(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の格子および槽
(51)【国際特許分類】
B01D 25/12 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B01D25/12 101A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023519855
(86)(22)【出願日】2020-10-02
(85)【翻訳文提出日】2023-03-30
(86)【国際出願番号】 FI2020050650
(87)【国際公開番号】W WO2022069789
(87)【国際公開日】2022-04-07
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521535881
【氏名又は名称】メッツォ オウトテック フィンランド オサケ ユキチュア
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ムスタカンガス、 ミルバ
(72)【発明者】
【氏名】ユボネン、 イスモ
(72)【発明者】
【氏名】カイパイネン、 ヤンネ
(72)【発明者】
【氏名】エロランタ、 テエム
(72)【発明者】
【氏名】イッリ、 ミカ
(72)【発明者】
【氏名】バンッティネン、 カリ
【テーマコード(参考)】
4D116
【Fターム(参考)】
4D116AA04
4D116CC02
4D116CC12
4D116CC50
4D116FF13B
4D116QB49
4D116VV11
(57)【要約】
タワープレスなどの縦型フィルタプレスの槽組立体の格子(1)および槽(4)について開示する。格子(1)は、濾液槽(4)上の対応する反転トポグラフィックパターン(8)と嵌合するトポグラフィックパターン(3)を備える。トポグラフィックパターン(3、8)は、濾液流を濾液排出口(7)へ誘導して濾液の渦や乱流の発生を減少させ、槽を経由する濾液の流量を増加させる。同時に、トポグラフィックパターン(3、8)によれば格子(1)をより確実に槽(4)上に取り付けることができ、これにより、濾過媒体の前進中における濾過媒体の移動速度が速くなる。その結果、濾過工程のサイクル時間を短縮することができ、これにより連係するフィルタプレスの全般的な能力が向上する。また、濾液槽組立体および縦型フィルタについても開示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面部(1a)および反対側にある第2の面部をもつ板状の格子本体部を含み、
第1の面部(1a)は、使用時に濾布を支持する略平坦な第1の表面を画成し、
第2の面部は、互いに距離をあけて設けられた複数の突き出た瘤状部を含む第2の表面を画成し、該瘤状部は連係する濾液槽4上に在る該格子(1)を前記濾液槽から距離をあけて支持し、
前記本体部はさらに第1の表面と第2の表面の間で流体を連通させる複数の孔(2)を含むタワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の格子(1)であって、
第2の表面は、連係する濾液槽(4)の対応する反転槽トポグラフィに嵌合する格子トポグラフィを含み、
該格子トポグラフィは、該格子(1)の位置で連係する濾液槽(4)の所期の濾液流路に沿って延びているトポグラフィックパターン(3)を形成することを特徴とする縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の格子。
【請求項2】
請求項1に記載の格子(1)において、前記格子トポグラフィは複数のくぼみを含み、該複数のくぼみは複数の突起を含む連係する濾液槽(4)が有している対応する槽トポグラフィを収容し、さらに、
前記複数のくぼみは、該格子(1)の位置で連係する濾液槽(4)の所期の濾液流路に沿って延びている凹状パターンを形成することを特徴とする格子。
【請求項3】
請求項1に記載の格子において、前記格子トポグラフィは複数の突起を含み、該複数の突起は複数のくぼみを含む連係する濾液槽(4)が有している対応する槽トポグラフィに収容され、さらに、
前記複数の突起は、該格子の位置で連係する濾液槽(4)の所期の濾液流路に沿って延びている凸状パターンを形成することを特徴とする格子。
【請求項4】
前記請求項1ないし3のいずれかに記載の格子(1)において、前記格子本体部は略矩形であり、第1の平行に対向する側面部(1c、1d)の組および第2の平行に対向する側面部(1e、1f)の組を有し、第1の側面部(1c、1d) の組は第2の側面部(1e、1f)の組に対し直交していることを特徴とする格子。
【請求項5】
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の格子において、前記格子トポグラフィックパターン(3)は、該格子の対向する側面部(1c、1d;1e、1f)間を、好ましくは線状経路に沿って延伸していることを特徴とする格子。
【請求項6】
前記請求項1ないし4のいずれかに記載の格子において、前記格子トポグラフィックパターン(3)は、該格子の隣接する側面部 (1c、1e;1d、1f)間を、好ましくは曲状経路に沿って延伸していることを特徴とする格子。
【請求項7】
槽本体部を有する、タワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の濾液槽(4)であって、前記槽本体部は、
該濾液槽(4)を濾板上で支持可能にする、底面を有する平板面(4a)と、
