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特表2023-546341水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール
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  • 特表-水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール 図1
  • 特表-水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール
(51)【国際特許分類】
   C01B 3/04 20060101AFI20231026BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20231026BHJP
   H01M 8/04 20160101ALI20231026BHJP
【FI】
C01B3/04 B
H01M8/0606
H01M8/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023518929
(86)(22)【出願日】2021-12-27
(85)【翻訳文提出日】2023-03-22
(86)【国際出願番号】 CN2021141460
(87)【国際公開番号】W WO2023045155
(87)【国際公開日】2023-03-30
(31)【優先権主張番号】202122354191.X
(32)【優先日】2021-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523105440
【氏名又は名称】福建海峡両岸環境工程有限公司
【氏名又は名称原語表記】FUJIAN CROSS-STRAIT ENVIRONMENTAL ENGINEERING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Rm. 701, 7F, Building 1, Qianjin Community, Wanbao East Road, Aoqian Town, Pingtan County, Fuzhou, Fujian 350415, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】余守斌
【テーマコード(参考)】
5H127
【Fターム(参考)】
5H127AB04
5H127BA01
5H127BA11
5H127BA17
5H127EE12
5H127EE13
5H127FF20
(57)【要約】
水素発生装置(10)と、水素精製装置(30)と、水素燃料電池発電システム(20)とを備えた水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールを提供することを課題とする。
【解決手段】 前記水素発生装置(10)は、キャビティ(113)を内設し、前記キャビティ(113)と連通する第1開口部(111)、第2開口部(112)及び第3開口部(114)を設けた筐体(11)と、前記キャビティ(113)に収容され、第1電極(121)と第2電極(122)とを備え、前記第1電極(121)は前記第1開口部(111)に近く、前記第2電極(122)は前記第2開口部(112)に近いプラズマ発生ユニット(12)と、電圧供給端が前記第1電極(121)及び前記第2電極(122)にそれぞれ電気的に接続され、プラズマを発生するため、両電極間に電位差が存在する電圧供給ユニット(15)と、前記第1開口部(111)に連通された水素供給ユニット(13)と、入力端が前記第2開口部(112)に連通された排気ユニット(14)とを備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールであって、
キャビティを内設し、前記キャビティと連通する第1開口部、第2開口部及び第3開口部を設けた筐体と、前記キャビティに収容され、第1電極と第2電極とを備え、前記第1電極は前記第1開口部に近く、前記第2電極は前記第2開口部に近く、前記第1電極と前記第2電極との間にプラズマ柱を形成するプラズマ発生ユニットと、電圧供給端が前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ電気的に接続され、プラズマを発生するため、前記第1電極と前記第2電極との間に電位差が存在する電圧供給ユニットと、前記第1開口部に連通された水素供給ユニットと、入力端が前記第2開口部に連通され、前記キャビティ内の空気が前記第2開口部を経由して前記第1開口部から前記第2開口部に流れる気流を発生させ、前記第1電極と前記第2電極との間のプラズマが気流の影響を受けて前記プラズマ柱を形成するための排気ユニットとを備えた水素発生装置と、
入力端は、前記排気ユニットの出力端に連通された水素精製装置と、
前記水素精製装置の出力端に連通された水素燃料電池発電システムと
を備えることを特徴とする、水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール。
【請求項2】
前記水素供給ユニットは、水素含有物質を収容するための収容室と、前記水素含有物質と接触するための発振器とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール。
