(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】洗剤組成物
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20231031BHJP
C11D 1/02 20060101ALI20231031BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20231031BHJP
C11D 3/50 20060101ALI20231031BHJP
C11D 1/12 20060101ALI20231031BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D1/02
C11D3/37
C11D3/50
C11D1/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525453
(86)(22)【出願日】2022-06-23
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 US2022034694
(87)【国際公開番号】W WO2022271929
(87)【国際公開日】2022-12-29
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2022-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
【氏名又は名称原語表記】THE PROCTER & GAMBLE COMPANY
【住所又は居所原語表記】One Procter & Gamble Plaza, Cincinnati, OH 45202,United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100122437
【氏名又は名称】大宅 一宏
(74)【代理人】
【識別番号】100209495
【氏名又は名称】佐藤 さおり
(72)【発明者】
【氏名】アドリアンセンス、クリス
(72)【発明者】
【氏名】ビアンチェッチ、ギリア・オッタヴィア
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス・デ・オリヴェイラ・フィオリオ、フランシエレ
(72)【発明者】
【氏名】ジュークス、アマンダ・カイザー
【テーマコード(参考)】
4H003
【Fターム(参考)】
4H003AB03
4H003AB19
4H003AB31
4H003AC08
4H003AC15
4H003BA12
4H003DA01
4H003EB08
4H003EB13
4H003EB28
4H003EC01
4H003ED02
4H003FA26
(57)【要約】
合成繊維を含む布地への香料成分、特に合成繊維に典型的には容易に付着しない香料成分の付着を改善する洗濯洗剤組成物の必要性は、ビニルピロリドンポリマー及び特定の香料成分を洗濯洗剤組成物に組み込むことによって満たされる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤系、ピロリドンポリマー及び封入されていない香料を含む液体洗濯洗剤組成物であって、
前記界面活性剤系が、前記組成物の1.0重量%~70重量%の濃度で界面活性剤を含み、前記界面活性剤系は、前記液体洗濯洗剤組成物の1.4重量%~52重量%の濃度でアニオン性界面活性剤を含み、
前記ビニルピロリドンポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
前記香料は、少なくとも2.5のLogPを有する疎水性香料成分を含み、前記親水性香料成分は、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、グリコール酸アリルアミル、ヘルベトリド、ラエボカルボン、フェニルエチルジメチルカルビノール、及びそれらの混合物を含む、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記洗濯組成物が、1.0重量%~70重量%、好ましくは8.0重量%~50重量%、より好ましくは13重量%~35重量%の濃度で前記界面活性剤系を含む、請求項1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤系が、好ましくはスルホネート界面活性剤、サルフェート界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み、より好ましくは、前記アニオン性界面活性剤はスルホネート界面活性剤及びサルフェート界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェート界面活性剤を含み、前記アルキルサルフェート界面活性剤は、0.5~8.0、好ましくは1.0~5.0、より好ましくは2.0~3.5の平均エトキシル化度を有する、請求項3に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェート界面活性剤を含み、前記アルキルサルフェート界面活性剤は、0.5未満の平均エトキシル化度を有し、好ましくは、前記アルキルサルフェート界面活性剤は分岐アルキルサルフェート界面活性剤を含み、より好ましくは、前記分岐アルキルサルフェート界面活性剤は、分岐アルキルサルフェート界面活性剤の前記アルキル鎖の少なくとも20重量%の2-分岐アルキル鎖を含む、請求項3に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記ピロリドンポリマーが、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の濃度で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記ビニルピロリドンポリマーが、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)である、請求項1~6のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記ピロリドンポリマーの重量平均分子量が、5,000Da~1,000,000Da、好ましくは5,000Da~50,000Da、より好ましくは10,000Da~20,000Daである、請求項1~7のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記組成物の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.25重量%~3.0重量%、より好ましくは0.5重量%~1.5重量%の濃度で遊離香料を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
前記親水性香料成分が、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、及びそれらの混合物を含み、好ましくは、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、及びそれらの混合物を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記組成物が、前記組成物の0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%の香料カプセルを含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
前記組成物が、両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマー、泥汚れ洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、及び汚れ懸濁ポリマーからなる群から選択される洗浄ポリマー、好ましくは両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマーを更に含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項13】
前記洗剤組成物のpH範囲が6.0~8.9、好ましくはpH7~8.8である、請求項1~12のいずれか一項に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の洗剤組成物を含む単位用量物品であって、前記洗剤組成物が水溶性又は水分散性フィルムに封入されており、前記洗剤組成物は20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の水を含む、単位用量物品。
【請求項15】
合成繊維を含む布地への香料原料の付着を改善するための、ピロリドンポリマーを含む洗濯洗剤組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
洗濯洗剤組成物、特に合成繊維を含む布地の爽やかさを改善する液体洗濯洗剤組成物又は単位用量物品である。
【背景技術】
【0002】
衣類織物は、外部要因から人体を保護するだけではない。それらはファッショナブルであり、身につける人を表現することを目的としている。それらはまた、機能的で、耐候性がありながら通気性があり、着用中に汗を吸収し、蒸れないよう、ますます設計されている。このような機能の必要性により、衣類を製造するために、ポリエステル及びナイロンなどの合成繊維、並びに合成繊維と天然繊維とのブレンドの使用が増加している。そのため、現在、合成繊維を含む布地は、国内で洗濯される布地の大部分を占めている。
【0003】
香料は、典型的には、悪臭を中和するのに役立ち、また、衣類の匂いを「爽やか」にするためにも使用されてきた。香料は概して、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、ラクトン、エーテル、及びニトリルなどの複数の化学官能基を有する多種多様な天然又は合成香料成分分子の複雑な混合物である。香料成分分子は、多くの場合、「トップ」、「ミドル」、及び「ボトム」ノートからなる3つのグループに分類され、これらのグループは、様々な種類の匂いを表し、その名前が既に示しているように、対応するクラスの化合物の異なる揮発性と関連している。この分類は厳密でも系統的でもないが、トップノートは通常、最も揮発性の高い化合物であり、急速に蒸発して爽やかな、花の、甘美な、又は瑞々しい香りを香料に与え、それに続いて、揮発性のより低いミドルノートは、芳しい、ハーブの、又は香ばしい香調を有し、比較的持続的な(substantive)高分子量のボトムノートは、木のような、琥珀の、又はジャコウの香りを有する。
【0004】
洗濯洗剤組成物は、布地から汚れ及び染みを取り除くように設計されている。香料成分は、洗浄化学剤と洗濯プロセスとに耐える必要があるが、更に、布地で検出可能なレベルで布地に付着し、所望の匂いプロファイルを提供する必要もある。しかしながら、多くの香料成分は、ポリエステルなどの合成繊維を含む布地に容易には付着しない。これは、このような合成繊維を含む洗濯布地などの洗濯布地に所望の匂いプロファイルを与えるために、これらの典型的には高価な香料成分を、はるかに多く液体洗濯組成物に添加する必要があることを意味する。また、香料成分が合成繊維を含む布地でより大きな残留性を有し、その結果、香料成分はより長く持続し、また、複数回の洗濯サイクルにわたって布地に蓄積することも望ましい。これにより、洗濯洗剤組成物に添加する必要がある香料成分が少なくなる。
【0005】
また、ポリエステルなどの合成繊維を含む布地は、疎水性合成繊維と皮脂などの身体排泄物との接着が強くなるため、悪臭が発生しやすいことも知られている。この問題は、典型的には、合成繊維を含む布地を洗濯機で短時間の加減の難しいサイクルを使用して、典型的にはより低い洗濯温度で洗濯する必要があるという事実によって、更に悪化する。その結果、合成繊維を含む布地に残留量のそのような身体排泄物が残る。したがって、そのような悪臭を中和するために、香料成分の量、特に、合成繊維を含むそのような布地上の香料成分の量を増やすことが強く望まれている。
【0006】
したがって、合成繊維を含む布地への香料成分、特に合成繊維に典型的に容易には付着しない香料成分の付着を改善し、複数回の洗濯にわたって香料成分の残留性を高める洗濯洗剤組成物が依然として必要とされている。
【0007】
