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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】殺真菌剤の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
   A01N 43/40 20060101AFI20231026BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20231026BHJP
   A01N 43/653 20060101ALI20231026BHJP
   A01N 47/14 20060101ALI20231026BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20231026BHJP
   A01N 37/02 20060101ALI20231026BHJP
   A01N 37/06 20060101ALI20231026BHJP
【FI】
A01N43/40 101E
A01P3/00
A01N43/653 Q
A01N43/653 C
A01N47/14 C
A01N59/16 Z
A01N37/02
A01N37/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525073
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 GB2021052757
(87)【国際公開番号】W WO2022090695
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】2016943.9
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520077872
【氏名又は名称】ユーピーエル コーポレーション リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPL CORPORATION LIMITED
(71)【出願人】
【識別番号】522073629
【氏名又は名称】ユーピーエル ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】UPL Europe Ltd.
【住所又は居所原語表記】The Centre, 1st Floor, Birchwood Park, Warrington, Cheshire, United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ネト アイルトン
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA03
4H011BA06
4H011BB06
4H011BB09
4H011BB13
4H011BB18
4H011BB21
4H011DC05
4H011DE15
(57)【要約】
少なくとも1種の多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤を含む殺真菌剤の組み合わせ及び組成物が本明細書に記載される。作物又は場所における真菌病を防除する方法は、開示されている殺真菌剤の組み合わせを有効量で作物又は場所に適用することを含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
殺真菌剤の組み合わせであって、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項2】
少なくとも3種のDMI殺真菌剤又は少なくとも3種のQoI殺真菌剤又は少なくとも3種のSDHI殺真菌剤を含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項3】
少なくとも1種のSDHI殺真菌剤と、少なくとも1種のDMI殺真菌剤との組み合わせを含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項4】
少なくとも1種のSDHI殺真菌剤と、少なくとも1種のQoI殺真菌剤とを含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項5】
少なくとも1種のDMI殺真菌剤と、少なくとも1種のQoI殺真菌剤とを含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項6】
少なくとも1種のDMI殺真菌剤と、1種のQoI殺真菌剤と、1種のSDHI殺真菌剤を含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項7】
銅殺真菌剤、硫黄殺真菌剤、ジチオカルバメート殺真菌剤、フタルイミド殺真菌剤、クロロニトリル殺真菌剤、スルファミド殺真菌剤、グアニジン殺真菌剤、トリアジン殺真菌剤又はキノン殺真菌剤から選択される1種以上の多部位殺真菌剤を含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項8】
ベノダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、ボスカリド、ピディフルメトフェン、フルインダピル、ピラジフルミド、イソフルシプラム、インピルフルキサム、ジピメチトロン、又はこれらの組み合わせから選択されるSDHI殺真菌剤を含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項9】
アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリチコナゾール、プロチオコナゾール、イマザリル、オキシポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、トリホリン、ピリフェノックス、ピソキサゾール、フェナリモール、ヌアリモール、メフェントリフルコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、又はそれらの組み合わせから選択されるDMI殺真菌剤を含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項10】
アゾキシストロビン、クモキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェンオキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン、マンデストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ、クレソキシム-メチル、ジモキシストロビン、フェナミノストロビン、メトミノストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェナミドン、ピリベンカルブ、メチルテトラプロール、トリフロキシストロビン、又はそれらの組み合わせから選択されるQoI殺真菌剤を含む、請求項1に記載の殺真菌剤の組み合わせ。
【請求項11】
殺真菌剤組成物であって、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤組成物。
【請求項12】
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、請求項11に記載の殺真菌剤組成物。
【請求項13】
場所における真菌病を防除する方法であって
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を適用することを含む、方法。
【請求項14】
