(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】ばね付勢ディスペンスバルブ
(51)【国際特許分類】
B67D 1/14 20060101AFI20231031BHJP
【FI】
B67D1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023547941
(86)(22)【出願日】2021-10-19
(85)【翻訳文提出日】2023-06-13
(86)【国際出願番号】 IT2021050340
(87)【国際公開番号】W WO2022085039
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】102020000024682
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(31)【優先権主張番号】102020000025486
(32)【優先日】2020-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】523149178
【氏名又は名称】コヴィ エマヌエラ
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】コヴィ エマヌエラ
【テーマコード(参考)】
3E082
【Fターム(参考)】
3E082AA10
3E082BB01
3E082DD20
3E082FF09
(57)【要約】
飲料容器用のバルブユニット(11)のためのばね装置であって、バルブユニット(11)の可動ヘッド(13)に関連付け可能であるか又はバルブユニット(11)の可動ヘッド(13)を使用中に画定する第1の末端部(17)と、バルブユニット(11)に設けられた支持要素(14)に使用中に関連付け可能な第2の末端部(18)とを備えた少なくとも1つの弾性要素(12)を備え、弾性要素(12)には、弾性要素(12)の圧縮及び解放の方向(A)に向けられた少なくとも1つの案内装置(15,16)が設けられている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器用のバルブユニット(11)のためのばね装置(10a;10b)であって、
前記バルブユニット(11)の可動ヘッド(13)に関連付け可能か、又は前記バルブユニット(11)の可動ヘッド(13)を使用中に画定する第1の末端部(17)と、前記バルブユニット(11)に設けられた支持要素(14)に使用中に関連付け可能な第2の末端部(18)と、を備えた少なくとも1つの弾性要素(12)を備え、
前記弾性要素(12)は、前記弾性要素(12)の圧縮及び解放の方向(A)に向けられた少なくとも1つの案内装置(15,16)であって、使用中に前記圧縮及び解放の方向(A)に移動可能な少なくとも1つの案内装置(15,16)を備える、ばね装置(10a;10b)。
【請求項2】
前記案内装置(15,16)は、前記第1の末端部(17)に接続され、前記第1の末端部(17)と一体的に移動可能である、請求項1に記載のばね装置(10a;10b)。
【請求項3】
前記案内装置(15)は、前記弾性要素(12)の内側に配置された少なくとも1つの細長要素(39,34,139)を備え、
前記弾性要素(12)は、前記細長要素(39,34)に対して前記圧縮及び解放の方向(A)にスライドするように構成される、請求項1又は2に記載のばね装置(10a;10b)。
【請求項4】
前記第1の末端部(17)に取り付けられた一方の端部と自由なままの他方の端部(40)とを有する単一の細長要素(39;139)を備え、
前記弾性要素(12)の前記第2の末端部(18)には、少なくとも前記自由端部(40)を通過させることを可能にする貫通孔(33)が設けられている、請求項3に記載のばね装置(10a)。
【請求項5】
前記細長要素(39)が、円形、長円形又は多角形の断面を有し、好ましくは筒状の形状を有する、請求項4に記載のばね装置(10a)。
【請求項6】
前記細長要素(39)は、3つ以上の径方向壁が共通の中心軸に対して径方向に延在する星形断面を有する、請求項5に記載のばね装置(10a)。
【請求項7】
前記案内装置(16)は、第1の筒状の細長要素(34)と第2の筒状の細長要素(35)とを備え、前記第1の筒状の細長要素(34)及び前記第2の筒状の細長要素(35)は両方とも前記弾性要素(12)の内側に位置するとともに、前記弾性要素(12)と同軸に位置し、
前記細長要素(34,35)は前記弾性要素(12)における実質的に対向する側に位置し、一方が他方に対して相互に係合及びスライドするように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のばね装置(10b)。
【請求項8】
前記案内装置(16)は、前記弾性要素(12)の圧縮フェーズにおいて前記細長要素(34,35)の相互スライドを制限可能な移動終端要素(36)を備える、請求項7に記載のばね装置(10b)。
【請求項9】
前記案内装置(15;16)が、全体で、非圧縮位置にある前記弾性要素(12)の全伸びの少なくとも50%にわたって延在する、請求項1~8のいずれか一項に記載のばね装置(10a;10b)。
【請求項10】
前記可動ヘッド(13)に関連付けられる前記末端部(17)が、位置決め及び案内径方向手段(27)を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載のばね装置(10a,10b)。
【請求項11】
前記位置決め及び案内径方向手段(27)は、前記第1の末端部(17)の外周(C)上に分散された少なくとも3つのフィン(42)を備える、請求項10に記載のばね装置(10a,10b)。
