(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】デジタル飲料フォントレンズ
(51)【国際特許分類】
G09F 23/06 20060101AFI20231031BHJP
B67D 1/08 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
G09F23/06
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023520487
(86)(22)【出願日】2021-10-05
(85)【翻訳文提出日】2023-04-20
(86)【国際出願番号】 EP2021077403
(87)【国際公開番号】W WO2022073978
(87)【国際公開日】2022-04-14
(32)【優先日】2020-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】520297702
【氏名又は名称】カールスバーグ ブルワリーズ アグシャセルスガーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】バッハ,ピーター
(72)【発明者】
【氏名】テイシェイラ,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】シルバ,リカルド
(72)【発明者】
【氏名】ジェッセン,カーレ,ゾフマン
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA10
3E082BB01
3E082CC03
3E082DD20
3E082FF09
(57)【要約】
本開示は、筐体内に埋設され、第1の窓を通して視認可能な客用表示パネルと、前記筐体内に埋設され、前記第1の窓に対向する第2の窓を通して視認可能なオペレーター用表示パネルと、前記客用表示パネル及び前記オペレーター用表示パネルに情報を表示するマイクロコントローラユニットと、を収容する前記筐体を含む飲料フォントレンズに関する。本開示はさらに、飲料分配システムを監視する情報システムに関し、前記情報システムは、1つ又は複数の測定装置と、1つ又は複数の電子装置と、クラウドコンピューティングに適する少なくとも1つのクラウドサーバーと、それぞれ飲料フォントレンズに埋設された1つ又は複数のマイクロコントローラユニットとを含む。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に埋設され、第1の窓を通して視認可能な客用表示パネルと、
前記筐体内に埋設され、前記第1の窓に対向する第2の窓を通して視認可能なオペレーター用表示パネルと、
前記客用表示パネル及び前記オペレーター用表示パネルに情報を表示するマイクロコントローラユニットと、を収容する前記筐体を含むことを特徴とする、飲料フォントレンズ。
【請求項2】
前記マイクロコントローラユニットは、第1のインタフェースと第2のインタフェースとを含み、前記客用表示パネルは、前記第1のインタフェースに接続され、前記オペレーター用表示パネルは、前記第2のインタフェースに接続されることを特徴とする、請求項1に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項3】
前記客用表示パネルは、前記オペレーター用表示パネルよりも高い解像度を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項4】
前記客用表示パネルは、少なくとも24FPSのフレームレートを有することを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項5】
前記第1のインタフェースは、少なくとも24FPSのフレームレートを有する高速画像データをサポートするように構成され、前記第2のインタフェースは、最大15FPSのフレームレートを有する低速画像データをサポートするように構成されることを特徴とする、請求項2~4のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項6】
前記マイクロコントローラユニットは、データの無線送信のために構成されるか、又は無線通信用のRFモジュールに接続されることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項7】
前記筐体は、楕円形又は水滴形などの丸みを帯びた外縁を含むことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項8】
前記第1の及び/又は第2の窓は、略円形であることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項9】
前記第1の及び/又は前記第2の窓は、無線周波数識別(RFID)システムに一般的に用いられる無線周波数、並びに/又はWiFi及び/若しくはブルートゥースで典型的に用いられる周波数範囲(複数可)に対して透過な材料を含むことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項10】
1つ又は複数の飲料容器を含む飲料分配システムの飲料フォントに取り付けられるように構成され、前記マイクロコントローラユニットは、前記1つ又は複数の飲料容器に関する情報を無線で受信するように構成されることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項11】
前記飲料フォントレンズへの唯一の配線は、電力を受けるためのものであることを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項12】
前記情報は、クラウドサーバー及び/又は1つ又は複数の電子装置から受信され、各電子装置は、前記飲料分配システムを監視するように構成される1つ又は複数の測定装置と通信することを特徴とする、先行請求項10及び11のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項13】
前記オペレーター用表示パネルは、前記飲料分配システムに関するオペレーター情報を表示するように構成され、前記オペレーター情報は、前記飲料容器(複数可)内の飲料の残存量、前記飲料容器(複数可)内の飲料のタイプ、いつ飲料容器が前記飲料フォントに対して接続された/分離されたか、クリーニングアラート、所定の時間間隔での前記飲料容器(複数可)からの飲料の分配量、又はそれらの組み合わせという内容のいずれかを含むことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項14】
前記オペレーター情報は、自動的かつ連続的にリアルタイムに更新されて前記飲料分配システムの現在の状況を反映することを特徴とする、請求項13に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項15】
前記飲料フォントに極めて近接する及び/又は前記飲料フォントを操作するオペレーターを無線識別するように構成される電子リーダをさらに含み、前記無線識別は、RFID(無線周波数識別)に基づくことを特徴とする、先行請求項のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズ。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の飲料フォントレンズを含み、前記飲料フォントレンズは、
前記飲料フォントに固定接続されるか、又は
タッピングハンドル上はなく、前記飲料フォントに接続されることを特徴とする、飲料フォント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、デジタル飲料フォントレンズに関する。本開示はさらに、飲料を分配する飲料分配システム、及び飲料分配システムを監視する情報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的に、バーやパブなどの飲料分配施設で使用される飲料分配システムは、バーでサービスが提供される客に選択肢を提供するために、多くの異なるタイプの飲料を含む。これにより、飲料分配システムは、多くの場合、複数の異なる飲料容器又はケグを含み、各飲料容器は、特定のタイプの飲料を収容する。さまざまなタイプの飲料は、多くの場合、生ビールやサイダーなどの炭酸アルコール飲料を含むが、非アルコール性ビール、ソフトドリンク及びワインやフルーツジュースなどの非炭酸飲料などの他の飲料も、飲料分配システムによって提供される場合がある。
【0003】
上述の飲料分配システムは、典型的には、1つ又は複数のタッピングヘッドを備える飲料フォントを含み、各タッピングヘッドは、タップハンドルによって操作され、各タッピングヘッドは、飲料分配システムの特定の飲料容器に関連付けられる。飲料容器が多くの場合客に隠されるので、飲料フォントレンズは、典型的には、飲料フォントの近傍に、多くの場合、飲料フォントの各タッピングヘッドの真上に設けられる。次に、各飲料フォントレンズは、客が利用可能なタイプの飲料から選択できるように、飲料のタイプ、例えば、ブランドが特定のタッピングヘッドから分配される情報を客に提供する。このような飲料フォントレンズは、業界で広く知られる。
【0004】
一般に、飲料分配システムに関連付けられる情報が多く、ここで情報の一部は、バーテンダーに関連し、他の一部は、客に関連する。バーテンダー又はバーマネージャーに関連する情報は、典型的には、他の情報のうちの、(所定の飲料の貯蔵期間を追跡するための)所定の飲料容器が設置された時刻、各飲料容器に含まれる飲料のタイプ、各飲料容器の残存量、(所定の飲料の人気を評価するための)所定の時間間隔間の各容器からの分配量、クリーニング間隔を含む。既存の飲料分配システムでは、バーテンダーは、多くの場合、例えば、システムを検査することにより、この情報を手動で追跡しなければならない。したがって、例えば、システムを監視するさまざまなセンサから、関連情報が自動的に収集され、情報が処理されてバーテンダーに表示され、それによってバーテンダーに飲料分配システム全体のよりよい概要を提供する、よりデジタル化された飲料分配システムは、必要である。このようなシステムは、例えば、カウンターに配置されたタブレットを使用して情報を表示する、例えば、WO2018/194601、WO2018/236758及びWO2019/158562に記載される。このような情報をバーテンダー/バーマネージャーに提示するのに理想的な場所は、バーテンダーに面する飲料フォントレンズの一部であり、理由は、それがバーテンダーがタップハンドルを操作するときにバーテンダーの目の前にあるからである。飲料フォントでバーテンダーに情報を表示する例は、WO2018/236758及びWO2019/158562に記載されるが、これらは、飲料レンズ自体に表示されず、タッピングヘッドに表示される。タッピングヘッドに情報を表示することの欠点は、タップを引き下げて飲料を分配する場合に、客又はオペレーターが情報を視認不可であることである。
【0005】
既存の飲料フォントレンズは、多くの場合、LEDなどによって照明されて、バーでのゲストの注意を引く。美的目的で、飲料フォントレンズの照明を提供してもよい。しかしながら、多くの場合、飲料フォントレンズで提供される情報は、静的である。例として、各タッピングヘッドから分配される飲料タイプのブランドが挙げられる。タップ上の飲料が変更されると、フォントレンズを変更する必要がある。したがって、飲料フォントレンズに動的情報を提供する必要があり、上記情報は、飲料フォントレンズを変更せずに更新又は変更することができる。さらに、動的飲料フォントレンズは、バーから客にハッピーアワー、特別プロモーション又はエンターテイメントなどの情報を提供することもできる。客に広告を提供するデジタルディスプレイの例は、US2017/0174496に記載され、これは、飲料フォントレンズに組み込まれない。
【0006】
客への情報に加えて、オペレーターにとって重要であるが、必ずしも客にとって重要ではないリアルタイム情報をバーテンダー又はバーマネージャーなどのオペレーターに提供することもできる飲料フォントレンズは、利点がある。
【0007】
US2015/0368086には、情報を片側に表示するスクリーンを備える飲料レンズが記載される。スクリーンに情報を表示する2つのモードがあり、第1の通常表示モードは、ビールのブランドを動画像又は静止画像で表示し、第2の診断モードは、例えば、飲料容器やケグの状態の情報を表示する。レンズは、正方形であり、従来の飲料フォントレンズと溶け込みにくく、まったく新しいハードウェアを設置する必要がある。また、レンズは、タップハンドルに一体化される。結果として、バーテンダーがUS2015/368086のタップハンドルを操作するたびに、ディスプレイは、位置を変更し/回転され、かつ客及び/又はバーテンダーに視認不可である可能性がある。
【0008】
WO2019/158563は、飲料分配システムを開示し、ここでシステムに関する情報は、自動的に収集され、処理され、ユーザに表示される。
【0009】
