(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】癌を治療するための組み合わせ療法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/496 20060101AFI20231026BHJP
A61K 33/243 20190101ALI20231026BHJP
A61K 31/282 20060101ALI20231026BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20231026BHJP
A61P 13/08 20060101ALI20231026BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20231026BHJP
A61P 1/00 20060101ALI20231026BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231026BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A61K31/496
A61K33/243
A61K31/282
A61P15/00
A61P13/08
A61P11/00
A61P1/00
A61P35/00
A61P35/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521357
(86)(22)【出願日】2021-10-07
(85)【翻訳文提出日】2023-04-06
(86)【国際出願番号】 EP2021077703
(87)【国際公開番号】W WO2022074124
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391008951
【氏名又は名称】アストラゼネカ・アクチエボラーグ
【氏名又は名称原語表記】ASTRAZENECA AKTIEBOLAG
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100156144
【氏名又は名称】落合 康
(72)【発明者】
【氏名】レオ,エリザベッタ
【テーマコード(参考)】
4C086
4C206
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086CB09
4C086HA12
4C086HA24
4C086HA26
4C086HA28
4C086MA02
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4C086NA05
4C086ZA59
4C086ZA66
4C086ZA81
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4C206AA01
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4C206ZB27
(57)【要約】
本開示は、概して、治療的組み合わせ並びに対応する治療方法、医薬組成物及びキットに関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
癌の治療を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、前記ヒト対象に、第1の量のAZD5305又はその薬学的に許容される塩と、第2の量の白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩とを投与することを含み、前記第1の量及び前記第2の量は、合わせて治療有効量を構成する、方法。
【請求項2】
前記癌は、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、血液癌、胃癌及び大腸癌などの消化器癌並びに肺癌から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記白金化学療法剤は、シスプラチン、オキサリプラチン及びカルボプラチンのいずれか1つから選択される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記癌は、相同組換え修復欠損(HRD)癌である、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、BRIP1、BARD1、CDK12、CHEK1、CHEK2、FANCL、PALB2、PPP2R2A、RAD51B、RAD51C、RAD51D及びRAD54Lから選択されるHRR遺伝子において変異を有する1つ以上の細胞を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記変異したHRR遺伝子は、BRCA1、BRCA2及びATMから選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
キットであって、
AZD5305又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む第1の医薬組成物と、
白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む第2の医薬組成物と、
使用説明書と
を含むキット。
【請求項8】
対象の癌の治療に使用するためのAZD5305又はその薬学的に許容される塩であって、前記治療は、i)前記AZD5305又はその薬学的に許容できる塩と、ii)白金化学療法剤又はその薬学的に許容できる塩との、前記対象への別々の、逐次的な又は同時の投与を含む、AZD5305又はその薬学的に許容される塩。
【請求項9】
前記癌は、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、血液癌、胃癌及び大腸癌などの消化器癌並びに肺癌から選択される、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記白金化学療法剤は、シスプラチン、オキサリプラチン及びカルボプラチンのいずれか1つから選択される、請求項8又は9に記載の化合物。
【請求項11】
前記癌は、相同組換え修復欠損(HRD)癌である、請求項8~10のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
前記癌は、BRCA1、BRCA2、ATM、BRIP1、BARD1、CDK12、CHEK1、CHEK2、FANCL、PALB2、PPP2R2A、RAD51B、RAD51C、RAD51D及びRAD54Lから選択されるHRR遺伝子において変異を有する細胞を含む、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
前記変異したHRR遺伝子は、BRCA1、BRCA2及びATMから選択される、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
i)AZD5305又はその薬学的に許容される塩と、ii)白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩とを含む医薬品。
【請求項15】
AZD5305又はその薬学的に許容される塩及び前記白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩は、単一の剤形で存在する、請求項14に記載の医薬品。
【請求項16】
AZD5305又はその薬学的に許容される塩及び前記白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩は、別々の剤形で存在する、請求項14に記載の医薬品。
【請求項17】
前記白金化学療法剤は、カルボプラチンを含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の方法、化合物又は医薬組成物。
【請求項18】
前記白金化学療法剤は、カルボプラチンである、請求項1~17のいずれか一項に記載の方法、化合物又は医薬組成物。
