(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-06
(54)【発明の名称】ロックシステムを有するビルディングパネル
(51)【国際特許分類】
E04F 15/02 20060101AFI20231027BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20231027BHJP
E04F 13/10 20060101ALI20231027BHJP
【FI】
E04F15/02 F
E04F15/02 G
E04F13/08 J
E04F13/10 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523098
(86)(22)【出願日】2021-10-15
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 SE2021051019
(87)【国際公開番号】W WO2022086397
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2021-06-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504033441
【氏名又は名称】ベーリンゲ、イノベイション、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】VAELINGE INNOVATION AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン、ブー
【テーマコード(参考)】
2E110
2E220
【Fターム(参考)】
2E110AA12
2E110AB03
2E110AB04
2E110AB05
2E110AB33
2E110BA02
2E110BA03
2E110BA12
2E110DB22
2E110DC08
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2E110GB62W
2E110GB62X
2E110GB62Z
2E220AA06
2E220AB12
2E220AB14
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2E220DA02
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2E220DB03
2E220EA05
2E220GA22X
2E220GA25X
2E220GB43X
2E220GB45X
2E220GB46X
(57)【要約】
反対側に位置する第1エッジ及び第2エッジのそれぞれにおいて第1メカニカルロックシステムを含むビルディングパネルのセット。第1メカニカルロックシステムは、反対側に位置する第1エッジ及び第2エッジのうちの一方において舌部溝部を含み、当該舌部溝部は、組み立てられる位置における隣り合う本質的に同一のパネルの垂直なロックのために、第1エッジ及び第2エッジのうちの他方のロック舌部を受けるように構成される。ロック舌部は、本質的に水平な及び/又は上向きの上面を含む。第2メカニカルロックシステムは、反対側に位置する第3エッジ及び第4エッジのそれぞれに形成される。第2メカニカルロックシステムは、第3エッジ及び第4エッジのうちの一方において、組み立てられる位置で、本質的に同一の隣り合うパネルの垂直なロックのために、変位可能なロック舌部を受けるよう構成される楔溝部を含む。変位可能なロック舌部は、第3エッジ及び第4エッジのうちの前記他方に設けられる変位溝部において変位するように構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
例えばフロアパネルなどのビルディングパネル(1)のセットであって、
例えば長いエッジなどの反対側に位置する第1エッジ及び第2エッジ(11、12)のそれぞれにおいて第1メカニカルロックシステム(50)であって、当該第1メカニカルロックシステム(50)は、反対側に位置する第1エッジ及び第2エッジのうちの一方において舌部溝部(111)を含み、当該舌部溝部(111)は、組み立てられる位置における隣り合う本質的に同一のパネル(1、2)の垂直なロックのために、ロック舌部(121)の折り変位によって、前記第1エッジ及び前記第2エッジのうちの他方のロック舌部(121)を受けるように構成され、前記ロック舌部(121)は、本質的に水平な及び/又は上向きの上面(122)を含む、第1メカニカルロックシステム(50)と、
例えば短いエッジなどの反対側に位置する第3エッジ及び第4エッジ(13、14)のそれぞれにおける第2メカニカルロックシステム(60)であって、当該第2メカニカルロックシステムは、第3エッジ及び第4エッジのうちの一方において楔溝部(141)を含み、当該楔溝部(141)は、組み立てられる位置における本質的に同一の隣り合うパネル(1、2)の垂直なロックのために、例えば垂直折り(VF)などの前記楔溝部(141)の垂直変位(V)によって、変位可能なロック舌部(131)を受けるよう構成され、前記変位可能なロック舌部(131)は、前記第3エッジ及び前記第4エッジのうちの前記他方に設けられる変位溝部(133)において変位するように構成され、前記変位溝部(133)は上壁(135)を含み、前記変位溝部(133)の前記上壁(135)は、垂直方向(V)に、前記ロック舌部(121)の前記上面(122)の下方に配置される第2メカニカルロックシステム(60)と、
を備えるビルディングパネル(1)のセット。
【請求項2】
前記上壁(135)全体が、垂直方向(V)に、前記ロック舌部(121)の前記上面(122)の下方に配置される、請求項1に記載のセット。
【請求項3】
前記変位溝部(133)は、例えば長手方向(L)に、横方向に開いた開口部(137)を備え、前記開口部(137)が、好ましくは前記開口部(137)全体が、垂直方向(V)に、前記ロック舌部(121)の前記上面(122)の下方に設けられる、請求項1及び2のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項4】
前記楔溝部(141)は、垂直方向(V)に、前記ロック舌部(121)の前記上面(122)の下方に配置されており、好ましくは、前記楔溝部(141)の上方且つ最外のエッジ(142)が、垂直方向(V)に、前記ロック舌部(121)の前記上面(122)の下方に配置されている、請求項1~3のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項5】
