(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを用いたCD20陽性増殖性障害の処置のための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 39/395 20060101AFI20231026BHJP
A61K 47/68 20170101ALI20231026BHJP
A61K 31/4184 20060101ALI20231026BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20231026BHJP
A61K 31/573 20060101ALI20231026BHJP
A61P 7/00 20060101ALI20231026BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20231026BHJP
A61P 35/02 20060101ALI20231026BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20231026BHJP
A61K 31/167 20060101ALI20231026BHJP
A61K 31/138 20060101ALI20231026BHJP
A61K 31/7068 20060101ALI20231026BHJP
A61K 31/282 20060101ALI20231026BHJP
C07K 16/46 20060101ALN20231026BHJP
【FI】
A61K39/395 N
A61K47/68
A61K31/4184
A61K45/00
A61K31/573
A61P7/00
A61P35/00
A61P35/02
A61P43/00 121
A61P43/00 111
A61K31/167
A61K31/138
A61K31/7068
A61K31/282
C07K16/46 ZNA
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023521598
(86)(22)【出願日】2022-05-13
(85)【翻訳文提出日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 US2022029226
(87)【国際公開番号】W WO2022241235
(87)【国際公開日】2022-11-17
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509012625
【氏名又は名称】ジェネンテック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】オヘア, キャロル エレイン
(72)【発明者】
【氏名】大木 康弘
(72)【発明者】
【氏名】トー, アイリス トラントゥインガン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C085
4C086
4C206
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA95
4C076BB13
4C076EE41
4C076EE59
4C084AA22
4C084MA02
4C084NA05
4C084ZA511
4C084ZA512
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC412
4C084ZC75
4C085AA14
4C085BB11
4C085EE03
4C085GG02
4C085GG04
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC39
4C086DA10
4C086EA17
4C086MA02
4C086MA04
4C086MA52
4C086MA66
4C086NA05
4C086ZA51
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
4C206AA01
4C206FA05
4C206GA02
4C206GA31
4C206JB16
4C206MA03
4C206MA04
4C206MA72
4C206NA05
4C206ZA51
4C206ZB26
4C206ZB27
4C206ZC75
4H045AA11
4H045AA30
4H045DA76
4H045EA22
4H045EA28
(57)【要約】
本発明は、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの組み合わせを投与することによる、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象の処置に関する。
【選択図】
図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを前記対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを前記対象に静脈内投与することを含み、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgである、方法。
【請求項2】
前記C1D2が約45mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記C1D2が約15mgである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
モスネツズマブの前記C1D1、C1D2、およびC1D3が、それぞれ前記第1の投与サイクルの1日目、8日目、および15日目、または約1日目、約8日目、および約15日目に投与される、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、前記第1の投与サイクルの1日目に投与される、請求項4または5に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
モスネツズマブの前記C2D1が、前記第2の投与サイクルの1日目に投与される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ポラツズマブベドチンの前記C2D1が、前記第2の投与サイクルの1日目に投与される、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法が、1または複数の追加の投与サイクルをさらに含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記方法が、4~6回の追加の投与サイクルを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記方法が、6回の追加の投与サイクルを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
各追加の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項11または12に記載の方法。
【請求項14】
前記追加の投与サイクルのうちの1回または複数回が、追加の単回用量のモスネツズマブおよび追加の単回用量のポラツズマブベドチンを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
ポラツズマブベドチンの前記追加の単回用量が約1.8mg/kgである、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
各追加の単回用量のポラツズマブベドチンが、追加の用量のポラツズマブベドチンを含む各追加の投与サイクルの1日目に前記対象に投与される、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
前記追加の投与サイクルのうちの1回または複数回が、追加の単回用量のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まない、請求項11~16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
モスネツズマブの前記追加の単回用量が約45mgである、請求項14~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
各追加の単回用量のモスネツズマブが、追加の用量のモスネツズマブを含む各追加の投与サイクルの1日目に前記対象に投与される、請求項14~18のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記投与レジメンが、6回の追加の投与サイクルを含み、前記6回の追加の投与サイクルの各々が、単回用量のモスネツズマブを含み、前記6回の追加の投与サイクルのうち4回以下が、ポラツズマブベドチンの投与を含む、請求項10~19のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを前記対象に皮下投与およびポラツズマブベドチンを前記対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgである、方法。
【請求項22】
CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを前記対象に皮下投与およびポラツズマブベドチンを前記対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgである、方法。
【請求項23】
各投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項21または22に記載の方法。
【請求項24】
モスネツズマブの前記C1D1、C1D2、およびC1D3が、それぞれ前記第1の投与サイクルの1日目、8日目、および15日目、または約1日目、約8日目、および約15日目に投与される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
モスネツズマブの前記C2D1~C8D1の各単回用量が、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される、請求項21~24のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
ポラツズマブベドチンの前記C1D1~C6D1の各単回用量が、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される、請求項21~25のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、モスネツズマブの前記C1D1の投与前に投与され、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が、モスネツズマブの前記C2D1の投与前に投与される、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
ポラツズマブベドチンの各単回用量C3D1~C6D1が、それぞれ、モスネツズマブの各単回用量C3D1~C6D1の投与前に投与される、請求項21~27のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
ポラツズマブベドチンが、モスネツズマブの投与の少なくとも約60分前に投与される、請求項27または28に記載の方法。
【請求項30】
1または複数の追加の治療薬を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記1または複数の追加の治療薬が、コルチコステロイドまたはIL-6Rアンタゴニストである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記IL-6Rアンタゴニストがトシリズマブである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
トシリズマブが約8mg/kgの単回用量として前記対象に投与され、前記単回用量が800mgを超えない、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
トシリズマブが約12mg/kgの単回用量として前記対象に投与され、前記単回用量が800mgを超えない、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
トシリズマブが静脈内投与される、請求項32~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記1または複数の追加の治療薬がコルチコステロイドである、請求項31に記載の方法。
【請求項37】
前記コルチコステロイドが、デキサメタゾン、プレドニゾン、またはメチルプレドニゾロンである、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記コルチコステロイドがデキサメタゾンである、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
デキサメタゾンが約10mgの単回用量として6時間ごとに投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
デキサメタゾンが静脈内投与される、請求項38または39に記載の方法。
【請求項41】
デキサメタゾンが、任意の用量のモスネツズマブの投与前に約20mgの単回用量として投与される、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
デキサメタゾンが経口投与される、請求項38または41に記載の方法。
【請求項43】
コルチコステロイドがメチルプレドニゾロンである、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
メチルプレドニゾロンが約1000mg/日の用量で投与される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
メチルプレドニゾロンが静脈内投与される、請求項43または44に記載の方法。
【請求項46】
前記コルチコステロイドがプレドニゾンである、請求項37に記載の方法。
【請求項47】
プレドニゾンが約10~30mg/日の用量で投与される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
プレドニゾンが経口投与される、請求項46または47に記載の方法。
【請求項49】
前記1または複数の追加の治療薬が、アセトアミノフェンまたはパラセタモールである、請求項30に記載の方法。
【請求項50】
アセトアミノフェンまたはパラセタモールが、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約500~1000mgの単回用量として投与される、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
アセトアミノフェンまたはパラセタモールが経口投与される、請求項49または50に記載の方法。
【請求項52】
前記1または複数の追加の治療薬がジフェンヒドラミンである、請求項30に記載の方法。
【請求項53】
ジフェンヒドラミンが、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約50~100mgの単回用量として投与される、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
ジフェンヒドラミンが経口投与される、請求項52または53に記載の方法。
【請求項55】
前記CD20陽性細胞増殖性障害がB細胞増殖性障害である、請求項1~54のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記B細胞増殖性障害が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記NHLが、再発性および/または難治性(R/R)NHLである、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
前記NHLがDLBCLである、請求項57に記載の方法。
【請求項60】
前記DLBCLがR/R DLBCLである、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記DLBCLがリヒター形質転換である、請求項59に記載の方法。
【請求項62】
前記NHLがFLである、請求項57に記載の方法。
【請求項63】
前記FLがR/R FLである、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記FLが形質転換FLである、請求項62に記載の方法。
【請求項65】
前記NHLがHGBLである、請求項57に記載の方法。
【請求項66】
前記HGBLがR/R HGBLである、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記NHLがアグレッシブNHLである、請求項56または58に記載の方法。
【請求項68】
前記アグレッシブNHLが、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFLである、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記対象が自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、請求項1~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記対象が、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、請求項1~69のいずれか1つ記載の方法。
【請求項71】
前記対象がヒトである、請求項1~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを前記集団の対象に皮下投与およびポラツズマブベドチンを前記集団の対象に静脈内投与することを含み、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgである、方法。
【請求項73】
CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを前記集団の対象に皮下投与およびポラツズマブベドチンを前記集団の対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgである、方法。
【請求項74】
前記対象集団の無増悪生存期間の平均期間が、基準対象集団の無増悪生存期間の基準平均期間よりも長い、請求項72または73に記載の方法。
【請求項75】
前記対象集団における完全奏効率が、基準対象集団における基準完全奏効率よりも高い、請求項72または73に記載の方法。
【請求項76】
前記対象集団における客観的奏効率が、基準対象集団における基準客観的奏効率よりも高い、請求項72または73に記載の方法。
【請求項77】
前記対象集団の平均奏効期間が、基準対象集団の基準平均奏効期間よりも長い、請求項72または73に記載の方法。
【請求項78】
前記対象集団の完全奏効の平均期間が、基準対象集団の完全奏効の基準平均期間よりも長い、請求項72または73に記載の方法。
【請求項79】
前記基準対象集団に、リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンを含む併用療法が投与される、請求項74~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記併用療法が、8回の投与サイクルを含む投与サイクルで前記基準対象集団に投与される、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
各投与サイクルが14日間の投与サイクルである、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
前記併用療法が、約2週間ごと(Q2W)に前記基準対象集団に投与される、請求項79~81のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
リツキシマブが約375mg/m
2 Q2Wの用量で静脈内投与され、ゲムシタビンが約1000mg/m
2 Q2Wの用量で静脈内投与され、オキサリプラチンが約100mg/m
2 Q2Wの用量で静脈内投与される、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記基準対象集団中の各対象がCD20陽性細胞増殖性障害を有する、請求項74~83のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記CD20陽性細胞増殖性障害がB細胞増殖性障害である、請求項72~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記B細胞増殖性障害が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記NHLが、再発性および/または難治性(R/R)NHLである、請求項86に記載の方法。
【請求項89】
前記NHLがDLBCLである、請求項87に記載の方法。
【請求項90】
前記DLBCLがR/R DLBCLである、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記DLBCLがリヒター形質転換である、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記NHLがFLである、請求項87に記載の方法。
【請求項93】
前記FLがR/R FLである、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記FLが形質転換FLである、請求項92に記載の方法。
【請求項95】
前記NHLがHGBLである、請求項87に記載の方法。
【請求項96】
前記HGBLがR/R HGBLである、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記NHLがアグレッシブNHLである、請求項86または88に記載の方法。
【請求項98】
前記アグレッシブNHLが、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFLである、請求項97に記載の方法。
【請求項99】
前記対象集団中の各対象が、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、請求項72~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項100】
前記対象集団中の各対象が、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、請求項72~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項101】
前記対象集団中の各対象がヒトである、請求項72~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記基準対象集団中の各対象が、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、請求項74~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記基準対象集団中の各対象が、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、請求項74~98のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記基準対象集団中の各対象がヒトである、請求項74~98のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
配列表
本出願は、ASCII形式で電子的に提出された配列表を含み、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。2022年5月4日に作成された前記ASCIIコピーの名称は50474-269WO2_Sequence_Listing_5_4_2022_ST25.txtであり、サイズは35,336バイトである。
【0002】
発明の分野
本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害)を有する対象の処置に関する。より具体的には、本発明は、少なくとも1つの先行する治療ラインを受けた可能性がある、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL);例えば、アグレッシブNHL)を有する対象の、モスネツズマブの皮下投与およびポラツズマブベドチンの静脈内投与による併用処置に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
癌は、細胞亜集団の制御されない増殖を特徴とする。癌は、先進国における主な死因であり、発展途上国における2番目に多い死因であり、1400万を超える新たな癌症例が診断され、毎年800万を超える癌死が発生している。無痛性癌はまた、生活の質に深刻な影響を及ぼし得る。したがって、癌のケアは、重大で増え続ける社会的負担を表す。
【0004】
B細胞増殖性障害は、癌関連死の主な原因となっている。例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)は急速に進行し、処置しない場合は致命的である。米国では、B細胞リンパ腫は、NHLの全症例の約80%~85%を構成する。アグレッシブNHLとしては、DLBCL、形質転換FLおよびグレード3bのFLが挙げられる。第一選択の設定で処置されるDLBCL患者の最大40%が3~4年以内に疾患の進行を経験し(Friedberg JW.Hematology Am.Soc.Hematol Educ.Program.2011,2011:498-505)、第二選択の治療で処置された患者の半分超が完全寛解を達成しない(Gisselbrecht Cら.J.Clin.Oncol.2010,28:4184-4190.)。さらに、モノクローナル抗CD20抗体リツキシマブの導入により、抗CD20抗体への以前の曝露を有するR/RDLBCL患者の大部分に対して有効な治療法を見出すことがより困難になってきている。
【0005】
毎年、約3%のFLがより高悪性度のNHL、最も一般的にはDLBCLに形質転換し(Lossos ISおよびGascoyne RD,Best Pract.Res.Clin.Haematol.2011,24:147-163)、10年でほぼ1/3の組織学的形質転換をもたらす。これらのDLBCL患者は、以前のFL組織像から形質転換し、高悪性度リンパ腫と同じ標準治療で処置されている。濾胞性リンパ腫グレード3bは、他の緩徐進行型FLよりもDLBCLと遺伝的、免疫表現型的および臨床的に一般的であるFLの明確なサブグループであり、DLBCLとの共存は頻繁に起こる(Harris NLおよびKluin P.Follicular lymphoma grade 3B:is it a real disease?Haematologica.2011,96:1244-1246)。FLグレード3bの患者の臨床経過はDLBCL患者と同様であり、FLグレード3bは一般にDLBCLとして処置される(National Comprehensive Cancer Network.NCCN clinical practice guidelines in oncology.B-Cell Lymphoma and Prevention and Treatment of Cancer-Related Infections[resource on the Internet].2020.Available from:nccn.org)。
【0006】
B細胞リンパ腫の生物学的および臨床的不均一性にかかわらず、進行期B細胞悪性腫瘍を有する対象は、典型的には、最初に、抗CD20mAb、リツキシマブ(Rituxan(登録商標)、MabThera(登録商標))などのモノクローナル抗体(mAb)と組み合わせた強力な細胞傷害性化学療法で処置される。永続的応答は一部の対象において達成され得るが、大部分の対象は最終的に進行性または再発性疾患を経験するであろう。NHLは、現在利用可能な治療法では依然として不治の疾患である。シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチンおよびプレドニゾン(CHOP);シクロホスファミド、ビンクリスチンおよびプレドニゾン(CVP);フルダラビン、シクロホスファミドおよびミトキサントロン(FCM);ベンダムスチン;またはゲムシタビンおよびオキサリプラチンを含む一般的に使用される導入化学療法へのリツキシマブの追加;(Zelenetzら.J.Natl.Compr.Canc.Netw.2014,12(6):916-946;Forstpointnerら.Blood.2006,108(13):4003-4008;Mounierら,Haematologica.2013,98(11):1726-1731)とそれに続くリツキシマブ維持療法は、長期寛解および対象転帰の改善をもたらした。特に、R-GemOx(リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチン;Mounierら,Haematologica.2013,98(11):1726-1731を参照されたい)は、自家幹細胞移植(ASCT)療法の候補ではないR/R DLBCLを有する対象のためのNCCNガイドライン2021における推奨レジメンである。
【0007】
そのような対象については、二重特異性抗体に基づく免疫療法などの代替または二次療法が特に有効であり得る。モスネツズマブなどの二重特異性抗体は、結合した細胞傷害性細胞が結合した癌細胞を破壊するという目的で、細胞傷害性細胞(例えば、CD3への結合を介したT細胞)および癌細胞(例えば、CD20への結合を介したB細胞)上の細胞表面抗原に同時に結合し得る。抗体薬物コンジュゲートは、細胞表面エピトープ(例えば、CD79bを標的とする;例えば、ポラツズマブベドチン)に結合して、細胞傷害剤の標的化送達のための結合薬物コンジュゲートの内在化を促進し得る。しかしながら、そのような抗体ベースの免疫療法および抗体-薬物複合体ベースの免疫療法は、サイトカイン駆動性毒性(例えば、サイトカイン放出症候群(CRS))、注入関連反応(IRR)、重篤な腫瘍溶解症候群(TLS)および肝毒性を含む望ましくない効果によって制限され得る。
【0008】
したがって、当分野では、より好ましいベネフィット-リスクプロファイルを達成する非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)などのB細胞増殖性障害を含む、CD20陽性細胞増殖性障害を処置するための効果的な併用投与方法の開発に対してまだ満たされていない必要性がある。
【発明の概要】
【0009】
発明の概要
本発明は、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを併用療法として投与することにより、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL))を有する対象を処置する方法に関する。特に、本発明は、併用療法としてのモスネツズマブの皮下投与およびポラツズマブベドチンの静脈内投与によって、アグレッシブNHL(例えば、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFL)を有する対象を処置する方法に関する。
【0010】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)または約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、or±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、方法を提供する。
【0011】
いくつかの実施形態では、C1D2は、約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である。
【0012】
いくつかの実施形態では、C1D2は、約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)である。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC1D1、C1D2、およびC1D3は、それぞれ第1の投与サイクルの1日目、8日目(±1日)、および15(±1日)日目、または約1日目、約8日目(±1日)、および約15(±1日)日目に投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC1D1は、第1の投与サイクルの1日目に投与される。
【0014】
いくつかの実施形態では、第2の投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC2D1は、第2の投与サイクルの1日目に投与される。
【0015】
いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC2D1は、第2の投与サイクルの1日目に投与される。いくつかの実施形態では、本方法は、1または複数の追加の投与サイクルをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、4~6回の追加の投与サイクルを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、6回の追加の投与サイクルを含む。いくつかの実施形態では、それぞれの追加の投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。
【0016】
いくつかの実施形態では、追加の投与サイクルの1回または複数回は、追加の単回用量のモスネツズマブおよび追加の単回用量のポラツズマブベドチンを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンの追加の単回用量は、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である。いくつかの実施形態では、各追加の単回用量のポラツズマブベドチンは、追加の用量のポラツズマブベドチンを含む各追加の投与サイクルの1日目に対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の投与サイクルの1回または複数回は、追加の単回用量のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まない。
【0017】
いくつかの実施形態では、モスネツズマブの追加の単回用量は約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である。いくつかの実施形態では、各追加の単回用量のモスネツズマブは、追加の用量のモスネツズマブを含む各追加投与サイクルの1日目に対象に投与される。
【0018】
いくつかの実施形態では、投与レジメンは6回の追加の投与サイクルを含み、6回の追加投与サイクルのそれぞれは単回用量のモスネツズマブを含み、6回の追加の投与サイクルのうち、ポラツズマブベドチンの投与は4回以下である。
【0019】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み(a)第1の投与サイクルが、(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み、(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)であり;(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、方法を特徴とする。
【0020】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み(a)第1の投与サイクルが、(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み、(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)であり;(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、方法を特徴とする。
