(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-02
(54)【発明の名称】Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体、及び地図
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20231026BHJP
【FI】
G01C21/34
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525082
(86)(22)【出願日】2021-10-09
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 CN2021122918
(87)【国際公開番号】W WO2022089179
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202011162311.X
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】リウ、ダウェイ
(72)【発明者】
【氏名】シ、フェン
【テーマコード(参考)】
2F129
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129DD13
2F129DD15
2F129DD19
2F129DD21
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE81
2F129HH18
(57)【要約】
本願は、インテリジェント交通技術の分野、より具体的には、高解像度地図の分野に関連する。Uターン走路線を自動的にマーキングするための提供される方法は、以下の段階、すなわち、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、マーキング対象の交差点における障害物についての情報を取得する段階;及び第1深度を有するUターン走路線をマーキングする段階を含む。第1深度は、障害物の第2深度に基づいて決定される。Uターン走路線の第1深度は、障害物の第2深度に基づいて決定され、その結果、マーキングされたUターン走路線は、障害物と衝突せず、より適切なUターン走路線をマーキングする。したがって、手動調整時間は実装されない、又は低減される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の段階、すなわち、
マーキング対象の交差点についての情報を取得する段階、ここで、前記マーキング対象の交差点についての前記情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、前記マーキング対象の交差点における前記車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含み、前記交差点進入点は、前記マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、前記交差点退出点は、前記マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定される;及び、
第1深度を有するUターン走路線をマーキングする段階、ここで、前記第1深度は、前記障害物の第2深度に基づいて決定される、
を備え、
前記第1深度は、前記交差点進入点又は前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ前記Uターン走路線が延長する深度であり、
前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点進入点への距離であり、又は、前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点退出点への距離である、
Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
【請求項2】
前記Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み;
前記第1深度は前記直線部分の直線深度及び前記曲線部分の曲線深度を含み、前記直線深度は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び、前記障害物の前記最も遠い投射端に基づいて決定される、
請求項1に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
【請求項3】
前記直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、前記第1直線部分は、前記交差点進入点から前記マーキング対象の交差点へ延長し、前記第2直線部分は、前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ延長し;
前記曲線部分は、前記第1直線部分及び前記第2直線部分の間に接続される、
請求項2に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
【請求項4】
前記第1直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点進入点への前記距離であり、前記第2直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点退出点への前記距離である、
請求項3に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
【請求項5】
前記曲線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の障害物の前記最も遠い投射端、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、及び、車両長情報に基づいて決定される、
請求項2から4のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
【請求項6】
前記障害物についての前記情報を取得する前記段階は、
前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び車両長情報に基づいて、予定Uターン領域を構築する段階;及び、
前記車両が走行する前記道路の前記路面より高い、前記予定Uターン領域における前記車両の前記Uターンの妨げとなる前記障害物についての前記情報を取得する段階
を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
【請求項7】
情報取得モジュール、ここで、前記情報取得モジュールは、マーキング対象の交差点についての情報を取得し、前記マーキング対象の交差点についての前記情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、前記マーキング対象の交差点における前記車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含み、前記交差点進入点は、前記マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、前記交差点退出点は、前記マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定される;及び、
マーキングモジュール、ここで、前記マーキングモジュールは、第1深度を有するUターン走路線をマーキングし、前記第1深度は、前記障害物の第2深度に基づいて決定される、
を備え、
前記第1深度は、前記Uターン走路線が前記交差点進入点又は前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ延長する深度であり、
前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点進入点への距離であり、又は、前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点退出点への距離である、
Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
【請求項8】
前記Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み;
前記第1深度は前記直線部分の直線深度及び前記曲線部分の曲線深度を含み、前記直線深度は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び、前記障害物の前記最も遠い投射端に基づいて決定される、
請求項7に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
【請求項9】
前記直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、前記第1直線部分は、前記交差点進入点から前記マーキング対象の交差点へ延長し、前記第2直線部分は、前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ延長し;
前記曲線部分は、前記第1直線部分及び前記第2直線部分の間に接続される、
請求項8に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
【請求項10】
前記第1直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点進入点への前記距離であり、前記第2直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点退出点への前記距離である、
請求項9に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
【請求項11】
前記曲線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の障害物の前記最も遠い投射端、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、及び、車両長情報に基づいて決定される、
請求項8から10のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
【請求項12】
前記情報取得モジュールは、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び車両長情報に基づいて予定Uターン領域を構築し;前記車両が走行する前記道路の前記路面より高い、前記予定Uターン領域における前記車両の前記Uターンの妨げとなる前記障害物についての前記情報を取得する、
請求項7から11のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
【請求項13】
少なくとも1つのプロセッサ;及び
少なくとも1つのメモリ、ここで、前記メモリは、プログラム命令を格納し、前記プログラム命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサは、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能である、
を備える、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
【請求項14】
コンピュータに、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのプログラム。
【請求項15】
第1深度を有するUターン走路線を含む地図であって、前記第1深度は、車両が走行する道路の路面より高い、Uターン交差点において前記車両のUターンの妨げとなる障害物の第2深度に基づいて決定され;
前記第1深度は、前記Uターン走路線が交差点進入点又は交差点退出点から前記Uターン交差点へ延長する深度であり、前記交差点進入点は、前記Uターン交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、前記交差点退出点は、前記Uターン交差点の退出走路線の端点に基づいて決定され;
前記第2深度は、前記Uターン交差点への前記進入走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点進入点への距離であり、又は、前記第2深度は、前記Uターン交差点への前記退出走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点退出点への距離である、
地図。
【請求項16】
前記Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み;
前記第1深度は前記直線部分の直線深度及び前記曲線部分の曲線深度を含み、前記直線深度は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び、前記障害物の前記最も遠い投射端に基づいて決定される、
請求項15に記載の地図。
【請求項17】
前記直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、前記第1直線部分は前記交差点進入点から前記Uターン交差点へ延長し、前記第2直線部分は、前記交差点退出点から前記Uターン交差点へ延長し;
前記曲線部分は前記第1直線部分及び前記第2直線部分の間に接続される、
請求項16に記載の地図。
【請求項18】
前記第1直線深度は、前記Uターン交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点進入点への前記距離であり、前記第2直線深度は、前記Uターン交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点退出点への前記距離である、請求項17に記載の地図。
【請求項19】
前記曲線深度は、前記Uターン交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、前記Uターン交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、及び車両長情報に基づいて決定される、請求項16から18のいずれか一項に記載の地図。
【請求項20】
前記障害物は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び車両長情報に基づいて構築される予定Uターン領域に位置する、請求項15から19のいずれか一項に記載の地図。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、インテリジェント交通技術の分野、具体的には、高解像度地図の分野、特に、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法及び装置、コンピュータ可読記憶媒体、及び地図に関連する。
【背景技術】
【0002】