【請求項12】
前記位置決め及び案内径方向手段(27)が、前記第1の末端部(17)から連続的に突出するリング(43)を備え、
前記リング(43)には、飲料又は液体を通すのに適した孔(44)及び/又は貫通スリットが設けられている、請求項10に記載のばね装置(10a,10b)。
【請求項13】
容器用のバルブユニット(11)であって、
シーリング弁座(21)が形成された少なくとも1つのバルブ本体(24)を備え、
前記シーリング弁座(21)は、前記シーリング弁座(21)を開閉するための可動ヘッド(13)を収容するように構成され、
前記バルブユニット(11)は、請求項1~12のいずれか一項に記載のばね装置(10a,10b)を備え、
前記ばね装置(10a,10b)は、一方側において前記可動ヘッド(13)に関連付けられるか又は前記可動ヘッド(13)を画定し、反対側において前記バルブユニット(11)に設けられた支持要素(14)に関連付けられる、バルブユニット(11)。
【請求項14】
請求項1~7のいずれか一項に記載のばね装置(10a)を備え、
前記ばね装置(10a)の前記第2の末端部(18)は、前記支持要素(14)の底部(38)に関連付けられ、
前記底部(38)には、前記案内装置(15)の自由端部(40)と協働するのに適した貫通孔(32)が形成されている、請求項13に記載のバルブユニット(11)。
【請求項15】
前記支持要素(14)が、請求項1~4又は8~12のいずれか一項に記載のばね装置(10b)を備え、
前記ばね装置(10b)の前記第2の末端部(18)が、前記支持要素(14)の底部(38)と関連付けられ、
第1の細長要素(34)が前記第1の末端部(17)と一体であり、
前記第2の細長要素(35)が前記支持要素(14)と一体である、請求項14に記載のバルブユニット(11)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器用のバルブユニットのためのばね装置に関する。
【0002】
バルブユニットに関連付けられるばね装置が使用され得る容器は、2つの同軸本体を有する「ケグ」型の容器である場合があり、その外側容器又はドラムは支持及び保護機能を有し、内側容器又はバッグは飲料を収容するために使用される。バルブユニットは飲料を供給するための装置に関連付けることができる。
【0003】
飲料は、2つの容器がどのように作られているかに関係して、外側容器を押圧することによって、又は外側容器と内側容器との間にガス、例えば加圧空気を導入することによって取り出すことができる。
【背景技術】
【0004】
従来技術においては流体の流れを制御及び調節するバルブユニットが知られている。それらは、特定の使用条件下で流体の通過を選択的に許容及び阻止する必要がある様々な分野及び多数の用途で広く使用されている。
【0005】
流体、特に飲料用の容器であって、供給ステップ中に飲料を出すことができ、飲料の供給が不要なときには容器を閉じることができるバルブユニット及び閉鎖装置を備える容器も知られている。
【0006】
そのようなバルブユニットは例えばバルブ本体及びばね装置から構成することができ、容器に関連付けられた供給装置によって押圧されたときに圧縮され得る又は供給装置が取り除かれたときに緩み得る少なくとも1つの弾性要素を備える。バルブユニットの可動密閉ユニットは弾性要素に関連付けられている。可動密閉ユニットは、容器の内側から外側への飲料用の通路を実質的に開閉して、飲料の供給を可能にする又は不可にする。
【0007】
したがって、実質的に、供給装置の適用後、バルブユニットの可動密閉ユニットは下方に移動し、ばね装置の弾性要素を圧縮して、飲料を流出させる。供給装置が取り除かれると、バルブユニットの可動密閉ユニットは弾性要素によるスラストを受けて再び上昇し、飲料用の通路を閉じる。
【0008】
しかしながら、このばね装置を備えたこのバルブユニットの使用にはいくつかの欠点がある。第一に、圧縮及び解放ステップ中の弾性要素は完全でない直線で移動する傾向があり、それどころか傾斜した位置をとる傾向がある。弾性要素のこの傾斜は、特に、可動密閉ユニットによって飲料の通路を開閉するステップ中に、飲料を通すための開口への可動密閉ユニットの付着を不完全にする。これは容器からの飲料の望ましくない漏れの原因となる。
【0009】
たとえ通常は容器内に収容された飲料が終わったときに供給装置がバルブユニットから取り外されるのだとしても、実際には、例えばタッピングシステムのメンテナンス作業のため又は使用中の容器を例えば異なる飲料を収容する別のものと交換するために、容器内にまだ一定量の飲料が残っていても供給装置が容器から取り出されてバルブユニットから分離されるということが頻繁にある。
【0010】
この場合、もはや供給装置によって圧縮されていないばね装置は、飲料の通路用のチャネルを閉じてドラムを再密閉するために素早く元の位置に戻る必要がある。
【0011】
知られている弾性装置における欠点の1つは、通路チャネルを素早く効果的に閉じることを保証することができないことである。
【0012】
これは、細長い形状を有するか、又は互いに独立した弾性要素若しくはばねを備える弾性装置においてより明らかであり、このような弾性装置では構造内の小さい差でさえばね装置の軸性を不完全なものにする可能性があり、したがって、ばね装置が上昇ステップ中に変形する及び/又はバルブユニットの長手方向に平行な位置を維持できない可能性がある。
【0013】
その結果、ばね装置は自身を正しい初期位置に再配置することができない可能性がある。この場合、容器は完全には密閉されず、導入されたガスの圧力による飲料の漏れ又は空気の入り込みの原因となる溝が残る可能性があり、飲料の感覚刺激性の特徴が損なわれるリスクがある。
