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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 29/151 20060101AFI20231101BHJP
   C07C 31/125 20060101ALI20231101BHJP
   C07C 33/025 20060101ALI20231101BHJP
   B01J 31/24 20060101ALI20231101BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20231101BHJP
【FI】
C07C29/151
C07C31/125
C07C33/025
B01J31/24 Z
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023513642
(86)(22)【出願日】2021-11-03
(85)【翻訳文提出日】2023-03-31
(86)【国際出願番号】 GB2021052849
(87)【国際公開番号】W WO2022096874
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】2017457.9
(32)【優先日】2020-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】590004718
【氏名又は名称】ジョンソン、マッセイ、パブリック、リミテッド、カンパニー
【氏名又は名称原語表記】JOHNSON MATTHEY PUBLIC LIMITED COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132263
【弁理士】
【氏名又は名称】江間 晴彦
(72)【発明者】
【氏名】ベイリー、ローワン
(72)【発明者】
【氏名】グレインジャー、ダミアン
(72)【発明者】
【氏名】ザノッティ-ジェローザ、アントニオ
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA06
4G169AA11
4G169AA14
4G169BA27A
4G169BA27B
4G169BC70A
4G169BC70B
4G169BC73A
4G169BE01A
4G169BE01B
4G169BE14A
4G169BE14B
4G169BE16A
4G169BE16B
4G169BE21A
4G169BE21B
4G169BE26A
4G169BE27A
4G169BE27B
4G169BE29A
4G169BE38A
4G169BE38B
4G169BE46A
4G169BE46B
4G169CB02
4G169CB70
4G169DA04
4H006AA02
4H006AC13
4H006AC41
4H006BA23
4H006BA39
4H006BA46
4H006BA47
4H006BA48
4H006BC34
4H006BE20
4H006FE11
4H039CA60
4H039CB20
4H039CB40
(57)【要約】
本発明は、グリセロールエステルの水素化のためのプロセスであって、グリセロールエステルを含む組成物を、分子状水素の存在下で、塩基及び遷移金属触媒で処理することを含み、塩基が、当該組成物の総重量に基づいて、少なくとも7重量%で存在し、触媒が、当該組成物の総重量に基づいて、0.05重量%以下で存在する、プロセスに関する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリセロールエステルの水素化のためのプロセスであって、グリセロールエステルを含む組成物を、分子状水素の存在下で、塩基及び遷移金属触媒で処理することを含み、前記塩基が、前記組成物の総重量に基づいて、少なくとも7重量%で存在し、前記触媒が、前記組成物の総重量に基づいて、0.05重量%以下で存在する、プロセス。
【請求項2】
前記塩基が、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、少なくとも7.5重量%、好ましくは、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、少なくとも8重量%で存在する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
前記塩基が、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、少なくとも8.5重量%、好ましくは、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、少なくとも9重量%で存在する、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
前記塩基が、金属アルコキシド、好ましくはアルカリ金属アルコキシドである、請求項1~3のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項5】
前記塩基が、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、又はカリウムエトキシドから選択される、アルカリ金属エトキシド、好ましくはナトリウムエトキシドである、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記プロセスが、溶媒の非存在下で実施される、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記プロセスが、好ましくはアルコール、トルエン、THF、及びMe-THFから選択される、少なくとも1つの溶媒の存在下で行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの溶媒が、グリセロールエステルを含む前記組成物の総体積に基づいて、10~100体積%の量で存在する、請求項7に記載のプロセス。
【請求項9】
前記プロセスが、第1の溶媒及び第2の溶媒の存在下で行われる、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記第1の溶媒が、トルエン又はTHFであり、前記第2の溶媒が、アルコール、好ましくはエタノールである、請求項9に記載のプロセス。
【請求項11】
前記第1の溶媒が、グリセロールエステルを含む前記組成物の総体積に基づいて、10~100体積%の量で存在する、請求項9又は10に記載のプロセス。
【請求項12】
前記第2の溶媒が、グリセロールエステルを含む前記組成物の総体積に基づいて、1~15体積%の量で存在する、請求項9~11のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項13】
温度が、20~150℃の範囲、好ましくは20~140℃の範囲である、請求項1~12のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項14】
圧力が、5~100バールの範囲、好ましくは10~95バールの範囲である、請求項1~13のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項15】
前記触媒が、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、0.04重量%以下、好ましくは、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、0.03重量%以下、より好ましくは、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、0.02重量%以下、より好ましくは、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以下で存在する、請求項1~14のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項16】
前記触媒が、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、0.005重量%以下、より好ましくは、グリセロールエステルを含む前記組成物の総重量に基づいて、0.001重量%以下で存在する、請求項1~15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
前記遷移金属触媒が、三座配位子を含む、請求項1~16のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項18】
前記遷移金属触媒が、式(I)を有する三座配位子を含み、
【化1】
式中、
Xは、-SR、-OR、-CR、-NR、-PR、-P(=O)R、-OPR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又はR、並びにR3a及びR3bのうちの1つ、若しくはR、並びにR3a及びR3bのうちの1つが、それらが結合する原子と一緒になって、環を形成し、
又はXは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成し、
Yは、-SR、-OR、-CR、-NR、-PR、-P(=O)R、-OPR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又はR、並びにR4a及びR4bのうちの1つ、若しくはR、並びにR4a及びR4bのうちの1つが、それらが結合する原子と一緒になって、環を形成し、
又はYは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成し、
3a、R3b、R4a及びR4bは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又はR3a、並びにR4a及びR4bのうちの1つ、若しくはR3b、並びにR4a及びR4bのうちの1つが、それらが結合している原子と一緒になって、複素環を形成し、
は、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
及びRは、存在する場合、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又は、X及び/若しくはYが-NR、-PR、-OPR、若しくは-NHPRである場合、R及びRは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって、複素環を形成する、請求項17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記遷移金属触媒が、式(II)又は式(III)を有し、
[M(L)(L](II)
[M(L)(L]W(III)
式中、
Mは、遷移金属であり、
は、請求項18に記載の三座配位子であり、
は、同じ又は異なり得る配位子であり、
dは、1、2、又は3であり、
Wは、非配位アニオン性配位子である、請求項1~20のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項20】
Mが、Ru及びOsから選択される、遷移金属、好ましくはRuである、請求項19に記載のプロセス。
【請求項21】
各Lは独立して、-H、-CO、-CN、-P(R’)、-As(R’)、-CR’、-OR’、-O(C=O)R’、-NR’、ハロゲン(例えば、-Cl、-Br、-I)、及び溶媒から選択され、式中、各R’は、独立して、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換アルケニル、置換若しくは非置換アルキニル、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリールから選択される、請求項19又は20に記載のプロセス。
【請求項22】
前記遷移金属触媒が、以下である、請求項1~21のいずれか一項に記載のプロセス。
【化2】
【請求項23】
前記グリセロールエステルを含む組成物が、天然油、好ましくは、アーモンド油、アボカド油、トモシリソウ種子油、ブラジルナッツ油、カシューナッツ油、ヒマシ油、チアシード油、カカオバター油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿種子油、アマニ油、ブドウ種子、麻種子、マカダミアナッツ油、マスタード油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、ペカンナッツ油、エゴマ油、ケシ油、プラカシ油、米油、サフラワー油、シーバックソーン油、ゴマ油、ダイズ油、サンフラワー油、ケツルアズキ油、及びクルミ油から選択される天然油、より好ましくは、アマニ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ナタネ油、及びサンフラワー油から選択される天然油である、請求項1~22のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項24】
