(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-06
(54)【発明の名称】対象の皮膚を治療するためのアプリケータヘッド、装置、及び美容方法
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20231027BHJP
【FI】
A61B18/12
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022576819
(86)(22)【出願日】2021-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-12-13
(86)【国際出願番号】 EP2021066559
(87)【国際公開番号】W WO2021255227
(87)【国際公開日】2021-12-23
(32)【優先日】2020-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519110847
【氏名又は名称】ハイ テクノロジー プロダクツ,エス.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サンチェス ハイメ,ホセ アントニオ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK25
4C160KK36
4C160KK37
4C160KK64
4C160MM22
(57)【要約】
本開示は、RFエネルギーを用いて対象の皮膚を美容治療するためのデバイス及び方法に関する。本開示の例は、可動電極及び/又は可動皮膚温度センサを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の皮膚を治療するための装置とともに使用されるアプリケータヘッドであって、前記アプリケータヘッドが、前記対象の前記皮膚に固定されるように構成されており、
第1の電極支持体上に取り付けられた第1の高周波(RF)電極を備え、前記第1の電極支持体が、前記第1の電極と第2の電極との間の距離が使用中に変化するように、前記アプリケータヘッドの底部に対して移動可能である、アプリケータヘッド。
【請求項2】
前記アプリケータヘッドが、前記第2のRF電極を更に備える、請求項1に記載のアプリケータヘッド。
【請求項3】
前記第1のRF電極及び前記第2のRF電極の両方が、前記アプリケータヘッドの前記底部に対して移動可能である、請求項1又は2に記載のアプリケータヘッド。
【請求項4】
前記第1のRF電極が、前記第1の電極支持体上に取り付けられており、前記第2のRF電極が、第2の電極支持体上に取り付けられており、前記第1の電極支持体及び前記第2の電極支持体が、前記アプリケータヘッドの前記底部に対して移動可能である、請求項3に記載のアプリケータヘッド。
【請求項5】
前記第1の電極支持体が、前記第2の電極支持体に動作可能に接続されている、請求項4に記載のアプリケータヘッド。
【請求項6】
前記第1の電極が、前記第1の電極支持体上に偏心して取り付けられている、請求項5に記載のアプリケータヘッド。
【請求項7】
前記対象の前記皮膚の一部分を収容するための空洞を更に画定し、特に、吸引口を更に備え、前記吸引口が、前記吸引口を介して空気を吸引するためのポンプに結合されるように構成されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【請求項8】
前記空洞を密封するために前記空洞の境界に沿って配置された可撓性リップを更に備える、請求項7に記載のアプリケータヘッド。
【請求項9】
前記アプリケータヘッドを前記皮膚に固定するための1つ以上の機械的留め具を更に備える、請求項1~8のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【請求項10】
前記留め具が、1つ以上のストラップを含む、請求項9に記載のアプリケータヘッド。
【請求項11】
前記第1の電極支持体を移動させるための駆動部を更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【請求項12】
対象の皮膚を治療するための装置であって、請求項1~11のいずれか一項に記載の1つ以上のアプリケータヘッドを備え、かつ
少なくとも前記第1の電極に電気を供給するための電源を更に備える、装置。
【請求項13】
対象の皮膚を美容治療するための方法であって、
請求項12に記載の装置を提供することと、
前記アプリケータヘッドのうちの1つ以上を前記対象の皮膚に付着させることと、
前記皮膚の一部分及び前記1つ以上のアプリケータヘッドを接触させることと、
前記第1の電極支持体を移動させるために前記駆動部を作動させることと、
前記皮膚にRFエネルギーを供給するために前記電源を作動させることと、を含む、方法。
【請求項14】
前記第2の電極が、前記第1の電極の極性とは反対の極性を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極が、第1の電極対を形成し、少なくとも前記第1の電極対を介してRFエネルギーが前記皮膚に印加される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第2の電極が、前記第1の電極を備える前記アプリケータヘッドとは異なるアプリケータヘッド内に位置する、請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年6月22日に出願された特許出願EP20382536.9に基づく優先権の利益を主張する。
【0002】
本開示は、電磁エネルギー、具体的には高周波(RF)エネルギーを皮膚に印加することを含む対象の皮膚の治療のための方法及びシステムに関する。本開示は、より具体的には、1つ以上の可動電極及び/又は可動温度センサを含む、対象の皮膚を治療するためのアプリケータヘッド、係るアプリケータヘッドを含む装置、及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
皮膚に対する高周波(RF)の審美的治療は、治療される組織の中を循環する電流を引き起こす。高周波という用語は、一般に、周波数が高い交流電流を指す。発振周波数は、例えば0.1~10MHzである可能性があり、具体的には0.1~5MHzである可能性がある。
【0004】
(皮膚)組織が電流の通過に対して与える抵抗により、RFエネルギーが熱エネルギーに変換される。電流の熱エネルギーへの変換は、治療される組織の特性に関連する様々な要因、及び治療のために選択された電力及び周波数などのRFエネルギーの特性に依存する。
【0005】
RF治療に関連付けられている美容効果としては、スキンタイトニングや、脂肪組織、すなわち脂肪の局所的な減少が挙げられる。治療は、一般に、疾患の治療というよりも美容的と見なされる可能性がある。
【0006】
これらのRF治療では、安全でありながら効果的な治療温度を達成することが望まれる。例えば、例えば皮膚への損傷を回避するか、又は少なくとも最小限に抑えると同時に、具体的な美容結果を得るために、例えば40~50℃など、治療される領域内で十分に高い温度を得ることが望ましい。したがって、治療をより効果的にするのに十分な高温を得ることと、それらの高温では皮膚の(局所的な)熱傷のリスクが増加することとの間には微妙なバランスが存在する。したがって、温度を正確に監視するか、又は他の安全対策を講じ得ることが重要である。
【0007】
RF治療は単極及び/又は2極動作を含む可能性がある。第1の電極が、RF治療のためのアプリケータ内に位置し、第2の電極が対象の身体の上に配置される場合、電流は第1の電極から第2の電極に流れ、第1の電極及び第2の電極は単極モードで動作すると言われる。この動作モードでは、第2の電極はパッシブ電極又はリターン電極と呼ばれる。パッシブ電極は一般に、第1の電極から比較的離れた位置に配置される。例として、アプリケータが対象の腹部上に配置される場合、第2の電極は対象の背中に配置され得る。
【0008】
単極治療では極性を連続的に変化させる単一の電極が提供されるが、2極治療では、反対の極性を連続的に変化させる2つの電極が提供される。典型的な2極動作では、電流は第1の電極から第2の電極に流れた後、第2の電極から第1の電極に流れる。例えば、アプリケータは、2極モードで動作し得る第1の電極及び第2の電極を有し得る。
【0009】
2極構成で達成される治療は、単極構成で達成される治療よりも表面的であり得る。3つ、4つ以上の電極が提供される多極(例えば、3極、4極、8極)構成も知られている。典型的には、これらの電極の正負は、正の端子及び負の端子として作用する電極対を作成するように制御される。
【0010】
一般に、RF治療は単極、2極及び/又は多極動作によって実行され得る。
【0011】
RF治療は、通常、医師などのオペレータによって実行され、オペレータは対象の皮膚に沿ってRFアプリケータを配置及び移動させる。オペレータはまた、典型的には、入力電力及び/又は周波数などの適切なパラメータを選択することや、有効性及び安全性の両方の観点から、治療が計画通りに行われることを検証することを担当する。
【0012】
RF治療は、例えば10~60分間持続し得る。治療時間が長いほど、RFアプリケータを握って動かすオペレータの疲労は増加する。オペレータの疲労により、意図しないミスが発生する可能性があり、例えば、アプリケータを適切な時間よりも長く同じ皮膚に置いたままにすることによって皮膚の熱傷が生じる可能性がある。また、オペレータがアプリケータを皮膚に沿って移動させるとき、アプリケータが皮膚を覆っていないため、一部の皮膚の治療が停止する。治療される皮膚が大きいほど、RF治療における非均等性の影響が大きくなる。少なくともこれらの2つの側面が、RF治療の効率及び安全性を制限する。
【0013】
RF治療中の安全性を高める方法として、温度センサを電極内に配置し、電極が、したがって温度センサが皮膚と接触しているときに温度センサが温度を測定してもよい。しかし、電極及び皮膚の両方と接触している温度センサを用いて皮膚温度を測定することにはいくつかの欠点がある。まず、温度センサは、電極を介して印加されるRFエネルギーの障害物となるおそれがあり、したがって、温度センサによって遮蔽又は覆われる皮膚は、望まれるほどRFエネルギーを受け取らないおそれがある。第2に、遮蔽されていない皮膚、特に温度センサの近傍の皮膚は、温度センサがエネルギーダイバータとして機能し得るため、予想以上のエネルギーを受け取る可能性がある。
【0014】
本開示は、皮膚に対するより効果的でより安全な治療を可能にするためのデバイス及び方法の改善を提供することを目的とする。
【発明の概要】
【0015】
第1の態様では、対象の皮膚を治療するための装置とともに使用されるアプリケータヘッドが提供される。アプリケータヘッドは、対象の皮膚に固定されるように構成されている。アプリケータヘッドは、第1の電極支持体上に取り付けられた第1の高周波(RF)電極を備え、第1の電極支持体が、第1の電極と第2の電極との間の距離が使用中に変化するように、アプリケータヘッドの底部に対して移動可能である。