【0014】
同様のデメリットが、バルブユニットにおいて供給装置の最初の導入時にバルブユニットを保護するために備わるシーリングリッド(ふた)が剥がされてばね装置の上部に結合される場合にも生じる。解放ステップにおいて、シーリングリッドは実際には斜めの角度の姿勢となってバルブユニットの壁及び部品にぶつかって詰まり、ばね装置の移動を妨げてバルブユニットの閉鎖を妨げるリスクがある。
【0015】
この欠点は、飲料容器が数回使用される場合、したがって、例えば、メンテナンス作業に供される必要があるビールケグの場合、又はビールケグを別の種類のビールを収容する別の容器と交換できるようにするために供給装置が容器に数回適用される場合に、深刻となる。
【0016】
米国特許第6,997,435号明細書には、ばね装置を備えるバルブユニットであって、ばね装置が、弾性変形可能な部分と、バルブユニットに対して固定され、周囲にばねが配置されるステムとを備えるバルブユニットが記載されている。この解決手段は、バルブユニットの可動ヘッドを画定する部品とは別個のばねを必要とし、複雑な構造を必要とするという欠点がある。
【0017】
米国特許第9,399,569号明細書には、固定された中央ステムに対して弾性変形可能でかつ可動な部分を備えるバルブユニットにおいて、中央ステムが弾性部分から離隔しており、弾性部分と共に流体を通すための弁座を画定することが記載されている。
【0018】
したがって、現在のバルブユニットのためのばね装置は信頼性があまり高くなく、その機能においてもあまり正確ではなく、容器からの飲料の望ましくない漏れを引き起こすことさえある。
【0019】
したがって、従来技術の欠点の少なくとも1つを克服することができる、容器用のバルブユニットのためのばね装置を完成させる必要がある。
【0020】
特に、本発明の1つの目的は、正確な機能を有する容器用のバルブユニットのためのばね装置であって、ばね装置が関連付けられるバルブユニットが飲料の通路を開閉するための完全かつ正確な動作を行うことを可能にするばね装置を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、通常の圧縮及び解放動作中に常に直線運動し、したがって望ましくない傾きがない少なくとも1つの弾性要素を備える、容器用のバルブユニットのためのばね装置を提供することである。
【0022】
したがって、本発明の別の目的は、容器用のバルブユニットのためのばね装置であって、特に、容器からの液体の望ましくない漏れに対する密閉に関してばね装置が関連付けられるバルブユニットに悪影響を及ぼすことなく頻繁に使用することもできるばね装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、効果的で正確なばね装置を備えたバルブユニットを提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、高い弾性スラスト力を及ぼすことができ、複数回連続でも飲料を通すための開口を素早く効果的に閉鎖できるばね装置を提供することである。
【0025】
別の目的は、スラスト力を長期間維持して、容器のライフサイクルの全期間、すなわち、容器が充填された瞬間から少なくとも飲料自体の有効期限内の全時間間隔、一般には数ヶ月の間、バルブユニットの密閉を保証することができるばね装置を完成させることである。
【0026】
本発明の別の目的は、ばね装置の周囲に沿って実質的に一様なスラスト圧力を保証するばね装置を提供することである。
【0027】
出願人は、従来技術の欠点を克服し、上記の及びその他の目的及び利点を得るために、本発明を考案し、試験し、具体化した。
【発明の概要】
【0028】
本発明は、独立請求項において記載され特徴付けられている。従属請求項は、本発明の他の特徴又は本発明のメインのアイディアに対する変形を記載する。
【0029】
上記の目的にしたがい、本発明による容器用のバルブユニットのためのばね装置は少なくとも1つの弾性要素を備え、弾性要素は、バルブユニット内の通路を開閉するために、バルブユニットの可動ヘッドに関連付け可能であるか又はバルブユニットの可動ヘッドを使用中に画定する第1の末端部と、バルブユニットに設けられた支持要素に使用中に関連付け可能な第2の末端部とを備える。
【0030】
本発明の一態様では、弾性要素には、弾性要素の圧縮及び解放の方向に向けられた少なくとも1つの案内装置が設けられている。
【0031】
本発明の一態様では、案内装置は、使用中、圧縮及び解放の方向に少なくとも部分的に移動可能である。
【0032】
いくつかの実施形態では、案内装置は第1の末端部に接続され、第1の末端部と一体的に移動可能である。
【0033】
有利には、本発明のばね装置は、弾性要素の案内装置のおかげで、正確な機能を有し、ばね装置が関連付けられるバルブユニットが液体の通路を開閉するための完全かつ正確な動作を行うことを可能にする。
【0034】
したがって、本発明のばね装置の弾性要素は、通常の圧縮及び解放動作の間、常に直線運動し、したがって、望ましくない傾きがない。
【0035】
したがって、本発明のばね装置は、特に容器からの液体の望ましくない漏れに対する密閉に関してばね装置が関連付けられるバルブユニットに悪影響を及ぼすことなく、頻繁に使用することができる。
【0036】
本発明の別の態様では、案内装置は弾性要素の内側に配置することができ、かつ弾性要素と同軸に配置することができる。
【0037】
一実施形態では、案内装置は、弾性要素の内側に配置された少なくとも1つの筒状の要素を備えることができる。
【0038】