該平板面に対向する格子面(4b)とを含み、該格子面はその上に、
- 連係する縦型フィルタプレスの濾過工程で得られる濾液を収容し、且つ支持すべき連係する格子(1)を収める容器部の底部を画成する槽表面(5)と、
- 該槽表面の少なくとも一部分を囲繞する、前記容器部の側壁を画成する境界部(6)とを配設したものであり、
前記槽(4)は、該濾液槽から前記境界部(6)を通り抜けて濾液を排出する排出経路を供する濾液排出開口部(7)を含み、
前記槽表面(5)は、連係する格子(1)の対応する反転格子トポグラフィと嵌合する槽トポグラフィを有し、
該槽トポグラフィは、前記槽表面の供給領域(9)と前記濾液排出開口部の間を所期の濾液流路に沿って延びているトポグラフィックパターン(8)を形成することを特徴とする濾液槽。
【請求項8】
請求項7に記載の濾液槽(4)において、前記槽トポグラフィは複数の突起を含み、該複数の突起は複数のくぼみを含む連係する格子(1)が有している対応する格子トポグラフィに収容され、さらに、
前記複数の突起は、前記所期の濾液流路に沿って延びている凸状パターンを形成することを特徴とする濾液槽。
【請求項9】
請求項7に記載の濾液槽(4)において、前記槽トポグラフィは複数のくぼみを含み、該複数のくぼみは複数の突起を含む連係する格子(1)が有している対応する格子トポグラフィを収容し、さらに、
前記複数のくぼみは、前記所期の濾液流路に沿って延びている凹状パターンを形成することを特徴とする濾液槽。
【請求項10】
前記請求項7ないし9のいずれかに記載の濾液槽(4)において、前記槽本体部は略矩形であり、該槽の長手方向に沿って延伸している平行に対向する脇面部(4c、4d)および平行に対向する先端面部(4e、4f)を有し、前記脇面部(4c、4d)は該先端面部(4e、4f)に対し直交していて、
前記濾液排出口(7)は、隣接する脇面部(4c、4d)と先端面部(4e、4f)の間にある角領域に設けられ、
前記槽トポグラフィックパターン(8)は、前記供給領域(9)と前記濾液排出口(7)の間において前記脇面部(4c、4d)に対して平行に延伸していることを特徴とする濾液槽。
【請求項11】
前記請求項7ないし10のいずれかに記載の濾液槽において、前記槽トポグラフィックパターン(8)は、前記槽表面(5)の前記供給領域において前記脇面部(4c、4d)に向け傾斜して延びていることを特徴とする濾液槽。
【請求項12】
請求項10または11に記載の濾液槽において、前記槽トポグラフィックパターン(8)は排出口を有する角領域において前記脇面部(4c、4d)に向け傾斜して延びていることを特徴とする濾液槽。
【請求項13】
前記請求項7ないし12のいずれかに記載の濾液槽において、該槽(4)は材料厚が15mm未満の槽内張りとして設けられることを特徴とする濾液槽。
【請求項14】
タワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体であって、
該濾液槽組立体は、前記請求項1ないし6のいずれかに記載の格子(1)と、前記請求項7ないし14のいずれかに記載の濾液槽(4)とを有し、
前記格子(1)は前記槽(4)の容器部内に収められ、これにより前記格子の第2の面は前記濾液槽(4)の槽表面(5)に対向しつつ支持され、前記格子(1)は前記境界部(6)によって横方向に分界され、
前記格子トポグラフィおよび前記槽トポグラフィは互いに嵌合することを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項15】
請求項14に記載の濾液槽組立体において、前記濾液槽(4)は請求項10に記載の濾液槽であり、請求項5に記載した1つ以上の格子(1)が前記供給領域(9)と前記濾液排出口(7)との間に設けられることを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項16】
請求項14または15に記載の濾液槽組立体において、前記濾液槽(4)は請求項11に記載の濾液槽であり、請求項6に記載した1つ以上の格子(1)が前記供給領域(9)に設けられることを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項17】
前記請求項14ないし16のいずれかに記載の濾液槽組立体において、前記濾液槽は請求項12に記載の濾液槽であり、請求項6に記載した1つ以上の格子が排出口(7)を有する角領域に設けられることを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項18】
互いに離した開位置および互いに近づけた閉位置に向けて垂直方向に移動可能に構成され、前記閉位置で隣接する濾板組立体間に平型フィルタチャンバが形成される複数の重畳された濾板と、
隣接する濾板間に配設された濾過媒体と、
前記濾板組立体を互いに離間するよう揚げたり該濾板組立体を互いに接近するように下降させたりする昇降装置と、
前記閉位置で前記複数の濾板組立体を互いに圧搾し、該濾板組立体間に形成された前記フィルタチャンバを密閉する密閉装置と、
前記フィルタチャンバ内にスラリを供給する供給機構体と、
前記濾液排出口から濾液を回収する回収機構体と、
前記濾過媒体を移動させて前記フィルタチャンバ内に形成された濾過ケーキを排出する排出機構体とを備えるタワープレスなどの縦型フィルタプレスであって、
前記請求項10ないし13のいずれかに記載の濾液槽組立体は、前記濾板のうち1つまたは複数に設けられるとともに支持され、上側の濾板と下側の濾板との間に在る濾過媒体は、前記下側の濾板に支持される濾液槽組立体の格子(1)上に載置され、