【0016】
電極支持体及び電極支持体に埋め込まれた電極の移動により、皮膚に動的治療を行うことができる静的アプリケータヘッドが提供される。したがって、オペレータは、治療中に対象の皮膚に沿ってアプリケータヘッドを保持する又は移動させる必要はない。同時に、電極支持体中の電極が連続的に移動し得るので、この装置は、治療エリアをより均等に加熱すること、及び組織損傷、例えば皮膚熱傷のリスクを低減することを可能にする。
【0017】
第2のRF電極は、アプリケータヘッド又は隣接するアプリケータヘッドに含まれてもよい。そのような例では、第1及び第2の電極は、2極モードで動作可能であり得る。一部の他の例では、第2のRF電極は、以下で更に説明するように、単極動作のために対象の皮膚に配置されるように構成されたパッシブ電極であってもよい。
【0018】
1つの電極、例えば、第1の電極が、第1の電極と第2の電極との間の距離を変化させるように移動可能であれば十分であるため、第2の電極がアプリケータヘッドに対して移動可能である必要はない。しかしながら、一部の例では、第1のRF電極及び第2のRF電極の両方が、アプリケータヘッドに対して移動可能である。これにより、RF美容治療中に皮膚のより広範囲をカバーし、それによって効率を高めることが可能になる。
【0019】
これらの例では、第1のRF電極は、第1の電極支持体上に取り付けられており、第2のRF電極は、第2の電極支持体上に取り付けられ得、第1の電極支持体及び第2の電極支持体が、アプリケータヘッドに対して移動可能であり得る。第1及び第2の電極を異なる電極支持体に配置することにより、移動の選択肢及びそれらの間の距離を変化させる方法が増加する。上記と同様に、両方の電極支持体が可動であるという事実により、1つの可動電極支持体のみを有する場合と比較して、より多くの皮膚を、より安定して治療することが容易になる。
【0020】
上記の例では、第1の電極支持体は、例えば歯車をかみ合わせることによって、又は駆動ベルトを含むことによって、第2の電極支持体に動作可能に接続され得る。例えば、回転可能プレートなどの電極支持体は、別の回転可能プレートなどの別の電極支持体と直接又は間接的に係合することができる。これは、一方のプレートの回転と他方のプレートの回転との依存性を提供する。プレートを一緒に移動させることは、1つ以上のプレートが係合されている場合はより容易に構成及び制御され得る。
【0021】
電極間の様々な距離を実装する1つの方法は、第1の電極及び/又は第2の電極を、これらの電極の電極支持体に偏心して取り付けること、すなわち、これらの電極を電極支持体の中央の代わりに電極支持体の縁に向かって配置することである。したがって、一部の例では、例えば上記の例では、第1の電極は、第1の電極支持体上に偏心して取り付けられている。
【0022】
第1及び第2の電極支持体は2つ以上の電極を含み得る。具体的には、一部の例では、第1の電極支持体は、第1の複数のRF電極を含み、第2の電極支持体は、第2の複数のRF電極を含む。したがって、皮膚の範囲及び治療に使用され得る周波数が増加する。RF美容治療中にRFエネルギーが印加され得る電極を変更し、対象のニーズに適合させることができるため、より多くの電極を含むことはまた、より高い汎用性を提供する。
【0023】
電極支持体及びその中に埋め込まれた電極の移動は、任意の好適な種類の移動であり得る。例えば、電極支持体は直線状及び/又は円状に移動するように構成され得る。ある例では、1つ以上の電極支持体は、プレートに実質的に垂直な回転軸を中心として回転するように構成されたプレートを含む。プレート、又は一般的に電極支持体、及び埋め込まれた電極を、回転移動を実行するように構成することにより、皮膚のより広いエリアを包含する治療を実行することが可能になる。
【0024】
一部の例では、アプリケータヘッドは、対象の皮膚の一部分を収容するための空洞を画定し、吸引口を更に備え、吸引口は、吸引口を介して空気を吸引するためのポンプに結合されるように構成されている。吸引口は、皮膚の一部分をアプリケータヘッドの空洞内に吸引し、皮膚と電極との間のより良い接触を提供することを可能にする。これは、より効果的な治療を提供し、皮膚に対する局所的な熱傷を軽減するのに役立ち得る。吸引はまた、対象の身体へのアプリケータヘッドのより強力な付着を提供し得る。空洞は静的であり得、電極支持体は、空洞に関して可動又は回転可能であり得る。
【0025】
そのような例では、アプリケータヘッドは、空洞を密封するために空洞の境界に沿って配置された可撓性リップを更に備え得る。本開示全体を通して、リップは、身体の曲線に適合し、したがって空洞をより良好に密封するために、アプリケータヘッドの境界又は縁上に配置され得る可撓性材料と見なされ得る。これは、吸引を容易にし、増強し得る。
【0026】
アプリケータヘッドは、所定の位置に固定されるように構成されてもよい。そのために、アプリケータヘッドを皮膚に固定するための1つ以上の機械的留め具を備え得る。一部の例では、留め具は1つ以上のストラップを含む。吸引は、1つ以上の機械的留め具と組み合わせて、又は単独で、固定手段としても使用され得る。
【0027】
様々な固定手段は、オペレータの(連続的な)存在なしにRF治療を行うことを可能にする。また、アプリケータヘッドの人為的な操作によるミスを、少なくとも回避又は低減することができることから、安全性が向上する。例として、このアプリケータヘッドでは、オペレータは、治療を実行するためにそれを保持して移動させる必要はなく、したがって、アプリケータヘッドを同じ場所に長時間置いておくことによって、皮膚を不用意に過熱させることがない。これは特に、治療期間が長いほど当てはまる。例えば、治療が30分間続く場合、治療が10分間続く場合よりもオペレータは疲労する。したがって、最初の事例ではオペレータがミスを犯すリスクが大きい。したがって、このアプリケータヘッドはまた、より安全な治療の実施を可能にする。
【0028】
更なる態様では、上記で、並びに対応する例及び請求項を通じて開示されている1つ以上のアプリケータヘッドを含む、対象の皮膚を治療するための装置が提供される。一例では、人間の介入を伴わないRF治療のために2つ以上のアプリケータヘッドが使用され得、同時に、1つのアプリケータヘッドのみを使用する場合と比較して、治療エリアが増加する。アプリケータヘッドは、第1の電極支持体を移動させるための駆動部と、少なくとも第1の電極に電気を供給するための電源とを更に備え得る。一般に、装置は、1つ以上の電極及び1つ以上の電極支持体を移動させることができる(全ての電極及び全ての電極支持体を含む)。同様に、アプリケータヘッド又は装置に含まれる任意の数の電極に電気が供給され得る(全ての電極を含む)。
【0029】
更なる態様では、対象の皮膚を治療するための方法が提供される。方法は、本明細書に開示される装置を提供することと、1つ以上のアプリケータヘッドを対象の皮膚に付着させることと、皮膚の一部分及び1つ以上のアプリケータヘッドを接触させることと、第1の電極支持体を移動させるための駆動部を作動させることと、RFエネルギーを皮膚に供給するために電源を作動させることと、を含む。
【0030】
示されるように、方法は、特に美容用であり得、すなわち、疾患治療用ではない可能性がある。本明細書で使用される疾患治療用ではないとは、身体の疾患又は機能不全の治癒を意図しない又は達成しない方法を意味する。この美容方法は、スキンタイトニング、又は脂肪組織、例えば皮下脂肪及び/若しくはセルライト減少の局所的な効果を提供する。これは、本開示全体を通して言及される全ての方法に適用される。すなわち、全ての方法が美容方法であり、美容治療を指す。
【0031】
RFエネルギーは、少なくとも第1の移動する電極を通して皮膚に印加されてもよい。上記の方法は、1つ以上の静的アプリケータヘッドを介して動的なRF治療を提供する。したがって、治療中の人為的なヘッドの動きに関連する潜在的ミス、例えば、皮膚熱傷を回避又は少なくとも低減しつつ、治療領域の全体に熱が均等に分配され得る。
【0032】
また、電極の移動、及び例えば、アプリケータヘッドの突起及び凹部に起因して、皮膚がマッサージされる。
【0033】
一部の例では、第2の電極はパッシブ電極であり、対象の皮膚上に位置する。したがって、第1の電極及び第2の電極は、単極構成で動作している。本明細書において、第1の電極と第2の電極との間に生成された熱密度は、少なくとも第1の電極の移動、例えば回転により連続的に移動している。第1及び第2の電極は、一例では、それぞれ対象の腹部及び背部と接触していてもよい。したがって、異なる領域が経時的に加熱されるため、特定の領域が過熱せず、熱傷リスクが最小限に抑えられる。第1の電極と第2の電極との間の距離は、皮膚上での第1の電極の変位に起因するだけでなく、少なくとも第1の電極がそれらと接触しているときに移動及び/又は押される皮膚の曲線及びしわに起因しても変化する。皮膚はいくつかの方向に移動されてもよく、したがって、単極治療においても第1及び第2の電極間の距離が変化する。
【0034】
一部の例では、第2の電極は、第2の電極が、第1の電極の極性とは反対の極性を有し、第1の電極及び第2の電極が、第1の電極対を形成し、少なくとも第1の電極対を介してRFエネルギーが皮膚に印加される。この場合、第1の電極及び第2の電極は2極構成で動作している。この場合、電極の移動により、より大きな皮膚の部分をカバーし、治療することが可能になる。また、電極の動きは、皮膚の熱傷を引き起こす可能性があるために好ましくないホットスポットを防止する。加えて、少なくとも第1の電極の移動により電極間の距離が変化するにつれて、治療の貫通深度も、治療全体を通して連続的に変更される。貫通深度を変更する通常の方法は、例えば、周波数を変更することであるが、この方法は、同じ周波数の値を保持することによって貫通深度を変更することを可能にする。したがって、達成可能な貫通深度及び周波数のより多くの組み合わせが利用可能になり、方法は、より制御可能であり、調整可能であり得る。
【0035】
この方法では、より大きな皮膚の範囲及び深度をより安全に治療することができる。一部の例では、装置は、例えば、代替的に、単極モード及び2極モードの両方で動作する。この場合、各動作モードにリンクされた利点が得られる。一般に、ユニポーラ、単極、2極、及び多極(すなわち、3極、4極、8極)RF治療の任意の組み合わせが使用されてもよい。
【0036】
いくつかの例では、第2の電極は、第1の電極を含むアプリケータヘッド内に位置する。他の例では、第2の電極は、第1の電極を含むアプリケータヘッドとは異なるアプリケータヘッド内に位置する。これらの2つの構成は、2極動作が同じアプリケータヘッド内及び/又は異なるアプリケータヘッド間で行われ得ることを示す。これらの2つの構成における第1の電極が同じである場合、これらの構成は異なる時間に生じることを理解されたい。しかし、2つの電極対の間で電極が共有されていない場合は、第1のアプリケータヘッド内の電極対を介してRFエネルギーを印加することと、第1のアプリケータヘッド内の電極、及び第2のアプリケータヘッド内の他方の電極を有する別の電極対を介してRFエネルギーを印加することとを同時に実行することも可能である。1つのアプリケータヘッド内に一方の電極を有し、別のアプリケータヘッド内に他方の電極を有する少なくとも1つの電極対を通してRFエネルギーを印加することにより、アプリケータヘッド間の皮膚を治療することが可能になる。