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を適用することを含む、請求項13に記載の真菌病を防除する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺真菌剤の組み合わせに関する。より具体的には、本発明は、広範な真菌病を防除するための多部位殺真菌剤と組織性殺真菌剤とを含む殺真菌剤の組み合わせに関する。
【背景技術】
【0002】
殺真菌剤は、病害を防除し、並びに作物の収率及び品質を改善するための農業従事者が使用する一体的かつ重要なツールである。数年にわたって開発された様々な殺真菌剤が存在し、これらの殺真菌剤は、特異性、組織性、治癒性、及び根絶作用、並びに低使用率での高い活性などの多くの望ましい属性を有する。
【0003】
多部位殺真菌剤及び組織性殺真菌剤を含む様々なタイプの殺真菌剤が存在する。しかしながら、作物耐性が低下し、より低い使用率が課され、真菌抵抗性がますます観察されるにつれて、より広い病害防除、治癒及び予防機能、並びにより低い施用量要件を有する代替的な処置が必要とされている。
【0004】
本発明の多部位接触殺真菌剤は、複数の作用部位を介して真菌増殖を阻害し、接触及び予防活性を有する。多部位接触殺真菌剤としては、銅殺真菌剤、硫黄殺真菌剤、ジチオカルバメート殺真菌剤、フタルアミド殺真菌剤、クロロニトリル殺真菌剤、スルファミド殺真菌剤、グアニジン殺真菌剤、トリアジン殺真菌剤及びキノン殺真菌剤が挙げられる。
【0005】
コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤は、組織性殺真菌剤である。ピラゾールカルボキサミドは、ほとんどの他のSDHI殺真菌剤よりも強力であることが知られている、SDHIファミリーの殺真菌剤内の活性化合物の群である。これらの分子は、ミトコンドリア複合体IIのユビキノン結合部位(Q-部位)に特異的に結合し、それによって真菌呼吸を阻害する。これらの殺真菌剤は、広範な真菌病を防除することが知られている。ベノダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、ボスカリド、ピディフルメトフェン、フルインダピル、ピラジフルミド、イソフルシプラム、インピルフルキサム及びジピメチトロンは、SDHI殺真菌剤の例である。
【0006】
脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤は、組織性殺真菌剤であり、エルゴステロール生合成、したがって原形質膜を阻害することによって真菌の増殖を阻害する。アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリチコナゾール、プロチオコナゾール、イマザリル、オキシポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、トリホリン、ピリフェノックス、ピソキサゾール、フェナリモール、ヌアリモール、メフェントリフルコナゾール及びイプフェントリフルコナゾールは、DMI殺真菌剤の例である。
【0007】
キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤は、組織性殺真菌剤であり、シトクロムbc1複合体のキノン「外部」(Qo)結合部位で作用する。アゾキシストロビン、クモキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン、マンデストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ、クレソキシム-メチル、ジモキシストロビン、フェナミノストロビン、メトミノストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェナミドン、ピリベンカルブ及びメチルテトラプロールは、QoI殺真菌剤の例である。
【0008】
当該技術分野において、これらのキノン外部阻害剤(QoI)、脱メチル化阻害剤(DMI)、コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤と、スペクトルを改善し、これらの殺真菌剤で見られる耐性を克服するのに役立つ他の殺真菌剤との組み合わせが必要とされている。作物耐性が減少するにつれて、より低い使用率が課され、抵抗がますます観察されるため、治癒活性物質と予防活性物質とを組み合わせ、真菌の有効な防除のためのより低い施用量要件を有する、より広範な病害防除スペクトルを可能にする活性物質の組み合わせが必要とされている。
【0009】
したがって、本開示の実施形態は、上述の問題のうちの1つ以上を改善することができる。
【0010】
1つ以上の目的:
本開示の目的は、植物毒性をほとんど又は全く引き起こさない殺真菌剤の組み合わせを提供することである。
【0011】
本開示の更に別の目的は、それが適用される作物における真菌病害の発生を低減させる殺真菌剤の組み合わせを提供することである。
【0012】
本開示の別の目的は、それが適用される作物の収率を増加させる殺真菌剤の組み合わせを提供することである。
【0013】
本開示のいくつか又は全てのこれら及び他の目的は、以下に記載される本発明によって達成することができる。
【発明の概要】
【0014】
本開示の一態様は、少なくとも1種の多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤を含む殺真菌剤の組み合わせを提供することができる。
【0015】
本開示の一態様は、開示された殺真菌剤の組み合わせを作物又は場所に適用することを含む、作物又は場所において真菌病を防除する方法を提供する。
【0016】
本開示の別の態様は、少なくとも1種の多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤を含む相乗的殺真菌剤組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書における真菌病に関する「病害防除」という用語は、病害の防除(治療)及び予防を表す。防除効果には、疾患の自然発生からの逸脱、例えば、真菌剤の死滅、疾患発生の遅延、及び真菌病の量の減少が含まれる。
【0018】
「植物」という用語は、例えば、種子、苗、幼樹、根、塊茎、茎、柄、枝葉、及び果実を含む、植物のあらゆる物理的部分を包含する。
【0019】
本明細書で使用される「場所」という用語は、植物が成長する近傍、領域、又は場所であって、植物の植物生長材料が蒔かれる、かつ/又は植物の植物生長材料が土壌に置かれるであろう、近傍、領域、又は場所を指す。
【0020】
「植物生長材料」という用語は、植物の生殖部分、例えば、種子、植物材料、例えば、挿し穂又は塊茎、根、果実、塊茎、球根、根茎、及び植物の他の部分、発芽植物、及び/又は、発芽後又は土壌からの出芽後に移植される苗を示すと理解される。これらの苗は、移植前に、全浸漬処理/システム又は部分浸漬処理/システムによって保護することができる。
【0021】
本明細書で使用される場合、「有効量」は、真菌に対する有害作用を有し、かつ/又は植物の真菌病を防除する、開示された組み合わせなどの活性成分の量である。有害作用には、真菌の死滅(殺真菌)、真菌の増殖の防止、生合成経路の遮断、又はそれらの組み合わせが含まれ得る。
【0022】
本明細書で使用される場合、「農業的に許容される塩」は、農業又は園芸での使用が公知であり、認められている塩を意味する。
【0023】
「植物毒性」は、植物の成長に対する毒性(負の)効果を指す。
【0024】