要約すると、デジタル化された飲料分配システムは、必要であり、それは、バーテンダーに関連する情報が自動的に収集されてバーで表示され、かつ両面情報、つまりバーでサービスが提供される客に関連する情報及び飲料分配システムを操作するバーテンダーに関連するその他の情報を提供するように既存の飲料フォントレンズのレトロフィットとすることができる。この情報は、理想的には、飲料フォントレンズを変更せずに、簡単かつ迅速に更新できるべきである。最後に、既存の照明付き飲料フォントレンズを交換できるソリューションは、必要であり、交換は、好ましくは、できれば既存の飲料フォントレンズに既に存在するハードウェアを少なく交換することにより、簡単に行うことができる。
【発明の概要】
【0010】
本開示は、システムに関する情報が自動的に収集され、処理され、かつバーの1つ又は複数の飲料フォントレンズに表示される飲料分配システムを提供することにより、上記のニーズを解決する。ここに開示されるデジタル飲料フォントレンズは、1つの飲料容器のみを含む小型飲料分配システムから多くの飲料容器を含む大型飲料分配システムまでの広範囲の飲料分配システムで使用することができる。大型分配システムの場合、システムのデータ、例えば、各飲料容器に含まれる飲料のタイプ及び飲料の鮮度を確保するために各飲料容器が設置された時刻を追跡することは、特に重要である。システムのデータを収集するために、1つ又は複数のセンサ、例えば、飲料分配システムの各飲料ライン又は各圧力チャンバーに対する少なくとも1つの圧力センサは、好適に提供される。上記圧力センサのそれぞれは、同出願人の、名称が「飲料分配システムの監視」であるPCT/EP2020/053640(2020年2月12日出願)に記載されるように、圧力チャンバー内に封入された飲料容器の残存量に関する情報を提供するように構成されてもよい。残りの飲料量は、重量センサ又はビールラインの流量を測定するセンサ及びビールタップが開く時刻を使用して測定することもできる。新しい飲料容器がシステムに設置されるたびに、好ましくは、2020年9月23日に出願され名称が「ケグ用のRFID装備の圧力チャンバー」である国際特許出願No.PCT/EP2020/076493号に記載のようにRFIDシステムを使用してすぐに識別する。RFIDシステム、圧力センサ及び重量センサからのデータは、好ましくは、データをクラウドベースのデータベースに無線送信することができる1つ又は複数の電子装置に収集され、データは、デジタル飲料フォントレンズにおいて、処理されるか、又はマイクロコントローラに直接送信され、次にデータを処理してもよい。好ましくは、バーでの1つ又は複数の飲料フォントレンズは、処理されたデータをクラウドベースのデータベースから自動的に取得し、かつ情報を1つ又は複数の表示パネルに表示するように構成してもよい。この出願は、このような機能を備える飲料フォントレンズをより詳細に説明する。したがって、多数の異なる技術は、本明細書及び同じ出願人の他の出願に記載されるように、高度にデジタル化されたインテリジェントな飲料分配システムに貢献する。
【0011】
本開示は、MCU(マイクロコントローラユニット)及び/又はMPU(マイクロプロセッサユニット)によって制御される2つの埋設の表示パネルを含む飲料フォントレンズに関する。本願において、マイクロコントローラユニットという用語は、代わりにマイクロプロセッサユニットとすることができ、又はマイクロプロセッサをさらに含むことができる。2枚の表示パネルにより、飲料フォントレンズの2つの側面に個別の情報を提供することを可能にする。客とオペレーターの間に位置するバーに飲料フォントが配置されるフロントバー設置では、飲料フォントレンズの片側は、オペレーターに視認可能で専用のものであり、かつ飲料フォントレンズの他側は、客に視認可能で専用のものである。これにより、フォントのバーテンダー側から飲料分配システムを操作するバーテンダーがオペレーター関連情報(例えば、ケグの状態、クリーニングアラートなど)を利用可能である一方、客関連情報(飲料のタイプ、飲料のブランドなど)を飲料フォントの客側で客が視認可能である。客関連情報を1つ又は複数の後続の静止画像の形式で、又は動画もしくはビデオの形式で客に提示することができる。これにより、さまざまな飲料について客に知らせ、かつ動画又はビデオは、客が他の飲料の代わりに、この飲料を購入することを決定するように、客の注意を引くことができる。オペレーターは、上記のような飲料の温度、アルコール度数、潜在的なアレルゲン、各飲料容器の残存量、容器の動作日数及び次のクリーニング間隔までの時間などの、飲料に関する重要な情報を中断せずに常に知る。
【0012】
飲料フォントレンズの2枚の表示パネルは、飲料フォントレンズを備える飲料フォントが客によって囲まれたバーに配置される場合、例えば、バーが円形又は長方形の形状を有し、かつオペレーターが円形又は長方形の内部にいる場合にも適する。オペレーターに面する側面をバーの対向側にいる客が視認可能であるため、オペレーターに面する飲料フォントレンズの側面は、オペレーターに専用のものではない。しかしながら、2つの対向する表示パネルを含む飲料フォントレンズの利点は、囲まれたバーで利用可能である。
【0013】
ここに開示される飲料フォントレンズは、フォントレンズが1つ又は複数のマイクロコントローラユニット及び表示パネルとも呼ばれる2つの電子表示スクリーンなどの電子機器を収容するため、本明細書ではデジタル飲料フォントレンズとも呼ばれる。マイクロコントローラユニットは、好ましくは、2つのインタフェースを介して表示パネルを個別に制御してもよい。あるいは、飲料フォントレンズは、2つのマイクロコントローラユニットなどの複数のマイクロコントローラユニットを含んでもよく、各マイクロコントローラユニットは、1枚の表示パネルを制御するように構成される。一例として、飲料フォントレンズは、2枚の表示パネルのそれぞれがマイクロコントローラユニットのそれぞれによって個別に制御されるように、2つのマイクロコントローラユニットを含むことができる。しかしながら、好ましくは、2つ以上の表示パネルは、単一のマイクロコントローラユニットにインタフェースされる。単一のマイクロコントローラユニットで2つ以上の表示パネルを制御する利点は、電力と熱の消費が削減され、かつ飲料フォントレンズの空間要件が小さくなることである。
【0014】
ビールフォントが、例えばバー領域の後壁に対して又は後壁上など、客に面した時のバーテンダーの後ろに配置又は設置される場合、バーテンダーと客の両方は、レンズの片側のみを視認可能である。このタイプの設置では、同じ前方に面するディスプレイは、客及びバーテンダーにとって価値のある情報の両方を表示できなければならない。デフォルトとして、ディスプレイは、ブランドロゴなどの客情報を表示する。特定のビールフォントに接続された飲料容器又はケグが空又はほぼ空であるなど、何か問題が発生した場合において、バーテンダー又はオペレーターに関連する情報は(「タップが空である」など)、表示されてもよい。通常の操作中にオペレーターに関連情報を提供するために、壁掛け式ディスプレイは、ビール又は他の液体がフォントタップから分配される場合において、客関連情報からオペレーター関連情報に変更してもよい。この状況では、バーテンダーは、ディスプレイの前方に立ち、客に視認不可である。
【0015】
マイクロコントローラユニットの1つのマイクロプロセッサユニットは、表示パネル(複数可)を制御できる。
【0016】
ドラフトシステムに設置された圧力センサ又はその他の装置は、ドラフトイベントに関する情報をクラウドサービスに提供することに用いられる。クラウドへのドラフトイベントの登録は、客関連情報からオペレーター関連情報への変更表示をトリガーすることに用いることができる。
【0017】
円形の設置などの奇妙な形状のバーにおいて、レンズは、客によって両側から視認されてもよい。このタイプの設置では、レンズは、好ましくは、両側にディスプレイを有し、かつデフォルトとして客関連情報を両側に表示できる。
【0018】
飲料フォントレンズは、好ましくは、上述の電子機器(即ち、マイクロコントローラユニット及び2枚の表示パネル)を収容するための筐体を含む。電子機器は、好ましくは、既存の飲料フォントにおいて既に利用可能な低電圧DC電源によって給電されて、本発明のデジタル飲料レンズによって交換されるLED飲料レンズに給電するように構成される。例として、低電圧DC電源は、3~15Vである。照明された飲料フォントは、典型的には、低DC電源を必要とする。これにより、ここに開示される飲料フォントレンズは、新しいデジタル飲料フォントレンズが既存の飲料フォントへのレトロフィットを構成するように、旧飲料フォントを交換しかつ飲料フォントにおける既存のワイヤを使用することで設置がしやすい。飲料フォントにおける既存のワイヤによって提供される電力を使用する能力は、飲料フォントの多くのコンポーネントを再利用する持続可能なソリューションを表す。さらに、飲料フォントレンズの費用効果のより高い設置を提供する。マイクロコントローラユニットはさらに、入力電力を1つ又は複数の表示パネルに給電する別の電力に変換する電力変換器をさらに含んでもよく、又はマイクロコントローラユニットは、電力変換器を含むプリント回路基板の一部であることができる。電力変換器がフォントレンズに十分な給電できない場合、マイクロコントローラユニットへの電力は、例えばACライン電圧を提供するワイヤから直接供給されるか、又は必要な電力を提供するAC-DC変圧器又はAC-AC変圧器を介して供給することができる。任意の場合に、既存のワイヤを依然として使用することができ、かつ飲料フォントレンズの設置により費用効果が非常に高くなる。飲料フォントレンズは、バッテリー及び/又はワイヤによって給電できる。飲料フォントレンズは、バッテリーなしでワイヤのみで給電できる。バッテリーは、定期的に充電される必要があり、かつ最終的には、交換する必要がある。
【0019】
これにより、本開示は、筐体内に埋設され、第1の窓を通して視認可能な客用表示パネルと、前記筐体内に埋設され、前記第1の窓に対向する第2の窓を通して視認可能なオペレーター用表示パネルと、前記客用表示パネル及び前記オペレーター用表示パネルに情報を表示するように構成されるマイクロコントローラユニットと、を収容する前記筐体を含む飲料フォントレンズに関する。
【0020】
デジタル飲料フォントレンズの筐体は、第1の丸みを帯びた外縁を含む。特に、筐体は、水滴形又は楕円形であることができる。マイクロコントローラユニットなどの電子ユニットは、典型的には、PCB(プリント回路基板)の一部であるか、又はPCBを含むことができる。PCBは、好ましくは、長方形であるが、例えば丸みを帯びた形状などの任意の所望の形状を有することができる。空間を節約するために、表示パネル(複数可)をPCBに直接配置することができるか、又はPCBと表示パネルの間に薄いスペーサーを介して配置することができる。スペーサーは、電子コンポーネントを表示パネル(複数可)の後ろのPCB上に配置できるように、表示パネル(複数可)とPCBの間に空間を作成し、これは、PCBがより少ない空間を占めることを意味する。PCBが十分に大きい場合、表示パネル(複数可)は、スペーサーなしで、表示パネル(複数可)の周りのPCB上に配置された電子コンポーネントとともにPCB上に配置できる。
【0021】
表示パネルが略円形である場合、正方形又は長方形のPCBは、好ましくは、表示円内に収まり、外部に突出しないように十分に小さい必要がある。
【0022】
しかしながら、ディスプレイは、ボード及びワイヤに接続されなければならないか、又は、もっとあり得るのは、FPC(フレキシブルプリント回路)が接続されなければならない。LCD設計の性質のため、この接続は、LCDのアクティブな領域の円形領域の外部に突出する。次に、一方向に先細り又は尖った突出部を備えた略円形の筐体を意味する水滴形の筐体は、FPCが表示パネルの外部に一方向に突出する場合に、表示パネルを覆うだけ、同時にPCBに接続されるようにすることができる。
【0023】
水滴形の筐体の利点は、筐体が基本的に従来の光源飲料フォントレンズのように見え(
図1を参照)、したがって、従来の飲料フォントレンズ及び本発明のデジタル飲料フォントレンズの両方を使用するバーによく溶け込むことである。
【0024】
表示パネルは、マイクロコントローラとの通信を可能にする独自の駆動回路を有する。回路は、通常、1つの特定の通信規格のために設計される。
【0025】
アクティブマトリックス型液晶ディスプレイ(TFT、LCD又はOLED)の場合、駆動回路は、各ピクセルのトランジスタへの通信を可能する。トランジスタは、表示パネル内に位置する。パネルは、少なくとも2つの基板で構成される。透過型LCDの場合、主基板は透明で、通常、ガラスである。LCDディスプレイは、費用効果の高いソリューションである。OLEDディスプレイは、OLEDディスプレイがアクティブであり、そのOLEDディスプレイの各ピクセルが照明するため、後ろに光源が必要ではない。
【0026】
ディスプレイは、典型的には、2枚のガラス基板を含む。ディスプレイ駆動回路を2枚の基板の間に位置するトランジスタに電気的に接続するために、1枚の基板は、一般的に、他方の基板よりも大きく製造され、かつ一方向に延在する。2枚の基板が組み立てられる場合、拡張領域は、FPC(フレキシブルプリント回路)を取り付けることができる接触領域を形成する。FPC(フレキシブルプリント回路)は、駆動回路と、主PCB上に位置するマイクロコントローラとの通信用の接触領域とを搭載する。
