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特表2023-546644駆動装置及びツインワイヤプレス用の駆動装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-07
(54)【発明の名称】駆動装置及びツインワイヤプレス用の駆動装置
(51)【国際特許分類】
   F16C 13/00 20060101AFI20231030BHJP
   D21F 7/02 20060101ALI20231030BHJP
   D21F 9/02 20060101ALI20231030BHJP
【FI】
F16C13/00 Z
D21F7/02
D21F9/02 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023513242
(86)(22)【出願日】2021-07-01
(85)【翻訳文提出日】2023-02-22
(86)【国際出願番号】 EP2021068249
(87)【国際公開番号】W WO2022063453
(87)【国際公開日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】A50823/2020
(32)【優先日】2020-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】397062685
【氏名又は名称】アンドリッツ アクツイエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】メヒナジッチ・マーヒル
(72)【発明者】
【氏名】クルハネク・エーヴァルト
【テーマコード(参考)】
3J103
4L055
【Fターム(参考)】
3J103AA02
3J103AA83
3J103CA03
3J103CA62
3J103CA78
3J103DA01
3J103DA05
3J103FA26
4L055BD03
4L055CD05
4L055FA22
4L055FA30
(57)【要約】
本発明は、ロール軸受部(3)と、軸受ハウジング(4)と、モータ(6)とを有するロール(1,10)を有し、ロール軸受部(3)の軸受ハウジング(4)がフレーム又はベースと結合され、モータ(6)の駆動トルクがロール(1,10)に伝達可能である駆動装置に関する。この駆動装置は、モータ(6)が、軸受ハウジング(4)と結合され、モータ(6)の反作用トルクが、軸受ハウジング(4)に伝達可能であること、を特徴とする。これは、ロール(1,10)へのアクセス性を良好にしつつ、ロール(1,10)に導入される機械的負荷の回避を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸(7)を中心として回転可能なロール(1,10)と、ロール軸受部(3)と、軸受ハウジング(4)と、モータ(6)とを有し、ロール(1,10)がロール軸受部(3)を介して支承され、ロール軸受部(3)の軸受ハウジング(4)がフレーム(16)又はベースと結合され、モータ(6)の駆動トルクがロール(1,10)に伝達可能である駆動装置において、
モータ(6)が、ロール軸受部(3)の軸受ハウジング(4)と直接的に結合され、モータ(6)の反作用トルクが、ロール軸受部(3)の軸受ハウジング(4)に伝達可能であり、モータ(6)が、少なくとも1つのギアボックス(8)を介して軸受ハウジング(4)と結合されていること、を特徴とする駆動装置。
【請求項2】
軸受ハウジング(4)とギアボックス(8)の間に結合要素(9)が配置され、モータ(6)が、ギアボックス(8)と結合要素(9)を介して軸受ハウジング(4)と結合されていること、を特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
モータ(6)の駆動トルクが、結合要素(9)の内部に配置されたカップリング(11)を介してモータ(6)からロール(1,10)に伝達可能であること、を特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
モータ(6)の駆動トルクが、ギアボックス(8)と、ギアボックス(8)とロール軸受部(3)の間に配置されたカップリング(11)とを介してロール(1,10)に伝達可能であること、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項5】
回転可能なロール(1,10)の軸(7)からずれたギアボックス(8)のアライメントが、カップリング(11)によって補償可能であること、を特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
【請求項6】
カップリング(11)が、第1のカップリング要素(13)と第2のカップリング要素(14)とを有し、第1のカップリング要素(13)がロール(1,10)と結合され、第2のカップリング要素(14)がギアボックス(8)と結合され、第3のカップリング要素(15)が、第1のカップリング要素(13)と第2のカップリング要素(14)を結合し、第3のカップリング要素(15)によって、回転可能なロール(1,10)の軸(7)からずれたギアボックス(8)のアライメントが補償可能であること、を特徴とする請求項4又は5に記載の駆動装置。
【請求項7】
カップリング(11)が、シュリンクディスク(12)を有し、モータ(6)の駆動トルクが、シュリンクディスク(12)を介してロール(1,10)に伝達可能であり、シュリンクディスク(12)がロール(1,10)と結合されていること、を特徴とする請求項4~6のいずれか1項に記載駆動装置。
【請求項8】
モータ(6)の駆動トルクが、回転可能なロール(1,10)の軸(7)を中心として作用すること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項9】
第1の網を駆動するための第1のロール(1)と第2の網を駆動するための第2のロール(10)とを有し、少なくとも一方のロール(1,10)が、請求項1~8のいずれか1項に記載の駆動装置を有するツインワイヤプレス。
【請求項10】
