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特表2023-546999車両電池交換装置、二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション及び電池交換システム
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  • 特表-車両電池交換装置、二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション及び電池交換システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-08
(54)【発明の名称】車両電池交換装置、二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション及び電池交換システム
(51)【国際特許分類】
   B60K 1/04 20190101AFI20231031BHJP
【FI】
B60K1/04 A
B60K1/04 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023550342
(86)(22)【出願日】2020-12-25
(85)【翻訳文提出日】2023-05-10
(86)【国際出願番号】 CN2020139412
(87)【国際公開番号】W WO2022105014
(87)【国際公開日】2022-05-27
(31)【優先権主張番号】202011315344.3
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507362513
【氏名又は名称】浙江吉利控股集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY HOLDING GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou Zhejiang (CN)
(71)【出願人】
【識別番号】523172590
【氏名又は名称】浙江吉利遠程新能源商用車集団有限公司
【氏名又は名称原語表記】ZHEJIANG GEELY FARIZON NEW ENERGYCOMMERCIAL VEHICLE GROUP CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 612, Building 1, 1760 Jiangling Road, Binjiang District, Hangzhou, Zhejiang, China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】李 書福
【テーマコード(参考)】
3D235
【Fターム(参考)】
3D235AA04
3D235BB23
3D235BB24
3D235CC14
3D235EE64
3D235FF06
(57)【要約】
本願は車両電池交換装置、二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション及び電池交換システムを提供し、車両電池交換装置は、電池モジュールと、第1フローティング構造と、固定装置とを含み、前記固定装置は、前記電池モジュールを車両のサイドメンバーに固定するように構成されており、前記固定装置は固定基板を含み、前記第1フローティング構造は、前記電池モジュールと前記固定基板との間に設置されており、前記第1フローティング構造は、前記電池モジュールの振動幅を緩和するように構成されている。本願により提供される車両電池交換装置において、電池モジュールと固定基板との間に、電池モジュールと車両とをフローティング接続する第1フローティング構造が設けられている。車両走行中における電池モジュールの振動幅を効果的に緩和するとともに、電池交換時における電池モジュールへの衝撃を緩和することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両電池交換装置であって、
第1電池モジュール(100)と、第1フローティング構造(200)と、固定装置とを含み、
前記固定装置は、前記第1電池モジュール(100)を車両のサイドメンバーに固定するように構成され、
前記固定装置は固定基板(300)を含み、前記固定基板(300)は、前記第1電池モジュール(100)を支持するように構成され、
前記第1フローティング構造(200)は、前記第1電池モジュール(100)と前記固定基板(300)との間に設置され、前記第1フローティング構造(200)は、前記第1電池モジュール(100)の振動幅を緩和するように構成されている
ことを特徴とする車両電池交換装置。
【請求項2】
前記第1フローティング構造(200)は、第1フローティング部(201)と、緩衝位置制限部(202)と、電池フローティングプラットフォーム(203)とを含み、
前記電池フローティングプラットフォーム(203)の底面は、前記第1フローティング部(201)を介して前記固定基板(300)に接続され、前記電池フローティングプラットフォーム(203)の天面は、前記緩衝位置制限部(202)を介して前記第1電池モジュール(100)に接続されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両電池交換装置。
【請求項3】
前記電池フローティングプラットフォーム(203)には第1位置決め部(204)と第2位置決め部(205)とが設けられており、
前記固定基板(300)には第3位置決め部(301)が設けられており、
前記第1電池モジュール(100)の底部には第4位置決め部(101)と第5位置決め部(105)とが設けられており、
前記第5位置決め部(105)と前記第1位置決め部(204)とはいずれも前記第3位置決め部(301)と嵌合して接続されており、前記第2位置決め部(205)は前記第4位置決め部(101)と嵌合して接続されている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両電池交換装置。
【請求項4】
前記第1位置決め部(204)と前記第5位置決め部とはいずれも第1位置決めピン孔であり、前記第3位置決め部(301)は、前記第1位置決めピン孔と嵌合する第1位置決めピンであり、
前記第2位置決め部(205)は第2位置決めピンであり、前記第4位置決め部(101)は前記第2位置決めピンと嵌合する第2位置決めピン孔である
ことを特徴とする請求項3に記載の車両電池交換装置。
【請求項5】
コネクタ(206)をさらに含み、
前記第1フローティング構造(200)は、コネクタフローティングプラットフォーム(207)と第2フローティング部(208)とをさらに含み、
前記コネクタ(206)は、前記コネクタフローティングプラットフォーム(207)に固定されており、