【0037】
一部の例では、方法は、第1の電極対を介した皮膚へのRFエネルギーの印加を中断することと、RFエネルギーが少なくとも部分的に異なる皮膚に印加されるように、第2の異なる電極対を介して皮膚にRFエネルギーを印加することと、を更に含む。
【0038】
これにより、同じアプリケータヘッド内及び/又は異なるアプリケータヘッド間に、RFエネルギーのための異なる経路を作成することができる。したがって、治療領域、及び場合によっては治療される対象の特異性に更に合わせた治療を得ることができる。例えば、アプリケータヘッドの皮膚上の具体的な数及び位置が治療のために選択され得、特定の時間においてRFエネルギーを印加する電極が治療に沿って変更され得る。したがって、より効果的でより安全な方法が提供され得る。
【0039】
いくつかの例では、方法は、第1及び少なくとも第2のアプリケータヘッドを連結することを更に含む。例えば、大腿部又はウエストの周りにチェーン又は他の構成を形成するアプリケータヘッドの連結は、同じ治療中に皮膚のより広い領域を治療することを容易にする。
【0040】
いくつかの例では、少なくとも2つの電極支持体が同じ速度、特に同じ回転速度で移動する。電極支持体の同じ速度により、より均等で制御可能な治療が行われる。
【0041】
更なる態様では、対象の皮膚を治療するための装置で使用するためのアプリケータヘッドが提供される。アプリケータヘッドは、高周波(RF)電極、及び電極に隣接する皮膚温度センサを備える電極支持体を備える。電極支持体は、アプリケータヘッドの底部に対して移動可能に取り付けられる。
【0042】
少なくとも電極とともに移動可能な皮膚温度センサを含むことにより、RF治療中に治療されている皮膚の平均温度を検出することができる。これは、少なくとも電極が皮膚に沿って移動し、皮膚温度センサが電極を「追従」するという事実に起因する。センサで測定される温度は、直接的に電極の温度ではなく、電極の熱を直接受ける皮膚の温度でもない。したがって、皮膚温度センサによって測定される温度は、電極の移動によって影響を受ける皮膚の温度の平均値に対応し得る。測定された平均皮膚温度を使用して、電極を通して印加されるRFエネルギーを少なくとも部分的に制御及び調整することができる。
【0043】
また、皮膚温度センサが電極に隣接しているため、すなわち電極に近接しているが、電極と接触していないため、電極間の電流の干渉(例えば、2極動作中)が回避される。皮膚温度センサが電極と接触するように配置された場合、皮膚温度センサは電極から皮膚へのエネルギーの通過を遮断するため、皮膚温度の測定値は電極を通して印加されるエネルギーを表すものではない。
【0044】
いくつかの実施例では、アプリケータヘッドが少なくとも追加の電極を更に含み、皮膚温度センサが少なくとも追加の電極にも隣接している。この場合、平均皮膚温度に対する両方の電極の寄与が測定され得る。
【0045】
いくつかの例では、アプリケータヘッドは、1つ以上の電極に隣接する少なくとも追加の皮膚温度センサを更に備える。2つ以上の皮膚温度センサからの測定は、測定温度値の信頼性を高め得る。
【0046】
いくつかの実施例では、アプリケータヘッドは、電極と接触する電極温度センサを更に備える。この電極温度センサは、皮膚温度センサのように、皮膚温度ではなく電極温度を測定するように構成されている。すなわち、皮膚温度センサは、対象の皮膚と接触するように構成されるが、電極温度センサはそうではない。いくつかの実施例では、電極温度センサは、電極の内面と接触し得る。電極の内面は、皮膚と接触するように構成されていない電極の表面である。
【0047】
電極温度センサを使用して、電極温度が閾値電極温度を超えているかどうかを検出することができる。閾値電極温度は、それを超えると、対象の治療領域に損傷が生じ得るようなものであり得る。損傷には、皮膚熱傷が含まれ得る。
【0048】
更なる態様では、上の段落、並びに対応する例及び請求項に開示される1つ以上のアプリケータヘッドを含む、対象の皮膚を治療するための装置が提供される。装置は、電源と、RF電極のうちの少なくとも1つに供給される電気エネルギーを制御するための制御システムと、を備える。
【0049】
更なる態様では、対象の皮膚を治療するための方法が提供される。この方法は、対象の皮膚を治療するための装置を提供することと、皮膚の一部分とアプリケータヘッドと接触させることと、対象の皮膚に対して電極支持体を移動させることと、電極を通して皮膚に高周波(RF)エネルギーを印加することと、皮膚の一部分の平均皮膚温度を測定することと、測定された平均皮膚温度に少なくとも部分的に基づいて電極を通して印加されるRFエネルギーを調整することとを含む。
【0050】
この方法は、移動している電極によって治療されている組織の領域の平均皮膚温度を測定し、電極を通して提供されるRFエネルギーを調整することを可能にする。この方法は、例えば、オペレータがアプリケータヘッドを保持する場合、オペレータによって実行され得、又は例えば、アプリケータヘッドが固定手段によって対象の皮膚に固定される場合、オペレータなしで実行され得る。
【0051】
いくつかの例では、調整は、電力及び周波数のうちの少なくとも1つを調整することを含む。例えば、これらのうちの1つ以上の大きさを調整することは、電力及び/又は周波数の値を変化させることを含み得る。調整は、必ずしも大きさの値を変更することを意味しないことに留意されたい。例えば、調整は、1つ以上の(場合によっては全ての)大きさの値を修正しないことを含む。したがって、いくつかの例では、1つ以上の大きさを調整することは、電力及び/又は周波数の値を維持することを含み得る。
【0052】
いくつかの実施例では、方法は、基準平均皮膚温度を決定すること又はプログラムすることであって、具体的には、基準平均皮膚温度は40~50℃である、決定又はブログラムすることと、制御システムによって、平均皮膚温度が基準平均皮膚温度の近くに維持されるように、測定された平均皮膚温度に基づいて電極を通して印加されるRFエネルギーを調整することと、を更に含む。
【0053】
測定された平均皮膚温度を使用して、例えば、RF治療全体を通して、平均皮膚温度を基準平均皮膚温度の近くに維持することは、RF治療の安全性を向上させる。したがって、有効なRF治療を実行しつつ、組織への傷害、例えば皮膚熱傷が低減又は回避され得る。いくつかの実施例では、基準平均皮膚温度は40~50℃の範囲であり得る。
【0054】
いくつかの実施例では、方法は更に、電極温度センサによって電極の温度を測定することと、測定された電極温度が電極温度閾値を超えるとき、電極を介して印加されるエネルギーを減少させること、及び/又は電極を介して印加されるエネルギーを中断することとを少なくとも含み得る。
【0055】
これにより、追加の安全対策が提供され得る。例えば、電極温度が非常に高くなり、皮膚の熱傷が起こる可能性がある場合、電極を介して印加されるエネルギーは低減される。このエネルギー低減が不十分である場合、電極を介するエネルギー印加は、例えば、RFエネルギー源を停止することによって中断されてもよい。
【0056】
いくつかの実施例では、基準平均皮膚温度及び/又は電極温度閾値は40℃~50℃の範囲である。これにより、効果的かつ安全なRF治療を行うことができる。
【0057】
いくつかの例では、単極、2極及び/又は多極動作がRF治療に含まれてもよい。
【0058】
いくつかの例では、RF治療は10~60分間持続し得る。
【0059】
上記の装置及び方法は、一般に、より効果的でより安全なRF治療を提供する。RFアプリケータを保持して移動させるオペレータによって実施される手動治療と比較して、ある単位表面あたりの電力を有する実質的に均等なRFエネルギー分布を得ることができる。
【0060】
本開示は、電極間の距離が変化し得る移動電極の概念を有するデバイス、システム、装置、及び方法を提供する。本開示はまた、平均皮膚温度を測定することを目的とした皮膚温度センサを有する概念に関するデバイス、システム、装置、及び方法を提供する。これらの概念両方の異なる実施形態が開示される。これらの概念は別々に、又は組み合わせて使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0061】
本開示の非限定的な例を以下の添付図面を参照しながら説明する。
【0062】
【
図1】対象の皮膚の治療のための装置で使用され得るアプリケータヘッドの例を概略的に示す。
【
図2】アプリケータヘッドの別の例を概略的に示す。
【
図3】線AA’に沿った
図2のアプリケータヘッドの断面図を概略的に示す。
【
図4】対象の皮膚を治療するための装置の例を概略的に示す。
【
図5】アプリケータヘッドの側面図を概略的に表す。
【
図6】
図5の例のアプリケータヘッドの線C-Cに沿った内部を概略的に示す。
【
図7】対象の皮膚を治療するための方法のフローチャートである。
【
図8】アプリケータヘッドの電極の経時的な移動の例を概略的に示す。
【
図9A】特定の例における電極間の距離の効果を示す。
【
図9B】特定の例における電極間の距離の効果を示す。
【
図10】対象の皮膚を治療するための方法中の極性の例示的な構成を概略的に示す。
【
図11】対象の皮膚を治療するための方法中の極性の別の例示的な構成を概略的に示す。
【
図12】全ての電極がRFエネルギーを送達するために同時に使用されるわけではない、
図9の極性構成を有する対象の皮膚を治療するための方法の例を概略的に示す。
【
図13】
図8~
図10の例を組み合わせた、対象の皮膚を治療するための方法の例における治療領域を概略的に示す。
【
図14】様々な例に係るアプリケータヘッドを概略的に示す。
【
図15】様々な例に係るアプリケータヘッドを概略的に示す。
【
図18】様々な例に係るアプリケータヘッドを概略的に示す。
【
図19】皮膚温度センサ及び/又は電極温度センサが制御ユニットに接続され得る方法を概略的に示す。
【
図20】対象の皮膚を治療するための別の方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0063】
図面は、例示的な実装形態を指しており、クレームされる主題を理解するための補助としてのみ使用されるべきであり、いかなる意味においてもクレームされる主題を限定しない。
【0064】
図1は、対象の皮膚を治療するための装置のためのアプリケータ100を概略的に表す。装置は、ベースステーション及び1つ以上のアプリケータを含み得る。各アプリケータは、対象の身体の異なる部分に適合され得る。各アプリケータはチューブを介してベースステーションに接続され得る。チューブは、ベースからアプリケータに電力を供給するための電気ケーブル、ポンプからアプリケータに通じる空気路、及び制御信号を伝送するためのデータ伝送ケーブルを含み得る。アプリケータ100は、この例では、対象の皮膚の一部分を収容する空洞115を画定するアプリケータヘッド110を含む。