【請求項3】
前記水素含有物質は、アンモニア溶液であることを特徴とする、請求項2に記載の水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール。
【請求項4】
前記電圧供給ユニットは、前記第1電極及び前記第2電極に交流を供給するために用いられ、前記交流周波数は2kHz~20kHz、前記交流電圧は4000V~14000Vであることを特徴とする、請求項1に記載の水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素燃料電池の分野に関し、特に、水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
水素ステーションは、燃料電池自動車に水素を供給する水素充填所で、燃料電池自動車に水素を供給するインフラストラクチャーとして、燃料電池自動車に水素を供給することができる。
【0003】
最も重要な成分である水素は、通常、水素の単体である水素ガスで、二原子分子で構成された無色、無味、無臭、非常に燃えやすい気体である。水素は最も軽い気体で、エネルギー密度の高いクリーンエネルギーである。
【0004】
現在、従来の水素製造装置で水素燃料電池を供給する過程で、輸送と貯蔵装置と組み合わせて水素を移送・貯蔵してから水素充填ノズルで水素充填作業を行う必要があるため、柔軟性に乏しく、外部水素充填装置への依存度が大きく、用途が限られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールを提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、従来の水素燃料電池の水素使用時に存在する問題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールであって、水素発生装置と、水素精製装置と、水素燃料電池発電システムとを備える。前記水素発生装置は、キャビティを内設し、前記キャビティと連通する第1開口部、第2開口部及び第3開口部を設けた筐体と、前記キャビティに収容され、第1電極と第2電極とを備え、前記第1電極は前記第1開口部に近く、前記第2電極は前記第2開口部に近く、前記第1電極と前記第2電極との間にプラズマ柱を形成するプラズマ発生ユニットと、電圧供給端が前記第1電極及び前記第2電極にそれぞれ電気的に接続され、プラズマを発生するため、前記第1電極と前記第2電極との間に電位差が存在する電圧供給ユニットと、前記第1開口部に連通された水素供給ユニットと、入力端が前記第2開口部に連通され、前記キャビティ内の空気が前記第2開口部を経由して前記第1開口部から前記第2開口部に流れる気流を発生させ、前記第1電極と前記第2電極との間のプラズマが気流の影響を受けて前記プラズマ柱を形成するための排気ユニットとを備える。前記水素精製装置の入力端は、前記排気ユニットの出力端に連通される。前記水素燃料電池発電システムは、前記水素精製装置の出力端に連通される。
【0008】
改善された形態として、前記水素供給ユニットは、水素含有物質を収容するための収容室と、水素含有物質と接触するための発振器とを備える。
【0009】
改善された形態として、前記水素含有物質は、アンモニア溶液である。
【0010】
改善された形態として、前記電圧供給ユニットは、前記第1電極及び前記第2電極に交流を供給するために用いられ、前記交流周波数は2kHz~20kHz、前記交流電圧は4000V~14000Vである。
【発明の効果】
【0011】
従来の技術に比べると、本発明の有利な効果は、次の通りであり、
本発明は、水素発生装置、水素精製装置及び水素燃料電池発電システムを組み合わせて運用することにより、第1電極及び第2電極を電圧供給ユニットに接続し、電圧供給ユニットから高周波電源を出力して第1電極と第2電極との間に電位差を有させてプラズマを発生でき、プラズマは空気吸引ポンプの分離誘導の下でプラズマ柱を形成し、プラズマ柱は水素供給源を提供するため、アンモニア溶液が水素成分に分解するのを助け、安全で環境に配慮し、また排気ユニットで収集された後、精製装置に移送されて処理した後、直接燃料電池に輸送される。本発明は、環境配慮のアンモニア溶液を用いて水素を発生し、汚染物質を排出せず、空気を汚染することなく、製品の実用性が向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態により提供される水素発生装置の概略構成図である。
図2】本発明の実施形態により提供される水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態の目的、技術的手段及び利点をより明確にするため、以下、図面を参照して、本発明の実施形態中の技術的手段を詳細に説明するが、説明する実施形態は本発明の一部の実施形態であり、全ての実施形態でないことは言うまでもない。本発明中の実施形態に基づいて、当業者は創造性の活動をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。したがって、添付の図面で提供される本発明の実施形態についての以下の詳細な説明は、保護を請求する本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、単に本発明の選択された実施形態を示すものである。本発明中の実施形態に基づいて、当業者は創造性の活動をしない前提で得られた全ての他の実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0014】
