(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-06
(54)【発明の名称】カメラモジュール
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20231027BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20231027BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G03B30/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524154
(86)(22)【出願日】2021-10-14
(85)【翻訳文提出日】2023-04-19
(86)【国際出願番号】 KR2021014246
(87)【国際公開番号】W WO2022086055
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136644
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100159259
【氏名又は名称】竹本 実
(74)【代理人】
【識別番号】100202740
【氏名又は名称】増山 樹
(72)【発明者】
【氏名】ファン ソン ミン
(72)【発明者】
【氏名】パク チェ キョン
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AJ03
2H044AJ04
2H044AJ05
2H044AJ06
(57)【要約】
カメラモジュールは、側部及び開口が形成された上部を含むレンズホルダーと、前記レンズホルダーと結合するレンズモジュールと、前記レンズホルダーと結合して、イメージセンサーが配置される基板と、を含み、前記レンズモジュールは、前記レンズホルダーの上部の下に配置される第1突出部を含み、前記第1突出部と前記レンズホルダーの前記上部との間を結合する第1結合部材を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側部及び開口が形成された上部を含むレンズホルダーと、
前記レンズホルダーと結合するレンズモジュールと、
前記レンズホルダーと結合して、イメージセンサーが配置される基板と、を含み、
前記レンズモジュールは、前記レンズホルダーの上部の下に配置される第1突出部を含み、
前記第1突出部と前記レンズホルダーの前記上部との間を結合する第1結合部材を含む、カメラモジュール。
【請求項2】
前記第1結合部材は、エポキシ(epoxy)を含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記レンズホルダーの材質は、プラスチックを含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記レンズホルダーの後面に配置されるリアボディーを含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記レンズホルダーと前記リアボディーとの間には離隔部が配置されて、
前記離隔部には第2結合部材が配置される、請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第2結合部材は、エポキシを含む、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記レンズモジュールの下端は、前記第2結合部材より光軸方向に下部に配置される、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記第1結合部材の熱膨張係数(Coefficient of thermal expansion)は、前記第2結合部材の熱膨張係数より大きい、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材より2倍~6倍大きい、請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
レンズを含むレンズモジュールと、
前記レンズモジュールと結合するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーと結合して、イメージセンサーが配置される基板と、
前記レンズモジュールと前記レンズホルダーを結合させる第1結合部材と、
前記基板と前記レンズホルダーを結合する第2結合部材と、を含み、
前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材の熱膨張係数より大きい、カメラモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施例は、カメラモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、超小型カメラモジュールが開発されており、超小型カメラモジュールは、スマートフォン、ノートブック、ゲーム機などのような小型電子製品に広く使われている。
