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特表2023-546339非永久的な流体圧連結を生成するための連結装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】非永久的な流体圧連結を生成するための連結装置
(51)【国際特許分類】
   B23B 31/30 20060101AFI20231026BHJP
   F16L 37/34 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B23B31/30 A
F16L37/34
【審査請求】有
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023518786
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 EP2021078694
(87)【国際公開番号】W WO2022084200
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】102020127608.7
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520065097
【氏名又は名称】ダブリュティーオー フェルモーゲンスファーヴァルタン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュミーダー、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ヤンセン、カールハインツ
【テーマコード(参考)】
3C032
3J106
【Fターム(参考)】
3C032KK11
3C032KK13
3J106BC12
3J106GA03
3J106GA12
3J106GA23
(57)【要約】
構造が非常に簡単で、設置スペースもほとんど必要としない流体用の連結装置を提案し、それを固定または被駆動ツールホルダおよび他の制限された設置状況で使用することもできるようにした。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の連結部(1)と、前記第1の連結部(1)と協働する第2の連結部(3)とを備え、前記第1の連結部(1)は、ばね負荷式のダブルチェックバルブ(7)として設計され、前記第2の連結部(3)は、ハウジング(19、113)において変位可能にガイドされるアクチュエータピストン(23)を備え、前記アクチュエータピストン(23)には、外向きに開く方向性バルブが配置され、前記アクチュエータピストン(23)は、シリンダボア(21)を第1のシリンダチャンバ(25)と第2のシリンダチャンバ(27)に分割し、前記アクチュエータピストン(23)は、前記第1の連結部(1)に対向する円錐部(77)または内ドーム部を有し、前記第1の連結部(1)は、前記第2の連結部(3)に対向する端部に肩部(13)を有することを特徴とする流体用の連結装置。
【請求項2】
前記第1の連結部(1)と反対側を向いた前記アクチュエータピストン(23)の端部における前記シリンダボア(21)と前記アクチュエータピストン(23)との間の間隙は、前記第1の連結部(1)に向いた端部における前記シリンダボア(21)と前記アクチュエータピストン(23)との間の間隙よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の連結装置。
【請求項3】
第1の連結部(1)と、前記第1の連結部(1)と協働する第2の連結部(3)とを備え、前記第1の連結部(1)は、ばね負荷式のダブルチェックバルブ(7)として設計され、前記第2の連結部(3)は、ハウジング(19、113)において変位可能にガイドされるアクチュエータピストン(23)を備え、前記アクチュエータピストン(23)には、外向きに開く方向性バルブが配置され、前記アクチュエータピストン(23)は、段付きピストンとして設計され、前記アクチュエータピストン(23)の第1の部分(23.1)は、第1のシリンダチャンバ(25)を区画し、前記アクチュエータピストン(23)の第2の部分(23.2)は、第3のシリンダチャンバ(39)を区画し、前記第1の部分の径(D23.1)は、前記アクチュエータピストン(23)の第2の部分の径(D23.2)より小さく、第3のシリンダチャンバ(39)に環状面(69)が形成される請求項1に記載の連結装置。
【請求項4】
前記第1の連結部(1)と反対側の、前記アクチュエータピストン(23)の端部に第1のシール(79)を設け、前記第1の連結部(1)と対向する、前記アクチュエータピストン(23)の端部に第2のシール(81)を設け、前記アクチュエータピストン(23)が前記シリンダボア(21)に対して傾くか、またはオフセットしても、前記第2のシリンダチャンバ(27)をシールするように、前記第2のシール(81)が径方向に可撓性を有することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項5】
前記第2のシール(81)は、前記第2のシリンダチャンバ(27)に対して前記第3のシリンダチャンバ(39)をシールすることを特徴とする請求項3または4に記載の連結装置。
【請求項6】
流体チャンバ(33)は、前記流体チャンバ(33)が一方の端部で閉鎖されるように前記アクチュエータピストン(23)に形成され、前記流体チャンバ(33)がガイドボア(47)に開口し、前記方向性バルブのスリーブ形状のバルブシート(45)がガイドボア(47)に変位可能に収容され、前記方向性バルブのバルブタペット(49)が前記アクチュエータピストン(23)に連結され、前記スリーブ形状のバルブシート(45)を通って突出し、前記バルブタペット(49)のバルブプレート(51)が前記ガイドボア(47)の前記バルブシート(45)の経路を制限することを特徴とする請求項1~5の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項7】
前記バルブシート(45)が、スリーブ(45.1)と、前記スリーブ(45.1)に受け入れられてガイドされるシートリング(45.2)と、ばね要素(45.3)と、を備え、前記ばね要素(45.3)が、前記スリーブ(45.1)の端部と前記シートリング(45.2)の他端とで支持されることを特徴とする請求項6に記載の連結装置。
【請求項8】
前記流体チャンバ(33)に第2の圧縮ばね(43)が配置され、前記第2の圧縮ばね(43)によって前記バルブシート(45)に作用するばね力が、前記バルブシート(45)を前記バルブタペット(49)の前記バルブプレート(51)に押し付けることを特徴とする請求項6または7に記載の連結装置。
【請求項9】
前記流体チャンバ(33)は、前記アクチュエータピストン(23)の外側に存在する周方向の溝(39)を介して前記ハウジング(19、113)の供給ライン(41)に流体的に連結され、少なくとも一つの径方向のボア(37)を介して、少なくとも前記方向性バルブの開位置で、流体を供給されることを特徴とする請求項6~8の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項10】
前記第1のシリンダチャンバ(25)は、第1の制御ライン(29)を介して流体を供給し得ることを特徴とする請求項1~9の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項11】
前記第2のシリンダチャンバ(27)は、第2の制御ライン(31)を介して流体を供給し得ることを特徴とする請求項1~10の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項12】
前記第2のシリンダチャンバ(27)または前記ハウジング(113)の外側に第3の圧縮ばね(67)が配設され、前記アクチュエータピストン(23)に作用するばね力が、前記第1のシリンダチャンバ(25)および/または前記第3のシリンダチャンバ(39)に位置する流体の(圧力)力に対抗することを特徴とする請求項1~11の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項13】
前記流体チャンバ(33)は、少なくとも前記方向性バルブの開放位置において、供給ライン(41)または制御供給ライン(32)を介して流体を供給し得ることを特徴とする請求項6~8、10~12の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項14】
前記第3のシリンダチャンバ(39)と前記流体チャンバ(33)は、前記制御供給ライン(32)を介して流体が同時に供給されることを特徴とする請求項6~13の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項15】
前記流体チャンバ(33)と前記方向性バルブとの間にはスロットル(75)またはオリフィスが設けられ、前記方向性バルブが開いているとき、前記流体チャンバ(33)からの加圧流体の流出が制限され、前記流体チャンバ(33)と前記第3のシリンダチャンバ(39)の最小過圧が維持されることを特徴とする請求項6~請求項14の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項16】
前記スロットル(75)は、前記バルブタペット(49)と、前記バルブシート(45)または前記スリーブ(45.1)と、の間の環状の間隙として設計されることを特徴とする請求項15に記載の連結装置。
【請求項17】
前記アクチュエータピストン(23)の少なくとも前記第2の部分(23.2)は、長円形状または楕円形状の断面を有し、前記シリンダボア(21)の少なくとも前記第2の部分(21.2)は、長円形状または楕円形状の断面を有することを特徴とする請求項3~16の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項18】
前記第1の連結部(1)の前記チェックバルブ(7)は、バルブハウジング(11)を備え、前記チェックバルブ(7)に連結された流体のための開口部(15)が前記バルブハウジング(11)に形成され、前記バルブハウジング(11)の前記肩部(13)に前記開口部(15)が形成され、前記連結装置が閉鎖されると、前記肩部(13)が前記第2の連結部(3)の前記ガイドボア(47)に進入し、前記方向性バルブの前記バルブシート(45)が前記バルブタペット(49)の前記バルブプレート(51)から持ち上げられ、前記ハウジング(113)またはスピンドル(5)のライン(18)が前記チェックバルブ(7)によって開閉されることを特徴とする請求項1~請求項17の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項19】
前記バルブハウジング(11)の前記肩部(13)は、円錐台形状またはドーム形状に設計されていることを特徴とする請求項1~請求項18の何れか一項に記載の連結装置。
【請求項20】
ハウジング(113)と、アダプタ(105)を受け入れるために前記ハウジング(113)に配置された少なくとも1つのセンタリングレセプタクル(63)と、前記センタリングレセプタクル(63)の前記アダプタ(105)をクランプまたは取外すための流体によって作動されるクランプシステムと、を備えるツールホルダ(111)であって、請求項1~請求項19の何れか一項に記載の少なくとも1つの前記第1の連結部(1)が、前記ハウジング(113)に設けられることを特徴とするツールホルダ(111)。
【請求項21】
ハウジング(113)と、スピンドル(5)と、アダプタ(105)を受け入れるために前記スピンドル(5)に配置されたセンタリングレセプタクル(63)と、前記センタリングレセプタクル(63)の前記アダプタ(105)をクランプまたは取外すための流体によって作動されるクランプシステムと、を備えたツールホルダ(111)であって、請求項1~請求項19の何れか一項に記載の少なくとも1つの前記第1の連結部(1)が、前記ハウジング(113)また前記はスピンドル(5)に設けられることを特徴とするツールホルダ(111)。
【請求項22】
前記第1の連結部(1)のチェックバルブ(7)が、前記センタリングレセプタクル(63)の軸線に対して放射状に配置されることを特徴とする請求項20または21に記載のツールホルダ(111)。
【請求項23】
請求項1~19の何れか一項に記載の2つの前記第2の連結部(3.1、3.2)を備え、前記ツールホルダ(111)は、第1の流体ライン(119)と第2の流体ライン(121)を備え、2つの前記第2の連結部(3.1、3.2)は、前記流体ライン(119、121)に逆方向に連結されることを特徴とする請求項20~22の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項24】
前記クランプシステムの流体作動アクチュエータが、単動のシリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の供給のための第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプ及び解除するために設けられることを特徴とする請求項20~23の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項25】
前記クランプシステムの流体作動アクチュエータが、複動のシリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の連結部(123、125)を供給するための2つの前記第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプ及び解除するために設けられることを特徴とする請求項20~23の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項26】
請求項1~19の何れか一項に記載の少なくとも1つの前記第2の連結部(3)を含み、前記第2の連結部(3)は、請求項20、21、22、24、25の何れか一項に記載の前記ツールホルダ(111)の請求項1~19の何れか一項に記載の前記第1の連結部(1)と適合することを特徴とする供給ブラケット(53)。
【請求項27】
請求項1~19の何れか一項に記載の少なくとも2つの前記第2の連結部(3)を含み、前記第2の連結部(3)は、請求項20、21、22、24、25、26の何れか一項に記載の前記ツールホルダ(111)の請求項1~19の何れか一項に記載の前記第1の連結部(1)と適合することを特徴とする供給ブラケット(53)。
【請求項28】