国際公開第2004016234(A1)号は、シェルカプセル内に封入された材料(例えば香料)を含む水系消費者製品などの組成物に関し、各カプセルは、内面及び外面を有する封入壁を含み、シェル壁の内面及び/又は外面にはコーティングがあり、この組成物は界面活性剤及び/又は溶媒を更に含み、コーティングにより、シェルのバリア特性を改善することができ、封入された材料のシェル内での保持を強化することができる。国際公開第1998052527(A1)号は、(a)ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone、PVP)、(b)ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose、HPC)、及び(c)疎水性油を含む香料固定剤に関し、この香料固定剤は、香料含有製剤又は製品に組み込まれることで使用される。国際公開第2015192972(A1)号及び国際公開第2015192973(A1)号は、布地をコンディショニングする方法に関し、この方法は、布地を、組成物を含む水性媒体と接触させる工程を含み、組成物は、(a)第四級アンモニウム化合物、(b)カチオン性多糖類、及び(c)非イオン性多糖類を含み、第四級アンモニウム化合物は、生分解性の第四級アンモニウム化合物であり、組成物は、優れた軟化性能及び改善された香料の持続性を有する。英国特許第2432852(A)号は、香料、有益剤、好ましくは糖ポリエステル、ポリマー及びカチオン性付着助剤を含むポリマー粒子に関し、この粒子は更にシェルを含んでもよく、したがってコア/シェル形態が得られる。国際公開第1997048374(A2)号は、皮膚への香料の付着を強化し、皮膚上の芳香持続性を高めるための液体パーソナルクレンジング組成物に関する。欧州特許公開第3643772(A1)号は、単一用量の香り増強パックに関し、このパックは、水溶性フィルムを含む容器と、当該容器内に封入された単一用量の香り増強組成物とを含み、当該単一用量の香り増強組成物は、当該香り増強組成物の総重量に基づいて0.1~10重量%の芳香剤と、当該香り増強組成物の総重量に基づいて45~75重量%の糖類と、香り増強組成物の総重量に基づいて0.1~6重量%の界面活性剤と、当該香り増強組成物の総重量に基づいて10~25重量%の水とを含む。国際公開第1998052527(A1)号は、(a)ポリビニルピロリドン(PVP)、(b)ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、及び(c)疎水性油を含む香料固定剤に関し、この香料固定剤は、香料含有製剤又は製品に組み込まれることで使用される。欧州特許公開第3275983(A)号は、洗濯、洗濯後処理又は洗濯ケア組成物、特に、ビニルピロリドン及び/又は酢酸ビニルを含む少なくとも1種のポリマーを0.001~30重量%、好ましくは0.01~4重量%含有する液体洗剤、洗濯後に改善された防しわ性及び向上した柔らかさをもたらす織物、並びにしわの傾向を最小限に抑え、アイロン掛けを容易にし、布地の柔らかさを向上させるために本発明に不可欠なポリマーの使用に関する。国際公開第2010025116(A1)号は、少なくとも1種のカチオン性ポリマー及びアニオン性界面活性剤を含む安定な色維持及び/又は再生組成物、並びにそれを提供する方法に関する。国際公開第2013070560(A1)号は、特定のカチオン性ポリマー、アニオン性界面活性剤、1種以上のシールド塩及び疎水性会合破壊剤を含む表面処理組成物に関し、この表面処理組成物は、少なくとも6重量%のカチオン性ポリマー、少なくとも6重量%のアニオン性界面活性剤、及び少なくとも4重量%のシールド塩を含み、アニオン性界面活性剤とカチオン性ポリマーとの重量比は、0.5:1~4:1であり、この組成物はまた、シールド塩とカチオン性ポリマーとの重量比が0.3:1~3:1であってもよい。欧州特許公開第3275983(A)号は、洗濯後に改善された防しわ性及び向上した柔らかさを提供するための、洗濯、洗濯後処理又は洗濯ケア組成物、特に、ビニルピロリドン及び/又は酢酸ビニルを含む少なくとも1種のポリマーを0.001~30重量%、好ましくは0.01~4重量%含有する液体洗剤に関する。米国特許出願公開第2002/010105(A)号は、効率的な持続性香料組成物を含有する洗剤組成物に関し、この洗剤組成物は、通常の標準圧力で測定した沸点が約250℃以上であり、logP又はlogP計算が約3以上であることを特徴とする持続性香料成分を少なくとも約70%含む香料組成物を含み、香料は、ハロゲン化芳香剤材料及びニトロムスクを実質的に含まず、この組成物はまた、約0.01~約95%の洗剤界面活性剤系を含有し、好ましくはアニオン性及び/又は非イオン性洗剤界面活性剤を含有する。欧州特許第1072673(A)号は、漂白系及び選択された香料組成物を含む洗濯及び洗浄組成物に関し、この香料組成物は、エステル、エーテル、アルコール、アルデヒド、ケトン、ニトリル、ラクトン、シッフ塩基、テルペン及びその誘導体、環状アルケン、環状酸化物、オキシム、並びにそれらの混合物の不飽和香料成分のクラスから選択される香料成分を含み、香料組成物も提供され、不飽和材料の量は、香料組成物の少なくとも40重量%に相当する。欧州特許第3375854(A)号は、コア/シェル封入体を含む液体洗濯洗剤組成物、当該封入体を含む水溶性単位用量物品、並びに当該組成物及び単位用量物品を使用する方法に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2004016234(A1)号
【特許文献2】国際公開第1998052527(A1)号
【特許文献3】国際公開第2015192972(A1)号
【特許文献4】国際公開第2015192973(A1)号
【特許文献5】英国特許第2432852(A)号
【特許文献6】国際公開第1997048374(A2)号
【特許文献7】欧州特許公開第3643772(A1)号
【特許文献8】欧州特許公開第3275983(A)号
【特許文献9】国際公開第2010025116(A1)号
【特許文献10】国際公開第2013070560(A1)号
【特許文献11】米国特許出願公開第2002/010105(A)号
【特許文献12】欧州特許第1072673(A)号
【特許文献13】欧州特許第3375854(A)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、界面活性剤系、ピロリドンポリマー及び封入されていない香料を含む液体洗濯洗剤組成物に関し、界面活性剤系は、組成物の1.0重量%~70重量%の濃度で界面活性剤を含み、界面活性剤系は、液体洗濯洗剤組成物の1.4重量%~52重量%の濃度でアニオン性界面活性剤を含み、ビニルピロリドンポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、香料は、2.5より大きいLogPを有する疎水性香料成分を含み、この疎水性香料成分は、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、グリコール酸アリルアミル、ヘルベトリド、ラエボカルボン、フェニルエチルジメチルカルビノール、及びそれらの混合物を含む。
【0010】
本発明は更に、合成繊維を含む布地への香料原料の付着を改善するための、ピロリドンポリマーを含む洗濯洗剤組成物の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の洗剤組成物は、合成繊維を含む布地への香料成分、特に合成繊維に典型的には容易に付着しない香料成分の付着を改善し、複数回の洗濯にわたって合成繊維への香料成分の残留性を改善することが見出された。
【0012】
別段の記載がない限り、全ての成分又は組成物の濃度は、その成分又は組成物の活性部分に関するものであり、不純物、例えば、そのような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る残留溶媒又は副生成物が除外される。
【0013】
別段の指示がない限り、全ての百分率及び比は、重量基準で計算される。別段の指示がない限り、全ての百分率及び比は、総組成物に基づいて計算される。
【0014】
別段の定めがない限り、全ての測定は、25℃で実施される。
【0015】
本明細書で使用される場合、「a」及び「an」を含む冠詞は、特許請求の範囲において使用される場合、特許請求又は記載されているものの1つ以上を意味すると理解される。
【0016】
洗濯洗剤組成物:
洗濯洗剤組成物は液体の形態である。
【0017】
本明細書で使用される場合、「液体洗剤組成物」は、流体であり、好ましくは家庭用洗濯機で布地、例えば、衣類を濡らして洗浄することができる液体洗剤組成物を指す。本明細書で使用される場合、「洗濯洗剤組成物」は、衣類を洗濯するのに好適な組成物を指す。組成物は、好適に細分された形態の固体又は気体を含んでもよいが、全体的な組成物は、錠剤又は顆粒などの全体的に非流体である製品形態を除外する。液体洗濯洗剤組成物は、好ましくは、固形添加剤を除くが、存在する場合には泡を含めて、立方センチメートル当たり0.9~1.3グラム、より具体的には立方センチメートル当たり1.00~1.10グラムの範囲の密度を有する。
【0018】
組成物は、水性液体洗濯洗剤組成物であり得る。そのような水性液体洗濯洗剤組成物の場合、含水量は、液体洗剤組成物の5.0重量%~95重量%、好ましくは25重量%~90重量%、より好ましくは50重量%~85重量%の濃度で存在することができる。
【0019】
洗剤組成物のpH範囲は、6.0~8.9、好ましくはpH7~8.8であり得る。
【0020】
また、洗剤組成物を水溶性フィルムに封入して、単位用量物品を形成することもできる。そのような単位用量物品は、本発明の洗剤組成物を含み、洗剤組成物は、20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の水を含み、洗剤組成物は水溶性又は分散性フィルムに封入されている。そのような単位用量物品は、当該技術分野で知られている任意の手段を使用して形成することができる。好適な単位用量物品は、1つの区画を含んでもよく、この区画は、液体洗濯洗剤組成物を含む。あるいは、単位用量物品は、多区画単位用量物品であってもよく、少なくとも1つの区画は液体洗濯洗剤組成物を含む。
【0021】
洗剤組成物は、粉末洗濯洗剤組成物であり得る。そのような粉末洗濯洗剤組成物は、固体の自由流動粒子状洗濯洗剤組成物である。典型的には、粉末洗濯洗剤組成物は完全に製剤された洗濯洗剤組成物であり、洗濯洗剤組成物の一部のみを形成する噴霧乾燥、押出又は凝集粒子などのその一部分ではない。典型的には、粉末組成物は、噴霧乾燥されたベース洗剤粒子及び/又は凝集したベース洗剤粒子及び/又は押し出されたベース洗剤粒子などの複数の化学的に異なる粒子を、以下から選択される1種以上、典型的には2種以上、又は5種以上、又は更に10種以上の粒子と組み合わせて含む:リン酸塩粒子;ゼオライト粒子;ケイ酸塩粒子、特にケイ酸ナトリウム粒子;炭酸塩粒子、特に炭酸ナトリウム粒子;ポリマー粒子、例えばカルボキシレートポリマー粒子、セルロース系ポリマー粒子、デンプン粒子、ポリエステル粒子、ポリアミン粒子、テレフタレートポリマー粒子、ポリエチレングリコール粒子;審美粒子、例えば着色されたヌードル、ニードル、ラメラ粒子及びリング状粒子;酵素粒子、例えば、プロテアーゼ顆粒、アミラーゼ顆粒、リパーゼ顆粒、セルラーゼ顆粒、マンナナーゼ顆粒、ペクチン酸リアーゼ顆粒、キシログルカナーゼ顆粒、漂白酵素顆粒及びこれらの酵素のいずれかの共顆粒(好ましくは、これらの酵素顆粒は硫酸ナトリウムを含む);漂白剤粒子、例えば、過炭酸塩粒子、特に、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、ホウケイ酸塩、又はこれらの任意の組み合わせで被覆された過炭酸塩などの被覆された過炭酸塩粒子、過ホウ酸塩粒子、テトラアセチルエチレンジアミン粒子及び/又はアルキルオキシベンゼンスルホネート粒子などの漂白活性化剤粒子、遷移金属触媒粒子及び/又はイソキノリニウム漂白触媒粒子などの漂白触媒粒子、予形成過酸粒子、特に、被覆された予形成過酸粒子;充填剤粒子、例えば、硫酸塩粒子及び塩化物粒子;粘土粒子、例えば、モンモリロナイト粒子並びに粘土及びシリコーンの粒子;凝集剤粒子、例えば、ポリエチレンオキシド粒子;ワックス粒子、例えば、ワックス凝集物;シリコーン粒子、増白剤粒子;移染防止粒子;染料定着剤粒子;香料マイクロカプセル及びデンプン封入香料アコード粒子などの香料粒子、又はシッフ塩基反応生成物粒子などのプロ香料(pro-perfume)粒子;色相染料粒子;キレート剤粒子、例えばキレート剤凝集物;並びにこれらの任意の組み合わせ。
【0022】
本発明の洗剤組成物は再生可能な成分を含んでもよい。本明細書に開示される組成物は、20重量%又は40重量%又は50重量%から、60重量%又は80重量%まで、又は更に100重量%までの再生可能な成分を含んでもよい。本明細書に開示される組成物は、少なくとも部分的又は完全にバイオベースであってもよい。したがって、組成物は、50%~100%、好ましくは75%~100%、最も好ましくは80%~100%、最も好ましくは90%~100%のバイオベース炭素含有量を含んでもよい。バイオベースとは、材料が、例えば石炭由来でも石油由来でもなく、栽培植物などの生物に由来する物質に由来することを意味する。バイオベース炭素含有量パーセントは、ASTM D6866-16の方法を使用して導き出される「percent Modern Carbon(pMC)」として計算することができる。本開示の組成物は、石油由来の溶媒を実質的に含まなくてもよい。本開示の組成物は、界面活性剤、又は更に石油由来のアルコールに由来するポリマーを実質的に含まなくてもよい。
【0023】
洗濯洗剤組成物は、当業者に公知の任意の好適なプロセスを使用して製造することができる。
【0024】
ビニルピロリドンポリマー:
洗剤組成物は、1種以上のビニルピロリドンポリマーを含む。ビニルピロリドンポリマーは、典型的には、洗濯プロセス中に移染防止ポリマーとして使用されてきた。ビニルピロリドンポリマーは、組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の濃度で存在することができる。