【請求項19】
前記AZD5305は、遊離塩基である、請求項1~18のいずれか一項に記載の方法、化合物又は医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
癌の治療において大きい進歩がなされているが、患者は、新規の有効な療法を必要とし続けている。
【0002】
AZD5305(5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド)は、DNA単細胞切断(SSB)部位のPARP1を選択的に阻害し捕捉することによって作用する小分子薬である。これは、DNAの修復を妨げ、DNA複製中、DNA複製機構がPARP1-DNA非共有結合複合体と衝突したとき、より有害なDNA二本鎖切断(DSB)の生成をもたらす。相同組換え修復(HRR)が熟達している細胞のように、正確なDNA修復経路が有効である状況では、DSBは、正確に修復される。対照的に、BRCA遺伝子に病的変異を有するものなど、修復経路に欠陥を有する細胞では、AZD5305での治療は、正常細胞を残しながら、最終的に癌細胞を選択的に死滅させるゲノム不安定性の選択的蓄積をもたらす。
【0003】
白金化学療法剤は、癌を治療するために使用される薬物であり、多くの場合、第一選択治療設定時に使用される。白金化学療法剤の例としては、シスプラチン、オキサリプラチン及びカルボプラチンが挙げられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
いくつかの実施形態では、癌の治療を、それを必要とするヒト対象において行う方法であって、ヒト対象に、第1の量のAZD5305又はその薬学的に許容される塩と、第2の量の白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩とを投与することを含み、第1の量及び第2の量は、合わせて治療有効量を構成する、方法が開示される。
【0005】
いくつかの実施形態では、癌は、卵巣癌、乳癌、膵臓癌、前立腺癌、血液癌、胃癌及び大腸癌などの消化管癌又は肺癌である。
【0006】
いくつかの実施形態では、癌は、相同組換え修復欠損(HRD)癌である。例えば、癌がHRD陽性であるかどうかは、Myriad GeneticsのmyChoice(登録商標)HRD又はmyChoice(登録商標)HRD Plusアッセイによって決定することができる。
【0007】
特定の実施形態では、癌細胞は、BRCA1、BRCA2、ATM、BRIP1、BARD1、CDK12、CHEK1、CHEK2、FANCL、PALB2、PPP2R2A、RAD51B、RAD51C、RAD51D及びRAD54L遺伝子変異から選択されるHRD遺伝子変異を含む。特定の実施形態では、癌細胞は、BRCA1、BRCA2及び/又はATM遺伝子変異を含む。特定の実施形態では、癌細胞は、BRCA1及び/又はBRCA2遺伝子変異を含む。例えば、特定の実施形態では、癌細胞は、tBRCA遺伝子変異を含む。
【0008】
本開示の方法の特定の実施形態では、癌は、病的な又は病的と疑われるBRCA変異及び/又はゲノム不安定性によって定義される相同組換え修復欠損(HRD)陽性状態を含む。
【0009】
本開示の方法の特定の実施形態では、癌は、卵巣癌又は乳癌である。本開示の方法の特定の実施形態では、癌は、卵巣癌である。特定の実施形態では、癌は、進行上皮性卵巣癌である。特定の実施形態では、癌は、高悪性度漿液性卵巣癌である。特定の実施形態では、癌は、高悪性度子宮内膜性卵巣癌である。特定の実施形態では、癌は、gBRCA1又はgBRCA2変異を含む上皮性卵巣癌である。本開示の方法の特定の実施形態では、癌は、卵管癌である。本開示の方法の特定の実施形態では、癌は、原発性腹膜癌である。
【0010】
特定の実施形態では、癌は、卵巣癌(例えば、進行上皮性卵巣癌)、卵管癌又は原発性腹膜癌である。
【0011】
特定の実施形態では、癌は、卵巣癌(例えば、進行上皮性卵巣癌)、卵管癌又は原発性腹膜癌であり、癌は、病的な又は病的と疑われるBRCA変異及び/又はゲノム不安定性によって定義される相同組換え修復欠損(HRD)陽性状態を有する。
【0012】
特定の実施形態では、癌は、乳癌である。特定の実施形態では、癌は、トリプルネガティブ乳癌である。
【0013】
いくつかの実施形態では、癌は、白金抵抗性である。
【0014】
いくつかの実施形態では、キットであって、AZD5305又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む第1の医薬組成物と、白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩を含む第2の医薬組成物と、使用説明書とを含むキットが開示される。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】AZD5305単剤療法、カルボプラチン単剤療法及び組み合わせ療法で治療したPDXモデル(HBCx-9)のマウスの体重変化を示す。
【
図2】PDXモデル(HBCx-9)におけるカルボプラチンと組み合わせたAZD5305の抗腫瘍活性を示す。
【
図3】PDXモデル(HBCx-9)におけるカルボプラチンと組み合わせたAZD5305の抗腫瘍活性を示す。個々の動物のデータを示す。
【
図4】AZD5305フォームAのX線粉末回折を示す。
【
図5】AZD5305単剤療法、カルボプラチン単剤療法及び組み合わせ療法で治療した異種移植モデル(SUM149PT)のマウスの体重変化を示す。
【
図6】異種移植モデル(SUM149PT)におけるカルボプラチンと組み合わせたAZD5305の抗腫瘍活性を示す。
【
図7】AZD5305単剤療法、カルボプラチン単剤療法及び組み合わせ療法で治療したPDXモデル(HBCx-9)のマウスの体重変化を示す。
【
図8】PDXモデル(HBCx-9)におけるカルボプラチンと組み合わせたAZD5305の抗腫瘍活性を示す。
【
図9】AZD5305単剤療法、カルボプラチン単剤療法及び組み合わせ療法で治療したPDXモデル(HBCx-9)の治療停止後のカルボプラチンと組み合わせたAZD5305の抗腫瘍活性を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
いくつかの実施形態では、AZD5305と白金化学療法剤との組み合わせ療法によって癌を治療する方法が開示される。いくつかの実施形態では、本方法は、それを必要とする対象に、第1の量のAZD5305又はその薬学的に許容される塩と、第2の量の白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩とを投与することを含み、第1の量及び第2の量は、合わせて治療有効量を構成する。いくつかの実施形態では、白金化学療法剤は、カルボプラチン、シスプラチン及びオキサリプラチンのいずれか1つを含む。いくつかの実施形態では、白金化学療法剤は、カルボプラチンを含む。一実施形態では、白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩が第1に投与され、AZD5305又はその薬学的に許容される塩が第2に投与される。一実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩が第1に投与され、白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩が第2に投与される。
【0017】
「AZD5305」という用語は、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミドという化学名と、以下に示す構造とを有する化合物を指す。
【化1】
【0018】
AZD5305の調製は、本明細書に開示されている(実施例1を参照されたい)。いくつかの実施形態では、AZD5305の遊離塩基が対象に投与される。いくつかの実施形態では、AZD5305の薬学的に許容される塩が対象に投与される。いくつかの実施形態では、結晶性AZD5305が対象に投与される。いくつかの実施形態では、結晶フォームAのAZD5305が対象に投与される。