少なくとも2つの前記第2の連結部(3)は、請求項1~18の何れか一項に記載の前記第1の連結部(1)に、前記第2の連結部(3)のバルブタペット(49)によって加えられる力が、互いに完全にまたは少なくとも大きく相殺するように配置されることを特徴とする請求項27に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項29】
前記供給ブラケット(53)が、第1の流体ライン(119)と第2の流体ライン(121)を含み、2つの前記第2の連結部(3.1、3.2)が、前記流体ライン(119、121)に逆方向に連結されていることを特徴とする、請求項27または28に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項30】
請求項1~19の何れか一項に記載の2つの前記第1の連結部(1)を含み、2つの前記第1の連結部(1)は、請求項26~29の何れか一項に記載の前記供給ブラケット(53)と協働することを特徴とする請求項20~25の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項31】
前記クランプシステムの流体作動アクチュエータが、単動のシリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の供給のための前記第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプ及び解除するために設けられることを特徴とする請求項30に記載のツールホルダ(111)。
【請求項32】
前記クランプシステムの流体作動アクチュエータが、複動のシリンダ構造(117)を備え、前記クランプシステムのクランプまたは解除のための前記シリンダ構造(117)の連結部(123、125)の供給のために2つの前記第1の連結部(1.1、1.2)が設けられていることを特徴とする請求項30に記載のツールホルダ(111)。
【請求項33】
請求項20~25の何れか一項に記載の少なくとも1つのツールホルダ(111)を備え、前記クランプシステムの流体作動アクチュエータが、シリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の供給のための少なくとも1つの前記第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプまたは解除するために設けられたことを特徴とする回転機械又はマシニングセンタ。
【請求項34】
請求項26~29の何れか一項に記載の前記供給ブラケット(53)を備えることを特徴とする請求項33に記載の回転機械またはマシニングセンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
製造技術の分野では、流体作動クランプシステムが、駆動されるか又は固定ツールホルダにおいて頻繁に使用される。ツールホルダは、(センタリング)レセプタクルを備える。アダプタまたはツールをレセプタクルに挿入する。続いて、クランプシステムを作動させて、アダプタまたはツールをクランプする。
【背景技術】
【0002】
同じレセプタクルに、たとえば旋盤ツール、ドリルビット、またはフライスカッターなど、さまざまな異なるツールをクランプできるようにするために、アダプタが頻繁に使用される。これらのアダプタは、レセプタクルおよび例えばツールホルダのクランプシステム用のインターフェースを形成する。言語上の単純化の理由から、ツールホルダの流体作動クランプ装置でクランプされる構成要素は、「アダプタ」と呼ばれ、これは、ツール、ツールホルダ(例えば、ドリルチャック)、又は他のものであることもできる。
【0003】
以下では、「流体」という用語は、液体(例えば、油圧作動流体)および圧縮気体の両方を含む。「流体作動」は、それに応じて、液体(例えば、油圧機構)による作動と気体作動の両方を含む。
【0004】
流体クランプの利点は、同時に比較的小さな寸法を有する高いクランプ力である。加えて、流体作動アクチュエータは、非常に堅牢であり、長い動作時間にわたる製造業における厳しい使用条件に耐える。
【0005】
クランプ力が圧縮ばねによって連続的に維持されるクランプシステムが存在する。クランプシステムを解除するためには、ばね力に打ち勝たなければならず、テンションボルトをクランプ位置から開位置に移動させることができる。この場合、単動流体シリンダは、以下「シリンダ構造」とも称し、または「シリンダ」と短縮すれば十分である。このような単動シリンダには、1つの流体連結しかない。自動ロック機能付きで、クランプ力を継続的に適用するばねのないクランプシステムでは、クランプシステムのテンションボルトを開位置からクランプ位置に、またクランプ位置から開位置に移動できるようにするために、複動シリンダ(構造)が必要になる。
【0006】
さらに、加圧流体によってクランプ位置に恒久的に保持され、および/または加圧流体がクランプ位置を固定する働きをするクランプシステムがある。
【0007】
加工工程間において、ツールホルダが稼働していない場合には、例えば、摩耗した切削ツールを新しい切削ツールに交換したり、回転加工に使用する切削ツールをドリル加工用の切削ツールに交換したりするなど、アダプタを交換することが可能である。
【0008】
したがって、加工位置において、ツールホルダが動作していないときに、加工位置の外側で、同時に、その切削ツールを加工位置に有する別のツールホルダが、加工プロセスを実行し、動作していないツールホルダのアダプタを交換することが可能である。
【0009】
所望の動作(クランプまたは取外し)を行うことができるようにするために、加圧された流体をシリンダに移送しなければならない。クランプシステムのクランプまたは取り外しは、ツールホルダが作動していない時に行われる。
【0010】
いずれの場合も、ツールホルダは、回転中心の作業空間または別の工作機械に位置している。
【0011】
ポンプからシリンダへの流体の供給は特に複雑である。なぜならば、供給ラインは、ツールホルダを含む工作機械のシャフト系の全てを通過しなければならず、被駆動ツールの場合には、作動中に回転するスピンドルにも通過しなければならないからである。
【0012】
要するに、ツールホルダの流体供給と流体シリンダとの間の着脱可能な流体連結が必要とされている。この着脱可能な連結は、以下では連結装置とも呼ばれる。
【0013】
連結システムは欧州特許EP 1 058 044 B1号から知られている。この連結システムによって、加圧流体を含む2つのラインを互いに着脱自在に連結し、その後再び取り外すことができる。この連結システムは実際に成功したことが証明されている。しかし、非常に複雑であり、軸方向に大量の設置スペースを必要とする。
【0014】
その理由は、第1の連結部(メス)に2個のバルブ(補助・主制御バルブ)が一方と一方の後方に配置されているためである。さらに、第2の連結部(オス)も同様に、一方と一方の後方に配置された2つのバルブを有する。この合計4つのバルブ(2つの主バルブ及び2つの補助バルブ)の順次配列は、多大な設置スペースを必要とし、製造が複雑であり、それ故、ツールホルダと連結して、実用的でなく、使用可能でない。
【0015】
さらに、特開2017-26131A号及び米国特許US 2010 0 096 032 A1号から同様の連結システムが知られている。
【0016】
これらのシステムでは、2つの連結部が互いに垂直かつ中央に重なって配置されるという完全な機能のために仮定されており、これは、角度または位置の偏差がないことを意味している。
【発明の概要】
【0017】
本発明の目的は、加圧流体用の連結装置を提供することである。連結装置によって、流体作動クランプシステムを有するツールホルダは、簡単で信頼性が高く、省スペースの方法で、加圧流体を一時的に供給することができる。
【0018】
さらに、この着脱自在な連結装置は、流体供給装置とツールホルダおよび/またはスピンドルとの間で作動するのが容易であり、省スペースで作動し、確実に機能する。さらに、例えば、スピンドルのような回転対称な構成要素において径方向の伝達を可能にするためには、小さい角度及び位置の偏差も許容される。さらに、連結装置は、非連結状態でインターフェースを確実にシールし、漏れをできるだけ低く保つ。
【0019】
ツールホルダでの自動ツール変更(ハンドリングロボットまたはロボットアームの支援などによる)もサポートまたは有効にする必要がある。
【0020】
本発明によれば、流体用の連結装置において、第1の連結部と、前記第1の連結部と協働する第2の連結部とを備え、前記第1の連結部は、ばね負荷式のダブルチェックバルブとして設計されており、前記第2の連結部は、ハウジングにおいて変位可能にガイドされるアクチュエータピストンを備え、前記アクチュエータピストンには、外向きに開く方向性バルブが配置されており、前記アクチュエータピストンは、シリンダボアを第1のシリンダチャンバと第2のシリンダチャンバとに分割し、前記アクチュエータピストンは、前記第1の連結部に対向する端部に(球面/たる形の)円錐部または内ドーム部を有し、前記第1の連結部は、前記第2の連結部に対向する端部に肩部を有する。
【0021】
本発明による連結装置は、通常のように、2つの部分で設計される。第1の連結部は、流体を供給される部品に最も一般的に一体化されている。そして、第2の連結部は、供給側に設けられる。
【0022】
実施形態をそのままに、第1の連結部をツールホルダまたはスピンドルに配置することができる。第2の連結部は、ハンドリング装置またはロボットハンドの一部である供給ブラケットに一体化することができる。
【0023】
ツールホルダのツールを交換する時期になると、ロボットアームは、供給ブラケットをツールホルダのすぐ近くに移動する。具体的には、電源ブラケットの第2の連結部とツールホルダの第1の連結部が互いに反対側になるように移動する。それらの間の間隙は数ミリメートルである。より正確な事前位置決めを可能にするために、当然、追加的な位置決め停止またはピンを供給ブラケットに一体化することが可能である。
【0024】
スピンドル(例えば、被駆動ツールホルダ)に流体を供給しなければならない場合、第2の連結部は、代わりに、スピンドルを取り囲むハウジングに設置され得る。その後、流体の供給は、工作機械から被駆動ツールホルダのハウジングへ、そこから第2の連結部を経てスピンドルの第1の連結部へと行われる。
【0025】
しかしながら、被駆動ツールホルダのハウジングに、記載した供給ブラケットおよび少なくとも1つの第1の連結装置を介して流体を供給することもまた、好都合である。そこから、流体は、ハウジングの内側に存在する流体連結と、第2および第1の連結部の少なくとも1つの第2のペアリング(連結装置)を介して、クランプシステムへのスピンドルに通過することができる。
【0026】
本発明に係る連結装置によれば、第1の連結部と第2の連結部は、ともに非常にシンプルな構成であり、かつコンパクトなサイズである。第1の連結部は、究極的にはダブルチェックバルブであり、そのバルブ部材は外部からアクセス可能である。本発明による方法では、第2の連結部の外向きに開くバルブタペットは、第2の連結部のアクチュエータピストンが第1の連結部に接触するとすぐに「自動的に」開く。
【0027】
本発明による第2の連結部は、変位可能なアクチュエータピストンを提供する。アクチュエータピストンは、第1の連結部の方向に数ミリメートル(油圧的に、機械的に、または電気的に)移動させることができる。アクチュエータピストンは、第2の連結部の独立した移動シャフトであり、これにより連結装置を閉じ、再び開くことができる。
【0028】
アクチュエータピストンは、外向きに開くバルブタペットを備えた方向性バルブを有する。方向性バルブのバルブタペットは、アクチュエータピストンに接続又は連結されている。方向性バルブのバルブシートは、アクチュエータピストンに対して変位可能である。このように、方向性バルブは「内開きのバルブシート」を有しているといえ、アクチュエータピストンと内開きのバルブシートの組合せにより、アクチュエータピストンを動かすことで、第2の連結部の方向性バルブを数ミリ開き、第1の連結部のチェックバルブを同じ動きで開くことが可能となる。
【0029】
アクチュエータピストンが(流体的に、またはばねを介して)戻るとすぐに、方向性バルブとチェックバルブが閉じる。連結装置の2つの部分は、互いに、および周囲に対して、流体圧で閉じられている。流体が周囲に逃げたり、連結部間で交換されたりすることはない。
【0030】
したがって、例えば、上記の供給ブラケットが、ロボットハンドによって、(供給ブラケットの)第2の連結部がツールホルダの第1の連結部の真正面に位置し、2つの連結部が互いに一直線に並んでいるが、まだ接触していない位置に持ち込まれた場合、アクチュエータピストンは、第1の連結部の方向に移動することができる。
【0031】
アクチュエータピストンが第1の連結部のバルブハウジングに接触するとすぐに、第1の連結部と第2の連結部の間に流体圧の連結部が存在する。さらに、アクチュエータピストンの動きによって、第1の連結部のチェックバルブと第2の連結部の方向性バルブが開く。
【0032】
チェックバルブは、第1の連結部のバルブ部材がそのシートから内側に持ち上げられることによって開かれる。方向性バルブは、固定されたバルブタペットからバルブシートを持ち上げることによって開く。
【0033】
第2の連結部には、1つのバルブ、すなわち外向きに開く方向性バルブのみが必要である。この非常に単純な構造のために、製造コストは比較的低く、とりわけ、設置スペースの要求が低い。
【0034】
第2の連結部が、例えばロボットハンドのようなハンドリングシステムの一部であることを考慮すると、(例えば、単動シリンダを作動させるための)1つの(番号)第2の連結部又は(例えば、複動シリンダを作動させるための)2つの(番号)第2の連結部を備えた1つの供給ブラケットのみが、各工作機械に対して必要とされる/である。
【0035】
また、ツールホルダまたはスピンドルに供給ブラケットを介してさらに流体を供給する場合は、供給ブラケットに2個以上の第2の連結部を設けることもできる。例えば、追加の第2の連結部によって、圧縮気体を提供して、アダプタのレセプタクルとの平坦な接触を確認し、クランププロセスを監視するか、またはその完了を確認し、または接触面の清掃を可能にすることができる。
【0036】
必要に応じて、ハンドリング装置またはロボットハンドの作業スペースに存在するすべてのツールホルダに到達することができる。本発明による連結装置は、閉鎖することができ、ツールホルダのクランプシステムは、必要に応じて解除することができ、又はクランプすることができる。クランプシステムを取り外すと、交換するツールの付いたアダプタをツールホルダのレセプタクルから取り外し、新しいツールの付いたアダプタをレセプタクルに挿入することができる。例えば、鈍いツールを交換したり、ドリル付きのアダプタをフライス付きのアダプタと交換したりする。続いて、クランプシステムがクランプ位置に移動され、ツールホルダが再び使用可能な状態になる。これは、すでに説明したように、隣接するツールホルダが機械加工操作を実行している間にも行われ得る。
