(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-07
(54)【発明の名称】センサモジュール
(51)【国際特許分類】
G01F 13/00 20060101AFI20231030BHJP
G01F 23/263 20220101ALI20231030BHJP
【FI】
G01F13/00 331Z
G01F23/263
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524769
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 US2021056871
(87)【国際公開番号】W WO2022093972
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520490417
【氏名又は名称】アナログ ディヴァイスィズ インク
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクラム・ヴェンカタドリ
(72)【発明者】
【氏名】デヴィッド・フランク・ボローニャ
【テーマコード(参考)】
2F014
【Fターム(参考)】
2F014AB02
2F014EA00
2F014GA01
(57)【要約】
センサモジュールが開示される。センサモジュールは、センサモジュールの動作構成において物質が配設される容器を受容するようにサイズ決定及び成形されたキャビティの周りに配設された、ハウジング本体を含むことができる。センサモジュールは、ハウジング本体に結合された、又はそれとともに形成された第1の電極を含むことができる。第1の電極は、ハウジング本体の第1の周縁位置に配設される。センサモジュールは、ハウジング本体に結合された、又はそれとともに形成された第2の電極を含むことができる。第2の電極は、第1の周縁位置に対向する、ハウジング本体の第2の周縁位置に配設される。キャビティは、ハウジング本体の動作構成において第1及び第2の電極の間に配設される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサモジュールであって、
前記センサモジュールの動作構成において物質が配設される容器を受容するようにサイズ決定及び成形されたキャビティの周りに配設されたハウジング本体と、
前記ハウジング本体に結合され又はそれとともに形成され、前記ハウジング本体の第1の周縁位置に配設された第1の電極と、
前記ハウジング本体に結合され又はそれとともに形成され、前記第1の周縁位置に対向する前記ハウジング本体の第2の周縁位置に配設された第2の電極と、を備え、
前記キャビティが、前記ハウジング本体の動作構成において前記第1の電極と前記第2の電極との間に配設されている、センサモジュール。
【請求項2】
前記第1の電極と前記第2の電極と前記容器がキャパシタを形成し、前記センサモジュールが、前記第1の電極と前記第2の電極との間の静電容量を測定するように構成された回路を更に備え、測定された前記静電容量が、前記容器内の前記物質の量と相関する、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項3】
前記ハウジング本体に結合された少なくとも1つの基板を更に備え、前記少なくとも1つの基板が、前記第1の電極及び前記第2の電極を備え、前記第1の電極及び前記第2の電極が、前記基板の絶縁材料に少なくとも部分的に埋設されている、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項4】
前記少なくとも1つの基板が、単一の基板を備えている、請求項3に記載のセンサモジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つの基板は、前記少なくとも1つの基板が内面に接触して機械的に取り付けられるように、前記ハウジング本体の前記内面にインサート成形されている、請求項3に記載のセンサモジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの基板が、
前記第1の電極を備える第1のセグメントであって、前記容器の外面の周りに配設されるように曲げられ又は湾曲されている第1のセグメントと、
前記第2の電極を備える第2のセグメントであって、前記センサモジュールの動作構成において前記第1のセグメントに対向する場所で前記容器の前記外面の周りに配設されるように曲げられ又は湾曲されている第2のセグメントと、を備える、請求項3に記載のセンサモジュール。
【請求項7】
前記少なくとも1つの基板が、前記絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された複数のパターン化された導電層を備え、前記複数のパターン化された導電層が、前記少なくとも1つの基板の半径方向内側部分に第1の層を含み、前記第1の層が、前記第1の電極及び前記第2の電極を含む、請求項6に記載のセンサモジュール。
【請求項8】
