(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】シリコーンドリップグリッドを有する飲料調製マシン
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
A47J31/44 130
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2023524441
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-06-16
(86)【国際出願番号】 EP2021079068
(87)【国際公開番号】W WO2022084380
(87)【国際公開日】2022-04-28
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エルトビーンス,アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】ダニエルス,ミヒャ
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA30
4B104BA68
4B104EA07
4B104EA36
(57)【要約】
本発明は、調製された飲料を供給するための出口(14)と、調製された飲料を受けるための容器を収容するための収容領域(15)と、出口(14)の反対側で収容領域(15)の境界を定め、飲料が調製されている間、容器を置くことができる、プラットフォーム(21)とを備えた、飲料調製マシン(1)に関する。プラットフォーム(21)は、少なくとも部分的にエラストマーからなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料調製マシン(1)であって、前記飲料調製マシン(1)は、
調製された飲料を供給するための出口(14)と、
前記調製された飲料を受けるための容器を収容するための収容領域(15)と、
前記出口(14)の反対側で前記収容領域(15)の境界を定め、前記飲料が調製されている間、前記容器を置くことができる、プラットフォーム(21)とを備え、
少なくとも、前記飲料の調製中に前記容器が置かれる前記プラットフォーム(21)の部分は、エラストマーからなることを特徴とする、飲料調製マシン(1)。
【請求項2】
前記プラットフォーム(21)は全体がエラストマーからなることを特徴とする、請求項1に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項3】
前記エラストマーは、少なくとも1つの天然ゴム、少なくとも1つのシリコーンゴム、少なくとも1つのシリコーン、少なくとも1つのシリコーン樹脂および/または少なくとも1つのフルオロシリコーンを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項4】
前記プラットフォーム(21)はシリコーンからなることを特徴とする、請求項1または2に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項5】
前記プラットフォームは単一部品として形成されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項6】
前記プラットフォーム(21)は少なくとも1つの開口部を備えることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項7】
前記プラットフォーム(21)はいくつかの開口部を備えることを特徴とする、請求項6に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項8】
前記プラットフォーム(21)は格子状の構造を有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項9】
前記プラットフォーム(21)は少なくとも5mmの厚さを有することを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項10】
前記プラットフォーム(21)は少なくとも10mmの厚さを有することを特徴とする、請求項9に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項11】
前記プラットフォーム(21)は少なくとも20mmの厚さを有することを特徴とする、請求項10に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項12】
前記飲料調製マシン(1)は、前記出口(14)から出た液体を受け止めるための収集容器(24)を含み、前記プラットフォーム(21)は、前記収集容器(24)と前記収容領域(15)との間に配置されることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項13】
前記収集容器(24)は、前記プラットフォーム(21)を配置することができる支持要素を含むことを特徴とする、請求項12に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項14】
前記飲料調製マシン(1)はコーヒーマシンであることを特徴とする、先行する請求項のいずれか1項に記載の飲料調製マシン(1)。
【請求項15】
前記飲料調製マシン(1)はカプセルコーヒーマシンであることを特徴とする、請求項14に記載の飲料調製マシン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料調製マシンに関し、特に、調製された飲料を供給するための出口と、出口の下方に位置し、調製された飲料を受けるための容器を収容するための、収容領域とを有する、カプセルコーヒーマシンに関する。収容領域の、出口の反対側すなわち下方における境界は、飲料の調製中に容器を置くことができるプラットフォームによって定められる。
【背景技術】
【0002】
