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特表2023-547022二重構造を有する加熱式カートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】二重構造を有する加熱式カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20231101BHJP
   A24D 1/04 20060101ALI20231101BHJP
   A24D 3/04 20060101ALI20231101BHJP
   A24B 15/16 20200101ALI20231101BHJP
【FI】
A24D1/20
A24D1/04
A24D3/04
A24B15/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023514493
(86)(22)【出願日】2021-10-25
(85)【翻訳文提出日】2023-04-26
(86)【国際出願番号】 CN2021125966
(87)【国際公開番号】W WO2022089339
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】202011185105.0
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110121860.0
(32)【優先日】2021-01-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520401631
【氏名又は名称】ユンナン タバコ バイオロジカル テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YUNNAN TOBACCO BIOLOGICAL TECHNOLOGY CO., LTD
【住所又は居所原語表記】5 / F, Building 2, Yunnan Returnees Pioneer Park, No. 80, Chunman Avenue, Luoyang Sub District Office, Economic Development Zone, Kunming Pilot Free Trade Zone, Kunming, Yunnan, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョウ ジン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジガン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン タオ
(72)【発明者】
【氏名】ファン リャン
(72)【発明者】
【氏名】シー チンジェン
(72)【発明者】
【氏名】リー ジアホン
【テーマコード(参考)】
4B043
4B045
【Fターム(参考)】
4B043BB10
4B043BB11
4B043BB21
4B043BC03
4B043BC04
4B043BC20
4B043BC23
4B045AA21
4B045AA50
4B045AB11
4B045AB17
4B045BA05
4B045BC08
4B045BC22
(57)【要約】
二重構造を有する加熱式カートリッジである。カートリッジは、煙形成部(1)と煙拘束部(2)とを逐次互いに接合させ、外層包装紙(3)で包装し、ねじることによって形成される。本加熱式カートリッジにより、喫煙のプロセス中、煙形成部(1)がヒータの加熱要素と接触して煙を放出し、煙は煙拘束部(2)を通って流れ、煙拘束部(2)は、煙温度を低下させるとともに煙を誘導して、冷却された高濃度の煙を消費者の口腔内に搬送されるようにする効果を有し、高い煙形成量、低い煙温度等の利点を有する。加熱式カートリッジは、単純な構造を有し、工業化が容易であり、良好な工業的応用の見込みを有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重構造を有する加熱式カートリッジであって、前記加熱式カートリッジが、煙形成部と煙拘束部とを逐次互いに接合させ、外層包装紙で包装し、ねじることによって形成されており、前記加熱式カートリッジが、30~90mmの長さ及び4~10mmの直径を有する円筒形である、加熱式カートリッジ。
【請求項2】
前記煙形成部の長さが5~60mmであり、前記煙拘束部の長さが25~80mmである、請求項1に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項3】
前記煙形成部及び前記煙拘束部の直径が同じであり、それらの真円度が90%よりも大きい、請求項1に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項4】