【0027】
駆動回路はさらに、基板に直接接合されてもよく、FPCは、主に、マイクロコントローラを含むメインボードへの接続に用いられる。
【0028】
LCD視認領域が完全に正方形である場合、基板のうちの1枚が接触レッジを形成するように延在するために、LCDパネルの外形は、一般的に長方形である。最小の外形寸法を有する円形LCDの場合、接触可能な基板は、一方向に局所的に延在する。筐体が水滴形を形成することは、ディスプレイが筐体/レンズの客側及び/又はオペレーター側のすべてをカバーするように製造できる一方、客ディスプレイとオペレーターディスプレイとの間のインタラクションを妨害せずに延在接触領域をカバーするという利点を有する。
【0029】
飲料フォントレンズは、飲料分配システムの一部である飲料フォントに取り付けることができる。飲料フォントレンズは、好ましくは、既存の飲料フォントの大部分と互換性があり、それによって既存の飲料分配システムの大部分と互換性があるように構成される。特に、本発明のデジタル飲料フォントレンズは、追加の配線を引いたり引っ張ったりする必要なく、フォントに既にある電力を再利用するように設計される。しかしながら、デジタル飲料フォントレンズの完全な機能を得るために、好ましくは、飲料分配システムに関連するデータを取得し処理するシステムを伴う。大型の飲料分配システムの場合、このようなシステムは、典型的には、飲料フォントレンズに収容されたマイクロコントローラユニットに加えて、複数の測定装置及び電子装置を含む。本明細書はさらに、飲料分配システムのデータを取得し、上記データを処理し、かつ上記データ及び/又は処理されたデータを飲料フォントレンズに表示するシステムを開示する。飲料フォントレンズは、従来のスチールケグシステム及び出願会社が製造したDraughtMaster(登録商標)システムなどの業務用又は個人用の従来の飲料分配システム、又はHeineken Blade(登録商標)、BeerTender(登録商標)又はAnheusher-Bush InBev PureDraught(登録商標)などのバッグインコンテナシステムと互換性がある。DraughtMaster(登録商標)システムは、例えばWO2019/158562、WO2007/019848、WO2007/019849、WO2007/019850、WO2007/019851及びWO2007/019853に記載される。これらの出願は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。DraughtMaster(登録商標)システムは、それぞれが圧力チャンバー内に配置された折り畳み可能な飲料容器を利用する。このようなシステムはさらに、空気圧縮機などの圧力源を含む。飲料を分配する場合、圧縮空気が圧力チャンバーに入ることができ、それによって飲料を分配しながら飲料容器を折り畳む。バッグインコンテナシステムも、外部容器と外部容器の内部の飲料収納バッグ/容器との間の空間に圧力を印加して、内部容器から飲料を出す、という点において圧力源を必要とし、ここでは圧力チャンバーは、ケグ(容器)の外壁である。
【0030】
好ましくは、飲料分配システムに関連するデータを取得し処理するシステムは、無線システムであり、それにより有線接続のみがフォントに既にある電力である。これにより、本発明によるレンズの設置が非常に簡単になり、費用効果が高くなる。
【0031】
飲料分配システムに関連するデータを取得し処理するシステムと無線で通信するレンズは、システムのどのセンサと通信するかを最初から知る必要がない。最近取り付けられたレンズと接続するために、システムは、好ましくは最近取り付けられたレンズが通信しようとするセンサを選択してレンズに接続することができるシステムのすべてのセンサを提示するソフトウェアアプリケーションを含んでもよい。レンズの提供は、関連センサを選択すること、レンズを表すバーコード、2Dバーコード又はQRコードなどのグラフィックコードのようなコードを読み取ることによって実現できる。グラフィックコードは、レンズの筐体上、例えば、ステッカー上に提示することができ、又はグラフィックコードは、レンズのスクリーン上に提示された電子グラフィックコードであることができる。電子グラフィックコードは、レンズに電子的に保存することができ、かつスクリーン、好ましくはオペレーターに向けられるスクリーンがタッチスクリーンであるか又はそれを含む場合は、例えば、ボタン又はレンズのスクリーンを押すことによって起動する時に、レンズのスクリーンに表示することができる。
【0032】
飲料容器を管理し追跡するために、容器には、NFC(近距離通信)タグなどのRFID(無線周波数識別)タグが付けられてもよい。一意の識別情報を有する以外、システムは、適用可能であれば、飲料のタイプ、飲料のブランド、容器の初期容量、製造日及び/又は製造元、アルコール度数及びアレルゲンなどの飲料に関する情報を抽出してもよい。このような情報は、RFIDタグによって直接提供されてもよい。各飲料容器には、好ましくは、RFIDタグが設けられ、かつ飲料分配システムは、好ましくは、RFIDタグを読み取るように構成される。DraughtMaster(登録商標)システムの場合、これは、上記圧力チャンバーに設置された飲料容器上のRFIDタグを読み取るように構成された環状アンテナを各圧力チャンバーに設けることで達成されてもよい。このようなソリューションは、全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年9月23日に出願された名称が「ケグ用のRFID装備の圧力チャンバー」である係属中の国際特許出願(出願番号:PCT/EP2020/076493)に記載される。バーテンダー又はバーのスタッフなどの人が飲料容器を(例えば、それが空になる場合に)交換し、かつ新しい飲料容器を取り付けると、飲料分配システムは、例えば容器を交換するためにチャンバーを開ける結果としての圧力チャンバー内の圧力が大気圧に下がることによって、飲料容器の変更を認識する。好ましくは、システムは、飲料容器上のRFIDタグを介して新しい飲料容器を即座に認識する。次に、飲料のブランドなどの情報を飲料フォントレンズに自動的に送信してもよい。
【0033】
飲料フォントレンズは、好ましくは、RFIDタグによって提供されるデータなどのデータを受信し表示するように構成される。データは、フォントレンズのマイクロコントローラに送信される前に処理されてもよい。ここに開示されるシステムの一実施形態では、各圧力チャンバーには、対応する圧力チャンバー内の飲料容器上のRFIDタグを読み取るように構成される電子装置が設けられる。圧力チャンバーが飲料容器内のバッグの外部容器又はケグである場合、電子装置は、飲料容器又はケグを分配ラインに結合するユニットに接続されてもよい。次に、電子装置は、RFIDタグによって受信されたデータを処理してもよく、又は生データを例えば、クラウドサーバーに送信してもよい。電子装置は、好ましくは、データを保存及び/又はさらに処理することができるクラウドサーバーにデータを送信するように構成される。一実施形態では、RFIDタグによって提供されるデータは、シリアル番号であることができる。シリアル番号がクラウドサーバーに送信される場合、クラウドサーバーは、例えば、飲料のブランド、飲料のタイプ及び/又は満杯になる場合の飲料容器内の飲料の総量などに関する情報を返信することができる。あるいは、電子装置は、飲料フォントレンズに埋設されたマイクロコントローラユニットにデータを直接送信してもよい。上記のようなRFIDシステムとデジタル飲料フォントレンズの組み合わせの利点は、飲料容器が交換されると、システムが飲料容器を自動的かつ一意に識別し、かつブランドなどの関連情報をデジタル飲料フォントレンズの客側に送信する。
【0034】
レンズへのすべての通信は、好ましくは、クラウドサービスを介して行われる。
【0035】
新しく挿入された飲料容器の内容物が以前の液体と異なる場合、クラウドサービスは、液体が変更されたことをオペレーターに警告する情報をオペレーターディスプレイにプッシュすることができる。いくつかの場合に、警告は、客に提供する前にビールラインに残っている液体を空にするよう指示を含むことができる。これは、典型的には、数口分を廃棄することで行われる。システムは、設置場所内の各ビールラインの長さを知り、かつ廃棄される液体の正しい量を推奨できるべきである。2種の液体がアルコール及びノンアルコール、又はビール及びサイダーであれば、オペレーターがラインを空にするように誘導することは、特に価値がある。また、新しい液体には一部の人にアレルギー反応を引き起こすことが知られる物質が含有されるという警告が表示される場合がある。以前の液体にそのような物質が含有される場合、警告を表示し続ける場合がある。
【0036】
ブランドが新しいレシピを積極的に宣伝している場合、これも、交換された飲料容器に旧レシピが含まれれば、オペレーターディスプレイに表示される場合がある。
【0037】
また、好ましくは、システムをリモートで更新できるように、電子装置及びマイクロコントローラユニットをクラウドにリンクする。好ましくは、各デジタル飲料フォントレンズがクラウドに無線接続されるため、客用表示パネルに提供される情報は、中央及びリモートで交換及び/又は更新されてもよい。これにより、例えば、飲料フォントレンズにおける表示された飲料ブランドを直接かつ瞬時に変更できる。例として、あるタイプの飲料は、特定の季節や年間の休日に関連付けられる。ここに開示されるデジタル飲料フォントレンズにより、バーの所有者又はブランドの所有者が表示されたブランドをフォントレンズにおいて即座に更新して、例えば現在のイベント又は特定の季節に合わせることを可能にする。イベントの例は、フットボールの試合などのスポーツイベントなどであることができる。ここに開示される飲料フォントレンズは、好ましくは、動的コンテンツをフォントレンズの客側に表示することを可能にする。これにより、例えば、テキストメッセージ、ロゴ、画像、動画などを客用表示パネルに表示することにより、インスタントブランディングの可能性が無限に広がる。例えば、サッカーの国際試合で母国がゴールを決める場合、客ディスプレイにその国の国旗を表示したり、「GOAL」などのメッセージを表示したりできる。ゴールのビデオリプレイは、フォントレンズに表示されることもある。例えば同じ飲料フォントに設置された複数の飲料フォントレンズの場合、飲料フォントレンズはさらに、個別の飲料フォントレンズにわたって情報を集合的に表示するように構成されてもよい。一例は、
図3Aに示すとおりであり、ここで3枚の飲料フォントレンズは、「ハッピーアワー@17」というメッセージを集合的に提供する。これにより、ここに開示される飲料フォントレンズ、及びデータを処理するための付随する電子システムは、バーの客側とバーのオペレーター側の両方で動的コンテンツを表示することを容易にする。
【0038】
本開示はさらに、飲料を分配する飲料分配システムに関し、前記飲料分配システムは、飲料出口を含む、飲料を収容する1つ又は複数の飲料容器と、前記飲料出口を通して前記飲料容器(複数可)から前記飲料を吐出するように構成される圧力源と、前記飲料容器(複数可)から前記飲料を抽出する1つ又は複数のタッピングヘッドを含む飲料フォントと、1つ又は複数の飲料ラインを含む、前記飲料出口から前記飲料フォントまで延在するタッピングラインと、本明細書に開示される飲料フォントレンズとを含む。
【0039】
一実施形態では、前記飲料フォントレンズは、配線のみが必要であるため、ワイヤによって電源に電気的に接続することができる。すべての他の通信は、無線で行うことができる。利点は、旧LED給電レンズ用の唯一のワイヤが給電するための2本のワイヤであるため、本開示の飲料フォントレンズ用の旧LED給電レンズの交換が、本開示の新しい飲料フォントレンズ用の新しい導体を引っ張る必要なしに容易に行うことができることである。新しい飲料フォントレンズの取り付けは、非常に簡単で、費用効果が高い。
【0040】
本願で提示される飲料フォントレンズのすべての実施形態は、代わりに1つのスクリーンを有することができる。飲料フォントレンズの片側に単一のスクリーンを有する飲料フォントレンズは、飲料フォントが客とオペレーターの間のバーではなく、オペレーターの対向側の壁でのバーに設置されるバックバー設置に適する。バックバー設置では、客とオペレーターは、飲料フォントレンズの同じ側を見ることになり、1つのみのスクリーン又はディスプレイユニットが必要である。スクリーンは、好ましくは、ケグに関する情報をオペレーターに提示する。しかしながら、スクリーンは、あるモードで、飲料が提供される機会の間に客に飲料のブランド及びタイプを表示し、かつ別のモードに切り替える。この別のモードでは、スクリーンは、例えば、タップハンドルにタッチするか、スクリーンがタッチスクリーンである場合にスクリーンにタッチするか、又は圧力チャンバー内の圧力センサもしくは任意のタイプの流量センサを使用してタップ開閉イベントを検出することにより、飲料フォントレンズが起動するときにオペレーターに情報を提示することができる。
【0041】