高解像度地図は、場所検索、自動ナビゲーション、更には自動運転などのシナリオにおいて多くの重要な役割を果たす。自動運転プロセスにおいて、自動運転車両は、高解像度地図上で事前に予定されたルートに従って走行し、ルートは少なくとも走路レベルで正確である必要がある。
【0003】
高解像度地図の地図作成プロセスは概して、以下の通りである。技術者が地図収集車両を運転し、車両が通過する領域の周辺環境情報を収集し、様々なタイプの収集された情報に対して融合処理を実行して色付きの電子地図を生成する。次に、地図作成者が、様々なタイプの地図マーキングソフトウェアを使用して、取得された電子地図上に様々な交通エンティティの交通情報、例えば、走路線、交通標示、及び道路標識などの交通情報を自動的に又は手動でマーキングする。加えて、地図作成者は更に、いくつかの仮想交通情報、例えば、交差点における仮想Uターン走路線をマーキングする。
【0004】
交差点における仮想Uターン走路線のマーキング方法には、手動マーキング及び自動マーキングの2つがある。手動マーキングは一般的に、点群地図に基づいて地図作成者によって実行される。Uターン走路線の手動マーキングは時間と労力がかかる。加えて、車両の走行安定性にある程度影響を与える曲線の円滑性及び美観を確実にすることが困難である。自動マーキングは、交差点情報に基づいて実行される。一般的に、Uターン走路線は、交差点進入点、交差点退出点、及びUターン深度に基づいて自動的に生成される。
【0005】
従来技術において、自動マーキングのための具体的な方法は、進入走路線及び交差点の間の交点が交差点進入点であり、退出走路線及び交差点の間の交点が交差点退出点であると判定し、Uターン深度情報を取得し、交差点進入点、交差点退出点、及びUターン深度に基づいてUターン走路線を自動的に生成することである。
【0006】
本願を作成するプロセスにおいて、発明者は、従来技術において、Uターンにおける縁石及び分離帯などの障害物シナリオは、自動マーキング中に考慮されず、生成された走路線は、障害物が処理されていないので、Uターン中に障害物に衝突し得ることを発見した。したがって、従来技術においては、Uターン走路線が自動的に生成された場合でも、地図作成者はなお、手動調整を実行する必要がある。
【発明の概要】
【0007】
従来技術における上記の問題に鑑み、本願の実施形態の目的は、Uターン交差点におけるUターンに使用されるより適切なUターン走路線を生成するために、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置、コンピュータ可読記憶媒体、及び、地図を提供することである。したがって、手動調整時間は実装されない、又は低減される。
【0008】
上記の目的を達成するべく、本願の第1態様は、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法を提供する。方法は、以下の段階、すなわち、マーキング対象の交差点についての情報を取得する段階、ここで、マーキング対象の交差点についての情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、マーキング対象の交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含み、交差点進入点は、マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、交差点退出点は、マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定される;及び、第1深度を有するUターン走路線をマーキングする段階、ここで、第1深度は、障害物の第2深度に基づいて決定される、を備え、第1深度は、交差点進入点又は交差点退出点からマーキング対象の交差点へUターン走路線が延長する深度であり、第2深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり、又は、第2深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。
【0009】
ここでは、第1深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり得る。代替的に、第1深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点退出点への距離であり得る。
【0010】
この方式では、障害物があるとき、Uターン走路線の第1深度は、進入走路線又は退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。したがって、障害物が無いケースと比較して、比較的大きい深度においてマーキング対象の交差点へ延長するUターン走路線を自動的にマーキングでき、車両のUターン中に障害物と衝突することを回避する。このようにして、自動でマーキングされたUターン走路線は、手動で調整される必要はなく、又は、手動調整に使用される時間を低減できる。
【0011】
第1態様の可能な実装態様において、Uターン走路線は、直線部分及び曲線部分を含み;第1深度は、直線部分の直線深度及び曲線部分の曲線深度を含み、直線深度は、交差点進入点、交差点退出点、及び障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。
【0012】
この方式では、Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合できる。
【0013】
第1態様の可能な実装態様において、直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、第1直線部分は、交差点進入点からマーキング対象の交差点へ延長し、第2直線部分は、交差点退出点からマーキング対象の交差点へ延長し、曲線部分は、第1直線部分及び第2直線部分の間に接続される。
【0014】
第1態様の可能な実装態様において、第1直線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり、第2直線深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。
【0015】
この方式では、第1直線深度及び第2直線深度はそれぞれ、マーキング対象の交差点への進入走路線及び退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端に基づいて判定される。したがって、進入方向におけるより適切な直線深度、及び、退出方向におけるより適切な直線深度を決定でき、その結果、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合できる。
【0016】
第1態様の可能な実装態様において、曲線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、及び車両長情報に基づいて決定される。
【0017】
ここで、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、曲線部分の起点として使用され得、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、終点として使用される。少なくとも1つの制御点が車両長情報に基づいて決定されることにより、曲線部分が決定され、更に曲線深度が決定される。加えて、曲線部分は、ベジェ曲線又はスプライン曲線を使用することによって決定され得る。
【0018】
この方式では、曲線部分の曲線深度は更に、車両長情報に基づいて決定され、適切なUターン走路線を、自動車及びトラックなどの異なる車両タイプに基づいてマーキングでき、その結果、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合する。
【0019】
第1態様の可能な実装態様において、障害物についての情報を取得することは、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて予定Uターン領域を構築すること、及び、車両が走行する道路の路面より高い、予定Uターン領域における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を取得することを含む。
【0020】
この方式では、Uターンの妨げとなる障害物は、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて判定される。したがって、Uターンの妨げとなる障害物をより確実に判定できる。
【0021】
ここで、交差点進入点、交差点退出点、及び、車両長情報に基づいて取得された少なくとも1つの点に基づいて、多辺形領域が予定Uターン領域として構築され得る。交差点進入点が交差点退出点に揃っていないとき、進入走路線又は退出走路線を補足することを通じても点が取得され得る。予定Uターン領域は、交差点進入点又は交差点退出点、補足を通じて取得される点、及び、長さ情報に基づいて取得される少なくとも1つの点に基づいて構築される。
【0022】
予定Uターン領域が、補足を通じて取得される点に基づいて構築されるとき、補足を通じて取得される点は、マーキング対象の交差点の内側により近いので、障害物の投射点は当該点から計算され、最も遠い投射端が取得される。したがって、投射点を計算する計算負荷を低減でき、Uターン走路線を自動的にマーキングするために使用される時間を低減できる。
【0023】
進入走路線又は退出走路線が、交差点進入点及び交差点退出点の間の空間的位置関係に基づいて補足されるとき、交差点退出点は、交差点進入点よりマーキング対象の交差点の内側に近く、第1直線部分は、交差点進入点からマーキング対象の交差点の内側へ進入走路線を延長することを通じて取得される部分を含む。交差点進入点が交差点退出点よりマーキング対象の交差点の内側に近いとき、第2直線部分は、交差点退出点からマーキング対象の交差点の内側へ退出走路線を延長することを通じて取得される部分を含む。言い換えれば、第1直線部分は、進入走路線を補足することを通じて取得される部分、及び、障害物の最も遠い投射端に基づいて取得される部分を含み、又は、第2直線部分は、退出走路線を補足することを通じて取得される部分、及び、障害物の最も遠い投射端に基づいて取得される部分を含む。このようにして、Uターン走路線をマーキングする計算負荷を低減でき、Uターン走路線を自動的にマーキングするために使用される時間を低減できる。
【0024】
本願の第2態様は、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置を提供する。装置は、情報取得モジュール、ここで、情報取得モジュールは、マーキング対象の交差点についての情報を取得し、マーキング対象の交差点についての情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、マーキング対象の交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含み、交差点進入点は、マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、交差点退出点は、マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定される;及び、マーキングモジュール、ここで、マーキングモジュールは、第1深度を有するUターン走路線をマーキングし、第1深度は、障害物の第2深度に基づいて決定される、を備え、第1深度は、Uターン走路線が交差点進入点又は交差点退出点からマーキング対象の交差点へ延長する深度であり、第2深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり、又は、第2深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。
【0025】
ここでは、第1深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり得る。代替的に、第1深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点退出点への距離であり得る。
【0026】
この方式では、障害物があるとき、Uターン走路線の第1深度は、進入走路線又は退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。したがって、障害物が無いケースと比較して、比較的大きい深度においてマーキング対象の交差点へ延長するUターン走路線を自動的にマーキングでき、車両のUターン中に障害物と衝突することを回避する。このようにして、自動でマーキングされたUターン走路線は、手動で調整される必要はなく、又は、手動調整に使用される時間を低減できる。
【0027】
第2態様の可能な実装態様において、Uターン走路線は、直線部分及び曲線部分を含み;第1深度は、直線部分の直線深度及び曲線部分の曲線深度を含み、直線深度は、交差点進入点、交差点退出点、及び障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。
【0028】
この方式では、Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合できる。
【0029】
第2態様の可能な実装態様において、直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、第1直線部分は、交差点進入点からマーキング対象の交差点へ延長し、第2直線部分は、交差点退出点からマーキング対象の交差点へ延長し、曲線部分は、第1直線部分及び第2直線部分の間に接続される。
【0030】
第2態様の可能な実装態様において、第1直線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり、第2直線深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。
【0031】
この方式では、第1直線深度及び第2直線深度はそれぞれ、マーキング対象の交差点への進入走路線及び退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端に基づいて判定される。したがって、進入方向におけるより適切な直線深度、及び、退出方向におけるより適切な直線深度を決定でき、その結果、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合できる。
【0032】
第2態様の可能な実装態様において、曲線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、及び車両長情報に基づいて決定される。
【0033】
