(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】湾曲したスラットを有する連結ロッド
(51)【国際特許分類】
B64F 5/60 20170101AFI20231026BHJP
B64C 1/00 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
B64F5/60
B64C1/00 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524092
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-01
(86)【国際出願番号】 IB2021059516
(87)【国際公開番号】W WO2022084816
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591136931
【氏名又は名称】ハッチンソン
【氏名又は名称原語表記】HUTCHINSON
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アーテム,エンゲン
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ,ヴィンセント
(72)【発明者】
【氏名】リエッシュ,ジャン-クリストフ
(72)【発明者】
【氏名】ブチン,ジャン-ミッシェル
(57)【要約】
連結ロッドは、湾曲され且つ、当該連結ロッドの長手方向軸に対して対称に配置された2つの弾性的に可撓性のスラット(1、2)であって、前記軸に平行に延びる端部領域(3、4)を有するスラット(1、2)を備えるのみならず、スラット(1、2)の間に配置された横断方向スペーサ手段、および、スラットを互いに固定し且つ横断方向スペーサ手段に固定する手段を備えている。その固定手段は、当該連結ロッドの軸方向の長さを変えるためにスラット(1、2)の湾曲(カーブ)を調整する手段を備える。
【選択図】
図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連結ロッドであって、
湾曲され且つ、当該連結ロッドの長手方向軸に対して対称に配置された2つの弾性的に可撓性のスラット(1,2)であり、前記長手方向軸に平行に延びる端部領域(3,4)を有してなるスラット(1,2)、並びに、
前記スラット(1,2)の間に配置された横断方向スペーサ手段、および、
前記スラットを、互いに固定し且つ前記横断方向スペーサ手段に固定する手段、
を備えた連結ロッドにおいて、
前記固定手段は、当該連結ロッドの軸方向の長さを変えるために、前記スラット(1,2)の湾曲を調整する手段を備えてなることを特徴とする、連結ロッド。
【請求項2】
前記調整手段がロック手段を備えることを特徴とする、請求項1に記載の連結ロッド。
【請求項3】
前記スペーサ手段の少なくとも一部が、少なくとも当該連結ロッドの長手方向軸に直交する方向に弾性的又は可逆的に変形可能であることを特徴とする、請求項2に記載の連結ロッド。
【請求項4】
前記横断方向スペーサ手段が内側コア(10,20,55,56)からなり、
この内側コアは、前記スラット(1,2)に面する面が、前記スラット(1,2)の内面の表面を少なくとも部分的に取り囲むという構造を有していることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【請求項5】
前記内側コア(10)の構造が、少なくとも1つの中央クロスビーム(11,12,13)と、前記スラット(1,2)の端部領域(3,4)にある2つの横断方向スペーサ(14,15)とからなり、各クロスビーム(11,12,13)及び前記端部スペーサ(14,15)が前記スラット(1,2)の内面と同じ長手方向外形を有するスパー(17,18)によって接続されていることを特徴とする、請求項4に記載の連結ロッド。
【請求項6】
前記端部スペーサ(14,15)が剛性であり、前記スラット(1,2)の端部領域(3,4)間に自由空間(5)を維持することを特徴とする、請求項5に記載の連結ロッド。
【請求項7】
前記内側コア(20)の構造が中実であり、前記スラット(1,2)の内面と接触してこれを取り囲む外面を備え、前記スラット(1,2)の端部領域(3,4)間の自由空間(5)を保持する横断方向厚さをその端部(21,22)に有することを特徴とする、請求項4に記載の連結ロッド。
【請求項8】
前記内側コアの構造が、前記2つの端部領域(3,4)の近傍に位置し且つ前記端部領域(3,4)間の自由空間(5)を保持する2つの剛性スペーサブロック(55,56)からなることを特徴とする、請求項4に記載の連結ロッド。
