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特表2023-546281包装されたポップコーン菓子およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-01
(54)【発明の名称】包装されたポップコーン菓子およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23G 3/34 20060101AFI20231025BHJP
   B65B 1/04 20060101ALI20231025BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20231025BHJP
   B65D 65/46 20060101ALI20231025BHJP
【FI】
A23G3/34 109
B65B1/04
B65D85/50 100
B65D65/46
A23G3/34 102
A23G3/34 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547741
(86)(22)【出願日】2021-08-31
(85)【翻訳文提出日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 DE2021200117
(87)【国際公開番号】W WO2022078555
(87)【国際公開日】2022-04-21
(31)【優先権主張番号】102020127345.2
(32)【優先日】2020-10-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523140821
【氏名又は名称】ピー・シー・オー グループ ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】PCO Group GmbH
【住所又は居所原語表記】Holmer Berg 15-17, 23942 Dassow, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン レムケ
(72)【発明者】
【氏名】ラファル ヴィスニエフスキ
【テーマコード(参考)】
3E035
3E086
3E118
4B014
【Fターム(参考)】
3E035AA16
3E035BA02
3E035BA08
3E035BD02
3E086AA02
3E086AA23
3E086AB01
3E086AD01
3E086AD05
3E086BA14
3E086BB01
3E086CA01
3E086DA08
3E118AA01
3E118AA07
3E118AB05
3E118AB20
4B014GE02
4B014GE12
4B014GG04
4B014GG06
4B014GG07
4B014GG17
4B014GP01
4B014GP12
4B014GP20
4B014GP25
(57)【要約】
本発明は、包装されたポップコーン菓子(10)であって、容器(12)と、この容器(12)内の調製されたポップコーンから成る層(14)と、ポップコーン層(14)の上面を部分的に覆って纏める、加熱された状態では流動性かつ冷却された状態では固体の上掛け(18)および/または固まったグレーズから成るコーティング(16)と、ポップコーン層(14)および上掛け(18)から成るコーティング(16)を備えた容器(12)を気密に取り囲むフィルムバッグ(38)とを含む。本発明はさらに、包装されたポップコーン菓子(10)を製造する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装されたポップコーン菓子(10)であって、容器(12)と、該容器(12)内の調製されたポップコーンから成る層(14)と、前記ポップコーン層(14)の上面を部分的に覆って該ポップコーン層(14)を纏める、加熱された状態では流動性かつ冷却された状態では固体の上掛け(18)および/または固まったグレーズから成るコーティング(16)と、前記ポップコーン層(14)および上掛け(18)から成るコーティング(16)を備えた前記容器(12)を気密に取り囲むフィルムバッグとを備えた、包装されたポップコーン菓子(10)。
【請求項2】
前記容器(12)内の、調製されたポップコーンから成る前記層(14)が、最大で1層~2層である、請求項1記載の包装されたポップコーン菓子(10)。
【請求項3】
前記上掛け(18)が、甘いチョコレート上掛け、あるいは甘いか、塩気のあるキャラメル上掛けである、請求項1または2記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項4】
前記上掛け(18)および/または前記グレーズが、前記ポップコーン層(14)の上面を線形、ストリップ形、斑点状または不規則なパターンの形態で部分的に覆う、請求項3記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項5】