本明細書で使用される「アルキル」は、指定された数の炭素原子、具体的には1から12個の炭素原子、より具体的には1から6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖飽和脂肪族炭化水素を意味する。アルキル基には、例えば、1から50個の炭素原子を有する基(CからC50アルキル)が含まれる。「アリール」は、全ての環員が炭素であり、少なくとも1つの環が芳香族である環状部分であって、指定された数の炭素原子、具体的には6から24個の炭素原子、より具体的には6から12個の炭素原子を有する部分を意味する。2つ以上の環が存在してもよく、任意の追加の環は独立して芳香族、飽和又は部分不飽和であってもよく、縮合、ペンダント、スピロ環式又はそれらの組み合わせであってもよい。「アルキルアリール」は、化合物に結合した置換又は非置換アリール基に共有結合したアルキル基を意味する。
【0025】
より広い範囲の病害防除を可能にし、治療活性と予防活性とを組み合わせ、真菌の有効な防除に必要な施用量がより低い、抗真菌(例えば、殺真菌)活性薬剤の組み合わせが必要とされている。驚くべきことに、少なくとも3種の組織性殺真菌剤と少なくとも1種の多部位殺真菌剤との組み合わせが、真菌の増殖防除及び真菌病の予防に対して驚くべき予想外の相乗効果をもたらすことが見出された。
【0026】
別の一実施形態では、本開示の多部位接触殺真菌剤は、複数の作用部位を介して真菌増殖を阻害し、接触及び予防活性を有する。一実施形態では、多部位接触殺真菌剤は、銅殺真菌剤、硫黄殺真菌剤、ジチオカルバメート殺真菌剤、フタルアミド殺真菌剤、クロロニトリル殺真菌剤、スルファミド殺真菌剤、グアニジン殺真菌剤、トリアジン殺真菌剤及びキノン殺真菌剤のうちの1種以上を含む。
【0027】
本開示の銅殺真菌剤は、銅を含有する無機化合物であり、典型的には銅(II)酸化状態であり、好ましくは、オキシ塩化銅、硫酸銅、水酸化銅及び三塩基硫酸銅(ボルドー混合物)から選択される。本開示の硫黄殺真菌剤は、硫黄原子の環又は鎖を含有する無機化学物質であり、好ましくは元素硫黄である。一実施形態では、本開示のジチオカルバメート殺真菌剤はジチオカルバメート分子部分を含み、アモバム、アソメート、アジチラム、カルバモルフ、クフラネブ、クプロバム、ジスルフィラム、フェルバム、メタム、ナバム、テコラム、チラム、ウルバシド(urbacide)、ジラム、ダゾメット、エテム、ミルネブ、マンコッパー、マンコゼブ、マンネブ、メチラム、ポリカルバメート、プロピネブ及びジネブのうちの1種以上を含む。本開示のフタルアミド殺真菌剤は、フタルアミド分子部分を含み、フォルペット、カプタン及びカプタホールのうちの1種以上を含む。本開示のクロロニトリル殺真菌剤は、クロロ置換基及びシアノ置換基で置換された芳香環を含み、好ましくはクロロタロニルである。本開示のスルファミド殺真菌剤は、好ましくは、ジクロフルアニド及びトリルフルアニドから選択される。本開示のグアニジン殺真菌剤は、好ましくは、ドジン、グアザチン及びイミノクタジンから選択される。本発明のトリアジン殺真菌剤は、好ましくはアニラジンである。本発明のキノン殺真菌剤は、好ましくはジチアノンである。
【0028】
一実施形態では、本開示の多部位接触殺真菌剤は、ジチオカルバメート殺真菌剤であり、アモバム、アソメート、アジチラム、カルバモルフ、クフラネブ、クプロバム、ジスルフィラム、フェルバム、メタム、ナバム、テコラム、チラム、ウルバシド(urbacide)、ジラム、ダゾメット、エテム、ミルネブ、マンコッパー、マンコゼブ、マンネブ、メチラム、ポリカルバメート、プロピネブ及びジネブのうちの1種以上を含む。
【0029】
多部位接触殺真菌剤の農業的に許容される塩も使用することができる。
【0030】
驚くべきことに、少なくとも3種の組織性殺真菌剤を少なくとも1種の多部位殺真菌剤に添加すると、驚くべき予想外の相乗効果及び他の利点がもたらされることが見出された。
【0031】
一実施形態では、組織性殺真菌剤の組み合わせは、DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤及びSDHI殺真菌剤の組み合わせ、又はDMI殺真菌剤及びQoI殺真菌剤の組み合わせ、又はDMI殺真菌剤及びSDHI殺真菌剤の組み合わせ、又はSDHI殺真菌剤及びQoI殺真菌剤の組み合わせである。
【0032】
一実施形態では、組織性殺真菌剤の組み合わせは、少なくとも3種のQoI殺真菌剤の組み合わせである。
【0033】
一実施形態では、組織性殺真菌剤の組み合わせは、少なくとも3種のDMI殺真菌剤の組み合わせである。
【0034】
一実施形態では、組織性殺真菌剤の組み合わせは、少なくとも3種のSDHI殺真菌剤の組み合わせである。
【0035】
したがって、一実施形態では、本開示の組み合わせは、多部位殺真菌剤及び組織性殺真菌剤の少なくとも4種の組み合わせである。
【0036】
したがって、一実施形態では、本発明の開示の組み合わせにより、植物毒性がゼロになった。
【0037】
したがって、一態様では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0038】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも3種のDMI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0039】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも3種のQoI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0040】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも3種のSDHI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0041】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも1種のSDHI殺真菌剤及び1種のQoI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0042】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも1種のQoI殺真菌剤及び1種のSDHI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0043】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも1種のSDHI殺真菌剤及び1種のDMI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0044】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも1種のDMI殺真菌剤及び少なくとも1種のSDHI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0045】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも1種のDMI殺真菌剤及び1種のQoI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0046】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも1種のQoI殺真菌剤及び1種のDMI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0047】
別の実施形態では、本開示は、
(a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)少なくとも1種のDMI殺真菌剤、1種のQoI殺真菌剤及び1種のSDHI殺真菌剤と、を含む、殺真菌剤の組み合わせを提供する。
【0048】