【0065】
この例では、第1のアプリケータヘッド110は、アプリケータヘッド110の底部に対して移動可能に取り付けられた2つの電極支持体120を含む。一般に、装置は1つ以上のアプリケータヘッド110を含む可能性があり、アプリケータヘッド110は1つ以上の電極支持体120を含む可能性がある。
図1では、2つの電極支持体120は円形プレートであり、プレートに対して実質的に垂直な回転軸を中心として回転するように構成されている。この例において、又は別の例において、電極支持体120は60~70mmの直径を有し得る。アプリケータヘッド110内の電極支持体120は他の形状(例えば、長方形又は正方形)を有してもよい。この例では2つのプレートは同じサイズを有するが、アプリケータヘッド110が2つ以上の電極支持体120を含む場合、それらはまた異なるサイズを有してもよい。
【0066】
アプリケータヘッド120は、アプリケータヘッド底部及び1つ以上のアプリケータヘッド側壁を含み得る。
図1では、2つの電極支持体120は、アプリケータ底部に回転可能に取り付けられている。一部の他の例では、1つ以上の電極支持体120は、底部及び/又は側壁のいずれかに取り付けられ得る。
【0067】
図1では、各電極支持体120はRF電極125、130を含む。例示のために、電極125は第1の電極125であり、電極130は第2の電極130であると見なすことができる。第1の電極125は、第1の電極125と第2の電極130との間の距離が変化するように移動可能である。
【0068】
第1の電極125と第2の電極130との間の距離が変化し得ることで、組織のより大きなエリアをより安全に処理することができる。
【0069】
単極動作では、RFエネルギーは、第1の電極125を介して印加されてもよく、更なる電極が患者のどこかに配置されてもよい。例えば、第1の電極125及びアプリケータ100が対象の腹部エリアに配置され、更なる電極が対象の背中に配置されてもよい。
【0070】
単極動作における第1の電極の回転は、電極125の移動や、例えば、電極125によって動かされ、押され、及び/又はマッサージされる皮膚の移動に起因して、異なる組織領域が時間とともに加熱されるようなものである。これにより、皮膚の熱傷を引き起こす可能性のある過熱を最小限に抑えつつ、より大きな組織の部分が効果的に加熱される。
【0071】
2極動作では、電極125、130の移動によって、組織のより大きなエリア又は領域がより均等に加熱される。電極間の距離が連続的に変更される場合、治療の深度も連続的に変更される。また、一部の実施例ではRF周波数が変更されてもよい。この装置では、使用可能なペネトレーション深度の値及び周波数の値の組み合わせの数が多いため、RF処理のより細かい制御を達成することができる。連続的移動は大きな治療領域を提供することができ、この電極の移動によりホットスポットが回避され得る。したがって、皮膚熱傷などの皮膚の損傷も回避され得る。
【0072】
現在の例では、第1の電極125及び第2の電極130の両方が、対応する電極支持体120によって移動可能である。一部の他の例では、第2の電極130は移動可能でなくてもよく、及び/又は電極支持体に含まれなくてもよい。例えば、一部の例では、第2の電極130はアプリケータヘッド110の側壁に埋め込まれ得る。これらの例又は他の例では、第2の電極130は、例えば単極動作のために、対象の皮膚に配置されるように構成されたパッシブ電極又はリターン電極130であってもよい。
【0073】
可動電極が第1の電極125であり得、第1の電極125の移動によって第1の電極125への距離が変更され得る任意の他の電極が第2の電極130と見なされ得ることを理解されたい。例えば、
図1の第2の電極130を含む電極支持体120がより多くの電極を含む場合、それらの全てが第1の電極125に対して第2の電極130である。これに加えて、装置100が単極動作のためのリターン電極を含む場合、この電極も第2の電極130である。したがって、装置100は、ユニポーラ、単極、2極及び/又は多極モードのうちのいずれかで動作し得る。
【0074】
電極支持体120が含み得る電極の数は、本開示の範囲内で可変である。例えば、可動電極支持体120は1つ、2つ、3つ、又はそれ以上の電極を含み得る。1つ以上の電極支持体120が電極を1つも含まなくてもよい。
【0075】
アプリケータ100はまた、アプリケータヘッド110を対象の身体に取り付ける手段105を備える。
図1では、これは、対象の皮膚を収容するアプリケータヘッド110の開口部の境界を定める、アプリケータヘッド110の縁を覆う可撓性リップ105であり得る。リップは、例えば、プラスチック又はシリコーンで作製することができ、密封アタッチメントを設けて治療領域に真空をかけることにより、対象の皮膚への固定を提供することができる。リップは、アプリケータヘッド110から取り外し可能であってもよく、洗浄可能であってもよい。
【0076】
他の例では、追加的又は代替的に、アプリケータヘッド110を所定の位置に固定するためにいくつかの機械的留め具が設けられてもよい。例えば、1つ以上のストラップ、例えば、皮革又はプラスチックのストラップが使用されてもよい。1つ以上のストラップがアプリケータヘッドに取り付けられてもよく、又はアプリケータヘッドとは別に提供されてもよく、アプリケータヘッド110上の例えばはと目によって誘導されてもよい。他の固定手段が使用されてもよい。2つ以上の種類の固定手段が使用されてもよい。例えば、一部の実施例では、リップ及びストラップを使用することができる。
【0077】
固定手段又は付着手段105は、オペレータが対象の皮膚に沿ってアプリケータヘッド110を保持及び/又は移動させる必要なく、RF治療中に装置ヘッド110が所定の位置に維持されるように、装置ヘッド110が対象の皮膚に付着することを可能にする。したがって、アプリケータヘッド110を取り扱うオペレータの疲労及び/又は不注意によるミスを回避することができる。
【0078】
電極支持体120は、例えば、かみ合う歯車を含むことによって、別の電極支持体120と動作可能に接続され得る。歯車又は他のギアが互いに係合することによって、電極支持体120は共依存的に移動する。そうすることで、電極支持体120の移動が及ぼす組織内の熱分布への効果はより予測可能になり、したがって、装置100の構成及び制御がより容易になり得る。一部の例では、1つ以上の電極支持体120は、互いに動作可能に接続されている。一部の他の例では、電極支持体120が別の電極支持体120と動作可能に接続されていない。
【0079】
いずれかの例に組み込まれ得る、動作可能に接続する電極支持体の更なる代替手段は、ベルト又はチェーン駆動部を含み得る。
【0080】
アプリケータヘッド110はまた、吸引凹部135、特に吸引穴を含む。吸引凹部135は、アプリケータヘッド110の空洞115内の圧力を低下させる(すなわち、負圧を生じさせる)ためにポンプに結合され得る。したがって、対象の皮膚の一部分は空洞115内に吸引されてもよい。追加的又は代替的に、アプリケータヘッド110を対象の皮膚に付着させるために真空を作成してもよい。
【0081】
本開示を通じて、負圧又は真空は、0.6~1atmの負圧、具体的には0.7~0.98atmの負圧と見なされ得る。使用時の空洞110内の圧力は、特に0.02~0.3atm(20~270mbar)の範囲内であってもよい。
【0082】
皮膚にかかる負圧はまた、皮膚とRF電極との間の接触を改善又は確実にする。これは、皮膚の局所的な熱傷を軽減し、また、電極が移動しているときに空洞内の皮膚をマッサージすることを可能にする。アプリケータヘッド110は、例えば、アプリケータヘッド100の側壁内に突起及び/又は凹部を有してもよい。これらの突起及び/又は凹部はマッサージに寄与する可能性がある。
【0083】
図2及び
図3はアプリケータヘッド110の別の例の概略図を示す。
図2の各回転可能な電極支持体120内に3つの電極が含まれている。一例では、より外側の電極間の距離は45~50mmであってもよく、外側の電極と中心の電極との間の距離は25~30mmであってもよい。
【0084】
図2において、アプリケータヘッド110はチャネル140を含む。チャネル140は、アプリケータヘッド110の皮膚への付着を改善し、また、より多くの組織が空洞115内に入ることを可能にする。この例では、各電極支持体120は3つの電極を含む。
図2の黒い曲線矢印は、各電極支持体120の可能な回転方向を示す。チャネル140の深さは、
図3においてよりよく理解され得る。
図3は、
図2の線AA’に沿った
図2の例のようなアプリケータヘッド110の横断面を図示する。取り外し可能なリップ105も図示されている。リップ105の高さは、アプリケータヘッド110の周縁に沿って変化し得る。これは、リップを身体の曲線に適合させることを容易にすることができる。
【0085】
好ましくは、電極支持体は、断続的な回転を避けるために、同じ方向(電極支持体ごとに異なり得る)に連続して回転する。
【0086】
図3はまた、電極が凸状であり得ることを示す。湾曲した電極は、それらよりも皮膚の変形に関して有利であり、皮膚との結合を改善する。これはまた、ホットスポットを引き起こす可能性のある高密度電流領域の形成を低減する。したがって、皮膚の熱傷を軽減することが可能である。
図3では、電極125は部分的に球状である。他の例では、電極は、角が丸められた正方形であってもよい。同一のアプリケータヘッド110内の異なる形状の複数の電極の組み合わせもまた可能である。本開示全体を通して、電極は、様々な材料、例えば、ステンレス鋼及び/又はアルミニウムから作製され得る。電極は、アルマイト又は任意の他の半導体材料の層でコーティングされ得る。電極は、液体又は気体循環によって、又はペルチェ電池の冷却プレートとの接触によって冷却され得る。
【0087】
図4は、装置400の一部分の別の例を示す。装置400は2つ以上のアプリケータヘッド110を含む。特に、装置400は、4つのアプリケータヘッド110、210、310、及び410を含む。
図5において、これらのアプリケータヘッド110、210、310、410は、アプリケータヘッド110、210、310、410の側部に位置する固定手段145によって互いに連結されている。固定手段145は、
図4のオスコネクタ及びメスコネクタであってもよい。一般に、アプリケータヘッドは、異なる位置に配置された1つ以上の固定手段145を含んでもよい。
図4では、連結されたアプリケータヘッド110、210、310、410は、例えば、腕又は大腿の周りに配置され得るチェーンを形成する。しかし、一部の他の例では、1つ以上のアプリケータヘッドは、連結されたアプリケータヘッドが、例えば本体の腹部領域を覆う正方形を形成するように、追加の固定手段145を含み得る。したがって、2つ以上のアプリケータヘッド110の使用は、皮膚のより広範囲を治療することを可能にする。これを行うために、一部の他の例では、1つ以上のアプリケータヘッドは互いに取り付けられない場合がある。また、1つ以上のアプリケータヘッドは固定手段145を含まない可能性がある。
