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特表2023-546812環境センサを含むベイピング用エアロゾル発生デバイス、及びベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】環境センサを含むベイピング用エアロゾル発生デバイス、及びベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステム
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/65 20200101AFI20231031BHJP
   A24F 40/51 20200101ALI20231031BHJP
   A24F 40/46 20200101ALI20231031BHJP
   A24F 40/60 20200101ALI20231031BHJP
【FI】
A24F40/65
A24F40/51
A24F40/46
A24F40/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520393
(86)(22)【出願日】2021-11-02
(85)【翻訳文提出日】2023-05-23
(86)【国際出願番号】 EP2021080332
(87)【国際公開番号】W WO2022096432
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】20206007.5
(32)【優先日】2020-11-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516004949
【氏名又は名称】ジェイティー インターナショナル エスエイ
【住所又は居所原語表記】8,rue Kazem Radjavi,1202 Geneva,SWITZERLAND
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 顕
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA05
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC22
4B162AC37
4B162AD32
4B162AD41
(57)【要約】
本発明は、霧化器(201)と、マイクロコントローラ(23)と、ベイピングデバイスの位置を検出するための測位センサ(32)と、周囲の任意の人物を検出し、環境センサと検出された各人物との間の距離を推定するためのLiDAR等の環境センサ(26)とを備えるベイピングデバイス(20)に関係する。サーバと複数のベイピングデバイスとを備える、ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステムにおいて、各ベイピングデバイスのマイクロコントローラは、サーバに、ベイピングデバイスの検出位置を、周囲で検出された人数及び環境センサと検出された人物との間の最小距離を含む環境データと共に送信する。サーバは、関連する環境データに応じて、受信した位置毎の快適レベルを評価し、受信した全ての場所をそれらの評価された快適レベルと共にリスト化したベイピング場所のマップを生成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベイピング用エアロゾル発生デバイス(20、40)であって、
-蒸気を発生させるための霧化器(201、60)と、
-前記霧化器を制御するためのマイクロコントローラ(23)と、
-前記ベイピング用エアロゾル発生デバイスの位置を検出するための測位センサ(32)であって、前記マイクロコントローラと接続されている測位センサと、
-サーバ(90)にデータを送信するための通信インターフェース(25)と、を備え、
・前記ベイピング用エアロゾル発生デバイスは、更に、前記マイクロコントローラ(23)に接続され、その周囲の所定の半径に位置する任意の人物を検出し、環境センサ(26)と検出された各人物との間の距離を推定することができる環境センサ(26)を備え、
・前記マイクロコントローラ(23)は、前記環境センサ(26)によって検出された人数を算出し、前記環境センサと前記検出された人物との間の最小距離を特定するよう構成され、
・前記マイクロコントローラ(23)は、前記通信インターフェース(25)によって、前記ベイピング用エアロゾル発生デバイスの前記検出された位置を、前記算出された検出人数及び前記特定された最小距離を含む複数の環境データと共に前記サーバに送信するよう構成される、
