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特表2023-546762アシル化液、およびアシル化液を用いてアシルナフタレンを連続合成するプロセス方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】アシル化液、およびアシル化液を用いてアシルナフタレンを連続合成するプロセス方法
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/80 20220101AFI20231031BHJP
   B01F 23/43 20220101ALI20231031BHJP
   B01F 25/40 20220101ALI20231031BHJP
   B01F 35/213 20220101ALI20231031BHJP
   B01F 35/221 20220101ALI20231031BHJP
   B01F 35/71 20220101ALI20231031BHJP
   B01F 35/92 20220101ALI20231031BHJP
   B01D 29/07 20060101ALI20231031BHJP
   B01J 19/00 20060101ALI20231031BHJP
   B01J 19/18 20060101ALI20231031BHJP
   C02F 1/66 20230101ALI20231031BHJP
   C07C 45/46 20060101ALI20231031BHJP
   C07C 49/788 20060101ALI20231031BHJP
   C07C 45/81 20060101ALI20231031BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20231031BHJP
【FI】
B01F27/80
B01F23/43
B01F25/40
B01F35/213
B01F35/221
B01F35/71
B01F35/92
B01D29/06 510A
B01J19/00 321
B01J19/18
C02F1/66 510L
C02F1/66 521B
C02F1/66 521E
C02F1/66 540J
C02F1/66 540Z
C07C45/46
C07C49/788
C07C45/81
C07B61/00 300
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573236
(86)(22)【出願日】2022-08-29
(85)【翻訳文提出日】2023-03-09
(86)【国際出願番号】 CN2022115478
(87)【国際公開番号】W WO2023040641
(87)【国際公開日】2023-03-23
(31)【優先権主張番号】202111075055.5
(32)【優先日】2021-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111093577.8
(32)【優先日】2021-09-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210095938.0
(32)【優先日】2022-01-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210530956.7
(32)【優先日】2022-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202111638857.2
(32)【優先日】2021-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202210135569.3
(32)【優先日】2022-02-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522461491
【氏名又は名称】煤炭科学技術研究院有限公司
【氏名又は名称原語表記】CCTEG CHINA COAL RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】NO. 5 QINGNIANGOU ROAD, HEPING STREET, CHAOYANG DISTRICT Beijing 100013, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】毛 学鋒
(72)【発明者】
【氏名】李 恒
(72)【発明者】
【氏名】胡 発亭
(72)【発明者】
【氏名】鍾 金龍
(72)【発明者】
【氏名】李 軍芳
(72)【発明者】
【氏名】王 通
(72)【発明者】
【氏名】張 笑然
【テーマコード(参考)】
4D116
4G035
4G037
4G075
4G078
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4D116BB01
4D116BC06
4D116DD01
4D116FF11B
4D116KK06
4D116QA31A
4D116QA31D
4D116QA31G
4D116QA60A
4D116QA60D
4D116QA60G
4D116UU20
4D116VV30
4G035AB38
4G035AC50
4G035AE02
4G035AE13
4G037AA02
4G037CA03
4G037CA18
4G037EA04
4G075AA14
4G075AA27
4G075AA63
4G075AA65
4G075BA10
4G075BB03
4G075BB05
4G075BB07
4G075DA02
4G075DA18
4G075EB01
4G075EB23
4G075EB50
4G075EC11
4G075ED08
4G075FC02
4G075FC09
4G078AB11
4G078BA05
4G078CA03
4G078EA03
4G078EA10
4H006AA02
4H006AA04
4H006AC44
4H006AD11
4H006AD15
4H006BA09
4H006BA37
4H006BB14
4H006BB18
4H006BB31
4H006BC10
4H006BC19
4H006BC31
4H006BC34
4H006BD10
4H006BE62
4H039CA62
4H039CD10
(57)【要約】
本出願の実施例はアシル化液およびアシル化液を用いてアシルナフタレンを連続合成するプロセス方法を提案し、化学工業合成技術分野に属し、調製システムを用いてアシル化液を調製し、アシル化液と、2-メチルナフタレンを含有する原料液とを、2-メチルナフタレン:アシル化剤:Lewis触媒が1:1.3:1.5であるという比率にしたがって混合してアシル化反応液を形成し、アシル化反応液が順次マイクロチャンネル反応器、および複数の釜が直列接続される釜式反応器に入ってアシル化反応するステップと、その後、加水分解、精留および結晶化を行って、アシルナフタレンを連続合成するステップと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシル化液であって、調製システムを用いて調製し、前記調製システムは、
第1チャンバを限定し、前記第1チャンバに連通する第1投入口、第2投入口、撹拌口および液体排出口を有する釜体と、
前記第1投入口に取り外し可能に封止装着される投入口カバーと、
前記第2投入口内にアシル化剤を添加するように前記第2投入口に封止接続される投入ポンプと、
一部が前記撹拌口内に封止挿着され、撹拌軸と撹拌ブレードを含む撹拌機であって、前記撹拌ブレードが前記撹拌軸に設けられ、前記撹拌軸の少なくとも一部と前記撹拌ブレードの各々が前記第1チャンバ内に設けられる撹拌機と、を含み、
調製システムを用いて前記アシル化液を調製することは、
不活性ガスの保護下でLewis触媒を秤量するステップaと、
溶剤と、ステップaで秤量された前記Lewis触媒とを前記第1投入口で前記第1チャンバ内に加え、前記撹拌機を用いて均一に撹拌して混合溶液を得るステップbと、
前記投入ポンプを用いてステップbで得られた前記混合溶液にアシル化剤を加えて、アシル化液を得るステップcと、を含む、
ことを特徴とするアシル化液。
【請求項2】
前記釜体は、
前記液体排出口が設けられ、上端が開放する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに封止装着されるトップカバーであって、前記第1ハウジングと前記トップカバーによって前記第1チャンバが限定され、前記第1投入口、前記第2投入口および前記撹拌口がいずれも前記トップカバーに設けられる第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに外嵌され、熱交換媒体を流入するための熱交換媒体第1入口および熱交換媒体を流出するための熱交換媒体第1出口を有するジャケットと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアシル化液。
【請求項3】
前記調製システムは、熱交換媒体第2入口と熱交換媒体第2出口を有する加熱装置であって、前記熱交換媒体第1出口が前記熱交換媒体第2入口に接続され、前記熱交換媒体第1入口が前記熱交換媒体第2出口に接続される加熱装置と、
前記釜体が、前記第1チャンバに連通する検温口を有し、一部が前記検温口内に封止挿着され、検出側が前記第1チャンバ内に設けられる温度センサと、
前記温度センサが検出した温度に基づいて前記加熱装置を制御するように、前記加熱装置と前記温度センサの各々に接続されるコントローラと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアシル化液。
【請求項4】
前記調製システムは吸引ろ過装置をさらに含み、前記吸引ろ過装置は、
第2ハウジングとろ過フィルムを含むろ過装置であって、前記第2ハウジングによって第2チャンバが限定され、前記ろ過フィルムが前記第2チャンバ内に設けられ、前記ろ過フィルムが前記第2チャンバを第1部分と第2部分に仕切り、前記第2ハウジングには、前記第2チャンバに連通するろ過装置入口とろ過装置出口が設けられ、前記ろ過装置入口が前記第1部分に対応して設けられ、前記ろ過装置出口が前記第2部分に対応して設けられ、前記ろ過装置入口が前記液体排出口に接続されるろ過装置と、
第3ハウジングを含む液体貯蔵タンクであって、前記第3ハウジングによって第3チャンバが限定され、前記第3ハウジングに液体貯蔵タンク入口と液体貯蔵タンク出口が設けられ、前記液体貯蔵タンク入口が前記ろ過装置出口に連通する液体貯蔵タンクと、
第1真空排気口を有する真空排気ポンプであって、前記第3ハウジングには、前記第3チャンバに連通する第2真空排気口が設けられ、前記第1真空排気口が前記第2真空排気口に連通する真空排気ポンプと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のアシル化液。
【請求項5】
前記第1ハウジング、前記第2ハウジングおよび前記第3ハウジングは一体式構造であり、前記液体排出口は前記第1ハウジングの底部に設けられ、前記ろ過装置入口は前記第2ハウジングの頂部に設けられ、前記ろ過装置は前記釜体の底部に設けられ、前記ろ過装置の出口は前記第2ハウジングの底部に設けられ、前記液体貯蔵タンクの入口は前記第3ハウジングの頂部に設けられ、前記液体貯蔵タンクは前記ろ過装置の底部に設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載のアシル化液。
【請求項6】
ステップbにおける溶剤はニトロベンゼンであり、ステップbは具体的には、
まず、前記ニトロベンゼンを前記第1投入口で前記第1チャンバ内に加え、
その後、ステップaで秤量された前記Lewis触媒を前記第1チャンバ内の前記ニトロベンゼン内に加え、
熱交換媒体を用いて前記ニトロベンゼンと前記Lewis触媒を共に50℃~60℃に加熱するとともに、前記撹拌機を用いて200rpm~400rpmで撹拌する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のアシル化液。
【請求項7】
不活性ガス雰囲気下で、前記吸引ろ過装置を用いて、ステップcで得られたアシル化液に対して吸引ろ過処理を行って、ろ過後のアシル化液を得るステップdをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のアシル化液。
【請求項8】
ステップcでは、前記アシル化剤の添加速度は1秒あたり3滴~10滴であり、前記撹拌機の撹拌速度は200rpm~400rpmである、
ことを特徴とする請求項1に記載のアシル化液。
【請求項9】
前記アシル化剤と前記Lewis触媒とのモル質量比は(1.1~1.5):(1.3~1.7)であり、および/または、
前記Lewis触媒と前記溶剤とのモル質量比は(1.3~1.7):5である、
ことを特徴とする請求項1に記載のアシル化液。
【請求項10】
アシルナフタレンを連続合成する方法であって、
2-メチルナフタレンを含む原料液と請求項1~9のいずれか一項に記載のアシル化液を混合するステップであって、モル比で前記2-メチルナフタレン:前記アシル化剤:前記Lewis触媒が1:1.3:1.5であるアシル化反応液を形成するステップS1と、
前記アシル化反応液が、順次、マイクロチャンネル反応器、および複数の釜が直列接続される釜式反応器に入ってアシル化反応を行って、同時に加水分解を行い、後続の精留と結晶により2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得るステップS2と、を含む、
ことを特徴とするアシルナフタレンを連続合成する方法。
【請求項11】
前記マイクロチャンネル反応器は複数設けられ且つ互いに並列接続される、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ステップS1では、注射器を介して前記原料液と前記アシル化液を三方型混合器に注入して混合する、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記三方型混合器はT字型混合器またはY字型混合器である、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記三方型混合器と前記マイクロチャンネル反応器は第1恒温槽に配置され、温度は-5~0℃に制御され、前記釜式反応器は第2恒温槽に配置され、温度は30~50℃に制御される、
ことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記釜式反応器は2つ~4つ設けられ且つ互いに直列接続される、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記アシル化反応液の前記釜式反応器における総滞留時間は50~80minである、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項17】
前記マイクロチャンネル反応器と前記釜式反応器の材質はいずれも耐強酸腐食性材料である、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記マイクロチャンネル反応器の内径は0.5~3.175ミリメートルである、
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項19】
前記アシル化液内のアシル化剤は塩化プロピオニル、塩化アセチル、無水酢酸、無水プロピオン酸のうちのいずれか1つである、
請求項10に記載の方法。
【請求項20】
前記加水分解方法は、加水分解区間では、アシル化反応後のアシル化反応液を加水分解区間に通す前に水を加水分解区間の水相管路に通し、水が加水分解区間出口から流出した場合、さらに前記アシル化反応液を前記加水分解区間の油相管路に通し、低温コールドバス内で水と急速に混合してから管形反応器に入って加水分解反応を行い、加水分解後の混合液は前記管形反応器の出口から流出し、分液器を用いて混合液を収集して水相と油相の分離を行い、この段階では、混合液が完全に排出されるまで、水は常に流通状態を維持し、加水分解反応とアシル化反応との同期進行を実現する、
請求項10に記載の方法。
【請求項21】
注水ポンプを始動して前記加水分解区間の前記水相管路に通水することにより、前記水相管路内の水の流速を3~15mL/minに制御する、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記アシル化反応液は管路における逆止め弁を通過して、加水分解区間の油相管路に直接入る、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記逆止め弁はステンレス鋼フェルールの逆止め弁であり、内部流路の材質はポリテトラフルオロエチレンである、
ことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
低温コールドバスの温度は0~20℃である、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記管形反応器の反応温度は30~40℃である、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項26】
前記分液器は容器、撹拌装置、供給口、排出口および排気口を含み、前記撹拌装置は前記容器内に入り込み且つ外付けの減速機に接続して駆動し、前記排出口は前記容器の底端に連通し、前記供給口と前記排気口は共に前記容器上端に連通し、前記供給口は管路を介して加水分解区間の前記管形反応器の出口に接続し、前記排気口はパイプラインを介して1つの抽気ポンプに接続し、前記供給口、前記排出口と前記排気口には、いずれも制御弁が設けられる、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項27】
加水分解区間の前記管形反応器内で加水分解反応が行われるとともに、前記抽気ポンプは発生した排気ガスを引き出す、
ことを特徴とする請求項26に記載の方法。
【請求項28】
アシル化廃水処理ステップS3をさらに含み、具体的には、
前記分液器によって分離された前記水相のpHをアルカリ性に調整して、水酸化アルミニウム沈殿物を含有する懸濁液を取得し、前記懸濁液をろ過して水酸化アルミニウムろ過ケーキとろ液を取得するステップ(1)と、
前記ろ液のpHを酸性に調整した後、抽出溶媒に移して撹拌、静置し、層化されたラフィネート相と抽出相を取得するステップ(2)と、
前記ラフィネート相を生化学処理し、基準に達した後に排出するステップ(3)と、
前記抽出相を精留分離した後にニトロベンゼンと前記抽出溶媒を取得し、前記ニトロベンゼンを有機溶剤として再利用し、前記抽出溶媒を改めて前記ろ液の抽出に用いるステップ(4)と、
前記ろ過ケーキを濃塩酸に加え加熱して溶解させ、助剤を添加した後に重合してポリ塩化アルミニウムを得るステップ(5)と、を含む、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項29】
ステップ(1)では、前記分液器によって分離された前記水相のpHをアルカリ性に調整する方法は、アルカリ原料を用いて前記水相のpHを8~10に調整することを含み、前記アルカリ原料は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは液化アンモニアのうちの1つまたは2つ以上である、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項30】
ステップ(2)では、前記ろ液のpHを酸性に調整する方法は、酸を用いてろ液のpHを2~3に調整することを含み、酸は塩酸、硝酸または硫酸のうちの1つまたは2つ以上である、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項31】
ステップ(2)では、前記抽出溶媒は非極性有機溶剤であり、前記抽出溶媒とろ液との体積比は0.5~5:1である、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項32】
前記抽出溶媒はノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、ノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素のうちの少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項31に記載の方法。
【請求項33】
ステップ(3)では、生化学処理は活性汚泥法を用い、ステップ(5)では、加熱溶解の温度は40~50℃であり、ろ過ケーキと濃塩酸との重量比は0.5~2.5:1である、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項34】
ステップ(5)では、前記助剤の添加量はろ過ケーキ乾燥重量の2~10wt%であり、前記助剤はアルミン酸カルシウムまたは/およびアルミン酸マグネシウムである、
ことを特徴とする請求項28に記載の方法。
【請求項35】
精留は、
前記油相を第1精留塔の中間部から第1精留塔に送って精留し、軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に回収され、塔底液は塔底部から流出するステップ(1)と、
ステップ(1)の塔底液を熱いうちに第2精留塔内に圧送してさらに精留し、第2精留塔の軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に収集され、製品は第2精留塔の側線から採取され、塔底高沸点成分は塔底に入り、塔底リボイラで加熱した後、塔底高沸点成分を熱いうちに塔底材料収集タンク内に圧送するステップ(2)と、を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項36】
前記第1精留塔の圧力は0.05KPa~10KPaであり、還流比は(1~2):1である、
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記第1精留塔の凝縮温度は10~20℃である、
ことを特徴とする請求項35または36に記載の方法。
【請求項38】
前記第2精留塔の圧力は0.05KPa~10KPaであり、還流比は(5~10):1である、
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項39】
前記第2精留塔の凝縮温度は50~90℃である、
ことを特徴とする請求項35に記載の方法。
【請求項40】
前記2-メチルナフタレンはウォッシュオイルから抽出されたものであり、純度は99.0~99.9%であり、抽出方法は、
Iウォッシュオイルを精留分離してメチルナフタレン濃縮留分を得て、
II前記メチルナフタレン濃縮留分を共沸精留塔に通して共沸精留を行って、共沸留出物を得て、
III前記共沸留出物を分離器に通して2-メチルナフタレン粗生成物を得て、
IV前記2-メチルナフタレン粗生成物を、並列接続して設置される複数の間欠式溶融晶析器に通して2-メチルナフタレンの結晶化と精製を行うことである、
ことを特徴とする請求項10~39のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
<関連出願の相互引用>
本出願は、出願番号が202111075055.5、出願日が2021年9月14日である中国特許、出願番号が202111093577.8、出願日が2021年9月17日である中国特許、出願番号が202210095938.0、出願日が2022年1月26日である中国特許、出願番号が202111638857.2、出願日が2021年12月29日である中国特許、出願番号が202210530956.7、出願日が2022年5月16日である中国特許、および出願番号が202210135569.3、出願日が2022年2月14日である中国特許出願に基づいて提出され、且つ当該6つの中国特許出願の優先権を主張し、当該6つの中国特許出願の全内容はここで参考として本出願に組み込まれる。
【0002】
本出願は化学工業合成技術分野に関し、具体的に、アシル化液およびアシル化液を用いてアシルナフタレンを連続合成するプロセス方法に関する。
【背景技術】
【0003】
2,6-ナフタレンジカルボン酸は、特殊高級ポリエステルのポリエチレンナフタレート(PEN)の重要なモノマーでありながら、様々な高性能ポリエチレンナフタレート、ポリウレタンおよび液晶ポリエステル樹脂を合成するための肝心なモノマーであり、特にエチレングリコールと反応して得られたポリエチレンナフタレート(PEN)は、物理化学特性などの各方面においても、現在幅広く使用されるテレフタル酸ポリエチレン(PET)よりも優れており、繊維、フィルム、包装容器と電子部品などの分野において広範な応用の見通しがある。2,6-ナフタレンジカルボン(2,6-NDCA)の工業化生産方法は2種類に分けることができ、1つは石油系のベンゼン系化合物を原料とする従来のプロセス方法であり、例えばBP-Amoco、日本三菱ケミカル、Chevron およびフィンランドのOptatechはこの方法を用いており、この方法はステップが多く、生産コストが高い。もう1つは石炭系のナフタレン系化合物を原料とする改善されたプロセス方法であり、ナフタレンとメチルナフタレンを原料として、2,6-ジメチルナフタレン(2,6-DMN)の合成を行って、ワンステップでDMN製品を製造し、そして異性化と分離精製を経て2,6-DMNを得ることができ、Exxon-Mobil社はこの方法を用いており、この方法はステップがシンプルで、コストが比較的低い。
【0004】
工業化経路と半工業化経路は以下のとおりである。
(1)オルソキシレンに対してアルキル化、環化、脱水素と異性化を行って2,6-ジメチルナフタレンを製造し、そして酸化してナフタレンジカルボン酸を製造する。この反応はプロセスが複雑で、5ステップがあって合成経路が長く、技術要件が高く、反応条件が厳しく、総収率が約36%である。
(2)ナフタレンを液相アルキル化して2,6ジイソプロピルナフタレンを製造し、そして酸化して2,6-ナフタレンジカルボン酸を製造する。酸処理されたモルデン沸石の触媒作用下でナフタレンをプロピレンと反応させ、反応した混合物を精留する方法で粗ジアルキルナフタレン(異性体の混合物)を得て、さらに分離して2,6-ジアルキルナフタレンを得て、空気液相酸化して2,6-ナフタレンジカルボン酸を製造する。この方法は反応プロセスのステップが多く、アルキル化と精製は当該技術のかなめである。現在、2,6-NDCAの工業化合成経路は主に2つがあり、1つは2-メチルナフタレンをアセチル化してから2-メチル-6-アセチルナフタレンを得て、さらに酸化して2,6-NDCAを製造することである。もう1つは2,6-ジアルキルナフタレンを酸化して2,6-NDCAを製造することであり、2,6-ジメチルナフタレン、2,6-ジエチルナフタレン、2,6-ジイソプロピルナフタレンの液相触媒酸化を含む。前者は収率と選択性が高くて、プロセスが比較的容易であるという利点があるが、2-メチル-6-アセチルナフタレンの製造に使用する触媒は高価で、回収しにくくて、コストが高く、反応物の毒性も汚染も大きいため、生産規模は小さい。後者はナフタレンをアルキル化した後、Co-Mn-Br触媒システムを用い、低級脂肪酸を溶剤として、チタン材反応器内で反応させ、温度を約200℃、圧力を約3.0MPaとし、その反応条件は温和で、制御しやすい。
【0005】
2-メチルナフタレンを原料として、アシル化反応を経て2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを生成した後に、酸化して2,6-ナフタレンジカルボン酸を得る。当該合成方法は原料由来が豊富で、副反応が少なく、生成物が精製しやすい。2,6-ジアルキルナフタレンを酸化して2,6-ナフタレンジカルボン酸を製造する合成経路と比べて遥かに容易い。これに対して、2-メチルナフタレンを原料とするアシル化反応では、高安定性、高均一性のアシル化液は極めて重要である。アシル化反応ではLewis酸を触媒として用いて求電子錯体を生成し、被アシル化物のパラ位に入りやすいため、反応の選択性が高い。しかし、触媒とアシル化剤の活性が高いため、水と反応して変質しやすく、湿度の高い空気に接触すると大量の白い酸性ミストが発生するとともに、触媒反応後に沈殿が発生し、そのため、アシル化液は空気中で不安定である。また、反応は均一相で行う必要があり、溶液内の溶解していない触媒や変質により生成された顆粒物はいずれもアシル化液反応の効率に影響を与え、製品の最終の収率と純度に影響を与える。
【0006】
従来技術では、2-メチルナフタレンを原料、塩化プロピオニルをアシル化剤、三塩化アルミニウムを触媒、ニトロベンゼンを溶剤として用い、常温常圧でフリーデル・クラフツアシル化反応を行って2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを調製する。アシル化反応終了後に反応を加水分解して消光し、且つ油相のpHを6~7に加水分解する必要があり、さらに、減圧精留、精留、再結晶等の精製方法により純度の高い2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得る。当該反応の反応温度は一定の特徴があり、2つの材料はまず低温で混合して反応させる必要があり、その後、温度を上げて一定時間反応させる。低温混合の目的は2つがあり、1つは、2種類の材料を混合する際に熱が激しく放出され、低温で熱を移動させる必要があることである。もう1つは、低温エリアのアシル化反応は動力学によって影響され、60%~70%の原材料(2-メチルナフタレン)は反応していたことである。現在記事となっているアシル化反応は間欠式の釜式反応器または連続式のマイクロチャンネル反応器を用いるが、釜式反応器は熱交換の面積が小さく、反応温度を制御しにくく、滞留時間が一致しておらず、製品の品質は安定しにくい。これに対して、マイクロチャンネル反応器は詰まるリスクがあり、且つ拡大コストが高く、操作が複雑である。そのため、アシル化反応は、間欠式の釜式反応器を用いる欠点は、熱交換の面積が小さく、反応温度を制御しにくく、反応時間が長く、滞留時間が一致しておらず、製品品質が安定しにくく、生成物の収率が低いことである。アシル化反応が連続式のマイクロチャンネル反応器を用いる欠点は、詰まるリスクがあり、拡大コストが高く、操作が複雑である。この反応の反応温度は一定の特徴があり、アシル化液と原料液という2種類の材料はまず低温で混合して反応させる必要があり、その後、温度を上げて一定時間反応させ、従来の装置はこの反応の特徴の要件を完全に満たしていない。
【0007】
また、この反応は、アシル化反応後、2-メチル-6-アシルナフタレンを含有するアシル化反応液の加水分解のプロセスは、高純度と高収率の2-メチル-6-アシルナフタレンを得るには重要な役割を果たしている。具体的に、加水分解はアシル化反応を停止させることができ、三塩化アルミニウムとアシル化剤を加水分解し、反応中に発生したHClガスを溶解することにより、生成された2-メチル-6-アシルナフタレンを油相に保留する。加水分解後の油相のpH値を6~7に上昇させることで、酸性が生成物に与える影響をなくし、減圧精留昇温精製時に、アシル基は弱酸の中で酸化して縮合とアスファルト化が発生しやすく、タールが生成され、生成物の収率と純度を低下させる。これは、アシル化反応液を加水分解する時に、同期連続加水分解を行って純度の高い2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを保障することを求める。
【0008】
従来技術でアシル化反応液を加水分解する時、以下の三種類の解決案がある。一つ目は、まずアシル化反応液を混合器に流して保存し、水と混合してから後端の加水分解区間のマイクロチャンネル反応器に流入することであり、アシル化反応と加水分解反応との同時進行を達成することができず、また、アシル化反応液が水に接触する時に大量の熱を放出し、温度を速やかに下げることができない。二つ目は、反応して得られた生成物を加水分解反応器に通し、反応混合液を氷の入った大きなビーカに入れ、入れる中で絶えず機械的に撹拌し、入れてから精留水を加えて、引き続き30分撹拌してアシル化生成物を完全に加水分解することである。当該解決案は間欠式加水分解反応であり、時間が長く、操作が複雑で、加水分解の効果は普通である。三つ目は、アシル化反応液をエタノール水溶液に加えて消光し、層化して得られたニトロベンゼン相を減圧精留して溶剤ニトロベンゼンを収集し、粗生成物2-メチル-6-アセチルナフタレンを得ることである。当該解決案はエタノール水溶液加水分解であり、優位性が際立っていない。
【0009】
要するに、従来技術は以下の欠点がある。間欠式または半連続式の加水分解であり、同期連続加水分解を達成しておらず、アシル化反応液を得た後と、加水分解反応を行う前との間に一定の時間間隔がある。アシル化反応液は速やかに加水分解できず、放置する時に空気中の水とともに加水分解反応を引き起こしやすく、自体にもHClガスの漏れがあり、空気を汚染する。加水分解反応はAl(OH)乳状物を生成し、マイクロチャンネル反応器を用いて加水分解反応をする時に、アシル化反応液は水と接触する時に管路を塞ぐ状況がある。当該加水分解反応は熱を放出する反応であり、一瞬で放出された熱により、加水分解区間は管路内に圧力を生じるとともに、少量の酸性ガスの揮発がある。加水分解して得られた液体は、体積が大きくて混濁しており、これによって分液は操作しにくく、時間が長い。