前記煙形成部が、発煙材料と、前記発煙材料を包む包装材料層とから構成され、前記発煙材料が、タバコ又は非タバコ材料、発煙剤及び成形助剤から構成され、それらの重量比は50~80:15~30:0.1~10であり、前記発煙材料が、粉末、粒子、ペースト又はシート状の発煙材料であり、前記包装材料層が、セルロース紙、紙筒、プラスチック筒又は他の材料から作られた筒状層である、請求項1に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項5】
前記煙拘束部が、前記煙拘束部の長手方向軸と平行な流路を有する射出成形部材又は押出し部材であり、前記煙形成部と直接連結されて包装されているか、又は、紙材を使用することによって包装されるか若しくは前記筒状層にスリーブ状に嵌められ、次に、前記煙形成部と連結されて包装されている、請求項1に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項6】
前記煙拘束部の断面において、通路の孔の総面積の非通路面積に対する比率が0.3~2.0である、請求項5に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項7】
前記煙拘束部の流路の断面形状が、円形、多角形又は不定形であり、前記流路の数が1つ以上である、請求項5に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項8】
前記煙拘束部の流路の壁と前記煙拘束部の外壁と間の距離が0.1~3.0mmである、請求項5又は7に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項9】
タバコ1本当たりの前記煙拘束部の質量が、0.8~2.0gである、請求項5に記載の加熱式カートリッジ。
【請求項10】
前記煙拘束部を作るための材料が、メチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルビニルフェニルシリコーンゴム、ニトリルシリコーンゴム又はフルオロシリコーンゴムの食品用シリコーンゴム材料であり、これらの材料の比熱容量が、1.5~2.5KJ/(kg・℃)であり、これらの材料の含水量が、1.0~4.0重量%である、請求項5に記載の加熱式カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年10月30日に出願された中国特許願第2020111851050号、及び2021年1月28日に出願された中国特許願第202110121860.0号の優先権を主張する。
【0002】
本発明は、タバコ加工の技術分野に属する。より具体的には、本発明は、二重構造を有する加熱式カートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
加熱式製品は、近年開発された新たなタイプの製品であり、加熱及び焼成して煙を放出するために外部熱源が使用されるという事実により、製品の有害成分放出量が著しく減少し、従来の有煙タバコと比較すると、製品の安全性が著しく改善されている。加熱式タバコ製品は、味が濃厚であり、副流煙がなく、煤煙汚染がない等の特性及び利点を有し、市場で受け入れられており、良好な市場フィードバックが得られている。目下、市場では、Philip Morris International社製のアイコス(iQOS)、British American Tobacco社製のグロー(Glo)、Japan Tobacco社製のプルーム(Ploom)、Korean tobacco社製のリル(lil)等の製品の年間販売規模は、2億箱/年を超え、外国タバコ市場の市場占有率の3%超を占めている。
【0004】
しかしながら、加熱及び焼成により煙を放出するという技術的解決法のため、これらの製品には、煙の濃度が不十分であるとともに煙の温度が高いという欠点があり、これにより、これらの加熱式製品をより多くの消費者が選択することが制限されている。加熱式製品は、通常、煙の濃度及び温度を調節及び制御するために多重構造の複合フィルタロッドを採用しているが、関連材料の選択及び構造設計の技術的問題により、問題を効果的に解決することができない。目下、一般的な加熱式製品の場合、タバコ1本あたりの総煙粒子相は18mg以下であり、煙の温度及びフィルタチップの表面温度は45℃を超える。同時に、複雑なフィルタロッド構造により、製造が困難になり、コストが高くなる。
【0005】
例えば、「Aerosol-generating article for use with an aerosol-generating device」と題する米国特許出願公開第20140305448号明細書は、4部材構造を有する加熱式カートリッジを開示しており、この4部材構造は、それぞれ煙形成部、支持部、冷却部及びろ過部である。製造プロセスは複雑であり、冷却部は吸引プロセスで溶融する可能性があり、したがって、喫煙体験に影響を与える。煙の量が少ない、煙の温度が高い等の欠点が存在する。
【0006】