ベイピング用エアロゾル発生デバイス。
【請求項2】
前記環境センサ(26)はLiDARである、請求項1に記載のベイピング用エアロゾル発生デバイス。
【請求項3】
前記環境センサ(26)は360°LiDARである、請求項1に記載のベイピング用エアロゾル発生デバイス。
【請求項4】
前記通信インターフェース(25)は、WiFiエミッタを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載のベイピング用エアロゾル発生デバイス。
【請求項5】
前記マイクロコントローラ(23)は、発生する蒸気量を特定し、前記算出された検出人数及び前記特定された最小距離に基づいて、前記霧化器(201、60)の1つ以上の動作パラメータを変化させることによって前記発生する蒸気量を調整するよう構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のベイピング用エアロゾル発生デバイス。
【請求項6】
前記霧化器は、前記蒸気を発生させるよう気化性物質を加熱するための加熱器(22、62)を含み、前記霧化器の前記動作パラメータは、前記加熱器の温度、前記加熱器に供給される電流又は電圧、空気流入口又は通路(28、29)の開口、前記加熱器によって加熱される前記気化性物質の加熱量から選択される、請求項5に記載のベイピング用エアロゾル発生デバイス。
【請求項7】
前記環境センサ(26)を動作停止させるための制御ツールを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のベイピング用エアロゾル発生デバイス。
【請求項8】
ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステムであって、
・請求項1から7のいずれか一項に記載の複数のベイピング用エアロゾル発生デバイス(20a、20b、20c、40a、40b、40c)と、
・前記複数のベイピング用エアロゾル発生デバイスのそれぞれからの前記検出された位置および前記環境データを受信するように構成されたサーバ(90)であって、受信した前記環境データに応じて各位置の快適レベルを評価するための分類モジュールと、前記受信した全ての位置を前記評価された快適レベルと共にリスト化するベイピング場所のリストを生成するためのマッピングモジュールとを含むサーバと、を備える、
システム。
【請求項9】
前記リストは、前記複数のベイピング用エアロゾル発生デバイス(20a、20b、20c、40a、40b、40c)のそれぞれから受信した前記位置がマークされ、マークされた各位置は、前記位置について評価された前記快適レベルを表す記号に対応付けられる地理的マップの形態を有する、請求項8に記載のベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステム。
【請求項10】
ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するための方法であって、
・請求項8又は9に記載のシステムを用いることと、
・前記複数のベイピング用エアロゾル発生デバイス(20a、20b、20c、40a、40b、40c)のそれぞれから、前記サーバ(90)によって、前記ベイピング用エアロゾル発生デバイスの前記検出された位置を前記環境データと共に受信することと、
・前記サーバ(90)によって、前記位置と共に受信された前記環境データに応じて、受信された各位置の快適レベルを評価することと、
・前記サーバ(90)によって、前記評価された快適レベルと共に前記受信した全ての位置をリスト化したベイピング場所のリストを生成することと、を含む、方法。
【請求項11】
前記リストをユーザのスマートフォン(80a、80b)に送信することを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
スマートフォンにロードし、実行する場合、請求項10又は11に記載の方法において生成される前記ベイピング場所のリストを受信し、表示させる、スマートフォン用アプリケーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子たばこ(e-シガレットとも称する)及び加熱非燃焼式たばこデバイス等のベイピング用エアロゾル発生デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