前記ポップコーン層(14)と、上掛け(18)および/またはグレーズから成る前記コーティング(16)との上に分配された、少なくとも1種の可食のトッピング製品の粒子(20)が設けられており、該粒子(20)が、前記コーティング(16)に付着し、かつ/または前記ポップコーン層(14)の凹部に位置している、請求項1から4までのいずれか1項記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項6】
前記粒子(20)が、砕いたナッツまたはアーモンドまたはナッツスライスまたはアーモンドスライスである、請求項5記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項7】
前記粒子(20)が、小さなカラフルな菓子である、請求項5記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項8】
前記容器(12)が、上面図で見て概して矩形または四角形の輪郭を有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項9】
前記容器(12)が、紙、ボール紙または厚紙から成る裁断紙から折られているか、バガスから成形されている、請求項1から8までのいずれか1項記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項10】
前記容器(12)が、底部(22)、側壁(24,26)および該側壁(24,26)の上縁部において前記底部(22)に対して平行に突出するウェブ(28)を有している、請求項1から9までのいずれか1項記載のポップコーン菓子(10)。
【請求項11】
ポップコーンと、加熱された状態では流動性かつ冷却された状態では固体の上掛け(18)および/または流動性の固化したグレーズとから成る、包装されたポップコーン菓子(10)を製造する方法であって、
-容器(12)を提供するステップと、
-前記ポップコーンの前記層(14)を前記容器(12)に充填するステップと、
-加熱された前記上掛け(18)および/または前記グレーズを流動性の状態で前記ポップコーン層(14)の上面に被着させて、これにより前記上掛け(18)および/または前記グレーズが前記ポップコーン層(14)を部分的に覆う、ステップと、
-前記容器(12)内の前記ポップコーン層(14)を部分的に覆って纏める固体のコーティング(16)を、前記上掛け(18)の冷却および/または前記グレーズの固化により形成するステップと、
-前記ポップコーン層(14)と前記コーティング(16)とを備えた容器(12)を気密のフィルムバッグ(38)内に包装するステップと
を有する、方法。
【請求項12】
前記ポップコーン層(14)と、前記上掛け(18)および/または前記グレーズから成る、冷めたもしくは固まったコーティング(16)上に、少なくとも1種の可食のトッピング製品の粒子(20)を分配し、これにより前記粒子(20)の少なくとも一部が前記コーティング(16)に付着する、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記ポップコーン層(14)を備えた前記容器(12)を、コンベヤ(50)上で塗布装置(56)の下に運動させ、該塗布装置(56)から、加熱された前記上掛け(18)および/またはグレーズが流動性の状態で前記ポップコーン層(14)の上面に被着させられる、請求項11または12記載の方法。
【請求項14】
前記塗布装置を、前記容器(12)に関して搬送方向に、かつ/または前記搬送方向に対して横方向に運動させ、これにより前記上掛け(18)および/または前記グレーズを、前記コーティング(16)が同一の方向または種々異なる方向に延びる線形またはストリップ形のパターンまたは斑点状かつ/または不規則なパターンを形成するように、前記ポップコーン層(14)の上面に被着させることができる、請求項13記載の方法。
【請求項15】
請求項11から14までのいずれか1項記載の方法により製造された、包装されたポップコーン菓子(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スーパーマーケット、地域店舗またはオンラインプラットフォームを介して販売するための包装されたポップコーン菓子および包装されたポップコーン菓子を製造する方法に関する。
【0002】
ポップコーンは、大抵の場合、フレッシュに調製された形態で消費されるが、フレッシュに調製されたポップコーンを、フィルムバッグ内に気密に包装することも一般的であり、これによりポップコーンは、食べるまで歯ごたえの良い堅さを維持する。ポップコーンに例えばキャラメル風味またはチョコレート風味を付与するために、フレッシュに調製されたポップコーンを、加熱されたキャラメルや加熱されたチョコレートと一緒に容器で撹拌し、個々のポップコーン片またはポップコーン玉にキャラメルコーティングもしくはチョコレートコーティングを付与することも知られている。続いて、表面全体をキャラメルもしくはチョコレートで被覆されたポップコーン片を、さらに撹拌しながら冷却し、これによりポップコーンを、コーティングが冷めて固まった後に個別化し、予め規定された量でフィルムバッグ内に包装することができる。このような包装されたポップコーン菓子の一例は、本出願人により「Crunchy-Popcorn」という名称で販売されているポップコーン菓子である。