前記下側の濾板の濾液槽組立体は、稼動中に、連係するフィルタチャンバから前記濾過媒体を通過した濾液を収めるように構成されていることを特徴とするフィルタプレス。
【発明の詳細な説明】
【開示の分野】
【0001】
本開示は、縦型フィルタプレス、例えばタワープレスに関するものであり、特に、このようなフィルタの濾液槽組立体の格子および槽に関する。本開示はさらに、槽組立体および縦型フィルタプレスに関するものである。
【開示の背景】
【0002】
縦型フィルタプレスでは、複数の濾板を重畳させて、隣り合う濾板間にフィルタチャンバを画成する。濾過媒体、一般的には濾布は、隣り合う濾板間に配設される。スラリがフィルタチャンバ内にある濾布の上方に流し込まれ、濾液は濾過媒体を通り抜けて下方の濾板に形成された濾液槽に流入する。格子が濾液槽内に設けられ、濾布を支持して、濾液槽内にまで濾布が膨張することを防止する。フィルタチャンバ内で形成された固形濾過ケーキを除去するために、濾板は互いに離隔され、濾過媒体は前進移動する。これによって濾過ケーキはフィルタチャンバから送出される。
【0003】
通常、スラリが1つ以上の特定箇所でフィルタチャンバに投入されると、濾液槽内に不均等な濾液流が発生する。具体的には、濾液の大部分は濾液槽の供給領域に収容されるが、この領域はスラリがフィルタチャンバに投入される箇所の位置に相当する。そのため、多くの場合で濾液槽内の濾液流が渦を生み出し、その結果として乱流が発生し、これによって槽に流出入する濾液の流量が低下する。
【0004】
さらに、濾過媒体および濾過ケーキの重量が格子にかかるため、格子を定位置で十分に固定して、濾過媒体が前方移動する際に格子を引きずることで格子にかかる力に抗するようにする必要がある。格子を適切に固定しておかないと、格子の位置が不適切になったり、ずれたりする可能性があり、その結果、濾過媒体自体が損傷する危険性が高まる。このこともあって、フィルタにおける排出処理中における濾過媒体の前進速度は制限される。
【開示の簡単な説明】
【0005】
本開示は、タワープレスなどの縦型フィルタプレスの槽組立体の格子および槽を提供することを目的とし、これにより連係するフィルタプレスの全般的な能力を向上させることができる。さらに、本開示は、このような格子および濾液槽を組み入れている濾液槽組立体、ならびにこのような濾液槽組立体を組み入れている縦型フィルタプレスを提供することを目的とする。
【0006】
本開示の目的は、本願独立請求項の記載事項を特徴とする格子、濾液槽、濾液槽組立体、および縦型フィルタプレスにより達成される。本開示の好適な実施形態は、従属請求項に明示される。
【0007】
本開示は、濾液槽に対向する格子の表面にトポグラフィックパターンを設けるという着想に基づくものであり、当該パターンは、格子に対向する濾液槽の表面上に設けられた対応する反転トポグラフィックパターンに嵌合する。これらのトポグラフィックパターンによって、濾液流を濾液槽の濾液排出口へ誘導する。
【0008】
本開示に係る手法は、トポグラフィックパターンによって濾液槽内における濾液の渦および乱流の発生を低減し、これにより槽を経由する濾液の流量を増加させるという利点を有する。また同時に、トポグラフィックパターンによって格子と槽とをより確実に固定することで、濾過媒体の進行中に、その移動速度を高めることができる。その結果、濾過工程のサイクル時間が削減して、これにより連係するフィルタプレスの全般的な能力向上が果たせる。
【0009】
本開示の第1の態様によると、タワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の格子を提供する。
【0010】
本格子は、第1の面部および第2の面部を有する板状の格子本体部を含む。第1の面部は、使用時に濾布を支持する略平坦な第1の表面を画成する。第2の面部は、互いに間隔をあけて設けられた複数の突き出た瘤状部を含む第2の表面を画成し、複数の瘤状部は連係する濾液槽上に在る格子を槽から距離を開けて支持するものである。すなわち、各瘤状部は、置かれている格子を槽により画成されている容器部の底部から離して支持するように構成され、これによって格子と槽の間を濾液が流動できるようにする。第1および第2の面部は、板状格子本体部の対向する両面上に配設される。本体部はさらに、第1の面と第2の面の間で流体を連通させる複数の孔を含んでいる。
【0011】
また、第2の表面は、連係する濾液槽の対応する反転槽トポグラフィに嵌合する格子トポグラフィを含む。すなわち、格子トポグラフィの突起が槽トポグラフィのくぼみに適合して収容されるか、または、槽トポグラフィの突起が格子トポグラフィのくぼみに適合して収容されることで、格子は槽によって横方向に固定される。格子トポグラフィは、格子の位置で連係する濾液槽の所期の濾液流路に沿って延びているトポグラフィックパターンを形成する。
【0012】
本開示において、トポグラフィなる用語は、表面の起伏、すなわち表面における高度差によって形成される型および形状について述べる際に使用される。
【0013】
トポグラフィックパターンは、濾液槽内における渦または渦巻の発生を低減するものであり、その場所における濾液流の乱れを減少させる。その結果、濾液を濾液槽から迅速に排出できる。また、トポグラフィックパターンは、格子を濾液槽内の所定位置に固定するのに役立つ。これにより、格子は、格子上を進む濾過媒体に起因する変位に対する耐性がさらに強まる。その結果、濾過媒体の前進速度が増す。濾液の排出が向上して濾過媒体がより速く移動できると、濾過工程および濾過ケーキの排出工程に要する時間がそれぞれ短縮され、連係するフィルタの全体効率が向上する。言い換えると、本開示に係る手法によって、所定の時間でより多くのスラリを濾過することができる。
