(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】スピンドルアセンブリ及びそれを有する電子膨張弁
(51)【国際特許分類】
F16K 31/04 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
F16K31/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023515039
(86)(22)【出願日】2021-11-05
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 CN2021129092
(87)【国際公開番号】W WO2022121587
(87)【国際公開日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】202011446606.X
(32)【優先日】2020-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515266108
【氏名又は名称】浙江盾安人工環境股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Zhejiang DunAn Artificial Environment Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】Diankou Industry Zone, Zhuji, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100108213
【氏名又は名称】阿部 豊隆
(72)【発明者】
【氏名】▲ザン▼ 少軍
(72)【発明者】
【氏名】劉 楽強
(72)【発明者】
【氏名】徐 冠軍
【テーマコード(参考)】
3H062
【Fターム(参考)】
3H062AA02
3H062AA15
3H062BB28
3H062CC02
3H062DD01
3H062GG01
3H062HH04
3H062HH08
3H062HH09
(57)【要約】
キャビティを有し且つ対向して設けられた第1端と第2端とを有する弁スリーブ(10)と、キャビティ内に移動可能に設けられ、弁スリーブ(10)の第1端に制限係合され、弁スリーブ(10)を駆動して移動させるためのブッシュ(20)と、キャビティ内に設けられて、一端がブッシュ(20)に接続され、他端が弁スリーブ(10)の第2端に接続されたバネ(30)と、弁スリーブ(10)の第2端に固定して設けられて、弁口(83)を封止するためのシール部材(40)とを含むスピンドルアセンブリ、及びそれを有する電子膨張弁。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビティを有し且つ対向して設けられた第1端と第2端とを有する弁スリーブ(10)と、
前記キャビティ内に移動可能に設けられ、前記弁スリーブ(10)の第1端に制限係合され、前記弁スリーブ(10)を駆動して移動させるためのブッシュ(20)と、
前記キャビティ内に設けられて、一端が前記ブッシュ(20)に接続され、他端が前記弁スリーブ(10)の第2端に接続されたバネ(30)と、
前記弁スリーブ(10)の第2端に固定して設けられて、弁口(83)を封止するためのシール部材(40)と、
を含む、スピンドルアセンブリ。
【請求項2】
前記弁スリーブ(10)と前記シール部材(40)との間に設けられて、前記シール部材(40)を前記弁スリーブ(10)に固定するための固定部材を更に含む、請求項1に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項3】
前記固定部材は、
第1端が前記キャビティ内に位置し、第2端が前記弁スリーブ(10)の第2端及び前記シール部材(40)を順次通過するガイドスリーブ(51)と、
前記ガイドスリーブ(51)の第2端に接続されたガスケット(52)と、
を含む、請求項2に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項4】
前記ガイドスリーブ(51)の第1端には制限構造が設けられており、前記制限構造は前記弁スリーブ(10)の第2端に制限係合されて、前記ガイドスリーブ(51)の前記弁スリーブ(10)に対する変位を制限する、請求項3に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項5】
前記シール部材(40)の前記弁スリーブ(10)から離れた一端には凹溝(41)が設けられており、前記ガスケット(52)が前記凹溝(41)内に位置する、請求項3に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項6】