本開示による飲料フォントレンズは、例えば、飲料フォント上及び/又はタップハンドルの上部上で、客側とバーテンダー側の両方から視認可能であるように、配置するのに適する。好ましくは、飲料フォントレンズは、タップハンドル上ではなく、飲料フォントの上部上などの飲料フォント上に配置される。このように、タップハンドルを操作する場合でも、飲料フォントレンズは、常に客から視認可能である。本開示による飲料フォントレンズは、好ましくは、飲料フォントレンズが飲料フォントに対して移動できないように、飲料フォントに対して固定位置に配置することができ、それによって飲料フォントレンズは、タップハンドルが操作される場合でも、客から視認可能である。
【0042】
本発明はさらに、飲料フォントレンズを含む飲料フォントに関し、飲料フォントレンズは、飲料フォントに固定接続されるか、又はタッピングハンドル上ではなく、飲料フォントに接続される。
【0043】
飲料フォントレンズが飲料フォントに固定接続されるか、又はタッピングハンドル上ではなく,飲料フォントに接続されるということは、飲料フォントレンズが飲料フォントに対して曲げられないことを意味する。両方の表示パネルの情報は、いつでも見える。タッピングハンドルを起動させることで飲料を提供するとき、オペレーターに面する表示パネルに表示される情報は、依然としてオペレーターから視認可能である。飲料分配中にオペレーターがオペレーターに面する表示パネルに提供される任意の情報を突然チェックしたい場合、オペレーターは、表示パネルを読み取ることができるようにタッピングハンドルを停止する必要がない。この情報は、飲料分配中にも利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1A】本開示の一実施形態による水滴形の飲料フォントレンズの正面図を示す。
【
図2】
図1A~1Dの飲料フォントレンズを3D斜視図で示す。
【
図3A】典型的に飲料分配システムの一部である飲料フォントに取り付けられる場合の飲料フォントレンズを示す。
【
図3B】飲料フォントレンズの客側とオペレーター側をそれぞれ示す。
【
図4A】3つの飲料フォントのそれぞれに接続された飲料分配システムのいずれかに関するオペレーター情報を提示できる飲料フォントレンズを示す。
【
図4B】表示パネル、特に客用表示パネル用のFPCによって制御される2枚の基板を示す。
【
図4C】表示パネル、特に客用表示パネル用のFPCによって制御される2枚の基板を示す。
【
図4D】表示パネル、特に客用表示パネル用のFPCによって制御される2枚の基板を示す。
【
図5】飲料分配システムのデータを表示するシステムにおけるデータフローを示す。システムはさらに、飲料分配システムのデータを取得し、データを処理し、かつデータを表示することができる。
【
図6】飲料分配システムのデータを表示するシステムにおけるデータフローを示す。システムは、この実施形態が測定装置及び表示パネルの例を指定することを除いて、
図5のものと同様である。
【
図7】飲料分配システムの飲料フォントレンズにおいてデータを取得し、処理し、表示するシステムの一部を示す。この実施形態は、それぞれが各飲料フォントレンズに用いられる3つの電子装置を示す。
【
図8】飲料分配システムを示す。典型的には、少なくとも1つの飲料フォントレンズは、飲料のタイプごとに提供される。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示は、飲料分配システム用の飲料フォントレンズに関する。
【0046】
筐体
飲料フォントレンズ1は、1つ又は複数の電子ディスプレイ9、10を収容する筐体2と、上記ディスプレイを制御するマイクロコントローラユニット16とを含む。筐体は、好ましくは、飲料フォント18に取り付けられた場合に飲料フォントレンズを支持し、かつフォントレンズを直立に保持するステム5を含む(
図3A参照)。ステム5は、この目的のために任意の適切な形状を有してもよい。飲料フォントレンズ1の一実施形態は、円形の断面を有するステム5を含み(
図1D参照)、断面は、ステムの底部に比べてステムの上部に向かって幅が広くなる。この実施形態では、ステム5と筐体2とは、一体化される。筐体はさらに、好ましくは、第1の窓7と、上記第1の窓の対向側に配置された第2の窓8とを含む。飲料フォントレンズが飲料フォントに設置される場合、第1の窓は、バーの客側に向けられることに対して、第2の窓は、バーのオペレーター/バーテンダー側に向けられる。第1及び第2の窓は、好ましくは、円形であり、かつ筐体は、好ましくは、筐体の少なくとも一部において窓の形状に適合する。飲料フォントレンズの好ましい実施形態では、筐体は、第1及び第2の窓の第1の丸みを帯びた縁部3に適合する丸みを帯びた上部セクションと、わずかに拡張する丸みを帯びた底部セクションとを含み、それによって、第1及び/又は第2の窓に面する場合に水滴形状を形成する(
図1A及び/又は
図3B参照)。第1及び/又は第2の窓は、RFID(無線周波数識別)システム及び/若しくはNFC(近距離通信)に一般的に用いられる無線周波数に対して、並びに/又はWiFi及び/若しくはブルートゥースに使用される周波数範囲(複数可)に対して透過な材料を含んでもよい。一実施形態では、第2の窓は、典型的なRFIDシステム及び/若しくはNFC(近距離通信)の無線周波数に対して、並びに/又はWiFi及び/若しくはブルートゥースに典型的に用いられる周波数範囲(複数可)に対して透過なプラスチックを含む。第1及び/又は第2の窓はまた、任意の材料なしで開口部を取り囲むフレームであってもよい。
【0047】
オペレーターに面する第2の窓8は、第1の窓7よりも少し小さくすることができる。この場合、第2の窓の周囲の材料は、RFID(無線周波数識別)システム及び/若しくはNFC(近距離通信)に一般的に用いられる無線周波数に対して、並びに/又はWiFi及び/若しくはブルートゥースに典型的に用いられる周波数範囲(複数可)に対して透過であるプラスチックなどの材料で製造することができる。
【0048】
有利なことに、筐体2の水滴形又は楕円形の部分は、RFID(無線周波数識別)システム及び/若しくはNFC(近距離通信)に一般的に用いられる無線周波数に対して、並びに/又はWiFi及び/若しくはブルートゥースに典型的に用いられる周波数範囲(複数可)に対して透過であるプラスチックなどの材料で製造することができる。表示パネルを無線周波数に対して透過であるように設計することは、困難であり、及び/又は費用効果が低い可能性がある。代わりに、筐体は、水滴形又は楕円形の部分で形成することができる。少なくとも筐体の水滴形又は楕円形の部分は、ディスプレイが筐体/レンズの客側及び/又はオペレーター側のすべてをカバーするように形成できる一方、RF信号が筐体内のマイクロコントローラに到達でき、かつ筐体がさらに客とオペレーターとの間のインタラクションを干渉せずに小さくすることができるように、無線周波数に対して透過である。
【0049】
表示パネル
好ましくは、筐体2は、筐体2に埋設されかつ第1の窓7を通じて視認可能である客用表示パネル9と、筐体に埋設されかつ第2の窓8を通じて視認可能であるオペレーター用表示パネル10との少なくとも2枚の表示パネルを収容するように構成される。表示パネルは、LED(発光ダイオード)ディスプレイ、LCDディスプレイ(液晶ディスプレイ)及びTFT LCD(薄膜トランジスタ液晶)ディスプレイなどの任意のタイプの電子ディスプレイ、又はIPS(インプレーンスイッチング)などのLCDに基づくその他の技術、又はe-ink及びその他の双安定表示技術であってもよい。好ましくは、表示パネルは、フラットパネルディスプレイである。一実施形態では、客用表示パネル9及び/又はオペレーター用表示パネル10は、TFT LCDディスプレイ(複数可)である。さらに、客用表示パネル及び/又はオペレーター用表示パネルは、タッチスクリーンを構成するか、又はタッチスクリーンを含んでもよい。一実施形態では、オペレーター用表示パネルは、静電容量式タッチスクリーンを含む。一実施形態では、客用表示パネルは、円形であり、オペレーター用表示パネルは、長方形である。別の実施形態では、客用表示パネルとオペレーター用表示パネルの両方は、円形である。一実施形態では、客用表示パネルとオペレーター用表示パネルの両方は、長方形である。
【0050】
表示パネルは、飲料フォントレンズ1の筐体2に埋設することができる限り、任意の適切なサイズを有してもよい。客用表示パネル9は、好ましくは、従来の飲料レンズに用いられるサイズと同様のディスプレイサイズを有してもよい。これは、領域ごとにばらつきがあり、かつ変化傾向に応じて変化してもよい。客用表示パネルのサイズの例は、2~5インチ、又はより好ましくは、3~4インチである。オペレーター用表示パネルは、客用表示パネルより少し小さくてもよく、例えば、2~4インチ又は2~3インチである。ディスプレイサイズは、ディスプレイサイズを報告する一般的な方法に従って、ディスプレイの対角線に沿って測定される。表示パネルの解像度は、任意の解像度であってもよい。好ましい実施形態では、客用表示パネルは、オペレーター用表示パネルよりも高い解像度を有する。これは、客用表示パネルが好ましくは高解像度の画像(複数可)又はビデオ(複数可)を表示するように構成されるべきであるのに対して、オペレーター用表示パネルが(例えば、テキスト(複数可)、ロゴ(複数可)又は低解像度の画像(複数可)の形式の)情報をバーテンダーに表示するように構成される。一例として、客用表示パネルは、800x800RGBの解像度(RGBカラーモデルでは800x800ピクセル)を有してもよく、かつオペレーター用表示パネルは、240x320RGBの解像度を有してもよい。他の解像度も、当然ながら、本開示の範囲内で可能である。オペレーター用表示パネルの解像度が客用表示パネルの解像度よりも低いということは、飲料フォントレンズをより費用効果が高く電力効率が高く(低い電力消費で)形成し、かつさらに客とオペレーターの双方の要望に応える表示パネルを提供することができる。オペレーター用表示パネルの解像度が客用表示パネルの解像度よりも低いということはさらに、2つのディスプレイを制御するマイクロコントローラユニット16が高解像度の2つのディスプレイを制御するマイクロコントローラユニットよりも費用効果が高いことを意味する。客用表示パネルは、好ましくは、マイクロコントローラユニット16の第1のインタフェースに接続されるように構成される。これにより、客用表示パネル9は、好ましくは、少なくとも20FPS(フレーム/秒)、より好ましくは、少なくとも24FPS、さらにより好ましくは、少なくとも30FPSのフレームレートを有する。オペレーター用表示パネル10は、好ましくは、マイクロコントローラユニットの第2のインタフェースに接続されるように構成される。これにより、オペレーター用表示パネルは、好ましくは、最大20FPS、より好ましくは、最大15FPS、さらにより好ましくは、最大10FPSのフレームレートを有する。客用表示パネルとオペレーター用表示パネルとの間のこのようなフレームレート上の異なりは、費用効果が高く、かつさらに客とオペレーターの両方の要件を満たす表示パネルを提供する。
【0051】
携帯電話やウェアラブルに見られる小型ディスプレイ用に特別に開発された特定のMIPI DSI高帯域幅ディスプレイインタフェースに加えて、多くの低コストのマイクロコントローラは、LCDの低解像度に有用なSPI(シリアルペリフェラルインタフェース)を含む複数の接続インタフェースをサポートする。1つのディスプレイの解像度及びフレームレートが最大10MB/秒のSPIに適する場合、(MCUの)大部分のマイクロコントローラユニットで2つのディスプレイを駆動できる。MCUは、例えばMIPI DSI高帯域幅ディスプレイインタフェース及びSPIのような2つのインタフェースを有することができ、DSIのフレームレートは、30FPSであり、SPIのフレームレートは、10FPSである。
【0052】
一般に、表示パネルは、窓と同様の形状を有する必要がない。一例として、オペレーター用表示パネルは、円形パネルよりも低コストである、
図3Bに見られるように長方形であってもよい。さらに、長方形のディスプレイは、SPIインタフェースに適する様々なサイズ及び解像度がある。さらに、電子ディスプレイは、多くの場合、ディスプレイを制御する電気的接続部を備える背部を含む。筐体に埋設された1つ又は複数のディスプレイ、特に円形の客用表示パネルを制御するこのような電気的接続部にアクセスするために、電気的接続部は、筐体内のディスプレイの下方に突出部31を有してもよい。したがって、筐体2の形状は、好ましくは、真円ではなく、筐体内の各ディスプレイの下方で電気的接続部にアクセスすることができるように筐体のステム5の近くで拡張する。一実施形態では、デジタル飲料レンズの筐体は、楕円形又は水滴形である。楕円形又は水滴形のテーパー状の端部は、第2の基板30から下方に延びる突出部31を収容する空間を提供し、
図4B、4C、4D及び4Eに示すように、突出部は、客用表示パネル9とオペレーター用表示パネル10との電気的接続部、並びに場合によってはPCBのMCU及び/又はMPUを含み、突出部は、表示パネルの下方に延びる。
【0053】