一実施形態では、当該SDHI殺真菌剤は、好ましくは、ベノダニル、フルトラニル、メプロニル、イソフェタミド、フルオピラム、フェンフラム、カルボキシン、オキシカルボキシン、チフルザミド、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルキサピロキサド、フラメトピル、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、セダキサン、ボスカリド、ピディフルメトフェン、フルインダピル、ピラジフルミド、イソフルシプラム、インピルフルキサム、ジピメチトロン、及びこれらの組み合わせから選択される。
【0049】
一実施形態において、SDHI殺真菌剤は、ピディフルメトフェン、イソフルシプラム、インピルフルキサム、ジピメチトロン、フルインダピル及びそれらの組み合わせから選択される。しかしながら、SDHI殺真菌剤の選択は、これらの殺真菌剤単独に限定されないことを理解されたい。
【0050】
一実施形態では、当該SDHI殺真菌剤は、チフルザミド又はベンゾビンジフルピル又はビキサフェン又はフルキサピロキサド又はイソピラザム、又はボスカリド、又はフルインダピルである。
【0051】
一実施形態では、当該DMI殺真菌剤は、好ましくは、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメフォン、トリアジメノール、トリチコナゾール、プロチオコナゾール、イマザリル、オキシポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、トリホリン、ピリフェノックス、ピソキサゾール、フェナリモール、ヌアリモール、メフェントリフルコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、及びそれらの組み合わせから選択される。
【0052】
一実施形態では、DMI殺真菌剤は、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、ヘキサコナゾール、プロチオコナゾール、テブコナゾール、ジフェノコナゾール、メフェントリフルコナゾール、イプフェントリフルコナゾール及びそれらの組み合わせから選択される。しかしながら、DMI殺真菌剤の選択は、これらの殺真菌剤単独に限定されないことを理解されたい。
【0053】
一実施形態では、当該QoI殺真菌剤は、好ましくは、アゾキシストロビン、クモキシストロビン、エノキサストロビン、フルフェンオキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラオキシストロビン、マンデストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、トリクロピリカルブ、クレソキシム-メチル、ジモキシストロビン、フェナミノストロビン、メトミノストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェナミドン、ピリベンカルブ、メチルテトラプロール、トリフロキシストロビン及びそれらの組み合わせから選択される。
【0054】
一実施形態では、QoI殺真菌剤は、メチルテトラプロール、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、フルオキサストロビン、トリフロキシストロビン及びそれらの組み合わせから選択される。しかしながら、QoI殺真菌剤の選択は、これらの殺真菌剤単独に限定されないことを理解されたい。
【0055】
上記の組織性殺真菌剤のいずれかの農業的に許容される塩も使用することができる。
【0056】
一実施形態では、本開示の組み合わせは、これらの殺真菌剤以外の任意の他の殺真菌剤を含まない。この実施形態では、本発明の殺真菌剤の組み合わせは、実施形態のいずれかにおいて本明細書の上に記載されているこれらの4種の殺真菌剤からなる殺真菌剤の組み合わせである。
【0057】
一実施形態では、本開示の組み合わせは、これらの殺真菌剤以外の任意の他の殺虫剤又は除草剤を含まない。
【0058】
一態様では、殺真菌剤の組み合わせは、単一(1種)の多部位殺真菌剤及び3種の組織性殺真菌剤から本質的になるか、又はそれらからなる。
【0059】
一態様では、組み合わせは、マンコゼブ、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、及びジフェノコナゾールを含むか、これらから本質的になるか、又はこれらからなる。
【0060】
本明細書で以下に記載される任意の態様又は実施形態では、含むという語句は、「からなる」又は「から本質的になる」又は「から実質的になる」という語句で置き換えられ得る。これらの態様又は実施形態では、記載される組み合わせ又は組成物は、その中に具体的に列挙されていない他の殺真菌剤又は殺虫剤又は除草剤又は植物成長促進剤又は補助剤又は賦形剤を除外して、その中に列挙されている特定の構成成分を含む(include)か、又は含む(comprise)か、又はそれらからなるか、又は本質的にそれらからなるか、又は実質的にそれらからなる。
【0061】
以下の表1は、本開示の実施形態による例示的な組み合わせを提供する。
【0062】

【表1】
【0063】
以下の表2は、1ヘクタールあたりの活性成分のグラム(g ai/ha)での例示的な施用量を有する本開示の実施形態による組み合わせを提供する。
【0064】
表2において、他に示されない限り、括弧内に示される値は、1ヘクタールあたりの活性成分のグラム(g ai/ha)での施用量を指す。しかしながら、これらの殺真菌剤の用量はこれらの値に限定されないことを理解されたい。
【0065】
【表2-1】
【0066】
【表2-2】
【0067】
本開示の組み合わせは、組成物の形態に製剤化され得る。
【0068】
一実施形態では、本開示は、態様又は実施形態のいずれか1つにおいて上記に記載されている組み合わせ、及び少なくとも1種の農薬として許容可能な賦形剤を含む組成物を提供する。
【0069】
一実施形態では、本開示は、態様又は実施形態のいずれか1つにおいて上記に記載されている組み合わせ、及び少なくとも1種の農薬として許容可能な賦形剤からなる組成物を提供する。
【0070】
一実施形態では、本開示は、
a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
b)DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、
c)少なくとも1種の農薬として許容可能な賦形剤と、を含む、組成物を提供できる。
【0071】
一実施形態では、本開示は、
a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
b)DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、
c)少なくとも1種の農薬として許容可能な賦形剤と、
d)少なくとも1つの他の農薬活性物質と、を含む、組成物を提供できる。
【0072】
農薬活性物質としては、除草剤、殺虫剤、殺ダニ剤、アクリサイド、肥料、植物成長調節剤、及び殺生物剤を挙げることができる。
【0073】
適用される本開示による組成物の量は、例えば、植物、土壌、又は種子などの処理対象、例えば、噴霧、ダスティング、又は種子ドレッシングなどの処理の適用、例えば、予防的又は治療的病害防除などの治療の目的、病害防除の場合には、防除される真菌の種類又は適用時間などの様々な因子に依存するであろう。適用される本発明の組み合わせのこの量は、当業者によって容易に推測することができる。
【0074】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)マンコゼブ、クロロタロニル、Bag8及びオキシ塩化銅から選択される少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