前記コネクタフローティングプラットフォーム(207)は、前記第2フローティング部(208)を介して前記電池フローティングプラットフォーム(203)に固定されている
ことを特徴とする請求項2に記載の車両電池交換装置。
【請求項6】
前記第1フローティング部(201)は、複数のフローティング部材を含み、
前記緩衝位置制限部(202)は、複数の緩衝部材を含み、
前記第2フローティング部(208)は、複数のフローティング部材を含む
ことを特徴とする請求項5に記載の車両電池交換装置。
【請求項7】
前記フローティング部材は弾性部材を含む
ことを特徴とする請求項6に記載の車両電池交換装置。
【請求項8】
緩衝部(302)をさらに含み、前記緩衝部(302)は前記固定基板(300)に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両電池交換装置。
【請求項9】
前記固定装置は、対向して設けられた第1サイドサポータ(401)と第2サイドサポータ(402)とをさらに含み、
前記第1サイドサポータ(401)と前記第2サイドサポータ(402)とはそれぞれ前記固定基板(300)に接続され、前記第1サイドサポータ(401)と前記第2サイドサポータ(402)はサイドメンバーの方向に対向して設置されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両電池交換装置。
【請求項10】
第1支持構造(403)と第2支持構造とをさらに含み、前記第1支持構造(403)と前記第2支持構造とは、一端がサイドメンバーにそれぞれ接続され、他端が前記第1サイドサポータ(401)と前記第2サイドサポータ(402)とにそれぞれ接続されている
ことを特徴とする請求項9に記載の車両電池交換装置。
【請求項11】
トップレームをさらに含み、前記トップフレーム(102)は、前記第1電池モジュール(100)の頂部に設けられ、前記トップフレーム(102)は、前記第1サイドサポータ(401)および前記第2サイドサポータ(402)にそれぞれロックされ、
前記トップフレーム(102)には、位置決め構造(103)とロック構造(104)とが設けられており、前記位置決め構造(103)と前記ロック構造(104)は、電池交換ステーションの電池交換装置と協働して把持又は解放を実現するように構成されている
ことを特徴とする請求項9に記載の車両電池交換装置。
【請求項12】
前記第1電池モジュール(100)の断面は逆凹字状構造であり、前記第1電池モジュールは、サドル状にサイドメンバーに取り付けられ、前記第1電池モジュール(100)の凹部はサイドメンバーの頂部に固定され、
あるいは、
前記第1電池モジュール(100)は直方体構造であり、前記第1電池モジュール(100)の底部はサイドメンバーの頂部に固定されている
ことを特徴とする請求項1に記載の車両電池交換装置。
【請求項13】
第2電池モジュールをさらに含み、前記第2電池モジュールは車両の何れかの側のサイドメンバー底部または側壁に固定されている
ことを特徴とする請求項12に記載の車両電池交換装置。
【請求項14】
前記第2電池モジュールは、第1電池分割ボックス(601)と、第2電池分割ボックス(602)と、電池フレーム(603)とを含み、前記第1電池分割ボックス(601)と前記第2電池分割ボックス(602)とは、前記電池フレーム(603)を介して接続され、前記電池フレーム(603)はサイドメンバーの底部に固定され、前記電池フレーム(603)内にはクイック交換継手または電気コネクタが設けられている
ことを特徴とする請求項13に記載の車両電池交換装置。
【請求項15】
第2電池モジュールをさらに含み、前記第2電池モジュールは、第1電池分割ボックス(601)と、第2電池分割ボックス(602)と、電池フレーム(603)とを含み、前記第1電池分割ボックス(601)と前記第2電池分割ボックス(602)とはそれぞれ前記第1電池モジュール(100)の両端の下方に固定され、前記電池フレーム(603)はサイドメンバーの底部に固定され、前記電池フレーム(603)内にはクイック交換継手または電気コネクタが設けられている
ことを特徴とする請求項12に記載の車両電池交換装置。
【請求項16】
二重フローティング吊り上げ電池交換ステーションであって、
電池把持構造を含み、前記電池把持構造は、把持プレート(500)と第2フローティング構造とを含み、
前記第2フローティング構造は、前記把持プレート(500)の把持側に固定されており、
前記把持プレート(500)は、前記第2フローティング構造を介して、車両の第1電池モジュール(100)と協働して、第1電池モジュール(100)の把持または解放を実現し、前記第2フローティング構造は、前記電池モジュールを把持する際の前記電池把持構造の揺れの幅を緩和するように構成されている
ことを特徴とする二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項17】
前記第2フローティング構造は、第2フローティングプラットフォーム(501)と第3フローティング部(502)とを含み、
前記第2フローティングプラットフォーム(501)は、前記第3フローティング部(502)を介して前記把持プレート(500)に接続されている
請求項16に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項18】
前記電池把持構造は把持部(506)をさらに含み、前記把持部(506)は、前記第2フローティングプラットフォーム(501)を貫通し、前記把持部(506)は、前記第1電池モジュール(100)と協働して把持または解放を実現するように構成されている
請求項17に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項19】
前記第3フローティング部(502)は、前記把持部(506)の外部に嵌設されている
ことを特徴とする請求項18に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項20】
グリッパ回転モータをさらに含み、前記グリッパ回転モータは前記把持部(506)に電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項17に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項21】
前記第2フローティングプラットフォーム(501)には第1ロック部(503)が設けられ、前記第1ロック部(503)は、前記第1電池モジュール(100)と嵌合して接続されて、ロックまたはロック解除を実現するように構成されている
ことを特徴とする請求項17に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項22】
前記第2フローティングプラットフォーム(501)には、ロック駆動モータ(505)が設けられており、前記ロック駆動モータ(505)は、前記第1ロック部(503)に電気的に接続されている