前記パネル(1)の前記長手方向(L)における、前記ロック舌部(121)の第1端部は、第1部分(1213)を含み、前記ロック舌部(121)の反対側の第2端部は、第2部分(1214)を含む、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項6】
前記第1部分(1213)及び前記第2部分(1214)は、隣り合うパネル(1、2)の組み立てられる位置において、本質的に接触するように、又は接触するように構成される、請求項5に記載のセット。
【請求項7】
前記第1部分(1213)及び前記第2部分(1214)は、隣り合うパネル(1、2)の組み立てられる位置において、前記第1部分及び前記第2部分(1213、1214)が、例えば互いに押し付けられるように又は互いに圧入されるように、互いに対して予め張力がかけられるように構成される、請求項5~6のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項8】
前記第1部分(1213)及び前記第2部分(1214)は、前記第2メカニカルロックシステム(60)による隣り合うパネル(1、2)の組み立てられる位置において、遊び(DS)が前記隣り合うパネル(1、2)間に形成されるように構成され、前記第1部分(1213)及び前記第2部分(1214)は、組み立てられる前記隣り合うパネル(1、2)のそれぞれの表層(15a)が連続するように及び/又は押されて離されないように、前記遊び(DS)の十分なサイズが得られるように構成される、請求項5~7のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項9】
2つの隣り合うパネル(1、2)の組み立てられる位置において、前記第3エッジ(13)及び前記第4エッジ(14)のすぐ並んで配置される上側エッジ部分(138、148)が、第2垂直面(VP2)を形成し、前記第1部分(1213)は、前記第3エッジ(13)の前記上側エッジ部分(138)と同一平面となるように構成され、好ましくは前記第2部分(1214)は、前記第4エッジ(14)の前記上側エッジ部分(148)と同一平面となるように構成される、請求項5~8のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項10】
前記第1部分(1213)及び前記第2部分(1214)は、前記第2メカニカルロックシステム(60)による隣り合うパネル(1、2)の組み立てられる位置において、前記隣り合うパネル(1、2)間に遊び(DS)が形成されるように構成され、前記遊び(DS)は、0.00~+0.50mm、好ましくは0.00~+0.30mm、例えば0.03~0.15、より好ましくは0.00~0.05mmという範囲にある、請求項5~9のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項11】
前記第1部分(1213)及び前記第2部分(1214)は、前記第2メカニカルロックシステム(60)による隣り合うパネル(1、2)の組み立てられる位置において、前記隣り合うパネル(1、2)間に遊び(DS)が形成されるように構成され、前記遊び(DS)は-0.05~+0.10mmの範囲にある、請求項5~9のうちのいずれか一項に記載のセット。
【請求項12】
前記パネル(1)は、例えば前記パネル(1)の前記フロント面(15)に平行に延びる平面などの、平面(S)を備え、前記ロック舌部(121)の前記上面(122)は、前記平面(S)の第1の側(S1)に配置され、前記変位溝部(133)は、及び好ましくは前記楔溝部(141)は、前記平面(S)の第2の側(S2)に配置され、前記第2の側(S2)は、前記平面(S)のうちの前記第1の側(S1)とは反対の側である、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載のセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はビルディングパネルに関し、特に本開示の態様は、ビルディングパネルのためのロックシステムに関し、より詳細には、本開示のいくつかの態様は、そのようなロックシステムの流体透過性に関する。
【背景技術】
【0002】
折り変位(folding displacement)による、ロックされる位置における隣り合うパネルの組み立てのための、典型的には反対側に位置する長いエッジに沿った、第1メカニカルロックシステムを備えるビルディングパネルが知られている。また変位可能なロック舌部の垂直変位によって、隣り合うパネルをロックされる位置で組み立てるための、典型的には反対側に位置する短いエッジに沿った、第2メカニカルロックシステムを含むパネルも知られている。
【0003】
そのような既知のパネルは、十分に機能するビルディングパネルを代表しうるが、依然として当該技術分野において改善の余地がある。
【発明の概要】
【0004】
本開示の少なくとも実施形態の目的は、既知のシステムの欠点を軽減すること又は少なくともある程度緩和することである。
【0005】
第1態様において、長いエッジなどの反対側に位置する第1エッジ及び第2エッジのそれぞれにおいて第1メカニカルロックシステムを含む、フロアパネルなどのビルディングパネルが提供される。第1メカニカルロックシステムは、反対側に位置する第1エッジ又は第2エッジの一方において、組み立てられる位置で隣り合う本質的に同一のパネルを垂直にロックするために、好ましくは折り変位によって、第1エッジ又は第2エッジの他方のロック舌部を受け入れるように構成された舌部溝を備える。ロック舌部は、本質的には水平な、好ましくは上向きの、上面を含む。第2メカニカルロックシステムは、短いエッジなどの反対側に位置する第3エッジ及び第4エッジのそれぞれに、形成される。第2メカニカルロックシステムは、第3エッジ又は第4エッジのうちの一方において、組み立てられる位置で本質的に同一の隣り合うパネルの垂直方向のロックのために、好ましくは垂直方向の折りなどの垂直方向の変位によって、変位可能なロック舌部を受け入れるように構成された楔溝部を含む。変位可能なロック舌部は、第3エッジ又は第4エッジのうちの他方に設けられた変位溝部において変位するように構成される。一実施形態において、変位溝部は上壁を含む。上壁は、好ましくは、垂直方向に、ロック舌部の上面よりも下方に配置される。
【0006】
第2態様において、いずれかの態様に係るビルディングパネルのセットが提供される。
【0007】
開示の実施形態が可能であるこれらの及び他の態様、特徴及び利点は、詳細な説明から明らかになり、解明されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
開示の実施形態が可能であるこれらの及び他の態様、特徴及び利点は、本開示の実施形態の以下の説明から明らかになり且つ解明され、添付の図面に対して参照がなされ、それらの図面おいて