【0003】
この種のポップコーン菓子の欠点は、購入判断時の視覚的な外観がますます重要な役割を果たしているにも拘わらず、ポップコーン菓子は消費者にフィルムバッグからの取出し時に単に不十分にしか視覚的に提示され得ないことである。
【0004】
このことを起点として、本発明の根底にある課題は、ポップコーン菓子およびポップコーン菓子を製造する方法を改良して、ポップコーン菓子が、包装からの取出し時に視覚的に極めて良好に提示されるが、ポップコーン菓子が、味覚的かつ触覚的にも、公知のポップコーン菓子にあらゆる点で劣らないようにすることである。
【0005】
この課題を解決するために、本発明による包装されたポップコーン菓子は、容器と、容器内の調製されたポップコーンから成る層と、ポップコーン層の上面を部分的に覆い、このポップコーン層を纏める、加熱された状態では流動性かつ冷却された状態では固体の上掛けおよび/または固まったグレーズから成るコーティングとを含んでいる。上掛けおよび/またはグレーズで部分的にコーティングされたポップコーン層を備えた容器は、フレッシュに調製されたポップコーンの歯ごたえの良い堅さを維持するために、気密なフィルムバッグ内に封入されている。
【0006】
したがって、コーティング(グレーズ)が個々のポップコーン片を互いに結合するので、特に容器内にあるポップコーンを「位置固定する」ことができる。したがって、消費時に容器からポップコーン片が不所望に脱落することも阻止することができる。
【0007】
本特許出願の枠内では、砂糖、特に粉砂糖と、水、フルーツジュースおよび/または新鮮な卵白のような水分を含む液体とから製造される、乾燥によって固まる流動性の材料が、グレーズ(Glasur)と呼ばれる。
【0008】
本特許出願の枠内では、砂糖、特に粉砂糖と、バター、大豆油、チョコレート、粉末乳、カカオパウダーおよび/またはカカオバターのような1種以上の動物性油脂および/または植物性油脂を含む製品とから製造され、加熱により流動性または液状になり、冷めると固まる材料が、上掛け(Kuvertuere)と呼ばれる。
【0009】
食べるために、内容物を有する容器をフィルムバッグから取り出すことができ、この場合に、容器の内容物は視覚的に魅力的に提示される。なぜならば、上掛けおよび/またはグレーズが、搬送時および貯蔵時にポップコーン層を十分に纏め、例えば、包装されたポップコーン菓子が傾斜姿勢にもたらされるか、またはフィルムバッグが入れられたダンボールが搬送時に回転させられた場合に、層内での個別のポップコーン片の相対移動に抗して作用するからである。
【0010】
好適には、容器内の、調製されたポップコーンから成る層は、単層または最大で2層である。なぜならば、ポップコーン層の上面に被着させられた上掛けおよび/またはグレーズは、実質的に最も上側の層を纏める一方で、その下に位置する層では、この纏まりは、上掛けおよび/またはグレーズがその下の層に侵入する限りでのみ保証されているからである。
【0011】
ポップコーン層のポップコーンは、有利には、その使用前に細かくされる必要のない加工されていないポップコーンであってよい。しかし、有利には加工されたポップコーン、例えば甘くされたポップコーン、またはキャラメルまたはチョコレートでコーティングされたポップコーンが使用され、後者は、チョコレートまたはキャラメルで被覆されたポップコーンを、上掛けおよび/またはグレーズの被着前、被着時または被着後に加熱することによって、ポップコーン層の纏まりを改善するためにも寄与することができる。
【0012】
本発明の好適な或る実施形態によれば、コーティングが、甘いチョコレート上掛け、あるいは甘いか、塩気のあるキャラメルの上掛けから成っている。なぜならば、これらの上掛けが一方では味覚的に特に良好にポップコーンと調和するが、他方では冷めた状態でも十分に安定的であり、これにより、包装されたポップコーン菓子が搬送時に傾斜姿勢にもたらされるかまたは回転させられる場合であっても、ポップコーン層を十分に纏めることができるからである。
【0013】
しかし代替的または付加的には、コーティングとして、被着時には流動性であり、かつしばらくして固まる砂糖衣等から成るグレーズを使用することも可能であり、これによって、類似の結果が得られる。
【0014】
例えば輸送または貯蔵時の取扱いにおける損傷に対してポップコーン菓子を付加的に保護することは、有利には底部と、この底部から上方に向かって突出する環状の側壁とを備えた浅い器の形状を有する容器により達成される。側壁は少なくともポップコーン層と同じ高さであり、好適にはポップコーン層よりも僅かに高く、特に美的かつ製造技術的な理由から、有利には上方および外方に向かって僅かに傾斜している。