ことを特徴とする請求項21に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項23】
前記フローティングプラットフォームには第6位置決め部(504)が設けられており、前記第6位置決め部(504)は、前記第1電池モジュール(100)と嵌合して接続されて、位置決めを実現する
ことを特徴とする請求項17に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項24】
圧力センサをさらに含み、前記圧力センサは前記把持部(506)に設けられている
ことを特徴とする請求項18に記載の二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション。
【請求項25】
請求項1から15の何れか一項に記載の前記車両電池交換装置と請求項16から24の何れか一項に記載の前記二重フローティング吊り上げ電池交換ステーションとを含む
ことを特徴とする車両吊り上げ電池交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は電池交換の技術分野に関し、特に車両電池交換装置、二重フローティング吊り上げ電池交換ステーション及び電池交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年、新エネルギー自動車は急激な発展を遂げ、蓄電池を駆動エネルギーとする電気自動車は、ゼロエミッション、騒音が小さいというメリットがある。しかしながら、電気自動車の二つの従来からある難題は残されたままであり、航続距離への不安と充電時間の長さのせいで、採算重視の商用車分野で普及が進まない状況が続いている。乗用車の電池交換技術の応用と発展に伴い、電池交換技術は次第に商用車の分野にも応用されてきた。
【0003】
従来の商用車の既存の電池交換モードの解決策には、以下のような問題点が存在する。電池ボックスは底部のX、Y、Zの三方向の位置決めピンのみにより位置が制限され、ロック機構がない。また、商用車の電力消費量が高いため、電池システムの電池容量が高いため、電池システムの重心が高い。冲撃がある動作状況において、特に高速で緊急ブレーキをかける動作状況において、底部の構造が破壊され、システムの倒壊が発生しやすい。また、揺れの過程で震動幅が大きすぎて、電池交換中、電池パックの底部が剛性構造であるため、電池に損傷を与えやすい。なお、従来の電池交換システムはステーション内で電池を交換する際に、積載物の重量の不均一、車体自体の変形、タイヤ空気圧の不均一などの原因により、ステーション内での電池交換把持装置の位置決めが困難で、電池交換時に、揺れやすく安全上のリスクが生じてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願の解決しようとするのは、車両の走行中に電池ボックスが揺れやすく、また、電池交換中に衝撃を受けて破損しやすいという技術的課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の技術的課題を解決するために、本願は、第1電池モジュールと、第1フローティング構造と、固定装置とを含む車両電池交換装置を開示する。
【0006】
前記固定装置は、前記第1電池モジュールを車両のサイドメンバーに固定するように構成されている。
【0007】
前記固定装置は固定基板を含む。前記固定基板は、前記第1電池モジュールを支持するように構成されている。
【0008】
前記第1フローティング構造は、前記第1電池モジュールと前記固定基板との間に設置されている。前記第1フローティング構造は、前記第1電池モジュールの振動幅を緩和するように構成されている。
【0009】
さらに、第1フローティング構造は、第1フローティング部と、緩衝位置制限部と、電池フローティングプラットフォームとを含む。
【0010】
前記電池フローティングプラットフォームの底面は、前記第1フローティング部を介して前記固定基板に接続され、前記電池フローティングプラットフォームの天面は、前記緩衝位置制限部を介して前記第1電池モジュールに接続されている。
【0011】
さらに、前記電池フローティングプラットフォームには第1位置決め部と第2位置決め部とが設けられている。
【0012】
前記固定基板には第3位置決め部が設けられている。
【0013】
前記第1電池モジュールの底部には第4位置決め部と第5位置決め部とが設けられている。
【0014】
前記第5位置決め部と前記第1位置決め部とはいずれも前記第3位置決め部と嵌合して接続され、前記第2位置決め部は前記第4位置決め部と嵌合して接続されている。
【0015】
さらに、前記第1位置決め部と前記第5位置決め部とはいずれも第1位置決めピン孔であり、前記第3位置決め部は、前記第1位置決めピン孔と嵌合する第1位置決めピンである。
【0016】
前記第2位置決め部は、第2位置決めピンである。前記第4位置決め部は、前記第2位置決めピンと嵌合する第2位置決めピン孔である。
【0017】
さらに、コネクタを含む。
【0018】
前記フローティングプラットフォーム構造は、コネクタフローティングプラットフォームと第2フローティング部とをさらに含む。
【0019】
前記コネクタは、前記コネクタフローティングプラットフォームに固定されている。
【0020】
前記コネクタフローティングプラットフォームは、前記第2フローティング部を介して前記電池フローティングプラットフォームに固定されている。
【0021】
さらに、前記第1フローティング部は、複数のフローティング部材を含む。
【0022】
前記緩衝位置制限部は、複数の緩衝部材を含む。
【0023】
前記第2フローティング部は、複数のフローティング部材を含む。
【0024】
さらに、前記フローティング部材は、弾性部材および/または緩衝部材を含む。
【0025】
さらに、前記固定基板に設けられた緩衝部をさらに含む。
【0026】
さらに、前記固定装置は、対向して設けられた第1サイドサポータと第2サイドサポータとをさらに含む。
【0027】
前記第1サイドサポータと前記第2サイドサポータはそれぞれ前記固定基板に接続され、前記第1サイドサポータと前記第2サイドサポータはサイドメンバーの方向に対向して設置されている。
【0028】
さらに、第1支持構造と第2支持構造とをさらに含み、前記第1支持構造と前記第2支持構造とは、一端がサイドメンバーにそれぞれ接続され、他端が前記第1サイドサポータと前記第2サイドサポータとにそれぞれ接続されている。
【0029】
さらに、前記第1電池モジュールは、トップフレームを含む。
【0030】
前記トップフレームには、位置決め構造とロック構造とが設けられており、前記位置決め構造と前記ロック構造は、電池交換ステーションの電池交換装置と協働して把持又は解放を実現するように構成されている。
【0031】