【0021】
いくつかの実施形態では、各投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC1D1、C1D2、およびC1D3は、それぞれ第1の投与サイクルの1日目、8日目(±1日)、および15(±1日)日目、または約1日目、約8日目(±1日)、および約15(±1日)日目に投与される。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC2D1~C8D1の各単回用量は、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される。
【0022】
いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC1D1~C6D1の各単回用量は、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される。
【0023】
いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC1D1は、モスネツズマブのC1D1の投与前に投与され、ポラツズマブベドチンのC2D1は、モスネツズマブのC2D1の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンの各単回用量C3D1~C6D1は、それぞれ、モスネツズマブの各単回用量C3D1~C6D1の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、モスネツズマブの投与の少なくとも約60分前に投与される。
【0024】
いくつかの実施形態では、方法は、1または複数の追加の治療薬を対象に投与することをさらに含む
【0025】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はコルチコステロイドまたはIL-6Rアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬は、IL-6Rアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、IL-6Rアンタゴニストはトシリズマブである。いくつかの実施形態では、トシリズマブは、約8mg/kg(例えば、8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、±1mg/kg、±1.5mg/kg、または±2mg/kg;例えば、8mg/kg)の単回用量として対象に投与され、単回用量は800mgを超えない。いくつかの実施形態では、トシリズマブは、約12mg/kg(例えば、12mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、±1mg/kg、±1.5mg/kg、または±2mg/kg;例えば、12mg/kg)の単回用量として対象に投与され、単回用量は800mgを超えない。いくつかの実施形態では、トシリズマブは静脈内投与される。
【0026】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はコルチコステロイドである。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドはデキサメタゾン、プレドニゾンまたはメチルプレドニゾロンである。
【0027】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドはデキサメタゾンである。いくつかの態様では、デキサメタゾンは、6時間ごとに約10mg(例えば、10mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、10mg)の単回用量として投与される。一部の実施形態では、デキサメタゾンは静脈内投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、任意の用量のモスネツズマブの投与前に約20mg(例えば、20mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、20mg)の単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは経口投与される。
【0028】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンである。いくつかの実施形態では、メチルプレドニゾロンは、約1000mg/日(例えば、1000mg/日±1mg/日、±2.5mg/日、±5mg/日、±7.5mg/日、±10mg/日、±20mg/日、±30mg/日、±40mg/日、±50mg/日、±75mg/日、±100mg/日、±150mg/日、±200mg/日、または±300mg/日;例えば、1000mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、メチルプレドニゾロンは、静脈内投与される。
【0029】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドはプレドニゾンである。いくつかの態様では、プレドニゾンは、約10~30mg/日(例えば、約10mg/日、約11mg/日、約12mg/日、約13mg/日、約14mg/日、約15mg/日、約16mg/日、約17mg/日、約18mg/日、約19mg/日、約20mg/日、約21mg/日、約22mg/日、約23mg/日、約24mg/日、約25mg/日、約26mg/日、約27mg/日、約28mg/日、約29mg/日、または約30mg/日;例えば、10mg/日、11mg/日、12mg/日、13mg/日、14mg/日、15mg/日、16mg/日、17mg/日、18mg/日、19mg/日、20mg/日、21mg/日、22mg/日、23mg/日、24mg/日、25mg/日、26mg/日、27mg/日、28mg/日、29mg/日、または30mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、プレドニゾンは経口投与される。
【0030】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はアセトアミノフェンまたはパラセタモールである。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンまたはパラセタモールは、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約500~1000mg(例えば、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、または約1000mg;例えば、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、または1000mg)の単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンまたはパラセタモールは経口投与される。
【0031】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はジフェンヒドラミンである。いくつかの実施形態では、ジフェンヒドラミンは、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に、約50~100mg(例えば、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、または約100mg;例えば、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、または100mg)の単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、ジフェンヒドラミンは経口投与される。
【0032】
いくつかの実施形態では、CD20陽性細胞増殖性障害は、B細胞増殖性障害である。いくつかの実施形態では、B細胞増殖性障害は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である。
【0033】
いくつかの実施形態では、NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、NHLは、再発性および/または難治性(R/R)NHLである。
【0034】
いくつかの実施形態では、NHLはDLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはR/R DLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはリヒター形質転換である。
【0035】
いくつかの実施形態では、NHLはFL(例えば、グレード1、2、3aまたは3bのFL)である。いくつかの実施形態では、FLはR/R FLである。いくつかの実施形態では、FLは形質転換FLである。いくつかの実施形態では、FLはグレード3bのFLである。
【0036】
いくつかの実施形態では、NHLはHGBLである。いくつかの実施形態では、HGBLはR/R HGBLである。
【0037】
いくつかの実施形態では、NHLはアグレッシブNHLである。いくつかの実施形態では、アグレッシブNHLは、DLBCL、形質転換FL、またはグレード3bのFLである。いくつかの実施形態では、NHLはR/R NHLである。
【0038】
いくつかの実施形態では、対象は自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である。
【0039】
いくつかの実施形態では、対象は、2またはそれを超える(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10種またはそれを超える)の先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である。
【0040】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0041】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)または約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびにポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;(b)第2の投与サイクルが、単回用量のモスネツズマブ(C2D1)および単回用量のポラツズマブベドチン(C2D1)を含み、モスネツズマブのC2D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、方法を特徴とする。
【0042】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み、(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)であり;(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、方法を特徴とする。
【0043】
いくつかの実施形態では、対象集団の無増悪生存期間の平均期間は、基準対象集団の無増悪生存期間の基準平均期間よりも長い。
【0044】
いくつかの実施形態では、対象集団における完全奏効率は、基準対象集団における基準完全奏効率よりも高い。
【0045】
いくつかの実施形態では、対象集団における客観的奏効率は、基準対象集団における基準客観的奏効率よりも高い。
【0046】
いくつかの実施形態では、対象集団の平均奏効期間は、基準対象集団の基準平均奏効期間よりも長い。
【0047】
いくつかの実施形態では、対象集団の完全奏効の平均期間は、基準対象集団の完全奏効の基準平均期間よりも長い。
【0048】
いくつかの実施形態では、基準対象集団に、リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンを含む併用療法が投与される。いくつかの実施形態では、併用療法は、8回の投与サイクルを含む投与サイクルで基準対象集団に投与される。いくつかの実施形態では、各投与サイクルは14日間(±1日間)の投与サイクルである。併用療法は、約2週間ごとに(Q2W)基準対象集団に投与される、いくつかの態様では、リツキシマブは、約375mg/m2(例えば、375mg/m2±1mg/m2、±2.5mg/m2、±5mg/m2、±7.5mg/m2、±10mg/m2、±20mg/m2、±30mg/m2、±40mg/m2、または±50mg/m2;例えば、375mg/m2)の用量で、2週間ごとに静脈内投与され、ゲムシタビンは約1000mg/m2(例えば、1000mg/m2±1mg/m2、±2.5mg/m2、±5mg/m2、±7.5mg/m2、±10mg/m2、±20mg/m2、±30mg/m2、±40mg/m2、±50mg/m2;±100mg/m2;±150mg/m2;±200mg/m2;±250mg/m2;±300mg/m2;例えば、1000mg/m2)の用量で、2週間ごとに静脈内投与され、オキサリプラチンは約100mg/m2(例えば、100mg/m2±1mg/m2、±2.5mg/m2、±5mg/m2、±7.5mg/m2、±10mg/m2、±20mg/m2、または±30mg/m2;例えば、100mg/m2)の用量で、2週間ごとに静脈内投与される。
【0049】
いくつかの実施形態では、CD20陽性細胞増殖性障害は、B細胞増殖性障害である。いくつかの態様では、B細胞増殖性障害は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である。
【0050】
いくつかの実施形態では、NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、NHLは、再発性および/または難治性(R/R)NHLである。
【0051】
いくつかの実施形態では、NHLはDLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはR/R DLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはリヒター形質転換である。
【0052】
いくつかの実施形態では、NHLはFL(例えば、グレード1、2、3aまたは3bのFL)である。いくつかの実施形態では、FLはR/R FLである。いくつかの実施形態では、FLは形質転換FLである。いくつかの実施形態では、FLはグレード3bのFLである。
【0053】
いくつかの実施形態では、NHLはHGBLである。いくつかの実施形態では、HGBLはR/R HGBLである。
【0054】
いくつかの実施形態では、NHLはアグレッシブNHLである。いくつかの実施形態では、アグレッシブNHLは、DLBCL、形質転換FL、またはグレード3bのFLである。いくつかの実施形態では、NHLはR/R NHLである。
【0055】
いくつかの実施形態では、対象集団中の各対象は、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である。いくつかの実施形態では、対象集団における各対象は、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である。いくつかの実施形態では、対象集団中の各対象はヒトである。
【0056】
いくつかの実施形態では、基準対象集団中の各対象は、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である。いくつかの実施形態では、基準対象集団中の各対象は、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である。いくつかの実施形態では、基準対象集団中の各対象はヒトである。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【
図1】
図1は、実施例1に記載された試験デザインの概略図である。2L=第2ライン;DLBCL=びまん性大細胞型B細胞リンパ腫;CRR=完全奏効率;FL=濾胞性リンパ腫;M=モスネツズマブ;NOS=別段の指定なし;OS=全生存期間;ORR=客観的奏効率;P=ポラツズマブベドチン;PFS=無増悪生存期間;Q2W=2週間ごと(すなわち、14日間の投与サイクル);Q3W=3週間ごと(すなわち、21日間の投与サイクル);RGemOx=リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチン;R/R=再発性および/または難治性。
【
図2A】
図2Aは、実施例1に記載のA群(モスネツズマブ+ポラツズマブベドチンアーム)の投与レジメンの概略図である。処置は、8回の総投与サイクル(第1サイクル~第8サイクル)を含む。モスネツズマブは、以下の用量およびタイミングで皮下投与される。第1サイクルの1日目に5mg、第1サイクルの8日目、第1サイクルの15日目、第2~8サイクルの1日目に45mg。ポラツズマブベドチンは、以下の用量およびタイミングで静脈内投与される。第1~6サイクルの1日目に1.8mg/kg。各サイクルは21日間である。
【
図2B】
図2Bは、実施例1に記載されるB群(R-GemOx群)の投与レジメンの概略図である。処置は、8回の総投与サイクル(第1サイクル~第8サイクル)を含む。375mg/m
2のリツキシマブが第1~8サイクルの1日目にIV投与される。1000mg/m
2のゲムシタビンが第1~8サイクルの1日目にIV投与される。100mg/m
2のオキサリプラチンが第1~8サイクルの1日目にIV投与される。各サイクルは14日間である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
詳細な説明
本発明は、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを併用療法として投与することにより、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL))を有する、対象または対象集団を処置する方法に関する。特に、本発明は、併用療法としてのモスネツズマブの皮下投与およびポラツズマブベドチンの静脈内投与によって、アグレッシブNHL(例えば、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFL)を有する、対象または対象集団を処置する方法に関する。
【0059】
本発明は、部分的には、複数の投与サイクル(例えば、第1の投与サイクルが昇圧分画投与サイクルである)にわたるモスネツズマブの皮下投与およびポラツズマブベドチンの静脈内投与を含む併用療法が、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを併用療法として投与することにより、許容され得る安全性プロファイルを維持しながら(例えば、サイトカイン放出症候群(CRS)などの有害事象の頻度および重症度に関して)、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL))を有する対象または対象集団、特に、アグレッシブNHL(例えば、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFL)を有する対象または対象集団、および/または少なくとも1つの先行する療法に対して再発性および/もしくは難治性(R/R)である対象または対象集団を有効に処置し得るという発見に基づいている。いくつかの例では、対象または対象集団は、2またはそれを超えるラインの先行する治療を受けていてもよい。いくつかの例では、対象または対象集団は、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格であり得る。
【0060】
I.一般的技術
本明細書に記載または参照される技術および手順は、一般によく理解されており、当業者によって従来の方法論を用いて一般的に使用されており、例えば、Sambrookら,Molecular Cloning:A Laboratory Manual第3版(2001)Cold Spring Harbor Laboratory Press,Cold Spring Harbor,N.Y.;Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら,編,(2003));the seriesMethods in Enzymology(Academic Press,Inc.):PCR2:A Practical Approach(M.J.MacPherson,B.D.HamesおよびG.R.Taylor編(1995)),HarlowおよびLane,編(1988)Antibodies,A Laboratory Manual,およびAnimal Cell Culture(R.I.Freshney,編(1987));Oligonucleotide Synthesis(M.J.Gait,編,1984);Methods in Molecular Biology,Humana Press;Cell Biology:A Laboratory Notebook(J.E.Cellis,編,1998)Academic Press;Animal Cell Culture(R.I.Freshney),編,1987);Introduction to Cell and Tissue Culture(J.P.Mather and P.E.Roberts,1998)Plenum Press;Cell and Tissue Culture:Laboratory Procedures(A.Doyle,J.B.Griffiths,およびD.G.Newell,編,1993-8)J.WileyおよびSons;Handbook of Experimental Immunology(D.M.Weir and C.C.Blackwell,編);Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells(J.M.MillerおよびM.P.Calos,編,1987);PCR:The Polymerase Chain Reaction,(Mullisら,編,1994);Current Protocols in Immunology(J.E.Coliganら,編,1991);Short Protocols in Molecular Biology(WileyおよびSons,1999);Immunobiology(C.A.JanewayおよびP.Travers,1997);Antibodies(P.Finch,1997);Antibodies:A Practical Approach(D.Catty,編,IRL Press,1988-1989);Monoclonal Antibodies:A Practical Approach(P.ShepherdおよびC.Dean,編,Oxford University Press,2000);Using Antibodies:A Laboratory Manual(E.Harlow and D.Lane(Cold Spring Harbor Laboratory Press,1999);The Antibodies(M.ZanettiおよびJ.D.Capra,編,Harwood Academic Publishers,1995);およびCancer:Principles and Practice of Oncology(V.T.DeVitaら,編,J.B.Lippincott Company,1993)
に記載された広く利用されている方法論が挙げられる。
【0061】
II.定義
本明細書に記載の本発明の態様および実施形態は、態様および実施形態の「を含む」、「からなる」、および「から本質的になる」を含むことが理解される。
【0062】
本明細書で使用される場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、別途示されない限り、複数のものを含む。
【0063】
本明細書で使用される場合、「約」という用語は、この技術分野の当業者であれば容易に理解する、それぞれの値の通常の誤差範囲を指す。本明細書における「約」値またはパラメータへの言及は、その値またはパラメータ自体を対象とする実施態様を含む(かつ説明する)。
【0064】
「癌」および「癌性」という用語は、制御されていない細胞成長を典型的に特徴とする哺乳動物における生理学的状態を指すか、または説明する。癌の例としては、限定されないが、血液癌、例えばホジキンリンパ腫を除くが、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えばびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)が挙げられ、これらは再発性および/または難治性DLBCLまたはリヒター形質転換であり得る。また、癌の他の具体例としては、胚中心B細胞様(GCB)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、活性型B細胞様(ABC)DLBCL、濾胞性リンパ腫(FL)、形質転換FL、マントル細胞リンパ腫(MCL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性リンパ性白血病(CLL)、辺縁帯リンパ腫(MZL)、形質転換MZL、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、小リンパ球性白血病(SLL)、リンパ形質細胞性リンパ腫(LL)、形質転換LL、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症(WM)、中枢神経系リンパ腫(CNSL)、バーキットリンパ腫(BL)、B細胞性前リンパ球性白血病、脾臓辺縁帯リンパ腫、ヘアリー細胞白血病、脾臓リンパ腫/白血病、分類不能、脾臓びまん性赤脾髄小型B細胞リンパ腫、ヘアリー細胞白血病変異型、重鎖白血病、α重鎖病、γ重鎖病、μ重鎖病、形質細胞性骨髄腫、骨の孤立性形質細胞腫、骨外性形質細胞腫、粘膜関連リンパ組織の節外性辺縁帯リンパ腫(MALTリンパ腫)、結節性辺縁帯リンパ腫、小児結節性辺縁帯リンパ腫、小児濾胞性リンパ腫、原発性皮膚濾胞中心リンパ腫、T細胞/組織球に富む大細胞型B細胞リンパ腫、CNSの原発性DLBCL、原発性皮膚DLBCL、脚型、高齢者のEBV陽性DLBCL、慢性炎症に関連するDLBCL、リンパ腫様肉芽腫症、血管内大細胞型B細胞リンパ腫、ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫、形質芽球型リンパ腫、HV8関連多中心性キャッスルマン病に起因する大細胞型B細胞リンパ腫、原発性滲出性リンパ腫:DLBCLとバーキットリンパ腫との間の中間型の特徴を有する、分類不可能なB細胞リンパ腫、およびDLBCLと古典的ホジキンリンパ腫との間の中間型の特徴を有する、分類不可能なB細胞リンパ腫が挙げられる。さらに、癌の例としては、癌腫、リンパ腫、芽細胞腫、肉腫、および白血病またはB細胞リンパ腫を含むリンパ性悪性腫瘍が挙げられるが、これらに限定されない。これらのような癌のさらに特定の例としては、多発性骨髄腫(MM);低グレード/濾胞性NHL;小リンパ球性(SL)NHL;中間グレード/濾胞性NHL;中間グレードびまん性NHL;高グレード免疫芽球性NHL;高グレードリンパ性NHL;高グレード小型非分割細胞NHL;巨大腫瘤病変NHL;AIDS関連リンパ腫;および急性リンパ性白血病(ALL);慢性骨髄芽球性白血病;および移植後リンパ増殖性障害(PTLD)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
「腫瘍」は、本明細書で使用される場合、悪性か良性かを問わず、全ての腫瘍性細胞の成長および増殖、ならびに全ての前癌性および癌性細胞および組織を指す。「癌」、「癌性」、「細胞増殖性障害」、「増殖性障害」、および「腫瘍」という用語は、本明細書で言及される場合、相互排他的ではない。
【0066】
「障害」は、哺乳動物を問題の障害に罹患しやすくする病理学的状態を含む慢性および急性障害または疾患を含むがこれらに限定されない、治療から恩恵を受けるであろういずれかの状態である。
【0067】
「細胞増殖性障害」および「増殖性障害」という用語は、ある程度の異常な細胞増殖に関連する障害を指す。一実施形態では、細胞増殖性障害は、癌である。他の実施形態では、細胞増殖性疾患は腫瘍である。
【0068】
「B細胞増殖性疾患」または「B細胞悪性腫瘍」という用語は、ある程度異常なB細胞増殖性に関連し、例えば、リンパ腫、白血病、骨髄腫、および骨髄異形成症候群を含む疾患を指す。いくつかの例では、B細胞増殖性障害は、例えば、濾胞性リンパ腫(FL)(例えば、再発性および/または難治性FLまたは形質転換FL(trFL))、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)(例えば、再発性および/または難治性DLBCLまたはリヒター形質転換)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫を含む、非ホジキンリンパ腫(NHL)などのリンパ腫である。他の実施形態では、B細胞増殖性疾患は、慢性リンパ性白血病(CLL)などの、白血病である。一実施形態では、B細胞増殖性障害は、再発性および/または難治性である。いくつかの実施形態では、NHLは、アグレッシブNHL(aNHL)であり得る。「アグレッシブ」NHLは急速に成長および広がり、通常は重度の症状を伴い、対照的に「低悪性度」NHLはゆっくりと成長および広がり、ほとんど症状を示さない傾向がある。NHLの例としては、例えば、HGBL、DLBCL、trFLおよびグレード3bFLが挙げられる(Swerdlow SH,らBlood2016;127:2375-90を参照されたい)。
【0069】
「難治性疾患」は、少なくとも一次治療に対する完全寛解がないと定義される。一実施形態では、難治性疾患は、先行する治療に対する応答がないこと、または、先行する治療の6ヶ月以内に再発することとして定義される。一実施形態では、難治性疾患は、少なくとも1つの一次治療後の最良の反応として安定性疾患(SD)、または最良の反応として部分反応(PR)、および部分反応後の生検証明による残存疾患または疾患進うちの一または複数を特徴とする。「再発性疾患」は、一次療法に対する完全寛解と定義される。一実施形態では、疾患の再発は生検によって証明される。一実施形態では、対象は、少なくとも1つの先行する全身処置レジメン後に再発したか、またはそれに応答しなかった。
【0070】
本明細書で使用される場合、「処置(treatment)」(および「処置する(treat)」または「処置すること(treating)」などのその文法的変化形)は、処置される対象の自然経過を変える試みにおける臨床的介入を指し、予防のために、または臨床病理学の経過中に実施し得る。処置の所望の効果としては、限定されるものではないが、疾患の発症または再発を予防すること、症状の軽減、疾患の任意の直接的または間接的な病理学的結果の減弱、転移を予防すること、疾患進行速度を低下させること、病状の寛解または緩和、および回復または予後の改善が挙げられる。いくつかの実施形態では、本発明の抗体および抗体薬物コンジュゲートは、疾患の発症を遅延させるために、または疾患の進行を遅延させるために使用される。
【0071】
本明細書で使用される場合、障害または疾患の「進行を遅延させる」とは、疾患または障害(例えば、CD20陽性細胞増殖性障害)の発症を延期、妨害、遅延、安定化、および/または延期することを意味する。この遅延は、病歴および/または治療される個体に応じて様々な期間であり得る。当業者には明らかであるように、十分なまたは有意な遅延は、事実上、個体が疾患を発症しないという点で予防を包含し得る。例えば、転移の発生などの末期癌を遅延させ得る。
【0072】
「低減させる」または「阻害する」とは、例えば、20%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%またはそれを超える全体的な低減を引き起こす能力を意味する。明確にするために、この用語は、0への低減(または分析方法の検出限界未満)、すなわち完全な消失または排除も含む。特定の実施形態では、低減または阻害は、モスツズマブの標的用量を変更せずに予め設定して投与した場合と比較して、本発明のステップアップ投与レジメンを用いたモスネツズマブによる処置後の、サイトカイン主導型毒性(例えば、サイトカイン放出症候群(CRS))、注入関連反応(IRR)、マクロファージ活性化症候群(MAS)、神経毒性、重度の腫瘍溶解症候群(TLS)、好中球減少症、血小板減少症、肝臓酵素の上昇、および/または中枢神経系(CNS)毒性などの望ましくない事象の低減または阻害を指し得る。他の実施形態では、低減するまたは阻害するとは、抗体Fc領域によって媒介される抗体のエフェクター機能を指すことができ、かかるエフェクター機能は、具体的に補体依存性細胞傷害(CDC)、抗体依存性細胞傷害(ADCC)、および抗体依存性細胞食作用(ADCP)を含む。他の実施形態では、低減または阻害することは、処置されているCD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害)の症状、転移の存在もしくはサイズ、または原発性腫瘍のサイズを指し得る。さらに他の実施形態では、癌の再発を低減または阻害することは、腫瘍もしくは癌の再発、または腫瘍もしくは癌の進行を低減または阻害することを意味する。
【0073】
本明細書で使用される場合、「投与する」は、化合物(例えば、二重特異性抗体(例えば、モスネツズマブ)および/または抗体薬物コンジュゲート(例えば、ポラツズマブベドチン))または組成物(例えば、医薬組成物、例えば、二重特異性抗体(例えば、モスネツズマブ)および/または抗体薬物コンジュゲート(例えば、ポラツズマブベドチン)を含む医薬組成物)の投与量を対象に与える方法を意味する。本明細書に記載の方法で利用される化合物および/または組成物は、皮下(例えば、皮下注射によって)または静脈内(例えば、静脈内注入によって)に投与され得る。
【0074】
本明細書における治療薬(例えば、二重特異性抗体(例えば、モスネツズマブ)または抗体薬物コンジュゲート(例えば、ポラツズマブベドチン))の「固定」または「一定」用量は、患者の体重または体表面積(BSA)に関係なく患者に投与される用量を指す。したがって、この固定用量または一定用量は、mg/kg用量またはmg/m2用量としてではなく、むしろ治療薬の絶対量(例えば、mg)として提供される。
【0075】
「対象」または「個体」は哺乳動物である。哺乳動物としては、霊長類(例えば、ヒトおよび非ヒト霊長類、例えばサル)、家畜(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌおよびウマ)、ウサギ、およびげっ歯類(例えば、マウスおよびラット)が挙げられるが、これらに限定されない。ある特定の実施形態では、対象または個体は、ヒトである。特定の実施形態では、集団対象または個体はヒトである。
【0076】
本明細書で使用される場合、「基準集団」、例えば「基準対象集団」は、比較目的で使用される集団(例えば、対象集団)を指す。いくつかの実施形態では、基準対象集団は、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL))を有する対象、例えば、アグレッシブNHL(例えば、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFL)を有する対象、または少なくとも1種類の先行する治療ラインの後に再発したか、もしくは2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である(R/R)対象が含まれる。いくつかの実施形態では、基準対象集団は、自己幹細胞移植(ASCT)治療に不適格であるか、または少なくとも2つの先行する療法に対してR/Rである。いくつかの実施形態では、基準対象集団はR-GemOxで処置される。いくつかの実施形態では、基準対象集団はR-GemOxによる処置を受けたことがある。いくつかの実施形態では、基準対象集団は、モスネツズマブおよび/またはポラツズマブベドチンで処置されるか、またはそれを受けたことがある対象を含まない。いくつかの実施形態では、基準対象集団は、モスネツズマブおよび/またはポラツズマブベドチンで処置されておらず、処置を受けていない。さらに、当業者は、行われる比較の目的の文脈において「基準集団」を理解する。例えば、いくつかの実施形態では、基準集団は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する未処置集団であり、他の実施形態では、基準集団は、少なくとも2種類の先行する治療で以前に処置されているCD20陽性細胞増殖性障害を有する集団である。