【請求項9】
前記固定手段が、前記スラット(1,2)の周りで、前記長手方向軸と35°~90°の角度を成す複数の方向に配向された、コンポジットワイヤ(30,31)の少なくとも1つの巻線からなることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【請求項10】
前記固定手段が、前記スラット(1,2)の外側を取り囲む少なくとも1つの金属ストラップ(40,41)からなることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【請求項11】
前記固定手段が、少なくとも前記スラット(1,2)の中央及び前記スラット(1,2)の端部領域(3,4)の近傍に配置されたボルト(50,51)からなることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【請求項12】
少なくとも前記スラット(1,2)の中央に配置された1本又は複数の前記ボルト(50)が、ロックナットを備えていることを特徴とする、請求項11に記載の連結ロッド。
【請求項13】
前記スラット(1,2)が、以下の材料、即ち、
炭素繊維強化ポリマー、ガラス繊維強化ポリマーなどの複合材料、
アルミニウム又は鋼などの金属、のうちの1つで作られていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【請求項14】
前記内側コア(10,20,55,56)が、以下の材料、即ち、
ポリウレタンフォーム及び熱可塑性ポリウレタンフォームを含むポリマーフォーム、
射出プラスチック、3D印刷プラスチック、エラストマー、シート成形混合物、熱硬化性樹脂混合物、金属もしくは複合材料もしくはプラスチックで作られたハニカム、
金属、木材、のうちの1つで作られていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の連結ロッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は連結ロッドに関し、当該連結ロッドは、力及び運動(動き)を伝達するために設計された基本的な機械部品であると共に、その果たす特定の機能に応じて、非常に多様な、時には大きな応力を受ける可能性があるものである。
【背景技術】
【0002】
連結ロッドは、特に航空産業における基本的な機械部品であり、多くのシステムの部品として使用され、当然ながら信頼性が高くなければならない。したがって、これらは、リニア又はロータリーの飛行制御、及び多くの制御機構で使用され、また、サポート機能又は航空機の主要構造の開発などにおける機能を有する場合もある。これらは、運動(動き)や力の伝達に使用されるかどうかによって区別されることが多く、長さを固定して、又は調整可能にして設計することができ、後者の場合、この機構を介して伸縮可能にすることができ、したがって多様な技術的環境に適応させることが可能である。
【0003】
機械式伸縮連結ロッド、即ち、中心軸の距離が可変で調整可能な機械式伸縮連結ロッドは、特に、例えば、飛行制御システムにおいて運動を伝達する際に使用される。一般に、長さの調整は、右ねじと左ねじの組合せによって実現され、時にはマイクロメートル制動装置と組み合わせられる。ねじ式の先端部は、通常、連結ロッドの本体に取り付けるために使用される。
【0004】
現在の連結ロッドは、中心距離が固定又は調整可能で、通常、金属又は複合材料で作られている。例えば、長い連結ロッドには、剛性の高い複合材料を使用することが好ましい。構造環境自体が複合材料で作られている場合も同様であり、特に、様々な部品の線膨張の差の問題を防ぐことができる。
【0005】
今日、きわめて一般的に提起されるエネルギー問題は、航空産業において特に厳しく適用される問題であるため、製造業者は軽量な部品、ひいては複合連結ロッドを好むようになっている。従来の長さ調整可能な連結ロッドは、連結ロッド本体に従来のねじ構造とねじ式先端部が必要となり、通常は複合材料で作られておらず、重量要因となっている。
【0006】
同時に、環境問題が顕在化している世界において、経済的な問題は、今日の航空業界において特に重要である。ねじ式先端部を有する連結ロッドは、製造コストが高く、長いリードタイムを伴い、全体的な経済的負担を間接的に増加させることになる。
【0007】
より経済的に製造できるように、中心距離が固定された連結ロッドは、断面が長方形になる端部を除いて、ほとんどの場合、回転対称の管状本体を有する。管状断面から矩形断面への移行は、特に、複合材料で作られる場合、部品の設計及び製造を複雑にする。