【0014】
本開示の第1の態様に係る実施形態において、格子トポグラフィは複数のくぼみを含んでいてもよく、複数のくぼみは複数の突起を含む連係する濾液槽が有している、対応する槽トポグラフィを収容するものである。このような場合、複数のくぼみは、格子の位置で連係する濾液槽の所期の濾液流路に沿って延びている凹状パターンを形成する。例えば、凹状トポグラフィック格子パターンには、好適には所期の流路に沿って延びている1つ以上の溝を設けてもよい。
【0015】
このような構成は特に有利に働くものと考えられる。なぜならば、凹状トポグラフィックパターンを槽内に設けることにより、時間の経過とともに、このようなくぼみに固形物が堆積して、突き出た格子パターン形状をくぼみ内に適切に収容することを妨げる可能性があるからである。
【0016】
本開示の第1の態様に係る実施形態において、格子トポグラフィは複数の突起を含んでいてもよく、複数の突起は、複数のくぼみを含む連係する濾液槽が有している、対応する槽トポグラフィに収容されるものである。このような場合、複数の突起は、格子の位置で連係する濾液槽の所期の濾液流路に沿って延びている凸状パターンを形成する。例えば、凸状トポグラフィック格子パターンは、好適には所期の流路に沿って延びている1つ以上の玉縁として設けられてもよい。
【0017】
本開示の第1の態様に係る実施形態において、格子本体部は略矩形であって、第1の平行に対向する側面部の組および第2の平行に対向する側面部の組を有し、第1の側面部の組は第2の側面部の組に対し直交していてもよい。
【0018】
このように一般的な矩形の格子であると、濾液槽全域を覆うように複数の格子を敷設することが容易となる。例えば、2つ以上の異なるトポグラフィックパターンを有する格子の組合せを用いて、複合した所期の流動経路を辿るようにしてもよい。ただし、格子を別の選択可能な形状で供することもできる点に留意されたい。
【0019】
例えば、格子トポグラフィックパターンは、格子の対向する側面部間を、好ましくは線状経路に沿って延伸していてもよい。
【0020】
あるいは、格子トポグラフィックパターンは、格子の隣接する側面部間を、好ましくは曲状経路に沿って延伸していてもよい。具体的には、このような構成によって、濾液槽上に置かれた格子の向きにかかわらず、濾過ケーキの排出中に濾過媒体の進行方向を横切って延伸している部分を有する格子パターンが得られる。
【0021】
本開示の第1の態様は、上述した2つ以上の実施形態の任意の組合せ、または実施形態の変形例を包含することに留意されたい。
【0022】
本開示の第2の態様は、タワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体用の濾液槽を供する。
【0023】
本濾液槽は槽本体部を有し、槽本体部は、濾液槽を濾板上で支持可能にする、底面を有する平板面を含む。槽体はさらに、平板面に対向する格子面を有する。
【0024】
格子面上に槽表面が配設され、槽表面は、連係する縦型フィルタプレスの濾過工程で得られる濾液を収容し槽表面上で支持すべき連係する格子を収める容器部の底部を画成する。また、槽表面の少なくとも一部分を囲繞することで、境界部が格子面に配設され、境界部により容器部の側壁が画成される。
【0025】
本濾液槽はさらに、濾液槽から境界部を通り抜けて濾液を排出する排出経路を供する濾液排出開口部を含む。
【0026】
また、槽表面は槽トポグラフィを有し、槽トポグラフィは、本開示の第1の態様に係る格子に関連して述べたものと同様の方法で、連係する格子の対応する反転格子トポグラフィと嵌合する。槽トポグラフィは、槽表面の供給領域と濾液排出開口部の間を所期の濾液流路に沿って延びているトポグラフィックパターンを形成する。
【0027】
本開示において、供給領域なる用語は、槽に流れ込む濾液の流量増加が確認できる槽面上の領域について述べる際に使用される。実際には、このような領域は、使用時に濾液槽の上方に位置している連係するフィルタチャンバのスラリ供給口の位置に相当することが多い。通常、このような供給領域は槽表面の中央部に配される。例えば、供給領域は、長手方向における槽表面の幾何学的中心部から、槽表面の長手距離の四分の一に相当する距離だけ各長手方向端に向けて延伸してもよいと認められる。さらに、供給領域は、各横断方向端いっぱいまで横断方向に延伸してもよいと認められる。あるいは、供給領域は、横断方向における槽表面の幾何学的中心部から、槽表面の横断距離の四分の一に相当する距離だけ各横断方向端に向けて延伸してもよいと認められる。
【0028】
本開示の第1の態様に係る格子と同様に、トポグラフィックパターンによって濾液槽における渦または渦巻の発生が低減し、これにより、槽における濾液流の乱流は減少する。その結果、濾液槽からの濾液の排出が速くなる。また、トポグラフィックパターンは、格子を濾液槽内の所定位置に固定するのに役立つ。これにより、格子は、濾過媒体が格子上を進行する際に生じる動きに対してより有利に抗うことができる。その結果、濾過媒体の移動速度を増すことができる。濾液の排出が改善し、濾過媒体の移動速度を高めることができると、濾過工程および濾過ケーキの排出工程に要する時間がそれぞれ短くなり、連係したフィルタの全体効率が向上する。言い換えると、本開示による手法により、所定時間内により多くのスラリを濾過することができる。
【0029】
本開示の第2の態様による実施形態において、槽トポグラフィは複数の突起を含み、複数の突起は複数のくぼみを含む格子が有している対応するトポグラフィに収容される。このような場合、複数の突起は、所期の濾液流路に沿って延びている凸状パターンを形成する。例えば、凸状槽トポグラフィックパターンは、好適には所期の流路に沿って延びている1つ以上の玉縁として設けてもよい。