【0025】
そのような移染防止ポリマーは、洗濯プロセス中に布地から放出された染料と複合体を形成し、染料が他の布地に再付着するのを防止するために使用されてきた。そのようなビニルピロリドンポリマーは、染料を洗浄液中に懸濁させたままにする一方、布地、特にポリエステル布地へのいくらかの香料成分の付着を改善することが見出された。
【0026】
ビニルピロリドンポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくは、ビニルピロリドンポリマーは、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)である。
【0027】
ポリビニルピロリドン(「PVP」)は、両親媒性を有し、親水性及び極性吸引特性を付与する高極性アミド基を有し、また、主鎖及び/又は環に、疎水性を付与する非極性メチレン基及びメタン基を有する。環はまた、染料分子において芳香環との平面整列を提供し得る。PVPは、水性及び有機溶媒系に容易に溶解する。PVPは、粉末、又はいくつかの粘度グレードの水溶液のいずれかで市販されている。本発明の組成物では、好ましくは、N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとの共重合体(本明細書では「PVPVI」とも略す)を使用する。N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとの共重合体は、N-ビニルイミダゾールとN-ビニルピロリドンとのモル比が1:1~0.2:1、より好ましくは0.8:1~0.3:1、最も好ましくは0.6:1~0.4:1であり得る。N-ビニルピロリドンとN-ビニルイミダゾールとの共重合体は、直鎖状でも分岐状でもよい。
【0028】
ビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニル(VA)との好適な共重合体は、30:70~70:30、好ましくは50/50~70/30のPVP:VAモル比を有してもよい。ビニルピロリドン(PVP)と酢酸ビニルとの共重合体は、好ましくは、2つのモノマー、すなわち、N-ビニル-2-ピロリドンと酢酸ビニルとのランダム直鎖状共重合体である。60%のN-ビニル-2-ピロリドンと40%の酢酸ビニルという特定の比を有する共重合体はコポビドンとして知られている。
【0029】
ビニルピロリドンポリマーは、5,000Da~1,000,000Da、好ましくは5,000Da~50,000Da、より好ましくは10,000Da~20,000Daの重量平均分子量を有することができる。数平均分子量の範囲は、Barth J.H.G. and Mays J.W.Chemical Analysis Vol1 13.「Modern Methods of Polymer Characterization」に記載されている光散乱によって決定される。ポリ(N-ビニル-2-ピロリドン)とポリ(N-ビニル-イミダゾール)との共重合体は、BASFなどの多くの供給元から市販されている。好ましいビニルピロリドンポリマーは、BASF(BASF SE,Germany)から商品名Sokalan(登録商標)HP 56 Kで市販されている。
【0030】
ビニルピロリドンポリマーより多くの混合物を使用することができる。
【0031】
香料
組成物は、香料を含む。好ましくは、香料は「遊離」香料として組成物中に存在する。すなわち、香料は封入されていないため、洗濯洗剤組成物全体にわたって分布する。組成物は、組成物の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.25重量%~3.0重量%、より好ましくは0.5重量%~1.5重量%の濃度でそのような遊離香料を含んでもよい。
【0032】
香料は、香料成分又は化合物を含む。驚くべきことに、本発明で使用されるビニルピロリドンポリマーは、特に疎水性香料成分が、リナロール(3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-オール)、イオノンベータ((E)-4-(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)ブタ-3-エン-2-オン)、リリアール(3-(4-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロパナール)、シトロネロール(3,7-ジメチルオクタ-6-エン-1-オール)、シトロネリルニトリル(3,7-ジメチルオクタ-6-エンニトリル)、Α-ピネン(2,6,6-トリメチルビシクロ(3.1.1)ヘプタ-2-エン)、サフラン酸エチル(2,6,6-トリメチルシクロヘキサ-1,3-ジエン-1-カルボン酸エチル)、プロピオン酸リナリル(プロピオン酸3,7-ジメチルオクタ-1,6-ジエン-3-イル)、グリコール酸アリルアミル(アリル2-(イソペンチルオキシ)アセテート)、ヘルベトリド(プロピオン酸2-(1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)エトキシ)-2-メチルプロピル)、ラエボカルボン(2-メチル-5-(プロパ-1-エン-2-イル)シクロヘキサ-2-エン-1-オン)、フェニルエチルジメチルカルビノール(2-メチル-4-フェニルブタン-2-オール)及びそれらの混合物を含む場合に、疎水性香料成分の付着を改善することが見出された。疎水性香料成分は、好ましくは、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、及びそれらの混合物を含み、より好ましくは、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、及びそれらの混合物を含む。
【0033】
本明細書に記載の疎水性香料成分は、遊離香料の0.05~50.0重量%、好ましくは0.10~25.0重量%、より好ましくは0.2~10.0重量%の濃度で存在することができる。リナロールは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~20.0重量%、好ましくは1.0重量%~10.0重量%、より好ましくは2.0重量%~7.5重量%の濃度で存在する。イオノンベータは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.25重量%~5.0重量%、より好ましくは0.5重量%~2.5重量%の濃度で存在する。リリアールは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~20.0重量%、好ましくは1.0重量%~10重量%、より好ましくは3.0重量%~8.5重量%の濃度で存在する。シトロネロールは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~15.0重量%、好ましくは0.25重量%~8.0重量%、より好ましくは1.0重量%~5.0重量%の濃度で存在する。シトロネリルニトリルは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.15重量%~4.0重量%、より好ましくは0.5重量%~2.0重量%の濃度で存在する。Α-ピネンは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.2重量%~2.5重量%、より好ましくは0.25重量%~1.5重量%の濃度で存在する。サフラン酸エチルは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~2.0重量%、好ましくは0.2重量%~1.5重量%、より好ましくは0.25重量%~1.0重量%の濃度で存在する。プロピオン酸リナリルは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~2.0重量%、好ましくは0.15重量%~1.5重量%、より好ましくは0.17重量%~1.5重量%の濃度で存在する。グリコール酸アリルアミルは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.2重量%~2.5重量%、より好ましくは0.25重量%~1.5重量%の濃度で存在する。ヘルベトリドは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.25重量%~5.0重量%、より好ましくは0.5重量%~2.5重量%の濃度で存在する。ラエボカルボンは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~2.0重量%、好ましくは0.15重量%~1.5重量%、より好ましくは0.17重量%~1.5重量%の濃度で存在する。フェニルエチルジメチルカルビノールは、好ましくは、遊離香料の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.2重量%~2.5重量%、より好ましくは0.25重量%~1.5重量%の濃度で存在する。
【0034】
香料は、2.5を超える、好ましくは3.0を超えるLogPを有する疎水性香料成分を含む。
【0035】
香料成分の疎水性の尺度は、物理化学的特性であるlogP(オクタノール/水)によって示される。香料成分のオクタノール/水分配係数(P)は、オクタノール中と水中の平衡濃度の比である。香料成分の分配係数は、典型的には高いため、10を底とする対数、すなわちlogPの形でより便利に示される。
【0036】
化合物のlogP値は、n-オクタノールと水との間の分配係数の対数であり、化合物の親水性/疎水性の確立された尺度である。より疎水性の香料成分は、典型的には、洗濯プロセス中に洗浄液から布地により効率的に付着する。しかし、界面活性剤を、特に臨界ミセル濃度(critical micellar concentration、CMC)よりも高い濃度で添加すると、ミセルによって生成される疎水相により、logP値の高い香料成分の付着が少なくなり、少なくとも3.0のlogPを有する香料成分が特に影響を受ける(「Modelling perfume deposition on fabric during a washing cycle:theoretical approach」,Normand et el.,January 2008,Flavour and Fragrance Journal23(1): 49-57を参照)。
【0037】
香料成分のlogPは、好ましくは、本明細書に記載の方法を使用して計算され、コンセンサスlogP又はclogPと呼ばれることが多い。clogPを計算できない場合には、logPを測定する場合がある。clogPと、測定されたlogPとは、典型的には、少し異なる場合がある。そのような場合、clogP値が優先的に使用される。
【0038】
logP値は、HanschとLeoとのフラグメントアプローチを使用して計算して、clogPとして示すことができる。例えば、A.Leo,Comprehensive Medicinal Chemistry,Vol4,C.Hansch et al.p295,Pergamon press,1990を参照されたい。本発明では、clogPは、好ましくは、オンライン(acdlabs.com)で入手可能なACD/Labs(Advanced Chemistry Development,Inc,Canada)Perceptaプラットフォーム(バージョン2020)のコンセンサスLogPモジュールを使用して計算される。コンセンサスLogPモデルは、ACD/LogP Classic及びACD/LogP GALAS予測の加重平均としてLogPを予測する。
【0039】
そのようなモデルでは、化合物のclogPは、その重複しない分子フラグメント(分子内で互いに共有結合している1つ以上の原子として定義される)の合計によって決定される。断片的なlogP値は、原子法(トレーニングセットに適合する最小二乗法)に類似した統計方法で決定されている。更に、ハメット型補正が、典型的には、電子的効果及び立体的効果を考慮して含まれる。このような方法は概して原子ベースの方法よりも良好な結果を与えるが、方法がまだパラメータ化されていないため、稀な官能基を含有する分子の分配係数を予測するために使用することはできない(そのような官能基を含有する分子の実験データが欠如している場合など)。
【0040】
あるいは、あまり好ましくないが、LogPの測定は様々な方法で行うことができ、最も一般的な方法は、対象となる溶質の一部を一定の量のオクタノール及び水に溶解し、一定の時間振盪し、次いで各溶媒中の溶質の濃度を測定するフラスコ振盪法である。これは、特に相中の分子の濃度を測定するための迅速な分光法がない場合には、時間がかかる場合がある。より速いlogP決定方法では、高速液体クロマトグラフィーを利用する。溶質のlogPは、その保持時間を、既知のlogP値を有する同様の化合物と相関させることによって決定することができる。
【0041】
界面活性剤系