【0077】
「個々の応答」または「応答」は、対象の利益を示す任意のエンドポイントを用いて評価することが可能であり、これには、(1)疾患の進行(例えば、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害)の進行)のある程度の阻害(原則および完全停止を含む);(2)腫瘍サイズの縮小;(3)隣接する末梢臓器および/または組織への癌細胞浸潤の抑制(すなわち、減少、減速または完全停止);(4)転移の阻害(すなわち、減少、減速または完全停止);(5)CD20陽性細胞増殖性障害に関連する1または複数の症状(例えば、B細胞増殖性障害)のある程度の軽減;(6)全生存および無増悪生存を含む生存期間の延長または延長;および/または(9)処置後のある時点における死亡率の低下が含まれるが、これらには限定されない。
【0078】
本明細書中で使用される場合、「完全奏効」または「CR」とは、全ての標的病変(すなわち、疾患の全ての証拠)の消失のことを指す。
【0079】
本明細書で使用される場合、「部分奏効」または「PR」は、基準SLDを基準として、標的病変の最長径(SLD)の和の少なくとも30%の減少、または基準SPDを参照として、標的病変の径の積(SPD)の和の少なくとも50%の減少を指す。
【0080】
本明細書で使用する場合、「客観的奏効」(ORR)とは、完全奏功(CR)率と、部分奏功(PR)率との和を意味する。
【0081】
本明細書で使用される場合、「客観的奏効期間」(DOR)は、実証された客観的奏効の最初の発生から、治療の最後の用量の30日間以内の疾患進行または任意の原因による死のいずれか最初に発生した方までの時間として定義される。
【0082】
本明細書で使用される場合、「腫瘍量」は、癌、例えばCD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害)を有する対象(例えば、ヒト対象)における腫瘍(例えば、腫瘍細胞または腫瘍塊)の総量を指す。いくつかの実施形態では、腫瘍量は、標的病変の直径の合計または標的病変の積の合計として定義される。特定の実施形態では、腫瘍量は、(SPD)標的病変の直径の積の和として定義される。いくつかの実施形態では、標的病変の直径がコンピュータ断層撮影(CT)によって定量化される。
【0083】
「持続的応答」とは、処置の休止後に腫瘍成長を低減させることに対する持続的効果を指す。例えば、腫瘍サイズは、投与期の開始時のサイズと比較して同じままであるか、またはより小さくなり得る。いくつかの実施形態では、持続的応答は、処置期間と少なくとも同じ期間、処置期間の少なくとも1.5倍、2.0倍、2.5倍または3.0倍の期間を有する。
【0084】
医薬を用いる治療に対する対象の「有効な応答」または対象の「応答性」および類似の単語は、癌等の疾患もしくは障害の危険性があるかまたはそれを患う対象に付与される臨床的または治療的有益性を指す。一実施形態では、そのような利益としては、生存期間(全生存期間および無増悪生存期間を含む)を延長すること、客観的奏効(完全奏効もしくは部分奏効を含む)をもたらすこと、または癌の徴候もしくは症状を改善することのいずれか1つまたは複数が挙げられる。
【0085】
処置に「有効な応答を示さない」対象とは、生存期間(全体的な生存および無増悪生存期間を含む)が延長すること、客観的奏効(完全奏効もしくは部分奏効を含む)がもたらされること、または癌の兆候または症状が改善されることのうちのいずれも有しない対象を指す。
【0086】
本明細書で使用される場合、「生存」は、生存したままの対象を指し、全生存ならびに無増悪生存を含む。
【0087】
本明細書で使用される場合、「全生存」(OS)は、特定の期間、例えば診断または治療の時点から1年または5年後に生存している群の対象の割合を指す。
【0088】
本明細書で使用される場合、「無増悪生存期間」(PFS)は、処置中および処置後に、処置されている疾患(例えば、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害))が悪化しない期間の長さを指す。無増悪生存期間は、対象が完全奏効または部分奏効を経験した時間の量、ならびに対象が安定な疾患を経験した時間の量を含み得る。
【0089】
本明細書で使用される場合、「安定疾患」または「SD」は、治療開始以降の最小SLDを基準として、PRと言えるほどの十分な標的病変の収縮も、PDと言えるほどの十分な増加もないことを指す。
【0090】
本明細書で使用される場合、「進行性疾患」または「PD」は、最小のSLDを基準として、標的病変のSLDの少なくとも20%が増加したこと、または処置開始後もしくは1または複数の新しい病変の存在後に記録された最小のSPDを基準として、標的病変のSPDの少なくとも50%が増加したことを指す。
【0091】
本明細書で使用される場合、障害または疾患の「進行を遅延させる」とは、疾患または障害(例えば、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害))の発症を延期、妨害、遅延、安定化、および/または延期することを意味する。この遅延は、病歴および/または治療されている対象に応じて様々な期間のものであり得る。当業者に明らかであるように、十分または著しい遅延は、対象が疾患を発症しないという点で、予防を事実上包含し得る。例えば、後期癌では、中枢神経系(CNS)転移の発生が遅延し得る。
【0092】
「生存期間を延長する」とは、未処置の対象(例えば、医薬で処置されていない対象)と比較して、または指定されたレベルのバイオマーカーを発現しない対象と比較して、および/または承認された抗腫瘍剤で処置された対象と比較して、処置された対象の全生存期間または無増悪生存期間を延長することを意味する。客観的応答は、完全奏効(CR)または部分奏効(PR)を含む測定可能な応答を指す。
【0093】
「抗体」という用語は、本明細書では最も広い意味で用いられ、限定はしないが、それらが所望の抗原結合活性を呈する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、多重特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)、および抗体断片を含めた、様々な抗体構造を包含する。
【0094】
「抗体断片」は、インタクトな抗体が結合する抗原に結合し、インタクトな抗体の一部分から構成されるインタクトな抗体以外の分子を指す。抗体断片の例としては、Fv、Fab、Fab’、Fab’-SH、F(ab’)2;ダイアボディ;直鎖抗体;単鎖抗体分子(例えばscFv);および抗体断片から形成される多特異的抗体が挙げられるが、これらに限定されない。
【0095】
「完全長抗体」、「インタクト抗体」、および「全抗体」という用語は、本明細書で、ネイティブ抗体構造と実質的に同様の構造を有するか、または本明細書に定義されるFc領域を含有する重鎖を有する抗体を指すように同義に使用される。
【0096】
「結合ドメイン」は、標的エピトープ、抗原、リガンド、または受容体に特異的に結合する化合物または分子の一部を意味する。結合ドメインは、抗体(例えば、モノクローナル、ポリクローナル、組換え、ヒト化、およびキメラ抗体)、抗体断片またはその部分(例えば、Fab断片、Fab’2、scFv抗体、SMIP、ドメイン抗体、ダイアボディ、ミニボディ、scFv-Fc、アフィボディ、ナノボディ、ならびに抗体のVHおよび/またはVLドメイン)、受容体、リガンド、アプタマー、および特定された結合パートナーを有する他の分子を含むが、これらに限定されない。
【0097】
本明細書で、「Fc領域」という用語は、定常領域の少なくとも一部分を含有する免疫グロブリン重鎖のC末端領域を定義するために使用される。この用語は、天然配列Fc領域およびバリアントFc領域を含む。一実施形態では、ヒトIgG重鎖Fc領域は、Cys226から、またはPro230から、重鎖のカルボキシル末端までに及ぶ。しかしながら、Fc領域のC末端リジン(Lys447)は、存在してもしてなくてもよい。本明細書で特に明記されない限り、Fc領域または定常領域におけるアミノ酸残基のナンバリングは、Kabat et al.,Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service,National Institutes of Health,Bethesda,MD,1991に記載されるような、EUナンバリング方式(EUインデックスとも呼ばれる)に従う。
【0098】
抗体の「クラス」は、その重鎖によって保有される定常ドメインまたは定常領域のタイプを指す。抗体の5つの主要なクラスがあり、即ち、IgA、IgD、IgE、IgG、およびIgMがあり、これらのうちのいくつかは、サブクラス(アイソタイプ)、例えば、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4、IgA1、およびIgA2にさらに分け得る。免疫グロブリンの異なるクラスに対応する重鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ、μと呼ばれる。
【0099】
本明細書で使用されるIgG「アイソタイプ」または「サブクラス」という用語は、それらの定常領域の化学的および抗原的特性によって定義される免疫グロブリンのサブクラスのうちのいずれかを意味する。
【0100】
「フレームワーク」または「FR」は、超可変領域(hypervariable region:HVR)残基以外の可変ドメイン残基を指す。可変ドメインのFRは、概して、FR1、FR2、FR3およびFR4の4つのFRドメインからなる。したがって、HVRおよびFR配列は、一般的に、VH(またはVL)中において以下の配列で現れる:FR1-H1(L1)-FR2-H2(L2)-FR3-H3(L3)-FR4。
【0101】
「ヒトコンセンサスフレームワーク」は、ヒト免疫グロブリンVLまたはVHフレームワーク配列の選択において、最も一般的に生じるアミノ酸残基を表すフレームワークである。一般に、ヒト免疫グロブリンVLまたはVH配列の選択は、可変ドメイン配列のサブグループからである。一般に、配列のサブグループは、Kabatら,Sequences of Proteins of Immunological Interest,第5版,NIH Publication 91-3242,Bethesda MD(1991),vols.1-3におけるようなサブグループである。一実施形態では、VLについては、サブグループは、Kabatら(上記参照)におけるサブグループカッパIである。一実施形態では、VHについては、サブグループは、Kabatら(上記参照)におけるサブグループIIIである。
【0102】
本明細書における目的のための「受容体ヒトフレームワーク」は、以下に定義される、ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに由来する軽鎖可変ドメイン(VL)フレームワークまたは重鎖可変ドメイン(VH)フレームワークのアミノ酸配列含むフレームワークである。ヒト免疫グロブリンフレームワークまたはヒトコンセンサスフレームワークに「由来する」受容体ヒトフレームワークは、その同じアミノ酸配列を含んでもよく、またはアミノ酸配列変化を含んでもよい。いくつかの実施形態では、アミノ酸変更の数は、10以下、9以下、8以下、7以下、6以下、5以下、4以下、3以下、または2以下である。いくつかの実施形態では、VLアクセプターヒトフレームワークは、VLヒト免疫グロブリンフレームワーク配列またはヒトコンセンサスフレームワーク配列に対して、配列が同一である。
【0103】
「ヒト化」抗体は、非ヒトHVR由来のアミノ酸残基、およびヒトFR由来のアミノ酸残基を含むキメラ抗体を指す。特定の実施形態では、ヒト化抗体は、少なくとも1つ、典型的には2つの可変ドメインの実質的に全てを含み、HVR(例えばCDR)の全てまたは実質的に全てが、非ヒト抗体に対応し、FRの全てまたは実質的に全てが、ヒト抗体に対応する。ヒト化抗体は、任意に、ヒト抗体に由来する抗体定常領域の少なくとも一部を含んでいてもよい。抗体、例えば、非ヒト抗体の「ヒト化形態」とは、ヒト化を受けた抗体を指す。
【0104】
「ヒト抗体」は、ヒトもしくはヒト細胞により産生された抗体の、またはヒト抗体レパートリーを利用する非ヒト源に由来する抗体のアミノ酸配列、あるいは他のヒト抗体をコードする配列に対応するアミノ酸配列を有する抗体である。このヒト抗体の定義は、非ヒト抗原結合残基を含むヒト化抗体を明確に除外する。ヒト抗体は、ファージディスプレイライブラリ等の当該技術分野で既知の様々な技法を使用して産生され得る。Hoogenboom and Winter,J.Mol.Biol.,227:381(1991);Marks et al.,J.Mol.Biol.,222:581(1991)。Coleら.,Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy,Alan R.Liss,p.77(1985);Boernerら.,J.Immunol.,147(1):86-95(1991)に記載されている方法もまた、ヒトモノクローナル抗体の調製に利用可能である。van Dijk and van de Winkel,Curr.Opin.Pharmacol.,5:368-74(2001)もまた参照のこと。ヒト抗体は、抗原投与に応答してこのような抗体を産生するよう改変されているが、その内在性遺伝子座は無能になっているトランスジェニック動物、例えば、免疫化ゼノマウスに抗原を投与することによって調製することが可能である(例えば、XENOMOUSE(商標)技法に関する米国特許第6,075,181号および同第6,150,584号を参照のこと)。例えば、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法により生成するヒト抗体に関する、Li et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,103:3557-3562(2006)も参照のこと。
【0105】
「可変領域」または「可変ドメイン」という用語は、抗原への抗体(すなわち、モスネツズマブ)の結合に関与する抗体の重鎖または軽鎖のドメインを指す。天然の抗体の重鎖および軽鎖の可変ドメイン(それぞれVHおよびVL)は、一般に、類似の構造を有しており、各ドメインは、4つの保存されたフレームワーク領域(FR)と、3つの超可変領域(HVR)とを含む。例えば、Kindt et al.,Kuby Immunology,6th、W.H.Freeman and Co.,page 91(2007)を参照のこと。単一のVHまたはVLドメインは、抗原結合特異性を付与するために充分であり得る。さらに、特定の抗原に結合する抗体は、抗原に結合する抗体のVHまたはVLドメインを使用し、それぞれ、相補的VLまたはVHドメインのライブラリをスクリーニングして、単離してもよい。例えば、Portolanoら,J.Immunol.150:880-887(1993);Clarksonら,Nature352:624-628(1991)を参照のこと。
【0106】
「超可変領域」または「HVR」という用語は、本明細書で使用される場合、配列において超可変性であり(「相補性決定領域」または「CDR」)、および/または構造的に所定のループ(「超可変ループ」)を形成し、および/または抗原に接触する残基(「抗原接触」)を含有する抗体可変ドメインのそれぞれの領域を指す。一般的に、抗体は、6つのHVRを含み、VHに3つ(H1、H2、H3)、VLに3つ(L1、L2、L3)含む。本発明の例示的なHVRとして、以下のものが挙げられる:
(a)アミノ酸残基26-32(L1)、50-52(L2)、91-96(L3)、26-32(H1)、53-55(H2)および96-101(H3)で生じる超可変ループ(Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901-917(1987));
(b)アミノ酸残基24-34(L1)、50-56(L2)、89-97(L3)、31-35b(H1)、50-65(H2)および95-102(H3)に存在するCDR(Kabat et al.、Sequences of Proteins of Immunological Interest,5th Ed.Public Health Service、National Institutes of Health、Bethesda、MD(1991));
(c)アミノ酸残基27c~36(L1)、46~55(L2)、89~96(L3)、30~35b(H1)、47~58(H2)、および93~101(H3)で生じる抗原接触(MacCallumら.J.Mol.Biol.262:732-745(1996));ならびに、
(d)HVRアミノ酸残基46~56(L2)、47~56(L2)、48~56(L2)、49~56(L2)、26~35(H1)、26~35b(H1)、49~65(H2)、93~102(H3)および94~102(H3)を含む、(a)、(b)および/または(c)の組合せ。
【0107】
別段の指示がない限り、HVR残基および可変ドメイン内の他の残基(例えば、FR残基)は、本明細書において、上記のKabatらに従ってナンバリングされている。
【0108】
「イムノコンジュゲート」とは、細胞傷害性剤を含むがそれに限定されない、1または複数の異種分子にコンジュゲートされた抗体である。
【0109】
「単離された抗体」という用語は、本明細書に開示される様々な抗体を説明するために使用されるとき、抗体が発現された細胞または細胞培養物から特定され、分離および/または回収された抗体を意味する。その天然環境の混入成分は、典型的にはポリペプチドの診断的または治療的使用を妨害する材料であり、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性溶質を含み得る。いくつかの実施形態では、抗体は、例えば、電気泳動(例えば、SDS-PAGE、等電点電気泳動(IEF)、キャピラリー電気泳動)またはクロマトグラフ(例えば、イオン交換または逆相HPLC)によって決定される、95%超または99%超の純度まで精製される。抗体純度の評価のための方法の総説については、例えば、Flatmanら,J.Chromatogr.B848:79-87(2007)を参照されたい。好ましい実施形態では、抗体(すなわち、モスネツズマブ)は、(1)スピニングカップシーケンサーを使用することによってN末端または内部アミノ酸配列の少なくとも15残基を得るのに十分な程度まで、または(2)クマシーブルーもしくは、好ましくは銀染色を使用する非還元もしくは還元条件下でSDS-PAGEによって均一になるまで精製される。単離された抗体としては、組換え細胞内のin situの抗体が挙げられるが、これは、ポリペプチド天然環境の少なくとも1つの成分が存在しないためである。しかしながら、通常、単離されたポリペプチドは、少なくとも1つの精製工程により調製される。
【0110】
本明細書で使用される用語「モノクローナル抗体」は、実質的に均一な抗体の集団から得られる抗体を指し、すなわち集団を構成する個々の抗体が、例えば天然に生じる変異を含むかまたはモノクローナル抗体調製物の生成中に生じる、通常少量で存在するバリアントなどありうるバリアント抗体を除き、同一である、および/または同じエピトープに結合する。典型的には異なる決定基(エピトープ)に対して指向する異なる抗体を含むポリクローナル抗体製剤とは対照的に、モノクローナル抗体製剤のそれぞれのモノクローナル抗体は、1つの抗原上の単一の決定基に対して指向する。したがって、修飾語「モノクローナル」は、実質的に均一な抗体集団から得られる抗体の特徴(すなわち、モスネツズマブ)を示し、特定の方法による抗体の産生を必要とすると解釈されるべきではない。例えば、本発明に従って使用されるモノクローナル抗体(すなわち、モスネツズマブ)は、ハイブリドーマ法、組換えDNA法、ファージディスプレイ法、およびヒト免疫グロブリン遺伝子座の全部または一部を含むトランスジェニック動物を利用する方法を含むがこれらに限定されない様々な技術によって作製され得、そのような方法およびモノクローナル抗体を作製するための他の例示的な方法は本明細書に記載されている。
【0111】
「親和性」は、分子(例えば、抗体)とその結合パートナー(例えば、抗原)との単一の結合部位の間の非共有性相互作用の合計の強度を指す。別途示されない限り、本明細書で使用される場合、「結合親和性」は、結合対のメンバー(例えば、抗体および抗原)間の1:1の相互作用を反映する固有の結合親和性を指す。分子Xの、そのパートナーYに対する親和性は一般に、解離定数(KD)によって表し得る。親和性は、本明細書に記載される方法を含む、当該技術分野で既知の一般的な方法によって測定することができる。結合親和性を測定するための具体的な説明的且つ例示的な実施形態が以下に記載される。
【0112】
「親和性成熟」抗体とは、改変などを有しない親抗体と比較して、1または複数の超可変領域(HVR)に1または複数の改変を有し、そのような改変により抗体の抗原に対する親和性が改善される抗体を指す。
【0113】
「抗CD3抗体」および「CD3に結合する抗体」という用語は、抗体がCD3を標的とする診断薬および/または治療薬として有用であるように、十分な親和性でCD3に結合することができる抗体を指す。一実施形態では、非関連非-CD3タンパク質への抗CD3抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定した場合に、CD3への抗体の結合の約10%未満である。一定の実施形態では、CD3に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下または0.001nM以下(例えば、10-8M以下、例えば10-8M~10-13M、例えば10-9M~10-13M)の解離定数(KD)を有する。特定の実施形態では、抗CD3抗体が、種々の種由来のCD3間で保存されているCD3のエピトープに結合する。
【0114】
「表面抗原分類3」または「CD3」という用語は、本明細書で使用されるとき、別途指示されない限り、霊長動物(例えばヒト)および齧歯類(例えば、マウスおよびラット)等の哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源由来の任意の天然CD3を指し、例えば、CD3ε、CD3γ、CD3α、およびCD3β鎖を含む。この用語は、「完全長」のプロセシングされていないCD3(例えば、プロセシングされていない、もしくは修飾されていないCD3εまたはCD3γ)、ならびに細胞内のプロセシングから得られるCD3の任意の形態を包含する。この用語は、例えば、スプライス変異型または対立遺伝子変異型を含む、CD3の自然発生変異型も包含する。CD3は、例えば、207のアミノ酸長であるヒトCD3εタンパク質(NCBI参照配列番号NP_000724)、および182のアミノ酸長であるヒトCD3γタンパク質(NCBI参照配列番号NP_000064)を含む。
【0115】
「抗CD20抗体」および「CD20に結合する抗体」という用語は、抗体がCD20を標的とする際の診断薬および/または治療薬として有用であるように、十分な親和性でCD20に結合し得る抗体を指す。一実施形態では、非関連非CD20タンパク質に対する抗CD20抗体の結合の程度は、例えば、ラジオイムノアッセイ(RIA)によって測定した場合に、CD20に対する抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、CD20に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下または0.001nM以下(例えば、10-8M以下、例えば10-8M~10-13M、例えば10-9M~10-13M)の解離定数(KD)を有する。特定の実施形態では、抗CD20抗体は、種々の種由来のCD20間で保存されているCD20のエピトープに結合する。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体はモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体または抗CD20モノクローナル抗体はリツキシマブである。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体または抗CD20モノクローナル抗体はオビヌツズマブである。
【0116】
本明細書で使用される場合、「リツキシマブ」または「RITUXAN(登録商標)」という用語は、Proposed International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances(Proposed INN)List 77(WHO Drug Information,Vol.11,No.2,1997,p.99)またはCAS登録番号174722-31-7を有する抗CD20抗体(例えば、抗CD20モノクローナル抗体)を指す。
【0117】
本明細書で使用される場合、「オビヌツズマブ」または「GAZYVA(登録商標)」という用語は、Proposed International Nonproprietary Name for Pharmaceutical Substances(Proposed INN)List 99(WHO Drug Information,Vol.22,No.2,2008,p.396)、Proposed International Nonproprietary Name for Pharmaceutical Substances(Proposed INN)List 108(WHO Drug Information,Vol.26,No.4,2012,p.453)、またはCAS登録番号949142-50-1を有する抗CD20抗体(例えば、抗CD20モノクローナル抗体)を指す。
【0118】
本明細書で使用される「表面抗原分類20」または「CD20」という用語は、別途示されない限り、霊長類(例えば、ヒト)および齧歯動物(例えば、マウスおよびラット)などの哺乳動物を含む、任意の脊椎動物源に由来する任意の天然CD20を指す。この用語は、「完全長」のプロセシングされていないCD20、ならびに細胞内でのプロセシングから生じる任意の形態のCD20を包含する。この用語はまた、例えば、スプライスバリアントまたは対立遺伝子バリアントを含む、CD20の天然に存在するバリアントを包含する。CD20は、例えば、ヒトCD20タンパク質(例えば、NCBI参照配列番号NP_068769.2およびNP_690605.1、参照)を含み、これは、例えば、297アミノ酸長であり、例えば、5’ UTRの一部を欠く変異型mRNA転写物(例えば、NCBI参照配列番号NM_021950.3、参照)、またはより長い変異型mRNA転写物(例えば、NCBI参照配列番号NM_152866.2、参照)から産生されることができる。
【0119】
「抗CD20/抗CD3二重特異性抗体」、「二重特異性抗CD20/抗CD3抗体」および「CD20およびCD3に結合する抗体」という用語、またはそれらのバリアントは、モスネツズマブを指す。
【0120】
本明細書で使用される場合、「モスネツズマブ」という用語は、International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances(INN)リスト117(WHO Drug Information,Vol.31,No.2,2017,p.303)またはCAS登録番号1905409-39-3を有する抗CD20/抗CD3二重特異性抗体を指す。
【0121】
「抗CD79b抗体」および「CD79bに結合する抗体」という用語は、抗体がCD79bを標的とする際の診断および/または治療薬として有用であるように、十分な親和性でCD79bに結合し得る抗体を指す。一実施形態では、非関連非CD79bタンパク質への抗CD79b抗体の結合の程度は、例えばラジオイムノアッセイ(RIA)で測定した場合に、CD79bに対する抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、CD79bに結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下、0.1nM以下、0.01nM以下または0.001nM以下(例えば、10-8M以下、例えば10-8M~10-13M、または例えば10-9M~10-13M)の解離定数(KD)を有する。特定の実施形態では、抗CD79b抗体は、種々の種由来のCD79b間で保存されているCD79bのエピトープに結合する。本明細書で使用される場合、抗CD79b抗体は、ポラツズマブである。
【0122】
本明細書で使用される場合、「ポラツズマブベドチン」という用語は、モノメチルアウリスタチンE(MMAE、すなわちベドチン)にコンジュゲートされた抗CD79b抗体を含む抗体薬物コンジュゲートを指す。ポラツズマブベドチンは、IUPHAR/BPS番号8404、KEGG番号D10761、またはCAS登録番号1313206-42-6とも呼ばれる。ポラツズマブベドチン-piiqは、「ポラツズマブベドチン-piiq」、「huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE」、または「DCDS4501A」とも互換的に呼ばれる。
【0123】
本明細書で使用される場合、「結合する」、「~に特異的に結合する」、または「~に特異的である」という用語は、標的と抗体との間の結合等、測定可能且つ再生可能な相互作用を指し、これは、生体分子を含む分子の異種集団の存在下において、標的の存在を決定づけるものである。例えば、標的(これはエピトープであり得る)に特異的に結合する抗体は、他の標的に結合するよりも高い親和性、結合力で、より容易に、および/またはより長い持続時間でこの標的に結合する、抗体である。一実施形態では、抗体が無関係の標的に結合する程度は、放射免疫測定法(RIA)によって測定した場合に、標的に対する抗体の結合の約10%未満である。特定の実施形態では、標的に特異的に結合する抗体は、1μM以下、100nM以下、10nM以下、1nM以下または0.1nM以下の解離定数(KD)を有する。特定の実施形態では、抗体は、異なる種由来のタンパク質間で保存されるタンパク質上のエピトープに特異的に結合する。別の実施形態では、特異的結合は排他的結合を含むことができるが、これを必要としない。本明細書で使用される用語は、例えば、標的に対して10-4M以下、あるいは10-5M以下、あるいは10-6M以下、あるいは10-7M以下、あるいは10-8M以下、あるいは10-9M以下、あるいは10-10M以下、あるいは10-11M以下、あるいは10-12M以下のKD、または10-4M~10-6Mもしくは10-6M~10-10Mもしくは10-7M~10-9Mの範囲のKDを有する分子によって示され得る。当業者によって理解されるように、親和性およびKD値は逆相関する。抗原に対する高い親和性は、低いKD値により測定される。一実施形態では、「特異的結合」という用語は、分子が、いずれの他のポリペプチドまたはポリペプチドエピトープにも実質的に結合することなく、特定のポリペプチド上の特定のポリペプチドまたはエピトープに結合する場合の結合を指す。
【0124】
基準ポリペプチド配列に関する「アミノ酸配列同一性パーセント(%)」は、配列を整列させ、最大のパーセント配列同一性を得るために必要ならば間隙を導入した後、いかなる保存的置換も配列同一性の一部と考えないとした場合の、基準ポリペプチドのアミノ酸残基と同一である候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージとして定義される。アミノ酸配列同一性の割合を決定するためのアラインメントは、例えば、BLAST、BLAST-2、ALIGNまたはMEGALIGN(登録商標)(DNASTAR(登録商標))ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用して、当業者の技術の範囲内にある様々な方法で達成し得る。当業者であれば、比較される配列の全長にわたって最大のアラインメントを達成するために必要な任意のアルゴリズムを含む、配列のアラインメントのための適切なパラメータを決定し得る。しかしながら、本明細書での目的のために、アミノ酸配列同一性%値は、配列比較コンピュータプログラムALIGN-2を用いて生成している。ALIGN-2配列比較コンピュータプログラムは、Genentech,Inc.が作成したものであり、ソースコードは、使用者用書類と共に、米国著作権局、Washington D.C.、20559に提出され、ここで、米国著作権登録番号TXU510087として登録されている。ALIGN-2プログラムは、Genentech,Inc.(South San Francisco,California)から公的に入手可能であり、またはそのソースコードからコンパイルし得る。ALIGN-2プログラムは、Digital UNIX(登録商標)V4.0Dを含むUNIX(登録商標)オペレーティングシステムで使用するためにコンパイルする必要がある。全ての配列比較パラメータは、ALIGN-2プログラムによって設定され、変化しない。
【0125】
ALIGN-2がアミノ酸配列比較に用いられる状況では、所与のアミノ酸配列Bに対する、アミノ酸配列Bとの、またはアミノ酸配列Bに対する、所与のアミノ酸配列Aのアミノ酸配列同一性%(あるいは、所与のアミノ酸配列Bに対し、アミノ酸配列Bと、またはアミノ酸配列Bに対向し、ある特定のアミノ酸配列同一性%を有するもしくは含む、所与のアミノ酸配列Aとして記述され得る)は、以下のように計算される:
100×分数X/Y
式中、Xは、配列アラインメントプログラムALIGN-2によって、そのプログラムのAおよびBのアラインメントにおいて同一のマッチとしてスコア付けされたアミノ酸残基の数であり、Yは、B中のアミノ酸残基の総数である。アミノ酸配列Aの長さがアミノ酸配列Bの長さと等しくない場合、AのBに対するアミノ酸配列同一性%は、BのAに対するアミノ酸配列同一性%と等しくないことが理解されるであろう。別途具体的に示されない限り、本明細書で使用される全てのアミノ酸配列同一性%値は、直前の段落に記載されているようにALIGN-2コンピュータプログラムを使用して得られる。
【0126】
「医薬製剤」という用語は、調製物中に含有される有効成分の生物学的活性が有効になるような形態であり、且つ製剤を投与する対象にとって許容できないほど有毒である追加の構成成分を含有しない調製物を指す。
【0127】
「薬学的に許容され得る担体」は、対象にとって無毒である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容され得る担体としては、緩衝剤、賦形剤、安定剤、または防腐剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
