(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】不均一な起伏を有する、ケーブルを保持するためのデバイス及び方法
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20231031BHJP
F16B 2/08 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
H02G3/30
F16B2/08 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523113
(86)(22)【出願日】2021-07-26
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 US2021043158
(87)【国際公開番号】W WO2022081232
(87)【国際公開日】2022-04-21
(32)【優先日】2020-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519407091
【氏名又は名称】コムスコープ テクノロジーズ リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ロナルド エー.バッカーロ
(72)【発明者】
【氏名】アビラル ジョシ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ストックマン
【テーマコード(参考)】
3J022
5G363
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA42
3J022EB14
3J022EC14
3J022EC22
3J022FB04
3J022FB07
3J022FB12
3J022GA03
3J022GA16
3J022GA22
3J022GB43
3J022GB45
3J022GB56
5G363BA01
5G363DA13
5G363DA16
5G363DC10
(57)【要約】
1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスは、長さ、幅、厚さ、及び長手方向軸を有するポリマー材料から形成された可撓性本体であって、本体が、巻き付け部分及び取り付け部分を含み、巻き付け部分は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むように巻き付けられるように構成され、複数の起伏が、取り付け部分と巻き付け部分との間に存在する、可撓性本体と、本体の取り付け部分に取り付けられるか、又はそれと一体的であり、取り付け構造に固定されるように構成されている、固定特徴部と、本体の巻き付け部分の長手方向軸に沿った複数の開口と、を含む。固定特徴部は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられるときに、複数の開口のうちの1つを通して受容されるように構成されている。起伏のうちの少なくとも1つが、他の起伏のうちの少なくとも1つから高さ、幅、及び/又は厚さが変化している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスであって、
長さ、幅、厚さ、及び長手方向軸を有するポリマー材料から形成された可撓性本体であって、前記可撓性本体が、巻き付け部分及び取り付け部分を含み、前記巻き付け部分は、前記可撓性本体が前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むように巻き付けられるように構成され、複数の起伏が、前記取り付け部分と前記巻き付け部分との間に存在する、可撓性本体と、
前記可撓性本体の前記取り付け部分に取り付けられるか、又は前記取り付け部分と一体的であり、取り付け構造に固定されるように構成されている、固定特徴部と、
前記可撓性本体の前記巻き付け部分の前記長手方向軸に沿った複数の開口と、を備え、
前記固定特徴部は、前記可撓性本体が前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられるときに、前記複数の開口のうちの1つを通して受容されるように構成されており、
前記起伏のうちの少なくとも1つが、他の起伏のうちの少なくとも1つから高さ、幅、及び/又は厚さが変化している、デバイス。
【請求項2】
