(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】電池単体、その製造方法および製造システム、電池および電力使用装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/152 20210101AFI20231101BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/107 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/566 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/533 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/536 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/169 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/159 20210101ALI20231101BHJP
H01M 50/119 20210101ALI20231101BHJP
【FI】
H01M50/152
H01M50/342 101
H01M50/107
H01M50/566
H01M50/533
H01M50/536
H01M50/169
H01M50/159
H01M50/119
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023509716
(86)(22)【出願日】2021-09-30
(85)【翻訳文提出日】2023-02-10
(86)【国際出願番号】 CN2021122101
(87)【国際公開番号】W WO2023050278
(87)【国際公開日】2023-04-06
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100167689
【氏名又は名称】松本 征二
(72)【発明者】
【氏名】方▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】郭志君
【テーマコード(参考)】
5H011
5H012
5H043
【Fターム(参考)】
5H011AA13
5H011CC06
5H011DD13
5H011EE04
5H012AA01
5H012BB02
5H012DD05
5H012EE04
5H012FF01
5H012GG01
5H043AA04
5H043AA11
5H043AA13
5H043BA15
5H043BA16
5H043BA19
5H043CA03
5H043CA12
5H043DA03
5H043DA14
5H043DA20
5H043EA07
5H043EA35
5H043EA39
5H043EA60
5H043HA17D
5H043KA06D
(57)【要約】
本出願の実施例は、電池単体およびその製造方法および製造システム、電池および電力使用装置を提供する。電池単体は、開口を有するケーシングと、ケーシング内に収容され、開口に向かう一端に第1ラグが設けられる電極アセンブリと、開口をカバーするエンドキャップであって、薄弱部が設けられるキャップ本体、キャップ本体に接続された第1突出部を含むエンドキャップと、を含み、エンドキャップは、電池単体の内部圧力が閾値に達するつと薄弱部が破裂して内部圧力を解放するように構成され、第1突出部は電極アセンブリに面する方向に沿ってキャップ本体から突出し、第1ラグを支持して、第1ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間を形成する。本出願は、第1ラグが薄弱部を押圧するリスクを低減して、電池単体の安全性能を向上させることができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有するケーシングと、
前記ケーシング内に収容され、前記開口に面する一端に第1ラグが設けられる電極アセンブリと、
前記開口をカバーするエンドキャップとを含み、前記エンドキャップはキャップ本体および前記キャップ本体に接続された第1突出部からなり、前記キャップ本体に薄弱部が設けられ、前記エンドキャップは、前記電池単体の内部圧力が閾値に達すると前記薄弱部に沿って破裂して前記内部圧力を解放するように構成され、
ここで、前記第1突出部は前記電極アセンブリに面する方向に向かって前記キャップ本体から突出して前記第1ラグを支持し、前記第1ラグと前記キャップ本体の間に前記薄弱部を退避するための退避隙間が形成される、電池単体。
【請求項2】
前記エンドキャップにおける前記第1突出部に対応する位置に前記キャップ本体の外面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って窪む第1窪み部が形成され、前記第1窪み部の底面が前記キャップ本体の内面よりも前記第1ラグに近い、請求項1に記載の電池単体。
【請求項3】
前記第1突出部が前記第1ラグに当接されて溶接され、前記エンドキャップと前記第1ラグの電気的な接続を実現する、請求項1または2に記載の電池単体。
【請求項4】
前記エンドキャップと前記第1ラグ間に設けられた集電部材をさらに含み、
前記集電部材は、前記エンドキャップと前記第1ラグを接続して前記エンドキャップと前記第1ラグの電気的な接続を実現するために使用され、
前記エンドキャップの厚さ方向において、前記退避隙間が前記集電部材と前記キャップ本体の間に位置する、請求項1または2に記載の電池単体。
【請求項5】
前記集電部材は前記エンドキャップの厚さ方向に沿って前記薄弱部を覆って、前記薄弱部と前記第1ラグを隔離する、請求項4に記載の電池単体。
【請求項6】
前記第1突出部は前記キャップ本体の外側の周りに設けられ、前記集電部材は前記キャップ本体と前記第1ラグを接続して、前記エンドキャップと前記第1ラグの電気的な接続を実現するために使用される、請求項4または5に記載の電池単体。
【請求項7】
前記集電部材は、第1集電部、および前記第1集電部に接続された第2集電部を含み、前記第1集電部は前記第1ラグに接続されて前記集電部材と前記第1ラグを電気的に接続させ、前記第2集電部は前記キャップ本体に接続されて前記集電部材と前記エンドキャップを電気的に接続させ、
前記第1集電部が前記第2集電部の前記電極アセンブリに面する表面から突出し、前記集電部材の前記第1集電部に対応する位置に、前記第2集電部の前記電極アセンブリから離れる表面から前記電極アセンブリに面する方向に向かって窪む退避窪み部が形成され、前記集電部材と前記キャップ本体の間に前記退避隙間が形成される、請求項6に記載の電池単体。
【請求項8】
前記第1集電部は、前記第1ラグに当接され溶接され、前記第2集電部は前記キャップ本体に当接されて溶接される、請求項7に記載の電池単体。
【請求項9】
前記集電部材の少なくとも一部が前記第1突出部と前記第1ラグの間に位置し、
前記第1突出部が前記集電部材を介して前記第1ラグを支持する、請求項4または5に記載の電池単体。
【請求項10】
前記集電部材の一部が前記第1ラグに当接されて溶接され、前記集電部材の他の部分が前記第1突出部に当接されて溶接される、請求項9に記載の電池単体。
【請求項11】
前記集電部材はフラットプレート構造である、請求項10に記載の電池単体。
【請求項12】
前記第1突出部は前記キャップ本体の外側の周りに設けられる、請求項9~11のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項13】
前記キャップ本体は前記第1突出部の外側の周りに設けられる、請求項9~11のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項14】
前記エンドキャップは、前記キャップ本体の外側の周りに設けられる第2突出部をさらに含み、
前記第2突出部は前記キャップ本体の内面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って突出し、前記第2突出部の頂端面が前記第1突出部の頂端面よりも前記第1ラグに近く、前記第2突出部が前記第1ラグに当接されて前記第1ラグを支持する、請求項13に記載の電池単体。
【請求項15】
前記エンドキャップにおける前記第2突出部に対応する位置に、前記キャップ本体の外面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って窪む第2窪み部が形成され、前記第2窪み部の底面が前記キャップ本体の内面よりも前記第1ラグに近い、請求項14に記載の電池単体。
【請求項16】
前記第2突出部の外側面が前記ケーシングの内面に当接されて前記ケーシングに溶接され、前記開口を密閉する、請求項13~15のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項17】
前記キャップ本体はフラットプレート構造である、請求項6~16のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項18】
前記キャップ本体は、メインボード本体と第3突出部を含み、前記メインボード本体は前記第3突出部の外側の周りに設けられ、前記第1突出部は前記メインボード本体の外側の周りに設けられ、前記薄弱部は前記第3突出部に形成され、
前記メインボード本体は、対向して設けられた第1内面と第1外面を有し、前記第1内面は前記電極アセンブリに面し、前記第1突出部と前記第3突出部は前記第1内面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って突出し、前記第1突出部の頂端面は前記第3突出部の頂端面よりも前記第1ラグに近く、前記集電部材と前記第3突出部の間に前記薄弱部を退避するための前記退避隙間が形成される、請求項6~12のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項19】
前記キャップ本体における前記第3突出部に対応する位置に、前記第1外面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って窪む第3窪み部が形成され、前記第3突出部の前記第3窪み部の底面に対応する領域に前記薄弱部が形成される、請求項18に記載の電池単体。
【請求項20】
前記キャップ本体に溝が設けられ、前記キャップ本体の前記溝に対向する領域に前記薄弱部が形成される、請求項1~19のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項21】
前記エンドキャップは前記第1ラグと前記ケーシングを電気的に接続させる、請求項1~20のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項22】