【0088】
固定手段145はまた、磁気的手段、機械的手段、及び/又は接着的手段を含んでもよい。更に、固定手段145は、アプリケータヘッド110間の分離を制御することを可能にし得る。このために、固定手段145の形状及び/又はサイズが利用されてもよい。
【0089】
固定手段145又は様々なアプリケータヘッド間の接続部は、1つのアプリケータヘッドが別のアプリケータヘッドに対して回転することを可能にするヒンジとして形成され得る。
【0090】
図4はまた、各アプリケータヘッドが可撓性チューブ150を含み得ることを示している。各アプリケータヘッドは、可撓性チューブ150を介して、図示されていない制御ユニット(ベースステーション)に接続され得る。制御ユニットは、例えば、真空を作り出すためのポンプ、電源(例えば、電気グリッドとの接続部)、及びRF生成部を含み得る。任意選択で、制御ユニットは、過熱が検出された場合に空洞115を冷却するために使用され得る冷却システムを含み得る。
【0091】
ある例では、RF生成部は正弦波RF生成部であってもよい。例えば正方形や三角形などの他の波形が使用されてもよい。RF生成部の周波数は100kHz~3MHz、具体的には0.5~2MHzであってもよい。RF生成部の電力は0~200W、具体的には50~150Wであってもよい。可撓性チューブは、制御ユニットとアプリケータヘッドとの間に電気的、電子的、及び空気圧接続を提供することができる。
【0092】
図5は、アプリケータヘッド110の側面図の例を概略的に表す。この側面図は、例えば
図1又は2のアプリケータヘッド110のより短辺の側面図に対応する。一実施例では、アプリケータヘッド110のより短辺は約10cmの長さを有し得る。
【0093】
図5の例のアプリケータヘッド110の線C-Cに沿った内部が
図6に示されている。ある例では、アプリケータヘッド110の長辺は15~20cmの間の長さを有してもよい。この例でも電極は凸状で円形である。アプリケータヘッド110は、電極支持体及び/又は電極を駆動するためのモータ605を含む。アプリケータヘッド110はまた、1つ以上の電極支持体120、例えば回転可能な電極支持体に電気エネルギーを連続的に伝達するために、電気コレクタ610を含み得る。加えて、アプリケータヘッド110は、この例では、リップ105及び周縁密封ガスケット615を含む。更に、アプリケータヘッド110は、一部の例では、任意選択で皮膚温度センサ1410を含んでもよい。
【0094】
本明細書に記載の装置を使用して、対象の皮膚を自動的に治療するための、すなわち、オペレータが装置ヘッド110を保持及び/又は移動することなく治療するための効果的かつ安全な方法を実行することができる。このような方法が
図7に示されている。
【0095】
図7は、対象の皮膚を治療するための方法700のフローチャートを示す。方法700は、ステップ705において、本明細書に開示される対象の皮膚を治療するための装置を提供することを含む。装置は、本開示全体を通して、例えば
図1~
図6のいずれかに関して言及された1つ以上のアプリケータヘッド110のいずれかであり得る1つ以上のアプリケータヘッド110を含み得る。
【0096】
次いで、方法700は、ステップ710において、1つ以上のアプリケータヘッド110を対象の皮膚に付着させることを含む。一部の例では、1つ以上のアプリケータヘッド110の対象の皮膚への付着は、吸引及び1つ以上の機械的留め具、例えばストラップのうちの少なくとも1つを使用して実行され得る。上記のように、固定手段は、RF治療全体の間、1つ以上のアプリケータヘッド110を対象の皮膚に付着させることを可能にする。皮膚の吸引は真空を作り出すことを含み得る。吸引及び/又は真空引きを容易にするために、アプリケータヘッド110に密封リップが組み込まれてもよい。
【0097】
方法700は、ブロック715において、皮膚の一部分と1つ以上のアプリケータヘッド110とを接触させることを更に含む。これは、少なくとも第1の電極125及び第2の電極130を皮膚と接触させるものと解釈されよう。このステップは、使用される固定手段105に応じて、1つ以上のアプリケータヘッド110を対象の皮膚に付着させることと実質的に同時に、又はその後に実行され得る。例えば、吸引が使用される例では、例えば、皮膚の一部分をアプリケータヘッド110の空洞115に導入することによって、アプリケータヘッド110を皮膚に付着させることと、皮膚の一部分をアプリケータヘッド110と接触させることとは、実質的に同時に実行され得る。吸引が固定手段105として使用されない他の例では、皮膚の一部分をアプリケータヘッド110と接触させる前に、アプリケータヘッド110の皮膚への付着(例えば、ストラップを使用して)が実行される。一般に、皮膚の一部分を空洞115に導入することを容易にするために、吸引を使用することができる。
【0098】
1つ以上のアプリケータヘッド110が対象の皮膚に付着させられ、対象の皮膚の一部が1つ以上のアプリケータヘッド110と接触した後、方法700は、ブロック720において、第1の電極支持体を移動させるための駆動部を作動させることを更に含む。したがって、少なくとも第1の電極125を含む少なくとも第1の電極支持体120が、第1の電極125と第2の電極130との間の距離が変化するように移動される。
【0099】
方法700はまた、ブロック725において、RFエネルギーを皮膚に供給するために電源を作動させることを含む。したがって、少なくとも第1の電極125を用いて高周波(RF)エネルギーが皮膚に印加されてもよい。
【0100】
一般に、少なくとも第1の電極125を用いて皮膚に高周波(RF)エネルギーを印加することは、電極が移動し始めるまで実行されない。これは安全上の理由によるものであり、治療される皮膚と電極が適切に接触していることを確認することを可能にする。
【0101】
吸引を使用する場合、RFエネルギーを印加する前に吸引が実行されてもよい。これにより、電極と皮膚との接触が確実に維持され、電極からのアース放電及びスパーク放電が低減され得る。一部の例では、吸引は約50mbarである。一部の他の例では、吸引は約500mbarである。対応するアプリケータヘッド110に含まれる圧力センサによって、適切なレベルの吸引が達成されたことが確認されてもよい。一部の例では、圧力センサが特定の圧力値を検出すると、RFエネルギーの印加が開始される。
【0102】
任意選択で、追加の安全対策として、電極が皮膚に接触していることを確認するために、RFエネルギーが電極を通して印加され得る。追加的又は代替的に、インピーダンス計を使用して確認が実行されてもよい。リターン信号及び/又は特定のインピーダンス値(例えば、ある値域に含まれる)が検出されると、RFエネルギーが電極を通して印加され始める。
【0103】
更に、方法700は、任意選択で、例えば留め具又は固定手段145を使用して、第1及び少なくとも第2のアプリケータヘッドを連結することを含み得る。このステップは、1つ以上のアプリケータヘッド110が対象の皮膚に付着させられる前に実行されてもよい。例えば、オス及びメスコネクタを介していくつかのアプリケータヘッド110が互いに連結されてもよく、その後、アプリケータヘッド110が例えば大腿部に取り付けられてもよい。
【0104】
2つ又は3つ以上のアプリケータヘッド110を使用すること及び/又は2つ以上のアプリケータヘッド110を連結することは、オペレータが対象の皮膚に沿ってアプリケータヘッドを保持及び/又は移動する必要がある通常実行されるRF治療と比較して、より大きな治療エリアを提供する。オペレータの手は2つしかないため、治療領域は限られている。しかし、本明細書に記載されるような2つ以上のアプリケータヘッド110の使用は、より多くの領域を同時に治療することを可能にし、同時に、移動する電極がこれらの領域を連続的に覆うため、領域はRFエネルギーを連続的に受け取る。
【0105】
電極は、電極を含むアプリケータヘッド110に対して任意の方向に移動することができる。例えば、電極は直線状及び/又は円状に移動してもよい。
【0106】
図8は、
図2のアプリケータヘッド110の電極の経時的な移動の例を概略的に示す。時刻1では、各電極支持体120の電極は実質的に互いに向き合っている。時刻2及び時刻3において、各プレートの電極は時計回りに回転し、電極支持体120に含まれる電極間の距離が変化している。一部の他の例では、電極の回転は、追加的又は代替的に反時計回りであってもよい。
【0107】
図8では、2つの電極支持体120は同じ回転速度で移動する。これにより、より均等なRF治療を行うことができる。しかしながら、他の例では、1つ以上の電極及び/又は1つ以上の電極支持体は異なる速度で移動し得る。例えば、2つの電極支持体120は異なる回転速度で移動し得る。これは、例えば組織の特定の特徴に起因して、治療される領域が別の領域よりも高速なRFエネルギー印加の利益を享受する場合に有用であり得る。
【0108】
RF治療500は、同じ治療中に単極、2極、及び/又は多極動作を含んでもよい。
【0109】
単極動作では、第2の電極130は、少なくとも第1の電極125を介してRFエネルギーを印加することに先立って、対象の皮膚上に配置されたパッシブ電極である。単極動作中、第1の電極125と第2の電極130との間の生成される熱密度は、少なくとも第1の電極125の移動により連続的に移動する。したがって、組織を過熱させる可能性を低減し、皮膚の損傷、例えば、皮膚の熱傷を最小限に抑えることができる。
【0110】
2極動作では、第2の電極130は第1の電極125の極性とは反対の極性を有し、第1の電極125及び第2の電極130は第1の電極対を形成する。RFエネルギーは、少なくとも第1の電極対を介して皮膚に印加される。
【0111】
図8の例では、左側電極支持体120内の電極1が第1の電極125であり得、右側電極支持体120内の電極1が第2の電極130であり得る。RFエネルギーはこの電極対を介して印加され得る。加えて、各電極支持体120内の電極2は第2の電極対を形成し得、この電極対を介してもRFエネルギーが印加され得る。電極3についても同様であり得る。したがって、
図6は3極構成を表し得る。
【0112】
図9A及び
図9Bは、RF治療を適用するときの2つの電極間の距離の効果の例を示す。この例のシミュレーションでは、両方の電極の直径が15mmであり、50Wの電力及び0.1MHzの周波数が印加されている。
【0113】
図9Aは、対象の皮膚と接触している2つの電極、例えば、静電容量性電極を示す。
図9Bは、2極モードで動作する
図9Aの電極対の間の2つの距離dについて、
図9Aに示される横断面内に形成された温度分布を示す(左画像ではd=3.5cm、右画像ではd=2.5cm)。左画像の温度分布は、RFエネルギーの印加を開始した後の時間t=200秒に対応し、右画像の温度分布は、RFエネルギーの印加を開始した後の時間t=80秒に対応する。
【0114】