前記第1の層が、前記少なくとも1つの基板の半径方向内面に露出している、請求項7に記載のセンサモジュール。
【請求項9】
前記複数のパターン化された導電層が、前記第1の層から半径方向外向きに配設された第2の層を備え、前記第2の層が、互いに半径方向に対向して配設された第1のドリブンシールド及び第2のドリブンシールドを備える、請求項7に記載のセンサモジュール。
【請求項10】
前記複数のパターン化された導電層が、前記第2の層から半径方向外向きに配設された第3の層を備え、前記第3の層が、互いに半径方向に対向して配設された第1の外側シールド及び第2の外側シールドを備える、請求項9に記載のセンサモジュール。
【請求項11】
前記少なくとも1つの基板が、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間に延在するヒンジセグメントを備え、前記ヒンジセグメントが、前記センサモジュールの動作構成と、前記容器を前記センサモジュールに装填又はそこから搬出する前記センサモジュールの装填構成との間で回転可能である、請求項6に記載のセンサモジュール。
【請求項12】
前記ハウジング本体が、前記第1のセグメントに結合され又はそれとともに形成された角度付き又は湾曲された第1のセクションと、前記第2のセグメントに結合され又はそれとともに形成された角度付き又は湾曲された第2のセクションと、前記第1のセクション及び前記第2のセクションを接続するためのばねラッチ機構と、を備え、前記ばねラッチ機構が、前記センサモジュールの動作構成において前記第1の電極及び前記第2の電極を前記容器に接触させるように付勢される、請求項6に記載のセンサモジュール。
【請求項13】
前記絶縁材料が、複数の絶縁層を備える、請求項3に記載のセンサモジュール。
【請求項14】
前記ハウジング本体に透明窓を更に備える請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項15】
前記第1の電極と前記第2の電極のうちの少なくとも1つが、90°未満の角度を有するキャビティの周りの円弧で延在する、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項16】
前記キャビティの周りの円弧が、45°~75°の範囲の角度を有する、請求項15に記載のセンサモジュール。
【請求項17】
容器を更に備え、前記容器が、バイアル又はシリンジを備える、請求項1に記載のセンサモジュール。
【請求項18】
センサモジュールであって、
絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された第1の電極及び第2の電極を含む1つ以上の導電層を含む少なくとも1つの基板を備え、
前記少なくとも1つの基板が、
前記第1の電極を備える第1のセグメントであって、物質が配設される容器の外面の周りに配設されるように曲げられ又は湾曲されている第1のセグメントと、
前記第2の電極を備える第2のセグメントであって、前記センサモジュールの動作構成において前記第1のセグメントに対向する場所で前記容器の前記外面の周りに配設されるように曲げられ又は湾曲されている第2のセグメントと、
前記第1のセグメントと第2のセグメントとの間に延在するヒンジセグメントであって、前記センサモジュールの動作構成と、前記容器を前記センサモジュールに装填又はそこから搬出する前記センサモジュールの装填構成との間で回転可能であるヒンジセグメントと、を備える、センサモジュール。
【請求項19】
前記容器を受容するようにサイズ決定及び成形されたキャビティの周りに配設されたハウジング本体を更に備え、前記少なくとも1つの基板が前記ハウジング本体に結合されている、請求項18に記載のセンサモジュール。
【請求項20】
前記ハウジング本体が、前記第1のセグメントに結合され又はそれとともに形成された角度付き又は湾曲された第1のセクションと、前記第2のセグメントに結合され又はそれとともに形成された角度付き又は湾曲された第2のセクションと、前記第1のセクション及び前記第2のセクションを接続するためのばねラッチ機構と、を備え、前記ばねラッチ機構が、前記第1の電極及び前記第2の電極を前記容器に接触させるように付勢される、請求項19に記載のセンサモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年3月11日に出願された米国仮特許出願第62/988014号に関連する、2020年10月30日に出願された米国仮特許出願第63/108127号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体は、あらゆる目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本分野は、センサモジュールに関するものであり、具体的には、薬物送達装置内の薬物の体積を測定するためのセンサモジュールに関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの自動化された薬物送達システムでは、駆動システムは、薬物を含むシリンジのプランジャを自動的に押して、シリンジから薬物を押し出す。