界面活性剤及び界面活性剤の混合物は、汚れた材料に洗浄、染み除去、又は洗濯の効果をもたらす。好適な界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、双性イオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせであり得る。界面活性剤系は、好ましくはアニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との組み合わせを含む。
【0042】
洗濯組成物は、1.0重量%~70重量%、好ましくは8.0重量%~50重量%、より好ましくは13重量%~35重量%の濃度で界面活性剤系を含む。
【0043】
界面活性剤系は、液体洗濯洗剤組成物の1.4重量%~52重量%、好ましくは4.4重量%~20重量%、より好ましくは5.9重量%~11.5重量%の濃度でアニオン性界面活性剤を含む。
【0044】
好適なアニオン性界面活性剤は、スルホネート界面活性剤、サルフェート界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択することができ、好ましくは、アニオン性界面活性剤は、スルホネート界面活性剤及びサルフェート界面活性剤を含み、より好ましくはスルホネート界面活性剤とサルフェート界面活性剤との混合物を含む。好適なアニオン性界面活性剤はまた、典型的にはビルダーとして添加される脂肪酸及びそれらの塩を含む。しかしながら、元々、W.M.Linfield,Marcel Dekker編「Surfactant Science Series」,Vol.7に開示されているものなど、洗剤組成物の技術分野において既知のあらゆるアニオン性界面活性剤を使用することができる。しかしながら、組成物は、好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸界面活性剤を少なくとも含むが、水溶性塩形態も使用することができる。アルキルサルフェート又はその混合物も好ましい。直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤とアルキルサルフェート界面活性剤との組み合わせは、特に染み除去を改善するのに特に好ましい。
【0045】
本明細書での使用に好適なアニオン性スルホネート界面活性剤又はスルホン酸界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルエステルスルホネート、アルカンスルホネート、アルキルスルホン化ポリカルボン酸、及びそれらの混合物の酸及び塩の形態が挙げられる。好適なアニオン性スルホネート界面活性剤又はスルホン酸界面活性剤としては、C5~C20アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくは、C10~C16アルキルベンゼンスルホネート、より好ましくは、C11~C13アルキルベンゼンスルホネート、C5~C20アルキルエステルスルホネート、C6~C22第一級又は第二級アルカンスルホネート、C5~C20スルホン化ポリカルボン酸、及びそれらの任意の混合物が挙げられるが、好ましくはC11~C13アルキルベンゼンスルホネートが挙げられる。前述の界面活性剤は、その2-フェニル異性体含有量が広く異なってもよい。
【0046】
本発明の組成物での使用に好適なアニオン性サルフェート塩としては、9~22個の炭素原子、より好ましくは12~18個の炭素原子を有する、直鎖又は分岐アルキル又はアルケニル部分を有する第一級及び第二級アルキルサルフェートが挙げられる。また、(界面活性剤又は混合物の)重量平均分岐度が少なくとも50%である、β分岐アルキルサルフェート界面活性剤又は市販の材料の混合物も有用である。
【0047】
中鎖分岐アルキルサルフェート又はスルホネートも、本発明の組成物での使用に好適なアニオン性界面活性剤である。好ましいのは、C5~C22、好ましくはC10~C20中鎖分岐アルキル第一級サルフェートである。混合物を使用する場合、アルキル部分の炭素原子の好適な平均総数は、好ましくは14.5超~17.5の範囲内である。好ましいモノ-メチル-分岐第一級アルキルサルフェートは、3-メチル~13-メチルペンタデカノールサルフェート、対応するヘキサデカノールサルフェート、及びそれらの混合物からなる群から選択される。ジメチル誘導体、又は軽度の分岐を有する他の生分解性アルキルサルフェートも同様に使用することができる。
【0048】
使用する場合、アルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤は、1種以上のアルキルエトキシル化サルフェートのブレンドであり得る。好適なアルキルアルコキシル化サルフェートとしては、C10~C18アルキルエトキシル化サルフェート、より好ましくはC12~C15アルキルエトキシル化サルフェートが挙げられる。アニオン性界面活性剤は、アルキルサルフェート界面活性剤を含んでもよく、アルキルサルフェート界面活性剤は、0.5~8.0、好ましくは1.0~5.0、より好ましくは2.0~3.5の平均エトキシル化度を有する。
【0049】
あるいは、アニオン性界面活性剤はアルキルサルフェート界面活性剤を含んでもよく、アルキルサルフェート界面活性剤は、低いエトキシル化度を有し、平均エトキシル化度が0.5未満、好ましくは0.1未満であり、より好ましくはエトキシル化されていない。好ましい低エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、更なるアルコキシル化を全く含まない。好ましい低エトキシル化アルキルサルフェート界面活性剤は、分岐アルキルサルフェート界面活性剤を含む。分岐アルキルサルフェート界面活性剤は、分岐アルキルサルフェート界面活性剤のアルキル鎖の少なくとも20重量%、好ましくは60重量%~100重量%、より好ましくは80重量%~90重量%の2-分岐アルキル鎖を含んでもよい。2-分岐アルキル鎖を有するそのような分岐アルキルサルフェートはまた、2-アルキルアルカノールサルフェート又は2-アルキルアルキルサルフェートとして記載することもできる。分岐アルキルサルフェートは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、リチウム、カルシウム、アンモニウム、若しくは任意の好適なアミン(例えば、モノエタノールアミン、トリエタノールアミン及びモノイソプロパノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない)によって、又は中和金属若しくはアミンのいずれかの混合物によって中和されていてもよい。好適な分岐アルキルサルフェート界面活性剤は、10~18個の炭素原子(C10~C18)又は12~15個の炭素原子(C12~C15)を含むアルキル鎖を含んでもよく、13~15個の炭素原子(C13~C15)が最も好ましい。分岐アルキルサルフェート界面活性剤は、所望の濃度の2-分岐を提供するために、ヒドロホルミル化反応を含むプロセスを用いて製造することができる。特に好ましい分岐アルキルサルフェート界面活性剤は2-分岐を含み、2-分岐は、20~80重量%、好ましくは30~65重量%、より好ましくは40~50重量%の、メチル分岐、エチル分岐、及びそれらの混合物の2-分岐を含む。
【0050】
好適な低エトキシル化分岐アルキルサルフェート界面活性剤は、所望の分岐分布を達成するために、いずれもSasolによって供給されているLial(登録商標)145、Isalchem(登録商標)145などのアルキルアルコールから、任意選択的に他のアルキルアルコールとブレンドして、誘導することができる。
【0051】
アルキルエーテルサルフェートアニオン性界面活性剤を製造するプロセスでは、微量の1,4-ジオキサン副生成物が残留して存在する場合がある。アルコキシル化、特にエトキシル化アルキルサルフェート中の1,4-ジオキサン副生成物の量を低減することができる。最近の技術の進歩に基づいて、その後のストリッピング、蒸留、蒸発、遠心分離、マイクロ波照射、分子ふるい、又は触媒若しくは酵素分解の工程により、1,4-ジオキサン副生成物を更に低減することができる。代替法は、低レベルのエトキシル化のみを含むか、又は更にはエトキシル化されていないアルキルサルフェートアニオン性界面活性剤を使用することである。したがって、アルキルサルフェート界面活性剤は、1.0未満若しくは0.5未満のエトキシル化度を有することができ、又はエトキシル化されていなくてもよい。
【0052】
本明細書での使用に好適な他のアニオン性界面活性剤としては、脂肪族メチルエステルスルホネート及び/又はアルキルポリアルコキシル化カルボキシレート、例えば、アルキルエトキシル化カルボキシレート(alkyl ethoxylated carboxylates、AEC)が挙げられる。
【0053】
アニオン性界面活性剤は、典型的には、アルカノールアミン又はナトリウム及びカリウムなどのアルカリ金属との塩の形態で存在する。
【0054】
安定性及び油脂洗浄を改善するために、液体洗剤組成物は、好ましくは、直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤とアルキルアルコキシル化サルフェート界面活性剤との比が15:1~0.1:1、好ましくは10:1~0.3:1、より好ましくは5:1~1:1となるように、直鎖アルキルベンゼンスルホネート界面活性剤とアルキルサルフェート界面活性剤との組み合わせを含んでもよい。
【0055】
液体洗剤組成物は、非イオン性界面活性剤を含んでもよい。液体洗剤組成物中の非イオン性界面活性剤は、組成物の1.0重量%~20重量%、好ましくは2.5重量%~15重量%、より好ましくは5.0重量%~12.5重量%の濃度で存在することができる。
【0056】
好適な非イオン性界面活性剤としては、いわゆる狭いピークのアルキルエトキシレート及びC6~C12アルキルフェノールアルコキシレートを含むC12~C18アルキルエトキシレート(alkyl ethoxylates、「AE」)(特にエトキシレート及び混合エトキシ/プロポキシ)、C6~C12アルキルフェノールのブロックアルキレンオキシド縮合物、C8~C22アルカノールのアルキレンオキシド縮合物、及びエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマー(Pluronic-BASF Corp.)が挙げられるが、これらに限定されない。これらの種類の界面活性剤の広範な開示は、米国特許第3,929,678号に見出される。
【0057】
非イオン性界面活性剤は、C12~C15アルコールと、アルコール1モル当たり5~20モルのエチレンオキシドとの縮合生成物、例えば、C12~C13アルコールと、アルコール1モル当たり6.5モルのエチレンオキシドとの縮合生成物であってもよい。
【0058】
界面活性剤系は、好ましくは組成物の0.1重量%~12重量%、好ましくは0.5重量%~10重量%、より好ましくは1.0重量%~3.0重量%の濃度で分岐非イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0059】
米国特許第4,565,647号に開示されているようなアルキル多糖類も、本発明の組成物において有用な非イオン性界面活性剤である。
【0060】
アルキルポリグルコシド界面活性剤も好適である。アルキルポリグルコシド界面活性剤は、C8~C16アルキルポリグルコシド界面活性剤、例えばC8~C14アルキルポリグルコシド界面活性剤であり得る。アルキルポリグルコシドは、好ましくは0.1~3、より好ましくは0.5~2.5、更に好ましくは1~2の平均重合度を有する。C8~C16アルキルポリグルコシドは、いくつかの供給元から市販されている(例えば、Seppic CorporationからのSimusol(登録商標)界面活性剤、並びにBASF CorporationからのGlucopon(登録商標)600 CSUP、Glucopon(登録商標)650 EC、Glucopon(登録商標)600 CSUP/MB、及びGlucopon(登録商標)650 EC/MB)。
【0061】
界面活性剤系は、液体洗濯洗剤組成物の0.1重量%~2.0重量%、好ましくは0.1重量%~1.0重量%、より好ましくは0.1重量%~0.5重量%の濃度で両性及び/又は双性イオン性界面活性剤を含んでもよい。
【0062】
好適な両性界面活性剤としては、アミンオキシド界面活性剤が挙げられる。アミンオキシド界面活性剤は、式R1R2R3NO[式中、R1は、1~30個の炭素原子、好ましくは6~20個の炭素原子、より好ましくは8~16個の炭素原子を含む炭化水素鎖であり、R2及びR3は独立して、1~4個の炭素原子、好ましくは1~3個の炭素原子、より好ましくはメチル基を含む、飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐炭化水素鎖である]を有するアミンオキシドである。R1は、飽和又は不飽和、置換又は非置換、直鎖又は分岐炭化水素鎖であってもよい。
【0063】
本明細書での使用に好適なアミンオキシドは、例えば、好ましくは、Albright&Wilsonから市販されているC12~C14ジメチルアミンオキシド(ラウリルジメチルアミンオキシド)、Clariantから商品名Genaminox(登録商標)LAで市販されているC12~C14アミンオキシド、又はAKZO Nobel製のAROMOX(登録商標)DMCである。
【0064】