【0003】
自動車の普及が大衆化するにつれ、超小型カメラは、小型電子製品だけでなく車両にも多く使われる。例えば、車両の保護または交通事故の客観的な資料のためのブラックボックスカメラ、車両の後ろの死角を運転者が画面を介してモニタリングすることができるようにして車両の後進時に安全を期することができるようにする後方監視カメラ、車両の周辺をモニタリングできる周辺感知カメラなどが備えられる。
【0004】
カメラは、レンズと、前記レンズを受け入れるレンズホルダーと、前記レンズに集まった被写体のイメージを電気信号に変換させるイメージセンサーと、前記イメージセンサーが実装されるプリント回路基板が備えられる。前記カメラの外形をなすハウジングは、内部部品が水分を含む異物から汚染されるのを防止するために全領域が密閉された構造からなる。
【0005】
ハウジングまたはレンズホルダーのような器具物は、温度変化に応じて高温では膨張して、低温では収縮する。このような器具物の変形は、イメージセンサーとレンズ間距離を変化させる問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本実施例は、構造を改善して温度変化によるイメージセンサーとレンズ間距離変化を最小化できるカメラモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施例に係るカメラモジュールは、側部及び開口が形成された上部を含むレンズホルダーと、前記レンズホルダーと結合するレンズモジュールと、前記レンズホルダーと結合して、イメージセンサーが配置される基板と、を含み、前記レンズモジュールは、前記レンズホルダーの上部の下に配置される第1突出部を含み、前記第1突出部と前記レンズホルダーの前記上部との間を結合する第1結合部材を含む。
【0008】
前記第1結合部材は、エポキシ(epoxy)を含むことができる。
【0009】
前記レンズホルダーの材質は、プラスチックを含むことができる。
【0010】
前記レンズホルダーの後面に配置されるリアボディーを含むことができる。
【0011】
前記レンズホルダーと前記リアボディーとの間には離隔部が配置されて、前記離隔部には第2結合部材が配置されることができる。
【0012】
前記第2結合部材は、エポキシを含むことができる。
【0013】
前記レンズモジュールの下端は、前記第2結合部材より光軸方向に下部に配置されることができる。
【0014】
前記第1結合部材の熱膨張係数(Coefficient of thermal expansion)は、前記第2結合部材の熱膨張係数より大きくてよい。
【0015】
前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材より2倍~6倍大きくてよい。
【0016】
他の実施例に係るカメラモジュールは、レンズを含むレンズモジュールと、前記レンズモジュールと結合するレンズホルダーと、前記レンズホルダーと結合して、イメージセンサーが配置される基板と、前記レンズモジュールと前記レンズホルダーを結合させる第1結合部材と、前記基板と前記レンズホルダーを結合する第2結合部材と、を含み、前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材の熱膨張係数より大きい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、結合部材を介して温度変化に応じたハウジングの変形を補償するので、イメージセンサーとレンズモジュール間距離が一定に維持されることができて、これによるカメラモジュールの解像度が安定化されることができる長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1実施例に係るカメラモジュールの斜視図。
【
図2】本発明の第1実施例に係るカメラモジュールの側面を図示した平面図。
【
図3】本発明の第1実施例に係るカメラモジュールの分解斜視図。
【
図4】
図3を別の角度で図示したカメラモジュールの分解斜視図。
【
図6】本発明の第1実施例に係るカメラモジュールと従来技術によるカメラモジュールの温度別イメージセンサーとレンズ間距離変化を比較したグラフ。
【
図7】本発明の第2実施例に係るカメラモジュールの斜視図。
【
図8】本発明の第2実施例に係るカメラモジュールの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付された図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0020】
但し、本発明の技術思想は、説明される一部実施例に限定されず互いに異なる様々な形態で具現されることができて、本発明の技術思想範囲内でなら、実施例間その構成要素中一つ以上を選択的に結合または置き換えて使うことができる。
【0021】
また、本発明の実施例で使われる用語(技術及び科学的用語を含む)は、明白に特別に定義されて記述されない限り、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者に一般的に理解できる意味と解釈され、予め定義された用語のように一般的に使われる用語は、関連技術の文脈上の意味を考慮してその意味を解釈することができるはずである。