【0037】
本発明による連結装置は、単純な設計であり、設置スペースをほとんど必要としない。また、この連結装置は、ツールホルダのクランプシステムのクランプおよび取り外しのために、工作機械における変更または介入を必要としないことにも言及すべきである。したがって、標準的な機械/工作機械における自動ツール交換が可能である。既存の機械での自動ツール交換の後付けも可能である。
【0038】
したがって、利点は、ツールホルダの流体クランプシステムの供給が、例えば、本発明による供給ブラケットを備え、供給ブラケットに一体化され、独立して制御され得る移動シャフトを有するハンドリングロボットによって、工作機械の「外側」で行われることである。ツールホルダを使用する工作機械の介入や変更は不要である。しかし、本発明による連結装置は、機械を通る、例えば、ハウジングから被駆動ツールのスピンドルへの流体ラインの補足として使用することもできる。
【0039】
(球形/たる形の)内部円錐部または内ドーム部のため、アクチュエータピストンはそれ自体をセンタリングし、第1の連結部の肩にも第2の連結部をセンタリングする。この手段は、連結装置の信頼性を著しく高め、業界の「厳しい」条件下でも使用を可能にする。
【0040】
本発明の有利な開発により、第1の連結部とは反対を向いているアクチュエータピストンの端部におけるシリンダボアとアクチュエータピストンとの間の間隙は、第1連結部に向いた端部におけるシリンダボアとアクチュエータピストンとの間の間隙よりも小さい。その結果、アクチュエータピストンは、第1の連結部の肩の円錐部と中心を合わせると、多少傾くことができる。
【0041】
好ましい実施形態では、第2の連結部の流体チャンバは、ガイドボアに開口し、前記ガイドボアに前記方向性バルブのスリーブ形状のバルブシートが変位可能に収容され、前記方向性バルブのバルブタペットは、前記アクチュエータピストンに連結され、前記スリーブ形状のバルブシートを通して突出する。
【0042】
好ましい実施形態では、バルブタペットは、アクチュエータピストンのガイドボアの(例えば、圧入または可動シートリングの形態での)可動バルブシートの外側への移動を制限するバルブプレートを備えて設計される。
【0043】
任意的に、バルブシートは、アクチュエータピストンのバルブシートのストップを介してまだ開放することができる。このことは、油圧が第2の連結部に存在するが、例えば供給ブラケットの位置が間違っている場合など、第1の連結部が相手部品として設けられていない場合に特に重要である。
【0044】
これは、アクチュエータピストンの流体チャンバの加圧流体によって、バルブシートのシートリングが、バルブタペットのバルブプレートに流体圧をかけられ、シールすることを意味する。このようにして方向性バルブが閉じる。両方のバルブ(方向性バルブとチェックバルブ)は、第2の連結部が第1の連結部に着座したときにのみ開く。
【0045】
あらゆる状況下でバルブシートがバルブタペットのバルブプレートに押し付けられることを確実にするために、流体チャンバが加圧されていなくても、有利な開発では、第2の圧縮ばねが流体チャンバに配置され、この圧縮ばねは、バルブシートのバルブプレートをバルブタペットのバルブプレートに押し付ける。
【0046】
また、上記目的は、前記第1の連結部と、前記第1の連結部と協働する第2の連結部とからなる流体用連結装置において、前記第1の連結部は、ばね負荷式のダブルチェックバルブとして設計され、前記第2の連結部は、ハウジングで変位可能にガイドされるアクチュエータピストンを備え、前記アクチュエータピストンは、段付きピストンとして設計され、前記アクチュエータピストンの第1の部分が前記第1シリンダチャンバを区画し、前記アクチュエータピストンの第2の部分が第3のシリンダチャンバを区画し、前記第1の部分の径D23.1が前記アクチュエータピストンの第2の部分の径D23.2よりも小さく、前記第3のシリンダチャンバに環状面が生成されることにより、達成される。
【0047】
さらに有利な開発では、第1のシールが、第1の連結部とは反対を向いているアクチュエータピストンの端部に設けられ、第2のシールが、第1連結部に向いているアクチュエータピストンの端部に設けられ、第2のシールは、アクチュエータピストンがシリンダボアに対して傾くか、またはオフセットしでも、第2のシリンダチャンバをシールするように、径方向に可撓性を有する。これにより、不都合な条件下(アクチュエータのピストンが傾いている状態)でも、第2の連結部が良好にシールされる。
【0048】
本発明の有利な実施形態では、流体チャンバがアクチュエータピストンに形成され、流体チャンバは一方の端部で閉鎖され、流体チャンバは、例えば供給ブラケットのハウジングの供給ラインを介して、アクチュエータの外側に存在する周方向の溝と少なくとも1つの径方向のボアとを介して流体供給部に流体的に連結される。供給ラインを介して、流体(例えば、作動油)は、所望の圧力で流体アセンブリによって提供され得る。
【0049】
アクチュエータピストンをハウジングのシリンダボアで目標の方法で前後に移動できるようにするために、アクチュエータピストンがシリンダを第1のシリンダチャンバと第2のシリンダチャンバとに分割し、第1のシリンダチャンバには制御可能な第1の制御ラインを介して流体を供給することができ、第2のシリンダチャンバには制御可能な第2の制御ラインを介して流体を供給することができるようにしておくことができる。
【0050】
アクチュエータピストンは、制御ラインのどちらが加圧流体を運ぶかに応じて、シリンダボアを前後に移動する。その結果、例えば、制御ラインの1つを作動させて、アクチュエータピストンを動かし、それと共に方向性バルブを第1の連結部の方向に動かすことが可能である。このように、アクチュエータピストンは、ロボットハンドを動かさずに、目標の方法で動かされる。その結果、連結プロセスの開始前に存在する第1および第2の連結部の間の距離を排除することができ、第1および第2の連結部の間の流体連結を生成することができる。
【0051】
流体チャンバ、第2の圧縮ばね、また本発明による外向きに開く方向性バルブを収容するアクチュエータピストンにより、非常にコンパクトで、特に非常に短い設計が達成される。また、本発明によるアクチュエータピストンおよび方向性バルブは、比較的低コストで、かつ長い使用寿命で利用可能にすることができるように、生産プロセスの点で管理が容易である。
【0052】
スリーブ形状のバルブシートがアクチュエータピストンでガイドされる。アクチュエータピストンに連結されている方向性バルブのバルブタペットは、このバルブシートを通って突出している。バルブタペットのバルブプレートは、ガイドボアのバルブシートの経路を画定する。
【0053】
バルブシートが、ばね要素と共に、スリーブと、スリーブに収容されてガイドされるシートリングとを備えている場合に特に有利である。ばね要素は、一端がスリーブに対して支持され、他端がシートリングに対して支持される。その結果、第1の連結部と第2の連結部との間の角度オフセットを、連結装置の機能を損なうことなく補償することができる。本発明によるこの角度補償は、使用領域を、第1の連結要素が回転可能に取り付けられたスピンドルに配置される用途に拡大する。これにより、スピンドルの位置決め時に頻繁に発生する誤差を補償することができる。
【0054】
連結装置の場合、第2の圧縮ばねを流体チャンバに配置することができ、この場合、第2の圧縮ばねによってバルブシートに掛かるばね力は、定められたストップに抗してバルブシートを働くか、またはばね要素が第2の圧縮ばねよりも高いばね力を有する場合には、バルブタペットのバルブプレートに対してバルブシートを働く。
【0055】
本発明による連結装置の有利な実施形態では、第1の連結部のチェックバルブは、バルブハウジングを備え、流体用の開口部が、チェックバルブに連結されており、この開口部は、バルブハウジングに形成され、この開口部は、バルブハウジングの肩部に開き、そして、連結装置が閉じられると、肩部は、第2の連結部のガイドボアに進入する。
【0056】
この非常に単純で堅牢な解決策の結果として、第1の連結部の肩部は、第2の連結部のアクチュエータピストンが、第1の連結部またはその肩部の接触方向において、外向きに開く方向性バルブと共に移動するとすぐに、第2の連結部における方向性バルブの開口をもたらす。
【0057】
同時に、第2の連結部のバルブタペットは、バルブ部材および第1の連結部の第1の圧縮ばねを押し付け、シールリングがバルブハウジングを持ち上げて外れるので、チェックバルブの開口部を露出させる。
【0058】
あるいは、バルブハウジングとアクチュエータピストンの端面をセンタリング円錐部のペア(オス/メス、メス/オス)として設計することもできる。
【0059】
もちろん、ドーム形状のペアリングのような、または円錐形状およびドーム形状または球状円錐形輪郭の組み合わせのような他のセンタリングペアリングも可能である。
【0060】
有利な開発形態では、流体チャンバは、アクチュエータピストンの外側に存在する周方向の溝と、ハウジングの供給管への少なくとも1つの径方向の内径とを介して、少なくとも方向性バルブの開位置に流体を流体的に連結し、流体を供給される。「方向性バルブの開位置」とは、バルブプレートがバルブシートに静止していないことをいう。
【0061】
任意に、第1のシリンダチャンバには、第1の制御ラインを介して流体を供給することができる。(同様に任意に、)第2のシリンダチャンバは第2の制御ラインを介して流体を供給することができる。
【0062】
第2の連結部の特に有利な実施形態では、第3の圧縮ばねが第2のシリンダチャンバまたはハウジングの外側に配置され、そのばね力がアクチュエータピストンに作用し、第1のシリンダチャンバの流体の力に対抗する。
【0063】
流体チャンバには、供給ラインまたは制御と供給を組み合わせたラインを介して流体を供給することができる。第3のシリンダチャンバおよび流体チャンバは、制御供給ラインを介して流体を同時に供給されることが好ましい。これは、非常にコンパクトな設計を可能にし、製造労力を低減する。有利な開発形態では、本発明による連結装置は、流体チャンバと方向性バルブとの間にスロットルまたはダイヤフラムを有する。その結果、方向性バルブが開いているとき、加圧された流体の流出が流体チャンバから制限され、その結果、流体チャンバおよび第3シリンダチャンバにおいて、ある最小過圧が維持される。その結果、アクチュエータピストンは開位置のままになる。スロットルは、バルブタペットとバルブシートまたはそのスリーブとの間の環状の間隙として設計することができる。
【0064】
加工作業の加工スペースには常にスペースが制限されている。しかしながら、第2の連結部は、指定された流体圧で必要な作動力を提供するために、ある量のスペースを必要とする。アクチュエータピストンの少なくとも第2の部分が、長円形または楕円形の断面を有し、シリンダボアの少なくとも第2の部分が、長円形または楕円形の断面を有する本発明による開発は、このジレンマを逸脱する方法を提供する。そして、アクチュエータピストンの第2の部分の同じ面積で、一方向の第2の連結部の全長が短くなる。この減少により、いくつかの用途において、制限された条件下であっても、本発明による連結装置を使用することが可能になる。
【0065】
第1の連結部の有利な設計は、そのチェックバルブに関する。それはバルブハウジングを備え、バルブハウジングには流体用の開口部が形成されており、開口部はチェックバルブに流体圧的に連結されており、開口部は前記バルブハウジングの肩部に形成されており、前記連結装置が閉じると、前記肩部が前記第2の連結部の前記ガイドボアにディップし、前記方向性バルブの前記バルブシートが前記バルブタペットの前記バルブプレートから持ち上がって外れ、前記ハウジングのラインまたはスピンドルが前記チェックバルブによって開閉される。バルブハウジングの肩部が円錐台形又はドーム形状になるように設計されていれば、第1の連結部と第2の連結部との間のセンタリングは更に改善される。
【0066】
本発明による連結装置は、様々な配置で使用することができる。第2の連結部が供給ブラケットに配置される場合に好ましい。次に、供給ブラケットは、アクチュエータピストンを受け入れるシリンダボアを備えたハウジングを備える。
【0067】
ツールホルダのクランプシステムが複動流体シリンダを提供する場合、2つの第1の連結部がツールホルダに一体化される。そして、供給ブラケットは、2つの第2の連結部も有する。次いで、第2の連結部は、供給ブラケットの位置を変えることなく、第2の連結部および第1の連結部が互いに対向して配置されるように配置される。クランプシステムを開くか閉じるかによって、連結部の一方は流体供給部として、他方は流体排出部として、またはその逆として機能する。
【0068】
ツールホルダのクランプシステムが単動流体シリンダを提供する場合、1つの第1の連結部のみがツールホルダに一体化される。そして、供給ブラケットは、1つの第2の連結部のみを必要とする。
【0069】
しかし、2つ以上の第2の連結部を備えた本発明による供給ブラケットが、1つの第1の連結部のみと一緒に働くことも可能である。次に、供給ブラケットの第2の連結部が、ツールホルダの第1の連結部の前のわずかな距離に配置される。連結装置は、この第2の連結部に属するアクチュエータピストンの標とする作動によって閉じられる。
【0070】
本発明は、ハウジングと、アダプタを受け入れるためにハウジングに配置された少なくとも1つのセンタリングレセプタクルと、センタリングレセプタクルのアダプタをクランプ及び解除するための流体作動クランプシステムとを備える固定ツールホルダにおいて使用することができる。これを行うために、第1の連結部がハウジングに存在し、第1の連結部が供給ブラケットの第2の連結部と相互作用する。
【0071】
対応する態様で、本発明による連結は、ハウジングと、ハウジングに取り付けられたスピンドルと、アダプタ用にスピンドルに配置された少なくとも1つのセンタリングレセプタクルと、センタリングレセプタクルのアダプタをクランプ及び解除するための流体作動クランプシステムとを備える被駆動ツールホルダで使用することもできる。
【0072】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの第1の連結部がスピンドルに、好ましくはスピンドルのカラーに設けられるように設けられる。
【0073】
さらなる好ましい実施形態では、第2の連結部の少なくとも1つが、スピンドルを囲むハウジングに設置され、ハウジングおよび隣接する構成要素(例えば、工作機械またはハンドリングシステムの構成要素)を介して流体を供給されることが提供される。
【0074】