前記複数の起伏のうちの第1の起伏が、前記取り付け部分の真隣であり、高さ、幅、及び/又は厚さが変化している前記起伏のうちの少なくとも1つが、前記第1の起伏である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記第1の起伏が、前記他の起伏のうちの少なくとも1つから高さが変化している、請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記第1の起伏が、前記他の起伏のうちの少なくとも1つから幅が変化している、請求項2又は3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1の起伏が、前記他の起伏のうちの少なくとも1つから厚さが変化している、請求項2~4のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記デバイスが、ポリマー材料で形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項7】
1つ以上のディスクリートケーブルと組み合わせて、前記可撓性本体が、前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられ、前記固定特徴部が、前記複数の開口のうちの1つを通して受容され、それによって、前記1つ以上のディスクリートケーブルを保持する、請求項1~6のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項8】
前記デバイスが、前記取り付け構造の開口内への前記固定特徴部の挿入を介して取り付け構造に固定されている、請求項7に記載の組み合わせ。
【請求項9】
1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスであって、
長さ、幅、厚さ、及び長手方向軸を有するポリマー材料から形成された可撓性本体であって、前記可撓性本体が、巻き付け部分及び取り付け部分を含み、前記巻き付け部分は、前記可撓性本体が前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むように巻き付けられるように構成され、複数の起伏が、前記取り付け部分と前記巻き付け部分との間に存在する、可撓性本体と、
前記可撓性本体の前記取り付け部分に取り付けられるか、又は前記取り付け部分と一体的であり、取り付け構造に固定されるように構成されている、固定特徴部と、
前記可撓性本体の前記巻き付け部分の前記長手方向軸に沿った複数の開口と、を備え、
前記固定特徴部は、前記可撓性本体が前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられるときに、前記複数の開口のうちの1つを通して受容されるように構成されており、
前記複数の起伏のうちの第1の起伏が、前記取り付け部分の真隣であり、前記第1の起伏が、他の起伏のうちの少なくとも1つから高さ及び幅が変化している、デバイス。
【請求項10】
前記複数の起伏のうちの第2の起伏が、前記第1の起伏の真隣であり、前記第2の起伏が、前記第1の起伏よりも高い高さを有する、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記第1の起伏が、前記第2の起伏よりも厚い厚さを有する区分を含む、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記複数の起伏のうちの第3の起伏が、前記第1及び第2の起伏よりも高い高さを有する、請求項10又は11に記載のデバイス。
【請求項13】
前記デバイスが、ポリマー材料で形成されている、請求項9~12のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項14】
1つ以上のディスクリートケーブルと組み合わせて、前記可撓性本体が、前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられ、前記固定特徴部が、前記複数の開口のうちの1つを通して受容され、それによって、前記1つ以上のディスクリートケーブルを保持する、請求項9~13のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項15】
前記デバイスが、前記取り付け構造の開口内への前記固定特徴部の挿入を介して取り付け構造に固定されている、請求項14に記載の組み合わせ。
【請求項16】
1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスであって、
長さ、幅、厚さ、及び長手方向軸を有するポリマー材料から形成された可撓性本体であって、前記可撓性本体が、巻き付け部分及び取り付け部分を含み、前記巻き付け部分は、前記可撓性本体が前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むように巻き付けられるように構成され、複数の起伏が、前記取り付け部分と前記巻き付け部分との間に存在する、可撓性本体と、
前記可撓性本体の前記取り付け部分に取り付けられるか、又は前記取り付け部分と一体的であり、取り付け構造に固定されるように構成されている、固定特徴部と、
前記可撓性本体の前記巻き付け部分の前記長手方向軸に沿った複数の開口と、を備え、
前記固定特徴部は、前記可撓性本体が前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられるときに、前記複数の開口のうちの1つを通して受容されるように構成されており、