【0022】
また、本発明の実施例で使われた用語は、実施例を説明するためのものであって本発明を制限しようとするものではない。
【0023】
本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含むことができ、「A及び(と)B、Cのうち少なくとも一つ(または一つ以上)」と記載される場合。A、B、Cで組み合わせることができるすべての組み合わせ中一つ以上を含むことができる。
【0024】
また、本発明の実施例の構成要素を説明するにあたり、第1、第2、A、B、a、b等の用語を使うことができる。このような用語は、その構成要素を別の構成要素と区別するためのものだけであって、その用語によって該当構成要素の本質や順番または順序などに限定されない。
【0025】
尚、ある構成要素が別の構成要素に「連結」、「結合」、または「接続」されると記載された場合、その構成要素は、その別構成要素に直接的に「連結」、「結合」、または「接続」される場合だけでなく、その構成要素とその別の構成要素の間にあるさらに別の構成要素によって「連結」、「結合」、または「接続」される場合も含むことができる。
【0026】
また、各構成要素の「上(の上)」または「下(の下)」に形成または配置されると記載される場合、「上(の上)」または「下(の下)」は、二つの構成要素が互いに直接接触する場合だけでなく、一つ以上のさらに別の構成要素が二つの構成要素の間に形成または配置される場合も含む。また、「上(の上)」または「下(の下)」と表現される場合、一つの構成要素を基準に上側方向だけでなく下側方向の意味も含まれることができる。
【0027】
以下で使われる「光軸方向」は、レンズの光軸方向と定義する。一方、「光軸方向」とは、「上下方向」、「z軸方向」などと対応することができる。
【0028】
本発明の実施例に係るカメラモジュールは、車両用カメラモジュールであるが、これに制限されない。
【0029】
以下、本発明について添付された図面に基づいてより詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明の第1実施例に係るカメラモジュールの斜視図であり、
図2は、本発明の第1実施例に係るカメラモジュールの側面を図示した平面図であり、
図3は、本発明の第1実施例に係るカメラモジュールの分解斜視図であり、
図4は、
図3を別の角度で図示したカメラモジュールの分解斜視図であり、
図5は、
図1のA-A'を図示した断面図で、
図6は、本発明の第1実施例に係るカメラモジュールと従来技術によるカメラモジュールの温度別イメージセンサーとレンズ間距離変化を比較したグラフである。
【0031】
図1~6を参照すると、本発明の実施例に係るカメラモジュール100は、ハウジング110、レンズモジュール190、プリント回路基板180及び結合部材170を含むことができるが、このうち一部の構成を除いて実施されてもよく、その他追加的な構成を排除もしい。
【0032】
前記カメラモジュール100は、ハウジング110を含むことができる。前記ハウジング110は、前記カメラモジュール100の外形を形成することができる。前記ハウジング110は、上、下面が開口されることができる。前記ハウジング110の材質は、プラスチックまたは樹脂を含むことができる。前記ハウジング110内には前記レンズモジュール190が配置されることができる。
【0033】
前記ハウジング110は、フロント(front)ボディー130と、リア(rear)ボディー120を含むことができる。前記フロントボディー130は、前記リアボディー120の前面に配置されることができる。前記リアボディー120は、前記フロントボディー130の後面に配置されることができる。前記フロントボディー130と前記リアボディー120は一体で形成されるが、これに制限されない。
【0034】
前記フロントボディー130は、断面が原形に形成され、上面に前記レンズ190が貫通する開口112が形成されることができる。前記フロントボディー130は、側面を形成する側部131と、前記側部131の上端で内側に折り曲げられて、上面を形成する上部132を含むことができる。前記フロントボディー130は、内側に前記レンズ190を受け入れる点でレンズホルダーと名付けることもできる。前記レンズ190の少なくとも一部は、前記フロントボディー130内空間に配置されることができる。前記上部132は、前記ハウジング110内空間中一部をカバーすることができる。
【0035】
一方、前記上部132は、前記側部131の上端で内側に折り曲げられる点で折曲部と名付けることができる。
【0036】
前記リアボディー120は、前記フロントボディー130の後面に配置されることができる。前記リアボディー120の内側には、前記フロントボディー130内空間と連通する空間126が形成されることができる。前記空間126は、第2突出部125によって他領域から区画されることができる。
【0037】