【0015】
内容物に対する別の保護手段として、容器の安定性を改善し、かつ食べる前の視覚的な外観を改善するためにも、側壁の上縁部に、有利には外側に向かって突出するウェブが設けられており、このウェブはさらに、空の容器の取出し時およびフィルムバッグ内への充填された容器の挿入時に有利であり得る。ポップコーン層および上掛けを備えた容器をフィルムバッグ内に良好に包装することができるように、容器は、上面図で見て好適には矩形の輪郭を有している。
【0016】
容器が、好適には、紙、ボール紙または厚紙から成る裁断紙から折られているか、または代替的にはバガス(サトウキビ残留物)から成形されているのに対して、フィルムバッグは、好適には気体非透過性または実質的に気体非透過性のフィルムから成っており、これにより、ポップコーンは、バッグ中で比較的長い貯蔵時にも歯ごたえの良いままである。
【0017】
上掛けおよび/またはグレーズから成るコーティングが、好適には線形、ストリップ形または斑点状のパターンの形態でポップコーン層の上面にわたって延びており、これにより、コーティングがポップコーン層を部分的に覆っている。パターンは、例えば波線、ジグザグ線、ループ、円またはハートあるいは不規則なパターンであってよい。
【0018】
食べる前のポップコーン菓子の美的な外観および食べる時の口当たり体験をさらに改善するために、本発明の別の好適な構成は、ポップコーン層と、上掛けおよび/またはグレーズとから成るコーティングとの上に、少なくとも1種の可食のトッピング製品の粒子が分配されており、粒子が、有利にはコーティングに付着し、かつ/またはポップコーン層の凹部内に位置するので、包装されたポップコーン菓子が傾斜姿勢にもたらされる場合またはフィルムバッグを満たすボール紙が搬送時に回転させられる場合にも、粒子はその位置を十分に維持する。
【0019】
粒子は、有利には、砕いたナッツ、ピーナッツまたはアーモンド、あるいはナッツスライスまたはアーモンドスライス、細かく砕いたココナッツ、小さなカラフルな菓子、例えばレンズ形チョコレート、チョコシュトロイゼル、チョコスプレー、星形チョコレート、またはシュガーシュトロイゼル、ドラジェ、星形シュガー、ハート形シュガー、ユニコーン形シュガー、小さなくま形グミまたはジェリービーンズ等であってよい。
【0020】
ポップコーンと、加熱された状態では流動性かつ冷却された状態では固体の上掛けおよび/または固まったグレーズとから成る、包装されたポップコーン菓子を製造する本発明による方法は、以下のステップ、すなわち
-ポップコーン用トウモロコシを弾けさせることによりポップコーンを調製するステップと、
-容器を提供するステップと、
-ポップコーンの層を容器に充填するステップと、
-加熱された上掛けおよび/またはグレーズを流動性の状態でポップコーン層の上面に被着させて、これにより上掛けおよび/またはグレーズがポップコーン層を部分的に覆う、ステップと、
-容器内のポップコーン層を纏める固体のコーティングを形成しながら、上掛けを冷却するか、またはグレーズを固めるステップと、
-ポップコーンとコーティングとを備えた容器を気密のフィルムバッグ内に包装するステップと
を有している。
【0021】
加熱された上掛けおよび/またはグレーズが、流動性または液状の状態でポップコーン層の上面に被着させられる場合、上掛けおよび/またはグレーズは、ポップコーン片を濡らし、冷めるか、もしくは固まるとこのポップコーン片に付着したままとなる。ポップコーン片の重量は小さいので、ポップコーン片への上掛けおよび/またはグレーズの付着性も、冷めた上掛けおよび/または固まったグレーズの内的な結束性も、例えば包装されたポップコーン菓子が傾斜姿勢にもたらされるか、またはフィルムバッグで満たされたボール紙が搬送時に回転させられた場合に、ポップコーン片からの上掛けもしくはグレーズの剥離および隣り合うポップコーンの間の冷めた上掛けもしくは固まったグレーズの破損、ひいてはポップコーン片同士の相対運動を十分に阻止するために十分に大きい。
【0022】
本発明に係る方法の有利な実施形態では、ポップコーン層と、まだ冷めていない、もしくは固まっていない上掛けおよび/またはグレーズから成るコーティングとの上に、少なくとも1種の可食のトッピング製品の粒子を分配し、これにより、粒子の少なくとも一部がコーティングに付着する。
【0023】
ポップコーン層上への上掛けおよび/またはグレーズならびに少なくとも1種の可食のトッピング製品の粒子の被着は、好適には、ポップコーン層を有する容器を、コンベヤ上で塗布装置の下に運動させ、かつその直後に振掛け装置の下に運動させることによって行い、塗布装置内で、グレーズおよび/または加熱された上掛けを流動性の状態でポップコーン層の上面に被着させ、振掛け装置内で、粒子を上からポップコーン層上、かつまだ冷めていない上掛けおよび/またはまだ固まっていないグレーズ上に振り掛けることにより行われる。