さらに、前記第1電池モジュールは、サドル状にサイドメンバーに取り付けられ、前記第1電池モジュールの凹部はサイドメンバーの頂部に固定されている。
【0032】
あるいは、前記第1電池モジュールは直方体構造であり、前記第1電池モジュールの底部はサイドメンバーの頂部に固定されている。
【0033】
さらに、第2電池モジュールをさらに含み、前記第2電池モジュールは車両の何れかの側のサイドメンバー底部または側壁に固定されている。
【0034】
さらに、前記第2電池モジュールは、第1電池分割ボックスと、第2電池分割ボックスと、電池フレームとを含み、前記第1電池分割ボックスと前記第2電池分割ボックスとは、前記電池フレームを介して接続され、前記電池フレームはサイドメンバーの底部に固定され、前記電池フレーム内にはクイック交換継手または電気コネクタが設けられている。
【0035】
さらに、第2電池モジュールをさらに含み、前記第2電池モジュールは、第1電池分割ボックスと、第2電池分割ボックスと、電池フレームとを含み、前記第1電池分割ボックスと前記第2電池分割ボックスとはそれぞれ前記第1電池モジュールの両端の下方に固定され、前記電池フレームはサイドメンバーの底部に固定され、前記電池フレーム内にはクイック交換継手または電気コネクタが設けられている。
【0036】
本願の第2態様は、電池把持構造を含む二重フローティング吊り上げ電池交換ステーションを提供し、前記電池把持構造は、把持プレートと第2フローティング構造とを含む。
【0037】
前記第2フローティング構造は、前記把持プレートの把持側に固定されている。
【0038】
前記把持プレートは、前記第2フローティング構造を介して、車両の第1電池モジュールと協働して、第1電池モジュールの把持または解放を実現し、前記第2フローティング構造は、前記電池モジュールを把持する際の前記電池把持構造の揺れの幅を緩和するように構成されている。
【0039】
さらに、前記第2フローティング構造は、第2フローティングプラットフォームと第3フローティング部とを含む。
【0040】
前記第2フローティングプラットフォームは、前記第3フローティング部を介して前記把持プレートに接続されている。
【0041】
さらに、前記電池把持構造は把持部をさらに含み、前記把持部は、前記第2フローティングプラットフォームを貫通している。前記把持部は、前記第1電池モジュールと協働して把持または解放を実現するように構成されている。
【0042】
さらに、前記第3フローティング部が前記把持部の外部に嵌設されていることを特徴とする。
【0043】
さらに、グリッパ回転モータをさらに含み、前記グリッパ回転モータは前記把持部に電気的に接続されている。
【0044】
さらに、前記第2フローティングプラットフォームには第1ロック部が設けられ、前記第1ロック部は、前記第1電池モジュールと嵌合して接続されて、ロックまたはロック解除を実現するように構成されている。
【0045】
さらに、前記第2フローティングプラットフォームには、ロック駆動モータが設けられている。
【0046】
前記ロック駆動モータは、前記第1ロック部に電気的に接続されている。
【0047】
さらに、前記フローティングプラットフォームには、第6位置決め部が設けられている。
【0048】
前記第6位置決め部は、前記第1電池モジュールと嵌合して接続されて、位置決めを実現する。
【0049】
さらに、圧力センサをさらに含み、前記圧力センサは前記把持部に設けられている。
【0050】
本願の第3態様において、前記車両電池交換装置と前記二重フローティング電池交換ステーションを含む車両二重フローティング吊り上げ電池交換システムを提供する。
【0051】
上述の技術方案を採用することにより、本願は以下のような有益な効果を有する。
【0052】
本願により提供される車両電池交換装置において、第1電池モジュールと固定基板との間に、第1電池モジュールと車両とをフローティング接続する第1フローティング構造が設けられている。車両走行中における第1電池モジュールの振動幅を効果的に緩和するとともに、電池交換時における第1電池モジュールへの衝撃を緩和することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
本発明の実施例の技術案をより明確に説明するため、以下では、実施例の説明に必要とされる添付図面を簡単に説明する。以下で説明される添付図面は本発明のいくつか実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行わないことを前提に、これらの添付図面により他の添付図面を得ることができる。
図1】本願の実施例にかかる車両における車両電池交換装置の位置分布模式図である。
図2】本願の実施例にかかる車両電池交換装置の構造模式図である。
図3】本願の実施例にかかる第1フローティング構造の構造模式図である。
図4】本願の実施例にかかる固定基板の構造模式図である。
図5】本願の実施例にかかる第1サイドサポータと第2サイドサポータとの構造模式図である。
図6】本願の実施例にかかる固定装置の構造模式図である。
図7】本願の実施例にかかる電池モジュールの構造模式図である。
図8】本願の実施例にかかる車両における車両電池交換装置の位置分布模式図である。
図9】本願の実施例にかかる第2電池モジュールの構造模式図である。
図10】本願の実施例にかかる固定フレームの構造模式図である。
図11】本願の実施例にかかる固定フレームと第2電池モジュールとの協働模式図である。
図12】本願の実施例にかかる第2電池モジュールの構造模式図である。
図13】本願の実施例にかかる車両における車両電池交換装置の位置分布模式図である。
図14】本願の実施例にかかる車両における車両電池交換装置の位置分布模式図である。
図15】本願の実施例にかかる二重フローティング電池交換ステーションの構造模式図である。
図16】本願の実施例にかかる車両電池交換装置と二重フローティング電池交換ステーションとの協働模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下では、図面についてさらに詳しく説明する。
以下、本願の実施例における添付図面を参照し、本願の実施例における技術案について明確かつ完全に説明する。説明される実施形態は本願の全ての実施形態ではなく、一部の実施形態に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得られる全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0055】