前記リアボディー120は、第2突出部125を含むことができる。前記第2突出部125は、前記リアボディー120の下面から下方に突出するように形成されることができる。前記第2突出部125の断面形状は、リング(Ring)形状に形成されることができる。前記第2突出部125は、下端が前記リアボディー120の下面他領域より下方に突出することができる。前記第2突出部125の下面は、プリント回路基板180の上面と向かい合うように配置されることができる。前記第2突出部125の下面は、プリント回路基板180の上面に接触することができる。前記第2突出部125の外側面には、別途のシーリング部材(図示せず)が配置されて、前記空間126に外部異物が流入するのを防止することができる。
【0038】
前記第2突出部125の突出方向は、前記カメラモジュール100の光軸方向に対応することができる。
【0039】
前記第2突出部125は、第3結合部材125aを介して下端が前記プリント回路基板180の上面に結合されることができる。前記第3結合部材125aを介して前記レンズ190と前記イメージセンサー182間距離が調節されることができる。前記第3結合部材125aは、エポキシまたはオーリング(O-ring)を含むことができる。前記第3結合部材125aの熱膨張係数は、後述する第1結合部材170の熱膨張係数より小さくてよい。
【0040】
前記リアボディー120の下面には結合部122が配置されることができる。前記結合部122は、前記リアボディー120下面の各コーナー領域に配置されることができる。前記第2突出部125は、前記結合部122の内側に配置されることができる。前記別途のシーリング部材は、前記結合部122と前記第2突出部125との間に介在することができる。前記結合部122は、他のハウジングとの結合のためのもので、下面にスクリュー結合のための、ネジホールが形成されることができる。前記他のハウジングは、前記結合部122にスクリューを介して結合されることができる。
【0041】
前記リアボディー120の断面積は、前記フロントボディー130の断面積より大きく形成されることができる。前記カメラモジュール100は、プリント回路基板180を含むことができる。前記プリント回路基板180は、プレート形状で形成されて、前記ハウジング110、即ち前記リアボディー120の下面に結合されることができる。前記プリント回路基板180の上面は、前記第2突出部125の下面に接触することができる。前記プリント回路基板180上には、前記カメラモジュール100の駆動のための少なくとも一つ以上の電子部品が配置されることができる。一例で、前記プリント回路基板180の上面にはイメージセンサー182が配置されることができる。前記イメージセンサー182は、前記レンズモジュール190と光軸方向に向かい合うように配置されることができる。前記イメージセンサー182は、前記空間126内配置されることができる。
【0042】
前記カメラモジュール100は、レンズモジュール190を含むことができる。前記レンズモジュール190は、前記ハウジング110内配置されることができる。前記レンズモジュール190は、少なくとも一つのレンズを含むことができる。前記レンズモジュール190は、複数のレンズを含み、前記複数のレンズは、光軸方向に沿って配置されることができる。これらのうち最外郭レンズは、前記ハウジング110の上方に突出するように配置されて、前記ハウジング110の上方に露出することができる。
【0043】
詳細には、前記レンズモジュール190は、前記ハウジング110の上方に突出する第1領域192と、前記ハウジング110内空間に配置される第2領域195と、前記第1領域192と前記第2領域195との間に配置されて、前記開口112の内側に配置される第3領域193を含むことができる。前記第3領域190の断面形状は、前記開口112の断面形状に対応するように形成されることができる。前記第3領域190の断面積は、前記開口112の断面積に対応するか、より小さく形成されることができる。前記第3領域193の断面積は、前記第1領域192または前記第2領域195の断面積より小さく形成されることができる。これにより、前記レンズモジュール190は、前記第1領域192が前記ハウジング110の外部に配置されて、前記第2領域195が、前記ハウジング110内空間に配置されることができる。前記レンズモジュール190は、前記イメージセンサー182と光軸方向に向かい合うように配置されることができる。
【0044】
前記レンズモジュール190は、第1突出部194を含むことができる。前記第1突出部194は、前記レンズモジュール190の側面から外側に突出するように形成されることができる。前記第1突出部194は、断面がリング(Ring)形状に形成されることができる。外側に延びた前記第1突出部194の端部は、前記レンズモジュール190の側面より外側に配置されることができる。前記第1突出部194は、前記第3領域193の下部に配置されることができる。前記第1突出部194は、前記ハウジング110内空間に配置されることができる。前記第1突出部194は、前記上部132の下部に配置されることができる。前記第1突出部194の上面は、前記上部132の下面と向かい合うように配置されることができる。前記第1突出部194の上面は、前記上部132の下面と上下方向にオーバーラップされるように配置されることができる。