請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセスによって得られるか、又は得ることが可能である水素化組成物。
【請求項25】
化合物を作製する方法であって、請求項1~23のいずれか一項に記載のプロセスを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グリセロールエステルの水素化のためのプロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
エステルの還元は、一級アルコールへの経路として化学工業において不可欠な変換である。エステルの還元は、従来、エタノール中のナトリウム金属などの試薬を(化学量論量若しくは過剰量で)使用して(Bouveault-Blanc還元)、又はより最近では、LiAlH若しくはNaBHなどの金属水素化物試薬を使用して行われてきた。しかしながら、これらの還元反応は、特に極度に発熱性の急冷工程と関連付けられる安全上の懸念に起因して、大規模で効果的に実施することが困難である。したがって、大規模触媒還元反応は、水素ガスを使用する。Cu又はZn系不均一触媒は、主に、非常に大規模な天然洗浄剤アルコール(Natural Detergent Alcohol、NDA)市場において、エステル還元のために使用される。しかしながら、これらの方法は、大規模な専用生産設備において、非常に高い圧力及び/又は温度を必要とする。他の感受性官能基と比較したエステル還元の化学選択性も、これらの方法を使用するいくつかの場合において問題となり得る。更に、Cu又はZn系不均一触媒を使用してグリセロールエステルを一級アルコールに変換するための工業プロセスは、現在、グリセロールエステルを加水分解して脂肪酸を生成し、次いで、これを低級アルコールとエステル交換して脂肪酸エステルを形成する中間工程を含む。代替的に、グリセロールエステルは、低級アルコールと直接エステル交換されて、脂肪酸エステルを形成する。グリセロールエステルの直接還元は、より多くの水素、より高い触媒コストを必要とし、貴重なグリセロール副生成物を破壊する、グリセロールのプロピレングリコールへの還元に起因して、工業的に利用されていない。
【0003】
したがって、高い触媒活性及びTONを依然として維持しながら、より低い触媒充填量を必要とする、グリセロールエステルの水素化のための改善されたプロセスを提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、グリセロールエステルの水素化のための改良されたプロセスを提供する。本プロセスは簡単、経済的、安全であり、標準的な水素化容器中で操作することができる。特定の実施形態において、本プロセスは、従来のプロセスで使用されるよりもはるかに少ない量の触媒の使用を必要とすることによって、環境上の利益を有し得る。
【0005】
第1の態様において、本発明は、グリセロールエステルの水素化のためのプロセスであって、グリセロールエステルを含む組成物を、分子状水素の存在下で、塩基及び遷移金属触媒で処理することを含み、塩基が、当該組成物の総重量に基づいて、少なくとも7重量%で存在し、触媒が、当該組成物の総重量に基づいて、0.05重量%以下で存在する、プロセスを提供する。
【0006】
更なる態様において、本発明は、上述のプロセスによって得られる又は得ることが可能である水素化組成物を提供する。
【0007】
更なる態様において、本発明は、化合物を作製する方法であって、本明細書で先に記載したプロセスを含む方法を提供する。
【0008】
定義
部分又は置換基の結合点は、「-」によって表される。例えば、-OHは、酸素原子を介して結合される。
【0009】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基を指す。特定の実施形態において、アルキル基は、1~20個の炭素原子、特定の実施形態においては1~15個の炭素原子、特定の実施形態においては1~8個の炭素原子を有し得る。アルキル基は非置換であってもよい。代替的に、アルキル基は置換されてもよい。特に断らない限り、アルキル基は、任意の好適な炭素原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0010】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素基を指す。
【0011】
本明細書で使用される場合、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの炭素-炭素三重結合を含む直鎖又は分岐鎖の不飽和炭化水素基を指す。
【0012】
本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」という用語は、飽和炭素環式炭化水素基を表すために使用される。シクロアルキル基は、単一の環又は複数の縮合環を有してもよい。特定の実施形態においては、シクロアルキル基は、3~15個の炭素原子、特定の実施形態においては3~10個の炭素原子、特定の実施形態においては3~8個の炭素原子を有し得る。シクロアルキル基は、非置換であってもよい。代替的に、シクロアルキル基は置換されてもよい。特に断らない限り、シクロアルキル基は、任意の好適な炭素原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アダマンチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
本明細書で使用される場合、「シクロアルケニル」という用語は、不飽和非芳香族炭素環式環(非芳香族炭素環)を指す。したがって、シクロアルケニル基は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を有するが、より多くの炭素-炭素二重結合を有してもよい。特定の実施形態において、シクロアルケニル基は、3~15個の炭素原子、特定の実施形態においては3~10個の炭素原子、特定の実施形態においては3~8個の炭素原子を有し得る。シクロアルケニル基は、非置換であってもよい。代替的に、シクロアルケニル基は置換されてもよい。特に断らない限り、シクロアルケニル基は、任意の好適な炭素原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。典型的なシクロアルケニル基としては、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書で使用される場合、「アルコキシ」の用語は、式アルキル-O-又はシクロアルキル-O-[式中、アルキル及びシクロアルキルは、上記で定義されたとおりである]の任意選択的に置換された基を指す。
【0015】
本明細書で使用される場合、「アリール」の用語は、芳香族炭素環式基を指す。アリール基は、単一の環又は複数の縮合環を有してもよい。特定の実施形態において、アリール基は、6~20個の炭素原子、特定の実施形態においては6~15個の炭素原子、特定の実施形態においては6~12個の炭素原子を有し得る。アリール基は非置換であってもよい。代替的に、アリール基は置換されてもよい。特に断らない限り、アリール基は、任意の好適な炭素原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、アントラセニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0016】
本明細書で使用される場合、「アリールアルキル」の用語は、式アリール-アルキル-[式中、アリール及びアルキルは、上に定義したとおりである]の任意選択的に置換された基を指す。
【0017】
本明細書で使用される場合、「ハロゲン」、「ハロ」又は「ハル」の用語は、-F、-Cl、-Br及び-Iを指す。
【0018】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアルキル」の用語は、1つ以上の炭素原子が1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン及び/又は硫黄原子)で独立して置き換えられた直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基を指す。ヘテロアルキル基は非置換であってもよい。代替的に、ヘテロアルキル基は置換されてもよい。特に断らない限り、ヘテロアルキル基は、任意の好適な原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。ヘテロアルキル基の例としては、エーテル、チオエーテル、一級アミン、二級アミン、三級アミンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0019】
本明細書で使用される場合、「ヘテロシクロアルキル」の用語は、1つ以上の炭素原子が1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン及び/又は硫黄原子)で独立して置き換えられた飽和環式炭化水素基を指す。ヘテロシクロアルキル基は非置換であってもよい。代替的に、ヘテロシクロアルキル基は置換されてもよい。特に断らない限り、ヘテロシクロアルキル基は、任意の好適な原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。ヘテロシクロアルキル基の例としては、エポキシド、モルホリニル、ピペラジニル(piperadinyl)、ピペラジニル(piperazinyl)、チラニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、チオモルホリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0020】
本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」の用語は、1つ以上の炭素原子が1つ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、リン及び/又は硫黄原子)で独立して置き換えられた芳香族炭素環式基を指す。ヘテロアリール基は非置換であってもよい。代替的に、ヘテロアリール基は置換されてもよい。特に断らない限り、ヘテロアリール基は、任意の好適な原子において結合されてもよく、置換される場合、任意の好適な原子において置換されてもよい。ヘテロアリール基の例としては、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、チオフェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、キノリニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
本明細書で使用される場合、「複素環」という用語は、ヘテロシクロアルキル基及びヘテロアリール基の両方を包含する。
【0022】
本明細書で使用される場合、「置換」という用語は、1つ以上の水素原子が各々独立して、同じ又は異なり得る置換基(例えば、1、2、3、4、5つ以上)で置き換えられた基を指す。置換基の例としては、-ハロ、-C(ハロ)、-R、=O、=S、-O-R、-S-R、-NR、-CN、-NO、-C(O)-R、-COOR、-C(S)-R、-C(S)OR、-S(O)OH、-S(O)-R、-S(O)NR、-O-S(O)-R及び-CONR、例えば、-ハロ、-C(ハロ)(例えば、-CF)、-R、-O-R、-NR、-CN、又は-NOが挙げられるが、これらに限定されない。R及びRは、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリールからなる群から独立して選択され、又は、R及びRはそれらが結合している原子と共に、ヘテロシクロアルキル基を形成する。R及びRは、本明細書で定義されるように、非置換であってもよく、又は更に置換されてもよい。
【0023】
本明細書で使用される場合、「二座配位子」という用語は、2対の電子を金属原子に供与する配位子を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、「三座配位子」という用語は、3対の電子を金属原子に供与する配位子を指す。
【0025】
本明細書で使用される場合、「四座配位子」という用語は、4対の電子を金属原子に供与する配位子を指す。
【0026】
本明細書で使用される場合、「Ru-SNS、dichlorotriphenylphosphine[bis(2-(ethylthio)ethyl)amine]ruthenium(II)」という用語は、ジクロロトリフェニルホスフィン[ビス(2-(エチルチオ)エチル)アミン]ルテニウム(II)を指す。
【0027】