【
図1A】
図1Aは、既知技術による組立てられたパネルのセットの上面図である。
【
図4A】
図4Aは、既知のパネルの第1ロックシステムの断面図である。
【
図4B】
図4Bは、既知のパネルの第2ロックシステムの断面図である。
【
図5A】
図5Aは、開示の例示的な実施形態によるパネルの第1ロックシステムの断面図である。
【
図5B】
図5Bは、開示の例示的な実施形態によるパネルの第2ロックシステムの断面図である。
【
図6A】
図6Aは、開示の例示的な実施形態による組み立てられたパネルのセットの上面図である。
【
図9A】
図9Aは、開示の例示的な実施形態による、組み立てられる位置での第1ロックシステムの断面図である。
【
図9B】
図9Bは、開示の例示的な実施形態による、組み立てられる位置での第2ロックシステムの断面図である。
【
図10A】
図10Aは、開示の例示的な実施形態による、組み立てられる位置での第1ロックシステムの断面図である。
【
図10B】
図10Bは、開示の例示的な実施形態による、組み立てられる位置での第2ロックシステムの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
開示の具体的な実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。しかしながら、この開示は、多くの様々な形態で具体化されうるものであり、ここに記載される実施形態に限定して解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、この開示が詳細且つ完結したものであるように且つ当業者に開示の範囲を十分に伝えるために、提供される。添付図面に例示された実施形態の詳細な説明で使用される用語は、開示を限定することを意図していない。図面において、同様の番号は同様の要素を指す。
【0010】
図1A及び
図1Bは、ロックされた位置で組み立てられ且つフロント面15’が見る人に向けられて配置される既知のパネル1’のセットを示す。
図4Aは、既知のビルディングパネル1’の詳細を示す。折り変位による隣り合うパネルの水平及び垂直なロックのために、パネル1’の第1エッジ11’及び第2エッジ12’、例えば長いエッジ、のそれぞれに、第1メカニカルロックシステム50’が形成される。第2エッジ12’は、パネルの垂直ロックのために、折り変位手段によって舌部溝部111’に受け入れられるように構成されたロック舌部121’を備える。
【0011】
図4Bは、既知のビルディングパネル1’の更なる詳細を示す。第2メカニカルロックシステム60’は、垂直変位による隣り合うパネルの水平及び垂直ロックのために、パネル1’の第3エッジ13’及び第4エッジ14’、例えば短いエッジ、のそれぞれに形成される。
【0012】
第2メカニカルロックシステム60’は、第3エッジ又は第4エッジ13’、14’のうちの一方において、組み立てられる位置での隣り合うパネルの垂直ロックのために、第3エッジ又は第4エッジ13’、14’のうちの他方の変位可能なロック舌部131’を受け入れるように構成された楔溝部141’を含んでいてもよい。
【0013】
変位可能なロック舌部131’は、第3エッジ又は第4エッジ13’、14’のうちの他方の変位溝部133’において変位するように構成されうる。既知のビルディングパネル1’の特徴をより明確に伝える目的で、既知のパネル1’を示す
図2B及び
図4Bにおいて、変位可能なロック舌部131’は省かれている。
【0014】
変位溝部133は、変位溝部内への方向に/パネル1の中心に向かって、パネル1のフロント面15に向かって上方に傾斜していてもよく、或いは、パネル1のバック面16に向かって垂直方向Vに下方に傾斜していてもよい。
【0015】
図1Bに概略的に示されるように、第2メカニカルロックシステム60’によってロックする位置に組み立てられた場合に、それぞれのパネルのロック舌部121’間に、組み立てられた既知のパネル1’の長手方向に間隔5’が形成される。スペース5’は、隣り合うパネルが第2メカニカルロックシステム60’によって組み立てられる場合に、ロック舌部121’の第1端部における第1部分1213’と、隣り合うパネル2のロック舌部121’の反対の第2端部の第2部分1214’との間に、形成される。スペース5’は、典型的には、約4.5mmであってもよく、或いは変位溝部133の上壁135’のサイズにほぼ対応してもよい。スペース5’の起点は、ロック舌部121’及び変位溝部133’などの、第1及び/又は第2ロックシステム50’、60’の1つ以上の特徴の垂直位置の結果でありうる。特に、スペース5’は、第1及び/又は第2ロックシステム50’、60’のそのような特徴の製造の結果でありうる。
【0016】
非限定的な例において、ロックシステム50’、60’は、パネル1’を、回転切断工具などの1つ以上の切断工具を過ぎて供給方向に供給することによって形成されてもよく、それによって1つ以上の切断工具は、エッジ11’、12’、13’、14’のうちの1つに沿ってロックシステムの少なくとも一部を形成してもよい。
【0017】
その結果、
図2A及び
図2Bに示すように、第1ロックシステム50’及び第2ロックシステム60’は、パネル1’のそれぞれのコーナーでオーバーラップしうる。特に、
図2A及び
図2Bに示すように、第1ロックシステム50’及び第2ロックシステム60’の少なくとも一部は、パネル1’のそれぞれのコーナーで交差していてもよい。
【0018】
図4A~4Bを参照すると、パネルのフロント面15’とロック舌部121’の上面122’との間の距離D1’が、フロント面15’と、変位溝部の上壁135’、例えば上壁135’の最上部、との間の距離D2’よりも大きく、それによって材料の空間を作り出すようにパネルから材料を切除することを含みうる変位溝部133’の形成は、
図2Aに示すように、第2エッジ12’と第3エッジ13’との間のコーナーB’においてなど、それがロック舌部121’の上面122と交差する又は横断する場合に空隙で生じうる。
【0019】
既知技術を伝える目的で、突出部H1’は、パネルの長さ方向又は長手方向Lに、ロック舌部121’の上面122’の突出部(すなわち上面122’に沿った突出部)を図式的に示す。
【0020】
突出部W2’は、パネルの幅方向又は横方向Tへの、変位溝部133’の上壁135’の突出部(すなわち上壁135’に沿った突出部)を図式的に示す。
【0021】
突出部W1’は、パネルの幅方向又は横方向Tへの、変位溝部133’の内壁136’の突出部(すなわち内壁136’に沿った突出部)を図式的に示す。
【0022】
突出部O1’は、変位溝部133’の開口部137’の突出部を図式的に示す。開口部137’は、変位溝部133’の下壁134の最外エッジと上壁135の最外エッジとによって形成される。
