また、製作されるアンテナの特性が、既存のアルミニウム銅フィルムアンテナよりも優れる。
6.本発明に係る新規の高導電銅電極技術も、中温のガラス基板と高温のセラミックス基板に応用でき、アルミニウム電極を厚膜印刷して、例えば、異なる温度で、パッケージガラス基板や LED セラミックス放熱基板に、燒結されてから、銅溶液に浸し、溶液温度と浸し時間を制御しながら、大気の元で、高導電の銅ダイボンディングや銅電極に燒結する、化学酸化還元置換を行う。
7.本発明は、化学や物理で、アルミニウム粒子の表面に薄膜を覆って核シェルの構成が形成されて、焼結加熱によって積層金属とアルミニウム合金が生成され、当該合金を液化して、密集的に蓄積したアルミニウム粒子を連結することにより、超高導電性のアルミニウム電極の厚膜印刷が実現され、本新規技術は、化学置換処理を必要しないため、一般の厚膜印刷燒結だけで、大気の元での燒結印刷の銀電極と還元雰囲気の元での燒結の銅電極との導電性に相当する。
8.本発明は、化学置換処理を必要としなくて、各々の皿状や塊状セラミックス素子の表面電極として、高導電性の厚膜アルミニウムペーストを印刷でき、例えば、安全キャパシタやGPS アンテナ、サーミスタ(NTC、 PTC)及び、バリスター等の表面を電極として応用される全ての素子であり、導電性が、銀にマッチするため、素子特性が、既存の貴金属の銀電極に相当するが、材料コストは、大幅に低減される。
9.積層セラミックス素子の電極端子は、2~3辺の電極端子構成であり、表面電極や裏面電極及び正側辺電極の3辺が含まれるが、表面電極と裏面電極及び正側辺電極の3辺を有するだけでなく、更に、左右側辺の両電極がある従来の積層セラミックスコンデンサーの5辺電極端子構成と異なる。
10.表面電極と裏面電極は、スクリーン印刷と燒結によって製作され、正側辺電極は、低温金めっき或いは化学鍍金(無電解メッキ)工程或いは、スパッタリング工程によって製作される。
11.ニッケルや銅或いは銀を材料として、導体ペーストをスクリーン印刷して、表裏両面の電極端子を製作し、また、化学溶液を利用して銅やニッケル及び銀金めっき或いは、化学鍍金によって、側辺の第三電極を製作する。
12.また、積層セラミックス素子の側辺の内部電極密度を向上するため、セラミック成形体に積層セラミックス素子の内部電極をスクリ-ン印刷し、同時に、素子辺縁に電極端子をスクリ-ン印刷して、側辺電極密度を向上し、これにより、この後の金めっきや化学鍍金の化学処理に有利になる。
【0052】
また、本発明と既存の技術との差異は、下記のようである。
1. 還元雰囲気の元での燒結を必要しなくて、大気の元での燒結だけで、高導電性の銅電極を製作できることと、銅ダイボンディング技術とである。
2. 化学処理を必要しなくて、大気の元での燒結だけで、高導電性のアルミニウム電極を製作できることと、アルミニウムダイボンディング技術とである。
3.本新規技術によれば、200℃より低い温度で製作した低温高導電の銅電極やダイボンディング特性は、既存の高価のナノ銀粉ペーストで製作した低温高導電性の銀電極やダイボンディングに相当する。
4.前処理積層金属の高導電性厚膜アルミニウム電極が、皿状セラミックス素子と金属プレート、ガラス基板に応用でき、或いは、低温同時焼成セラミックスの内部電極として使用できる。
5. 既存の浸漬鍍金と高温焼成による5辺電極端子の代わりに、積層セラミックス素子印刷や低温金めっき及び、化学鍍金によって製作された2~3辺電極端子で利用できる。
【0053】
本新規技術は、低コストアルミニウムペースト(硫酸銅結晶を含む)の印刷燒結後、更に、銅電極に置換することにより、低い材料と工程のコストを満足でき、貴金属電極の代わりに銅電極を利用でき、主として、既存のスクリーン印刷の銀電極を取り換える。
【0054】
1.グリーンエネルギー産業
(a)ソーラー表裏面電極:応用硅基ソーラー電池的表面と反面電極、以スクリーン印刷銅電極の銅ペースト取代既存のソーラースクリーン印刷銀表電極と背銀電極の銀ペースト、一般平均製作銅電極の銅ペーストコスト是製作銀電極の銀ペースト的十分之一、而且本新規銅電極工程也可製作超微細線(<30μm)、來向上ソーラー電池效率。
(b)LED放熱セラミックス基板電極:応用於LED放熱セラミックス基板(Al2O3、AlN)的金属針金、以簡易厚膜工程的スクリーン印刷銅電極取代利用既存の応用薄膜工程真空スパッタリング、黄光と金めっき工程的複雑な工程技術、製作コスト因工程簡化而可大幅下降。
2.通信産業
