(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-07
(54)【発明の名称】ニコチン酸誘導体を製造するための方法
(51)【国際特許分類】
C07D 309/28 20060101AFI20231030BHJP
C07D 213/80 20060101ALI20231030BHJP
C07D 213/803 20060101ALI20231030BHJP
C07D 309/30 20060101ALI20231030BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20231030BHJP
【FI】
C07D309/28 CSP
C07D213/80
C07D213/803
C07D309/30 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524809
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-20
(86)【国際出願番号】 US2021056198
(87)【国際公開番号】W WO2022087373
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517013128
【氏名又は名称】ヴァーテラス ホールディングス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ラミア・ムルガン
(72)【発明者】
【氏名】コリン・スミス
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー・ダブリュー・サープ-テイラー
【テーマコード(参考)】
4C055
4H039
【Fターム(参考)】
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA13
4C055CA02
4C055CA03
4C055CA06
4C055CA33
4C055DA01
4C055FA20
4C055FA34
4H039CA42
4H039CC10
(57)【要約】
本開示は、化学分野、例えば医薬品又は農薬の製造に有用である、ニコチン酸誘導体を調製する方法に関する。特に、本開示は、特定のニコチン酸誘導体を調製するための新規な方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルであり;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物。
【請求項2】
R
1が、メチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
R
4が、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
R
3が、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
R
2が、メチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルである、請求項3に記載の化合物。
【請求項6】
【化2】
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
式:
【化3】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を調製する方法であって、
i.式:
【化4】
(式中、R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を、式:
【化5】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルである)
の化合物と塩基の存在下で接触させて、式:
【化6】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルであり;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程
を含む方法。
【請求項8】
式:
【化7】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を調製する方法であって、
ii.式:
【化8】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルであり;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を、酸化剤及び添加剤と接触させて、式:
【化9】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルであり;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程
を含む方法。
【請求項9】
式:
【化10】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を調製する方法であって、
i.式:
【化11】
(式中、R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を、式:
【化12】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルである)
の化合物と塩基の存在下で接触させて、式:
【化13】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルであり;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程;並びに
ii.工程(i)で調製した式:
【化14】
の化合物を、酸化剤及び添加剤と接触させて、式:
【化15】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルであり;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程
を含む方法。
【請求項10】
iii.式:
【化16】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
2はC
1~C
8アルキルであり;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を、塩基と接触させて、式:
【化17】
(式中、
R
1はC
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R
3及びR
4はそれぞれ独立してH、重水素、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル及びC
6~C
10アリールからなる群から選択され、C
1~C
8アルキル、C
2~C
8アルケニル、C
2~C
8アルキニル又はC
6~C
10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC
1~C
8アルキル、-N(C
1~C
8アルキル)
2又は-SC
1~C
8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程
を更に含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
工程(i)の塩基が、有機塩基である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