前記弁スリーブ(10)の第2端と前記シール部材(40)との間に設けられた位置決め構造を更に含む、請求項1に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項7】
前記シール部材(40)の前記弁スリーブ(10)の一端に向かう端面には第1段差構造(61)が設けられており、前記弁スリーブ(10)の第2端の端面には第2段差構造(62)が設けられており、前記第1段差構造と前記第2段差構造とが互いに係合されて前記位置決め構造を形成する、請求項6に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項8】
前記シール部材(40)の外径の寸法は、前記弁スリーブ(10)の第2端の外径の寸法と同じである、請求項1に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項9】
前記弁スリーブ(10)の第1端に固定して設けられて、前記ブッシュ(20)の前記弁スリーブ(10)における変位を制限するシールカバー(70)を更に含む、請求項1に記載のスピンドルアセンブリ。
【請求項10】
弁口(83)を有する弁体(81)と、
前記弁体(81)内に設けられたスクリュ(82)と、
請求項1から9のいずれか一項に記載のスピンドルアセンブリであって、前記弁体(81)内に移動可能に設けられ、前記弁口(83)に対応して設けられたスピンドルアセンブリと、を含み、前記スクリュ(82)が前記スピンドルアセンブリのブッシュに駆動接続され、前記スクリュ(82)は前記ブッシュにより弁スリーブを連動して移動させる、電子膨張弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年12月11日に中国国家知識産権局に提出された、出願番号が202011446606.Xであり、発明の名称が「スピンドルアセンブリ及びそれを有する電子膨張弁」である特許出願の優先権を主張する。
【0002】
本出願は膨張弁の技術分野に関し、具体的には、スピンドルアセンブリ及びそれを有する電子膨張弁に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、従来の電子膨張弁は、スピンドルを駆動して弁体内で上下移動させることにより弁口を封止し、スピンドル及び弁口はいずれも金属材料で作製されるため、スピンドルと弁口とはハードシールであり、その封止性が比較的悪く、漏れが発生しやすい。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、従来の技術における封止性が比較的悪いという課題を解決するためのスピンドルアセンブリ及びそれを有する電子膨張弁を提供する。
【0005】
本出願の一態様によれば、キャビティを有し且つ対向して設けられた第1端と第2端とを有する弁スリーブと、キャビティ内に移動可能に設けられ、弁スリーブの第1端に制限係合され、弁スリーブを駆動して移動させるためのブッシュと、キャビティ内に設けられて、一端がブッシュに接続され、他端が弁スリーブの第2端に接続されたバネと、弁スリーブの第2端に固定して設けられて、弁口を封止するためのシール部材と、を含むスピンドルアセンブリを提供する。
【0006】
更に、スピンドルアセンブリは、弁スリーブとシール部材との間に設けられて、シール部材を弁スリーブに固定するための固定部材を更に含む。
【0007】
更に、固定部材は、第1端がキャビティ内に位置し、第2端が弁スリーブの第2端及びシール部材を順次通過するガイドスリーブと、ガイドスリーブの第2端に接続されたガスケットと、を含む。
【0008】
更に、ガイドスリーブの第1端には制限構造が設けられており、制限構造は弁スリーブの第2端に制限係合されて、ガイドスリーブの弁スリーブに対する変位を制限する。
【0009】
更に、シール部材の弁スリーブから離れた一端には凹溝が設けられており、ガスケットが凹溝内に位置する。
【0010】
更に、スピンドルアセンブリは、弁スリーブの第2端とシール部材との間に設けられた位置決め構造を更に含む。
【0011】
更に、シール部材の弁スリーブの一端に向かう端面には第1段差構造が設けられており、弁スリーブの第2端の端面には第2段差構造が設けられており、第1段差構造と第2段差構造とが互いに係合されて位置決め構造を形成する。
【0012】
更に、シール部材の外径の寸法は、弁スリーブの第2端の外径の寸法と同じである。
【0013】
更に、スピンドルアセンブリは、弁スリーブの第1端に固定して設けられて、ブッシュの弁スリーブにおける変位を制限するためのシールカバーを更に含む。