本発明の説明において、用語「第1」、「第2」は単に目的を描写するのに使われており、比較的な重要性を指示又は示唆する、或いは示された技術的特徴の数をそれとなく明示すると理解してはいけない。そこで、「第1」、「第2」が限定されている特徴は1つ又はもっと多くのこの特徴を含むことを明示又はほのめかすものである。更に、本発明の説明において、特に説明される場合を除く、「複数」とは2つ以上のことを意味する。
【0015】
図1及び図2を参照すると、図1及び図2を参照すると、水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールであって、水素発生装置10と、水素精製装置30と、水素燃料電池発電システム20とを備える。前記水素発生装置10は、キャビティ113を内設し、前記キャビティ113と連通する第1開口部111、第2開口部112及び第3開口部114を設けた筐体11と、前記キャビティ113に収容され、第1電極121と第2電極122とを備え、前記第1電極121は前記第1開口部111に近く、前記第2電極122は前記第2開口部112に近く、前記第1電極121と前記第2電極122との間にプラズマ柱16を形成するプラズマ発生ユニット12と、電圧供給端が前記第1電極121及び前記第2電極122にそれぞれ電気的に接続され、プラズマを発生するため、前記第1電極121と前記第2電極122との間に電位差が存在する電圧供給ユニット15と、前記第1開口部111に連通された水素供給ユニット13と、入力端が前記第2開口部112に連通され、前記キャビティ113内の空気が前記第2開口部112を経由して前記第1開口部111から前記第2開口部112に流れる気流を発生させ、前記第1電極121と前記第2電極122との間のプラズマが気流の影響を受けて前記プラズマ柱16を形成するための排気ユニット14とを備える。前記水素精製装置30の入力端は、前記排気ユニット14の出力端に連通される。前記水素燃料電池発電システム20は、前記水素精製装置30の出力端に連通される。
【0016】
本実施形態において、前記第3開口部114の位置は、前記第1電極121の高さより低い。
【0017】
前記水素供給ユニット13は、水素含有物質を収容するための収容室131と、水素含有物質と接触するための発振器132とを備える。
【0018】
前記水素含有物質は、アンモニア溶液である。排気ユニット14は、空気吸引ポンプである。
【0019】
前記電圧供給ユニット15は、前記第1電極12及び前記第2電極122に交流を供給するために用いられ、前記交流周波数は2kHz~20kHz、前記交流電圧は4000V~14000Vである。
【0020】
本発明で提供される水素製造・精製装置を用いて水素燃料電池に供給するモジュールの動作原理:
筐体11に第3貫通孔が設けられるため、外気に連通する作用を発揮し、筐体11に内部に少量の空気を溜めることができ、水素供給ユニット13の収容室131内にアンモニア溶液を加え、発振器132とアンモニア溶液とが接触し、発振器132は高周波振動を発生する圧電素子を使用することができ、これにより液体のアンモニア溶液は、複数の微小な液体粒子を形成して、筐体11内で飛散するか、気流に伴って筐体11に入り、第1電極121及び第2電極122を介して電圧供給ユニット15に接続され、電圧供給ユニット15は交流を第1電極121及び第2電極122に供給し、交流の周波数は2kHz~20kHzの範囲で、電圧が4000V~14000Vの範囲であり、空気とアンモニア溶液の微小な液体粒子とが第1電極121と第2電極122との間で混合され、第1電極121と第2電極122との間のプラズマ柱の作用を受けてプラズマ科学反応を起こす。反応過程:プラズマ柱16は、多い高エネルギー電離状態の荷電粒子を有し、アンモニア溶液の液体粒子が筐体11に入った時、荷電粒子から衝突され、炭素-水素結合が破壊されることで、水素成分が発生し、水素含有物質が水素成分に分解され、排気ユニット14を経由して水素精製装置30に輸送され、水素精製装置30で精製された水素は水素燃料電池発電システム20に移送され、ここで水素精製装置30は電解水素を原料とし、触媒による脱酸素・冷却、吸着・二次乾燥を経て、フィルターを通過して水素中の不純物、酸素、水蒸気、及びダストを除去して、高純度水素が得られ、製品の高純度水素グレード純度は99.9995%以上に達することができ、これは従来の技術であるため、ここでその説明を省略する。
【0021】
上記の実施形態は、本発明の技術的手段を解釈することだけに使われており、本発明を限定するものではない。本発明の精神及び範囲から逸脱しない任意の修正と均等物による置換が、本発明の実用新案登録請求の保護範囲内に収まることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0022】
10 水素発生装置
11 筐体
111 第1開口部
112 第2開口部
113 キャビティ
114 第3開口部
12 プラズマ発生ユニット
121 第1電極
122 第2電極
13 水素供給ユニット
131 収容室
132 発振器
14 排気ユニット
15 電圧供給ユニット
16 プラズマ柱
20 水素燃料電池発電システム
30 水素精製装置
図1
図2
【国際調査報告】