【0019】
「白金含有化学療法剤」という用語は、シスプラチン、カルボプラチン及びオキサリプラチンなどの金属白金を含有する薬物を含む。いくつかの実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩及び白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩は、別々に、逐次的に又は同時に投与される。一実施形態では、白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩が第1に投与され、AZD5305又はその薬学的に許容される塩が第2に投与される。一実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩が第1に投与され、白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩が第2に投与される。
【0020】
いくつかの実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩及びオラパリブ又はその薬学的に許容される塩は、治療サイクルにおいて別々に、逐次的に又は同時に投与される。
【0021】
「サイクル」、「治療サイクル」又は「投薬スケジュール」は、本明細書で使用する場合、規則的なスケジュールで繰り返される組み合わせ治療の期間を指す。例えば、治療は、1週間、2週間又は3週間なされる場合があり、AZD5305及び白金化学療法剤は、協調的な様式で投与される。いくつかの実施形態では、治療サイクルは、約1週~約3ヶ月である。いくつかの実施形態では、治療サイクルは、約5日~約1ヶ月である。いくつかの実施形態では、治療サイクルは、約1週~約3週である。いくつかの実施形態では、治療サイクルは、約1週、約10日、約2週、約3週、約4週、約2ヶ月又は約3ヶ月である。
【0022】
いくつかの実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩及び白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩は、1つ以上の治療サイクル、例えば治療過程においてヒト対象に投与される。「治療過程」は、複数の治療サイクルを含み、これらは、規則的なスケジュールで繰り返され得るか、又は患者の疾患進行が監視されるにつれて漸減スケジュールとして調整され得る。例えば、患者の治療サイクルは、より長い治療期間及び/又はより短い休止期間を治療過程の開始時(例えば、患者が最初に診断されるとき)に有し、癌が寛解に入ると、休止期間を長くすることにより、1つの治療サイクルの長さを長くすることができる。治療サイクルにおける治療及び休止の期間、治療サイクル数及び治療過程時間の長さは、患者の疾患進行、治療寛容性及び予後に基づいて、当業者により、治療過程の全体を通して決定及び調整され得る。いくつかの実施形態では、方法は、1~10回の治療サイクルを含む。いくつかの実施形態では、方法は、2~8回の治療サイクルを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩は、経口投与される。いくつかの実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩は、カプセル剤形中にある。いくつかの実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩は、錠剤剤形中にある。
【0024】
「治療する」、「治療すること」及び「治療」という語は、対象におけるPARP若しくは癌に関連する酵素若しくはタンパク質活性の減少若しくは阻害、対象における癌の1つ以上の症状の改善又は対象における癌の進行の緩徐化若しくは遅延を含む。「治療する」、「治療すること」及び「治療」という語は、対象における腫瘍の成長又は癌性細胞の増殖の低下又は阻害も含む。
【0025】
「阻害する」、「阻害」又は「阻害すること」という語は、生物活性又はプロセスのベースライン活性の減少を含む。
【0026】
「癌」という用語は、身体の一部における異常な細胞の制御されない分裂によって引き起こされる疾患を含むが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、癌は、PARP阻害剤(例えば、AZD5305)による治療に影響されやすい癌を含む。いくつかの実施形態では、癌は、卵巣癌、乳癌、膵臓癌及び前立腺癌である。いくつかの実施形態では、癌は、血液癌、胃癌及び大腸癌などの消化管癌又は肺癌である。いくつかの実施形態では、癌は、再発性又は難治性癌である。いくつかの実施形態では、癌は、白金耐性癌である。
【0027】
「医薬組成物」という語は、活性成分及び薬学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤を含む組成物を含み、活性成分は、AZD5305若しくはその薬学的に許容される塩又は白金化学療法剤若しくはその薬学的に許容される塩である。
【0028】
本明細書において、特に明記しない限り、本明細書で使用される「薬学的に許容される」という用語は、健全な医学的判断の範囲内において、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適である、妥当なリスク・ベネフィット比に見合う化合物、材料、組成物及び/又は剤形を指す。
【0029】
「薬学的に許容される賦形剤、担体又は希釈剤」という語は、当業者によって確かめられるように、健全な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応又は他の問題若しくは合併症なしに、ヒト及び動物の組織と接触して使用するのに好適な化合物、材料、組成物及び/又は製剤を含む。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、カプセル剤、錠剤、顆粒剤、散剤、サシェ剤などの固形剤形である。いくつかの実施形態において、医薬組成物は、1つ以上の水性又は非水性の、非毒性の、非経口的に許容されるバッファ系、希釈剤、可溶化剤、共溶媒又は担体中の注射可能な滅菌溶液の形態である。無菌注射用製剤は、無菌注射用水性若しくは油性懸濁液又は非水性希釈剤、担体若しくは共溶媒中の懸濁液でもあり得、これは、1つ以上の適切な分散剤又は湿潤剤及び懸濁化剤を使用して、既知の手順に従って製剤化され得る。医薬組成物は、ivボーラス/点滴注入のための溶液又は他の賦形剤を有する若しくは有しない緩衝系との還元のための凍結乾燥系(これのみ若しくは賦形剤を有する)とすることができる。凍結乾燥された冷凍乾燥物質は、非水性溶媒又は水性溶媒から調製され得る。剤形は、以降の点滴のためのさらなる希釈のための濃縮物でもあり得る。
【0030】
「対象」という用語は、恒温哺乳動物、例えば霊長類、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット及びマウスを含む。いくつかの実施形態において、対象は、霊長類であり、例えばヒトである。いくつかの実施形態では、対象は、卵巣癌、乳癌、膵臓癌及び前立腺癌などの癌に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、癌、例えば血液癌、胃癌及び大腸癌などの消化器癌又は肺癌に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、卵巣癌又は乳癌に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、再発性又は難治性卵巣癌に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、再発性又は難治性乳癌に罹患している。いくつかの実施形態では、対象は、癌に罹患しており、未治療である(例えば、癌のための治療を全く受けていない)。いくつかの実施形態では、対象は、癌に罹患しており、白金抵抗性である。白金抵抗性疾患は、白金系レジメンが最後に施されてから6ヶ月以内の進行によって定義される。白金難治性疾患は、白金含有レジメンの間に少なくとも部分奏効がないことによって定義される。白金系レジメンは、シスプラチン及びカルボプラチンなどの金属白金を含有する薬物を含む。