工程(i)の塩基が、アミン塩基である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(i)の塩基が、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N,N',N'-テトラメチル-1,8-ナフタレンジアミン、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノナ-5-エン(DBN)及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジンからなる群から選択される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程(i)が、アルコール溶媒の存在下で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
工程(i)の有機溶媒が、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
工程(i)が、約0℃~約25℃の温度でのトリフルオロアセト酢酸エチルへのアクロレインの添加によって行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
工程(ii)の酸化剤が、金属触媒の存在下でのO
2である、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
金属触媒が、酢酸銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、酢酸マンガン(II)、酢酸銅(II)、塩化銅(II)、酸化銅(II)及び酢酸鉄(III)からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
工程(ii)の添加剤が、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。
【請求項20】
工程(ii)が、アルコール溶媒中で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項21】
工程(ii)の有機溶媒が、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
工程(ii)が、約60℃~約280℃で行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項23】
工程(iii)の塩基が、無機塩基である、請求項10に記載の方法。
【請求項24】
工程(iii)の塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
R
1が、メチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルである、請求項10に記載の方法。
【請求項26】
R
4が、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
R
3が、H、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
R
2が、メチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
2-トリフルオロメチルニコチン酸を調製する方法であって、
i.1種以上の4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸エステルを、アクロレインと塩基の存在下で接触させて、式:
【化18】
(式中、R
2はC
1~C
8アルキルである)
の化合物を得る工程
を含む方法。
【請求項30】
2-トリフルオロメチルニコチン酸を調製する方法であって、
ii.式:
【化19】
(式中、R
2はC
1~C
8アルキルである)
の化合物を、酸化剤及び任意に添加剤と接触させて、1種以上の2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルを得る工程
を含む方法。
【請求項31】
2-トリフルオロメチルニコチン酸を調製する方法であって、
i.1種以上の4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸エステルを、アクロレインと塩基の存在下で接触させて、式:
【化20】
(式中、R
2はC
1~C
8アルキルである)
の化合物を得る工程;並びに
ii.式:
【化21】
(式中、R
2はC
1~C
8アルキルである)
の化合物を、酸化剤及び任意に添加剤と接触させて、1種以上の2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルを得る工程
を含む方法。
【請求項32】
iii.1種以上の2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルを塩基と接触させて、2-トリフルオロメチルニコチン酸を得る工程
を更に含む、請求項29~31のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
工程(i)の塩基が、有機塩基である、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
工程(i)の塩基が、アミン塩基である、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
工程(i)の塩基が、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N,N',N'-テトラメチル-1,8-ナフタレンジアミン、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノナ-5-エン(DBN)及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジンからなる群から選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
工程(i)が、アルコール溶媒の存在下で行われる、請求項32に記載の方法。
【請求項37】
工程(i)の有機溶媒が、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
工程(i)が、約0℃~約25℃の温度でのトリフルオロアセト酢酸エチルへのアクロレインの添加によって行われる、請求項32に記載の方法。
【請求項39】
工程(ii)の酸化剤が、金属触媒の存在下でのO
2である、請求項32に記載の方法。
【請求項40】
金属触媒が、酢酸銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、酢酸マンガン(II)、酢酸銅(II)、塩化銅(II)、酸化銅(II)、酢酸鉄(III)からなる群から選択される、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
工程(ii)の添加剤が、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項42】
工程(ii)が、アルコール溶媒中で行われる、請求項32に記載の方法。
【請求項43】
工程(ii)の有機溶媒が、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
工程(ii)が、約60℃~約280℃で行われる、請求項32に記載の方法。
【請求項45】
工程(iii)の塩基が、無機塩基である、請求項32に記載の方法。
【請求項46】
工程(iii)の塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される、請求項45に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、2020年10月23日に出願した米国仮特許出願第63/104,954号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、化学分野、例えば医薬製品又は農薬の製造に有用である、ニコチン酸誘導体を調製する方法に関する。特に、本開示は、ある特定のニコチン酸誘導体を調製する新規な方法に関する。