【0014】
本出願の別の態様によれば、弁口を有する弁体と、弁体内に設けられたスクリュと、上記のスピンドルアセンブリであって、弁体内に移動可能に設けられ、弁口に対応して設けられたスピンドルアセンブリとを含み、スクリュがスピンドルアセンブリのブッシュに駆動接続され、スクリュはブッシュにより弁スリーブを連動して移動させる、電子膨張弁を提供する。
【0015】
本出願の技術態様を適用すると、スピンドルアセンブリは、弁スリーブ、ブッシュ、バネ及びシール部材を含み、ここで、ブッシュにより弁スリーブを駆動して移動させ、シール部材を弁スリーブの第2端に固定して設けて、シール部材によって弁口を封止し、シール部材の材質が比較的柔らかいため、弁スリーブが下向きに移動するとき、シール部材は弁スリーブ及び弁口の両方の押し付けにより変形して、弁口に緊密に密着することができ、全体の封止性能を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本出願の一部を構成する明細書の図面は、本出願に対する更なる理解を提供するためのものであり、本出願の模式的な実施例及びその説明は本出願を解釈するためのもので、本出願を不当に限定するものではない。
【0017】
【
図1】本出願で提供されるスピンドルアセンブリの構造模式図を示す。
【
図2】
図1におけるシール部材と弁スリーブとの取り付けの構造模式図を示す。
【
図3】本出願で提供される電子膨張弁の断面図を示す。
【
図4】本出願で提供される電子膨張弁の側面図を示す。
【0018】
ここで、上記の図面には以下の符号が含まれる。
10 弁スリーブ、20 ブッシュ、30 バネ、40 シール部材、41 凹溝、51 ガイドスリーブ、52 ガスケット、61 第1段差構造、62 第2段差構造、70 シールカバー、81 弁体、82 スクリュ、83 弁口。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本出願の実施例における図面を参照して、本出願の実施例における技術態様を明確且つ完全に説明するが、説明した実施例は本出願の実施例の一部にすぎず、実施例の全部ではないことは明らかである。以下の少なくとも1つの例示的な実施例に対する説明は、実際には単なる説明のためのものであり、本出願及びその適用又は使用に対するいかなる制限をなすものでもない。当業者が、本出願における実施例に基づいて、創造的な労力なしに得られた全ての他の実施例はいずれも本出願の保護範囲に属する。
【0020】
図1及び
図2に示すように、本出願の実施例で提供されるスピンドルアセンブリは、弁スリーブ10、ブッシュ20、バネ30及びシール部材40を含む。ここで、弁スリーブ10は、キャビティを有し且つ対向して設けられた第1端と第2端とを有する。ブッシュ20は、キャビティ内に移動可能に設けられ、弁スリーブ10の第1端に制限係合され、弁スリーブ10を駆動して移動させることができ、具体的には、弁スリーブ10を連動して弁体内で上下移動させることができる。バネ30は、キャビティ内に設けられて、一端がブッシュ20に接続され、他端が弁スリーブ10の第2端に接続されており、バネ30を設けることによりブッシュ20と弁スリーブ10との弾性接続を実現して、緩和する役割を果たす。シール部材40を弁スリーブ10の第2端に固定して設け、シール部材40により弁口83を封止する。具体的には、シール部材40はポリテトラフルオロエチレン材料を採用して製造してもよく、当然ながら、シール部材40は他のプラスチック、ゴム材料を採用して製造してもよく、耐摩耗性、耐食性の要求を満たすことができればよい。
【0021】
本出願で提供される装置によると、スピンドルアセンブリは、弁スリーブ10、ブッシュ20、バネ30及びシール部材40を含み、ここで、ブッシュ20により弁スリーブ10を駆動して移動させ、シール部材40を弁スリーブ10の第2端に固定して設けて、シール部材40によって弁口83を封止し、シール部材40の材質が比較的柔らかいため、弁スリーブ10が下向きに移動するとき、シール部材40は弁スリーブ10及び弁口83の両方の押し付けにより変形して、弁口83に緊密に密着することができ、全体の封止性能を向上させる。
【0022】
具体的には、スピンドルアセンブリは、弁スリーブ10とシール部材40との間に設けられて、シール部材40を弁スリーブ10に固定するための固定部材を更に含む。固定部材は、締着部材又は他の接続構造であってもよい。固定部材を使用してシール部材40を固定すると、シール部材40を弁スリーブ10に固定することができ、接続及び取り付けも容易になる。
【0023】