バルブハウジングに接近するアクチュエータピストンまたはバルブ部材に接近するバルブタペットによるスピンドルの機械的負荷を最小限にするために、特に複動式の流体クランプシステムの場合には、2つの第1の連結部は、スピンドルで互いに対向して配置され、したがって、180°オフセットされることが有利である。次に、第2の連結部がスピンドルの2つの第1の連結部に同時に接近すると、スピンドルに径方向に作用する力は互いに打ち消し合い、スピンドルのベアリングは非常に小さな荷重のみを受ける。さらに、径方向に作用する力によるスピンドルのたわみが防止される。2つを超える連結システムが使用される場合、スピンドルの配置およびそれに作用するアクチュエータ力への向きは、結果として生じる力が互いに大きく相殺するように選択される。
【0075】
2つの第2の連結部を備える供給ブラケットの特に有利な実施形態では、これらの第2の連結部(以下に番号1および番号2で示す)は、供給ブラケットの流体ラインに逆方向に連結される。逆方向手段は、例えば制御ラインと複合的な制御供給ラインとが連結される第2の連結部の場合、第2の連結部番号1の制御ラインと第2の連結部番号2の制御ラインとが同じ流体ラインに連結され、かつ第2の連結部番号1の制御ラインと第2の連結部番号2の制御ラインとが同じ流体ラインに連結されることである。アクチュエータピストンの延長は、アクチュエータピストンの2つの流体圧分離されたピストンを介して行われ得、これらのピストンの1つは流体チャンバに連結されている。アクチュエータピストンの非連結位置への戻りは、ばねを介して行われる。
【0076】
この「逆方向の」連結構成を用いて、2つの流体ラインによって、以下のような方法でツールホルダのシリンダ構造を作動させることが可能である。
ピストンとそれに伴ってピストンロッドが両方向に移動し、
ピストンの動きにより、シリンダ構造で押しのけられた流体が排出され、
第1のシリンダチャンバまたは第3のシリンダチャンバの容積変化を2つの第2の連結部のいずれかで補償する。
【0077】
本発明のさらなる利点および有利な実施形態は、以下の図面、説明および特許請求の範囲に見出すことができる。図面、その説明及びクレームに開示された全ての特徴は、個々に及び任意の組合せで発明に必須となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1図1は、開放状態における本発明による連結装置の実施の形態を通じた断面を示す。
図2図2は、閉鎖状態における同じ連結装置を示す。
図3図3は、本発明による供給ブラケットを特に備えたツールホルダおよびロボットハンドを示す。
図4a図4aは、図3によるツールホルダのセンタリングレセプタクルの前面からの図を示す。
図4b図4bは、図3によるツールホルダのセンタリングレセプタクルの前面からの図を示す。
図5図5は、2つの連結装置を備えた被駆動ツールホルダおよび設置されたスピンドルを通るセクションを示す。
図6図6は、閉鎖状態にある本発明による連結装置の第2の実施形態を通るセクションを示す。
図7図7は、本発明による連結装置の第3の実施形態を通る部分を示す。
図8図8は、閉鎖状態における第3の実施形態を通るセクションを示す。
図9図9は、開放状態における第3の実施形態の断面を示し、オフセットおよび角度誤差を伴う。
図10図10は、オフセット誤差および角度誤差の本発明による補償を示すために、閉鎖状態における第3の実施形態を通るセクションを示す。
図11図11は、楕円アクチュエータピストンを有する第4の実施形態を通る2つの部分を示す。
図12-1】図12-1は、ツールホルダにおける第2の実施形態の一体化、およびその連結構成を2つの図で示す。
図12-2】図12-2は、ツールホルダにおける第2の実施形態の一体化、およびその連結構成を2つの図で示す。
図13-1】図13-1は、供給ブラケットにおける第2の実施形態の一体化、およびその連結構成を2つの図で示す。
図13-2】図13-2は、供給ブラケットにおける第2の実施形態の一体化、およびその連結構成を2つの図で示す。
図14-1】図14-1は、ツールホルダのシリンダ構造への流体の本発明による移送を示す。
図14-2】図14-2は、ツールホルダのシリンダ構造への流体の本発明による移送を示す。
図14-3】図14-3は、ツールホルダのシリンダ構造への流体の本発明による移送を示す。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1に本発明の連結装置を開放状態で示す。この連結装置は、第1の連結部1および第2の連結部3を備える。第1の連結部1を図1の下部に、第2の連結部3を図1の上部に示す。明細書の記載で既に数回説明したように、本発明による連結装置は、多くの異なる配置で使用することができる。
【0080】
図1において、第1の連結部1は、図5により詳細に示すように、ツールホルダのスピンドル5に一体化されている。図1は、第1の連結部1及び第2の連結部3の構造的特徴を明確に認識することができるように、スピンドル5の小さな断面のみを示している。
【0081】
第1の連結部1はチェックバルブ7を備え、そのバルブ部材9はバルブハウジング11に保持されてガイドされる。バルブハウジング11は、ねじ山によってスピンドル5にねじ込まれる。あるいは、チェックバルブ7を圧入またはスナップ嵌めで連結することもできる。
【0082】
この状態で閉鎖される開口部15を備えた肩部13が、図1のバルブハウジング11の上端に形成されている。この実施形態では、シールリング16がバルブ部材9に配置され、バルブハウジング11の円錐形のバルブシート(符号なし)と一緒に働く。バルブ部材9は、チェックバルブ7が図1に示す位置で閉じられるように、皿ばねアセンブリとして設計された第1の圧縮ばね17によってバルブシートに押し付けられる。
【0083】
図1の上部は、第2の連結部3を示す。例えば、ツールホルダ111のハウジング113に一体化される。シリンダボア21がハウジング113に存在する。アクチュエータピストン23は、シリンダボア21の移動とシールの両方を提供する方法でガイドされる。
【0084】
アクチュエータピストン23は、シリンダボア21を第1のシリンダチャンバ25と第2のシリンダチャンバ27とに分割する。第1の制御ライン29は第1のシリンダチャンバ25に開口する。この第1の制御ライン29に圧力を受けた流体が存在する場合、第1のシリンダチャンバ25の容積が増大し、第1のアクチュエータピストン23は第1の連結部1の平面(参照符号なし)で静止するまで、またはこの第1の連結部1が連結相手として存在しない場合(例えば、スピンドル5が誤った回転位置にあるため)はシリンダボア21の肩部(参照番号なし)で静止するまで、図1において下方に移動する。その後、下降端位置に到達した。この場合、第2のシリンダチャンバ27から第2の制御ライン31を介して流体が吐出される。
【0085】
アクチュエータピストン23を下端位置から図1に示す上端位置に戻すために、加圧された流体は、第2の制御ライン31を介して第2のシリンダチャンバ27に対応する方法で導かれる。同時に、第1の制御ライン29を介して第1のシリンダチャンバ25から流体が吐出される。
【0086】
アクチュエータピストン23の内部には流体チャンバ33が形成されている。この流体チャンバ33は、それ自体で閉じている。流体チャンバ33には、アクチュエータピストン23の外側に配置された径方向のボア37および周方向の溝39を介してのみ流体を供給することができる。この実施形態では、周方向の溝39は、シリンダボア21のアクチュエータピストン23の位置にかかわらず、ハウジング19の供給ライン41と周方向の溝39との間に常に流体連結が存在するように配置され、寸法決めされる。しかし、この流体連結が存在する場合には、アクチュエータピストン23が下端位置(図2)にある場合にのみ十分であり、特に有利である。具体的には、連結装置を閉じる。
【0087】
第2の圧縮ばね43が流体チャンバ33にクランプされ、スリーブ形状のバルブシート45を第1の連結部1の方向またはバルブタペット49のバルブプレート51の方向(図1では下方)に押圧する。
【0088】
スリーブ形状のバルブシート45は、移動を可能にし、アクチュエータピストン23のガイドボア47にシールを提供する方法でガイドされる。チェックバルブ7のバルブシートと同様に、好ましくはプラスチックまたはゴム製のシートリング45.2を有する。方向性バルブのバルブタペット49は、アクチュエータピストン23に固定的に連結されている。バルブタペット49は、既に述べたバルブプレート51が形成された、比較的長くて薄い円筒形のシャフトを下端に有する。
【0089】
図1に示される位置では、バルブシート45は、その閉鎖位置にある。すなわち、第2の圧縮ばね43は、バルブシート45をシートリング45.2と共にバルブタペット49のバルブプレート51に押し付ける。バルブシート45のこの位置では、流体は、供給ライン41から流体チャンバ33を通って第1の連結部1の方向に流れることができない。アクチュエータピストン23の方向性バルブは閉じられている。
【0090】
この時点で第1のシリンダチャンバ25に第1の制御ライン29を介して加圧流体が供給されると、図2に示すように、アクチュエータピストン23は図1の下方に移動する。明確にするために、図2には、ほんの少数の参照符号しか示されていない。
【0091】
バルブタペット49は、アクチュエータピストン23に連結されているため、アクチュエータピストン23の動きに同調していることが分かる。アクチュエータピストン23がわずかに下方に移動するとすぐに、バルブシート45が第1の連結部1の肩部13に接触する。
【0092】
バルブシート45は、肩部13のため、アクチュエータピストン23の動きに追従することができない。第2の圧縮ばね43が圧縮され、バルブシート45がバルブタペット49のバルブプレート51から持ち上げられる。その結果、第2の連結部3の方向性バルブが開く。
【0093】
しかし同時に、方向性バルブのバルブタペット49により、第1の連結部1のチェックバルブ7も確実に開くことができる。これは、アクチュエータピストン23に連結された第2の連結部3のバルブタペット49が、第1の連結部1におけるチェックバルブ7の可動バルブ部材9を第1の圧縮ばね17の力(図2において)に抗して下方に押し付け、開くことによって行われる。
【0094】
このようにして、第1の連結部1と第2の連結部3との間に流体連結が形成される。
【0095】
図2から明らかなように、第1の連結部1の肩部13とアクチュエータピストン23のガイドボア47との間には、ごくわずかな漏れ容積しか存在しない。結果として生じる潜在的な漏洩率は非常に低い。
【0096】
連結装置を再び開くことになる場合、加圧流体が第2の制御ライン31に適用される。その結果、アクチュエータピストン23はシリンダボア21を上方に移動する。それに伴い、第2の連結部3のバルブタペット49も上方に移動する。この結果、チェックバルブ7のバルブ部材9は、第1の圧縮ばね17によってバルブシートに対して上方に移動し、閉じる。
【0097】
対応する態様で、第2の連結部3のバルブシート45もまた、アクチュエータピストン23に対して(図1及び図2の下方に)移動し、第2の連結部3の方向性バルブを閉じる。
【0098】
図1および図2は、本発明による連結装置を閉鎖および開放するための独立した移動シャフトとしてのアクチュエータピストン23の機能を例示している。また、アクチュエータピストン23は、電気的、磁気的または電気機械的に作動させることができる。
【0099】
本発明に係る連結装置を用いることができる種々の態様を説明するために、以下に図3図5を用いて種々の構成を示す。
【0100】
図3は、産業用ロボット(図示せず)に取り付けることができるロボットハンド101を示している。このロボットハンド101は、複数のアセンブリを備えており、これらのうち、本発明による供給ブラケット53は特に興味深い。
【0101】
可動のグリッパ103はロボットハンド101に取り付けられ、図3は切削ツール107(ここではドリルとして示す)及び中空シャフト109と共にアダプタ105を保持する。このアダプタ105は、例示の目的でのみ示されている。本発明は、このタイプのアダプタ105に限定されない。
【0102】
グリッパ103は、アダプタ105をツールホルダ111(部分図で示される)のセンタリングレセプタクル63に挿入するか、または必要なときにこれを取り外すように働く。供給ブラケット53とツールホルダ111との間の流体連結は、この目的のために取り外す必要がない。
【0103】
被駆動のツールホルダ111である場合、センタリングレセプタクル63は、回転可能に取り付けられたスピンドル5(図4及び5参照)に配置される。固定のツールホルダの場合、センタリングレセプタクル63は、ツールホルダ111のハウジング113に位置している。
【0104】
グリッパ103がアダプタ105をセンタリングレセプタクル63に挿入することができるように、又は必要に応じて取り外すことができるように、流体作動クランプシステムをツールホルダ111のスピンドル5で作動させなければならない。図3に示すクランプシステムは、複数のクランプセグメントを備え、これらのクランプセグメントは、テンションボルトの周囲に配置されている。テンションボルトをスピンドル5に対して軸方向に移動させることにより、クランプシステムが開かれ、クランプされる。テンションボルトの動き、およびクランプシステムのクランプに必要な作動力も、上記の流体作動、単動または複動シリンダ構造によって提供される。
【0105】
クランプシステムの供給、又は加圧流体を有するシリンダ構造の供給(及び場合により、シリンダ構造の圧力チャンバからの流体の除去)は、本発明による供給ブラケット53によって行われる。
【0106】
図3では、2つの第2の連結部3および2つの第1の連結部1が見えるように、供給ブラケット53およびスピンドル5のドッキング部115が部分的に示されている。
【0107】
スピンドル5の構造的詳細に触れることなく、この実施形態によるスピンドル5は、その前端にカラー65を有することのみを指摘すべきである。2つの第1の連結部1はカラー65において互いに対向して配置されている。
【0108】
図4aおよび4bは、供給ブラケット53の2つの変形例を側面図で示す。図4aによる供給ブラケット53は、2つの第2の連結部3を備えたほぼ半円形またはC形のドッキング部115を備える。
【0109】
図4bにかかる供給ブラケット53は、3つの第2の連結部3を備えたほぼ半円形またはC形のドッキング部115を備える。
【0110】
従って、2つ又は3つの第1の連結部1が、固定のツールホルダ111のスピンドル5及び/又はハウジング113内に設けられる。
【0111】
図4aおよび4bは、図3と同じ状況を示すが、スピンドル5に向かう異なる視認方向から、そのセンタリングレセプタクル63および供給ブラケット53のドッキング部115を伴う。
【0112】
