(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】航空機のウィンチを介して持ち上げられた小口包装貨物部分のアラインメントを行う装置
(51)【国際特許分類】
B64D 1/22 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
B64D1/22
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524843
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 EP2021079499
(87)【国際公開番号】W WO2022084553
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】102020127986.8
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523142939
【氏名又は名称】ウイングコプター・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヘッセルバルト・ヨナタン
(57)【要約】
アラインメント装置であって、該アラインメント装置を意図したとおりに使用する場合に、航空機のウィンチを介して持ち上げられた小口包装貨物部分のアラインメントを、航空機の偏揺軸に平行な回転軸まわりに行うことにより小口包装貨物部分を航空機に関してアラインメント可能とするアラインメント装置を提供する。本発明は、航空機3のウィンチ2を介して持ち上げられた小口包装貨物部分4のアラインメントを、航空機3の偏揺軸12に平行な回転軸16まわりに行うためのアラインメント装置1及び航空機装置に関する。アラインメント装置1は、航空機3の下面9に取り付け可能なアラインメント要素8及び、小口包装貨物部分4に固定可能なアラインメント相手部品6を有している。アラインメント装置1が意図したとおりに使用される際、アラインメント相手部品6は、航空機3の方向を示すアラインメントノーズ15を有している。アラインメント要素8には、アラインメント相手部品6の方向に方向付けされている滑り面11を有するガイド軌道10が設けられている。ウィンチ2を引き込むことによりアラインメント相手部品6が航空機3の方向において変位すると、アラインメント相手部品6のアラインメントノーズ15は滑り面11に接触する。ウィンチがさらに引き込まれてアラインメント相手部品が航空機3の方向において回転軸16に沿って軸方向にさらに変位すると、アラインメントノーズ15は滑り面11上に沿ってスライドする。それにより回転軸16まわりにアラインメント相手部品が回転し、それにより小口包装貨物部分4が航空機3に関してアラインメント可能となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アラインメント装置(1)であって、該アラインメント装置(1)の意図したとおりの使用において、航空機(3)のウィンチ(2)を介して持ち上げられた小口包装貨物部分(4)を、航空機(3)の偏揺軸(12)に平行な回転軸(16)まわりにアラインメントを行うためのアラインメント装置(1)において、前記アラインメント装置(1)は、航空機(3)の下面(9)に取り付け可能なアラインメント要素(8)及び小口包装貨物部分(4)に固定可能なアラインメント相手部品(6)を有しており、アラインメント装置(1)の意図したとおりの使用においてアラインメント相手部品(6)は航空機(3)の方向を示すアラインメントノーズ(15)を有しており、アラインメント要素(8)にはガイド軌道(10)が設けられており、ガイド軌道(10)の滑り面(11)はアラインメント相手部品(6)の方向に方向付けされており、アラインメント相手部品(6)のアラインメントノーズ(15)は、ウィンチ(2)の引き込みによりアラインメント相手部品(6)が航空機(3)の方向に変位すると滑り面(11)に接触し、ウィンチ(2)がさらに引き込まれることによりアラインメント相手部品(6)が航空機(3)の方向に回転軸(16)に沿ってさらに変位すると、アラインメントノーズ(15)が滑り面(11)上に沿ってスライドし、それによりアラインメント相手部品(6)が回転軸(16)まわりに回転し、それにより小口包装貨物部分(4)が航空機(3)に対してアラインメント可能である、アラインメント装置(1)。
【請求項2】
ガイド軌道(10)の滑り面(11)が、少なくとも部分的にピッチ角を有するよう構成されており、該ピッチ角は、滑り面(11)に対して垂直に方向付けされた上下軸と回転軸(16)とにより決められることを特徴とする請求項1に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項3】