【0023】
導出可能なものとして、突出部W2’と突出部H1’は交差しており、それは上面122’を含むロック舌部121’の部分が形成されることができない又は製造中に切除されたことを意味し、それによって、間隔5’が形成されうる。隙間5’は、ここで説明されるように、第1部分5a’と、典型的には第2部分5b’とを備えうる。その結果、
図1Bに示すように、隣り合うパネルが短いエッジに沿って組み立てられる場合、隣り合うパネルのそれぞれのロック舌部121’の上面122’の間に実質的な隙間5’が存在しうる。それにより、上面15’から1又は複数のロック舌部121’に移る流体は、隣り合うパネルの第1エッジ11’と一緒に組み合わされる場合など、第1ロックシステム50’の接合エッジ12’を通って浸透しうる。それにより、流体は、重力の作用下などで、パネルのフロント面15’からバック面16’に移動しうる。
【0024】
言い換えれば、回転切削工具などの1つ又は複数の切削工具によって形成されうる、したがってビルディングパネル1’のコア材などの材料の空隙を構成する変位溝部133’は、そうでなければ第1ロックシステム50’のロック舌部121’がコア材に形成されるであろうスペースにおいて、少なくとも部分的に形成される。特に、変位溝部133’は、そうでなければ第1ロックシステム50’のロック舌部121’の上面122の少なくとも一部がコア材に形成されるであろうスペースに、少なくとも部分的に形成されうる。
【0025】
突出部O2’は、パネル1’の横方向Tにおける楔溝部141’の開口部144’の突出部を図式的に示す。開口部144’は、楔溝部141’の上側最外エッジ142’と下側最外エッジ143’とによって形成される。導出可能なものとして、突出部O2’と突出部H1’は交差し、それは、上面122’の一部を含むロック舌部121’の一部が、材料がないために形成されることができない又は変位溝部の製造中に切除されたことを伴う。それにより、隙間5’の第2部分5b’が形成されうる。その結果、
図1Bに示すように、2つのパネルが短いエッジに沿って組み立てられる場合に、隣り合うパネルのロック舌部121’のそれぞれの上面122’間に隙間5’の第2部分5b’が形成されうる。それにより、上面15’から1又は複数のロック舌部121’に移る流体は、隣り合う第3パネル(図示せず)の第1エッジ11’と一緒に組み合わされる場合などに、第1ロックシステム50’の接合エッジ12’を介して浸透しうる。
【0026】
再び
図4A~4Bを参照すると、パネル1’の上面15’とロック舌部121’の上面122’との間の距離D1’は、パネル1’の上面15’と楔溝部141’の上側エッジ142’との間の距離D3’よりも大きい。その結果、
図3Bに示すように、パネル1’の長手方向Lにおける上面122’の突出部H1’は、パネルの横方向Tにおける楔溝部141’の突出部O2’とのコーナーC’で交差する。ここで、コーナーC’は、第2エッジ12’の第1ロックシステム50’と第4エッジ14’の第2ロックシステム60’との間のコーナーであってよい。それにより、楔溝部141’が形成される場合、上面122’の少なくとも一部が1つ以上の切削工具(図示せず)により切除される。
【0027】
したがって、
図2Bから、変位溝部133’の上面122’と上壁135’とがX、Y、Zなどの3次元空間で交差することが導き出されうる。
【0028】
図4Bから、変位溝部133’の上壁135’と上面122’とがX-Z平面などの2次元空間で交差し、したがって変位溝部133’の上壁135’を形成することによって上面122’の一部が切除されることが、再び導き出されることができる。
【0029】
したがって、
図3Bから、上面122’と楔溝部141’がX、Y、Zなどの3次元空間で交差することが導き出されることができる。
【0030】
図4Bから、上面122’と楔溝部141’がX-Z平面などの2次元空間で交差し、それによって楔溝部141’を形成することによって上面122’の一部が切除されることが再び導き出されることができる。
【0031】
図5A~5B、6A~6B、7A~7B、8A~8B及び9A~9Bは、開示の例示的な実施形態によるパネル1の実施形態を示す。
【0032】
パネル1は、床パネル、壁パネル、天井パネル又は家具パネルであってもよい。
【0033】
パネル1は、コア材を含むコア3を備えうる。コアは、パーティクルボード、木材などの木質系、HDF、MDFなどであってもよい。
【0034】
パネル1は、ベニヤ、メラミンホルムアルデヒドを含む熱硬化性接着剤、ただしメラミンホルムアルデヒドに限定されない、又はそれらの組み合わせなどの1つ以上の表層を含みうる。その1つ又は複数の表層は、コア3の上方及び/又は下方に設けられうる。
【0035】
図5Aは、開示のある実施形態による第1メカニカルロックシステム50の詳細を示す。第1メカニカルロックシステム50は、折り変位による隣り合うパネルの水平及び垂直のロックのために、パネル1のそれぞれの第1エッジ11及び第2エッジ12に、例えば長エッジに、形成されうる。
図5Bは、垂直変位による隣り合うパネルの水平及び垂直のロックのために、パネル1のそれぞれの第3エッジ13及び第4エッジ14に、例えば短エッジに、形成された第2メカニカルロックシステム60の詳細を示す。
【0036】
開示の例示的な発明的態様を伝える目的で、
図5B及び
図7Bでは、変位可能なロック舌部131は省略されている。しかし、変位可能なロック舌部131は、
図9Bに示されている。
【0037】
図5A~5Bを参照すると、変位溝部の上壁135、例えば上壁135の最上部、と、フロント面15との間の距離D2、は、好ましくは、パネル1のフロント面15とロック舌部121の上面122との間の距離D1よりも大きく、典型的には材料の空隙を作るようにパネルから材料を切除することを含む変位溝部133の形成は、
図7Aに示すように、例えば第2エッジ12と第3エッジ13との間のコーナーBにおいて、それがロック舌部121の上面122と交差する場合に、ロック舌部121の上面122の場所に空隙を作ることはない。
【0038】
開示の例示的な発明的態様を伝える目的で、突出部H1は、パネルの長さ方向及び/又は長手方向Lなどに、ロック舌部121の上面122の突出部(すなわち上面122に沿った突出部)を図式的に示す。
【0039】
突出部W2は、例えばパネル1の幅方向W及び/又は横方向Tへの、変位溝部133の上壁135の突出部(すなわち上壁135に沿った突出部)を図式的に示す。
【0040】
突出部W1は、例えばパネル1の幅方向W及び/又は横方向Tへの、変位溝部133の内壁136の突出部(すなわち内壁136に沿った突出部)を図式的に示す。
【0041】