本明細書で使用される場合、「Ru-PNN、dichlorotriphenylphosphine[2-(diphenylphosphino)-N-(2-pyridinylmethyl)ethanamine]ruthenium(II)」という用語は、ジクロロトリフェニルホスフィン[2-(ジフェニルホスフィノ)-N-(2-ピリジニルメチル)エタンアミン]ルテニウム(II)を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「グリセロールエステル」という用語は、グリセロール及び少なくとも1つの脂肪酸から形成されるエステルを指す。グリセロール及び1つの脂肪酸から形成されるグリセロールエステルは、モノグリセリドとしても知られている。グリセロール及び2つの脂肪酸から形成されるグリセロールエステルは、ジグリセリドとしても知られている。グリセロール及び3つの脂肪酸から形成されるグリセロールエステルは、トリグリセリドとしても知られている。本発明のプロセスにおいて水素化されるグリセロールエステルは、天然、非天然、合成又は半合成源からのものであり得る。例えば、グリセロールエステルを含む組成物である天然オリーブ油を本発明のプロセスに供すると、その中に存在するグリセロールエステルが直接水素化される。
【0029】
本明細書で使用される場合、「脂肪酸」という用語は、飽和又は不飽和のいずれかであり得る長い脂肪族鎖(例えば、>6個の炭素原子)を有するカルボン酸を指す。脂肪酸の脂肪族鎖は、分岐鎖であっても非分岐鎖であってもよい。特定の実施形態において、脂肪酸の脂肪族鎖は、12~24個の炭素原子を含む。特定の実施形態において、脂肪酸の脂肪族鎖は、0~5個の炭素-炭素二重結合を含む。
【0030】
本明細書で使用される場合、「S/C、substrate/catalyst」という用語は、「基質/触媒」の略語であり、反応において用いられる触媒充填量を説明するために使用され、すなわち、反応混合物中に存在するエステルと触媒とのモル比を説明する。グリセロールエステルが2つ以上のエステル部分を含む場合、S/C値はそれに応じて調整される。例えば、10,000:1のトリグリセリド対触媒のモル比は、30,000:1のS/Cに等しい(トリグリセリドは3つのエステル部分を含有するため)。
【0031】
本明細書で使用される場合、別段の指定がない限り、「重量%」は、グリセロールエステルを含む組成物のプロセス中の重量に対する指定された材料(例えば、塩基、触媒など)の重量をパーセンテージとして記載する。特定の材料(例えば、塩基、触媒など)について与えられる「重量%」量は、反応チャンバ(すなわち、水素化反応が行われる場所)において用いられるその材料の量である。
【0032】
本明細書で使用される場合、「ターンオーバー数」(turnover number、TON)という用語は、1モルの触媒が失活する前に変換することができる基質のモル数を指す。
【0033】
本明細書で使用される場合、「ニート条件」という用語は、グリセロールエステル及び塩基を含む組成物の混合物を少なくとも95体積%含む反応混合物で開始する反応を説明するために使用される。
【0034】
本明細書で使用される場合、「水素化」という用語は、分子状水素を使用する水素化を指す。
【0035】
本明細書中で使用される場合、用語「NMR変換」は、NMRによって決定される、水素化生成物対総未反応エステルの%比を指す。例えば、89%のNMR変換は、NMRによって決定されるように、89%の生成物アルコール及び11%の未反応エステルを含有する反応混合物を指す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】実施例2のエントリ1~4の実験についての水素取り込み曲線(すなわち、時間(x軸)に対するmM単位の水素取り込み(y軸))である。
図2】実施例2のエントリ5~8の実験についての水素取り込み曲線(すなわち、時間(x軸)に対するmM単位の水素取り込み(y軸))である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
これより、本発明の好ましいかつ/又は任意選択的な特徴が、記載される。本発明のいずれの態様も、文脈による別途の要求がない限り、本発明のいずれの他の態様とも組み合わせることができる。本発明のいずれの態様の好ましい又は任意選択的な特徴のいずれも、文脈による別途の要求がない限り、本発明のいずれの態様とも、単一又は組み合わせで、組み合わせることができる。
【0038】
本発明は、グリセロールエステルの水素化のためのプロセスであって、グリセロールエステルを含む組成物を、分子状水素の存在下で、塩基及び遷移金属触媒で処理することを含み、塩基が、当該組成物の総重量に基づいて、少なくとも7重量%で存在し、触媒が、当該組成物の総重量に基づいて、0.05重量%以下で存在する、プロセスを提供する。
【0039】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも7.5重量%、好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも8重量%、より好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも8.5重量%、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも9重量%、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも9.5重量%、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも10重量%、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも15重量%、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも20重量%、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも25重量%、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、少なくとも30重量%で存在する。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明のプロセスにおける多量の塩基の使用は、既知のプロセスと比較してより低い触媒充填量の使用を可能にすると考えられる。場合によっては、極めて低い触媒充填量、例えば、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.006重量%以下の触媒が達成されている。
【0040】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、50重量%未満、より好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、45重量%未満、より好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、40重量%未満、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、35重量%未満で存在する。
【0041】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも30mol%で存在し、好ましくは、塩基は、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも35mol%、好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも40mol%、より好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも45mol%、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも50mol%、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも60mol%、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも70mol%、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも80mol%、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも90mol%、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも100mol%、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、少なくとも125mol%で存在する。理論に束縛されることを望むものではないが、本発明のプロセスにおける多量の塩基の使用は、既知のプロセスと比較してより低い触媒充填量の使用を可能にすると考えられる。場合によっては、極めて低い触媒充填量、例えばS/C=40,000/1以上が達成されている。
【0042】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は、グリセロールエステルの総量に基づいて、200mol%以下、より好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、175mol%以下、より好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、150mol%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルの総量に基づいて、130mol%以下で存在する。
【0043】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は、金属アルコキシドである。金属アルコキシドは、好ましくは、金属メトキシド、金属エトキシド、金属イソプロポキシド、又は金属tert-ブトキシドである。好ましい金属アルコキシドとしては、リチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドが挙げられる。
【0044】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は、アルカリ金属アルコキシドである。アルカリ金属アルコキシドは、好ましくは、アルカリ金属メトキシド、アルカリ金属エトキシド、アルカリ金属イソプロポキシド、又はアルカリ金属tert-ブトキシドである。アルカリ金属アルコキシドは、アルカリ金属メトキシド又はアルカリ金属エトキシドであることがより好ましい。
【0045】
本発明の特に好ましいプロセスにおいて、塩基は、アルカリ金属エトキシドである。アルカリ金属エトキシドは、好ましくはリチウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、又はカリウムエトキシドであり、より好ましくはナトリウムエトキシドである。
【0046】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は固体形態である。
【0047】
本発明の好ましいプロセスにおいて、塩基は支持されている。より好ましくは、塩基は樹脂に支持されている。
【0048】
本発明の好ましいプロセスにおいて、本プロセスは溶媒の非存在下で実施される。これは、プロセスを実行するのをより容易かつより安価にするという利点を有する。
【0049】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、プロセスはニート条件下で行われる。
【0050】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、プロセスは、少なくとも1つの溶媒の存在下で行われる。
【0051】
好ましくは、少なくとも1つの溶媒は、アルコール、トルエン、THF及びMe-THFから選択される。より好ましくは、少なくとも1つの溶媒は、メタノール、エタノール、トルエン、THF及びMe-THFから選択される。最も好ましくは、少なくとも1つの溶媒は、メタノール、エタノール及びトルエンから選択される。
【0052】
場合によっては、エタノールなどのアルコール溶媒を使用すると、水素化反応の開始までの時間遅延が最小限に抑えられることが判明している。
【0053】
本発明の好ましいプロセスにおいて、少なくとも1つの溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、10~100体積%、好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、15~95体積%、より好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、20~90体積%(例えば、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、50体積%)の量で存在する。
【0054】