ツインワイヤプレス内のロール(1,10)を駆動するための請求項1~8のいずれか1項に記載の駆動装置の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸を中心として回転可能なロールと、ロール軸受部と、軸受ハウジングと、モータとを有し、ロールがロール軸受部を介して支承され、ロール軸受部の軸受ハウジングがフレーム又はベースと結合され、モータの駆動トルクがロールに伝達可能である駆動装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、第1の網を駆動するための第1のロールと第2の網を駆動するための第2のロールとを有し、少なくとも一方のロールが、本発明による駆動装置を有するツインワイヤプレスに関する。
【0003】
本発明は、ツインワイヤプレス内のロールを駆動するための本発明による駆動装置の使用にも関する。
【背景技術】
【0004】
駆動装置は、独国実用新案第202013009581号明細書に開示されている。回転手段、例えばモータのロールの軸への取付けが行なわれ、回転手段は、中空軸として形成された回転軸を備え、トルクは、回転軸を介してロールの軸に伝達可能である。
【0005】
独国特許出願公開第102006060853号明細書は、ハウジングと中央の歯車と出力軸を有する、ギアボックスを備えたロール駆動ユニットを開示する。ロール駆動ユニットは、更に、駆動モータを有し、この駆動モータは、ピニオンを介して中央の歯車と駆動可能に結合されている。
【0006】
繊維サスペンションを脱水するためのツインワイヤプレスは、連続的な繊維ウェブの形成を可能にする。ツインワイヤプレスと、特にツインワイヤプレス用のフレームは、墺国特許第502584号明細書に記載されている。
【0007】
ツインワイヤプレス内で、繊維サスペンションは、例えば3重量%~8重量%の入口濃度から例えば30重量%超の出口濃度に濃縮される。典型的に、ツインワイヤプレスは、第1の網を有する第1の網コースと、第2の網を有する第2の網コースとを有し、これら網は、透過性に-例えばワイヤとして-形成されている。繊維サスペンションは、回動する網の間に導入されて脱水される。この場合、各網コースは、駆動される少なくとも1つのロールを有し、このロールに、ギアボックスを介してモータの駆動トルクが伝達可能である。
【0008】
典型的な駆動装置は、駆動されるロールが、上下に配置され、ギアボックスが、それぞれのロールネックにそれぞれ取り付けられ、ギアボックスも上下に配置されていること、を特徴とする。この配置は、例えば、それぞれのモータが、フレームと結合され、上下に配置されたギアボックスが、結合をするトルクサポートを介して結合され、これにより、ギアボックスハウジングの回転が阻止される。この配置は、容易に思い付くものであるが、それは、駆動装置-モータ、ギアボックス、カップリング等を有する-が独立した標準部品から構成され、最終的に非常に特殊な配置に適合しなければならないからである。
【0009】
従来の駆動装置は、種々の欠点を備える。ギアボックスをロールネックに固定する際に、ギアボックスの重量がロールネックに負荷され、曲げ応力を惹起する。ギアボックスハウジングの回転を防止するためにトルクサポートを使用する場合、ロールネックは、加えて、トルクサポートのトルクによって負荷を受ける。この場合、一般に、駆動装置の個々の部品へのアクセス性は困難になっている。加えて、駆動ロールの取外しは、駆動装置の事前の解体及び撤去を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】独国実用新案第202013009581号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102006060853号明細書
【特許文献3】墺国特許第502584号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目標は、駆動装置の個々の部品及びロールに対するアクセス性を良好にしつつ、効果的な駆動装置の達成であり、駆動装置を介してロールに導入される機械的負荷、例えば曲げ応力の最小化の達成である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これは、本発明によれば、モータが、ロール軸受部の軸受ハウジングと直接的に結合され、モータの反作用トルクが、ロール軸受部の軸受ハウジングに伝達可能であることによって達成される。この場合、回転可能なロールは、ロール軸受部を介して支承され、ロール軸受部の軸受ハウジングは、機械フレーム又はベースと結合されている。例えば、回転可能なロールは、駆動側のロールネックを有し、ロールネックは、ロール軸受部に支承されている。モータは、駆動トルクを、ロール、例えばロールネックに伝達し、駆動トルクを伝達するために、別の部品、例えばギアボックス、カップリング等が、ロールとモータの間に配置されている。作用反作用の原理に応じて、モータによって発生された駆動トルクは、反作用トルクを惹起する。本発明によれば、駆動装置は、ロール軸受部の軸受ハウジングへのモータの反作用トルクの導入を企図する。モータの反作用トルクの伝達は、軸受ハウジングとのモータハウジングの間接的な結合によって行なわれ得る。モータハウジングの間接的な結合は、例えば、軸受ハウジングとモータの間に配置された部品を介して行なわれ得る。例えば、ギアボックスは、軸受ハウジングとモータの間に配置され得るが、モータハウジングは、例えば、ギアボックスハウジングと、更には軸受ハウジングと結合されている。軸受ハウジングとのモータハウジングの間接的な結合により、更に、駆動装置の自重が、軸受ハウジングに伝達可能である。ロール又は軸受ジャーナルへの負荷がなくなる。
【0013】
本発明によれば、モータは、軸受ハウジングと結合され、モータは、少なくとも1つのギアボックスを介して軸受ハウジングと結合されている。このようにして、モータの反作用トルクは軸受ハウジングに伝達可能である。
【0014】