電子たばこは、一般に、霧化器又はクリアロマイザと、バッテリ等の電源と、霧化器又はクリアロマイザにおける加熱(電気的に制御された加熱器による)によって霧化するe-リキッドを受け入れるカートリッジ又はタンク等のコンテナとを備えている。
【0003】
加熱非燃焼式たばこデバイスは、一般に、ペン型ホルダーを備え、それにたばこスティックが挿入され、次いで、電気的に制御された加熱器によって250℃~350℃まで加熱される。
【0004】
たばこスティックは、従来の紙巻たばこのように見えるスティックであり、再構成たばこ材料、エアロゾルを冷却するフィルタ、従来の紙巻たばこの感触を模倣する軟質の吸い口を含んでいる。再構成たばこ材料は、たばこ、エアロゾル形成を促す湿潤剤(水及びグリセリン等)、結合剤、及び香気剤を含む乾燥たばこ懸濁液から作られる可能性がある。
【0005】
ベイピング用エアロゾル発生デバイスは、従って、気化性製品(e-リキッド、又は再構成たばこ材料、又は他の気化性材料)を加熱して、ユーザが吸入するエアロゾルを生成する電気熱源を備える携帯型デバイスである。
【0006】
従来の紙巻たばこを喫煙することは、喫煙者の周囲にいる人に対して迷惑をかけ、危険であるとさえみなされている。喫煙は、従って、多くの場所で禁止されている。
【0007】
反対に、ベイピングは、多くの場合、喫煙が禁止されている場所で許可されるか、又は容認される。とはいえ、ベイパー(ベイピング用エアロゾル発生デバイスのユーザ)は、ベイピングが許可されている場所でも自身の周囲の人に迷惑をかけることを恐れ、従って、大きな煙を発生させることに抵抗を感じる可能性がある。その一方で、誰もいなければ、大きな煙を楽しむことができるはずである。
【0008】
従って、ベイピングの瞬間を完全に楽しむために、ベイパーが近く又は所定の地域内の良好なベイピング場所を知らされることが評価される可能性がある。良好なベイピング場所とは、ベイパーが自由にベイピングでき、他の人々に迷惑をかけるリスクなしに大きな煙を楽しむことができる場所である。
【0009】
米国特許第9155337号明細書は、ハウジング、霧化器、及び制御回路を備える電子たばこを開示している。e-シガレットは、更に、近くの人物の画像を取り込むよう構成されるカメラを備える。取り込まれた画像は、特定の人物、又は特定層の人物(例えば子供)が近くにいることを特定するために用いられ、制御回路は、近接する人物の存在、又は近くの人物の身元又は性質(例えば子供)に基づいてe-シガレットの使用を制限(例えば、防止、低減、又は修正)するよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第9155337号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
米国特許第9155337号明細書が開示するデバイスは、所定の地域内のベイピング場所に関する情報をユーザに提供することができない。
【0012】
本発明は、この問題を解決することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、従って、ベイピング用エアロゾル発生デバイスであって、
-蒸気を発生させるための霧化器と、
-霧化器を制御するためのマイクロコントローラと、
-ベイピング用エアロゾル発生デバイスの位置を検出するための測位センサであって、マイクロコントローラと接続されている測位センサと、
-リモートサーバ(以下、単に「サーバ」という。)にデータを送信するための通信インターフェースと、を備えるベイピング用エアロゾル発生デバイスに関する。
【0014】
本発明によるベイピング用エアロゾル発生デバイスは、
・更に、マイクロコントローラに接続され、その周囲の所定の半径に位置する任意の人物を検出し、環境センサと検出された各人物との間の距離を推定することができる環境センサを備え、
・マイクロコントローラは、環境センサによって検出された人数を算出し、環境センサと検出された人物との間の最小距離を特定するよう構成され、
・マイクロコントローラは、ベイピング用エアロゾル発生デバイスの検出された位置を、算出された検出人数及び特定された最小距離を含む複数の環境データと共にサーバに送信するよう構成されることを特徴とする。
【0015】
本発明は、また、上で定義されたような複数のエアロゾル発生デバイスを用いる、ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステム及び方法にも関する。これらのシステム及び方法は、後ほどここで説明する。
【0016】