好ましくは、客用表示パネル9は、例えばバーで、サービスを受ける客に関連する情報を表示するように構成される。客用表示パネルに提示される情報は、本明細書では客情報とも呼ばれる。一般に、客情報は、飲料容器(複数可)に含まれる飲料のブランド、広告、メッセージ、記号、画像、ビデオ、又はそれらの組み合わせなどの任意の情報を含んでもよい。この情報の一部は、本願の別の場所でより詳細に説明するように、飲料分配システムを監視するように構成された情報システムによって提供されてもよい。一例として、
図6に概略的に示すように、飲料のブランドは、RFIDタグ13によって提供され、かつ客用表示パネル9に示されてもよい。客情報は、飲料フォントレンズ1に無線接続されるコンピューティング装置及び/又はクラウドサーバー15とすることができるリモートサーバーから手動及び/又は自動的に更新されるように構成されてもよい。
【0054】
好ましくは、オペレーター用表示パネル10は、飲料フォント18を操作する人、例えば、バーカウンターの後ろの飲料フォントを操作するバーテンダーに関連する情報を表示するように構成される。オペレーター用表示パネルに提示される情報は、本明細書ではオペレーター情報とも呼ばれる。オペレーター情報は、飲料容器(複数可)内の飲料の残存量、飲料容器(複数可)内の飲料のタイプ、いつ飲料容器が飲料フォントに対して接続された/分離されたか、クリーニングアラート、所定の時間間隔での前記飲料容器(複数可)からの飲料の分配量、それらの組み合わせ又はバーテンダーに関連するその他の情報という内容のいずれかを含む。好ましくは、オペレーター情報は、自動的かつ連続的にリアルタイムに更新されて飲料分配システムの現在の状況を反映する。
【0055】
一実施形態では、オペレーター用表示パネル10は、2つ、3つ又はそれ以上の飲料容器のオペレーター情報を表示するように構成することができる。2枚の表示パネルを有する飲料フォントレンズは、1枚の表示パネルのみを有する飲料フォントレンズよりも高価である。1枚の表示パネルが少なくとも2つの飲料容器のオペレーター情報を表示することは、コストを削減する。もう1つの利点は、情報を1つの場所で見つけることができることである。飲料フォントを指す表示パネル上の矢印28又は代替の方向インジケータは、オペレーター情報がどの飲料フォント及び対応する飲料容器に関するかを示す。1枚の表示パネルが3つの飲料容器のオペレーター情報を表示することは、2つの飲料容器のオペレーター情報を表示することよりも費用効果が高いため、また、矢印がどの飲料フォントを指しているか、飲料フォントレンズが配置される飲料フォント用の下向きを指す矢印、飲料フォントレンズが配置される飲料フォントの右側への飲料フォント用の右向き矢印、及び飲料フォントレンズが配置される飲料フォントの左側への飲料フォント用の左向き矢印を、オペレーターが理解しやすいため、理想的である。オペレーター情報がどの飲料フォント及び飲料容器に関するかを示すために、矢印以外のその他の手段を使用することができる。
【0056】
マイクロコントローラユニット
筐体2は、客用表示パネル9及びオペレーター用表示パネル10を制御するマイクロコントローラユニット16と、内部集積回路バス(I2C)であるさらなる別のインタフェースで実行できるオペレーターディスプレイ上のタッチスクリーンとを収容するように構成できる。マイクロコントローラユニットは、好ましくは、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを含み、上記インタフェースの各々は、電子ディスプレイをマイクロコントローラユニットに接続するように構成される。第1のインタフェースは、好ましくは少なくとも20FPS(フレーム/秒)、より好ましくは少なくとも24FPS、さらにより好ましくは少なくとも30FPSのフレームレートで、高速画像データをサポートするように構成される。第2のインタフェースは、好ましくは最大20FPS、より好ましくは最大15FPS、さらに好ましくは最大10FPSのフレームレートで、低速画像データをサポートするように構成される。このようなマイクロコントローラユニットは、非常に費用効果が高く、かつさらに客用の高解像度ディスプレイを制御するインタフェース及び必要な情報をオペレーターに提供できるオペレーター用のディスプレイを制御する別のインタフェースを提供する。ここに開示される飲料フォントレンズの一実施形態では、客用表示パネルは、第1のインタフェースを介してマイクロコントローラユニットに接続するように構成され、オペレーター用表示パネルは、第2のインタフェースを介してマイクロコントローラユニットに接続するように構成される。マイクロコントローラユニットの一実施形態では、5VのDC又は同様の低いDC電圧によって給電されてもよい。マイクロコントローラユニット16はさらに、入力電力を1つ又は複数の表示パネルに給電する別の電力に変換する電力変換器を含んでもよく、又はマイクロコントローラユニットは、電力変換器を含むプリント回路基板の一部であることができる。
【0057】
マイクロコントローラユニット16は、データを無線送信するために構成されてもよく、又はデータを無線送信するRF(無線周波数)モジュールに接続されてもよい。RFモジュールは、RF送信機及び/又はRF受信機を備えるチップであることができる。上記無線送信は、ブルートゥース、BLE(ブルートゥース低エネルギー)、UWB(超広帯域)、Wi-Fi、IEEE 802.11ah (Wi-Fi HaLow)、GSM、4G、又は5Gなどの任意の利用可能な無線技術によって可能になる。マイクロコントローラユニットはまた、好ましくは、飲料分配システムに関する情報を無線受信及び/又は送信するように構成されるか、又は飲料分配システムに関する情報を無線送信するRFモジュールに接続(例えば、有線接続)されてもよい。一例として、マイクロコントローラユニット、第2のマイクロコントローラユニット(第2のマイクロコントローラがあれば、マイクロコントローラユニットと第2のマイクロコントローラユニットはそれぞれ、2枚の表示パネルのうちの1枚を制御する)又は別のチップは、1つ又は複数の飲料容器から得られたデータを受信し処理する1つ又は複数の電子装置14から、及び/又は上記飲料容器を収容する1つ又は複数の圧力チャンバーから、又は上記飲料容器に接続されたタッピングラインから情報を受信してもよい。各電子装置は、飲料分配システムを監視するように構成される1つ又は複数の測定装置からデータを受信するように構成されてもよい。マイクロコントローラユニット、第2のマイクロコントローラユニット、及び/又は他のチップは、クラウドサーバー15から飲料分配システムに関する情報を無線で受信するように追加的又は代替的に構成されてもよい。
【0058】
飲料分配システム
本開示はさらに、飲料を分配する飲料分配システム17に関する。飲料分配システムの一実施形態は、圧力チャンバーのベース部又は蓋部内に配置されたカプラ部に接続可能な飲料出口を有する折り畳み可能な飲料容器25を収容して封入する密封内部空間を画定する接続可能なベース部23及び蓋部24を備える1つ又は複数の圧力チャンバーと、折り畳み可能な飲料容器(複数可)から飲料を抽出する1つ又は複数のタッピングヘッド20を備える飲料フォント18と、上記カプラ部(複数可)から上記飲料フォントに延びる、1つ又は複数の飲料ライン22を備えるタッピングライン21と、上記飲料フォント18又はタッピングハンドル19上に取り付けられた飲料フォントレンズとを含む。
【0059】
飲料分配システム17はさらに、対応するタッピングライン21、密封内部空間、ベース部23、蓋部24及び/又は折り畳み可能な飲料容器24の少なくとも1つの特性を監視するように構成される各圧力チャンバー用の少なくとも1つの測定装置11を含んでもよい。このような飲料分配システムはさらに、本願と同一の出願人による名称が「飲料分配システムの監視」であり、参照により本願に組み込まれ国際特許出願PCT/EP2020/053640(2020年2月12日出願)に記載される。
【0060】
代替の飲料分配システムは、従来のスチールケグシステムと同様に、バッグインコンテナシステムある。
【0061】
測定装置
飲料分配システム17は、飲料分配システムの様々な特性を監視する、例えば、センサの形態の1つ又は複数の測定装置11を含んでもよい。測定装置(複数可)は、圧力チャンバーの密封内部空間の少なくとも1つの物理量又は特性と、温度、圧力、湿度、音などの特性とを監視/測定するように構成することができる。測定装置(複数可)はまた、タッピングライン21、飲料ライン22及び/又は折り畳み可能な飲料容器25の少なくとも1つの特性及び/又は物理量、例えば圧力、音、力、加速度、重量を監視するように構成することができる。物理量は、測定によって定量化できる材料又はシステムの特性として理解すべきである。物理量は、ガスの圧力などのガスの特性に関してもよい。
【0062】
電子機器及びネットワーク接続可能なセンサ/測定装置を使用する場合、生成されたデータを管理する必要がある。データは、ローカルで処理する及び/又は保存することができるが、電子装置及び/又は測定装置がネットワーク/インターネット接続可能である場合、例えば、クラウドサーバー15において、データを集中的に処理及び/又は保存することもできる。これはさらに、生成されたデータに第三者がアクセスするオプションを提供し、すなわち、飲料分配システムへの飲料の供給者も飲料分配システムを監視及び調査することができる。
【0063】
測定装置11は、1つ又は複数の圧力センサ12、温度センサ、重量センサ34、流量センサ、音声センサ、又は他のセンサを含んでもよい。一例として、飲料分配システムは、密封内部空間又はタッピングライン21内の圧力値及び/又は圧力変化を監視する圧力センサ12を含んでもよい。密封内部空間又はタッピングライン内の圧力変化は、システム内のいくつかのアクション及び/又はイベントによる可能性がある。対応する飲料容器と接触するタップハンドル19の起動及び停止であってもよいか、又は密封内部空間内の圧力を高めるために起動する圧縮機であってもよいか、又は飲料容器の変更であってもよい。
【0064】
別の例では、飲料分配システムは、圧力センサ12に加え、又は圧力センサ12の代わりに、飲料容器内の飲料の重量値及び/又は重量変化を監視する重量センサ34を含んでもよい(通常は、飲料が入った飲料容器を秤量し、かつ空の飲料容器の事前に秤量した重量を引く)。飲料の重量変化は、飲料が飲料容器から、例えばフォントを介してタップされることによって生じる。
【0065】
したがって、密封内部空間内の圧力を監視するように構成される圧力センサ12及び/又は飲料の重量を監視するように構成される重量センサ34は、飲料分配システムにおけるタップハンドルの起動などの特定のイベントを決定するために使用されてもよい。そのような決定は、飲料容器内の残存量、容器からの分配量、又はそれらの組み合わせを推定するために用いることができる。これらのイベント及び対応する値を決定するシステム及び方法はさらに、同じ出願人による名称が「飲料分配システムの監視」であり、その全体が本明細書に組み込まれるPCT/EP2020/053640(2020年2月12日出願)に記載される。
【0066】
電子装置
好ましくは、上記飲料分配システム17はさらに、1つ又は複数の測定装置11からデータを受信するように構成される1つ又は複数の電子装置14を含む。好ましくは、飲料分配システムは、システムの各圧力チャンバー又は各飲料容器用のこのような電子装置の1つを含み、上記電子装置のそれぞれは、飲料分配システムを監視する1つ又は複数の測定装置と無線で通信するように構成される。一例として、電子装置は、1つ又は複数の圧力センサから受信した圧力データを処理するように構成されてもよい。電子装置は、例えば、分配飲料の量及び/又は対応する飲料容器内の残存量を決定するための適切なアルゴリズムを有するソフトウェアを含んで構成されてもよく、上記決定は、密封内部空間内及び/又は飲料分配システムのタッピングライン内の測定圧力に基づいて行われる。好ましくは、各電子装置は、
図5~
図7に示されるように、クラウドサーバーとの間でデータを無線で送受信するように構成される。クラウドサーバー15は、好ましくは、電子装置から受信したデータを保存する及び/又は処理するように構成される。さらに、マイクロコントローラユニット(複数可)16は、好ましくは、飲料フォントレンズ1の表示パネル9、10に提示される視覚情報を上記データに基づいて提示するために、クラウドサーバーからデータを取得するように構成される。代替的又は追加的に、各電子装置14は、
図5の破線の矢印によって示されるように、飲料フォントレンズ1に埋設されたマイクロコントローラユニット16にデータを直接無線で送信してもよい。
【0067】
好ましくは、1つ又は複数の電子装置14のそれぞれは、1つ又は複数の飲料容器(複数可)の内容物に関する情報を自動的に識別するように構成される。この情報は、飲料のタイプ、飲料のブランド、飲料のサブブランド、飲料のバッチの日付、「賞味期限」の日付、SKU(在庫商品識別)番号、EAN(欧州商品番号)、又はアルコール度数とアレルゲンなどの飲料内容物に関するその他の関連情報という情報のいずれかを含んでもよい。自動識別は、好ましくは、RFID(無線周波数識別)システムを使用して実現される。これにより、各飲料容器は、1つ又は複数の電子装置14によって読み取り可能なRFIDタグ13を含んでもよい。したがって、各電子装置は、対応する飲料容器のRFIDタグを読み取るように構成されるRFIDリーダを含んでもよい。飲料分配システム用のこのようなRFIDシステムはさらに、同一出願人によって2020年9月23日に出願された名称が「ケグ用のRFID装備の圧力チャンバー」である国際特許出願PCT/EP2020/076493に記載される。