【0030】
本開示の第2の態様による実施形態において、槽トポグラフィは複数のくぼみを含み、複数のくぼみは複数の突起を含む対応する格子トポグラフィを収容する。複数のくぼみは、所期の濾液流路に沿って延びている凹状パターンを形成する。例えば、凹状トポグラフィック槽パターンは、好適には所期の流路に沿って延びている1つ以上の溝として設けてもよい。
【0031】
本開示の第2の態様による実施形態において、槽本体部は略矩形であり、槽の長手方向に沿って延びている平行に対向する脇面部および平行に対向する先端面部を有し、脇面部は先端面部に対し直交している。脇面部は先端面部よりも長い。
【0032】
このような場合、濾液排出口は隣り合う脇面部と先端面部との間の角領域に設けられる。また、トポグラフィックパターンは、好適には、供給領域から濾液排出口にかけて脇面部に対して平行に延びている。
【0033】
本開示の第2の態様による実施形態において、槽トポグラフィックパターンは、槽表面の供給領域において脇面部に向け傾斜して延びている。
【0034】
本開示の第2の態様による実施形態において、槽トポグラフィックパターンは、排出口を有する角領域において脇面部に向け傾斜して延びている。
【0035】
本開示の第2の態様による実施形態において、槽は材料厚が15mm未満の槽内張りとして設けられる。すなわち、槽および槽によって形成される容器部の主要な構造的硬直性は槽内張りとは別の実体物(例えば、濾板自体)によって得られる一方で、槽内張りは、単に槽の型体を裏打ちしてまたは覆って、槽が濾液および/または他の処理流体と接触しないように隔離するものである。とりわけ、このような場合には、材料強度の関係でくぼみの深さが制限される可能性があるため、槽トポグラフィを複数の突起として設けると有利である。
【0036】
本開示の第2の態様は、上記の2つ以上の実施形態の任意の組合せ、または実施形態の変形例を包含することに留意されたい。
【0037】
本開示の第3の態様は、タワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体を供する。
【0038】
本濾液槽組立体は、上述した本開示の第1の態様に係る格子と、上述した本開示の第2の態様に係る濾液槽とを有する。
【0039】
具体的には、格子は槽の容器部内に収められ、これにより格子の第2の面は濾液槽の槽表面に対向しつつ支持され、格子は境界部によって横方向に分界される。また、格子は、格子トポグラフィと槽トポグラフィが互いに嵌合するように配置調整される。
【0040】
本開示の第3の態様による実施形態によると、濾液槽は略矩形の形状であり、本開示の第2の態様に関連してより詳細に述べた、角領域に設けられた濾液排出口、および供給領域と濾液排出口との間を脇面部に平行して延びているトポグラフィックパターンを有する。このような場合、本開示の第1の態様に関連してより詳細に述べたような、対向する側面部間を延伸している格子トポグラフィックパターンを有する型の1つ以上の格子が、供給領域と濾液排出口の間に設けられてもよい。
【0041】
本開示の第3の態様による実施形態によると、濾液槽は、槽表面の供給領域において脇面部に向けて傾斜しながら延びているトポグラフィックパターンを有する型のものである。このような場合、本開示の第1の態様に関連してより詳細に述べたような、隣接する側面部間を延伸している格子トポグラフィックパターンを有する型の1つ以上の格子が、供給領域に設けられてもよい。
【0042】
本開示の第3の態様による実施形態によると、濾液槽は、排出口を有する角領域で脇面部に向けて傾斜しながら延びているトポグラフィックパターンを有する型のものである。このような場合、本開示の第1の態様に関連してより詳細に述べたような、隣接する側面部間を延伸している格子トポグラフィックパターンを有する型の1つ以上の格子が、排出口を有する角領域に設けられてもよい。
【0043】
本開示の第3の態様は、上記の2つ以上の実施形態の任意の組合せ、または実施形態の変形例を包含することに留意されたい。
【0044】
本開示の第4の態様は、タワープレスなどの縦型フィルタプレスを供する。
【0045】
本フィルタプレスは、
-複数の重畳された濾板を備える。重畳された濾板は、互いに離した開位置および互いに近づけた閉位置へ向けて垂直方向に移動可能に構成され、これにより。閉位置で隣接する濾板組立体間に平型フィルタチャンバが形成される。本フィルタプレスはさらに、
- 隣接する濾板間に配設された濾過媒体、
- 濾板組立体を互いに離間するように揚げたり濾板組立体を互いに接近するように下降させたりする昇降装置、
- 閉位置で複数の濾板組立体を互いに圧搾し、組立体間に形成された前記フィルタチャンバを密閉する密閉装置、
- スラリをフィルタチャンバに供給する供給機構体、
- 濾液排出口から濾液を回収する回収機構体、および、
- 濾過媒体を移動させてフィルタチャンバ内に形成された濾過ケーキを排出する排出機構体を備える。
【0046】
また、本開示の第3の態様による実施形態に係る濾液槽組立体は、濾板のうち1つ以上に設けられるとともに支持される。さらに、上側の濾板と下側の濾板の間に在る濾過媒体は、下側の濾板によって支持される濾液槽組立体の格子上に載置される。下側の濾板の濾液槽組立体は、稼働中に、連係するフィルタチャンバから濾過媒体を通過した濾液を収めるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0047】