好適な両性又は双性イオン性界面活性剤としては、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジングでの使用について知られているものが挙げられる。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第5,104,646号、同第5,106,609号に記載されている。好適な両性界面活性剤としては、脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体として広義に記載されている界面活性剤が挙げられ、脂肪族基は直鎖であっても分岐鎖であってもよく、脂肪族置換基の1つは8~18個の炭素原子を含み、1つはカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートなどのアニオン基を含む。本発明での使用に好適な両性界面活性剤としては、ココアンホアセテート、ココアンホジアセテート、ラウロアンホアセテート、ラウロアンホジアセテート、及びそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
好ましくは、飽和アルキル鎖を含む界面活性剤を使用する。
【0066】
任意選択的成分
洗剤組成物は、以下の任意選択的成分のうちの1種以上を更に含んでもよい:ピロリドンポリマー以外の染料定着ポリマー、外部構造化剤又は増粘剤、酵素、酵素安定剤、洗浄ポリマー、漂白系、光学増白剤、色相染料、粒子状材料、非遊離香料成分、他の臭気制御剤、ヒドロトロープ、泡抑制剤、布地ケア有益剤、pH調整剤、防腐剤、非布地直接染料、及びそれらの混合物。
【0067】
外部構造化剤又は増粘剤:好ましい外部構造化剤及び増粘剤は、構造化の効果をもたらすために、電荷-電荷相互作用に依存しないものである。したがって、特に好ましい外部構造化剤は、水素化ヒマシ油などの非ポリマー結晶性ヒドロキシル官能構造化剤;ミクロフィブリル化セルロース;非荷電ヒドロキシエチルセルロース;非荷電疎水変性ヒドロキシエチルセルロース;疎水変性エトキシル化ウレタン;疎水変性非イオン性ポリオール;及びそれらの混合物からなる群から選択されるものなどの非荷電外部構造化剤である。
【0068】
好適なポリマー構造化剤としては、天然由来及び/又は合成のポリマー構造化剤が挙げられる。
【0069】
本発明において使用される天然由来のポリマー構造化剤の例としては、ミクロフィブリル化セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、疎水変性ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、多糖類誘導体、及びそれらの混合物が挙げられる。ミクロフィブリル化セルロースの非限定的な例は、国際公開第2009/101545(A1)号に記載されている。好適な多糖類誘導体としては、ペクチン、アルギネート、アラビノガラクタン(アラビアガム)、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、グアーガム、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0070】
本発明において使用される合成ポリマー構造化剤の例としては、ポリカルボキシレート、疎水変性エトキシル化ウレタン(hydrophobically modified ethoxylated urethane、HEUr)、疎水変性非イオン性ポリオール、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0071】
好ましくは、水性液体洗剤組成物は、温度20℃、剪断速度100s-1で測定した場合、50~5,000mPa・s、好ましくは75~1,000mPa・s、より好ましくは100~500mPa・sの粘度を有する。相安定性を改善し、懸濁成分の安定性も改善するためには、水性液体洗剤組成物は、温度20℃、剪断速度0.05s-1で測定した場合、50~250,000mPa・s、好ましくは5,000~125,000mPa・s、より好ましくは10,000~35,000mPa・sの粘度を有する。
【0072】
洗浄ポリマー:洗剤組成物は、好ましくは洗浄ポリマーを含む。そのような洗浄ポリマーは、織物繊維から染みを少なくとも部分的に取り除き、酵素系がマンナン及び他の多糖類を含む複合体をより効果的に分解することを可能にすると考えられる。好適な洗浄ポリマーにより、表面及び布地の広範囲の汚れを洗浄し、及び/又は汚れを懸濁する。好適な洗浄ポリマーの非限定的な例としては、両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマー、泥汚れ洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、及び汚れ懸濁ポリマーが挙げられる。好ましい洗浄ポリマーは、式(I):
【0073】
【化1】
(式中、nは3以上の数である)のうちの少なくとも1つの化合物と、
式(II):
【0074】
【化2】
(式中、A
-はアニオンを表し、特にフルオライド、クロライド、ブロマイド、アイオダイドなどのハライド、サルフェート、水素サルフェート、メチルサルフェートなどのアルキルサルフェート、及びそれらの混合物から選択される)のうちの少なくとも1つの化合物とのフリーラジカル共重合によって得ることができる。そのようなポリマーは、欧州特許公開第3196283(A1)号に更に記載されている。
【0075】
同様の理由で、Clariantによって供給されているSRA300などのポリエステル系汚れ放出ポリマーも特に好ましい。
【0076】
他の有用な洗浄ポリマーは、米国特許出願公開第20090124528(A1)号に記載されている。洗剤組成物は、布地及び表面から油脂粒子を除去するようにバランスのとれた親水性及び疎水性を有し得る両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマーを含んでもよい。両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマーは、コア構造及びそのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基を含んでもよい。これらは、例えばアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでもよい。そのような化合物としては、エトキシル化ポリエチレンイミン、エトキシル化ヘキサメチレンジアミン、及びそれらのサルフェート化体を挙げ得るが、これらに限定されない。ポリプロポキシル化誘導体も挙げ得る。多種多様なアミン及びポリアルキレンイミンを様々な程度にアルコキシル化することができる。有用な例は、NH当たり20個のEO基までエトキシル化された600g/モルのポリエチレンイミンコアであり、これはBASFから入手可能である。アルコキシル化ポリアルキレンイミンは、内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有し得る。洗剤組成物は、洗剤組成物の0.1重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~8.0重量%、より好ましくは0.1重量%~2.0重量%の洗浄ポリマーを含んでもよい。
【0077】
ポリマー付着助剤:洗濯洗剤組成物は、0.1%~7.0%、より好ましくは0.2%~3.0%のポリマー付着助剤を含んでもよい。本明細書で使用される場合、「ポリマー付着助剤」は、洗濯中に布地上への布地ケア有益剤の付着を著しく高める任意のカチオン性ポリマー又はカチオン性ポリマーの組み合わせを指す。好適なポリマー付着助剤としては、カチオン性多糖類及び/又は共重合体が挙げられ、カチオン性多糖類が好ましい。カチオン性ポリマーはまた、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/co-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、ポリ(アクリルアミド-メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/co-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-co-ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/co-アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド-co-N、N、N-トリメチルアミノエチルアクリレート)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/co-ビニルアルコール)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド)、及びそれらの混合物からなる群から選択することができる。ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとco-アクリル酸モノマーとは、50:50~90:10、好ましくは55:45~85:15、より好ましくは60:40~70:30のモル比で存在することができる。ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/co-アクリル酸)については、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドとアクリル酸との好ましい比は、約90:10~50:50である。好ましいカチオン性ポリマーは、モル比が65/35、分子量が約450,000のポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/co-アクリル酸)共重合体である。ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/co-アクリル酸)共重合体は、化粧品原料国際命名法で命名されたポリクオタニウム-22又はPQ22によって更に記載され得る。ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド/アクリルアミド)は、化粧品原料国際命名法で命名されたポリクオタニウム-7又はPQ7によって更に記載され得る。
【0078】
本明細書で使用される場合、「布地ケア有益剤」は、布地ケア効果をもたらすことができる任意の材料を指す。布地ケア有益剤の非限定的な例としては、シリコーン誘導体、油性糖誘導体、分散性ポリオレフィン、ポリマーラテックス、カチオン性界面活性剤、及びそれらの組み合わせが挙げられる。好ましくは、付着助剤は、カチオン性又は両性ポリマーである。ポリマーのカチオン電荷密度は、好ましくは0.05ミリ当量/g~6.0ミリ当量/gの範囲である。電荷密度は、繰り返し単位当たりの正味電荷数を繰り返し単位の分子量で割ることによって計算される。一実施形態では、電荷密度は0.1ミリ当量/gから3.0ミリ当量/gまで変化する。正電荷は、ポリマーの主鎖又はポリマーの側鎖上に存在し得る。
【0079】
有機ビルダー及び/又はキレート剤:洗濯洗剤組成物は、0.6重量%~10重量%、好ましくは2.0重量%~7.0重量%の1種以上の有機ビルダー及び/又はキレート剤を含んでもよい。好適な有機ビルダー及び/又はキレート剤は、MEAクエン酸塩、クエン酸、アミノアルキレンポリ(アルキレンホスホン酸)、アルカリ金属エタン1-ヒドロキシジホスホン酸、及びニトリロトリメチレン、ホスホン酸塩、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(diethylene triamine penta (methylene phosphonic acid)、DTPMP)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)(ethylene diamine tetra(methylene phosphonic acid)、EDTMP)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシ-エチレン1,1ジホスホン酸(hydroxy- ethylene 1,1 diphosphonic acid、HEDP)、ヒドロキシエタンジメチレンホスホン酸、エチレンジアミン二コハク酸(ethylene di-amine di-succinic acid、EDDS)、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetraacetic acid、EDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(hydroxyethylethylenediamine triacetate、HEDTA)、ニトリロ三酢酸(nitrilotriacetate、NTA)、メチルグリシン二酢酸(methylglycinediacetate、MGDA)、イミノ二コハク酸(iminodisuccinate、IDS)、ヒドロキシエチルイミノ二コハク酸(hydroxyethyliminodisuccinate、HIDS)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(hydroxyethyliminodiacetate、HEIDA)、グリシン二酢酸(glycine diacetate、GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(diethylene triamine pentaacetic acid、DTPA)、Tiron(商標)などのカテコールスルホン酸塩、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。