突出部O1は、パネル1の横方向T又は幅方向Wなどにおける変位溝部133の開口部137の突出部を図式的に示す。
【0042】
開口部137は、変位溝部133の上壁135の最外エッジと下壁134の最外エッジとによって形成される。
図7Bから導出できるように、突出部W2と突出部H1は交差しておらず、それは、変位溝部133と上面122との間の、垂直方向Vの視点からの2次元的な交差部に位置する上面122を含むロック舌部121の一部が、変位溝部133の製造の間に、形成されることが可能及び/又は切除されていないことを伴う。垂直方向の視点と、そのフロント面15に対面するように、上方から見たパネル1であってもよい。それにより、隙間5の第2部分5bのサイズが低減されうるものであり、或いは好ましくは本質的に形成されないことができる。その結果、
図6Bに示すように、2つのパネル1、2が短いエッジ13、14に沿って組み立てられる場合、それぞれのパネル1、2の上面122間の移行は、隣り合うパネル1、2のそれぞれのロック舌部121の上面122間に隙間が本質的にないように、連続的にしうる。それにより、ロック舌部121、特にロック舌部121の上面122、には、既知のパネル1’におけるのに比べて、長手方向Lなどにおいて、より長い範囲が提供されうる。ここに示すように、ロック舌部121の上面122には、例えば長手方向Lに、その反対側に位置する2つの端部分において、既知のパネル1’おけるよりも長い範囲が提供されうる。
【0043】
それにより、隣り合うパネル1、2のそれぞれのロック舌部121は、第2メカニカルロックシステム60によって組み立てられる位置に構成された場合に、接触しうる。
【0044】
それにより、隣り合うパネル1、2のそれぞれの上面122は、第2メカニカルロックシステム60によって組み立てられる位置に構成された場合に、本質的に連続的にしうる。
【0045】
それにより、上面15から1又は複数のロック舌部121に移行しうる流体は、重力の作用の下などで、
図6A~6Bに示すように、隣り合うパネルの第1エッジ11と一緒に組み立てられる場合などに、第1ロックシステム50の接合エッジ12を通って浸透することが、実質的に妨げられうる。
【0046】
言い換えれば、1つ又は複数の回転切削工具によって形成されうる変位溝部133であって、したがってビルディングパネル1のコア材のような空隙材料である変位溝部133は、第1ロックシステム50のロック舌部121がコア材に形成される空間の下方に、特にロック舌部121の上面122の下方に、少なくとも部分的に形成される。
【0047】
図6A~6Bは、ロックされる位置に組み立てられ且つフロント面15が見る人に向けられて配置されたパネル1のセットを示す。フロント面15は、装飾表層などの表層15aのフロント面であってもよい。パネル1の反対側のバック面に、対応するバランシング層16aが設けられてもよい。
【0048】
図6B、
図7B及び
図8Bを参照すると、それぞれの隣り合うパネル1、2の上面122は、開示によれば、有利には互いに本質的に連続して延びてもよい。
【0049】
パネル1の長手方向における、ロック舌部121の第1端部は、第1部分1213を備えうる。
【0050】
パネル1の長手方向において、ロック舌部121の第1端部と反対側にある、ロック舌部121の第2端部は、第2部分1214を備えうる。
【0051】
ロック舌部121の第1部分1213は、ロック舌部121の端部分及び/又は外側部分、例えば第2エッジ12と第3エッジ13との間のコーナーにおけるロック舌部121の端部分などのロック舌部121の最外部分、であってもよい。第1部分1213は、上面122の最も外側の部分又はエッジを備えうる。
【0052】
ロック舌部121の第1部分1213は、本質的に垂直な表面などの、表面を備えうる。第1部分1213は、ロック舌部121の最外エッジ及び/又は上面122の最外エッジなどのエッジを備えうる。
【0053】
第1部分1213は、表面及び少なくとも1つのエッジを備えうる。
【0054】
ロック舌部121の第2部分1214は、ロック舌部121の外側部分及び/又は端部分、例えば第2エッジ12と第4エッジ14との間のコーナーにおけるロック舌部121の端部分などのロック舌部121の最外部、であってもよい。第2部分1214は、上面122の最も外側の部分又はエッジを備えうる。
【0055】
ロック舌部121の第2部分1214は、本質的に垂直な表面などの、表面を備えうる。第2部分1214は、ロック舌部121の最外エッジ及び/又は上面122の最外エッジなどの、エッジを備えうる。
【0056】
第2部分1214は、表面及び少なくとも1つのエッジを備えうる。
【0057】
第1部分1213は、ロック舌部121の第1端部において、例えばパネル1の長手方向Lに及び/又はX軸に沿って、第1端部を備えうる。
【0058】
第2部分1214は、パネル1の長手方向Lにおいて及び/又はX軸に沿って、ロック舌部121の第2の反対端における第2端部、例えばパネル1のロック舌部121の第1端部と反対側のパネル1のロック舌部の端部、を含みうる。
【0059】
第1部分1213及び第2部分1214は、隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において接触していてもよい。
【0060】
第1部分1213及び第2部分1214は、隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、例えば互いに押し合うように、予め張力がかけられていてもよい。
【0061】
第1部分1213及び第2部分1214は、パネル1のコア材に形成されてもよい。
【0062】
第1部分1213及び第2部分1214は、隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、例えばコア3の材料が変形するように互いに押し合うように、予め張力がかけられていてもよい。
【0063】
第1部分1213及び第2部分1214は、組み立てられたパネル1、2のそれぞれの表層15aが連続しており及び/又は引き離されないことを保証するために、十分なサイズの遊びDSが得られるように構成されうる。
【0064】
図7Bを参照すると、第1部分1213は、上側部分138と同一平面上にあるように構成されうる。上側エッジ部分138は、変位溝部133と連続していてもよい。
【0065】
図8Bを参照すると、第2部分1214は、上側部分148と同一平面となるように構成されていてもよい。上側エッジ部分148は、楔溝部141と連続していてもよい。
【0066】
流体はコア材3が膨潤することをもたらしうるものであり、それによって遊びDSのサイズが縮小しうる。
【0067】