【背景技術】
【0003】
医薬製品及び農薬製品の製造は、複雑で規制の厳しい産業分野である。医薬製品及び農薬製品の製造において考慮される多くの考察事項の一つは、例えば原料出発物質のコスト、中間体及び製品の加工コスト、化学合成の効率、精製及び取扱いの容易性等の側面である。医薬製品及び農薬製品の製造に影響を及ぼす多くの力により、製造業者は、化学合成方法及び中間体を最適化するためにかなりの資源を消費する。
【0004】
例えば、2-トリフルオロメチルニコチン酸及びそのカルボン酸誘導体、例えばエステル、ニトリル及びアミドは、医薬製品の中間体と農薬製品の中間体の両方として用いられている。例えば、2-トリフルオロメチルニコチン酸は、殺真菌剤の調製において中間体として用いられている(Shigehara, I.;Nakajima, T.;Nishide, H.;Tanimura, T.、JP03081263A(1991年4月5日)を参照のこと);2-トリフルオロメチルニコチン酸から製造される複素環式カルボキサミドも殺真菌剤として用いられている(Mansfield, D. J.;Rieck, H.;Geul, J. N.等、EP1449841A1(2004年8月25日)を参照のこと);2-トリフルオロメチルニコチン酸及びアニリン誘導体を用いて製造されるヘテロアリールカルボキサミドも殺真菌剤として用いられている(Gewehr, M.;Dietz, J.;Grote, T.等、WO2006097490A1(2006年9月21日)を参照のこと);2-トリフルオロメチルニコチン酸は、医薬品業界において神経系障害、例えばパーキンソン病の処置に用いられる合成COMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)阻害剤の中間体として用いられている(Learmonth、D.;Kiss, L.;Leal Palma, P.等、WO2007013830A1(2007)を参照のこと);2-トリフルオロメチルニコチン酸アミド誘導体は、線虫に対して用いられる農薬製品の合成に用いられている(Loiseleur, O.;Jeanguenat, A.;Mondleve, R. J. G.、WO2015004091A1(2015年1月15日)を参照のこと);2-トリフルオロメチルニコチン酸は、農薬業界において除草剤としての使用のためのピリドピリジン及びピリミジノピリジンの合成に用いられている(Carter, N. B.等、WO2017162522A1(2017年9月28日);WO2017162521A1(2017年9月28日);WO2017162524A1(2017年9月28日)を参照のこと)。
【0005】
2-トリフルオロメチルニコチン酸から誘導されるアミドの除草剤使用が報告されている(Xu, l.、CN108623518A(2018年10月9日)を参照のこと)。殺虫剤として用いられる最終農薬製品の合成における2-トリフルオロメチルニコチン酸の使用も報告されている。活性化合物は、2-トリフルオロメチルニコチン酸のアミド誘導体の窒素置換基に他の複素環を有する(Decor, A.;Lishchynskyi, A.等、WO2018108791A(2018年6月21日);Decor, A.;Fischer, R.等、WO2019105875A1(2019年6月6日)を参照のこと)。殺線虫剤又は殺真菌剤としての2-トリフルオロメチルニコチン酸のN-置換アミドの使用も報告されている。N-置換基はまた、2,4-ジクロロフェニル基と共に4員環を有する。(Hone, I.;Jones, I. K.、WO2019158476A1(2019年8月22日))。
【0006】
様々な方法が、ニコチン酸誘導体を調製するために用いられている。例えば、2-トリフルオロメチルニコチン酸の調製は、環合成とピリジン環の化学的変換の両方を用いて実現されている。ピリジン環の化学的変換に関連する一つの問題は、CF3基の導入であった。このために、様々な試薬が用いられており、通常ハロゲンの置き換えを含む。この変換の例証的な選択肢は、以下のように逆合成のホイール図(retrosynthetic wheel diagram)に示される。
【0007】
【0008】
2-クロロニコチン酸から出発し、塩素原子をCF3アニオンで置き換える方法は、2-トリフルオロメチルニコチン酸の合成に用いられている。トリフルオロメチルアニオンは、ヨードトリフルオロメタン及び銅を用いて生成されている(Shigehara, I.;Nakajima, T.;Nishide, H.;Tanimura, T.、JP03081263A(1991年4月5日)を参照のこと)。
【0009】
塩基としてリチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジンを用いてCF3Cu及び2-クロロピリジンを用いて製造した2-トリフルオロメチルピリジンから出発し、続いて二酸化炭素で失活する代替法も2-トリフルオロメチルニコチン酸を調製するために用いられている。この方法では、4-異性体である2-トリフルオロメチルイソニコチン酸の形成が、副産物として観察されている(Taylor, R.T.、Reagents for Organic Synthesis、2001)。
【0010】
2-トリフルオロメチルニコチン酸はまた、出発物質として2-クロロ-3-トリメチルシリルピリジン及び移動試薬として試薬であるCF3SiMe3を用いて合成されている(Cottet, F.等、European Journal of Organic Chemistry、1559、2003)。
【0011】
代替的には、マグネシウムと接触させ、続いて二酸化炭素で失活することによる2-トリフルオロメチル-3-ブロモピリジンからのグリニャール試薬の形成が、2-トリフルオロメチルニコチン酸の合成に用いられている(Didiuk, M.T.等、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、19, 4555、2009)。
【0012】
生成物である2-トリフルオロメチルニコチン酸はまた、2,3-ジブロモピリジン又は2-ヨード-3-ブロモピリジンのいずれか及び試薬であるCF3SiMe3から出発して合成されている(Li, B.等、Synlett、2133、2010)。
【0013】
2-トリフルオロメチルニコチン酸の合成について、2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルの加水分解も報告されている(Sharma, S.;Dhaka, P.;Jangid, D.;Kumar, K.;Anand, R.、インド特許出願第201611032457号(2018年3月28日);WO2018055640(2018年3月29日))。
【0014】
一方は環変換に対応し、他方は環合成に対応する方式2つを比較し、以下に示す。
【0015】
【0016】
例えば、報告された環変換方式は、高価な出発物質である2-クロロニコチン酸から出発し、トリフルオロメチルアニオンを用いた塩素原子の求核置換が実施される。トリフルオロメチルアニオンの生成は、化学量論量の塩基であるカリウムt-ブトキシド及び塩化銅を用いてフルオロホルムから行われている(Lishchynskyi, A.;Novikov, M. A.;Martin, E.;Escudero-Adan, E. C.;Novak, P.;Grushin, V. V.、Journal of Organic Chemistry 78、11126、2013)。
【0017】