前記複数の起伏のうちの第1の起伏が、前記取り付け部分の真隣であり、第1の高さを有し、第2の起伏が、前記第1の起伏の真隣であり、第2の高さを有し、第3の起伏が、前記第2の起伏の真隣であり、第3の高さを有し、前記第3の高さが、前記第2の高さよりも高く、前記第2の高さが、前記第1の高さよりも高い、デバイス。
【請求項17】
前記第1の起伏が、前記第2の起伏の幅よりも大きい幅を有する、請求項16に記載のデバイス。
【請求項18】
前記第1の起伏が、前記第2の起伏よりも厚い厚さを有する区分を含む、請求項16又は17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記デバイスが、ポリマー材料で形成されている、請求項16~18のいずれか一項に記載のデバイス。
【請求項20】
1つ以上のディスクリートケーブルと組み合わせて、前記可撓性本体が、前記1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられ、前記固定特徴部が、前記複数の開口のうちの1つを通して受容され、それによって、前記1つ以上のディスクリートケーブルを保持する、請求項16~19のいずれか一項に記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、2021年10月14日に出願された米国特許仮特許出願第63/091,574号明細書の優先権及び利益を主張する。
【0002】
本発明は、ケーブルを保持するためのデバイス及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
現在、例えば、Vaccaroの特許文献1、Vaccaroらの特許文献2、及びJoshiの特許文献3などの、電気通信塔の最上部にケーブルを保持するか、又は束ねて固定するために使用される様々な金属(例えば、ステンレス鋼)ケーブルハンガーがあり、それらの文献の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。しかしながら、セルサイト上のアンテナの近くの金属構成要素の使用は、現代の無線周波数(RF)環境における望ましくない受動的相互変調(PIM)のソースとなり得る。PIMなどの技術的性能の懸念を軽減しつつ、コストを低減し、容易な設置を可能にする、スモールセル電気通信塔で使用されるケーブル用の非金属の非磁性ケーブルハンガーの必要性が存在し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第9,306,380号明細書
【特許文献2】米国特許第9,866,004号明細書
【特許文献3】米国特許第9,903,510号明細書
【発明の概要】
【0005】
第1の態様として、本発明の実施形態は、1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスを対象とする。デバイスは、長さ、幅、厚さ、及び長手方向軸を有するポリマー材料から形成された可撓性本体であって、本体が、巻き付け部分及び取り付け部分を含み、巻き付け部分は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むように巻き付けられるように構成され、複数の起伏が、取り付け部分と巻き付け部分との間に存在する、可撓性本体と、本体の取り付け部分に取り付けられるか、又は取り付け部分と一体的であり、取り付け構造に固定されるように構成されている、固定特徴部と、本体の巻き付け部分の長手方向軸に沿った複数の開口と、を備える。固定特徴部は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられるときに、複数の開口のうちの1つを通して受容されるように構成されている。起伏のうちの少なくとも1つが、他の起伏のうちの少なくとも1つから高さ、幅、及び/又は厚さが変化している。
【0006】
第2の態様として、本発明の実施形態は、1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスであって、長さ、幅、厚さ、及び長手方向軸を有するポリマー材料から形成された可撓性本体であって、本体が、巻き付け部分及び取り付け部分を含み、巻き付け部分は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むように巻き付けられるように構成され、複数の起伏が、取り付け部分と巻き付け部分との間に存在する、可撓性本体と、本体の取り付け部分に取り付けられるか、又は取り付け部分と一体的であり、取り付け構造に固定されるように構成されている、固定特徴部と、本体の巻き付け部分の長手方向軸に沿った複数の開口と、を備える、デバイスを対象とする。固定特徴部は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられるときに、複数の開口のうちの1つを通して受容されるように構成されている。複数の起伏のうちの第1の起伏が、取り付け部分の真隣であり、第1の起伏は、他の起伏のうちの少なくとも1つから高さ及び幅が変化している。