周知のカプセルコーヒーマシンは、出口から供給された、容器が受けない液体を受け止めるための収集容器を備えている。これは、たとえば、カプセルコーヒーマシンを洗浄するために使用されるフラッシング流体、容器が取り除かれた後に滴下し続けているコーヒー、または小さすぎる容器が使用されたときにこぼれた余分なコーヒーである可能性がある。通常は、飲料の調製中に容器を置くことができる、収集容器の上に固定されずに配置されたプラットフォームが、具体的にはいわゆるドリップグリッドが設けられている。
【0003】
文献EP3205245A1に記載されているような周知のカプセルコーヒーマシンにおいて、ドリップグリッドは、通常、金属またはプラスチックからなる。これには、容器がドリップグリッド上に置かれているときに、騒々しい、したがって不快な騒音が発生する可能性がある、という欠点がある。もう1つの欠点は、特に金属製のドリップグリッドには容器による引っ掻き傷が付き易く、そのためにドリップグリッドの外観および耐久性が損なわれる可能性がある、という欠点である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、低騒音で耐久性が高い飲料調製マシンを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する飲料調製マシンによって達成される。本発明のさらに他の好都合な発展形態は、従属請求項に記載される。
【0006】
本発明に従うと、飲料調製マシンは、調製された飲料を供給するための出口と、調製された飲料を受けるための容器を収容するための収容領域と、出口の反対側で収容領域の境界を定め、飲料が調製されている間、容器を置くことができる、プラットフォームとを備える。プラットフォームは、少なくとも部分的にエラストマーからなる。特に、少なくとも、容器が置かれるプラットフォームの部分は、エラストマーからなる。
【0007】
エラストマーからなるプラットフォーム、特にドリップグリッドは、金属またはプラスチックからなる通常のドリップグリッドの場合よりも、容器がその上に置かれているときに生じる騒音が遥かに少ない、という利点を有する。また、エラストマーからなるプラットフォームに引っ掻き傷を付けることはできない。
【0008】
プラットフォームの全体がエラストマーからなるので、単純な一体生産が可能であり、プラットフォーム全体に引っ掻き傷が付かないことを保証する。
【0009】
代替の実施形態において、プラットフォームの一部のみ、すなわち容器が置かれる部分のみを、エラストマーで作ることが可能である。
【0010】
特に、プラットフォームは、少なくとも部分的に、好ましくは全体的にエラストマーでコーティングされた(したがって先に述べた少なくとも容器が置かれる部分を形成する)支持フレームを特徴とする。フレームは、特に、プラットフォームに安定した一定の形状を与える働きをし、金属またはプラスチック等の非弾性材料からなる。これはプラットフォームの安定性を保証するが、エラストマーコーティングは引っ掻き傷を防止し緩衝効果を提供する。
【0011】
エラストマーは、好ましくは、天然ゴム、少なくとも1つのシリコーンゴム、少なくとも1つのシリコーン、少なくとも1つのシリコーン樹脂、および/またはフルオロシリコーンを含む。代わりに他のエラストマーを使用することも可能である。
【0012】
本発明の一実施形態において、プラットフォームは全体的にシリコーンからなる。シリコーンは、特に耐久性があり、所望の形状に成形し易い。
【0013】
プラットフォームが単一部品として形成されることが特に好都合である。これは取り扱いの容易さを保証する。特に、プラットフォームの下方に位置する収集容器を空にすることを可能にするためには、プラットフォームを収集容器から取り外すことが可能でなければならず、これは、プラットフォームがいくつかの部品で構成される場合よりも、プラットフォームが単一部品として形成されている場合の方が、遥かに容易である。
【0014】
本発明の好ましい実施形態において、プラットフォームは少なくとも1つの開口部を備える。プラットフォームは、好ましくはいくつかの開口部を備える。出口から出て容器に入らない液体は、これらの開口部を通してプラットフォームの下方に位置する収集容器に流れ込むことができる。
【0015】
プラットフォームは、特に格子状の構造を有することができる。本明細書において、開口部は、特に、その形状がスリット状であり、互いに平行に配置されている。
【0016】
特に、プラットフォームは、少なくとも5mm、好ましくは5mmと20mmとの間、たとえば10mmと20mmとの間の厚さを有する。シリコーンは、金属またはプラスチックよりもかなり柔らかく弾性が高い。それでもなお十分な安定性を実現するために、プラットフォームが上述の厚さを有するおよび/またはプラットフォームがたとえば非弾性材料の上記支持フレームを含むことが、好都合である。これは特に、プラットフォーム上に置かれた容器の転倒を防止する。
【0017】
飲料調製マシンは、特に、出口から出た液体を受け止めるための収集容器を含み得るものであり、プラットフォームは、収集容器と収容領域との間に配置される。
【0018】
収集容器は、特に、プラットフォームを配置することができる少なくとも1つの支持要素、好ましくはいくつかの支持要素を含む。これにより、プラットフォームは特に装着し易くなる。
【0019】
飲料調製マシンは、特にコーヒーマシン、好ましくはカプセルコーヒーマシンである。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照しながら実施形態の例を用いて本発明をより詳細に説明する、以下の記載から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】カプセルコーヒーマシンの概略斜視図である。
図1は、カプセルコーヒーマシンとして構成された飲料調製マシン1の概略斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
飲料調製マシン1は、基本ユニット10と、基本ユニット10に結合可能でありミルクモジュールとして機能するミルク泡立て器11とを備える。WO2016/046239に記載されている種類のドッキング要素12は、基本ユニットの関連するインターフェイスにアクセスし、基本ユニットからミルク泡立て器に水、蒸気、および場合によっては空気を供給し、また、電圧源への電気的接続を形成し、および/またはミルク泡立て器の能動要素(特にポンプ)から来た制御信号を転送する。加えて、ドッキング要素は、ドッキングされた状態において、基本ユニット10の淹出飲料のための出口(この場合コーヒー出口14)の隣に位置するミルク出口13を形成する。