本発明の好ましいプロセスにおいて、少なくとも1つの溶媒とグリセロールエステルを含む組成物との体積比は、1:1以下、好ましくは1:2以下である。
【0055】
本発明の好ましいプロセスにおいて、少なくとも1つの溶媒とグリセロールエステルを含む組成物との体積比は、1:2~1:1の範囲、好ましくは1:2~1:1.5の範囲である。
【0056】
本発明の好ましいプロセスにおいて、本プロセスは、2つ以上の溶媒の存在下で行われる。好ましい溶媒は、上記のとおりである。
【0057】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、本プロセスは、第1の溶媒及び第2の溶媒の存在下で行われる。
【0058】
本発明の好ましいプロセスにおいて、第1の溶媒は、トルエン、THF及びMe-THFから選択される。本発明の好ましいプロセスにおいて、第2の溶媒は、アルコール、好ましくはエタノールである。
【0059】
場合によっては、エタノールなどのアルコール溶媒を第2の溶媒として使用すると、水素化反応の開始までの時間遅延が最小限に抑えられることが判明している。
【0060】
本発明の特に好ましいプロセスにおいて、第1の溶媒は、トルエンであり、第2の溶媒は、アルコール、好ましくはエタノールである。
【0061】
本発明の代替の特に好ましいプロセスにおいて、第1の溶媒は、THFであり、第2の溶媒は、アルコール、好ましくはエタノールである。
【0062】
本発明の好ましいプロセスにおいて、第1の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、10~100体積%、好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、15~95体積%、より好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、20~90体積%(例えば、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、50体積%)の量で存在する。
【0063】
本発明の好ましいプロセスにおいて、第1の溶媒とグリセロールエステルを含む組成物との体積比は、1:1以下、好ましくは1:2以下である。
【0064】
本発明の好ましいプロセスにおいて、第1の溶媒とグリセロールエステルを含む組成物との体積比は、1:2~1:1の範囲、好ましくは1:2~1:1.5の範囲である。
【0065】
本発明の好ましいプロセスにおいて、第2の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、1~15体積%の量で、好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、1~10体積%の量で、好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、1~7.5体積%の量で、より好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、1~5体積%の量で存在する。
【0066】
本発明の好ましいプロセスにおいて、第1の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、10~100体積%の量で存在し、第2の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、1~10体積%の量で存在し、好ましくは、第1の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、15~95体積%の量で存在し、第2の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、1~7.5体積%の量で存在し、より好ましくは、第1の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、20~90体積%の量で存在し、第2の溶媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総体積に基づいて、1~5体積%の量で存在する。
【0067】
本発明の好ましいプロセスにおいて、本プロセスは、20~150℃の範囲、より好ましくは20~140℃の範囲、より好ましくは25~130℃の範囲、より好ましくは25~120℃の範囲、より好ましくは30~100℃の範囲、より好ましくは30~90℃の範囲、より好ましくは30~80℃の範囲、より好ましくは35~75℃の範囲、更により好ましくは37.5~60℃の範囲、更により好ましくは40~55℃の範囲、最も好ましくは40~50℃の範囲(例えば40℃)の温度で行われる。本発明の好ましいプロセスは、比較的低い温度で行われ、これは、反応へのエネルギー入力がより低いので、本プロセスがより経済的であることを意味する。エステル水素化のためのより低い温度もまた、触媒安定性を改善するのに役立ち得ると考えられる。
【0068】
本発明の好ましいプロセスは、少なくとも5バール、より好ましくは少なくとも10バール、更により好ましくは少なくとも20バール、更により好ましくは少なくとも30バール、更により好ましくは少なくとも40バール、最も好ましくは少なくとも50バールである圧力で行われる。
【0069】
本発明の好ましいプロセスは、5~100バールの範囲、より好ましくは10~95バールの範囲、更により好ましくは20~90バールの範囲、更により好ましくは25~70バールの範囲、最も好ましくは30~50バールの範囲である圧力で行われる。
【0070】
本発明の好ましいプロセスは、1~24時間、より好ましくは2~16時間、更により好ましくは3~10時間、最も好ましくは4~8時間の期間にわたって行われる。
【0071】
本発明のプロセスは、エステル水素化のための工業的に有用なTON及び変換を依然として達成しながら、低い触媒充填量を必要とする。より低い触媒充填量は、反応がより環境に優しく、より効率的であることを意味する。より低い触媒充填量はまた、反応のコストが低減され得ることを意味する。
【0072】
本発明のプロセスにおいて、触媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.05重量%以下で存在する。本発明の好ましいプロセスにおいて、触媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.04重量%以下、より好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.03重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.02重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.01重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.009重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.008重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.007重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.006重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.005重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.004重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.003重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.002重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.001重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.0009重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.0008重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.0007重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.0006重量%以下、更により好ましくは、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.0005重量%以下で存在する。
【0073】
本発明のプロセスのいくつかの実施形態において、触媒は、グリセロールエステルを含む組成物の総重量に基づいて、0.0004重量%以上で存在する。
【0074】
本発明のプロセスにおいて、基質/触媒(S/C)充填量は、5,000/1以上である。本発明の好ましいプロセスにおいて、基質/触媒充填量は、6,000/1以上、より好ましくは7,000/1以上、より好ましくは8,000/1以上、更により好ましくは9,000/1以上、より好ましくは10,000/1以上、更により好ましくは15,000/1以上、更により好ましくは20,000/1以上、更により好ましくは30,000/1以上、更により好ましくは40,000/1以上、更により好ましくは50,000/1以上、更により好ましくは60,000/1以上、更により好ましくは70,000/1以上、更により好ましくは80,000/1以上、更により好ましくは90,000/1以上、更により好ましくは100,000/1以上、更により好ましくは200,000/1以上、更により好ましくは300,000/1以上、更により好ましくは400,000/1以上である。
【0075】
本発明のプロセスのいくつかの実施形態において、基質/触媒充填量は、500,000/1以下である。
【0076】
本発明のプロセスは遷移金属触媒を用いる。遷移金属触媒は、予め形成されてもよく、又はエステル水素化反応中にその場で形成されてもよい。好ましくは、遷移金属触媒は、予め形成される。代替的に、遷移金属触媒は、エステル水素化反応中にその場で形成される。
【0077】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒中の遷移金属は、第6族、第7族、第8族、又は第9族の遷移金属である。より好ましくは、遷移金属触媒中の遷移金属は、第7族、第8族、又は第9族の遷移金属である。更により好ましくは、遷移金属触媒中の遷移金属は第8族の遷移金属である。
【0078】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒中の遷移金属は、Mo、Mn、Fe、Ru、Co及びOsから選択される。より好ましくは、遷移金属触媒中の遷移金属は、Ru及びOsから選択される。最も好ましくは、遷移金属触媒中の遷移金属はRuである。
【0079】
本発明の好ましいプロセスにおいて、本発明のプロセスにおいて用いられる遷移金属触媒は三座配位子を含む。
【0080】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、
【0081】
【化1】
式中、
Xは、-SR、-OR、-CR、-NR、-PR、-P(=O)R、-OPR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又はR、並びにR3a及びR3bのうちの1つ、若しくはR、並びにR3a及びR3bのうちの1つが、それらが結合する原子と一緒になって、環を形成し、
又はXは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成し、
Yは、-SR、-OR、-CR、-NR、-PR、-P(=O)R、-OPR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又はR、並びにR4a及びR4bのうちの1つ、若しくはR、並びにR4a及びR4bのうちの1つが、それらが結合する原子と一緒になって、環を形成し、
又は、Yはヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成し、
3a、R3b、R4a及びR4bは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又はR3a、並びにR4a及びR4bのうちの1つ、若しくはR3b、並びにR4a及びR4bのうちの1つが、それらが結合している原子と一緒になって、複素環を形成し、
は、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
及びRは、存在する場合、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又は、X及び/若しくはYが-NR、-PR、-OPR、若しくは-NHPRである場合、R及びRは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0082】