弾性要素は、筒状の要素に対して圧縮及び解放の方向にスライドするように構成される。
【0039】
特に、筒状の要素はその形状を安定して維持するように構成され、変形を受けないが、一方で、弾性要素は圧縮及び解放の方向に短くなる及び長くなるように構成される。
【0040】
筒状の要素は、一方の端部において、バルブユニットの可動ヘッドと使用中に関連付けられる弾性要素の第1の末端部に取り付けることができ、他方の端部は自由なままである。
【0041】
弾性要素の第2の末端部には、筒状の要素の自由端部を少なくとも通過させることができる貫通孔が設けられている。
【0042】
別の実施形態では、案内装置には第1の筒状の要素及び第2の筒状の要素が設けられ、両者は弾性要素の内側に配置され、弾性要素と同軸であり、筒状の要素は弾性要素における実質的に向かい合う側に配置され、相互に係合し、互いの上をスライドするように構成される。
【0043】
この実施形態では、第1の筒状の要素はばね装置と一体とすることができ、一方、第2の筒状の要素は、バルブ本体に関連付けられるバルブユニットの支持要素と一体とすることができる。
【0044】
案内装置は、弾性要素の圧縮フェーズにおいて筒状の要素の相互のスライドを制限することができる移動終端要素を備えることができる。
【0045】
他の実施形態では、ばね装置は、可動ヘッドと関連付けられる末端部に対応して径方向案内要素を含むことができ、径方向案内要素は、使用中にバルブユニットのバルブ本体と協働し、末端部を圧縮及び解放の方向の軸に保持するように構成される。
【0046】
本発明はまた、シーリング弁座を開閉するための可動ヘッドを収容するように構成された少なくとも1つのバルブ本体を備える容器用のバルブユニットに関する。
【0047】
バルブユニットは上で定義したようなばね装置を備え、このばね装置は、一方の側で可動ヘッドに関連付けられ、反対の側でバルブユニットに設けられた支持要素に関連付けられる。
【0048】
ばね装置の末端部は支持要素の底部に関連付けられる。
【0049】
いくつかの実施形態では、支持要素の底部には貫通孔が形成され、この貫通孔は、個々の筒状の要素の形状と実質的に一致する形状を有し、筒状の要素の自由端部の通過を可能にするのに適している。
【0050】
いくつかの変形例では、案内装置が2つの部品から作られる場合、支持要素は、当該支持要素に一体化された第2の筒状の要素であって、ばね装置と一体化された第1の筒状の要素と協働し係合するのに適した第2の筒状の要素を備えることができる。
【0051】
本発明のこれらの及び他の態様、特徴及び利点は、添付の図面を参照して非限定的な例として与えられるいくつかの実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
【0052】
理解を容易にするために、可能な場合には、図中の同一の共通要素を示すために同一の参照符号が使用される。一実施形態の要素及び特徴は、さらなる明確化なしに他の実施形態に都合よく組み合わされ得る又は組み込まれ得ることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】本発明の第1の実施形態による容器用のバルブユニットのばね装置の分解縦断面図である。
【
図3】バルブユニットの閉位置における
図1のばね装置の縦断面図である。
【
図4】バルブユニットの開位置における
図1のばね装置の縦断面図である。
【
図5】本発明の別の実施形態によるばね装置の分解縦断面図である。
【
図6】バルブユニットの閉位置における
図5のばね装置の縦断面図である。
【
図7】バルブユニットの開位置における
図5のばね装置の縦断面図である。
【
図8】バルブユニットの閉位置における本発明の別の実施形態によるばね装置の縦断面図である。
【
図9】バルブユニットの開位置における
図8のばね装置の縦断面図である。
【
図14】
図1のばね装置が挿入される、本明細書に記載のいくつかの変形例によるバルブユニットの側断面図である。
【
図15】本明細書に記載の他の実施形態によるばね装置を備えたバルブユニットの側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下に本発明の考え得る実施形態について詳細に参照するが、そのうちの1つ又は複数の例が非限定的な例として添付の図面に示されている。本明細書において使用される表現及び用語もまた、非限定的な例を提供するためのものである。
【0055】
添付の図面を参照し、例えば、
図1及び
図2を参照すると、容器用のバルブユニット11のためのばね装置10a,10bは少なくとも1つの弾性要素12を備え、弾性要素12には、バルブユニット11のシーリング弁座21と使用中に協働するのに適した可動ヘッド13若しくはシャッター部と関連付け可能であるか、又は当該可動ヘッド13を使用中に画定する第1の末端部17と、バルブユニット11に設けられた支持要素14に使用中に関連付け可能である第2の末端部18とが設けられている。
【0056】
本発明によるバルブユニット11は、ばね装置10a,10bと、バルブ本体24と、場合によっては支持要素14とを備える。
【0057】
バルブユニット11は、容器を閉じるよう、及び飲料若しくは液体の供給を可能にするのに適切な供給装置と協働するよう配置することができる。
【0058】
特に、バルブユニット11は、プリフォームをブロー成形することによって得ることができる外側ドラム又はケグと、内側バッグと、を備えるBIC(Bag-In-Container)タイプの容器において使用することができる。例として、容器は、飲料、例えばビール若しくは発泡ワインなどの炭酸飲料、又はノンアルコール飲料、又は例えばワイン若しくは他のものなどの非炭酸飲料、又は例えば水、油、洗剤などの別のタイプの液体を収容することができる。