左画像は、d=3.5cmにおいて、t=200秒で臨界温度(すなわち、皮膚の熱傷が生じ得る温度、例えば、43℃より上)が達成されたことを示す。したがって、電極間の組織の実質的に均等な温度を達成するのに十分な時間が経過している。対照的に、右画像は、d=2.5cmにおいて、t=80秒で臨界温度にすでに達していることを示している。2つの電極間の組織において実質的に均等な温度は達成されていない。したがって、左画像では、より多くの組織が、特に均等に加熱されており、また、熱が組織のより深くに達している。上記したように、電極間の距離を連続的に変化させることで、組織エリアの均等かつ効果的な治療を提供することができる。
【0115】
一対の電極を介してRFエネルギーが適用される場合、電極対の各電極は、
図8又は
図10のように同じアプリケータヘッド110内に位置するか、又は
図11のように異なるアプリケータヘッド内に位置し得る。
【0116】
図10、
図11、及び
図12は、対象の皮膚を治療するための方法中の例示的な極性構成を示す。矢印は、図示の極性での対応する電極対間の電流の流れの方向を示す。
図2のアプリケータヘッド110のような4つのアプリケータヘッドが、2列の電極支持体120が区別できるように、すなわち上列と下列とが区別できるように、互いに隣接して配置されている。これらの例では、支持電極120に含まれる全ての電極が同じ極性を有する。例えば、電極支持体120に含まれる全ての電極が正極性を有し得る。
【0117】
図10において、上列の電極支持体120は正極性を有し、下列の電極支持体120は負極性を有する。各アプリケータヘッド110の電極対1、2、3は2極モードで動作し、例えば、電流は、上列内の電極1から下列内の電極1に流れる。異なる時間では、上列及び下列の極性が反転されてもよい。極性構成のこの例は、同じアプリケータヘッド110の電極支持体120の間に含まれる組織を加熱することを可能にする。
【0118】
図11では、アプリケータヘッド110は交互に異なる極性を有する。この極性構成による2極動作では、電流は、連続したアプリケータヘッド110内の電極間で流れ得、特に同じ列間で流れ得る。したがって、
図9では、アプリケータヘッド110の間に含まれる組織を加熱することができる。
【0119】
図12は、アプリケータヘッド110間の組織を加熱する別の可能性を示す。この例では、
図9の極性構成が適用されるが、利用可能な全ての電極を介してRFエネルギーが印加されるわけではない。特に、RFエネルギーは、1つ置きのアプリケータヘッド110及び1つ置きの列内の電極支持体120の電極を介して印加されない。これにより、アプリケータヘッド110間及び異なる列間に含まれる組織を加熱することができる。
【0120】
図10~
図12の概念は、同じRF治療中に組み合わされ得る。アプリケータヘッド110及び/又は電極支持体120間の極性は、同じ又は異なるアプリケータヘッド120に含まれる電極支持体120の間の組織が加熱されるように変更され得る。
【0121】
この組み合わせを示す例を
図13に示す。
図11の例では、図示されている極性構成は順番に適用されてもよい。例えば、一例では、
図8の構成は
図10の構成の前に適用されてもよい。同じ又は別の例では、
図10の構成は
図8の構成の前に適用されてもよい。したがって、RF治療中にRFエネルギーを組織に印加するために全ての電極が使用され得るわけではない。RF治療の開始時に一部の電極が使用されなくてもよく、かつ/又はRF治療中に一部の電極の使用が停止されてもよい。
【0122】
図14は、一例に係る別のアプリケータヘッド110を概略的に示す。この例では、アプリケータヘッド110は、RF電極1405及び皮膚温度センサ1410を含む電極支持体120を備える。電極支持体120は、アプリケータヘッド110の底部に対して移動可能に取り付けられる。皮膚温度センサ1410は、電極支持体120に含まれてもよく、又は異なる支持体に含まれてもよい。いずれの場合でも、電極1405及び皮膚温度センサ1410は、対象の皮膚に対してともに移動するように構成される。アプリケータヘッド110は長方形の形状を有し、電極1405及び皮膚温度センサ1410は円形の形状を有するが、他の形状も可能である。一部の例では、アプリケータヘッド110は円形又は正方形の形状を有し得る。これら又は別の例では、電極1405及び/又は皮膚温度センサ1410は、丸みを帯びた角を有する正方形の形状を有し得る。
【0123】
アプリケータヘッド110は、例えば機械的及び電気的に制御ユニット(図示せず)に接続され得る。制御部は、電極1405を介して印加されるRFエネルギーを制御する。
【0124】
電極1405とともに移動可能な皮膚温度センサ1410を組み込むことにより、移動中に電極1405及び皮膚温度センサ1410によって覆われた皮膚の平均温度を測定することが可能となる。更に、電極1405のエネルギー及び/又は温度と、皮膚温度センサ1410によって実行される皮膚温度測定との間に干渉がない。したがって、電極1405を介して印加されるRFエネルギーは、治療される皮膚の平均温度に基づいて制御システムによって制御及び調整され得る。
【0125】
制御システムは制御ユニットに含まれ得る。制御システムはプロセッサ及びメモリを含み得る。制御システムは1つ以上の皮膚温度センサから測定値を受信する。
【0126】
電極1405と皮膚温度センサ1410との間の距離は、0.5mm~20mm、具体的には2mm~15mmであり得る。
【0127】
図15は、別の例に係るアプリケータヘッド110を図示する。本明細書では、電極1405及び皮膚温度センサ1410は同じ電極支持体120に含まれており、これは、電極及び皮膚温度センサ支持体1415とも呼ばれ得る。電極及び皮膚温度センサ支持体1415は、少なくとも電極1405及び皮膚温度センサ1410を容易に一緒に移動させることを可能にする。
【0128】
図16は、電極及び皮膚温度センサ支持体1415を示す。この例では、電極及び皮膚温度センサ支持体1415は円形であり、4つの電極1405及び4つの皮膚温度センサ1410を含む。皮膚温度センサ1410は、この例では2つの電極1405に隣接している。皮膚温度センサ1410を2つ以上の電極1405に隣接させることにより、2つ以上の電極1405の皮膚温度への寄与を考慮することができる。
【0129】
図17は、
図16の電極及び皮膚温度センサ支持体1415を図示しており、この図では、電極1405は、各電極1405と接触している電極温度センサ1420を含む。一部の他の例では、全ての電極1405が電極温度センサ1420を含むわけではない。その名称が示すように、電極温度センサ1420は、電極温度センサ1420が接触している電極1405の温度を測定する。これは安全対策として使用され得る。例えば、電極温度が高すぎる、例えば、閾値よりも高い場合、RF治療の電力及び/又は周波数は低減され得る。
【0130】
一部の例では、電極温度センサ1420は電極1405の内側のみと接触する。電極の内側は、対象の皮膚と接触しないように構成された電極1405の部分と見なされ得る。また、電極1405の外側は、対象の皮膚と接触するように構成された電極1405の部分と見なされ得る。したがって、電極温度センサ1420を電極1405の内側と接触させることにより、皮膚温度が測定に及ぼす影響を最小限に抑えつつ、電極1405の温度を測定することができる。
【0131】
図18は、アプリケータヘッド110の別の例を示す。アプリケータヘッド110は底部1425を有し、底部1425において、アプリケータヘッドが、ベースステーションを有するチューブ又はチューブ拡張部に接続され得る。底部1425は、底部1425に回転可能に取り付けられた電極及び皮膚温度支持体1415を回転させるためのモータ及びアクチュエータ又は駆動部を含んでもよい。
【0132】
この例では、アプリケータヘッド110は、2つの列に配置された6つの電極1405を含み、各列が3つの電極1405、及び2つの電極1405に隣接する1つの皮膚温度センサ1410を有する。別の例では、アプリケータヘッド110は2つの電極1405列を含んでよく、各列は、4つの電極1405と1つの皮膚温度センサ1410とを有し、皮膚温度センサ1410は、1つの列内で2つの電極1405に隣接して、例えば、2つの中央電極に隣接して含まれる。
【0133】
図19は、皮膚温度センサ1410及び/又は電極温度センサ1420が、一例に係る制御ユニット1900の制御システムとどのように接触しているかを概略的に示す。制御システム1910は、1つ以上の温度センサ1410、1420から測定結果を受信し、また必要に応じて、例えば電力及び/又は周波数を修正するようにRF生成部1920及び/又は電源1930に指示する。
【0134】
特に、制御は、例えば、基準温度に近い皮膚の温度に到達し、その温度を維持するためのPID制御を含み得る。制御は、最大温度に達した場合の治療の中断などの安全対策を更に含み得る。制御は、(例えば、特定の電極の)誤動作の可能性の検出及びその誤動作に対する反応を更に含み得る。
【0135】
図14~
図17を通して説明されるアプリケータヘッダ110の特徴はまた、
図1~
図6に関連して説明されたアプリケータヘッド110に関連して説明された特徴のいずれかを含み得る。例えば、装置100は、第1の電極125及び第2の電極130を含み得るアプリケータヘッド110を含み得、第1の電極125は、第1の電極125と第2の電極130との間の距離が変化するように移動可能であるように構成されてもよい。アプリケータヘッド110は、第1及び/又は第2の電極125、130に隣接する1つ以上の皮膚温度センサ1410を更に含み得る。1つ以上の皮膚温度センサ1410は、それらが隣接する電極とともに移動可能である。装置100はまた、アプリケータヘッド110を対象の身体に取り付けるための固定手段105を含み得る。
【0136】
一部の他の例では、アプリケータヘッド110に含まれる1つ以上の電極125、130は電極温度センサ1420を含み得、電極温度センサは特に電極の内側と接触し得る。一部の他の例では、装置100は、2つ以上のアプリケータヘッド110を含み得、そのうちの1つ以上のアプリケータヘッド110が、本開示全体を通して説明されている1つ以上の特徴を含み得る。
【0137】
図1~
図6に記載のアプリケータヘッド110からの態様と、
図14~
図18に記載のアプリケータヘッド110からの態様とを組み合わせることは有益であり得る。例えば、
図15において、ある電極1405が他の電極1405に対して移動可能であってもよい。本実施形態は、2つの電極間の距離を変化させることに由来する利点、及び電極1405に隣接する表皮温度センサ1410を有することに由来する利点を有する。
【0138】
図20は、対象の皮膚を治療するための方法2000のフローチャートを示す。方法2000は、本明細書に開示される対象の皮膚を治療するための装置を提供するブロック2005を含む。装置は、
図14~
図18に開示されるものなどの1つ以上のアプリケータヘッド110を含み得、すなわち、例えば電極及び皮膚温度センサ支持体1415によって一緒に移動可能であり得る電極1405と皮膚温度センサ1410とを含むものを含み得る。