前記ケーシングは、側壁と前記側壁に接続された底壁を含み、前記側壁は前記エンドキャップの厚さ方向に沿って延伸して前記電極アセンブリの外周の周りに設けられ、前記底壁に電極引出穴が設けられ、
前記電極アセンブリは、第2ラグをさらに含み、前記第1ラグと前記第2ラグ極性が逆であり、それぞれ前記電極アセンブリの両端に位置し、
前記電池単体は、前記電極引出穴に取り付けられた電極端子を含み、前記電極端子は前記第2ラグに電気的に接続される、請求項21に記載の電池単体。
【請求項23】
前記底壁と前記側壁とは一体的に設けられる、請求項22に記載の電池単体。
【請求項24】
前記第1ラグは負極ラグであり、前記ケーシングの基体材質は鋼である、請求項21~23のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項25】
前記ケーシングの基体材質は前記エンドキャップの基体材質と同じである、請求項1~24のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項26】
前記電池単体は円筒形電池単体である、請求項1~25のいずれか1項に記載の電池単体。
【請求項27】
複数の請求項1~26のいずれか1項に記載の電池単体を含む電池。
【請求項28】
電力エネルギを提供するための請求項27に記載の電池を含む、電力使用装置。
【請求項29】
開口を有するケーシングを用意するステップと、
電極アセンブリを用意し、前記電極アセンブリを前記ケーシング内に取り付け、前記電極アセンブリの前記開口に向かう一端に第1ラグを設けるステップと、
薄弱部が設けられるキャップ本体と、前記キャップ本体に接続された第1突出部とを含むエンドキャップを用意するステップと、
前記エンドキャップを前記ケーシングに接続させて、前記エンドキャップで前記開口をカバーするステップと、を含み、
ここで、前記エンドキャップは、前記電池単体の内部圧力が閾値に達するつと前記薄弱部が破裂して前記内部圧力を解放するように構成され、前記第1突出部は前記電極アセンブリに面する方向に沿って前記キャップ本体から突出し、前記第1ラグを支持して、前記第1ラグと前記キャップ本体の間に前記薄弱部を退避するための退避隙間を形成する、電池単体の製造方法。
【請求項30】
開口を有するケーシングを用意するための第1用意装置と、
電極アセンブリを用意し、前記電極アセンブリを前記ケーシング内に取り付け、前記電極アセンブリの前記開口に向かう一端に第1ラグを設ける第2用意装置と、
薄弱部が設けられるキャップ本体と、前記キャップ本体に接続された第1突出部を含むエンドキャップを用意するための第3用意装置と、
前記エンドキャップを前記ケーシングに接続させて、前記エンドキャップで前記開口をカバーするための組立装置と、を含み、
ここで、前記エンドキャップは、前記電池単体の内部圧力が閾値に達するつと前記薄弱部が破裂して前記内部圧力を解放するように構成され、前記第1突出部は前記電極アセンブリに面する方向に沿って前記キャップ本体から突出し、前記第1ラグを支持して、前記第1ラグと前記キャップ本体の間に前記薄弱部を退避するための退避隙間を形成する、電池単体の製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、電池の技術分野に関し、より具体的に、電池単体、その製造方法および製造システム、電池および電力使用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電池単体は、電子機器、例えば携帯電話、ノートパソコン、電気自転車、電気自動車、電気飛行機、電気船舶、電動玩具自動車、電動玩具船舶、電動玩具飛行機および電気工具などに幅広く適用されている。電池単体は、カドミウムニッケル電池単体、水素ニッケル電池単体、リチウムイオン電池単体およびアルカリ性亜鉛マンガン二次電池単体などを含む。
【0003】
電池技術の開発では、電池単体の性能の向上に加え、安全問題も無視できない問題である。電池単体の安全問題が確保されない場合、この電池単体を使用することができない。したがって、電池単体の安全性を如何に高めるは、電池技術における喫緊の技術的課題である。
【発明の概要】
【0004】
本出願は、電池単体の安全性を高める電池単体、その製造方法および製造システム、電池および電力使用装置を提供する。
【0005】
第1側面によれば、本出願の実施例の電池単体は、開口を有するケーシングと、ケーシング内に収容され、開口に向かう一端に第1ラグが設けられる電極アセンブリと、開口をカバーするエンドキャップであって、薄弱部が設けられるキャップ本体、キャップ本体に接続された第1突出部を含むエンドキャップとを含み、エンドキャップは電池単体の内部圧力が閾値に達すると薄弱部に沿って破裂して内部圧力を解放するように構成される。第1突出部は電極アセンブリに面する方向に向かってキャップ本体から突出して第1ラグを支持し、第1ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間が形成される。
【0006】
上記の解決手段では、キャップ本体から突出する第1突出部は第1ラグを支持し、電池単体振動時の電極アセンブリの搖動度合いを低減して、電極アセンブリの安定性を向上させることができる。第1突出部は第1ラグを支持し、第1ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間が形成され、電極アセンブリが薄弱部を押圧するリスクを低減し、薄弱部が故障する可能性を低減して電池単体の安全性を向上させることができる。
【0007】
いくつかの実施例では、エンドキャップにおける前記第1突出部に対応する位置に前記キャップ本体の外面から前記電極アセンブリに面する方向に沿って窪む第1窪み部が形成され、前記第1窪み部の底面が前記キャップ本体の内面よりも前記第1ラグに近い。
【0008】
上記解決手段は、第1突出部がキャップ本体から突出する度合いを確保し、第1ラグを効果的に支持し、厚さ方向の退避隙間寸法を増加し、電極アセンブリが薄弱部を押圧するリスクを低減させる。同時に、本出願の実施例は、第1突出部の突出度合いを確保する前提下で、第1窪み部の窪み度合いを確保して第1突出部の弾性を高め、装着中第1突出部が第1ラグを押し潰すリスクを低減することができる。
【0009】
いくつかの実施例では、第1突出部は第1ラグに当接されて溶接され、エンドキャップと第1ラグの電気的な接続を実現する。
【0010】
上記の解決手段では、エンドキャップは第1突出部を介して第1ラグに直接電気的に接続され、電池単体の構造を簡略化する。
【0011】
いくつかの実施例では、電池単体は、エンドキャップと第1ラグの間に設けられる集電部材をさらに含む。集電部材は、エンドキャップと第1ラグを接続させてエンドキャップと第1ラグの電気的な接続を実現する。エンドキャップの厚さ方向に、退避隙間が集電部材とキャップ本体の間に位置する。
【0012】
第1突出部はキャップ本体から突出するため、第1突出部はキャップ本体と第1ラグを厚さ方向に隔離し、エンドキャップと第1ラグを直接に接続すると、第1ラグがエンドキャップの第1突出部しかに接続されず、第1ラグの直接電流を転送するための領域が第1突出部によって制限されることがある。上記の解決手段では、集電部材を設けることで第1ラグとエンドキャップを接続させて、第1ラグの直接電流を転送するための領域が第1突出部によって制限されなくなり、第1ラグの電流が集電部材を介してエンドキャップに集中し、集電部材が第1ラグの異なる領域とエンドキャップ間の導電経路の差を低減し、第1ラグの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低減し、電池単体の過流能力と充電効率を向上させることができる。退避隙間は集電部材とキャップ本体の間に位置し、集電部材が薄弱部を押圧するリスクを低減することができるだけでなく、薄弱部の破裂時集電部材が排気通路を詰める可能性を低減し、スムーズな排気を確保し、安全性を高める。
【0013】
いくつかの実施例では、集電部材がエンドキャップの厚さ方向に沿って薄弱部を覆って、薄弱部と第1ラグを隔離する。
【0014】
上記の解決手段では、集電部材は薄弱部と第1ラグを隔離して、薄弱部に落下する電極アセンブリ中の活性粒子を減少し、薄弱部の腐食リスクを低減することができる。
【0015】
いくつかの実施例では、第1突出部がキャップ本体の外側の周りに設けられ、集電部材はキャップ本体と第1ラグを接続させてエンドキャップと第1ラグの電気的な接続を実現するために使用される。
【0016】
いくつかの実施例では、集電部材は、第1集電部、および第1集電部に接続された第2集電部を含み、第1集電部は第1ラグに接続されて集電部材と第1ラグを電気的に接続させ、第2集電部はキャップ本体に接続されて集電部材とエンドキャップを電気的に接続させる。第1集電部は第2集電部の電極アセンブリに面する表面から突出し、集電部材の第1集電部に対応する位置に、第2集電部の電極アセンブリから離れる表面から電極アセンブリに向かう方向に沿って窪む退避窪み部が形成され、集電部材とキャップ本体の間に退避隙間が形成される。
【0017】
上記の解決手段では、退避窪み部を設けることで、退避隙間を形成して第1集電部がキャップ本体に当接されるのを防ぎ、第1集電部が薄弱部を押圧するリスクを低減して、安全性を高める。第1集電部は第1ラグの中部領域を支持し、第1突出部は第1ラグのエッジ領域を支持し、このように第1ラグにかかる力を均一化させ、電極アセンブリのラグが厚さ方向にオフセット、ずれるリスクを低減させる。
【0018】
いくつかの実施例では、第1集電部は第1ラグに当接されて溶接され、第2集電部はキャップ本体に当接されて溶接される。
【0019】
上記の解決手段では、退避窪み部は第1集電部の厚さを減少し、第1集電部と第1ラグの溶接に必要な溶接力を低減し、発熱を減少し、他の部材の焼き損傷リスクを低減することができる。
【0020】
いくつかの実施例では、集電部材の少なくとも一部が第1突出部と第1ラグの間に位置する。第1突出部が集電部材を介して第1ラグを支持する。
【0021】
上記の解決手段では、第1突出部が集電部材を介して第1ラグを支持し、電極アセンブリが電池単体振動時の搖動度合いを減少し、電極アセンブリの安定性を高める。同時に、第1突出部が集電部材を支持し、集電部材とキャップ本体の間に退避隙間を形成する。
【0022】
いくつかの実施例では、集電部材の一部が第1ラグに当接されて溶接され、集電部材の他の部分が第1突出部に当接されて溶接される。
【0023】
上記の解決手段では、溶接により集電部材とエンドキャップ間の接触抵抗および集電部材と第1ラグ間の接触抵抗を減少し、過流能力を向上させることができる。
【0024】