ここで、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、曲線部分の起点として使用され得、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、終点として使用される。少なくとも1つの制御点が車両長情報に基づいて決定されることにより、曲線部分が決定され、更に曲線深度が決定される。加えて、曲線部分は、ベジェ曲線又はスプライン曲線を使用することによって決定され得る。
【0034】
この方式では、曲線部分の曲線深度は更に、車両長情報に基づいて決定され、適切なUターン走路線を、自動車及びトラックなどの異なる車両タイプに基づいてマーキングでき、その結果、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合する。
【0035】
第2態様の可能な実装態様において、情報取得モジュールは、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて予定Uターン領域を構築し、車両が走行する道路の路面より高い、予定Uターン領域における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を取得する。
【0036】
この方式では、Uターンの妨げとなる障害物は、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて判定される。したがって、Uターンの妨げとなる障害物をより確実に判定できる。
【0037】
本願の第3態様は、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置を提供する。装置は少なくとも1つのプロセッサおよび少なくとも1つのメモリを備える。メモリはプログラム命令を格納する。プログラム命令が少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、少なくとも1つのプロセッサは、第1態様及び第1態様の可能な実装態様において提供される任意の方法を実行することが可能である。
【0038】
本願の第4の態様はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体はプログラム命令を格納する。プログラム命令がコンピュータによって実行されるとき、コンピュータは、第1態様及び第1態様の可能な実装態様において提供される任意の方法を実行することが可能となる。
【0039】
本願の第5態様はコンピュータプログラムを提供する。プログラムの実行を通じて、コンピュータは、第1態様及び第1態様の可能な実装態様において提供される任意の方法を実行でき、又は、第2態様及び第2態様の可能な実装態様において提供される任意の装置の役割を果たすことができる。
【0040】
本願の第6態様は地図を提供する。地図は、第1深度を有するUターン走路線を含む。第1深度は、車両が走行する道路の路面より高い、Uターン交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物の第2深度に基づいて決定される。第1深度は、交差点進入点又は交差点退出点からUターン交差点へUターン走路線が延長する深度である。交差点進入点は、Uターン交差点の進入走路線の端点に基づいて決定される。交差点退出点は、Uターン交差点の退出走路線の端点に基づいて決定される。第2深度は、Uターン交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり、又は、第2深度は、Uターン交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。
【0041】
第6態様の可能な実装態様において、Uターン走路線は、直線部分及び曲線部分を含み;第1深度は、直線部分の直線深度及び曲線部分の曲線深度を含み、直線深度は、交差点進入点、交差点退出点、及び障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。
【0042】
第6態様の可能な実装態様において、直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、第1直線部分は交差点進入点からUターン交差点へ延長し、第2直線部分は、交差点退出点からUターン交差点へ延長し;曲線部分は第1直線部分及び第2直線部分の間に接続される。
【0043】
第6態様の可能な実装態様において、第1直線深度は、Uターン交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり、第2直線深度は、Uターン交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。
【0044】
第6態様の可能な実装態様において、曲線深度は、Uターン交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、Uターン交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、及び車両長情報に基づいて決定される。
【0045】
第6態様の可能な実装態様において、障害物は、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて構築される予定Uターン領域に位置する。
【0046】
第6態様及び第6態様の可能な実装態様によれば、地図に含まれるUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合し、したがって、車両に対して、より適切にナビゲーションを提供できる。
【0047】
本願のこれらの態様、及び他の態様は、以下の(複数の)実施形態の説明において、より簡潔に、より容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0048】
以下では、添付図面を参照して、本願の特徴、及び、特徴の間の関係を更に説明する。添付図面はすべて例であり、いくつかの特徴は、実際の比率で示されていない。加えて、いくつかの添付図面において、本願の分野における本願に必須でない共通の特徴は省略され得る。代替的に、本願に必須でない追加の特徴は示されない。添付図面に示される特徴の組み合わせは、本願を限定することを意図するものではない。加えて、本明細書において、同一の参照番号は同一の内容を表す。具体的な添付図面は以下のように説明される。
【0049】
【
図1】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用シナリオの例の概略図である。
【0050】
【
図2】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の概略フローチャートである。
【0051】
【
図3】
図2におけるサブプロセスの概略フローチャートである。
【0052】
【
図4】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法におけるUターン走路線を計算するプロセスを説明する概略図である。
【0053】
【
図5】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の概略フローチャートである。
【0054】
【
図6】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の概略フローチャートである。
【0055】
【
図7】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
【0056】
【
図8】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
【0057】
【
図9】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
【0058】
【
図10】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
【0059】
【
図11】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
【0060】
【
図12】本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置の構造の概略図である。
【0061】
【
図13】本願の実施形態による、コンピューティングデバイスの構造の概略図である。
【0062】
[参照番号の説明]
100:Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置;
110:情報取得モジュール;
111:走路線情報取得ユニット;
112:走路線補足ユニット;
113:障害物判定ユニット;
120:マーキングモジュール;
121:障害物深度決定ユニット;
122:Uターン走路線深度決定ユニット;
200:コンピューティングデバイス;
210:プロセッサ;
220:メモリ;
230:通信インタフェース;
240:バス
【発明を実施するための形態】
【0063】
以下の説明において、S10、S20、...、及び同様のものなどのステップの参照番号は、必ずしも、ステップがこの順序で実行されることを示すものではない。可能な場合、ステップの順序は変更され得るか、又は、ステップは同時に実行され得る。
【0064】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される「含む」という用語は、下に列挙される内容に限定されるものとして解釈されるべきでなく、他の要素又はステップを排除しない。それは、言及された特徴、全体、ステップ、又は部分の存在を指定するものと解釈されるべきであり、1又は複数の他の特徴、全体、ステップ、又は部分、及び、それらの組の存在又は追加を除外しない。したがって、「装置X及びYを含むデバイス」という表現は、デバイスが装置X及びYのみを含むことに限定されるべきではない。
【0065】
本明細書において言及される「一実施形態」又は「実施形態」とは、当該実施形態と組み合わせて説明される特定の特徴、構造、又は特性が、本願の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書における「いくつかの実施形態において」という語句は、当該実施形態のすべてが同一であることを意味しない。更に、本開示から当業者にとって明確であるように、1又は複数の実施形態において、特定の特徴、構造、又は特性が、任意の適切な方式で組み合わされ得る。
【0066】
別段の定めが無い限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的な用語は、本願の当業者によって通常理解されるものと同一の意味を有する。何等かの矛盾があるケースでは、本明細書において説明される意味、又は、本明細書に記録された内容に従って取得される意味が使用されるべきである。加えて、本明細書において使用される用語は、単に本願の実施形態を説明することを目的とし、本願を限定することを意図するものではない。
【0067】
本願における技術は高解像度地図に適用される。高解像度地図は、道路上の各走路の地理座標情報を提供し得る。ここで、解像度はセンチメートルレベルに到達し得る。交差点領域において、高解像度地図はまた、実際の道路シナリオに基づいて、複数の走路レベルの仮想走路線を生成し、車両が交差点で走行するための正確かつ円滑なナビゲーション情報を提供する。本願における技術は、マーキング対象の交差点において仮想Uターン走路線を自動的にマーキングする、すなわち、電子地図上にUターン走路線をマーキングするために使用される。
【0068】
以下では、添付図面を参照して本願の実装を詳細に説明する。
【0069】
1.第1実装における、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法
【0070】
本願の第1実装は、電子地図上のマーキング対象の交差点にUターン走路線を自動的にマーキングするための、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法に関連する。
【0071】
図1から
図11を参照すると、本願の第1実装における、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法が説明される。
【0072】
図1は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用シナリオの概略図である。
図1の下側部分における点線の枠によって囲まれた領域は、Uターン交差点、すなわち、マーキング対象の交差点における車両のUターン場所である。車両は進入走路Lgから退出走路LbへUターンし得る。
図1において、進入走路Lgは、退出走路Lbと揃っていない。具体的には、進入走路Lgの走路線端点(停止線の場所)は、退出走路Lbの走路線端点と揃っていない。加えて、進入走路Lg及び退出走路Lbの間に分離帯ISがある。
【0073】
マーキング対象の交差点において、分離帯ISに加えて、車両が走行する道路の路面より高い別の交差点物体があり得る。オブジェクトは、車両のUターンに影響を及ぼす障害物になる。従来技術において、Uターン走路線がそのようなマーキング対象の交差点において自動的にマーキングされるとき、Uターン場所における障害物は考慮されない。Uターン走路線が自動的に生成される場合でも、地図作成者はなお、手動調整を実行する必要がある。従来技術における上記の問題を考慮して、本願は、詳細に説明される、交差点における仮想Uターン走路線を自動的にマーキングするための以下の実施形態を提供する。
【0074】
1.1 第1実施形態
【0075】
図2は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の概略フローチャートである。
図3は、
図2におけるサブプロセスの概略フローチャートである。本実施形態におけるプロシージャは、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置によって実行される。装置は、ソフトウェア、ハードウェア、又は、ソフトウェアおよびハードウェアの組み合わせの方式で実装され得る。装置は、電子デバイスの一部又は全部であり得る。Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置は、交差点の近くの交差点情報及びUターン指示標示情報などの情報に基づいて、交差点における、仮想Uターン走路線でマーキングされる必要があるマーキング対象の交差点を判定し、
図2のフローチャートに示される処理を実行する。
【0076】
図4は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法におけるUターン走路線を計算するプロセスを説明する概略図である。
図4に示される多辺形交差点領域Rcのケースにおいて、
図2に示されるフローチャートに示される処理が実行される。障害物Obがあるとき、進入投射線として使用される線分BD、Uターン曲線として使用される曲線DE、退出投射線として使用される線分CE、及び、退出補足線として使用される線分ACを含むUターン走路線が計算される。障害物Obが無いとき、Uターン曲線として使用される曲線BC及び退出補足線として使用される線分ACを含むUターン走路線が計算される。