【0007】
第3の態様として、本発明の実施形態は、1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスであって、長さ、幅、厚さ、及び長手方向軸を有するポリマー材料から形成された可撓性本体であって、本体が、巻き付け部分及び取り付け部分を含み、巻き付け部分は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むように巻き付けられるように構成され、複数の起伏が、取り付け部分と巻き付け部分との間に存在する、可撓性本体と、本体の取り付け部分に取り付けられるか、又は取り付け部分と一体的であり、取り付け構造に固定されるように構成されている、固定特徴部と、本体の巻き付け部分の長手方向軸に沿った複数の開口と、を備える、デバイスを対象とする。固定特徴部は、本体が1つ以上のディスクリートケーブルの周囲に巻き付けられるときに、複数の開口のうちの1つを通して受容されるように構成されている。複数の起伏のうちの第1の起伏が、取り付け部分の真隣であり、第1の高さを有し、第2の起伏が、第1の起伏の真隣であり、第2の高さを有し、第3の起伏が、第2の起伏の真隣であり、第3の高さを有し、第3の高さが、第2の高さよりも高く、第2の高さが、第1の高さよりも高い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】
図1Aは1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスの正面斜視図である。
【
図1D】
図1Dはプラグが固定特徴部の空洞内に挿入されている状態の
図1Aのデバイスの固定特徴部の拡大側面図である。
【
図2】
図2は本発明の実施形態による、ケーブルバンドルを吊り下げるためのデバイスの側面斜視図である。
【
図4】
図4は
図2のデバイスの起伏のうちの2つの拡大部分斜視図である。
【
図5】
図5は
図2のデバイスの第1の起伏の部分の更に拡大された部分側面図である。
【
図6A-6B】
図6A-6Bはデバイスの負荷モデリング中に負荷及び拘束がどのように適用されたかを例示する
図2のデバイスの部分側面斜視図である。
【
図7】
図7は負荷モデリング下の
図2のデバイスの伸長を例示するプロットである。
【
図8】
図8は負荷モデリング下の
図1Aのデバイスの伸長を例示するプロットである。
【
図9】
図9は負荷モデリング下の
図2のデバイスの応力を例示するプロットである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ここで、本発明の実施形態が図示される添付図面を参照してより完全に以下に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように、及び本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0010】
本発明は、ここで、本発明の例示の実施形態が図示される添付図面を参照してより完全に以下に説明される。1つの実施形態に関して記載される本発明の態様は、異なる実施形態に組み込まれてもよいが、それに関連して具体的に記載されないことに留意されたい。すなわち、全ての実施形態及び/又は任意の実施形態の特徴は、任意の方式及び/又は組み合わせで組み合わせられ得る。出願人は、当初出願されたいくつかの請求を変更する権利及び/又はそれに応じていくつかの新たな請求項を提起する権利を留保し、これには、当初出願されたいくつかの請求を、その様式では当初請求されていないが、いくつかの他の請求項の任意の特徴から依拠し、及び/又は組み込むために修正することができる権利が含まれる。本発明のこれら及び他の目的及び/又は態様は、以下に記載される明細書で詳細に説明される。本発明の更なる特徴、利点及び詳細は、図面の読み取り及び後続する好ましい実施形態の詳細な説明から当該技術分野の当業者によって理解されるであろうが、このような説明は本発明の例示に過ぎない。
【0011】
図では、特定の層、構成要素、又は特徴は、明確にするために誇張されている場合があり、破線は、別段の指定がない限り、任意の特徴又は操作を説明する。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなるように、及び本発明の範囲を当業者に十分に伝えるように提供される。
【0012】
第1、第2などの用語は、本明細書において、様々な要素、構成要素、境域、層、及び/又は区分を説明するために使用され得るが、これらの要素、構成要素、境域、層、及び/又は区分は、これらの用語によって限定されるべきではないことが理解されよう。これらの用語は、1つの要素、構成要素、境域、層、又は区分を別の境域、層、又は区分と区別するためにのみ使用される。従って、以下で考察される第1の要素、構成要素、境域、層、又は区分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素、境域、層、又は区分と称され得る。操作(又はステップ)の順序は、特に別段の指示がない限り、特許請求の範囲又は図に提示される順番に限定されない。