いくつかの実施例では、集電部材はフラットプレート構造である。
【0025】
上記の解決手段では、フラットプレート状の集電部材の成形がより容易である。フラットプレート状の集電部材は全体として第1ラグに接触し、過流面積を増加させ、集電部材がより均一に第1ラグを支持し、電極アセンブリのラグが厚さ方向にオフセット、ずれるリスクを低減することができる。フラットプレート状の集電部材はキャップ本体から完全に隔離し、集電部材とキャップ本体間の退避隙間を確保し、集電部材と薄弱部の接触リスクを低減することができる。
【0026】
いくつかの実施例では、第1突出部はキャップ本体の外側の周りに設けられる。
【0027】
いくつかの実施例では、キャップ本体は第1突出部の外側の周りに設けられる。
【0028】
いくつかの実施例では、エンドキャップは、キャップ本体の外側の周りに設けられる第2突出部をさらに含む。第2突出部はキャップ本体の内面から電極アセンブリに向かう方向に沿って突出し、第2突出部の頂端面が第1突出部の頂端面よりも第1ラグに近く、第2突出部が第1ラグに当接されて第1ラグを支持する。
【0029】
上記の解決手段では、第1突出部は集電部材を介して第1ラグの中部領域を支持し、第2突出部は第1ラグのエッジ領域を支持し、このように第1ラグにかかる力を均一化させ、電極アセンブリのラグが厚さ方向にオフセット、ずれるリスクを低減することができる。
【0030】
いくつかの実施例では、エンドキャップの第2突出部に対応する位置に、キャップ本体の外面から電極アセンブリに向かう方向に沿って窪む第2窪み部が形成され、第2窪み部の底面がキャップ本体の内面よりも第1ラグに近い。
【0031】
上記の解決手段では、第2突出部の突出度合いを確保する前提下で、第2窪み部の窪み度合いをさらに保証して、第2突出部の弾性を高め、装着中第2突出部が第1ラグを押し潰すリスクを低減することができる。
【0032】
いくつかの実施例では、第2突出部の外側面がケーシングの内面に当接されてケーシングに溶接され、開口を密閉する。
【0033】
上記の解決手段では、溶接により密閉を実現し、電解液も漏れリスクを低減し、第2突出部とケーシング間の接続強度および過流能力を向上させることができる。第2窪み部により第2突出部の強度を低減して第2突出部の弾性を高め、このように、第2突出部とケーシングの溶接過程中、第2突出部が変形して溶接応力を放出し、溶接領域の変形、破裂リスクを低減し、密閉性を改善する。
【0034】
いくつかの実施例では、キャップ本体はフラットプレート構造である。
【0035】
いくつかの実施例では、キャップ本体はメインボード本体と第3突出部を含み、メインボード本体が第3突出部の外側の周りに設けられ、第1突出部がメインボード本体の外側の周りに設けられ、薄弱部が第3突出部に形成される。メインボード本体は対向して設けられた第1内面と第1外面を含み、第1内面が電極アセンブリに面し、第1突出部と第3突出部が第1内面から電極アセンブリに向かう方向に沿って突出し、第1突出部の頂端面が第3突出部の頂端面よりも第1ラグに近く、集電部材と第3突出部の間に薄弱部を退避するための退避隙間を形成する。
【0036】
上記の解決手段では、エンドキャップの中部に第3突出部が設けられ、エンドキャップの強度を高め、エンドキャップの変形を減少することができる。第3突出部は突出状態であり、変形しにくいので、薄弱部を第3突出部に設けることで、薄弱部のクリープを減少し、薄弱部の故障リスクを低減する。上記解決手段は、第3突出部と集電部材の間に退避隙間を形成して、薄弱部の破裂時、集電部材が排気通路を詰めるリスクを低減し、スムーズな排気を実現し、安全リスクを低減する。
【0037】
いくつかの実施例では、キャップ本体の第3突出部に対応する位置に、第1外面から電極アセンブリに向かう方向に沿って窪む第3窪み部が形成され、第3突出部の第3窪み部の底面に対向する領域に薄弱部が形成される。
【0038】
上記の解決手段では、薄弱部は第3突出部の第3窪み部の底面に対向する領域に形成され、薄弱部と他の外部部材の距離を減少し、薄弱部が外部の部材によって押し潰されるリスクを低減する。
【0039】
いくつかの実施例では、キャップ本体に溝が設けられ、キャップ本体の溝に対向する領域に薄弱部が形成される。
【0040】
上記の解決手段では、溝を設けることで薄弱部の厚さと強度を減少することにより、電池単体の内部圧力が閾値に達するとエンドキャップが薄弱部に沿って破裂する。
【0041】
いくつかの実施例では、エンドキャップは第1ラグとケーシングを電気的に接続させる。
【0042】
上記の解決手段では、ケーシング自身は電池単体の出力極として使用することができる。複数の電池単体を装着する時、ケーシングがバス部材に電気的に接続され、過流面積を増加させることができるだけでなく、バス部材の構造をより柔軟に設計することができる。
【0043】
いくつかの実施例では、ケーシングは側壁と側壁に接続された底壁を含み、側壁がエンドキャップの厚さ方向に沿って延伸し電極アセンブリの外周に設けられ、底壁に電極引出穴が設けられる。電極アセンブリは第2ラグをさらに含み、第1ラグと第2ラグの極性が逆でありそれぞれ電極アセンブリの両端に設けられる。電池単体は、電極引出穴に取り付けられた電極端子を含み、電極端子は第2ラグに電気的に接続される。
【0044】
上記の解決手段では、底壁と電極端子は電池単体の2つの出力極として使用することができ、電池単体の構造を簡略化し、電池単体の過流能力を保証することができる。底壁と電極端子が電池単体の同一端に位置し、複数の電池単体を装着する時、バス部材が電池単体の同一側に装着され、装着プロセスを簡略化し、装着効率を向上させることができる。
【0045】
いくつかの実施例では、底壁と側壁が一体的に設けられる。本解決手段は底壁と側壁の接続工程を省略することができる。
【0046】
いくつかの実施例では、第1ラグは負極ラグであり、ケーシングの基体材質は鋼である。
【0047】
上記の解決手段では、ケーシングと負極ラグは電気的に接続され、つまり、ケーシングが低電位状態である。鋼製ケーシングにより、低電位状態で電解液によって腐食され、安全が低下するリスクを低減することができる。
【0048】
いくつかの実施例では、ケーシングの基体材質とエンドキャップの基体材質が同じである。本解決手段は、ケーシングとエンドキャップの溶接強度を確保し、電池単体の密閉性を保証することができる。
【0049】
いくつかの実施例では、電池単体は円筒形電池単体である。
【0050】
第2側面によれば、本出願の実施例は、複数の第1側面のいずれか実施例の電池単体を含む電池を提供する。
【0051】
第3側面によれば、本出願の実施例は、電力エネルギを提供するための第2側面の電池を含む電力使用装置を提供する。
【0052】
第4側面によれば、本出願の実施例は、電池単体の製造方法を提供し、この方法は、
【0053】
開口を有するケーシングを用意するステップと、
【0054】
電極アセンブリを用意し、電極アセンブリをケーシング内に取り付け、電極アセンブリの開口に向かう一端に第1ラグを設けるステップと、
【0055】
薄弱部が設けられるキャップ本体と、キャップ本体に接続された第1突出部とを含むエンドキャップを用意するステップと、
【0056】
エンドキャップをケーシングに接続させて、エンドキャップで開口をカバーするステップと、を含み、
【0057】
ここで、エンドキャップは、電池単体の内部圧力が閾値に達するつと薄弱部が破裂して内部圧力を解放するように構成され、第1突出部は電極アセンブリに面する方向に沿ってキャップ本体から突出し、第1ラグを支持して、第1ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間を形成する。
【0058】
第5側面によれば、本出願の実施例は、電池単体の製造システムを提供し、このシステムは、
【0059】
開口を有するケーシングを用意するための第1用意装置と、
【0060】
電極アセンブリを用意し、電極アセンブリをケーシング内に取り付け、電極アセンブリの開口に向かう一端に第1ラグを設ける第2用意装置と、
【0061】
薄弱部が設けられるキャップ本体と、キャップ本体に接続された第1突出部を含むエンドキャップを用意するための第3用意装置と、
【0062】
エンドキャップをケーシングに接続させて、エンドキャップで開口をカバーするための組立装置と、を含み、
【0063】
ここで、エンドキャップは、電池単体の内部圧力が閾値に達するつと薄弱部が破裂して内部圧力を解放するように構成され、第1突出部は電極アセンブリに面する方向に沿ってキャップ本体から突出し、第1ラグを支持して、第1ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間を形成する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】本出願のいくつかの実施例によって提供される車両の構造概略図である。
【
図2】本出願のいくつかの実施例によって提供される電池の分解概略図である。
【
図3】
図2に示す電池モジュールの分解概略図である。
【
図4】本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の分解概略図である。
【
図5】本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の断面概略図である。
【
図6】
図5に示す電池単体の丸枠Aの拡大概略図である。
【
図7】本出願の別のいくつかの実施例によって提供される電池単体の断面概略図である。
【
図8】
図7に示す電池単体の丸枠Bの拡大概略図である。
【
図9】本出願の別のいくつかの実施例によって提供される電池単体の断面概略図である。
【
図10】
図9に示す電池単体の方枠Cの拡大概略図である。
【
図11】本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の製造方法の概略フローチャートである。
【
図12】本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の製造システムの概略ブロック図である。
【0065】
添付図面では、図面は必ずしも実際の縮尺で描かれていない。
【発明を実施するための形態】
【0066】
本出願の実施例の目的、技術手段および利点をより明確にするために、以下本出願の実施例中の図面を参照して、本出願の実施例中の技術手段を明らかに説明するが、説明される実施例は本出願の一部の実施例に過ぎず、すべての実施例ではないことを言うまでもない。本出願中の実施例に基づいて、当業者は創造的な労働をすることなく得られた他の実施例は、すべて本出願の保護範囲に含まれる。
【0067】