送達された薬物の量及び/又はシリンジ内に残留する薬物の量を監視するための現在の方法は、電気機械式伝動システムを使用して、プランジャを押す駆動シャフトの回転を監視することを伴う。これは、送達される薬物の間接測定であり、製造上の問題及び機械的破損を受ける。例えば、送達システムの製造中又は繰り返し使用後のモータの回転及び伝動装置の公差の変動となり得るような、モータと、プランジャロッドと、ストッパとの間の機械的リンクの破損又は消耗は、測定値に影響を及ぼし得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一態様では、センサモジュールが開示される。センサモジュールは、センサモジュールの動作構成において物質が配設される容器を受容するようにサイズ決定及び成形されたキャビティの周りに配設された、ハウジング本体を含むことができる。センサモジュールは、ハウジング本体に結合された、又はそれとともに形成された第1の電極を含むことができる。第1の電極は、ハウジング本体の第1の周縁位置に配設される。センサモジュールは、ハウジング本体に結合された、又はそれとともに形成された第2の電極を含むことができる。第2の電極は、第1の周縁位置に対向する、ハウジング本体の第2の周縁位置に配設される。キャビティは、ハウジング本体の動作構成において第1及び第2の電極の間に配設される。
【0005】
一実施形態では、第1及び第2の電極並びに容器は、キャパシタを形成する。センサモジュールは、第1及び第2の電極間の静電容量を測定するように構成された回路を更に含むことができる。測定された静電容量は、容器内の物質の量と相関させることができる。
【0006】
一実施形態では、センサモジュールは、ハウジング本体に結合された少なくとも1つの基板を更に含む。少なくとも1つの基板は、第1及び第2の電極を含む。第1及び第2の電極は、基板の絶縁材料に少なくとも部分的に埋設することができる。
【0007】
少なくとも1つの基板は、単一の基板を含むことができる。
【0008】
少なくとも1つの基板は、少なくとも1つの基板が内面に接触して機械的に取り付けられるように、ハウジング本体の内面にインサート成形することができる。
【0009】
少なくとも1つの基板は、第1の電極を有する第1のセグメントを含むことができる。第1のセグメントは、容器の外面の周りに配設されるように曲げる又は湾曲させることができる。少なくとも1つの基板は、第2の電極を有する第2のセグメントを含むことができる。第2のセグメントは、センサモジュールの動作構成において第1のセグメントに対向する場所で容器の外面の周りに配設されるように曲げる又は湾曲させることができる。
【0010】
少なくとも1つの基板は、絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された複数のパターン化された導電層を含むことができる。複数のパターン化された導電層は、少なくとも1つの基板の半径方向内側部分に第1の層を含むことができる。第1の層は、第1及び第2の電極を含むことができる。
【0011】
第1の層は、少なくとも1つの基板の半径方向内面に露出させることができる。
【0012】
複数のパターン化された導電層は、第1の層から半径方向外向きに配設された第2の層を含むことができる。第2の層は、互いに半径方向に対向して配設された第1及び第2のドリブン(被駆動)シールドを含むことができる。
【0013】
複数のパターン化された導電層は、第2の層から半径方向外向きに配設された第3の層を含むことができる。第3の層は、互いに半径方向に対向して配設された第1及び第2の外側シールドを含むことができる。
【0014】
少なくとも1つの基板は、第1及び第2のセグメント間に延在するヒンジセグメントを含むことができる。ヒンジセグメントは、動作構成と、容器をセンサモジュールに装填又はそこから搬出することができるセンサモジュールの装填構成との間で回転可能である。
【0015】
ハウジング本体は、第1のセグメントに結合された、又はそれとともに形成された第1の角度付き又は湾曲セクションと、第2のセグメントに結合された、又はそれとともに形成された第2の角度付き又は湾曲セクションと、第1及び第2のセクションを接続するばねラッチ機構と、を含むことができる。ばねラッチ機構は、動作構成において第1及び第2の電極を容器に接触させるように付勢することができる。
【0016】
絶縁材料は、複数の絶縁層を含むことができる。
【0017】
一実施形態では、センサモジュールは、ハウジング本体に透明窓を更に含む。
【0018】
一実施形態では、第1及び第2の電極のうちの少なくとも1つは、90°未満の角度を有するキャビティの周りの円弧で延在する。
【0019】
キャビティの周りの円弧は、45°~75°の範囲の角度を有することができる。
【0020】
一実施形態では、センサモジュールは、容器を更に含む。容器は、バイアル又はシリンジを含む。
【0021】