別の有利な形態では、軸受ハウジングとギアボックスの間に結合要素が配置され、モータが、ギアボックスと結合要素を介して軸受ハウジングと結合されている。この結合要素は、例えば、ギアランタンとして形成されている。結合要素は、モータを、一方でギアボックスと結合し、他方で軸受ハウジングと結合することを可能にし、モータの反作用トルクは、結合要素を介してロール軸受部の軸受ハウジングに伝達可能である。結合要素の内部には、有利にはカップリングが配置され得るが、カップリングを介して、モータの駆動トルクは、ギアボックスからロールに伝達可能である。
【0015】
駆動装置の同様に有利な形態は、モータの駆動トルクが、回転可能なロールの軸を中心として作用すること、を特徴とする。有利には、モータの駆動軸と回転可能なロールの軸は整列しており、これにより、モータの駆動トルクは、回転可能なロールの軸を中心として作用する。駆動装置は、回転可能なロールの軸を中心としてもしくは軸に沿って得られる。例えばカップリング、結合要素、ギアボックス及びモータのような駆動装置の種々の部品は、回転可能なロールの軸に沿って配置されている、もしくは、これら部品が、回転可能なロールの軸を包囲する。駆動されるロールが互いに垂直に配置される場合、駆動される個々のロールは、固有の駆動装置を備え、回転可能なロールの軸に沿った部品の本発明による効率的な配置により、提供される空間は、最適に利用することができる。
【0016】
駆動装置の有利な構成は、モータの駆動トルクが、ギアボックスと、ギアボックスとロール軸受部の間に配置されたカップリングとを介してロールに伝達可能であること、を特徴とする。本発明によれば、ロールは、ロール軸受部を介して支承され、軸受ハウジングは、フレーム又はベースと結合され、モータの反作用トルクは、軸受ハウジングに導入可能である。ロールの軸受けは、例えば、ロール軸受内にロールネックを支承することによって行なわれ得る。モータの駆動トルクは、ロールに伝達され、反作用トルクは、ロールの軸受けハウジングに伝達される。これは、駆動装置の有利なモジュール構造と、改善されたアクセス性を可能にする。特に有利であるのは、軸受ハウジングをギアボックスもしくはモータと結合する結合要素内にカップリングを配置することであり、カップリングは、複数部材から形成されている。軸受ハウジングからの結合要素の解離により、結合要素は、ギアボックスとモータと共に軸受ハウジングから取り外すことができ、少なくともカップリングの一部はロールに上に残っており、カップリングの第2の部分は、ギアボックスとモータと共に取外し可能である。
【0017】
特に有利な形態は、回転可能なロールの軸からずれたギアボックスのアライメントが、カップリングによって補償可能であること、を特徴とする。有利には、ギアボックスは、回転可能なロールの軸を中心とするモータの駆動トルクを伝達する。この場合、カップリングは、ロール及びギアボックスもしくはモータからアライメントがずれた時の補償を可能にする。
【0018】
1つの形態では、カップリングが、第1のカップリング要素と第2のカップリング要素とを有し、第1のカップリング要素がロールと結合され、第2のカップリング要素がギアボックスと結合され、第3のカップリング要素が、第1のカップリング要素と第2のカップリング要素を結合し、第3のカップリング要素によって、回転可能なロールの軸からずれたギアボックスのアライメントが補償可能である。この場合、第1のカップリング要素は、ロールと不動に結合され、第2のカップリング要素は、ギアボックスと不動に結合されている。ロール及びギアボックスのずれたアライメントの補償は、第1のカップリング要素と第3のカップリング要素の間で行なわれる、及び/又は、第2のカップリング要素と第3のカップリング要素の間の補償によって行なわれる。これは、第1のカップリング要素と第3のカップリング要素の間もしくは第2のカップリング要素と第3のカップリング要素の間の歯切り部によって容易に実現可能である。第1のカップリング要素もしくは第2のカップリング要素は、例えばカップリングハブを有する。
【0019】
別の有利な形態では、カップリングが、シュリンクディスクを有し、モータの駆動トルクが、シュリンクディスクを介してロールに伝達可能であり、シュリンクディスクがロールと結合されている。例えば、シュリンクディスクは、ロールのロールネックに焼嵌めされ、シュリンクディスクは、第1のカップリング要素、例えば第1のカップリングハブと不動に結合-例えばネジ止め-されている。
【0020】
発明の目標は、省スペースで、良好にアクセス可能な、ツインワイヤプレス内の駆動装置でもある。これは、本発明によれば、ツインワイヤプレスが、本発明による駆動装置を有することによって達成される。典型的に、ツインワイヤプレスは、第1の網を駆動するための第1のロールと第2の網を駆動するための第2のロールを有する。特に駆動されるロールが上下に配置されている場合は、本発明によるロール配置は、良好なアクセス性を可能にする。
【0021】
本発明を、地面により模範的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来技術による駆動装置
図2】本発明による駆動装置のロール軸受部
図3】本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素
図4】本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素
図5】本発明による駆動装置のモータ、ギアボックス及びカップリング要素
図6】本発明による駆動装置の、軸受ハウジングと結合された結合要素
図7】上下に配置されたロールにおける本発明による駆動装置
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、従来技術による駆動装置を示す。この場合、2つのロール1,10が上下に配置されている。ロール1,10は、それぞれ1つのロール軸受部3を介して支承され、ロール軸受部3の軸受ハウジング4は、フレーム16と結合されている。この場合、ロール1,10は、駆動側がロールネック2を介してロール軸受3に支承され、ギアボックス8は、それぞれロールネック2に嵌着されているロール1,10の上下の配置に応じて、ギアボックス8も上下に配置され、反作用トルクは、トルクサポートによるギアボックス8の結合によって受け止められる。ギアボックス8は、それぞれ、フレーム16に固定されたモータ6によって駆動され、モータ6は、カルダン軸を介してギアボックス8に駆動トルクを伝達する。