特に定義しない限り、本出願で使用されるすべての技術および科学用語は本出願の技術分野の当業者が通常に理解する意味と同じであり、本出願の明細書で使用される用語は具体的な実施例を説明する目的でのみ使用され、本出願を限定するものではなく、本出願の明細書および特許請求の範囲並びに上記図面で説明される「含む」、「有する」などの用語およびそれらの変形は、非排他的な包含を含むことを意図している。本出願の明細書や特許請求の範囲または上記図面での「第1」、「第2」などの用語は異なる対象を区別する目的でのみ使用され、特定の順序や優先関係を説明するものではない。
【0068】
本出願で言及される「実施例」とは、実施例に関連して説明される特定の特徴、構造、または特性が、本出願の少なくとも1つの実施例に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な場所でのこのフレーズの出現は、必ずしも全てが同じ実施例に言及しているわけではなく、他の実施例と互いに排他的である別個のまたは代替の実施例に言及しているわけでもない。
【0069】
本出願の説明において、明示的に規定され限定されない限り、「取付」、「接続」、「連結」、「付属」という用語は広義に理解されるべきであることに留意すべきであり、例えば、固定接続であってもよい、着脱接続であってもよい、一体接続でもよい、直接接続でも中間媒体を介して間接接続でもよい、2つの構成要素の内部通信であってもよい、などが挙げられる。当業者にとって、本出願における上記用語の具体的な意味は、特定の状況に応じて理解することができる。
【0070】
本出願の「および/または」の用語は、単に関連対象の関連関係を説明するものであり、例えば、Aおよび/またはBは、A単独、AおよびBの両方、B単独という3つの意味を有する。また、本出願の「/」の文字は、一般に、前後の関連対象が「または」の関係を有することを意味する。
【0071】
本出願の実施例において、同じ参照数字は同じ構成要素を示し、簡潔さのために、異なる実施例において同じ構成要素の詳細な説明は省略される。添付図面に示された本出願の実施例における各種構成要素の厚さ、長さ、幅などの寸法や、一体型装置の全体の厚さ、長さ、幅などは、例示的な説明に過ぎず、本出願を限定するものではないことを理解されたい。
【0072】
本出願で使用する「複数」という用語は、2つ以上(2つを含む)を意味する。
【0073】
本出願では、電池単体は、リチウムイオン二次電池、リチウムイオン一次電池、リチウム硫黄電池、ナトリウムリチウムイオン電池、ナトリウムイオン電池またはマグネシウムイオン電池などを含むが、本出願の実施例では特に限定されない。電池単体は円筒形、平板形、角形または他の形状であり得るが、本出願の実施例は特に限定されない。
【0074】
本出願の実施例で言及した電池は、より高い電圧及び容量を提供するために、1つ以上の電池単体を含む単一の物理的なモジュールを意味する。例えば、本出願で言及される電池は、電池モジュールまたは電池パックなどを含んでもよい。電池は、典型的には、1つ以上の電池単体を封入するための箱を含む。箱は、液体や他の異物が電池単体の充電または放電に影響を与えることを防止することができる。
【0075】
電池単体は、電極アセンブリと電解液を含み、電極アセンブリは正極片、負極片およびダイヤフラムから構成される。電池単体は主に正極片と負極片間の金属イオンの移動により動作する。正極片は正極集電体と正極活物質層を含み、正極活物質層は正極集電体の表面に塗布され、正極活物質層が塗布されていない正極集電体は正極活物質層が塗布された正極集電体から突出し、正極活物質層が塗布されていない正極集電体を正極ラグとする。リチウムイオン電池を例にすると、正極集電体の材料はアルミニウムであり得、正極活物質はコバルト酸リチウム、リン酸鉄リチウム、三元系リチウムまたはマンガン酸リチウムなどであり得る。負極片は負極集電体と負極活物質層を含み、負極活物質層は負極集電体の表面に塗布され、負極活物質層が塗布されていない負極集電体は負極活物質層が塗布された負極集電体から突出し、負極活物質層が塗布されていない負極集電体を負極ラグとする。負極集電体の材料は銅であり得、負極活物質は炭素またはケイ素などであり得る。溶断することなく大電流を流すために、正極ラグは複数で積層され、負極ラグは複数で積層される。ダイヤフラムの材質はPP(polypropylene、ポリプロピレン)またはPE(polyethylene、ポリエチレン)などであり得る。
【0076】
電池単体はケーシングとエンドキャップを含み、ケーシングは開口を有し電極アセンブリを収容し、電極アセンブリはケーシングの開口を介してケーシング内に装着される。エンドキャップはケーシングの開口をカバーして密閉を実現する。
【0077】
電池単体の場合、主な安全上危険は充電と放電過程から生じ、同時に適切な環境温度設計からの影響も受け、不必要な損失を効果的に避けるために、一般に3種類の電池単体保護対策がある。具体的には、保護対策は少なくともスイッチングデバイス、適切なダイヤフラム材料および圧力解放機構を含む。スイッチングデバイスとは、電池単体内の温度または抵抗が一定閾値に達すると電池の充電または放電を停止するためのデバイスを指す。ダイヤフラムは正極片と負極片を隔離するために使用され、温度が一定値に上昇するとその上に付着したミクロンオーダー(あるいはナノオーダー)微細穴を自動的に溶解し、金属イオンがダイヤフラムを通過することを遮断して、電池単体の内部反応を終了させることができる。
【0078】
圧力解放機構とは、電池単体の内部圧力または温度が所定閾値に達すると動作して内部圧力または温度を解放するためのデバイスまたは部材を指す。この閾値は、設計要件に応じて設計され得る。前記閾値は、電池単体中の正極片、負極片、電解液とダイヤフラムのうちの1つまたは複数の材料に依存する。
【0079】
本出願で提出される「動作」とは、圧力解放機構が動作しまたは一定の状態まで活性化されて、電池単体の内部圧力および温度を解放することを意味する。圧力解放機構の動作は、圧力解放機構中の少なくとも一部が破断、破砕、裂かれまたは開かれるなどのを含むが、これらに限定されない。圧力解放機構の動作時、電池単体の内部の高温高圧物質が排出物として動作部位から外部へ排出される。このように、圧力または温度を制御可能の場合に電池単体の圧力を解放し、温度を下げて、潜在的なより重大な事故を未然に防止することができる。本出願で言う電池単体からの排出物は、電解液、溶解または分割した正負極片、ダイヤフラムの破片、反応による高温高圧ガス、火炎などを含むが、これらに限定されない。
【0080】
電池単体の圧力解放機構は、電池の安全性に重要な影響を与える。例えば、短絡、過充電などの場合、電池単体内部で熱暴走が起こり、圧力または温度が急激に上昇することがある。このような場合に、圧力解放機構の動作により内部圧力および温度を外部に放出でき、電池単体の爆発や発火を防止することができる。
【0081】
圧力解放機構は防爆弁、ガス弁、圧力解放弁または安全弁などの形を採用し、具体的には、圧力や温度に敏感な部品や構造物の形態をとることができ、つまり、電池単体の内部圧力または温度が所定閾値に達すると、圧力解放機構が動作しまたは圧力解放機構に設けられた弱構造が破壊されて割れ、内部圧力または温度の解放開口または通路を形成する。
【0082】
電池単体の構造を簡略化するために、発明者は圧力解放機構をエンドキャップに積層することを考えた。例えば、発明者は、エンドキャップに薄弱部を設け、エンドキャップが、電池単体の内部圧力が閾値に達すると薄弱部に沿って破裂して内部圧力を解放するように構成される。短絡や過充電などの現象が発生すると、電池単体の内部に熱暴走が発生して圧力が急激に上昇する場合、薄弱部の破裂により内部圧力を外部に放出して電池単体の分解、火災を防止し、安全性を高める。
【0083】
しかしながら、発明者の研究によると、電池単体の振動時、電極アセンブリのラグが薄弱部を押圧や衝撃しやすく、薄弱部の強度が低くなる可能性があり、ラグによって押圧や衝撃されると、薄弱部は電池単体の内部圧力が閾値に達していないとき破裂し、電池単体が故障し、安全上問題を招く可能性がある。
【0084】
これを鑑み、本出願の実施例は以下の技術手段を提供し、この技術手段では、エンドキャップはキャップ本体とキャップ本体に接続された第1突出部を含み、キャップ本体に薄弱部が設けられ、第1突出部は電極アセンブリに向かう方向に沿ってキャップ本体から突出し、電極アセンブリのラグを支持して、ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間が形成される。このような構造を有する電池単体は、電極アセンブリが薄弱部を押圧するリスクを低減し、電池単体の安全性を高める。
【0085】
本出願の実施例で説明される技術手段は、電池および電池を使用する電力使用装置に適用され得る。
【0086】
電力使用装置は、車両、携帯電話、携帯機器、ノートパソコン、船舶、航行器、電動玩具や電動工具などであり得る。車両は燃料自動車、ガス自動車または新エネルギー自動車であり得、新エネルギー自動車は純電自動車、ハイブリッド自動車または長距離自動車などであり得、航行器は飛行機、ロケット、スペースシャトルおよび宇宙船等を含み、電動玩具は固定式または移動式の電動玩具、例えばゲームマシーン、電気自動車玩具、電動船舶玩具および電動飛行機玩具などを含み、電動工具は金属切削電動工具、研磨電動工具、装着電動工具および鉄道用電動工具、例えば、電気ドリル、電気サンダー、電気スパナ、電気ドライバー、電気ハンマ、電気インパクトドリル、コンクリートバイブレーターおよび電気カンナなどを含む。本出願の実施例では、上記電力使用装置に特に限定されない。
【0087】
以下の実施例では、説明の便宜上、電力使用装置が車両である場合を例にして説明する。
【0088】
図1は本出願のいくつかの実施例によって提供される車両の構造概略図である。
図1に示すように、車両1の内部に電池2が設けられ、電池2は車両1の底部または前部または後部に配置されてもよい。電池2は車両1の供電に使用され、例えば、電池2は車両1の操作電源として使用される。
【0089】
車両1は、コントローラー3とモータ4をさらに含み、コントローラー3は電池2からモータ4への供電を制御し、例えば、車両1の起動、ナビゲーションと走行時の動作電力使用要件に使用され得る。
【0090】
本出願のいくつかの実施例では、電池2は車両1の操作電源に加え、車両1の駆動電源として使用され、燃料またはガスの一部または全部を代替して車両1に駆動動力を提供する。
【0091】
図2は本出願のいくつかの実施例によって提供される電池の分解概略図である。
図2に示すように、電池2は箱体5と電池単体(
図2では図示しない)を含み、電池単体は箱体5内に収容される。
【0092】