一態様では、センサモジュールが開示される。センサモジュールは、絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された第1及び第2の電極を含む1つ以上の導電層を有する、少なくとも1つの基板を含むことができる。少なくとも1つの基板は、第1の電極を含む第1のセグメントを含む。第1のセグメントは、物質が配設される容器の外面の周りに配設されるように曲げられる、又は湾曲される。少なくとも1つの基板は、第2の電極を含む第2のセグメントを含む。第2のセグメントは、センサモジュールの動作構成において第1のセグメントに対向する場所で容器の外面の周りに配設されるように曲げられる、又は湾曲される。少なくとも1つの基板は、第1及び第2のセグメント間に延在するヒンジセグメントを含む。ヒンジセグメントは、動作構成と、容器をセンサモジュールに装填又はそこから搬出することができるセンサモジュールの装填構成との間で回転可能である。
【0022】
一実施形態では、センサモジュールは、容器を受容するようにサイズ決定及び成形されたキャビティの周りに配設された、ハウジング本体を更に含む。少なくとも1つの基板は、ハウジング本体に結合することができる。
【0023】
ハウジング本体は、第1のセグメントに結合された、又はそれとともに形成された第1の角度付き又は湾曲セクションと、第2のセグメントに結合された、又はそれとともに形成された第2の角度付き又は湾曲セクションと、第1及び第2のセクションを接続するばねラッチ機構と、を含むことができる。ばねラッチ機構は、第1及び第2の電極を容器に接触させるように付勢することができる。
【0024】
少なくとも1つの基板は、少なくとも1つの基板が内面に接触して機械的に取り付けられるように、ハウジング本体の内面にインサート成形することができる。
【0025】
以下、本開示の実施形態を、非限定的な例として、添付図面を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】静電容量センサを示す簡略化された模式図を例示する。
【
図2A】例示的な静電容量センサの概略斜視図である。
【
図2B】
図2Aに示される側に対して反対側から見たときの静電容量センサの概略斜視図である。
【
図2C】
図2A及び2Bの静電容量センサの一部分の側面図である。
【
図2D】プランジャロッドを備えた
図2A及び2Bの静電容量センサの一部分の側断面図である。
【
図2E】
図2Cに示される静電容量センサの一部分の側断面図である。
【
図2F】
図2Dに示される静電容量センサの一部分の側断面図である。
【
図3】一実施形態によるセンサモジュールの概略斜視図である。
【
図4A】
図3のセンサモジュールの概略上面図である。
【
図4B】
図3のセンサモジュールの概略側断面図である。
【
図5】
図5Aは、
図3のセンサモジュールの概略側面図である。
図5Bは、
図5Aに示されるセンサモジュールの一部分の拡大図である。
図5Cは、
図3のセンサモジュールの一方の端部から見たときのセンサモジュール3の平面図である。
図5Dは、
図3のセンサモジュールの概略側断面図である。
【
図6】
図6Aは、
図3のセンサモジュールを製造する製造プロセスのステップを例示する。
図6Bは、製造プロセスの別のステップを例示する。
図6Cは、製造プロセスの別のステップを例示する。
図6Dは、製造プロセスの別のステップを例示する。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本明細書に開示される様々な実施形態は、容器(例えば、バイアル又はシリンジなどの薬物送達装置)内の物質(例えば、薬物などの液体)の量を測定するために静電容量センサを利用する、センサモジュールに関する。2020年3月11日に出願された米国仮特許出願第62/988014号に説明されているように、静電容量センサは、薬物送達システム内の物質(例えば、薬物)の量を直接測定することができる。
【0028】
図1は、静電容量センサ1を示す簡略化された模式図を例示する。静電容量センサ1は、距離dだけ離間されている第1の導電プレート12と第2の導電プレート14との間に配設された誘電材料10を含むことができる。静電容量(C)は、第1の導電プレート12及び第2の導電プレート14のプレートジオメトリによって直線状に変化し、
図1に示される構造体を有する静電容量センサの静電容量(C)は、式1によって計算される。
C=ε
0×ε
r×A/d(式1)
【0029】
式1中、ε0は、自由空間の誘電率(8.854×10-12Fm-1)であり、ε0は、相対静的誘電率であり、Aは、第1のプレート12と第2のプレート14との重なりの面積であり、dは、第1のプレート12と第2のプレート14との間の距離である。2つ以上の誘電体層を備えた3つ以上のプレートを含む多層誘電材料では、直列キャパシタを形成することができる。かかる直列キャパシタの静電容量(C)は、式2によって計算することができる。
1/C直列=(1/C1)+(1/C2)…(1/Cn)(式2)
【0030】
図2Aは、例示的な静電容量センサ2の概略斜視図である。
図2Bは、
図2Aに示される側に対して反対側から見たときの静電容量センサ2の概略斜視図である。
図2Cは、
図2A及び2Bの静電容量センサ2の一部分の側面図である。