【0045】
前記第1突出部194の突出方向は、前記カメラモジュール100の光軸方向に垂直であり得る。
【0046】
前記カメラモジュール100は、結合部材170を含むことができる。前記結合部材170は、第1結合部材170と名付けることができる。前記結合部材170は、前記ハウジング110内空間に配置されることができる。前記結合部材170は、前記レンズモジュール190と前記ハウジング110との間に配置されることができる。前記結合部材170は、前記上部132の下面と前記第1突出部194の上面との間に配置されることができる。前記結合部材170は、リング(Ring)形状の断面を有することができる。
【0047】
前記結合部材170は、前記レンズモジュール190と前記ハウジング110を相互接着させるという点で接着部材と名付けることができる。前記結合部材170は、前記レンズモジュール190と前記ハウジング110との間の空間をシーリングするという点でシーリング部材と名付けることもできる。前記結合部材170の材質は、エポキシ(epoxy)、ゴム、プラスチックのうち少なくとも一つを含むことができる。一例で、前記結合部材170は、前記第1突出部194の上面と前記上部132の下面との間に塗布されたエポキシであり得る。前記結合部材170は、外部異物が前記ハウジング110内に流入するのを防止するだけでなく、前記カメラモジュール100の温度変化による前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間距離変化を最小化することができる。詳細には、高温では前記ハウジング110の材質的特性によって前記ハウジング110は膨張することができる。これによると、
図5を基準に、前記ハウジング110は上下方向に長くなるなり、前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間光軸方向距離が長くなる。しかし、本実施例によると、前記結合部材170も高温によって膨張し、その結果、前記ハウジング110の膨張によって前記レンズモジュール190と前記イメージセンサー182間遠くなった距離を縮小させることができる。
【0048】
同様に、低温では、前記ハウジング110は収縮することができる。これによると、
図5を基準に、前記ハウジング110は、上下方向に短くなり、前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間光軸方向距離が縮小されることができる。この時、前記結合部材170は、低温によって収縮して、その結果、前記ハウジング110の収縮によって前記レンズモジュール190と前記イメージセンサー182間短くなった距離が拡張されることができる。
【0049】
要約すると、温度変化により前記ハウジング110の変形による前記レンズモジュール190と前記イメージセンサー182間距離変化だけ前記結合部材170の変形によって前記レンズモジュール190と前記イメージセンサー182間距離を反対方向に変化させることで、前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間距離を一定に維持させることができる。
【0050】
前記結合部材170の材質は、前記ハウジング110の熱膨張係数を考慮して、前記ハウジング110の温度による変形を補償できる水準に選択されることができる。
【0051】
前記第1結合部材170の熱膨張係数は、前記第3結合部材125aの熱膨張係数より大きくてよい。前記第1結合部材170の熱膨張係数は、前記第3結合部材125aの熱膨張係数より2倍~6倍大きい値を有することができる。上述した第1結合部材170と第3結合部材125aの熱膨張係数の比は、前記カメラモジュール10配置領域の温度範囲が-40度~105度である環境下で定義されることができる。前記熱膨張係数は、TMA(Thermo Mechanical Analyzer)装置を介して測定されたもので、上述した第1結合部材170と前記第3結合部材125aの熱膨張係数比によってカメラモジュール10は互いに異なる環境条件でレンズモジュール190とイメージセンサー182間距離変化が最小化されることができる。要約すると、前記第1結合部材170が膨張する時、前記第1結合部材170は、前記レンズモジュール190が前記イメージセンサー182から遠くなるのを制御することができて、前記第1結合部材170が熱収縮する時、前記第1結合部材170は、前記レンズモジュール190が前記イメージセンサー182と近づくのを制御することができる。
【0052】
また、前記カメラモジュール10の光軸方向を基準に、前記第1結合部材170の厚さは、前記第3結合部材125aの厚さより厚くてよい。例えば、前記第1結合部材170の厚さは、0.5mm~1.0mmであってよく、前記第3結合部材125aの厚さは、0.2mm~0.5mmであり得る。前記のような構造によると、相対的に厚い第1結合部材170が、第3結合部材125aと比べてあまり変形されないため、前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間距離が一定に維持されることができる。