「A support for an incense core and an incense core having the same」と題する中国特許出願公開第110680018号明細書では、一実施形態が、三重構造の加熱式カートリッジ構造を開示しており、この三重構造は、それぞれ煙形成部、耐高温煙道部及びフィルタ部である。煙カートリッジの製造プロセスは簡略化されており、煙の温度はある程度まで低下するが、フィルタ部の煙量が少なくなり、煙濃度が高いというペインポイントが解決されない。
【0007】
「A heat-not-burn cigarette and a smoking article」と題する中国実用新案第211153800号明細書は、加熱式タバコと喫煙物品とを開示している。加熱式タバコは、マトリックス部、煙収集部、循環要素及び外部包装要素を備え、マトリックス部は、煙形成部及び煙通過部を含む。煙が煙通過部を通過するとき、香気及び煙の一部が吸収され、そのため、芳香放出が影響を受け、煙濃度が低下する。煙収集部は、アセテート繊維筒、ポリ乳酸筒及び紙筒のうちの1つ又は複数から構成され、実用上の煙収集部の選択された材料の冷却効果は明白ではない。本発明の実施形態の検出データから分かるように、煙の量と煙の濃度との矛盾を具体的に解決することはできない。
【0008】
「Composite smoke circulation rod,smoke circulation product and smoke circulation system」と題する中国実用新案第210581038号明細書は、複合煙循環部を有する加熱式製品を開示しており、この加熱式製品は、複合煙循環部と煙形成部とから構成され、複合煙部は貫通孔を有する2つの円筒体であり、それらはセルロースアセテートトウ又はポリ乳酸トウ材料によって作られている。その実施形態の効果から、煙濃度はある程度まで上昇したが、煙温度は42℃を超える。煙濃度の問題は解決したが、煙の温度が高いという問題は解決されていない。
したがって、先行技術における技術的欠点に関して、本発明者らは、先行技術を分析及び総括し、多くの試験及び解析を行うことにより、本発明を完成させた。
【発明の概要】
【0009】
本発明の目的は、二重構造を有する加熱式カートリッジを提供することである。
【0010】
本発明は、以下の技術的解決法によって達成される。
【0011】
本発明は、二重構造を有する加熱式カートリッジに関する。
【0012】
加熱式カートリッジは、煙形成部と煙拘束部とを逐次互いに接合させ、外層包装紙で包装し、ねじることによって形成されている。加熱式カートリッジは、30~90mmの長さ及び4~10mmの直径を有する円筒形である。
【0013】
本発明の好ましい実施形態によれば、煙形成部の長さは5~60mmであり、煙拘束部の長さは25~80mmである。
【0014】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、それらの真円度は90%よりも大きい。
【0015】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、煙形成部は、発煙材料と、発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、タバコ又は非タバコ材料、発煙剤及び成形助剤から構成され、それらの重量比は50~80:15~30:0.1~10である。発煙材料は、粉末、粒子、ペースト又はシート状の発煙材料であり、包装材料層は、セルロース紙、紙筒、プラスチック筒又は他の材料から作られた筒状層である。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、煙拘束部は、煙拘束部の長手方向軸と平行な流路を有する射出成形部材又は押出し部材であり、煙形成部と直接連結されて包装されているか、又は、紙材を使用することによって包装されるか若しくは筒状層にスリーブ状に嵌められ(sleeved)、次に、煙形成部と連結されて包装されている。
【0017】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、煙拘束部の断面において、通路の孔の総面積の非通路面積に対する比率は0.3~2.0である。
【0018】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、煙拘束部の流路の断面形状は、円形、多角形又は不定形であり、流路の数は1つ以上である。
【0019】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、煙拘束部の流路の壁と煙拘束部の外壁と間の距離は0.1~3.0mmである。
本発明の別の好ましい実施形態によれば、タバコ1本当たりの煙拘束部の質量は、0.8~2.0gである。
【0020】