環合成の場合、トリフルオロ酢酸誘導体は、ピリジン環にCF3基を導入するために用いられている。一つの報告された環合成方式では、ビルスマイヤー反応が、ビニルブチルエーテルに行われて、1,3-ジホルミルプロパン等価化合物を製造し、次いでこれをトリフルオロアセト酢酸エステル化合物と反応させて、5炭素鎖中間体を形成する。この5炭素中間体は、アンモニアの存在下で環化されて、最終生成物である2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルを形成する(Kiss, L. E.;Ferreira, H. S.;Learmonth、D. A.、Organic Letters 10、1835、2008)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】JP03081263A
【特許文献2】EP1449841A1
【特許文献3】WO2006097490A1
【特許文献4】WO2007013830A1
【特許文献5】WO2015004091A1
【特許文献6】WO2017162522A1
【特許文献7】WO2017162521A1
【特許文献8】WO2017162524A1
【特許文献9】CN108623518A
【特許文献10】WO2018108791A
【特許文献11】WO2019105875A1
【特許文献12】WO2019158476A1
【特許文献13】JP03081263A
【特許文献14】インド特許出願第201611032457号
【特許文献15】WO2018055640
【非特許文献】
【0019】
【非特許文献1】Taylor, R.T.、Reagents for Organic Synthesis、2001
【非特許文献2】Cottet, F.等、European Journal of Organic Chemistry、1559、2003
【非特許文献3】Didiuk, M.T.等、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、19, 4555、2009
【非特許文献4】Li, B.等、Synlett、2133、2010
【非特許文献5】Lishchynskyi, A.;Novikov, M. A.;Martin, E.;Escudero-Adan, E. C.;Novak, P.;Grushin, V. V.、Journal of Organic Chemistry 78、11126、2013
【非特許文献6】Kiss, L. E.;Ferreira, H. S.;Learmonth、D. A.、Organic Letters 10、1835、2008
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
ニコチン酸誘導体、例えば2-トリフルオロメチルニコチン酸を製造するための報告された合成方法は、医薬製品及び農薬製品の製造に必要とされる工業的に意味のある大量製造方法とするには不経済であり、且つ/又は過度の廃棄物を発生させる。したがって、ニコチン酸誘導体、例えば2-トリフルオロメチルニコチン酸の調製に使用するための改善された方法及び中間体が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0021】
一態様では、本開示は、化学製品、例えば医薬品及び農薬の調製における中間体として有用な式V:
【0022】
【0023】
(式中、R1、R3及びR4はそれぞれ本明細書に定義する通りである)
のニコチン酸誘導体を調製する方法を提供する。
【0024】
別の態様では、本開示は、式III:
【0025】
【0026】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を提供する。
【0027】
別の態様では、本開示は、式III:
【0028】
【0029】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を調製する方法であって、
式I:
【0030】
【0031】
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を式II:
【0032】
【0033】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルである)
の化合物と塩基の存在下で接触させることを含む方法を提供する。
【0034】
別の態様では、本開示は、式V:
【0035】
【0036】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
のニコチン酸誘導体を調製する方法であって、
i.式I:
【0037】
【0038】
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を式II:
【0039】
【0040】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルである)
の化合物と塩基の存在下で接触させて、式III:
【0041】
【0042】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程;並びに/又は
ii.式III:
【0043】
【0044】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を酸化剤及び添加剤と接触させて、式IV:
【0045】
【0046】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程を含み;任意に
iii.式IV:
【0047】
【0048】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を塩基と接触させて、式V:
【0049】
【0050】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程を更に含んでもよい、方法を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0051】
開示の追加の実施形態、特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び開示の実施から明らかであろう。本開示の化合物は、以下の列挙された条項のいずれかにおいて、実施形態として記載され得る。本明細書に記載される実施形態のいずれも、実施形態が互いに矛盾しない限り、本明細書に記載される任意の他の実施形態と関連して使用できることが理解されるであろう。
【0052】
1.式:
【0053】
【0054】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物。
【0055】
2.R1がメチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルである、条項1に記載の化合物。
【0056】
3.R4がH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、条項1又は2に記載の化合物。
【0057】
4.R3がH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、前記条項のいずれか1条項に記載の化合物。
【0058】
5.R2がメチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルである、前記条項のいずれか1条項に記載の化合物。
【0059】
6.
【0060】
【0061】
からなる群から選択される、前記条項のいずれか1条項に記載の化合物。
【0062】
7.式:
【0063】
【0064】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を調製する方法であって、
i.式:
【0065】
【0066】