本明細書で使用される場合、「化学療法剤」という用語は、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害)B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL))の処置に有用な化合物を指す。化学療法剤の例としては、EGFR阻害剤(小分子阻害剤(例えば、エルロチニブ(TARCEVA(登録商標)、Genentech/OSI Pharm.);PD183805(CI 1033、2-プロペンアミド、N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-7-[3-(4-モルホリニル)プロポキシ]-6-キナゾリニル]-、二塩酸塩、Pfizer Inc.);ZD1839、ゲフィチニブ(IRESSA(登録商標))4-(3’-クロロ-4’-フルオロアニリノ)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン、AstraZeneca);ZM105180((6-アミノ-4-(3-メチルフェニル-アミノ)-キナゾリン、Zeneca);BIBX-1382(N8-(3-クロロ-4-フルオロ-フェニル)-N2-(1-メチル-ピペリジン-4-イル)-ピリミド[5,4-d]ピリミジン-2,8-ジアミン、Boehringer Ingelheim);PKI-166((R)-4-[4-[(1-フェニルエチル)アミノ]-1H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-6-イル]-フェノール);(R)-6-(4-ヒドロキシフェニル)-4[(1-フェニルエチル)アミノ]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン);CL-387785(N-[4-[(3-ブロモフェニル)アミノ]-6-キナゾリニル]-2-ブチラミド);EKB-569(N-[4-[(3-クロロ-4-フルオロフェニル)アミノ]-3-シアノ-7-エトキシ-6-キノリニル]-4-(ジメチルアミノ)-2-ブテンアミド)(Wyeth);AG1478(Pfizer);AG1571(SU5271;Pfizer);およびラパチニブ(TYKERB(登録商標)、GSK572016またはN-[3-クロロ-4-[(3-フルオロフェニル)メトキシ]フェニル]-6[5[[2メチルスルホニル])エチル]アミノ]メチル]-2-フラニル]-4-キナゾリンアミンなどの二重EGFR/HER2チロシンキナーゼ阻害剤));チロシンキナーゼ阻害剤(例えば、EGFR阻害剤;TAK165(Takeda)などの小分子HER2チロシンキナーゼ阻害剤;ErbB2受容体チロシンキナーゼの経口選択的阻害剤であるCP-724,714(PfizerおよびOSI);EGFRに優先的に結合するが、HER2およびEGFR過剰発現細胞の両方を阻害するEKB-569(Wyethから入手可能)などの二重HER阻害剤;PKI-166(Novartis);カネルチニブ(CI-1033;Pharmacia)などのpan-HER阻害剤;Raf-1シグナル伝達を阻害するアンチセンス剤ISIS-5132(ISIS Pharmaceuticals)などのRaf-1阻害剤;イマチニブメシレート(GLEEVEC(登録商標)、Glaxo SmithKline)などの非HER標的チロシンキナーゼ阻害剤;スニチニブ(SUTENT(登録商標)、Pfizer)などの多標的チロシンキナーゼ阻害剤;バタラニブ(Vatalanib)(PTK787/ZK222584、Novartis/Schering AG)などのVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害剤;MAPK細胞外調節キナーゼI阻害剤CI-1040(Pharmacia);キナゾリン、例えば、PD153035、4-(3-クロロアニリノ)キナゾリン;ピリドピリミジン;ピリミドピリミジン;CGP59326、CGP60261およびCGP62706などのピロロピリミジン;ピラゾロピリミジン、4-(フェニルアミノ)-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン;クルクミン(ジフェルロイルメタン、4,5-ビス(4-フルオロアニリノ)フタルイミド);ニトロチオフェン部分を含有するチロホスフィン;PD-0183805(Warner-Lamber);アンチセンス分子(例えば、HERコード核酸に結合するもの);キノキサリン(米国特許第5,804,396号);トリフォスチン(米国特許第5,804,396号);ZD6474(Astra Zeneca);PTK-787(Novartis/Schering AG);CI-1033(Pfizer)などのpan-HER阻害剤;Affinitac(ISIS3521;Isis/Lilly);PKI166(Novartis);GW2016(Glaxo SmithKline);CI-1033(Pfizer);EKB-569(Wyeth);セマキシニブ(Pfizer);ZD6474(AstraZeneca);PTK-787(Novartis/Schering AG);INC-1C11(Imclone);およびラパマイシン(シロリムス,RAPAMUNE(登録商標)));例えばボルテゾミブ(VELCADE(登録商標)、Millennium Pharm)などのプロテアソーム阻害剤;ジスルフィラム;没食子酸エピガロカテキン;サリノスポラミドA;カルフィルゾミブ;17-AAG(ゲルダナマイシン);ラジシコール;乳酸脱水素酵素A(LDH-A);フルベストラント(FASLODEX(登録商標)、AstraZeneca);レトロゾール(FEMARA(登録商標)、Novartis)、フィナスネート(VATALANIB(登録商標)、Novartis);オキサリプラチン(ELOXATIN(登録商標)、Sanofi);5-FU(5-フルオロウラシル);ロイコボリン;ロナファミブ(SCH66336);ソラフェニブ(NEXAVAR(登録商標)、Bayer Labs);AG1478、チオテパおよびCYTOXAN(登録商標)シクロホスファミドなどのアルキル化剤;ブスルファン、インプロスルファンおよびピポスルファンなどのアルキルスルホネート;ベンゾドパ、カルボコン、メトレドパ、およびウレドパ等のアジリジン;アルトレタミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンホスホラミド、トリエチレンチオホスホラミド、およびトリメチロメラミンを含むエチレンイミンおよびメチルアメラミン;アセトゲニン(特にブラタシンおよびブラタシノン);カンプトテシン(トポテカン、イリノテカンを含む);ブリオスタチン;カリスタチン;CC-1065(そのアドゼレシン、カルゼレシンおよびビゼレシン合成類似体を含む);クリプトフィシン(特にクリプトフィシン1およびクリプトフィシン8);副腎皮質ステロイド(プレドニゾンおよびプレドニゾロンを含む);酢酸シプロテロン;5α-レダクターゼ(フィナステリドおよびデュタステリドを含む);ボリノスタット、ロミデプシン、パノビノスタット、バルプロ酸、モセチノスタットドラスタチン;アルデスロイキン、タルクデュオカルマイシン(合成類似体、KW-2189およびCB1-TM1を含む);エレウテロビン;パンクラチスタチン;サルコジクチン;スポンジスタチン;クロラムブシル、クロマファジン、クロロホスファミド、エストラムスチン、イホスファミド、メクロレタミン、メクロレタミンオキシド塩酸塩、メルファラン、ノベンビチン、フェネステリン、プレドニムスチン、トロフォスファミド、ウラシルマスタードなどのナイトロジェンマスタード類;カルムスチン、クロロゾトシン、フォテムスチン、ロムスチン、ニムスチン、ラニムスチン等のニトロソ尿素類;エンジイン抗生物質(例えば、カリケアマイシン、特にカリケアマイシンγ1およびカリケアマイシンω1)などの抗生物質;ダイネマイシン(ダイネマイシンAを含む);ビスホスホネート、例えばクロドロネート;エスペラマイシン;同様にまた、ネオカルジノスタチン発色団および関連する色素タンパク質エンジイン抗生物質発色団)、アクラシノマイシン、アクチノマイシン、オースラマイシン、アザセリン、カクチノマイシン、カラビシン、カミノマイシン、カルジノフィリン、クロモマイシン、ダクチノマイシン、デトレビシン、6-ジアゾ-5-オキソ-L-ノルロイシン、モルホリノ-ドキソルビシン、シアノモルホリノ-ドキソルビシン、2-ピロリノドキソルビシンおよびデオキシドキソルビシン)、エピルビシン、エソルビシン、イダルビシン、マルセロマイシン、マイトマイシンCなどのマイトマイシン、ミコフェノール酸、ノガラマイシン、オリボマイシン、ペプロマイシン、ポルフィロマイシン、ピューロマイシン、クエラマイシン、ロドルビシン、ストレプトニグリン、ストレプトゾシン、ツベルシジン、ウベニメックス、ジノスタチン、ゾルビシン;メトトレキサート、および5-フルオロウラシル(5-FU)等の代謝拮抗剤;デノプテリン、メトトレキサート、プテロプテリン、トリメトレキセートなどの葉酸類似体;フルダラビン、6-メルカプトプリン、チアミプリン、チオグアニンなどのプリン類似体;アンシタビン、アザシチジン、6-アザウリジン、カルモフル、シタラビン、ジデオキシウリジン、ドキシフルリジン、エノシタビン、フロクスウリジンなどのピリミジン類似体;カルステロン、プロピオン酸ドロモスタノロン、エピチオスタノール、メピチオスタン、テストラクトンなどのアンドロゲン;アミノグルテチミド、ミトタン、トリロスタンなどの抗アドレナリン;フロリン酸等の葉酸補充剤;アセグラトン;アルドホスファミドグリコシド;アミノレブリン酸;エニルラシル;アムサクリン;ベストラブシル;ビサントレン;エダトラキサート;デフォファミン;デメコルシン;ジアジコン;エルホミチン;酢酸エリプチニウム;エポチロン;エトグルシド;硝酸ガリウム;ヒドロキシ尿素;レンチナン;ロニダイニン;メイタンシンおよびアンサミトシンなどのメイタンシノイド;ミトグアゾン;ミトキサントロン;モピダムノール;ニトレリン;ペントスタチン;フェナメット;ピラルビシン;ロソキサントロン;ポドフィリン酸;2-エチルヒドラジド;プロカルバジン;PSK(登録商標)多糖複合体(JHS Natural Products);ラゾキサン;リゾキシン;シゾフラン;スピロゲルマニウム;テヌアゾン酸;トリアジコン;2,2’,2’’-トリクロロトリエチルアミン;トリコテセン(特にT-2毒素、ベラクリンA、ロリジンAおよびアンギジン);ウレタン;ビンデシン;ダカルバジン;マンノムスチン;ミトブロニトール;ミトラクトール;ピポブロマン;ガシトシン;アラビノシド(「Ara-C」);チオテパ;クロランムブシル;GEMZAR(登録商標)(ゲムシタビン);6-チオグアニン;メルカプトプリン;メトトレキサート;エトポシド(VP-16);イホスファミド;ミトキサントロン;ノバントロン;テニポシド;エダトレキセート;ダウノマイシン;アミノプテリン;カペシタビン(XELODA(登録商標));イバンドロネート;CPT-11;トポイソメラーゼ阻害剤RFS2000;ジフルオロメチルオルニチン(DMFO);レチノイン酸などのレチノイド;および上記のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸、プロドラッグ、および誘導体が挙げられる。
【0129】
また、化学療法剤としては、(i)腫瘍に対するホルモン作用を調節または阻害するように作用する抗ホルモン剤、例えば、タモキシフェン(NOLVADEX(登録商標);クエン酸タモキシフェンを含む)、ラロキシフェン、ドロロキシフェン、ヨードキシフェン、4-ヒドロキシタモキシフェン、トリオキシフェン、ケオキシフェン、LY117018、オナプリストン、およびFARESTON(登録商標)(トレミフィンシトレート)を含む抗エストロゲン薬および選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM);(ii)副腎におけるエストロゲン産生を調節する酵素アロマターゼを阻害するアロマターゼ阻害剤、例えば、4(5)-イミダゾール、アミノグルテチミド、MEGASE(登録商標)(メゲストロールアセテート)、AROMASIN(登録商標)(エキセメスタン;Pfizer)、フォルメスタニー、ファドロゾール、RIVISOR(登録商標)(ボロゾール)、FEMARA(登録商標)(レトロゾール;Novartis)およびARIMIDEX(登録商標)(アナストロゾール;アAstraZeneca);(iii)抗アンドロゲン、例えばフルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、ロイプロリドおよびゴセレリン;ブセレリン、トリプテレリン、酢酸メドロキシプロゲステロン、ジエチルスチルベストロール、プレマリン、フルオキシメステロン、全トランスレート酸、フェンレチニドおよびトロキサシタビン(a1,3-ジオキソランヌクレオシドシトシン類似体);(iv)プロテインキナーゼ阻害剤;(v)脂質キナーゼ阻害剤;(vi)アンチセンスオリゴヌクレオチド、特に、異常な細胞増殖に関与するシグナル伝達経路における遺伝子の発現を阻害するもの、例えば、PKC-アルファ、RalfおよびH-Ras;(vii)リボザイム、例えばVEGF発現阻害剤(例えば、ANGIOZYME(登録商標))およびHER2発現阻害剤;(viii)遺伝子治療ワクチンなどのワクチン、例えばALLOVECTIN(登録商標)、LEUVECTIN(登録商標)およびVAXID(登録商標);(ix)ビンカ(例えば、ビンクリスチンおよびビンブラスチン)、NAVELBINE(登録商標)(ビノレルビン)、タキサン(例えば、パクリタキセル、nab-パクリタキセル、およびドセタキセル)、トポイソメラーゼII阻害剤(例えば、ドキソルビシン、エピルビシン、ダウノルビシン、エトポシドおよびブレオマイシン)およびDNAアルキル化剤(例えば、タモキシゲン、ダカルバジン、メクロレタミン、シスプラチン、メトトレキサート、5-フルオロウラシルおよびara-C)を含む増殖阻害剤;ならびに(x)上記のいずれかの薬学的に許容され得る塩、酸、プロドラッグ、および誘導体が挙げられる。
【0130】
「化学免疫療法」という用語は、化学療法剤および免疫療法剤の両方を含む併用療法を指す。いくつかの実施形態では、化学免疫療法は、癌、例えばCD20陽性癌、例えばNHL、例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫を処置するために使用される。いくつかの実施形態では、免疫療法剤としては、抗体、例えば抗CD20抗体(例えば、抗CD20モノクローナル抗体)が挙げられる。いくつかの実施形態では、抗CD20抗体または抗CD20モノクローナル抗体はリツキシマブである。いくつかの実施形態では、化学免疫療法はR-GemOxを含む。
【0131】
本明細書で使用される「R-GemOx」という用語は、リツキシマブ(RITUXAN(登録商標);CAS番号:174722-31-7)+ゲムシタビン(CAS番号:95058-81-4)およびオキサリプラチン(CAS番号:61825-94-3)を含む処置を指す。いくつかの実施形態では、R-GemOxは、癌、任意でB細胞増殖性障害(例えば、非ホジキンリンパ腫;例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)の処置に使用される化学療法処置またはレジメンである。いくつかの実施形態では、R-GemOxは、癌、任意でB細胞増殖性障害(例えば、非ホジキンリンパ腫;例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)を処置するために対象に投与される標準治療(SOC)または標準療法である。いくつかの実施形態では、R-GemOxは、先行する療法に対して再発した対象および/または難治性である対象ならびに/あるいは自己幹細胞療法(ASCT)に適格でない対象に投与されるべき標準的な療法である。いくつかの実施形態では、R-GemOxは、8回の投与サイクルの間、2週間ごとに(14日間の投与サイクルで)投与される。いくつかの実施形態では、R-GemOx療法のための投与レジメンは、8回の14日間の投与サイクルを含み、各投与サイクルの期間中、対象には、375mg/m2のリツキシマブが静脈内(IV)投与され、1000mg/m2のゲムシタビンがIV投与され、1000mg/m2のオキサリプラチンがIV投与される。
【0132】
「細胞毒性剤」という用語は、本明細書で使用される場合、細胞に有害である(例えば、細胞死を引き起こすか、増殖を阻害するか、またはさもなければ細胞機能を妨害する)任意の薬剤を指す。細胞傷害剤としては、放射性同位体(例えば、211At、131I、125I、90Y、186Re、188Re、153Sm、212Bi、32P、212Pb、およびLuの放射性同位体);化学療法剤;核酸分解酵素などの酵素およびその断片;ならびに毒素、例えば細菌、真菌、植物または動物起源の小分子毒素または酵素的に活性な毒素(その断片および/またはバリアントを含む)が挙げられるが、これらに限定されない。例示的な細胞毒性薬は、抗微小管薬、白金配位錯体、アルキル化剤、抗生物質剤、トポイソメラーゼII阻害剤、代謝拮抗薬、トポイソメラーゼI阻害剤、ホルモンおよびホルモン類似体、シグナル伝達経路阻害剤、非受容体チロシンキナーゼ血管新生阻害剤、免疫療法薬、アポトーシス促進剤、LDH-A阻害剤、脂肪酸生合成阻害剤、細胞周期シグナル伝達阻害剤、HDAC阻害剤、プロテアソーム阻害剤、ならびに癌代謝阻害剤から選択され得る。一例では、細胞傷害剤は白金系化学療法剤(例えば、カルボプラチンまたはシスプラチン)である。一例では、細胞毒性剤は、EGFRのアンタゴニスト、例えば、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(例えば、エルロチニブ)である。一例では、細胞傷害剤は、RAF阻害剤、例えばBRAFおよび/またはCRAF阻害剤である。一例では、RAF阻害剤はベムラフェニブである。一例では、細胞傷害剤はPI3K阻害剤である。
【0133】
「添付文書」という用語は、そのような治療用製品の使用に関する適応症、使用法、投与量、投与、併用療法、禁忌および/または警告に関する情報を含む、治療用製品の市販のパッケージに慣習的に含まれている説明書を指すために使用される。
【0134】
III.治療方法
モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを併用療法として投与することによって、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL))を有する対象または対象集団を処置する方法が本明細書で提供される。特に、併用療法としてのモスネツズマブの皮下投与およびポラツズマブベドチンの静脈内投与によって、アグレッシブNHL(例えば、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFL)を有する対象または対象集団を処置する方法が本明細書で提供される。いくつかの例では、対象または対象集団は、許容され得る安全性プロファイル(例えば、サイトカイン放出症候群(CRS)などの有害事象の頻度および重症度に関して)を維持しながら、少なくとも1つの先行する療法に対して再発性および/または難治性(R/R)である。いくつかの例では、対象または対象集団は、2またはそれを超えるラインの先行する治療を受けていてもよい。いくつかの例では、対象は、自己幹細胞移植(ASCT)に不適格であり得る。
【0135】
A.モスネツズマブの投与のための治療方法
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)または約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、or±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、方法を提供する。
【0136】
いくつかの実施形態では、C1D2は、約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である。
【0137】
いくつかの実施形態では、C1D2は、約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)である。
【0138】
いくつかの実施形態では、第1の投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC1D1、C1D2、およびC1D3は、それぞれ第1の投与サイクルの1日目、8日目(±1日)、および15(±1日)日目、または約1日目、約8日目(±1日)、および約15(±1日)日目に投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC1D1は、第1の投与サイクルの1日目に投与される。
【0139】
いくつかの実施形態では、第2の投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC2D1は、第2の投与サイクルの1日目に投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC2D1は、第2の投与サイクルの1日目に投与される。
【0140】
いくつかの実施形態では、本方法は、1または複数の追加の投与サイクルをさらに含む。いくつかの実施形態では、本方法は、4~6回の追加の投与サイクルを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、6回の追加の投与サイクルを含む。いくつかの実施形態では、それぞれの追加の投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。
【0141】
いくつかの実施形態では、追加の投与サイクルの1回または複数回は、追加の単回用量のモスネツズマブおよび追加の単回用量のポラツズマブベドチンを含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンの追加の単回用量は、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である。いくつかの実施形態では、各追加の単回用量のポラツズマブベドチンは、追加の用量のポラツズマブベドチンを含む各追加の投与サイクルの1日目に対象に投与される。いくつかの実施形態では、追加の投与サイクルの1回または複数回は、追加の単回用量のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まない。
【0142】
いくつかの実施形態では、モスネツズマブの追加の単回用量は約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である。いくつかの実施形態では、各追加の単回用量のモスネツズマブは、追加の用量のモスネツズマブを含む各追加投与サイクルの1日目に対象に投与される。
【0143】
いくつかの実施形態では、投与レジメンは6回の追加の投与サイクルを含み、6回の追加の投与サイクルのそれぞれは単回用量のモスネツズマブを含み、6回の追加の投与サイクルのうち、ポラツズマブベドチンの投与は4回以下である。
【0144】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み、(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)であり;(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、方法を特徴とする。
【0145】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み、(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)であり;(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、方法を特徴とする。
【0146】
いくつかの実施形態では、各投与サイクルは21日間(±1日間)の投与サイクルである。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC1D1、C1D2、およびC1D3は、それぞれ第1の投与サイクルの1日目、8日目(±1日)、および15(±1日)日目、または約1日目、約8日目(±1日)、および約15(±1日)日目に投与される。いくつかの実施形態では、モスネツズマブのC2D1~C8D1の各単回用量は、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される。
【0147】
くつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC1D1~C6D1の各単回用量は、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される。
【0148】
いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンのC1D1は、モスネツズマブのC1D1の投与前に投与され、ポラツズマブベドチンのC2D1は、モスネツズマブのC2D1の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンの各単回用量C3D1~C6D1は、それぞれ、モスネツズマブの各単回用量C3D1~C6D1の投与前に投与される。いくつかの実施形態では、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンが同日に投与される場合、モスネツズマブは、ポラツズマブベドチンの投与前、投与と同時、または投与後に投与され得る。いくつかの例では、モスネツズマブは、ポラツズマブベドチンの投与後に投与される。特定の例では、モスネツズマブは、ポラツズマブベドチンの投与の少なくとも60分(例えば、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間)後に投与される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、モスネツズマブの投与の少なくとも約60分(例えば、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間、3.5時間、4時間、4.5時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、または12時間)前に投与される。
【0149】
いくつかの実施形態では、CD20陽性細胞増殖性障害は、B細胞増殖性障害である。いくつかの態様では、B細胞増殖性障害は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である。
【0150】
いくつかの実施形態では、NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、NHLは、再発性および/または難治性(R/R)NHLである。
【0151】
いくつかの実施形態では、NHLはDLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはR/R DLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはリヒター形質転換である。
【0152】
いくつかの実施形態では、NHLはFL(例えば、グレード1、2、3aまたは3bのFL)である。いくつかの実施形態では、FLはR/R FLである。いくつかの実施形態では、FLは形質転換FLである。
【0153】
いくつかの実施形態では、NHLはHGBLである。いくつかの実施形態では、HGBLはR/R HGBLである。
【0154】
いくつかの実施形態では、NHLはアグレッシブNHLである。いくつかの実施形態では、アグレッシブNHLは、DLBCL、形質転換FL、またはグレード3bのFLである。いくつかの実施形態では、NHLはR/R NHLである。
【0155】
いくつかの実施形態では、対象は自己幹細胞移植(ASCT)に不適格である。
【0156】
いくつかの実施形態では、対象は、2またはそれを超える(例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10またはそれを超える)の先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である。
【0157】
いくつかの実施形態では、対象はヒトである。
【0158】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)または約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびにポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;(b)第2の投与サイクルが、単回用量のモスネツズマブ(C2D1)および単回用量のポラツズマブベドチン(C2D1)を含み、モスネツズマブのC2D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、方法を特徴とする。
【0159】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み、(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)であり;(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、方法を特徴とする。
【0160】
いくつかの実施形態では、対象集団の無増悪生存期間の平均期間は、基準対象集団の無増悪生存期間の基準平均期間よりも長い。
【0161】
いくつかの実施形態では、対象集団における完全奏効率は、基準対象集団における基準完全奏効率よりも高い。
【0162】
いくつかの実施形態では、対象集団における客観的奏効率は、基準対象集団における基準客観的奏効率よりも高い。
【0163】
いくつかの実施形態では、対象集団の平均奏効期間は、基準対象集団の基準平均奏効期間よりも長い。
【0164】
いくつかの実施形態では、対象集団の完全奏効の平均期間は、基準対象集団の完全奏効の基準平均期間よりも長い。
【0165】
いくつかの実施形態では、基準対象集団に、リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンを含む併用療法が投与される。いくつかの実施形態では、併用療法は、8回の投与サイクルを含む投与サイクルで基準対象集団に投与される。いくつかの実施形態では、各投与サイクルは14日間(±1日間)の投与サイクルである。いくつかの実施形態では、併用療法は、約2週間ごとに(Q2W)対象の基準集団に投与される。いくつかの態様では、リツキシマブは、約375mg/m2(例えば、375mg/m2±1mg/m2、±2.5mg/m2、±5mg/m2、±7.5mg/m2、±10mg/m2、±20mg/m2、±30mg/m2、±40mg/m2、または±50mg/m2;例えば、375mg/m2)の用量で、2週間ごとに静脈内投与され、ゲムシタビンは約1000mg/m2(例えば、1000mg/m2±1mg/m2、±2.5mg/m2、±5mg/m2、±7.5mg/m2、±10mg/m2、±20mg/m2、±30mg/m2、±40mg/m2、±50mg/m2;±100mg/m2;±150mg/m2;±200mg/m2;±250mg/m2;±300mg/m2;例えば、1000mg/m2)の用量で、2週間ごとに静脈内投与され、オキサリプラチンは約100mg/m2(例えば、100mg/m2±1mg/m2、±2.5mg/m2、±5mg/m2、±7.5mg/m2、±10mg/m2、±20mg/m2、または±30mg/m2;例えば、100mg/m2)の用量で、2週間ごとに静脈内投与される。
【0166】
いくつかの実施形態では、CD20陽性細胞増殖性障害は、B細胞増殖性障害である。いくつかの態様では、B細胞増殖性障害は、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である。
【0167】
いくつかの実施形態では、NHLは、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である。いくつかの実施形態では、NHLは、再発性および/または難治性(R/R)NHLである。
【0168】
いくつかの実施形態では、NHLはDLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはR/R DLBCLである。いくつかの実施形態では、DLBCLはリヒター形質転換である。
【0169】
いくつかの実施形態では、NHLはFL(例えば、グレード1、2、3aまたは3bのFL)である。いくつかの実施形態では、FLはR/R FLである。いくつかの実施形態では、FLは形質転換FLである。
【0170】
いくつかの実施形態では、NHLはHGBLである。いくつかの実施形態では、HGBLはR/R HGBLである。
【0171】
いくつかの実施形態では、NHLはアグレッシブNHLである。いくつかの実施形態では、アグレッシブNHLは、DLBCL、形質転換FL、またはグレード3bのFLである。いくつかの実施形態では、NHLはR/R NHLである。
【0172】
いくつかの実施形態では、対象集団中の各対象は、自己幹細胞移植(ASCT)に不適格である。いくつかの実施形態では、対象集団における各対象は、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である。いくつかの実施形態では、対象集団中の各対象はヒトである。
【0173】
いくつかの実施形態では、基準対象集団中の各対象は、自己幹細胞移植(ASCT)に不適格である。いくつかの実施形態では、基準対象集団中の各対象は、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、2またはそれを超える先行する治療ラインに対してまたは難治性である。いくつかの実施形態では、基準対象集団中の各対象はヒトである。
【0174】
B.有害事象を軽減するための投与戦略
本発明は、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを併用療法として投与することにより、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害;例えば、非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL))を有する、対象または対象集団を処置する方法に関する。特に、本発明は、併用療法としてのモスネツズマブの皮下投与およびポラツズマブベドチンの静脈内投与によって、アグレッシブNHL(例えば、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFL)を有する、対象または対象集団を処置する方法に関する。いくつかの例では、対象または対象集団は、許容され得る安全性プロファイル(例えば、サイトカイン放出症候群(CRS)などの有害事象の頻度および重症度に関して)を維持しながら、少なくとも1つの先行する療法の後に再発したおよび/または少なくとも1つの先行する療法に対して難治性(R/R)である。いくつかの例では、対象または対象集団は、2またはそれを超えるラインの先行する治療を受けていてもよい。いくつかの例では、対象は、自己幹細胞移植(ASCT)に不適格であり得る。本明細書中に記載される治療および投与レジメンは、記載される投与レジメンで処置されたR/R NHLを有する対象または対象集団において許容され得る安全性プロフィールを提供する。
【0175】
1.CRSの症状およびグレーディング
本明細書中に記載される方法のいずれかは、サイトカイン放出症候群(CRS)(例えば、上記の方法のいずれかの開始後のCRS事象)について対象をモニターすることを伴い得る。現在の臨床的対応は、個々の徴候および症状を治療すること、支持療法を提供すること、および高い投与量のコルチコステロイドを使用して炎症反応を弱めることを試みることに焦点が置かれている。しかしながら、この手法は、特に遅い介入の事例において、必ずしも成功するとは限らない。本明細書中に記載される方法によって使用されるCRSグレーディング基準は、軽度、中等度、重度または生命を脅かすCRSを定義し、臨床試験全体にわたる報告を調和させてCRSの迅速な認識、処置を可能にするために、米国移植細胞療法学会(ASTCT)によって公表されている(Leeら.Biol Blood Marrow Transplantation.25(4):625-638,2019)。ASTCT基準は客観的であり、適用が容易であり、CRSの重症度をより正確に分類することを意図している。このCRSグレーディングシステムを以下の表1に示す。
【0176】
【表1】
ASTCT=米国移植細胞療法学会;BiPAP=バイレベル気道陽圧;CPAP=持続的気道陽圧;CRS=サイトカイン放出症候群;CTCAE=有害事象の共通用語基準。
【0177】
発熱は、他の原因に起因しない38℃以上の体温として定義される。次いで、CRSを有する対象において、解熱剤またはトシリズマブもしくはステロイドなどの抗サイトカイン療法を受けると、その後のCRS重症度をグレード分類するために発熱はもはや必要とされない。この場合、CRSのグレーディングは、低血圧症および/または低酸素症によって決定される。
【0178】
CRSグレードは、他の原因に起因しないより重篤な事象、低血圧または低酸素によって決定される。例えば、39.5℃の体温、1種の血管収縮薬を必要とする低血圧症、および低-流量の鼻カニューレを必要とする低酸素症を有する対象は、グレード3のCRSに分類される。
【0179】
低流量鼻カニューレは、6L/分以下で送達される酸素として定義される。また、小児科で使用されることもあるブロー-バイ酸素送達も低流量に含まれる。ハイ-フロー鼻カニューレは、6L/分を超えて送達される酸素として定義される。
【0180】