【0024】
以下で本発明を、図面に図示した幾つかの実施バリエーションにつきより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】ポップコーン菓子を包装するための空の容器を示す上面図である。
図2】容器を示す長手方向の側面図である。
図3】容器を示す端面図である。
図4】1層のポップコーンを充填した後の容器を示す上面図である。
図5】第1の実施バリエーションによるポップコーン層上に上掛けを被着させた後の容器を示す上面図である。
図6】第2の実施バリエーションによるポップコーン層上に上掛けを被着させた後の容器を示す上面図である。
図7】第3の実施バリエーションによるポップコーン層上に上掛けを被着させた後の容器を示す上面図である。
図8】フィルムバッグ内にポップコーン菓子を包装する前の、第1の実施バリエーションのポップコーン層および上掛け上に可食のトッピング製品の粒子を振り掛けた後の容器を示す上面図である。
図9】フィルムバッグを備えた、図3に対応する図である。
図10】ポップコーン菓子を製造する装置の一部を示す概略的な側面図である。
図11図10に示した装置の断面図である。
【0026】
図5図8に図示した、まずは部分的に包装されたポップコーン菓子10は、実質的に浅い容器12と、この容器12内の、調製されたポップコーンから成る層14と、加熱された状態では流動性かつ冷却された状態では固体の上掛け18から成るコーティング16と、場合によっては設けられる可食のトッピング製品の粒子20とから成っている。完成したポップコーン菓子10は、アルミニウムが被着または蒸着されたプラスチックフィルム64から成る薄い気体非透過性のフィルムバッグ38内に包装される。
【0027】
図1図3において最も良好に図示されているように、ボール紙から成る一体的な裁断紙から折ることによって製造される容器12は、底部22、ならびにこの底部22に一体的に結合され、底部から約75度の角度で上方および外方に向かって突出する4つの側壁24,26を備えた浅い器の形状を有しており、側壁24,26の上縁部は、対として互いに平行である。各側壁24,26の上縁部を介して、ウェブ28が外方に向かって突出しており、ウェブ28は、底部22に対して平行に向けられていて、容器12のコーナ30において丸み付けされた端部32を有している。隣り合うそれぞれ2つの側壁24,26の間には、容器の折畳み時に、二層の楔形つまみ部34が形成され、この楔形つまみ部34は、図3に示すように、長短2つの隣り合う側壁のうちのより短い側壁26に接触するように接着される。容器12に、長手方向でより大きな剛性を与えるために、ウェブ28は、長短2つの側壁のうちのより長い側壁24の上縁部において二層に形成されており、ウェブ28の外側の縁部36はそれぞれ下方に向かって折り返されており、図2および図3に示したように、隣接する側壁24の上側の縁部ストリップに外側から当接して、この縁部ストリップに接着されている。
【0028】
ポップコーン層14は、好適にはフレッシュに調製された個別のポップコーン片40から成り、これらのポップコーン片40は、図4に最も良好に図示されているように、個別の層において密にかつ十分に隙間なしに相並んで容器12の底部22上に位置し、底部22を完全に覆っている。図9に図示されるように、ポップコーン層14は、上方に向かって、側壁24,26の上縁部に設けられたウェブ28を越えて突出していない。
【0029】
図5図8に図示するように、上掛け18から成るコーティング16は、ポップコーン層14の上面にわたって延び、ポップコーン層14を部分的に覆う複数のウェブまたはストリップ42の形状を有している。図面において、ウェブまたはストリップ42は概して容器12の長手方向軸線の方向に延びている。しかしコーティング16は、互いに小さな間隔を置いて配置された不規則に分配された多数の個別の斑点、または斑点およびストリップまたはウェブの組合せから成っていてもよく、これらの斑点およびストリップまたはウェブは、ポップコーン層14の上面にわたって別の方向および/または変化する方向で延びていてよく、例えばジグザグ形または不規則なパターンのストリップで延びていてよい。それどころか、基本的には、ストリップをハート形または別の形状でポップコーン層14の上面に被着させることが可能である。個別のウェブまたはストリップ42もしくは斑点の幅ならびに隣り合うウェブまたはストリップ42もしくは斑点の間隔は、ポップコーン層14のポップコーン片40が上掛け18により十分に纏められ、容器12の傾倒時に個々のポップコーン片40が層14の複合体から剥離しないように選択されている。
【0030】
第1および第2の実施バリエーションでは、ウェブまたはストリップ42が概して直線状に、かつ長短2つの側壁のうちの長い側壁24に対して平行に延びているのに対して、第3の実施バリエーションでは、ウェブまたはストリップ42は波形に延びている。