【0024】
図2は、本発明による駆動装置のロール軸受部を示す。この場合、軸7を中心として回転可能なロール1,10は、ロール軸受部3を介して支承され、ロール1,10がロールネック2を有し、ロールネック2がロール軸受部3に支承されている。ロール軸受部3は、軸受ハウジング4を有し、ロール軸受部3もしくはロール軸受3は、軸受ハウジング4を介してフレームもしくはベースと結合されている。
【0025】
図3は、本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素を示す。この場合、ロール1,10は、軸受部3を介して支承され、ロール軸受部3の軸受ハウジング4がフレーム又はベースと結合されている。モータの駆動トルクは、カップリング11を介してロール1,10に伝達可能であり、カップロング11が第1のカップリング要素13を有し、第1のカップリング要素13がロール1,10と結合されている。第1のカップリング要素13は、例えばカップリングハブとして形成されている。カップリングは、更に、モータの駆動トルクを伝達するためのシュリンクディスク12を有し、このシュリンクディスクがロールと結合、例えばロールネック2に焼嵌めされ、第1のカップリング要素13がシュリンクディスク12を介して軸1,10と結合されている。第1のカップリング要素13は、例えば、シュリンクディスク12と解離可能に結合され、例えば、カップリング要素13は、シュリンクディスクとネジ止めすることができる。
【0026】
図4は、本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素を示す。図3に対して付加的に、図4には第3のカップリング要素15が図示されている。この場合、第1のカップリング要素13は、シュリンクディスク12を介してロール1,10と結合され、第3のカップリング要素15が第1のカップリング要素13へのモータ6の駆動トルクの伝達と、回転可能なロール1,10の軸7からずれたギアボックス8のアライメントの補償とを可能にする。第1のカップリング要素13と第3のカップリング要素15の間の結合は、例えば歯切り部によって実現されている。この構成により、軸1,10と結合された第1のカップリング部分13からの第3のカップリング部分15の取外しが容易に可能である。
【0027】
図5は、本発明による駆動装置のモータ、ギアボックス及びカップリング要素を示す。この場合、モータ6の反作用トルクがギアボックス8に伝達可能であり、モータ6のハウジングがギアボックス8のハウジングと結合され、反作用トルクが伝達可能である。更に、モータ6の駆動トルクは、ギアボックス8に伝達され、更に第2のカップリング要素14にも伝達される。第2のカップリング要素14は、ギアボックス8と不動に-例えばネジ止めされて-結合され、例えばカップリングハブとして形成されている。この場合、モータ6の駆動トルクは、回転可能なロール1,10の軸7を中心として作用するか、もしくは、駆動装置の部品が軸7に沿って配置されている。
【0028】
図6は、本発明による駆動装置の、軸受ハウジングと結合された結合要素を示す。この場合、結合要素9は、一方で軸受ハウジング4と結合され、他方でギアボックス8及びモータ6と結合され、モータ6の反作用トルクは、ギアボックス8と結合要素9を介して軸受ハウジング4に伝達可能である。結合要素9は、ギアランタンとして形成され、結合要素9は、軸7を中心として配置されている。有利であるのは、モータ6からロール1,10への駆動トルクの伝達であり、駆動トルクがモータ6からギアボックス8とカップリング11を介してロール1,10に伝達され、カップリングが結合要素9の内部に配置され、モータ6の駆動トルクが回転可能なロール1,10の軸7を中心として作用する。
【0029】
図7は、上下に配置されたロールにおける本発明による駆動装置を示す。この場合、第1のロール1と第2のロール10が、それぞれ1つの本発明による駆動装置と共に図示されている。ロール1とロール10は、上下に配置され、これは典型的にツインワイヤプレスで当て嵌まり、ロール1が第1の網コースの一部であり、ロール10が第2の網コースの一部である。従って、ロール1,10は、ロール軸受部3を介して支承され、ロール軸受部3が軸受ハウジング4を有し、軸受ハウジングがフレームもしくはベースと結合されている。駆動装置の部品は、軸7に沿って配置され、モータ6の駆動トルクは、回転可能なロール1,10の軸7を中心として作用する。モータ6の駆動トルクは、ギアボックス8とカップリング11を介してロール1,10に伝達される。同時に、モータ6の反作用トルクは、ギアボックス8と結合要素11を介して軸受ハウジングに伝達可能である。このため、モータ6のハウジングは、結合要素9を有するギアボックス8のハウジングと結合され、更には軸受ハウジング4と結合されている。図7には、これら結合部が、ネジ止め部として図示されている。有利には、カップリング11は、結合要素9の内部に配置されている。従って、結合要素9をギアボックス8とモータ6と共に軸受ハウジングから取り外すことが容易に可能であり、カップリング11が複数部材から形成され、少なくとも1つのカップリング部分-例えばギアボックス8と不動に結合された第2のカップリング要素14-が、結合要素9と共に取外し可能である。従って、少なくとも1つのカップリング要素-例えば軸1,10と不動に結合された第1のカップリング要素13-が軸1,10上に残っている。
【0030】
本発明は、多くの利点、特に効果的な駆動装置を提供する。これは、駆動装置の部品への、特にロールへの良好なアクセス性を意味し、モジュール構造により、ロールと残りの駆動装置の容易な分離が可能である。こうして、例えばカップリング、ギアボックス及びモータのような他の全ての部品を予め個々に除去する必要、もしくは、フレームもしくはベースに対する他の部品の結合を解離する必要なしに、ロールはアクセス可能になる。同時に、本発明による駆動装置は、駆動装置の他の部品の重量及びモータによって誘起される反作用トルクが軸に伝達されないので、最小の軸への負荷を可能にする。