【0053】
図6を参照すると、本実施例に係るカメラモジュールの場合、グラフ線図(1)でのように、従来技術に係るカメラモジュール線図(2)と比較すると、温度別全領域でイメージセンサーとレンズモジュール間距離が均一に維持されることができるのを確認することができる。
【0054】
前記のような構造によると、結合部材を介して温度変化に応じたハウジングの変形を補償するようになるので、温度変化によるイメージセンサー182とレンズモジュール190間距離変化を最小化することができて、これによるカメラモジュールの解像度が安定化されることができる長所がある。
【0055】
図7は、本発明の第2実施例に係るカメラモジュールの斜視図であり、
図8は、本発明の第2実施例に係るカメラモジュールの断面図である。
【0056】
本実施例では、他の部分においては第1実施例と同様で、但しハウジングの構造及び第2結合部材が追加されるとの差がある。従って、以下では、本実施例の特徴的な部分についてのみ説明し、残りの部分においては、第1実施例に対する説明を援用する。
【0057】
図7及び8を参照すると、本発明の第2実施例に係るカメラモジュール200は、ハウジング、レンズモジュール190、プリント回路基板180、結合部材170及び第2結合部材250を含むことができる。
【0058】
本実施例に係るハウジングは、レンズホルダー230と、リアボディー220の結合によって形成されることができる。前記レンズホルダー230は、第1実施例に係るカメラモジュール100のフロントボディー130に代わることができる。前記リアボディー220は、第1実施例に係るカメラモジュール100のリアボディー120に代わることができる。従って、前記レンズホルダー230は、上面部232及びの側面部231を含むことができて、前記リアボディー220は、第1実施例に係るリアボディー120内第2突出部125、結合部122に関する構成を含むことができる。
【0059】
但し、本実施例では、前記レンズホルダー230と前記リアボディー220が相互離隔することができる。これにより、前記ハウジングの側面には離隔部229が形成されることができる。前記離隔部229は、前記ハウジングの外面から内面を貫くように配置されることができる。前記離隔部229によって前記レンズホルダー230の下端と前記リアボディー220の上端は相互離隔することができる。前記離隔部229は、前記レンズホルダー230と前記リアボディー220の境界領域に配置されることができる。前記離隔部229は、前記カメラモジュール10の外形を形成するハウジングの外面から内面を貫くホール形状であり得る。
【0060】
前記離隔部229には第2結合部材250が配置されることができる。前記第2結合部材250は、リング(Ring)形状に形成されて、前記離隔部229内収容されることができる。場合により、前記第2結合部材250の外面は、前記レンズホルダー230の側面より外側に突出することができる。また、前記第2結合部材250の内面は、前記レンズホルダー230内空間の内面より内側に突出することができる。
【0061】
前記第2結合部材250の材質は、エポキシ(epoxy)、ゴム、プラスチックのうち少なくとも一つを含むことができる。一例で、前記第2結合部材250は、前記レンズホルダー230と前記リアボディー220との間に塗布されたエポキシであり得る。
【0062】
前記レンズモジュール190の下端は、前記第2結合部材250より光軸方向に下部に配置されることができる。
【0063】
一方、前述した第1実施例の結合部材170は、本実施例で第1結合部材170と名付けることができる。
【0064】
前記第2結合部材250は、前記レンズホルダー230と前記リアボディー220を相互結合させるだけでなく、前記カメラモジュール200の温度変化による前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間距離変化を最小化することができる。
【0065】
詳細には、高温では、前記レンズホルダー230及び第2結合部材250の材質的特性によって前記レンズホルダー230及び前記第2結合部材250は膨張することができる。これによると、
図8を基準に前記レンズホルダー230及び第2結合部材250は、上下光軸方向に長くなり、前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間光軸方向距離が長くなることができる。しかし、本実施例によると、前記第1結合部材170も高温によって膨張するようになり、その結果、前記レンズモジュール230及び第2結合部材250の膨張によって前記レンズモジュール190と前記イメージセンサー182間遠くなった距離を縮小させることができる。
【0066】
同様に、低温では、前記レンズホルダー230及び前記第2結合部材250は、収縮することができる。これによると、