CRSは、IFNγ、IL-6、およびTNF-αレベルにおける著しい上昇を有する、多様なサイトカイン類における上昇と関連する。現れた証拠は、特に、中心的なメディエータとしてCRSとIL-6を関連付ける。IL-6は、様々な細胞型により産生される炎症誘発性多機能サイトカインであり、このサイトカインは、T細胞活性化を有する、多種多様な生理学的なプロセスにかかわるように示されている。誘発物質にかかわらず、CRSはIL-6の高いレベルと相関しており(Nagorsenら.Cytokine.25(1):31-5,2004;Leeら.Blood.124(2):188-95,2014);Doeseggerら.Clin.Transl.Immunology.4(7):e39,2015)、IL-6は、CRSの重症度と相関し、グレード4または5のCRSを経験した対象は、CRSを経験していない、または軽度のCRS(グレード0~3)を経験した対象に比べ、IL-6レベルが非常に高くなる(Chenら.J.Immunol.Methods.434:1-8,2016)。
【0181】
したがって、2段階分画用量漸増投与レジメン中に対象において観察されるCRSを管理するためにIL-6媒介性シグナル伝達を阻害する薬剤を使用してIL-6の炎症作用を遮断することは、CD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞増殖性障害)の処置においてT細胞機能に悪影響を及ぼすこと、またはモスネツズマブ療法の有効性もしくは臨床的利益を低下させることが予想されないステロイド処置の代替法と考えられる。
【0182】
対象が、CRS事象の症状を処置するためにIL-6Rアンタゴニストを投与してから24時間以内に解消しないか、または悪化するCRS事象を有する場合、方法は、CRS事象を管理するためにIL-6Rアンタゴニストの1または複数の追加の用量を対象に投与することをさらに含み得る。CRS事象がIL-6R拮抗薬の投与を通じて管理されない場合、対象は、メチルプレドニゾロンまたはデキサメタゾンなどのコルチコステロイドを投与され得る。
【0183】
2.他の有害事象およびグレーディング
本明細書中に記載される方法のいずれかは、さらなる非CRS有害事象について対象をモニタリングすることを含み得る。国立癌研究所有害事象共通用語規準第5版(NCI CTCAE v5.0)に従って判定された重症度を有する、身体所見および有害事象の発生率、性質および重症度。CRS以外に、モスネツズマブによる処置を受けている対象において報告される最も一般的な有害事象の1つは、好中球減少症(例えば、発熱性好中球減少症)である。
【0184】
好中球減少症は、白血球の1種である好中球血中濃度が異常に低いことを特徴とする。好中球減少症は、感染のリスク増加をもたらし得る。成人の好中球絶対数(ANC)の一般に認められている基準範囲は、1,500~8,000細胞/μL血液である。軽度の好中球減少症は、1,000~1,500細胞/μLのANCを特徴とし(グレード1~2);中等度の好中球減少症は、500~1,000細胞/μLのANC(グレード3)を特徴とし、重度の好中球減少症は、500細胞/μL未満のANC(グレード4)を特徴とする。発熱性好中球減少症(グレード3+好中球減少症)は、38.3℃を超得る単一温度測定または38℃を超える持続温度測定のいずれかに加えて、ANCが1,000細胞/μL未満であることを特徴とする。
【0185】
3.許容される安全性プロファイルを有する投与レジメン
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与し、ポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約15mg(例えば、15mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、15mg)または約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびにポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;(b)第2の投与サイクルが、単回用量のモスネツズマブ(C2D1)および単回用量のポラツズマブベドチン(C2D1)を含み、モスネツズマブのC2D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、方法を特徴とする。
【0186】
一態様では、本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、(a)第1の投与サイクルが、(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mg(例えば、5mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、5mg)であり、モスネツズマブのC1D2が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、モスネツズマブのC1D3が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)である、C1D1のポラツズマブベドチンを含み、(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)であり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kg(例えば、1.8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、または±1mg/kg;例えば、1.8mg/kg)であり;(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mg(例えば、45mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、45mg)である、方法を特徴とする。
【0187】
一態様では、本発明の方法は、モスネツズマブおよび/またはポラツズマブベドチン投与の有害作用を軽減するために1または複数の追加の治療薬を対象に投与することを特徴とする。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドによる前投薬は、モスネツズマブ(例えば、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの組み合わせを投与された対象において)で処置された対象におけるサイトカイン放出症候群(CRS)の割合を低下させる。
【0188】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はコルチコステロイドまたはIL-6Rアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬は、IL-6Rアンタゴニストである。いくつかの実施形態では、IL-6Rアンタゴニストはトシリズマブである。いくつかの実施形態では、トシリズマブは、約8mg/kg(例えば、8mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、±1mg/kg、±1.5mg/kg、または±2mg/kg;例えば、8mg/kg)の単回用量として対象に投与され、単回用量は800mgを超えない。いくつかの実施形態では、トシリズマブは、約12mg/kg(例えば、12mg/kg±0.01mg/kg、±0.025mg/kg、±0.05mg/kg、±0.075mg/kg、±0.1mg/kg、±0.2mg/kg、±0.3mg/kg、±0.4mg/kg、±0.5mg/kg、±0.75mg/kg、±1mg/kg、±1.5mg/kg、または±2mg/kg;例えば、12mg/kg)の単回用量として対象に投与され、単回用量は800mgを超えない。いくつかの実施形態では、トシリズマブは静脈内投与される。
【0189】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はコルチコステロイドである。いくつかの実施形態では、コルチコステロイドはデキサメタゾン、プレドニゾンまたはメチルプレドニゾロンである。
【0190】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドはデキサメタゾンである。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、6時間ごとに約10mg(例えば、10mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、10mg)の単回用量として投与される。一部の実施形態では、デキサメタゾンは静脈内投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは、任意の用量のモスネツズマブの投与前に約20mg(例えば、20mg±0.01mg、±0.025mg、±0.05mg、±0.075mg、±0.1mg、±0.2mg、±0.3mg、±0.4mg、±0.5mg、±0.75mg、±1mg、±1.5mg、±2mg、または±3mg;例えば、20mg)の単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは経口投与される。
【0191】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンである。いくつかの実施形態では、メチルプレドニゾロンは、約1000mg/日(例えば、1000mg/日±1mg/日、±2.5mg/日、±5mg/日、±7.5mg/日、±10mg/日、±20mg/日、±30mg/日、±40mg/日、±50mg/日、±75mg/日、±100mg/日、±150mg/日、±200mg/日、または±300mg/日;例えば、1000mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、メチルプレドニゾロンは、静脈内投与される。
【0192】
いくつかの実施形態では、コルチコステロイドはプレドニゾンである。いくつかの態様では、プレドニゾンは、約10~30mg/日(例えば、約10mg/日、約11mg/日、約12mg/日、約13mg/日、約14mg/日、約15mg/日、約16mg/日、約17mg/日、約18mg/日、約19mg/日、約20mg/日、約21mg/日、約22mg/日、約23mg/日、約24mg/日、約25mg/日、約26mg/日、約27mg/日、約28mg/日、約29mg/日、または約30mg/日;例えば、10mg/日、11mg/日、12mg/日、13mg/日、14mg/日、15mg/日、16mg/日、17mg/日、18mg/日、19mg/日、20mg/日、21mg/日、22mg/日、23mg/日、24mg/日、25mg/日、26mg/日、27mg/日、28mg/日、29mg/日、または30mg/日)の用量で投与される。いくつかの実施形態では、プレドニゾンは経口投与される。
【0193】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はアセトアミノフェンまたはパラセタモールである。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンまたはパラセタモールは、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約500~1000mg(例えば、約500mg、約550mg、約600mg、約650mg、約700mg、約750mg、約800mg、約850mg、約900mg、約950mg、または約1000mg;例えば、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、または1000mg)の単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンまたはパラセタモールは経口投与される。
【0194】
いくつかの実施形態では、1または複数の追加の治療薬はジフェンヒドラミンである。いくつかの実施形態では、ジフェンヒドラミンは、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に、約50~100mg(例えば、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、または約100mg;例えば、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、または100mg)の単回用量として投与される。いくつかの実施形態では、ジフェンヒドラミンは経口投与される。
【0195】
本明細書に記載の方法は、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの併用療法で処置されているCD20陽性細胞増殖性障害(例えば、B細胞障害、例えば、非ホジキンリンパ腫、例えば、アグレッシブNHL、例えば、R/RアグレッシブNHL)を有する対象に対して許容可能な安全性プロファイルをもたらし得る。特定の例では、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを含む併用療法は、皮下投与されるモスネツズマブおよび静脈内投与されるポラツズマブベドチンを含む。
【0196】
IV.治療薬
A.モスネツズマブ
本発明は、CD20およびCD3に結合する二重特異性抗体であって、CD20陽性細胞増殖性障害の処置に有用なモスネツズマブを提供する。いくつかの例では、CD20陽性細胞増殖性障害は、例えば、R/Rびまん性大細胞型DLBCL、R/R HGBL、R/R trFLおよびR/Rグレード3bFLを含む、再発性および/または難治性(R/R)非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、アグレッシブNHL(aNHL))である。
【0197】
いくつかの例では、モスネツズマブは、(a)GYTFTSYNMH(配列番号1)のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)AIYPGNGDTSYNQKFKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)VVYYSNSYWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)RASSSVSYMH(配列番号4)のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)APSNLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むHVR-L2;(f)QQWSFNPPT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つまたは6つの超可変領域(HVR)を含む第1の結合ドメインを有する抗CD20アームを含む。いくつかの例では、モスネツズマブは、それぞれ配列番号17~20の配列を含む重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3およびFR-H4の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)、ならびに/またはそれぞれ配列番号21~24の配列を含む軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3およびFR-L4の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4)を含む第1の結合ドメインを含む抗CD20アームを含む。いくつかの例では、モスネツズマブは、(a)配列番号7、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)ドメイン(b)配列番号8、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン;または(c)(a)のようなVHドメインおよび(b)のようなVLドメインを含む第1の結合ドメインを含む抗CD20アームを含む。したがって、いくつかの例では、第1の結合ドメインは、配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。
【0198】
いくつかの例では、モスネツズマブは、(a)NYYIH(配列番号9)のアミノ酸配列を含むHVR-H1(b)WIYPGDGNTKYNEKFKG(配列番号10)のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)DSYSNYYFDY(配列番号11)のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)KSSQSLLNSRTRKNYLA(配列番号12)のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)WASTRES(配列番号13)のアミノ酸配列を含むHVR-L2;および(f)TQSFILRT(配列番号14)のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1、2、3、4、5または6つのHVRを含む第2の結合ドメインを有する抗CD3アームを含む。いくつかの例では、モスネツズマブは、それぞれ配列番号25~28の配列を含む重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3およびFR-H4の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)、ならびに/またはそれぞれ配列番号29~32の配列を含む軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3およびFR-L4の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)を含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アームを含む。いくつかの例では、モスネツズマブは、(a)配列番号15、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含むVHドメイン、(b)配列番号16、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含むVLドメイン;または(c)(a)のようなVHドメインおよび(b)のようなVLドメイン含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アームを含む。したがって、いくつかの例では、第2の結合ドメインは、配列番号15のアミノ酸配列を含むVHドメインおよび配列番号16のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。
【0199】
いくつかの例では、モスネツズマブは、(1)GYTFTSYNMH(配列番号1)のアミノ酸配列を含むHVR-H1(b)AIYPGNGDTSYNQKFKG(配列番号2)のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)VVYYSNSYWYFDV(配列番号3)のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)RASSSVSYMH(配列番号4)のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)APSNLAS(配列番号5)のアミノ酸配列を含むHVR-L2;(f)QQWSFNPPT(配列番号6)のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1、2、3、4、5または6つのHVRを含む第1の結合ドメインを有する抗CD20アームと;(2)(a)NYYIH(配列番号9)のアミノ酸配列を含むHVR-H1(b)WIYPGDGNTKYNEKFKG(配列番号10)のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)DSYSNYYFDY(配列番号11)のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)KSSQSLLNSRTRKNYLA(配列番号12)のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)WASTRES(配列番号13)のアミノ酸配列を含むHVR-L2;(f)TQSFILRT(配列番号14)のアミノ酸配列を含むHVR-L3から選択される少なくとも1、2、3、4、5または6つのHVRを含む第2の結合ドメインを有する抗CD3アームとを含む。いくつかの例では、モスネツズマブは、(1)それぞれ配列番号17~20の配列を含む重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3およびFR-H4のうちの少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)、ならびに/またはそれぞれ配列番号21~24の配列を含む軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3およびFR-L4のうちの少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)を含む第1の結合ドメインを含む抗CD20アームと、(2)それぞれ配列番号25~28の配列を含む重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3およびFR-H4のうちの少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)、ならびに/またはそれぞれ配列番号29~32の配列を含む軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3およびFR-L4のうちの少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)を含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アームとを含む。一部の例では、モスネツズマブは、(1)(a)配列番号7、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含むVHドメイン;(b)配列番号8、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含むVLドメイン;または(c)(a)のようなVHドメインおよび(b)のようなVLドメインを含む第1の結合ドメインを含む抗CD20アームと、(2)(a)配列番号15、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含むVHドメインを;(b)配列番号16、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含むVLドメイン;または(c)(a)のようなVHドメインおよび(b)のようなVLドメインを含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アームとを含む。いくつかの例では、モスネツズマブは、(1)配列番号7のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号8のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む第1の結合ドメインを含む抗CD20アームと、(2)配列番号15のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号16のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アームとを含む。
【0200】
いくつかの例では、モスネツズマブは、国際医薬品一般名(INN)リスト117(WHO Drug Information,Vol.31,No.2,2017,p.303)、またはCAS登録番号1905409-39-3を有し、(1)それぞれ配列番号33および34の重鎖配列および軽鎖配列を含む抗CD20アームと、(2)それぞれ配列番号35および36の重鎖および軽鎖配列を含む抗CD3アームとを有する。いくつかの例では、モスネツズマブは、(1)(a)配列番号33、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む重鎖(b)配列番号34、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む軽鎖;(c)(a)のような重鎖および(b)のような軽鎖を含む第1の結合ドメインを含む抗CD20アームと、(2)(a)配列番号35、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む重鎖を含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アーム;(b)配列番号36、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む軽鎖;または(c)(a)のような重鎖および(b)のような軽鎖を含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アームとを含む。いくつかの例では、モスネツズマブは、(1)配列番号33のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号34のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む第1の結合ドメインを含む抗CD20アームと、(2)配列番号35のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号36のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む第2の結合ドメインを含む抗CD3アームとを含む。
【0201】
モスネツズマブのアミノ酸配列を以下の表2に要約する。
【表2】
【0202】
モスネツズマブは、例えば、米国特許第4,816,567号に記載されているように、組換え方法および組成物を使用して産生され得る。
【0203】
B.ポラツズマブベドチン
本発明は、CD20陽性細胞増殖性障害の処置に有用な抗CD79b抗体薬物複合体であるポラツズマブベドチンを提供する。いくつかの例では、CD20陽性細胞増殖性障害は、例えば、R/Rびまん性大細胞型DLBCL、R/R HGBL、R/R trFLおよびR/Rグレード3bFLを含む、再発性および/または難治性(R/R)非ホジキンリンパ腫(NHL)(例えば、アグレッシブNHL(aNHL))である。
【0204】
いくつかの例では、ポラツズマブベドチンの抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)は、(a)配列番号37のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)配列番号38のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)配列番号39のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)配列番号40のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)配列番号41のアミノ酸配列を含むHVR-L2;(f)配列番号42のアミノ酸配列を含むHVR-L3、から選択される少なくとも1、2、3、4、5、または6つの超可変領域(HVR)を含む抗CD79b結合ドメインを含む。いくつかの例において、抗CD79b抗体薬物コンジュゲートは、以下のHVRの6つ全てを含む抗CD79b結合ドメインを含む。(a)GYTFSSYWIE(配列番号37)のアミノ酸配列を含むHVR-H1;(b)GEILPGGGDTNYNEIFKG(配列番号38)のアミノ酸配列を含むHVR-H2;(c)TRRVPIRLDY(配列番号39)のアミノ酸配列を含むHVR-H3;(d)KASQSVDYEGDSFLN(配列番号40)のアミノ酸配列を含むHVR-L1;(e)AASNLES(配列番号41)のアミノ酸配列を含むHVR-L2;(f)QQSNEDPLT(配列番号42)のアミノ酸配列を含むHVR-L3。
【0205】
いくつかの例では、ポラツズマブベドチンの抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)は、それぞれ配列番号45~48の配列を含む重鎖フレームワーク領域FR-H1、FR-H2、FR-H3、およびFR-H4の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)、ならびに/またはそれぞれ配列番号49~52の配列を含む軽鎖フレームワーク領域FR-L1、FR-L2、FR-L3、およびFR-L4の少なくとも1つ(例えば、1、2、3、または4つ)を含む。いくつかの例では、抗CD79b抗体薬物複合体は、(a)配列番号43、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む重鎖可変(VH)、(b)配列番号44、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む軽鎖可変(VL)ドメイン;または(c)(a)のようなVHドメインおよび(b)のようなVLドメインを含む。したがって、いくつかの例では、ポラツズマブベドチンの抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)は、配列番号43のアミノ酸配列を含むVHドメイン、および配列番号44のアミノ酸配列を含むVLドメインを含む。
【0206】
いくつかの例では、ポラツズマブベドチンの抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)は、(a)配列番号53、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む重鎖;(b)配列番号54、またはその配列と少なくとも90%の配列同一性(例えば、少なくとも91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%または99%の配列同一性)を有するアミノ酸配列を含む軽鎖;または(c)(a)のような重鎖および(b)のような軽鎖を含む。したがって、いくつかの例では、ポラツズマブベドチンの抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)は、配列番号53のアミノ酸配列を含む重鎖、および配列番号54のアミノ酸配列を含む軽鎖を含む。
【0207】
ポラツズマブベドチン(すなわち、ポラツズマブ)の抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)の配列を以下の表3に要約する。
【0208】
【0209】
いくつかの例では、ポラツズマブベドチンの抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)をモノメチルアウリスタチンE(MMAE、すなわちベドチン)に連結する。いくつかの例では、International Nonproprietary Names for Pharmaceutical Substances(INN)List 110(WHO Drug Information,Vol.27,No.4,2016,p.443)によって定義されているように、ポラツズマブベドチン(免疫グロブリンG1-カッパアウリスタチンEコンジュゲート、抗[ホモサピエンスCD79b(免疫グロブリン関連CD79ベータ)]は、アウリスタチンEにコンジュゲートしたヒト化モノクローナル抗体;ガンマ1重鎖(1-447)[ヒト化VH(ホモサピエンスIGHV3-23*04(76.50%)-(IGHD)-IGHJ4*01)[8.8.10](1-117)-ホモサピエンスIGHG1*03(CH1R120>K(214)(118-215)、ヒンジ(216-230)、CH2(231-340)、CH3(341-445)、CHS(446-447))(118-447)]、カッパ軽鎖を有する(220-218’)-ジスルフィド(1’-218’)[ヒト化V-KAPPA(ホモサピエンスIGKV1-39*01(85.90%)-IGKJ1*01)[10.3.9](1’-111’)-ホモサピエンスIGKC*01(112’-218’)];二量体(226-226’:229-229’’)-ビスジスルフィド;開裂可能なマレイミドカプロイル-バリル-シトルリニル-p-アミノベンジルオキシカルボニル(mc-val-cit-PABC)型リンカーを介して、平均3~4つのシステイニルをモノメチルアウリスタチンE(MMAE)にコンジュゲートしたもの(RG-7596、またはRO5541077-000としても知られている)である。ポラツズマブベドチンは、IUPHAR/BPS番号8404、KEGG番号D10761、またはCAS#:1313206-42-6とも呼ばれる。ポラツズマブベドチンは、互換的に、「ポラツズマブベドチン-piiq」、「huMA79bv28-MC-vc-PAB-MMAE」、または「DCDS4501A」とも呼ばれる。
【0210】
いくつかの例では、ポラツズマブベドチンは、以下の式を含む:
【化1】
式中、Abは本明細書に記載のポラツズマブであり、pは1~8である。
【0211】
いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、本明細書に提供される実施形態のいずれかのようなVH、および本明細書に提供される実施形態のいずれかのようなVLを含む抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、それぞれ配列番号43および配列番号44のアミノ酸配列を有するVHおよびVL配列を含む抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)を含む。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、配列番号53のアミノ酸配列を有する重鎖、および配列番号54のアミノ酸配列を有する軽鎖を含む抗CD79b抗体(すなわち、ポラツズマブ)を含む。
【0212】
いくつかの態様では、ポラツズマブベドチンは、実質的に完全長の抗CD79b抗体、例えばIgG1抗体または本明細書の他の箇所に記載される他の抗体クラスもしくはアイソタイプを含む。ポラツズマブベドチンは、例えば、米国特許第4,816,567号に記載されているように、組換え方法および組成物を使用して産生され得る。いくつかの例では、ポラツズマブベドチンは、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第8,088,378号に記載されている。
【0213】
C.追加の治療薬
いくつかの例では、本明細書に記載の方法は、1または複数の追加の治療薬と組み合わせてモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを投与することを含む。
【0214】
いくつかの例では、1または複数の追加の治療薬は、サイトカイン放出症候群(CRS)の速度または重症度を低下させ得る。いくつかの例では、1または複数の追加の治療薬は、CRSに関連する症状を予防し得る。特定の例では、CRSの速度もしくは重症度を低下させるため、またはCRSに関連する症状を予防するために使用される追加の治療薬は、コルチコステロイド(例えば、デキサメタゾン(CAS番号:50-02-2)、プレドニゾン(CAS番号:53-03-2)、プレドニゾロン(CAS番号50-42-8)またはメチルプレドニゾロン(CAS#:83-43-2)またはIL-6Rアンタゴニスト(例えば、トシリズマブ(CAS番号:375823-41-9)、サリルマブ(CAS番号:1189541-98-7)、ボバリリズマブ(ALX-0061;CAS番号:1628814-88-9)、サトラリズマブ(SA-237;CAS番号:1535963-91-7)、およびそれらのバリアント)である。
【0215】
いくつかの例では、追加の治療薬はトシリズマブである。いくつかの例では、追加の治療薬はコルチコステロイドである。いくつかの例では、コルチコステロイドは、デキサメタゾンである。いくつかの例では、コルチコステロイドはプレドニゾンである。いくつかの例では、コルチコステロイドは、メチルプレドニゾロンである。