【0031】
「治療有効量」という語は、両方を合わせて、対象において生物学的若しくは医学的応答、例えばPARP若しくは癌に関連する酵素若しくはタンパク質活性の低下若しくは阻害;癌の症状の寛解;又は癌の進行の緩徐化若しくは遅延を誘発することになるAZD5305の量及び白金化学療法剤の量を含む。いくつかの実施形態では、「治療有効量」という語は、両方を合わせて、少なくとも部分的に癌を軽減し、阻害し、且つ/若しくは回復させるか、又はPARPを阻害し、且つ/又は対象における腫瘍の成長若しくは癌性細胞の増殖を低下させるか若しくは阻害するのに有効である、AZD5305及び白金化学療法剤の量を含む。いくつかの実施形態では、「治療有効量」という語は、両方を合わせて、対象における腫瘍の成長若しくは癌性細胞の増殖を少なくとも部分的に低下させるか若しくは阻害するのに有効である、AZD5305及び白金化学療法剤の量を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、AZD5305又はその薬学的に許容される塩及び薬学的に許容される担体を含む第1の医薬組成物と;カルボプラチン又は薬学的に許容される塩を含む第2の医薬組成物と;第1の医薬組成物及び第2の医薬組成物を組み合わせて使用するための指示書とを含むキットが開示される。いくつかの実施形態では、第1の医薬組成物は、第1の量のAZD5305又はその薬学的に許容される塩を含み、及び第2の医薬組成物は、第2の量の白金化学療法剤又はその薬学的に許容される塩を含み、第1の量及び第2の量は、合わせて治療有効量を構成する。
【実施例】
【0033】
ここで、以下の非限定的な実施例を参照して、本明細書に開示される組み合わせ療法をさらに説明する。
【0034】
実施例1
AZD5305の調製
一般的実験条件
1H NMRスペクトルは、特に明記しない限り、Bruker 300MHz、400MHz又は500MHz分光計を27℃で使用して得た。化学シフトは、百万分率(ppm、δ単位)で表し、溶媒の残留モノ1Hアイソトポログを基準としている(CHCl3:7.24ppm;CHDCl2:5.32ppm;CD3S(=O)CD2H:2.49ppm)。結合定数は、ヘルツ(Hz)の単位で与えられる。分裂パターンは、見かけの多重度を表し、s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、q(四重線)、m(多重線)及びbr s(幅広い一重線)として指定される。LC-MSは、Waters SQD質量分析計を取り付けたWaters UPLC又はShimadzu2020質量分析計を備えたShimadzu LC-20AD LC-20XR LC-30ADを使用して行った。報告される分子イオンは、特に明記しない限り、[M+H]+に相当し、複数の同位体パターンがある分子(Br、Clなど)では、報告される値は、特に明記しない限り、最低同位体質量で得られたものである。
【0035】
フラッシュクロマトグラフィーは、Biotage(商標)製SP1(商標)精製システム、ISCO製CombiFlash(登録商標)Rf又はThermo Fisher製Gilsonシステムにおいて、順相(normal phase)シリカFLASH+(商標)(40M、25M又は12M)又はSNAP(商標)KP-Silカートリッジ(340、100、50又は10)、Agela製Flash Columnシリカ-CSカラムを、C18フラッシュカラムとともに使用する順相(straight phase)フラッシュクロマトグラフィー又は標準フラッシュクロマトグラフィーを使用して実行した。概して、使用した溶媒の全ては、市販されている分析用のものとした。無水溶媒は、反応用に常用されているものとした。実施例で使用した相分離器は、ISOLUTE(登録商標)Phase Separatorカラムである。以下に命名した中間体及び実施例は、Advanced Chemistry Development,Inc.(ACD/Labs)製ACD/Name12.01を使用して命名した。出発材料は、商業的供給源から得たか、又は文献経路で作製した。
【0036】
XRPD分析は、Bruker AXS Inc(商標)(Madison、Wisconsin)から市販されているBruker D8回折計を使用して実行した。XRPDスペクトルは、シリコン単結晶ウェーハマウント(例えば、BrukerシリコンゼロバックグラウンドX線回折試料ホルダー)に分析用の材料の試料(およそ10mg)を載せ、顕微鏡スライドを用いて試料を薄層に広げることによって得た。試料を毎分30回転で回転させ(計数統計を改善するため)、1.5406オングストローム(即ち、約1.54オングストローム)の波長で、40kV及び40mAで操作される銅製長微小焦点管によって生じるX線を照射した。試料を、シータ-シータモードで5度~40度2シータの範囲にわたって、0.02度2シータ増分当たり1秒間曝露した(連続スキャンモード)。操作時間は、D8で約15分であった。
【0037】
XRPD 2θ値は、妥当な範囲で、例えば、±0.2°の範囲内で変わることがあり、そのXRPD強度は、基本的に同じ結晶形態で測定される場合、例えば、好ましい配向を含む種々の理由で変動し得る。XRPDの原理は、例えば、Giacovazzo,C.et al.(1995),Fundamentals of Crystallography,Oxford University Press;Jenkins,R.and Snyder,R.L.(1996),Introduction to X-Ray Powder Diffractometry,John Wiley&Sons,New York;及びKlug,H.P.&Alexander,L.E.(1974),X-ray Diffraction Procedures,John Wiley and Sons,New Yorkなどの刊行物に記載されている。
【0038】
以下の略語を使用する。aq=水性;CH2Cl2=ジクロロメタン;DCM=ジクロロメタン;DDQ=2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ-1,4-ベンゾキノン;DIPEA=N,N’-ジイソプロピルエチルアミン;DMSO=ジメチルスルホキシド;DMSO-d6=重水素化ジメチルスルホキシド;ESI=エレクトロスプレーイオン化;MeCN若しくはCH3CN=アセトニトリル;NMR=核磁気共鳴;Pd/C=パラジウム炭素;TFA=トリフルオロ酢酸;THF=テトラヒドロフラン;TLC=薄層クロマトグラフィー;HCl=塩酸;HBr=臭化水素酸;Cs2CO3=炭酸セシウム;MgSO4=硫酸マグネシウム;NaHCO3=重炭酸ナトリウム;SOCl2=塩化チオニル;NH4Cl=塩化アンモニウム;Na2SO4=硫酸ナトリウム;H2=水素ガス。
【0039】
化学合成
【化2】
中間体2:6-ホルミル-5-ニトロ-ピリジン-3-カルボン酸エチル
1,4-ジオキサン(50mL)中に6-メチル-5-ニトロ-ピリジン-3-カルボン酸エチル(中間体1、10g、47.58mmol)及び二酸化セレン(7.92g、71.36mmol)を混合した混合物を110℃で20h間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、celiteのパッドに通して濾過し、酢酸エチルで洗浄した。濾液を合わせて濃縮し、得られた残渣をフラッシュシリカクロマトグラフィー、溶離液勾配0から70%酢酸エチル(ヘキサン中)により精製した。生成物画分を減圧下で濃縮して、6-ホルミル-5-ニトロ-ピリジン-3-カルボン酸エチル(中間体2、9.70g、91%)を褐色油状物として得た。1H NMR(500MHz,クロロホルム-d)1.48(3H,t),4.54(2H,q),8.81(1H,d),9.51(1H,d),10.32(1H,s);m/z(ES
+)[M]
+=224.