以下に、添付の図面を参照しながら、本開示を好適な実施形態によって詳細に説明する。
【
図1】本開示の一実施形態に係る濾液槽組立体の部分的な斜視図を示す。
【
図2】
図1の構造体を、格子の位置を示す補助的な標示とともに示す。
【
図3】
図1の構造体を、格子の位置を示す補助的な標示を含む平面図として見た状態を示す。
【
図4c】本開示のいろいろな実施形態に係る様々な格子を、平面図として見た状態を示す。
【本開示の詳細な説明】
【0048】
図1は、本開示の一実施形態に係る濾液槽組立体の部分的な斜視図を示す。具体的には、槽組立体は濾液槽4を有し、本濾液槽内に3つの異なる型の格子1が収容される。稼働状態において槽4の底面4bは、明確化のため
図1ないし
図3では図示していないさらに複数の格子で覆われることに留意されたい。
【0049】
具体的には、
図1に示す槽4は槽の内張りとして形成される。すなわち、槽4は、濾液槽に主要な構造強度を与える別の実体物(例えば濾板)を覆う用に供する、材料厚が相対的に薄い本体部を有する。当然のことながら、別の方法として、濾液槽はより厚みのある自己支持型の構造体として設けてもよい。
【0050】
濾液槽4は略矩形であり、平行に対向する一対の脇面部4cおよび4、ならびに平行に対向する一対の先端面部4eおよび4fを含み、先端面部4e、4fは脇面部4c、4dに対して直交している。
【0051】
濾液槽は、濾板の平板面(図示せず)上で支持される。槽本体部の反対側の格子面4bは、そこに配設された槽表面5を有し、濾液槽4によって形成される容器部の底部を画成する。具体的には、容器部は連係するフィルタプレスの濾過工程で(すなわち、使用時には、濾液槽の上方に形成されたフィルタチャンバから)得られる濾液を収容するように構成されている。境界部6は脇面部4c、4dおよび先端面部4e、4efに沿って延伸していて槽表面5を囲繞し、これにより容器部の側壁が画成される。濾液開口部7は、境界部6を通って延伸している濾液槽4の4つの角領域にそれぞれ配設され、容器部内に収容した濾液の排出路を供する。
【0052】
槽表面5は、玉縁として設けられた複数の突起として形成されたトポグラフィックパターンを呈し、このトポグラフィックパターンは、供給領域(槽表面5の中央部に配される)から排出開口部7にかけての所期の流路に沿って延伸している。具体的には、所期の流路は、各排出開口部7と供給領域9の間を通っている。
【0053】
槽トポグラフィックパターン8は、供給領域9において脇面部4c、4dに対して傾斜し、曲状経路に沿って延びていて、濾液流を槽表面5の横断方向中央部から離れるように誘導する。槽トポグラフィックパターン8はさらに、脇面部4c、4dに平行してそれぞれの排出開口部7に向けて延伸していて、濾液流を先端面部4e、4fに向けて誘導する。最終的には、排出開口部7を有する角領域において、槽トポグラフィックパターン8はさらに、脇面部4c、4dに対して傾斜し曲状経路に沿って延伸していて、濾液流を排出開口部7へと誘導する。
【0054】
上述したように、
図1は、濾液槽の容器部内に収容されて槽表面5上に支持される3つの異なる型の格子1を示す。各格子は、表面が平坦な第1の面部1aおよび槽表面5と向かい合う第2の面部(図示せず)をもつ板状本体部を有し、使用時に第1の面部1a上では濾過媒体が支持され、第2の面部では格子1が濾液槽上に支持される。複数の孔2(
図4a~4cを参照)が設けられ、第1の面部1aと第2の面部の間を流体が連通できるようにする。図示はしていないが、第2の面部は、槽上に在る格子1を槽表面5から隔てる複数の瘤状部を有し、濾液が瘤状部間を流過できるようにする。
【0055】
各格子の第2の表面は格子トポグラフィを有するが、本格子トポグラフィは、当該の格子1の所期の位置における槽表面5の槽トポグラフィに対して反転している。すなわち、格子トポグラフィは、格子1の位置で連係する濾液槽4の所期の濾液流路に沿って同様に延びているトポグラフィックパターン3を形成する。また、格子トポグラフィックパターン3は、槽表面5のトポグラフィックパターン8に嵌合する。図面の構造体では、凸状の槽トポグラフィックパターン8が凹状の格子トポグラフィックパターン3に収容される。
【0056】
図2は
図1に示すものと同一の構造体を示し、補助鎖線を用いて、他の図示しない格子の所期の位置を表している。
【0057】
また、
図3では
図1の構造体を平面図として示している。供給領域9に配置された格子1は、
図4aでより詳細に示している。排出開口部7を有する角領域に配置された格子は、
図4cでより詳細に示している。また、供給領域9と排出開口部7の間に示された格子1は、
図4bでより詳細に示している。
【0058】
図4aは、格子1をその第1の面部1aから見た平面図を示す。複数の孔2が第1の面部1aを通過して対向する第2の面部まで達していて、これによって流体は面部間を連通できる。第1の面部1a上の格子トポグラフィックパターン3の突出部は、第2の面部にも設けられているが、図では点線で示している。具体的には、格子トポグラフィックパターン3は、隣接する側面部1d、1f間を曲状経路に沿って延伸している。
図4aに示す格子は略矩形であり、第1の平行に対向する側面部1c、1dの組および第2の対向する側面部1e、1fの組を含み、第1および第2の組の側面部は互いに直交している。
【0059】
図4bは、
図4aと同様に格子1の平面図を示す。ただし、格子トポグラフィックパターン3は線状経路に沿って対向する側面部1c、1d間を延伸している点が
図4aの格子と異なる。
【0060】
また、
図4cは、