マイクロコントローラは、検出位置を有する環境データをリアルタイムで送信するか、又はこの情報を収集し、それらをユーザによる要求時若しくは定期的に、例えば数分毎にバッチで送信するよう構成されてもよい。
【0017】
有利には、環境センサはLiDARである。好ましい実施形態において、環境センサは360°LiDARである。
【0018】
本発明の可能な特徴によれば、ベイピング用エアロゾル発生デバイスの通信インターフェースは、WiFiエミッタを含む。
【0019】
本発明の可能な特徴によれば、マイクロコントローラは、その上、発生する蒸気量を特定し、算出された検出人数及び特定された最小距離に基づいて、霧化器の1つ以上の動作パラメータを変化させることによって発生する蒸気量を調整するよう構成される。従って、蒸気量は、状況(混雑している又は空いた場所)に応じて常に自動調整されて、各状況において快適且つ最適な送出を提供する。
【0020】
ベイピング用エアロゾル発生デバイスの霧化器は、蒸気を発生させるよう気化性物質を加熱するための加熱器を含んでもよい。なお、気化性物質は、固体気化性材料又はe-リキッドであってもよい。本発明の可能な特徴によれば、発生する蒸気量を調整するようマイクロコントローラによって制御されてもよい霧化器の動作パラメータは、加熱器の温度(この温度は温度センサによって検出されるか、又は他のパラメータに従ってマイクロコントローラによって算出されてもよい)、加熱器に供給される電流又は電圧、空気流入口又は通路の開口、加熱器によって加熱される気化性物質の加熱量から選択される。
【0021】
上述したように、第2の態様において、本発明はまた、ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステムにも関する。このシステムは、
・本発明による複数のベイピング用エアロゾル発生デバイスと、
・複数のベイピング用エアロゾル発生デバイスのそれぞれからの検出された位置および環境データを受信するように構成されたサーバであって、関連する環境データに応じて受信した各位置の快適レベルを評価するための分類モジュールと、受信した全ての位置を対応する評価された快適レベルと共にリスト化するベイピング場所のリストを生成するためのマッピングモジュールとを含むサーバと、を備える。
【0022】
有利には、マッピングモジュールによって生成されたリストは、複数のベイピング用エアロゾル発生デバイスのそれぞれから受信した位置がマークされ、マークされた各位置は、当該位置について評価された快適レベルを表す記号、例えば色分けに対応付けられる地理的マップの形態を取る。
【0023】
上述したように、第3の態様において、本発明はまた、ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するための方法にも関する。この方法は、以下のステップ、即ち、
・先に説明したようなシステムを用いるステップと、
・複数のベイピング用エアロゾル発生デバイスのそれぞれから、サーバによって、ベイピング用エアロゾル発生デバイスの検出された位置を環境データと共に受信するステップと、
・サーバ(より正確にはその分類モジュール)によって、位置と共に受信された環境データに応じて、受信された各位置の快適レベルを評価するステップと、
・サーバ(より正確にはそのマッピングモジュール)によって、評価された快適レベルと共に受信した全ての位置をリスト化したベイピング場所のリストを生成するステップと、
・このリストをユーザのスマートフォンに送信するステップと、を含む。
【0024】
従って、第4の態様において、本発明はまた、スマートフォンにロードし、実行する場合、本発明による方法において生成されるベイピング場所のリストを受信し、表示させる、スマートフォン用アプリケーションにも関する。ベイピング場所のリストは、アプリケーションを介したユーザによる要求時に受信されてもよいか、又はアプリケーションが実行されるとすぐに且つ実行されている限り、リアルタイムで受信され、更新されてもよい。
【0025】
ベイピング場所のリストは、ユーザのベイピング用エアロゾル発生デバイスの測位センサ(ユーザIDが、ユーザのベイピングデバイスに関連付けられ、アプリケーションに予め入力されている)又は、好ましくは、アプリケーションが実行されているスマートフォンのGPSのどちらか一方によって検出されるような、ユーザの現在位置周辺の地域の地理的マップの形態を取ることが好ましい。
【0026】
この地理的マップは、スマートフォンの現在位置を中心としてもよく、スマートフォン(及びユーザ)の移動に追従するように、リアルタイムで又はスマートフォンの位置の変化が検出されるとすぐに更新されてもよい。