本明細書で言う「一つの実施例」または「実施例」とは、本明細書の少なくとも一つの実施態様に含まれることができる特定の特徴、構造、または特性を意味する。本願の実施例の説明において、「上」、「下」、「最上」、「最下」などの用語がさす方位或いは位置関係は図面に基づいて示す方位或いは位置関係であり、本願の説明の便宜及び説明の簡略化のためのものだけであって、そのさす装置或いは素子が必ず特定の方位を持ち、特定の方位で構成或いは操作されなければならないと提示或いは暗示するわけではないので、本願に対する制限として理解すべきではない。また、用語「第一」、「第二」は説明のために使用されるものだけであって、相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗黙的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定されている特徴は明示的或いは暗黙的に一つ或いはそれ以上の当該特徴を含んでもよい。また、用語「第一」、「第二」等は類似の対象を区別するためのものであり、必ずしも特定の順序又は前後の順番を記述するためのものではない。本明細書に記載された本願の実施形態が本明細書に図示または記載されたものとは異なる順序で実施されることを可能にするために、このように使用されるデータは適宜交換されてもよいことを、理解すべきである。
【0056】
図1は本願の実施例にかかる車両における車両電池交換装置の位置分布模式図である。図2は車両電池交換装置の具体的な構造模式図である。図2に示すように、この車両電池交換装置は、第1電池モジュール100と、第1フローティング構造200と、固定装置とを含む。本願の実施例において、第1電池モジュール100は複数の電池からなる組電池と組電池外部フレームとを含む。前記固定装置は、前記第1電池モジュール100を車両のサイドメンバーに固定するように構成されている。
【0057】
前記固定装置は固定基板300を含む。
【0058】
前記第1フローティング構造200は、前記第1電池モジュール100と前記固定基板300との間に設置されている。前記第1フローティング構造200は、前記第1電池モジュール100の振動幅を緩和するように構成されている。
【0059】
本願により提供される車両電池交換装置において、第1電池モジュール100と固定基板300との間に、第1電池モジュール100と車両とをフローティング接続する第1フローティング構造200が設けられている。車両走行中における第1電池モジュール100の振動幅を効果的に緩和するとともに、電池交換時における第1電池モジュール100への衝撃を緩和することができる。
【0060】
本発明の実施例において、固定装置内の固定基板300は、底部が車両のサイドメンバーに接続され、頂部が第1フローティング構造200に接続されている。
【0061】
本願の実施例において、図3は、本願の実施例にかかる第1フローティング構造の模式図である。図2に示すように、前記第1フローティング構造はフローティングプラットフォーム構造と、第1フローティング部201と、緩衝位置制限部202とを含む。
【0062】
前記フローティングプラットフォーム構造は、電池フローティングプラットフォーム203を含む。
【0063】
前記電池フローティングプラットフォーム203の底部は、前記第1フローティング部201を介して前記固定基板300に接続され、前記電池フローティングプラットフォーム203の頂部は、前記緩衝位置制限部202を介して前記第1電池モジュール100に接続されている。
【0064】
本願の実施例において、前記電池フローティングプラットフォーム203には第1位置決め部204と第2位置決め部205とが設けられている。図4(a)は本願の実施例にかかる固定基板の模式図である。前記固定基板300には第3位置決め部301が設けられている。前記第1電池モジュール100の底部には第4位置決め部101と第5位置決め部105とが設けられている。第5位置決め部105と前記第1位置決め部204とはいずれも前記第3位置決め部301と嵌合して接続されている。前記第2位置決め部205は前記第4位置決め部101と嵌合して接続されている。図4(a)には、第1フローティング部を取り付けるための第1フローティング部取付部がさらに含まれる。本発明の実施において、固定基板300の下方には2つの固定ブサポータ304が設けられており、2つの固定サポータ304は、車両サイドメンバーの両側にそれぞれ設けられている。
【0065】
本実施例においえ5位置決め部105と第1位置決め部204は、いずれも第1位置決めピン孔としてもよく、前記第3位置決め部301は、前記第1位置決めピン孔と嵌合する第1位置決めピンである。前記第2位置決め部205は、第2位置決めピンである。前記第4位置決め部101は、前記第2位置決めピンと嵌合する第2位置決めピン孔を含む。固定基板300に設計される位置決めピンは、電池フローティングプラットフォーム203の案内機構およびシステムの第1段階の位置決めとされる。
【0066】
本発明の実施例において、コネクタ206がさらに含まれ、コネクタ206は、第1電池モジュール100下部のコネクタに接続されている。
【0067】
前記フローティングプラットフォーム構造は、コネクタフローティングプラットフォーム207と第2フローティング部208とをさらに含む。
【0068】
前記コネクタ206は、前記コネクタフローティングプラットフォーム207に固定されている。
【0069】
前記コネクタフローティングプラットフォーム207は、前記第2フローティング部208を介して前記電池フローティングプラットフォーム203に固定されている。
【0070】
本願の実施例において、コネクタフローティングプラットフォーム207に設けられた冷却液出し入れ口209をさらに含む。
【0071】
本願の実施例にいて、電池フローティングプラットフォーム203の下部は、第1フローティング機構を介して固定基板300に接続されており、システムの第1段階のフローティングとして、電池交換中の電池パックへの衝撃および車両走行中の振動を減少させることができる。本願の実施例において、固定基板300に設計された第3位置決め部301は、電池フローティングプラットフォーム203上の第1位置決め部204と協働して、電池フローティングプラットフォーム203の案内機構として機能するとともに、そのX、Y方向でのフローティング範囲を制限して、システムの第1段階の位置決めを実現する。電池フローティングプラットフォーム203に設けられた第2位置決め部205は、第1電池モジュール100に設けられた第4位置決め部101と協働して、システムの第2段階の位置決めを実現し、電池の取付精度をさらに確保する。前記コネクタフローティングプラットフォーム207は、前記第2フローティング部208を介して前記電池フローティングプラットフォーム203に固定されている。電池交換中のコネクタ206への衝撃を減少させ、第1電池モジュール100に対しても第2段階のフローティング保護の役割を果たす。コネクタ206、コネクタフローティングプラットフォーム207、およびその上の冷却液出し入れ口は一緒にフローティングできるように設計されており、システムの第3段階のフローティングとして、車全体の振動を緩和して、コネクタ206の接続の信頼性を確保することができる。同時に、コネクタ206には位置決めピンが設計されており、システムの第3段階の位置決めとして、システムの正確な接続を実現する。