【0080】
酵素安定剤:酵素は、カルシウム及び/又はマグネシウム化合物、ホウ素化合物及び置換ホウ酸、芳香族ホウ酸エステル、ペプチド及びペプチド誘導体、ポリオール、低分子量カルボキシレート、比較的疎水性の有機化合物[例えば、特定のエステル、ジアルキルグリコールエーテル、アルコール、又はアルコールアルコキシレート]、カルシウムイオン源に加えてのアルキルエーテルカルボキシレート、ベンズアミジン次亜塩素酸塩、低級脂肪族アルコール及びカルボン酸、N,N-ビス(カルボキシメチル)セリン塩;(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体及びPEG;リグニン化合物、ポリアミドオリゴマー、グリコール酸又はその塩;ポリヘキサメチレンビグアニド又はN,N-ビス-3-アミノ-プロピル-ドデシルアミン又は塩;並びにそれらの混合物などの任意の既知の安定剤系を使用して安定化することができる。
【0081】
色相染料:洗剤組成物は、布地色相剤(シェーディング剤、ブルーイング剤、又は白化剤と呼ばれることもある)を含んでもよい。典型的には、色相剤は、布地に青色又は紫色の色合いを与える。色相剤は、単独で又は組み合わせて使用して、特定の色合いを作り出し、及び/又は異なる種類の布地に色合いを付けることができる。これは、例えば赤色と緑色-青色の染料を混合して青色又は紫色の色合いを生じさせることによって提供することができる。色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環キノンを含む)、アジン、金属化アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにそれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の化学分類の染料から選択することができる。
【0082】
蛍光増白剤:洗剤組成物は、洗剤組成物の総重量に基づいて、0.005重量%~2.0重量%、好ましくは0.01重量%~0.1重量%の蛍光剤(光学増白剤)を含んでもよい。蛍光剤は周知であり、多くの蛍光剤が市販されている。通常、これらの蛍光剤は、アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩の形態で供給され、使用される。好ましいクラスの蛍光剤は、ジスチリルビフェニル化合物、例えば、Tinopal(登録商標)CBS-X、ジアミンスチルベンジスルホン酸化合物、例えば、Tinopal(登録商標)DMS pure Xtra及びBlankophor(登録商標)HRH、及びピラゾリン化合物、例えばBlankphore(登録商標)SNである。好ましい蛍光剤は、2(4-スチリル-3-スルホフェニル)-2H-ナフトール[1,2-d]トリアゾールナトリウム、4,4’-ビス{[(4-アニリノ-6-(Nメチル-N-2-ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5-トリアジン-2-イル)]アミノ}スチルベン-2-2’ジスルホン酸二ナトリウム、4,4’-ビス{[(4-アニリノ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)]アミノ}スチルベン-2-2’ジスルホン酸二ナトリウム、及び4,4’-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウムである。
【0083】
ヒドロトロープ:洗剤組成物は、洗剤組成物の総重量に基づいて、0~30重量%、好ましくは0.5~5重量%、より好ましくは1.0~3.0重量%のヒドロトロープを含んでもよく、ヒドロトロープは、液晶形成を防止することができる。したがって、ヒドロトロープの添加は、組成物の透過性/透明性に役立つ。好適なヒドロトロープとしては、尿素、ベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、キシレンスルホネート又はクメンスルホネートの塩が挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、最適な性能を提供するために、ヒドロトロープは、プロピレングリコール、キシレンスルホネート、エタノール、及び尿素からなる群から選択される。
【0084】
非遊離香料成分:組成物はまた、香料カプセル、プロ香料、及びそれらの混合物、好ましくは後述するものなどの香料カプセルなどの非遊離香料成分を含んでもよい。組成物は、組成物の0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%の濃度で香料カプセルを含んでもよい。
【0085】
粒子:特に組成物が構造化剤又は増粘剤を更に含む場合、組成物はまた、粒子を含んでもよい。組成物は、組成物の総重量に基づいて、0.02重量%~10重量%、好ましくは0.1重量%~4.0重量%、より好ましくは0.25重量%~2.5重量%の粒子を含んでもよい。当該粒子としては、ビーズ、真珠光沢剤、カプセル、及びそれらの混合物が挙げられる。
【0086】
好適なカプセルは、典型的には、有益剤を壁材料で少なくとも部分的に、好ましくは完全に取り囲むことによって形成される。好ましくは、カプセルは香料カプセルであり、当該有益剤は1種以上の香料原料を含む。カプセル壁材料は、メラミン、ポリアクリルアミド、シリコーン、シリカ、ポリスチレン、ポリ尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート系材料、ポリアクリル酸エステル系材料、ゼラチン、スチレン無水マレイン酸、ポリアミド、芳香族アルコール、ポリビニルアルコール、レゾルシノール系材料、ポリ-イソシアネート系材料、アセタール(1,3,5-トリオール-ベンゼン-グルタルアルデヒド及び1,3,5-トリオール-ベンゼンメラミンなど)、デンプン、セルロースアセテートフタレート、及びそれらの混合物を含んでもよい。好ましくは、カプセル壁は、メラミン及び/又はポリアクリレート系材料を含む。香料カプセルは、付着助剤、カチオン性ポリマー、非イオン性ポリマー、アニオン性ポリマー、又はそれらの混合物で被覆されてもよい。好ましくは、香料カプセルは、0.1ミクロン~100ミクロン、好ましくは0.5ミクロン~60ミクロンの体積加重平均粒径を有する。特に、組成物が、少なくとも部分的にホルムアルデヒドから形成されたシェルを有するカプセルを含む場合、組成物は、1種以上のホルムアルデヒドスカベンジャーを更に含んでもよい。
【0087】
好適なプロ香料としては、マイケル付加物(例えば、β-アミノケトン)、芳香族又は非芳香族イミン(シッフ塩基)、オキサゾリジン、β-ケトエステル、及びオルソエステルが挙げられる。好適なプロ香料としては、香料成分を放出することができる1種以上のβ-オキシ又はβ-チオカルボニル部分を含む化合物、例えばα,β-不飽和ケトン、アルデヒド、又はカルボン酸エステルも挙げられる。特定のケイ素含有化合物、例えば、ケイ酸エステル、ポリケイ酸エステル、及び特定のシリコーンポリマーは、好適なプロ香料であり得る。好適なプロ香料としては、ポリマーアミンと香料アルデヒド及びケトンなどの香料成分との間の反応生成物も挙げられる。好適なポリマーアミンの非限定的な例としては、ポリエチレンイミン(polyethyleneimine、PEI)又はポリビニルアミン(polyvinylamine、PVAm)などのポリアルキルイミンに基づくポリマーが挙げられる。モノマー(非ポリマー)アミンの非限定的な例としては、アミノエタノール及びそのアルキル置換誘導体などのヒドロキシルアミン、並びにアントラニル酸塩などの芳香族アミンが挙げられる。組成物は、0.05%~20%、好ましくは0.1%~10%、より好ましくは0.2%~2.0%の遊離香料を含んでもよい。漂白剤:粉末洗濯洗剤組成物には、漂白成分が特に好ましい。好適な漂白剤としては、過酸化水素源、漂白活性化剤、漂白触媒、予形成過酸、及びそれらの任意の組み合わせが挙げられる。特に好適な漂白剤としては、過酸化水素源と漂白活性化剤及び/又は漂白触媒との組み合わせが挙げられる。好適な過酸化水素源としては、過ホウ酸ナトリウム及び/又は過炭酸ナトリウムが挙げられる。好適な漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン及び/又はアルキルオキシベンゼンスルホネートが挙げられる。
【0088】
組成物は、漂白触媒を含んでもよい。好適な漂白触媒としては、オキサジリジニウム漂白触媒、遷移金属漂白触媒、特にマンガン及び鉄漂白触媒が挙げられる。好適な漂白触媒は、以下の一般式:
【0089】
【化3】
[式中、R
13は、2-エチルヘキシル、2-プロピルへプチル、2-ブチルオクチル、2-ペンチルノニル、2-ヘキシルデシル、n-ドデシル、n-テトラデシル、n-ヘキサデシル、n-オクタデシル、イソ-ノニル、イソ-デシル、イソ-トリデシル及びイソ-ペンタデシルからなる群から選択される]に対応する構造を有することができる。
【0090】
好適な予形成過酸としては、フタルイミド-パーオキシカプロン酸が挙げられる。
【0091】
液体洗濯洗剤組成物の場合、洗濯洗剤組成物は、好ましくは漂白剤を含まない。
【0092】
布地を洗濯する方法:
本発明の洗濯洗剤組成物は、布地を洗濯するために使用される。特に、ビニルピロリドンポリマーを含む洗濯洗剤組成物は、香料成分、特に本明細書に記載の香料成分の付着を改善するために使用することができる。
【0093】
本発明の組成物は、ポリエステルなどの合成繊維を含む布地へのそのような香料成分の付着を改善するのに特に効果的である。そのような布地は、合成繊維を含むものであり、また、合成繊維からなることができる。合成繊維は、人工繊維すなわち人造繊維であり、そのほとんどは有機原料から作られる。そのような合成繊維は、典型的にはポリマーである。
【0094】
好適な方法及び使用において、洗濯洗剤組成物を希釈して、300ppmを超える、好ましくは400ppm~2,500ppm、より好ましくは600ppm~1000ppmの総界面活性剤濃度を有する洗浄液を提供することができる。次に、布地を洗浄液中で洗濯し、好ましくはすすぐ。
【0095】
方法:
A)pH測定:
取扱説明書に従って較正されたゲル充填プローブ(例えば、Toledoプローブ、部品番号52 000 100)を備えたSantarius PT-10P pHメーターを使用して、25°CでpHを測定する。脱塩水で10%希釈して(すなわち、洗濯洗剤組成物1部と脱塩水9部)pHを測定する。
【0096】
B)粘度の測定方法:
直径40mm、角度1度のコーンプレート形状を使用して、TA instruments製のAR 2000レオメーターを用いて粘度を測定する。20°C、3分間で0.1s-1から1200s-1までの対数剪断速度掃引によって異なる剪断速度での粘度を測定する。0.05s-1の連続剪断速度での低剪断粘度を測定する。
【0097】
C)logPの計算:
本明細書に記載の計算値試験法に関与する計算を行うために、必要とされる開始情報は、試験される香料中の各PRMの属性、その香料の割合としての重量%及びモル%を含み、香料組成物中の全てのPRMが計算に含まれる。更に、これらのPRMの各々について、本明細書に記載の分子記述子の生成のための試験方法に従って決定されるように、分子構造、及び計算によって導出された様々な分子記述子の値も必要である。
【0098】
分子記述子の生成
香料混合物又は組成物中の各PRMについて、その分子構造を使用して様々な分子記述子を計算する。分子構造は、American Chemical Society(Columbus,Ohio,U.S.A.)の一部門であるChemical Abstract Service(「CAS」)によって提供されるグラフィック分子構造表現によって決定される。これらの分子構造は、各PRMの索引名又はCAS番号を検索することによって、CAS Chemical Registry Systemデータベースから得ることができる。試験時点でCAS Chemical Registry Systemデータベースにまだ掲載されていないPRMについては、他のデータベース又は情報源を使用し、それらの構造を決定してもよい。複数の異性体が存在する可能性のあるPRMの場合、分子記述子の計算は、そのPRMを表す1つの異性体のみを使用して行われる。所与のPRMの全ての異性体のうち、そのPRMを表すために選択された異性体は、分子構造が製剤中の重量%で最も優勢な異性体である。そのPRMの他のあり得る異性体の構造は、計算から除外される。最も優勢な異性体の分子構造は、そのPRMの総濃度と対になっており、その濃度はそのPRMの全ての異性体の存在を反映している。
【0099】