【符号の説明】
【0031】
1 ロール
2 ロールネック
3 ロール軸受部
4 軸受ハウジング
5 トルクサポート
6 モータ
7 回転軸
8 ギアボックス
9 結合要素
10 ロール
11 カップリング
12 シュリンクディスク
13 第1のカップリング要素
14 第2のカップリング要素
15 第3のカップリング要素
16 フレーム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2022-07-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸を中心として回転可能なロールと、ロール軸受部と、軸受ハウジングと、モータとを有し、ロールがロール軸受部を介して支承され、ロール軸受部の軸受ハウジングがフレーム又はベースと結合され、モータの駆動トルクがロールに伝達可能である駆動装置に関する。
【0002】
本発明は、更に、第1の網を駆動するための第1のロールと第2の網を駆動するための第2のロールとを有し、少なくとも一方のロールが、本発明による駆動装置を有するツインワイヤプレスに関する。
【0003】
本発明は、ツインワイヤプレス内のロールを駆動するための本発明による駆動装置の使用にも関する。
【背景技術】
【0004】
駆動装置は、独国実用新案第202013009581号明細書に開示されている。回転手段、例えばモータのロールの軸への取付けが行なわれ、回転手段は、中空軸として形成された回転軸を備え、トルクは、回転軸を介してロールの軸に伝達可能である。
【0005】
独国特許出願公開第102006060853号明細書は、ハウジングと中央の歯車と出力軸を有する、ギアボックスを備えたロール駆動ユニットを開示する。ロール駆動ユニットは、更に、駆動モータを有し、この駆動モータは、ピニオンを介して中央の歯車と駆動可能に結合されている。
【0006】
西独国特許出願公開第1427925号明細書は、軸受ハウジング内に遊星歯車装置が配置されている、小さい回転質量と剛性の高い軸受部を有するコンパクトな電気トランスミッションローラを開示する。特に、遊星キャリアは、ローラの衝撃が歯切り部に対して変位を、従って点干渉を加えないため、傾く危険がないように、高剛性に保たれている。この場合、モータは、トーションバーを介して遊星歯車装置と結合され、トーションバーは、遊星歯車装置の内側の太陽歯車として、また同時に捩り弾性を有するカップリングとして機能し、これにより、電気モータのミスアライメントが補償され得る。更に、ローラからの荷重衝撃を緩和するために、ベースフレームと軸受ハウジングの間に弾性的なスペーサが組み込まれている。
【0007】
瑞国特許第671892号明細書は、モータと減速ギアボックスから成る直接駆動装置を有し、直接駆動装置が、軸受ハウジングにフランジ止めされ、直接駆動装置によって加えられるトルクがこのハウジングに支持されている、ロールの個別駆動装置を開示する。トルクを伝達するため、スリップオンギア機構-大抵はスプライン軸として形成された-が、減速ギアボックスの軸と軸ジャーナルの凹部に係合する。スリップオンギア機構の使用により、直接駆動装置の傾斜による曲げに対するロールの影響が排除される。
【0008】
西独国特許出願公告第1285972号明細書は、遊星歯車装置を有するシート矯正機械の矯正ロール用の個別駆動装置であって、ロールが、傾動可能な軸受けハウジング内に転がり軸受を介して支承され、各矯正ロールが、軸受ハウジングに直接的にフランジ止めされた電気モータと、軸受ハウジングの孔内に収容された遊星歯車装置とから成る個別駆動装置を有するものを開示する。
【0009】
西独国特許出願公開第2629039号明細書は、ギヤードモータによって駆動されるローラテーブルローラであって、ローラテーブルローラのジャーナルが軸受ハウジングに回転可能に支承され、ギヤードモータが軸受ハウジングに直接的にフランジ止めされているものを開示する。
【0010】
繊維サスペンションを脱水するためのツインワイヤプレスは、連続的な繊維ウェブの形成を可能にする。ツインワイヤプレスと、特にツインワイヤプレス用のフレームは、墺国特許第502584号明細書に記載されている。
【0011】
ツインワイヤプレス内で、繊維サスペンションは、例えば3重量%~8重量%の入口濃度から例えば30重量%超の出口濃度に濃縮される。典型的に、ツインワイヤプレスは、第1の網を有する第1の網コースと、第2の網を有する第2の網コースとを有し、これら網は、透過性に-例えばワイヤとして-形成されている。繊維サスペンションは、回動する網の間に導入されて脱水される。この場合、各網コースは、駆動される少なくとも1つのロールを有し、このロールに、ギアボックスを介してモータの駆動トルクが伝達可能である。
【0012】
典型的な駆動装置は、駆動されるロールが、上下に配置され、ギアボックスが、それぞれのロールネックにそれぞれ取り付けられ、ギアボックスも上下に配置されていること、を特徴とする。この配置は、例えば、それぞれのモータが、フレームと結合され、上下に配置されたギアボックスが、結合をするトルクサポートを介して結合され、これにより、ギアボックスハウジングの回転が阻止される。この配置は、容易に思い付くものであるが、それは、駆動装置-モータ、ギアボックス、カップリング等を有する-が独立した標準部品から構成され、最終的に非常に特殊な配置に適合しなければならないからである。
【0013】
従来の駆動装置は、種々の欠点を備える。ギアボックスをロールネックに固定する際に、ギアボックスの重量がロールネックに負荷され、曲げ応力を惹起する。ギアボックスハウジングの回転を防止するためにトルクサポートを使用する場合、ロールネックは、加えて、トルクサポートのトルクによって負荷を受ける。この場合、一般に、駆動装置の個々の部品へのアクセス性は困難になっている。加えて、駆動ロールの取外しは、駆動装置の事前の解体及び撤去を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】独国実用新案第202013009581号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第102006060853号明細書