図2から
図4を参照して、以下では、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法を説明する。
【0077】
ステップS10からステップS40は、マーキング対象の交差点についての情報を取得するために使用されるステップである。マーキング対象の交差点についての情報は、少なくとも、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、マーキング対象の交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含み、更に、進入走路線についての情報、退出走路線についての情報、及び同様のものを含み得る。情報は、電子地図から直接取得され得るか、又は、電子地図における情報を処理することによって生成され得る。
【0078】
ステップS10:交差点進入点及び交差点退出点を取得する。
【0079】
交差点進入点及び交差点退出点は、マーキング対象の交差点の側に近い、電子地図におけるマーキング対象の交差点の進入走路線の端点、及び、退出走路線の端点であり得る。代替的に、多辺形交差点領域は、電子地図におけるマーキング対象の交差点の停止線、交差点物体、及び同様のものに基づいて構築され得る。交差点領域の境界線及び進入走路線の間の交点が交差点進入点として使用される。交差点領域の境界線及び退出走路線の間の交点が交差点退出点として使用される。交差点進入点は、Uターン走路線の起点として使用される。交差点退出点は、Uターン走路線の終点として使用される。
【0080】
電子地図における交差点物体は、例えば、車両が走行する道路の路面より高いオブジェクト、例えば、分離帯、縁石、歩道(小道)、及び交通信号機設備を含む。
【0081】
電子地図におけるマーキング対象の交差点の進入走路線及び退出走路線は、走路中心線及び/又は走路傍線であり得る。電子地図においてマーキングされるUターン走路線は、電子地図におけるマーキング対象の交差点の進入走路線及び退出走路線に基づいて、走路中心線及び/又は走路傍線であり得る。以下の説明において、電子地図における進入走路線及び退出走路線は走路中心線であるケースが例として使用される。しかしながら、本願はそれに限定されない。同じ処理が、走路傍線についても実行され得る。
【0082】
図4のケースにおいて、交差点進入点B及び交差点退出点Aが、ステップS10を使用することによって取得される。交差点進入点B及び交差点退出点Aはそれぞれ、進入走路線Liの端点、及び、退出走路線Loの端点である。交差点進入点B及び交差点退出点Aはまた、それぞれ、多辺形交差点領域Rc、及び、進入走路線Li及び退出走路線Loの各々の間の交点であり得る。
【0083】
ステップS20:走路線補足処理を実行する。進入走路線は退出走路線と比較される。走路線補足は、実際のケースに従って実行される。
図3は、ステップS20における走路線補足処理の概略フローチャートである。
【0084】
ステップS21:進入走路線が退出走路線と平行であるかどうかを判定する。ここで、平行は、絶対的な平行に限定されず、略平行も含む。任意選択的に、進入走路線及び退出走路線の間の挟角が、指定された角度より大きくないとき、2つの走路線は略平行であるとみなされ得る。指定された角度は例えば30度である。
【0085】
進入走路線が退出走路線と平行であるとき、ステップS22が実行される。進入走路線が退出走路線と平行でないとき、走路線補足が実行されず、
図3におけるサブプロシージャは終了する。
【0086】
ステップS22:進入走路線が退出走路線と揃っているかどうかを判定する。進入走路線が退出走路線と揃っているとは、マーキング対象の交差点の側に近い、進入走路線の端点および退出走路線の端点が、道路の幅方向において揃っていることであると理解され得る。本実施形態において、交差点進入点及び交差点退出点が道路の幅方向において揃っているかどうかが判定されることにより、退出走路線が進入走路線と揃っているかどうかが判定される。
【0087】
交差点進入点が交差点退出点と揃っていないとき、すなわち、進入走路線が退出走路線と揃っていないとき、ステップS23が実行される。交差点進入点が交差点退出点と揃っているとき、すなわち、進入走路線が退出走路線と揃っているとき、走路線は補足される必要がないか、又は、補足量がゼロである。
図3におけるサブプロシージャは終了する。
【0088】
ステップS23:進入走路線又は退出走路線を補足する。マーキング対象の交差点に向かう方向が前方向とみなされる。交差点進入点が交差点退出点の前に位置するとき、退出走路線は、退出方向の逆方向に、マーキング対象の交差点に補足される。交差点退出点が交差点進入点の前に位置するとき、進入走路線は、進入方向に、マーキング対象の交差点に補足される。
【0089】
進入走路線が補足されるとき、交差点退出点と揃っている進入補足点が取得される。交差点進入点及び進入補足点を接続する線分は、進入補足線である。進入補足線は、最終的に計算された完全Uターン走路線の一部として使用される。任意選択的に、進入補足線の長さはゼロであり得る。進入補足線がゼロであるとき、交差点進入点及び進入補足点は同一の点である。言い換えれば、退出走路線は補足されるが、進入走路線は補足されない。
【0090】
退出走路線が補足されるとき、交差点進入点と揃えられた退出補足点が取得される。交差点退出点及び退出補足点を接続する線分は退出補足線である。退出補足線は、最終的に計算された完全Uターン走路線の一部として使用される。任意選択的に、退出補足線の長さはゼロであり得る。退出補足線がゼロであるとき、交差点退出点及び退出補足点は同一の点である。言い換えれば、進入走路線は補足されるが、退出走路線は補足されない。
【0091】
図4のケースでは、ステップS20における走路線補足処理を通じて、進入走路線Liが退出走路線Loと平行であると判定される。交差点進入点Bは、交差点退出点Aの前に位置する。退出走路線Loは補足され、交差点進入点Bと揃えられた退出補足点Cが取得される。交差点退出点A及び退出補足点Cを接続する線分ACは退出補足線である。
図4のケースでは、交差点進入点Bも進入補足点Bとして使用され、進入補足線の長さはゼロである。
【0092】
ステップS30:暫定的な進入深度点及び暫定的な退出深度点を計算し、予定Uターン領域を構築する。
【0093】
多辺形の予定Uターン領域は、進入補足点、退出補足点、及びUターン深度情報に基づいて構築される。ここで、Uターン深度情報は、車両のUターン深度についての事前に指定された情報である(ここでのUターン深度情報は、指定されたUターン深度情報とも称され得る)。Uターン深度は、車両がUターンするときの、すなわち、障害物が無いときの、交差点に向かう進入走路線の方向(すなわち、Uターン深度の方向)における凡その進入距離(又は進入深度)として理解され得る。例えば、Uターン深度は、車両長情報に基づいて指定され得る。例えば、Uターン深度は6メートルから8メートルであり得る。以下の曲線深度は、Uターン深度情報に関連する。
【0094】
進入補足点及びUターン深度に基づいて、マーキング対象の交差点に延長する進入走路線の延長線上の、進入補足点への距離がUターン深度に等しい点が計算される。当該点は、暫定的な進入深度点として使用される。退出補足点及びUターン深度に基づいて、マーキング対象の交差点に延長する退出走路線の延長線上の、退出補足点への距離がUターン深度に等しい点が計算される。当該点は、暫定的な退出深度点として使用される。
【0095】
進入補足点、暫定的な進入深度点、暫定的な退出深度点、及び退出補足点を順次に接続することによって取得される四辺形領域は、予定Uターン領域として使用され得る。代替的に、進入補足点、退出補足点、並びに、暫定的な進入深度点及び暫定的な退出深度点を接続する線分の中間点を接続することによって取得される三角形領域は、予定Uターン領域として使用され得る。
【0096】
任意選択的に、中間点は使用されないことがあり得る。代わりに、暫定的な進入深度点及び暫定的な退出深度点を接続する線分上の、中間点への距離が指定範囲内にある点が使用される。任意選択的に、予定Uターン領域は代替的に、三角形及び四辺形以外の多辺形であり得る。
【0097】
図4のケースでは、ステップS30において、暫定的な進入深度点F及び暫定的な退出深度点Gは計算される。四辺形BFGCにおいて示される領域が取得され、予定Uターン領域として使用され、又は、三角形BICにおいて示される領域が取得され、予定Uターン領域として使用される。ここで、Iは線分FGの中間点である。
【0098】
ステップS40:予定Uターン領域内に、車両が走行する道路の路面より高い、車両のUターンの妨げとなる障害物があるかどうかを判定する。
【0099】
予定Uターン領域及び交差点物体の間の空間的位置関係に基づいて、車両が走行する道路の路面より高い、車両のUターンの妨げとなる障害物が交差点物体に含まれるかどうかが判定される。例えば、予定Uターン領域に少なくとも部分的に重複し、車両が走行する道路の路面より高い交差点物体は障害物とみなされると判定され得る。障害物は例えば、道路上に配置される分離帯である。予定Uターン領域に障害物が無い場合、ステップS50が実行される。予定Uターン領域に障害物がある場合、ステップS60が実行される。
【0100】
障害物が無いとき、ステップS50がUターン曲線を計算するために使用される。
【0101】
ステップS50:暫定的な進入深度点及び暫定的な退出深度点を進入深度点及び退出深度点として決定し、進入補足点、退出補足点、進入深度点、及び退出深度点に基づいてUターン曲線を計算する。
【0102】
予定Uターン領域に障害物が無いとき、進入方向における進入Uターン深度について、起点は進入補足点であり、終点は進入深度点であり;退出方向の逆方向における退出Uターン深度において、起点は退出補足点であり、終点は退出深度点である。
【0103】
Uターン曲線は、進入補足点、進入深度点、退出補足点、及び退出深度点に基づいて計算され得る。任意選択的に、Uターン曲線は代替的に、進入補足点、進入深度点及び退出深度点を接続する線分の中間点、並びに退出補足点に基づいて計算され得る。任意選択的に、中間点は使用されないことがあり得る。代わりに、進入深度点及び退出深度点を接続する線分上の、中間点への距離が指定範囲内にある点が使用される。
【0104】
予定Uターン領域に障害物が無いとき、Uターン曲線の起点は進入補足点であり、終点は退出補足点である。計算されたUターン曲線は、最終的に計算された完全Uターン走路線の一部又は全部として使用される。このようにして、予定Uターン領域に障害物が無いとき、完全Uターン走路線は、3つの部分、すなわち、進入補足線、Uターン曲線、及び退出補足線を含み、少なくともUターン曲線を含む。
【0105】
加えて、Uターン曲線が計算されるとき、ベジェ曲線が使用され得るか、又は、スプライン曲線が使用され得る。具体的な曲線計算ツールは本願において限定されない。
【0106】
図4のケースでは、予定Uターン領域として、四辺形BFGCにおいて示される領域、又は、三角形BICにおいて示される領域に障害物が無いとき、ステップS50を通じて、障害物が無いときの進入深度点F及び退出深度点Gが取得される。障害物が無いときにUターン曲線として使用される曲線BCは、進入補足点Bを起点として、退出補足点Cを終点として、進入深度点F及び退出深度点Gを制御点として使用することによって計算される。加えて、障害物が無いときのUターン曲線は代替的に、線分FGの中間点Iを制御点として使用することによって計算され得る。
【0107】
ステップS60及びS70は、障害物があるときのUターン曲線を計算するために使用される。障害物があるときのUターン走路線のUターン走路線深度は、ステップS60及びS70を通じて決定され得る。Uターン走路線深度は下で詳細に説明される。
【0108】
障害物があるとき、Uターン曲線の起点及び終点は、進入走路線又は退出走路線に沿ってマーキング対象の交差点へ延長する障害物の深度に基づいて決定される。本実施形態において、Uターン曲線の起点及び終点は、障害物の投射点を計算することによって決定される。
【0109】
ステップS60:障害物の進入投射終点および退出投射終点を計算する。2次元空間における障害物のすべての点の、進入走路線、退出走路線、又は、マーキング対象の交差点へ延長する進入走路線又は退出走路線の延長線へのすべての投射点が計算される。進入投射終点及び退出投射終点は、すべての投射点から選択される。代替的に、3次元空間又は多次元空間における障害物のすべての点の、進入走路線、退出走路線、又は延長線へのすべての投射点が計算され得る。
【0110】
障害物の点の、進入走路線、又は、マーキング対象の交差点へ延長する進入走路線の延長線への投射点は進入投射点と称される。進入投射終点は、すべての進入投射点のうち、進入補足点への距離が最も遠い進入投射点である。進入補足点及び進入投射終点を接続する線分は進入投射線である。進入投射線は、最終的に計算された完全Uターン走路線の部分として使用される。加えて、進入投射終点は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端と同等である。
【0111】
本実施形態において、計算された進入投射線は、障害物が無いケースと比較して、進入走路線の方向においてUターン走路線を延長するために使用される。
【0112】
障害物の点の、退出走路線、又は、マーキング対象の交差点へ延長する退出走路線の延長線への投射点は退出投射点と称される。退出投射終点は、すべての退出投射点のうち、退出補足点への距離が最も遠い退出投射点である。退出補足点及び退出投射終点を接続する線分は退出投射線である。退出投射線は、最終的に計算された完全Uターン走路線の部分として使用される。加えて、退出投射終点は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端と同等である。
【0113】
本実施形態において、計算された退出投射線は、障害物が無いケースと比較して、退出走路線の方向においてUターン走路線を延長するために使用される。
【0114】
任意選択的に、進入投射終点は選択されないことがあり得、進入投射終点への距離が指定範囲内にある進入投射点が選択されることにより、進入投射線が取得される。
【0115】
任意選択的に、退出投射終点は選択されないことがあり得、退出投射終点への距離が指定範囲内にある退出投射点が選択されることにより、退出投射線が取得される。
【0116】
図4のケースでは、予定Uターン領域として、四辺形BFGCに示される領域又は三角形BICにおいて示される領域に障害物Obがあるとき、ステップS50を実行することにより、障害物Obについて、進入投射終点D、退出投射終点E、進入投射線として使用される線分BD、及び、退出投射線として使用される線分CEが取得される。
【0117】
ステップS70:進入投射終点及び退出投射終点に基づいて進入深度点及び退出深度点を計算し、進入投射終点、退出投射終点、進入深度点、及び退出深度点に基づいて、Uターン曲線を計算する。
【0118】