(b)DMI殺真菌剤又はQoI殺真菌剤又はSDHI殺真菌剤、DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤及びSDHI殺真菌剤の組み合わせ、又はDMI殺真菌剤及びQoI殺真菌剤の組み合わせ、又はDMI殺真菌剤及びSDHI殺真菌剤の組み合わせ、又はSDHI殺真菌剤+QoI殺真菌剤の組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供できる。
【0075】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤クロロタロニルと、
(b)プロチオコナゾール、テブコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0076】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤クロロタロニルと、
(b)プロチオコナゾール、ジフェノコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0077】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤クロロタロニルと、
(b)ジフェノコナゾール、テブコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0078】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤オキシ塩化銅と、
(b)プロチオコナゾール、ジフェノコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0079】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤オキシ塩化銅と、
(b)プロチオコナゾール、テブコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0080】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤オキシ塩化銅と、
(b)ジフェノコナゾール、テブコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0081】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤マンコゼブと、
(b)プロチオコナゾール、ジフェノコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0082】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤マンコゼブと、
(b)プロチオコナゾール、テブコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0083】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤マンコゼブと、
(b)ジフェノコナゾール、テブコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0084】
したがって、一実施形態では、本開示は、
(a)多部位殺真菌剤マンコゼブと、
(b)フルキサピロキサド、プロチオコナゾールと、ピコキシストロビン若しくはトリフロキシストロビン若しくはフルインダピル若しくはフルキサピロキサド若しくはビキサフェンから選択される1種又は複数を含む少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを提供する。
【0085】
一実施形態では、組成物中の多部位殺真菌剤の総量は、典型的には、0.1~99重量%、好ましくは0.2~90重量%の範囲であり得る。組成物中の少なくとも3種の組織性殺真菌剤の総量は、0.1~99重量%の範囲であり得る。
【0086】
一態様では、組み合わせ中の多部位殺真菌剤の量は、約100g ai/ha~約5000g ai/ha、又は約120g ai/ha~約3000g ai/ha、又は約150g ai/ha~約2500g ai/ha、又は約180g ai/ha~約2000g ai/haである。
【0087】
一態様では、組み合わせ中の組織性殺真菌剤の総量は、約80ai/ha~約1000ai/ha、又は約90ai/ha~約750ai/ha、又は約100ai/ha~約500ai/haである。
【0088】
一実施形態では、本開示の組み合わせの構成殺真菌剤は、(1-80):(1-80):(1-80):(1-80)の比でそれぞれ多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤が混合されてもよい。
【0089】
一実施形態では、多部位殺真菌剤とQoI殺真菌剤との重量比は、約2:1~約80:1、又は約5:1~約50:1、又は約10:1~約35:1である。一態様では、多部位殺真菌剤とDMI殺真菌剤との重量比は、約2:1~約80:1、又は約5:1~約50:1、又は約10:1~約35:1である。一態様では、多部位殺真菌剤とSDHI殺真菌剤との重量比は、約2:1~約80:1、又は約5:1~約50:1、又は約10:1~約35:1である。
【0090】
一実施形態では、多部位殺真菌剤の、組織性殺真菌剤の総量に対する重量比は、約2:1~約10:1、又は約3:1~約10:1、又は約3.5:1~約9.5:1である。
【0091】
一実施形態では、本開示の組成物の構成成分は、タンク混合され、感染の場所に噴霧され得るか、又は代替的に、界面活性剤と混合され、次に噴霧される。
【0092】
一実施形態では、本開示の組成物の構成成分は、植物生長材料への葉面適用、地面、又は適用に使用することができる。
【0093】
一実施形態では、本開示の組成物は、組成物中の活性物質を不活性担体と混合し、必要に応じて界面活性剤並びに他の補助剤及び担体を添加し、水和性粉末、顆粒、粉塵、可溶性(液体)濃縮物、懸濁濃縮物(SC)、水中油型エマルション、油中水型エマルション、乳化性濃縮物(EC)、カプセル懸濁液、ZC製剤、油分散液、又は他の既知の製剤の種類を含むが、これらに限定されない、固体又は液体製剤に製剤化することによって作成される。組成物はまた、植物生長材料の処理に使用されてもよい。
【0094】
製剤化に使用される固体担体の例としては、カオリンクレー、アタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石などの鉱物;トウモロコシ葉軸粉末、クルミ殻粉などの天然有機材料;尿素などの合成有機材料;炭酸カルシウム、硫酸アンモニウムなどの塩;合成含水酸化ケイ素などの合成無機材料などの微粉末又は顆粒が挙げられる。
【0095】
液状担体の例としては、キシレン、アルキルベンゼン、及びメチルナフタレンなどの芳香族炭化水素類;2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルコール;アセトン、シクロヘキサノン、及びイソホロンなどのケトン;大豆油、及び綿実油などの植物油;石油系脂肪族炭化水素、エステル、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、及び水が挙げられる。
【0096】