【特許文献3】墺国特許第502584号明細書
【特許文献4】西独国特許出願公開第1427925号明細書
【特許文献5】瑞国特許第671892号明細書
【特許文献6】西独国特許出願公告第1285972号明細書
【特許文献7】西独国特許出願公開第2629039号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の目標は、駆動装置の個々の部品及びロールに対するアクセス性を良好にしつつ、効果的な駆動装置の達成であり、駆動装置を介してロールに導入される機械的負荷、例えば曲げ応力の最小化の達成である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
これは、本発明によれば、モータが、ロール軸受部の軸受ハウジングと直接的に結合され、モータの反作用トルクが、ロール軸受部の軸受ハウジングに伝達可能であることによって達成される。この場合、回転可能なロールは、ロール軸受部を介して支承され、ロール軸受部の軸受ハウジングは、機械フレーム又はベースと結合されている。例えば、回転可能なロールは、駆動側のロールネックを有し、ロールネックは、ロール軸受部に支承されている。モータは、駆動トルクを、ロール、例えばロールネックに伝達し、駆動トルクを伝達するために、別の部品、例えばギアボックス、カップリング等が、ロールとモータの間に配置されている。作用反作用の原理に応じて、モータによって発生された駆動トルクは、反作用トルクを惹起する。本発明によれば、駆動装置は、ロール軸受部の軸受ハウジングへのモータの反作用トルクの導入を企図する。モータの反作用トルクの伝達は、軸受ハウジングとのモータハウジングの間接的な結合によって行なわれ得る。モータハウジングの間接的な結合は、例えば、軸受ハウジングとモータの間に配置された部品を介して行なわれ得る。例えば、ギアボックスは、軸受ハウジングとモータの間に配置され得るが、モータハウジングは、例えば、ギアボックスハウジングと、更には軸受ハウジングと結合されている。軸受ハウジングとのモータハウジングの間接的な結合により、更に、駆動装置の自重が、軸受ハウジングに伝達可能である。ロール又は軸受ジャーナルへの負荷がなくなる。
【0017】
本発明によれば、モータは、軸受ハウジングと結合され、モータは、少なくとも1つのギアボックスを介して軸受ハウジングと結合されている。このようにして、モータの反作用トルクは軸受ハウジングに伝達可能である。
【0018】
別の有利な形態では、軸受ハウジングとギアボックスの間に結合要素が配置され、モータが、ギアボックスと結合要素を介して軸受ハウジングと結合されている。この結合要素は、例えば、ギアランタンとして形成されている。結合要素は、モータを、一方でギアボックスと結合し、他方で軸受ハウジングと結合することを可能にし、モータの反作用トルクは、結合要素を介してロール軸受部の軸受ハウジングに伝達可能である。結合要素の内部には、有利にはカップリングが配置され得るが、カップリングを介して、モータの駆動トルクは、ギアボックスからロールに伝達可能である。
【0019】
駆動装置の同様に有利な形態は、モータの駆動トルクが、回転可能なロールの軸を中心として作用すること、を特徴とする。有利には、モータの駆動軸と回転可能なロールの軸は整列しており、これにより、モータの駆動トルクは、回転可能なロールの軸を中心として作用する。駆動装置は、回転可能なロールの軸を中心としてもしくは軸に沿って得られる。例えばカップリング、結合要素、ギアボックス及びモータのような駆動装置の種々の部品は、回転可能なロールの軸に沿って配置されている、もしくは、これら部品が、回転可能なロールの軸を包囲する。駆動されるロールが互いに垂直に配置される場合、駆動される個々のロールは、固有の駆動装置を備え、回転可能なロールの軸に沿った部品の本発明による効率的な配置により、提供される空間は、最適に利用することができる。
【0020】
駆動装置の有利な構成は、モータの駆動トルクが、ギアボックスと、ギアボックスとロール軸受部の間に配置されたカップリングとを介してロールに伝達可能であること、を特徴とする。本発明によれば、ロールは、ロール軸受部を介して支承され、軸受ハウジングは、フレーム又はベースと結合され、モータの反作用トルクは、軸受ハウジングに導入可能である。ロールの軸受けは、例えば、ロール軸受内にロールネックを支承することによって行なわれ得る。モータの駆動トルクは、ロールに伝達され、反作用トルクは、ロールの軸受けハウジングに伝達される。これは、駆動装置の有利なモジュール構造と、改善されたアクセス性を可能にする。特に有利であるのは、軸受ハウジングをギアボックスもしくはモータと結合する結合要素内にカップリングを配置することであり、カップリングは、複数部材から形成されている。軸受ハウジングからの結合要素の解離により、結合要素は、ギアボックスとモータと共に軸受ハウジングから取り外すことができ、少なくともカップリングの一部はロールに上に残っており、カップリングの第2の部分は、ギアボックスとモータと共に取外し可能である。
【0021】
本発明によれば、回転可能なロールの軸からずれたギアボックスのアライメントが、カップリングによって補償可能である。従って、ギアボックスは、回転可能なロールの軸を中心とするモータの駆動トルクを伝達する。この場合、カップリングは、ロール及びギアボックスもしくはモータからアライメントがずれた時の補償を可能にする。
【0022】
本発明によれば、カップリングが、第1のカップリング要素と第2のカップリング要素とを有し、第1のカップリング要素がロールと結合され、第2のカップリング要素がギアボックスと結合され、第3のカップリング要素が、第1のカップリング要素と第2のカップリング要素を結合し、第3のカップリング要素によって、回転可能なロールの軸からずれたギアボックスのアライメントが補償可能である。この場合、第1のカップリング要素は、ロールと不動に結合され、第2のカップリング要素は、ギアボックスと不動に結合されている。ロール及びギアボックスのずれたアライメントの補償は、第1のカップリング要素と第3のカップリング要素の間で行なわれる、及び/又は、第2のカップリング要素と第3のカップリング要素の間の補償によって行なわれる。これは、第1のカップリング要素と第3のカップリング要素の間もしくは第2のカップリング要素と第3のカップリング要素の間の歯切り部によって容易に実現可能である。第1のカップリング要素もしくは第2のカップリング要素は、例えばカップリングハブを有する。