【0010】
最後に、アシル化反応後の廃水は主に、高毒性、高塩分含有量の生分解しにくい有機廃水(表1)であり、その処理は極めて困難である。つまり、監督管理が日増しに厳しくなる現状では、アシル化反応によって生成された生分解しにくい有機廃水はFriedel-Craftsアシル化反応の工業化を制限する主なポイントである。
【0011】
【0012】
そのため、アシル化反応によって生成された生分解しにくい有機廃水に対する処理技術を研究開発する必要は十分ある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本出願は、関連技術における技術的課題の1つをある程度解決することを目的としており、アシル化液、およびアシル化液を利用してアシルナフタレンを連続合成するプロセス方法を提案し、従来技術ではアシル化液が安定的ではなく且つ均一性が悪く、およびアシル化液を用いてアシルナフタレンを製造する反応効率が低く、消費が高く、加水分解のプロセスが不安定で管路を塞ぎやすく、そしてアシルナフタレン収率が低くて純度が低いという技術的欠陥に対して、新しいアシル化液を提案し、アシル化液を用いて、アシルナフタレンを合成する反応速度および加水分解の安定性を向上させ、これによってアシルナフタレンの収率を向上させる。また、本出願の実施例はアシル化液でアシルナフタレンを合成した後の加水分解廃水も処理し、環境に配慮したグリーン生産を実現する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
これを鑑みて、本出願の実施例は調製システムを用いて調製するアシル化液を提案し、前記調製システムは、
第1チャンバを限定し、前記第1チャンバに連通する第1投入口、第2投入口、撹拌口および液体排出口を有する釜体と、
前記第1投入口に取り外し可能に封止装着される投入口カバーと、
前記第2投入口内にアシル化剤を添加するように前記第2投入口に封止接続される投入ポンプと、
撹拌機であって、前記撹拌機の一部が前記撹拌口内に封止挿着され、前記撹拌機が撹拌軸と撹拌ブレードを含み、前記撹拌ブレードが前記撹拌軸に設けられ、前記撹拌軸の少なくとも一部と前記撹拌ブレードの各々が前記第1チャンバ内に設けられるものと、を含む。
【0015】
調製システムを用いてアシル化液を調製することは、
a:不活性ガスの保護下でLewis触媒を秤量するステップと、
b:溶剤と、ステップaで秤量された前記Lewis触媒とを前記第1投入口で前記第1チャンバ内に加え、前記撹拌機を用いて均一に撹拌して混合溶液を得るステップと、
c:前記投入ポンプを用いてステップbで得られた前記混合溶液にアシル化剤を加えて、アシル化液を得るステップと、を含む。
【0016】
いくつかの実施例では、前記釜体は、
第1ハウジングであって、前記液体排出口が前記第1ハウジングに設けられ、前記第1ハウジングの上端が開放するものと、
トップカバーであって、前記トップカバーが前記第1ハウジングに封止装着され、前記第1ハウジングと前記トップカバーによって前記第1チャンバが限定され、前記第1投入口、前記第2投入口および前記撹拌口がいずれも前記トップカバーに設けられるものと、
前記第1ハウジングに取り付けられ、熱交換媒体を流入するための熱交換媒体第1入口および熱交換媒体を流出するための熱交換媒体第1出口を有するジャケットと、を含む。
【0017】
いくつかの実施例では、前記調製システムは、加熱装置であって、前記加熱装置が熱交換媒体第2入口と熱交換媒体第2出口を有し、前記熱交換媒体第1出口が前記熱交換媒体第2入口に接続され、前記熱交換媒体第1入口が前記熱交換媒体第2出口に接続されるものと、
温度センサであって、前記釜体が、前記第1チャンバに連通する検温口を有し、前記温度センサの一部が前記検温口内に封止挿着され、前記温度センサの検出側が前記第1チャンバ内に設けられるものと、
前記温度センサが検出した温度に基づいて前記加熱装置を制御するように、前記加熱装置と前記温度センサの各々に接続されるコントローラと、をさらに含む。
【0018】
いくつかの実施例では、前記調製システムは吸引ろ過装置をさらに含み、前記吸引ろ過装置は、
ろ過装置であって、前記ろ過装置が第2ハウジングとろ過フィルムを含み、前記第2ハウジングによって第2チャンバが限定され、前記ろ過フィルムが前記第2チャンバ内に設けられ、前記ろ過フィルムが前記第2チャンバを第1部分と第2部分に仕切り、前記第2ハウジングには、前記第2チャンバに連通するろ過装置入口とろ過装置出口が設けられ、前記ろ過装置入口が前記第1部分に対応して設けられ、前記ろ過装置出口が前記第2部分に対応して設けられ、前記ろ過装置入口が前記液体排出口に接続されるものと、
液体貯蔵タンクであって、前記液体貯蔵タンクが第3ハウジングを含み、前記第3ハウジングによって第3チャンバが限定され、前記第3ハウジングに液体貯蔵タンク入口と液体貯蔵タンク出口が設けられ、前記液体貯蔵タンク入口が前記ろ過装置出口に連通するものと、
真空排気ポンプであって、前記真空排気ポンプが第1真空排気口を有し、前記第3ハウジングには、前記第3チャンバに連通する第2真空排気口が設けられ、前記第1真空排気口が前記第2真空排気口に連通するものと、を含む。
【0019】
いくつかの実施例では、前記第1ハウジング、前記第2ハウジングおよび前記第3ハウジングは一体式構造であり、前記液体排出口は前記第1ハウジングの底部に設けられ、前記ろ過装置入口は前記第2ハウジングの頂部に設けられ、前記ろ過装置は前記釜体の底部に設けられ、前記ろ過装置の出口は前記第2ハウジングの底部に設けられ、前記液体貯蔵タンクの入口は前記第3ハウジングの頂部に設けられ、前記液体貯蔵タンクは前記ろ過装置の底部に設けられる。
【0020】
いくつかの実施例では、前記溶剤はニトロベンゼンであり、ステップbは、
まず、前記ニトロベンゼンを前記第1投入口で前記第1チャンバ内に加え、
次に、ステップaで秤量された前記Lewis触媒を前記ニトロベンゼン内に加え、
その後、熱交換媒体を用いて前記ニトロベンゼンと前記Lewis触媒を50℃~60℃に加熱するとともに、前記撹拌機を用いて200rpm~400rpmで撹拌する。
【0021】
いくつかの実施例では、調製システムを用いてアシル化液を調製することはステップdをさらに含み、不活性ガス雰囲気下で、前記吸引ろ過装置を用いて、ステップcで得られたアシル化液に対して吸引ろ過処理を行って、ろ過後のアシル化液を得る。
【0022】
いくつかの実施例では、ステップcでは、前記アシル化剤の添加速度は1秒あたり3滴~10滴であり、前記撹拌機の撹拌速度は200rpm~400rpmである。
【0023】
いくつかの実施例では、前記アシル化剤と前記Lewis触媒とのモル質量比は(1.1~1.5):(1.3~1.7)であり、および/または、
前記Lewis触媒と前記溶剤とのモル質量比は(1.3~1.7):5である。
【0024】
いくつかの実施例では、アシルナフタレンを連続合成する方法を提案し、上記いずれか1つに記載のアシル化液を用いて合成することは、
S1:2-メチルナフタレンを含有する原料液を上記いずれか1つの実施例に記載のアシル化液と混合し、前記2-メチルナフタレン:前記アシル化剤:前記Lewis触媒が1:1.3:1.5という比率でアシル化反応液を形成するステップと、
S2:前記アシル化反応液が順次マイクロチャンネル反応器、および複数の釜が直列接続される釜式反応器に入ってアシル化反応を行って、同時に加水分解を行い、後続の精留と結晶により2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得るステップと、を含む。
【0025】
いくつかの実施例では、前記マイクロチャンネル反応器は複数設けられ且つ互いに並列接続される。
【0026】
いくつかの実施例では、ステップS1では、注射器を介して前記原料液と前記アシル化液を三方型混合器に注入して混合する。
【0027】
いくつかの実施例では、前記三方型混合器はT字型混合器またはY字型混合器である。
【0028】
いくつかの実施例では、前記三方型混合器と前記マイクロチャンネル反応器は第1恒温槽に配置され、温度は-5~0℃に制御され、前記釜式反応器は第2恒温槽に配置され、温度は30~50℃に制御される。
【0029】
いくつかの実施例では、前記釜式反応器は2つ~4つ設けられ且つ互いに直列接続される。
【0030】
いくつかの実施例では、前記アシル化反応液の前記釜式反応器における総滞留時間は50~80minである。
【0031】
いくつかの実施例では、前記マイクロチャンネル反応器と前記釜式反応器の材質はいずれも耐強酸腐食性材料である。
【0032】
いくつかの実施例では、前記マイクロチャンネル反応器の内径は0.5~3.175ミリメートルである。
【0033】
いくつかの実施例では、前記アシル化液内のアシル化剤は塩化プロピオニル、塩化アセチル、無水酢酸、無水プロピオン酸のうちのいずれか1つである。
【0034】
いくつかの実施例では、前記加水分解方法は、加水分解区間では、アシル化反応後のアシル化反応液を加水分解区間に通す前に水を加水分解区間の水相管路に通し、水が加水分解区間出口から流出する時、さらに前記アシル化反応液を前記加水分解区間の油相管路に通し、低温コールドバス内で水と急速に混合してから管形反応器に入って加水分解反応を行い、加水分解後の混合液は前記管形反応器の出口から流出し、分液器を用いて混合液を収集して水相と油相の分離を行い、この段階では、混合液が完全に排出されるまで、水は常に流通状態を維持し、加水分解反応とアシル化反応との同期進行を実現する。
【0035】
いくつかの実施例では、注水ポンプを始動して前記加水分解区間の前記水相管路に通水することにより、前記水相管路内の水の流速を3~15mL/minに制御する。
【0036】
いくつかの実施例では、前記アシル化反応液は管路における逆止め弁を通過して、加水分解区間の油相管路に直接入る。
【0037】
いくつかの実施例では、前記逆止め弁はステンレス鋼フェルールの逆止め弁であり、内部流路の材質はポリテトラフルオロエチレンである。
【0038】
いくつかの実施例では、前記低温コールドバスの温度は0~20℃である。
【0039】
いくつかの実施例では、前記管形反応器の反応温度は30~40℃である。
【0040】
いくつかの実施例では、前記分液器は容器、撹拌装置、供給口、排出口および排気口を含み、前記撹拌装置は前記容器内に入り込み且つ外付けの減速機に接続して駆動し、前記排出口は前記容器の底端に連通し、前記供給口と前記排気口は共に前記容器上端に連通し、前記供給口は管路を介して加水分解区間の前記管形反応器の出口に接続し、前記排気口はパイプラインを介して1つの抽気ポンプに接続し、前記供給口、前記排出口と前記排気口には、いずれも制御弁が設けられる。
【0041】
いくつかの実施例では、加水分解区間の前記管形反応器内で加水分解反応が行われるとともに、前記抽気ポンプは発生した排気ガスを引き出す。
【0042】
いくつかの実施例では、アシルナフタレンを連続合成する方法はステップS3、アシル化廃水の処理をさらに含み、具体的に、
(1)前記分液器によって分離された前記水相のpHをアルカリ性に調整して、水酸化アルミニウム沈殿物を含有する懸濁液を取得し、前記懸濁液をろ過して水酸化アルミニウムろ過ケーキとろ液を取得するステップと、
(2)前記ろ液のpHを酸性に調整した後、抽出溶媒に移して撹拌、静置し、層化されたラフィネート相と抽出相を取得するステップと、
(3)前記ラフィネート相を生化学処理し、基準に達した後に排出するステップと、
(4)前記抽出相を精留分離した後にニトロベンゼンと前記抽出溶媒を取得し、前記ニトロベンゼンを有機溶剤として再利用し、前記抽出溶媒を改めて前記ろ液の抽出に用いるステップと、
(5)前記ろ過ケーキを濃塩酸に加え加熱して溶解させ、助剤を添加した後に重合してポリ塩化アルミニウムを得るステップと、を含む。
【0043】
いくつかの実施例では、ステップ(1)では、前記分液器によって分離された前記水相のpHをアルカリ性に調整する方法は、アルカリ原料を用いて前記水相のpHを8~10に調整することを含み、前記アルカリ原料は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは液化アンモニアのうちの1つまたは2つ以上である。
【0044】
いくつかの実施例では、ステップ(2)では、前記ろ液のpHを酸性に調整する方法は、酸を用いてろ液のpHを2~3に調整することを含み、酸は塩酸、硝酸または硫酸のうちの1つまたは2つ以上である。
【0045】
いくつかの実施例では、ステップ(2)では、前記抽出溶媒は非極性有機溶剤であり、前記抽出溶媒とろ液との体積比は0.5~5:1である。
【0046】
いくつかの実施例では、前記抽出溶媒はノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、ノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素のうちの少なくとも1つである。
【0047】
いくつかの実施例では、ステップ(3)では、生化学処理は活性汚泥法を用い、ステップ(5)では、加熱溶解の温度は40~50℃であり、ろ過ケーキと濃塩酸との重量比は0.5~2.5:1である。
【0048】
いくつかの実施例では、ステップ(5)では、前記助剤の添加量はろ過ケーキ乾燥重量の2~10wt%であり、前記助剤はアルミン酸カルシウムまたは/およびアルミン酸マグネシウムである。
【0049】
いくつかの実施例では、精留は、
(1)前記油相を第1精留塔の中間部から第1精留塔に送って精留し、軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に回収され、塔底液は塔底部から流出するステップと、
(2)ステップ(1)の塔底液を熱いうちに第2精留塔に圧送してさらに精留し、第2精留塔の軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に収集され、製品は第2精留塔の側線から採取され、塔底高沸点成分は塔底に入り、塔底リボイラで加熱した後、塔底高沸点成分を熱いうちに塔底材料収集タンク内に圧送するステップと、を含む。
【0050】
いくつかの実施例では、前記第1精留塔の圧力は0.05KPa~210KPaであり、還流比は(1~2):1である。
【0051】
いくつかの実施例では、前記第1精留塔の凝縮温度は10~220℃である。
【0052】
いくつかの実施例では、前記第2精留塔の圧力は0.05KPa~210KPaであり、還流比は(5~210):1である。
【0053】
いくつかの実施例では、前記第2精留塔の凝縮温度は50~290℃である。
【0054】
いくつかの実施例では、前記2-メチルナフタレンはウォッシュオイルから抽出されたものであり、純度は99.0~99.9%であり、抽出方法は、
Iウォッシュオイルを精留分離してメチルナフタレン濃縮留分を得て、
II前記メチルナフタレン濃縮留分を共沸精留塔に通して共沸精留を行って、共沸留出物を得て、
III前記共沸留出物を分離器に通して2-メチルナフタレン粗生成物を得て、
IV前記2-メチルナフタレン粗生成物を、並列接続して設置される複数の間欠式溶融晶析器に通して2-メチルナフタレンの結晶化と精製を行うことである。
【発明の効果】
【0055】
本出願の実施例で調製して得られたアシル化液は、溶液均一性がよく、安定性が高く、マイクロチャンネル反応器に使用することができ、そしてアシル化液を用いてアシル化反応を行って2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを製造する時に、アシル化反応液は直ちに加水分解区間に接続し、同期加水分解を連続的且つ安定的に行い、材料の平衡率を向上させ且つ管路が詰まるリスクがなく、加水分解によって得られた液体は直接分液器に入ることができ、同期して分液し、油相は容易に収集でき、発生した排気ガスは分液器上端の排気口から抽出することができる。また、同期加水分解して得られた油相のpH値は6~7であり、精製の要件を満たす。
【図面の簡単な説明】
【0056】
本出願の上記および/または追加の態様と利点は、以下の図面による実施例の説明から明らかになり且つ理解しやすくなる。
図1】本出願の実施例によって提供される調製システムの構造概略図である。
図2図1の釜体、ろ過装置および液体貯蔵タンクの内部構造概略図である。
図3図2のpH計の構造概略図である。
図4】本出願の実施例によって提供される溶接システムの構造概略図である。
図5】本出願の実施例によって提供される穿孔システムの構造概略図である。
図6】本出願の実施例によって提供される精留プロセスのフローチャートである。
図7】本出願の実施例によって提供される資源回収可能な分液器によって分離された水相の処理プロセスのフローチャートである。