【0040】
中間体3:6-[(E)-2-エトキシカルボニルブタ-1-エニル]-5-ニトロ-ピリジン-3-カルボン酸エチル(E/Z異性体混合物)
水素化ナトリウム(9.63g、240.89mmol)(鉱油中60%)の無水THF(100mL)撹拌溶液に、2-(ジエトキシホスホリル)ブタン酸エチル(60.8g、240.89mmol)を、添加漏斗を用いて0℃で滴下して、灰色の混合物を得た。得られた混合物を0℃で10分間撹拌し、10分間かけて室温まで加温し、40℃で5分間撹拌した。反応混合物を-78℃に冷却し、次いで、この冷却した反応混合物に、6-ホルミル-5-ニトロ-ピリジン-3-カルボン酸エチル(中間体2、22.5g、100.37mmol)を100mLのTHFに溶解した溶液をゆっくり添加した。混合物を飽和NH4Cl溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して、粗生成物を得た。得られた残渣をフラッシュシリカクロマトグラフィー、溶離液勾配0から50%酢酸エチル(ヘキサン中)により精製した。生成物画分を減圧下で濃縮して、6-[(E)-2-エトキシカルボニルブタ-1-エニル]-5-ニトロ-ピリジン-3-カルボン酸エチル(中間体3、24.30g、75%)を黄色油状物(E/Z異性体の1:1及び混合物)として得た。1H NMR(500MHz,クロロホルム-d)1.13(3H,t),1.18(3H,t),1.23(3H,t),1.37(3H,t),1.45(6H,q),2.57(2H,qd),2.66(2H,q),4.11-4.24(2H,m),4.32(2H,q),4.45-4.56(4H,m),7.08(1H,s),7.85(1H,s),8.86(2H,dd),9.26(1H,d),9.43(1H,d);m/z(ES+)[M]+=322
【0041】
中間体4:7-エチル-6-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
エタノール(30mL)中に6-[(E)-2-エトキシカルボニルブタ-1-エニル]-5-ニトロ-ピリジン-3-カルボン酸エチル(E/Z異性体の1:1混合物)(中間体3、3.75g、11.63mmol)、Pd/C(1.857g、1.75mmol)(10%)を混合した混合物を脱気し、H2(バルーン)で満たし、反応物をH2雰囲気下、室温で終夜撹拌した。混合物をcelite床に通して濾過し、celite床をエタノールで洗浄した。濃縮後、得られた残渣に4M HCl(ジオキサン中)(15mL)を加え、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物をエーテルで希釈し、固形物を濾別し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、7-エチル-6-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(中間体4、2.260g、78%)を白色固体として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)0.94(3H,t),1.33(3H,t),1.41-1.51(1H,m),1.69-1.81(1H,m),2.41-2.48(1H,m),2.94(1H,dd),3.20(1H,dd),4.35(2H,t),7.67(1H,d),8.61(1H,d),10.32(1H,s);m/z(ES+)[M+H]+=249.
【0042】
中間体5:7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル
7-エチル-6-オキソ-7,8-ジヒドロ-5H-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(中間体4,2.26g,9.10mmol)を1,4-ジオキサン(40mL)に溶解し、DDQ(2.273g,10.01mmol)を加え、混合物を還流下で3h間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、飽和NaHCO3溶液を加え、残渣を室温で1時間撹拌した。固体を濾別し、水、続いて10mLのジエチルエーテルで洗浄した。得られた固体を真空下で乾燥させて、エチル7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(中間体5、1.738g、78%)を淡褐色固体として得た。
1H NMR(500MHz,DMSO-d6)1.14-1.28(3H,m),1.35(3H,t),2.58(2H,q),4.38(2H,q),7.83(1H,s),8.17(1H,s),8.90(1H,s),12.05(1H,s);m/z(ES+)[M+H]+=247.
【0043】
中間体6:3-エチル-7-(ヒドロキシメチル)-1H-1,5-ナフチリジン-2-オン
THF(29.2mL、58.47mmol)中2Mの水素化アルミニウムリチウムを、テトラヒドロフラン(150mL)中の7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-カルボン酸エチル(中間体5、7.2g、29.24mmol)に、窒素下45分間にわたって、0℃で滴下した。得られた混合物を0℃で1.5時間撹拌した。1M aqHCl(29mL)を滴下して反応混合物の反応を停止させた。反応混合物を濃縮し、固体を水(約150mL)及び1M HCl溶液29mLで希釈して、黄色懸濁液を得た。固体を濾過によって収集し、水、ジエチルエーテルで洗浄し、乾燥させて、粗生成物を黄色固体(何らかの無機塩によって汚染された)として得た。この固体をメタノール及びDCM(2:1)の混合物(400ml)に懸濁し、加熱還流した。固体を濾別した。この固体をメタノール/DCM混合物に再懸濁し、この手順を5回繰り返して、この混合物から大部分の生成物を得た。次いで、合わせた濾液を約100mLまで濃縮し、固体を濾過によって収集し、エーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、3-エチル-7-(ヒドロキシメチル)-1H-1,5-ナフチリジン-2-オン(中間体6、4.35g、72.8%)を黄色固体として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)1.18(3H,t),2.52-2.56(2H,m),4.61(2H,d),5.44(1H,t),7.61(1H,s),7.74(1H,s),8.37(1H,s),11.87(1H,br s);m/z(ES+)[M+H]+=205.3
【0044】
実施例1:5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチルリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド
【化3】
塩化チオニル(6.41mL、88.14mmol)を、3-エチル-7-(ヒドロキシメチル)-1,5-ナフチルリジン-2(1H)-オン(中間体6、3g、14.69mmol)及びN,N-ジメチルホルムアミド(0.114mL、1.47mmol)のCH2Cl2(60mL)懸濁液に0℃で滴下し、得られた溶液を室温で6時間撹拌した。この混合物を濃縮乾固して、粗7-(クロロメチル)-3-エチル-1H-1,5-ナフチリジン-2-オンを得た。
【0045】
DIPEA(12.83mL、73.45mmol)を、20℃で、7-(クロロメチル)-3-エチル-1H-1,5-ナフチリジン-2-オン(上記からの粗製物)、ヨウ化カリウム(0.488g、2.94mmol)及びN-メチル-5-ピペラジン-1-イル-ピリジン-2-カルボキサミド、2HCl(中間体7、4.31g、14.69mmol)のアセトニトリル(50.00mL)撹拌溶液に添加した。得られた溶液を80℃で2時間撹拌した。真空下で溶媒を除去した。粗製物質を水で希釈し、aq.NaHCO3溶液で塩基性化し、酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗生成物を得た。得られた残渣を、フラッシュシリカクロマトグラフィー、溶離液勾配0から15%MeOH(DCM中)により精製した。生成物画分を減圧下で濃縮して、5-[(4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチルリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミド(実施例1、3.93g、65.8%)をオフホワイト色の部分的に結晶化した固体として得た。1H NMR(500MHz,DMSO-d6)1.19(3H,t),2.53-2.59(6H,m),2.79(3H,d),3.33-3.39(4H,m),3.66(2H,s),7.39(1H,dd),7.64(1H,s),7.76(1H,s),7.83(1H,d),8.27(1H,d),8.36-8.40(1H,m),8.41(1H,d),11.85(1H,s);m/z(ES+)[M]+=406.