【0013】
別段に定義しない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術的用語及び科学的用語を含む)は、本発明が属する当該技術分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有している。更に、一般的に使用される辞書に定義される用語などの用語は、本明細書及び関連技術分野の文脈においてその意味と一致する意味を有するものとして解釈されるべきであり、本明細書に明示的に定義されない限り、理想化又は過度に形式的な意味で解釈されるべきではないことが理解されよう。既知の機能又は構造は、簡潔さ及び/又は明確さのために詳細に説明され得ない。
【0014】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものに過ぎず、本発明を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明確に他のことを指示していない限りにおいて、複数形も含むことが意図される。本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はこれらの群の存在若しくは追加を妨げないことが更に理解されよう。本明細書で使用される場合、用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1つ以上のいずれか及び全ての組み合わせを含む。
【0015】
本明細書で使用される場合、「XとYとの間」及び「約XとYとの間」などの語句は、X及びYを含むように解釈されるべきである。本明細書で使用される場合、「約XとYとの間」などの語句は、「約Xと約Yとの間」を意味する。本明細書で使用される場合、「約X~Y」などの語句は、「約X~約Y」を意味する。
【0016】
ここで図を参照すると、1つ以上のディスクリートケーブルを保持するように適合されたデバイスが、
図1A~1Dに例示され、400で広く指定される。デバイス400(2020年3月10日出願の米国特許出願第16/814,472号明細書に詳細に説明され、これは、参照により本明細書に完全に組み込まれる)は、可撓性本体402、固定特徴部404、及び複数の開口406を備える。本体402は、可撓性であり、本体402が1つ以上のディスクリートケーブル130の周囲を囲み得るように巻き付けられるように構成されている。デバイス400の本体402は、巻き付け部分402a及び取り付け部分402bを有する。デバイス400の固定特徴部404は、本体402の取り付け部分402bに取り付けられるか、又はそれと一体的であり、電気通信塔、ケーブルハンガーアダプタ、又はモノポールなどの、取り付け構造に固定されるように構成されている。例示された実施形態では、固定特徴部404は、空洞420によって分離された2つの返し404aを備える。各返し404aは、デバイス400の本体402の巻き付け部分402aのそれぞれの開口406によって受容されるように構成されている。空洞420は、各開口406の間に位置する本体402の区分(又は「リブ」)408を受容するように構成されている。例えば、1つ以上のディスクリートケーブルを一緒に保持又は束ねるとき、固定特徴部404の各返し404aが、各開口406を通して挿入されると、各開口406の間のリブ408は、空洞420内に受容される。次いで、返し404a(すなわち、固定特徴部404)は、取り付け構造に固定され得、それによって、空洞420内にリブ408を固定する。
【0017】
巻き付け部分402aと取り付け部分402bとの間に、デバイス400は、複数の起伏407を備える(例示される実施形態では、3つの起伏が存在する)。起伏407は、デバイス400の可撓性に寄与して(屈曲及び伸長の両方において)、巻き付け部分402aが1つ以上のディスクリートケーブルの周囲を囲むのを助け得る。
【0018】
ケーブルの束の周囲に「巻き付けられた」ときのデバイスの破損又は故障の最も一般的な場所は、取り付け部分402の最も近くに位置付けられる起伏であることが観察されている。調査はまた、デバイス400内の個々の起伏407が、ケーブルの周囲に巻き付けられるとき、異なるレベルの応力を受ける可能性があることも示唆している。したがって、伸長の程度(より多様なサイズ及びケーブルの組み合わせでデバイスが使用されることを可能にする)及びクラックに耐性を有するデバイスの能力の程度を改善し得る設計を提供することが望ましい場合がある。
【0019】