【0068】
これにより、本開示はさらに、飲料分配システムに関するデータを取得し処理するシステムに関する。このようなシステムは、本明細書では情報システムとも呼ばれる。適切な情報システムは、1つ又は複数の測定装置11、1つ又は複数の電子装置14、クラウドコンピューティングに適する少なくとも1つのクラウドサーバー15、及び1つ又は複数のマイクロコントローラユニット16を含み、上記装置のすべては、本開示において別の箇所でより詳細に説明される。このようなシステムは、
図5に示される。このような情報システムの好ましい実施形態は、飲料分配システムの飲料容器25ごとに1つの電子装置14、1つのクラウドサーバー15、及び飲料フォントレンズ1ごとに1つのマイクロコントローラユニット16を含む。好ましい実施形態では、各電子装置は、特定の圧力チャンバー及び/又は前記圧力チャンバーに関する特定の部分、例えば、圧力チャンバー内に封入された特定の飲料容器又は上記飲料容器から延びる特定のタッピングラインの特性を監視する測定装置からデータを受信するように構成される。
【0069】
したがって、それぞれが折り畳み可能な飲料容器25を収容する3つの圧力チャンバーを含む飲料分配システム17において、飲料分配システムを監視する適切な情報システムは、好ましくは、少なくとも3つの測定装置11、例えば、それぞれが各圧力チャンバーの密封内部空間の圧力を監視する3つの圧力センサ12を含む。情報システムはさらに、好ましくは、各電子装置が対応する測定装置からデータを受信する(例えば、圧力センサから圧力データを受信する)ように構成されるようにそれぞれが各圧力チャンバーに関連付けられた電子装置14を含む。情報システムの好ましい実施形態では、各電子装置は、測定装置から受信したデータを処理するように構成され、例えば、電子装置は、同一出願人によるPCT/EP2020/053640においてさらに説明されるように、圧力データを処理して、飲料分配システムの他の情報を推測するように構成される。一例としては、電子装置は、取得された圧力データに基づいて飲料容器からの飲料の分配量を決定する。続いて、各電子装置は、好ましくは、処理されたデータ、及び/又は測定装置から受信した生データを、データを保存する及び/又はデータをさらに処理してもよいクラウドサーバーに送信するように構成される。次に、クラウドサーバーに保存されたデータは、データ又はデータに基づくグラフィックを客用表示パネル及び/又はオペレーター用表示パネルにさらに表示してもよい各飲料フォントレンズのマイクロコントローラユニットに送信されてもよい。典型的には、飲料のブランドなどの情報は、客用表示パネル9に表示されてもよい(上記情報は、飲料容器25上のRFIDタグ13によって提供されてもよい)ことに対して、飲料容器の残存量などの情報は、オペレーター用表示パネル10に表示されてもよい。これは、
図3Bに示される。
【0070】
単一のパネルを有する飲料フォントレンズ
飲料フォントレンズは、筐体に埋設され、かつ窓を通して視認可能な単一のパネルを収容する筐体を含むことができる。このような飲料フォントレンズは、オペレーター及び客が同じ表示パネルを視認可能な壁に配置するのに適する。筐体は、単一の表示パネルに情報を表示するように構成されるマイクロコントローラユニットを収容することもでき、マイクロコントローラユニットは、標準モードでブランドロゴなどの客関連情報を前記単一の表示パネルに表示し、かつ起動モードで飲料分配システムに関するオペレーター関連情報を表示するように構成することができる。大部分の時間、飲料フォントレンズは、そのフォントで提供される飲料のブランド、広告、又は客が関心を持つその他のものなどの客関連情報が表示される標準モードである。
【0071】
単一のパネルの飲料フォントレンズに関して、マイクロコントローラユニットは、マイクロコントローラに有線又は無線で接続されたセンサが飲料容器が空であるか、又はほぼ空である(満杯の飲料容器の所定の比率を下回る)ことを検出し、飲料分配システムを洗浄する必要があり、オペレーターは、飲料分配システムから飲料を注ぎ、パネルがタッチされ、マイクロコントローラに有線又は無線で接続され、好ましくは飲料フォントレンズ上に配置されたボタンが押下され、マイクロコントローラに有線又は無線で接続され、好ましくは飲料フォントレンズに含まれる動きセンサが近くの人の動きをセンシングするか、又は、マイクロコントローラに有線又は無線で接続され、好ましくは飲料フォントレンズセンサに含まれる、静電容量式センサ又はIRセンサなどの近接センサがセンシングする場合に、標準モードから起動モードに変更するように構成することができる。このように、飲料フォントレンズは、客関連情報からオペレーター情報への表示を、オペレーターの時間をあまり使わずに、簡単かつ迅速に変更する。
【0072】
上記単一のパネルを有する飲料フォントレンズは、1枚の単一のパネルがあることを除いて、2枚の表示パネルを有する飲料フォントレンズに関して本願で提示される特徴の任意の組み合わせを含むことができる。
【0073】
本願に提示される飲料分配システムでは、飲料フォントレンズは、上記に提示された単一のパネルの飲料フォントレンズで置き換えられる。
【0074】
図面の詳細な説明
図1Aは、本開示の一実施形態による飲料フォントレンズ1の正面図を示す。飲料フォントレンズは、第1の丸みを帯びた縁部3と、飲料フォント(図示せず)に取り付けられる場合に飲料フォントレンズ1を直立に保持するように構成されるステム5とを備える筐体2を含む。飲料フォントレンズは、筐体2に収容される第1の窓7及び第2の窓8をさらに含む。これらの窓は、好ましくは、円形である。
【0075】
図1Bは、
図1Aの飲料フォントレンズ1の平面図を示す。飲料フォントレンズの筐体2は、飲料フォントレンズを上から見たときに凸曲率を有する縁部6を含んでもよい。
【0076】
図1Cは、
図1Aの飲料フォントレンズ1の側面図を示す。この図からわかるように、第1の窓7及び第2の窓8は、好ましくは、平坦であり、かつ筐体2に組み込まれる。飲料フォントレンズは、筐体のステム5の近くで筐体から突出する縁部6を含んでもよい。
【0077】
図1Dは、
図1Aの飲料フォントレンズ1の底面図を示す。ステム5は、好ましくは、この図から分かるように断面が円形である。
図1Dは、筐体2が第2の外縁4を有することを示す。第2の外縁はまた、真っ直ぐであるか、又は任意の他の曲率を有することができる。
【0078】
図2は、
図1A~1Dの飲料フォントレンズ1を3D斜視図で示す。
【0079】
図3Aは、飲料分配システムの一部であってもよい飲料フォント18に取り付けられる場合の飲料フォントレンズ1を示す。この例では、飲料フォント18は、それぞれが飲料を分配するためのタッピングヘッド(図示せず)の動作を制御するタップハンドル19に関連付けられる3枚の飲料フォントレンズを含む。この図では、飲料フォントは、客側からイメージされる。したがって、各飲料フォントレンズ1の客用表示パネル9は、この図から視認可能である。この例では、3枚の客用表示パネル9は、まとめて「ハッピーアワー@17」というメッセージを表示する。他の情報は、バーでサービスを受ける客に提供されてもよい。
【0080】
図3Bは、飲料フォントレンズ1の客側とオペレーター側をそれぞれ示す。この例では、「アワー」というメッセージは、客に表示されることに対して、飲料分配システムに関するさまざまな情報は、オペレーター、典型的には、バーテンダーに表示される。客用表示パネル9は、好ましくは、丸みを帯びたディスプレイであり、さらに好ましくは、円形のディスプレイである。オペレーター用表示パネル10は、同様に丸みを帯びたディスプレイであってもよい。しかしながら、この図に示される実施形態では、オペレーター用表示パネルは、長方形である。オペレーター用表示パネル10は、飲料容器内の飲料の残存量、分配された飲料のブランド、時間間隔での飲料の分配量、及び他の情報などの情報を提供してもよい。
【0081】
図4Aは、オペレーター側から見た他の2枚の飲料フォントレンズ1′′によって取り囲まれた1枚の飲料フォントレンズ1′を示す。飲料フォントレンズ1′及び他の2枚の飲料フォントレンズ1′′は、対応する飲料容器(図示せず)を有する飲料フォント(図示せず)の上部に配置される。
【0082】
2枚の飲料フォントレンズ1′′、飲料フォントで提供される飲料のブランド及び/又はタイプを示す画像がLED光源によって飲料フォントレンズ内から照明される標準飲料フォントレンズであることができるか、又は飲料フォント又は広告で提供される飲料のブランド及び/又はタイプに関する静止画又は動画を示す客側での表示スクリーンを含むことができる。
【0083】
飲料フォントレンズ1′の客側は、客側での表示スクリーンに関して本願で提示される実施形態及び利点の任意の組み合わせ又はすべてを有する表示パネル(図示せず)を有することができる。
【0084】
図3Bに示される飲料フォントレンズ1のオペレーター用表示パネルと比較して、飲料フォントレンズ1′のオペレーター用表示パネル10は、オペレーター用表示パネル10上のオペレーター情報がどの飲料フォント及び飲料容器に関するかをオペレーターに伝える矢印28を示す。この場合、矢印28が右を指す場合、オペレーター情報は、右の飲料フォント及び飲料容器に関する。下向き矢印又は左向き矢印は、オペレーター情報がそれぞれ中央又は左の飲料フォント及び飲料容器に関することを示す。矢印の代わりに、3枚の飲料フォントレンズのそれぞれの上部に光源を配置してもよく、点灯した光源は、オペレーター情報が点灯した光源を有する飲料フォント及び飲料容器に関することを示す。あるいは、飲料フォントレンズ1′の上部にある3つの光源だけはまた、オペレーター情報がどの飲料フォント及び飲料容器に関するかをオペレーターに示すことができる。他の適切な代替手段がある。
【0085】
図4Bは、第1の基板29及び第2の基板30を示し、第1の基板29は、実質的に円形であり、第2の基板30も、突出部31を除いて第1の基板29と実質的に同じサイズを有する実質的に円形である。
【0086】
図4Cは、第2の基板30の前にある第1の基板29を示す。
【0087】
図4Dは、第2の基板30の前にある第1の基板29を示す。第1の基板29と第2の基板30との間には、第1の基板29及び第2の基板30の表示パネル上に何を示すかを制御するトランジスタ(図示せず)が配置される。
【0088】
突出部31は、主PCB(図示せず)上に配置されたマイクロコントローラと通信するための駆動回路33を担持するフレキシブルPCB又はFPC32を取り付けることができる接触領域を形成し、それによりディスプレイ駆動回路33が2枚の基板の間に配置されるトランジスタと電子的に接続し、かつ表示パネルを制御することができる。
【0089】
図4Eは、飲料フォントレンズ1の実施形態の分解図を示す。飲料フォントレンズ1は、筐体2を含む。筐体は、対向方向に面する客用表示パネル9及びオペレーター用表示パネル10を封入する。客用表示パネル及びオペレーター用表示パネルを保護するために、第1の窓(図示せず)と第2の窓8は、それぞれ客用表示パネルとオペレーター用表示パネルを覆うように、かつ外側に配置される。
【0090】
オペレーター用表示パネル10は、例えば、第2の窓が表示フレーム35によって適所に保持される(例えば、接着される)か、又は第2の窓が筐体2に接着される中央位置で第2の窓8に接着することができる。飲料フォントレンズ1はまた、飲料フォントレンズに極めて近接する及び/又は飲料フォントを操作するオペレーターを無線で識別する、操作者が装着したRFIDタグとの間で信号を送受信するRFIDリーダ用のRFIDインテロゲータアンテナのようなアンテナ36を含んでもよい。オペレーターが装着したRFIDタグが識別され、承認されると、飲料フォントレンズ1を起動して飲料分配システムに関するオペレーター情報を提示することができる。オペレーターは、オペレーターのRFIDタグに設定された特定の情報が飲料フォントレンズに表示されるように、個人設定を有することができる。RFIDタグはまた、近くにRFIDタグがある場合に飲料フォントレンズをロック解除するために使用することができる。RFIDタグはまた、近くにRFIDタグがある場合に飲料フォントレンズを客情報からオペレーター情報への表示に切り替えるために使用でき、これは、飲料フォントレンズが1枚の単一の表示パネルのみを有する場合に役立つ。
【0091】
アンテナ36はまた、飲料容器のRFIDタグとの間で信号を送受信することができ、RFIDタグは、飲料容器の飲料に関する情報を含む。飲料容器が飲料フォントレンズから離れて飲料分配システムに取り付けられる場合、RFIDリーダが取り付けの飲料容器のRFIDタグと通信できるように、取り付けられた飲料容器のRFIDタグを飲料容器から取り外して飲料フォントレンズに近づけることができる。あるいは、アンテナ36は、飲料容器のNFCタグとの間で信号を送受信するNFCリーダ用のNFCアンテナであることができる。
【0092】