【0046】
実施例1 - フォームA
実施例1では、メタノール/ジクロロメタン溶液を減圧下で蒸発させることにより、5-[4-[(7-エチル-6-オキソ-5H-1,5-ナフチリジン-3-イル)メチル]ピペラジン-1-イル]-N-メチル-ピリジン-2-カルボキサミドを部分的に結晶化した固体として得た。このように得られた結晶性物質を結晶フォームAとして特徴付けた。
【0047】
結晶化度が低い場合、20mgの粗試料を0.20mlの水、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、酢酸エチル又は他の溶媒中に周囲温度又は50℃で1日懸濁させることによって結晶フォームAを得た。
【0048】
フォームAをXRPDにより分析し、結果を以下に表にし(表1)、また
図4に示す。
【0049】
【0050】
フォームAは、CuKα放射線を用いて測定される以下の2θ値の少なくとも1つを示すことを特徴とする:8.3°、12.4°及び19.4°。
【0051】
実施例2
このin vivo試験は、in vivoでのBRCA野生型腫瘍モデルであるHBCx-9におけるカルボプラチン(白金化学療法剤)と組み合わせたAZD5305の抗腫瘍効果を調べるために実施した。AZD5305単剤療法アーム及びカルボプラチン単剤療法アームを、対照として試験設計に含めた。
【0052】
材料及び方法
【0053】
【0054】
生体相
HBCx-9は、事前にin vitro培養を行わずにXenTechで樹立した患者腫瘍移植(PDX)モデルである。腫瘍片をドナーマウスに皮下(SC)移植した。腫瘍容積が700~1764mm3に達したとき、ドナーマウスを屠殺し、腫瘍を無菌的に切除し解剖した。壊死領域を除去した後、腫瘍を約20mm3の断片に切断し、培養培地に移した後、レシピエント(実験用)のヌード雌マウスにSC移植した。腫瘍を両側ノギス測定によって週2回測定し(長さ×幅)、腫瘍容積は楕円の公式(π/6×幅×幅×長さ)を使用して計算した。動物の体重及び腫瘍の状態は、試験中にわたってモニタした。腫瘍容積が約100mm3に達したとき、マウスを無作為に治療群に振り分けた。動物は無作為化の翌日から治療を受けた。対照動物には、ビヒクル(HClでpH3.5~4に酸性化した脱イオン水)を1日1回(QD)経口(PO)治療した。AZD5305は、1mg/kgでPO QD投薬した。カルボプラチンは、50mg/kgで週1回(QW)腹腔内(IP)投薬した。組み合わせ群では、マウスにまずカルボプラチンを投薬し、その後、10分以内にAZD5305を投与した。
【0055】
治療開始からの腫瘍成長阻害は、対照群及び治療群の腫瘍容積の平均変化量の比較により評価し、腫瘍成長阻害率(TGI、TV≧開始TVの場合)又は退縮率(REG、TV<開始TVの場合)として表した。また、治療開始からの平均体重変化率も全群について算出した。統計的有意性は、1標本t検定を使用して評価した。統計的有意性は、以下のように示される:*p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001。
【0056】
50mg/kg IP QWのカルボプラチンと組み合わせて10mg/kg PO QDのAZD5305を使用する耐性試験を、有効性試験の開始前にSCID雌マウスで行い、動物の状態に対する悪影響も体重に対する有意な変化も示さなかった。
【0057】
試験材料の配合
AZD5305を、0.1ml/10gの用量体積で投与されるように、水/HCl(pH3.5~4)ビヒクル中で経口投薬用に配合した。固形物は、適切な体積の1N HClを約1:1.25の薬物/HClモル比まで添加し、溶液が得られるまで撹拌/ボルテックス/超音波処理しながら最終体積の80%の滅菌脱イオン水を添加することによって希釈した。必要な1N HClの体積は、以下の式に従って計算した:
添加した1N HClの体積(ml)=1.25×[濃度(mg/ml)÷406.48(g/モル)÷1M]×最終体積(ml)。
【0058】
1N HCl又は1N NaOHにより溶液のpHを3.5~4に調節した。注射用滅菌水又は脱イオン水を用いて最終体積とし、最終pHを測定し記録した。投薬製剤は、週1回処方し、光から保護した。
【0059】
カルボプラチン(Teva(登録商標))は、50mg/kg用量(0.1ml/10gの用量体積)にするために0.9%NaCl中で原液を5mg/mlに希釈することにより、投薬日毎に新たに配合した。
【0060】
結果
HBCx-9は、フランスのXenTechで入手可能なTNBC PDXモデルである。これは、BRCA1メチル化を伴うBRCA wtモデルとして報告されている[1]。HBCx-9は、オラパリブ単剤療法に対して中等度の感受性を有することも示された[2]。
【0061】
有効性試験において、1mg/kg、0.1mg/kg及び0.01mg/kg QDのAZD5305並びに50mg/kg QWのカルボプラチンを単剤療法として且つ組み合わせで試験した。治療期間は、28日間であった。いずれの治療も試験期間中に良好な耐性を示し、有意な体重減少は見られなかった(
図1及び
図7)。AZD5305単剤療法は、用量依存的な抗腫瘍有効性を示し、72%のTGIをもたらし、カルボプラチン単剤療法群では88%のTGIが観察された。AZD5305及びカルボプラチンを一緒に投薬すると、88%の腫瘍退縮をもたらすことによって明らかな組み合わせ効果を示した(
図2及び表2)。さらに、組み合わせ群の全動物(8/8)が完全寛解(CR:TV<14mm
3と定義される)に達した(
図3)。
【0062】
結論として、カルボプラチンと組み合わせたAZD5305は、in vivoでのHBCx-9 PDXモデルにおいて、それぞれの単剤療法と比較して向上した抗腫瘍効果を示していた。AZD5305とカルボプラチンとの組み合わせは、動物の100%において完全寛解をもたらし、マウスにおいて良好な耐性であった。
【0063】
【0064】
[1]Coussy F,de Koning L,Lavigne M,et al.A large collection of integrated genomically characterized patient-derived xenografts highlighting the heterogeneity of triple-negative breast cancer.Int J Cancer.2019;145(7):1902‐1912.doi:10.1002/ijc.32266