図2Dは、プランジャロッドを備えた
図2A及び2Bの静電容量センサ2の一部分の側断面図である。
図2Eは、
図2Cに示される静電容量センサ2の一部分の側断面図である。
図2Fは、
図2Dに示される静電容量センサ2の一部分の側断面図である。
【0031】
静電容量センサ2は、薬物などの物質18を送達するために使用される容器16(バイアル又はシリンジなど)に沿って位置決めされた2つの電極(第1の電極12及び第2の電極14)を含むことができる。容器の一部分16は、
図2C及び2Dの静電容量センサ2の内部構成要素を示すために透明である。例えば、電極12、14は、容器16の外面16a(例えば、外壁)に沿って長手方向に延在することができ、また、容器16の反対側に沿って位置決めすることができ、容器16の周りにキャパシタを形成する。2つの電極12、14間の静電容量は、容器16内に残留する物質18(薬物)の量に基づいて変動するので、静電容量測定は、残留する薬物の量に直接相関する。適合電極シールドは、静電容量センサ2に近接したノイズ源による外部干渉を防止又は除去する。2つの電極12、14は、容器16(例えば、バイアル又はシリンジ)内に電界を作成することができる。シリンジ、及び容器16の内容物は、電極12、14間の誘電体としての役割を果たすことができる。例えば、容器16が物質18を含まない場合は、空気が容器16内に存在し得る。物質18は、プランジャロッド20によって容器16から押し出すことができる。回路を静電容量センサ2に接続して、容器16内の物質18の量(例えば、体積又は質量)を測定することができる。
【0032】
図3~5Cは、一実施形態による静電容量センサモジュール3の様々な図を例示する。
図3は、センサモジュール3の概略斜視図である。
図4Aは、センサモジュール3の概略上面図である。
図4Bは、センサモジュール3の概略側断面図である。
図5Aは、センサモジュール3の概略側面図である。
図5Bは、
図5Aに示されるセンサモジュールの一部分の拡大図である。
図5Cは、センサモジュール3の一方の端部から見たときのセンサモジュール3の平面図である。
図5Dは、ハウジング本体34のないセンサモジュール3の概略側断面図である。
図6A~6Dは、センサモジュール3を製造する製造プロセスの様々なステップを例示する。
【0033】
静電容量センサモジュール3は、容器26(バイアル又はシリンジなど)内の物質18(例えば、薬物などの液体)の量を測定するように構成することができる。示されるように、センサモジュール3は、センサモジュール3の動作構成において物質18が配設される容器26を受容するようにサイズ決定及び成形されたキャビティ30の周りに配設された、ハウジング本体34を備えることができる。センサモジュール3が動作構成でないときには、物質18が容器26内に配設され得ず、容器26は、空であり得る(例えば、空気が充填されている)。物質18は、プランジャロッド20によって容器16から押し出すことができる。第1の電極32は、ハウジング本体34に結合すること、又はそれとともに形成することができる。第1の電極32は、ハウジング本体34の第1の周縁(例えば、円周方向)位置36に配設することができる。第2の電極38は、ハウジング本体34に結合すること、又はそれとともに形成することができる。第2の電極38は、第1の周縁位置36に対向する、ハウジング本体34の第2の周縁(例えば、円周方向)位置40に配設することができる。第1の電極32及び第2の電極38のうちの少なくとも1つは、90°未満の角度を有するキャビティ30の周りの円弧で延在し得る。キャビティ30の周りの円弧は、45°~75°の範囲の角度を有することができる。
【0034】
キャビティ30(及び容器26)は、ハウジング本体34の動作構成において第1の電極32と第2の電極38との間に配設することができる。動作構成において、容器26は、キャビティ30に配設及び固定することができ、第1の電極32及び第2の電極38並びに容器26は、キャパシタを形成することができる。センサモジュール3は、第1及び第2の電極間の静電容量を測定するように構成された回路(図示せず)を更に含むことができる。測定された静電容量は、容器26内の物質18の量と相関させることができる。
【0035】
センサモジュール3は、ハウジング本体34に結合された少なくとも1つの基板44を含むことができる。基板44は、絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された、可撓性パッケージ基板などの導電層を有するパッケージ基板を備えることができる(
図5Dを参照されたい)。例示される実施形態では、少なくとも1つの基板は、複数のパターン化されたセグメントを有する単一の基板だけを備えている。他の実施形態では、少なくとも1つの基板は、一緒に接続された複数の基板を備えることができる。少なくとも1つの基板44は、第1の電極32と、第2の電極38と、を含むことができ、これらは、基板44の絶縁材料に少なくとも部分的に埋設することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの基板44は、コネクタ部分45を備えることができる。コネクタ部分45は、センサモジュール3と外部デバイス又は基板との間に電気通信を提供するように構成された複数の接点を備えることができる。例えば、複数の接点としては、入力/出力接点を挙げることができる。