【0072】
本願の実施例において、電池フローティングプラットフォーム203上に、システムの第2段階の緩衝機構として、ゴム緩衝ブロックが設計されている。本願の実施例において、緩衝部302がさらに含まれ、前記緩衝部302は前記固定基板300に設けられ、システム全体の第1段階の緩衝とされる。電池フローティングプラットフォーム203には第2フローティングが設けられ、この緩衝位置制限部202は好ましくは緩衝部材とされ、システム全体の二段階の緩衝を実現し、システム全体の安定性および冗長性を向上させることができる。本発明の実施例にかかる車両電池交換装置は、固定基板300と第1フローティング構造200とにより、三段階の位置決め、三段階のフローティング、および二段階の緩衝を共同して実現する。三段階の位置決め装置により電池交換の正確な位置決めを実現する。三段階のフローティングにより、車両走行中の第1電池モジュール100の振動幅の緩衝を実現して、安定性及び冗長性を向上させることができる。
【0073】
本願の実施例において、前記第1フローティング部201は、複数のフローティング部材を含み、前記緩衝位置制限部202は、複数の緩衝部材を含み、前記第2フローティング部208は、複数のフローティング部材を含む。本願の実施例において、前記フローティング部材は、弾性部材および/または緩衝部材を含む。本願の実施例において、第1フローティング部201と第2フローティング部208との両方に弾性部材を採用することが可能で、この弾性部材としてばねを使用することができる。緩衝位置制限部202は緩衝部材であることが好ましく、例えばゴム緩衝ブロックを使用することができる。本願の実施例において、第1フローティング部201のばねも、図4(b)に示すように、前記第3位置決め部301に取り付けることができる。
【0074】
本願の実施例において、第1電池モジュール100は、外部フレームを含み、第4位置決め部101は外部フレームの底部に設けられており、外部フレームの底部には、前記第3位置決め部301と嵌合する位置決め構造103がさらに設けられており、位置決めピン孔であってもよい。
【0075】
本願の実施例において、外部フレームの底部には、コネクタ206と冷却液出入口との固定機構が設けられており、固定機構には弾性部材が設計されており、この弾性部材はばねとしてもよく、コネクタ206の可撓性接続を実現するとともに、システムの冗長度を向上させ、震動の幅を低減し、システムの嵌合精度と効率を向上させることができる。
【0076】
本願の実施例において、図5に示すように、前記固定装置は、対向して設けられた第1サイドサポータ401と第2サイドサポータ402とをさらに含む。図6は固定装置の構造模式図である。
【0077】
前記第1サイドサポータ401と前記第2サイドサポータ402とはそれぞれ前記固定基板300に接続され、前記第1サイドサポータ401と前記第2サイドサポータ402はサイドメンバーの方向に対向して設置されている。
【0078】
本願の実施例において、第1支持構造403と第2支持構造とをさらに含み、前記第1支持構造403と前記第2支持構造とは、一端がサイドメンバーにそれぞれ接続され、他端が前記第1サイドサポータ401と前記第2サイドサポータ402とにそれぞれ接続されている。本願の実施例において、前記第1サイドサポータ401と前記第2サイドサポータ402とのうちのいずれにも、頂部にロック機構テーパ孔404が設けられている、この固定装置はさらに、電池システム冷却液タンク405と、アダプタサポータ406とを含む。本願の実施例において、固定装置は、下部で位置を制限し、上部でロックする機能を有し、ロック点は質量中心よりも上方にある。第1電池モジュールの上端と下端を同時に固定することで、第1電池モジュールの位置を制限してロックでき、さらには電池輸送の安全性を向上させることができる。
【0079】
本願の実施例において、図7に示すように、前記第1電池モジュール100はトップフレーム102を含む。本願の実施例において、前記第1電池モジュール100はトップフレーム102を含み、前記トップフレーム102には、位置決め構造103とロック構造104とが設けられており、前記位置決め構造103と前記ロック構造104は、電池交換ステーションの電池交換装置と協働して把持又は解放を実現するように構成されている。位置決め構造103は、下記把持装置の第6位置決め部と協働して把持や位置決めを実現し、ロック構造104は、下記把持装置の第1ロック部と協働してロックまたはロック解除を実現する。本願の実施例において、第1電池モジュール100の底部は第5位置決め部105をさらに含み、この位置決め孔は固定基板上の位置決めピンと嵌合して接続される。また、コネクタと冷却液出し入れ口とを固定するように構成された固定構造106をさらに含む。また、電池側水出し入れ部107及び電池側高圧コネクタ108とをさらに含む。固定構造106にはばねが設計されており、これによりコネクタの可撓性接続を実現することができる。
【0080】
本願の実施例において、実装可能な態様において、前記トップフレーム102に位置決めピンを追加することができ、ロック機構テーパ孔404の横に対応する位置に位置決め孔を追加することができ、トップフレーム102と前記第1サイドサポータ401および前記第2サイドサポータ402とのロック面に位置決めを1か所追加して、ロック精度を向上させることができる。
【0081】
本願の実施例において、第2電池モジュールを含んでもよい。第2電池モジュールの設置案はさまざまあるが、以下では、そのうちのいくつかを例に挙げて説明する。
【0082】
一つの実施可能な案において、図8に示すように、前記第2電池モジュールは車両の何れかの側のサイドメンバー底部または側壁に固定されている。実施可能な態様において、車両の両側のサイドメンバーの底部または側壁にすべて第2電池モジュールを配置してもよい。前記第2電池モジュールは、図9に示すように、第1電池分割ボックス601と、第2電池分割ボックス602と、電池フレーム603とを含み、前記第1電池分割ボックス601と前記第2電池分割ボックス602とは、前記電池フレーム603を介して接続され、前記電池フレーム603はサイドメンバーの底部に固定されている。実施可能な態様において、前記電池フレーム603は固定フレームを用いて車両のサイドメンバーの底部または側壁部に固定されている。本願の実施例では、実施可能な態様において、固定フレームは、図10に示すように、電池フレーム603が固定フレームの一端に接続され、固定フレームの他端がサイドメンバーの底部または側壁に接続されるように構成できる。図11は固定フレームと第2電池モジュールとの協働模式図である。本願の実施例において、前記電池フレーム内には、クイック交換継手または電気コネクタが設けられている。
【0083】