飲料フォントレンズ1はまた、MCU16を有するPCB37を保持するPCBフレーム38を含んでもよい。
【0093】
客用表示パネル9は、
図4B~4Dに示されるように、第1の基板29(図示せず)及び第2の基板30を含み、第2の基板は、FPC(フレキシブルプリント回路)(図示せず)を接続できる電子接触領域39を有する突出部31を有する。
【0094】
図5は、飲料分配システムのデータを表示するシステムにおけるデータフローを示す。システムはさらに、飲料分配システムのデータを取得し、データを処理し、かつデータ及び/又は処理されたデータを1つ又は複数の表示パネルを介して飲料分配システムの1人又は複数の客及び/又はオペレーターに表示することができる。システムは、好ましくは、1つ又は複数の測定装置11、1つ又は複数の電子装置14、クラウドサーバー15、1つ又は複数のマイクロコントローラユニット16、及び1つ又は複数の表示パネル9、10を含む。矢印は、データの好ましい方向を示し、破線の矢印は、データの代替ルートを示す。換言すれば、測定装置(複数可)11によって取得されたデータは、マイクロコントローラユニット(複数可)に直接送信されてもよい。あるいは、データは、1つ又は複数の電子装置14で収集される及び/又は処理され、続いて、1つ又は複数のマイクロコントローラユニット16に、つまりクラウドサーバー15を使用せずに、送信されてもよい。好ましい実施形態では、データは、表示パネルを操作するマイクロコントローラユニット16に送信される前に、クラウドサーバー15で処理され、クラウドコンピューティングとも呼ばれる。
【0095】
図6は、飲料分配システムのデータを表示するシステムにおけるデータフローを示す。システムは、この実施形態が測定装置及び表示パネルの例を指定することを除いて、
図5のものと同様である。これにより、測定装置は、1つ又は複数のRFIDタグ13と、1つ又は複数の圧力センサ(複数可)12及び/又は1つ又は複数の重量センサ34とを含んでもよい。表示パネルは、客用表示パネル9及びオペレーター用表示パネル10を含んでもよい。典型的に、飲料分配システムは、複数の飲料容器を含む。好ましくは、
図6に示されるようなシステムは、1つのみのクラウドサーバー16が飲料容器の数とは無関係に必要とされることを除いて、飲料分配システム内の各飲料容器のために提供される。したがって、各飲料容器には、好ましくは、RFIDタグ13及びRFIDタグから情報を受信する電子装置14が設けられる。RFIDタグ13などからの情報は、クラウド15に送信されてもよく、及び/又は飲料フォントレンズに配置されたマイクロコントローラユニット16に直接送信されてもよく、上記マイクロコントローラユニットは、客用表示パネル9及びオペレーター用表示パネル10を接続して制御するための2つのインタフェースを含む。
【0096】
図7は、飲料分配システムの飲料フォントレンズ1においてデータを取得し、処理し、表示するシステムの一部を示す。この実施形態は、それぞれが各飲料フォントレンズ1に使用される3つの電子装置14を示し、電子装置のそれぞれは、タッピングヘッドの1つに流体接続された飲料容器によって提供されるRFIDタグを読み取るように構成される。電子装置14はさらに、好ましくは、飲料分配システムを監視する他の測定装置からデータを受信するように構成される。一例として、電子装置のそれぞれは、好ましくは、折り畳み可能な飲料容器を収容する圧力チャンバーの内部空間内の圧力を測定する圧力センサから圧力データを受信するように構成される。電子装置14はさらに、好ましくは、例えば、飲料容器内の飲料の残存量に関する処理された情報を取得するために、生の圧力データを処理するように構成される。生データ及び/又は処理されたデータは、好ましくはデータを保存する及び/又は処理するように構成されるクラウドサーバー15に送信されてもよい。次に、データは、マイクロコントローラユニットに送信されてもよく、各ユニットは、飲料分配システムの飲料フォントに取り付けられた飲料フォントレンズ1に含まれる。次に、取得された及び/又は処理されたデータに基づく、飲料分配システムの情報は、飲料フォントレンズ内に設けられた1枚又は複数の表示パネルに表示されてもよい。電子装置14は、電源27によって給電される。
【0097】
図8は、ベース部23及び蓋部24を備える圧力チャンバー内の飲料容器25と、タッピングライン21と、タップハンドル19が起動されるときに飲料を飲料フォント18のタッピングヘッド20に搬送する飲料ライン22とを含む飲料分配システム17を示す。他のタイプの飲料分配システムも、本発明の文脈の中で企図される。飲料分配システム17はまた、冷却装置26を含むことができる。各飲料容器25は、RFIDタグ13を含む。電子装置14は、RFIDタグ13を読み取って、飲料容器25内の飲料をブランド、タイプ、満杯になったときの量などに関して識別するように構成される。
【0098】
典型的に、飲料分配システムは、各飲料容器用の1つの飲料フォントレンズ1を含む。しかしながら、例えば、複数の飲料容器が同じタイプの飲料を収容する場合、より少ない飲料フォントレンズを提供してもよい。典型的には、少なくとも1つの飲料フォントレンズ1は、飲料のタイプごとに提供される。飲料フォントレンズ1は、本開示の他の箇所でより詳細に説明されるように、飲料分配システム及び/又は分配される飲料(複数可)の関連情報を表示してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1:飲料フォントレンズ
2:筐体
3:第1の丸みを帯びた縁部
4:第2の丸みを帯びた縁部
5:ステム
6:縁部
7:第1の窓
8:第2の窓
9:客用表示パネル
10:オペレーター用表示パネル
11:測定装置
12:圧力センサ
13:RFIDタグ
14:電子装置
15:クラウドサーバー
16:マイクロコントローラユニット
17:飲料分配システム
18:飲料フォント
19:タップハンドル
20:タッピングヘッド
21:タッピングライン
22:飲料ライン
23:ベース部
24:蓋部
25:飲料容器
26:冷却装置
27:電源
28:矢印
29:表示パネルの第1の基板
30:表示パネルの第2の基板
31:突出部
32:フレキシブルプリント回路
33:ディスプレイ駆動回路
34:重量センサ
35:表示フレーム
36:アンテナ
37:PCB(プリント回路基板)
38:PCBフレーム
39:電子接触領域
【0100】
発明のさらなる詳細
1.筐体内に埋設され、第1の窓(7)を介して視認可能な客用表示パネル(9)と、
前記筐体内に埋設され、前記第1の窓に対向する第2の窓(8)を介して視認可能なオペレーター用表示パネル(10)と、
前記客用表示パネル及び前記オペレーター用表示パネルに情報を表示するように構成されるマイクロコントローラユニット(16)と、を収容する前記筐体(2)を含む、飲料フォントレンズ(1)。
【0101】
2.前記マイクロコントローラユニット(16)は、第1のインタフェース及び第2のインタフェースを含み、各インタフェースは、電子ディスプレイを前記マイクロコントローラユニットに接続するように構成される、アイテム1に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0102】
3.前記マイクロコントローラユニット(16)は、第1のインタフェースと第2のインタフェースとを含み、前記客用表示パネル(9)は、前記第1のインタフェースに接続され、前記オペレーター用表示パネル(10)は、前記第2のインタフェースに接続される、アイテム1又は2に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0103】
4.前記第1のインタフェースは、少なくとも24FPSのフレームレートを有する高速画像データをサポートするように構成される、アイテム2及び3のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0104】
5.前記第2のインタフェースは、最大で15FPSのフレームレートを有する低速画像データをサポートするように構成される、アイテム2~4のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0105】
6.前記客用表示パネル(9)は、前記第1のインタフェースを介して前記マイクロコントローラユニット(16)に接続され、前記オペレーター用表示パネル(10)は、前記第2のインタフェースを介して前記マイクロコントローラユニットに接続される、アイテム2~5のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0106】
7.前記客用表示パネル(9)は、少なくとも24FPSのフレームレートを有する、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0107】
8.前記客用表示パネル(9)及び/又は前記オペレーター用表示パネル(10)は、TFT LCDパネルである、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0108】
9.前記客用表示パネル(9)及び/又は前記オペレーター用表示パネル(10)は、インプレーンスイッチング(IPS)パネルである、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0109】
10.前記客用表示パネル(9)は、主に円形である、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0110】
11.前記筐体は、丸みを帯びた外縁を含む、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0111】
12.前記筐体(2)は、楕円形又は水滴形である、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0112】
13.前記レンズのステム(5)に面する楕円形又は水滴形のテーパー状の端部は、前記筐体(2)内の電気的接続部、例えば、突出部(31)を収容するように構成される、アイテム12に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0113】
14.前記客用表示パネル(9)及び/又は前記オペレーター用表示パネル(10)は、タッチスクリーンを含む、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0114】
15.前記マイクロコントローラユニット(16)は、データの無線送信のために構成されるか、又は無線通信用のRFモジュールに接続される、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0115】
16.前記データの無線送信は、ブルートゥース、BLE(ブルートゥース低エネルギー)、UWB(超広帯域)、Wi-Fi、IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)、GSM、4G、及び5Gという無線技術のいずれかによって可能になる、アイテム15に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0116】
17.5V~12VのDCの範囲の電圧、好ましくは5VのDCによって給電されるように構成される、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0117】
18.前記マイクロコントローラユニット(16)は、前記入力電力を前記客用表示パネル(9)及び/又は前記オペレーター用表示パネル(10)に給電することに適する電力に変換する電力変換器を含む、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0118】
19.前記筐体(2)は、前記第1の窓(7)及び前記第2の窓(8)を機械的に支持するように構成される、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0119】
20.前記筐体(2)は、丸みを帯びた外縁を含む、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0120】
21.前記筐体(2)は、飲料フォント(18)に取り付けられる場合に前記飲料フォントレンズを直立に保持するように構成されるステム(5)を含む、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0121】
22.前記第1及び/又は第2の窓(7/8)は、円形である、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0122】
23.前記第1の窓(7)及び/又は前記第2の窓(8)は、無線周波数識別(RFID)システムに一般的に用いられる無線周波数に対して、並びに/又はWiFi及び/若しくはブルートゥースに典型的に用いられる周波数範囲(複数可)に対して透過である材料を含む、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0123】