【0059】
特に、バルブユニット11は、内側バッグと外側ドラムとの間で圧力下でガスを導入して飲料又は液体をバルブユニット11を介して出すことができる供給装置と協働するのに適する。
【0060】
いくつかの実施形態では、ばね装置10a,10b及びバルブユニット11を構成する材料は、有利にはPET、又はリサイクルに適合する任意の他のプラスチック材料である。
【0061】
図面を参照して説明するいくつかの実施形態では、弾性要素12の第1の末端部17は可動ヘッド13と一体に作られている。
【0062】
いくつかの変形例(不図示)では、可動ヘッド13は別個の部品として作製することができるが、固定され安定した態様で第1の末端部17と関連付け可能である。
【0063】
第1の末端部17は分割リングとして構成することができ、可動ヘッド13は分割リングと同軸に配置され、分割リングに一体的に取り付けられ得るか又は接続され得る。
【0064】
少なくとも1つの弾性要素12は、その上端12aに対応して第1の末端部17に接続することができる。
【0065】
弾性要素12は、その下端12bに対応して第2の末端部18に接続することができる。
【0066】
第1の末端部17は、ばね装置10a,10bの長手方向の展開軸Xに直交する平面上に延在することができる。
【0067】
第1の末端部17は環状縁部を有し、可動ヘッド13がこの環状縁部から弾性要素12に対して反対側に延在することができる。
【0068】
本発明の一態様では、弾性要素12には、弾性要素12の圧縮及び解放の方向Aに向けられた少なくとも1つの案内装置15が設けられている。
【0069】
本発明の一態様では、案内装置15は、使用中、圧縮及び解放の方向Aに移動可能である。
【0070】
案内装置15は、好ましくは、末端部17に接続され、末端部17と一体的に移動可能である。この構成により、末端部17を弁座21に対して末端部17の移動に沿って正しく位置決めすることが保証される。
【0071】
ばね装置10a,10bは細長い形状を有し、すなわち、方向Aの長さがその横断方向におけるサイズよりも大きく、これにより、可動ヘッド13に、すなわちシャッター部に集中する強い弾性スラスト力を及ぼす及び/又は強調することができる。
【0072】
ばね装置10a,10bは、軸Xに沿って、したがって、バルブ本体24及びバルブユニットに関する軸方向に沿って圧縮及び伸長するように構成されている。特に、弾性要素12は、可動ヘッド13の所望のスラスト力をバルブ本体24内に設けられた流体を通すための弁座21及び開口41に向かって生成するように構成される。
【0073】
いくつかの実施形態では、弾性要素12は、少なくとも非圧縮位置において、略円筒状の仮想体積V内に留まるように適合され、仮想体積Vの横断方向サイズは分割リング17によって画定されるものである。
【0074】
以下によりよく説明されるように、弾性要素12は単一のばねを備えることができるか、又は独立した若しくは互いに連結された複数のばね要素からなることができる。単一のばねの場合も複数のばね要素の場合も、これらは円筒状の体積V内に留まるように全体として適合され、そのサイズは第1の末端部17と一貫性を有する。少なくとも1つの弾性要素12は細長い形状を有し、すなわち、軸Xに沿った伸び(長さ)がその軸Xを横断する方向のサイズよりも大きく、これにより、シャッター部又は可動ヘッド13に集中する強い弾性スラスト力を及ぼす及び/又は強調することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、弾性要素12は、その伸び(長さ)のおよそ0.25倍から0.5倍の直径を有する。換言すれば、弾性要素12は、ばね装置10a,10bの全長の0.25倍から0.5倍の直径を有する仮想体積Vによって画定される空間内に留まるように適合される。例えば、70mmから90mmの間の長さを有する弾性要素12の場合、仮想体積Vは、25mmから40mmの間の、有利には約30mmの円筒に対応することができるが、ばね装置10a,10bの用途に応じて他の適合サイズを有することもできる。
【0076】
例えば、弾性要素12は、5Nから30Nの間のさまざまな弾性スラスト力を及ぼすように構成することができる。
【0077】
弾性要素12は方向Aに圧縮及び解放できるいかなる弾性要素であってもよい。図示の例では、末端部17及び18は、直線的で互いに独立した2つのジグザグばね19及び20が安定して接続された実質的荷重分配リングである。ジグザグばね19及び20には、順に配置された一連のコイルが設けられている。
【0078】
ジグザグばね19及び20を使用することにより、高い圧縮及び解放力を方向Aに向けることが可能となる。ジグザグばね19及び20の数及び構造は図示されているものとは異なってもよい。
【0079】
さらに、他のタイプの弾性要素12、例えば、螺旋ばね(
図15)又は他のものを設けることもできる。いくつかの実施形態では、2つ以上のばねは異なる幾何学的形状に合わせられてもよく、これにより、うねり、直線ジグザグ形状、弧状ジグザグ形状、正及び/又は負の展開を有する波、あるいはそれらの組み合わせを有することが可能である。
【0080】
他の変形例では、互いに同心に配置されかつ逆回転するよう構成された、すなわち、螺旋が反対方向に巻かれ末端部17,18に対して同じスラスト力を及ぼすよう構成された2つのスパイラル又は螺旋ばねを設けることもできる。
【0081】
いくつかの実施形態では、ばね装置10は、有利には、供給される飲料が使用中に通過することができる略円筒形状の内側コンパートメント47を備える。
【0082】