図4a及び図4bにおいて、ドッキング部115がカラー65を取り囲んでおり、ドッキング部115の第2の連結部3がカラー65の各第1の連結部1に対向して配置されていることが明確に分かる。
【0113】
2つの連結装置(図4a)または3つの連結装置(図4b)が開いている場合、第2の連結部3のアクチュエータピストン23は、図1に示される位置に位置している。
【0114】
2つの連結装置(図4a)または3つの連結部(図4b)が閉じている場合、第2の連結部3のアクチュエータピストン23は、図2に示される位置に位置している。
【0115】
1つまたは複数のアクチュエータピストン23を目標とする方法で作動させることにより、1つまたは複数の連結装置を他のものとは無関係に閉じるか開くことができる。これは、第2の連結部3のアクチュエータピストン23の標的および個々の作動によってなされる。供給ブラケット53および/またはドッキング部115は、それらの位置を変えない。一方、ロボットハンド101のグリッパ103は、アダプタ105をセンタリングレセプタクル63に挿入するか、これから取り外すことができる。
【0116】
その結果、スピンドル5の流体作動クランプシステムの解除とクランプとが同時に行われる、アダプタ105の自動変更が可能になる。
【0117】
したがって、供給ブラケット53のC字状のドッキング部115には2つの第2の連結部3が互いに対向して配置される。もし、ロボットハンド101が、スピンドル5の第1の連結部1と供給ブラケット53の第2の連結部3とが互いに反対側になるように、スピンドル5に対して供給ブラケット53に対して配置されると、第2の連結部3のアクチュエータピストン23が第1の連結部1の方向に径方向の内側に移動することにより、図2を参照して説明された方法で連結装置を閉じることができる。
【0118】
図1及び図2にかかる2つの互いに向き合った第2の連結部3は、図4aに示される。その結果、第2の連結部3および/またはそのアクチュエータピストン23によってスピンドル5に加えられる径方向の力は、連結装置が閉じられたときに、互いに打ち消し合う。スピンドル5のマウントに負荷がかかっていない。
【0119】
図1及び図2にかかる3つの対向する第2の連結部3は、図4bに示される。この実施形態では、3つの連結装置は、アクチュエータピストンから生じる力が、スピンドル5に作用する径方向の力に対して完全なまたは事実上完全な補償を可能にするように配置される。
【0120】
図5は、本発明による連結装置の用途のさらなる実施形態を示す。また、断面がセンタリングレセプタクル63を有するスピンドル5を示す。第1の連結部1は、カラー65ではなく、むしろスピンドル5のベアリング間のスピンドルに配置されている。
【0121】
この実施形態では、2つの第2の連結部3がそれぞれ、ベアリング間のハウジング113に配置され、アクチュエータピストン23を個別に作動させることができる。この場合にも、アクチュエータピストン23は、アクチュエータピストン23が第2の連結部3の方向性バルブを開いたときに、それがスピンドル5の第1の連結部1の関連するチェックバルブ7を開くように配置される。
【0122】
もちろん、図3図5に基づいて示した例は、網羅的なものではなく、アクチュエータピストン23の作動時に本発明による連結装置を開閉できるようにするために、第1の連結部1と第2の連結部3とを互いにどのように位置付ける必要があるかを単に一例として説明することを意図している。
【0123】
図4a、4b、および図5の組み合わせも可能であり、便宜的である。この場合、流体は、図4a又は4bにかかる実施形態を介してツールホルダ111に導かれ、次に、図5にかかる実施形態を介してハウジング113からスピンドルに導かれる。
【0124】
図6は、本発明による第2の連結部3の第2の実施形態を示す。種々の実施形態において、同一の構成要素には同一の参照番号が付されている。なお、以下では、第2の連結部3の説明において、「上」及び「下」という用語を用いる。この場合、「下」は、第1の連結部1が位置する箇所である。
【0125】
第2の実施形態は、1つの制御ライン29および連結制御供給ライン32のみを必要とし、第1の実施形態とは異なり、別個の供給ライン(図1の41)は必要とされない。
【0126】
以下、第1の実施形態に関する相違点を説明する。その他の点については、ここでは、第1の実施形態の説明を参照する。
【0127】
アクチュエータピストン23は、段付きピストンとして設計される。従って、シリンダボア21も段付きボアとして設計される。直径D23.1を有するアクチュエータピストン23の上部23.1は、シリンダボア21の部分21.1に密封状態でガイドされる。この部分21.1は、ハウジング19にねじ込まれるカバー24のブラインドボアとして形成される。直径D23.2を有するアクチュエータピストン23の下部分23.2は、シリンダボア21の部分21.2に密封状態でガイドされる。この部分21.2は、ハウジング19に形成されている。
【0128】
「下」部分の直径D23.2は、「上」部分の直径D23.1より大きい(D23.2>D23.1)。
【0129】
これは、カバー24の下に位置する下部23.2が、環状面69を有することを意味し、その投影された流体圧的に有効な環状面A69は、アクチュエータピストン23の下部23.2の円形面A23.2と、アクチュエータピストン23の上部23.1のA23.1との間の差に等しい。
【0130】
アクチュエータピストン23の第2の部分23.2および環状面69によって区切られた空間は、第3のシリンダチャンバ39とも呼ばれる。
【0131】
アクチュエータピストン23の上部23.1の面A23.1が、環状面69と等しいことが、構造的に可能である。
【0132】
この結果、本実施形態に係る周方向の溝39は、第3のシリンダチャンバ39としての機能を有し、これを併せて言及することもある。
【0133】
アクチュエータピストン23の段付き設計は、以下の効果を有する。
【0134】
1) 第1の制御ライン29に圧力が加えられると、第1のシリンダチャンバ25の圧力を受ける流体は、アクチュエータピストン23に油圧力を及ぼし、前記油圧力は、ディスクばね67の力に抗して下方に動く(図6に示す位置にある)ので、第1の連結部1と第2の連結部3との間に流体連結が確立される。次いで、流体は、制御供給ライン32を組み合わせて、非加圧状態で、流体チャンバ33、径方向のボア37および第3のシリンダチャンバ39を経て、第1の連結部1から流出することができる。
【0135】
2) 制御供給ライン32に圧力が加えられると、第3のシリンダチャンバ39の圧力を受ける流体は、アクチュエータピストン23に油圧力を及ぼし、前記油圧力は同様に、ディスクばね67の力に抗して下方に動く(図6に示される位置に)、第1の連結部1と第2の連結部3との間に流体連結が確立される。次に、流体は、例えば、径方向のボア37を介して流体チャンバ33に到達し、そこから第1の連結部に導かれることができる。
3) 第1の制御ライン29及び制御供給ライン32に圧力が加えられると、2つのシリンダチャンバからの力が加えられ、加圧された流体がアクチュエータピストン23に油圧力を及ぼし、この油圧力は、ディスクばね67の力に抗して(図6に示される位置へ)下方に移動し、第1の連結部1と第2の連結部3との間に流体連結が確立される。
【0136】
言い換えれば、アクチュエータピストン23を延ばすには、一方のシリンダチャンバ25、39に圧力が存在すればよい。
【0137】
アクチュエータピストン23の上部23.1の面A23.1が、環状面69に等しい場合、同じ圧力条件を仮定すると、両方の場合においてアクチュエータピストン23に作用する流体力は、大きさが等しく、同じ方向に向いている。
【0138】
第1の実施形態では、第2のシリンダチャンバ27の流体連結部が設けられている。第2および第3の実施形態では、ディスクばね67が第2のシリンダチャンバ27に存在し、これは、第1の制御ライン29または制御供給ライン32が/減圧されると、アクチュエータピストン23を規定位置、すなわち上方に移動させ、方向性バルブが閉じられるようにする。また、ディスクばね67の他に、第2のシリンダチャンバ27に少なくとも一旦、図示しない別の制御ラインを介して加圧流体を供給するようにしてもよい。
【0139】
スリーブ形状のバルブシート45の内径とバルブタペット49のシャフトの外径との間には、円筒状の間隙75があり、その面をA1で示す。方向性バルブが開いているとき、流体は、流体チャンバ33から第1の連結部1へ、または第1の10の連結部1から流体チャンバ33へ、この間隙を通って流れる。
【0140】
面A1は、流体チャンバ33に流体を供給するか、または流体チャンバから流体を排出する制御供給ライン32の断面面A2未満である。その結果、バルブシート45の内径とバルブタペット49のシャフトの外径との間の間隙は、ダイヤフラムまたはスロットル75の機能を有する。それは、開いた方向性バルブを通る流体チャンバ33からの流体の流出を制限し、連結装置が閉じたままになるように流体チャンバ33の圧力を十分高いレベルに保ち、したがってアクチュエータピストン23は「開いた位置」に留まる。
【0141】
図7は、本発明による第2の連結部3の第2の実施形態を示す。
【0142】
同様に、第3の実施形態は、1つの制御ライン29のみを必要とし、制御および供給の連結ライン32は、別個の供給ライン41を必要としない。
【0143】
また、第3の実施形態の構造及び水理特性は第2の実施形態のものに対応している。したがって、繰り返しを回避するために、図6に示される第2の実施形態との相違点を以下により詳細に説明する。
【0144】
第3の実施形態では、円錐部77が、第1の連結部1に対向するアクチュエータピストン23の端部に設けられている。また、この円錐部77は、球形の円錐またはドーム形状として設計することができる。第1の連結部1は、ドーム状又は円錐台の肩部13を有している。
【0145】
アクチュエータピストン23が第1の連結部1の方向に延びると、円錐部77はアクチュエータピストン23を肩部13にセンタリングする。このようにして、第1の連結部1と第2の連結部3のオフセットを補償することができる。このようなオフセットは、例えば、0.5mm又は1ミリメータ(1mm)であるが、これは、第2の連結部3をガイドするロボットハンドの位置決め不正確性の結果として生じ得る。
【0146】
アクチュエータピストン23をわずかな角度(例えば、3°まで)傾動または枢動させることを可能にするために、シリンダボア21の第1の部分21.1の領域のアクチュエータピストン23の間の間隙を、シリンダボア21の第2の部分21.2の領域のアクチュエータピストン23の間の間隙よりも小さくすることが任意に可能である。
【0147】
シリンダボア21の第1の部分21.1の領域には、カバー24の溝にシール79が配置されている。シリンダボア21の第2の部分21.2の領域のアクチュエータピストン23の溝にシール81が配置されている。シール81は、アクチュエータピストン23の傾斜位置および/またはシリンダボア21に対するアクチュエータピストン23の軸方向オフセットの場合でも、第2のシリンダチャンバ27に対して第3のシリンダチャンバ39をシールするように設計される
【0148】
このようにして、第1の連結部1と第2の連結部3との間の角度誤差や位置誤差を、例えば3°又は1mmまで補償することができる。
【0149】
角度的または位置的オフセットの場合に2つの連結部1および3を最適にシールできるようにするために、バルブシート45はいくつかの部分で設計することができる。図7に示される実施形態において、それはスリーブ45.1に変位可能であるか、または回転可能に取り付けられるシートリング45.2を備える。スリーブ45.1に配置されたばね要素45.3は、バルブプレート51に対してシートリング45.2を押圧する。シートリング45.2は、第1の連結部1と第2の連結部3の長手軸が互いに平行に走らず、むしろ数角度度の角度誤差を有する場合には、スリーブ45.1でそのガイドで傾くようにすることができる。
【0150】
互いに加えることができるこれらの個々の測定値の合計の結果として、第1の連結部1と第2の連結部3との間の可能な位置誤差および/または角度誤差を、機能および密着性の制限なしに補償することが可能である。
【0151】
図8は、閉状態の連結装置の第3の実施形態を示す。明瞭さを向上させるために、この図にはごくわずかな参照符号しか含まれていない。
【0152】
アクチュエータピストン23の(内側の)円錐部77が第1の連結部1のドーム形状の肩部13のセンタリングされていることがはっきりと分かる。もちろん、前述のように、円錐部77を凸状に、肩部13を円錐状に設計することも可能である。
【0153】
「オフセット」及び「角度誤差」という用語は、図9を参照して図示されている。「オフセット」は、図9において「ΔX」と表記されている。第1の連結部1と第2の連結部3の長手軸と平行な連結部の接触点における第2の連結部3の長手軸との距離を指定する。
【0154】
「角度誤差」という用語は、図9において「ΔX°」で示されている。第1の連結部1と第2の連結部3の接触面が有する角度を指定する。そして、第1の連結部1と第2の連結部3の長手軸も平行でも同心でもなく、互いに「ΔX°」の角度で動く。
【0155】
従来の連結装置は、著しい「オフセット」や著しい「角度誤差」を補償することができず、その場合には、もはや閉止することができず、許容できない漏れ量が発生する。
【0156】
図10は、閉状態における第3の実施形態の詳細を示す。アクチュエータピストン23、従ってスリーブ形状のバルブシート45も、肩部13に対する円錐部77のセンタリングの結果として角度を付けるので、互いに対する接触面の角度誤差が増大していることが明確に分かる。かくして、角度誤差「ΔX°」は、スピンドル5の角度偏向「Δ_xD835_xDC4B_l°」と、アクチュエータピストン23の角度偏向「Δ_xD835_xDC4B_2°」とで構成される。この説明図では、角度誤差「ΔX°」は約4°である。
【0157】
円錐台形状に設計することもできるドーム形状の肩部13と、円錐台形状または球状に設計することができる内側の円錐部77とにより、角度誤差にもかかわらず、第1の連結部1と第2の連結部3との間に流体圧の連結が確立されることが明確に分かる。
【0158】
シートリング45.2は、バルブプレート51にばねで押し付けられているので、ステップ13(角度誤差「ΔX°」による)がシートリング45.2に「当接するとすれば、好ましくない結果は生じない。
【0159】