【0031】
図8の実施バリエーションにおいてのみ図示されている、可食のトッピング製品の粒子20は、市販されている小さなハート形チョコレート44である。ハート形チョコレート44は、部分的に上掛けコーティング16に付着し、かつ部分的に隣り合うポップコーン片40の間の凹部に位置している。当然ながら、単に幾つかの例を挙げるために、レンズ形チョコレート、チョコシュトロイゼル、星形チョコレート、チョコスプレーまたはシュガーシュトロイゼル、ドラジェ、星形シュガー、ユニコーン形シュガー、小さなくま形グミまたはジェリービーンズのような別の小さな菓子も、甘い可食のトッピング製品として、上掛け18でコーティングされたポップコーン層14上に振り掛けることができる。砕いたナッツ、砕いたピーナッツまたは砕いたアーモンド、ナッツスライス、アーモンドスライスまたは細かく砕いたココナッツもトッピング製品として使用することができる。
【0032】
ポップコーン菓子10の製造のために、ポップコーンを、ポップコーン用トウモロコシを弾けさせることによりフレッシュに調製し、次いで予め製造された容器12の1つに充填する。このためには容器12は、図10および図11に図示されているように、コンベヤ50上で調量装置52の下を通過するように運動させられ、この調量装置52は、予め規定された量のポップコーンを容器12内に調量し、かつ容器12内に単層の層14の形態で分配する。
【0033】
次いで容器は、コンベヤ50によって図10に示した矢印Pの方向で、上掛け塗布装置56を備えたポータル54の下を通過するように運動させられる。塗布装置56は、相並んで配置されて下方に向けられた複数の噴射ノズル58を有しており、これらの噴射ノズル58に、加熱された流動性の上掛けが、圧力を加えられて供給され、これにより、上掛けを複数のウェブまたはストリップ42として相並んでポップコーン層14の上面に被着させることができるので、上掛けウェブまたはストリップ42は、ポップコーン層14を部分的に覆う。
【0034】
代替的には、容器は、搬送方向(矢印P)にも搬送方向に対して横方向にもコンベヤ50に対して可動かつ同様に下方に向けられた複数の噴射ノズルを有する別の上掛け装置および/またはグレーズ塗布装置(図示せず)の下にコンベヤ50によって運動させることができる。次いでコンベヤ50が停止させられ、塗布装置は搬送方向に、搬送方向に対して横方向に、かつ容器上で往復移動させられる一方で、流動性の上掛けおよび/またはグレーズは、圧力を加えられながらスプレーノズル内に供給され、これによって、上掛けまたは/またはグレーズがポップコーン層14の上面に被着させられる。塗布装置の運動パターンに応じて、上掛けおよび/またはグレーズは、ループ、ジグザグまたは別のパターンでポップコーン層14上に被着させられるので、ポップコーン層はその後に同様に上掛けおよび/または上掛けから成るコーティングによって部分的に覆われる。
【0035】
塗布装置56を備えたポータル54の直後に、もしくは別の上掛けおよび/またはグレーズ塗布装置の直後に、撒掛け装置60が位置しており、撒掛け装置60から可食のトッピング製品の粒子20が上方から、上掛け18および/またはグレーズにより部分的にコーティングされたポップコーン層14上に撒かれる。塗布装置56からの間隔が小さいことに基づいて、少なくとも、上掛け18および/またはグレーズに接触する粒子20は、まだ温かく、ひいてはやや粘性である上掛け18に、もしくはまだ固まっていないグレーズに付着したままになる。
【0036】
アルミニウムが蒸着または被着させられた気体非透過性のプラスチックフィルム64が容器12の周囲に置かれ、容器12が気密にプラスチックフィルム64内に密閉されることにより、上掛け18が冷めた後もしくはグレーズが固まった後に、ポップコーン菓子10は気密に包装される。このためにはまず、プラスチックフィルム64の互いに反対側の縁部が、容器12の下面において、より長い側壁24に対して平行な長手方向の溶着シーム66に沿って溶着され、その後に形成されたフィルムチューブが、隣り合う容器12間で、より短い側壁26に対して平行な2つの横方向の溶着シーム(図示せず)に沿って溶着され、かつ切断されて、これにより、フィルムバッグ38を形成することができる。
【0037】
容器12をさらに搬送する場合、もしくはフィルムバッグ38内に包装されたポップコーン菓子10を包装して積み重ねる場合に、上掛け18および/またはグレーズに付着していない粒子20は、隣り合うポップコーン片40の間の凹部内に滑り、凹部で粒子が静止する。
【0038】
ポップコーン菓子10がフィルムバッグ38の開放後に完全に食べられない場合のために、ポップコーン菓子はオーブン内で短時間だけ加熱することができる。上掛け18を冷却して冷ました後、ポップコーン菓子10のポップコーンは、再びその元の歯ごたえの良い堅さを有している。
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【国際調査報告】