【0027】
本発明の可能な特徴によれば、ベイピング用エアロゾル発生デバイスは、環境センサを動作停止させるための制御ツールを含み、それによって、ユーザが、環境センサによる環境の走査を防止すること、又は環境センサによって収集されるデータのマイクロコントローラによる使用を防止することを可能にする。この環境センサを動作停止させるための制御ツールは、センサとマイクロコントローラとの間の接続を遮断するためのボタン又はタッチコマンド、或いは、検出した環境データ及びベイピング用エアロゾル発生デバイスの位置のマイクロコントローラによるサーバへの送信を防止する要求をユーザが入力することを可能にするマンマシンインターフェース(デジタルタッチスクリーン等)であってもよい。
【0028】
本発明の他の特殊性及び利点は、以下の説明からも明らかになろう。
【0029】
非限定的な実施例によって与えられる添付の図面は、以下の通りである。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1の実施形態による加熱非燃焼式たばこデバイスを立体図において表す。
図2図1に示す加熱非燃焼式たばこデバイスを極めて略図的な縦断面図において表す。
図3】本発明の第2の実施形態によるe-シガレットを側面図において表す。
図4図3に示すe-シガレットの第1の部分を極めて略図的な縦断面図において表す。
図5図3に示すe-シガレットの第2の部分を略図的な分解図において表す。
図6】ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するための本発明によるシステムを略図的な立体図において表す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1及び2は、本発明による加熱非燃焼式たばこデバイスを示しており、これは、たばこスティック10を受け取るよう適合されるペン型ホルダー20を備えている。
【0032】
従来の方法において、たばこスティック10は、下部に気化性材料101を含み、上部に吸い口102を含む。更に、フィルタセクション103及び冷却セクション104を気化性材料101と吸い口102との間に備えていてもよい。
【0033】
ペン型ホルダー20は、たばこスティック10に埋め込まれた気化性材料を蒸発させることができる、霧化器201と称される蒸発ユニット201と、マイクロコントローラ23とバッテリ25等の電源とを収容するハウジング31を備える給電ユニット202とを備えている。マイクロコントローラ23は、メインプリント回路基板アセンブリにあってもよい。それは、バッテリ25に接続され、後者によって(接続線によって略図的に表される)従来の方法で給電される。給電ユニット202の下端部は、適切な変圧器、又はUSB(Universal Serial Bus)ソケットによって電気が供給される充電器(図示せず)にバッテリ25を接続するための接続手段(図示せず)を含んでいてもよい。
【0034】
霧化器201は、たばこスティック10の下部を受け入れるよう構成される加熱キャビティ21を収容するハウジング30を備えている。この加熱キャビティ21は、マイクロコントローラ23によって動作する加熱器22によって囲まれている。加熱キャビティ21内に載置される気化性材料101は、加熱器22によって加熱されると、微細な液滴を送出することができる。
【0035】
少なくとも1つの空気入口28が、霧化器ハウジング30に設けられている。また、空気通路29が加熱キャビティの底壁に設けられる。従って、ユーザがたばこスティックの吸い口102においてパフを行うと、空気流が、空気入口28及び空気通路29を通って、次いでスティックを通って生じる。加熱器22によって加熱された気化性材料101において発生した微細な液滴は、この気流に担持され、ユーザによって吸入される蒸気を形成する。
【0036】
霧化器は、マイクロコントローラによって操作される電動空気流調整シュラウド又は電動空気流調整フランジ(図示せず)を含んでいてもよく、その回転は、霧化器によって発生する蒸気の量を調整するために、空気入口28の開口又は空気通路29の開口をそれぞれ変更する。霧化器によって発生する蒸気の量を調節する別の方法は、加熱器22に供給される電流又は電圧を調節することである。霧化器によって発生する蒸気の量を調節する別の方法は、スティックの軸に沿った複数のセクションを含むセグメント化された加熱器を霧化器に設け、加熱器の1つのセクションのみ又は全体を選択的に動作させて気化性材料を部分的又は全体的に加熱し、それによって気化性材料において発生する液滴の量を調節することである。