マーキング対象の交差点へ延長する進入投射線の延長線上の、進入投射終点への距離がUターン深度に等しい点が、進入投射終点及びUターン深度に基づいて計算される。当該点は進入深度点として使用される。マーキング対象の交差点へ延長する退出走路線の延長線上の、退出投射終点への距離がUターン深度に等しい点が、退出投射終点及びUターン深度に基づいて計算される。当該点は退出深度点として使用される。
【0119】
任意選択的に、進入深度点は代替的に、進入投射終点の代わりに、進入投射終点への距離が指定範囲内にある進入投射点に基づいて計算され得る。任意選択的に、退出深度点は代替的に、退出投射終点の代わりに、退出投射終点への距離が指定範囲内にある退出投射点に基づいて計算され得る。加えて、進入深度点及び退出深度点は更に、進入投射終点及び退出投射終点より遠い点に基づいて計算され得、その結果、計算された走路線は、障害物との干渉をより確実に回避する。
【0120】
予定Uターン領域に障害物があるとき、進入方向における進入Uターン深度について、起点は進入投射終点であり、終点は進入深度点であり;退出方向の逆方向における退出Uターン深度について、起点は退出投射終点であり、終点は退出深度点である。
【0121】
Uターン曲線は、進入投射終点、進入深度点、退出深度点、及び退出投射終点に基づいて計算され得る。任意選択的に、Uターン曲線は代替的に、進入投射終点、進入深度点及び退出深度点を接続する線分の中間点、並びに退出投射終点に基づいて計算され得る。任意選択的に、中間点は使用されないことがあり得る。代わりに、進入深度点及び退出深度点を接続する線分上の、中間点への距離が指定範囲内にある点が使用される。
【0122】
予定Uターン領域に障害物があるとき、Uターン曲線の起点は進入投射終点であり、終点は退出投射終点である。予定Uターン領域に障害物があるとき、完全Uターン走路線は、5つの部分、すなわち、進入補足線、進入投射線、Uターン曲線、退出投射線、及び退出補足線を含み、少なくとも進入投射線、Uターン曲線、及び退出投射線を含む。
【0123】
図4のケースでは、障害物があるときの進入深度点J及び退出深度点Kは、ステップS70を使用することによって取得される。障害物があるときのUターン曲線として使用される曲線DEは、進入投射終点Dを起点として、退出投射終点Eを終点として、進入深度点J及び退出深度点Kを制御点として使用することによって計算される。任意選択的に、障害物があるときのUターン曲線は代替的に、線分JKの中間点Hを制御点として使用することによって計算され得る。
【0124】
加えて、上記の説明において、進入補足線及び退出補足線(例えば、
図4における線分AC)に加えて、障害物があるときに計算されるUターン走路線は、直線部分(例えば、
図4における線分BD及びCE)及び曲線部分(例えば、
図4における点D及び点Eの間の曲線DE)の両方を含む。しかしながら、別の実施形態において、代替的に、これらの直線部分は曲線で置き換えられ得る。例えば、
図4における点は例として使用される。Uターン曲線が計算されるとき、障害物があるときのUターン曲線は、進入補足点Bを起点として、退出補足点Cを終点として、進入深度点J及び退出深度点Kを制御点として使用することによって計算される。
【0125】
ステップS80:計算されたUターン走路線を電子地図上にマーキングする。少なくともUターン曲線を含むUターン走路線が、ステップS50において計算されたUターン曲線に基づいて電子地図上に描画される。代替的に、少なくとも進入投射線、Uターン曲線、及び退出投射線を含むUターン走路線が、ステップS70において計算されたUターン曲線に基づいて、電子地図上に描画される。
【0126】
図4のケースでは、ステップS80において、障害物が無いとき、Uターン曲線として使用される曲線BC及び退出補足線として使用される線分ACを含むUターン走路線がマーキングされ;又は、障害物があるとき、進入投射線として使用される線分BD、Uターン曲線として使用される曲線DE、退出投射線として使用される線分CE、及び、退出補足線として使用される線分ACを含むUターン走路線がマーキングされる。
【0127】
ステップS80においてマーキングされるUターン走路線は、Uターン走路線深度を有する。Uターン走路線深度は、Uターン走路線が交差点進入点又は交差点退出点からマーキング対象の交差点へ延長する深度である。車両のUターンの妨げとなる障害物があるとき、Uターン走路線深度は、障害物がマーキング対象の交差点へ延長する深度に基づいて決定される。Uターン走路線深度は第1深度と同等である。
【0128】
上記の説明によれば、障害物深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離、又は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離として理解され得る。障害物深度は、第2深度と同等である。
【0129】
加えて、Uターン走路線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点進入点への距離、又は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点退出点への距離として理解され得る。
【0130】
加えて、上記は単に、最も遠い投射端の概念を、幾何学的関係において障害物深度及びUターン走路線深度を説明するために使用する。実際、上記の最も遠い投射端は計算される必要がない。
【0131】
図4のケースでは、障害物Obの障害物深度は例えば、交差点進入点B及び進入投射終点Dの間の線分BDの長さである、障害物Obがあるとき、直線状の線分AE、直線状の線分BD、及び、曲線DEを含むUターン走路線のUターン走路線深度は例えば、マーキング対象の交差点への退出走路線Loの延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端Nから交差点退出点Aへの距離、すなわち、線分ANの長さである。
【0132】
加えて、障害物があるときにステップS80においてマーキングされるUターン走路線は、進入側直線部分、曲線部分、及び退出側直線部分を含む。進入側直線部分は、進入補足線及び進入投射線を含む。退出側直線部分は、退出補足線及び退出投射線を含む。曲線部分はUターン曲線を含む。進入側直線部分及び退出側直線部分は直線部分と同等である。進入側直線部分は第1直線部分と同等である。退出側直線部分は第2直線部分と同等である。
【0133】
進入側直線部分は進入側直線深度を有する。進入側直線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離である。退出側直線部分は退出側直線深度を有する。退出側直線深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。進入側直線深度は第1直線深度と同等である。退出側直線深度は第2直線深度と同等である。
【0134】
図4のケースでは、進入側直線部分は線分DBであり、進入側直線深度は線分DBの長さであり、退出側直線部分は線分AEであり、退出側直線深度は線分AEの長さである。
【0135】
障害物があるときのUターン走路線の曲線部分は曲線深度を有する。曲線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上のUターン曲線の最も遠い投射端からUターン曲線の起点への距離、又は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上のUターン曲線の最も遠い投射端からUターン曲線の終点への距離として理解され得る。
【0136】
図4のケースでは、Uターン走路線に含まれるUターン曲線は曲線DEであり、Uターン曲線の起点は点Dであり、終点は点Eであり、進入走路線Liの延長線上の曲線DEの最も遠い投射端は点Mであり、退出走路線Loの延長線上の曲線DEの最も遠い投射端は点Nである。したがって、曲線深度は線分DMの長さ又は線分ENの長さである。
【0137】
上記は、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法のプロシージャを説明する。しかしながら、上記のプロシージャにおけるステップは上記の順序に限定されず、適切に調整され得るか、又は、いくつかのステップが省略され得る。
【0138】
1.2 第2実施形態
【0139】
以下では、
図5を参照して、本実装の第2実施形態を説明する。
【0140】
第2実施形態及び第1実施形態の間の相違点は、予定Uターン領域に障害物があるかどうかが、走路線補足処理が実行される前に判定されることである。以下の説明において、第2実施形態における第1実施形態と同じ処理は、第1実施形態における内容を参照して説明され、又は、単に簡単に説明される。
【0141】
図5は、第2実施形態によるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法の概略フローチャートである。
【0142】
ステップS100、S300、及びS400は、マーキング対象の交差点についての情報を取得するために使用されるステップである。
【0143】
ステップS100:交差点進入点及び交差点退出点を取得する。ステップS100における処理は、第1実施形態における
図2のステップS10の処理と同じである。ここでは詳細な説明を省略する。
【0144】
ステップS300:暫定的な進入深度点及び暫定的な退出深度点を計算し、予定Uターン領域を構築する。
【0145】
このステップでは、予定Uターン領域は、交差点進入点、交差点退出点、及びUターン深度情報に基づいて構築される。暫定的な進入深度点は、交差点進入点及びUターン深度に基づいて計算される。暫定的な退出深度点は、交差点退出点及びUターン深度に基づいて計算される。多辺形領域が、交差点進入点、交差点退出点、暫定的な進入深度点、及び暫定的な退出深度点に基づいて取得され、予定Uターン領域として使用される。
【0146】
ステップS400:予定Uターン領域に障害物があるかどうかを判定する。ステップS400における処理は、第1実施形態における
図2のステップS40の処理と同じである。ここでは詳細な説明を省略する。障害物が無い場合、ステップS450が実行される。障害物がある場合、ステップS600が実行される。
【0147】
ステップS450:走路線補足処理を実行する。ステップS450の処理は、第1実施形態における
図2のステップS20の処理と同じである。ここでは詳細な説明を省略する。
【0148】
ステップS500:進入補足点及び退出補足点に基づいて進入深度点及び退出深度点を計算し、進入補足点、退出補足点、進入深度点、及び退出深度点に基づいてUターン曲線を計算する。
【0149】
ステップS600:障害物の進入投射終点及び退出投射終点を計算する。
【0150】
交差点進入点及び進入投射終点を接続する線分は進入投射線である。交差点退出点及び退出投射終点を接続する線分は退出投射線である。
【0151】
任意選択的に、進入投射終点は選択されないことがあり得、別の進入投射点が選択されることにより進入投射線が取得される。任意選択的に、退出投射終点は選択されないことがあり得、別の退出投射点が選択されることにより退出投射線が取得される。
【0152】
ステップS700:進入投射終点及び退出投射終点に基づいて進入深度点及び退出深度点を計算し、進入投射終点、退出投射終点、進入深度点、及び退出深度点に基づいて、Uターン曲線を計算する。
【0153】
予定Uターン領域に障害物があるとき、完全Uターン走路線は進入投射線、Uターン曲線、及び退出投射線を含む。
【0154】
ステップS800:電子地図上で計算されたUターン走路線をマーキングする。少なくともUターン曲線を含むUターン走路線が、ステップS500において計算されたUターン曲線に基づいて電子地図上に描画される。代替的に、進入投射線、Uターン曲線、及び退出投射線を含むUターン走路線が、ステップS700において計算されたUターン曲線に基づいて電子地図上に描画される。
【0155】
1.3 第3実施形態
【0156】
以下では、
図6を参照して本実装の第3実施形態を説明する。
【0157】
第3実施形態及び第2実施形態の間の相違点は、走路線補足処理が省略されることである。以下の説明では、第3実施形態における第2実施形態と同じ処理は、第2実施形態における内容を参照して説明されるか、又は、単に簡単に説明される。
【0158】
図6は、第3実施形態によるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法の概略フローチャートである。
【0159】
ステップS1000、S3000、S4000、S6000、及びS7000における処理は、第2実施形態における
図5のステップS100、S300、S400、S600、及びS700における処理と同じである。ここで詳細な説明が省略される。
【0160】
障害物が無いとき、ステップS4000がスキップされ、ステップS5000が直接実行される。
【0161】
ステップS5000:暫定的な進入深度点及び暫定的な退出深度点を進入深度点及び退出深度点として決定し、交差点進入点、交差点退出点、進入深度点、及び退出深度点に基づいてUターン曲線を計算する。
【0162】
予定Uターン領域に障害物が無いとき、進入方向における進入Uターン深度について、起点は交差点進入点であり、終点は進入深度点であり、退出方向の逆方向における退出Uターン深度について、起点は交差点退出点であり、終点は退出深度点である。
【0163】
Uターン曲線は、交差点進入点、進入深度点、退出深度点、及び交差点退出点に基づいて計算され得る。任意選択的に、Uターン曲線は代替的に、交差点進入点、進入深度点及び退出深度点を接続する線分の中間点、並びに交差点退出点に基づいて計算され得る。任意選択的に、中間点は使用されないことがあり得る。代わりに、進入深度点及び退出深度点を接続する線分上の、中間点への距離が指定範囲内にある点が使用される。
【0164】
予定Uターン領域に障害物が無いとき、Uターン曲線の起点は交差点進入点であり、終点は交差点退出点である。したがって、完全Uターン走路線は単にUターン曲線を含む。
【0165】
ステップS8000:計算されたUターン走路線を電子地図上にマーキングする。単にUターン曲線を含むUターン走路線が、ステップS5000において計算されたUターン曲線に基づいて電子地図上に描画される。代替的に、進入投射線、Uターン曲線、及び退出投射線を含むUターン走路線が、ステップS7000において計算されたUターン曲線に基づいて電子地図上に描画される。
【0166】
上記は、本願のいくつかの実施形態を説明する。しかしながら、本願は上記の実施形態に限定されない。
【0167】
1.4 他の実施形態
【0168】
いくつかの実施形態において、
図2におけるフローチャートに示される処理は、進入走路線及び退出走路線の間の距離が指定された閾値より大きいときに実行され得る。指定された閾値は例えば4メートルである。
【0169】