式(I)の三座配位子において、Xは、好ましくは、-SR、-CR、-NR、-PR、及び-NHPRから選択される。より好ましくは、Xは、-SR、-PR、及び-NHPRから選択される。更により好ましくは、Xは-SR、及び-PRから選択される。最も好ましくは、Xは-SRである。
【0083】
式(I)の三座配位子において、R及びRは、各々独立して、好ましくは、水素、置換又は非置換C1~20-アルキル、置換又は非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換又は非置換C3~20-シクロアルキルから選択される。より好ましくは、R及びRは、各々独立して、水素及び置換又は非置換C1~20-アルキルから選択される。更により好ましくは、R及びRは各々水素である。
【0084】
式(I)の代替の好ましい三座配位子において、Xはヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成する。より好ましくは、Xはヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成する。より好ましくは、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環は、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環である。更により好ましくは、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、及びキノリニルから選択される。更により好ましくは、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、及びピリミジルから選択される。最も好ましくは、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環はピリジニルである。
【0085】
式(I)の三座配位子において、Yは、好ましくは、-SR、-CR、-NR、-PR、及び-NHPRから選択される。より好ましくは、Yは、-SR、-PR、及び-NHPRから選択される。更により好ましくは、Yは、-SR及び-PRから選択される。最も好ましくは、Yは、-SRである。
【0086】
式(I)の三座配位子において、R及びRは、各々独立して、好ましくは、水素、置換又は非置換C1~20-アルキル、置換又は非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換又は非置換C3~20-シクロアルキルから選択される。より好ましくは、R及びRは、各々独立して、水素及び置換又は非置換C1~20-アルキルから選択される。更により好ましくは、R及びRは各々水素である。
【0087】
式(I)の代替の好ましい三座配位子において、Yはヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成する。より好ましくは、Yはヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成する。より好ましくは、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環は、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環である。更により好ましくは、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、及びキノリニルから選択される。更により好ましくは、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、及びピリミジルから選択される。最も好ましくは、任意選択的に置換された窒素含有ヘテロ芳香族環はピリジニルである。
【0088】
式(I)の三座配位子において、R3a、R3b、R4a及びR4bは、各々独立して、好ましくは、水素、置換又は非置換C1~20-アルキル、置換又は非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換又は非置換C3~20-シクロアルキルから選択される。より好ましくは、R3a、R3b、R4a、及びR4bは、各々独立して、水素及び置換又は非置換C1~20-アルキルから選択される。更により好ましくは、R3a、R3b、R4a、及びR4bは各々水素である。
【0089】
式(I)の代替の好ましい三座配位子において、R3a、並びにR4a及びR4bのうちの1つ、又はR3b、並びにR4a及びR4bのうちの1つ、それらが結合する原子と一緒になって複素環を形成する。好ましくは、複素環は、6員環複素環である。
【0090】
式(I)の三座配位子において、Rは、好ましくは、水素、置換又は非置換C1~20-アルキル、置換又は非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換又は非置換C3~20-シクロアルキルから選択される。より好ましくは、Rは、水素及び置換又は非置換C1~20-アルキルから選択される。更により好ましくは、Rは水素である。
【0091】
式(I)の三座配位子において、各m及びnは、好ましくは1である。
【0092】
式(I)の三座配位子において、R及びRは、存在する場合、各々独立して、好ましくは、水素、置換又は非置換C1~20-アルキル、置換又は非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換又は非置換C3~20-シクロアルキル、置換又は非置換C6~20-アリール、及び置換又は非置換C4~20-ヘテロアリールから選択される。より好ましくは、R及びRは、存在する場合、各々独立して、水素、置換又は非置換C1~20-アルキル(例えば、C1~10-アルキル)、及び置換又は非置換C6~20-アリールから選択される。特に好ましいC1~20-アルキル基としては、エチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、及びヘキシル、より好ましくは、メチル、エチル、イソ-プロピル、tert-ブチル、更により好ましくは、エチルが挙げられる。好ましいC6~20-アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、及びメトキシフェニルが挙げられ、より好ましくは、フェニルが挙げられる。
【0093】
式(I)の代替の好ましい三座配位子において、X及び/又はYが-NR、-PR、-OPR、又は-NHPRである場合、R及びRは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0094】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、
式中、
Xは、-SR、-CR、-NR、-PR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はXは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、ヘテロ芳香族環は窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
Yは、-SR、-CR、-NR、-PR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はYは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、ヘテロ芳香族環は窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
及びRは、存在する場合、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又は、X及び/若しくはYが-NR、-PR若しくは-NHPRである場合、R及びRは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0095】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、
式中、
Xは、-SR、-PR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はXは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、及びキノリニルから選択される窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
Yは、-SR、-PR、及び-NHPRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はYは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、及びキノリニルから選択される窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
及びRは、存在する場合、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又は、X及び/若しくはYが-PR若しくは-NHPRである場合、R及びRは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0096】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、
式中、
Xは、-SR及び-PRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はXは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、及びピリミジルから選択される窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
Yは、-SR及び-PRから選択され、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はYは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、及びピリミジルから選択される窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
及びRは、存在する場合、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又はX及び/若しくはYが-PRである場合、R及びRは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0097】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは、-SRであり、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
Yは-SRであり、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
は、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択される。
【0098】
好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは、-SRであり、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキルから選択され、
Yは、SRであり、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキルから選択され、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル及び置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキルから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
は、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキルから選択される。
【0099】
より好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは、-SRであり、
及びRは、各々独立して、水素及び置換若しくは非置換C1~20-アルキルから選択され、
Yは、SRであり、
及びRは、各々独立して、水素及び置換若しくは非置換C1~20-アルキルから選択され、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々独立して、水素及び置換若しくは非置換C1~20-アルキルから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