図8】通常の活性汚泥処理システムの図である。
図9】本出願の実施例8における、図7の処理プロセスを用いる時に分液器によって分離された水相内のCODの変化図である。
図10】本出願の実施例9における、図7の処理プロセスを用いる時に分液器によって分離された水相内のCODの変化図である。
図11】本出願の実施例10における、図7の処理プロセスを用いる時に分液器によって分離された水相内のCODの変化図である。
図12】本出願の実施例のウォッシュオイルから高純度2-メチルナフタレンを抽出するプロセスのフローチャートである。
図13図12の共沸精留塔の精留カラムの構造概略図である。
図14図12の間欠式溶融晶析器の構造概略図である。
図15】本出願の図12における結晶板の構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
本出願の上記目的、特徴と利点をよりよく理解するために、以下、図面と具体的な実施形態に合わせて本出願をさらに詳しく説明する。矛盾しない限り、本出願の実施例および実施例における特徴は互いに組み合わせることができる。
【0058】
以下の説明では、本出願を十分に理解するための詳細が含まれており、しかし、本出願はここで説明される方式と異なる他の方式で実施することができ、そのため、本出願の保護範囲は以下の開示された具体的な実施例によって限定されない。
【0059】
図1図3に示すように、本出願の実施例のアシル化液を調製するための調製システム100は、釜体1、投入口カバー2、投入ポンプ6および撹拌機3を含む。釜体1は第1チャンバ110を限定し、釜体1は、第1チャンバ110に連通する第1投入口101、第2投入口102、撹拌口103および液体排出口104を有する。
【0060】
選択可能に、第1投入口101、第2投入口102および撹拌口103の各々が液体排出口104の上方に設けられる。
【0061】
これにより、アシル化液を調製するための溶剤とLewis触媒は第1投入口101を介して第1チャンバ110内に添加することができ、アシル化剤は第2投入口102を介して第1チャンバ110内に添加することができる。
【0062】
投入口カバー2は取り外し可能に第1投入口101に封止装着される。釜体1内に(溶剤とLewis触媒)を投入する必要がある場合、第1投入口101から投入口カバー2を外し、投入完了後に、投入口カバー2を速やかに第1投入口101に封止装着し、これにより、溶剤とLewis触媒が外界環境に接触する時間を減少させるとともに、第1チャンバ110が第1投入口101により外界環境に露出する時間を減少させる。
【0063】
投入ポンプ6は第2投入口102に封止接続されるため、第2投入口102内にアシル化剤を添加することが容易になる。これにより、投入ポンプ6を用いて第1チャンバ110内に投入する過程および投入完了後に、アシル化剤と外界環境との接触を効果的に回避することができるとともに、第1チャンバ110が第2投入口102により外界環境に露出することを回避する。
【0064】
撹拌機3の一部は撹拌口103内に封止挿着され、撹拌機3は撹拌軸301と撹拌ブレード302を含み、撹拌ブレード302は撹拌軸301に設けられ、撹拌軸301の少なくとも一部および撹拌ブレード302の各々が第1チャンバ110内に設けられる。
【0065】
これにより、撹拌機3を用いることで第1チャンバ110内の材料を十分に撹拌混合することができ、Lewis触媒を十分に溶解させ、アシル化液の調製効率を向上させる。且つ撹拌機3の一部は撹拌口103内に封止挿着されるため、撹拌機3の動作中に、撹拌口103は常に密封されており、第1チャンバ110が撹拌口103により外界環境に露出することを回避する。
【0066】
本出願の実施例のアシル化液を調製するための調製システム100を用いて実施するアシル化液の調製方法は、
a、不活性ガスの保護下でLewis触媒を秤量するステップと、
b、溶剤とステップaで秤量されたLewis触媒を第1投入口101を介して第1チャンバ110内に添加し、撹拌機3を用いて撹拌することで、ステップaで秤量されたLewis触媒を溶解させて混合溶液を得るステップと、
c、投入ポンプ6を用いて、ステップbで得られた混合溶液にアシル化剤を添加し、撹拌機3を用いて撹拌することで、アシル化液を得るステップと、を含む。
【0067】
本出願の実施例のアシル化液を調製するための方法は、Lewis触媒を秤量する時、不活性ガスの保護下で秤量し、Lewis触媒の活性を効果的に保障し、天気や環境の影響を受けず、夏の湿度の高い時の酸性ミストの発生を回避する。本出願の実施例のアシル化液を調製する方法では、不活性環境でLewis触媒を秤量してから溶剤に添加し、投入口カバー2をして、液封じの方式でLewis触媒と空気との接触時間を減少させ、これにより、アシル化液を調製する過程で、Lewis触媒およびアシル化剤と水などとの接触を効果的に減少させることができ、したがって、調製されたアシル化液の安定性も均一性も良好である。本出願の実施例のアシル化液を調製するための方法では、撹拌機3の撹拌により、Lewis触媒を十分且つ速やかに溶剤に溶解させることができ、アシル化液の調製時間の短縮に有利であり、アシル化液の調製効率を向上させる。本出願の実施例のアシル化液を調製するための方法で調製されたアシル化液は、溶液の均一性がよく、安定性が高く、マイクロチャンネル反応器に使用することができ、反応効率を向上させる。
【0068】
選択可能に、ステップaでは、Lewis触媒はAlCl、BF、ZnClまたはFeClから選択された少なくとも1つである。本出願の実施例ではLewis触媒を特に限定しておらず、2-メチル-6-プロピオニルナフタレンの合成に使用できるLewis触媒はいずれも本出願の実施例のアシル化液を調製するための方法を用いてアシル化液を調製することができる。アシル化剤はアセチル化剤、プロピオニル化剤又はブチル化剤から選択される少なくとも1つである。
【0069】
選択可能に、第2投入口102はすり合わせの形式であり、第2投入口102はパゴダ継手に封止接続され、蠕動ポンプの排出管はパゴダ継手に封止接続される。
【0070】
選択可能に、投入ポンプ6は蠕動ポンプである。
【0071】
これにより、蠕動ポンプの流速を調整することで、釜体1の第1チャンバ110内に添加するアシル化剤の流速を制御することができ、第1チャンバ110内に添加するアシル化剤の量を制御すること容易にし、調製されたアシル化液の安定性と均一性をさらに向上させることに役立つ。
【0072】
選択可能に、投入ポンプ6と第2投入口102とは第1ホース600を介して接続される。第1ホース600はポリテトラフルオロエチレン管であってもよい。
【0073】
いくつかの実施例では、撹拌軸301と撹拌ブレード302の材質は金属であり、撹拌機3は軸防食層とブレード防食層を含み、軸防食層は撹拌軸301の一部を覆い、ブレード防食層は撹拌ブレード302を覆う。
【0074】
いくつかの実施例では、撹拌軸301と撹拌ブレード302の材質はステンレス鋼であり、軸防食層とブレード防食層の材質はポリテトラフルオロエチレンである。
【0075】
撹拌軸301と撹拌ブレード302は金属材質を用い、撹拌軸301と撹拌ブレード302が十分な構造強度を有することを効果的に確保することができる。撹拌軸301に軸防食層を被覆し、撹拌ブレード302にブレード防食層を被覆することにより、撹拌軸301と撹拌ブレード302の金属材質部分が溶剤、Lewis触媒およびアシル化剤に接触することを回避することができ、撹拌軸301と撹拌ブレード302の腐食を回避できるだけではなく、腐食生成物がアシル化液に入って、調製されたアシル化液の品質に影響を与えることを回避することができる。
【0076】
選択可能に、上記ステップcでは、アシル化剤の添加速度は1秒あたり3滴~10滴であり、撹拌機3の撹拌速度は200rpm~400rpmである。
【0077】
いくつかの実施例では、図2に示すように、釜体1は第1ハウジング107、トップカバー108およびジャケット109を含み、液体排出口104は第1ハウジング107に設けられ、第1ハウジング107の上端は開いている。トップカバー108は第1ハウジング107に封止装着され、第1ハウジング107とトップカバー108によって第1チャンバ110が限定され、第1投入口101、第2投入口102および撹拌口103の各々がトップカバー108に設けられる。ジャケット109は第1ハウジング107に外嵌され、ジャケット109は、熱交換媒体を流入する熱交換媒体第1入口1091と熱交換媒体を流出するための熱交換媒体第1出口1092を有する。
【0078】
これにより、釜体1の加工を行う時に、第1ハウジング107とトップカバー108はそれぞれ独立して加工することができ、釜体1の加工を容易にする。Lewis触媒の溶解操作を行う際に、熱交換媒体は熱交換媒体第1入口1091を介してジャケット109内に流れ込むことができ、第1ハウジング107を介して第1チャンバ110内の材料との熱交換を行い、その後、熱交換媒体は熱交換媒体第1出口1092を介してジャケット109から流出する。これによって第1チャンバ110内材料の加熱を実現し、第1チャンバ110内の温度をLewis触媒溶剤に適する所定温度に維持することで、Lewis触媒を素早く溶剤に溶解させ、これにより、アシル化液の調製時間を大幅に短縮させ、アシル化液の調製効率を向上させる。
【0079】
熱交換媒体は水、油などの液体を用いることができる。
【0080】
いくつかの実施例では、溶剤はニトロベンゼンであり、上記ステップbは、
まず、第1投入口101を介してニトロベンゼンを第1チャンバ110内に添加し、
次に、ステップaで秤量されたLewis触媒をニトロベンゼン内に添加し、
その後、ジャケット109内の熱交換媒体を介してニトロベンゼンとLewis触媒を50℃~60℃に加熱するとともに、撹拌機3を用いて200rpm~400rpmで撹拌して、ステップaで秤量されたLewis触媒を溶解させて混合溶液を得る。
【0081】
これにより、第1チャンバ110内の温度をLewis触媒の溶解に適した所定温度に維持し、撹拌機3の撹拌速度を同様にLewis触媒の溶解に適した撹拌速度に維持することにより、Lewis触媒を素早くニトロベンゼンに溶解させ、アシル化液の調製時間を大幅に短縮させ、アシル化液の調製効率を向上させる。
【0082】
いくつかの実施例では、アシル化液調製システムは加熱装置、温度センサ5およびコントローラをさらに含む。加熱装置は熱交換媒体第2入口と熱交換媒体第2出口を有し、熱交換媒体第1出口1092は熱交換媒体第2入口に接続され、熱交換媒体第1入口1091は熱交換媒体第2出口に接続される。
【0083】
釜体1は、第1チャンバ110に連通する検温口105を有し、温度センサ5の一部は検温口105内に封止挿着され、温度センサ5の検出側は第1チャンバ110内に設けられる。コントローラは加熱装置と温度センサ5の各々に接続され、これにより、コントローラが温度センサ5によって検出された温度に基づいて加熱装置を制御することを容易にする。
【0084】
これにより、加熱装置で加熱された後の熱交換媒体は熱交換媒体第2出口を介して熱交換媒体第1入口1091まで流動し、熱交換媒体は熱交換媒体第1入口1091を介してジャケット109内に流動し、ジャケット109内の熱交換媒体を用いて第1チャンバ110内の材料を加熱し、その後、ジャケット109内の熱交換媒体は熱交換媒体第1出口1092を介してジャケット109から流出し、熱交換媒体第2入口を介して加熱装置に還流して加熱装置で加熱され、熱交換媒体の加熱装置と釜体1との間の循環流動を実現する。
【0085】
温度センサ5を用いることで第1チャンバ110内の材料の温度をリアルタイムに検出することができ、温度センサ5によって検出された第1チャンバ110内の材料の温度をコントローラに送信することにより、コントローラを用いて加熱装置を制御する。いくつかの実施例では、温度センサ5によって検出された温度が所定温度より高い場合、コントローラは加熱装置を制御して加熱を停止し、第1チャンバ110内の材料が所定温度より高いことを回避し、温度センサ5によって検出された温度が所定温度より低い場合、コントローラは加熱装置を制御して加熱を開始し、第1チャンバ110内の材料が所定温度より低いことを回避する。これにより、Lewis触媒の溶解の過程で、第1チャンバ110内の温度がLewis触媒の溶解に適した所定温度に維持され、Lewis触媒の溶解速度の向上に有利で、アシル化液の調製効率を向上させる。
【0086】
選択可能に、コントローラの型番はDSC350である。
【0087】
上記ステップcでは、上記ステップbで得られた混合溶液の温度は60℃以下である。
【0088】
本出願の実施例のアシル化液を調製するための方法では、ステップbにおいてLewis触媒が溶剤に溶解した後、混合溶液を冷却する処理を行う必要がなく、アシル化剤を直接添加してアシル化液を調製し、エネルギー消費を削減するだけではなく、アシル化液の調製時間を短縮し、調製効率を向上させる。
【0089】
無論、ステップbにおいてLewis触媒が溶剤に溶解した後、投入ポンプ6を用いて第1チャンバ110内にアシル化剤を添加するとともに、熱交換媒体第1入口1091を介してジャケット109内に熱交換媒体(例えば、冷却水又は冷却剤)を通すことができ、混合溶液に対する冷却を実現する。
【0090】
図1図2に示すように、アシル化液を調製するための調製システム100はさらにpH計4を含み、釜体1は、第1チャンバ110に連通するpH計口106を有し、pH計4の一部はpH計口106内に封止挿着され、pH計4の検出側は第1チャンバ110内に設けられる。
【0091】
これにより、pH計4を用いて第1チャンバ110内の材料のペーハーをリアルタイムに検出することができ、アシル化液の調製効率を向上させ、調製されたアシル化液の品質を向上させることに役立つ。
【0092】
いくつかの実施例では、pH計口106はすり合わせの形式である。これにより、pH計口106の封止を容易にする。
【0093】
例えば、図3に示すように、pH計4の外部にガラスカバー10が設けられ、ガラスカバー10はテーパ状の嵌合面1001を有し、嵌合面1001はpH計口106に封止嵌合する。
【0094】
選択可能に、pH計4の型番はSIN-PH6.3-5022-AL/Yである。
【0095】
いくつかの実施例では、吸引ろ過装置をさらに含み、吸引ろ過装置はろ過装置7、液体貯蔵タンク8および真空排気ポンプ9を含む。
【0096】
ろ過装置7は第2ハウジング701とろ過フィルム702を含み、第2ハウジング701は第2チャンバを限定し、ろ過フィルム702は第2チャンバ内に設けられ、ろ過フィルム702は第2チャンバを第1部分7013と第2部分7014に仕切り、第2ハウジング701には、第2チャンバに連通するろ過装置入口7011とろ過装置出口7012が設けられ、第1部分7013はろ過装置入口7011に隣接して設置され、第2部分7014はろ過装置出口7012に隣接して設置され、ろ過装置入口7011は液体排出口104に接続される。
【0097】
液体貯蔵タンク8は第3ハウジング801を含み、第3ハウジング801は第3チャンバを限定し、第3ハウジング801には、液体貯蔵タンク入口8011と液体貯蔵タンク出口8012が設けられ、液体貯蔵タンク入口8011はろ過装置出口7012に連通する。真空排気ポンプ9は第1真空排気口901を有し、第3ハウジング801には、第3チャンバに連通する第2真空排気口8013が設けられ、第1真空排気口901は第2真空排気口8013に連通する。
【0098】
選択可能に、アシル化液を調製するための方法はステップdをさらに含み、上記ステップcで得られたアシル化液に対して不活性ガス雰囲気で吸引ろ過処理を行い、固体顆粒を除去する。本出願のアシル化液を調製するための方法では、調製された後のアシル化液に対して、不活性雰囲気で吸引ろ過処理を行い、溶液内の溶解していない固体顆粒をすべて除去し、溶液の均一性をさらに向上させる。そして、真空排気ポンプ9によりろ過装置7内に負圧が生成され、釜体1を用いて調製されたアシル化液は当該負圧の作用により、ろ過装置7のろ過フィルム702を素早く通過して、液体貯蔵タンク8内に流れ込んで貯蔵され、これによってアシル化液の全体の調製効率をさらに向上させることができる。
【0099】
選択可能に、図1に示すように、第1真空排気口901と第2真空排気口8013は第2ホース900を介して接続される。
【0100】
いくつかの実施例では、吸引ろ過操作を行う時、第1投入口101を介して不活性ガスのガス源に接続することができ、第1投入口101を介してアシル化液調製システムに不活性ガスを充填することにより、調製されたアシル化液に対して不活性雰囲気で吸引ろ過処理を行う。又は、第1投入口101に溶剤を加える前に、第1投入口101を介して第1ハウジング107、第2ハウジング701および第3ハウジング801内に不活性ガスを通し、アシル化液の全体の調製プロセスを不活性雰囲気で行う。