本発明の別の好ましい実施形態によれば、煙拘束部を作るための材料は、メチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルビニルフェニルシリコーンゴム、ニトリルシリコーンゴム又はフルオロシリコーンゴムの食品用シリコーンゴム材料であり、これらの材料の比熱容量は、1.5~2.5KJ(kg・℃)であり、これらの材料の含水量は、1.0~4.0重量%である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0022】
本発明は、二重構造を有する加熱式カートリッジに関する。図1に、加熱式カートリッジの具体的な構造を示し、ここで、1は煙形成部であり、2は煙拘束部であり、2-1は流路壁であり、2-2は流路であり、3は包装紙である。
【0023】
加熱式カートリッジは、煙形成部と煙拘束部とを逐次互いに接合させ、外層包装紙で包装し、ねじることによって形成され、加熱式カートリッジは、30~90mmの長さ及び4~10mmの直径を有する円筒形である。
【0024】
加熱式タバコが喫煙セットに装填された後、煙形成部の一端は、喫煙セットヒータの加熱要素と接触し、煙形成部の他端は、煙拘束部の一端に連結され、煙拘束部の他端は、消費者が喫煙するために使用される。喫煙プロセスでは、ヒータ加熱要素と接触している煙形成部が加熱されて煙を放出し、煙は煙拘束部を通って流れる。煙拘束部は、煙の温度を低下させるとともに煙を誘導する役割を果たし、冷却された高濃度の煙を消費者の口腔内に搬送する。
【0025】
本発明によれば、煙形成部の長さは5~60mmであり、煙拘束部の長さは25~80mmである。
【0026】
本発明の加熱式カートリッジにおける煙形成部の主な機能は、喫煙プロセス中に、必要な量の煙及び芳香物質を消費者に提供することであり、したがって、煙形成部は、十分な総発煙量を確保するために、150~400mgの発煙材料を収容するべきである。煙形成部の長さが5mm未満である場合、発煙材料の数は不十分であり、煙及び芳香の放出が不十分となる。煙形成部の長さが60mmよりも長い場合、発煙材料を通過する煙の経路が長くなりすぎ、吸引抵抗が増大し、煙濃度が低下し、それにより、吸引効果に影響を及ぼす。好ましくは、煙形成部の長さは12~50mmであり、より好ましくは18~40mmである。
【0027】
本発明の加熱式カートリッジにおける煙拘束部の主な効果は、それが、煙と熱交換するための十分な面積と十分な熱容量を有し、それにより、煙の温度を低下させるとともに、消費者が吸引するために煙を誘導することができるということである。煙拘束部の長さが80mmを超える場合、煙が通過する経路が長くなりすぎ、そのため、1回の吸引の発煙量が減少することになる。煙拘束部の長さが25mm未満である場合、煙が通過する経路が短くなりすぎ、冷却効果が不十分となり、煙の温度が比較的高く、それにより、吸引体験に影響を与える。好ましくは、煙拘束部の長さは26~68mmであり、より好ましくは30~60mmである。
【0028】
本発明において、煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、それらの真円度は90%よりも大きい。本発明において、真円度は、百分率で表される、煙形成部及び煙拘束部の最大直径に対する最小直径の比率として理解されるべきである。真円度が高いほど、形成された煙カートリッジの美的特性が良好となる。
本発明によれば、煙形成部と煙拘束部とが直接連結されて包装され、すなわち、煙形成部の一端が、煙拘束部の一端と直接連結され、外層包装紙を巻き付けて固定することにより、二重構造を有する加熱式カートリッジが得られる。
【0029】
別法として、煙拘束部は、紙材で包装されるか、又は、筒状層にスリーブ状に嵌められ、次に、包装するために煙形成部と連結され、次に、外側包装紙で包装されて、二重構造を有する加熱式カートリッジが得られる。
【0030】
本発明で使用する紙材又は筒状層材料は、吸引の安全性を確保するために、250℃の温度で溶融せず、変形せず、有害成分を放出しないという要件を満たすべきである。外層包装紙又は筒状層材料は、Yunnan Endian Technology Industry Development Co.Ltd.によってアルミ箔紙という商品名で販売されているアルミ箔複合紙、Shanghai Weixi Biotechnology Co.Ltd.によって透明成形紙という商品名で販売されているプラスチックフィルム複合セルロース紙等、目下市販されている製品である、セルロース紙、アルミ箔複合紙、プラスチックフィルム複合セルロース紙、裏面糊付きステッカ、プラスチックフィルム等を含む。
【0031】
以下、煙形成部及び煙拘束部について詳細に説明する。
【0032】
本発明によれば、煙形成部は、発煙材料と、発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、タバコ又は非タバコ材料、発煙剤及び成形助剤から構成され、それらの重量比は50~80:15~30:0.1~10である。
【0033】