(a)平面誘導性電極:タッチパネルの低温銀電極や真空スパッタリング金めっきの銅電極を取り換える。
(b)低温セラミックスと同時に焼成される素子或いはモジュール電極:軽薄短小型の積層セラミックス通信受動素子に応用される金属電極であり、印刷と露光及びエッチングで、既存の銀ペーストを内部電極とする積層セラミックスのインダクタの代わりに、高アスペクト比の金属銅電極の平面インダクタを製作し、これにより、金属材料のコストや工程のコストが、ともに大幅に低下される。
(c)タッチパネル電極:セラミックス基版やセラミック成形体に応用され、微細線を製作する能力と、積層セラミックス工程とを利用して、携帯式通信製品の短小輕薄技術ニーズを満足できる超小型通信モジュールを開発する。
3. 半導体パッケージ産業
パッケージ産業の針金やパッド(Pad)及びダイボンディングに応用され、特に、高導熱の機能を必要とするパワーエレクトロニクスパッケージである。
4. 受動素子産業
(a)積層セラミックスコンデンサー:本新規の金めっきや化学鍍金の銅やニッケルの電極技術で、積層セラミックスコンデンサーの電極端子を製作でき、また、銅やニッケルの置換めっき技術や直接銅やニッケルの金めっき或いは化学鍍金によって、積層セラミックスコンデンサーの境の側面電極を、銅やニッケルの側面電極として製作する。
本発明に係る積層セラミックスコンデンサーは、化学湿式処理によって、ニッケル内部電極を利用して、銅やニッケルの側面電極をリードアウトする。
(b)チップ抵抗:本新規技術によれば、超低抵抗の銅ニッケルや銅・マンガン・ニッケル及び、NiCrSi合金を製作できる。
(c)インダクタ:本新規技術によれば、大気の元で焼成される銅電極の薄膜インダクタとチップインダクタの3辺銅電極端子を製作できる。
(d)低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramic, LTCC)素子:本新規技術によれば、大気の元で焼成される銅電極の低温同時焼成セラミックス素子の表面銅電極と3辺銅電極端子を製作できる。
【0055】
以上のように、本発明に係る高導電性針金や合金材料製作方法と積層セラミックス素子の新規3辺形態電極端子の製作方法によって、有効に既存の技術の諸欠点を解消でき、卑金属であるアルミニウム材料と大気の元で燒結製作される高導電性の電極工程を利用して、低い材料と工程コストのニーズを満足でき、そして、プラスチックソフトボード(低温)やガラス基板(中温)、ソーラーシリコン基板(中温)及び、セラミックス基板(高温)の各種類の基板に応用でき、二種類の新規材料方法によって、厚膜アルミニウム電極の導電性と厚膜印刷の銀電極或いは、還元雰囲気の元での燒結での銅電極の導電性に相当し、上記の積層セラミックス素子の3辺新形態低温電極端子工程によっては、既存の積層セラミックス素子において、浸漬鍍金と高温還元雰囲気燒結による5辺電極端子の製品品質と高材料工程コストの問題を改善でき、そのため、本発明は、より進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0056】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明は、それによって制限されることが無しく、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが、本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
図1】本発明に係る酸化還元反応の銅粒子でアルミニウム粒子を置換する時と銅厚膜でアルミニウム厚膜を置換する時の概念図であり、その中:aは、銅粒子で、アルミニウム粒子を置換するものであって、bは、銅厚膜で、アルミニウム厚膜を置換するものである。
図2】本発明に係る金属の酸化還元反応で、置換を行う時の概念図である。
図3】本発明に係る高導電性銅電極を異なる基板の表面と裏面に応用される時の概念図である。
図4】本発明に係る異なるサイズを有する積層アルミニウム粒子を利用して、厚膜アルミニウム電極の密集蓄積配列を実現する時の概念図できる。
図5】本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子と既存の積層セラミックスコンデンサーの5辺電極端子の構成を比較する時の概念図であり、其中:aは、本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子であって、bは、既存の積層セラミックスコンデンサーの5辺電極端子である。