【0008】
今日、これら全ての理由のために、製造業者は、特に、航空分野において、これら部品のコスト及び重量を最適化しようとしている。航空機に期待される経済的効果は、連結ロッドのコスト低減による直接的なものと、運航コストの低減につながる間接的なものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【0010】
したがって本発明は、特に限定はしないが、製造が経済的であり、かつそれ自体が多数の容易に実施可能な変形形態で利用可能な技術的解決策によって、長さ調整可能な連結ロッドに特に適した設計及び製造の代替案を提供するものである。本発明の利点は、調整可能な構成の場合に特に顕著であり、このような調整を提供する変形形態では、長さの変化は特に容易に達成される。
【0011】
したがって、本発明によれば、連結ロッドは、湾曲され且つ、当該連結ロッドの長手方向軸に対して対称に配置された2つの弾性的に可撓性のスラットを備え、これらのスラットは、前記軸に平行に延びる端部領域を有する。それはまた、スラット間に配置された横断方向スペーサ手段と、スラットを互いに固定し且つ、横断方向スペーサ手段に固定するための手段とを備える。本発明の連結ロッドは、固定手段が、連結ロッドの軸方向の長さを変えるためにスラットの湾曲(カーブ)を調整するための手段を備えるようなものである。
【0012】
したがって、連結ロッドの長さは、連結ロッドに機械的一貫性を与える固定手段に作用することによって影響される。これらは、特に横方向(横断方向)に調整可能であり、スラットの湾曲を変えることができるので、機械的にスラットの長さを変えることができる。締め付ける方向に調整すると連結ロッドの長さが長くなり、緩めると元の湾曲のスプリングバックにより連結ロッドの長さが短くなる。言い換えれば、連結ロッドの部品を組み立てるための固定手段の調整手段を作用させて、連結ロッドの軸方向の長さを変える。
【0013】
好ましくは、前記調整手段はロック手段を備え、これにより、固定手段の調整手段に作用することによって得られる所望の調整を維持することが可能になる。
【0014】
長さ調整を可能にするために、少なくともいくつかの連結ロッド構成では、スペーサ手段の少なくとも一部は、連結ロッドの長手方向軸に垂直な方向(直交する方向)に少なくとも弾性的に又は可逆的に変形可能でなければならない。一方、スペーサ手段が変形可能でない場合、長さ調整を実施することはできない。
【0015】
第1の可能な構成では、横断方向スペーサ手段は、スラットに面する面がスラットの内面の表面を少なくとも部分的に取り囲む構造を有する内側コアを備えることができる。スラットの変形が内側コア構造全体に連続的に伝達され、その逆も同様であるため、このコア構成における表面のマッチングは、調整可能性を向上させる。
【0016】
好ましくは、内側コアの構造は、少なくとも1つの中央クロスビームと、スラットの端部領域にある2つの横断方向スペーサ(端部スペーサ)とから構成され、各クロスビームと端部スペーサは、スラットの内面と同じ長手方向外形を有するスパーによって接続される。この構成では、クロスビームは、その長さの全部又は少なくとも大部分にわたってスラットに取り付けられていないため、コアとスラットとの間の相対滑りが発生する可能性がある。
【0017】
端部スペーサは剛性であり得、スラットの端部領域間に自由空間を維持することに留意されたい。連結ロッドの各端部における端部領域の間の空間は、連結ロッドの長さを増加させる動作中の横方向(横断方向)の厚さの減少によって影響を受ける必要がない。
【0018】
代替的に、内側コアの構造は中実(ソリッド)であってもよく、スラットの内面と接触してこれを取り囲む外面を備え、スラットの端部領域の間に自由空間を保持する横方向(横断方向)の厚さをその端部に有する。コアの構造はコンパクトで一体的であるが、コアが変形可能な材料で作られ、締結手段が連結ロッドの少なくとも中央部分で変形させることを妨げるものは何もない。端部領域の変形は、必要に応じて独立して行うことができ、又はスラット間の端部空間を維持する必要がある場合には、全く行わないことも可能である。スラットの内面と接触する中実コアの外面の同じ滑りは、少なくとも連結ロッドの大きな中央部分で可能である。
【0019】
更に別の構成では、内側コアの構造は、2つの端部領域の近傍に位置すると共に、端部領域の間に自由空間を保持する2つの剛性スペーサブロックで構成することができる。中央部分に位置する固定手段は、スラットの湾曲の変更にのみ影響し、連結ロッドの長さの変化につながる。