図8を基準に、前記レンズホルダー230及び前記第2結合部材250は、上下光軸方向も短くなり、前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間光軸方向距離が縮小されることができる。この時、前記第1結合部材170は、低温によって収縮して、その結果、前記レンズホルダー230の収縮によって前記レンズモジュール190と前記イメージセンサー182間短くなった距離が拡張されることができる。
【0067】
一方、温度変化に応じた第2結合部材250の膨張及び収縮は、前記レンズホルダー230の膨張及び収縮と同じ方向に共に行われるので、前記第1結合部材170の熱膨張係数を前記第2結合部材250の熱膨張係数より大きく形成して、前記第1結合部材170によるレンズモジュール190とイメージセンサー182間距離変化値が前記レンズホルダー230及び前記第2結合部材250によるレンズモジュール190とイメージセンサー182間距離変化値に対応するように調節することができる。
【0068】
この場合、前記第1結合部材170の熱膨張係数(Coefficient of thermal expansion)は、前記第2結合部材250の熱膨張係数より2倍~6倍大きい値を有することができる。上述した第1結合部材170と第2結合部材250の熱膨張係数の比は、前記カメラモジュール10配置領域の温度範囲が-40度~105度である環境下で定義されることができる。前記熱膨張係数はTMA(Thermo Mechanical Analyzer)装置を介して測定されたもので、上述した第1結合部材170と前記第2結合部材250の熱膨張係数比によってカメラモジュール10は互いに異なる環境条件でレンズモジュール190とイメージセンサー182間距離が一定に維持されることができる。
【0069】
さらに、前記カメラモジュール10の光軸方向を基準に、前記第1結合部材170の厚さは、前記第2結合部材250の厚さより厚くてよい。例えば、前記第1結合部材170の厚さは、0.5mm~1.0mmであってよく、前記第2結合部材250の厚さは0.2mm~0.5mmであり得る。前記のような構造によると、相対的に厚い第1結合部材170が、第2結合部材250と比べてあまり変形されないため、前記イメージセンサー182と前記レンズモジュール190間距離が一定に維持されることができる。
【0070】
以上添付された図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者は、本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更しなくて他の具体的な形態で実施できることが理解できるはずである。したがって、以上で記述した実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的ではないものと理解しなければならない。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側部及び開口が形成された上部を含むレンズホルダーと、
前記レンズホルダーと結合するレンズモジュールと、
前記レンズホルダーと結合して、イメージセンサーが配置される基板と、を含み、
前記レンズモジュールは、前記レンズホルダーの上部の下に配置される第1突出部を含み、
前記第1突出部と前記レンズホルダーの前記上部との間を結合する第1結合部材を含む、カメラモジュール。
【請求項2】
前記第1結合部材は、エポキ
シを含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項3】
前記レンズホルダーの材質は、プラスチックを含む、請求項1に記載のカメラモジュール。
【請求項4】
前記レンズホルダーの後面に配置されるリアボディーを含む、請求項1
~3のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項5】
前記レンズホルダーと前記リアボディーとの間には離隔部が配置されて、
前記離隔部には第2結合部材が配置される、請求項4に記載のカメラモジュール。
【請求項6】
前記第2結合部材は、エポキシを含む、請求項5に記載のカメラモジュール。
【請求項7】
前記レンズモジュールの下端は、前記第2結合部材より光軸方向に下部に配置される、請求項5
または6に記載のカメラモジュール。
【請求項8】
前記第1結合部材の熱膨張係
数は、前記第2結合部材の熱膨張係数より大きい、請求項5
~7のいずれか一項に記載のカメラモジュール。
【請求項9】
前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材より2倍~6倍大きい、請求項8に記載のカメラモジュール。
【請求項10】
レンズを含むレンズモジュールと、
前記レンズモジュールと結合するレンズホルダーと、
前記レンズホルダーと結合して、イメージセンサーが配置される基板と、
前記レンズモジュールと前記レンズホルダーを結合させる第1結合部材と、
前記基板と前記レンズホルダーを結合する第2結合部材と、を含み、
前記第1結合部材の熱膨張係数は、前記第2結合部材の熱膨張係数より大きい、カメラモジュール。
【国際調査報告】