角度誤差およびオフセットを補償する本発明による連結装置の能力は、その適用分野をかなり拡大する。図9に示すように、第1の連結部1は、回転可能に取り付けられたスピンドル5に配置することができる。このスピンドルの回転位置は、例えば3°の一定の範囲でしか制御できない。これは、ツール交換の場合、連結装置を閉じる必要があるとき、数角度度の角度誤差「ΔX°」が、生産運転中に規則的に発生することを意味する。スピンドル5も、例えばドライブによって(符号なしで)保持される場合、スピンドルの角度偏差は、角度誤差「ΔX°」および位置誤差「ΔX」をもたらし得、これは、連結装置自体の閉鎖によってそれ自体を補償しない。その場合、連結装置はこれを補償できる必要がある。本発明による連結装置の助けを借りて、この角度誤差「ΔX°」および位置誤差「ΔX」を、誤作動や漏れなしに補償することができる。
【0160】
図11は、本発明による連結装置の第4の実施形態を示す。他の実施形態と異なる点は、第2の連結部3に関するものである。
【0161】
第4の実施形態では、アクチュエータピストン23の少なくとも第2の部分23.2は、丸くないが、長円形状を有している。したがって、シリンダボア21の第2の部分21.2も、横断面が長円形である。アクチュエータピストン23の長円形の第2の部分23.2およびシリンダボア21の第2の部分21.2は、共に、例えば、非円形旋削または研削によって生成され得る。
【0162】
アクチュエータピストン23の第2の部分23.2及びシリンダボア21の第2の部分21.2が楕円形であると仮定するならば、楕円形の短軸がアクチュエータピストン23の第1の部分23.1の直径D23.1にほぼ等しいならば十分である。
【0163】
楕円の長軸は、アクチュエータピストン23の第1の部分23.1の直径D 23.1よりもかなり大きい。その結果、アクチュエータピストン23の第2の部分23.2のピストン面を減少させることなく、一方向における第2の連結部分3の全長を大幅に短縮することができる。
【0164】
第4の実施形態では、第3の圧縮ばね67は、第2のシリンダチャンバ27に配置されず、ハウジング113、19の外側ではなく、カバー24(存在する場合)の上方に配置される。
【0165】
スペーサスリーブ22及びバルブタペット49は、ハウジング113、19又はカバー24を介して密封状態でガイドされ、その結果、第3の圧縮ばね67のばね力がバルブタペット49を介してアクチュエータピストン23に作用することができる。
【0166】
第4の実施形態の図示しない構造および水力学的特性は、第2および第3の実施形態のそれらに対応する。
【0167】
被駆動のツールホルダ111のハウジング113における、本発明による連結装置の第2および第3の実施形態の動作モードが、図12-1および12-2を参照して説明される。本発明による2つの連結装置(各々が第1の連結部1及び第2の連結部3を有する)は、ツールホルダ111のハウジング113に設けられている。
【0168】
連結装置は、スピンドルのシリンダ構造117をツールホルダ111のハウジング113の流体ラインに連結する。
【0169】
図13-1および13-2を参照して、第2および第3の実施形態の動作モードは、2つの第2の連結部品3を伴う供給ブラケット53と、複動シリンダ構造117を伴うツールホルダ111とを使用して、図示および説明される。
【0170】
図12-1および12-2の油圧連結構成をツールホルダ111に図示するために、複動式シリンダ構造117が、ツールホルダまたはそのスピンドル5に簡略化された形で示される。シリンダ構造117の各連結部123、125は、2つの第1の連結部1の一方の連結部に連結されている。
【0171】
ラインに加えられる圧力は、矢印の数によって象徴される(2つの矢印=高圧、1つの矢印=低圧)。
【0172】
第1の流体ライン119および第2の流体ライン121は、ハウジング113に存在する。第1の流体ライン119は、第2の連結部3.1の第1の制御ライン29(図12-1の上部)および他の第2の連結部3.2の制御供給ライン32(図12-1の下)に連結される。
【0173】
第2の流体ライン121は、第2の連結部3.1(図12-1の上部)の制御供給ライン32と、他方の第2の連結部3.2(図12-1の下)の第1の制御ライン29とに連結される。
【0174】
したがって、2つの第2の連結部3.1、3.2は、流体ライン119、121に「逆方向」に連結される。図12-1は、第1の流体ライン119に加圧流体が供給される状況を示す(2つの矢印を参照)。第2の流体ライン121は、次いで、シリンダ構造117から排出される(加圧なし)流体を排出する役割を果たす。しかし、第2の流体ライン121を第1の流体ライン119よりも低い圧力で動作させることも可能である。
【0175】
図12-1では、両方の連結装置が閉じている、すなわち、第1の流体ライン119とシリンダ構造117の第1の連結部123との間に流体連結がある。さらに、第2の流体ライン121とシリンダ構造117の第2の連結部125との間に流体連結部が存在する。
【0176】
高圧下にある第1の流体ライン119の流体は、第1の制御ライン29を介して第2の連結部3.1の第1のシリンダチャンバ25(図12-1の上部)に通過する。その結果、第1のシリンダチャンバ25の容積が増大し、アクチュエータピストン23が(それと連動する第1の連結部1のチェックバルブとともに)方向性バルブを移動させて開く。
【0177】
この場合、(第1の流体ライン119からの)高圧流体が、閉鎖された連結装置3.1を通過してツールホルダ111のシリンダ構造117に至ることはない。
【0178】
むしろ、第2の連結部125においてシリンダ構造117から吐出される流体は、第1の連結部1および開いた第2の連結部3.1を通過して、この連結装置(第1の連結部1および第2の連結部3.1を含む)を通って第2の流体ライン121に至ることができる。
【0179】
同様に閉じている第2の連結装置3.2(図12-1の下側)において、状況は異なる。ここで、第1の流体ライン119からの加圧流体は、制御供給ライン32を介して、第3のシリンダチャンバ39および第2の連結部3.2の流体チャンバ33(図12-1の下方)に通過する。その結果、第3のシリンダチャンバ39の容積が増大し、アクチュエータピストン23が(それと連動する第1の連結部1のチェックバルブ7とともに)方向性バルブを移動させて開く。この連結装置(第1連結部1及び第2の連結部3.2を備える)も、結果として閉じる。アクチュエータピストン23のこの移動の結果として生じる第1のシリンダチャンバ25の大きさの増加は、第2の連結部3.2の第1の制御ライン29を介して第2の流体ライン121から吸い出される(加圧されていない)流体をもたらす。
【0180】
この連結装置1、3.2が閉じられると、(第1の流体ライン119からの)高圧下にある流体は、第3のシリンダチャンバと径方向のボア37(複数可)を通過し、流体チャンバ33と(図6および7に関連して上述された)面A1を有する間隙(絞り75)とを通り、第1の連結部1に至る。そこから第1の連結部123を介してシリンダ構造117に通過し、そこに位置するピストンを移動させる(図12-1の上方)。
【0181】
シリンダ構造のピストンの移動の結果として、117(非加圧)流体は、第2の連結部125を介して排出され、上述のように、閉鎖された連結装置1、3.1を介して第2の流体ライン121に通過する。
【0182】
図12-2は、第1の流体ライン119が加圧されず、高圧が第2の流体ライン121に存在する状況を示す。その結果、シリンダ構造117の移動方向が逆になる。
【0183】
第2の連結部3.1(図12-2の上部)によって、流体チャンバ33には、加圧流体が供給される。その結果、加圧流体は、シリンダ構造117の第2の連結部125に到達する。
【0184】
第2の連結部3.2(図12-2の下部)では、第1のシリンダチャンバ25に加圧流体が供給される。加圧されていない流体は、この連結装置1、3.2を介して第1の連結部123から排出される。
【0185】
図13-1および13-2は、図6による第2の連結部3を備え、2つの流体ライン119および121を備えた、ツールホルダ111および供給ブラケット53の正面からの図を示す。動作モードは、図12-1および12-2を参照して、既に詳細に説明されている。ツールホルダまたはそのスピンドルに位置するシリンダ構造117のうち、第1の連結部123、第2の連結部125およびシリンダ117は、簡略化された形で示される。
【0186】
簡単に言えば、図6および7に示された第2の連結部3、および図12-1および12.2に示された連結構成の助けを借りて、2つの流体ライン119、121のみで可能である。
【0187】
ピストンを作動させるようにシリンダ構造117を作動させ、それに伴ってピストンロッドが双方向に移動し、ピストンの移動によってシリンダ構造117で押しのけられた流体を排出し、2つの第2の連結部3のうちの1つにおける第1のシリンダチャンバ25の容積の変化を、第2の連結部3を延ばすことによって補償し、第2の連結部3が延びたときに他方の第2の連結部3と第3のシリンダチャンバの容積の変化を補償する。
【0188】
図14-1~14-3を参照すると、ハウジング19からスピンドル5への作動油の移送が図示されており、これは複動シリンダ構造117を備えている。これらの図を参照すると、「逆に」という用語によって意味されているものがはっきりとわかる。
【0189】
シリンダ構造117は複動であるので、2つの連結部123、125および2つ(数字)の第1の連結部1.1および1.2がスピンドル5に設けられている。ハウジング19には2つ(数字)の第2の連結部3.1、3.2が設けられている。
【0190】
第1の連結部1.1は、シリンダ構造117の連結部123に連結される。第1の連結部1.2は、シリンダ構造117の連結部125に連結される。
【0191】
図14-1において、スピンドル5は、第1の連結部1と第2の連結部3とが互いに対向するように配置されている。それらは(まだ)互いに接触しない。第1の制御ライン29.1、29.2および制御供給ライン32.1、32.2の流体は、まだ加圧されていない。
【0192】
図14-2では、制御供給ライン32.1の流体は、圧力下にある。これは2つの矢印で示されている。矢印の方向は流れの方向を示す。その結果、第3のシリンダチャンバ39も加圧される。その結果、アクチュエータピストン23.11は、第1の連結部1.1の方向に移動する。
【0193】
第2の連結部3.1及び3.2は「逆方向に連結される」ので、この圧力は、第2の連結部分3.2(図14-1から14-3の下)の制御ライン29.2にも存在する。ここから、加圧された流体は、第2の連結部3.2の第1のシリンダチャンバ25.2に入る。その結果、アクチュエータピストン23.12も第1の連結部1.2の方向に移動する。
【0194】
この連結部において、両方のアクチュエータピストン23が第1の連結部1の方向に移動することが重要であるが、一方の場合には、圧力が制御供給ライン32.1に存在し、他方の場合には、第1の管理ライン29.1に圧力が存在する。それにもかかわらず、両方のアクチュエータピストン23.11および23.12は、それらに割り当てられた第1の連結部1の方向に移動する。
【0195】
図14-2に示されるアクチュエータピストン23の位置において、スリーブ形状のバルブシート45は、第1の連結部1の肩部13の端面に着座し、必要であれば、強い角度または位置の逸脱の場合に、アクチュエータピストン23の円錐部77によって既に予めセンタリングされている。シールはその接触を続け、外部に流体が届かないようにする。第1の連結部1のチェックバルブ7は、第2の連結部3のバルブタペット49が(まだ)第1の連結部1.1又は1.2の方向に押されていないので、まだ閉じている。同様に、肩部13は、シートリング45.2がバルブプレート51から持ち上がる第2の連結部3の方向に、スリーブ形状のバルブシート45を(まだ)押し付けない。
【0196】
図14-2に示される位置と比較した)図14-3に示される位置において、アクチュエータピストン23.11、23.12は、第1の連結部1の方向に、第1の連結部3のバルブタペット49が、チェックバルブ7のバルブ部材9を、第1の圧縮ばね17の力に抗して、それらのシートから持ち上げるように動いている。同時に、シートリング45.2がバルブプレート51から持ち上げて外れるように、スリーブ形状のバルブシートが肩部13によって第2の連結部の方向に押圧されている。これは、連結装置が開いている(開放位置)ことを意味する。
【0197】
開放位置では、加圧流体は、制御供給ライン29.1から開放した連結装置3.1、1.1を通って、連結部123を通って、シリンダ構造117の第1の作動チャンバ127へ流れ、そのピストン129を(図14-2および14-3の左側へ)移動させる。
【0198】
ピストン129は、他方のシリンダチャンバ131からの加圧されていない流体を押しのける。この押しのけられた流体は、連結部125、開連結装置1.2、3.2を通り、制御供給ライン29.2に入る。シリンダ構造117のピストン129が逆方向に移動されると、第2の連結部3.2の制御供給ライン32.12(図14-1~14-3の下)および第2の連結部3.1の制御ライン29.1(図14-1~14-3の上部)は、加圧流体にさらされる。
【符号の説明】
【0199】
1 第1の連結部
3 第2の連結部
5 シャフト
7 チェックバルブ
9 バルブ部材
11 バルブハウジング
13 肩部
15 開口部
16 シールリング
17 第1の圧縮ばね
19 ハウジング
21 シリンダボア
23 アクチュエータピストン
24 カバー
25 第1のシリンダチャンバ
27 第2のシリンダチャンバ
29 第1の制御ライン
31 第2の制御ライン
32 制御供給ライン
33 流体チャンバ
37 径方向のボア
39 周方向の溝、第3のシリンダチャンバ
41 供給ライン
43 第2の圧縮ばね
45 スリーブ形状のバルブシート
45.1 スリーブ
45.2 シートリング
45.3 ばね要素
47 ガイドボア
49 バルブタペット
51 バルブプレート
53 供給ブラケット
63 センタリングレセプタクル
65 カラー
67 第3の圧縮ばね、ディスクばね
69 環状面
73 突起
75 スロットル
77 円錐部
79 第1の(アクチュエータピストン)シール
81 第2の(アクチュエータピストン)シール
101 ロボットハンド
103 グリッパ
105 アダプタ
107 切削ツール、ドリル
109 中空シャフト
111 ツールホルダ
113 ツールホルダのハウジング
115 ドッキング部
117 シリンダ構造
119 第1の流体ライン
121 第2の流体ライン
123 シリンダ構造117の第1の連結部
125 シリンダ構造117の第2の連結部
127 第1のシリンダチャンバ
129 ピストン
131 第2のシリンダチャンバ
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12-1】
図12-2】
図13-1】
図13-2】
図14-1】
図14-2】
図14-3】
【手続補正書】