図2に示すように、本実施例において、固定部材はガイドスリーブ51及びガスケット52を含む。ガイドスリーブ51は、第1端がキャビティ内に位置し、第2端が弁スリーブ10の第2端及びシール部材40を順次通過し、ガスケット52がガイドスリーブ51の第2端に接続される。ガスケット52とガイドスリーブ51との係合接続により、シール部材40を弁スリーブ10の第2端に固定する。ここで、ガイドスリーブ51は引張加工により成形されてもよく、ガスケット52は打抜加工により成形されてもよく、ガイドスリーブ51とガスケット52とはリベット接合又は溶接により接続されてもよい。上記の構造を採用して接続すると、その構造が簡単で、接続が確実で、接続が容易になる。
【0024】
具体的には、シール部材40の中央部に貫通孔を有し、ガイドスリーブ51の第2端は弁スリーブ10の第2端から貫通孔内に貫通して、ガスケット52に接続固定される。
【0025】
ここで、ガイドスリーブ51の第1端には制限構造が設けられており、制限構造は弁スリーブ10の第2端に制限係合されて、ガイドスリーブ51の弁スリーブ10に対する変位を制限することにより、ガイドスリーブ51が弁スリーブ10内から脱落することを防止する。具体的には、ガイドスリーブ51の第1端に制限カムを設けて、制限カムと弁スリーブ10の内壁との係合により制限することができる。本実施例において、弁スリーブ10の内壁には環状カムが設けられており、環状カムの内径がガイドスリーブ51の本体の直径より大きく、弁スリーブ10の本体は環状カムを通過した後に、制限カムと環状カムとの重ね継ぎにより制限する。
【0026】
具体的には、シール部材40の弁スリーブ10から離れた一端には凹溝41が設けられており、ガスケット52が凹溝41内に位置し、凹溝41を設けることにより、ガスケット52のために据え置くスペースを提供し、全体の占有スペースを縮小する。また運転中、ガスケット52と弁口との互いの接触を極力回避することができる。
【0027】
本実施例において、スピンドルアセンブリは、弁スリーブ10の第2端とシール部材40との間に設けられた位置決め構造を更に含む。位置決め構造を設けることにより、弁スリーブ10とシール部材40との位置合わせ、取り付けが容易になり、シール部材40のずれを防止し、更にシール部材40と弁口位置との整合を維持して、シール部材40の弁口に対する効果的な封止を確保することができる。
【0028】
具体的には、シール部材40の弁スリーブ10の一端に向かう端面には第1段差構造61が設けられており、弁スリーブ10の第2端の端面には第2段差構造62が設けられており、第1段差構造と第2段差構造とが互いに係合されて位置決め構造を形成する。ここで、シール部材40の弁スリーブ10の一端に向かう端面にカムを設けて第1段差構造61を形成し、第1段差構造61はシール部材40の中央部に位置し、これに対応して、弁スリーブ10の第2端の端面に凹溝を設けて第2段差構造62を形成し、カムと凹溝とが互いに係合されて心出しや位置決めを実現する。上記の構造により、シール部材40を迅速に取り付けるとともにシール部材40の位置の正確性を確保して、シール部材40の弁口に対する封止効果を確保することができる。
【0029】
本実施例において、シール部材40の外径の寸法を弁スリーブ10の第2端の外径の寸法と同じように設定することにより、弁スリーブ10が弁口83まで移動したとき、シール部材40と弁口83との接触封止を確保することができる。
【0030】
具体的には、スピンドルアセンブリは、弁スリーブ10の第1端に固定して設けられたシールカバー70を更に含み、シールカバー70によりブッシュ20の弁スリーブ10における変位を制限する。シールカバー70は貫通孔を有し、スクリュ82が貫通孔を通過してブッシュ20に接続され、シールカバー70はブッシュ20が弁スリーブ10から脱出することを制限するために用いられる。
【0031】
図3及び
図4に示すように、本出願の別の実施例で提供される電子膨張弁は、弁体81、スクリュ82及びスピンドルアセンブリを含む。ここで、弁体81は弁口83を有し、スクリュ82は弁体81内に設けられ、スピンドルアセンブリは、上記のスピンドルアセンブリであって、弁体81内に移動可能に設けられ、且つ弁口83に対応して設けられ、スクリュ82がスピンドルアセンブリのブッシュ20に駆動接続され、スクリュ82はブッシュ20により弁スリーブ10を連動して移動させて、弁口の開閉を実現する。
【0032】
以上の説明は、本出願の好ましい実施例にすぎず、本出願を限定するためのものではなく、当業者は、本出願に対して各種の修正及び変更を行ってもよい。本出願の趣旨及び原則内でなされたいかなる修正、同等の置換、改良等は、いずれも本出願の保護範囲内に包含されるべきである。
【国際調査報告】