【0023】
別の有利な形態では、カップリングが、シュリンクディスクを有し、モータの駆動トルクが、シュリンクディスクを介してロールに伝達可能であり、シュリンクディスクがロールと結合されている。例えば、シュリンクディスクは、ロールのロールネックに焼嵌めされ、シュリンクディスクは、第1のカップリング要素、例えば第1のカップリングハブと不動に結合-例えばネジ止め-されている。
【0024】
発明の目標は、省スペースで、良好にアクセス可能な、ツインワイヤプレス内の駆動装置でもある。これは、本発明によれば、ツインワイヤプレスが、本発明による駆動装置を有することによって達成される。典型的に、ツインワイヤプレスは、第1の網を駆動するための第1のロールと第2の網を駆動するための第2のロールを有する。特に駆動されるロールが上下に配置されている場合は、本発明によるロール配置は、良好なアクセス性を可能にする。
【0025】
本発明を、地面により模範的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来技術による駆動装置
図2】本発明による駆動装置のロール軸受部
図3】本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素
図4】本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素
図5】本発明による駆動装置のモータ、ギアボックス及びカップリング要素
図6】本発明による駆動装置の、軸受ハウジングと結合された結合要素
図7】上下に配置されたロールにおける本発明による駆動装置
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、従来技術による駆動装置を示す。この場合、2つのロール1,10が上下に配置されている。ロール1,10は、それぞれ1つのロール軸受部3を介して支承され、ロール軸受部3の軸受ハウジング4は、フレーム16と結合されている。この場合、ロール1,10は、駆動側がロールネック2を介してロール軸受3に支承され、ギアボックス8は、それぞれロールネック2に嵌着されているロール1,10の上下の配置に応じて、ギアボックス8も上下に配置され、反作用トルクは、トルクサポートによるギアボックス8の結合によって受け止められる。ギアボックス8は、それぞれ、フレーム16に固定されたモータ6によって駆動され、モータ6は、カルダン軸を介してギアボックス8に駆動トルクを伝達する。
【0028】
図2は、本発明による駆動装置のロール軸受部を示す。この場合、軸7を中心として回転可能なロール1,10は、ロール軸受部3を介して支承され、ロール1,10がロールネック2を有し、ロールネック2がロール軸受部3に支承されている。ロール軸受部3は、軸受ハウジング4を有し、ロール軸受部3もしくはロール軸受3は、軸受ハウジング4を介してフレームもしくはベースと結合されている。
【0029】
図3は、本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素を示す。この場合、ロール1,10は、軸受部3を介して支承され、ロール軸受部3の軸受ハウジング4がフレーム又はベースと結合されている。モータの駆動トルクは、カップリング11を介してロール1,10に伝達可能であり、カップロング11が第1のカップリング要素13を有し、第1のカップリング要素13がロール1,10と結合されている。第1のカップリング要素13は、例えばカップリングハブとして形成されている。カップリングは、更に、モータの駆動トルクを伝達するためのシュリンクディスク12を有し、このシュリンクディスクがロールと結合、例えばロールネック2に焼嵌めされ、第1のカップリング要素13がシュリンクディスク12を介して軸1,10と結合されている。第1のカップリング要素13は、例えば、シュリンクディスク12と解離可能に結合され、例えば、カップリング要素13は、シュリンクディスクとネジ止めすることができる。
【0030】
図4は、本発明による駆動装置のロール軸受部とカップリング要素を示す。図3に対して付加的に、図4には第3のカップリング要素15が図示されている。この場合、第1のカップリング要素13は、シュリンクディスク12を介してロール1,10と結合され、第3のカップリング要素15が第1のカップリング要素13へのモータ6の駆動トルクの伝達と、回転可能なロール1,10の軸7からずれたギアボックス8のアライメントの補償とを可能にする。第1のカップリング要素13と第3のカップリング要素15の間の結合は、例えば歯切り部によって実現されている。この構成により、軸1,10と結合された第1のカップリング部分13からの第3のカップリング部分15の取外しが容易に可能である。
【0031】
図5は、本発明による駆動装置のモータ、ギアボックス及びカップリング要素を示す。この場合、モータ6の反作用トルクがギアボックス8に伝達可能であり、モータ6のハウジングがギアボックス8のハウジングと結合され、反作用トルクが伝達可能である。更に、モータ6の駆動トルクは、ギアボックス8に伝達され、更に第2のカップリング要素14にも伝達される。第2のカップリング要素14は、ギアボックス8と不動に-例えばネジ止めされて-結合され、例えばカップリングハブとして形成されている。この場合、モータ6の駆動トルクは、回転可能なロール1,10の軸7を中心として作用するか、もしくは、駆動装置の部品が軸7に沿って配置されている。
【0032】
図6は、本発明による駆動装置の、軸受ハウジングと結合された結合要素を示す。この場合、結合要素9は、一方で軸受ハウジング4と結合され、他方でギアボックス8及びモータ6と結合され、モータ6の反作用トルクは、ギアボックス8と結合要素9を介して軸受ハウジング4に伝達可能である。結合要素9は、ギアランタンとして形成され、結合要素9は、軸7を中心として配置されている。有利であるのは、モータ6からロール1,10への駆動トルクの伝達であり、駆動トルクがモータ6からギアボックス8とカップリング11を介してロール1,10に伝達され、カップリングが結合要素9の内部に配置され、モータ6の駆動トルクが回転可能なロール1,10の軸7を中心として作用する。