界面活性剤の例としては、アルキルサルフェートエステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグノスルホン酸塩、及びナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒドホルムアルデヒド重縮合物などのアニオン性界面活性剤;並びに、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレン-アルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、及びソルビタン脂肪酸エステルなどの非イオン性界面活性剤、並びにアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン性界面活性剤が挙げられる。
【0097】
組成物に含まれ得る他の製剤補助剤の例としては、ポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンなどの水溶性ポリマー、アラビアガム、アルギン酸などの多糖類、及びこれらの塩、CMC(カルボキシメチルセルロース)、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムアルミニウム及びアルミナゾルなどの無機材料、防腐剤、着色剤、並びにPAP(酸リン酸イソプロピル)及びBHTなどの安定化剤が挙げられる。
【0098】
本開示による組成物は、以下に記載される植物病害の処置及び予防に有効である。
【0099】
イネの病害としては、葉枯れ病(Magnaporthe grisea)、ヘルミントスポリウム斑点病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、及び馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)が挙げられる。
【0100】
コムギの病害としては、ウドンコ病(Erysiphe graminis)、フサリウム胴枯れ病(Fusarium graminearum、F.avenacerum、F.culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P.graminis、P.recondita)、紅色雪腐病(Micronectriella nivale)、ティフラ雪腐病(Typhula sp.)、裸黒穂病(Ustilago tritici)、ムギ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯れ病(Mycosphaerella graminicola)、コムギイモチ病(Stagonospora nodorum)、セプトリア、及び黄斑(Pyrenophora tritici-repentis)が挙げられる。
【0101】
オオムギの病害としては、ウドンコ病(Erysiphe graminis)、フサリウム胴枯れ病(Fusarium graminearum、F.avenacerum、F.culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P.graminis、P.hordei)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、蒸れ腐れ(Rhynchosporium secalis)、網斑病(Pyrenophora teres)、斑点病(Cochliobolus sativus)、しま葉枯れ病(Pyrenophora graminea)、及びリゾクトニア立ち枯れ病(Rhizoctonia solani)が挙げられる。
【0102】
トウモロコシの病害としては、黒穂病(Ustilago maydis)、褐斑病(Cochliobolus heterostrophus)、豹紋病(Gloeocercospora sorghi)、南方さび病(Puccinia polysora)、灰斑病(Cercospora zeae-maydis)、白斑病(Phaeosphaeria mydis及び/又はPantoea ananatis)、及びリゾクトニア立ち枯れ病(Rhizoctonia solani)が挙げられる。
【0103】
柑橘類の病害としては、黒点病(Diaporthe citri)、赤カビ病(Elsinoe fawcetti)、青カビ根腐病(ペニシリウム・ジタタム(Penicillium digitatum、P.italicum)、及び褐色腐朽病(Phytophthora parasitica、Phytophthora citrophthora)が挙げられる。
【0104】
リンゴの病害としては花腐れ病(Monilinia mali)、腫瘍病(Valsa ceratosperma)、ウドン粉病(Podosphaera leucotricha)、アルテルナリア斑点病(Alternaria alternata apple pathotype)、赤カビ病(Venturia inaequalis)、ウドンコ病、苦腐れ病(Colletotrichum acutatum)、根頭腐敗病(Phytophtora cactorum)、病斑(Diplocarpon mali)、及びリンゴ輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)が挙げられる。
【0105】
セイヨウナシの病害としては、赤カビ病(Venturia nashicola、V.pirina)、ウドンコ病、黒斑病(Alternaria alternata Japanese pear pathotype)、さび病(Gymnosporangium haraeanum)、及び疫病菌果実腐敗病(Phytophtora cactorum)が挙げられる。
【0106】
モモの病害としては、褐色腐朽病(Monilinia fructicola)、ウドンコ病、赤カビ病(Cladosporium carpophilum)、及びホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)が挙げられる。
【0107】
ブドウの病害としては、炭疽病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、ウドンコ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、黒斑病(Guignardia bidwellii)、ボトリチス病、及びべと病(Plasmopara viticola)が挙げられる。
【0108】
カキの病害としては、炭疽病(Gloeosporium kaki)、及び斑点病(Cercospora kaki、Mycosphaerella nawae)が挙げられる。
【0109】
ウリの病害としては、炭疽病(Colletotrichum lagenarium)、ウドンコ病(Sphaerotheca fuliginea)、キュウリつる割病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum))、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、及び立ち枯れ病(Pythium sp)が挙げられる。
【0110】
トマトの病害としては、夏疫病(Alternaria solani)、腐葉土(Cladosporium fulvum)、及び疫病(Phytophthora infestans)が挙げられる。
【0111】
ナスの病害としては、褐斑病(Phomopsis vexans)、及びウドンコ病(Erysiphe cichoracearum)、アブラナ科野菜の病害としては、アルテルナリア斑点病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae)、根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、及びべと病(Peronospora parasitica)が挙げられる。
【0112】