【0216】
いくつかの例では、1または複数の追加の治療薬は、アセトアミノフェンまたはパラセタモールである。アセトアミノフェンまたはパラセタモールは、CAS番号:103-90-2を有する。
【0217】
いくつかの例では、1または複数の追加の治療薬はジフェンヒドラミンである。ジフェンヒドラミンは、CAS番号:58-73-1を有する。
【0218】
V.医薬組成物および製剤
本明細書に記載のモスネツズマブおよび/またはポラツズマブベドチンは、医薬組成物および製剤に使用し得る。本明細書に記載のモスネツズマブ、ポラツズマブベドチン、および/または他の治療薬(例えば、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、アセトアミノフェン、パラセタモールおよびジフェンヒドラミン)の医薬組成物および製剤は、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で、所望の純度を有する1種、2種、または3種全ての薬剤を1または複数の任意の薬学的に許容され得る担体(Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版,Osol,A.編(1980))と混合することによって調製し得る。ポラツズマブベドチンはまた、標準的な製剤および/または製造慣行に従って製剤化され得る。デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、アセトアミノフェン、パラセタモール、およびジフェンヒドラミンもまた、標準的な製剤および/または製造慣行に従って製剤化され得る。薬学的に許容され得る担体は、一般に、用いられる投与量および濃度ではレシピエントに非毒性であり、それらとしては、リン酸、クエン酸、および他の有機酸等の緩衝剤;アスコルビン酸およびメチオニンを含む抗酸化物質;防腐剤(例えば、塩化オクタデシルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ヘキサメトニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム;フェノール、ブチル、もしくはベンジルアルコール;メチルもしくはプロピルパラベン等のアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;およびm-クレゾール);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、または免疫グロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギニン、もしくはリジン等のアミノ酸;単糖類、二糖類、およびグルコース、マンノース、もしくはデキストリンを含む他の炭水化物;EDTA等のキレート剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、もしくはソルビトール等の糖類;ナトリウム等の塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);ならびに/またはポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が挙げられるが、これらに限定されない。ここにおける例示的な薬学的に許容され得る担体は、可溶性の中性活性ヒアルロニダーゼ糖タンパク質(sHASEGP)、例えば、rHuPH20(HYLENEX(登録商標)、Baxter International,Inc.)などのヒト可溶性PH-20ヒアルロニダーゼ糖タンパク質などの介在性薬物分散剤をさらに含む。rHuPH20を含むいくつかの例示的なsHASEGPと使用方法は、米国特許出願公開第2005/0260186号および同第2006/0104968号に記載されている。一態様では、sHASEGPを、1または複数の追加のグリコサミノグリカナーゼ(例えば、コンドロイチナーゼ)と組み合わせる。
【0219】
例示的な凍結乾燥抗体製剤は、米国特許第6,267,958号に記載されている。水性抗体製剤としては、米国特許第6,171,586号および国際公開第2006/044908号に記載されるものが挙げられ、後者の製剤は酢酸ヒスチジン緩衝液を含む。
【0220】
本明細書の製剤はまた、処置される特定の適応症に必要に応じて2つ以上の活性成分を含んでもよく、好ましくは、互いに悪影響を及ぼさない相補的な活性を有するものを含んでもよい。例えば、追加の治療薬(例えば、コルチコステロイド、化学療法剤、細胞傷害剤、増殖阻害剤および/または抗ホルモン剤、例えば、本明細書中上記で列挙されるもの)をさらに提供することが望ましい場合がある。そのような有効成分は、意図される目的に有効な量で組み合わせて好適に存在する。
【0221】
活性成分は、例えばコアセルベーション技術によって、または界面重合によって調製されたマイクロカプセル、例えばそれぞれヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン-マイクロカプセルおよびポリ-(メチルメタクリレート)マイクロカプセルに、コロイド薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)またはマクロエマルジョンに封入され得る。そのような技術が、Remington’s Pharmaceutical Sciences第16版,Osol,A.Ed.(1980)に開示されている。
【0222】
徐放性調製物を調製してもよい。徐放性調製物の好適な例としては、抗体を含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリクスが含まれ、これらのマトリクスは、成形物品、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルの形態である。
【0223】
インビボ投与に使用される製剤は一般に、滅菌される。滅菌は、例えば滅菌濾過膜による濾過によって容易に達成され得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、モスネツズマブは、皮下投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、ポラツズマブベドチンは、静脈内投与のために製剤化される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは静脈内投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、デキサメタゾンは経口投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、メチルプレドニゾロンは、静脈内投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、プレドニゾンは、経口投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンまたはパラセタモールは、経口投与用に製剤化される。いくつかの実施形態では、ジフェンヒドラミンは、経口投与用に製剤化される。
【0225】
VI.キットおよび製品
本発明の別の態様では、障害の処置、予防および/または診断に有用な材料を含むキットまたは製品が提供される。キットまたは製造品は、容器と、容器上のまたは容器に関連するラベルまたは添付文書とを含む。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、シリンジ、IV溶液バッグなどが挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成されてもよい。容器は、単独で、または状態を処置、予防および/または診断するのに有効な別の組成物と組み合わせられた組成物を保持し、滅菌アクセスポートを有し得る(例えば、容器は、皮下注射針によって穿刺可能なストッパを有するバイアルであり得る)。組成物中の少なくとも1種の活性剤は、本明細書に記載のモスネツズマブまたはポラツズマブベドチンである。ラベルまたは添付文書は、組成物が再発性および/または難治性(R/R)濾胞性リンパ腫(FL)を処置するために使用されることを示し、本明細書に記載される投与レジメンの少なくとも1つに関連する情報をさらに含む。いくつかの実施形態では、ラベルまたは添付文書は、組成物が、少なくとも1つの先行する療法に対して再発性および/または難治性(R/R)であり、かつ自己幹細胞移植(ASCT)である対象、または少なくとも2つの先行する療法に対してR/Rである対象におけるCD20陽性細胞増殖性障害を処置するために使用されることを示す。さらに、キットまたは製造品は、(a)その中に含まれる組成物を有する第1の容器であって、組成物がモスネツズマブ、ポラトツズマブ・ベドチン、またはモスネツズマブとポラトツズマブ・ベドチンの両方からなる容器;および(b)その中に含まれる組成物を有する第2の容器であって、組成物が追加の治療薬からなる容器を含んでいてもよい。追加の治療薬の例としては、デキサメタゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、アセトアミノフェン、パラセタモールおよびジフェンヒドラミンが挙げられる。あるいは、または追加的に、キットまたは製造品は、静菌性注射用水(BWFI)、リン酸緩衝生理食塩水、リンゲル液およびデキストロース溶液などの薬学的に許容され得る緩衝液を含む第2の(または第3の)容器をさらに含んでいてもよい。本製造品は、他の緩衝液、希釈剤、フィルタ、針およびシリンジを含む、商業的およびユーザーの観点から望ましい他の材料を更に備えてもよい。
【実施例】
【0226】
実施例
以下は、本発明の方法および組成物の実施例である。上記の一般的な説明を前提として、他の様々な実施態様を実施できることが理解される。
【0227】
実施例1.再発性および/または難治性のアグレッシブB細胞非-ホジキンリンパ腫を有する対象における、ゲムシタビン+オキサリプラチン(R-GemOx)と組み合わせたリツキシマブと比較した、ポラツズマブベドチンと組み合わせたモスネツズマブの有効性および安全性を評価するランダム化非盲検多施設第III相試験
C.試験設計
これは、ASCTの候補ではないR/R DLBCL、trFLまたはFLグレード3bを有する対象における第III相非盲検多施設無作為化対照試験である。約222人の適格対象を2:1の比で無作為化して、モスネツズマブ(M)+ポラツズマブベドチン(P)(A群)またはR-GemOx(リツキシマブ、ゲムシタビン、オキサリプラチン)(B群)のいずれかを投与する。この試験は、少なくとも1回の先行する全身療法を受けており、ASCTの候補ではない、DLBCL、trFLおよびFLグレード3bを含むR/R高悪性度非ホジキンリンパ腫(aNHL)を有する対象におけるR-GemOxと比較したモスネツズマブの有効性および安全性を評価する。試験スキーマを
図1に示す。
【0228】
ランダム化
この試験の対象は、以下の2つの因子について無作為化時に層別化される。
・アグレッシブリンパ腫に対する全身療法の先行ライン数(1対≧2)
・最後の全身療法後の結果(再発性対難治性)
【0229】
本試験における再発性疾患は、最後の処置の完了の≧6ヶ月後に再発した疾患として定義される。
【0230】
難治性疾患は、治療中に進行したか、または最後の処置の6ヶ月(<6ヶ月)以内に進行した疾患として定義される。
【0231】
A処置群(モスネツズマブ+ポラツズマブベドチン)
A処置群は、皮下投与(SC)されるモスネツズマブおよび静脈内投与(IV)されるポラツズマブベドチンからなる(
図2A参照)。処置の1サイクルは21日間(例えば、21日間の投与サイクル)である。モスネツズマブは、第1サイクル、1日目(第1サイクル用量1;すなわち、C1D1)に5mgSC;第1サイクル(第1サイクル用量2;すなわち、C1D2)、第8日;第1サイクル、15日目(第1サイクル用量3;すなわち、C1D3);および第2サイクル~第8サイクル、1日目(第2サイクル~第8サイクル用量1;すなわち、C2D1~C8D1)に45mgが投与される。ポラツズマブベドチンは、第1サイクル~第6サイクル(C1D1~C6D1)の1日目に1.8mg/kgでIV投与される。顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)の予防的(先制的)または治療的使用が許容される。1以下の末梢神経障害グレード、1000/mm
3以上のANC、および75,000/mm
3以上の血小板数≧など、対象の臨床評価および臨床検査値が許容可能であれば、投与が行われる。各薬物投与の詳細は、以下の試験処置の項に記載されている。
【0232】
B処置群(リツキシマブ、ゲムシタビン、オキサリプラチン)
B処置群は、R-GemOxからなる(
図2B参照)。処置の1サイクルは14日間(例えば、14日間の投与サイクル)である。リツキシマブ375mg/m
2が1日目にIV投与される。ゲムシタビン1000mg/m
2が1日目にIV投与される。オキサリプラチン100mg/m
2が1日目にIV投与される。G-CSFの予防的(予防的)または治療的使用は、処置する医師の裁量で許可される。1000/mm
3以上のANC、および75,000/mm
3以上の血小板数など、対象の臨床評価および臨床検査値が許容可能であれば、投与が行われる。これらの必要な血液学的パラメータが最後の処置後2週間以内に満たされない場合、処置は遅延される。GCSFの予防的(予防的)使用にもかかわらずこのような遅延が生じる場合、その後の処置のために14日間ではなく、処置サイクルを21日間(例えば、21日間の投与サイクル)ごとに変更することが許容される。処置は最大8サイクルにわたって投与される。各薬物投与の詳細は、以下の試験処置セクションに記載されている。いくつかの例では、対象の基準集団は、B群に割り当てられる対象および/またはB群の処置を受ける対象を含む。
【0233】
試験中の評価
全対象を、有害事象、臨床検査結果およびバイタルサインについて、試験全体を通して、および試験処置の最終用量後少なくとも90日間モニタリングする。有害事象は、米国移植細胞療法学会(ASTCT)CRS等級基準CRS(Leeら.Biol Blood Marrow Transplantation.25(4):625-638,2019)に従って決定されるサイトカイン放出症候群(CRS)重症度を除いて、国立癌研究所有害事象共通用語規準(NCI CTCAE)バージョン5.0に従ってグレーディングされる。陽電子放射断層撮影法(PET)/コンピュータ断層撮影法で評価されるように、2014 ルガーノLugano応答基準(Cheson BD,ら.J Clin Oncol 2014;32:1-9)に従って応答評価を行う。試験処置に応答した薬物動態(PK)プロファイルおよび免疫応答を特徴付けるために、投与前後の様々な時点で血液サンプルを採取する。
【0234】
組み入れ基準
本試験の対象は以下の組み入れ基準を示す:
・インフォームドコンセント用紙に署名した時点で≧18歳である対象
・米国東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)のパフォーマンスステータスが0、1または2である対象
・平均余命が少なくとも12週の対象
・2016年世界保健機関分類のリンパ系新生物による以下の診断から、局所血液病理検査室によって判定されたCD20陽性アグレッシブリンパ腫(例えば、アグレッシブ非ホジキンリンパ腫[aNHL])を有する対象:
-びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、特に指定なし(NOS)
-高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL;NOSまたはダブル/トリプルヒット)
-形質転換濾胞性リンパ腫(trFL):-疾患は、trFLに対する標準的な治療に対してR/Rでなければならない
-グレード3bの濾胞性リンパ腫(FL)
・NHLに対して少なくとも1回の先行する全身療法を受けたことがある対象
・再発したかまたは先行するレジメンに対して難治性になった対象は、以下の基準を満たさなければならない:
-レジメンの完了から≧6ヶ月の奏効(CRまたはPR)の履歴が記録された後、先行するレジメンに対して再発
-先行する治療に対して応答がないこと、または処置の最後の用量の完了から6ヶ月以内に進行することとして定義される、任意の先行するレジメンに対して難治性。
・1つの先行する治療ラインのみを受けた対象は、ASCTに不適格でなければならない。
・測定可能な疾患を有する対象であって、その最長寸法が>1.5cmとして定義される少なくとも1つの二次元的に測定可能な結節性病変、またはその最長寸法が>1.0cmとして定義される少なくとも1つの二次元的に測定可能な余分な結節性病変として定義される対象。
・試験に参加する前に最初の組織病理診断および最新の組織病理診断のための病理報告を有する対象
-trFLを有する対象はまた、疾患形質転換時に完了した病理報告を有していなければならない
・代表的な腫瘍標本および対応する病理報告が、診断の確認ならびにバイオマーカー分析のために利用可能である対象
-切除、切開、鉗子、または少なくとも1つのコアニードル腫瘍生検の処置前サンプルを必要とする。細胞診または細針吸引サンプルは許容されない。
-新鮮な生検が好ましい。しかし、生検手技を受け得ない対象は、パラフィンブロックとしての直近の全身処置後に得られた腫瘍組織の保管試料または染色されていない少なくとも10枚のスライド(好ましくは15枚)を治験依頼者に送付し得る場合、試験登録に適格であり得る。
-腫瘍サンプルの受領または診断の中央レビューは、研究登録前に行う必要はない。
・以下の検査値によって定義される肝機能、血液機能および腎機能が十分である対象:
-肝機能:ASTおよびALT≦2.5×正常値の上限(ULN);総ビリルビン≦1.5×ULN;ジルベール症候群の病歴が記録されており、総ビリルビン上昇が間接ビリルビン上昇を伴う対象を適格とする。
-血液学的機能:試験処置の初回投与前14日以内に輸血をせずに血小板数≧75,000/mm3;ANC≧1000/mm3;試験処置の最初の投与前14日以内に輸血をせずに総ヘモグロビン≧9g/dL。
-リンパ腫および/または疾患-関連血球減少症(例えば、免疫性血小板減少症)の広範な骨髄関与を有する対象は、以下が満たされる場合に登録され得る:試験治療の14日間以内に輸血をせずに血小板数≧50,000/mm3;ANC≧500/mm3;試験処置の最初の投与前7日以内に、輸血をしていないが、ヘモグロビンがある。
-腎機能:Cockroft-Gault法(Gault MH,Longerich LL,Harnett JD,ら,Nephron1992,62:249を参照されたい)または他の施設標準法によるクレアチニンクリアランス(CrCl)の推定値≧40mL/分。
・妊娠可能な女性の場合:禁欲(異性との性交を控えること)または避妊に同意し、卵子の提供を控えることに同意する対象。
・男性の場合:禁欲(異性との性交を控えること)またはコンドームを使用することに同意し、精子の提供を控えることに同意する対象。
【0235】
除外基準
本試験の対象は、以下の除外基準を示さない:
・試験中またはモスネツズマブの最終投与後3ヶ月以内、ポラツズマブベドチンの最終投与後9ヶ月以内、リツキシマブの最終投与後12ヶ月以内、ゲムシタビンの最終投与後6ヶ月以内、オキサリプラチンの最終投与後9ヶ月以内、およびトシリズマブの最終投与後3ヶ月以内に妊娠している、母乳を与えている、または妊娠することを意図している対象。妊娠可能な女性は、試験治療の開始前7日以内に血清妊娠検査結果が陰性でなければならない。
・モスネツズマブもしくは他のCD20-指向性二重特異性抗体による先行する処置、ポラツズマブベドチンによる先行する処置、および/またはR-GemOxもしくはGemOxによる先行する処置を受けたことがある対象
・試験処置の任意の成分に対して禁忌を示す対象
・現時点でグレード>1の末梢神経障害を有する対象
・試験処置の最初の投与前4週間以内にモノクローナル抗体、放射性免疫複合体またはADCによる抗リンパ腫処置を受けたことがある対象
・試験処置の最初の投与前に、任意の化学療法剤による処置、または任意の他の抗癌剤による処置(治験中またはそれ以外)を、薬物の4週間以内または5半減期以内のいずれか短い方で受けた対象
・試験処置の最初の投与前2週間以内に放射線療法による処置を受けた対象
-最初の試験処置の投与前4週間以内に放射線療法を受けた対象は、放射線照射野の外側に少なくとも1つの測定可能な病変を有していなければならない。
-以前に放射線照射されたがその後進行した測定可能な病変を1つのみ有する対象を適格とする
・最初の試験処置投与前100日以内にASCTを有する対象
・最初の試験処置投与前30日以内にCAR T療法による先行する処置を受けた対象
・以前に同種異系SCTを受けたことがある対象
・固形臓器移植を受けたことがある対象
・HLHの既知の病歴または疑われる病歴を有する対象
・確認された進行性多巣性白質脳症の病歴を有する対象
・モノクローナル抗体療法(または組換え抗体関連融合タンパク質)に対する重度のアレルギー反応またはアナフィラキシー反応の病歴を有する対象
・本試験で調査中の癌、および転移または死亡のリスクが無視できる程度である悪性腫瘍(例えば、5年OS率が>90%超)、例えば適切に処置した子宮頸部の上皮内癌、非黒色腫皮膚癌、限局性前立腺癌、上皮内乳管癌、またはステージIの子宮癌を除いて、スクリーニング前≧2年以内に治癒目的で処置された悪性腫瘍の病歴を有する対象
-転移性疾患の証拠がなく、抗アンドロゲン療法を除いて積極的療法を受けていない前立腺癌を有する対象は、試験参加を許可され得る
-治癒的に処置された皮膚の基底細胞癌もしくは扁平上皮癌または子宮頸部の上皮内癌の病歴を有する対象は許容される
-最初の試験処置投与前に≧2年間処置なしで寛解状態にあった悪性腫瘍を有する対象は許容される
・リンパ腫のCNS関与の過去の病歴を現在有するかまたは有していた対象
・脳卒中、てんかん、CNS血管炎または神経変性疾患などの、過去1年間に症候性であったか、または処置を必要としたCNS疾患の病歴を有する対象
・ニューヨーク心臓病学会クラスIIIもしくはIVの心疾患、過去6ヶ月以内の心筋梗塞、不安定性不整脈、または不安定狭心症などの有意な心血管疾患を有する対象
・有意な活動性肺疾患(例えば、気管支痙攣および/または閉塞性肺疾患)を有する対象
・試験登録時に既知の活性細菌、ウイルス、真菌、マイコバクテリア、寄生虫、もしくは他の感染症(爪床の真菌感染症を除く)、または最初の試験処置投与前2週間以内にIV抗生物質による処置または入院(一連の抗生物質の完了に関連する)を必要とする感染症の任意の主要なエピソードを有する対象
・既知の慢性活動性エプスタイン・バーウイルス(EBV)感染、またはその感染を疑われる対象
・最初の試験処置投与の4週間以内に大きな手術を受けた対象。治験実施計画書に規定された手順(例えば、腫瘍生検および骨髄生検)は許可されている。
・慢性B型肝炎感染の検査結果が陽性である対象(B型肝炎表面抗原[HBsAg]血清学陽性として定義される)。潜在性または以前のB型肝炎感染(陽性の全B型肝炎コア抗体および陰性HBsAgとして定義される)を有する対象は、スクリーニング時にB型肝炎ウイルス(HBV)DNAが検出不能である場合に含まれ得る。これらの対象は、処置前および処置全体を通して予防的抗ウイルス薬(例えば、エンテカビル)について検討されるべきであり、毎月のDNA検査を進んで受ける必要がある。
・急性または慢性のC型肝炎ウイルス(HCV)感染を有する対象。HCV抗体が陽性である対象は、試験参加に適格であるためには、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によってHCVについて陰性でなければならない
・HIV感染症の病歴を有する対象
・試験処置投与の最初の投与前4週間以内に生弱毒化ワクチンを投与されたことがあるか、またはそのような生弱毒化ワクチンが試験中に必要であることが予想される対象。対象は、試験処置を受けている間およびB細胞が正常範囲に回復するまでの最後の投与後に、生弱毒化ワクチン(例えば、FluMist(登録商標))を受けてはならない。死菌ワクチンまたはトキソイドは、十分な免疫の発達を可能にするために、試験処置の最初の投与の少なくとも4週間前に投与されるべきである。
・重症筋無力症、筋炎、自己免疫性肝炎、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、炎症性腸疾患、抗リン脂質症候群に関連する血管血栓症、ウェゲナー肉芽腫症、シェーグレン症候群、ギラン-バレー症候群、多発性硬化症、血管炎、または糸球体腎炎など(これらに限定されない)の自己免疫疾患の病歴を有する対象
-安定した用量の甲状腺補充ホルモンで自己免疫関連甲状腺機能低下症の病歴を有する対象は適格であり得る。
-インスリンレジメンを受け、管理されている1型糖尿病を有する対象は試験に適格である
・試験処置の最初の投与の2週間以内にコルチコステロイド処置≦10mg/日プレドニゾンまたは同等物を除いて全身免疫抑制薬(限定されないが、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキサート、サリドマイドおよび抗TNF剤を含む)を受けたことがある対象
-急性低用量全身免疫抑制薬(例えば、悪心またはB症状のためのデキサメタゾンの単回用量)を投与された対象は試験に登録され得る。
-吸入コルチコステロイドの使用は許容される
-起立性低血圧の管理のためのミネラルコルチコイドの使用は許容される
-副腎機能不全の管理のための生理学的用量のコルチコステロイドの使用は許容される
・試験処置の開始前7日以内に、リンパ腫処置を意図しているか否かにかかわらず、試験処置を受けた対象
・ウイルス性もしくは他の肝炎、または肝硬変を含む、肝疾患の臨床的に重要な病歴を有する対象
・対象の安全な参加および試験の完了を妨げるような、臨床検査試験における重篤な医学的状態または異常を有する対象、またはプロトコルの遵守もしくは結果の解釈に影響を及ぼし得る対象
【0236】
試験処置および併用療法
この試験のための治験薬(IMP)は、モスネツズマブ、ポラツズマブベドチン、リツキシマブ、ゲムシタビン、オキサリプラチン、およびトシリズマブである。2種のIMPが投与される日に、A群における投与の順序は、ポラツズマブベドチン、続いて、モスネツズマブでなければならず、ポラツズマブベドチン注入の終了とモスネツズマブ注射との間の間隔は、少なくとも60分でなければならない。B群では、ゲムシタビンはオキサリプラチンの前に投与されるべきである。リツキシマブの投与は、ゲムシタビンの前またはオキサリプラチンの後のいずれかであり得る。
【0237】
A.ポラツズマブベドチン
ポラツズマブベドチンの用量は1.8mg/kgである。ポラツズマブベドチンは、第1サイクル~第6サイクルの1日目(C1D1~C6D1)に静脈内(IV)投与される。所与の処置サイクルの1日目の前の96時間以内の対象の体重が、第1サイクルの1日目に得られた体重から10%超えて増加または減少する場合、最新の体重を使用して用量を計算する。用量調整をもたらした重量は、将来の用量調整のための新しい基準重量とみなされる。その後の全ての用量はそれに応じて変更される。
【0238】
注射用滅菌水で再構成し、等張塩化ナトリウム溶液(0.9%NaCl)を含むIVバッグに希釈した後、ポラツズマブベドチンを、ラインフィルタ内に0.2μMまたは0.22μMを設定した専用標準投与セットを用いて、対象特異的用量によって決定された最終ポラツズマブベドチン濃度でIV注入によって投与する。
【0239】
初期用量は、十分に水分補給された対象に90(±10)分かけて投与される。前投薬(例えば、500~1000mgの経口アセトアミノフェンまたはパラセタモールおよび50±100mgのジフェンヒドラミン(施設内標準的慣行による))は、ポラツズマブベドチンの投与前に個々の対象に投与され得る。コルチコステロイドの投与は、処置する医師の裁量で許可される。注入関連反応(IRR)が、前投薬の非存在下での最初の注入で観察される場合、前投薬は、その後の投与前に投与されなければならない。
【0240】
ポラツズマブベドチン注入は、注入関連症状を経験している対象に対して原則または中断される。最初の投与後、対象を発熱、寒気、悪寒、低血圧、悪心または他の注入関連症状について90分間観察する。事前の注入が十分に忍容されている場合、その後の用量のポラツズマブベドチンを30(±10)分かけて投与し、続いて注入後30分間の観察期間を設ける。ポラツズマブベドチンの注入の終了およびモスネツズマブ注射の開始の間の時間間隔は、少なくとも60分である。
【0241】
モスネツズマブ
モスネツズマブは、第1サイクルのステップアップ投薬レジメンで皮下(SC)投与される。体重とは無関係に、同じ投薬量をモスネツズマブに使用する。第1サイクルでは、対象は、1日目(5mg;第1サイクル用量1(C1D1))、8日目(45mg;第1サイクル用量2(C1D2))、および15日目(45mg;第1サイクル用量3(C1D3))にモスネツズマブが投与される。第2サイクル~第8サイクルでは、対象は1日目にモスネツズマブが投与される(45mg;第2サイクル用量1~第8サイクル用量1(C2D1~C8D1))。
【0242】
モスネツズマブは、2.0mLを超えない最終容量で標準的な医療用シリンジによって送達される。
【0243】
モスネツズマブは、十分に水分補給された対象に投与される。デキサメタゾン20mgによるコルチコステロイド前投薬は、各モスネツズマブ用量の投与前に投与される。コルチコステロイド前投薬の投与は、第2サイクル以降は治験責任医師の裁量で任意としてもよい。しかし、対象がモスネツズマブの先行する投与でCRSを経験する場合、さらなるCRS事象が観察されなくなるまで、ステロイドによる前投薬をその後の投与のために投与しなければならない。さらに、経口アセトアミノフェンまたはパラセタモール(例えば、500~1000mg)および/または50~100mgのジフェンヒドラミンによる前投薬を、モスネツズマブの投与前に標準的な施設の慣例に従って投与し得る。
【0244】
モスネツズマブは30秒~2分間にわたって投与される。シリンジサイズおよび好ましい注射部位などのさらなる詳細については、治験薬管理手順書(pharmacy manual)を参照されたい。第1サイクルおよび第2サイクルの間、ならびに最後のモスネツズマブの後にCRSが発生した場合にはその後のサイクルの間も、対象を、発熱、悪寒、悪寒、低血圧、吐き気、またはCRSの他の徴候および症状について、モスネツズマブの投与後少なくとも30分間観察する。バイタルサインは、注射前(30分以内)、次いで、モスネツズマブ投与の30(±15)分後に記録する。第3サイクル以降では、モスネツズマブの最後の投与後にCRSが存在しない場合、モスネツズマブ注射後の観察時間は少なくとも15分である。バイタルサインは、モスネツズマブ注射前(注射前30分以内)、次いで観察期間中に注射後少なくとも一回評価する。
【0245】
トシリズマブ
トシリズマブは、トシリズマブが示されるCRS事象を経験する対象にのみ静脈内(IV)投与される。30kg以上の体重の対象は、100mLの注入バッグまたは注入ボトルで8mg/kgのトシリズマブを投与され、30kg超の体重の対象は、50mLの注入バッグまたは注入ボトルで12mg/kgのトシリズマブを投与される。1回の注入あたり800mgを超える用量は推奨されない。注入は、60分間にわたってIV投与される。必要に応じて8時間ごとに処置を繰り返す(最大4回)。
【0246】
リツキシマブ
リツキシマブは、各14日間サイクル(第1サイクル~第8サイクル)の1日目に静脈内(IV)注入によって375mg/m2の用量で投与される。リツキシマブ注入が完了したら、対象は、他の注入の開始前に30分間観察されることになる。対象が注入関連反応(IRR)のリスクが高い場合(高い腫瘍負荷または高い末梢リンパ球数)、リツキシマブの注入は2日間にわたって分割され得る。リツキシマブ注入中に有害事象を経験する対象については、必要に応じて、R-GemOxの投与を翌日に継続してもよい。リツキシマブは、ゲムシタビンの前またはオキサリプラチンの後に同じ日に投与し得る。
【0247】
ゲムシタビン
ゲムシタビンは、各14日間サイクルの1日目に1000mg/m2で静脈内(IV)投与される(第1サイクル~第8サイクル)。ゲムシタビンは、同じ日にオキサリプラチンの前に投与される。
【0248】
オキサリプラチン
オキサリプラチンは、各14日間サイクル(第1サイクル~第8サイクル)の1日目に100mg/m2で静脈内(IV)投与される。オキサリプラチンは、同日にゲムシタビンの後に投与される。
【0249】
許容される併用療法
一般に、治験責任医師は、支持療法の使用によって対象のケア(既存の状態を含む)を管理し得る。注入関連症状を経験する対象は、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ジフェンヒドラミン、および/またはH2受容体アンタゴニスト(例えば、ファモチジン、シメチジン)、または同等の薬剤で症状を処置し得る。ウイルス感染症、真菌感染症、細菌感染症またはニューモシスチス感染症のための造血成長因子または抗感染症の予防的使用が許容される。抗ヒスタミン薬、解熱薬、および/または鎮痛薬による前投薬も可能である。
【0250】
慎重な併用療法
予想されるモスネツズマブの薬効薬理を考慮すると、サイトカイン(第1サイクル、1日目の投与の最初の24時間以内に最も分解された)の一過性放出によりCYP450酵素が抑制され、薬物-薬物相互作用が引き起こされ得る。薬物-薬物相互作用のリスクが最も高い可能性がある対象は、CYP450基質であり、狭い治療指数を有する併用薬を投与されている対象である。
【0251】
インビトロデータにより、非コンジュゲートMMAEが主にCYP3A4によって、およびより少ない程度ではCYP2D6によって代謝されることが示唆されている。検証された生理学に基づくPKモデルシミュレーション(Chenら.2015)に基づいて、強力なCYP3A4阻害剤は、非結合MMAEの曝露量(例えば、AUC)を約50%増加させ得るが、抗体結合モノメチルアウリスタチンE(acMMAE;例えば、ポラツズマブベドチン)のPKは影響を受けない。強力なCYP3A4阻害剤である併用薬は、副作用を引き起こす可能性があるので、注意すべきである。
【0252】
肝臓におけるシトクロムP450酵素は、IL-6などのサイトカインを含む感染および炎症性刺激によってダウンレギュレートされる。トシリズマブで処置された関節リウマチを有する対象におけるIL-6シグナル伝達の阻害は、トシリズマブで処置されていない対象よりも高いレベルまでCYP450活性を回復させ、CYP450基質である薬物の代謝の増加をもたらし得る。インビトロ試験により、トシリズマブが、CYP1A2、CY2B6、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6およびCYP3A4などの複数のCYP酵素の発現に影響を及ぼす可能性を有することが示された。CYP2C8またはトランスポーターに対するトシリズマブの効果は未知である。オメプラゾール(CYP2C19およびCYP3A4によって代謝される)およびシンバスタチン(CYP3A4によって代謝される)を用いたインビボ研究により、それぞれ、トシリズマブの単回用量投与後1週間で曝露量の最大28%および57%の減少が示された。CYP450酵素活性に対するトシリズマブの効果は、治療停止後数週間持続し得る。
【0253】
禁止される併用療法
リンパ腫の処置を目的とした薬草療法は禁止される。
・癌の処置を目的とした併用療法(限定されないが、化学療法、ホルモン療法、免疫療法、放射線療法、および薬草療法を含む)は、健康当局が承認したか実験的なものかにかかわらず、薬剤に応じて試験処置を開始する前の様々な期間、および試験処置中、疾患の進行が実証され、対象が試験処置を中止するまで禁止される。
CNS予防のための髄腔内化学療法は許容される。
非転移性ホルモン受容体陽性乳癌のための補助内分泌療法、および非転移性前立腺癌のための抗アンドロゲン療法は許容される。
・リンパ腫の処置を意図しているか否かにかかわらず、試験処置の開始前7日以内および試験処置中は、試験処置は禁止される。
・全身免疫抑制療法は禁止される(プロトコル(コルチコステロイドおよびトシリズマブが含まれる)に従って示される薬物を除く)。
・生ウイルスワクチンは、試験処置の開始前の少なくとも4週間または試験処置中は常に禁止される。
【0254】
有効性評価
対象は、Lugano Criteria 2014(Cheson BD,らJ Clin Oncol2014;32:1-9)に従って、スクリーニング時、処置開始後最初の6ヶ月間は8週間ごと、および放射線学的疾患進行、試験中止または最長2年のうちいずれか早い方まで、3ヶ月ごとに腫瘍評価を受ける。全ての測定可能および/または評価可能な病変は、スクリーニング時に評価および記録される。