いくつかの実施形態において、暫定的なUターン曲線はまず交差点進入点及び交差点退出点に基づいて計算され得る。暫定的なUターン曲線が障害物に干渉するかどうかが判定される。暫定的なUターン曲線が障害物に干渉しない場合、暫定的なUターン曲線はUターン曲線として使用される。暫定的なUターン曲線が障害物に干渉する場合、Uターン曲線は、障害物が進入走路線又は退出走路線に沿ってマーキング対象の交差点へ延長する深度に基づいて再計算される。
【0170】
いくつかの実施形態においてUターン走路線が、交差点進入点、交差点退出点、及び、事前設定された指定の延長量に基づいてマーキングされ得る。任意選択的に、予定Uターン領域に障害物があると判定されるとき、進入走路線は、交差点進入点から交差点へ、事前設定された指定延長量だけ延長して進入延長点が取得され、退出走路線は、交差点退出点から交差点へ、事前設定された指定延長量だけ延長して暫定的なUターン走路線を生成する。暫定的なUターン走路線が障害物に干渉するかどうかが判定される。暫定的なUターン走路線が障害物に干渉しない場合、暫定的なUターン走路線はUターン走路線として使用される。暫定的なUターン走路線が障害物に干渉する場合、Uターン走路線は、上で説明された方式で再計算される。任意選択的に、指定の延長量は、障害物のタイプに基づいて設定され得る。
【0171】
いくつかの実施形態において、進入走路線及び退出走路線が、障害物に対して非対称であるとき、進入深度点及び退出深度点を接続する線分上の、障害物の前に位置する点が、Uターン曲線を計算するための制御点として選択され得る。
【0172】
進入走路線及び退出走路線が障害物に対して非対称であるケースは、例えば、障害物から進入走路線への距離が、障害物から退出走路線への距離に等しくないことである。任意選択的に、進入深度点及び退出深度点を接続する線分上の障害物のすべての投射点が計算され得、制御点がこれらの投射点から選択される。任意選択的に、進入走路線又は退出走路線に垂直な方向における障害物の中間点が計算され得る。進入走路線又は退出走路線と平行である、中間点から出る線、及び、進入深度点及び退出深度点を接続する線分の間の交点が制御点として使用される。
【0173】
いくつかの実施形態において、進入走路線及び退出走路線の間の挟角が指定された角度より大きいとき、進入走路線の延長線と退出走路線との交点が、Uターン曲線を計算するための制御点として使用され得る。
【0174】
いくつかの実施形態において、Uターン交差点における自動でマーキングされたUターン走路線は、2つの走路傍線及び1つの走路中心線を含み得る。
【0175】
いくつかの実施形態において、進入走路線及び退出走路線の間の距離が過度に小さいとき、1つの走路中心線及び外側の1つの走路傍線のみがUターン走路線のためにマーキングされ得、内側の走路傍線がマーキングされないことがあり得る。
【0176】
図7から
図11を参照すると、以下では、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例を説明する。
【0177】
図7は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
図7のシナリオにおいて、Uターン交差点のUターン場所における進入走路線Li及び退出走路線Loは走路中心線である。2つの走路線は揃っていない。Uターン場所に障害物Obがある。このシナリオでは、交差点進入点がB、交差点退出点がA、退出走路線Loが点Cへ補足され、退出補足点がCであり、退出補足線が線分ACであり、障害物Obの進入投射終点がDであり、退出投射終点がEであり、進入投射線が線分BDであり、退出投射線が線分CEである。電子地図上でマーキングされたUターン走路線Lcは走路中心線であり、進入投射線として使用される線分BD、Uターン曲線として使用される曲線DE、退出投射線として使用される線分CE、及び、退出補足線として使用される線分ACを含む。加えて、
図5において、Uターン場所における2つの走路傍線もマーキングされている。Uターン場所における走路傍線は、走路中心線と同じ処理を実行することによって取得され得る。
【0178】
図8は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
図8のシナリオにおいて、進入走路線Li及び退出走路線Loは走路中心線である。2つの走路線は揃っている。Uターン場所に障害物Obがある。このシナリオにおいて、交差点進入点がBであり、交差点退出点がAであり、障害物Obの進入投射終点がDであり、退出投射終点がEであり、進入投射線が線分BDであり、退出投射線が線分AEである。電子地図上でマーキングされるUターン走路線Lcが走路中心線であり、進入投射線として使用される線分BD、Uターン曲線として使用される曲線DE、及び、退出投射線として使用される線分AEを含む。加えて、
図8において、Uターン場所における2つの走路傍線もマーキングされる。
【0179】
図9は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
図9のシナリオにおいて、進入走路線Li及び退出走路線Loは走路中心線である。2つ走路線は揃っている。Uターン場所に障害物Obがある。進入走路線Li及び退出走路線Loは障害物Obに対して非対称である。言い換えれば、進入走路線から障害物への距離が、水平方向(走路幅方向)において、退出走路線から障害物への距離に等しくない。このシナリオでは、交差点進入点がB、交差点退出点がA、障害物Obの進入投射終点がD、退出投射終点がEである。電子地図上でマーキングされたUターン走路線Lcが走路中心線であり、進入投射線として使用される線分BD、Uターン曲線として使用される曲線DE、及び、退出投射線として使用される線分AEを含む。加えて、
図9において、Uターン場所における2つの走路傍線もマーキングされる。
【0180】
図9のシナリオでは、Uターン曲線が計算されるとき、進入深度点及び退出深度点を接続する線分の中間点は制御点として使用され得る。代替的に、中間点は使用されないことがあり得る。例えば、進入方向における線分上の、障害物の前に位置する点が使用される。計算されたUターン走路線の形状は、中間点が使用されるかどうかに基づいて判定される。ここで、
図9の(a)は、中間点が制御点として使用されるときに計算されるUターン走路線を示し、
図9の(b)は、障害物の前に位置する点が制御点として使用されるときに計算されるUターン走路線を示す。
【0181】
図10は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
図10のシナリオでは、停止線が走路線に垂直でない。進入走路線Li及び退出走路線Loは走路傍線である。2つの走路線は揃っていない。加えて、Uターン場所に障害物Obがある。障害物Obの幅は、比較的小さい。進入走路線Li及び退出走路線Loの間の距離は比較的小さい。
【0182】
このシナリオでは、交差点進入点がBであり、交差点退出点がAであり、退出走路線Loが点Cへ補足され、退出補足点がCであり、退出補足線が線分ACであり、障害物Obの進入投射終点がDであり、退出投射終点がEである。電子地図上でマーキングされたUターン走路線Lcが走路傍線であり、進入投射線として使用される線分BD、Uターン曲線として使用される曲線DE、退出投射線として使用される線分CE、及び、退出補足線として使用される線分ACを含む。このシナリオでは、図に示すように、Uターン場所の走路中心線及び外側の走路傍線がマーキングされ得、内側の走路傍線はマーキングされないことがあり得る。
【0183】
図11は、本願の実施形態による、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の適用例の概略図である。
図11のシナリオでは、進入走路線Li及び退出走路線Loが走路中心線である。2つの走路線の間の挟角は比較的大きい。交差点Uターン場所に障害物Obがある。このシナリオにおいて、進入走路線Li及び退出走路線Loは補足されない。交差点進入点がBであり、交差点退出点がAであり、障害物Obの進入投射終点がDであり、退出投射終点がEであり、進入投射線DB及び退出投射線CEは異なる長さを有する。電子地図上でマーキングされるUターン走路線Lcが走路中心線であり、進入投射線BD、Uターン曲線DE、及び退出投射線CEを含む。このシナリオでは、Uターン曲線として使用される曲線DEが計算されるとき、進入走路線Li及び退出走路線Loの交点が制御点として使用され得る。加えて、
図9において、Uターン場所における2つの走路傍線もマーキングされる。
【0184】
1.5 第1実装の概要
【0185】
上記の実施形態から少なくとも以下の方式が取得され得る。
【0186】
Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法は、以下の段階、すなわち、マーキング対象の交差点についての情報を取得する段階、ここで、マーキング対象の交差点についての情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、マーキング対象の交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含む;及び、第1深度を有するUターン走路線をマーキングする段階、ここで、第1深度は、障害物の第2深度に基づいて決定される、を備える。
【0187】
ここで、交差点進入点は、マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され得、交差点退出点は、マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定され得る。
【0188】
第1深度は、Uターン走路線が交差点進入点又は交差点退出点からマーキング対象の交差点へ延長する深度である。第1深度は例えば、上記の実施形態におけるUターン走路線深度である。
【0189】
第2深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり、又は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。第2深度は例えば、上記の実施形態における障害物深度である。マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、例えば、上記の実施形態における進入投射終点である。マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、例えば、上記の実施形態における退出投射終点である。
【0190】
この方式では、障害物があるとき、Uターン走路線の第1深度は、進入走路線又は退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。したがって、障害物が無いケースと比較して、比較的大きい深度におけるマーキング対象の交差点へ延長するUターン走路線を自動的にマーキングでき、車両のUターン中に障害物に衝突することを回避する。このようにして、自動でマーキングされたUターン走路線は、手動で調整される必要がなく、又は、手動調整に使用される時間を低減できる。
【0191】
Uターン走路線は、直線部分及び曲線部分を含み得、第1深度は直線部分の直線深度及び曲線部分の曲線深度を含み、直線深度は、交差点進入点、交差点退出点、及び障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。直線部分は例えば、上記の実施形態における進入補足線、退出補足線、進入投射線、又は、退出投射線である。直線深度は例えば、上記の実施形態における進入側直線深度又は退出側直線深度である。曲線部分は例えば、上記の実施形態におけるUターン曲線である。曲線深度は例えば、上記の実施形態における曲線深度である。
【0192】
この方式では、Uターン走路線は、直線部分及び曲線部分を含み、その結果、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合できる。
【0193】
直線部分は、第1直線深度の第1直線部分及び第2直線深度の第2直線部分を含み得、第1直線部分は交差点進入点からマーキング対象の交差点へ延長し、第2直線部分は交差点退出点からマーキング対象の交差点へ延長し、曲線部分は第1直線部分及び第2直線部分の間に接続される。
【0194】
第1直線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離であり得、第2直線深度は、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離であり得る。
【0195】
第1直線部分は例えば、上記の実施形態における進入補足線又は進入投射線である。第1直線深度は例えば、上記の実施形態における進入側直線深度である。第2直線部分は例えば、上記の実施形態における退出補足線又は退出投射線である。第2直線深度は例えば、上記の実施形態における退出側直線深度である。
【0196】
曲線深度は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端、及び車両長情報に基づいて決定され得る。
【0197】
ここで、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、曲線部分の起点として使用され得、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、終点として使用される。少なくとも1つの制御点が車両長情報に基づいて決定されることにより、曲線部分が決定され、更に曲線深度が決定される。曲線部分は、ベジェ曲線又はスプライン曲線を使用することによって決定され得る。
【0198】
この方式では、曲線深度は更に、車両長情報に基づいて決定され、適切なUターン走路線を、自動車及びトラックなどの異なる車両タイプに基づいてマーキングでき、その結果、マーキングされたUターン走路線は、車両の実際の走行進路により良く適合する。
【0199】
マーキング対象の交差点についての情報を取得することは、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて予定Uターン領域を構築すること、及び、車両が走行する道路の路面より高い、予定Uターン領域における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を取得することを含み得る。
【0200】
この方式では、Uターンの妨げとなる障害物があるかどうかは、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて判定される。したがって、Uターンの妨げとなる障害物を確実に判定できる。
【0201】
多辺形領域は、交差点進入点、交差点退出点、及び、車両長情報に基づいて取得される暫定的な進入深度点及び暫定的な退出深度点に基づいて、予定Uターン領域として構築され得る。交差点進入点が交差点退出点と揃っていないとき、進入補足点及び退出補足点がまた、交差点進入点及び交差点退出点に基づいて取得され得る。予定Uターン領域は、進入補足点、退出補足点、暫定的な進入深度点、及び、暫定的な退出深度点に基づいて構築される。
【0202】