【0020】
固定手段自体は、本発明によれば、様々な構成をとることができる。したがって、第1の変形例では、固定手段は、例えば、スラットの周りに、長手方向軸に対して35°~90°の角度を成す複数の方向に、コンポジットワイヤ(複合材ワイヤ)を少なくとも1回巻き付けることから構成されてもよい。次いで、連結ロッドの長さを長くするための締付けは、巻線の張力に作用することによって行われる。
【0021】
別の可能な変形例によれば、固定手段は、スラットの外側を取り囲む少なくとも1つの金属ストラップから構成される。長さを長くしたり/短くしたりするロジックは、同じ原理、即ち、多かれ少なかれ重要な締付けに従う。
【0022】
最後に、固定手段はまた、少なくともスラットの中央及びスラットの端部領域の近傍に配置されたボルトから構成されてもよい。したがって、ねじやナットは、スペーサ手段の存在と位置及びその変形可能性に応じて連結ロッドの長さの変化を管理できるように、連結ロッド上に及び連結ロッドに沿って都合よく配置される。この構成では、固定手段は少なくとも連結ロッドの中央部分においてスペーサ手段と同一であり、その横方向(横断方向)の変形可能性は実際に可逆的であることに留意されたい。ボルトに加わる締付け/弛緩により変形が生じる。
【0023】
このようなねじナットシステムは、スラットの(幾何)形状に適合しており、振動減衰機能を実現する場合には、エラストマーと組み合わせることができる。
【0024】
調整が永続的であることを確実にするために、少なくともスラットの中心に配置された1つ又は複数のボルトにロックナットを装備することができる。
【0025】
使用状況や、連結ロッドの長さを可変にする機能が必要か否かに応じて、スラットは、例えば、炭素繊維強化ポリマー、ガラス繊維強化ポリマーなどの複合材料(コンポジット材料)、アルミニウム又は鋼などの金属などのいずれかの材料で作ることができる。
【0026】
同様に、内側コアは、限定はしないが、次の材料のうちの1つで作ることができる。すなわち、ポリウレタンフォーム及び熱可塑性ポリウレタンフォームを含むポリマーフォーム(ポリマー発泡体)、射出プラスチック、3D印刷プラスチック、エラストマー、シート成形混合物、熱硬化性樹脂混合物、金属もしくは複合材料もしくはプラスチックで作られたハニカム、金属、木材。
【0027】
本発明の更なる特徴及び利点は、本発明による連結ロッドの実施形態の特定の例に関する以下の詳細な説明から明らかになるであろうが、これらの例は、しかしながら、本発明を限定するものと見なされるべきではない。
【0028】
この説明の理解は、特に以下の図を参照することによって容易になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の変形例による連結ロッドの立面図である。
【
図2】この組み立てられた連結ロッドの斜視図を示す。
【
図4】本発明による連結ロッドの第2の変形例の立面図を示す。
【
図7】複合ワイヤ巻線を有する第1の締結手段を有する組立モードの立面図を示す。
【
図9】ストラップを有する別の締結モードを示す立面図を示す。
【
図11】本発明による連結ロッドの第3の変形例の立面図を示す。
【
図13】締結手段の調整に応じた本発明による連結ロッドの長さの変化を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1~
図3を参照すると、本発明の連結ロッドは、外側に向かって湾曲した2つのスラット1、2からなり、それらスラットは互いに平行に延びる端部領域3、4を有し、それらの間にはクレビス(U字形金具)のように空間5が残る。スラット1、2は、少なくともスラット1、2の間を通る中央面に関して、又は、更には連結ロッドの長手方向軸に関しても対称に配置される。これらの端部領域3、4には、前述の対称性により、同軸であり、かつ必要に応じて他の連結ロッドタイプの要素との回転接続を実現することができる孔7、8が設けられている。
【0031】
図1の第1の変形例では、特に、
図3に見える内側コア10は、2つのクロスビーム17、18によって接続されたクロスビーム11、12及び13並びに端部スペーサ14、15を有する構造を有し、その外形(外側プロファイル)は、スラット1、2の内面が接触する部分の外形(外側プロファイル)を包含する。図示の構成では、クロスビーム17、18は、各スラット1、2の長手方向の中央線を通過する、前述の平面に垂直な中央面に関して対称である。端部スペーサ14、15は、スラット1、2の端部領域3、4によって画定される空間の縁部に配置される。