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を式:
【0067】
【0068】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルである)
の化合物と塩基の存在下で接触させて、式:
【0069】
【0070】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程を含む方法。
【0071】
8.式:
【0072】
【0073】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を調製する方法であって、
ii.式:
【0074】
【0075】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を酸化剤及び添加剤と接触させて、式:
【0076】
【0077】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程を含む方法。
【0078】
9.式:
【0079】
【0080】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を調製する方法であって、
i.式:
【0081】
【0082】
(式中、R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を式:
【0083】
【0084】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルである)
の化合物と塩基の存在下で接触させて、式:
【0085】
【0086】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程;並びに
ii.工程(i)で調製した式:
【0087】
【0088】
の化合物を酸化剤及び添加剤と接触させて、式:
【0089】
【0090】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程を含む方法。
【0091】
10.iii.式:
【0092】
【0093】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を塩基と接触させて、式:
【0094】
【0095】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る工程を更に含む、条項7~9のいずれか1条項に記載の方法。
【0096】
11.工程(i)の塩基が有機塩基である、条項7~10のいずれか1条項に記載の方法。
【0097】
12.工程(i)の塩基がアミン塩基である、条項7~11のいずれか1条項に記載の方法。
【0098】
13.工程(i)の塩基がトリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N,N',N'-テトラメチル-1,8-ナフタレンジアミン、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノナ-5-エン(DBN)及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジンからなる群から選択される、条項7~12のいずれか1条項に記載の方法。
【0099】
14.工程(i)がアルコール溶媒の存在下で行われる、条項7~13のいずれか1条項に記載の方法。
【0100】
15.工程(i)の有機溶媒がメタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、条項14に記載の方法。
【0101】
16.工程(i)が約0℃~約25℃の温度でのトリフルオロアセト酢酸エチルへのアクロレインの添加によって行われる、条項7~15のいずれか1条項に記載の方法。
【0102】
17.工程(ii)の酸化剤が、金属触媒の存在下でのO2である、条項7~16のいずれか1条項に記載の方法。
【0103】
18.金属触媒が、酢酸銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、酢酸マンガン(II)、酢酸銅(II)、塩化銅(II)、酸化銅(II)及び酢酸鉄(III)からなる群から選択される、条項17に記載の方法。
【0104】
19.工程(ii)の添加剤が、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群から選択される、条項7~18のいずれか1条項に記載の方法。
【0105】
20.工程(ii)が、アルコール溶媒中で行われる、条項7~19のいずれか1条項に記載の方法。
【0106】
21.工程(ii)の有機溶媒が、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、条項20に記載の方法。
【0107】
22.工程(ii)が、約60℃~約280℃で行われる、条項7~21のいずれか1条項に記載の方法。
【0108】
23.工程(iii)の塩基が、無機塩基である、条項7~22のいずれか1条項に記載の方法。
【0109】
24.工程(iii)の塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される、条項23に記載の方法。
【0110】
25.R1がメチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルである、条項7~24のいずれか1条項に記載の方法。
【0111】
26.R4がH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、条項7~25のいずれか1条項に記載の方法。
【0112】
27.R3がH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである、条項7~26のいずれか1条項に記載の方法。
【0113】
28.R2がメチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルである、条項7~27のいずれか1条項に記載の方法。
【0114】
29.2-トリフルオロメチルニコチン酸を調製する方法であって、
i.1種以上の4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸エステルをアクロレインと塩基の存在下で接触させて式:
【0115】
【0116】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
の化合物を得る工程を含む方法。
【0117】
30.2-トリフルオロメチルニコチン酸を調製する方法であって、
ii.式:
【0118】
【0119】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
の化合物を酸化剤及び任意に添加剤と接触させて、1種以上の2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルを得る工程を含む方法。
【0120】
31.2-トリフルオロメチルニコチン酸を調製する方法であって、
i.1種以上の4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸エステルをアクロレインと塩基の存在下で接触させて、式:
【化35】
(式中、R
2はC
1~C
8アルキルである)
の化合物を得る工程;並びに
ii.式:
【0121】
【0122】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
の化合物を酸化剤及び任意に添加剤と接触させて、1種以上の2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルを得る工程を含む方法。
【0123】