は、各々独立して、水素並びに置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキルから選択される。
【0100】
更により好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
X及びYは、各々SRであり、
、R、R、R、R3a、R3b、R4a、R4b及びRは各々水素であり、
m及びnは各々1であり、
は、各々独立して、置換若しくは非置換のC1~20アルキル、好ましくは、C1~10アルキルである。
【0101】
更により好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
X及びYは、各々SEtであり、
、R、R、R、R3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々水素であり、
m及びnは各々1である。
【0102】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは、ヘテロ原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、
Yは、-PRであり、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又は、R及びRは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0103】
好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは、窒素原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、当該ヘテロ芳香族環は窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
Yは、-PRであり、
及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、及び置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキルから選択され、
3a、R3b、R4a、R4b及びRは各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキルから選択され、
各m及びnは、独立して、1又は2であり、
及びRは、各々独立して、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択される。
【0104】
より好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは、窒素原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたヘテロ芳香族環を形成し、当該ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、ピリミジル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、及びキノリニルから選択される、窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
Yは、-PRであり、
、R、R3a、R3b、R4a、R4b及びRは各々水素であり、
各m及びnは1であり、
及びRは、各々独立して、置換若しくは非置換C1~20-アルキル及び置換若しくは非置換C6~20-アリールから選択される。
【0105】
更により好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは窒素原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたよいヘテロ芳香族環を形成し、当該ヘテロ芳香族環は、ピリジニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、及びピリミジルから選択される、窒素含有ヘテロ芳香族環であり、
Yは、-PRであり、
、R、R3a、3b、R4a、R4b及びRは各々水素であり、
各m及びnは1であり、
及びRは、各々独立して、メチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、トリル、キシリル、及びメトキシフェニルから選択される。
【0106】
更により好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは窒素原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたピリジニル環を形成し
Yは、-PRであり、
、R、R3a、R3b、R4a、R4b及びRは各々水素であり、
各m及びnは1であり、
及びRは、各々独立して、メチル、エチル、イソプロピル、tert-ブチル、フェニル、トリル、キシリル、及びメトキシフェニルから選択される。
【0107】
更により好ましくは、遷移金属触媒は、式(I)を有する三座配位子を含み、式中、
Xは窒素原子であり、Rと一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換されたピリジニル環を形成し、
Yは、-PRであり、
、R、R3a、R3b、R4a、R4b及びRは各々水素であり、
各m及びnは1であり、
及びRは各々フェニルである。
【0108】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(II)又は式(III)を有し、
[M(L)(L](II)
[M(L)(L]W(III)
式中、
Mは、遷移金属であり、
は、先に定義した三座配位子であり、
は、同じ又は異なり得る配位子であり、
dは、1、2又は3であり、
Wは、非配位アニオン性配位子である。
【0109】
本発明の好ましいプロセスにおいて、Mは、第6族、第7族、第8族又は第9族の遷移金属である。より好ましくは、Mは、第7族、第8族、又は第9族の遷移金属である。更により好ましくは、Mは、第8族の遷移金属である。
【0110】
本発明の好ましいプロセスにおいて、Mは、Mo、Mn、Fe、Co、Ru及びOsから選択される、遷移金属である。より好ましくは、Mは、Ru及びOsから選択される、遷移金属である。最も好ましくは、Mは、Ruである。
【0111】
本発明の好ましいプロセスにおいて、dは、3である。
【0112】
当業者によって理解されるように、各Lは、L配位子の組み合わせが原子価の規則によって許容されるという条件で、単座配位子又は多座配位子であり得る。本発明の好ましいプロセスにおいては、各Lは、単座配位子である。好ましくは、各Lは、独立して、中性単座配位子又はアニオン性単座配位子である。本発明の好ましいプロセスにおいて、各L2は、独立して、-H、-CO、-CN、-P(R’)、-As(R’)、-CR’、-OR’、-O(C=O)R’、-NR’、ハロゲン(例えば、-Cl、-Br、-I)及び溶媒から選択され、式中、各R’は、独立して、置換若しくは非置換アルキル、置換若しくは非置換アルケニル、置換若しくは非置換アルキニル、置換若しくは非置換ヘテロアルキル、置換若しくは非置換アルコキシ、置換若しくは非置換シクロアルキル、置換若しくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換アリール、及び置換若しくは非置換ヘテロアリールから選択される。好ましくは、各Lは、独立して、-H、-CO、-P(R’)、及びハロゲンから選択される。より好ましくは、各Lは、独立して、-CO、-PPh、及び-Clから選択される。Lが溶媒である場合、溶媒は、好ましくは、THF、Me-THF、MeCN、HO及びアルコール(例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)から選択される。
【0113】
式(III)の遷移金属触媒において、Wは、非配位アニオン性配位子である。「非配位アニオン配位子」とは、アニオン配位子が金属中心の外圏に強制的に配置されることを意味する。したがって、アニオン性配位子は金属中心から解離される。これは、アニオン性配位子が配位圏内の金属に結合している中性錯体とは対照的である。アニオン性配位子は、一般に、カチオン性錯体のX線結晶構造を分析することによって、非配位性として同定することができる。好ましくは、Wは、トリフレート(すなわち、TfO 又はCFSO )、テトラフルオロホウ酸塩(すなわちBF)、ヘキサフルオロアンチモネート(すなわちSbF)、ヘキサフルオロホスフェート(PF )、[B[3,5-(CF([BAr )、ハロゲン化物(例えばCl、Br、I)及びメシレート(MsO又はMeSO )からなる群から選択される。
【0114】
好ましくは、遷移金属触媒は、式(II)の遷移金属触媒である。
【0115】
代替的に、遷移金属触媒は、式(III)の遷移金属触媒である。
【0116】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、以下のものである。
【0117】
【化2】
【0118】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、Ru-SNS又はRu-PNNである。
【0119】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、以下のものである。
【0120】
【化3】
【0121】
本発明の好ましいプロセスにおいて、本発明のプロセスにおいて用いられる遷移金属触媒は、二座配位子を含む。
【0122】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(IV)を有する二座配位子を含み、
【0123】
【化4】
式中、
X’は、-NHRaxであり、
Y’は、-SRax,-ORax,-CRax,-NRaxbx,-PRaxbx,-P(=O)Raxbx,-OPRaxbx,及び-NHPRaxbxから選択され、
8a,R8b,R9a及びR9bは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
pは、1又は2であり、
ax及びRbxは、存在する場合、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又は、X’及び/若しくはY’が-NRaxbx,-PRaxbx,-OPRaxbx、若しくは-NHPRaxbxである場合、Rax及びRbxは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0124】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(V)又は式(VI)を有し、
[M(L
[M(L ]W
式中、
Mは、遷移金属であり、
は、同じ又は異なり得る、上記定義の二座配位子であり、
は、存在する場合、同じ又は異なり得る配位子であり、
eは、1又は2であり、eが1である場合、fは、2、3又は4であり、eが2である場合、fは、0、1又は2であり、
Wは非配位アニオン性配位子である。
【0125】
M、L及びWは、一般的に上記のとおりである。
【0126】
本発明の好ましいプロセスにおいて、本発明のプロセスにおいて用いられる遷移金属触媒は、四座配位子を含む。
【0127】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(VII)を有する四座配位子を含み、
【0128】
【化5】
式中、
Qは、-SRay,-ORay,-CRay,-NRayby,-PRayby,-P(=O)Rayby,-OPRayby、及び-NHPRaybyから選択され、
15及びRは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はQはヘテロ原子であり、R15と一緒になった場合、それは、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成し、
Wは、S、O、NR、及びPRから選択され、
16、R及びRは、各々独立して、水素、若しくは又は非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
又はR16は、Rと一緒になった場合、Rが存在しない場合、任意選択的に置換された複素環を形成し、
Zは、-SRay、-ORay、-CRay、-NRayby、-PRayby、-P(=O)Rayby、-OPRayby、及び-NHPRaybyから選択され、
10a、R10b、R11a及びR11bは、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリール、又は、R10a並びにR11a及びR11bのうちの1つ、又はR10b並びにR11a及びR11bのうちの1つは、それらが結合している原子と共に環を形成し、