ピッチ角がガイド軌道(10)に沿って継続的に延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項4】
ガイド軌道(10)が、航空機(3)の偏揺軸(12)に対して平行に延びるアラインメント要素(8)の長軸(13)まわりに螺状に延びていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項5】
ガイド軌道(10)が、アラインメント要素(8)の長軸(13)まわりに360度の角度で螺状に延びていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項6】
ガイド軌道(10)が少なくとも2つのガイド軌道部分(14)を有しており、これらガイド軌道部分(14)は、アラインメント要素(8)の長軸(13)まわりに互いに逆向きに螺状に延びていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項7】
アラインメントノーズ(15)が、ガイド軌道部分(14)のうちの少なくとも一つに一体的に)固定可能であることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項8】
ガイド軌道(10)に、ガイド軌道(10)内に配置された少なくとも一つの凹部(17)が設けられており、該凹部(17)内にはアラインメントノーズ(15)が配置可能であることを特徴とする請求項7に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項9】
滑り面(11)に接触させることができるアラインメントノーズ(15)のノーズ表面及び/又は滑り面(11)の摩擦係数が低いことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項10】
アラインメント相手部品(6)には、アラインメント相手部品(6)を小口包装貨物部分(4)に固定するための固定装置(7)が設けられていることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項11】
アラインメントノーズ(15)が、小口包装貨物部分(4)とは反対方向に突き出すように形成されていることを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項12】
ウィンチ(2)が自己ロック型のウォームギヤを有していることを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)。
【請求項13】
航空機(3)、及び該航空機(3)のウィンチ(2)に配置された小口包装貨物、及び請求項1から12のいずれか一項に記載のアラインメント装置(1)を備える航空機装置であって、小口包装貨物部分(4)に固定された、アラインメント装置(1)のアラインメント相手部品(6)は、小口包装貨物が航空機(3)の方向に変位すると、航空機(3)の下面(9)に配置されたアラインメント装置(1)のアラインメント要素と係合することが可能である当該航空機装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアラインメント装置に関するものであり、該アラインメント装置は意図したとおりに使用された場合、航空機のウィンチを介して持ち上げられた小口包装貨物部分のアラインメントを、航空機の偏揺軸に対して平行な回転軸まわりに行うためのものである。
【0002】
小口包装貨物を輸送するための航空機として今日では、垂直にスタートする航空機、例えばいわゆるクワドロコプターが用いられている。クワドロコプターとは航空機であって、一つの平面内に配置され、垂直に下に向かって作用する4つのロータ又はプロペラを使用することにより揚力を発生させるものである。クワドロコプターはロータ平面の傾きにより推進される。この航空機は駆動力に応じて、ある特定のペイロードをある特定の距離だけ輸送できる。到達範囲は駆動力に応じて、及び、持ち上げているペイロードに応じて、利用できる電池容量により制限される。
【0003】