【0255】
放射線評価
フルオロデオキシグルコース(FDG)PET-CTスキャンは、診断的品質のCTスキャンと併せて、スクリーニング、暫定応答評価および治療-終了時に必要である。処置終了後、CTスキャン(好ましくは)またはFDG PET-CTスキャンを実施する。臨床検査に基づく疾患進行の診断は、可能な限り早く(30日以内)かつ非プロトコル指定の抗癌療法の開始前に、画像処理(例えば、CTスキャン、FDG PET-CTスキャン)によってX線写真で確認されるか、または生検によって組織病理学的に確認される。
【0256】
全ての測定可能および/または評価可能な疾患は、スクリーニング時に記録され、その後の各腫瘍評価時に再評価される。応答は、理学的検査、CTスキャン、FDGPET-CTスキャンに基づいて治験責任医師およびIRFによって評価される。
【0257】
骨髄評価
対象は、骨髄関与を評価するためにスクリーニングPET/CTスキャンを使用し得る。臨床的に必要とされない限り、骨髄検査は必要とされない(Cheson BD,ら.J Clin Oncol2014;32:1-9)。
【0258】
応答評価
客観的応答は、Lugano Response Criteria(Cheson BD,ら.J Clin Oncol2014;32:1-9)に従って指定された時点で決定される。
【0259】
エンドポイント(例えば、ORR、CRR、PFS、DOR、完全奏効期間[DOCR])は、プログラムで算出される。
【0260】
安全性評価
有害事象
有害事象は、試験処置に関連すると考えられるかどうかにかかわらず、試験処置の使用に一時的に関連する患者または臨床試験対象におけるあらゆる不都合な医学的事象である。
【0261】
以下の事象は、有害事象の定義を満たす:
・異常な臨床検査結果(血液学、臨床化学または尿検査)または他の安全性評価(例えば、ECG、放射線スキャン、バイタルサイン測定)、例えばベースラインから悪化するもの、または治験責任医師の医学的および科学的判断において臨床的に重要であると考えられるもの(すなわち、基礎疾患の進行に関連しない)
・状態の頻度および/または強度の増加を含む、慢性または断続的な既往症の悪化
・試験開始前に存在していた可能性があるが、試験処置投与後に検出または診断された新しい状態
・薬物-薬物相互作用が疑われる徴候、症状または臨床後遺症
・試験処置または併用薬のいずれかの過剰摂取が疑われる徴候、症状または臨床後遺症
過剰摂取自体は、自殺または-自傷行為の可能性のある意図的な過剰摂取でない限り、有害事象または重篤な有害事象として報告されない。そのような過剰投与は、後遺症にかかわらず報告されている。
・「有効性の欠如」または「予想される薬理学的作用の不足」自体は、有害事象または重篤な有害事象として報告されていない。そのような例は、有効性評価で把握されている。しかしながら、有効性の欠如に起因する徴候、症状および/または臨床的続発症は、有害事象または重篤な有害事象の定義を満たす場合、有害事象または重篤な有害事象として報告される。
【0262】
治験責任医師は、NCI CTCAE(v5.0)グレーディングスケールの使用により、試験中に報告された各有害事象の重症度を評価する。
【0263】
重篤な有害事象
重篤な有害事象は、任意の用量で:死をもたらし;生命を脅かし;患者の入院または現在の入院の延長を必要とし;結果として、持続的な障害または無能力をもたらし;先天異常または出生時欠損となり;重篤な有害事象と見なされる他の有害事象、例えば、侵襲性もしくは悪性の癌、アレルギー性気管支痙攣、血液障害もしくは痙攣、または薬物依存もしくは薬物乱用の発生のための緊急治療室または在宅での集中治療などの、あらゆる不都合な医学的事象として定義される。
【0264】
「重症」および「重篤」という用語は、同義語ではない。重症度は、有害事象の強度(例えば、軽度、中等度、もしくは重度と評価されるか、または国立癌研究所有害事象共通用語規準[NCI CTCAE](v5.0)に従って評価される)を指し、事象自体は、比較的医学的に重要でない可能性がある(さらなる所見のない重度の頭痛など)。重症度および重篤度は、eCRFに記録された有害事象ごとに個別に評価する必要がある。
【0265】
特に注目すべき有害事象
この試験にとって特に興味深い有害事象(AESI)としては、ビリルビン上昇または臨床的黄疸のいずれかと組み合わせたALTまたはAST上昇を含む潜在的な薬物誘発性肝損傷の症例、および試験処置による感染因子の感染が疑われる症例が挙げられる。さらに、モスネツズマブまたはポラツズマブベドチンに特異的なAESIは以下の通りである。
モスネツズマブ:
・グレード≧2のCRS
・グレード≧2の神経学的有害事象
・グレード≧2の注射部位反応
・HLHまたはマクロファージ活性化症候群が疑われる
・グレード≧3のTLS
・グレード≧3の発熱性好中球減少症
・グレード≧2のAST、ALT、または総ビリルビン上昇
・あらゆるグレードの播種性血管内凝固症候群(定義による最小グレード2)
・グレード≧2の腫瘍フレア(例えば、臨床的または放射線学的評価による既知のリンパ節またはリンパ節外病変のサイズの増加に関連する徴候/症状の発現、既存の胸水の新たな発症または悪化)
・あらゆるグレードの肺臓炎/間質性肺疾患(感染性病因の肺炎を除く)
ポラツズマブベドチン:
・あらゆるグレードのTLS(定義による最低等級3)
・第2の悪性腫瘍
【0266】
薬物動態
血清/血漿サンプルを、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの血清/血漿濃度の測定のために収集する。サンプルを使用して、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの薬物動態を評価する。モスネツズマブおよびポラツズマブベドチン濃度の分析のために収集されたサンプルはまた、試験中または試験後に生じる懸念に関連する安全性または有効性の側面を評価するために使用され得る。また、これらのデータは、用量に対するPK曝露の関係を理解し、組み合わせ設定における用量/曝露-応答関係の特徴付けを支持するために使用される。さらに、これらのデータは、モスネツズマブとポラツズマブベドチンとの間の潜在的なPK相互作用を調査し、特徴付けるために使用される。
【0267】
臨床転帰評定
R-GemOxと比較した、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの処置利益を評価するために、対象が報告した転帰(PRO)装置を完成させる。さらに、PRO装置は、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを用いた各対象の直接的な経験的な収集を可能にする。
【0268】
対象が報告する転帰データは、以下の機器を使用して収集される:the European Organization for Research and Treatment of Cancer Quality of Life-Core 30 Questionnaire(EORTC QLQ-C30;AaronsonらJ.Natl Cancer Inst.1993,85(5):365-376;Fitzsimmonsら,Eur.J.Cancer.1999,35(6):939-941;Functional Assessment of Cancer Therapy-Lymphoma subscale(FACT Lym LymSを参照されたい;Hlubockyら,Leuk Lymphoma.2013,54(9):1942-1946);Functional Assessment of Cancer Therapy-Gynecologic Oncology Group-Neurotoxicity(FACT/GOG-Ntx;Huangら,Int.J.Gynecol.Cancer.2007,17(2):387-393);およびEuroQol 5-Dimension,5-Level Questionnaire(EQ-5D-5Lを参照されたい;EuroQol GroupHealth Policy.1990,16(3):199-208;BrooksHealth Policy1996,37(1):53-72;Herdmanら.Qual.Life.Res.2011,20(10):1727-1736;Janssenら.Qual.Life.Res.2013,22(7):1717-1727を参照されたい)。
【0269】
追加のサンプル
追加のサンプルを、同意した対象から得ることが可能である。追加のサンプルタイプとしては、組織サンプル(例えば、体液、固体組織、およびそれらに由来するもの)、血液サンプル、腫瘍生検が挙げられる。サンプルは、探索的バイオマーカー研究に使用され得る。サンプルは、生体分子抽出(例えば、DNA、RNAおよび/またはタンパク質抽出)に使用され得る。
【0270】
実施形態
本明細書に記載の技術のいくつかの実施形態は、以下の番号付き実施形態のいずれかに従って定義し得る。
1.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、方法。
2.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するのに使用するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンであって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチン。
3.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
4.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためにポラツズマブベドチンと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるモスネツズマブの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
5.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためにモスネツズマブと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるポラツズマブベドチンの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが対象に静脈内に投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
6.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するための医薬の製造におけるモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
7.C1D2が約45mgである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
8.C1D2が約15mgである、実施形態1~6のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
9.第1の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、実施形態1~8のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
10.モスネツズマブのC1D1、C1D2およびC1D3が、それぞれ第1の投与サイクルの第1日目、8日目、および15日目、または約1日目、約8日目、および約15日目に投与されるか、または投与されることになる、実施形態9に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
11.ポラツズマブベドチンのC1D1が、第1の投与サイクルの1日目に投与されるか、または投与されることになる、実施形態9または10に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
12.第2の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、実施形態1~11のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
13.モスネツズマブのC2D1が、第2の投与サイクルの1日目に投与されるか、または投与されることになる、実施形態12に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
14.ポラツズマブベドチンのC2D1が、第2の投与サイクルの1日目に投与されるか、または投与されることになる、実施形態12または13に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
15.方法が1または複数の追加の投与サイクルをさらに含む、実施形態1~14のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
16.方法が4~6回の追加の投与サイクルを含む、実施形態15に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
17.方法が6回の追加の投与サイクルを含む、実施形態16に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
18.各追加の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、実施形態16または17に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
19.追加の投与サイクルの1回または複数回が、追加の単回用量のモスネツズマブおよび追加の単回用量のポラツズマブベドチンを含む、実施形態16~18のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
20.ポラツズマブベドチンの追加の単回用量が約1.8mg/kgである、実施形態19に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
21.各追加の単回用量のポラツズマブベドチンが、各追加の用量のポラツズマブベドチンを含む各追加の投与サイクルの1日目に対象に投与されるか、または投与されることになる、実施形態19または20に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
22.追加の投与サイクルの1回または複数回が追加の単回用量のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まない、実施形態16~21のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
23.追加のモスネツズマブの単回用量が約45mgである、実施形態19~22のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
24.各追加の単回用量のモスネツズマブが、追加の用量のモスネツズマブを含む各追加投与サイクルの1日目に対象に投与されるか、または投与されることになる、実施形態19~23のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
25.投与レジメンが、6回の追加の投与サイクルを含み、6回の追加の投与サイクルの各々が、単回用量のモスネツズマブを含み、6回の追加の投与サイクルのうち、ポラツズマブベドチンの投与が4回以下である、実施形態15~24のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
26.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1-C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgである、方法。
27.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するのに使用するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンであって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
28.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
29.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためにポラツズマブベドチンと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるモスネツズマブの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
30.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を治療するためにモスネツズマブと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
31.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するための医薬の製造におけるモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
32.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1-C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgである、方法。
33.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するのに使用するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンであって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
34.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
35.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためにポラツズマブベドチンと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるモスネツズマブの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
36.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するためにモスネツズマブと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでモスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
37.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象を処置するための医薬の製造におけるモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
38.各投与サイクルが21日間の投与サイクルである、実施形態26~37のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
39.モスネツズマブのC1D1、C1D2およびC1D3が、それぞれ第1の投与サイクルの第1日目、8日目、および15日目、または約1日目、約8日目、および約15日目に投与される、実施形態38に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
40.モスネツズマブのC2D1~C8D1の各単回用量が、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される、実施形態26~39のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
41.ポラツズマブベドチンのC1D1~C6D1の各単回用量が、それぞれの投与サイクルの1日目に投与される、実施形態26~40のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
42.ポラツズマブベドチンのC1D1が、モスネツズマブのC1D1の投与前に投与されるか、または投与されることになり、ポラツズマブベドチンのC2D1が、モスネツズマブのC2D1の投与前に投与されるか、または投与されることになる、実施形態1~41のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
43.ポラツズマブベドチンの各単回用量C3D1~C6D1が、それぞれ、モスネツズマブの各単回用量C3D1~C6D1の投与前に投与されるか、または投与されることになる、実施形態26~42のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
44.ポラツズマブベドチンが、モスネツズマブの投与の少なくとも約60分前に投与されるか、または投与されることになる、実施形態42または43に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
45.1または複数の追加の治療薬を対象に投与することをさらに含む、実施形態1、7~26、32および38~44のいずれか1つに記載の方法。
46.1または複数の追加の治療薬と組み合わせて使用するためのものである、実施形態2~25、27~31、および33~44のいずれか1つに記載の使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン。
47.1または複数の追加の治療薬がコルチコステロイドまたはIL-6Rアンタゴニストである、実施形態45または46に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
48.IL-6Rアンタゴニストがトシリズマブである、実施形態47に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
49.トシリズマブが約8mg/kgの単回用量として対象に投与されるか、投与されることになり、単回用量が800mgを超えない、実施形態48に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
50.トシリズマブが約12mg/kgの単回用量として対象に投与されるか、投与されることになり、単回用量が800mgを超えない、実施形態48に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
51.トシリズマブが静脈内投与されるか、または静脈内投与されることになる、実施形態48~50のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
52.1または複数の追加の治療薬がコルチコステロイドである、実施形態47に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
53.コルチコステロイドが、デキサメタゾン、プレドニゾン、またはメチルプレドニゾロンである、実施形態52に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
54.コルチコステロイドがデキサメタゾンである、実施形態53に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
55.デキサメタゾンが、6時間ごとに約10mgの単回用量として投与されるか、または投与されることになる、実施形態54に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
56.デキサメタゾンが静脈内投与されるか、または静脈内投与されることになる、実施形態54または55に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
57.デキサメタゾンが、任意の用量のモスネツズマブの投与前に約20mgの単回用量として投与されるか、または投与されることになる、実施形態54に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
58.デキサメタゾンが経口投与されるか、または経口投与されることになる、実施形態54または57に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
59.コルチコステロイドがメチルプレドニゾロンである、実施形態53に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
60.メチルプレドニゾロンが約1000mg/日の用量で投与されるか、または投与されることになる、実施形態59に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
61.メチルプレドニゾロンが静脈内投与されるか、または静脈内投与されることになる、実施形態59または60に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
62.コルチコステロイドがプレドニゾンである、実施形態53に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
63.プレドニゾンが約10~30mg/日の用量で投与されるか、または投与されることになる、実施形態62に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
64.プレドニゾンが経口投与される、実施形態62または63に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
65.1または複数の追加の治療薬がアセトアミノフェンまたはパラセタモールである、実施形態45または46に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
66.アセトアミノフェンまたはパラセタモールが、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約500~1000mgの単回用量として投与されるか、または投与されることになる、実施形態65に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
67.アセトアミノフェンまたはパラセタモールが経口投与される、または経口投与されることになる、実施形態65または66に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
68.1または複数の追加の治療薬がジフェンヒドラミンである、実施形態45または46に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
69.ジフェンヒドラミンが、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約50~100mgの単回用量として投与されるか、または投与されることになる、実施形態68に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
70.ジフェンヒドラミンが経口投与されるか、または経口投与されることになる、実施形態68または69に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
71.CD20陽性細胞増殖性障害がB細胞増殖性障害である、実施形態1~70のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
72.B細胞増殖性障害が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である、実施形態71に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
73.NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である、実施形態72に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
74.NHLが再発性および/または難治性(R/R)NHLである、実施形態72に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
75.NHLがDLBCLである、実施形態73に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
76.DLBCLがR/R DLBCLである、実施形態75に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
77.DLBCLがリヒター形質転換である、実施形態75に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
78.NHLがFLである、実施形態73に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
79.FLがR/R FLである、実施形態78に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
80.FLが形質転換FLである、実施形態78に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
81.NHLがHGBLである、実施形態73に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
82.HGBLがR/R HGBLである、実施形態81に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
83.NHLがアグレッシブNHLである、実施形態72または74に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
84.アグレッシブNHLが、DLBCL、形質転換FL、またはグレード3bのFLである、実施形態83に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
85.対象が自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、実施形態1~84のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
86.対象が、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、実施形態1~85のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
87.対象がヒトである、実施形態1~86のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
88.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
89.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するのに使用するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンであって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
90.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドチンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
91.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するために、ポラツズマブベドチンと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるモスネツズマブの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
92.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するためにモスネツズマブと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるポラツズマブベドチンの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
93.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するための医薬の製造におけるモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与され、ポラツズマブベドチンが集団の対象に静脈内投与され、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
94.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置する方法であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブを集団の対象に皮下投与することおよびポラツズマブベドチンを集団の対象に静脈内投与することを含み、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンのC1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1-C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルがそれぞれ、それぞれ単回用量、C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgである、方法。
95.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するのに使用するためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンであって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
96.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するためモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
97.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するためにポラツズマブベドチンと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるモスネツズマブの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
98.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するためにモスネツズマブと組み合わせて使用するための医薬の製造におけるポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
99.CD20陽性細胞増殖性障害を有する対象集団を処置するための医薬の製造におけるモスネツズマブおよびポラツズマブベドチンの使用であって、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで、モスネツズマブが集団の対象に皮下投与されることになり、ポラツズマブベドジンが集団の対象に静脈内投与されることになり、
(a)第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC1D1が約5mgであり、モスネツズマブのC1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブのC1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブのC2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンのC2D1が約1.8mg/kgである、使用。