図2~5に示され、100で広く指定されるデバイスは、説明される性能上の利益を実際に提供することができる。デバイス100は、巻き付け部分102a及び取り付け部分102bを有する可撓性本体102と、取り付け部分102bから延在する2つの対向ラッチの形態の固定特徴部104と、複数の開口106と、を含む。取り付け部分102bと巻き付け部分102aとの間には、5つの連続合流起伏107a~eが存在する。
【0020】
上述されたように、起伏107a~eは、デバイス100に、それが、取り付け構造に対するその取り付けのために伸長して1つ以上のケーブルの周囲に巻き付けられるときに、伸長及び可撓性を提供し得る。試験及び観察は、多くの事例では、取り付け部分102bに最も近い起伏(この事例では起伏107a)及び巻き付け部分102aに最も近い起伏(この事例では起伏107e)が、巻き付けによって引き起こされた荷重下で最も高いレベルの応力を経験することを明らかにした。
【0021】
この問題に対処するために、デバイス100は、不均一な起伏107a~eを有する。より具体的には、取り付け部分102aに最も近い起伏107aは、隣接する起伏107bの高さよりも低い高さH(根元から頂部まで測定される-
図4参照)を有する。起伏107bは、隣接する起伏107cよりも高さが低い。起伏107c及び107dは、同じ高さであるが、起伏107e(巻き付け部分102aに最も近い起伏)は、隣接する起伏107dよりも高さが低い。
【0022】
加えて、起伏107aは、この実施形態では全て同じ幅を有する残りの起伏107b~eよりも大きい幅W(根元から根元まで測定される-再び
図4参照)を有する。
【0023】
また、
図5では、起伏107aは、厚さTが変化していることがわかる(
図5に示されるように、起伏の厚さTは起伏の壁厚さである)。より具体的には、取り付け部分102bに最も近い起伏107aの「垂直走行部」は、起伏107bと合流する起伏107aの「垂直走行部」よりも厚い厚さTを有し、その厚さは、上述の「垂直走行部」に跨る起伏107aの「水平走行部」にわたって、より厚い厚さからより薄い厚さに先細りする。残りの起伏107b~eは、起伏107bと合流する起伏107aの垂直走行部の厚さと同じ厚さを有する。
【0024】
デバイス100によって提供される性能上の利点は、
図6~9を参照することによって理解され得る。上記に例示されたデバイス400と比較して、デバイス100上で負荷解析をシミュレートした。具体的には、解析されたデバイス400は、高さ(3.8mm)、幅(6.34mm)、及び厚さ(1.2mm)が一様であった3つの起伏407を有した。対照的に、解析されたデバイス100は、5つの起伏を有し、寸法は、表1に示されるものであった。
【0025】
【0026】
三次元CADモデルを、デバイス100、400から構築した。次いで、有限要素解析を、取り付け部分104、404が拘束された際(
図6B)の起伏から第3の開口106、406に適用されている5lbのシミュレートされた負荷L(
図6A参照)を用いて、モデルに対して実施した。
【0027】
図7は、デバイス100によって経験された伸長を示す三次元プロット(特に、起伏107a~eの伸長)であるが、
図8は、デバイス400の起伏407によって経験された伸長を示す、対応する三次元プロットである)。
図7及び8に見られるように、同じ負荷Lの下で、デバイス100は、デバイス400の伸長の2.5~4.0倍の伸長を達成することができる。
【0028】
上記のように、実験は、デバイス100、400がケーブルの束の周囲に巻き付けられるとき、第1の起伏(すなわち、起伏107a及びデバイス400のその対応する起伏407)が、最も高いレベルの応力を経験することを示した。起伏にわたる応力の分布を評価するために、最後尾の起伏(取付部分104、404から最も離れた)対隣接する最後尾から2番目の起伏によって経験される応力の比較が行われ得る。(より具体的には、これは、起伏107e対起伏107dにおける応力を比較すること、及び同様にデバイス400の対応する最後尾及び最後尾から2番目の起伏における応力を比較することを伴う)。
図10に見られるように、デバイス400では、最後尾の起伏における最大ミーゼス応力は、最後尾から2番目の起伏よりも約32%高い。しかしながら、デバイス100では、最後尾の起伏107eにおける最大ミーゼス応力は、最後尾から2番目の起伏107dよりも約26%高い(
図9参照)。これは、より均一である応力分布を示し、デバイス100は、負荷下における顕著に増加した伸長によっても、デバイス400よりもクラックが生じる可能性が低い。
【0029】
上記は、本発明の例示であり、本発明を限定するものと解釈されるべきではない。本発明のいくつかの例示的な実施形態を説明しているが、当業者であれば、本発明の新規な教示及び利点から実質的に逸脱することなく、例示的な実施形態において多くの改変が可能であることを容易に理解するであろう。したがって、そのような全ての改変は、特許請求の範囲において規定された本発明の範囲内に含まれることが意図されている。本発明は、特許請求の範囲の均等物を内部に包含しつつ、以下の特許請求の範囲によって規定される。
【国際調査報告】