【提出日】2023-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(19、113)と、スピンドル(5)と、アダプタ(105)を受け入れるために前記スピンドル(5)に配置されたセンタリングレセプタクル(63)と、前記センタリングレセプタクル(63)の前記アダプタ(105)をクランプまたは取外すために流体によって作動されるクランプシステムとを備え、少なくとも1つの第1の連結部(1)が前記スピンドル(5)に存在し、少なくとも1つの第2の連結部(3)が、前記ハウジング(19、113)に存在し、 前記第1の連結部(1)及び前記第2の連結部(3)は、流体用の連結装置を形成するために協働するのに好適であり、
前記第1の連結部(1)は、ばね負荷式のダブルチェックバルブ(7)として形成され、
前記第2の連結部(3)は、前記ハウジング(19、113)で変位可能にガイドされるアクチュエータピストン(23)を備え、
前記アクチュエータピストン(23)に外向きに開く方向性バルブが配置され、
前記アクチュエータピストン(23)は、シリンダボア(21)を第1のシリンダチャンバ(25)と第2のシリンダチャンバ(27)とに分割する、ことを特徴とするツールホルダ(111)。
【請求項2】
ハウジング(19、113)と、スピンドル(5)と、アダプタ(105)を受け入れるために前記スピンドル(5)に配置されたセンタリングレセプタクル(63)と、前記センタリングレセプタクル(63)のアダプタ(105)をクランプまたは取外すために流体によって作動されるクランプシステムと、を備えるツールホルダ(111)であって、
少なくとも1つの第1の連結部(1)が前記スピンドル(5)に存在し、
少なくとも1つの第2の連結部(3)が前記ハウジング(19、113)に存在し、
前記第1の連結部(1)及び前記第2の連結部(3)は、流体用の連結装置を形成するために協働するのに好適であり、
前記第1の連結部(1)は、ばね負荷式のダブルチェックバルブ(7)として形成され、
前記第2の連結部(3)は、前記ハウジング(19、113)に変位可能にガイドされるアクチュエータピストン(23)を備え、
前記アクチュエータピストン(23)に外向きに開く方向性バルブが配置され、
前記アクチュエータピストン(23)は段付きピストンとして設計され、
前記アクチュエータピストン(23)の第1の部分(23.1)が、第1のシリンダチャンバ(25)を区画し、
前記アクチュエータピストン(23)の第2の部分(23.2)が、第2のシリンダチャンバ(27)を区画し、
前記アクチュエータピストン(23)の前記第1の部分(23.1)の直径(D23.1)が、前記アクチュエータピストン(23)の前記第2の部分(23.2)の直径(D23.2)よりも小さいことにより、環状面(69)を有する第3のシリンダチャンバ(39)が前記アクチュエータピストン(23)の前記第1の部分(23.1)と前記第2の部分(23.2)との間の移行部に存在する、ことを特徴とするツールホルダ(111)。
【請求項3】
ハウジング(113)と、スピンドル(5)と、アダプタ(105)を受け入れるために前記スピンドル(5)に配置されたセンタリングレセプタクル(63)と、前記センタリングレセプタクル(63)のアダプタ(105)をクランプまたは取外すために流体によって作動されるクランプシステムと、を備えるツールホルダ(111)であって、
少なくとも1つの第1の連結部(1)が前記スピンドル(5)に存在し、
少なくとも1つの第2の連結部(3)が前記ハウジング(113)に存在し、
前記第1の連結部(1)と前記第2の連結部(3)は、流体用の連結装置を形成するのに好適であり、
前記第1の連結部(1)は、ばね負荷式のダブルチェックバルブ(7)として設計され、
前記第2の連結部(3)は、前記ハウジング(113)に変位可能にガイドされるアクチュエータピストン(23)を備え、
前記アクチュエータピストン(23)に外向きに開く方向性バルブが配置され、
前記第1の連結部(1)は、前記第2の連結部(3)に対向する端部に肩部を有し、前記連結装置が閉じると、前記第2の連結部(3)のガイドボア(47)にディップし、前記第2の連結部(3)の流体チャンバ(33)が前記ガイドボア(47)に開口し、前記方向性バルブのスリーブ形状のバルブシート(45)が前記ガイドボア(47)に変位可能に収容され、前記方向性バルブのバルブタペットが前記アクチュエータピストン(23)に接続されて前記スリーブ形状のバルブシート(45)を通して突出する、ことを特徴とするツールホルダ(111)。
【請求項4】
前記第1の連結部(1)の各々は、前記第2の連結部(3)に対向する端部に肩部(13)を有し、前記連結装置が閉じると、前記第2の連結部(3)のガイドボア(47)にディップし、前記第2の連結部(3)の流体チャンバ(33)が前記ガイドボア(47)に開口し、前記方向性バルブのスリーブ形状のバルブシート(45)が前記ガイドボア(47)に変位可能に収容され、前記方向性バルブのバルブタペットが前記アクチュエータピストン(23)に接続されて前記スリーブ形状のバルブシート(45)を通して突出する、ことを特徴とする請求項1または2に記載のツールホルダ(111)。
【請求項5】
前記第1の連結部(1)のダブルチェックバルブ(7)は、前記センタリングレセプタクル(63)の軸線に対して放射状に配置される、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項6】
2つの第2の連結部(3.1、3.2)と、第1の流体ライン(119)と、第2の流体ライン(121)とを備え、前記第2の連結部(3.1、3.2)の各々が、第1の制御ライン(29)と第2の制御ライン(31)とを備え、一方の第2の連結部(3.1)の前記第1の制御ライン(29)と他方の第2の連結部(3.2)の前記第2の制御ライン(31)とが前記第1の流体ライン(119)に接続され、前記一方の第2の連結部(3.1)の前記第2の制御ライン(31)と前記他方の第2の連結部(3.2)の前記第1の制御ライン(29)とが前記第2の流体ライン(121)に接続される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項7】
前記クランプシステムの流体作動アクチュエータが、単動のシリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の供給のための第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプ及び解除するために設けられている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項8】
前記クランプシステムの流体作動アクチュエータが、複動のシリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の接続部(123、125)を供給するための2つの第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプ及び解除するために設けられている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項9】
供給ブラケット(53)であって、第1の連結部(1)と共に、流体用の連結装置を形成するために、第1の連結部(1)と協働するのに好適である、少なくとも1つの第2の連結部(3)を備え、
前記第1の連結部(1)は、ばね負荷式のダブルチェックバルブ(7)として形成され、
前記第2の連結部(3)は、ハウジング(19、113)で変位可能にガイドされるアクチュエータピストン(23)を備え、
前記アクチュエータピストン(23)に外向きに開く方向性バルブが配置され、
前記アクチュエータピストン(23)は、シリンダボア(21)を第1のシリンダチャンバ(25)と第2のシリンダチャンバ(27)とに分割し、
前記供給ブラケット(53)は、C形のドッキング部(115)を備え、
少なくとも2つの前記第2の連結部(3)が前記ドッキング部(115)に配置される、供給ブラケット(53)。
【請求項10】
供給ブラケット(53)であって、第1の連結部(3)と共に、流体用の連結装置を形成するために、第1の連結部(1)と協働するのに好適である、少なくとも1つの第2の連結部(3)を備え、
前記第1の連結部(1)は、ばね負荷式のダブルチェックバルブ(7)として形成され、
前記第2の連結部(3)は、ハウジング(19、113)で変位可能にガイドされるアクチュエータピストン(23)を備え、
前記アクチュエータピストン(23)に外向きに開く方向性バルブが配置され、
前記アクチュエータピストン(23)は段付きピストンとして設計され、
前記アクチュエータピストン(23)の第1の部分(23.1)が、第1のシリンダチャンバ(25)を区画し、
前記アクチュエータピストン(23)の第2の部分(23.2)が、第2のシリンダチャンバ(27)を区画し、
前記アクチュエータピストン(23)の前記第1の部分(23.1)の直径(D23.1)が、前記アクチュエータピストン(23)の前記第2の部分(23.2)の直径(D23.2)よりも小さいことにより、環状面(69)を有する第3のシリンダチャンバ(39)が前記アクチュエータピストン(23)の前記第1の部分(23.1)と前記第2の部分(23.2)との間の移行部に存在し、
前記供給ブラケット(53)は、C形のドッキング部(115)を備え、
少なくとも2つの前記第2の連結部(3)がドッキング部(115)に配置される、供給ブラケット(53)。
【請求項11】
前記第2の連結部(3)の各々は、請求項1~8のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)の第1の連結部(1)と適合する、ことを特徴とする請求項9または10に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項12】
前記供給ブラケット(53)が、2つの第2の連結部(3.1、3.2)と、第1の流体ライン(119)と、第2の流体ライン(121)とを備え、前記第2の連結部(3.1、3.2)の各々が、第1の制御ライン(29)と第2の制御ライン(31)とを備え、一方の第2の連結部(3.2)の前記第1の制御ライン(29)と他方の第2の連結部(3.2)の前記第2の制御ライン(31)とが第1の前記流体ライン(119)に接続され、前記一方の第2の連結部(3.1)の前記第2の制御ライン(31)と前記他方の第2の連結部(3.2)の前記第1の制御ライン(29)とが前記第2の流体ライン(121)に接続される、ことを特徴とする請求項9~11のいずれか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項13】
少なくとも2つの前記第2の連結部(3)を備え、前記第2の連結部(3)の各々が、前記ツールホルダ(111)の前記第1の連結部(1)と適合する、ことを特徴とする請求項1~8の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項14】
前記第2の連結部(3)のバルブタペット(49)によって前記第1の連結部(1)に加わる力が、完全または少なくとも大きく相殺するように、前記少なくとも2つの第2の連結部(3)が配置されることを特徴とする、請求項13に記載のツールホルダ(111)。
【請求項15】
前記第1の連結部(1)と反対側を向いた前記アクチュエータピストン(23)の端部におけるシリンダボア(21)と前記アクチュエータピストン(23)との間の間隙が、前記第1の連結部(1)に向いた前記アクチュエータピストン(23)の端部における前記シリンダボア(21)と前記アクチュエータピストン(23)との間の間隙よりも小さい、ことを特徴とする請求項1~8と請求項13と請求項14の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項16】
第1のシール(79)が、前記第1の連結部(1)から離れた前記アクチュエータピストン(23)の端部に設けられ、第2のシール(81)が、前記第1の連結部(1)に面した前記アクチュエータピストン(23)の端部に設けられ、前記第2のシール(81)は、前記アクチュエータピストン(23)がシリンダボア(21)に対して傾くか、またはオフセットしても、第2のシリンダチャンバ(27)をシールするように、径方向に可撓性を有する、ことを特徴とする請求項1~8と請求項13~15の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項17】
前記第2のシール(81)が、前記第2のシリンダチャンバ(27)に対して前記第3のシリンダチャンバ(39)をシールする、ことを特徴とする請求項2を引用する請求項16に記載のツールホルダ(111)。
【請求項18】
流体チャンバ(33)が、一方の端部で閉鎖されるように前記アクチュエータピストン(23)に形成され、前記流体チャンバ(33)がガイドボア(47)に開口し、前記方向性バルブのスリーブ形状のバルブシート(45)が前記ガイドボア(47)に変位可能に収容され、前記方向性バルブのバルブタペット(49)が前記アクチュエータピストン(23)に連結され、前記スリーブ形状のバルブシート(45)を通って突出し、前記バルブタペット(49)のバルブプレート(51)が前記ガイドボア(47)の前記バルブシート(45)の経路を制限する、ことを特徴とする請求項1~8と請求項13~17の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項19】
前記バルブシート(45)が、スリーブ(45.1)と、前記スリーブ(45.1)に収容されてガイドされるシートリング(45.2)と、ばね要素(45.3)と、を備え、前記ばね要素(45.3)が、前記スリーブ(45.1)の端部と前記シートリング(45.2)の他端とで支持される、ことを特徴とする請求項18に記載のツールホルダ(111)。
【請求項20】
前記流体チャンバ(33)に第2の圧縮ばね(43)が配置され、前記第2の圧縮ばね(43)によって前記バルブシート(45)に作用するばね力が、前記バルブシート(45)を前記バルブタペット(49)の前記バルブプレート(51)に押し付ける、ことを特徴とする請求項18または19に記載のツールホルダ(111)。
【請求項21】
流体チャンバ(33)は、前記アクチュエータピストン(23)の外側に存在する周方向の溝(39)を介してハウジング(19、113)または供給ブラケット(53)の供給ライン(41、121)に流体的に接続され、少なくとも一つの径方向のボア(37)を介して少なくとも方向性バルブの開位置で、流体を供給されることを特徴とする、請求項17~20のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項22】