【0139】
方法2000は、ブロック2010において、皮膚の一部分とアプリケータヘッド110とを接触させることを更に含む。これは、単にアプリケータヘッドを皮膚の一部分上に配置し、それによって皮膚の一部分を少なくとも電極及び電極に隣接する皮膚温度センサと接触させることを意味し得る。
【0140】
このステップは、例えば、空洞を有するアプリケータヘッドの例では、アプリケータヘッダ110に含まれる吸引凹部を介して吸引を行い、皮膚の一部分をアプリケータヘッド110の空洞内に吸引することによって実行され得る。一般に、
図7に関して提供された、皮膚の一部分をアプリケータヘッド110内に導入するための吸引に関連する説明、及び電極1405が皮膚に接触していることを確認するための選択肢は、
図20のブロック2010にも適用される。例えば医師によってアプリケータヘッド110を皮膚に押し付けることも、アプリケータヘッド110を皮膚と接触させる役割を果たし得る。この目的のために、留め具又は固定手段を使用することもできる。これらの態様は互いに組み合わされてもよい。
【0141】
方法2000はまた、対象の皮膚に対して電極支持体120を移動させるブロック2015を含む。これは、電極1405及び電極1405に隣接する皮膚温度センサ1410を、対象の皮膚に対して一緒に移動させることを容易にし得る。電極支持体120は少なくとも1つの電極を含み、皮膚温度センサ1410を更に含み得る。一部の例では、この移動は円形であり得る。電極支持体120の移動は、皮膚がアプリケータヘッド110と接触した後に実行される。
【0142】
方法2000は、電極1405を介してRFエネルギーを皮膚に印加するブロック2020を更に含む。一般に、このステップは、
図7に関して説明したように、電極が移動を始めると実行される。しかし、1つ以上の電極の移動を開始する前にRFエネルギーを印加する可能性も除外されない。
【0143】
その後、電極1405及び電極1405に隣接する皮膚温度センサ1410が移動しているとき、方法2000は、皮膚の一部分の平均皮膚温度を測定するブロック2025を含む。皮膚のそのような部分は、電極1405及び皮膚温度センサ1410によって実行される移動によって画定され得る。
【0144】
最後に、平均皮膚温度が測定された後、方法2000は、測定された平均皮膚温度に基づいて、電極1405を通して印加されるRFエネルギーを調整するブロック2030を更に含む。このような調整は、アプリケータヘッド110に接続された制御システムによって実行され得る。
【0145】
この方法は、RF治療中に電極1405を通じて印加されるRFエネルギーのより良い制御及び調整を可能にする。これにより、例えば皮膚熱傷などの損傷を回避しつつ、治療される皮膚全体にわたって一定かつ均等な皮膚温度を維持することが容易になる。例えば、オペレータがアプリケータヘッド110を保持しており、それを対象の皮膚上に放置して不注意による皮膚熱傷を引き起こす可能性がある場合、制御システムは、皮膚損傷を回避又は低減するために、平均皮膚温度測定に基づいて、いくつかの電極1405を通して印加されるRFエネルギーを低減し得る。
【0146】
調整はまた、現在のレベルのRFエネルギーを維持することを含み得る。例えば、測定された平均皮膚温度が所望の平均皮膚温度と比較され、これらの値が実質的に一致する場合、調整は、現在のRFエネルギーを維持することからなる。
【0147】
一部の例では、方法2000は、基準平均皮膚温度を、例えばオペレータによってプログラミングすることと、制御システムによって、測定された平均皮膚温度に基づいて、基準平均皮膚温度を維持するように電極1405を通して印加されるRFエネルギーを調整することとを更に含んでもよい。
【0148】
したがって、有効なRF治療及び安全なRF治療の両方が実行され得る。一部の例では、基準平均皮膚温度は40℃~50℃であり得る。一例では、基準平均皮膚温度は43℃である。測定された平均皮膚温度が43℃から逸脱すると、制御システムは、いくつかの電極を通して印加されるRFエネルギーを調整し得る。この例又は他の例では、RFエネルギーを調整することは、電力及び周波数のうちの少なくとも1つを調整することを含み得る。例えば、直前の例では、測定された平均皮膚温度が41℃である場合、制御システムは、皮膚温度を43℃まで上昇させるために電力を増加させ得る。
【0149】
一部の例では、基準平均皮膚温度は全ての電極1405で同じである。一部の他の実施例では、電極1405のグループ、例えば、同一の電極及び皮膚温度センサ支持体1415を共有する電極1405は、他の電極1405、例えば、別の電極及び皮膚温度センサ支持体1415を共有する電極1405とは異なる基準平均皮膚温度を有し得る。これは、異なるRFエネルギーを必要とする組織領域に均等なRF治療を提供するのに役立ち得る。
【0150】
複数のアプリケータヘッド110が使用される場合、異なるアプリケータヘッド110は、同じ又は異なる基準平均皮膚温度を有し得る。
【0151】
一部の例では、電極1405及び皮膚温度センサ1410は回転移動を実行する。これにより、直線的な動きを使用する場合よりも皮膚の広範囲に、かつより均等にRFエネルギーを印加することができる。これらの例の一部では、電極及び皮膚温度センサの回転速度は1~100rpmであり得る。
【0152】
電極1405が電極温度センサ1420を含む場合、方法1800は更に、電極温度センサ1420によって電極1405の温度を測定することと、測定された電極温度が電極温度閾値を超えるとき、電極1405を介して印加されるエネルギーを減少させること、及び/又は電極1405を介して印加されるエネルギーを中断することとを少なくとも含み得る。
【0153】
安全対策として、超過した場合、電極1405を介して印加されるRFエネルギーが減少及び/又は停止するように、電極温度閾値がオペレータによってプログラムされ得る。一部の他の例では、電極温度閾値は製造業者によって固定され、オペレータによって修正できない可能性がある。
【0154】
一部の例では、電極温度閾値は40~50℃であり得る。一例では、電極温度閾値は47℃である。測定される電極温度は、48℃である。したがって、例えば電極に供給される電力を減少させることによって、RFエネルギーが下げられる。その後の電極温度測定がまだ47℃を超えている場合、RFエネルギーが再び下げられるか、又はRFが中断され得る(例えば、給電が停止され得る)。
【0155】
方法2000及び方法700の態様を組み合わせてもよい。例えば、方法2000は、対象の皮膚にアプリケータヘッドを付着させることと、第1の電極と第2の電極との間の距離が変化するように、第1の電極、及び第1の電極に隣接する皮膚温度センサを移動させることとを更に含んでもよい。
【0156】
この組み合わせは、やはり、電極間の距離を変化させることに関連する利点と、上述の可動電極に隣接する皮膚温度センサを含むことに関連する利点とを含む方法を得ることを可能にする。特に、RF治療の効率及び安全性は一層向上する。
【0157】
本明細書に記載の方法のいずれかに係るRF治療は、10~60分間持続し得る。一部の例では、RF治療の持続時間はオペレータによって制御システムに指示される。
【0158】
本明細書に記載の方法のいずれかの間、RFエネルギーは、単一の電極を介して、及び/又は極性が反対の2つの電極を含む電極対を介して印加され得る。すなわち、これらのRF治療のいずれかの間で単極、2極、及び/又は多極動作が変更され得る。
【0159】
完全性のために、本開示の様々な態様を以下の番号付き条項に記載する。
【0160】
条項1.対象の皮膚を治療するための装置で使用されるアプリケータヘッドであって、アプリケータヘッドが、
無線周波数(RF)電極及び電極に隣接する皮膚温度センサを含む電極支持体を備え、
電極支持体が、アプリケータヘッドの底部に対して移動可能に取り付けられている、アプリケータヘッド。
【0161】
条項2.アプリケータヘッドが少なくとも追加の電極を更に含み、皮膚温度センサが少なくとも追加の電極にも隣接している、条項1に記載のアプリケータヘッド。
【0162】
条項3.アプリケータヘッドが、電極のうちの1つ以上に隣接する少なくとも追加の皮膚温度センサを更に含む、条項1また2に記載のアプリケータヘッド。
【0163】
条項4.電極と皮膚温度センサとの間の距離が0.5mm~20mmの範囲内であり、具体的には2~10mmの範囲内である、条項1~3のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0164】
条項5.アプリケータヘッドが、電極のうちの1つと接触する電極温度センサを更に備える、条項1~4のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0165】
条項6.対象の皮膚の一部分を収容するための空洞を更に備え、特に、吸引口を更に備え、吸引口が、吸引口を介して空気を吸引するためのポンプに結合されるように構成されている、条項1~5のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0166】
条項7.空洞を密封するために空洞の境界に沿って配置された可撓性リップを更に備える、条項6に記載のアプリケータヘッド。
【0167】
条項8.アプリケータヘッドを皮膚に固定するための1つ以上の機械的留め具を更に備える、条項1~7のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0168】
条項9.留め具が、1つ以上のストラップを含む、条項8に記載のアプリケータヘッド。
【0169】
条項10.第1の電極に隣接する皮膚温度センサを有する少なくとも第1の電極が、第1の電極と第2の電極との間の距離が変化するように移動可能である、条項1~9のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0170】
条項11.電極支持体を回転させるための駆動部を更に備える、条項1~10のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0171】
条項12.対象の皮膚を治療するための装置であって、
条項1~11のいずれか一項に記載の1つ以上のアプリケータヘッドと、
電源と、RF電極のうちの少なくとも1つに供給される電気エネルギーを制御するための制御システムと、を備える、装置。
【0172】
条項13.対象の皮膚を治療するための方法であって、
条項12に記載の装置を提供することと、
皮膚の一部分及びアプリケータヘッドを接触させることと、
電極支持体を対象の皮膚に対して移動させることと、
電極のうちの1つ以上を介して高周波(RF)エネルギーを皮膚に印加することと、
皮膚の一部分の平均皮膚温度を測定することと、
測定された平均皮膚温度に少なくとも部分的に基づいて、1つ以上の電極を介して印加されるRFエネルギーを調整することと、を含む、方法。
【0173】
条項14.