別の実施可能な案において、第2電池モジュールは全体として一体化してサイドメンバーの底部に設置されるとともに、サイドメンバーの片側に単独で設置されない。この実施態様において、前記第2電池モジュールは第1電池と、第2電池分割ボックス602と、電池フレーム603とを含み、前記第1電池分割ボックス601と前記第2電池分割ボックス602とは、前記電池フレーム603を介して接続されている。前記第1電池分割ボックスと前記第2電池分割ボックスとはそれぞれ前記第1電池モジュールの両端の下方に固定され、前記電池フレームはサイドメンバーの底部に固定され、前記電池フレーム内にはクイック交換継手または電気コネクタが設けられている。この実施態様において、この実施態様において、前記電池フレーム内には、クイック交換継手または電気コネクタが設けられている。
【0084】
上記の実施形態において、第2電池モジュールはいずれも底部から持ち上げる方法で電池を交換することができる。底部から持ち上げる方式の電池交換とすることにより、第2電池モジュールは車両全体の下方で持ち上げ機構により取り外され、上部での吊り上げ電池交換をこれと同時に行うことができるため、電池交換速度を上げることができる。また、電池容量が一定の場合、頂部のみに電池モジュールを取り付ける案を、頂部の電池モジュールと下部の電池モジュールとを組み合わせた案に切り替えることができるため、頂部の第1電池モジュール100の高さを低くして、電池の重心を低くし、電池の安定性を向上させることができる。一方、全体の電池モジュールを上下2つの部分の電池モジュールに分割することで、上部の第1電池モジュール100と下部の第2電池モジュールの両方をサイドメンバーに固定的に接続することができるため、電池の安定性がさらに向上する。
【0085】
上記の実施態様において、電池フレーム603と、サイドメンバーまたは第2電池モジュールをサイドメンバーに固定するための固定サポータとの間は、いずれも、ロック装置を介して接続でき、前記ロック装置は、第1ロック部と第2ロック部とを含むことができ、前記第1ロック部は前記電池フレームの外側面に設けられ、前記第2ロック部は、前記サイドメンバーの底部に設けられ、前記電池フレームは、前記第1ロック部と前記第2ロック部との嵌合によるロックを利用して、サイドメンバーの底部に固定されている。本願の実施例において、前記第1ロック部は、複数の第1ロック部材を含み、前記複数の第1ロック部材は、前記電池フレームの外側面を取り囲んで設置されている。例えば、四つの第1ロック部材を、サイドフレームと垂直な前記電池フレームの二つの外側面に設置し、各側面ごとに二つの第1ロック部材を設置することが可能である。実施可能な態様において、必要に応じてロック部材の数を増やすことも可能である。前記第2ロック部は複数の第2ロック部材を含み、前記複数の第2ロック部材は、前記複数の第1ロック部材と1対1に対応して設けられている。本願の実施例において、前記ロック装置の設置方法はさまざまあるが、以下では、そのうちのいくつかを例に挙げて説明する。第1実施可能な案において、ロック装置は締結部材をさらに含んでもよく、前記第1ロック部材はロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は、前記ロック貫通孔と嵌合するロック柱を含み、前記ロック柱は、前記ロック貫通孔を貫通して前記締結部材と嵌合して接続することができる。ここで、前記締結部材は、固定ナットとしてもよく、前記ロック柱の先端には、前記ナットに合わせたねじ山が設けられている。第2実施可能な案において、ロック装置は締結部材を含み、前記第1ロック部材は第1ロック貫通孔を含み、前記第2ロック部材は第2ロック貫通孔を含み、前記締結部材は、前記第1ロック貫通孔と前記第2ロック貫通孔とを順に貫通し、前記第2ロック貫通孔に嵌合して接続されている。ここで、前記第2ロック貫通孔内には雌ねじが設けられており、前記締結部材は雄ねじ付きボルトである。このロック装置により、ロックの機能だけでなく、電池ボックスのぐらつきや移動を防止する位置制限機能を果たすこともできる。
【0086】
第3実施可能な態様において、図12に示すように、前記第2電池モジュールは、第1電池分割ボックス601と第2電池分割ボックス602とを含む。前記第1電池分割ボックス601と前記第2電池分割ボックス602とはそれぞれ前記第1電池モジュール100の両端の下方に固定されている。本実施態様において、第2電池モジュールは、第1電池モジュール100と一体的に設置されてもよい。すなわち、第1電池モジュール100内の電池と第2電池モジュール内の電池とが一つの完全な電池モジュールとして接続され、電池モジュールの外部に一つの全体的なフレームを設置する。また、第2電池モジュールと第1電池モジュール100とを別体として設置することもできる。二つの電池分割ボックスにそれぞれ別個のフレームを設け、別個のフレームを介して第1電池モジュール100のフレームにそれぞれ接続することにより、分解および修理を容易にする。上記のように、電池容量が一定の場合、頂部のみに電池モジュールを取り付ける案を、頂部の電池モジュールと下部の電池モジュールとを組み合わせた案に切り替えることができるため、頂部の第1電池モジュール100の高さを低くして、電池の重心を低くし、電池の安定性を向上させることができる。次に、上部の第1フローティング構造と組み合わせて、下部の第2電池モジュールの引張により、頂部の第1電池モジュール100の震動の幅をさらに低減することができる。
【0087】
本願の実施例において、第1電池モジュールは直方体構造とすることができ、前記第1電池モジュールは全体的サイドメンバーの頂部に位置する。実施可能な態様において、第1電池モジュールを他の形状として、全体的にサイドメンバーの上部に設けてもよい。実施可能な態様において、図13に示すように、前記第1電池モジュール100の断面は逆凹字状構造としてもよく、前記第1電池モジュール100の凹部はサイドメンバーの頂部に固定され、第1電池モジュール100はサドル状に車両のサイドメンバーに取り付けられ、サイドメンバーは電池ボックスの凹部を支持する。両側はサイドメンバーの側部と接続されている。電池ボックスが直方体構造で全体的にサイドメンバーの頂部に設置される案に比べて、この構成により、電池ボックスの重心を効果的に低くして、電池ボックス1の安定性を高めることができる。本願の実施例において、逆凹字状構造の前記第1電池モジュール100は、鏡面対称の2つの別体として設置された逆L状電池分割ボックスで構成されている。一つの実施可能な態様において、この第1電池モジュール100内の電池は、一体型の逆凹字状電池であり、外部電池フレームも逆凹字状フレームである。この凹状電池は、この逆凹字状フレーム内に配置されている。別の実施可能な態様において、電池は一体型逆凹字状電池であり、電池フレームは二つの別体のL状フレームを組み合わせたものである。なお、上記第1電池モジュールは、図1に示す直方体構造であっても、上記逆凹字状構造であっても、いずれも上記の第2電池モジュールの設置案を採用することができる。
【0088】