分子エディター又は分子描画ソフトウェアプログラム[ChemDraw(CambridgeSoft/PerkinElmer Inc.(Waltham,Massachusetts,U.S.A.))など]を使用し、各々のPRMを表す二次元分子構造を再現する。分子構造を、非連結のフラグメント(例えば、対イオンのない単一構造)のない中性種(第四級窒素原子は許される)として表す必要がある。以下に記載するwinMolconnプログラムは、適切な数の水素原子を加えることによって、任意の脱プロトン化された官能基を中性形態に変換することができ、対イオンを不要なものとする。
【0100】
各々のPRMに関して、分子描画ソフトウェアを使用して、PRMの分子構造が記述されるファイルを作成する。その後、各々のPRMの様々な分子記述子を誘導するために、PRMの分子構造を記述するファイルを、コンピュータソフトウェアプログラムwinMolconn、バージョン1.0.1.3(Hall Associates Consulting(Quincy,Massachusetts,U.S.A.)、www.molconn.com)に送る。このように、winMolconnソフトウェアプログラムは、許容可能な選択枝である構造の表示方法及びファイル形式を記述する。これらの選択肢には、MACCS SDF形式のファイル(すなわち、構造データファイル)、又は、単純なテキストファイルの範囲内で一般に使用され、多くの場合「.smi」若しくは「.txt」のファイル名拡張子を伴うSimplified Molecular Input Line Entry Specification(すなわち、SMILESストリング構造線表示)のいずれかが含まれる。SDFファイルは、複数行のレコードの形式で各分子構造を表わし、一方、SMILES構造のためのシンタックス(syntax)は、余白がない単一行のテキストである。構造名又は識別子は、それを同じ行にSMILESストリングに続いてスペースを開けて含めることによってSMILESストリングに付加することができる、例:C1=CC=CC=C1 ベンゼン。
【0101】
winMolconnソフトウェアプログラムを使用し、各々のPRMに関する多くの分子記述子を作成し、次いで、これを表形式で出力する。winMolconnによって得られる具体的な分子記述子は、その後、多様なコンピュータモデル試験方法の入力(すなわち、数学的方程式の変数項として)として使用されて、各々のPRMについて、値、例えば:飽和蒸気圧(VP);沸点(BP);オクタノール/水分配係数の対数(logP);臭気検出閾値(ODT)悪臭低減値(MORV);及び/又はユニバーサル悪臭低減値(Universal MORV)を計算する。このモデルの試験法の計算に使用される分子記述子のラベルは、winMolconnプログラムによって報告されるのと同じラベルであり、その記載及び定義は、winMolconnの説明書にてリストを見つけることができる。以下は、winMolconnソフトウェアプログラムの実行方法、及び組成物中の各々のPRMに関して必要な分子構造記述子の作成方法の包括的な記載である。
【0102】
winMolconnを使用する分子構造記述子の計算:
1)1つ以上の香料成分の分子構造を、SDFファイルとも呼ばれるMACCS構造データファイルの形態で、又はSMILESファイルとしてアセンブリングする。
2)バージョン1.0.1.3のwinMolconnプログラムを使用し、適切なコンピュータで実行し、上述のSDFファイル又はSMILESファイルを入力として使用し、このプログラムから入手可能な分子記述子の全ての補足を計算する。
a.winMolconnの出力は、ASCIIテキストファイルの形態であり、典型的には、スペース区切りされており、入力ファイルの各構造に関して、第1の列に構造識別子が入っており、残りの列にそれぞれの分子記述子が入っている。
3)スプレッドシートソフトウェアプログラム又はある種の他の適切な技術を使用し、テキストファイルをパースし列にする。分子記述子のラベルは、得られた表の第1行に見出される。
4)分子記述子のラベルによって特定され、各モデルに必要な入力に対応する、記述子の列を見つけ出し、抽出する。
a.なお、winMolconn分子記述子のラベルは、ケースセンシティブであることを注記しておく。
【0103】
オクタノール/水分配係数の対数(logP)の計算
試験される香料混合物中の各PRMについて、オクタノール/水分配係数のlog値(logP)を計算する。個々のPRMのlogP値は、Advanced Chemistry Development Inc.(ACD/Lab)(Toronto,Canada)から入手可能なConsensus logP Computational Model、バージョン14.02(Linux)を用いて計算され、無単位のlogP値が得られる。ACD/LabsのConsensus logP Computational Modelは、ACD/Labsモデルスイートの一部である。
【0104】
D)logP(o/w)の測定:
香料成分のlogP(n-オクタノール/水)は、以下に説明するように、フラスコ振盪法を使用して測定することができる。
【0105】
分配係数の決定は、高純度の分析グレードのn-オクタノールを使用して行う必要がある。蒸留水、好ましくは再蒸留水を使用する。測定にはガラス製又は石英製の装置を使用する必要がある。イオン性化合物の場合、必要に応じて水の代わりに緩衝液を使用することができる。分配係数を決定する前に、20℃~25℃の範囲(好ましくは21℃)の実験温度で振盪することによって溶媒系の相を相互に飽和させる。これを行うには、高純度の分析グレードのn-オクタノール又は水の入った2本の大きなストックボトルを各々、十分な量の他の溶媒と共にメカニカルシェーカーで24時間振盪し、次に、相が分離して飽和状態になるまで十分に長く放置することが実用的である。
【0106】
二相系の全体量により、試験容器をほぼ満たす必要がある。これは、揮発による材料の損失を防止するのに役立つ。使用される物質の体積比及び量は、分析手順に必要な被験物質の最小量、及びいずれかの相の最大濃度を0,01mol/Lとする制限によって固定される。3つの試験を実施する。最初では、体積比1:1のn-オクタノールと水とを使用し、2番目では、この比を2で割り、3つ目では、この比に2を掛ける(1:1、1:2、2:1)。水で予め飽和させたn-オクタノール中、原液を調製する。この原液の濃度は、分配係数の決定に使用する前に正確に決定する必要がある。この溶液は、その安定性が確保される条件下で保存する必要がある。
【0107】
試験条件ごとに、正確に測定された必要量の2つの溶媒と必要な量の原液とを共に入れた試験容器を2組用意する必要がある。
【0108】
n-オクタノール相は、体積で測定する必要がある。試験容器は、好適なシェーカーに入れるか、又は手で振盪する必要がある。遠心分離管を使用する場合、閉じ込められたあらゆる空気が2つの相を通って上昇するように、推奨方法は、管を、その横軸を中心に180度、素早く回転させることである。通常、そのような50回転は、分配平衡を確立するのに十分である。念のため、5分間で100回転を推奨する。
【0109】
必要な場合には、相を分離するために、混合物の遠心分離を行う必要がある。これは、室温に維持された実験用遠心分離機で行う必要があり、又は、温度制御されていない遠心分離機を使用する場合、遠心分離管を分析前に少なくとも1時間、試験温度で平衡状態に保つ必要がある。
【0110】
分配係数を決定するには、両方の相における被験物質の濃度を決定する必要がある。これは、試験条件ごとに各試験管から2つの相の各々のアリコートを採取し、選択した手順でそれらを分析することによって行うことができる。両方の相に存在する物質の総量を計算し、最初に導入された物質の量と比較する必要がある。
【0111】
微量のn-オクタノールが入るリスクを最小限に抑える手順で水相をサンプリングする必要があり、取り外し可能な針の付いたガラス注射器を使用して、水相をサンプリングすることができる。注射器は最初、部分的に空気で満たされている必要がある。n-オクタノール層を通して針を挿入しながら、空気を穏やかに排出する必要がある。十分な量の水相を注射器内に吸引する。注射器を溶液から素早く取り出し、針を取り外す。次に、注射器の内容物を水性サンプルとして使用することができる。分離した2つの相の濃度は、好ましくは、物質特異的方法で決定する必要がある。適切であり得る分析方法の例は、光度測定法、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(high-performance liquid chromatography、HPLC)であり、HPLCが好ましい。
【0112】
HPLCを使用する場合、パルスフリーポンプ及び好適な検出装置を備えた液体クロマトグラフを使用する。注射ループを備えた注射バルブの使用を推奨する。固定相に極性基が存在すると、HPLCカラムの性能が著しく損なわれる場合がある。したがって、固定相の極性基の割合は最小限にする必要がある。市販の微細粒子状逆相充填剤又は充填用意済みカラムを使用することができる。注射システムと分析カラムとの間にガードカラムを配置することができる。
【0113】
HPLCグレードのメタノール及びHPLCグレードの水を使用して溶離溶媒を調製し、使用前に脱気する。イソクラティック溶出を使用する必要がある。最低含水量が25%のメタノール/水の比を使用する必要がある。典型的には、3:1(v/v)のメタノール-水混合物は、logP6の化合物を1ml/分の流速で1時間以内に溶出するのに十分である。logPが高い化合物の場合、移動相の極性又はカラムの長さを低減することによって溶出時間(及び参照化合物の溶出時間)を短縮する必要がある場合がある。
【0114】
n-オクタノールへの溶解度が非常に低い物質は、HPLC法では異常に低いlog Pow値を示す傾向があり、そのような化合物のピークは、場合により溶媒先端に付随する。これは、高い確率で、分配プロセスが遅すぎて、HPLC分離に通常かかる時間で平衡に達することができないという事実に起因する。その場合、信頼性の高い値を得るには、流速を低下させる、及び/又はメタノール/水の比を下げることが効果的である場合がある。
【0115】
試験化合物と参照化合物とは、検出を可能にするのに十分な濃度で移動相に可溶性である必要がある。添加剤はカラムの特性を変えるため、例外的な場合にのみ、メタノール-水の混合物で添加剤を使用することができる。添加物を含むクロマトグラムでは、同じタイプの別個のカラムを使用することが必須である。メタノール-水が適切でない場合は、他の有機溶媒-水の混合物、例えば、エタノール-水又はアセトニトリル-水を使用することができる。
【0116】
溶離液のpHは、イオン性化合物にとって重要である。これは、カラムの動作pH範囲内である必要があり、通常は2~8である。緩衝を推奨する。一部の有機相/緩衝混合物で発生する塩の沈殿及びカラムの劣化を避けるために注意する必要がある。アルカリ性の移動相を使用することにより、カラムの性能が急速に低下する場合があるため、pH8を超えるシリカベースの固定相を使用したHPLC測定は望ましくない。
【0117】
試験又は較正の目的で使用される化合物を、可能な場合、移動相に溶解する。
【0118】
logP値を提供するために、全ての決定からの平均Pを、その対数(底10)として表す。
【実施例】
【0119】
PVP/PVI共重合体と、本発明で使用される疎水性香料成分を含む香料とを含む本発明の洗濯洗剤組成物1、及び同じ組成を有するがPVP/PVI共重合体を含まない比較洗濯洗剤組成物Aを使用して以下の比較試験を行った。
【0120】
洗濯試験:
30x30cmの正方形に切断された100%ポリエステル布地を、ドラム式洗濯機(Miele1935)において、合計3kgの混合綿/ポリコットンの洗濯物で、40℃のコットンショート(cotton short)設定で、2.67mmol/L Ca(15gpg)の水硬度を使用して2回のすすぎで洗浄した。55ml用量のそれぞれの洗剤を投与カップに加え、洗濯機内部に入れた。洗濯サイクルが終了した後、全洗濯物を約1時間タンブリングした(Miele Novotronic、タイプ:TD7634を使用)。
【0121】
【表1】
1Tensachemから商品名TENSAGEX EOC970Bで供給されている
2Sasolから商品名MARLIPAL 1216/7 UA P&Gで供給されている
3BASFから商品名SOKALAN(登録商標)HP56Kで供給されている
4BASF, Germanyから供給されている、ポリエチレンオキシド主鎖及び複数のポリ酢酸ビニル側鎖を有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシド共重合体
【0122】
比較試験で使用された香料の組成を表2に示す。
【0123】
【0124】
洗濯物を4回連続して洗濯し乾燥させた。4回目のサイクルの後、洗濯物を乾燥させ、ポリエステルトレーサーを分離し、ヘッドスペースを分析する準備が整うまでアルミ箔に詰めた。
【0125】
ヘッドスペース分析:
固相混合抽出(solid phase mixed extraction、SPME)クロマトグラフィーを用い、以下の手順を用いて、ヘッドスペースを分析した。
1. 4×4cmのポリエステルトレーサー1枚を25mlのヘッドスペースバイアルに移した。
2. 布地サンプルを65℃で10分間平衡化させた。
3. SPME(50/30μm DVB/Carboxen/PDMS)により布地の上のヘッドスペースを5分間サンプリングした。