32.iii.1種以上の2-トリフルオロメチルニコチン酸エステルを塩基と接触させて、2-トリフルオロメチルニコチン酸を得る工程を更に含む、条項29~31のいずれか1条項に記載の方法。
【0124】
33.工程(i)の塩基が有機塩基である、条項29~32のいずれか1条項に記載の方法。
【0125】
34.工程(i)の塩基がアミン塩基である、条項29~33のいずれか1条項に記載の方法。
【0126】
35.工程(i)の塩基がトリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N,N',N'-テトラメチル-1,8-ナフタレンジアミン、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノナ-5-エン(DBN)及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジンからなる群から選択される、条項29~34のいずれか1条項に記載の方法。
【0127】
36.工程(i)がアルコール溶媒の存在下で行われる、条項29~35のいずれか1条項に記載の方法。
【0128】
37.工程(i)の有機溶媒がメタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、条項36に記載の方法。
【0129】
38.工程(i)が約0℃~約25℃の温度でのトリフルオロアセト酢酸エチルへのアクロレインの添加によって行われる、条項29~37のいずれか1条項に記載の方法。
【0130】
39.工程(ii)の酸化剤が、金属触媒の存在下でのO2である、条項29~38のいずれか1条項に記載の方法。
【0131】
40.金属触媒が、酢酸銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、酢酸マンガン(II)、酢酸銅(II)、塩化銅(II)、酸化銅(II)、酢酸鉄(III)からなる群から選択される、条項39に記載の方法。
【0132】
41.工程(ii)の添加剤が、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムからなる群から選択される、条項29~40のいずれか1条項に記載の方法。
【0133】
42.工程(ii)が、アルコール溶媒中で行われる、条項29~41のいずれか1条項に記載の方法。
【0134】
43.工程(ii)の有機溶媒が、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールからなる群から選択される、条項42に記載の方法。
【0135】
44.工程(ii)が、約60℃~約280℃で行われる、条項29~43のいずれか1条項に記載の方法。
【0136】
45.工程(iii)の塩基が、無機塩基である、条項29~44のいずれか1条項に記載の方法。
【0137】
46.工程(iii)の塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム及び水酸化マグネシウムからなる群から選択される、条項45に記載の方法。
【0138】
定義
本明細書で使用する用語「アルキル」は、任意に分岐していてもよい、1~20個の炭素原子、又は代替範囲、例えば1~8個の炭素若しくは1~6個の炭素等を含有する炭素原子の鎖を含む。例示的なアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル及びtert-ブチルが挙げられるが、これらに限定されない。アルキル基は、本明細書に記載されるように置換されていなくても、置換されていてもよいことが理解される。アルキル基は、このような置換基の1つ以上を含む、本明細書に記載される様々な実施形態の置換基のいずれかで置換されていてもよい。
【0139】
本明細書で使用する用語「アルケニル」は、任意に分岐していてもよい、2~20個の炭素原子、又は代替範囲、例えば2~8個の炭素若しくは2~6個の炭素等、及び1つ以上の炭素-炭素二重結合(π結合としても知られる)を含有する炭素原子鎖を含む。例示的なアルケニル基としては、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、イソブテニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルケニル基は、本明細書に記載されるように置換されていなくても、置換されていてもよいことが理解される。アルケニル基は、このような置換基の1つ以上を含む、本明細書に記載される様々な実施形態の置換基のいずれかで置換されていてもよい。
【0140】
本明細書で使用する用語「アルキニル」は、任意に分岐していてもよい、2~20個の炭素原子、又は代替範囲、例えば2~8個の炭素若しくは2~6個の炭素等、及び1つ以上の炭素-炭素三重結合を含有する炭素原子の鎖を含む。例示的なアルキニル基としては、アセチレニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニル、1-ペンチニル、2-ペンチニル等が挙げられるが、これらに限定されない。アルキニル基は、本明細書に記載されるように置換されていなくても、置換されていてもよいことが理解される。アルキニル基は、このような置換基の1つ以上を含む、本明細書に記載される様々な実施形態の置換基のいずれかで置換されていてもよい。
【0141】
本明細書で使用する用語「アリール」は、6~14個の炭素原子(C6~C14アリール)、又は代替的に6~10個の炭素原子(C6~C10アリール)及び完全に共役したπ電子系を有する1価の、全炭素の単環式又は縮合環多環式基を指す。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル及びアントラセニルがあるが、これらに限定されない。アリール基は、本明細書に記載されるように置換されていなくても、置換されていてもよいことが理解される。アリール基は、このような置換基の1つ以上を含む、本明細書に記載される様々な実施形態の置換基のいずれかで置換されていてもよい。
【0142】
詳細な説明
本開示を更に記載する前に、記載の特定の実施形態に限定されず、このようなものとして当然ながら異なり得ることを理解されるべきである。本開示の範囲が添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、本明細書で使用する専門用語は、特定の実施形態のみを記載することを目的としており、限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。
【0143】
別段の定義がない限り、本明細書で使用する全ての技術及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で参照される全ての特許、出願、公開出願及び他の刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本節に示される定義が、参照により本明細書に組み込まれる特許、出願又は他の刊行物に示される定義に反するか、さもなければ一致しない場合、本節に示される定義が、参照により本明細書に組み込まれる定義より優先する。
【0144】
本明細書及び添付の特許請求の範囲で用いられる場合、別段文脈で明確に示されない限り、単数形「1つの(a、an)」及び「その(the)」は複数の指示対象を含む。特許請求の範囲は、いずれかの任意選択の要素を除外するように起草され得ることに更に留意されたい。このようなものとして、本記述は、特許請求の範囲の要素の列挙と関連して「単に(solely)」、「のみ(only)」等の排他的用語の使用、又は「否定的(negative)」限定の使用に対する先行詞としての機能を果たすことを意図するものである。
【0145】
代表的な実施形態