【0037】
霧化器は、更に、加熱キャビティ21内の温度を検出するための温度センサ33を備え、マイクロコントローラ23は、発生する蒸気の量を調節する目的のために、キャビティ内の温度に応じて加熱器に供給する電流又は電圧、或いは空気入口又は空気通路の開口を調節するよう構成されてもよい。
【0038】
マイクロコントローラ23によって制御される動作パラメータ(風量、加熱器に供給される電流又は電圧等)が何であれ、発生する蒸気の量は、後に説明するように、環境状況に応じて有利に調節される。
【0039】
給電ユニット202は、更に、マイクロコントローラに加熱器22への電力供給を許可又は停止させるための、マイクロコントローラに接続されるON/OFFスイッチ27を備えていてもよい。代替の実施形態において、霧化器は圧力センサを含み、マイクロコントローラは、ユーザによるパフに対応する圧力の低下が検出される場合に、バッテリ24によって加熱器22が供給されるよう構成される。
【0040】
本発明によれば、ペン型ホルダーの給電ユニット202は、更に、加熱非燃焼式たばこデバイスの環境を走査するための360°LiDAR26等の環境センサと、加熱非燃焼式たばこデバイスの位置を検出するためのGPSセンサ32等の測位センサと、リモートサーバにデータを送信するためのWiFiエミッタ25等の通信インターフェースとを備えている。LiDAR26、GPSセンサ32、及びWiFiエミッタ25は全て、マイクロコントローラ23に接続されている。
【0041】
別の実施形態において、本発明による加熱非燃焼式たばこデバイスは、たばこスティックの代わりに気化性材料のポッド又はカプセル又は錠剤を受け入れるよう構成されるデバイスであってよい。錠剤に圧縮される、又はカプセル又はポッドに埋め込まれる気化性材料は、天然たばこを含んでいないことさえある。別の実施形態において、本発明による加熱非燃焼式たばこデバイスは、ルーズリーフたばこを受け入れるよう構成されてもよい。
【0042】
本発明は、また、図3及び4において図示するe-シガレット40等のe-シガレットにも適用される。e-シガレット40は、給電ユニット50と、「クリアロマイザ(clearomizer)」として時には知られているがここでは「霧化器」と称する蒸発ユニット60と、吸い口70を形成するドリップチップとを備える。
【0043】
従来の方法において、霧化器60は、蒸発されるe-リキッドを受け入れるためのタンク61と、複数のウィック62が通過する加熱抵抗コイル62からなる加熱器と、霧化器60を給電ユニット50に接続するためのねじ式ベース64とを備える。
【0044】
上で説明した加熱非燃焼式たばこデバイスと同様に、e-シガレットの給電ユニット50は、マイクロコントローラ23、バッテリ等の電源24、測位センサ32、リモートサーバにデータを通信するための通信インターフェース25、LiDAR等の環境センサ26、並びにON/OFFスイッチ27を収容している。給電ユニットは、更に、ボルト、ワット、オーム、及びパフ等の動作情報を表示するためのLEDデジタルディスプレイ51と、加熱抵抗コイル62に供給される電流又は電圧の、ユーザによる調節のための±電力及び電圧ボタン52と、電源24を充電するためのマイクロUSBソケット53とを備えていてもよい。
【0045】
本発明によれば、図1及び2の加熱非燃焼式たばこデバイス並びに図3及び4のe-シガレットの両方について、LiDAR(又は他の環境センサ)26及びマイクロコントローラ23は、LiDARの周囲の所定の半径に位置する任意の人物を検出し、LiDARと各検出した人物との間の距離を推定し、次いで、LiDARによって検出された人数を算出し、LiDARと検出した人物の間の最低距離を特定するよう構成される。
【0046】
マイクロコントローラ23は、更に、算出した人数及び特定された最短距離(「環境データ」と称する)を、GPSセンサ32から受信する位置データに関連付け、WiFiエミッタ25の補助を得てこれらデータの全てをリモートサーバに送信するよう構成される。
【0047】
その上、マイクロコントローラ23は、また、環境状況への蒸気送出を自動的に適合させるために、算出した人数及び/又は特定された最小距離等の少なくとも1つの環境データに応じて、加熱器によって発生する蒸気の量を調節するよう構成されることが好ましく、それによって、ユーザが、ベイピング方法を自分で適合させることを考える必要なく、近くの人に迷惑をかけないことを確信する。
【0048】