いくつかの実施形態において、製造公差に起因するなどのために、隣り合うパネルが第2メカニカルロックシステム60によって組み立てられる場合に、第1部分1213と第2部分1214との間で微細な遊びDSを得るようにパネル1を設計することが有利になりうる。
【0068】
非限定的な例において、硬いコア-材料と組み合わせた過度のプレテンションすなわち予めかけられる張力は、1213と1214との間の接触が、前記パネル1、2が第2ロックシステム60によって組み立てられる場合にそれぞれの隣り合うパネル1、2の第3及び第4エッジが互いから離れるように押されることを容易にする、という結果をもたらしうる。その結果、パネルの表層間に形成される溝部が得られうるものであり、そのことは床の見た目の印象を歪めたり及び/又は透水に対する耐性に悪影響を与えたりしうる。
【0069】
任意の態様において、遊びDSのサイズは、0.00~+0.50mm、好ましくは0~+0.30、例えば+0.03~+0.15mm、より好ましくは0.00~+0.05mmの範囲としうる。
【0070】
任意の態様において、遊びDSのサイズは、少なくとも部分的に-0.05~+0.10mmの負の範囲としうる。そのような範囲は、ある程度のプレテンションを示しうる。
【0071】
遊びDSは、コア3の材料の特性に基づいて適合させられうる。コア材は、木質系、HDF、MDFなどであってもよい。特に、プレテンションの程度は、コア材3の硬度に関する特性及び/又はコア材3の膨潤特性に関する特性に基づいて適合させられうる。
【0072】
プレテンションの程度、すなわち上述したDSの負の値、は、コア材3の特性に基づいて適合させられてもよい。特に、プレテンションの程度は、コア材の硬度に関する特性及び/又はコア材の膨潤特性に関する特性及び/又はコア材の変形に関する特性に基づいて適合させられうる。
【0073】
変位溝部133の上壁135及び又は下壁134は、パネル1のバック面16に向かってなど、傾斜していてもよい。
【0074】
図8Bにおいて、突出部O2は、パネル1の横方向Tにおける楔溝部開口部144の突出部を図式的に示す。楔溝部開口部144は、楔溝部141の上側最外エッジ142と下側最外エッジ143とによって形成される。導出可能なものとして、突出部O2と突出部H1とは交差しておらず、それは、楔溝部141を形成する場合に上面122を含むロック舌部121の一部が形成されることが可能であること又は切除されていないことを伴う。その結果、
図6Bに示すように、2つのパネルが短いエッジに沿って組み立てられる場合に、隣り合うパネル1、2のそれぞれのロック舌部121の上面122は、本質的に連続しうるものであり、例えば直接的に連続しうる。言い換えれば、それによって、隣り合うパネル1、2のそれぞれの上面122は、第2メカニカルロックシステム60によって組み立てられる位置に構成される場合に、本質的に連続しうる。
【0075】
それにより、上面15から1又は複数のロック舌部121に移る流体が、隣り合うパネルの第1エッジ11と一緒に組み合わされる場合などに、第1ロックシステム50の接合エッジ12を通って侵入することを、実質的に妨げる。
【0076】
とりわけ
図7B及び
図8Bを参照すると、軸Xは主軸であってもよく、パネル1の長手方向又は長さ方向はX軸に沿って延びていてもよい。Y軸は第2軸であってもよく、パネル1の横方向又は幅方向は、Y軸に沿って延びていてもよい。Z軸は第3軸であってもよく、パネル1の厚み方向はZ軸に沿って延びていてもよい。X、Y及びZは直交していてもよい。
【0077】
したがって、
図7Bを参照すると、変位溝部133の上面122と上壁135とは、X、Y、Zなどの3次元空間において交差していない。
【0078】
図5Bを参照すると、変位溝部133の上壁135と上面122とはX-Z平面の2次元空間において交差していないため、コーナーBにおいて上面122の最外部分を切除せずに変位溝部133の上壁135が形成されてもよいし、或いは、X-Y平面において上壁135と重なる上面122の最外部分が形成されてもよい。
【0079】
しかしながら、
図7Bから、変位溝部133の上壁135と上面122とがX及びYの2次元空間において交差することが導き出されうる。
【0080】
図8Bを参照すると、上面122と楔溝部141とは、X,Y,Zの3次元空間において交差していない。
【0081】
しかし、
図8Bから、上面122と楔溝部141がX及びYの2次元空間で交差していることが導き出されうる。
【0082】
図5Bを参照すると、上面122と楔溝部141は、X-Z平面の2次元空間では交差しないので、コーナーCで上面122の最外部分を切除せずに楔溝部141が形成されてもよく、或いは、X-Y平面で楔溝部141とオーバーラップする上面122の最外部分が形成されてもよい。
【0083】
ロック舌部121の上面122及び上壁135は、2次元空間X,Yで交わったり交差したりするが、X,Y,Zの3次元空間では交わったり交差したりしなくてもよい。
【0084】
そこで/それによってロック舌部121の上面122及び楔溝部141は、2次元空間X,Yにおいて交わったり交差したりするが、X,Y,Zの3次元空間では交わったり交差したりしなくてもよい。
【0085】
変位溝部133、及び好ましくは楔溝部141、は、第2メカニカルロックシステム60によって組み立てられる位置に構成される場合に、隣り合うパネル1、2のそれぞれの上面122が本質的に連続するように構成されてもよい。
【0086】
開示の実施形態のある利点は、第1メカニカルロックシステム50などの長エッジに沿った接合システムが、水などの流体の浸透に対してより弾力的にされうることである。
【0087】
再び
図8A~8Bを参照すると、パネル1の上面15と楔溝部141の上側且つ最外のエッジ142との間の距離D3は、好ましくは、パネル1の上面15とロック舌部121の上面122との間の距離D1よりも大きくてもよい。その結果、
図8Bに示すように、パネル1の長手方向Lにおける上面122の突出部H1は、パネルの横方向Tにおける楔溝部141の突出部O2とコーナーCで交差しなくてもよい。ここで、コーナーCは、第2エッジ12の第1ロックシステム50と第4エッジ14の第2ロックシステム60との間のコーナーであってもよい。それにより、パネルの長いエッジに設けられうる第1メカニカルロックシステム50のロック舌部121の上面122は、前記長いエッジに隣り合うパネルの短いエッジに設けられうる、第2メカニカルロックシステム60の変位溝部133を形成するように構成される1以上の切断工具(図示せず)によって切除されない。
【0088】
距離D1は、上面15と、第1ロック面122a及び/又は上面121の平面との間で測定される距離であってもよく、例えば最短距離又は上面15に垂直である。
【0089】