【0022】
基本ユニット10は、水タンクと、水ポンプと、給湯器とを備える。加えて、飲料調製前にコーヒーマシンに挿入されるポーションカプセルの形態で供給された、挽かれたコーヒー粉末からの抽出により、加熱された水からコーヒーを調製するための、淹出チャンバを備える。ポーションカプセルシステムとして示される実施形態に代わるものとして、コーヒーマシンは、コーヒーミルをさらに備えた、いわゆる完全自動コーヒーマシンの形態をとることもでき、コーヒーマシンは、このコーヒーミルにより、コーヒーを、淹出チャンバに供給する前に、一度に1回分ずつ挽く。さらに別の代替案として、特に、固定部分と取り外し可能なプランジャとの間に淹出チャンバが位置するプランジャマシンとして、コーヒーマシンが形成される場合、ユーザは、挽かれた状態ではあるが一括してコーヒーを淹出チャンバの中に供給することを意図することが可能である。
【0023】
加えて、コーヒーマシン1は、挽かれたコーヒー粉末(コーヒーマシンの設計に応じて、カプセル内または一括)の使用済み部分のための収集容器24を備えることもできる。コーヒーマシンは、飲用容器を置くためのプラットフォーム21を備えている。プラットフォーム21の下方には収集トレイが配置されている。
【0024】
プラットフォーム21の上方にはコーヒー出口14があり、淹出されたコーヒーは、出口から出た後に、出口の下方に位置する容器に入る。コーヒー出口は出口カバー16の下方に位置し、出口カバー16は、コーヒーマシンハウジングの一部を形成し、前方および側方において少なくとも部分的に出口を覆う。
【0025】
プラットフォーム21は、少なくとも部分的にエラストマーからなる。これには、金属またはプラスチックからなる通常のプラットフォームの場合よりも、容器がその上に置かれているときに生じる騒音が遥かに少ない、という利点がある。加えて、エラストマーからなるプラットフォーム21に引っ掻き傷を付けることはできない。使用されるエラストマーは、具体的にはシリコーンである。
【0026】
プラットフォーム21はいくつかの開口部を備え、出口14から出て容器に入らない液体は、これらの開口部を通して収集容器24に流れ込む。開口部は、その形状がスリット状であり、互いに平行に配置されている。代替的に、開口部は他の形状および構成を有することができる。
【0027】
基本ユニット10は、他のコーヒーマシンで周知のように、前面パネル22を形成し、プラットフォーム21およびその上方に位置する出口カバー16は前面パネルから突出している。
【0028】
ドッキングされたミルク泡立て器11が置かれるミルク泡立て器プラットフォーム23も、この前面パネルから突出する。
【0029】
コーヒー出口14の近傍において、この場合は出口カバー16の側面に、ドッキング要素をコーヒーマシンに接続するためのインターフェイスがある。このインターフェイスは、ドッキング要素の蒸気接続部と結合するための蒸気送出点と、場合によってはミルク泡立て器用の洗浄液(温水/蒸気)のためのバイパスと結合するための温水および/または蒸気送出点とを備える。必要なときに、蒸気送出点と、温水および/または蒸気送出点とに、給湯器から蒸気および/または温水が供給されることにより、たとえば、コーヒーマシンの内部に位置する選択弁が、加熱された液体および/または蒸気を、任意で淹出モジュール、蒸気送出点、または温水および/または蒸気送出点に、供給することができる。加えて、ディスプレイ31および制御要素32があり、これらはともに、本明細書に示される実施形態の例の基本ユニット10上に配置される。
【0030】
制御要素32は、物理的な制御要素であり、この場合、多くの家庭用電気器具において周知のもののような、組み合わされたダイヤル/プッシュボタンの形態をとる。組み合わされたダイヤル/プッシュボタンは、ダイヤルを回すことにより、利用可能な各種要素(異なるメニュー項目、異なる調製ルール、個々のステップとして表される異なる量の飲料)の中からユーザが選択することができるように、かつ、組み合わされたダイヤル/プッシュボタンを軸方向に押すことにより、現在の選択がディスプレイを通して確認されるように、プログラムすることができる。
【0031】
制御要素の他の制御要素組み合わせ、または統合された解決策も、たとえばディスプレイおよび制御要素を形成するタッチスクリーンを用いて、想定することができる。例としての本実施形態において、一般的に往々にして好ましいのは、飲料調製マシンが、以下で説明する外部操作ユニットを伴わずに動作可能な完全機能独立型ユニットとして設計されていることであり、これは、動作のために実際に必要であるすべての入力および情報出力が、独立型ユニット自身のユーザインターフェイスを使用して実現できることを意味し、任意で、相対的な量の設定のような動作に不要な特定の機能が、操作ユニットを介して入力を行うことを必要とする場合がある、という可能性を、除外しないものである。
【0032】
加えて、基本ユニット(カプセルコーヒーマシン)は、この場合、ミルクモジュールなしでも動作できるように設計され、よって、ミルクモジュールの有無は好ましくは検出可能であり、対応する(ミルク)機能はミルクモジュールが接続されているときにのみ利用可能である。
【符号の説明】
【0033】
参照符号のリスト
1 飲料調製マシン
10 基本ユニット
11 ミルク泡立て器
12 ドッキング要素
13 ミルク出口
14 コーヒー出口
15 収容領域
16 出口カバー
21 プラットフォーム
22 前面パネル
23 ミルク泡立て器プラットフォーム
31 ディスプレイ
32 制御要素
【手続補正書】
【提出日】2023-06-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】
加えて、コーヒーマシン1は、挽かれたコーヒー粉末(コーヒーマシンの設計に応じて、カプセル内または一括)の使用済み部分のための収集ビンを備えることもできる。コーヒーマシンは、飲用容器を置くためのプラットフォーム21を備えている。プラットフォーム21の下方には収集容器が配置されている。
【国際調査報告】