【0101】
いくつかの実施例では、第1ハウジング107、第2ハウジング701および第3ハウジング801は一体式構造である。液体排出口104は第1ハウジング107の底部に設けられ、ろ過装置入口7011は第2ハウジング701の頂部に設けられ、ろ過装置7は釜体1の下部に設けられる。ろ過装置出口7012は第2ハウジング701の底部に設けられ、液体貯蔵タンク入口8011は第3ハウジング801の頂部に設けられ、液体貯蔵タンク8はろ過装置7の下部に設けられる。
【0102】
これにより、釜体1内で調製されたアシル化液は直接自身の重力で液体排出口104を介して釜体1から流出し、且つろ過装置入口7011を介してろ過装置7内に入ることができ、液体排出口104とろ過装置入口7011との間、およびろ過装置出口7012と液体貯蔵タンク入口8011との間にアシル化液を圧送するための液ポンプを増設する必要がない。アシル化液を調製するための調製システム100の構造全体を簡素化し、アシル化液を調製するための調製システム100の製造とランニングコストを削減することに有利である。また、アシル化液を調製するための調製システム100の組み立てを実行する際に、液体排出口104とろ過装置入口7011との接続およびろ過装置出口7012と液体貯蔵タンク入口8011との接続を省くことができ、アシル化液を調製するための調製システム100の組み立てを容易にする。
【0103】
選択可能に、第1ハウジング107、ジャケット109、第2ハウジング701および第3ハウジング801の材質はホウケイ酸ガラスである。これにより、釜体1、ろ過装置7および液体貯蔵タンク8内の状況を容易に観察することができる。
【0104】
いくつかの実施例では、アシル化液を調製するための調製システム100は第1制御弁1041をさらに含み、第1制御弁1041は液体排出口104に設けられて、液体排出口104の開閉を制御する。
【0105】
これにより、第1制御弁1041が開いている場合、調製されたアシル化液は液体排出口104を介して釜体1から流出し、第1制御弁1041が閉じられる場合、釜体1は封止され、調製されたアシル化液は釜体1内に保存される。
【0106】
いくつかの実施例では、アシル化液を調製するための調製システム100は第2制御弁をさらに含み、第2制御弁は液体貯蔵タンク出口8012に設けられて、液体貯蔵タンク出口8012の開閉を制御する。
【0107】
これにより、第2制御弁を開くことにより、ろ過後のアシル化液は液体貯蔵タンク出口8012を介して液体貯蔵タンク8から流出し、第2制御弁が閉じられている場合、液体貯蔵タンク8は封止され、ろ過後のアシル化液は液体貯蔵タンク8内に保存される。
【0108】
いくつかの実施例では、アシル化剤、Lewis触媒および溶剤のモル質量比は(1.1~1.5):(1.3~1.7):5であり、および/または、Lewis触媒と溶剤とのモル質量比は(1.3~1.7):5である。言い換えれば、アシル化剤、Lewis触媒および溶剤のモル質量は、アシル化剤、Lewis触媒および溶剤のモル質量比が(1.1~1.5):(1.3~1.7):5であり、且つLewis触媒と溶剤とのモル質量比が(1.3~1.7):5であり、または、アシル化剤、Lewis触媒および溶剤のモル質量比が(1.1~1.5):(1.3~1.7):5であり、または、Lewis触媒と溶剤とのモル質量比が(1.3~1.7):5であることを満たす。
【0109】
本出願の実施例のアシル化液を調製するための方法では、各物質の比率を最適化し、原料を十分に利用することができ、生産コストを削減する。
【0110】
図12に示すように、いくつかの実施例では、調製されたアシル化液でアシルナフタレンを連続合成することは以下を含む。
【0111】
原料液14の調製、アシル化液が5Lである場合を例として、撹拌装置が取り付けられる反応器内に700gのニトロベンゼンと284gの2-メチルナフタレンを常温で5Lのアシル化液とともに加え、原料液14を製造する。2-メチルナフタレンはウォッシュオイルから抽出されたものであり、純度は99.0~99.9%であり、2-メチルナフタレンをウォッシュオイルから抽出する方法は、
Iウォッシュオイルを精留分離してメチルナフタレン濃縮留分を得て、
IIメチルナフタレン濃縮留分を共沸精留塔に通して共沸精留を行って、共沸留出物を得て、
III共沸留出物を分離器に通して2-メチルナフタレン粗生成物を得て、
IV2-メチルナフタレン粗生成物を複数の並列接続される間欠式溶融晶析器に通して2-メチルナフタレンの結晶と精製を行うことである。
【0112】
いくつかの実施例では、ステップIでは、ウォッシュオイルを常圧精留塔で精留分離して、ナフタレン留分軽質油、メチルナフタレン濃縮留分および重質留分油を得て、重質留分油の一部は常圧精留塔に還流し、別の部分は回収利用される。ナフタレン留分軽質油は常圧精留塔の塔頂で得られ、メチルナフタレン濃縮留分は常圧精留塔の側線で得られ、重質留分油は常圧精留塔の塔底で得られ、塔頂温度は210~225℃であり、側線温度は235~260℃であり、塔底温度は290~310℃である。
【0113】
ステップIIでは、メチルナフタレン濃縮留分と共沸剤を一定の比率に応じて混合し、混合物を一定の温度に加熱した後に共沸精留塔に入れて共沸精留を行う。共沸剤は単一化合物共沸剤または混合物型共沸剤であり、単一化合物共沸剤はエチレングリコール、ジエチレングリコール、エタノールアミン、ジエチレングリコール、N-メチルホルムアミドのうちのいずれか1つであり、混合物型共沸剤はヘプタンとエタノールアミンとの混合物またはヘプタンとエチレングリコールとの混合物であり、共沸精留塔の塔頂温度は150~175℃であり、塔頂圧力は1~4KPaであり、還流比は5~15であり、塔底温度は220~245℃であり、塔底圧力は10~15KPaである。
【0114】
単一化合物共沸剤を用いることに基づき、メチルナフタレン濃縮留分と共沸剤との混合質量比は1~3:1であり、混合物型共沸剤を用いることに応答して、混合物型共沸剤におけるヘプタンとエタノールアミンとの質量比またはヘプタンとエチレングリコールとの質量比は0.2~1:1であり、メチルナフタレン濃縮留分と共沸剤との混合質量比は1:0.8~2である。ステップIIIでは、共沸留出物と水を超音波静的混合器に通して超音波混合を行ってから、分離器に通して油水静置分離を行い、分離器の操作温度は50~80℃であり、静置時間は0.2~1時間であり、分離器から水相と油相を分離し、ここで、水相は共沸剤と水であり、水相が精留塔に入って共沸剤と水の蒸留分離を行い、分離後の共沸剤をステップIIに戻し、メチルナフタレン濃縮留分と混合してリサイクルする。分離後の水を戻し、共沸留出物と混合してリサイクルする。油相は2-メチルナフタレン粗生成物であり、油相は間欠式溶融晶析器に入って2-メチルナフタレンの結晶精製を行う。
【0115】
ステップIVでは、間欠式溶融晶析器は2つがあり、結晶成長プロセスの初期温度は35~40℃であり、降温速度は3~8℃/hであり、最終温度は8~12℃であり、恒温時間は0.5~1hであり、発汗プロセスの昇温速度は2~6℃/hであり、最終温度は30~32℃であり、溶融プロセスの昇温速度は2~8℃/hであり、最終温度は45~50℃であり、最終温度の恒温時間は0.5~1hである。
【0116】
いくつかの実施例では、2-メチルナフタレンがウォッシュオイルから抽出する方法は以下のとおりである。ウォッシュオイル1801をウォッシュオイル貯蔵タンクV1に加え、撹拌混合した後、ポンプを用いてウォッシュオイル1801を常圧精留塔V2に送り、ウォッシュオイル1801を精留分離することで、塔頂からナフタレン留分軽質油1802を得て、ナフタレンを抽出するための原料とすることができ、常圧精留塔V2に戻しても良い。側線からメチルナフタレン濃縮留分1803を得て、塔底採取物は重質油留分1804であり、重質油留分1804の一部を常圧精留塔V2に戻し、その他の部分はコールタール加工工場に送ってさらにアセナフテン、フルオレノン、産業フルオレンなどの製品を分離することができ、常圧蒸留塔V2の塔頂温度は210~225℃であり、側線温度は235~260℃であり、塔底温度は290~310℃である。上記得られたメチルナフタレン濃縮留分1803と共沸剤1810を一定の比率に応じて混合し、混合物を一定の温度に加熱した後に共沸精留塔V3に送って共沸精留を行う。共沸精留塔V3の塔頂から得られた共沸留出物1805を分離器に送って共沸剤1810のリサイクルを行い、塔底から残油1806を得て、残油1806を排出して、他のファインケミカルを抽出するための原料とする。
【0117】
共沸剤1810と水1809との相互溶解性が強いため、本出願は水を抽出する方法で共沸剤1810を回収し、ステップ(2)で得られた共沸留出物1805と水1809を混合した後、まず超音波静的混合器V4において超音波混合を行い、その後、分離器V5に送って油水静置分離を行う。分離器から水相と油相を分離し、水相は共沸剤1810と水1809を含む共沸剤混合物1807であり、油相は2-メチルナフタレン粗生成物である。
【0118】
分離器V5から出た水相を精留塔V6に送って共沸剤1810と水1809の蒸留分離を行い、分離後に塔底から得られた共沸剤1810をステップ(2)に戻してメチルナフタレン濃縮留分1803と混合してリサイクルする。分離後に塔頂から得られた水を戻して共沸留出物1805と混合してリサイクルする。分離器V5から出た2-メチルナフタレン粗生成物に対して溶融結晶精製を行う。また、2つの間欠式溶融晶析器V8を並列接続する方式を用いて、2-メチルナフタレンの結晶精製を交互に行って、連続的な結晶精製という目標を達成する。間欠式溶融晶析器V8内では、メチルナフタレン粗生成物1808は間欠式溶融晶析器V8内で結晶の成長、発汗、溶融などのプロセスを経て、最終的に結晶精製という目的を実現する。メチルナフタレン粗生成物1808は溶融結晶精製を経て高純度の2-メチルナフタレン製品1813を得て、結晶の成長と発汗のプロセスにおいて排出される液体は残留母液1812であり、残留母液1812を1-メチルナフタレンを抽出するための原料とすることができる。結晶精製後に得られた2-メチルナフタレン製品1813の純度は99.0~99.9%であり、製品収率は70%~90%である。
【0119】
上記2-メチルナフタレンをウォッシュオイルから抽出する方法では、常圧精留塔V2は充填塔であり、充填高さは理論塔板数が30~50層であるステンレス鋼充填塔に相当し、塔底の重質油留分1804の一部は循環してウォッシュオイルと混合した後に常圧精留塔V2に入り、一部は排出され、排出と循環の比率は2~5:1であり、得られたメチルナフタレン濃縮留分1803内の2-メチルナフタレンの含有量は50~70%である。共沸精留塔V3は図13に示すような同心管精密分留カラムを用い、分留カラムは、精巧に設計され且つ精密に校正される2本の同心管を融合して得られ、内管表面にらせん状溝1822が設けられ、垂直に上昇する蒸気と同心環状間隙内の液体薄膜との間の効率的な物質移動や熱伝導を可能にし、材質はガラスまたはステンレス鋼であり、分留カラム理論塔板数は80~120である。溶融晶析器は図14に示すような充満式立方体型静的晶析器であり、外形が立方体であり、温度制御媒体出口1814、温度制御媒体入口1815、材料入口1816および材料出口1817が設けられ、溶融晶析器内には、互いに平行している複数組の結晶板が設けられ、図15に示すように、各組の結晶板に旋回状の突起1820が設けられ、結晶時に結晶層が突起1820に成長し、落ちにくい。発汗のプロセスでは、結晶層は結晶板の成長面から落ちて、突起1820間の溝1821内に入り、熱交換面との接触を維持し、結晶層が発汗中に落ちることを回避し、結晶板の内部は加熱、凝縮媒体(即ち温度制御媒体)を流通させ、温度制御媒体は結晶板温度制御媒体入口1818を介して流れ込み、結晶板温度制御媒体出口1819を介して流出し、次のグループの結晶板に循環し、最終的に溶融晶析器の温度制御媒体出口1814から流出する。結晶板の材質はステンレス鋼、有機ガラスまたは他の合金である。各間欠式溶融晶析器V8はいずれもデジタル式温度制御可能な油浴V7に接続され、デジタル式温度制御可能な油浴V7と間欠式溶融晶析器V8との間で加熱冷却媒体1811が搬送される。
【0120】
そのため、本出願の実施例では、関連技術のベンゼン系化合物を原料とする従来のプロセス方法および石炭系のナフタレン系化合物を原料とする改善されたプロセス方法において、ナフタレンとメチルナフタレンを原料として2,6-ジメチルナフタレンを合成する方法をすっかり改め、コールタールウォッシュオイルを用いて高純度2-メチルナフタレンを抽出し、2-メチルナフタレン分離精製プロセスの生産効率、製品純度および収率を向上させることを実現し、汚染を減少させて機器腐食確率を低下させることで、原料2-メチルナフタレンを原料液として、アシル化液とのアシル化、加水分解などの合成を行って2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得ることを実現し、非石油系の経路で2-メチル-6-プロピオニルナフタレンの工業生産を実現する目的を達成する。
【0121】
調製されたアシル化液と原料液14をアシル化反応させることは図4に示すとおりである。計量ポンプを用いて原料液14とアシル化液15をそれぞれ吸い取り、アシル化液15の(計量ポンプ)流速は158~162g/minであり、原料液14の(計量ポンプ)流速は82~84g/minであり、即ち2-メチルナフタレン:塩化プロピオニル:AlCl が1:1.3:1.5であるというモル比に従って、注射器を介して原料液14とアシル化液15を三方型混合器11に注入して混合し、混合した後にマイクロチャンネル反応器12に入れて反応させ、5~10min後にアシル化反応液はマイクロチャンネル反応器12の出口から流出し、複数の釜が直列接続される釜式反応器13内に直接流れ込み、釜式反応器13内で撹拌して反応させ、2~4個の釜式反応器13を経て、複数の釜が直列接続される釜式反応器13内のアシル化反応液の総滞留時間は50~80minであり、釜式反応器13から流出するアシル化反応液に対して同期加水分解を行い、精留してから2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得る。
【0122】
釜式反応器13は、複数の釜が直列接続される反応器で連続反応を実現し、調整弁を介して流速を制御し、これによって釜式反応器13内の材料の滞留時間を制御する。マイクロチャンネル反応器12は複数設けられ且つ互いに並列接続され、アシル化液15と原料液14の流速は並列接続の数に比例する。
【0123】
三方型混合器11とマイクロチャンネル反応器12は第1恒温槽内に配置され、温度を-5~0℃に制御し、いくつかの実施例では、三方型混合器11とマイクロチャンネル反応器12の温度を-5℃に制御する。釜式反応器13は第2恒温槽内に配置され、温度を30~50℃に制御し、いくつかの実施例では、釜式反応器13の温度を35℃に制御する。
【0124】
いくつかの実施例では、すべての並列分岐のマイクロチャンネル反応器12の原料液14は同じ原料液ポンプで輸送し、アシル化液15は同じアシル化液ポンプで輸送する。
【0125】
いくつかの実施例では、並列接続されるマイクロチャンネル反応器12と、複数の釜が直列接続される釜式反応器13とは、直接接続という方式を用いる。
【0126】
いくつかの実施例では、三方型混合器11は内径が0.5mm~3mmであるT字型混合器またはY字型混合器である。
【0127】
いくつかの実施例では、マイクロチャンネル反応器12と釜式反応器13の材質はいずれも耐強酸腐食性材料であり、且つ空気を完全に密封遮断する。
【0128】
いくつかの実施例では、マイクロチャンネル反応器12の内径は0.5~3.175ミリメートルである。
【0129】
いくつかの実施例では、アシル化液15内のアシル化剤は塩化プロピオニル、塩化アセチル、無水酢酸、無水プロピオン酸のうちのいずれか1つである。
【0130】
いくつかの実施例では、アシル化反応液を水段階に直接通して加水分解を行う方法は以下のとおりである。加水分解区間では、注水ポンプを事前に動作させ、アシル化反応液を加水分解区間に通す前に水(脱イオン水)を加水分解区間の水相管路に通し、水相管路内の水の流速を3~15mL/minに制御し、好ましくは10mL/minである。水が加水分解区間出口から流出した場合、アシル化反応液を管路における逆止め弁を通過させ、加水分解区間の油相管路に直接添加し、水とともに0~20℃、いくつかの実施例では0℃の低温コールドバスに添加し、素早く混合した後に管形反応器に添加して加水分解反応を行い、管形反応器の反応温度は30~40℃であり、いくつかの実施例では30℃であり、内径は2~5mmである。これとともに超音波振動をオンにして管形反応器内の液体を振動撹拌し、且つ末端の分液器16の抽気ポンプを動作させる。管形反応器の内径が2~5mmであるため、液体は緩やかに進行することができ、管形反応器の入口から出口まで約5~10分かかり、加水分解反応を十分に発生させることができる。