【0036】
少なくとも1つの基板44は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)などのポリマー又はプラスチックを含み得るハウジング本体34の内面35にインサート成形することができる。結果として生じる成形構造体は、少なくとも1つの基板44がハウジング本体34の内面35に接触して、機械的に取り付けられるように形成することができる。例示される実施形態では、少なくとも1つの基板44は、第1の電極32を備えている第1のセグメント44aと、第2の電極38を備えている第2のセグメント44bと、を含むことができる。第1のセグメント44aは、容器26の外面26aの周りに配設されるように曲げる又は湾曲させることができる。第2のセグメント44bは、センサモジュール3の動作構成において第1のセグメント44aに対向する場所で容器26の外面26aの周りに配設されるように曲げる又は湾曲させることができる。例示される実施形態では、基板44の第1のセグメント44a及び第2のセグメント44bは、略円形である湾曲プロファイルに変形させることができる。他の実施形態では、湾曲プロファイルは、楕円形とすることができ、又は別様に湾曲セクションを含むことができる。更に他の実施形態では、例えば、容器26が多角形(例えば、長方形など)の断面である実施形態では、第1のセグメント44a及び第2のセグメント44bは、容器26の角度付き外面26aに適合するように曲げることができる。例示される実施形態では、基板44は、絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された1つ以上の導体を含む可撓性基板を備えることができる。
【0037】
図5Dを参照すると、少なくとも1つの基板44は、絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された複数のパターン化された導電層を備えることができる。絶縁材料は、1つの絶縁層又は複数の絶縁層を構成することができる。複数のパターン化された導電層は、少なくとも1つの基板の半径方向内側部分に第1の層を含むことができる。第1の層は、第1の電極32と、第2の電極38と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の層は、少なくとも1つの基板44の半径方向内面に露出させることができ、また、容器26の外面26aに直接接触するように構成することができる。複数のパターン化された導電層は、第1の層から半径方向外向きに配設された第2の層を更に含むことができる。第2の層は、互いに半径方向に対向して配設された第1のドリブン(被駆動)シールド46及び第2のドリブン(被駆動)シールド48を含むことができる。複数のパターン化された導電層は、第2の層から半径方向外向きに配設された第3の層を含むことができる。第3の層は、互いに半径方向に対向して配設された第1の外側シールド50及び第2の外側シールド52を含むことができる。
【0038】
図6Bに示されるように、少なくとも1つの基板44は、第1のセグメント44aと第2のセグメント44bとの間に延在するヒンジセグメント44cを含むことができる。ヒンジセグメント44cは、動作構成と、容器26をセンサモジュール3に装填又はそこから搬出することができるセンサモジュール3の装填構成との間で回転可能であり得る。ハウジング本体34は、第1のセグメント44aに結合された、又はそれとともに形成された第1の角度付き又は湾曲セクション34aと、第2のセグメント44bに結合された、又はそれとともに形成された第2の角度付き又は湾曲セクション34bと、を含むことができる。
【0039】
ばねラッチ機構54は、ハウジング本体34の第1のセクション34a及び第2のセクション34bを取り外し可能に接続することができる。示されるように、例えば、
図5Bでは、ばねラッチ機構54は、ヒンジセグメント44cに対向して周縁に(例えば、円周方向に)配設することができる。ばねラッチ機構54は、動作構成においてハウジング本体34の第1のセクション34a及び第2のセクション34bを取り外し可能に結合して、容器26をキャビティ30内に固定するためのラッチとしての役割を果たすことができる。ばねラッチ機構54は、動作構成において第1の電極32及び第2の電極38を容器26に接触させるように付勢することができる。いくつかの実施形態では、ばねラッチ機構54は、半径方向に付勢することができる。いくつかの実施形態では、ばねラッチ機構54は、代替的又は追加的に、円周方向に付勢することができる。ハウジング本体34の順応性を提供し、かつ動作構成において電極32、38を容器26に固定するために、他のタイプのばね機構を使用することができる。
【0040】