[2]LC Riches(2020)Mol Cancer Ther 2020;19:13-25
【0065】
実施例3
この試験は、in vivoでのBRCA1変異腫瘍モデルであるSUM149PTにおけるカルボプラチンと組み合わせたAZD5305の抗腫瘍効果を調べるために実施した。AZD5305単剤療法アーム及びカルボプラチン単剤療法アームを、対照として試験設計に含めた。
【0066】
材料及び方法
SUM149PT細胞(2×106)を50%マトリゲルと共に雌SCIDマウス(体重18g超)の乳房脂肪体(MFP)に移植した。腫瘍を両側ノギス測定によって週2回測定し(長さ×幅)、腫瘍容積は楕円の公式(π/6×幅×幅×長さ)を使用して計算した。動物の体重及び腫瘍の状態は、試験中にわたってモニタした。腫瘍容積が約0.3cm3に達したとき、マウスを無作為に治療群に振り分けた。動物は、無作為化の翌日から治療を受けた。対照動物には、ビヒクル(HClでpH3.5~4に酸性化した脱イオン水)を1日1回(QD)経口(PO)治療し、PBSを週1回(QW)腹腔内(IP)治療した。AZD5305は、0.1mg/kg、0.03mg/kg又は0.01mg/kgでPO QD投薬した。カルボプラチンは、37.5mg/kgで週1回(QW)IP投薬した。組み合わせ群では、マウスにまずカルボプラチンを投薬し、その後、10分以内にAZD5305を投与した。
【0067】
治療開始からの腫瘍成長阻害は、対照群及び治療群の腫瘍容積の平均変化量の比較により評価し、腫瘍成長阻害率(TGI、TV≧開始TVの場合)又は退縮率(REG、TV<開始TVの場合)として表した。また、治療開始からの平均体重変化率も全群について算出した。統計的有意性は、1標本t検定を使用して評価した。統計的有意性は、以下のように示される:*p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001。
【0068】
50mg/kg IP QWのカルボプラチンと組み合わせて10mg/kg PO QDのAZD5305を使用する耐性試験を、有効性試験の開始前にSCID雌マウスで行い、動物の状態に対する悪影響も体重に対する有意な変化も示さなかった。
【0069】
試験材料の配合
AZD5305を、0.1ml/10gの用量体積で投与されるように、水/HCl(pH3.5~4)ビヒクル中で経口投薬用に配合した。固形物は、適切な体積の1N HClを約1:1.25の薬物/HClモル比まで添加し、溶液が得られるまで撹拌/ボルテックス/超音波処理しながら最終体積の80%の滅菌脱イオン水を添加することによって希釈した。必要な1N HClの体積は、以下の式に従って計算した:
添加した1N HClの体積(ml)=1.25×[濃度(mg/ml)÷406.48(g/モル)÷1M]×最終体積(ml)。
【0070】
1N HCl又は1N NaOHにより溶液のpHを3.5~4に調節した。注射用滅菌水又は脱イオン水を用いて最終体積とし、最終pHを測定し記録した。投薬製剤は、週1回処方し、光から保護した。カルボプラチン(Sigma Aldrich)は、37.5mg/kg用量(0.1ml/10gの用量体積)にするために0.9%NaCl中で原液を3.75mg/mlに希釈することにより、投薬日毎に新たに配合した。
【0071】
結果
SUM149PT TNBC BRCA1m異種移植モデルの有効性試験において、0.1mg/kg、0.03mg/kg及び0.01mg/kg QDのAZD5305並びに37.5mg/kg QWのカルボプラチンを単剤療法として且つ組み合わせで試験した。いずれの治療も試験期間中(28日間)、良好な耐性を示し、有意な体重減少は見られなかった(
図5)。AZD5305単剤療法は、用量依存的な抗腫瘍有効性を示し、0.1mg/kgのQDで24%のTGI、0.03mg/kgのQDで9%のTGIをもたらした。0.01mg/kg QDで投薬したAZD5305は、腫瘍の成長を阻害しなかった。カルボプラチン単剤療法により61%のTGIが得られた。0.1mg/kgのAZD5305とカルボプラチンとの組み合わせは、組み合わせ効果を示し、86%のTGIをもたらした。この抗腫瘍効果は、カルボプラチンと組み合わせたAZD5305の用量レベルを0.03mg/kg又は0.01mg/kgに減少させた場合(それぞれ75%のTGI及び79%のTGI)でも維持された(
図6及び表3)。
【0072】
結論として、カルボプラチンと組み合わせたAZD5305は、in vivoでのSUM149PT異種移植モデルにおいて、単剤療法と比較して向上した抗腫瘍効果を示していた。カルボプラチンと組み合わせたAZD5305の用量レベルを10分の1(0.1mg/kgから0.01mg/kg)に減少させても、腫瘍増殖阻害効果に影響はなかった。
【0073】
【0074】
実施例4
この試験は、in vivoでのBRCA1/2野生型腫瘍モデルであるHBCx-9におけるカルボプラチンと組み合わせたAZD5305の投薬範囲の抗腫瘍効果を調べるために実施した。AZD5305単剤療法アーム及びカルボプラチン単剤療法アームを、対照として試験設計に含めた。
【0075】
材料及び方法
HBCx-9は、事前にin vitro培養を行わずにXenTechで樹立した患者腫瘍移植(PDX)モデルである。腫瘍片をドナーマウスに皮下(SC)移植した。腫瘍容積が1008~1764mm3に達したとき、ドナーマウスを屠殺し、腫瘍を無菌的に切除し解剖した。壊死領域を除去した後、腫瘍を約20mm3の断片に切断し、培養培地に移した後、レシピエント(実験用)のヌード雌マウスにSC移植した。腫瘍を両側ノギス測定によって週2回測定し(長さ×幅)、腫瘍容積は楕円の公式(π/6×幅×幅×長さ)を使用して計算した。動物の体重及び腫瘍の状態は、試験中にわたってモニタした。腫瘍容積が約110mm3に達したとき、マウスを無作為に治療群に振り分けた。動物は、無作為化の翌日から治療を受けた。対照動物には、ビヒクル(HClでpH3.5~4に酸性化した脱イオン水)を1日1回(QD)経口治療(PO)した。AZD5305は、1mg/kg、0.1mg/kg又は0.01mg/kgでPO QD投薬した。カルボプラチンは、50mg/kgで週1回(QW)IP投薬した。組み合わせ群では、マウスにまずカルボプラチンを投薬し、その後、10分以内にAZD5305を投与した。
【0076】