100.対象集団の無増悪生存期間の平均期間が、基準対象集団の無増悪生存期間の基準平均期間よりも長い、実施形態88~99のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
101.対象集団における完全奏効率が、基準対象集団における基準完全奏効率よりも高い、実施形態88~99のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
102.対象集団における客観的奏効率が、基準対象集団における基準客観的奏効率よりも高い、実施形態88~99のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
103.対象集団の平均奏効期間が、基準対象集団の基準平均奏効期間よりも長い、実施形態88~99のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
104.対象集団の完全奏効の平均期間が、基準対象集団の完全奏効の基準平均期間よりも長い、実施形態88~99のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
105.対象の基準集団が、リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンを含む併用療法を投与されるか、または投与されることになる、実施形態100~104のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
106.併用療法が、8回の投与サイクルを含む投与サイクルで、対象の基準集団に投与されるか、または投与されることになる、実施形態105に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
107.各投与サイクルが14日間の投与サイクルである、実施形態106に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
108.併用療法が、約2週間ごとに(Q2W)対象の基準集団に投与されるか、または投与されることになる、実施形態105~107のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
109.リツキシマブが約375mg/m2 Q2Wの用量で2週間ごとに静脈内投与され、ゲムシタビンが約1000mg/m2 Q2Wの用量で2週間ごとに静脈内投与され、オキサリプラチンが約100mg/m2 Q2Wの用量で2週間ごとに静脈内投与される、実施形態105~108のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
110.基準対象集団中の各対象がCD20陽性細胞増殖性障害を有する、実施形態100~109のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
111.CD20陽性細胞増殖性障害がB細胞増殖性障害である、実施形態88~110のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
112.B細胞増殖性障害が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である、実施形態111に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
113.NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である、実施形態112に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
114.NHLが再発性および/または難治性(R/R)NHLである、実施形態112に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
115.NHLがDLBCLである、実施形態113に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
116.DLBCLがR/R DLBCLである、実施形態115に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
117.DLBCLがリヒター形質転換である、実施形態115に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
118.NHLがFLである、実施形態113に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
119.FLがR/R FLである、実施形態118に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
120.FLが形質転換FLである、実施形態118に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
121.NHLがHGBLである、実施形態113に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
122.HGBLがR/R HGBLである、実施形態121に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
123.NHLがアグレッシブNHLである、実施形態112または113に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
124.アグレッシブNHLが、DLBCL、形質転換FL、またはグレード3bのFLである、実施形態123に記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
125.対象集団中の各対象が、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、実施形態88~124のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
126.対象集団における各対象が、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、実施形態88~124のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
127.対象集団中の各対象がヒトである、実施形態88~124のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
128.基準対象集団中の各対象が、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、実施形態100~124のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
129.基準対象集団中の各対象が、2またはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2またはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である実施形態100~124のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
130.基準対象集団中の各対象がヒトである、実施形態100~124のいずれか1つに記載の方法、使用のためのモスネツズマブおよびポラツズマブベドチン、または使用。
【0271】
他の実施形態
上述の発明は、理解を明確にする目的のために説明および実施例によってある程度詳細に記載されているが、これらの記載および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本明細書に引用される全ての特許および科学文献の開示は、その全体が参考として明示的に組み込まれる。
【配列表】
【手続補正書】
【提出日】2023-05-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置する
ための、モスネツズマブを含む医薬であって、
モスネツズマブが、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンで
の、ポラツズマブベドチン
と組合せた前記対象への投与
のために製剤化されており、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgであ
り、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項2】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置するための、ポラツズマブベドチンを含む医薬であって、ポラツズマブベドチンが、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンでの、モスネツズマブと組合せた前記対象への投与のために製剤化されており、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項3】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置するための、モスネツズマブ及びポラツズマブベドチンを含む医薬であって、モスネツズマブ及びポラツズマブベドチンが、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンでの前記対象への投与のために製剤化されており、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項4】
前記C1D2が約45mgである、請求項1
~3のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項5】
前記C1D2が約15mgである、請求項1
~3のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項6】
前記第1の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項1~
3のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項7】
モスネツズマブの前記C1D1、C1D2、およびC1D3が、それぞれ前記第1の投与サイクルの1日目、8日目、および15日目、または約1日目、約8日目、および約15日目に投与される、請求項
6に記載の
医薬。
【請求項8】
前記投与レジメンが、ポラツズマブベドチンの前記C1D1
を前記第1の投与サイクルの1日目に
前記対象に投与することを含む、請求項
6に記載の
医薬。
【請求項9】
前記第2の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項1~
3のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項10】
前記投与レジメンが、前記第2の投与サイクルの1日目に
前記第2の投与サイクルの前記C1D2を前記対象に投与することを含む、請求項
9に記載の
医薬。
【請求項11】
前記投与レジメンが、前記第2の投与サイクルの1日目に
ポラツズマブベドチンの前記C2D1を前記対象に投与することを含む、請求項
9に記載の
医薬。
【請求項12】
前記投与レジメンが、1または複数の追加の投与サイクルをさらに含む、請求項1~
3のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項13】
前記投与レジメンが、4~6回の追加の投与サイクルを含む、請求項
12に記載の
医薬。
【請求項14】
前記投与レジメンが、6回の追加の投与サイクルを含む、請求項
13に記載の
医薬。
【請求項15】
各追加の投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項
13に記載の
医薬。
【請求項16】
前記追加の投与サイクルのうちの1回または複数回が、追加の単回用量のモスネツズマブおよび追加の単回用量のポラツズマブベドチンを含む、請求項
13に記載の
医薬。
【請求項17】
ポラツズマブベドチンの前記追加の単回用量が約1.8mg/kgである、請求項
16に記載の
医薬。
【請求項18】
前記投与レジメンが、各追加の単回用量のポラツズマブベドチン
を、追加の用量のポラツズマブベドチンを含む各追加の投与サイクルの1日目に前記対象に投与
することを含む、請求項
16に記載の
医薬。
【請求項19】
前記追加の投与サイクルのうちの1回または複数回が、追加の単回用量のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まない、請求項
13に記載の
医薬。
【請求項20】
モスネツズマブの前記追加の単回用量が約45mgである、請求項
16に記載の
医薬。
【請求項21】
前記投与レジメンが、各追加の単回用量のモスネツズマブ
を、追加の用量のモスネツズマブを含む各追加の投与サイクルの1日目に前記対象に投与
することを含む、請求項
16に記載の
医薬。
【請求項22】
前記投与レジメンが、6回の追加の投与サイクルを含み、前記6回の追加の投与サイクルの各々が、単回用量のモスネツズマブを含み、前記6回の追加の投与サイクルのうち4回以下が、ポラツズマブベドチンの投与を含む、請求項
12に記載の
医薬。
【請求項23】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置する
ための、モスネツズマブを含む医薬であって、
モスネツズマブが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンで
の、ポラツズマブベドチンと組合せた前記対象への投与
のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが
各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量C7D1およびC8D1が約45mgであ
り、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項24】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置するための、ポラツズマブベドチンを含む医薬であって、ポラツズマブベドチンが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの、モスネツズマブと組合せた前記対象への投与のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量C7D1およびC8D1が約45mgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項25】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置するための、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを含む医薬であって、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの前記対象への投与のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項26】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置するための、モスネツズマブを含む医薬であって、モスネツズマブが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの、ポラツズマブベドチンと組合せた前記対象への投与のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量C7D1およびC8D1が約45mgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項27】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置するための、ポラツズマブベドチンを含む医薬であって、ポラツズマブベドチンが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの、モスネツズマブと組合せた前記対象への投与のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量C7D1およびC8D1が約45mgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチン静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項28】
B細胞増殖性障害を有する対象を処置するための、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを含む医薬であって、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの前記対象への投与のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項29】
各投与サイクルが21日間の投与サイクルである、請求項
23~28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項30】
前記投与レジメンが、モスネツズマブの前記C1D1、C1D2、およびC1D3を、それぞれ前記第1の投与サイクルの1日目、8日目、および15日目、または約1日目、約8日目、および約15日目に前記対象へ投
与することを含む、請求項
29に記載の
医薬。
【請求項31】
前記投与レジメンが、モスネツズマブの前記C2D1~C8D1の各単回用量を、それぞれの投与サイクルの1日目に投与
することを含む、請求項
23~
28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項32】
前記投与レジメンが、ポラツズマブベドチンの前記C1D1~C6D1の各単回用量を、それぞれの投与サイクルの1日目に
前記対象に投与することを含む、請求項
23~
28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項33】
前記投与レジメンが、ポラツズマブベドチンの前記C1D1を、モスネツズマブの前記C1D1の投与前に
前記対象に投与することを含み、前記投与レジメンが、ポラツズマブベドチンの前記C2D1を、モスネツズマブの前記C2D1の投与前に
前記対象に投与することを含む、請求項1~
3及び23~28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項34】
前記投与レジメンが、ポラツズマブベドチンの各単回用量C3D1~C6D1を、それぞれ、モスネツズマブの各単回用量C3D1~C6D1の投与前に
前記対象に投与することを含む、請求項
23~
28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項35】
前記投与レジメンが、ポラツズマブベドチンを、モスネツズマブの投与の少なくとも約60分前に
前記対象に投与することを含む、請求項
33に記載の
医薬。
【請求項36】
前記投与レジメンが、1または複数の追加の治療薬を前記対象に投与することをさらに含む、請求項1~3及び23~28のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項37】
前記1または複数の追加の治療薬が、コルチコステロイドまたはIL-6Rアンタゴニストである、請求項
36に記載の
医薬。
【請求項38】
前記IL-6Rアンタゴニストがトシリズマブである、請求項
37に記載の
医薬。
【請求項39】
前記投与レジメンが、トシリズマブを約8mg/kgの単回用量として前記対象
に投与することを含み、前記単回用量が800mgを超えない、請求項
38に記載の
医薬。
【請求項40】
前記投与レジメンが、トシリズマブを約12mg/kgの単回用量として前記対象
に投与することを含み、前記単回用量が800mgを超えない、請求項
38に記載の
医薬。
【請求項41】
トシリズマブが静脈内投与のために製剤化されている、請求項
38に記載の
医薬。
【請求項42】
前記1または複数の追加の治療薬がコルチコステロイドである、請求項
36に記載の
医薬。
【請求項43】
前記コルチコステロイドが、デキサメタゾン、プレドニゾン、またはメチルプレドニゾロンである、請求項
42に記載の
医薬。
【請求項44】
前記コルチコステロイドがデキサメタゾンである、請求項
43に記載の
医薬。
【請求項45】
前記投与レジメンが、デキサメタゾンを約10mgの単回用量として6時間ごとに前記対象に投与することを含む、請求項
44に記載の
医薬。
【請求項46】
デキサメタゾンが静脈内投与
のために製剤化されている、請求項
44に記載の
医薬。
【請求項47】
前記投与レジメンが、デキサメタゾン
を、任意の用量のモスネツズマブの投与前に約20mgの単回用量として投与
することを含む、請求項
46に記載の
医薬。
【請求項48】
デキサメタゾンが経口投与
のために製剤化されている、請求項
44に記載の
医薬。
【請求項49】
前記コルチコステロイドがメチルプレドニゾロンである、請求項
43に記載の
医薬。
【請求項50】
前記投与レジメンが、メチルプレドニゾロンを約1000mg/日の用量で
前記対象に投与することを含む、請求項
49に記載の
医薬。
【請求項51】
メチルプレドニゾロンが静脈内投与
のために製剤化されている、請求項
49に記載の
医薬。
【請求項52】
前記コルチコステロイドがプレドニゾンである、請求項
43に記載の
医薬。
【請求項53】
前記投与レジメンが、プレドニゾンを約10~30mg/日の用量で
前記対象に投与することを含む、請求項
52に記載の
医薬。
【請求項54】
プレドニゾンが経口投与
のために製剤化されている、請求項
52に記載の
医薬。
【請求項55】
前記1または複数の追加の治療薬が、アセトアミノフェンまたはパラセタモールである、請求項
36に記載の
医薬。
【請求項56】
前記投与レジメンが、アセトアミノフェンまたはパラセタモール
を、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約500~1000mgの単回用量として
前記患者に投与することを含む、請求項
55に記載の
医薬。
【請求項57】
アセトアミノフェンまたはパラセタモールが経口投与
のために製剤化されている、請求項
55に記載の
医薬。
【請求項58】
前記1または複数の追加の治療薬がジフェンヒドラミンである、請求項
36に記載の
医薬。
【請求項59】
前記投与レジメンが、ジフェンヒドラミンを、任意の用量のポラツズマブベドチンの投与前に約50~100mgの単回用量として
前記対象に投与することを含む、請求項
58に記載の
医薬。
【請求項60】
ジフェンヒドラミンが経口投与
のために製剤化されている、請求項
58に記載の
医薬。
【請求項61】
前記B細胞増殖性障害が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である、請求項
1~3及び23~28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項62】
前記NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である、請求項
61に記載の
医薬。
【請求項63】
前記NHLが、再発性および/または難治性(R/R)NHLである、請求項
61に記載の
医薬。
【請求項64】
前記NHLがDLBCLである、請求項
61に記載の
医薬。
【請求項65】
前記DLBCLがR/R DLBCLである、請求項
64に記載の
医薬。
【請求項66】
前記DLBCLがリヒター形質転換である、請求項
64に記載の
医薬。
【請求項67】
前記NHLがFLである、請求項
62に記載の
医薬。
【請求項68】
前記FLがR/R FLである、請求項
67に記載の
医薬。
【請求項69】
前記FLが形質転換FLである、請求項
67に記載の
医薬。
【請求項70】
前記NHLがHGBLである、請求項
62に記載の
医薬。
【請求項71】
前記HGBLがR/R HGBLである、請求項
70に記載の
医薬。
【請求項72】
前記NHLがアグレッシブNHLである、請求項
61に記載の
医薬。
【請求項73】
前記アグレッシブNHLが、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFLである、請求項
72に記載の
医薬。
【請求項74】
前記対象が自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、請求項1
~3及び23~28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項75】
前記対象が、2
もしくはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2
もしくはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、請求項1
~3及び23~28のいずれか一項に記載の医薬。
【請求項76】
前記対象がヒトである、請求項1
~3及び23~28のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項77】
B細胞増殖性障害を有する対象の集団を処置する
ための、モスネツズマブを含む医薬であって、
モスネツズマブが、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンでの
、ポラツズマブベドチン
と組合せた前記集団の
各対象への投与のために製剤化されており、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgであ
り、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項78】
B細胞増殖性障害を有する対象の集団を処置するための、ポラツズマブベドチンを含む医薬であって、ポラツズマブベドチンが、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンでの、モスネツズマブと組合せた前記集団の各対象への投与のために製剤化されており、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項79】
B細胞増殖性障害を有する対象の集団を処置するための、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを含む医薬であって、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンが、少なくとも第1の投与サイクルおよび第2の投与サイクルを含む投与レジメンでの、前記集団の各対象への投与のために製剤化されており、
(a)前記第1の投与サイクルが、第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、第3の用量(C1D3)のモスネツズマブ、および第1の用量(C1D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約15mgまたは約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgであり;
(b)前記第2の投与サイクルが、単回用量(C2D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの前記C2D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの前記C2D1が約1.8mg/kgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項80】
B細胞増殖性障害を有する対象の集団を処置する
ための、モスネツズマブを含む医薬であって、
モスネツズマブが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの
、ポラツズマブベドチン
と組合せた前記集団の各対象
への投与の
ために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量C7D1およびC8D1が約45mgであ
り、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項81】
B細胞増殖性障害を有する対象の集団を処置するための、ポラツズマブベドチンを含む医薬であって、ポラツズマブベドチンが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの、モスネツズマブと組合せた前記集団の各対象への投与のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が、約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量C7D1およびC8D1が約45mgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項82】
B細胞増殖性障害を有する対象の集団を処置するための、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンを含む医薬であって、モスネツズマブおよびポラツズマブベドチンが、8回の投与サイクルを含む投与レジメンでの、前記集団の各対象への投与のために製剤化されており、
(a)第1の投与サイクルが、
(i)第1の用量(C1D1)のモスネツズマブ、第2の用量(C1D2)のモスネツズマブ、および第3の用量(C1D3)のモスネツズマブであって、モスネツズマブの前記C1D1が約5mgであり、モスネツズマブの前記C1D2が約45mgであり、モスネツズマブの前記C1D3が約45mgである、C1D1のモスネツズマブ、C1D2のモスネツズマブ、およびC1D3のモスネツズマブ、ならびに、
(ii)単回用量(C1D1)のポラツズマブベドチンであって、ポラツズマブベドチンの前記C1D1が約1.8mg/kgである、C1D1のポラツズマブベドチンを含み;
(b)第2~第6の投与サイクルが、それぞれ単回用量(C2D1~C6D1)のモスネツズマブおよび単回用量(C2D1~C6D1)のポラツズマブベドチンを含み、モスネツズマブの各単回用量C2D1~C6D1が約45mgであり、ポラツズマブベドチンの各単回用量C2D1~C6D1が約1.8mg/kgであり;
(c)第7および第8の投与サイクルが各々、それぞれ単回用量C7D1およびC8D1のモスネツズマブを含み、ポラツズマブベドチンの投与を含まず、各単回用量のC7D1およびC8D1が約45mgであり、
モスネツズマブが皮下投与のために製剤化されており、ポラツズマブベドチンが静脈内投与のために製剤化されている、医薬。
【請求項83】
対象の前記集団の無増悪生存期間の平均期間が、
対象の基準集団の無増悪生存期間の基準平均期間よりも長い、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項84】
対象の前記集団における完全奏効率が、
対象の基準集団における基準完全奏効率よりも高い、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項85】
対象の前記集団における客観的奏効率が、
対象の基準集団における基準客観的奏効率よりも高い、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項86】
対象の前記集団の平均奏効期間が、
対象の基準集団の基準平均奏効期間よりも長い、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項87】
対象の前記集団の完全奏効の平均期間が、
対象の基準集団の完全奏効の基準平均期間よりも長い、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項88】
対象の前記基準集団に、リツキシマブ、ゲムシタビンおよびオキサリプラチンを含む併用療法が投与される、請求項
83に記載の
医薬。
【請求項89】
前記併用療法が、最大8回の投与サイクルでの
対象の前記基準集団への投与
のために製剤化されている、請求項
88に記載の
医薬。
【請求項90】
各投与サイクルが14日間の投与サイクルである、請求項
89に記載の
医薬。
【請求項91】
前記併用療法が、約2週間ごと(Q2W)に
対象の前記基準集団に投与される、請求項
88に記載の
医薬。
【請求項92】
リツキシマブが約375mg/m
2 Q2Wの用量での静脈内投与
のために製剤化されており、ゲムシタビンが約1000mg/m
2 Q2Wの用量での静脈内投与
のために製剤化されており、オキサリプラチンが約100mg/m
2 Q2Wの用量での静脈内投与
のために製剤化されている、請求項
88に記載の
医薬。
【請求項93】
対象の前記基準集団中の各対象がB細胞増殖性障害を有する、請求項
83に記載の
医薬。
【請求項94】
前記B細胞増殖性障害が、非ホジキンリンパ腫(NHL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、または中枢神経系リンパ腫(CNSL)である、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項95】
前記NHLが、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)、濾胞性リンパ腫(FL)、高悪性度B細胞リンパ腫(HGBL)、マントル細胞リンパ腫(MCL)、高悪性度B細胞リンパ腫、縦隔原発(胸腺)大細胞型B細胞リンパ腫(PMLBCL)、びまん性B細胞リンパ腫、小リンパ球性リンパ腫、辺縁帯リンパ腫(MZL)、バーキットリンパ腫、またはリンパ形質細胞性リンパ腫である、請求項
94に記載の
医薬
【請求項96】
前記NHLが、再発性および/または難治性(R/R)NHLである、請求項
94に記載の
医薬。
【請求項97】
前記NHLがDLBCLである、請求項
96に記載の
医薬。
【請求項98】
前記DLBCLがR/R DLBCLである、請求項
97に記載の
医薬。
【請求項99】
前記DLBCLがリヒター形質転換である、請求項
97に記載の
医薬。
【請求項100】
前記NHLがFLである、請求項
95に記載の
医薬。
【請求項101】
前記FLがR/R FLである、請求項
100に記載の
医薬。
【請求項102】
前記FLが形質転換FLである、請求項
100に記載の
医薬。
【請求項103】
前記NHLがHGBLである、請求項
95に記載の
医薬。
【請求項104】
前記HGBLがR/R HGBLである、請求項
103に記載の
医薬。
【請求項105】
前記NHLがアグレッシブNHLである、請求項
94に記載の医薬。
【請求項106】
前記アグレッシブNHLが、DLBCL、形質転換FLまたはグレード3bのFLである、請求項
105に記載の
医薬。
【請求項107】
対象の前記集団中の各対象が、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項108】
対象の前記集団中の各対象が、2
もしくはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2
もしくはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項109】
対象の前記集団中の各対象がヒトである、請求項
77~
82のいずれか一項に記載の
医薬。
【請求項110】
対象の前記基準集団中の各対象が、自家幹細胞移植(ASCT)に不適格である、請求項
83に記載の
医薬。
【請求項111】
対象の前記基準集団中の各対象が、2もしくはそれを超える先行する治療ラインの後に再発したか、または2もしくはそれを超える先行する治療ラインに対して難治性である、請求項
83に記載の
医薬。
【請求項112】
対象の前記基準集団中の各対象がヒトである、請求項
83に記載の
医薬。
【国際調査報告】