【0131】
管形反応器の出口から濁った薄褐色の液体(加水分解後の混合液)が流出した場合、分液器16で混合液を収集し、この段階では、混合液が完全に排出されるまで水を常に流通状態に維持し、加水分解反応と反応区間のアシル化反応とは同時に行われる。
【0132】
分液器16は液液分液器であり、混合液は分液器16内で層化した後、油相は排出口から排出することができ、油相のpH値を測定して6~7である。分液器16の上端はパイプラインを介して抽気ポンプに接続し、加水分解により発生した排気ガス(例えばHCl)を引き出すことができ、後端のアルカリ液タンクに入って、排気ガスを収集して、空気を汚染することはない。
【0133】
いくつかの実施例では、分液器16の具体的な構造は図5に示すとおりであり、容器1604、撹拌装置、供給口1602、排出口1605および排気口1601を含み、撹拌装置は容器1604内に入り込み、撹拌装置は外付けの減速機を介して接続され且つ駆動される。撹拌装置は通常の構造であり、本解決案の重要な点ではないため、撹拌装置は本解決案の図面では完全に描かれておらず、本解決案では撹拌装置を用いることもない。排出口1605は容器1604の底端に連通し、供給口1602と排気口1601はともに容器1604の上端に連通し、供給口1602は管路を介して加水分解区間の管形反応器の出口に接続し、排気口1601はパイプラインを介して1つの抽気ポンプに接続し、供給口1602、排出口1605および排気口1601にそれぞれ制御弁1603が設けられる。排出口1605の制御弁1603はひとまず閉鎖状態を維持し、層化して油相を排出しようとする時に制御弁1603を開く。層化は、水相と油相を分離するためであり、油相は水の下方に位置し、排出口1605は油相を先に排出し、油相が完全に排完された後に、一部の水もそれとともに排出されることが避けられず、後期に精留で精製すればよい。
【0134】
なお、分液器16の容器1604のスペースが十分に大きく、有効容積が10Lであり、分液器16内が満たされる心配はなく、管形反応器内の通路の内径が小さく、液体の進行が遅く、最後に混合液が完全に分液器16内に流れ込んでも満たされることがないことに留意されたい。分液器16が耐えられる温度は-80~200℃であり、分液器16が使用中に温度の理由で損傷する心配もない。
【0135】
いくつかの実施例では、逆止め弁はステンレス鋼フェルールの逆止め弁であり、内部流路の材質はポリテトラフルオロエチレンであり、防食性能がより優れる。通常の逆止め弁内の流路は通常のゴム材質または耐食のゴムであり、しかし実験により、その耐食効果は良くないため、ポリテトラフルオロエチレン材質に変更して、防食性能を大幅に向上させる。
【0136】
当該同期加水分解の方法は、まず水ポンプを始動し、釜式反応器13から流出したアシル化反応液を直ちに加水分解区間に接続し、加水分解を連続的且つ安定的に行い、加水分解効率と材料バランス率はいずれも大幅に向上する。
【0137】
本解決案では、アシル化反応と加水分解反応との同期は、アシル化反応液の一時的な貯蔵を回避し、HClガスの漏れと汚染を減少させる。
【0138】
当該加水分解反応は放熱反応であり、低温コールドバス(0℃)で水と迅速に混合した後に管形反応器に添加するべきであり、加水分解の温度を素早く低下させることができる。
【0139】
管形反応器を用いて加水分解反応を行う時、アシル化反応液が水と合流する管路の前の部分に逆止め弁を増設し、液体が加水分解区間からアシル化区間に還流することを回避し、管形反応器の通路が詰まるリスクを回避する。
【0140】
加水分解から得られる液体は直接分液器16の上端から入って分液を同期的に行うことができ、油相を容易に排出口から排出することができ、加水分解で得られた油相のpH値が6~7であることを測定により得て、精製の要件を満たす。
【0141】
当該加水分解方法は、管形反応器から流出したアシル化反応液を直ちに加水分解区間に接続し、同期加水分解を連続的且つ安定的に行って、材料のバランス率を向上させ、重要なのは詰まるリスクがないことであり、加水分解により得られた液体は直接分液器16に添加して同期的に分液することができ、油相は排出口から排出して精留および結晶処理を行って2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得ることができ、発生した排気ガスは分液器16の上端排気口1601から引き出すことができ、水相はアシル化廃水の処理プロセスで処理する。
【0142】
いくつかの実施例では、加水分解反応で分離された油相を精留する方法を提案し、図6に示すとおりである。
【0143】
(1)加水分解反応で分離された油相を第1精留塔の中間部から第1精留塔に送って精留し、軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に回収され、塔底液は塔底部から流出する。
【0144】
いくつかの実施例では、加水分解反応で分離された油相を第1精留塔に通し、第1精留塔内はアシル化軽質成分除去塔であり、用いる充填材の形状はセラミックス、スプリング、θリングまたはその組み合わせであり、軽質成分除去塔の塔頂部の軽質留分は主に、少量の水が凝縮した後に廃水高級酸化処理に入って、軽質成分除去塔の側線から採取されたニトロベンゼンであり、回収してリサイクルすることができ、軽質成分除去塔の釜底から流出した塔底液は粗製品として第2精留塔に送り込む。
【0145】
いくつかの実施例では、第1精留塔の圧力は0.05KPa~10KPaであり、いくつかの実施例では0.1KPa~2KPaであり、還流比は(1~2):1である。
【0146】
いくつかの実施例では、第1精留塔の凝縮温度は10~20℃であり、いくつかの実施例では10~15℃である。
【0147】
(2)ステップ(1)の塔底液を熱いうちに第2精留塔に圧送してさらに精留し、第2精留塔の軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に収集され、製品は第2精留塔の側線から採取され、塔底高沸点成分は塔底に入り、塔底リボイラで加熱した後、塔底高沸点成分を熱いうちに塔底材料収集タンク内に圧送する。
【0148】
いくつかの実施例では、第2精留塔は重質成分除去塔であり、用いる充填材の形状はセラミックス、スプリング、θリングまたはその組み合わせであり、重質成分除去塔の塔頂から2-メチル-6-プロピオニルナフタレン(2,6-MPN)以外の異性体軽成分が留出し、凝縮した後に回収される。重質成分除去塔の釜底から少量の重い有色不純物を定期的に収集した後に処理し、重質成分除去塔の側線からアシル化区間の粗製品の2,6-MPN留分を採取して、冷却した後に再晶析器に送る。2,6-MPN以外の異性体内の2-メチル-6-アシルナフタレンのアシル基はメチル基、エチル基、又はイソプロピル基のうちのいずれか1つであり、即ち製品2-メチル-6-アシルナフタレンは、2-メチル-6-ホルミルナフタレン、2-メチル-6-アセチルナフタレン又は2-メチル-6-イソプロピルナフタレンである。
【0149】
いくつかの実施例では、第2精留塔の圧力は0.05KPa~10KPaであり、いくつかの実施例では0.1KPa~2KPaであり、還流比は(5~10):1である。
【0150】
いくつかの実施例では、第2精留塔の凝縮温度は50~90℃であり、いくつかの実施例では70~90℃である。
【0151】
いくつかの実施例では、粗製品2,6-MPNを再結晶させる方法は以下のとおりである。メタノール水溶液(メタノール:水の質量比は85:15)と粗製品2,6-MPNを8:1の質量比に応じて、撹拌装置、温度計、還流凝縮管の入っている三つ口フラスコ内で混合し、淡黄色固体が完全に溶解するまで55℃の水浴において撹拌し、引き続き20分撹拌した後、再結晶液を10℃で結晶させ、6時間結晶させる。完全に結晶させた後に吸引ろ過を行って、固体と液体を分離して、白い微粉2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得ることができ、当該生成物を乾燥機に入れて溶剤を除去し、再結晶させて得られた2,6-MPNスラリーを製品フィルタで分離してろ過ケーキとろ液を取得し、母液、洗浄液がメタノール回収塔に入り、頂部からメタノールが留出して再利用される。釜底留出物が汚水システムに入る。湿ったろ過ケーキを乾燥機で乾燥し、乾燥機からの排気はメタノール回収システムに入り、乾燥後に製品2,6-MPNを得る。
【0152】
また、分液器16内で分離された水相をアシル化廃水の処理プロセスで処理する具体的なプロセスは以下に示すとおりである。
【0153】
図7に示すように、本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理システムは、沈殿池1702、ろ過ユニット1703、抽出ユニット1704、精留塔1705、生化学処理ユニット1706、溶解槽1707、および反応釜1708を含み、沈殿池1702は水酸化アルミニウム沈殿物を生成することに用いられ、ろ過ユニット1703の入口は沈殿池1702の出口に連通し、抽出ユニット1704の入口はろ過ユニット1703のろ液出口に連通し、抽出ユニット1704に抽出溶媒入口が設けられ、精留塔1705の入口は抽出ユニット1704の抽出相出口に連通し、精留塔1705の抽出溶媒出口は抽出溶媒入口に連通し、精留塔1705のニトロベンゼン出口は生産用有機溶剤パイプラインに連通し、生化学処理ユニット1706の入口は抽出ユニット1704のラフィネート相出口に連通し、生化学処理ユニット1706の出口は廃水基準達成排出パイプラインに連通し、溶解槽1707の出口はろ過ユニット1703のろ過ケーキ出口に連通し、溶解槽1707に濃塩酸入口が設けられ、反応釜1708の入口は溶解槽1707の出口に連通する。
【0154】
いくつかの実施例では、抽出ユニット1704は遠心抽出装置、例えば市販されている遠心抽出機などである。
【0155】
いくつかの実施例では、生化学処理ユニット1706は活性汚泥処理システムを用いることができる。活性汚泥システムは本出願の重点ではないため、通常の活性汚泥処理システムを用いればよい。図8に示すように、通常の活性汚泥処理システムは曝気槽17061、二次沈殿池17602、還流システム、剰余汚泥排放システム、酸素供給システムなどを含み、本出願のいくつかの実施例では、抽出ユニット1704のラフィネート相出口を曝気槽17061の給水口に連通させると、ラフィネート相を活性汚泥処理システムに導入して、通常の活性汚泥法で処理することができ、基準に達する排出を実現する。
【0156】
なお、本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理システムについて、各部材の間の連通方式は、材料の性質に応じて、パイプラインを介して連通すること選択するか、又は中継輸送車で輸送するなどによって実現してもよく、パイプラインで連通する場合、必要に応じて、対応するパイプラインにバルブとポンプを取り付けることができ、これらはいずれも一般の技術であり、本出願の重点ではない。
【0157】
いくつかの実施例では、水量を調整し、水質を均衡させ且つアシル化廃水を前処理するために、本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理システムは、沈殿池1702の前に設けられる調整池1701をさらに含む。アシル化廃水はまず調整池1701に入り、水質と水量が調整され前処理され、さらに沈殿池1702に入る。
【0158】
いくつかの実施例では、反応釜はステンレス鋼の反応釜などを用いることができる。沈殿池1702は横流式沈殿池又は縦流式沈殿池などを用いることができ、ろ過ユニット1703はプレート・フレーム式フィルタプレスを用いることができる。溶解槽は通常の溶解槽を用いることができ、精留塔は充填塔又はプレート式塔などを用いることができる。
【0159】
本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理システムの動作原理は以下のとおりである。
【0160】
使用時に、水相はまず調整池1701に入って水量を調整し、水質を均衡させ且つ前処理し、そして沈殿池1702に入る。沈殿池1702に入るアシル化廃水はアルカリ源、即ち水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は液化アンモニアのうちの少なくとも1つによってpHがアルカリ性に調整され、即ちpHは8~10であり、いくつかの実施例ではpHは9程度であり、アシル化廃水内のアルミニウムイオン沈殿は水酸化アルミニウムであり、水酸化アルミニウム沈殿物を含有する懸濁液はろ過ユニット1703に入ってろ過され、水酸化アルミニウムのろ過ケーキとろ液は得られる。ろ液は塩酸、硝酸又は硫酸のうちの少なくとも1つを用いてろ液のpHを2~3に調整した後、抽出ユニット1704に入り、撹拌条件で、抽出ユニット1704内の抽出溶媒によって抽出されて層化し、抽出相とラフィネート相を生成し、ここで、抽出溶媒は非極性有機溶剤で、ノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、ノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素のうちの少なくとも1つであり、且つ抽出溶媒とろ液との体積比は0.5~5:1である。
【0161】
その後、抽出相は精留塔1705に入ってニトロベンゼンと抽出溶媒との効率的な分離を実現し、原料ニトロベンゼンと抽出溶媒を得て、精留塔1705から出る抽出溶媒は改めて抽出ユニット1704に入って、ろ液に対する抽出に参加し、精留塔1705から出るニトロベンゼンは生産用有機溶剤パイプラインに入って、関連する化学品の生産に使用され、抽出ユニット1704から出るラフィネート相は生化学処理ユニット1706に入って、生化学処理されて基準に達して排出される。ろ過ユニット1703から出る水酸化アルミニウムろ過ケーキは溶解槽1707に入り、溶解槽1707内の濃塩酸の作用により40~50℃で加熱して溶解させ、ろ過ケーキと濃塩酸との重量比は0.5~2.5:1であり、その後に反応釜に入って、反応釜1708に加えられる助剤と重合して水処理薬剤のポリ塩化アルミニウムを得て、得られたポリ塩化アルミニウムの品質はポリ塩化アルミニウム国家標準《GB/T22627-2014水処理剤-ポリ塩化アルミニウム》を満たす。助剤はアルミン酸カルシウムまたは/およびアルミン酸マグネシウムであり、その添加量はろ過ケーキ乾燥重量の2~10wt%である。
【0162】
なお、本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理プロセスは、本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理システムを利用してアシル化廃水の処理を行い且つその資源を回収することができ、しかし、その実現が頼るシステム装置は本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理システムに限定されない。
【0163】
以下、具体的な実施例に合わせて本出願の実施例の資源回収可能なアシル化廃水処理プロセスを説明する。
【0164】
本出願の実施例に関わる原料試薬と設備は、特殊な説明がない限り、商業的な方法で手に入れる試薬と設備である。特殊な説明がない限り、本出願の実施例に関わる検出方法などはいずれも通常の方法である。
【0165】
本出願の以下の実施例はいずれも実験室条件で行い、吸引ろ過はブフナー漏斗、吸引ろ過瓶、ゴム管、抽気ポンプ、ろ紙で組み立てられる実験室吸引ろ過装置を用いることができる。
【0166】
以下、実施例に合わせて本出願の実施例のアシル化液を調製するための方法を詳しく説明する。
【0167】
<実施例1>
<アシル化液の調製>
三つ口フラスコに600.4gのニトロベンゼンを加え、窒素ガスの保護下で200.41gの塩化アルミニウムを秤量して、第1チャンバ110のニトロベンゼン内に加え、撹拌機3で撹拌し、熱交換媒体で60℃に加熱し、300rpmで溶解を撹拌して混合溶液を得て、混合溶液温度が50℃である条件で、投入ポンプ6を用いて120.13gのプロピオニル化剤を滴加し、滴加速度は1秒あたり5滴であり、300rpmで撹拌し、滴加し終えた後に、調製されたアシル化液を得る。当該アシル化液は窒素ガスの保護下で、吸引ろ過装置を用いて吸引ろ過処理を行って、アシル化液内の固体顆粒を除去してアシル化液を得て、液体貯蔵タンク内に30日間貯蔵し、その固体含有量は0.2%より小さい。