24.1つ又は複数の飲料容器(25)を含む飲料分配システム(17)の飲料フォント(18)に取り付けられるように構成される、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0124】
25.前記マイクロコントローラユニット(16)は、1つ又は複数の飲料容器(25)に関する情報を無線で受信するように構成される、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0125】
26.前記情報は、クラウドサーバー(15)から受信される、アイテム25に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0126】
27.前記情報は、飲料分配システム(17)を監視するために構成される1つ又は複数の測定装置(11)とそれぞれが通信する1つ又は複数の電子装置(複数可)(14)から受信される、アイテム25に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0127】
28.前記オペレーター用表示パネル(10)は、前記飲料分配システム(17)に関するオペレーター情報を表示するように構成される、アイテム24~27のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0128】
29.前記オペレーター情報は、前記飲料容器(複数可)(25)内の飲料の前記残存量、前記飲料容器(複数可)内の飲料のタイプ、いつ飲料容器が前記飲料フォント(18)に対して接続された/分離されたか、飲料容器の残りの寿命、クリーニングアラート、所定の時間間隔での前記飲料容器(複数可)からの飲料の前記分配量という内容のいずれか、又はそれらの組み合わせを含む、アイテム28に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0129】
30.前記オペレーター情報は、自動的かつ連続的にリアルタイムに更新されて前記飲料分配システム(17)の現在の状況を反映する、アイテム28及び29のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0130】
31.前記客用表示パネル(9)は、客情報を表示するために構成される、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0131】
32.前記客情報は、前記飲料容器(複数可)(25)に含まれる前記飲料(複数可)のブランド、広告、メッセージ、記号、画像、ビデオ、又はそれらの組み合わせという内容のいずれかを含む、アイテム31に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0132】
33.前記客情報は、前記飲料フォントレンズに無線接続されたコンピューティング装置及び/又はリモートサーバーから手動及び/又は自動的に更新されるように構成される、アイテム31及び32のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0133】
34.前記客情報は、クラウドサーバー(15)及び/又は前記飲料フォントレンズに無線接続されたコンピューティング装置から自動的に更新される、アイテム31及び32のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0134】
35.前記飲料フォントレンズ(18)に極めて近接する及び/又は前記飲料フォントを操作するオペレーターを無線識別するように構成される電子リーダをさらに含む、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0135】
36.前記無線識別は、RFID(無線周波数識別)に基づく、アイテム35に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0136】
37.前記電子リーダは、RFIDリーダ又はNFCリーダである、アイテム35及び36のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0137】
38.前記RFIDリーダ又は前記NFCリーダは、オペレーターが装着するRFIDタグ又はNFCタグを読み取るように構成される、アイテム37に記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0138】
39.前記第1の窓(7)及び/又は前記第2の窓(8)は、前記電子リーダによって放出される前記無線周波数に対して透過である材料を含む、アイテム35~38のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0139】
40.前記客用表示パネル(9)は、前記オペレーター用表示パネル(10)よりも高い解像度を有する、先行アイテムのいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0140】
41.前記オペレーター用表示パネル(10)は、2つ、3つ又はそれ以上の飲料容器(25)の前記オペレーター情報を表示するように構成される、アイテム28~40のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)。
【0141】
42.飲料を分配する飲料分配システム(17)であって、
飲料出口を含む、飲料を収容する1つ又は複数の飲料容器(25)と、
前記飲料出口を通して前記飲料容器(複数可)から前記飲料を吐出するように構成される圧力源と、
前記飲料容器(複数可)から前記飲料を抽出する1つ又は複数のタッピングヘッドを含む飲料フォント(18)と、
1つ又は複数の飲料ライン(22)を含む、前記飲料出口から前記飲料フォントまで延びるタッピングライン(21)と、
アイテム1~41のいずれか1つに記載の飲料フォントレンズ(1)と、を含む、前記飲料分配システム(17)。
【0142】
43.前記飲料フォントレンズ(1)は、前記飲料フォント(18)上又はタップハンドル(19)上に取り付けられる、アイテム42に記載の飲料分配システム(17)。
【0143】
44.それぞれが前記タッピングライン(21)及び/又は前記飲料容器(25)の少なくとも1つの物理量を監視するように構成される1つ又は複数の測定装置(11)を含む、アイテム42~43のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0144】
45.前記1つ又は複数の測定装置(11)は、前記タッピングライン(21)内の圧力を監視するように構成される圧力センサ(12)、又は前記飲料容器内の前記飲料の前記重量を監視するように構成される重量センサを含む、アイテム44に記載の飲料分配システム(17)。
【0145】
46.それぞれが1つ又は複数の測定装置(11)から受信したデータを受信して処理するように構成される1つ又は複数の電子装置(14)を含む、アイテム44及び45のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0146】
47.前記1つ又は複数の飲料容器は、バッグインコンテナシステムであり、前記容器と前記容器内の前記飲料充填バッグとの間の空間は、加圧されて、飲料出口を通して前記バックから飲料を分配する、アイテム42~46のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0147】
48.前記1つ又は複数の飲料容器(25)は、折り畳み可能な飲料容器であり、各飲料容器は、圧力チャンバーの密封内部空間に収容され、かつ前記圧力チャンバーのベース部(23)に接続可能な飲料出口を有する、アイテム42~46のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0148】
49.前記密封内部空間のそれぞれ又は前記容器と前記バックとの間の前記空間内の前記圧力を監視するように構成される1つ又は複数の圧力センサ(複数可)(12)を含む、アイテム47又は48に記載の飲料分配システム(17)。
【0149】
50.前記1つ又は複数の電子装置(14)はそれぞれ、前記1つ又は複数の圧力センサ(12)から受信した圧力データを処理するように構成される、アイテム49に記載の飲料分配システム(17)。
【0150】
51.前記電子装置(14)は、分配された飲料の量及び/又は対応する前記飲料容器(25)内の残存量を決定するように構成され、前記決定は、前記密封内部空間又は前記容器と前記バッグとの間の空間内の測定圧力に基づいて行われる、アイテム50に記載の飲料分配システム(17)。
【0151】
52.前記1つ又は複数の電子装置(14)は、データを無線で送信するように構成される、アイテム46~51のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0152】
53.前記1つ又は複数の電子装置(14)は、データをクラウドサーバー(15)に無線で送信するように構成される、アイテム46~52のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0153】
54.前記1つ又は複数の電子装置(14)のそれぞれは、前記1つ又は複数の飲料容器(25)(複数可)の前記内容物に関する情報を自動的に識別するように構成される、アイテム46~53のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0154】
55.前記情報は、飲料のタイプ、前記飲料のブランド、前記飲料のバッチの日付、「賞味期限」の日付、又はそれらの組み合わせのいずれかの情報を含む、アイテム54に記載の飲料分配システム(17)。
【0155】
56.前記識別は、RFID(無線周波数識別)によって提供される、アイテム54~55のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0156】
57.各飲料容器(25)は、前記1つ又は複数の電子装置(14)によって読み取り可能なRFIDタグ(13)を含む、アイテム54~56のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0157】
58.各電子装置(14)は、それぞれが前記1つ又は複数の飲料容器(複数可)(25)によって提供される1つ又は複数のRFIDタグ(複数可)(13)を読み取るように構成されるRFIDリーダを含む、アイテム57に記載の飲料分配システム(17)。
【0158】
59.前記RFIDリーダは、前記圧力チャンバーの前記内部空間、好ましくは動作時に前記飲料容器の前記飲料出口が配置されるのと同じ端部に配置される、アイテム58に記載の飲料分配システム(17)。
【0159】
60.電源に有線のみで接続される、先行アイテムのいずれか一つに記載の飲料フォントレンズ。
【0160】
61.前記飲料フォントレンズに給電する前記配線は、非デジタルLEDレンズに給電するために使用される前記飲料フォント(18)内の既存の配線である、アイテム60に記載の飲料フォントレンズ。
【0161】
62.前記筐体に埋設され、かつ窓を通して視認可能な単一のパネルと、
前記単一の表示パネルに情報を表示するように構成されるマイクロコントローラユニットと、を収容する前記筐体を含み、
前記マイクロコントローラユニットは、標準モードでブランドロゴなどの客関連情報を前記単一の表示パネルに表示し、かつ起動モードで飲料分配システムに関するオペレーター関連情報を表示するように構成される、飲料フォントレンズ。
【0162】
63.前記マイクロコントローラユニットは、
前記マイクロコントローラに有線又は無線接続されるセンサが、飲料容器が空であるか、又はほぼ空である(満杯の前記飲料容器の所定の比率を下回る)ことを検出し、
前記飲料分配システムを洗浄する必要があり、
オペレーターが前記飲料分配システムから飲料を注ぎ、
前記パネルがタッチされ、
前記マイクロコントローラに有線又は無線で接続され、好ましくは前記飲料フォントレンズに配置されるボタンが押下され、
前記マイクロコントローラに有線又は無線で接続され、好ましくは前記飲料フォントレンズに含まれる動きセンサが近くの人の動きをセンシングするか、又は
前記マイクロコントローラに有線又は無線で接続され、好ましくは前記飲料フォントレンズセンサに含まれる、静電容量式センサ又はIRセンサなどの近接センサがセンシングする場合に、前記標準モードから前記起動モードに変更するように構成される、アイテム62に記載の飲料フォントレンズ。
【0163】
64.単一のパネルがあることを除いて、先行アイテム1~61に提示された特徴の任意の組み合わせを有する、アイテム62又は63に記載の飲料フォントレンズ。
【0164】
65.前記飲料フォントレンズは、アイテム62~64のいずれか1つに記載の単一のパネルの飲料フォントレンズで置き換えられる、アイテム42~59のいずれか1つに記載の飲料分配システム(17)。
【0165】
66.アイテム1~41、60~64のいずれか一つに記載の飲料フォントレンズを含み、前記飲料フォントレンズは、
前記飲料フォントに固定接続されるか、又は
タッピングハンドル上ではなく、前記飲料フォントに接続される、飲料フォント。
【国際調査報告】