治療開始からの腫瘍成長阻害は、対照群及び治療群の腫瘍容積の平均変化量の比較により評価し、腫瘍成長阻害率(TGI、TV≧開始TVの場合)又は退縮率(REG、TV<開始TVの場合)として表した。また、治療開始からの平均体重変化率も全群について算出した。統計的有意性は、1標本t検定を使用して評価した。統計的有意性は、以下のように示される:*p≦0.05、**p≦0.01、***p≦0.001。
【0077】
50mg/kg IP QWのカルボプラチンと組み合わせて10mg/kg PO QDのAZD5305を使用する耐性試験を、有効性試験の開始前にSCID雌マウスで行い、動物の状態に対する悪影響も体重に対する有意な変化も示さなかった。
【0078】
血漿PK用の試料は、キシラジン-ケタミン麻酔下の心臓内穿刺によって400~600μLの全血を採取することによって得た。血液を、セパレータゲルチューブを備えたBD Microtainer Hep-Liに移し、5000RPMで5~10分間、4℃で遠心分離した。分離した血漿を採取し、-80℃で保存した。血漿試料中の化合物レベルを測定するために、各血漿試料(25μl)を、適切な希釈係数を用いて調製し、DMSO中で調製し、ブランク血漿中にスパイクした11点標準検量線(1~10000nM)と比較した。アセトニトリル(100μl)を内部標準と共に添加し、続いて3000RPMで10分間遠心分離した。次いで、上清(50μl)を300μlの水で希釈し、UPLC-MS/MSによって分析した。
【0079】
試験材料の配合
AZD5305を、0.1ml/10gの用量体積で投与されるように、水/HCl(pH3.5~4)ビヒクル中で経口投薬用に配合した。固形物は、適切な体積の1N HClを約1:1.25の薬物/HClモル比まで添加し、溶液が得られるまで撹拌/ボルテックス/超音波処理しながら最終体積の80%の滅菌脱イオン水を添加することによって希釈した。必要な1N HClの体積は、以下の式に従って計算した:
添加した1N HClの体積(ml)=1.25×[濃度(mg/ml)÷406.48(g/モル)÷1M]×最終体積(ml)。
【0080】
1N HCl又は1N NaOHにより溶液のpHを3.5~4に調節した。注射用滅菌水又は脱イオン水を用いて最終体積とし、最終pHを測定し記録した。投薬製剤は、週1回配合し、光から保護した。カルボプラチン(Sandoz)は、50mg/kg用量(0.1ml/10gの用量体積)にするために0.9%NaCl中で原液を5mg/mlに希釈することにより、投薬日毎に新たに配合した。
【0081】
結果
HBCx-9は、フランスのXenTechで入手可能なTNBC PDXモデルである。これは、BRCA1メチル化並びに「BRCAness特徴」を伴うBRCA1/2 wtモデルとして報告されている[1]。HBCx-9は、オラパリブ単剤療法に対して中等度の感受性を有することも示された[2]。
【0082】
有効性試験において、1mg/kg、0.1mg/kg及び0.01mg/kg QDのAZD5305並びに50mg/kg QWのカルボプラチンを単剤療法として且つ組み合わせで試験した。いずれの治療も試験期間中(28日間)に良好な耐性を示し、有意な体重減少は見られなかった(エラー!参照元見つからず)。AZD5305単剤療法は、用量依存的な抗腫瘍有効性を示し、1mg/kgのQDで66%のTGI、0.1mg/kgのQDで44%のTGI、0.01mg/kgのQDで7%のTGIをもたらした。カルボプラチン単剤療法により68%のTGIが得られた。1mg/kgのAZD5305及びカルボプラチンを用いた治療は、組み合わせ効果を示し、90%の退縮をもたらした。この抗腫瘍効果は、カルボプラチンと組み合わせたAZD5305の用量レベルを0.1mg/kgに減少させた場合でも維持された(86%の退縮)。カルボプラチンを0.01mg/kgのAZD5305と組み合わせた場合、効果は、わずかに低下した(49%のTGI)。しかし、この群でも、いずれかの単剤療法アームと比較して組み合わせ効果が得られる(エラー!参照元見つからず、及び表)。
【0083】
この実験では、治療を28日間継続し、その後、治療を中止して寛解の持続時間をモニタした。エラー!参照元見つからずのグラフは、最も有効な群(1mg/kg又は0.1mg/kgのAZD5305と組み合わせたカルボプラチン)において、腫瘍は49日目(治療中止後3週間)頃に再成長し始め、その再成長速度は2群間で同様であったことを表す。さらに、カルボプラチン+0.01mg/kgのAZD5305群では、治療中止から約2週間後に腫瘍が再成長し始めた。エラー!参照元見つからず。
【0084】
結論として、カルボプラチンと組み合わせたAZD5305は、in vivoでのHBCx-9 PDXモデルにおいて、単剤療法と比較して向上した抗腫瘍効果を示していた。カルボプラチンと組み合わせたAZD5305の投薬レベルを10分の1(1mg/kgから0.1mg/kg)に減少させても、腫瘍退縮効果に影響はなかった。
【0085】
【0086】
本明細書は、本発明を開示し、いかなる当業者も本発明を実行すること(例えば、本開示の塩、物質又は組成物のいずれかを製造及び使用すること及び本開示の方法又はプロセスのいずれかを実施すること)ができるように実施例を用いる。本発明の特許取得の対象となる範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が認識する他の実施例を含み得る。そのような他の実施例は、それらが特許請求の範囲の逐語的な文言と異ならない要素を有する場合又はそれらが特許請求の範囲の逐語的な文言と非実質的な相違を有する均等な要素を含む場合、特許請求の範囲内であることが意図される。本明細書では、本発明の好ましい実施形態が示され、説明されているが、そのような実施形態は、例示としてのみ提供されるものであり、本発明の範囲を別途限定することを意図しない。本発明を実施する際、記載されている本発明の実施形態に対する様々な代替形態が採用され得る。本節及び本開示全体に使用される節の表題は、限定することを意図しない。
【0087】
上記で引用された全ての参考文献(特許及び非特許)は、参照により本特許出願に組み込まれる。これらの参考文献の説明は、それらの著者によりなされた主張を単に要約することを意図するものである。任意の参考文献(又は任意の参考文献の一部)が、関連する先行技術(又はあらゆる先行技術)であることを認めるものではない。本出願人は、引用された参考文献の正確性及び妥当性に異議を唱える権利を有する。
【国際調査報告】