案内装置15は、例えば、弾性要素12の内側に配置され、弾性要素12と同軸に配置された細長要素39,139を備えることができる。
【0083】
図1から
図7及び
図14、
図15を参照して記載されるいくつかの実施形態では、細長要素39は好ましくは筒状の形状を有し、実質的に凸形状、例えば円形、長円形又は多角形の断面、あるいは湾曲セグメントと直線セグメントとの組み合わせを有する断面を有する。
【0084】
案内装置15は、内側筒状の細長要素39と組み合わせて又はこれの代替として、弾性要素12の外側に配置された筒状の細長要素を備えることができる。案内装置15は、可動ヘッド13若しくは末端部17に関連付けられるか、又は可動ヘッド13若しくは末端部17と一体に形成されてもよい。
【0085】
いくつかの実施形態では、非圧縮位置にある弾性要素12の全伸びの50%以上の軸方向長さを有する単一の細長要素39,139が設けられる。好ましくは、筒状の要素の長さは、50%から80%の間、より好ましくは60%から70%の間である。
【0086】
したがって、弾性要素12は、いかなる方法で製造されたとしても、ジグザグばね19及び20又は他の手段によって、細長要素39,139の表面に対してスライドすることができる。
【0087】
バルブユニット11の可動ヘッド13はシーリング弁座21に流体密閉状態で挿入することができ、シーリング弁座21は初期には破断線23によってシーリング弁座21に接続された蓋22によって閉じられている。シーリング弁座21はバルブユニット11のバルブ本体24内に形成されている。
【0088】
いくつかの実施形態では、バルブ本体24は上壁24aを有し、ここに飲料を通すための開口41が形成されてもよい。また、バルブ本体24は略円筒状の側壁28を備え、側壁28は開口41と同軸に、上壁24aの下方に延在する。側壁28はばね装置10のためのハウジングキャビティ48を画定する。
【0089】
有利には、ハウジングキャビティ48は、少なくとも静止状態における弾性要素12が中に画定される仮想体積Vよりも大きい直径を有する。特に、ハウジングキャビティ48は、弾性要素12を収容する体積Vの直径よりも10%から20%大きい直径を有し、これにより、供給装置の挿入中に弾性要素12が圧縮及び変形できるのに十分なクリアランスを提供するように構成される。
【0090】
いくつかの実施形態では、上壁24aの下に配置された、末端部17のための密閉材として機能するのに適した内側パッキン49が存在する。
【0091】
可動ヘッド13は、好ましくは、中央ゾーンにおいて、蓋22から突出するリング26を収容することができる環状溝25を備えることができる。
【0092】
また、末端部17はバルブ本体24の円筒状の要素28に挿入することができ、位置決め及び案内手段27を備えることができ、位置決め及び案内手段27は、シーリング弁座21の正しい閉鎖を保証するよう、圧縮及び解放の方向Aに実質的に直交する位置に末端部17を保つために円筒状の要素28に沿ってスライドすることが可能である。
【0093】
末端部18は支持要素14に関連付けられ、支持要素14は、バルブ本体24と一体に形成され得るか、又はバルブ本体24に接続できる別個の実体として形成され得る。
【0094】
いくつかの実施形態では、支持要素14は、実質的にカップ形状の要素又は同様のものとすることができる(
図3、
図4及び
図8、
図9も参照)。
【0095】
支持要素14は、より大きな内径を有する第1の円筒状の要素29と、より小さな内径を有する第2の円筒状の要素30とを備えることができる。バルブユニット11の組み立て完了時にバルブ本体24に関連付けられた円筒状の要素28の端部が載置される環状段部31が、円筒状の要素29及び30の間に形成される。
【0096】
また、支持要素14は、末端部18に形成された貫通孔33と整列した貫通孔32が設けられた底部38を備えることができる。
【0097】
図3、
図4及び
図6、
図7に示す実施形態では、末端部18は実質的に支持体14の底部38に載置される。
【0098】
末端部18は、支持要素14の底部38に安定して取り付けることができるか、又は底部38に単に接触して配置することができる。
【0099】
図3からわかるように、組み立てが完了すると弾性要素12はすでに部分的に予め圧縮されており、弾性要素12が上をスライドできる細長要素39の自由端部40が、末端部18に形成された貫通孔33を少なくとも部分的に通過する。自由端部40はまた、支持要素14の底部38に形成された貫通孔32を通過することになる。
【0100】
可動ヘッド13は、蓋22によって一時的に閉鎖されるシーリング弁座21に流体密閉状態で挿入される。
【0101】
図4は、バルブユニット11がシーリング弁座21を介して液体を通過させることができる状態にあるばね装置10aの構成を示す。この通過は、不図示の供給装置が適用されてバルブ本体24に挿入され、蓋22が破断線23に沿って取り外されるように押されることによって可能になる。
【0102】
次いで、蓋22に形成されたリング26(
図3も参照)が供給装置によってもたらされる圧力によって可動ヘッド13の環状溝25に挿入され、結果、
図4に示されるように蓋22が可動ヘッド13に関連付けられる。したがって、このフェーズでは、
図3に示される状態に対し、弾性要素12はA方向にかつ案内装置15に沿って圧縮される。
【0103】
液体の供給が終わると、供給装置がバルブユニット11のバルブ本体24から取り外され、次いで、弾性要素12の作用により可動ヘッド13が
図3の位置に戻るように上昇し、この際、もはや供給装置によって押されていない弾性要素12は案内装置15に沿ってスライドする方向Aに再び伸長し、結果として、第1の末端部17と可動ヘッド13が、方向Aに実質的に直交する位置において、軸方向に維持される。次いで、可動ヘッド13は