トリフルオロアセト酢酸塩誘導体、例えばトリフルオロアセト酢酸エチル及びビニルアルデヒド誘導体、例えばアクロレインから出発するニコチン酸誘導体、例えば2-トリフルオロメチルニコチン酸を合成する炭素効率の高い方式が本明細書に記載される。本明細書に記載される方法は、更なる変換によるニコチン酸誘導体の調製に有用である、新規なジヒドロピラン誘導体を提供する。本開示の方法によれば、ジヒドロピラン誘導体は、第2の工程において、酸化剤の存在下で窒素源添加剤、例えば酢酸アンモニウムと反応させることによってピリジンエステル誘導体に容易に変換される。最終的に、第3の工程において、ピリジンエステル誘導体のエステル加水分解は、標的生成物であるニコチン酸誘導体を生成するために温和な条件下で塩基を用いて実現される。本開示の方法は、スキームIに従って記載することができる。
【0146】
【0147】
本開示は、前項及び後項に記載の式Vの化合物を調製する方法であって、工程(i)並びに列挙された工程(ii)及び(iii)の1つ又は1つ超を含む方法を提供することが理解される。したがって、本開示は、工程(i)を含む、式Vの化合物を調製する方法を提供する。代替的には、本開示は、工程(i)及び(ii)を含む、式Vの化合物を調製する方法を提供する。代替的には、本開示は、工程(i)、(ii)及び(iii)を含む、式Vの化合物を調製する方法を提供する。代替的には、本開示は、工程(ii)を含む、式IIIの化合物を調製する方法を提供する。代替的には、本開示は、工程(i)及び(ii)を含む、式IVの化合物を調製する方法を提供する。
【0148】
工程(i)において、式I:
【0149】
【0150】
(式中、
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を、式II:
【0151】
【0152】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルである)
の化合物と塩基の存在下で接触させて、式III:
【0153】
【0154】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る。
【0155】
工程(i)において、塩基は任意の好適な塩基、例えば有機塩基又は無機塩基であってよい。一部の実施形態では、工程(i)の塩基は、有機塩基、例えばアミン塩基であってよい。好適なアミン塩基としては、トリエチルアミン(TEA)、トリブチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N,N',N'-テトラメチル-1,8-ナフタレンジアミン、1,8-ジアザビシクロウンデカ-7-エン(DBU)、1,5-ジアザビシクロ(4.3.0)ノナ-5-エン(DBN)及び2,6-ジ-tert-ブチルピリジンが挙げられるが、これらに限定されない。工程(i)は、任意選択の溶媒の存在下で行われてもよい。溶媒は、任意の好適な溶媒、例えば有機溶媒であってよい。一部の実施形態では、工程(i)の溶媒は、アルコール系溶媒であってよい。好適なアルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。工程(i)は、マイケル付加化学方法を用いた環形成に関連して一般に用いられる任意の温度、例えば室温で、冷却又は保温条件下で行われてもよいことが理解される。一部の実施形態では、工程(i)は、約0℃~約25℃の温度で行われてもよい。一部の実施形態では、工程(i)は、約0℃~約25℃の温度での式IIの化合物への式Iの化合物の添加によって行われてもよい。一部の実施形態では、式IIの化合物への式Iの化合物の添加後、反応は、室温を超える温度に、例えば工程(i)に関連して用いられる溶媒の還流温度で加熱されてもよい。一部の実施形態では、工程(i)は、約60℃~約280℃の温度で行われてもよい。
【0156】
工程(i)の一部の実施形態では、式Iの化合物は、アクロレイン(プロペナールとしても知られる)であってよく、式IIの化合物は、1種以上の4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸エステルであってよい。1種以上の4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸エステルは、以下の式:
【0157】
【0158】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
によって示される4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸のC1~C8アルキルエステルの混合物であってよいことが理解される。一部の実施形態では、式Iの化合物が、アクロレイン(プロペナールとしても知られる)であり、式IIの化合物が、1種以上の4,4,4-トリフルオロ-3-オキソブタン酸エステルである工程(i)の生成物は、式:
【0159】
【0160】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
によって示すことができる。
【0161】
工程(ii)において、式III:
【0162】
【0163】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を、酸化剤及び添加剤、例えば窒素源添加剤と接触させて、式IV:
【0164】
【0165】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得ることができる。
【0166】
工程(ii)において、酸化剤は、任意選択の触媒の存在下での任意の好適な酸化剤、例えば酸素(O2)であってよい。任意選択の触媒は、任意の好適な触媒、例えば金属触媒であってよい。好適な金属触媒としては、酢酸銅(I)、塩化銅(I)、酸化銅(I)、酢酸マンガン(II)、酢酸銅(II)、塩化銅(II)、酸化銅(II)及び酢酸鉄(III)が挙げられるが、これらに限定されない。工程(ii)の添加剤は、窒素源添加剤、例えばアンモニア、酢酸アンモニウム、水酸化アンモニウム、塩化アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウムであってよい。式IIIの化合物に対して等モル量、又は式IIIの化合物に対してモル過剰で窒素源を使用することが有利であり得る。一部の実施形態では、窒素源、例えば酢酸アンモニウムは、式IIIの化合物に対してモル過剰で用いられてもよい。工程(ii)は、任意選択の溶媒の存在下で行われてもよい。溶媒は任意の好適な溶媒、例えば有機溶媒であってよい。一部の実施形態では、工程(ii)の溶媒は、アルコール系溶媒であってよい。好適なアルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。工程(ii)は、酸化化学プロセスに関連して一般に用いられる任意の温度、例えば室温で、冷却又は保温条件下で行われてもよいことが理解される。一部の実施形態では、工程(ii)は、室温を超える温度に、例えば工程(ii)に関連して用いられる溶媒の還流温度で加熱されてもよい。一部の実施形態では、工程(ii)は、約60℃~約280℃の温度で行われてもよい。式IVの化合物は、例えば水蒸気蒸留によって精製されてもよく、又は式IVの化合物は、精製なしで更なる合成が行われてもよい。
【0167】
工程(ii)の一部の実施形態では、式IIIの化合物は、式:
【0168】
【0169】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
のものであってよく、式IVの生成化合物は、
【0170】
【0171】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
であってよい。
【0172】
工程(iii)において、式IV:
【0173】
【0174】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を、塩基と接触させて、式V:
【0175】
【0176】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得ることができる。
【0177】
工程(iii)において、塩基は、任意の好適な塩基、例えば有機塩基又は無機塩基であってよい。一部の実施形態では、工程(iii)の塩基は無機塩基、例えば水酸化塩基であってよい。好適な水酸化塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化セシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、水酸化アンモニウム及び水酸化マグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。一部の実施形態では、塩基は、水酸化ナトリウムであってよい。一部の実施形態では、塩基は、25%水酸化ナトリウム溶液であってよい。工程(iii)は、任意選択の溶媒の存在下で行われてもよい。溶媒は、任意の好適な溶媒、例えば有機溶媒であってよい。一部の実施形態では、工程(iii)の溶媒はアルコール系溶媒であってよい。好適なアルコール系溶媒としては、メタノール、エタノール、iso-プロパノール、n-プロパノール、n-ブタノール、iso-ブタノール、tert-ブタノール、n-ペンタノール、sec-ペンタノール、iso-ペンタノール、エチレングリコール、メチルイソブチルカルビノール及びプロピレングリコールが挙げられるが、これらに限定されない。工程(iii)は、酸化化学プロセスに関連して一般に用いられる任意の温度、例えば室温で、冷却又は保温条件下で行われてもよいことが理解される。一部の実施形態では、工程(iii)は、約10%の水酸化塩基~約40%の水酸化塩基の濃度範囲である水酸化塩基溶液を使用することによって低温で行われてもよい。一部の実施形態では、工程(i)は、約0℃~約25℃の温度で行われてもよい。一部の実施形態では、反応は、約0℃~約25℃の温度で室温未満に冷却され、塩基は、冷却された反応に添加され、添加が終了したら室温に昇温させる。塩基加水分解反応が停止され得、反応を、例えば無機酸(例えば硫酸)溶液で酸性化させ、続いて最終生成物を濾過することによって、生成物が単離されることが理解される。
【0178】
工程(iii)の一部の実施形態では、式IVの化合物は、式:
【0179】
【0180】
(式中、R2はC1~C8アルキルである)
のものであってよい。
【0181】
一部の実施形態では、本開示は、式III:
【0182】
【0183】
(式中、
R1はC1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよく;
R2はC1~C8アルキルであり;
R3及びR4はそれぞれ独立してH、重水素、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル及びC6~C10アリールからなる群から選択され、C1~C8アルキル、C2~C8アルケニル、C2~C8アルキニル又はC6~C10アリールの各水素原子は独立して重水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、-OC1~C8アルキル、-N(C1~C8アルキル)2又は-SC1~C8アルキルで任意に置換されていてもよい)
の化合物を得る。
【0184】
一部の実施形態では、R1はメチル、トリフルオロメチル又はジフルオロメチルである。一部の実施形態では、R4はH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである。一部の実施形態では、R3はH、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル又はアリルである。一部の実施形態では、R2はメチル、エチル、n-プロピル又はi-プロピルである。一部の実施形態では、式IIIの化合物は
【0185】
【0186】
からなる群から選択される。
【実施例】
【0187】
以下に提供される実施例及び調製物は、本開示の実施形態の特定の態様を更に例示及び例証する。本開示の範囲は、以下の実施例の範囲によっていかなる方法でも限定されないことが理解されるべきである。
【0188】
(実施例1)
工程1 2-ヒドロキシ-6-(トリフルオロメチル)-3,4-ジヒドロ-2H-ピラン-5カルボン酸エチル:
メタノール(200mL)及びトリフルオロアセト酢酸エチル(37.0g、0.199mol)を、ポットに充填し、撹拌し、5~10℃未満に保った。トリエチルアミン(2.1g、0.021mol)を添加し、続いてメタノール(50mL)中のアクロレイン(11.6g、0.201mol)溶液を1時間かけて添加し、混合物全体を23℃で35分間撹拌した。反応混合物は工程2で直接使用する。溶媒をストリッピングすると、生成物が琥珀色の液体として得られる。特性評価を、GCMS Mw240及びフッ素NMR(-85.8ppm)を用いて行った。
【0189】
工程2 2-(トリフルオロメチル)ニコチン酸エチル:
酢酸アンモニウム(30.8g、0.400mol)及び酢酸銅一水和物(4.1g、0.021mol)を上記の反応混合物に充填し、表面下に酸素(50%)を導入しながら還流加熱(67℃)した。水(100mL)を添加して、還流温度を73℃に上昇させた。反応の進捗をNMRによって追跡した。生成物を、水蒸気蒸留によって単離し、最初に全てのメタノール、続いて生成物及び水が脱離した。最終生成物の収率41%が観察された。生成物は、蒸留を用いて単離することもできた。生成物を、GCMS Mw219及びフッ素NMR(-75.5ppm)を用いて特性評価した。
【0190】
工程3 2-(トリフルオロメチル)ニコチン酸:
2-(トリフルオロメチル)ニコチン酸エチル(14.6g、0.063mol)及びメタノール(10mL)をポットに充填し、10~15℃に冷却した。この反応混合物に、水酸化ナトリウム(25%、11.4g、0.071mol)を5分かけて添加した。添加、次いで25℃で1時間の撹拌後、反応混合物を、水(17g)及び硫酸(3.7g)の添加により後処理し、pH2にした。30分間撹拌した後、生成物を濾過によって単離し、水(3×20mL)で洗浄し、乾燥し、最終生成物である2-(トリフルオロメチル)ニコチン酸を収率85%で得た。プロトンNMR(アセトン-d6) 8.9(d, 1H)、8.3(d, 1H)、7.8(dd, 1H);及びフッ素NMR(-65.2ppm)。
【0191】
(実施例2)
5-プロピル-2-トリフルオロメチルニコチン酸:
5-プロピル-2-トリフルオロメチルニコチン酸を、2-プロピルアクロレインをアクロレインの代わりに使用したことを除き、実施例1に記載の方法に従って調製した。最終生成物である5-プロピル-2-トリフルオロメチルニコチン酸を、プロトンNMR(アセトン-d6) 8.7(s, 1H)、8.1(s, 1H)、2.7(t, 2H)、1.6(m, 2H)、0.9(t, 3H);及びフッ素NMR(-62.8ppm)によって特性評価した。
【0192】
(実施例3)
5-(1-プロペニル)-2-トリフルオロメチルニコチン酸:
5-(1-プロペニル)-2-トリフルオロメチルニコチン酸を、2-(2-プロペニル)アクロレインをアクロレインの代わりに使用したことを除き、実施例1に記載の方法に従って調製した。水酸化ナトリウムを用いたエステル基の加水分解の第3の工程中、プロペニル基の二重結合は、2位(2-プロペニル)から1位(1-プロペニル)に異性化する。最終生成物である5-(1-プロペニル)-2-トリフルオロメチルニコチン酸をプロトンNMR(アセトン-d6) 8.8(s, 1H)、8.2(s, 1H)、6.7-6.5(m, 2H)、1.9(d, 3H);及びフッ素NMR(-62.8ppm)によって特性評価した。
【国際調査報告】