タマネギの病害としては、さび病(Puccinia allii)、及びべと病(Peronospora destructor)が挙げられる。
【0113】
ダイズの病害としては、紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、ダイズ黒点病(Diaporthe phaseolorum var.sojae)、セプトリア褐斑病(Septoria glycines)、ダイズ斑点病(Cercospora sojina)、さび病(Phakopsora pachyrhizi、Phakopsora meibomiae)、黄さび病、落葉病(Phytophthora sojae)、及びリゾクトニア立ち枯れ病(Rhizoctonia solani)が挙げられる。
【0114】
インゲンマメの病害としては、炭疽病(Colletotrichum lindemthianum)が挙げられる。ピーナッツの病害:斑点病(Cercospora personata)、褐色斑点病(Cercospora arachidicola)、及び白絹病(Sclerotium rolfsii)。
【0115】
エンドウの病害としては、ウドンコ病(Erysiphe pisi)、及び根腐れ病(Fusarium solani f.sp.pisi)が挙げられる。
【0116】
ジャガイモの病害としては、夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、紅腐れ病(Phytophthora erythroseptica)、及び粉状瘡痂病(Spongospora subterranean f.sp.subterranea)が挙げられる。
【0117】
イチゴの病害としては、ウドンコ病(Sphaerotheca humuli)、及び炭疽病(Glomerella cingulata)が挙げられる。
【0118】
茶の病害としては、輪斑病(Exobasidium reticulatum)、赤葉枯れ病(Elsinoe leucospila)、輪斑病(Pestalotiopsis sp.)、及び炭疽病(コレトトリクム(Colletotrichum theae-sinensis)が挙げられる。
【0119】
タバコの病害としては、褐斑病(Alternaria longipes)、ウドンコ病(Erysiphe cichoracearum)、炭疽病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、及びタバコ疫病(Phytophthora nicotianae)が挙げられる。
【0120】
ナタネの病害としては、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、及びリゾクトニア立ち枯れ病(Rhizoctonia solani)が挙げられる。綿の病害:リゾクトニア立ち枯れ病(Rhizoctonia solani)。
【0121】
テンサイの病害としては、セルコスポラ斑点病(Cercospora beticola)、葉枯れ病(Thanatephorus cucumeris)、根腐れ病(Thanatephorus cucumeris)、及びテンサイ黒根病(Aphanomyces cochlioides)が挙げられる。
【0122】
バラの病害としては、黒斑病(Diplocarpon rosae)、ウドンコ病(Sphaerotheca pannosa)、及びべと病(Peronospora sparsa)が挙げられる。キク及びキク科植物の病害:べと病(Bremia lactucae)、葉枯れ病(Septoria chrysanthemi-indici)、及び白銹病(Puccinia horiana)。
【0123】
様々な群の病害としては、フィチウム属菌によって引き起こされる病害(Pythium aphanidermatum、Pythium debarianum、Pythium graminicola、Pythium irregulare、Pythium ultimum)、灰色カビ病が挙げられる。(Botrytis cinerea)、及び菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)。
【0124】
ダイコンの病害としては、アルテルナリア斑点病(Alternaria brassicicola)が挙げられる。
【0125】
芝草の病害としては、ドラースポット(Sclerotinia homeocarpa)、並びに褐色斑及びラージパッチ(Rhizoctonia solani)が挙げられる。
【0126】
バナナの病害としては、黒色シガトカ病(Mycosphaerella fijiensis)、黄色シガトカ病(Mycosphaerella musicola)が挙げられる。
【0127】
ヒマワリの病害としては、べと病(Plasmopara halstedii)が挙げられる。
【0128】
種子の病害又はアスペルギルス属菌、ペニシリウム属菌、フサリウム属菌、ジベレラ属菌、トリコデルマ属菌、Thielaviopsis属菌、リゾプス属菌、リゾプス属菌、ムコール属菌、担子属菌、フォーマ属菌、及びDiplodia属菌によって引き起こされる様々な植物の成長の初期段階の病害。
【0129】
ポリミキサ属菌又はフクロカビ属菌によって媒介される様々な植物のウイルス病害。
【0130】
本開示の組成物は、圃場、水田、芝地、及び果樹園などの農業地、又は非農業地中で使用することができる。本開示を使用して、植物に対するいかなる植物毒性を有さずに植物を栽培するための農業地における病害を防除することができる。
【0131】
本組成物が使用され得る作物の例としては、トウモロコシ、コメ、コムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ、ソルガム、綿、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、ビート、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ;野菜:ナス、トマト、ピメト、コショウ、ジャガイモなどのナス科の野菜、キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン、トウナスなどのウリ科の野菜、ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜、ゴボウ、シュンギク、チョウセンアザミ、レタスなどのキク科の野菜、ネギ、タマネギ、ニンニク、及びアスパラガスなどのユリ科植物、ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウなどのセリ科の野菜、ホウレンソウ、スフダンソウなどのアカザ科の野菜、エゴマ、ミント、バジルなどのシソ科の野菜、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ、花、観葉植物、芝草、果実:リンゴ、ナシ、カリンなどの仁果類、モモ、プラム、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アプリコット、プルーンなどの核果類、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘果実、クリ、クルミ、ヘーゼルナッツ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミナッツなどのナッツ類、ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリーなどのベリー類、ブドウ、カキ果物、オリーブ、プラム、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココナッツ、果実の木以外の樹木;茶、クワ、顕花植物、セイヨウトネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ユダの木、フウ、プラタナス、ケヤキ、ネズコ、モミ材、ドクニンジン、ビャクシン、マツ、トウヒ、及びキャラボクが挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