図2又は
図3の位置に再び戻りシーリング弁座21を正しく閉鎖する。
【0104】
その結果、弾性要素12は、方向Aに対する望ましくない傾斜を受けることなく、圧縮状態においても解放状態においても案内装置15によって適切に案内される方向Aに移動し、このようにして、可動ヘッド13の正確な移動が保証される。
【0105】
図5は、本発明によるばね装置10bの別の実施形態を示す。
【0106】
ばね装置10bは、弾性要素12の内側に位置決めされかつ弾性要素12と同軸に配置された第1の細長要素34と、支持要素14の内側に位置決めされかつ第1の筒状の要素34と整列した第2の細長要素35とを備えることができる案内装置16を備える。
【0107】
この例では、第1の細長要素34は末端部17と一体でありかつ可動ヘッド13と一緒に移動可能であり、一方、第2の細長要素35は固定されておりかつ支持要素14と一体である。
【0108】
細長要素34及び35は、弾性要素12における実質的に向かい合う側に配置され、相互に係合する及び互いの上をスライドするように構成される(例えば、
図7参照)。
【0109】
例えば、第1の細長要素34及び第2の細長要素35の両方を筒状形状とし、第1の細長要素34の内径が第2の細長要素35の外径よりも大きいようにすることが可能であり、したがって、第1の細長要素34は、第2の細長要素35に沿ってスライドするようなかたちで第2の細長要素35の上に少なくとも部分的に嵌合される。
【0110】
当然、第2の筒状の細長要素35の内径を第1の筒状の細長要素の外径よりも大きくし、したがって、第1の筒状の細長要素34を第2の筒状の細長要素35の中に少なくとも部分的に挿入することも可能である。
【0111】
一変形例では、第1の細長要素34又は第2の細長要素35のいずれか一方が筒状形状を有するか、又は全体的に内部キャビティを備えてもよく、そして、第2の細長要素35又は第1の細長要素34のいずれか他方が星形形状を有するか、又はキャビティ内でスライドするのに適した代替的な形に成形されてもよい。
【0112】
いくつかの実施形態では、案内要素16は、非圧縮位置にある弾性要素12の全伸びの少なくとも50%にわたって全体的に延在することができる。好ましくは、第1の筒状の要素34と第2の筒状の要素35との合計によって与えられる全長さは、非圧縮時の弾性要素12の伸びの50%から80%の間、さらにより好ましくは60%から70%の間である。
【0113】
図3の状況と同様である
図6の状況では、バルブユニット11は、弾性要素12が予め圧縮されている組み立てられた状態にある。この場合、図に示されるように、筒状の要素34及び35は、既に部分的に互いに関連付けられているか、又は互いに近接して配置されていてもよい。
【0114】
また、案内装置16は、弾性要素12の圧縮フェーズにおいて筒状の要素34及び35のスライドを制限する移動終端要素36を提供することができる。
【0115】
移動終端要素36は、支持要素14の底部に関連付けられた別の筒状の要素37と第2の筒状の要素35との間に形成された環状段部とすることができる。この場合、筒状の要素37の外径は筒状の要素35の外径よりも大きい。弾性要素12の末端部18は、末端部18に設けられた対応する貫通孔33によって筒状の要素37に嵌合することができる。
【0116】
案内装置16が設けられたバルブユニット11の機能は、案内装置15が設けられた
図3及び
図4を用いて説明したものと同様である。
【0117】
したがって、どちらの場合でも、案内装置15又は16のおかげで、ばね装置10a,10bの弾性要素12は、弾性要素12の圧縮フェーズと、さらに解放フェーズ、すなわち、可動ヘッド13がバルブユニット11の閉位置に戻るフェーズとの両方において、方向Aに正確かつ正確に案内される。
【0118】
図8から
図11に示す実施形態は
図1から
図4の実施形態と案内装置15の形状についてのみ異なり、他の構成要素については実質的に同じでありさらに説明はしない。
【0119】
この実施形態では、案内装置15は、弾性要素12の内側に配置されかつ弾性要素12と同軸にある細長要素139を備えることができる。
【0120】
この場合、細長要素139は実質的に星形であり、圧縮及び解放の方向Aと一致する共通の中心軸Xに対して径方向に延びる複数の、好ましくは3つ以上の、径方向壁140を備えることができる。この解決手段は製造中の飲料のより良好な酸素結合を可能にするので特に有利である。実際、筒状の細長要素39では、容器が閉じられているときに余分な酸素O2がその内部に残ることがあり、その結果、グラスの中に気泡が発生することがある。
【0121】
図12、
図13は、位置決め及び案内手段27の考え得る変形例を示す。
【0122】
本発明の一部を形成しないいくつかの実施形態では、ばね装置10は、案内装置15,16を備えずに、位置決め及び案内手段27のみを備えることもできる。
【0123】
本発明の一態様では、末端部17は、末端部17の分割リングの外周を越えて径方向に延在する少なくとも1つの位置決め要素42,43を備える。
【0124】
位置決め要素42,43は軸Xに直交する平面上に延在する。
【0125】
結果的に、位置決め要素42,43を含む末端部17は、長手方向Xに直交する平面上において、弾性要素12によって画定される仮想円筒Cよりも大きい全体サイズIを有する(
図12)。
【0126】
位置決め要素42,43は、バルブユニット11に対してスライドして軸方向に移動することができるように、ばね装置10をバルブ本体24に対して軸方向に整列した状態に維持することができる。