従来技術よりウィンチを備え、それを用いて小口包装貨物部分を持ち上げられる航空機が知られている。航空機の積み込みもしくは荷下ろしは典型的に、積み込み場所もしくは荷下ろし場所までウィンチが下ろされ、ウィンチのロープ端に取り付けられた持ち上げ装置を用いて小口包装貨物部分が固定されることにより行われる。このとき持ち上げ装置は例えばフック、ヒモ通し穴、又は磁石として形成することができる。ウィンチの持ち上げ装置への小口包装貨物部分の固定は多くの場合、地上に立つオペレータにより手動ステップにおいて行われる。次に小口包装貨物部分は、ウィンチを用いて航空機の下面の近くの位置まで引き上げられ、飛行運転中もその位置にとどまる。その際、ウィンチに吊り下げて取り付けられた小口包装貨物部分は飛行運転中、横方向又は前からの風により振り子のように運動し、揺さぶられる。その結果、航空機の飛行姿勢が不安定となる。
【0004】
小口包装貨物部分が飛行運転中に通常は航空機のウィンチに自由な状態で吊り下げられていることにより、飛行運動中、小口包装貨物部分において流れを受ける面が最大である側面が、飛行運動の方向もしくは流れの方向を向く。そのため、細長く形成された小口包装貨物部分はとりわけ、飛行運転中に回転して飛行運動の方向に向く。それにより飛行運転中、飛行方向において非常に大きな空気抵抗が発生する。その結果、飛行運転中のエネルギー消費が高くなる。電池容量は限られているため、それにより直接的に航続時間が低下し、それにより特に飛行距離が短くなる。
【0005】
前述のように、小口包装貨物部分は航空機のウィンチに吊り下げられて固定されているため、小口包装貨物部分の方向付けは積み込み中、飛行運転中、及び荷下ろし中に変化する可能性及び異なる可能性がある。それにより荷下ろしのための必要スペースは、積み込み時の必要スペースから変化している可能性があるため、ウィンチを下ろすことにより小口包装貨物部分の荷下ろしを行うための必要スペースを新たに判断する必要がある。利用できる必要スペースをこのようにコントロールして判断すると、持ち上げもしくは荷下ろし工程に時間がかかる結果となる可能性がある。とりわけ、そのような航空機の電池容量が限られていることによる限られた航続時間の観点において、持ち上げ及び荷下ろし工程に時間がかかることは、残りの飛行時間が短くなり、小口包装貨物部分の輸送の到達範囲が狭まることにつながる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、アラインメント装置であって、該アラインメント装置を意図したとおりに使用する場合に、航空機のウィンチを介して持ち上げられた小口包装貨物部分のアラインメントを、航空機の偏揺軸に平行な回転軸まわりに行うことにより小口包装貨物部分を航空機に関してアラインメント可能とするアラインメント装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は本発明によるアラインメント装置により解決され、該アラインメント装置は、航空機の下面に固定可能なアラインメント要素、及び、小口包装貨物部分に固定可能なアラインメント相手部品を有しており、該アラインメント相手部品は、アラインメント装置の意図したとおりの使用において航空機の方向を向くアラインメントノーズを有しており、アラインメント要素にはガイド軌道が設けられており、ガイド軌道の滑り面はアラインメント相手部品の方向に方向付けされており、ウィンチを引き込むことによりアラインメント相手部品が航空機の方向において変位するとアラインメント相手部品のアラインメントノーズは滑り面に接触し、また、ウィンチをさらに引き込むことによりアラインメント相手部品が航空機の方向において回転軸に沿って軸方向にさらに変位するとアラインメントノーズは滑り面上に沿ってスライドし、それによりアラインメント相手部品が回転軸まわりに回転し、それにより小口包装貨物部分は航空機に対してアラインメント可能となる。それにより、小口包装貨物部分のアラインメントをウィンチ引き込みのみにより行うことができ、複雑でそのためにエラーが発生しやすい可能性のある制御装置又は通信装置は必要なくなる。それにより該アラインメント装置は特に低コストで製造することができる。
【0008】
小口包装貨物部分が航空機に関してアラインメント可能であることにより、航空機に関する小口包装貨物部分の優先方向を設定することができる。それにより特に有利に飛行運転中の飛行運動の方向における空気抵抗を設定することができ、空気抵抗を可能な限り低くすることができる。それにより飛行運転を特に省エネルギーで行うことができ、航空機の残り飛行時間が長くなり、それにより長い飛行距離が得られる。
【0009】
本発明の発明概念のある有利な実施態様において、ガイド軌道の滑り面は少なくとも部分的にピッチ角を有するよう形成されており、該ピッチ角は、滑り面に対して垂直に方向付けされた上下軸と回転軸とにより決められる。滑り面がピッチ角を持つよう形成されていることにより、小口包装貨物部分のアラインメント運動の方向及び大きさを特に有利に決めることができる。アラインメント相手部品の回転軸まわりの回転もしくは小口包装貨物部分の回転軸まわりの回転を特に良好に設定可能とするため、及び特に大きな回転角度を得られるようにするため、本発明のアラインメント装置の有利な実施形態においては、ピッチ角はガイド軌道に沿って継続的に経過している。