別の態様において、本発明は、図6において図示するように、ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するためのシステムを提案する。このシステムは、
-クラウドに接続されるサーバ90と、
-加熱非燃焼式たばこデバイス20a、20b、20c及びe-シガレット40a、40b、40c等の、以下、単に「ベイピングデバイス」と称する複数のベイピング用エアロゾル発生デバイスであって、全てがデバイスの位置を検出できる測位センサと、周囲の人を検出できる環境センサと、クラウドを介してサーバ90にデータを送信できる通信インターフェースとを備える複数のベイピング用エアロゾル発生デバイスと、
-クラウドを介してサーバ90と通信できる少なくとも1つのユーザのスマートフォン80a、80bと、を含んでいる。
【0049】
別の態様において、本発明は、上で説明したシステムを用いて、ベイピング場所に関する情報をユーザに提供するための方法を提案する。ここで、
-システムの各ベイピングデバイス20a、20b、20c、40a、40b、40cにおいて、ベイピングデバイスの環境センサ26(LiDAR)は、近くにいる任意の人物を検出し、ベイピングデバイスと検出した各人物との間の距離を推定すること等を行うよう、ベイピングデバイスの周囲の環境を走査する。この走査は、ベイピングデバイスのスイッチをオンにするとすぐに実行されてもよいが、後で説明するように、ユーザによって禁止されてもよい。ベイピングデバイスのマイクロコントローラ23は、環境センサ26によって検出された人数を算出し、ベイピングデバイスと検出された人との間の最小距離を特定する。次に、マイクロコントローラ23は、ベイピングデバイスの測位センサ(GPS)32によって検出される位置と、先に算出した人数と、先に特定した最小距離とを含む、サーバ90に送信されるデータのセットを準備する。このサイクルが一定周期、例えば1分毎に繰り返される。
-送信されるデータのセット(環境データ+位置)が、従って、システムのベイピングデバイスにおいて用意されるとすぐに、このベイピングデバイスのマイクロコントローラは、ベイピングデバイスの通信インターフェース25を用いて、用意されたデータのセットをクラウドを介してサーバ90に送信する(矢印300)。
-サーバ90は、従って、システムの全てのベイピングデバイスから、ベイピングデバイスの位置と、それらのそれぞれが検出された環境データとを含む多くのデータのセットを受信する。
-受信したデータの各セットについて、サーバ90は、セットの環境データに応じて、対応する位置に対する快適レベルを評価する。
-サーバ90は、先に評価されたような快適レベルに対応する位置のリストを確立し、このリストはリアルタイムで更新される。ベイピング場所の地理的マップに、リスト化された位置の快適レベルを色分けして表す形態が採用されてもよい。
【0050】
その一方で、
-ベイピング場所の情報を得たいユーザは、この目的を達成するためにアプリケーションをダウンロードすることができる自分のスマートフォン80a、80bを用いることができる。
-アプリケーションを起動すると、情報要求(矢印400)が、スマートフォンのGPSによって検出されたユーザの位置と共に、クラウドを介してサーバ90に送信される。
-この要求を受信すると、サーバ90は、スマートフォンの位置の周囲の地域に対応するベイピング場所の地図の一部をスマートフォンに送信する(矢印500)。
【0051】
ユーザが望む場合、例えば、自宅、又はシステムの他のユーザによってベイピング場所とみなされることを意図していないプライベートな場所にいる場合に、環境データを収集しないか、又は送信しないようユーザに許可するよう、例えば、LiDARとマイクロコントローラとの間の接続を遮断することによって、ベイピングデバイスのLiDARを動作停止させるためのボタンが設けられてもよいことに注意されたい。
【0052】
本発明は、図示する実施形態に限定されない。特に、本発明は、ポッド若しくはカプセル、又はルーズリーフたばこを用いるベイピングデバイス、或いは、付属図面に図示する加熱器とは構造的に異なる加熱器を有するベイピングデバイスを含む、任意のベイピングデバイスに適用される。その上、本発明による代替の実施形態の別の実施例として、ベイピングデバイスの環境センサは、このセンサが近くにいる任意の人物を検出し、検出した人物とセンサとの間の距離を評価することができれば、LiDARでなくてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】