12a、R12b、R13a、R13b及びR14は、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20-ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、
各q及びrは、各々独立して、1又は2であり、
sは、0、1又は2であり、
ay及びRbyは、が存在する場合、各々独立して、水素、置換若しくは非置換C1~20-アルキル、置換若しくは非置換C2~20-アルケニル、置換若しくは非置換C2~20-アルキニル、置換若しくは非置換C1~20-ヘテロアルキル、置換若しくは非置換C1~20-アルコキシ、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルキル、置換若しくは非置換C3~20-シクロアルケニル、置換若しくは非置換C2~20--ヘテロシクロアルキル、置換若しくは非置換C6~20-アリール、及び置換若しくは非置換C4~20-ヘテロアリールから選択され、又は、Q及び/若しくはZが-NRayby,-PRayby,-OPRayby、若しくは-NHPRaybyである場合、Ray及びRbyは、それらが結合しているヘテロ原子と一緒になって複素環を形成する。
【0129】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、式(VIII)又は式(IX)を有し、
[M(L)(L ] (VIII)
[M(L,L ]W (IX)
式中、
Mは遷移金属であり、
は、先に定義した四座配位子であり、
は、存在する場合、同じ又は異なり得る配位子であり、
gは、0、1又は2であり、
Wは非配位アニオン性配位子である。
【0130】
M、L及びWは、一般的に上記のとおりである。
【0131】
本発明の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、共溶媒を使用する沈殿工程によって反応混合物から除去される。
【0132】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、生成物の蒸留によって反応混合物から除去される。
【0133】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、生成物の結晶化によって反応混合物から除去される。
【0134】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、遷移金属触媒は、金属スカベンジャを使用して反応混合物から除去される。
【0135】
本発明の好ましいプロセスにおいて、グリセロールエステルを含む当該組成物を、分子水素の存在下で、塩基及び遷移金属触媒で当該処理することにより、当該グリセロールエステルを水素化する。
【0136】
本発明の好ましいプロセスにおいて、当該組成物は、グリセロールエステルの混合物を含む。
【0137】
本発明の好ましいプロセスにおいて当該組成物は、グリセロールエステルからなる。
【0138】
本発明の好ましいプロセスにおいて、当該組成物は、グリセロールエステルの混合物からなる。
【0139】
本発明の好ましいプロセスにおいて、グリセロールエステルを含む組成物は天然源からのものである。
【0140】
本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、グリセロールエステルを含む組成物は、非天然源由来である。
【0141】
本発明の更に代替の好ましいプロセスにおいて、グリセロールエステルを含む組成物は、合成又は半合成源からのものである。
【0142】
本発明の好ましいプロセスにおいて、グリセロールエステルを含む組成物は天然油である。
【0143】
好ましくは、天然油は、アーモンド油、アボカド油、トモシリソウ種子油、ブラジルナッツ油、カシューナッツ油、ヒマシ油、チアシード油、カカオバター油、ヤシ油、トウモロコシ油、綿種子油、アマニ油、ブドウ種子、麻種子、マカダミアナッツ油、マスタード油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ピーナッツ油、ペカンナッツ油、エゴマ油、ケシ油、プラカシ油、米油、サフラワー油、シーバックソーン油、ゴマ油、ダイズ油、サンフラワー油、ケツルアズキ油、及びクルミ油から選択される。より好ましくは、天然油は、アマニ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ナタネ油、及びサンフラワー油から選択される。更により好ましくは、天然油は、オリーブ油、ナタネ油、及びサンフラワー油から選択される。
【0144】
本発明の好ましいプロセスにおいて、組成物中に存在するグリセロールエステルは、少なくとも1つの脂肪酸残基を含み、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、12~24個の炭素原子、好ましくは14~22個の炭素原子、より好ましくは16~20個の炭素原子(例えば18個の炭素原子)を含む。脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、非置換であっても置換されていてもよい。
【0145】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、少なくとも1つの脂肪酸残基を含み、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、12個の炭素原子を含む。
【0146】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、少なくとも1つの脂肪酸残基を含み、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、14個の炭素原子を含む。
【0147】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖が16個の炭素原子を含む、少なくとも1つの脂肪酸残基を含む。
【0148】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、少なくとも1つの脂肪酸残基を含み、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、18個の炭素原子を含む。
【0149】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、少なくとも1つの脂肪酸残基を含み、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、20個の炭素原子を含む。
【0150】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、少なくとも1つの脂肪酸残基を含み、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、22個の炭素原子を含む。
【0151】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、少なくとも1つの脂肪酸残基を含み、脂肪酸残基の飽和又は不飽和脂肪族鎖は、24個の炭素原子を含む。
【0152】
本発明の好ましいプロセスにおいて、組成物中に存在するグリセロールエステルは、脂肪酸残基の脂肪族鎖が不飽和であり、1~5個の炭素-炭素二重結合、好ましくは1~4個の炭素-炭素二重結合、より好ましくは1~3個の炭素-炭素二重結合、より好ましくは1~2個の炭素-炭素二重結合を含む、少なくとも1つの脂肪酸残基を含む。脂肪酸残基の不飽和脂肪族鎖は、非置換であっても置換されていてもよい。不飽和脂肪族鎖は、シス結合及び/又はトランス二重結合を含んでいてもよい。
【0153】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、脂肪酸残基の脂肪族鎖が不飽和であり、1つの炭素-炭素二重結合を含む、少なくとも1つの脂肪酸残基を含む。
【0154】
好ましくは、組成物中に存在するグリセロールエステルは、脂肪酸残基の脂肪族鎖が不飽和であり、2つの炭素-炭素二重結合を含む、少なくとも1つの脂肪酸残基を含む。
【0155】
本発明の好ましいプロセスにおいて、組成物中に存在するグリセロールエステルは、オメガ-9脂肪酸、オメガ-7脂肪酸、オメガ-6脂肪酸、及びオメガ-3脂肪酸から選択される少なくとも1つの脂肪酸残基を含む。
【0156】
好適なオメガ-9脂肪酸としては、ヒポゲイック酸、オレイン酸、エライジン酸、ゴンドイック酸、ミード酸、エルカ酸、ネルボン酸、及びキシメニック酸が挙げられる。
【0157】
好適なオメガ-7脂肪酸としては、5-ドデセン酸、7-テトラデセン酸、パルミトレイン酸、バクセン酸、ルーメン酸、パウリン酸、15-ドコセン酸、及び17-テトラコセン酸が挙げられる。
【0158】
好適なオメガ-6脂肪酸としては、リノール酸、γ-リノレン酸、カレンジン酸、エイコサジエン酸、ジホモ-γ-リノレン酸、アラキドン酸、ドコサジエン酸、アドレン酸、オスボンド酸、テトラコサテトラエン酸、及びテトラコサペンタエン酸が挙げられる。
【0159】
好適なオメガ-3脂肪酸としては、ヘキサデカトリエン酸、α-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサトリエン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ヘンエイコサペンタエン酸、ドコサペンタエン酸、クルパノドン酸、ドコサヘキサエン酸、テトラコサペンタエン酸、及びテトラコサヘキサエン酸が挙げられる。
【0160】
本発明の好ましいプロセスにおいて、組成物中に存在するグリセロールエステルは、リノール酸及びオレイン酸から選択される少なくとも1つの脂肪酸残基を含む。
【0161】
本発明の好ましいプロセスにおいて、組成物中に存在するグリセロールエステルは、1つの脂肪酸残基を含む。本発明の代替の好ましいプロセスにおいて、組成物中に存在するグリセロールエステルは、2つの脂肪酸残基を含む。本発明の更に代替の好ましいプロセスにおいて、組成物中に存在するグリセロールエステルは、3つの脂肪酸残基を含む。好ましい脂肪酸残基は上で考察されている。
【0162】
当業者に理解されるように、本発明のプロセスの生成物は、脂肪アルコール及びグリセロールである。本発明の好ましいプロセスにおいて、本プロセスはヘミアセタール副生成物を産生しない。
【0163】
組成物中に存在するグリセロールエステルが1つ以上のアルケニル及び/又はアルキニル部分を含有する場合、本発明のプロセスは、好ましくは、アルケン及び/又はアルキンの不飽和炭素-炭素結合の少なくとも1つよりも、エステル部分を選択的に水素化する。いくつかの既知のプロセスにおいて、このような基質の水素化は、アルケニル部分及び/又はアルキニル部分のみの水素化を生じ、これは、エステル部分の水素化を生じるために2工程手順が必要とされることを意味する。したがって、本発明の利点は、アルケニル及び/又はアルキニル部分の存在がエステル部分の還元に有害でないことであり、むしろ、不飽和C-C結合は、所望であれば、反応条件下で保存することができる。
【0164】
代替的に、組成物中に存在するグリセロールエステルが1つ以上のアルケニル及び/又はアルキニル部分を含有する場合、本発明のプロセスは、好ましくは、アルケン及び/又はアルキンのエステル部分及び不飽和炭素-炭素結合の両方を水素化する。
【0165】
組成物中に存在するグリセロールエステルがケトン及び/又はアルデヒド部分を含有する場合、本発明のプロセスは、好ましくはエステル部分とケトン及び/又はアルデヒドの炭素-酸素二重結合の両方を水素化する。
【0166】
組成物中に存在するグリセロールエステルが、1つ以上のアルケニル及び/又はアルキニル部分、並びにケトン及び/又はアルデヒド部分を含有する場合、本発明のプロセスは、好ましくは、アルケン及び/又はアルキンの不飽和炭素-炭素結合の少なくとも1つよりも、エステル部分とケトン及び/又はアルデヒドの炭素-酸素二重結合の両方を選択的に水素化する。代替的に、組成物中に存在するグリセロールエステルが、1つ以上のアルケニル及び/又はアルキニル部分、並びにケトン及び/又はアルデヒド部分を含有する場合、本発明のプロセスは、好ましくは、エステル部分、アルケン及び/又はアルキンの不飽和炭素-炭素結合、並びにケトン及び/又はアルデヒドの炭素-酸素二重結合を水素化する。
【0167】
本発明の好ましいプロセスにおいて、プロセスは、バッチプロセスである。
【0168】
本発明の好ましいプロセスにおいて、プロセスは、フロープロセスである。好ましくは、プロセスは、任意の過剰な塩基が再循環されるフロープロセスである。
【0169】
本発明はまた、上記のプロセスによって得られた、又は得ることが可能である水素化組成物を提供する。
【0170】
本発明はまた、化合物を作製する方法であって、本明細書で先に記載したプロセスを含む方法を提供する。
【0171】
これから、以下の非限定的な実施例を用いて本発明を更に説明する。
【実施例
【0172】
材料
Ru-SNS及びRu-PNNは、Johnson Mattheyから市販されている。