箱体5は、電池単体を収容し、箱体5は様々な構造であり得る。いくつかの実施例では、箱体5は、第1箱体部5aと第2箱体部5bを含み、第1箱体部5aと第2箱体部5bは互いにキャプされ、第1箱体部5aは第2箱体部5bとともに電池単体を収容する収容空間5cを限定する。第2箱体部5bは一端が開口した中空構造であり、第1箱体部5aは板状構造であり、第1箱体部5aは第2箱体部5bの開口側をカバーして収容空間5cを有する箱体5を形成し、第1箱体部5aと第2箱体部5bは一側が開口した中空構造であり、第1箱体部5aの開口側は第2箱体部5bの開口側をカバーして収容空間5cを有する箱体5を形成する。もちろん、第1箱体部5aと第2箱体部5bは、円筒体、直方体などの様々な形状であってもよい。
【0093】
第1箱体部5aと第2箱体部5bの接続密閉性を高めるために、第1箱体部5aと第2箱体部5bの間に、シールゴム、シールリングなどのシール部材を設けてもよい。
【0094】
第1箱体部5aが第2箱体部5bの頂部をカバーする場合、第1箱体部5aを上部箱カバー、第2箱体部5bを下部箱体と呼んでもよい。
【0095】
電池2では、電池単体は1つまたは複数であってもよい。電池単体が複数である場合、複数の電池単体間は直列、並列または混合接続され得、混合接続とは複数の電池単体を直列および並列接続してもよい。複数の電池単体間は直接に直列、並列または混合接続して、複数の電池単体からなる全体を箱体5内に収容し、もちろん、複数の電池単体をまず直列、並列または混合接続して電池モジュール6を形成してから、複数の電池モジュール6を直列、並列または混合接続して全体として箱体5内に収容する。
【0096】
図3は
図2に示す電池モジュールの分解概略図である。
【0097】
いくつかの実施例では、
図3に示すように、電池単体7は複数あり、複数の電池単体7をまず直列、並列または混合接続して電池モジュール6を形成する。複数の電池モジュール6を直列、並列または混合接続して全体として箱体内に収容する。
【0098】
電池モジュール6中の複数の電池単体7の間はバス部材を介して電気的に接続され、電池モジュール6中の複数の電池単体7の並列または直列または混合接続を実現する。
【0099】
図4は本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の分解概略図である。
図5は本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の断面概略図である。
図6は
図5に示す電池単体の丸Aの拡大概略図である。
【0100】
図4~
図6に示すように、本出願の実施例の電池単体7は、開口21を有するケーシング20と、ケーシング20内に収容され、開口21に向かう一端に第1ラグ12が設けられる電極アセンブリ10と、開口21をカバーするためのエンドキャップ30とを含み、エンドキャップ30はキャップ本体31とキャップ本体31に接続された第1突出部32を含み、キャップ本体31に薄弱部311が設けられ、エンドキャップ30は、電池単体7の内部圧力が閾値に達すると薄弱部311に沿って破裂して内部圧力を解放する。第1突出部32は電極アセンブリ10に向かう方向に沿ってキャップ本体31から突出し、第1ラグ12を支持し、第1ラグ12とキャップ本体31の間に薄弱部311を退避するための退避隙間Gを形成する。
【0101】
電極アセンブリ10は、第1ラグ、第2ラグおよびダイヤフラムを含み、ダイヤフラムは、第1ラグと第2ラグを隔離するために使用される。第1ラグと第2ラグの極性が逆であり、言い換えれば、第1ラグと第2ラグの一方が正極ラグであり、第1ラグと第2ラグの他方が負極ラグである。
【0102】
選択可能に、第1ラグ、第2ラグおよびダイヤフラムはいずれも帯状構造であり、第1ラグ、第2ラグおよびダイヤフラムが一体的に巻き取られて巻取構造を形成する。巻取構造は円筒状構造、フラット構造または他の形状の構造であってもよい。
【0103】
電極アセンブリ10の外観から見て、電極アセンブリ10は本体部11、第1ラグ12と第2ラグ13を含み、第1ラグ12と第2ラグ13が本体部11から突出する。第1ラグ12は第1ラグの活物質層が塗布されていない部分であり、第2ラグ13は第2ラグの活物質層が塗布されていない部分である。これに対応して、第1ラグ12と第2ラグ13の一方が正極性のラグであり、他方が負極性のラグである。
【0104】
第1ラグ12と第2ラグ13は本体部11の同一側から延出してもよいし、それぞれ反対の両側から延出してもよい。
【0105】
例示的に、第1ラグ12と第2ラグ13はそれぞれ本体部11の両側に設けられ、言い換えれば、第1ラグ12と第2ラグ13はそれぞれ電極アセンブリ10の両端に設けられる。選択可能に、第1ラグ12は電極アセンブリ10のエンドキャップ30に面する一端に位置し、第2ラグ13は電極アセンブリ10のエンドキャップ30から離れる一端に位置する。
【0106】
選択可能に、第1ラグ12は電極アセンブリ10の中心軸線Xの周りに複数ターンで巻き取られ、言い換えれば、第1ラグ12は複数ターンのラグ層を含む。巻取が完了した後、第1ラグ12は大体柱状であり、隣接する2ターンのラグ層の間に隙間がある。本出願の実施例は、第1ラグ12を処理してラグ層間の隙間を減少し、第1ラグ12と他の導電構造を容易に接続する。例えば、本出願の実施例は第1ラグ12を平坦化処理して、第1ラグ12の本体部11から離れる端部領域を集まり、平坦化処理により第1ラグ12の本体部11から離れる一端に緻密な端面を形成し、ラグ層間の隙間を減少して、第1ラグ12と他の導電構造を容易に接続させる。代替的に、本出願の実施例は、隣接する2ターンのラグ層の間に導電材料を充填してラグ層間の隙間を減少してもよい。
【0107】
選択可能に、第2ラグ13は電極アセンブリ10の中心軸線Xの周りに複数ターンで巻き取られ、第2ラグ13は複数ターンのラグ層を含む。例示的に、第2ラグ13も平坦化処理して第2ラグ13のラグ層間の隙間を減少する。
【0108】
ケーシング20は一側が開口した中空構造であり、エンドキャップ30はケーシング20の開口21をカバーして密閉接続を形成し、電極アセンブリ10および電解液を収容するための収容チャンバーを形成する。
【0109】
ケーシング20は中空構造であり、その内部に電極アセンブリ10を収容するための空間が形成される。ケーシング20は、円筒体、直方体などの様々な形状であってもよい。ケーシング20の形状は、電極アセンブリ10の具体的な形状に応じて決定され得る。例えば、電極アセンブリ10は円筒体構造である場合円筒体ケーシングを採用し、電極アセンブリ10は直方体構造である場合直方体ケーシングを採用する。
【0110】
ケーシング20は、側壁22と底壁23を含み、側壁22は電極アセンブリ10の外側の周りに設けられ、底壁23は側壁22の一端に接続される。側壁22は筒状構造であり、例えば、側壁22は円筒または方筒であり、底壁23は板状構造であり、その形状は側壁22の形状に対応する。選択可能に、側壁22の一端に開口21が形成され、底壁23は側壁22の開口21から離れる一端に接続される。
【0111】
側壁22と底壁23は一体的構造であり、つまりケーシング20は一体的に成形される部材であってもよい。もちろん、側壁22と底壁23は別体の2つの部材であり、溶接、リベット、接着などによって接続されてもよい。
【0112】
エンドキャップ30は電極アセンブリ10に電気的に接続されてもよいし、電極アセンブリ10に絶縁可能に設けられてもよい。選択可能に、エンドキャップ30は第1ラグ12に電気的に接続されてもよい。もちろん、エンドキャップ30は直接第1ラグ12に電気的に接続されてもよいし、他の導電部材を介して第1ラグ12に電気的に接続されてもよい。
【0113】
ケーシング20は正電荷、負電荷、非電荷のものにしてもよい。ケーシング20が帯電する必要がある時、ケーシング20は直接に電極アセンブリ10のラグに接続されてもよいし、他の導電部材を介してラグに電気的に接続されてもよい。
【0114】
エンドキャップ30とケーシング20は溶接により接続されると、エンドキャップ30とケーシング20は同じ極性になる。例示的に、ケーシング20が正電荷の場合、エンドキャップ30によりケーシング20を正極性のラグに電気的に接続させ、ケーシング20が負電荷の場合、エンドキャップ30によりケーシング20を負極性のラグに電気的に接続させる。もちろん、ケーシング20は他の導電構造を介してラグに接続してもよく、本実施例では特に限定されない。
【0115】
ケーシング20とエンドキャップ30は同じ材料で形成されてもよいし、異なる材料で形成されてもよい。
【0116】
キャップ本体31は板状構造であり、エンドキャップ30の厚さ方向Zに沿って対向して設けられた内面と外面を有し、キャップ本体の内面31aは電極アセンブリ10に面する。キャップ本体の内面31aは平面、曲面または平面と曲面の組合せであってもよい。キャップ本体の外面31bは平面、曲面または平面と曲面の組合せであってもよい。選択可能に、キャップ本体の内面31aとキャップ本体の外面31bは平面で平行に設けられる。
【0117】
薄弱部311はキャップ本体31の一部であり、薄弱部311の強度がキャップ本体31の他の部分よりも小さい。本実施例では、薄弱部311の厚さを減少し、薄弱部311の材料を変更し、または他の方法によって薄弱部311の強度を減少することができる。
【0118】
薄弱部311は電極アセンブリ10の中心軸線Xの周りに1ターンで設けられてもよいし、中心軸線の周りに1/2ターン、2/3ターンまたは3/4ターンなどで設けられてもよく、本実施例では特に限定されない。
【0119】
第1突出部32はキャップ本体の内面31aに対して電極アセンブリ10に向かう方向に沿って突出し、第1突出部32の少なくとも一部がキャップ本体の内面31aから突出する。本実施例では、第1突出部32がキャップ本体の内面31aから突出する度合いについて限定されない。
【0120】
第1突出部32は1つまたは複数であってもよい。選択可能に、第1突出部32が複数の場合、複数の第1突出部32がエンドキャップ30の周方向に沿って間隔を空けて設けられてもよい。
【0121】
第1突出部32は第1ラグ12に当接され、直接第1ラグ12を支持してもよいし、もちろん、第1突出部32は他の部材を支持することで第1ラグ12を間接的に支持してもよい。
【0122】
厚さ方向Zにおいて、退避隙間Gが第1ラグ12とキャップ本体31の間に位置する。退避隙間Gは、第1ラグ12とキャップ本体31間の他の固体部材で充填されていない空間である。退避隙間Gと薄弱部311が厚さ方向Zに沿って対向して、薄弱部311を退避する作用を果たす。
【0123】
第1ラグ12とキャップ本体31の間に他の部材を設けてもよく、退避隙間Gがこの部材と薄弱部311を隔離すればよい。もちろん、第1ラグ12とキャップ本体31の間に他の部材を設けなければよい。
【0124】