図6】本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子に側辺の内部電極の密度を増加する時の概念図であり、その中:aは、積層セラミックスコンデンサーであって、bは、aの断面で、側辺の内部電極密度が増加される。
図7】本発明に係る積層セラミックスのインダクタの2~3辺電極端子に側辺の内部電極密度が増加される時の概念図であり、その中:aは、積層セラミックスのインダクタであって、bは、aの断面で、側辺の内部電極密度が増加され、その中、a1がコイルで、a2が外部電極であって、a3が非磁性セラミックスである。
図8】本発明に係る低温セラミックス同時焼成LTCCフィルターの2~3辺電極端子に側辺の内部電極密度が増加される時の概念図であり、その中:aは、低温セラミックス同時焼成LTCCフィルターで、bは、aの断面で、増加された側辺の内部電極密度である。
図9a】本発明は、両面ソーラーの裏アルミニウム電極を高導電性の銅電極に変換する時の概念図である。
図9b】本発明は、両面ソーラーの裏アルミニウム電極を高導電性の銅電極に変換した後、ソーラー電池の光電変換効率が向上される時の概念図で、図に、両面ソーラーモジュールの最も良い状態と当該状態下の前表面と後表面の情報が表される。
図10a】本発明に係る低温銅ダイボンディングと既存市販のナノ銀ダイボンディングの粘着力実験値の概念図で、その中:a1は、低温銅ダイボンディング(銅でアルミニウムを置換する時)で、a2は、Heraeuである。
図10b】本発明に係る低温銅ダイボンディング(銅でアルミニウムを置換する時)のミクロ構造図であり、その中:b1は、ダイオードで、b2は、銅でアルミニウムを置換するものであって、b3は、鍍金基板である。
図11】本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの2~3辺電極端子の製作流れ概念図である。
図12a】本発明に係る低温アルミニウムペーストで製作した積層セラミックス素子の電極端子図である。
図12b】本発明に係る積層セラミックス素子電極端子を硫酸銅溶液に浸して、銅電極端子に置換する時の概念図であり、その中:上図は、銅電極端子の表面であって、下図は、銅電極端子の断面図である。
図13】本発明は、金めっき(化学鍍金)で、積層セラミックスコンデンサーの側面電極を製作する時の概念図である。
図14】本発明に係る積層セラミックスコンデンサーは、側辺に密集的なニッケル内部電極を利用して、湿式化学処理によって、ニッケルの側電極をリードアウトする時の構成概念図であり、その中:左図は、ニッケル側電極の表面で、中図と右図は、ニッケル側電極の断面図である。
図15】本発明に係る積層セラミックスコンデンサーの3辺電極端子の概念図である。
図16a】本発明に係る銀クラッドアルミニウム金属ぺ一ストの厚膜印刷が、異なる温度で燒結する時の導電性概念図である。
図16b】本発明において、燒結温度の上昇とともに、生成するAg2AlのXRD図である。
図16c】本発明において、銀クラッドアルミニウム金属ぺ一ストが、異なる温度の元で、燒結される時のミクロ構造のSEM図である。
図17】既存の5辺端積層セラミックスコンデンサーと既存の3辺端チップ抵抗との構成概念図であり、その中:aは5辺電極端子で、bは、2~3辺電極端子である。
図18】既存の積層セラミックスコンデンサーの5辺電極端子の製作流れ概念図である。
図19】既存の5辺端積層セラミックスコンデンサーと既存の3辺端チップ抵抗の実物見本概念図であり、その中:aは、5辺電極端子で、矢印が月辺形態を指して、bは、2~3辺電極端子で、矢印が当該電極端子の月辺無しの方正形態である。
【符号の説明】
【0058】
11 アルミニウム粒子
12 金属溶液
13 銅粒子
21 厚膜アルミニウム層
22 金属溶液
23 厚膜銅層
24 厚膜ニッケル層
25 厚膜銅ニッケル合金層
31 アルミニウム粒子
32 金属膜
33 アルミニウムシェル金属合金
41 ニッケル内部電極
42 ガイド銅電極
43 銅電極端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10a
図10b
図11
図12a
図12b
図13
図14
図15
図16a
図16b
図16c
図17
図18
図19
【国際調査報告】