図4aと同様に格子1の平面図を示す。ただし、格子トポグラフィックパターン3は曲状経路に沿って隣接する側面部1c、1e間を延伸している点が
図4aの格子と異なる。さらに、
図4cのリッド1は、側面部1eと1dの間に設けられた面取り部も含んでいる。
【符号の説明】
【0061】
1 格子
1a 第1の面部
1c、1d 平行する側面部の第1の組
1e、1f 平行する側面部の第2の組
2 複数の孔3
3 格子トポグラフィックパターン
4 濾液槽
4a 平板面
4b 格子面
4c、4d 脇面部
4e、4f 先端面部
5 槽表面
6 境界部
7 濾液排出開口部
8 槽トポグラフィックパターン
9 供給領域
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面
部および反対側にある第2の面部をもつ板状の格子本体部を含み、
第1の面
部は、使用時に濾布を支持する略平坦な第1の表面を画成し、
第2の面部は、互いに距離をあけて設けられた複数の突き出た瘤状部を含む第2の表面を画成し、該瘤状部は連係する濾液
槽上に在る該格
子を前記濾液槽から距離をあけて支持し、
前記本体部はさらに第1の表面と第2の表面の間で流体を連通させる複数の
孔を含むタワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の格
子であって、
第2の表面は、連係する濾液
槽の対応する反転槽トポグラフィに嵌合する格子トポグラフィを含み、
該格子トポグラフィは、該格
子の位置で連係する濾液
槽の所期の濾液流路に沿って延びているトポグラフィックパター
ンを形成することを特徴とする縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の格子。
【請求項2】
請求項1に記載の格
子において、前記格子トポグラフィは複数のくぼみを含み、該複数のくぼみは複数の突起を含む連係する濾液
槽が有している対応する槽トポグラフィを収容し、さらに、
前記複数のくぼみは、該格
子の位置で連係する濾液
槽の所期の濾液流路に沿って延びている凹状パターンを形成することを特徴とする格子。
【請求項3】
請求項1に記載の格子において、前記格子トポグラフィは複数の突起を含み、該複数の突起は複数のくぼみを含む連係する濾液
槽が有している対応する槽トポグラフィに収容され、さらに、
前記複数の突起は、該格子の位置で連係する濾液
槽の所期の濾液流路に沿って延びている凸状パターンを形成することを特徴とする格子。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の格
子において、前記格子本体部は略矩形であり、第1の平行に対向する側面
部の組および第2の平行に対向する側面
部の組を有し、第1の側面
部の組は第2の側面
部の組に対し直交していることを特徴とする格子。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の格子において、前記格子トポグラフィックパター
ンは、該格子の対向する側面
部間を、好ましくは線状経路に沿って延伸していることを特徴とする格子。
【請求項6】
請求項1ないし4のいずれかに記載の格子において、前記格子トポグラフィックパター
ンは、該格子の隣接する側面
部間を、好ましくは曲状経路に沿って延伸していることを特徴とする格子。
【請求項7】
槽本体部を有する、タワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体の濾液
槽であって、前記槽本体部は、
該濾液
槽を濾板上で支持可能にする、底面を有する平板
面と、
該平板面に対向する格子
面とを含み、該格子面はその上に、
- 連係する縦型フィルタプレスの濾過工程で得られる濾液を収容し、且つ支持すべき連係する格
子を収める容器部の底部を画成する槽表
面と、
- 該槽表面の少なくとも一部分を囲繞する、前記容器部の側壁を画成する境界
部とを配設したものであり、
前記
槽は、該濾液槽から前記境界
部を通り抜けて濾液を排出する排出経路を供する濾液排出開口
部を含み、
前記槽表
面は、連係する格
子の対応する反転格子トポグラフィと嵌合する槽トポグラフィを有し、
該槽トポグラフィは、前記槽表面の供給領
域と前記濾液排出開口部の間を所期の濾液流路に沿って延びているトポグラフィックパター
ンを形成することを特徴とする濾液槽。
【請求項8】
請求項7に記載の濾液
槽において、前記槽トポグラフィは複数の突起を含み、該複数の突起は複数のくぼみを含む連係する格
子が有している対応する格子トポグラフィに収容され、さらに、
前記複数の突起は、前記所期の濾液流路に沿って延びている凸状パターンを形成することを特徴とする濾液槽。
【請求項9】
請求項7に記載の濾液
槽において、前記槽トポグラフィは複数のくぼみを含み、該複数のくぼみは複数の突起を含む連係する格
子が有している対応する格子トポグラフィを収容し、さらに、
前記複数のくぼみは、前記所期の濾液流路に沿って延びている凹状パターンを形成することを特徴とする濾液槽。
【請求項10】
請求項7ないし9のいずれかに記載の濾液
槽において、前記槽本体部は略矩形であり、該槽の長手方向に沿って延伸している平行に対向する脇面
部および平行に対向する先端面
部を有し、前記脇面
部は該先端面
部に対し直交していて、
前記濾液排出
口は、隣接する脇面
部と先端面
部の間にある角領域に設けられ、
前記槽トポグラフィックパター
ンは、前記供給領
域と前記濾液排出
口の間において前記脇面
部に対して平行に延伸していることを特徴とする濾液槽。
【請求項11】