ばねラッチ機構54は、ハウジング本体34内に、又はそれとともに形成された1つ又は複数のラッチ54a(例えば、2つ、3つ、又はそれ以上のラッチ)を備えることができる。ラッチ54aは、ハウジング本体34から延在し、かつそれとともに形成することができる突起を備えることができる。ラッチ54aは、動作構成においてハウジング本体34を容器26に強固に固定するためにばね様の力を提供する、蛇行形状又は他のプロファイルを備えることができる。ハウジング本体34の第1のセクション34a及び第2のセクション34bはそれぞれ、ラッチ54aの相補形状部分を含むことができ、それにより、相補形状部分は、動作構成において、協働して第1のセクション34a及び第2のセクション34bを一緒に固定することができる。有益には、ラッチ54aは、様々な直径を有する容器に対応するように可撓性とすることができるが、第1の電極32及び第2の電極38を内向きに押圧するように弾性ばね力を及ぼすことができ、それにより、第1の電極32及び第2の電極38は、動作構成において容器26の外壁26aとの接触を維持し、これは、静電容量測定の精度を向上させることができる。ラッチ54aは、ハウジング本体34の透明窓68を画定するように、ハウジング本体34の長さに沿って離間させることができる。透明窓68は、ユーザが、容器26内の物質18を視認することを可能にすることができる。ラッチ54aは、使用後にラッチ係合解除して、センサモジュール3を装填構成にすることができ、容器26をセンサモジュール3から取り外すことができる。別の容器がハウジング本体34に装填され得るか、又は容器26に物質18を再充填することができ、動作構成での更なる測定値のために、ラッチ54aを再ラッチ係合させることができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、センサモジュール3を製造する製造プロセスは、
図6Aに示されるように、少なくとも1つの基板44を提供することから開始することができる。少なくとも1つの基板44は、第1のセグメント44aと、第2のセグメント44bと、ヒンジセグメント44cと、を備えることができる。少なくとも1つの基板44は、絶縁材料に少なくとも部分的に埋設された導電層を有する、可撓性パッケージ基板を備えることができる。
【0042】
図6Bで、少なくとも1つの基板44を、ハウジング本体34の内面35にインサート成形することができる。少なくとも1つの基板44の第1のセグメント44a及び第2のセグメント44bは、ハウジング本体34の第1のセクション44a及び第2のセクション34bにそれぞれ配設することができる。第1のセクション44a及び第2のセクション34bは、ヒンジセグメント44cを通して結合することができる。少なくとも1つの基板44は、ハウジング本体34の形状に少なくとも部分的に適合させることができる。
【0043】
図6Cで、少なくとも1つの基板44のヒンジセグメント44cを曲げて、第2のセクション34bを第1のセクション44aの上に移動させ、それによって、第1のセクション44aと第2のセクション44bとの間にキャビティ30を画定することができる。ばねラッチ機構54は、ハウジング本体34の第1のセクション34a及び第2のセクション34bを接続することができる。ばねラッチ機構54は、ハウジング本体34の第1のセクション34a及び第2のセクション34bを取り外し可能に結合するためのラッチとしての役割を果たすことができる。
【0044】
図6Dで、その中に物質(例えば、薬物)を含む容器26(バイアル又はシリンジなど)を提供することができる。ハウジング本体34によって少なくとも部分的に画定されるキャビティ30は、センサモジュール3の動作構成において容器26を受容することができる。いくつかの実施形態では、容器26内の物質は、ばねラッチ機構54のラッチ54aの間に提供された窓を通して調べることができる。
【0045】
特定の実施形態及び実施例の文脈において開示されているが、本発明は、具体的に開示された実施形態を超えて他の代替の実施形態及び/又は使用法、並びにそれらの明らかな修正例及び均等物に及ぶことが当業者によって理解されるであろう。加えて、いくつかの変形例が詳細に図示及び説明されているが、本開示に基づいて、本開示の範囲内にある他の修正例が当業者に容易に明らかになるであろう。また、実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ又は部分的組み合わせが行われ得るが、それでも本開示の範囲内に含まれることができることも想到される。開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、互いに組み合わせて、又は置き換えて、開示された発明の様々な様式を形成できることが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示された本発明の範囲は、上述した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではなく、以降の態様を公平に読むことによってだけ決定されるべきであることを意図するものである。
【国際調査報告】