【0168】
<アシル化液によるアシルナフタレンの連続合成>
計量ポンプを用いて実施例1の原料液14とアシル化液15をそれぞれ吸い取り、アシル化液15の(計量ポンプ)流速は160g/minであり、原料液14の(計量ポンプ)流速は83g/minであり、即ち2-メチルナフタレン:塩化プロピオニル:AlCl = 1:1.3:1.5というモル比に応じて原料の配合を行う。注射器を介して二種類の材料を内径3mmの三方型混合器11内に注入して混合し、混合後に内径3mmのマイクロチャンネル反応器12に加えて反応させ、5min後に、アシル化反応液はマイクロチャンネル反応器12の出口から流出し、ここで、三方型混合器11とマイクロチャンネル反応器12は第1恒温槽内に配置され、反応温度を-5℃に制御し、複数の釜が直列接続される釜式反応器13内に流し、釜式反応器13は第2恒温槽内に配置され、反応温度を40℃に制御し、釜式反応器13内で撹拌して反応させ、3つの釜式反応器13を経る総滞留時間は60minであり、釜式反応器13から流出するアシル化反応液は管形反応器内で脱塩水とともに加水分解反応を行う。
【0169】
即ち、管形反応器内で加水分解反応を行う方法は以下のとおりである。加水分解区間では、注水ポンプを予め始動し、アシル化反応液を加水分解区間に通す前に脱イオン水を加水分解区間の水相管路に通し、水相管路内の水の流速を10mL/minに制御する。水が加水分解区間出口から流出した場合、釜式反応器13から流出するアシル化反応液を管路にある逆止め弁を通過させ、直接加水分解区間の油相管路に入らせ、低温コールドバス内において0℃で素早く水と混合してから管形反応器に入れ、30℃で加水分解反応を行い、これとともに超音波振動をオンにして管形反応器内の液体を振動撹拌し、且つ末端の分液器16の抽気ポンプを始動する。アシル化反応を終了し且つ得られた加水分解液を分液器16に入れ、分液器16内において80℃で撹拌し、4h後に油相と水相との層化を完成させることができ、分液後の油相溶液は精留に備え、水相溶液は廃水高級酸化処理後に、工業団地の汚水処理工場に送り、当該アシル化反応の2-メチルナフタレンの転化率は99.0%より大きく、選択的には88.0%である。
【0170】
加水分解反応で分離された油相を精留する方法は以下のステップを含み、図6に示すとおりである。
【0171】
(1)油相は第1精留塔の中間部から第1精留塔に送られて精留され、当該アシル化反応液には80wt%のニトロベンゼン溶剤と20wt%の2-メチル-6-プロピオニルナフタレン粗留分が含まれる。第1精留塔の圧力は0.1kPaであり、精留温度は45~130℃であり、ニトロベンゼンは45℃で塔頂から蒸発し、還流比は1:1であり、塔頂凝縮温度は10℃であり、塔頂の気相ニトロベンゼンが凝縮後に塔頂からニトロベンゼン溶剤Cを回収し、釜底液Bの温度は130℃であり、塔底から流出する。第1精留塔による精留後に、98%のニトロベンゼン溶剤Cは回収され、釜底液B内に78%の粗2-メチル-6-プロピオニルナフタレンが含まれる。
【0172】
(2)ステップ(1)内の釜底液Bの排出温度は130℃であり、それを熱いうちに第2精留塔に圧送してさらに精留する。第2精留塔の圧力は1kPaであり、精留温度は110~150℃で、還流比は5:1で、凝縮温度は75℃であり、17wt%の2-メチル-6-プロピオニルナフタレンの異性体軽質留分Dは114℃で塔頂から蒸発し、凝縮した後に収集され、80wt%の生成物E2-メチル-6-プロピオニルナフタレンは136℃で第2精留塔の側線から採取され、3%の塔底高沸点成分Fは塔底に入り、塔底リボイラにより加熱された後、熱いうちに塔底材料収集タンク内に圧送する。
【0173】
第1精留塔の理論塔板数は30で、供給位置は第15枚の理論板に位置し、第2精留塔の理論塔板数は40で、供給位置は第25枚の理論板に位置し、製品側線採取は第22枚の理論板にある。
【0174】
粗製品2,6-MPNを再結晶する方法は、撹拌装置、温度計、還流凝縮管が取り付けられている三つ口フラスコ内で、メタノール水溶液(メタノール:水の質量比は85:15)と粗製品2,6-MPNを8:1の質量比例に応じて混合し、淡黄色固体が完全に溶解するまで55℃の水浴において撹拌し、引き続き20分撹拌した後、再結晶液を10℃で結晶させ、6時間結晶させる。完全に結晶させた後に吸引ろ過を行って、固体と液体を分離して、白い微粉2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得ることができ、当該生成物を乾燥機に入れて溶剤を除去し、再結晶させて得られた2,6-MPNスラリーを製品フィルタで分離してろ過ケーキとろ液を取得し、母液、洗浄液がメタノール回収塔に入り、頂部からメタノールが留出して再利用される。釜底留出物が汚水システムに入る。湿ったろ過ケーキを乾燥機で乾燥し、乾燥機からの排気がメタノール回収システムに入り、乾燥後に製品2,6-MPNを得る。
【0175】
実施例1の方法で調製されたアシル化液を調製された2-メチルナフタレン原料液14と混合し、マイクロチャンネルと釜式併用反応器内でアシル化反応を行い、反応後に加水分解、減圧精留、再結晶を行って2-メチル-6-プロピオニルナフタレン製品を得て、収率は80%で、純度は98.0%である。
【0176】
実施例2~実施例7、および比較例1~比較例9では、表1に従ってアシル化液の調製、アシル化加水分解の反応条件および油相精留プロセスを調整すること除き、他は実施例1と同じである。各実施例および比較例で得られたアシル化液固体含有量、アシル化反応の2-メチルナフタレンの転化率、選択性および再結晶後に2-メチル-6-プロピオニルナフタレン製品を得る収率と純度結果は以下の表1に示すとおりである。
【0177】
<表1>各実施例と比較例の異なる段階の性能検出結果
【0178】
表1に示すように、実施例2のデータは、実施例1と比較して、吸引ろ過装置を使用せずに吸引ろ過処理を行ってアシル化液内の溶解していない固体顆粒をすべて除去し、実施例2では、アシル化液は後期アシル化反応段階にマイクロチャンネル反応器12を塞ぐリスクがあるため、再結晶後に2-メチル-6-プロピオニルナフタレン製品を得る収率を低下させる。また、アシル化液15を調製するプロセスにおける保護雰囲気と制御パラメータも極めて重要であり、例えば、比較例1と実施例1との比較から分かるように、塩化アルミニウムを秤量する際は窒素ガスの保護下で行うのではなく、瓶の口から白い煙が出ることが観察され、塩化アルミニウムの色は淡黄色から白色に変わり、塩化アルミニウム表面が不活化されることが表明され、そのため、AlCl触媒が空気中の水分と接触して不活化されやすいことにより、アシル化反応段階における2-メチルナフタレンの転換は不完全になる。また、アシル化反応段階では、実施例1と比較例5~7との比較から分かるように、塩化プロピオニルの添加量が少ないことも2-メチルナフタレン転換の不完全をもたらし、塩化プロピオニルと触媒の添加量が多い場合は2-メチルナフタレン転換に影響することはない。以上により、塩化プロピオニルの添加量が少ないことや触媒の量が少ないおよび触媒温度が適切ではないことはいずれも2-メチルナフタレン転換の不完全をもたらす。
【0179】
表の実施例1および実施例4~7に示すように、異なるアシル化反応条件がアシル化反応プロセスに与える影響は示され、ここで、実施例4~7および比較例2~8は実施例1と比較すると、アシル化プロセスにおいて、三方型混合器11とマイクロチャンネル反応器12が第1恒温槽内に配置される温度、釜式反応器13を第2恒温槽内に配置する反応温度、直列接続される釜式反応器13の数、滞留時間、および2-メチルナフタレン:塩化プロピオニル:AlClの比率関係を変えることにより、異なるアシル化反応条件がいずれも2-メチルナフタレンの選択性および再結晶後に2-メチル-6-プロピオニルナフタレン製品を得る収率に影響することが分かった。
【0180】
三方型混合器11とマイクロチャンネル反応器12は第1恒温槽内に配置されて低温混合することは、原料液14とアシル化液15が混合されて激しく放熱する際に低温で熱を移動させることができるだけではなく、アシル化反応が低温マイクロリアクター領域で動力学によって制御されて反応が速いため、60%~70%の2-メチルナフタレンがアシル化生成物に転換され、釜式反応器13の温度が上昇し、混合液を釜式反応器13内で一定時間反応させることにより、反応していない2-メチルナフタレンを引き続き反応させることができ、反応の転化率を向上させ、これとともに、工業的には、すべてマイクロチャンネル反応器12を使用するコストを削減することができる。第1恒温槽と第2恒温槽の温度を正確に制御することによって反応の高い転化率と反応の高い選択性を確保する。例えば、表では実施例1と比較例2とを比較することから分かるように、第1恒温槽の温度を変えることは2-メチルナフタレンの選択性に大きな影響を与え、実施例1と比較例3とを比較することから分かるように、第2恒温槽の温度を変えることは2-メチルナフタレンの選択性および2-メチル-6-プロピオニルナフタレン製品の収率に大きな影響を与える。
【0181】
実施例1と比較例4とを比較することから分かるように、5つの釜式反応器13を用い且つ総滞留時間を90minとすることは、実施例1のデータとほぼ同じであり、実験時間を延長しただけである。実施例4~7と比較例8とを比較することから分かるように、比較例8では内径3mmのマイクロチャンネル反応器12のみを用いて反応させ、釜式反応器13とともに使用するのではないため、2-メチルナフタレンの選択性が低い。マイクロチャンネル反応器12の比表面積が高く、安全性能が高く、温度応答が速く、拡散による物質移動を主とし、熱を反応系から除去し、反応物が最適な反応物温度で反応することを確保し、反応物の選択性と収率の向上に役立つことが分かったが、マイクロチャンネル反応器12のみを用いることにより、アシル化反応の時間は長く、後期の加水分解に不利である。
【0182】
比較例9は釜式反応器から流出したアシル化反応液に対して間欠的な釜式加水分解を行い、実施例1と比較すると、釜式反応器13から流出したアシル化反応液を管形反応器に直接通して同期加水分解反応を直接行うのではなく、即ち、まずアシル化反応液を得た後から加水分解反応前まで一定の時間間隔があり、貯蔵タンク内に水を直接加えて加水分解を行い、アシル化反応液は直ちに加水分解されることができず、放置する時に空気中の水と加水分解反応しやすく、自体にもHClガスの漏れがあり、空気を汚染し、加水分解反応の時間、温度および材料バランス率の調整に不利であり、水の消費量を2~3倍増やす。実施例1と比較すると、比較例10では、釜式反応器から流出したアシル化反応液と脱塩水とを連続同期加水分解反応器で加水分解反応を行い、アシル化反応を停止し且つ得られた加水分解液を実施例1の分液器で分液するのではなく、24h静止分離した後に油相と水相を層化させ、24時間という長い分液時間を必要とするだけではなく、分液プロセス中に発生した排気ガスは環境を汚染する。
【0183】
また、実施例8~12は、加水分解液を分液器16に入れ、分液後の水相溶液をアシル化廃水の処理プロセスで処理する具体的なプロセスを例示的に示す。
【0184】
<実施例8>
500mLのアシル化廃水(COD:6530mg/L、ニトロベンゼン:3200mg/L、塩化物イオン:3000mg/L、アルミニウムイオン:3000mg/L)を用意してビーカに添加し、8gの水酸化ナトリウムを加え、pHを9.0に調整して0.5h反応させて、水酸化アルミニウム沈殿物を含有する懸濁液を得る。その後、当該懸濁液を吸引ろ過した後にろ過ケーキとろ液を得て、ろ過ケーキを自然乾燥させる。18wt%の塩酸でろ液のpHを2に調整し、ろ液を500mLのノルマルヘプタンが入っている分液漏斗に移し、均一に振り混ぜてから30min静置して層化させる。上澄み液(抽出相)を充填塔に移して精留回収(塔板の数は15枚、還流比は0.06、塔頂温度は98℃、塔底温度は176℃)し、純度99%のニトロベンゼン原料と純度98%の抽出溶媒ノルマルヘプタンを得て、ニトロベンゼン回収率は90%に達し、抽出溶媒ノルマルヘプタンの損失量は3%だけである。分液漏斗の下層溶液(ラフィネート相)を活性汚泥処理システムに移してさらに10h処理する。10000mgの乾燥のろ過ケーキを5000mLの濃塩酸が入っているビーカに加えて40℃で溶解させた後、70℃と0.5MPaで500mgのアルミン酸カルシウムと反応させ、製品ポリ塩化アルミニウムを得る。
【0185】
検出により、活性汚泥処理系により処理された後、排水中にCOD=55mg/L(図9に示すように)、ニトロベンゼン濃度=0.5mg/L、いずれも排出標準《GB8978-1996汚水総合排出標準》(COD<100mg/L、ニトロベンゼン<1.0mg/L)の要件を満たす。得られた製品ポリ塩化アルミニウムの主な指標は、塩化アルミニウムの質量分数が29%、塩基度が55%、水不溶物の質量分数が0.2、pH値が4.5、鉄の質量分数が1.0%、砒素、鉛、クロム、水銀、カドミウムがいずれも検出されないことである。製品ポリ塩化アルミニウムの各指標はいずれも国家標準《GB/T22627-2014水処理剤-ポリ塩化アルミニウム》の要件を満たす。
【0186】
<実施例9>
500mLのアシル化廃水(COD:6900mg/L、ニトロベンゼン:2700mg/L、塩化物イオン:3000mg/L、アルミニウムイオン:3000mg/L)を用意してビーカに添加し、7.5gの水酸化カリウムを加え、pHを9.2に調整して0.5h反応させ、水酸化アルミニウム沈殿物を含有する懸濁液を得る。その後、当該懸濁液を吸引ろ過してろ過ケーキとろ液を得て、ろ過ケーキを自然乾燥させる。50wt%の硫酸でろ液のpHを2.5に調整し、ろ液を600mLのノルマルヘプタンの入っている分液漏斗に移し、均一に振り混ぜてから30min静置して層化させる。上澄み液(抽出相)を精留塔に移して精留回収(塔板の数は15枚、還流比は0.06、塔頂温度は98℃、塔底温度は176℃)し、純度99%のニトロベンゼン原料と純度98%の抽出溶媒ノルマルヘプタンを得て、ニトロベンゼン回収率は92%に達し、抽出溶媒ノルマルヘプタンの損失量は4%だけである。分液漏斗の下層溶液(ラフィネート相)を活性汚泥処理システムに移してさらに12h処理する。10000mgの乾燥のろ過ケーキを6000mLの濃塩酸の入っている溶解槽に加えて45℃で溶解させた後に、80℃と0.7MPaで400mgアルミン酸マグネシウムと反応させ、製品ポリ塩化アルミニウムを得る。
【0187】
検出により、活性汚泥処理系により処理された後、排水中にCOD=50mg/L(図10に示すように)、ニトロベンゼン濃度=0.5mg/L、いずれも排出標準《GB8978-1996汚水総合排出標準》(COD<100mg/L、ニトロベンゼン<1.0mg/L)の要件を満たし、得られた製品ポリ塩化アルミニウムの主な指標は、塩化アルミニウムの質量分数が30%、塩基度が56%、水不溶物の質量分数が0.3、pH値が5.0、鉄の質量分数が1.0%、砒素、鉛、クロム、水銀、カドミウムがいずれも検出されないことである。製品ポリ塩化アルミニウムの各指標はいずれも国家標準《GB/T22627-2014水処理剤-ポリ塩化アルミニウム》の要件を満たす。
【0188】
<実施例10>
500mLのアシル化廃水(COD:7200mg/L、ニトロベンゼン:4200mg/L、塩化物イオン:3000mg/L、アルミニウムイオン:2500mg/L)を用意してビーカに添加し、8.2gの水酸化カリウムを加え、pHを9.0に調整して、0.5h反応させて、水酸化アルミニウム沈殿物を含有する懸濁液を得る。その後、当該懸濁液を吸引ろ過してろ過ケーキとろ液を得て、ろ過ケーキを自然乾燥させる。15wt%の塩酸でろ液のpHを3に調整し、ろ液を600mLのノルマルヘプタンが入っている分液漏斗に移し、均一に振り混ぜてから30min静置して層化させる。上澄み液(抽出相)を精留塔に移して精留回収(塔板の数は15枚、還流比は0.06、塔頂温度は98℃、塔底温度は176℃)し、純度99%のニトロベンゼン原料と純度99%の抽出溶媒ノルマルヘプタンを得て、ニトロベンゼン回収率は88%に達し、抽出溶媒ノルマルヘプタンの損失量は6%だけである。分液漏斗の下層溶液(ラフィネート相)を活性汚泥処理システムに移してさらに12h処理する。8000mgの乾燥のろ過ケーキを5000mLの濃塩酸が入っている溶解槽に加えて50℃で溶解させた後、80℃と0.7MPaで450mgのアルミン酸マグネシウムと反応させて、製品ポリ塩化アルミニウムを得る。
【0189】