本発明において、発煙材料中のタバコ又は非タバコ材料の基本的な機能は、芳香物質の基本成分を提供することである。本発明で使用するタバコ材料は、例えば、タバコ葉、膨張(expanded)タバコ茎及び刻みタバコであり、タバコ葉は、黄色種タバコ、バーレイタバコ又は乾燥タバコ(airing cigarette)であり、非タバコ材料は、例えば、茶葉、ミント葉、艾葉(ガイヨウ)、ビワ葉、ココア、葛の根、甘草又はサトウキビ植物粉である。これらの原料はすべて、当該技術分野において一般的に使用されている原料である。
【0034】
発煙材料における発煙剤の基本的な効果は、煙の基本成分を提供することである。本発明で使用する発煙剤は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、グリセロールジアセテート又はグリセロールトリアセテートである。これらの発煙剤は、当該技術分野において一般的に使用されており、Guangzhou Hongzhou Chemical Co.Ltd.によってからグリセロールという商品名で販売されているグリセロール等、目下、市場で広く販売されている。
【0035】
発煙材料における成形助剤の基本的な機能は、植物原料及び他の成分を混合及び乾燥した後に所望の形態に可塑化することである。本発明で用いる成形助剤は、例えば、グアーガム、カルボキシメチルセルロース、キトサン又はカラギーナンである。これらの成形助剤は、当該技術分野において一般的に使用されており、Yiwu Yilong Biotechnology Co.,Ltd.によってカラギーナンという商品名で販売されているカラギーナン等、目下、市場で広く販売されている。
【0036】
本発明において、発煙剤及び成形助剤の量が範囲内であるとき、タバコ又は非タバコ材料の量が50よりも低い場合、タバコ又は非タバコ材料が吸い込まれたときに煙が空になり、香気が弱くなり、植物の本来の芳香特性を復元することができない。タバコ又は非タバコ材料の量が80よりも高い場合、発煙材料は、加工耐性が不十分になり、潰れやくなり、したがって、50~80、好ましくは56~74、より好ましくは60~70のタバコ又は非タバコ材料の適用量が妥当である。
【0037】
同様に、タバコ又は非タバコ材料及び成形助剤の量が範囲内であるとき、発煙剤の量が15よりも低い場合、発煙量が少なくなり、したがって、喫煙体験に影響を与える。発煙剤の量が30よりも高い場合、発煙材料が水分を吸収しやすくなり、これは、製品の品質の安定性に寄与しない。したがって、15~30、好ましくは18~26、より好ましくは20~24の発煙剤の適用量が適切である。
【0038】
タバコ又は非タバコ材料及び発煙剤の量が範囲内であるとき、成形助剤の適用量が0.1よりも低い場合、発煙基材は、引張強度が低くなり、製造及びその後の加工に寄与しない。成形助剤の適用量が10よりも高い場合、喫煙中に独特の悪臭がひどくなり、したがって、吸引体験に影響を与える。したがって、0.1~10、好ましくは0.3~7.0、より好ましくは0.6~5.0の成形助剤の適用量が好適である。
【0039】
発煙材料は、粉末、粒子、ペースト又はシート状の発煙材料であり、当業者によく知られているタバコ加工技術に従って、原料をそれらの割合に準じて加工することによって得られ、「A superfine powder plant slice and a preparation method thereof」と題する発明である中国特許出願公開第109393543号明細書、「A method for preparing a smoke formation section of a granular heat-not-burn cigarette」と題する発明である中国特許出願公開第110876487号明細書、及び「Heat-not-burn smoking generator, a preparation method therefor,a tobacco product,and a smoking body」と題する発明である中国特許出願公開第110652041号明細書を参照されたい。
【0040】
包装材料層は、後続する加工の要求を満たすように、発煙材料を効果的に包装するとともに成形することができ、包装材料層は、セルロース紙、紙筒、プラスチック筒又は他の材料から作られた包装層である。これらの材料は、本技術分野において一般的に使用されており、Yunnan Endian technology industry development Co.Ltd.によってフィルタスティック成形紙(filter stick forming paper)という商品名で販売されているセルロース紙等、目下市場で広く販売されている。
【0041】
本発明において、煙拘束部は、煙拘束部の長手方向軸と平行な流路を有する射出成形部材又は押出成形部材であり、流路は、直線状流路、又は螺旋形状、折れ曲がった流路等、連続的な非直線状流路である。煙拘束部の直線状流路の具体的構造は図1に示す。煙拘束部の連続的な非直線状流路の具体的構造は図2を参照されたい。
【0042】