本実施例では、キャップ本体31から突出する第1突出部32は第1ラグ12を支持し、電極アセンブリ10が電池単体7振動時の搖動度合いを減少して、電極アセンブリ10の安定性を高めることができる。第1突出部32は第1ラグ12を支持し、第1ラグ12とキャップ本体31の間に薄弱部311を退避するための退避隙間Gを形成して、電極アセンブリ10が薄弱部311を押圧するリスクを低減し、薄弱部311の故障可能性を減少して、電池単体7の安全性を高める。
【0125】
特に、巻取構造を有する第1ラグ12の本体部11から離れる端面の平坦度が低く、第1ラグ12の端面が薄弱部311を押圧すると、薄弱部311がより容易に破裂する。本出願では、退避隙間Gを設けることで、第1ラグ12が薄弱部311を押圧するリスクを低減し、薄弱部311の故障可能性を減少する。
【0126】
いくつかの実施例では、キャップ本体31に溝312が設けられ、キャップ本体31の溝312に対向する領域に薄弱部311が形成される。
【0127】
選択可能に、溝312はキャップ本体の内面31aに設けられ、薄弱部311はキャップ本体31の溝312の底面とキャップ本体の外面31b間に位置する部分である。代替的に、溝312は、キャップ本体の外面31bに設けられてもよく、薄弱部311はキャップ本体31の溝312の底面とキャップ本体の内面31a間に位置する部分である。
【0128】
本実施例では、溝312を設けることで薄弱部311の厚さと強度を減少し、電池単体7の内部圧力が閾値に達するとエンドキャップ30が薄弱部311に沿って破裂する。
【0129】
いくつかの実施例では、溝312はキャップ本体の内面31aに設けられる。溝312は退避隙間Gと連通する。
【0130】
本実施例の溝312は、薄弱部311と第1ラグ12間の間隔を増加させ、第1ラグ12が薄弱部311を押圧するリスクを減少することができる。
【0131】
いくつかの実施例では、第1ラグ12はエンドキャップ30に電気的に接続される。
【0132】
エンドキャップ30は第1ラグ12に直接接続され、例えば、エンドキャップ30は第1ラグ12に直接溶接されて、エンドキャップ30と第1ラグ12の電気的な接続を実現する。
【0133】
代替的に、エンドキャップ30は、他の導電構造(例えば後述の集電部材)を介して第1ラグ12に間接的に接続されてもよい。本実施例では、第1突出部32を導電構造に接続してもよいし、キャップ本体31を導電構造に接続してもよい。
【0134】
本実施例では、エンドキャップ30は帯電可能であり、電池単体7の出力極として使用でき、従来の電極端子の1つを省略して、電池単体7の構造を簡略化することができる。
【0135】
いくつかの実施例では、エンドキャップ30は第1ラグ12とケーシング20に電気的に接続される。
【0136】
本実施例では、ケーシング20自身は電池単体7の出力極として使用することができる。複数の電池単体7を装着する時、ケーシング20はバス部材に電気的に接続され、過流面積を増加できるだけでなく、バス部材の構造をより柔軟に設計することもできる。
【0137】
いくつかの実施例では、ケーシング20は、側壁22と側壁22に接続された底壁23を含み、側壁22はエンドキャップ30の厚さ方向Zに沿って延伸して電極アセンブリ10の外周の周りに設けられ、底壁23に電極引出穴231が設けられる。電極アセンブリ10は第2ラグ13をさらに含み、第1ラグ12と第2ラグ13の極性が逆であり、それぞれ電極アセンブリ10の両端に位置する。電池単体7は、電極引出穴231に取り付けられた電極端子40を含み、電極端子40は第2ラグ13に電気的に接続される。
【0138】
第2ラグ13は、電極端子40に直接電気的に接続されてもよいし、他の導電構造を介して電極端子40に間接的に電気的に接続されてもよい。
【0139】
電極端子40は底壁23に絶縁可能に設けられ、電極端子40と底壁23は異なる極性を有し、電極端子40と底壁23はそれぞれ電池単体7の2つの出力極として使用することができる。
【0140】
第1ラグ12は負極ラグであり、第2ラグ13は正極ラグである場合、底壁23は電池単体7の負出力極であり、電極端子40は電池単体7の正出力極である。第1ラグ12は正極ラグであり、第2ラグ13は負極ラグである場合、底壁23は電池単体7の正出力極であり、電極端子40は電池単体7の負出力極である。
【0141】
電極端子40は底壁23に固定される。電極端子40は全体として底壁23の外側に固定されてもよいし、電極引出穴231を介してケーシング20の内部に延伸してもよい。
【0142】
第1ラグ12は、電極アセンブリ10のエンドキャップ30に向かう一端に位置し、エンドキャップ30と第1ラグ12を電気的に接続させ、これに対応して、第2ラグ13は電極アセンブリ10の底壁23に向かう一端に位置し、電極端子40と第2ラグ13を電気的に接続させる。本出願の実施例では、第1ラグ12と第2ラグ13は電極アセンブリ10の両端に設けられ、第1ラグ12と第2ラグ13の導通リスクを低減し、第1ラグ12の過流面積と第2ラグ13の過流面積を増加させることができる。
【0143】
本実施例では、底壁23と電極端子40は電池単体7の2つの出力極として使用することができ、電池単体7の構造を簡略化し、電池単体7の過流能力を保証することができる。底壁23と電極端子40は電池単体7の同一端に位置し、複数の電池単体7を装着する時、バス部材は電池単体7の同一側に装着され、装着プロセスを簡略化して装着効率を高めることができる。
【0144】
いくつかの実施例では、底壁23と側壁22は一体的に設けられる。本実施例では、底壁23と側壁22の接続工程を省略することができる。ケーシング20は引張プロセスによって成形され得る。
【0145】
本出願の実施例の電極引出穴231は、ケーシング20の引張成形後形成される。
【0146】
発明者は、ケーシングの開口端をロールでプレスし、ケーシングの開口端を内側へ折り返して折り返し構造を形成し、折り返し構造がエンドキャップを押すことでエンドキャップの固定を実現することを考えた。発明者は電極端子をエンドキャップに取り付け、折り返し構造と電極端子を電池単体の2つの出力極として使用する。しかしながら、折り返し構造の寸法が大きいほど、成形後巻きや皺が発生するリスクが高くなり、折り返し構造の巻きや皺が発生すると、折り返し構造の表面が平坦しなくなり、折り返し構造がバス部材に溶接されると、溶接不良という問題がある。したがって、折り返し構造の寸法が制限され、電池単体の過流能力が不足である。
【0147】
本実施例では、穴開けプロセスにより底壁23に電極端子40を取り付けるための電極引出穴231が形成され、正出力極と負出力極を電池単体7の開口21から離れる一端に設け、底壁23はケーシング20の成形過程中形成され、電極引出穴231を開設しても底壁23の平坦性を確保し、底壁23とバス部材の接続強度を保証することができる。同時に、底壁23の平坦性が自身の寸法によって制限されないため、底壁23は比較的大きい寸法を有し、電池単体7の過流能力を高める。
【0148】
いくつかの実施例では、第1ラグ12は負極ラグであり、ケーシング20の基体材質は鋼である。
【0149】
ケーシング20は負極ラグに電気的に接続され、つまり、ケーシング20は低電位状態である。鋼製ケーシング20により、低電位状態下で電解液によって腐食され安全リスクが低下するのを回避することができる。
【0150】
いくつかの実施例では、ケーシング20はエンドキャップ30に溶接される。溶接により、ケーシング20とエンドキャップ30の接続を実現し、ケーシング20とエンドキャップ30間の過流能力を高めるだけでなく、密閉性を向上させることができる。
【0151】
いくつかの実施例では、ケーシング20の基体材質とエンドキャップ30の基体材質は同じである。選択可能に、ケーシング20の基体材質とエンドキャップ30の基体材質は鋼である。
【0152】
本実施例では、ケーシング20の基体材質とエンドキャップ30の基体材質は同じであり、ケーシング20とエンドキャップ30の溶接強度を確保し、電池単体7の密閉性を保証することができる。
【0153】
いくつかの実施例では、電池単体7は円筒形電池単体である。これに対応して、電極アセンブリ10は円筒構造であり、ケーシング20は円筒状の中空構造である。
【0154】
いくつかの実施例では、エンドキャップ30の第1突出部32に対応する位置に、キャップ本体の外面31bから電極アセンブリ10に向かう方向に沿って窪む第1窪み部33が形成され、第1窪み部33の底面がキャップ本体の内面31aよりも第1ラグ12に近い。
【0155】
第1窪み部33により、第1突出部32の強度を低下し、第1突出部32の弾性を高め、第1突出部32がケーシング20に延伸して第1ラグ12に当接される過程中、第1突出部32は変形により応力を解放し、衝撃力を減少し、第1ラグ12が押し潰されるリスクを低減することができる。
【0156】
第1窪み部33と第1突出部32はエンドキャップ30をプレスすることによって形成される。第1窪み部33は厚さ方向Zの深さに沿って大きくなることに従い、第1突出部32はキャップ本体の内面31aから突出する度合いも大きくなり、退避隙間Gも大きくなる。
【0157】
本出願の実施例では、第1突出部32のキャップ本体31からの突出度合いを保証し、第1ラグ12をより効果的に支持でき、退避隙間Gの厚さ方向Zに沿った寸法を増加させ、電極アセンブリ10が接触薄弱部311を押圧するリスクを低減することができる。同時に、本出願の実施例では、第1突出部32の突出度合いを保証する前提下で、第1窪み部33の窪み度合いをさらに保証し、第1突出部32の弾性を高め、装着過程中第1突出部32が第1ラグ12を押し潰すリスクを低減することができる。
【0158】
選択可能に、第1窪み部33の底面が平面でキャップ本体の内面31aに平行である。
【0159】
いくつかの実施例では、電池単体7は、エンドキャップ30と第1ラグ12の間に設けられる集電部材50をさらに含む。集電部材50は、エンドキャップ30と第1ラグ12を接続させ、エンドキャップ30と第1ラグ12を電気的に接続させる。エンドキャップ30の厚さ方向Zに、退避隙間Gが集電部材50とキャップ本体31の間に位置する。
【0160】
集電部材50は溶接、接着または他の方法によって第1ラグ12に接続され、第1ラグ12との電気的な接続を実現する。集電部材50は、溶接、接着または他の方法によってエンドキャップ30に接続され、エンドキャップ30との電気的な接続を実現する。
【0161】
集電部材50は、第1突出部32に接続されてもよいし、キャップ本体31に接続されてもよいし、エンドキャップ30の他の部分に接続されてもよい。
【0162】