4. 続いて、SPME繊維をGCに熱的に脱着させた。
5. 分析物をフルスキャンモードでGC/MS(GC:Agilent8890及びMS:Agilent5977B MS)によって分析した。試験された区間の上の総香料HS応答及び香料ヘッドスペース組成を決定することができた。
【0126】
結果を以下の表3に示す。
【0127】
【0128】
上記の表では、ヘッドスペース分析で検出されなかった香料成分は省略されている。
【0129】
本発明の組成物の更なる実施例を以下の表4に示す。
【0130】
【0131】
表4の組成物は、以下の表5に示す香料の1つを含んでもよい。
【0132】
【0133】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0133
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0133】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。その代わりに、特に指示がない限り、そのような寸法は各々、列挙された値とその値を囲む機能的に同等な範囲との両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することが意図される。
[1]界面活性剤系、ピロリドンポリマー及び封入されていない香料を含む液体洗濯洗剤組成物であって、
前記界面活性剤系が、前記組成物の1.0重量%~70重量%の濃度で界面活性剤を含み、前記界面活性剤系は、前記液体洗濯洗剤組成物の1.4重量%~52重量%の濃度でアニオン性界面活性剤を含み、
前記ビニルピロリドンポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
前記香料は、少なくとも2.5のLogPを有する疎水性香料成分を含み、前記親水性香料成分は、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、グリコール酸アリルアミル、ヘルベトリド、ラエボカルボン、フェニルエチルジメチルカルビノール、及びそれらの混合物を含む、液体洗濯洗剤組成物。
[2]前記洗濯組成物が、1.0重量%~70重量%、好ましくは8.0重量%~50重量%、より好ましくは13重量%~35重量%の濃度で前記界面活性剤系を含む、[1]に記載の洗濯洗剤組成物。
[3]前記界面活性剤系が、好ましくはスルホネート界面活性剤、サルフェート界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み、より好ましくは、前記アニオン性界面活性剤はスルホネート界面活性剤及びサルフェート界面活性剤を含む、[1]又は[2]に記載の洗濯洗剤組成物。
[4]前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェート界面活性剤を含み、前記アルキルサルフェート界面活性剤は、0.5~8.0、好ましくは1.0~5.0、より好ましくは2.0~3.5の平均エトキシル化度を有する、[3]に記載の洗濯洗剤組成物。
[5]前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェート界面活性剤を含み、前記アルキルサルフェート界面活性剤は、0.5未満の平均エトキシル化度を有し、好ましくは、前記アルキルサルフェート界面活性剤は分岐アルキルサルフェート界面活性剤を含み、より好ましくは、前記分岐アルキルサルフェート界面活性剤は、分岐アルキルサルフェート界面活性剤の前記アルキル鎖の少なくとも20重量%の2-分岐アルキル鎖を含む、[3]に記載の洗濯洗剤組成物。
[6]前記ピロリドンポリマーが、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の濃度で存在する、[1]~[5]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[7]前記ビニルピロリドンポリマーが、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)である、[1]~[6]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[8]前記ピロリドンポリマーの重量平均分子量が、5,000Da~1,000,000Da、好ましくは5,000Da~50,000Da、より好ましくは10,000Da~20,000Daである、[1]~[7]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[9]前記組成物が、前記組成物の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.25重量%~3.0重量%、より好ましくは0.5重量%~1.5重量%の濃度で遊離香料を含む、[1]~[8]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[10]前記親水性香料成分が、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、及びそれらの混合物を含み、好ましくは、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、及びそれらの混合物を含む、[1]~[9]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[11]前記組成物が、前記組成物の0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%の香料カプセルを含む、[1]~[10]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[12]前記組成物が、両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマー、泥汚れ洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、及び汚れ懸濁ポリマーからなる群から選択される洗浄ポリマー、好ましくは両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマーを更に含む、[1]~[11]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[13]前記洗剤組成物のpH範囲が6.0~8.9、好ましくはpH7~8.8である、[1]~[12]のいずれかに記載の洗濯洗剤組成物。
[14][1]~[13]のいずれかに記載の洗剤組成物を含む単位用量物品であって、前記洗剤組成物が水溶性又は水分散性フィルムに封入されており、前記洗剤組成物は20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の水を含む、単位用量物品。
[15]合成繊維を含む布地への香料原料の付着を改善するための、ピロリドンポリマーを含む洗濯洗剤組成物の使用。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
界面活性剤系、ピロリドンポリマー及び封入されていない香料を含む液体洗濯洗剤組成物であって、
前記界面活性剤系が、前記組成物の1.0重量%~70重量%の濃度で界面活性剤を含み、前記界面活性剤系は、前記液体洗濯洗剤組成物の1.4重量%~52重量%の濃度でアニオン性界面活性剤を含み、
前記ビニルピロリドンポリマーは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、
前記香料は、少なくとも2.5のLogPを有する疎水性香料成分を含み、前記親水性香料成分は、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、グリコール酸アリルアミル、ヘルベトリド、ラエボカルボン、フェニルエチルジメチルカルビノール、及びそれらの混合物を含む、液体洗濯洗剤組成物。
【請求項2】
前記洗濯組成物が、1.0重量%~70重量%、好ましくは8.0重量%~50重量%、より好ましくは13重量%~35重量%の濃度で前記界面活性剤系を含む、請求項1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項3】
前記界面活性剤系が、好ましくはスルホネート界面活性剤、サルフェート界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択されるアニオン性界面活性剤を含み、より好ましくは、前記アニオン性界面活性剤はスルホネート界面活性剤及びサルフェート界面活性剤を含む、請求項1又は2に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項4】
前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェート界面活性剤を含み、前記アルキルサルフェート界面活性剤は、0.5~8.0、好ましくは1.0~5.0、より好ましくは2.0~3.5の平均エトキシル化度を有する、請求項3に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項5】
前記アニオン性界面活性剤がアルキルサルフェート界面活性剤を含み、前記アルキルサルフェート界面活性剤は、0.5未満の平均エトキシル化度を有し、好ましくは、前記アルキルサルフェート界面活性剤は分岐アルキルサルフェート界面活性剤を含み、より好ましくは、前記分岐アルキルサルフェート界面活性剤は、分岐アルキルサルフェート界面活性剤の前記アルキル鎖の少なくとも20重量%の2-分岐アルキル鎖を含む、請求項3に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項6】
前記ピロリドンポリマーが、前記組成物の0.01重量%~3.0重量%、好ましくは0.05重量%~2.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.0重量%の濃度で存在する、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項7】
前記ビニルピロリドンポリマーが、ビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)、ビニルピロリドンと酢酸ビニルとの共重合体(PVP/VA)、及びそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはビニルピロリドンとビニルイミダゾールとの共重合体(PVP/PVI)である、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項8】
前記ピロリドンポリマーの重量平均分子量が、5,000Da~1,000,000Da、好ましくは5,000Da~50,000Da、より好ましくは10,000Da~20,000Daである、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記組成物の0.1重量%~5.0重量%、好ましくは0.25重量%~3.0重量%、より好ましくは0.5重量%~1.5重量%の濃度で遊離香料を含む、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項10】
前記親水性香料成分が、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、シトロネリルニトリル、α-ピネン、サフラン酸エチル、プロピオン酸リナリル、及びそれらの混合物を含み、好ましくは、リナロール、イオノンベータ、リリアール、シトロネロール、及びそれらの混合物を含む、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項11】
前記組成物が、前記組成物の0.05重量%~5.0重量%、好ましくは0.1重量%~3.0重量%、より好ましくは0.1重量%~1.5重量%の香料カプセルを含む、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項12】
前記組成物が、両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマー、泥汚れ洗浄ポリマー、汚れ放出ポリマー、及び汚れ懸濁ポリマーからなる群から選択される洗浄ポリマー、好ましくは両親媒性アルコキシル化油脂洗浄ポリマーを更に含む、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項13】
前記洗剤組成物のpH範囲が6.0~8.9、好ましくはpH7~8.8である、請求項
1に記載の洗濯洗剤組成物。
【請求項14】
請求項
1に記載の洗剤組成物を含む単位用量物品であって、前記洗剤組成物が水溶性又は水分散性フィルムに封入されており、前記洗剤組成物は20重量%未満、好ましくは15重量%未満、より好ましくは10重量%未満の水を含む、単位用量物品。
【請求項15】
合成繊維を含む布地への香料原料の付着を改善するための、ピロリドンポリマーを含む洗濯洗剤組成物の使用。
【国際調査報告】