本発明は、1.5~2.5KJ/(kg・℃)の比熱容量と1.0~4.0重量%の含水量とを有する食品用シリコーンゴム材料を用いて、煙拘束部を形成する。煙が煙拘束部を通過するとき、高温の煙は食品用シリコーンゴム材料と熱交換して煙熱の一部を消費し、同時に、食品用シリコーンゴム材料の水分は、加熱されて蒸発して、煙熱の一部を消費する。加えて、流路は長い。これらの効果は、煙が前方に移動するにつれて継続し、そのため、煙が消費者の喫煙に好適になるまで煙温度を徐々に低下させることができる。
【0043】
比熱容量は、単位質量の物質が単位温度を変化させたときに吸収又は放出する熱であり、物質性能の基本パラメータである。本発明の煙拘束部の材料の比熱容量は、煙が煙拘束部を通過しているときに十分に熱を吸収することができ、入口煙温度が、人が吸引するのに好適であるのを確実にする。本発明の煙拘束部の材料の比熱容量は、1.5~2.5KJ/(kg・℃)であり、含水量は1.0~4.0重量%である。
【0044】
煙拘束部の材料の比熱容量が1.5KJ/(kg・℃)よりも低い場合、冷却効果が大きくならず、したがって、煙のやけどにより喫煙体験に影響を与える。煙拘束部の材料の比熱容量が2.5KJ/(kg・℃)よりも高い場合、煙中の水分が容易に結露して水玉となり、吸引中に水玉が煙拘束部の流路によって口腔内に入り、吸引体験に影響を及ぼす。したがって、煙拘束部の材料の比熱容量は、1.5~2.5KJ/(kg・℃)、好ましくは1.8~2.3kJ/(kg・℃)、より好ましくは1.9~2.2KJ/(kg・℃)である。
【0045】
同様に、煙拘束部の材料の含水量が1.0重量%よりも低い場合、含水量が低くなりすぎ、水分の蒸発によって達成される冷却効果が明白でなくなる。煙拘束部の材料の含水量が4.0重量%よりも高い場合、煙拘束部の材料の水分が多くなりすぎ、蒸発しなかった水が煙形成部に拡散する可能性があり、これは、容易にタバコのカビをもたらし、製品の品質に影響を与える。したがって、煙拘束部の材料の含水量は、1.0~4.0重量%、好ましくは1.4~3.6%、より好ましくは1.8~3.0%である。
【0046】
本発明の煙拘束部の材料の含水量はGB/T 23357-2009(タバコ及びタバコ製品-水分量の特定-カール・フィッシャー法)に指定される検出方法に従って検出される。
【0047】
射出成形部材は、「A process method for forming a silica gel layer by injection molding on the surface of a glass bottle」と題する発明である中国特許出願公開第107639787号明細書に従って、メチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルビニルフェニルシリコーンゴム、ニトリルシリコーンゴム又はフルオロシリコーンゴムの食品用シリコーンゴム材料を加工することによって得られる。
【0048】
押出成形部材は、「A preparation process of a large diameter silicone tube」と題する発明である中国特許第102642291号明細書に従って、メチルシリコーンゴム、メチルビニルシリコーンゴム、メチルビニルフェニルシリコーンゴム、ニトリルシリコーンゴム又はフルオロシリコーンゴムの食品用シリコーンゴム材料を加工することによって得られる。
【0049】
これらの食品用シリコーンゴム材料は、すべて目下市場で販売されている製品であり、例えば、Shenzhen Chuangyou silicone rubber science and technology Co.Ltd.によって110メチルビニルシリコーンゴムの商品名で販売されているメチルビニルシリコーンゴム、Anhui Aiyueta Silicone Oil Co.Ltd.によってIOTA120の商品名で販売されているメチルビニルフェニルシリコーンゴムである。
【0050】
当然ながら、これらの食品用シリコーンゴム材料以外に加えて、上述した基本的な要件を満たすべきである、後続する加工及び使用にいかなる悪影響も及ぼさない他の任意の加工可能な材料を、本発明に使用することができ、これらも本発明の保護範囲内にある。
【0051】
本発明において、煙拘束部の流路の断面形状は、円形、多角形又は不定形であり、流路の数は1つ以上である。
【0052】
本開示において、多角形は、三角形、五角形、歯車形状、ひし形等、3つ以上の辺を有する等辺等角の幾何学模様として理解されるべきである。例えば、歯車形状は、具体的には図3を指し、他の等辺等角の幾何学図形は図4を指す。不定形形状は、動植物模様、雪片、非円形多角形等の不定形の幾何学模様の形状として理解されるべきである。
【0053】