第1突出部32はキャップ本体31から突出するので、第1突出部32はキャップ本体31と第1ラグ12を厚さ方向Zに隔離し、エンドキャップ30と第1ラグ12を直接接続させると、第1ラグ12はエンドキャップ30の第1突出部32しかに接続されない。第1突出部32と第1ラグ12を直接接続させると、第1ラグ12の第1突出部32に対向する部分のみ第1突出部32に直接接続し、第1ラグ12の電流を直接転送するための領域が第1突出部32によって制限され、第1突出部32と第1ラグ12間の過流面積が不足であり、第1ラグ12のキャップ本体31と厚さ方向Zに沿って対向する部分上の電流がまず第1ラグ12の第1突出部32に溶接される部分に流れた後、第1突出部32に流れる必要があるため、第1ラグ12の異なる領域とエンドキャップ30間の導電経路の差が大きくなり、電池単体7の過流能力と充電効率に悪影響を与える。
【0163】
本出願の実施例では、集電部材50を設けることで、第1ラグ12とエンドキャップ30を接続させ、第1ラグ12の電流を直接転送するための領域が第1突出部32によって制限されなくなり、第1ラグ12の電流が集電部材50を介してエンドキャップ30に集まり、集電部材50は第1ラグ12の異なる領域とエンドキャップ30間の導電経路の差を減少し、第1ラグの電流密度の均一性を高め、内部抵抗を低減し、電池単体7の過流能力と充電効率を向上させることができる。
【0164】
本実施例では、退避隙間Gが集電部材50とキャップ本体31の間に位置し、集電部材50が薄弱部311を押圧するリスクを低減し、薄弱部311の破裂時集電部材50が排気通路を詰める可能性を低減し、スムーズな排気を確保し、安全性を高めることができる。
【0165】
いくつかの実施例では、集電部材50はエンドキャップ30の厚さ方向Zに沿って薄弱部311を覆って、薄弱部311と第1ラグ12を隔離する。
【0166】
集電部材50の一部と薄弱部311とが厚さ方向Zに沿って間隔を空けて設けられ薄弱部311を覆う。薄弱部311の厚さ方向Zに沿った投影は、集電部材50の厚さ方向Zに沿った投影内に含まれる。
【0167】
本実施例では、集電部材50は薄弱部311と第1ラグ12を隔離し、薄弱部311に落下する電極アセンブリ10中の活性粒子を減少し、薄弱部311の腐食リスクを低減することができる。
【0168】
いくつかの実施例では、集電部材50の少なくとも一部が第1突出部32と第1ラグ12の間に位置する。第1突出部32が集電部材50を介して第1ラグ12を支持する。
【0169】
第1突出部32が集電部材50を介して第1ラグ12を支持し、電極アセンブリ10が電池単体7振動時の搖動度合いを減少し、電極アセンブリ10の安定性を高める。同時に、第1突出部32が集電部材50を支持し、集電部材50とキャップ本体31の間に退避隙間Gを形成する。
【0170】
いくつかの実施例では、集電部材50の一部が第1ラグ12に当接されて溶接され、集電部材50の他の部分が第1突出部32に当接されて溶接される。
【0171】
電池単体7の装着時、まず集電部材50が第1ラグ12に当接され溶接されて第1溶接部W1を形成した後、エンドキャップ30と集電部材50を溶接して第2溶接部W2を形成する。
【0172】
本実施例では、集電部材50の2つの異なる部分をそれぞれエンドキャップ30と第1ラグ12に溶接させて、第1溶接部W1と第2溶接部W2の熔接リスクを低減し、集電部材50と第1ラグ12の接続強度およびエンドキャップ30と集電部材50の接続強度を保証することができる。
【0173】
溶接により、集電部材50とエンドキャップ30間の接触抵抗および集電部材50と第1ラグ12間の接触抵抗を減少し、過流能力を高める。
【0174】
いくつかの実施例では、集電部材50はフラットプレート構造である。
【0175】
フラットプレート状の集電部材50をより容易に成形することができる。フラットプレート状の集電部材50は全体として第1ラグ12に接触し、過流面積を増加させ、集電部材50が第1ラグ12をより均一に支持し、電極アセンブリ10がラグの厚さ方向Zにオフセット、ずれるリスクを低減することができる。フラットプレート状の集電部材50は、キャップ本体31から完全に隔離し、集電部材50とキャップ本体31間の退避隙間Gを保証し、集電部材50と薄弱部311の接触リスクを低減することができる。
【0176】
いくつかの実施例では、キャップ本体31は第1突出部32の外側の周りに設けられる。言い換えれば、キャップ本体31は第1突出部32外側の周りに設けられた環状構造である。
【0177】
いくつかの実施例では、エンドキャップ30は、第2突出部34をさらに含み、第2突出部34はキャップ本体31の外側の周りに設けられる。第2突出部34はキャップ本体の内面31aから電極アセンブリ10に向かう方向に沿って突出し、第2突出部34の頂端面が第1突出部32の頂端面よりも第1ラグ12に近く、第2突出部34が第1ラグ12に当接されて第1ラグ12を支持する。
【0178】
第2突出部34はキャップ本体31外側の周りに設けられた環状構造である。第1突出部32の頂端面が集電部材50に当接され、選択可能に、第1突出部32の頂端面が平面である。第2突出部34の頂端面が第1ラグ12に当接され、選択可能に、第2突出部34の頂端面が平面または曲面である。
【0179】
第2突出部34と集電部材50が間隔を空けて設けられ、第2突出部34が集電部材50と第1突出部32の当接を干渉するのを避け、第1突出部32が集電部材50に密着されるのを保証することができる。選択可能に、第2突出部34が集電部材50の外側の周りに設けられる。
【0180】
第2突出部34のキャップ本体の内面31aからの突出度合いが、第1突出部32のキャップ本体の内面31aからの突出度合いよりも大きく、第2突出部34の頂端面が第1突出部32の頂端面よりも第1ラグ12に近い。
【0181】
本実施例では、第1突出部32は集電部材50を介して第1ラグ12の中部領域を支持し、第2突出部34は第1ラグ12のエッジ領域を支持して、第1ラグ12にかかる力を均一化させ、電極アセンブリ10のラグが厚さ方向Zにオフセット、ずれるリスクを低減することができる。
【0182】
いくつかの実施例では、エンドキャップ30の第2突出部34に対応する位置に、キャップ本体の外面31bから電極アセンブリ10に向かう方向に沿って窪む第2窪み部35が形成され、第2窪み部35の底面がキャップ本体の内面31aよりも第1ラグ12に近い。
【0183】
第2窪み部35により、第2突出部34の強度を低減し、第2突出部34の弾性を高め、第2突出部34がケーシング20に延伸して第1ラグ12に当接される過程中、第2突出部34は変形によって応力を解放し、衝撃力を減少し、第1ラグ12が押し潰されるリスクを低減することができる。
【0184】
第2窪み部35と第2突出部34はエンドキャップ30をプレスすることによって形成される。第2窪み部35は厚さ方向Zに沿った深さが大きくなることに従い、第2突出部34のキャップ本体の内面31aからの突出度合いも大きくなる。
【0185】
本出願の実施例では、第2突出部34の突出度合いを保証する前提下で、第2窪み部35の窪み度合いを保証し、第2突出部34の弾性を高め、装着過程中第2突出部34が第1ラグ12を押し潰すリスクを低減することができる。
【0186】
いくつかの実施例では、第2突出部の外側面341がケーシング20の内面に当接されてケーシング20に溶接され、開口21を密閉する。
【0187】
第2突出部の外側面341は、第2突出部34のケーシング20の側壁22に向かう表面である。第2突出部の外側面341は柱面であり、選択可能に、第2突出部の外側面341は円筒面である。
【0188】
第2突出部34のケーシング20に延伸した部分がケーシング20と締まりばめ、中間嵌めまたは隙間ばめ可能である。選択可能に、第2突出部34のケーシング20に延伸した部分がケーシング20と締まりばめ可能であり、締まりばめによりケーシング20とエンドキャップ30間の接続強度を高め、密閉性能を改善することができる。
【0189】
選択可能に、第2突出部34とケーシング20の側壁22とはレザー溶接によって接続される。溶接時に、レザー光が第2突出部34と側壁22の境界に照射され、レザー光が第2突出部の外側面341の少なくとも一部とケーシング20の内面の部分を溶融して接続する。第2突出部の外側面341はケーシング20の内面に当接され、レザー光がケーシング20の内部に入射して電極アセンブリ10を焼いて損傷するリスクを低減することができる。
【0190】
代替的に、レザー光は側壁22の第2突出部34から離れる外面に照射されてもよい。
【0191】
本実施例では、溶接により、密閉を実現し、電解液の漏れリスクを低減し、第2突出部34とケーシング20間の接続強度および過流能力を高める。
【0192】
第2窪み部35により、第2突出部34の強度を低減し、第2突出部34の弾性を高め、第2突出部34とケーシング20の溶接過程中、第2突出部34は変形によって溶接応力を解放し、溶接領域の変形や破裂リスクを低減して密閉性能を改善することができる。本実施例では、第2突出部34の突出度合いを保証する前提下で、第2窪み部35の窪み度合いをさらに保証し、第2突出部34の弾性を高め、第2突出部34が変形によって溶接応力を解放することができる。
【0193】
いくつかの実施例では、キャップ本体31はフラットプレート構造である。キャップ本体の内面31aとキャップ本体の外面31bが平面で平行に設けられる。
【0194】
図7は本出願の別のいくつかの実施例によって提供される電池単体の断面概略図である。
図8は
図7に示す電池単体の丸枠Bの拡大概略図である。
【0195】
図7および
図8に示すように、いくつかの実施例では、第1突出部32がキャップ本体31の外側の周りに設けられる。言い換えれば、第1突出部32はキャップ本体31外側の周りに設けられる環状構造である。
【0196】
いくつかの実施例では、第1突出部32のケーシング20に延伸した部分がケーシング20と締まりばめ、中間嵌めまたは隙間ばめ可能である。選択可能に、第1突出部32のケーシング20に延伸した部分がケーシング20と締まりばめ可能であり、締まりばめにより、ケーシング20とエンドキャップ30間の接続強度を高め、密閉性能を改善することができる。
【0197】
いくつかの実施例では、第1突出部32の外側面がケーシング20の内面に当接されてケーシング20に溶接され、開口21を密閉する。
【0198】
別のいくつかの実施例では、エンドキャップ30は、第1突出部32の外側の周りに設けられる延伸部36を含み、延伸部36の第1ラグ12に面する表面がケーシング20の開口21の端面の周りに当接されて溶接されて開口21を密閉する。
【0199】
延伸部36は、厚さ方向Zに沿って対向して設けられた内面と外面を有し、延伸部36の内面が第1ラグ12に面する。選択可能に、延伸部36が環状の板状構造であり、延伸部36の内面と延伸部36の外面が平面である。
【0200】
延伸部36とケーシング20が厚さ方向Zに沿って配置され、延伸部36の内面がケーシング20の端面に平行である。
【0201】
選択可能に、溶接時、レザー光がケーシング20の端面と延伸部36の内面の境界に照射され、溶接後、延伸部36の内面の少なくとも一部とケーシング20の端面の少なくとも一部が溶融して接続される。