【0010】
滑り面の継続的な傾斜は、ガイド軌道が航空機の偏揺軸に平行に延びるアラインメント要素の長軸のまわりに螺状に延びることにより特に有利に実施することができる。ウィンチ引き込みの際にアラインメント相手部品もしくは小口包装貨物部分がそのまわりに回転する回転軸は、アラインメント要素の長軸と一致することができる。
【0011】
アラインメント相手部品もしくは小口包装貨物部分が優先方向において回転できるよう、本発明概念の有利な実施態様においてガイド軌道は、アラインメント要素の長軸まわりに360度という角度で螺状に延びている。ガイド軌道が、アラインメント要素の長軸まわりに360度完全に回転することにより、アラインメント相手部品は特定のアラインメントを行う必要がなく、有利である。ウィンチ引き込みの際に、アラインメント相手部品が滑り面のどの領域において滑り面に接触するかに関わらず、ウィンチがさらに引き込まれるとアラインメントノーズは滑り面上に沿ってスライドし、アラインメント相手部品もしくは小口包装貨物部分は、360度回転するガイド軌道の端により定義される位置又は向きへと回転する。それにより特に有利に小口包装貨物部分の一意的かつ定義されたアラインメントを行うことができる。
【0012】
小口包装貨物部分を可能な限り小さな回転距離で所望のアラインメント方向付けを行うために本発明においては、ガイド軌道が少なくとも2つのガイド軌道部分を有しており、これらガイド軌道部分はアラインメント要素の長軸まわりに螺状にまた互いに逆向きに延びている。このときアラインメント相手部品もしくは小口包装貨物部分も、2つのガイド軌道部分の互いに出会う端領域により定義される位置に来る。それにより特に有利に小口包装貨物部分の一意的及び定義されたアラインメントを行うことができる。
【0013】
小口包装貨物部分を所望のアラインメント方向付けにおいて特に安全に固定するために、本発明のアラインメント装置の有利な実施形態においては、アラインメントノーズがガイド軌道部分のうちの少なくとも一つに一体的に固定可能である。
【0014】
アラインメントノーズの確動的な固定を特に良好に行うために、本発明のアラインメント装置のガイド軌道には、ガイド軌道内に配置された少なくとも一つの凹部が設けられており、アラインメントノーズはこの凹部内に配置可能である。
【0015】
アラインメント要素の回転を特に省エネルギー的かつ簡単に行えるよう、本発明概念の有利な実施態様においては、滑り面に接触させることができるアラインメントノーズのノーズ表面及び/又は滑り面の摩擦係数は低くなっている。摩擦面対の摩擦係数は、材料又は表面特性を互いに調整することにより特に低くすることができる。例えば金属-金属の摩擦面対の摩擦係数は特に低い。代替的に、プラスチック-金属の摩擦面対を用いることもでき、ここでプラスチックは例えばPTFEプラスチックとすることができる。又は、プラスチック-プラスチックの摩擦面対を選ぶこともでき、とりわけ、PTFEはPTFE上で特に良好にスライドする。
【0016】
本発明概念の有利な実施態様においては、アラインメント相手部品には、アラインメント相手部品を小口包装貨物部分に固定するための固定装置が設けられている。アラインメント相手部品は例えばU字ピン又は留めピンとして実施された固定装置を用いて小口包装貨物部分に固定することができる。代替的に固定装置は例えば留め輪として実施することもでき、該留め輪にパッケージテープ、結束バンド又はロープを通してアラインメント相手部品を小口包装貨物部分に固定可能とすることができる。代替的に固定装置は面ファスナーとして実施することもでき、その際は面ファスナーの一方の面をアラインメント相手部品の面に、面ファスナーのもう一方の面を小口包装貨物部分に取り付ける。
【0017】
アラインメント相手部品及びそこに固定されている小口包装貨物部分が、小口包装貨物部分の形状及び外寸に関係なくアラインメント要素のガイド軌道の滑り面上に沿って特に良好にスライドできるよう、本発明のアラインメント装置の有利な実施形態においては、アラインメントノーズは進む方向において小口包装貨物部分から突き出すように形成されている。
【0018】
ウィンチの駆動モータを使ってウィンチが引き込まれた後にウィンチに固定された小口包装貨物部分がゆるむことを避けられるようにするために、本発明においては、ウィンチに自己ロック型のプラグインギヤが設けられている。それにより確実に、滑り面に接触しているアラインメントノーズが滑り面との接触を失わないようにすることができ、それにより小口包装貨物部分のアラインメントが失われることがない。