検出により、活性汚泥処理系により処理された後、排水中にCOD=55mg/L(図11に示すように)、ニトロベンゼンの濃度=0.5mg/L、いずれも排出標準《GB8978-1996汚水総合排出標準》(COD<100mg/L、ニトロベンゼン<1.0mg/L)の要件を満たす。得られた製品ポリ塩化アルミニウムの主な指標は、塩化アルミニウムの質量分数が31%、塩基度が62%、水不溶物の質量分数が0.4、pH値が6.5、鉄の質量分数が2.0%、砒素、鉛、クロム、水銀、カドミウムがいずれも検出されないことである。製品ポリ塩化アルミニウムの各指標はいずれも国家標準《GB/T22627-2014水処理剤-ポリ塩化アルミニウム》の要件を満たす。
【0190】
<実施例11>
本出願の実施例は実施例18とほぼ同じであり、相違点として、抽出溶媒は四塩化炭素である。
【0191】
<実施例12>
本出願の実施例は実施例18とほぼ同じであり、相違点として、抽出溶媒はノルマルオクタンとキシレンとを1:1という体積比で混合する混合物である。
【符号の説明】
【0192】
100 調製システム
1 釜体
101 第1投入口
102 第2投入口
103 撹拌口
104 液体排出口
1041 第1制御弁
105 検温口
106 pH計口
107 第1ハウジング
108 トップカバー
109 ジャケット
1091 熱交換媒体第1入口
1092 熱交換媒体第1出口
110 第1チャンバ
2 投入口カバー
3 撹拌機
301 撹拌軸
302 撹拌ブレード
4 pH計
5 温度センサ
6 投入ポンプ
600 第1ホース
7 ろ過装置
701 第2ハウジング
7011 ろ過装置入口
7012 ろ過装置出口
7013 第1部分
7014 第2部分
702 ろ過フィルム
8 液体貯蔵タンク
801 第3ハウジング
8011 液体貯蔵タンク入口
8012 液体貯蔵タンク出口
8013 第2真空排気口
9 真空排気ポンプ
900 第2ホース
901 第1真空排気口
10 ガラスカバー
1001 嵌合面
11 三方型混合器
12 マイクロチャンネル反応器
13 釜式反応器
14 原料液
15 アシル化液
16 分液器
1601 排気口
1602 供給口
1603 制御弁
1604 容器
1605 排出口
1701 調整池
1702 沈殿池
1703 ろ過ユニット
1704 抽出ユニット
1705 精留塔
1706 生化学処理ユニット
17061 曝気槽
17602 二次沈殿池
1707 溶解槽
1708 反応釜
1801 ウォッシュオイル
1802 ナフタレン留分軽質油
1803 メチルナフタレン濃縮留分
1804 重質留分油
1805 共沸留出物
1806 残油
1807 共沸剤混合物
1808 メチルナフタレン粗生成物
1809 水
1810 共沸剤
1811 加熱冷却媒体
1812 残留母液
1813 メチルナフタレン製品
1814 温度制御媒体出口
1815 温度制御媒体入口
1816 材料入口
1817 材料出口
1818 結晶板温度制御媒体入口
1819 結晶板温度制御媒体出口
1820 突起
1821 溝
1822 らせん状溝
V1 ウォッシュオイル貯蔵タンク
V2 常圧精留塔
V3 共沸精留塔
V4 超音波静的混合器
V5 分離器
V6 精留塔
V7 デジタル式温度制御可能な油浴
V8 間欠式溶融晶析器。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-03-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アシル化液の調製システムであって、記調製システムは、
第1チャンバを限定し、前記第1チャンバに連通する第1投入口、第2投入口、撹拌口および液体排出口を有する釜体と、
前記第1投入口に取り外し可能に封止装着される投入口カバーと、
前記第2投入口内にアシル化剤を添加するように前記第2投入口に封止接続される投入ポンプと、
一部が前記撹拌口内に封止挿着され、撹拌軸と撹拌ブレードを含む撹拌機であって、前記撹拌ブレードが前記撹拌軸に設けられ、前記撹拌軸の少なくとも一部と前記撹拌ブレードの各々が前記第1チャンバ内に設けられる撹拌機と、を含み、
調製システムを用いて前記アシル化液を調製することは、
不活性ガスの保護下でLewis触媒を秤量するステップaと、
溶剤と、量された前記Lewis触媒とを前記第1投入口で前記第1チャンバ内に加え、前記撹拌機を用いて均一に撹拌して混合溶液を得るステップbと、
前記投入ポンプを用いて記混合溶液にアシル化剤を加えて、アシル化液を得るステップcと、を含む、
ことを特徴とするアシル化液の調製システム
【請求項2】
前記釜体は、
前記液体排出口が設けられ、上端が開放する第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに封止装着されるトップカバーであって、前記第1ハウジングと前記トップカバーによって前記第1チャンバが限定され、前記第1投入口、前記第2投入口および前記撹拌口がいずれも前記トップカバーに設けられる第1ハウジングと、
前記第1ハウジングに外嵌され、熱交換媒体を流入するための熱交換媒体第1入口および熱交換媒体を流出するための熱交換媒体第1出口を有するジャケットと、を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアシル化液の調製システム
【請求項3】
前記調製システムは、熱交換媒体第2入口と熱交換媒体第2出口を有する加熱装置であって、前記熱交換媒体第1出口が前記熱交換媒体第2入口に接続され、前記熱交換媒体第1入口が前記熱交換媒体第2出口に接続される加熱装置と、
前記釜体が、前記第1チャンバに連通する検温口を有し、一部が前記検温口内に封止挿着され、検出側が前記第1チャンバ内に設けられる温度センサと、
前記温度センサが検出した温度に基づいて前記加熱装置を制御するように、前記加熱装置と前記温度センサの各々に接続されるコントローラと、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1に記載のアシル化液の調製システム
【請求項4】
前記調製システムは吸引ろ過装置をさらに含み、前記吸引ろ過装置は、
第2ハウジングとろ過フィルムを含むろ過装置であって、前記第2ハウジングによって第2チャンバが限定され、前記ろ過フィルムが前記第2チャンバ内に設けられ、前記ろ過フィルムが前記第2チャンバを第1部分と第2部分に仕切り、前記第2ハウジングには、前記第2チャンバに連通するろ過装置入口とろ過装置出口が設けられ、前記ろ過装置入口が前記第1部分に対応して設けられ、前記ろ過装置出口が前記第2部分に対応して設けられ、前記ろ過装置入口が前記液体排出口に接続されるろ過装置と、
第3ハウジングを含む液体貯蔵タンクであって、前記第3ハウジングによって第3チャンバが限定され、前記第3ハウジングに液体貯蔵タンク入口と液体貯蔵タンク出口が設けられ、前記液体貯蔵タンク入口が前記ろ過装置出口に連通する液体貯蔵タンクと、
第1真空排気口を有する真空排気ポンプであって、前記第3ハウジングには、前記第3チャンバに連通する第2真空排気口が設けられ、前記第1真空排気口が前記第2真空排気口に連通する真空排気ポンプと、を含む、
ことを特徴とする請求項2に記載のアシル化液の調製システム
【請求項5】
前記第1ハウジング、前記第2ハウジングおよび前記第3ハウジングは一体式構造であり、前記液体排出口は前記第1ハウジングの底部に設けられ、前記ろ過装置入口は前記第2ハウジングの頂部に設けられ、前記ろ過装置は前記釜体の底部に設けられ、前記ろ過装置の出口は前記第2ハウジングの底部に設けられ、前記液体貯蔵タンクの入口は前記第3ハウジングの頂部に設けられ、前記液体貯蔵タンクは前記ろ過装置の底部に設けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載のアシル化液の調製システム
【請求項6】
前記溶剤はニトロベンゼンであり、溶剤と、秤量された前記Lewis触媒とを前記第1投入口で前記第1チャンバ内に加え、前記撹拌機を用いて均一に撹拌して混合溶液を得るステップは具体的
記ニトロベンゼンを前記第1投入口で前記第1チャンバ内に加え、
量された前記Lewis触媒を前記第1チャンバ内の前記ニトロベンゼン内に加え、
熱交換媒体を用いて前記ニトロベンゼンと前記Lewis触媒を共に50℃~60℃に加熱するとともに、前記撹拌機を用いて200rpm~400rpmで撹拌する、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のアシル化液の調製システム
【請求項7】
活性ガス雰囲気下で、前記吸引ろ過装置を用いて、前記アシル化液に対して吸引ろ過処理を行って、ろ過後のアシル化液を得るステップdをさらに含む、
ことを特徴とする請求項4に記載のアシル化液の調製システム
【請求項8】
アシルナフタレンを連続合成する方法であって、
2-メチルナフタレンを含む原料液と請求項1~のいずれか一項に記載のアシル化液の調製システムにより調製されるアシル化液を混合するステップであって、モル比で前記2-メチルナフタレン:前記アシル化剤:前記Lewis触媒が1:1.3:1.5であるアシル化反応液を形成するステップ
前記アシル化反応液が、順次、マイクロチャンネル反応器、および複数の釜が直列接続される釜式反応器に入って、前記マイクロチャンネル反応器内にアシル化反応を行った途端に前記釜式反応器に加水分解反応を行い、加水分解後の液体に対して、精留と結晶により2-メチル-6-プロピオニルナフタレンを得るステップ、を含む、
ことを特徴とするアシルナフタレンを連続合成する方法。
【請求項9】
射器を介して前記原料液と前記アシル化液を三方型混合器に注入して混合
前記三方型混合器と前記マイクロチャンネル反応器は第1恒温槽に配置され、温度は-5~0℃に制御され、前記釜式反応器は第2恒温槽に配置され、温度は30~50℃に制御される、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項10】
前記釜式反応器は2つ~4つ設けられ且つ互いに直列接続さ
前記アシル化反応液の前記釜式反応器における総滞留時間は50~80minである、
ことを特徴とする請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記加水分解方法は、加水分解区間では、アシル化反応後のアシル化反応液を加水分解区間に通す前に水を加水分解区間の水相管路に通し、水が加水分解区間出口から流出した場合、さらに前記アシル化反応液を前記加水分解区間の油相管路に通し、低温コールドバス内で水と急速に混合してから管形反応器に入って加水分解反応を行い、加水分解後の混合液は前記管形反応器の出口から流出し、の段階では、混合液が完全に排出されるまで、水は常に流通状態を維持し、加水分解反応とアシル化反応との同期進行を実現する、
請求項に記載の方法。
【請求項12】
前記加水分解方法は、分液器を用いて混合液を収集して水相と油相の分離を行うステップをさらに含む、
ことを特徴とする請求項20に記載の方法。
【請求項13】
注水ポンプを始動して前記加水分解区間の前記水相管路に通水することにより、前記水相管路内の水の流速を3~15mL/minに制御
低温コールドバスの温度は0~20℃であ
前記管形反応器の反応温度は30~40℃である、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
アシル化廃水処理ステップさらに含み、具体的には、
前記分液器によって分離された前記水相のpHをアルカリ性に調整して、水酸化アルミニウム沈殿物を含有する懸濁液を取得し、前記懸濁液をろ過して水酸化アルミニウムろ過ケーキとろ液を取得するステップ
前記ろ液のpHを酸性に調整した後、抽出溶媒に移して撹拌、静置し、層化されたラフィネート相と抽出相を取得するステップ
前記ラフィネート相を生化学処理し、基準に達した後に排出するステップ
前記抽出相を精留分離した後にニトロベンゼンと前記抽出溶媒を取得し、前記ニトロベンゼンを有機溶剤として再利用し、前記抽出溶媒を改めて前記ろ液の抽出に用いるステップ
前記ろ過ケーキを濃塩酸に加え加熱して溶解させ、助剤を添加した後に重合してポリ塩化アルミニウムを得るステップ、を含む、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
記分液器によって分離された前記水相のpHをアルカリ性に調整する方法は、アルカリ原料を用いて前記水相のpHを8~10に調整することを含み、前記アルカリ原料は水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは液化アンモニアのうちの1つまたは2つ以上である、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
記ろ液のpHを酸性に調整する方法は、酸を用いてろ液のpHを2~3に調整することを含み、酸は塩酸、硝酸または硫酸のうちの1つまたは2つ以上である、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項17】
記抽出溶媒は非極性有機溶剤であり、前記抽出溶媒とろ液との体積比は0.5~5:1であ
前記抽出溶媒はノルマルヘプタン、ノルマルオクタン、ノルマルヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、四塩化炭素のうちの少なくとも1つである、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項18】
熱溶解の温度は40~50℃であり、ろ過ケーキと濃塩酸との重量比は0.5~2.5:1である、
ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項19】
精留は、
記油相を第1精留塔の中間部から第1精留塔に送って精留し、軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に回収され、塔底液は塔底部から流出するステップ
前記塔底液を熱いうちに第2精留塔内に圧送してさらに精留し、第2精留塔の軽質留分は塔頂から蒸発し、凝縮した後に収集され、製品は第2精留塔の側線から採取され、塔底高沸点成分は塔底に入り、塔底リボイラで加熱した後、塔底高沸点成分を熱いうちに塔底材料収集タンク内に圧送するステップ、を含
前記第1精留塔の圧力は0.05KPa~10KPaであり、還流比は(1~2):1であ
前記第1精留塔の凝縮温度は10~20℃であ
前記第2精留塔の圧力は0.05KPa~10KPaであり、還流比は(5~10):1であ
前記第2精留塔の凝縮温度は50~90℃である、
ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記2-メチルナフタレンはウォッシュオイルから抽出されたものであり、純度は99.0~99.9%であり、抽出方法は、
ォッシュオイルを精留分離してメチルナフタレン濃縮留分を得て、
記メチルナフタレン濃縮留分を共沸精留塔に通して共沸精留を行って、共沸留出物を得て、
記共沸留出物を分離器に通して2-メチルナフタレン粗生成物を得て、
記2-メチルナフタレン粗生成物を、並列接続して設置される複数の間欠式溶融晶析器に通して2-メチルナフタレンの結晶化と精製を行うことである、
ことを特徴とする請求項19のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0144
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0144】
いくつかの実施例では、加水分解反応で分離された油相を第1精留塔に通し、第1精留塔内はアシル化軽質成分除去塔であり、用いる充填材セラミックス、スプリング、θリングまたはその組み合わせであり、軽質成分除去塔の塔頂部の軽質留分は主に、少量の水が凝縮した後に廃水高級酸化処理に入って、軽質成分除去塔の側線から採取されたニトロベンゼンであり、回収してリサイクルすることができ、軽質成分除去塔の釜底から流出した塔底液は粗製品として第2精留塔に送り込む。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
いくつかの実施例では、第2精留塔は重質成分除去塔であり、用いる充填材セラミックス、スプリング、θリングまたはその組み合わせであり、重質成分除去塔の塔頂から2-メチル-6-プロピオニルナフタレン(2,6-MPN)以外の異性体軽成分が留出し、凝縮した後に回収される。重質成分除去塔の釜底から少量の重い有色不純物を定期的に収集した後に処理し、重質成分除去塔の側線からアシル化区間の粗製品の2,6-MPN留分を採取して、冷却した後に再晶析器に送る。2,6-MPN以外の-メチル-6-アシルナフタレンのアシル基はメチル基、エチル基、又はイソプロピル基のうちのいずれか1つであり、即ち製品2-メチル-6-アシルナフタレンは、2-メチル-6-ホルミルナフタレン、2-メチル-6-アセチルナフタレン又は2-メチル-6-イソプロピルナフタレンから選択される
【国際調査報告】