基準平均皮膚温度を決定することであって、基準平均皮膚温度は具体的には40℃~50℃である、決定することと、
制御システムによって、測定された平均皮膚温度に基づいて、平均皮膚温度が基準平均皮膚温度の近くに維持されるように、電極を介して印加されるRFエネルギーを調整することと、を更に含む、条項13に記載の方法。
【0174】
条項15.RFエネルギーを調整することが、電力及び周波数のうちの少なくとも1つを調整することを含む、条項13又は14に記載の方法。
【0175】
条項16.電極及び皮膚温度センサのうちの1つ以上が回転移動を行う、条項13~15のいずれか一項に記載の方法。
【0176】
条項17.電極及び皮膚温度センサの回転速度が5~100rpm、具体的には10~60rpmである、条項16に記載の方法。
【0177】
条項18.
電極温度センサで電極の温度を測定することと、
測定された電極温度が電極温度閾値を超える場合、電極を介して印加されるエネルギーを減少させること、及び/又は電極に印加されるエネルギーを中断することと、を更に含む、条項13~17のいずれか一項に記載の方法。
【0178】
条項19.電極温度閾値が40℃~50℃である、条項18に記載の方法。
【0179】
条項20.
アプリケータヘッドを対象の皮膚に付着させることと、
第1の電極と第2の電極との間の距離が変化するように、第1の電極及び第1の電極に隣接する皮膚温度センサを移動させることと、を更に含む、条項13~19のいずれか一項に記載の方法。
【0180】
条項21.RFエネルギーが、単一の電極を介して、又は反対の極性の2つの電極を含む電極対を介して印加される、条項13~20のいずれか一項に記載の方法。
【0181】
条項22.RF治療時間が10分~60分の範囲内である、条項13~21のいずれか一項に記載の方法。
【0182】
条項23.対象の皮膚を治療するための装置とともに使用されるアプリケータヘッドであって、アプリケータヘッドが、対象の皮膚に固定されるように構成されており、
第1の電極支持体上に取り付けられた第1の高周波RF電極を備え、第1の電極支持体が、第1の電極と第2の電極との間の距離が使用中に変化するように、アプリケータヘッドの底部に対して移動可能である、アプリケータヘッド。
【0183】
条項24.アプリケータヘッドが、第2のRF電極を更に備える、条項23に記載のアプリケータヘッド。
【0184】
条項25.第1及び第2のRF電極の両方が、アプリケータヘッドの底部に対して移動可能である、条項23又は24に記載のアプリケータヘッド。
【0185】
条項26.第1のRF電極が、第1の電極支持体上に取り付けられており、第2のRF電極が、第2の電極支持体上に取り付けられており、第1の電極支持体及び第2の電極支持体が、アプリケータヘッドの底部に対して移動可能である、条項24に記載のアプリケータヘッド。
【0186】
条項27.第1の電極支持体が、第2の電極支持体に動作可能に接続されている、条項26に記載のアプリケータヘッド。
【0187】
条項28.第1の電極が、第1の電極支持体上に偏心して取り付けられている、条項27に記載のアプリケータヘッド。
【0188】
条項29.第1の電極支持体が、第1の複数のRF電極を含み、第2の電極支持体が、第2の複数のRF電極を含む、条項26~28のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0189】
条項30.対象の皮膚の一部分を収容するための空洞を更に画定し、特に、吸引口を更に備え、吸引口が、吸引口を介して空気を吸引するためのポンプに結合されるように構成されている、条項23~30のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0190】
条項31.電極支持体が空洞に対して移動可能である、条項23に記載のアプリケータヘッド。
【0191】
条項32.空洞を密封するために空洞の境界に沿って配置された可撓性リップを更に備える、条項30又は31に記載のアプリケータヘッド。
【0192】
条項33.アプリケータヘッドを皮膚に固定するための1つ以上の機械的留め具を更に備える、条項23~32のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0193】
条項34.留め具が、1つ以上のストラップを含む、条項33に記載のアプリケータヘッド。
【0194】
条項35.第1の電極支持体を移動させるための駆動部を更に備える、条項23~34のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【0195】
条項36.対象の皮膚を治療するための装置であって、条項23~35のいずれか一項に記載の1つ以上のアプリケータヘッドを備え、かつ
少なくとも第1の電極に電気を供給するための電源を更に備える、装置。
【0196】
条項37.対象の皮膚の治療、特に美容治療するための方法であって、
条項36に記載の装置を提供することと、
アプリケータヘッドのうちの1つ以上を対象の皮膚に付着させることと、
皮膚の一部分及び1つ以上のアプリケータヘッドを接触させることと、
第1の電極支持体を移動させるために駆動部を作動させることと、
皮膚にRFエネルギーを供給するために電源を作動させることと、を含む、方法。
【0197】
条項38.第2の電極がパッシブ電極であり、対象の皮膚上に位置する、条項37に記載の方法。
【0198】
条項39.第2の電極が、第1の電極の極性とは反対の極性を有し、第1の電極及び第2の電極が、第1の電極対を形成し、少なくとも第1の電極対を介してRFエネルギーが皮膚に印加される、条項37又は38に記載の方法。
【0199】
条項40.第2の電極が、第1の電極を含むアプリケータヘッド内に位置する、条項39のいずれか一項に記載の方法。
【0200】
条項41.第2の電極が、第1の電極を備えるアプリケータヘッドとは異なるアプリケータヘッド内に位置する、条項39に記載の方法。
【0201】
条項42.
第1の電極対を介する皮膚へのRFエネルギーの印加を中断することと、
RFエネルギーが少なくとも、部分的に異なる皮膚に印加されるように、第2の異なる電極対を介してRFエネルギーを皮膚に印加することと、を更に含む、条項37~41のいずれか一項に記載の方法。
【0202】
条項43.
第1及び少なくとも第2のアプリケータヘッドを連結することを更に含む、条項37~42のいずれか一項に記載の方法。
【0203】
条項44.電極支持体のうちの少なくとも2つが、同じ速度で、特に同じ回転速度で移動する、条項37~43のいずれか一項に記載の方法。
【0204】
条項45.治療時間が10~60分である、条項37~44のいずれか一項に記載の方法。
【0205】
本明細書ではいくつかの例のみが開示されているが、それらの他の代替、修正、用途、及び/又は均等物が可能である。更に、説明された実施例の全ての可能な組み合わせも網羅されている。したがって、本開示の範囲は、特定の例によって限定されるべきではなく、以下の特許請求の範囲の公正な読み取りによってのみ決定されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2022-07-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の皮膚を治療するための装置とともに使用されるアプリケータヘッドであって、前記アプリケータヘッドが、前記対象の前記皮膚に固定されるように構成されており、かつ、前記対象の前記皮膚の一部分を収容するための空洞を画定し、吸引口を備え、前記吸引口が、前記吸引口を介して空気を吸引するためのポンプに結合されるように構成されており、前記アプリケータヘッドが、
第1の電極支持体上に取り付けられた第1の高周波(RF)電極と、前記第1の電極と第2の電極との間の距離が使用中に連続的に変化するように、前記第1の電極支持体を前記アプリケータヘッドの底部に対して移動させるための駆動部と、を更に備える、アプリケータヘッド。
【請求項2】
前記アプリケータヘッドが、前記第2のRF電極を更に備える、請求項1に記載のアプリケータヘッド。
【請求項3】
前記第1のRF電極及び前記第2のRF電極の両方が、前記アプリケータヘッドの前記底部に対して移動可能である、請求項1又は2に記載のアプリケータヘッド。
【請求項4】
前記第1のRF電極が、前記第1の電極支持体上に取り付けられており、前記第2のRF電極が、第2の電極支持体上に取り付けられており、前記第1の電極支持体及び前記第2の電極支持体が、前記アプリケータヘッドの前記底部に対して移動可能である、請求項3に記載のアプリケータヘッド。
【請求項5】
前記第1の電極支持体が、前記第2の電極支持体に動作可能に接続されている、請求項4に記載のアプリケータヘッド。
【請求項6】
前記第1の電極が、前記第1の電極支持体上に偏心して取り付けられている、請求項5に記載のアプリケータヘッド。
【請求項7】
前記空洞を密封するために前記空洞の境界に沿って配置された可撓性リップを更に備える、請求項1~6のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【請求項8】
前記アプリケータヘッドを前記皮膚に固定するための1つ以上の機械的留め具を更に備える、請求項1~7のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【請求項9】
前記留め具が、1つ以上のストラップを含む、請求項8に記載のアプリケータヘッド。
【請求項10】
前記駆動部が、前記電極支持体を回転させるように構成されている、請求項1~9のいずれか一項に記載のアプリケータヘッド。
【請求項11】
対象の皮膚を治療するための装置であって、請求項1~10のいずれか一項に記載の1つ以上のアプリケータヘッドを備え、かつ
少なくとも前記第1の電極に電気を供給するための電源を更に備える、装置。
【請求項12】
対象の皮膚を美容治療するための方法であって、
請求項11に記載の装置を提供することと、
前記アプリケータヘッドのうちの1つ以上を前記対象の皮膚に付着させることと、
前記皮膚の一部分及び前記1つ以上のアプリケータヘッドを接触させることと、
前記第1の電極支持体を連続的に移動させるために前記駆動部を作動させることと、
前記皮膚にRFエネルギーを供給するために前記電源を作動させることと、を含む、方法。
【請求項13】
前記第2の電極が、前記第1の電極の極性とは反対の極性を有し、前記第1の電極及び前記第2の電極が、第1の電極対を形成し、少なくとも前記第1の電極対を介してRFエネルギーが前記皮膚に印加される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第2の電極が、前記第1の電極を備える前記アプリケータヘッドとは異なるアプリケータヘッド内に位置する、請求項13に記載の方法。
【国際調査報告】