【0173】
NaOEtは、例えばSigma Aldrich、Fisher Scientific、Alfa Aesar、Acros Organicsなどから市販されている。
【0174】
ナタネ油(RS1)は市販されている。以下の実施例で使用したナタネ油の基質組成は、GC分析によりおよそ:C16:0~5.6%、C18:0~1.3%、C18:1~61.6%、C18:2~21.4%であることが分かった。
【0175】
オリーブ油(OO1)は市販されている。以下の実施例で使用したオリーブ油の基質組成は、GC分析により、およそ:C16:0~1.3%、C18:0~2.4%、C18:1~73.0%、C18:2~9.3%であることが分かった。
【0176】
サンフラワー油(SO1)は市販されている。以下の実施例で使用したサンフラワー油の基質組成は、GC分析により、およそ:C16:0~6.1%、C18:0~2.5%、C18:1~23.3%、C18:2~66.1%であることが分かった。
【0177】
測定方法
ガスクロマトグラフィ(Gas chromatography、GC)測定は、Varian 3900又は3800ガスクロマトグラフシステムを使用して行った。
【0178】
核磁気共鳴(Nuclear magnetic resonance、NMR)測定は、Bruker Avance III 400(400MHz)分光計を使用して行った。
【0179】
グリセロールエステルの水素化のための一般的手順
8mLバイアルに、触媒Ru-SNS又はRu-PNNを添加し、続いて固体塩基、NaOEt、次いで溶媒(必要な場合)、次いで油(RS1、OO1又はSO1)を添加した。次いで、バイアルをBiotage Endeavorスクリーニングシステムに加えた後、撹拌ヘッドを密封し、反応混合物を窒素でパージした。パージシーケンスは、約45psiの窒素に加圧し、次いで圧力を解放することを含んでいた(5回繰り返した)。次いで、反応器を水素で加圧し、次いで加熱し、水素の設定圧力まで加圧した。反応時間(典型的には16時間)が完了したら、反応物を室温まで冷却した。次いで、窒素パージサイクル(5回繰り返し)を行って水素を除去した。
【0180】
次いで、反応混合物をGC及びNMRによって分析した。分析を行う前に、まず少量のEtOHを粗反応混合物に添加し、100℃で1時間加熱する必要があった。次いで、反応混合物を冷却した。GC分析のために、反応混合物をGCバイアル中でEtOHで希釈し、GC分析を行った。NMR分析のために、得られた残渣に対してNMR分析を行う前に、反応混合物を最初に後処理手順に供した(i)トルエン及び水で希釈し、更に4M HClを添加し、(ii)水層を分離し、(iii)真空中で有機溶媒を除去した。
【0181】
実施例1:塩基量の変化の検討
ナタネ油(RS1)の試料に対して、上記の一般的手順を行った。温度、圧力、触媒及び触媒充填量は、各組の実験について一定に保ったが、使用した固体塩基NaOEtの量は変化させた。Ru-SNS触媒を用いた場合、トルエンを溶媒として更に使用した。実施例1はスクリーニング実験であったので、粗反応混合物は後処理されず、これはNMR変換が利用できないことを意味する。代わりに、反応をGC分析及び水素取り込みによってモニターした。結果を下記表1に示す。
【0182】
表1の結果は、塩基の量が増加すると、触媒充填量が非常に低いままであるにもかかわらず、水素化反応のC18:1転化率が著しく増加することを示す。これは、両方の組の実験、すなわち、Ru-PNN触媒を含むもの(エントリ1対エントリ2、及びエントリ3対エントリ4)及びRu-SNS触媒を含むもの(エントリ5対エントリ6)について観察された。各組の実験において、C18:1転化率は、塩基の量が6.2重量%~18.7重量%に増加するにつれて増加することが分かった。
【0183】
実施例2:反応開始遅延の検討
Ru-SNS触媒を使用して、ナタネ油(RS1)の試料に対して上記の一般的手順を実施した。溶媒としてトルエンを使用して反応を行ったが、EtOHの量を変化させて、これが反応の進行に影響を及ぼすかどうかを調べるために更に用いた。実施例2はスクリーニング実験であったので、粗反応混合物の大部分は後処理されず、これはNMR変換が利用できないことを意味する(後処理され、80%のNMR変換を有することが見出されたエントリ2を除く)。代わりに、反応をGC分析及び水素取り込みによってモニターした。結果を下記表2に示す。
【0184】
表2から分かるように、50℃で行った全ての反応は、EtOH添加剤を全く含有しなかったエントリ1を除いて、GCを介して完全なC18:1変換で進行することが分かった。図1から分かるように、水素取り込みによってモニターされる反応開始時間までの遅延は、反応混合物へのEtOHの添加時に有意に減少した(すなわち、エントリ1(EtOHなし)について約16時間の遅延対エントリ2について約2時間、エントリ3について約0.5時間及びエントリ4について約2.5時間)。
【0185】
60℃で行われた全ての反応は、GCを介して完全なC18:1変換で進行することが見出された。図2から分かるように、水素取り込みによってモニターされる反応開始時間までの遅延は、反応混合物へのEtOHの添加時に再び有意に減少した(すなわち、エントリ6について約3時間、エントリ7について約1時間及びエントリ8について約1時間に対してエントリ5(EtOHなし)について約13時間の遅延)。
【0186】
表2並びに図1及び2に示される結果はまた、より低い温度がより好ましいことを示唆し得る。
【0187】
実施例3:グリセロールエステル水素化
ナタネ油(RS1)の試料に対して、上記の一般的手順を行った。各反応で使用した条件を以下の表3に列挙する。各反応の結果も表3に示す。
【0188】
実施例4:グリセロールエステル水素化
上記の一般的手順を、ナタネ油(RS1)、オリーブ油(OO1)及びサンフラワー油(SO1)の試料に対して行った。各反応で使用した条件を以下の表4に列挙する。各反応の結果も表4に示す。
【0189】
表3及び4の結果は、本発明のプロセスが、ある範囲の油(すなわち、グリセロールエステルを含む組成物)の水素化について、極めて低い触媒充填量(例えば、表3の実験については、油の量に基づいて約0.0114重量%(約19,000/1~20,000/1 S/Cに等しい)、表4の実験については、油の量に基づいて約0.0059重量%(約38,000/1~40,000/1 S/Cに等しい))で高いNMR変換率及び質量回収率を達成することができることを示す。これらの結果はまた、三座配位子を含有する様々な異なる遷移金属触媒を使用して水素化反応を行うことができることを示している。
【0190】
表3のエントリ1及び2の比較は、比較可能な結果を示す。したがって、全ての他の変数が一定のままである場合、Ru-SNSを使用して行われる水素化反応は、(表3のエントリ2における30バールと比較して)10バールのはるかに低い圧力であっても高いNMR変換率及び質量回収率を達成する。同じことが、Ru-PNNを使用して行われる水素化反応についても言える(表3のエントリ3及び4)。本発明のエステル水素化反応をより低い圧力で操作することができることは、コストの低減及び安全性の改善という追加の利点を提供する。加えて、高圧に耐えなければならない特別な装置の必要性が回避される。
【0191】
ある場合には、本発明のプロセスは溶媒の非存在下で行われるが、他の場合には、溶媒の存在が有益であることが見出されている。少量のアルコール(例えば、EtOH)の添加もまた、いくつかの場合において有益であることが見出されている(上記の実施例2を参照のこと)。表3及び4に示される実験において、RS1について、Ru-SNS触媒を含むプロセスは、溶媒としてのトルエンの存在下で最も良く機能したが、Ru-PNN触媒は、溶媒なしで最も良く機能したことが見出された。OO1及びSO1は、ある範囲の溶媒条件をより良好に許容することができたが、両方の触媒についての最良の条件は、溶媒としてのトルエンの使用であることが見出された。しかしながら、表3及び4の全ての実験は、少量のEtOHの添加が水素化反応開始までの時間遅延を最小化するのに役立つことが見出されたので、少量のEtOHの添加から利益を得ることが見出された。したがって、表3及び4に示される結果は、本発明のプロセスが、ある範囲の異なる溶媒条件を使用して効果的に実施され得ることを実証する。当業者によって理解されるように、最適化された溶媒条件は、基材ごとに異なり得る。
【0192】
実施例5:Parrスケールグリセロールエステル水素化
ナタネ油(RS1)(91g、100mL)、トルエン(60mL、RS1に基づいて60体積%)、次いで固体NaOEt(28.1g、RS1基質に対して30.9重量%)をParr 600mL反応容器に添加した。容器及びスターラヘッドを一緒に固定し、加熱マントルに組み立てた。容器上で窒素パージを完了し、この間、反応混合物の撹拌を約750rpmに設定した。混合物を40℃までに加熱し、このレベルに維持した。系の温度が平衡に達したら、系から窒素を排出し、EtOH(12mL、RS1に基づいて12体積%)及びRu-SNS触媒(10.4mg、RS1基質に対して0.0114重量%)のスラリーを注入口を介して容器に添加した。5回の水素パージを完了し、次いで反応圧力を30バールに設定し、撹拌を約1500rpmに変更した。水素圧を反応中維持し、取り込みをモニターした。一晩反応させた後、反応器を冷却し、水素を注意深く排気し、窒素パージを行って反応容器を不活性化した。
【0193】
粗反応混合物を4M HCl(105mL)を使用して処理し、追加の100mLトルエンを加えて有機相を支持した。有機相を分離し、真空中で濃縮して、79gの粗生成物を得た(元の基質質量の86.8重量%)。NMRによる分析は、エステル含有物のアルコールへの95%変換を示した。
【0194】
実施例6:Parrスケールグリセロールエステル水素化
20.2gのNaOEt(RS1基質に対して22.2重量%)を使用して、実施例5の反応を繰り返した。実施例5について上記したように処理した後、85gの粗生成物が得られた(元の基質質量の93.4重量%)。NMRによる分析は、エステル含量のアルコールへの96%の変換を示した。
【0195】
【表1】
S/C比の近似は、RS1油組成物が完全に100%C18:1(すなわちmw=846)のトリグリセリドであると仮定することによって行うことができる。
塩基の量は、油組成物が完全に100%C18:1(すなわち、mw=846)を有するトリグリセリドであると仮定することによって、エステル含有量に関するおよそのmol%値に変換することができる。エントリ2を例にとると、使用される塩基の量は、エステル含量に対して約77mol%に等しい。
【0196】
【表2】
S/C比の近似は、RS1油組成物が完全に100%C18:1(すなわちmw=846)のトリグリセリドであると仮定することによって行うことができる。
塩基の量は、油組成物が完全に100%C18:1(すなわち、mw=846)を有するトリグリセリドであると仮定することによって、エステル含有量に関するおよそのmol%値に変換することができる。エントリ1を例にとると、使用される塩基の量は、エステル含量に対して約129mol%に等しい。
【0197】
【表3】
S/C比の近似は、RS1油組成物が完全に100%C18:1(すなわちmw=846)のトリグリセリドであると仮定することによって行うことができる。
塩基の量は、RS1油組成物が100%C18:1(すなわち、mw=846)を有する完全なトリグリセリドであると仮定することによって、エステル含有量に関するおよそのmol%値に変換することができる。エントリ1を例にとると、使用される塩基の量は、エステル含量に対して約129mol%に等しい。
【0198】
表3の結果について、後処理された鎖分布(%)は以下のとおりであった(順序=C16:0、C18:0、C18:1、C18:2、オレイン酸エチル)。
エントリ1:4.3、0、62.8、20.4、0
エントリ2:4.2、0、63.0、20.5、0
エントリ3:4.3、1.0、63.1、20.4、0
エントリ4:4.3、1.0、63.3、20.6、0
【0199】
【表4】
S/C比の近似は、油組成物が完全に100%C18:1(すなわち、mw=846)のトリグリセリドであると仮定することによって行うことができる。
塩基の量は、油組成物が完全に100%C18:1(すなわち、mw=846)を有するトリグリセリドであると仮定することによって、エステル含有量に関するおよそのmol%値に変換することができる。エントリ1を例にとると、使用される塩基の量は、エステル含量に対して約129mol%に等しい。
【0200】
表4の結果について、後処理された鎖分布(%)は以下のとおりであった(順序=C16:0、C18:0、C18:1、C18:2、オレイン酸エチル)。
エントリ1:4.3、0、60.8、19.5、0
エントリ2:11.2、2.8、73.7、8.3、0
エントリ3:11.2、2.7、74.2、8.3、0
エントリ4:6.1、3.6、26.4、61.2、0
エントリ5:6.3、3.4、26.6、62.0、0

図1
図2
【国際調査報告】