予定Uターン領域が進入補足点及び退出補足点に基づいて構築されるとき、進入補足点及び退出補足点はマーキング対象の交差点の内側により近いので、障害物の投射点が、進入補足点及び退出補足点に基づいて計算される。したがって、最も遠い投射端を取得するために投射点を計算する計算負荷を低減でき、Uターン走路線を自動的にマーキングするために使用される時間を低減できる。
【0203】
2.第2実装におけるUターン走路線を自動的にマーキングするための装置
【0204】
上記は、
図1から
図11を参照して、第1実装における、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法の実施形態を詳細に説明する。以下では、
図12を参照して、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための装置の実施形態を詳細に説明する。方法の実施形態の説明は装置の実施形態の説明に対応することが理解されるべきである。したがって、装置の実施形態において詳細に説明されない部分については、上記の方法の実施形態を参照されたい。
【0205】
図12は、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置100の構造の概略図である。Uターン走路線をマーキングするための装置100は、情報取得モジュール110及びマーキングモジュール150を備える。
【0206】
情報取得モジュール110は、マーキング対象の交差点についての情報を取得するように構成されている。マーキング対象の交差点についての情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、マーキング対象の交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含む。
【0207】
情報取得モジュール110は、走路線情報取得ユニット111、走路線補足ユニット112、及び障害物判定ユニット113を含む。代替的に、情報取得モジュール110は走路線補足ユニット112を含まないことがあり得る。
【0208】
走路線情報取得ユニット111は、交差点進入点及び交差点退出点を取得するように構成されている。交差点進入点は、マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され得る。交差点退出点は、マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定され得る。
【0209】
走路線補足ユニット112は、進入走路線が退出走路線と揃っていないとき、進入走路線及び退出走路線をマーキング対象の交差点へ補足するように構成されている。
【0210】
障害物判定ユニット113は、車両が走行する道路の路面より高い、マーキング対象の交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物を判定するように構成されている。障害物判定ユニット113は、交差点進入点、交差点退出点、及び車両長情報に基づいて予定Uターン領域を構築し、車両が走行する道路の路面より高い、予定Uターン領域における車両のUターンの妨げとなる障害物を判定し得る。
【0211】
マーキングモジュール120は、Uターン走路線深度を有するUターン走路線をマーキングするように構成されている。Uターン走路線深度は、車両が走行する道路の路面より高い、マーキング対象の交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物の障害物深度に基づいて決定される。Uターン走路線深度は第1深度と同等である。障害物深度は、第2深度と同等である。
【0212】
マーキングモジュール120は障害物深度決定ユニット121及びUターン走路線深度決定ユニット122を含む。
【0213】
障害物深度決定ユニット121は障害物深度を決定するように構成されている。障害物深度決定ユニット121は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離、及び、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離を取得し、障害物深度を決定する。マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、例えば、上記の実施形態における進入投射終点である。マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、例えば、上記の実施形態における退出投射終点である。
【0214】
Uターン走路線深度決定ユニット122は、Uターン走路線深度を決定するように構成されている。Uターン走路線深度決定ユニット122は、Uターン走路線に含まれる直線部分の直線深度、及び、Uターン走路線に含まれる曲線部分の曲線深度を決定する。
【0215】
Uターン走路線深度決定ユニット122は、マーキング対象の交差点への進入走路線及び退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端に基づいて直線深度を決定する。具体的には、Uターン走路線深度決定ユニット122は、Uターン走路線の直線部分に含まれる第1直線部分の第1直線深度を決定する。Uターン走路線深度決定ユニット122は更に、Uターン走路線の直線部分に含まれる第2直線部分の第2直線深度を決定する。ここで、第1直線深度は例えば、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点進入点への距離である。第2直線深度は例えば、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端から交差点退出点への距離である。
【0216】
Uターン走路線深度決定ユニット122は更に、車両長情報に基づいて曲線深度を決定する。具体的には、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、曲線部分の起点として使用され得、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端は、終点として使用される。少なくとも1つの制御点が、車両長情報に基づいて決定されることにより、曲線深度が決定される。
【0217】
このようにして、Uターン走路線深度決定ユニット122は、マーキング対象の交差点への進入走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点進入点への距離、及び、マーキング対象の交差点への退出走路線の延長線上のUターン走路線の最も遠い投射端から交差点退出点への距離を決定できる。このようにして、Uターン走路線深度決定ユニット122は、Uターン走路線深度を決定できる。
【0218】
Uターン走路線深度は、上で説明された方式で決定される。マーキングモジュール120は、以下の部分、すなわち、交差点進入点からマーキング対象の交差点へ延長する、第1直線深度を有する第1直線部分;交差点退出点からマーキング対象の交差点へ延長する、第2直線深度を有する第2直線部分;及び、第1直線部分及び第2直線部分の間に接続される、曲線深度を有する曲線部分を含むUターン走路線をマーキングできる。
【0219】
第2実装におけるUターン走路線を自動的にマーキングするための装置100が使用され、障害物があるとき、Uターン走路線の第1深度が、進入走路線又は退出走路線の延長線上の障害物の最も遠い投射端に基づいて決定される。したがって、障害物が無いケースと比較して、比較的大きい深度におけるマーキング対象の交差点へ延長するUターン走路線を自動的にマーキングでき、車両のUターン中に障害物に衝突することを回避する。このようにして、自動でマーキングされたUターン走路線は、手動で調整される必要がなく、又は、手動調整に使用される時間を低減できる。
【0220】
3、第3実装におけるコンピューティングデバイス
【0221】
本願の第4実装はコンピューティングデバイスを提供する。
図13は、本願の実施形態によるコンピューティングデバイス200の構造の概略図である。コンピューティングデバイス200は、プロセッサ210、メモリ220、通信インタフェース230、及びバス240を備える。
【0222】
図13に示されるコンピューティングデバイス200における通信インタフェース230は、別のデバイスと通信するように構成得ることが理解されるべきである。
【0223】
プロセッサ210はメモリ220に接続され得る。メモリ220はプログラムコード及びデータを格納するように構成され得る。したがって、メモリ220は、プロセッサ210におけるストレージユニット、プロセッサ210から独立した外部ストレージユニット、又は、プロセッサ210におけるストレージユニットおよびプロセッサ210から独立した外部ストレージユニットを含むコンポーネントであり得る。
【0224】
任意選択的に、コンピューティングデバイス200は更にバス240を含み得る。メモリ220及び通信インタフェース230はバス240を通じてプロセッサ210に接続され得る。バス240は、ペリフェラルコンポーネントインターコネクト(Peripheral Component Interconnect、PCI)バス、拡張型業界標準アーキテクチャ(Extended Industry Standard Architecture、EISA)バス、又は同様のものであり得る。バス240は、アドレスバス、データバス、制御バスなどに分類され得る。表現を容易にするべく、
図13においてバスを表すために1つの線のみが使用されるが、これは、1つのバスのみ、又は、1つのタイプのバスのみがあることを意味するものではない。
【0225】
本願の本実施形態において、プロセッサ210は中央演算処理装置(central processing unit, CPU)であり得ることが理解されるべきである。プロセッサは代替的に、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor, DSP)、特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit, ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate Array, FPGA)、又は、別のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジックデバイス、又は、ディスクリートハードウェアコンポーネントであり得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサであってよく、又は、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ若しくは同様のものであってよい。代替的に、プロセッサ210は、1又は複数の集積回路を使用し、関連するプログラムを実行するように構成され、本願の実施形態において提供される技術的解決手段を実装する。
【0226】
メモリ220は、リードオンリメモリ及びランダムアクセスメモリを含み得、命令及びデータをプロセッサ210に提供し得る。プロセッサ210の一部は更に、不揮発性ランダムアクセスメモリを含み得る。例えば、プロセッサ210は更に、デバイスタイプ情報を格納し得る。
【0227】
コンピューティングデバイス200が実行されるとき、プロセッサ210は、メモリ220におけるコンピュータ実行可能命令を実行し、本願の実施形態において提供される、Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法のオペレーションステップを実行する。
【0228】
本願の本実施形態において提供されるコンピューティングデバイス200は、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法を実行するために、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための装置として使用され得ることが理解されるべきである。コンピューティングデバイス200におけるモジュールの上記及び他のオペレーション及び/又は機能はそれぞれ、実施形態における方法の対応するプロシージャを実装するために使用される。簡潔にするために、ここでは詳細について改めて説明しない。
【0229】
4.第4実装におけるコンピュータ可読記憶媒体
【0230】
本願の第4実装はコンピュータ可読記憶媒体を提供する。コンピュータ可読記憶媒体は、コンピュータプログラムを格納する。プロセッサによって実行されるとき、プログラムは、上記の実施形態において説明されるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法の少なくとも1つを実行するために使用される。
【0231】
本願の本実施形態におけるコンピュータ記憶媒体は、1又は複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせであり得る。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体又はコンピュータ可読記憶媒体であってよい。コンピュータ可読記憶媒体は、電気、磁気、光、電磁、赤外線、又は半導体システム、装置、又はデバイス、又は、それらの任意の組み合わせであり得るが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的リスト)は、1又は複数のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、光ストレージデバイス、磁気ストレージデバイス、又は、それらの任意の適切な組み合わせを含む。この文書において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって使用され得る、又は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスと組み合わせて使用され得るプログラムを含む又は格納する任意の有形媒体であり得る。
【0232】
コンピュータ可読信号媒体は、ベースバンドにおいて、又は、キャリアの一部として伝搬されてコンピュータ可読プログラムコードを搬送するデータ信号を含み得る。そのような伝搬されるデータ信号は、電磁信号、光信号、又は、これらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない様々な形態をとり得る。コンピュータ可読信号媒体は代替的に、コンピュータ可読記憶媒体以外の任意のコンピュータ可読媒体であり得る。コンピュータ可読媒体は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスによって使用される、又は、命令実行システム、装置、若しくはデバイスと組み合わせて使用されるプログラムを送信、伝搬、又は伝送し得る。
【0233】
コンピュータ可読媒体に含まれるプログラムコードは、無線、電気ワイヤ、光ケーブル、RF、又は、これらの任意の適切な組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な媒体を使用することによって伝送され得る。