【0019】
先述した課題は、航空機、該航空機のウィンチに配置された小口包装貨物、及び、アラインメント装置を備えた航空機装置によっても解決され、小口包装貨物部分に固定された、アラインメント装置のアラインメント相手部品は、小口包装貨物が航空機の方向に変位する際に、航空機の下面に配置されたアラインメント装置のアラインメント要素に係合することができる。
【0020】
以下、図面に図示された実施形態を用いてアラインメント装置のさらなる有利な実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】アラインメント工程中における本発明のアラインメント装置の図式的な断面図である。
【
図2】本発明のアラインメント装置の図式的な断面図であって、アラインメント相手部品のアラインメントは一体的に固定されている。
【
図3】本発明のアラインメント装置のアラインメント要素を図式的に表した図の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1には、本発明のアラインメント装置1の図式的な断面図が図示されており、航空機3のウィンチ2を介して持ち上げられた小口包装貨物部分4のアラインメント中である。アラインメント相手部品6は、
図2において破線で示されているグリッパ18を用いてウィンチ2のロープ5に固定されている。アラインメント装置1のアラインメント相手部品6は、結束バンドとして実施された固定装置7を介して小口包装貨物部分4に固定されている。アラインメント装置1のアラインメント要素8は航空機3の下面9に固定されている。アラインメント要素8は、アラインメント相手部品6の方向に方向付けされた滑り面11を持つガイド軌道10を備えている。ガイド軌道10は航空機1の偏揺軸12に平行に延びるアラインメント要素8の長軸13まわりに螺状に延びている。ガイド軌道10には、アラインメント要素8の長軸13のまわりに互いに逆向きに螺状に延びる2つのガイド軌道部分14が設けられており、
図1には一つのガイド軌道部分14のみが図示されている。アラインメント相手部品6は、航空機3の方向を向いたアラインメントノーズ15を有しており、該アラインメントノーズ15は図示された実施例において、ウィンチ2の引き込みによりガイド軌道10の滑り面11に接触している。ウィンチ2をさらに引き込むことにより、航空機3の方向において長軸13に平行に延びる回転軸16に沿ってアラインメント相手部品6がさらに軸方向に変位することにより、アラインメントノーズ15が滑り面11上に沿ってスライドし、それによりアラインメント相手部品6が回転軸16まわりに回転し、それにより小口包装貨物部分4は航空機3に関してアラインメント可能となる。
【0023】
図2には本発明のアラインメント装置1の図式的な断面図が示されている。ガイド軌道10には、ガイド軌道10内に配置された凹部17が設けられている。ウィンチ2をさらに引き込むことによりアラインメント相手部品6が航空機3の方向において回転軸16に沿って軸方向に変位すると、アラインメントノーズ15は滑り面11上に沿ってスライドし、それによりアラインメントノーズ15は凹部17内に配置可能となり、アラインメント相手部品6はアラインメント要素8に関して、及びそれにより航空機3に関してアラインメントが行われ、一体的に固定される。このときグリッパ18及びアラインメントノーズ15により規定される幅の合計は、
図3に図示されたアラインメント要素8の挿通孔の最大距離Aより大きい。それにより、アラインメント相手部品6が傾いても、グリッパ18及びアラインメント相手部品6がアラインメント要素8内で引っかかったり詰まったりすることはない。それにより、小口包装貨物部分4のアラインメント工程を特に確実に行える。
【0024】
アラインメント要素8がよく見えるよう、
図3には、本発明のアラインメント装置1のアラインメント要素8の斜視図が図式的に示されている。ガイド軌道10には、アラインメント要素8の長軸13のまわりに互いに逆向きに螺状に延びる2つのガイド軌道部分14が設けられている。これら2つのガイド軌道部分14内に形成された凹部17内には、アラインメント相手部品6のアラインメントノーズ15が配置可能である。
【符号の説明】
【0025】
1 アラインメント装置
2 ウィンチ
3 航空機
4 小口包装貨物部分
5 ロープ
6 アラインメント相手部品
7 固定装置
8 アラインメント要素
9 下面
10 ガイド軌道
11 滑り面
12 偏揺軸
13 長軸
14 ガイド軌道部分
15 アラインメントノーズ
16 回転軸
17 凹部
18 グリッパ
A 最大距離
【国際調査報告】