一態様では、本開示は、真菌病を防除する方法であって、
a)少なくとも1種の多部位殺真菌剤と、
b)DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤と、を含む、組み合わせを適用することを含む、方法を提供できる。
【0133】
一実施形態では、多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤は、上記の組み合わせの好ましい実施形態のいずれかに従って選択され得る。
【0134】
本開示の組み合わせは、予備混合組成物として販売され得る。あるいは、多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤は、キットの別々の部分として個々に提供されてもよく、噴霧前に一緒に混合されてもよい。少なくとも1種の補助剤もキットに含まれ、多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤と一緒に混合されてもよい。あるいは、キットは、混合物及び少なくとも1種の補助剤が噴霧前にタンク混合されるように、多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤の混合物並びに少なくとも1種の別個の補助剤を含有してもよい。
【0135】
本開示の組成物は、タンクミックス若しくは製剤として同時に適用されてもよく、又は多部位殺真菌剤及び少なくとも3種の組織性殺真菌剤が順次適用されてもよい。あるいは、適用は、発生後適用であってもよい。この適用は、植物の出現前に、植え付け前又は植え付け後のいずれかで、土壌に対して行われ得る。この適用は、早期又は出現後期の1回又は2回のいずれかの適用により、作物開発中の異なるタイミングで葉面噴霧として行われ得る。
【0136】
本開示による組成物は、真菌による植物又はその生長材料の感染前又後に適用することができる。
【0137】
本開示の1つ以上の利点:
一実施形態では、本開示は、多部位殺真菌剤と、DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤又はこれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤との組み合わせを提供する。
【0138】
異なる組み合わせによる複数の処理を、それぞれウドンコ病及びアジアダイズさび病を引き起こすMicrosphaera diffusa及びPhakopsora pachyrhiziの防除に対するそれらの有効性について試験した。Corynespora cassiicola及びSeptoria glycinesに対しても組み合わせを試験した。1種の多部位殺真菌剤と少なくとも3種の組織性殺真菌剤との組み合わせは、1種の多部位殺真菌剤と2種の組織性殺真菌剤との組み合わせ又は2種の多部位殺真菌剤と1種の組織性殺真菌剤との組み合わせよりも、病害の防除において有意に有効であることが見出された。
【0139】
本出願は、多部位殺真菌剤と、DMI殺真菌剤、QoI殺真菌剤、SDHI殺真菌剤、及びそれらの組み合わせから選択される少なくとも3種の組織性殺真菌剤とを含む殺真菌剤の組み合わせを初めて記載して、真菌及びそれらの関連疾患の防除における組み合わせの有効性を維持するという問題に対する長く待たれていた解決策を提供する。
【0140】
産業における長年の必要性に対処することに加えて、多部位殺真菌剤と3種の他の組織性殺真菌剤の組み合わせとの間の相乗的補完は、予想外かつ驚くべきものであることが見出された。
【0141】
更に、これらの組み合わせを適用すると、植物毒性がゼロになることが見出された。
【0142】
本開示の組み合わせのこれらの驚くべき利点は、多部位殺真菌剤を2種の組織性殺真菌剤と組み合わせた場合、又は2種の多部位殺真菌剤を1種の組織性殺真菌剤と組み合わせた場合には観察されなかった。
【0143】
本発明者らによって行われた研究、並びに本出願において開示及び特許請求される主題は、3種の組織性殺真菌剤の組み合わせへの多部位殺真菌剤の添加が、既知の組み合わせの有効性の減衰を逆転させ、それを元の既知の有効性又は更により良好な有効性に戻すことを見出した。
【0144】
本開示の前述の記載は、当業者が、現在その最良の形態であると考えられるものを作製及び使用することを可能にすると同時に、当業者であれば、本明細書の具体的な実施形態、方法、及び実施例の変形、組み合わせ、及び等価物の存在を理解し、評価するであろう。したがって、本開示は、前述の実施形態、方法、及び実施例によって限定されるべきではなく、本発明の範囲及び趣旨内の全ての実施形態及び方法によって限定されるべきである。
【実施例
【0145】
Microsphaera diffusaによって引き起こされるウドンコ病に対する有効性について、ダイズ作物で以下の処理を確認した。噴霧量は150L/haであった。全ての処理は植物毒性を示さなかった。
【0146】
【表3】
【0147】
上記の表から、多部位殺真菌剤と3種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号2及び3は、1種の多部位殺真菌剤と2種の組織性殺真菌剤との組み合わせ又は2種の多部位殺真菌剤と1種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号4、5及び6と比較して、より良好な有害生物防除をもたらしたことが非常に明らかである。
【0148】
Phakopsora pachyrhiziによって引き起こされるアジアダイズさび病に対する有効性について、ダイズ作物で以下の処理を確認した。噴霧量は150L/haであった。全ての処理は植物毒性を示さなかった。
【0149】
【表4】
【0150】
上記の表から、多部位殺真菌剤と3種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号2及び3は、1種の多部位殺真菌剤と2種の組織性殺真菌剤との組み合わせ又は2種の多部位殺真菌剤と1種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号4、5及び6と比較して、より良好な有害生物防除をもたらしたことが非常に明らかである。
【0151】
Corynespora cassiicolaに対する有効性について、ダイズ作物で以下の処理を確認した。噴霧量は150L/haであった。作物収量も記録した。
【0152】
【表5】
【0153】
上記の表から、多部位殺真菌剤と3種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号2は、1種の多部位殺真菌剤と2種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号3と比較して、より良好な有害生物防除をもたらしたことが非常に明らかである。
【0154】
Septoria glycinesに対する有効性について、ダイズ作物で以下の処理を確認した。噴霧量は150L/haであった。
【0155】
【表6】
【0156】
上記の表から、多部位殺真菌剤と3種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号2は、1種の多部位殺真菌剤と2種の組織性殺真菌剤との組み合わせを有する処理番号3と比較して、より良好な有害生物防除をもたらしたことが非常に明らかである。
【国際調査報告】