【0234】
本願におけるオペレーションを実行するために使用されるコンピュータプログラムコードは、1又は複数のプログラム設計言語又はその組み合わせで書かれ得る。プログラム設計言語は、Java(登録商標)、Smalltalk(登録商標)、およびC++などのオブジェクト指向プログラム設計言語を含み、C言語又は同様のプログラム設計言語などの従来の手続き型プログラム設計言語を更に含む。プログラムコードは、ユーザコンピュータ上で全体的に実行され得るか、又は、一部がユーザコンピュータ上で別個のソフトウェアパッケージとして実行され得るか、又は、一部がユーザコンピュータ上で実行され得る一方、一部がリモートコンピュータ上で実行されるか、又は、コードはリモートコンピュータ又はサーバ上で全体的に実行され得る。リモートコンピュータが関与するとき、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを使用することによってユーザコンピュータに接続され得るか、又は、外部コンピュータに接続され得る(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用することによって、インターネットを通じて接続される)。
【0235】
5.第5実装におけるコンピュータプログラム
【0236】
本願の第5実装はコンピュータプログラムを提供する。プログラムを実行するとき、コンピュータは、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法を実行でき、又は、Uターン走路線を自動的にマーキングするための上記装置として機能できる。
【0237】
6.第6実装における地図
【0238】
本願の第6実装は地図を提供する。地図は、本願の実施形態において提供されるUターン走路線を自動的にマーキングするための方法を使用することによってUターン交差点でマーキングされるUターン走路線を含む。Uターン走路線をマーキングするための方法の説明から、地図が第1深度を有するUターン走路線を含むと認識できる。第1深度は、車両が走行する道路の路面より高い、Uターン交差点における車両のUターンの妨げとなる障害物の第2深度に基づいて決定される。第1深度は、交差点進入点又は交差点退出点からUターン交差点へUターン走路線が延長する深度である。
【0239】
そのような地図を使用することによって、車両は、地図に基づいて自動運転を実行するとき、障害物に衝突することなくUターン動作を安全に実行できる。
【0240】
加えて、地図の別の具体的な構造、特に、Uターン走路線の構造が、上記実装の説明から認識され得る(
図4、
図7、
図8、
図8、
図10、及び同様のものを単純に参照されたい)。したがって、ここでは地図の詳細な説明が省略される。
【0241】
上記は単に本願の例示的な実施形態及び技術的原理であることに留意されたい。当業者であれば、本願は、ここで説明された具体的な実施形態に限定されないことを理解し得、当業者は、本願の保護範囲から逸脱することなく様々な明白な変更、再調整、及び、置換を行い得る。したがって、上記の実施形態を使用することによって本願が詳細に説明されるが、本願は上記の実施形態に限定されず、本願の概念から逸脱することなく、より多くの他の同等の実施形態を更に含み得る。これらの実施形態はすべて、本願の保護範囲内に属する。
他の可能な項目
(項目1)
以下の段階、すなわち、
マーキング対象の交差点についての情報を取得する段階、ここで、前記マーキング対象の交差点についての前記情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、前記マーキング対象の交差点における前記車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含み、前記交差点進入点は、前記マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、前記交差点退出点は、前記マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定される;及び、
第1深度を有するUターン走路線をマーキングする段階、ここで、前記第1深度は、前記障害物の第2深度に基づいて決定される、
を備え、
前記第1深度は、前記交差点進入点又は前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ前記Uターン走路線が延長する深度であり、
前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点進入点への距離であり、又は、前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点退出点への距離である、
Uターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
(項目2)
前記Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み;
前記第1深度は前記直線部分の直線深度及び前記曲線部分の曲線深度を含み、前記直線深度は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び、前記障害物の前記最も遠い投射端に基づいて決定される、
項目1に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
(項目3)
前記直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、前記第1直線部分は、前記交差点進入点から前記マーキング対象の交差点へ延長し、前記第2直線部分は、前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ延長し;
前記曲線部分は、前記第1直線部分及び前記第2直線部分の間に接続される、
項目2に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
(項目4)
前記第1直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点進入点への前記距離であり、前記第2直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点退出点への前記距離である、
項目3に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
(項目5)
前記曲線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の障害物の前記最も遠い投射端、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、及び、車両長情報に基づいて決定される、
項目2から4のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
(項目6)
前記障害物についての前記情報を取得する前記段階は、
前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び前記車両長情報に基づいて、予定Uターン領域を構築する段階;及び、
前記車両が走行する前記道路の前記路面より高い、前記予定Uターン領域における前記車両の前記Uターンの妨げとなる前記障害物についての前記情報を取得する段階
を含む、項目1から5のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための方法。
(項目7)
情報取得モジュール、ここで、前記情報取得モジュールは、マーキング対象の交差点についての情報を取得し、前記マーキング対象の交差点についての前記情報は、交差点進入点についての情報、交差点退出点についての情報、及び、車両が走行する道路の路面より高い、前記マーキング対象の交差点における前記車両のUターンの妨げとなる障害物についての情報を含み、前記交差点進入点は、前記マーキング対象の交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、前記交差点退出点は、前記マーキング対象の交差点の退出走路線の端点に基づいて決定される;及び、
マーキングモジュール、ここで、前記マーキングモジュールは、第1深度を有するUターン走路線をマーキングし、前記第1深度は、前記障害物の第2深度に基づいて決定される、
を備え、
前記第1深度は、前記Uターン走路線が前記交差点進入点又は前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ延長する深度であり、
前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点進入点への距離であり、又は、前記第2深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点退出点への距離である、
Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
(項目8)
前記Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み;
前記第1深度は前記直線部分の直線深度及び前記曲線部分の曲線深度を含み、前記直線深度は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び、前記障害物の前記最も遠い投射端に基づいて決定される、
項目7に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
(項目9)
前記直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、前記第1直線部分は、前記交差点進入点から前記マーキング対象の交差点へ延長し、前記第2直線部分は、前記交差点退出点から前記マーキング対象の交差点へ延長し;
前記曲線部分は、前記第1直線部分及び前記第2直線部分の間に接続される、
項目8に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
(項目10)
前記第1直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点進入点への前記距離であり、前記第2直線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点退出点への前記距離である、
項目9に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
(項目11)
前記曲線深度は、前記マーキング対象の交差点への前記進入走路線の前記延長線上の障害物の前記最も遠い投射端、前記マーキング対象の交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、及び、車両長情報に基づいて決定される、
項目8から10のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
(項目12)
前記情報取得モジュールは、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び前記車両長情報に基づいて予定Uターン領域を構築し;前記車両が走行する前記道路の前記路面より高い、前記予定Uターン領域における前記車両の前記Uターンの妨げとなる前記障害物についての前記情報を取得する、
項目7から11のいずれか一項に記載のUターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
(項目13)
少なくとも1つのプロセッサ;及び
少なくとも1つのメモリ、ここで、前記メモリは、プログラム命令を格納し、前記プログラム命令が前記少なくとも1つのプロセッサによって実行されるとき、前記少なくとも1つのプロセッサは、項目1から6のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能である、
を備える、Uターン走路線を自動的にマーキングするための装置。
(項目14)
プログラム命令を格納し、
前記プログラム命令がコンピュータによって実行されるとき、前記コンピュータは、項目1から6のいずれか一項に記載の方法を実行することが可能である、
コンピュータ可読記憶媒体。
(項目15)
第1深度を有するUターン走路線を含む地図であって、前記第1深度は、車両が走行する道路の路面より高い、Uターン交差点において前記車両のUターンの妨げとなる障害物の第2深度に基づいて決定され;
前記第1深度は、前記Uターン走路線が交差点進入点又は交差点退出点から前記Uターン交差点へ延長する深度であり、前記交差点進入点は、前記Uターン交差点の進入走路線の端点に基づいて決定され、前記交差点退出点は、前記Uターン交差点の退出走路線の端点に基づいて決定され;
前記第2深度は、前記Uターン交差点への前記進入走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点進入点への距離であり、又は、前記第2深度は、前記Uターン交差点への前記退出走路線の延長線上の前記障害物の最も遠い投射端から前記交差点退出点への距離である、
地図。
(項目16)
前記Uターン走路線は直線部分及び曲線部分を含み;
前記第1深度は前記直線部分の直線深度及び前記曲線部分の曲線深度を含み、前記直線深度は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び、前記障害物の前記最も遠い投射端に基づいて決定される、
項目15に記載の地図。
(項目17)
前記直線部分は、第1直線深度を有する第1直線部分、及び、第2直線深度を有する第2直線部分を含み、前記第1直線部分は前記交差点進入点から前記Uターン交差点へ延長し、前記第2直線部分は、前記交差点退出点から前記Uターン交差点へ延長し;
前記曲線部分は前記第1直線部分及び前記第2直線部分の間に接続される、
項目16に記載の地図。
(項目18)
前記第1直線深度は、前記Uターン交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点進入点への前記距離であり、前記第2直線深度は、前記Uターン交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端から前記交差点退出点への前記距離である、項目17に記載の地図。
(項目19)
前記曲線深度は、前記Uターン交差点への前記進入走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、前記Uターン交差点への前記退出走路線の前記延長線上の前記障害物の前記最も遠い投射端、及び車両長情報に基づいて決定される、項目16から18のいずれか一項に記載の地図。
(項目20)
前記障害物は、前記交差点進入点、前記交差点退出点、及び前記車両長情報に基づいて構築される予定Uターン領域に位置する、項目15から19のいずれか一項に記載の地図。
【国際調査報告】