距離D2は、変位溝部133の上壁135と上面15との間の上面15に垂直な最短の測定距離であってもよい。この例示的な実施形態において、D2は、上面15と、下壁134の最外エッジとともに変位溝部137の開口部137を形成する上壁135の最外エッジとの間で、上面15に垂直に測定されうる。
【0090】
距離D1よりも大きい距離D2の効果は、変位溝部133が、第2エッジ12と第3エッジ13との間のコーナー/交差点Bなどにおいて、第1ロックシステム50のロック舌部121の第1ロック面122aの平面よりも完全に下方に形成されうること及び/又はロック舌部121の上面122の平面よりも完全に下方に形成されうることである。
【0091】
図9Aを参照すると、パネル1の第1エッジ11及び本質的に同一の隣り合うパネル2の第2エッジ12のすぐに並置された上側エッジ部分118、128は、隣り合うパネルの組み立てられた位置において、第1垂直面VP1を形成しうる。
【0092】
第1ロックストリップ112は、第1エッジ11から且つ第1垂直面VP1から突出し、第1メカニカルロックシステム50による隣り合うパネルの水平ロックのために、折り変位によって隣り合うパネルの第2エッジ12の第1ロック溝部124に受けるように構成される第1ロック要素113を含む。
【0093】
図9Bを参照すると、パネル1の第3エッジ13と、本質的に同一の隣り合うパネル2の第4エッジ14とのすぐに並置される上側エッジ部分138、148は、隣り合うパネルの組み立てられる位置において、第2垂直面VP2を形成しうる。
【0094】
第2ロックストリップ139aは、第2垂直面VP2から突出し、第2メカニカルロックシステム60による隣り合うパネルの水平ロックのために、隣り合うパネル2の垂直折りなどの垂直変位によって、隣り合うパネルの第4エッジ14の第2ロック溝部145に受けるように構成される第2ロック要素139bを含む。
【0095】
ロック舌部121の上面122は、垂直面VPを形成する上側エッジ部分138までパネルの長さ方向Lに延びうる。
【0096】
ここで
図10A~10Bを参照すると、
図10Aのパネル1の第1メカニカルロックシステム50と、
図10Bのパネル1の第2メカニカルロックシステム60とが再び示される。
図10Aの実施形態は、
図9Aの実施形態のすべての特徴を含んでいてもよく、
図10Bの実施形態は、
図9Bに示された実施形態のすべての特徴を含んでいてもよいが、明確さのために、いくつかの参照は省かれている。
【0097】
パネル1は、パネル1のフロント面15及び/又はバック面16と平行に延びる平面などの、平面Sを備えうる。平面Sは、水平面Hでありうる。
【0098】
一態様において、ロック舌部121の上面122は、平面Sの第1の側S1に配置されうるものであり、変位溝部133、好ましくは楔溝部141、は平面Sの第2の側S2に配置されうるものであり、第2の側S2は、第1の側S1の反対側である。
【0099】
好ましくは、ロック舌部121の上面122全体が平面Sの第1の側S1に配置されうるものであり、変位溝部133全体、好ましくは楔溝部141全体、が平面Sの第2の側S2に配置される。
【0100】
平面Sの第1の側S1は、平面Sからパネル1のフロント面15に向かって延びうるものであり及び/又はパネル1のフロント面15に向かって面しうる。第1の側S1は、パネル1の上側部分を備えうる。平面Sの第2の側S2は、平面Sからパネル1のバック面16に向かって延びうるものであり及び/又はパネル1のバック面16に向かって面しうる。第2の側S2は、パネル1の下側部分を備えうる。
項目
項目1 フロアパネルなどのビルディングパネル1のセットであって、長いエッジなどの反対側に位置する第1エッジ及び第2エッジ11、12のそれぞれにおいて第1メカニカルロックシステム50を備え、第1メカニカルロックシステム50は、反対側に位置する第1エッジ及び第2エッジのうちの一方において舌部溝部111を含み、当該舌部溝部111は、組み立てられる位置における隣り合う本質的に同一のパネル1、2の垂直なロックのために、好ましくは折り変位Fによって、第1エッジ及び第2エッジのうちの他方のロック舌部121を受けるように構成され、前記ロック舌部は、本質的に水平な及び/又は上向きの上面122と;短いエッジなどの反対側に位置する第3エッジ及び第4エッジ13、14のそれぞれにおける第2メカニカルロックシステム60とを含み、第2メカニカルロックシステムは、第3エッジ及び第4エッジのうちの一方において、組み立てられる位置で、本質的に同一の隣り合うパネル1、2の垂直なロックのために、好ましくは垂直折りVFなどの垂直変位Vによって、変位可能なロック舌部131を受けるよう構成される楔溝部141を含み、前記変位可能なロック舌部131は、第3エッジ及び第4エッジのうちの前記他方に設けられる変位溝部133において変位するように構成される。
【0101】
項目2 前記変位溝部は上壁135を含み、上壁135は、垂直方向Vに、ロック舌部121の上面122の下方に配置されている、項目1に記載のセット。
【0102】
項目3 上壁135の全体が、垂直方向Vに、ロック舌部121の上面122の下方に配置されている、項目1又は2に記載のセット。
【0103】
項目4 変位溝部133が、例えば長手方向Lにおいて、横に開いた開口部137を含み、開口部137、好ましくは開口部137全体、は、ロック舌部121の上面122の下方に垂直方向Vに設けられている、先行する項目1~3のいずれか一つに記載のセット。
【0104】
項目5 前記楔溝部141は、垂直方向Vに、ロック舌部121の上面122の下方に配置されており、好ましくは、楔溝部141の上方且つ最外のエッジ142が、垂直方向Vに、ロック舌部121の上面122の下方に配置されている、先行する項目1~4のいずれか一つに記載のセット。
【0105】
項目6 前記上面122は、好ましくは本質的に垂直な方向Vに面する、第1ロック面122aを備え、前記第1ロック面122aは、前記折り変位によって組み立てられる位置で隣り合うパネルの垂直ロックのために、隣り合うパネル2のそれぞれの舌部溝部111によって提供される第2ロック面114と協力するように構成される、先行する項目1~5のいずれか一つに記載のセット。
【0106】
項目7 第3ロック面141aが楔溝部141によって提供され、それぞれのパネル1、2の第3エッジ及び第4エッジの垂直ロックのために、隣り合うパネル2の変位可能な舌部131によって提供される第4ロック面132と協力するように構成される、先行する項目1~6のいずれか一つに記載のセット。
【0107】
項目8 内壁136は、少なくとも一部が変位溝部133の開口部137の下方に設けられている、前記項目1~7のいずれか一つに記載のセット。
【0108】