図14に示すように、第1電池の断面が逆凹字状構造であることに加えて、第2電池モジュールの他の設置案もあり得る。例えば、第2電池モジュールは、幅がサイドメンバーに相当する縦長型として、サイドメンバーの底部に縦方向に固定されていてもよい。この設置案によれば、凹状電池モジュールの凹部空間を合理的に利用し、電池全体の配置空間を小さくし、頂部の電池モジュールの高さを低くして、電池の安定性を向上させることができる。この案において、第2電池モジュールは底部から持ち上げる方法で電池を交換する。
【0089】
本願の第2態様は、図15に示すように、電池把持構造を含む二重フローティング吊り上げ電池交換ステーションを提供し、前記電池把持構造は、把持プレート500と第2フローティング構造とを含む。本願にかかる電池交換ステーションにはフローティング構造が設けられ、車両上のフローティング構造と把持時に協働して、二重フローティング電池交換構成を構成する。
【0090】
前記第2フローティング構造は、前記把持プレート500の把持側に固定されている。
【0091】
前記把持プレート500は、前記第2フローティング構造を介して、車両の第1電池モジュール100と協働して、第1電池モジュール100の把持または解放を実現し、図7に示すように、前記第2フローティング構造は、前記電池モジュールを把持する際の前記電池把持構造の揺れの幅を緩和するように構成されている。本願の実施例において、前記第2フローティング構造は、第2フローティングプラットフォーム501と第3フローティング部502とを含む。
【0092】
前記第2フローティングプラットフォーム501は、前記第3フローティング部502を介して前記把持プレート500に接続されている。
【0093】
本願の実施例において、前記電池把持構造は把持部506をさらに含み、前記把持部506は、前記第2フローティングプラットフォーム501を貫通し、前記把持部506は、前記第1電池モジュール100と協働して把持または解放を実現するように構成されている。
【0094】
本願の実施例において、前記第3フローティング部502は、前記把持部506の外部に嵌設されている。第3フローティング部502は、押え部材であってもよく、ばね等の弾性部材であってもよい。第2フローティング構造の設定によっても、電池の把持とロックの際の仮締め力を提供することができる。
【0095】
本願の実施例において、グリッパ回転モータをさらに含み、前記グリッパ回転モータは前記把持部506に電気的に接続されている。
【0096】
本願の実施例において、前記第2フローティングプラットフォーム501には第1ロック部503が設けられ、前記第1ロック部503は、前記第1電池モジュール100と嵌合して接続されて、ロックまたはロック解除を実現するように構成されている。
【0097】
本願の実施例において、前記第2フローティングプラットフォーム501には、ロック駆動モータ505が設けられている。前記ロック駆動モータ505はさらに、ロックの正確さを判定するために、回転角及びトルク情報を電池交換中に伝達することができる。
【0098】
前記ロック駆動モータ505は、前記第1ロック部503に電気的に接続されている。
【0099】
本願の実施例において、前記フローティングプラットフォームには第6位置決め部504が設けられている。前記第6位置決め部504は、前記第1電池モジュール100と嵌合して接続されて、位置決めを実現する。
【0100】
本願の実施例において、圧力センサをさらに含み、前記圧力センサは前記把持部506に設けられている。この圧力センサを用いて把持部506の圧力を感知して、把持状況を判断することができる。
【0101】
従来の電池交換システムはステーション内で電池を交換する際に、積載物の重量の不均一、車体自体の変形、タイヤ空気圧の不均一などの原因により、ステーション内での電池交換把持装置の位置決めが困難で、電池交換時に、揺れやすく安全上のリスクが生じてしまう。本願の実施例により提供される電池交換ステーション側電池交換装置は、案内や位置決めを備えた素早くロック/ロック解除するフローティング把持プラットフォームを含み、正確な位置決め、素早いロック/ロックロックが可能であるとともに、第2フローティング構造の設置により、把持後の駆動用電池の重心と把持装置の中心との偏差によるシステムの揺動を減少させ、揺動または震動の幅を緩和し、電池交換プロシージャの安全性を向上させる。
【0102】
本願の実施例により提供される電池交換ステーション側電池交換装置において、まず、前記第6位置決め部504が前記第1電池モジュール100と嵌合して接続されて、位置決めを実現する。そして、前記ロック駆動モータ505は、前記第1ロック部503の動作を駆動して、システムのロックとロック解除を実現する。把持部506において第2フローティングプラットフォーム501に案内と位置制限を提供する。
【0103】
把持部506と頂部の押さえるサポータとの協働により、第1電池モジュール100の把持と解放が実現される。本発明の実施例において、グリッパ回転モータ507がさらに含まれ、グリッパ回転モータ507は、把持部506の回転を駆動でき、把持部506と電池頂部のサポータとの協働により、第1電池モジュールの把持と解放が実現される。図16は、二重フローティング電池交換ステーションと車両電池交換装置との協働の模式図である。
【0104】
本願の第3態様において、前記車両電池交換装置と前記二重フローティング吊り上げ電池交換ステーションを含む車両二重フローティング吊り上げ電池交換システムを提供する。
【0105】
以上は本願の好適な実施例に過ぎず、本願を制限するためのものではない。本願の精神と原則内で行われた任意の修正、均等物による置換及び改良等は、いずれも本願の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0106】
100 第1電池モジュール100、
101 第4位置決め部、
102 トップフレーム、
103 位置決め構造、
104 ロック構造、
200 第1フローティング構造、
201 第1フローティング部、
202 緩衝位置制限部、
203 電池フローティングプラットフォーム、
204 第1位置決め部、
205 第2位置決め部、
206 コネクタ、
207 コネクタフローティングプラットフォーム、
208 第2フローティング部、
300 固定基板、
301 第3位置決め部、
302 緩衝部、
303 固定サポータ。
401 第1サイドサポータ、
402 第2サイドサポータ、
403 第1支持構造、
500 把持プレート、
501 第2フローティングプラットフォーム、
502 第3フローティング部、
503 第1ロック部、
504 第6位置決め部、
505 ロック駆動モータ、
506 把持部、
601 第1電池分割ボックス、
602 第2電池分割ボックス、
603 電池フレーム。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】