第1のシリンダチャンバ(25)は、第1の制御ライン(29、119)を介して流体を供給し得る、ことを特徴とする請求項1~8と請求項13~21の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項23】
第2のシリンダチャンバ(27)は、第2の制御ライン(31)を介して流体を供給し得る、ことを特徴とする請求項1~8と請求項13~22の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項24】
第2のシリンダチャンバ(27)または前記ハウジング(19、113)または供給ブラケット(53)の外側に第3の圧縮ばね(67)が配置され、前記アクチュエータピストン(23)に作用するばね力が、第1のシリンダチャンバ(25)および/または前記第3のシリンダチャンバ(39)に位置する流体の(圧力)力に対抗する、ことを特徴とする請求項2と、請求項2を引用する請求項4~8と、請求項2を引用する請求項13~23と、の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項25】
流体チャンバ(33)は、少なくとも前記方向性バルブの開放位置において、供給ライン(41)、または制御供給ライン(32)と供給ライン(41)とを組み合わせたラインを介して流体を供給し得る、ことを特徴とする請求項19~24のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項26】
前記第3のシリンダチャンバ(39)と流体チャンバ(33)は、制御供給ライン(32)を介して流体が同時に供給される、ことを特徴とする請求項2と、請求項2を引用する請求項4~8と、請求項2を引用する請求項10~25と、の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項27】
流体チャンバ(33)と前記方向性バルブとの間にスロットル(75)またはオリフィスが存在することにより、前記方向性バルブが開いているとき、前記流体チャンバ(33)からの加圧流体の流出が制限され、前記流体チャンバ(33)と前記第3のシリンダチャンバ(39)の最小過圧が維持される、ことを特徴とする請求項2を引用する請求項18~26のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項28】
前記スロットル(75)は、バルブタペット(49)と、バルブシート(45)またはスリーブ(45.1)と、の間の環状の間隙として設計されている、ことを特徴とする請求項27に記載のツールホルダ(111)。
【請求項29】
前記アクチュエータピストン(23)の少なくとも第2の部分(23.2)は、長円形状または楕円形状の断面を有し、前記シリンダボア(21)の少なくとも第2の部分(21.2)は、長円形状または楕円形状の断面を有する、ことを特徴とする請求項1と、請求項1を引用する請求項4~8と、請求項1を引用する請求項13~28の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項30】
前記第1の連結部(1)の前記ダブルチェックバルブ(7)は、バルブハウジング(11)を備え、前記ダブルチェックバルブ(7)に接続される前記流体のための開口部(15)が前記バルブハウジング(11)に形成され、前記バルブハウジング(11)の肩部(13)に前記開口部(15)が形成され、前記連結装置が閉鎖されると、前記肩部(13)が前記第2の連結部(3)のガイドボア(47)に進入し、前記方向性バルブのバルブシート(45)がバルブタペット(49)のバルブプレート(51)から持ち上げられ、前記バルブハウジング(11)またはスピンドル(5)のライン(18)が前記ダブルチェックバルブ(7)によって開閉される、ことを特徴とする請求項1~8と請求項13~29の何れか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項31】
前記バルブハウジング(11)の前記肩部(13)は、円錐台形状またはドーム形状に設計されている、ことを特徴とする請求項30に記載のツールホルダ(111)。
【請求項32】
前記アクチュエータピストン(23)は、端部に前記第1の連結部(1)に面する円錐部(77)または内ドーム部を有し、前記第1の連結部(1)は、端部に前記第2の連結部(3)に面する肩部(13)を有する、ことを特徴とする請求項1~8と請求項13~31のいずれか一項に記載のツールホルダ(111)。
【請求項33】
少なくとも2つの前記第2の連結部(3)を備え、前記第2の連結部(3)の各々が、前記供給ブラケット(53)の前記第1の連結部(1)と適合する、ことを特徴とする請求項9~12の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項34】
前記第2の連結部(3)のバルブタペット(49)によって前記第1の連結部(1)に加わる力が、完全または少なくとも大きく相殺するように、前記少なくとも2つの第2の連結部(3)が配置されることを特徴とする、請求項33に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項35】
前記第1の連結部(1)と反対側を向いた前記アクチュエータピストン(23)の端部におけるシリンダボア(21)と前記アクチュエータピストン(23)との間の間隙が、前記第1の連結部(1)に向いた前記アクチュエータピストン(23)の端部における前記シリンダボア(21)と前記アクチュエータピストン(23)との間の間隙よりも小さい、ことを特徴とする請求項9~12と請求項33と請求項34の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項36】
第1のシール(79)が、前記第1の連結部(1)から離れた前記アクチュエータピストン(23)の端部に設けられ、第2のシール(81)が、前記第1の連結部(1)に面した前記アクチュエータピストン(23)の端部に設けられ、前記第2のシール(81)は、前記アクチュエータピストン(23)がシリンダボア(21)に対して傾くか、またはオフセットしても、第2のシリンダチャンバ(27)をシールするように、径方向に可撓性を有する、ことを特徴とする請求項9~12と請求項33~35の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項37】
前記第2のシール(81)が、前記第2のシリンダチャンバ(27)に対して前記第3のシリンダチャンバ(39)をシールする、ことを特徴とする請求項10を引用する請求項36に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項38】
流体チャンバ(33)が、一方の端部で閉鎖されるように前記アクチュエータピストン(23)に形成され、前記流体チャンバ(33)がガイドボア(47)に開口し、前記方向性バルブのスリーブ形状のバルブシート(45)が前記ガイドボア(47)に変位可能に収容され、前記方向性バルブのバルブタペット(49)が前記アクチュエータピストン(23)に連結され、前記スリーブ形状のバルブシート(45)を通って突出し、前記バルブタペット(49)のバルブプレート(51)が前記ガイドボア(47)の前記バルブシート(45)の経路を制限する、ことを特徴とする請求項9~12と請求項33~37の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項39】
前記バルブシート(45)が、スリーブ(45.1)と、前記スリーブ(45.1)に収容されてガイドされるシートリング(45.2)と、ばね要素(45.3)と、を備え、前記ばね要素(45.3)が、前記スリーブ(45.1)の端部と前記シートリング(45.2)の他端とで支持される、ことを特徴とする請求項38に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項40】
前記流体チャンバ(33)に第2の圧縮ばね(43)が配置され、前記第2の圧縮ばね(43)によって前記バルブシート(45)に作用するばね力が、前記バルブシート(45)を前記バルブタペット(49)の前記バルブプレート(51)に押し付ける、ことを特徴とする請求項38または39に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項41】
流体チャンバ(33)は、前記アクチュエータピストン(23)の外側に存在する周方向の溝(39)を介してハウジング(19、113)または供給ブラケット(53)の供給ライン(41、121)に流体的に接続され、少なくとも一つの径方向のボア(37)を介して少なくとも方向性バルブの開位置で、流体を供給されることを特徴とする、請求項37~40のいずれか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項42】
第1のシリンダチャンバ(25)は、第1の制御ライン(29、119)を介して流体を供給し得る、ことを特徴とする請求項9~12と請求項33~41の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項43】
第2のシリンダチャンバ(27)は、第2の制御ライン(31)を介して流体を供給し得る、ことを特徴とする請求項9~12と請求項33~42の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項44】
第2のシリンダチャンバ(27)または前記ハウジング(19、113)または供給ブラケット(53)の外側に第3の圧縮ばね(67)が配置され、前記アクチュエータピストン(23)に作用するばね力が、第1のシリンダチャンバ(25)および/または前記第3のシリンダチャンバ(39)に位置する流体の(圧力)力に対抗する、ことを特徴とする請求項10と、請求項10を引用する請求項11及び12と、請求項10を引用する請求項33~43と、の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項45】
流体チャンバ(33)は、少なくとも前記方向性バルブの開放位置において、供給ライン(41)、または制御供給ライン(32)と供給ライン(41)とを組み合わせたラインを介して流体を供給し得る、ことを特徴とする請求項39~44のいずれか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項46】
前記第3のシリンダチャンバ(39)と流体チャンバ(33)は、制御供給ライン(32)を介して流体が同時に供給される、ことを特徴とする請求項10と、請求項10を引用する請求項11及び12と、請求項10を引用する請求項30~45と、の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項47】
流体チャンバ(33)と前記方向性バルブとの間にスロットル(75)またはオリフィスが存在することにより、前記方向性バルブが開いているとき、前記流体チャンバ(33)からの加圧流体の流出が制限され、前記流体チャンバ(33)と前記第3のシリンダチャンバ(39)の最小過圧が維持される、ことを特徴とする請求項10を引用する請求項38~46のいずれか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項48】
前記スロットル(75)は、バルブタペット(49)と、バルブシート(45)またはスリーブ(45.1)と、の間の環状の間隙として設計されている、ことを特徴とする請求項47に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項49】
前記アクチュエータピストン(23)の少なくとも第2の部分(23.2)は、長円形状または楕円形状の断面を有し、前記シリンダボア(21)の少なくとも第2の部分(21.2)は、長円形状または楕円形状の断面を有する、ことを特徴とする請求項9と、請求項9を引用する請求項11または12と、請求項9を引用する請求項33~48の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項50】
前記第1の連結部(1)の前記ダブルチェックバルブ(7)は、バルブハウジング(11)を備え、前記ダブルチェックバルブ(7)に接続される前記流体のための開口部(15)が前記バルブハウジング(11)に形成され、前記バルブハウジング(11)の肩部(13)に前記開口部(15)が形成され、前記連結装置が閉鎖されると、前記肩部(13)が前記第2の連結部(3)のガイドボア(47)に進入し、前記方向性バルブのバルブシート(45)がバルブタペット(49)のバルブプレート(51)から持ち上げられ、前記バルブハウジング(11)またはスピンドル(5)のライン(18)が前記ダブルチェックバルブ(7)によって開閉される、ことを特徴とする請求項9~12と請求項33~49の何れか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項51】
前記バルブハウジング(11)の前記肩部(13)は、円錐台形状またはドーム形状に設計されている、ことを特徴とする請求項50に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項52】
前記アクチュエータピストン(23)は、端部に前記第1の連結部(1)に面する円錐部(77)または内ドーム部を有し、前記第1の連結部(1)は、端部に前記第2の連結部(3)に面する肩部(13)を有する、ことを特徴とする請求項9~12と請求項33~51のいずれか一項に記載の供給ブラケット(53)。
【請求項53】
請求項1~8と請求項13~32のいずれか一項に記載の少なくとも1つのツールホルダ(111)を備え、前記クランプシステムの流体作動アクチュエータがシリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の供給のための少なくとも1つの前記第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプ及び解除するために設けられたことを特徴とする、回転機械。
【請求項54】
請求項9~12、請求項33~52のいずれか一項に記載の供給ブラケット(53)を備えた、ことを特徴とする請求項53に記載の回転機械。
【請求項55】
請求項1~8と請求項13~32のいずれか一項に記載の少なくとも1つのツールホルダ(111)を備え、前記クランプシステムの流体作動アクチュエータがシリンダ構造(117)を備え、前記シリンダ構造(117)の供給のための少なくとも1つの前記第1の連結部(1)が、前記クランプシステムをクランプ及び解除するために設けられたことを特徴とする、マシニングセンタ。
【請求項56】
請求項9~12と請求項33~52のいずれか一項に記載の供給ブラケット(53)を備えた、ことを特徴とする請求項55に記載のマシニングセンタ。
【国際調査報告】