【0127】
位置決め要素42,43は、径方向の長さLが、例えば末端部17の直径のおよそ5%から15%であってもよい。
【0128】
位置決め要素42,43は、バルブ本体24、したがってバルブユニット11の側壁28と使用中に協働するように構成され、これにより、供給装置を挿入する際のばね装置10の圧縮フェーズ中と、さらに、とりわけ、供給装置を取り外した後のばね装置10の伸長フェーズ中との両方で、末端部17、したがって可動部品又はシャッター部13を、軸Xに直交する平面上に正しく整列させる。
【0129】
これにより、可動部品13がバルブ本体24の開口41の正しい閉鎖を損ない得る傾斜位置をとることが防止される。
【0130】
いくつかの実施形態では、位置決め要素13の外面42a,43aとバルブ本体24の側壁28の内面28aとの間に、バルブ本体24に対するばね装置10のスライド及び軸方向移動を可能にするのに十分なクリアランスを画定するような最小距離Dを画定することができる(
図14a)。また、クリアランスは、ばね装置10の末端部17が傾斜できないようなものとすることができる。暗示的に、距離Dは、0.1mmから2mm、好ましくは1.5mm以下、さらにより好ましくは1mm以下とすることができる。
【0131】
有利には、このようにして、ばね装置10の末端部17とバルブ本体24の側壁28との間のクリアランスを制限することが可能である。また、ばね装置10の末端部17を、軸Xと平行な向きをほぼ維持しながら移動するように抑制することもできる。
【0132】
ハウジングキャビティ48の直径は、位置決め要素42,43の全体サイズIのものと実質的に相関がある。
【0133】
いくつかの実施形態では、ハウジングキャビティ48は、位置決め要素42,43の移動に少なくとも対応する一定の断面を有する円筒形状を有することが好ましいが、これに限らない。
【0134】
有利には、このようにして、位置決め要素42,43の外面42a,43aと位置決め要素42,43の全移動のための側壁28の内面28aとの間に同じ距離Dを維持することが可能である。
【0135】
不図示のいくつかの実施形態では、ハウジングキャビティ48は、位置決め要素42,43及びその移動に対応して、凹部又は突起、例えばいくつかのリブ又はスライドチャネルを有することができる。このようにして、少なくともこのような凹部又は凸部に対応して、外面42a,43aと内面28aとの間の距離Dを同じに維持することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、側壁28と弾性要素12の外面42a,43aとの間には、最小距離Dの2倍から5倍の最大距離Dmが存在する。
【0137】
いくつかの実施形態では、位置決め要素は、末端部17の外周Cに、特にその外周Cに分散されたフィン42の形態とすることができる。
【0138】
いくつかの実施形態では、位置決め要素は、例えば、互いに120°の角度で配置された、軸Xの周りに等間隔に配置された少なくとも3つの突出フィン42を備え、それにより、末端部17をその全周にわたって正確にセンタリングする。
【0139】
フィン42の数は、
図2、
図12に示すように、3つよりもさらに多く、例えば4つであってもよく、あるいはより多く、例えば5つから10個の間であってもよい。
【0140】
フィン42は一定間隔で、すなわち、互いに一定の距離を空けて分散されてもよく、又は不規則な距離で分散されてもよい。
【0141】
いくつかの実施形態では、フィン42はその強度を保証するのに十分な周方向幅Wを有することができ、これにより、フィン42は、ばね装置10の移動において損傷を受けず、しかし同時に、バルブユニット11が関連付けられた容器内に存在する飲料又は液体をバルブ本体24の開口41に向かって通すことができる。
【0142】
フィン42は同じ又は異なる幅Wを有することができる。暗示的に、幅Wの総和は、例えば末端部17の外周Cの3/4より小さくなるようなものとすることができる。好ましくは、幅Wの総和は、外周Cの1/2よりも実質的に小さくなるようなものである。
【0143】
例として
図13に示される一変形例では、位置決め要素43は、末端部17の分割リングに連続して突出する単一の連続リングとして構成することができる。
【0144】
この実施形態では、飲料又は他の液体を通すのに適した、リング43を貫通する孔44及び/又はスリットを設けることができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、分割リング14,16は、互いに平行でかつ軸Xに直交するそれぞれの平面上に存在する。
【0146】
いくつかの実施形態では、シャッター部15は、バルブ本体50の上壁51に設けられた弁座53と少なくとも部分的に嵌合する形状を有する。有利には、したがって、シャッター部15は、飲料又は他の液体が通過するときにバルブユニット100を選択的に閉じるために弁座53に結合するように構成される。
【0147】
ある可能な実施形態では、シャッター部15は円錐台形状を有する。別の例として、シャッター部15は、円筒形若しくはドーム形、又は嵌合方式で弁座53に結合するのに適した任意の他の形状を有することができる。
【0148】
特許請求の範囲によって定義される本発明の分野及び範囲から逸脱することなく、上に記載したばね装置10a,10bに対し修正及び/又は部品の追加を行うことができることは明らかである。
【0149】
以下の特許請求の範囲において、括弧内の参照符号の唯一の目的は読解を容易にすることであり、それらは、特定の請求項にクレームされている保護の分野に関する制限要因とみなしてはならない。
【国際調査報告】