請求項7ないし10のいずれかに記載の濾液槽において、前記槽トポグラフィックパター
ンは、前記槽表
面の前記供給領域において前記脇面
部に向け傾斜して延びていることを特徴とする濾液槽。
【請求項12】
請求項10または11に記載の濾液槽において、前記槽トポグラフィックパター
ンは排出口を有する角領域において前記脇面
部に向け傾斜して延びていることを特徴とする濾液槽。
【請求項13】
請求項7ないし12のいずれかに記載の濾液槽において、該
槽は材料厚が15mm未満の槽内張りとして設けられることを特徴とする濾液槽。
【請求項14】
タワープレスなどの縦型フィルタプレスの濾液槽組立体であって、
該濾液槽組立体は
、請求項1ないし6のいずれかに記載の格
子と、請求項7ないし
13のいずれかに記載の濾液
槽とを有し、
前記格
子は前記
槽の容器部内に収められ、これにより前記格子の第2の面は前記濾液
槽の槽表
面に対向しつつ支持され、前記格
子は前記境界
部によって横方向に分界され、
前記格子トポグラフィおよび前記槽トポグラフィは互いに嵌合することを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項15】
請求項14に記載の濾液槽組立体において、前記濾液
槽は請求項10に記載の濾液槽であり、請求項5に記載した1つ以上の格
子が前記供給領
域と前記濾液排出
口との間に設けられることを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項16】
請求項14または15に記載の濾液槽組立体において、前記濾液
槽は請求項11に記載の濾液槽であり、請求項6に記載した1つ以上の格
子が前記供給領
域に設けられることを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項17】
請求項14ないし16のいずれかに記載の濾液槽組立体において、前記濾液槽は請求項12に記載の濾液槽であり、請求項6に記載した1つ以上の格子が排出
口を有する角領域に設けられることを特徴とする濾液槽組立体。
【請求項18】
互いに離した開位置および互いに近づけた閉位置に向けて垂直方向に移動可能に構成され、前記閉位置で隣接する濾板組立体間に平型フィルタチャンバが形成される複数の重畳された濾板と、
隣接する濾板間に配設された濾過媒体と、
前記濾板組立体を互いに離間するよう揚げたり該濾板組立体を互いに接近するように下降させたりする昇降装置と、
前記閉位置で前記複数の濾板組立体を互いに圧搾し、該濾板組立体間に形成された前記フィルタチャンバを密閉する密閉装置と、
前記フィルタチャンバ内にスラリを供給する供給機構体と、
前記濾液排出口から濾液を回収する回収機構体と、
前記濾過媒体を移動させて前記フィルタチャンバ内に形成された濾過ケーキを排出する排出機構体とを備えるタワープレスなどの縦型フィルタプレスであって、
請求項10ないし13のいずれかに記載の濾液槽組立体は、前記濾板のうち1つまたは複数に設けられるとともに支持され、上側の濾板と下側の濾板との間に在る濾過媒体は、前記下側の濾板に支持される濾液槽組立体の格
子上に載置され、
前記下側の濾板の濾液槽組立体は、稼動中に、連係するフィルタチャンバから前記濾過媒体を通過した濾液を収めるように構成されていることを特徴とするフィルタプレス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
濾液槽4は略矩形であり、平行に対向する一対の脇面部4cおよび4d、ならびに平行に対向する一対の先端面部4eおよび4fを含み、先端面部4e、4fは脇面部4c、4dに対して直交している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0051】
濾液槽は、濾板の平板面(図示せず)上で支持される。槽本体部の反対側の格子面4bは、そこに配設された槽表面5を有し、濾液槽4によって形成される容器部の底部を画成する。具体的には、容器部は連係するフィルタプレスの濾過工程で(すなわち、使用時には、濾液槽の上方に形成されたフィルタチャンバから)得られる濾液を収容するように構成されている。境界部6は脇面部4c、4dおよび先端面部4e、4fに沿って延伸していて槽表面5を囲繞し、これにより容器部の側壁が画成される。濾液開口部7は、境界部6を通って延伸している濾液槽4の4つの角領域にそれぞれ配設され、容器部内に収容した濾液の排出路を供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0060
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0060】
また、
図4cは、
図4aと同様に格子1の平面図を示す。ただし、格子トポグラフィックパターン3は曲状経路に沿って隣接する側面部1c、1e間を延伸している点が
図4aの格子と異なる。さらに、
図4cの
格子1は、側面部1eと1dの間に設けられた面取り部も含んでいる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0061
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0061】
1 格子
1a 第1の面部
1c、1d 平行する側面部の第1の組
1e、1f 平行する側面部の第2の組
2 複数の孔
3 格子トポグラフィックパターン
4 濾液槽
4a 平板面
4b 格子面
4c、4d 脇面部
4e、4f 先端面部
5 槽表面
6 境界部
7 濾液排出開口部
8 槽トポグラフィックパターン
9 供給領域
【国際調査報告】