【0202】
本実施例では、エンドキャップ30とケーシング20を装着する時、ケーシング20の端面が厚さ方向Zにおいて制限する作用を果たし、エンドキャップ30がケーシング20に締まりばめるリスクを低減して装着効率を高めることができる。
【0203】
キャップ本体31全体はフラットプレート状であってもよいし、一部が突出してもよい。
【0204】
いくつかの実施例では、キャップ本体31はメインボード本体313と第3突出部314を含み、メインボード本体313は第3突出部314の外側の周りに設けられ、第1突出部32はメインボード本体313の外側の周りに設けられ、薄弱部311は第3突出部314に形成される。メインボード本体313は、対向して設けられた第1内面313aと第1外面313bを含み、第1内面313aの電極アセンブリ10に向かって、第1突出部32と第3突出部314が第1内面313aから電極アセンブリ10に向かう方向に沿って突出し、第1突出部32の頂端面が第3突出部314の頂端面よりも第1ラグ12に近く、集電部材50と第3突出部314の間に薄弱部311を退避するための退避隙間Gが形成される。
【0205】
メインボード本体313は板状構造であり、第1内面313aと第1外面313bが厚さ方向Zに沿って対向して設けられる。選択可能に、メインボード本体313はフラットプレート構造であり、第1内面313aと第1外面313bは平面で平行に設けられる。
【0206】
選択可能に、第1突出部32の頂端面と第3突出部314の頂端面は平面で平行に設けられる。
【0207】
キャップ本体の内面は第1内面313a、第3突出部314の頂端面および第3突出部314の側面を含み、第3突出部314の側面が第1内面313aと第3突出部314の頂端面に接続される。第1突出部32の少なくとも一部が電極アセンブリ10に向かう方向に沿って第3突出部314の頂端面から突出する。
【0208】
電池単体7の正常循環過程中少量のガスを放出する場合があり、ガスが電池単体7の内圧を増加させ、エンドキャップ30の変形リスクを招き、エンドキャップ30の変形時、薄弱部311がクリープしやすく、電池単体7の内部圧力が閾値に達しない時薄弱部311が破裂して電池単体7が故障することがある。
【0209】
本実施例では、エンドキャップ30の中部に第3突出部314が設けられ、エンドキャップ30の強度を高め、エンドキャップ30の変形を減少する。第3突出部314は突出状態であり、変形しにくいので、薄弱部311が第3突出部314に設けられることにより、薄弱部311のクリープを減少し、薄弱部311の故障リスクを低減することができる。
【0210】
本実施例では、第3突出部314と集電部材50の間に退避隙間Gが形成され、薄弱部311の破裂時集電部材50が排気通路を詰めるリスクを低減し、スムーズな排気を実現し、安全リスクを低減することができる。
【0211】
いくつかの実施例では、キャップ本体31の第3突出部314に対応する位置に、第1外面313bから電極アセンブリ10に向かう方向に沿って窪む第3窪み部315が形成され、第3突出部314の第3窪み部315の底面に対向する領域に薄弱部311が形成される。
【0212】
第3突出部314の第3窪み部315の底面と第3突出部314の頂端面間に位置する部分に、薄弱部311が設けられる。選択可能に、第3窪み部315の底面と第3突出部314の頂端面が平面で平行である。
【0213】
薄弱部311が第3突出部314の第3窪み部315の底面に対向する領域に設けられ、薄弱部311と他の外部部材の距離を増加させ、薄弱部311が外部部材によって押し潰されるリスクを低減することができる。
【0214】
図9は、本出願の別のいくつかの実施例によって提供される電池単体の断面概略図である。
図10は
図9に示す電池単体の方枠Cの拡大概略図である。
【0215】
図9および
図10に示すように、いくつかの実施例では、第1突出部32がキャップ本体31の外側の周りに設けられ、集電部材50がキャップ本体31と第1ラグ12を接続して、エンドキャップ30と第1ラグ12の電気的な接続を実現する。
【0216】
いくつかの実施例では、集電部材50は第1集電部51と第1集電部51に接続された第2集電部52を含み、第1集電部51は第1ラグ12に接続されて集電部材50と第1ラグ12を電気的に接続させ、第2集電部52はキャップ本体31に接続されて集電部材50とエンドキャップ30を電気的に接続させる。第1集電部51は第2集電部52の電極アセンブリ10に向かう表面から突出し、集電部材50の第1集電部51に対応する位置に、第2集電部52の電極アセンブリ10から離れる表面から電極アセンブリ10に向かう方向に沿って窪む退避窪み部53が形成され、集電部材50とキャップ本体31の間に退避隙間Gが形成される。
【0217】
本実施例では、退避窪み部53を設けることで、退避隙間Gを形成して第1集電部51がキャップ本体31に当接されるのを避け、第1集電部51が薄弱部311を押圧するリスクを低減して安全性を高めることができる。
【0218】
第1集電部51が第1ラグ12の中部領域を支持し、第1突出部32が第1ラグ12のエッジ領域を支持し、第1ラグ12にかかる力を均一化させ、電極アセンブリ10のラグが厚さ方向Zにオフセット、ずれるリスクを低減することができる。
【0219】
いくつかの実施例では、第1集電部51が第1ラグ12に当接されて溶接され、第2集電部52がキャップ本体31に当接されて溶接される。
【0220】
退避窪み部53により、第1集電部51の厚さを減少し、第1集電部51と第1ラグ12の溶接に必要な溶接力を低減し、発熱を減少して他の部材(例えばダイヤフラム)の焼き損傷リスクを低減することができる。
【0221】
いくつかの実施例では、第2集電部52は第1集電部51の外側の周りに設けられたフラットプレート構造である。
【0222】
キャップ本体31全体はフラットプレート状であってもよいし、一部が突出してもよい。
【0223】
いくつかの実施例では、キャップ本体31はメインボード本体313と第3突出部314を含み、メインボード本体313は第3突出部314の外側の周りに設けられ、第1突出部32はメインボード本体313の外側の周りに設けられ、薄弱部311は第3突出部314に形成される。メインボード本体313は対向して設けられた第1内面313aと第1外面313bを有し、第1内面313aが電極アセンブリ10に面し、第1突出部32と第3突出部314が第1内面313aから電極アセンブリ10に向かう方向に沿って突出し、第1突出部32の頂端面が第3突出部314の頂端面よりも第1ラグ12に近く、集電部材50と第3突出部314の間に薄弱部311を退避するための退避隙間Gが形成される。
【0224】
退避窪み部53は第3突出部314の突出空間を提供し、例えば、第3突出部314の少なくとも一部が退避窪み部53内に延伸する。
【0225】
いくつかの実施例では、第1突出部32は第1ラグ12に当接されて溶接され、エンドキャップ30と第1ラグ12の電気的な接続を実現する。
【0226】
本実施例では、エンドキャップ30は、第1突出部32を介して第1ラグ12に直接に電気的に接続され、電池単体7の構造を簡略化し、例えば、集電部材50を省略することができる。
【0227】
図11は本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の製造方法の概略フローチャートである。
【0228】
図11に示すように、本出願の実施例の電池単体の製造方法は、
【0229】
S100、開口を有するケーシングを用意するステップと、
【0230】
S200、電極アセンブリを用意し、電極アセンブリをケーシング内に取り付け、電極アセンブリの開口に向かう一端に第1ラグを設けるステップと、
【0231】
S300、薄弱部が設けられるキャップ本体と、キャップ本体に接続された第1突出部とを含むエンドキャップを用意するステップと、
【0232】
S400、エンドキャップをケーシングに接続させて、エンドキャップで開口をカバーするステップと、を含み、
【0233】
ここで、エンドキャップは、電池単体の内部圧力が閾値に達するつと薄弱部が破裂して内部圧力を解放するように構成され、第1突出部は電極アセンブリに面する方向に沿ってキャップ本体から突出し、第1ラグを支持して、第1ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間を形成する。
【0234】
なお、上記電池単体の製造方法によって製造された電池単体の関連構造については、上記の各実施例の電池単体の説明を参照すればよい。
【0235】
上記の電池単体の製造方法に基づいて電池単体を組み立てる時、上記のステップに従って順次実行する必要がなく、つまり、実施例の順序でステップを実行してもよいし、実施例と異なる順序でステップを実行してもよいし、または複数のステップを同時に実行してもよい。例えば、ステップS100、S300が任意の順序で実行してもよいし、同時に実行してもよい。
【0236】
図12は本出願のいくつかの実施例によって提供される電池単体の製造システムの概略ブロック図である。
【0237】
図12に示すように、本出願の実施例は、電池単体の製造システム90をさらに提供し、このシステム90は、
【0238】
開口を有するケーシングを用意するための第1用意装置91と、
【0239】
電極アセンブリを用意し、電極アセンブリをケーシング内に取り付け、電極アセンブリの開口に向かう一端に第1ラグを設ける第2用意装置92と、
【0240】
薄弱部が設けられるキャップ本体と、キャップ本体に接続された第1突出部を含むエンドキャップを用意するための第3用意装置93と、
【0241】
エンドキャップをケーシングに接続させて、エンドキャップで開口をカバーするための組立装置94と、を含み、
【0242】
ここで、エンドキャップは、電池単体の内部圧力が閾値に達するつと薄弱部が破裂して内部圧力を解放するように構成され、第1突出部は電極アセンブリに面する方向に沿ってキャップ本体から突出し、第1ラグを支持して、第1ラグとキャップ本体の間に薄弱部を退避するための退避隙間を形成する。
【0243】
上記の製造システムによって製造された電池単体の関連構造については、上記の各実施例の電池単体の説明を参照すればよい。
【0244】
なお、矛盾しない限り、本出願中の実施例および実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0245】
最後に、以上の実施例は本出願の技術手段を説明するためのものであり、制限する目的ではなく、前記の実施例を参照して本出願を詳細に説明したが、当業者は、依然として前記の各実施例に記載の技術手段を修正し、または一部の技術的特徴を同等置換することができ、これらの修正や置換は、対応の技術手段の本質を本出願の各実施例の技術手段の精神および範囲から逸脱させるものではない。
【国際調査報告】