【0032】
図4~
図6の変形例は、スラットとその相対的な配置に関して同一であり、特に、
図6に示すように、内側コア20が中実(ソリッド)であることのみが唯一の違いである。この中実コア20の2つの自由端21、22は、空間5を保持する厚さ/断面寸法を有する。
【0033】
図7及び
図8は、連結ロッドの内側コアの性質及び構成を予断するものではなく、スラットを互いに固定し且つ内側コアの構造体に固定するための手段を形成するコンポジットワイヤ巻線(複合材ワイヤ巻線)の外観を示している。連結ロッドの中央部では、ワイヤ30は連結ロッドの長手方向軸に垂直な方向に配向されているが、端部領域に近づくと、ワイヤ31は35°~90°の間の角度を有する。この区間の境界となる角度は、それぞれ小さくても大きくてもよいが、言及した角度が優先されると考えられる。
【0034】
図9及び
図10に示す固定手段は、金属又は複合材のストラップで筒状に作られている。ストラップ41は、端部領域3、4の縁部に再び配置され、より中央を走るストラップ40を完成させる。
【0035】
上述の固定手段の2つの仮説(前提)では、連結ロッドの長さを調整する可能性は、内側コアを構成する材料の性質に依存する。少なくとも横方向(横断方向)に変形可能である場合、長さは、コイル状のワイヤ又はストラップの気密性の程度に応じて変化し得る。
【0036】
図11及び
図12に示すボルト締め固定についても同様であり、ボルト50によって横方向(横断方向)の締付け/弛緩を可能にすることができる(代替的に、1つ又は複数の列にいくつかのボルト、又はボルトと技術的に同等のものがあってもよい)。図示の変形例では、内側コアは二重(ダブル)55、56であり、中央要素を含まないことに留意すべきであるが、これは、技術的には、文脈や使用の機械的制約に応じて、必ずしも必要ではない。したがって、前述の構成とは異なり、一体的ではない。このコアの構造は、より小さいねじ/ナット51によってもボルト留めされた端部ブロック55、56を有し、(より小さいねじ/ナット51は)空間5の縁部にそれらを常に固定する。これらのブロック55、56は、ほとんどの場合、剛性であり、連結ロッド上のこの位置では、長さ調整の範囲がかなり限定される。更に、このような調整を行うために、例えば、4つのボルト(使用するボルトの数は多くても少なくてもよい)で固定するのはほとんど実用的ではない。
【0037】
図13は、本発明が可能にする連結ロッドの長さ調整を明示的に示すことを意図している。したがって、
図11及び
図12の固定手段及び構成では、連結ロッドを延ばすには、ボルト50を締め付けることで十分である。ボルト50のスラット間の長さhは減少してh´となり、ここでh´<hである。図から分かるように、締付け後の連結ロッドの長さl´は、初期長さlよりも長い(l´>l)。ボルト50を緩めるという逆の操作をすると、逆の結果となる。上述のように、このような構成は、少なくとも連結ロッドの中央において固定手段とスペーサ手段とが合体することになり、したがって、これらの一体化された手段は、連結ロッドの長手方向軸に垂直な方向(直交する方向)に可逆的に変形可能なのである。
【0038】
本発明の利点は、特に、製造が簡単で経済的であることにあり、機械的性能は、製造がはるかに複雑で高価な現在の構成と同等かそれ以上である。
【0039】
本発明は、代替の実施形態の形で特定の実施形態に関連して説明されてきたが、決してそれに限定されるものではなく、実施例は可能な構成を網羅していないことが理解される。
【0040】
形態及び/又は材料の様々な変更を行うことができ、これらの様々な要素は、本発明の枠組み及び精神から逸脱することなく組み合わせることができる。したがって、
図7~
図8、
図9~
図10、及び
図11~
図12の異なる締結手段を、それぞれ
図1~
図3及び
図4~
図6、又は、更には
図11~
図12のスペーサ手段に適用することができる。連結ロッドをある長さで所定の位置にロックするのに役立つボルトなどの機械的システムや、フォーム架橋などの化学的システムを含めて、組合せは複数あり、非限定的である。
【符号の説明】
【0041】
1,2 スラット
3,4 スラットの端部領域
5 空間(自由空間)
10 内側コア
11,12,13 (中央)クロスビーム
14,15 端部スペーサ(横断方向スペーサ)
17,18 クロスビーム(スパー)
20 内側コア
21,22 内側コアの自由端(端部)
30,31 (コンポジット)ワイヤ
40,41 ストラップ
50 ボルト
51 小さいねじ/ナット
55,56 内側コア、端部ブロック(剛性スペーサブロック)
【国際調査報告】