項目9 変位溝部133は、第3エッジ13から離れる方向に横に開口し、開口部137を含み、前記開口部137は、上壁135の最外エッジ135aと下壁134の最外エッジ134aとによって形成され、ロック舌部121の上面122は、上壁135の最外エッジ135aよりも上方に垂直方向Vに設けられている、項目1~8いずれか一つに記載のセット。
【0109】
項目10 2つの隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、第3エッジ13及び第4エッジ14のすぐ並んで配置される上側エッジ部分138、148が、第2垂直面VP2を形成し、ロック舌部121の上面122が、垂直面VPを形成する上側エッジ部分138までパネルの長さ方向Lに延びる、先行する項目1~9のいずれか一つに記載のセット。
【0110】
項目11 2つの隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、第3エッジ13及び第4エッジ14のすぐ並んで配置される上側エッジ部分138、148が、第2垂直面VP2を形成し、ロック舌部121の上面122が、垂直面VPを形成する上側エッジ部分148までパネルの長さ方向Lに延びる、先行する項目1~10いずれか一つに記載のセット。
【0111】
項目12 ロック舌部121の上面122は、変位溝部133の開口部137までパネルの長手方向Lに延びる、先行する項目1~11のいずれか一つに記載のセット。
【0112】
項目13 パネル1は、装飾表層などの表層を含み、ロック舌部121の上面122は、少なくとも、第2エッジ12と第3エッジ13との間のコーナーBにおいてパネル1の上面層全体に沿って延びる、先行する項目1~12のいずれか一つに記載のセット。
【0113】
項目14 パネル1が、装飾表層などの表層を含み、ロック舌部121の上面122が、本質的に、第2エッジ12と第4エッジ14との間のコーナーCにおいてパネル1の上面層全体に沿って延びる、先行する項目1~13のいずれか一つに記載のセット。
【0114】
項目15 第1メカニカルロックシステム50及び第2メカニカルロックシステム60が、回転切削工具などの切削工具によって少なくとも部分的に形成される、先行する項目1~14のいずれか一つに記載のセット。
【0115】
項目16 前記変位溝部133は、内壁135と下壁134とを備え、下壁134及び上壁135は、上壁135の反対側で本質的に平行に延びる、先行する項目1~15のいずれか一つに記載のセット。
【0116】
項目17 前記変位溝部133は、横に開口しており、開口部137からパネル1内に、例えば長手方向Lに、パネル1の中心に向かって延びており、内壁135は、パネル1の中心に最も近い位置に形成される、先行する項目1~16のいずれか一つに記載のセット。
【0117】
項目18 パネル1の長手方向Lにおける、ロック舌部121の第1端部は、第1部分1213を含み、パネル1の長手方向における、ロック舌部121の第1端部と反対側にある、ロック舌部121の反対側の第2端部は、第2部分1214を含む、先行する項目1~17のいずれか一つに記載のセット。
【0118】
項目19 前記第1部分1213及び前記第2部分1214は、隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、本質的に接触する、又は接触するように構成される、先行する項目18に記載のセット。
【0119】
項目20 第1部分1213及び第2部分1214は、隣り合うパネル1、2の組み立て位置において、第1部分及び第2部分1213、1214が、例えば互いに押し付けられるように又は互いに圧入されるように、互いに対して予め張力がかけられるように、構成される、先行する項目18から19のいずれか一つに記載のセット。
【0120】
項目21 第1部分1213及び第2部分1214は、第2メカニカルロックシステム60による隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、それらの間に遊びDSが形成されるように構成され、第1部分1213及び第2部分1214は、組み立てられるパネル1、2のそれぞれの表層15aが連続するように及び/又は押されて離されないように、それらの間に遊びDSの十分なサイズが得られるように構成される、先行する項目18~20のいずれか一つに記載のセット。
【0121】
項目22 2つの隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、第3エッジ13及び第4エッジ14のすぐ並んで配置される上側エッジ部分138、148が、第2垂直面VP2を形成し、第1部分1213は、第3エッジ13の前記上側エッジ部分138と同一平面となるように構成され、好ましくは前記第2部分1214は第4エッジ14の前記上側エッジ部分148と同一平面となるように構成される、先行する項目18~21のいずれか一つに記載のセット。
【0122】
項目23 第1部分1213及び第2部分1214は、第2メカニカルロックシステム60による隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、それらの間に遊びDSが形成されるように構成され、遊びDSは、0.00~+0.5mm、好ましくは0.00~+0.3mm、例えば0.03~0.15、より好ましくは0.00~+0.05mmの範囲にある、先行する項目18~22のいずれか一つに記載のセット。
【0123】
項目24 第1部分1213及び第2部分1214は、第2メカニカルロックシステム60による隣り合うパネル1、2の組み立てられる位置において、それらの間に遊びDSが形成されるように構成され、遊びDSは-0.05~+0.10mmの範囲にある、先行する項目18~22のいずれか一つに記載のセット。
【0124】
項目25 パネル1は、パネル1のフロント面15に平行に延びる平面などの平面Sを備え、ロック舌部121の上面122は、平面Sの第1の側S1に配置され、変位溝部133、好ましくは楔溝部141、は、平面Sの第2の側S2に配置され、第2の側S2は、平面Sの第1の側S1とは反対の側である、先行する項目18~24のいずれか一つに記載のセット。
【0125】
項目26 パネル1は、項目19、21又は23のいずれかに記載の遊びDSが得られるように構成される、項目1に記載のセット。
【0126】
項目27 パネル1を構成することは、変位溝部133又は楔溝部141又はロック舌部121の上面122のうちの少なくとも1つの位置を構成することを含む、先行する項目に記載のセット。
【0127】
項目28 位置を設定することは、垂直(V)な位置を構成することを含む、先行する項目に記載のセット。
【0128】
項目29 パネルが本質的に同一のビルディングパネルである、任意の先行する項目に記載のビルディングパネルのセット1。
【国際調査報告】