【0033】
図7は、上下に配置されたロールにおける本発明による駆動装置を示す。この場合、第1のロール1と第2のロール10が、それぞれ1つの本発明による駆動装置と共に図示されている。ロール1とロール10は、上下に配置され、これは典型的にツインワイヤプレスで当て嵌まり、ロール1が第1の網コースの一部であり、ロール10が第2の網コースの一部である。従って、ロール1,10は、ロール軸受部3を介して支承され、ロール軸受部3が軸受ハウジング4を有し、軸受ハウジングがフレームもしくはベースと結合されている。駆動装置の部品は、軸7に沿って配置され、モータ6の駆動トルクは、回転可能なロール1,10の軸7を中心として作用する。モータ6の駆動トルクは、ギアボックス8とカップリング11を介してロール1,10に伝達される。同時に、モータ6の反作用トルクは、ギアボックス8と結合要素を介して軸受ハウジングに伝達可能である。このため、モータ6のハウジングは、結合要素9を有するギアボックス8のハウジングと結合され、更には軸受ハウジング4と結合されている。図7には、これら結合部が、ネジ止め部として図示されている。有利には、カップリング11は、結合要素9の内部に配置されている。従って、結合要素9をギアボックス8とモータ6と共に軸受ハウジングから取り外すことが容易に可能であり、カップリング11が複数部材から形成され、少なくとも1つのカップリング部分-例えばギアボックス8と不動に結合された第2のカップリング要素14-が、結合要素9と共に取外し可能である。従って、少なくとも1つのカップリング要素-例えば軸1,10と不動に結合された第1のカップリング要素13-が軸1,10上に残っている。
【0034】
本発明は、多くの利点、特に効果的な駆動装置を提供する。これは、駆動装置の部品への、特にロールへの良好なアクセス性を意味し、モジュール構造により、ロールと残りの駆動装置の容易な分離が可能である。こうして、例えばカップリング、ギアボックス及びモータのような他の全ての部品を予め個々に除去する必要、もしくは、フレームもしくはベースに対する他の部品の結合を解離する必要なしに、ロールはアクセス可能になる。同時に、本発明による駆動装置は、駆動装置の他の部品の重量及びモータによって誘起される反作用トルクが軸に伝達されないので、最小の軸への負荷を可能にする。
【符号の説明】
【0035】
1 ロール
2 ロールネック
3 ロール軸受部
4 軸受ハウジング
5 トルクサポート
6 モータ
7 回転軸
8 ギアボックス
9 結合要素
10 ロール
11 カップリング
12 シュリンクディスク
13 第1のカップリング要素
14 第2のカップリング要素
15 第3のカップリング要素
16 フレーム
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸(7)を中心として回転可能なロール(1,10)と、ロール軸受部(3)と、軸受ハウジング(4)と、モータ(6)とを有し、ロール(1,10)がロール軸受部(3)を介して支承され、ロール軸受部(3)の軸受ハウジング(4)がフレーム(16)又はベースと結合され、モータ(6)の駆動トルクがロール(1,10)に伝達可能である駆動装置であって
モータ(6)が、ロール軸受部(3)の軸受ハウジング(4)と直接的に結合され、モータ(6)の反作用トルクが、ロール軸受部(3)の軸受ハウジング(4)に伝達可能であり、モータ(6)が、少なくとも1つのギアボックス(8)を介して軸受ハウジング(4)と結合されているものにおいて
モータ(6)の駆動トルクが、ギアボックス(8)と、ギアボックス(8)とロール軸受部(3)の間に配置されたカップリング(11)とを介してロール(1,10)に伝達可能であり、カップリング(11)が、第1のカップリング要素(13)と第2のカップリング要素(14)とを有し、第1のカップリング要素(13)がロール(1,10)と結合され、第2のカップリング要素(14)がギアボックス(8)と結合され、第3のカップリング要素(15)が、第1のカップリング要素(13)と第2のカップリング要素(14)を結合し、第3のカップリング要素(15)によって、回転可能なロール(1,10)の軸(7)からずれたギアボックス(8)のアライメントが補償可能であること、を特徴とする駆動装置。
【請求項2】
軸受ハウジング(4)とギアボックス(8)の間に結合要素(9)が配置され、モータ(6)が、ギアボックス(8)と結合要素(9)を介して軸受ハウジング(4)と結合されていること、を特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
モータ(6)の駆動トルクが、結合要素(9)の内部に配置されたカップリング(11)を介してモータ(6)からロール(1,10)に伝達可能であること、を特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
【請求項4】
カップリング(11)が、シュリンクディスク(12)を有し、モータ(6)の駆動トルクが、シュリンクディスク(12)を介してロール(1,10)に伝達可能であり、シュリンクディスク(12)がロール(1,10)と結合されていること、を特徴とする請求項のいずれか1項に記載駆動装置。
【請求項5】
モータ(6)の駆動トルクが、回転可能なロール(1,10)の軸(7)を中心として作用すること、を特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の駆動装置。
【請求項6】
第1の網を駆動するための第1のロール(1)と第2の網を駆動するための第2のロール(10)とを有し、少なくとも一方のロール(1,10)が、請求項1~のいずれか1項に記載の駆動装置を有するツインワイヤプレス。
【請求項7】
ツインワイヤプレス内のロール(1,10)を駆動するための請求項1~のいずれか1項に記載の駆動装置の使用。
【国際調査報告】