本発明によれば、煙形成部の断面において、流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率は、0.3~2.0である。流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率が0.3未満である場合、流路の孔の総面積は小さくなり、吸引プロセスにおける吸引抵抗が大きくなり、煙の濃度が不十分になる。流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率が2.0よりも大きい場合、流路の孔の総面積は大きくなりすぎ、煙の流量は高くなりすぎ、煙拘束部は、冷却効果を十分に発揮することができず、そのため、煙の温度及びタバコカートリッジの唇側温度が高くなりすぎ、吸引体験が提供を受ける。
【0054】
本発明によれば、煙拘束部の流路の壁とその煙拘束部の外壁との間の距離は、0.1~3.0mmである。ここで、「距離」という用語は、流路の壁と流路における煙拘束部のそのそれぞれの外壁との間の距離における最短距離であると理解されるべきである。距離が0.1mm未満である場合、煙拘束部の外壁は、煙によって容易に加熱されることになり、煙拘束部の温度は、高くなりすぎて吸引体験に影響する。距離が3.0mmよりも大きい場合、流路の内径が小さくなりすぎ、タバコカートリッジの吸引抵抗が大きくなり、煙の量が減少し、煙との熱交換の面積も低減し、そのため、煙の熱交換が提供を受けることになり、煙の温度が比較的高くなり、したがって、人の喫煙体験に著しく影響を与える。
【0055】
本発明において、タバコ1本当たりの煙拘束部の質量は0.8~2.0gである。質量が0.8g未満である場合、煙の冷却を効果的に達成することができず、吸引効果が影響を受けることになる。質量が2.0gよりも大きい場合、タバコは重くなりすぎ、製造プロセス及び吸引体験に影響を与える。
【0056】
各煙の温度及び煙濃度を決定する方法について、以下に具体的に説明する。
【0057】
GB/T 19609-2004(タバコ-繰り返し分析喫煙機を用いた、全体及びニコチン除去乾燥重量物質の特定)及びGB/T 16447-2004(タバコ及びタバコ製品-調整及び試験用雰囲気)に従い、吸引試験ごとに、Dongguan Feihong instrument equipment Co.Ltd.製の煙濃度検出器を使用し、煙の温度及び煙の濃度をそれぞれ測定する。
【0058】
レーザ光源の波長λが630μmに等しく、検出光路が4cmであるという条件で、上記装置を使用して煙濃度指数を測定する。
【0059】
喫煙手順:Dongguan Juwei Electronics Co.Ltd製のMYUZ喫煙セットを選択し、吸引手順は、以下の通りである。ヒータが予熱を完了した後、機器は吸引状態に入り、一口あたりの吸引容量は35mlであり、吸引時間は2秒間であり、吸引煙流量は17.5ml/sであり、吸引間隔は13秒であり、吸入回数は16回であり、全吸引動作時間は240秒である。
【0060】
温度測定:K型熱電対温度検出器を用いて、主流煙温度及びカートリッジの唇側温度を測定する。
【0061】
煙濃度指数測定:光透過法で測定される煙濃度は、非接触測定法である。光源からの光線がエアロゾル媒質を通過するとき、光線はエアロゾル粒子の球面上で散乱及び屈折し、粒子は光を吸収し、そのため、エアロゾル煙を貫通するレーザ光線の透過光の強度は減衰し、エアロゾルの濃度が高いほど、透過光の減衰効果はより明白であり、エアロゾルの濃度が低いほど、透過光の減衰効果は弱くなる。所定の検出条件下で、入射光強度の吸収光強度に対する比は消光率と称され、決定された消光率は、百分率で表される決定された煙濃度指数である。
【0062】
本発明の有益な効果は、以下の通りである。
【0063】
二重構造を有する加熱式カートリッジは、喫煙プロセスにおいて煙形成部をヒータの加熱要素と接触させて煙を放出させ、煙は煙拘束部を通って流れる。煙拘束部は、煙温度を低下させるとともに煙を誘導するという効果を有し、冷却された高濃度の煙は消費者の口腔に搬送される。本発明の加熱式カートリッジは、煙量が高く煙温度が低いという二重の利点を有し、消費者には、吸引体験が大きく改善される。二重構造の煙カートリッジは、単純な構造を有し、工業化が容易であり、加熱式カートリッジ構造のための新たな技術的解決法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
図1】本発明の加熱式カートリッジの直線状通路を有する煙拘束部の概略断面図である。
図2】本発明の加熱式カートリッジの連続的な非直線状通路を有する煙拘束部の概略断面図である。
図3】本発明の加熱式カートリッジの鋸歯状流路を有する煙拘束部の概略断面図である。
図4】本発明の加熱式カートリッジの円形又は多角形流路を有する煙拘束部の概略断面図である。
【実施例
【0065】
本発明は、以下の実施例からよりよく理解されるであろう。
【0066】
実施例1
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジ
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジは、外層包装紙3としてYunnan Endian Technology Industry Development Co.Ltd.によってフィルタスティック形成紙という商品名で販売されているセルロース紙によって、煙形成部1と煙拘束部2とを順次包装し、ねじることによって形成される。煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、煙形成部及び煙拘束部の真円度は90.2%であり、加熱式カートリッジは、45mmの長さ及び7mmの直径を有する円筒形であり、煙形成部の長さは12mmであり、煙拘束部の長さは33mmである。ここで:
煙形成部は、発煙材料と発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、黄色種タバコ原料、グリセロール発煙剤及びグアーガム成形助剤から構成され、それらの重量比は70:20:7.4であり、発煙材料は粉末状の発煙材料であり、包装材料層はセルロース紙から作られた筒状層である。
【0067】
煙拘束部は、その長手方向軸に平行な流路を有する、煙形成部と直接連結されて煙形成部とともに包装される射出成形部材である。煙形成部の断面において、流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率は0.9であり、煙拘束部の流路は、円形断面を有する2つの平行な直線状流路を有し、煙拘束部の流路の壁と煙拘束部の外壁との間の距離は2.4mmである。タバコ1本当たりの煙拘束部の質量は1.0gであり、煙拘束部の材料は、2.2KJ/(kg・℃)の比熱容量を有するメチルシリコーンゴム材料であり、煙拘束部の含水量は、本明細書に記載する方法に従って1.7重量%である。
【0068】
本出願の明細書に記載する方法は、本実施形態における加熱式カートリッジの主流煙温度、唇側端温度及び煙濃度指数を検出するものであり、その検出結果は、表1、表2及び表3に振り分けている。
【0069】
同時に、対照サンプルとしてPhilip Morris international社製の加熱式HEETSオリジナルフレーバーカートリッジの主流煙の温度、唇側端温度及び煙濃度指数も検出し、その検出結果も表1、表2及び表3にそれぞれ列挙している。
【0070】
実施例2
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジ
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジは、外層包装紙3としてYunnan Endian Technology Industry Development Co.によってアルミ箔紙という商品名で販売されているアルミ箔複合紙によって、煙形成部1と煙拘束部2とを逐次連結し、ねじることによって形成され、煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、煙形成部及び煙拘束部の真円度は90.6%よりも大きい。加熱式カートリッジは、74mmの長さ及び5mmの直径を有する円筒形であり、煙形成部の長さは20mmであり、煙拘束部の長さは54mmである。ここで:
煙形成部は、発煙材料と発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、茶無煙植物原料、プロピレングリコール発煙剤及びカルボキシメチルセルロース成形助剤から構成され、それらの重量比は80:25:5.5であり、発煙材料は粒状の発煙材料であり、包装材料層は、Yutong Environmental Protection Technology(Suqian)Co.Ltdによって紙ストローという商品名で販売されている紙から作られた筒状層である。
【0071】
煙拘束部は、煙拘束部の長手方向軸と平行な流路を有する押出成形部品であり、煙拘束部は、紙材によって包装され、次に、煙形成部とともに包装される。煙形成部の断面において、流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率は0.3であり、煙拘束部の流路の数は2つであり、すなわち、六角形の断面を有する直線状流路と円形の断面を有する螺旋状流路とが、外側から内側に向かって逐次配置されている。煙拘束部の流路の壁と煙拘束部の外壁との間の距離は1.0mmであり、タバコ1本当たりの煙拘束部の質量は2.0gであり、煙拘束部の材料は、1.5KJ/(kg・℃)の比熱容量を有するメチルビニルシリコーンゴム材料であり、煙拘束部の含水量は、本明細書に記載の方法に従って2.1重量%である。
【0072】
実施例3
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジ
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジは、外層包装紙3としてShanghai Weixi Biotechnology Co.Ltdによって透明成形紙という商品名で販売されているプラスチック薄膜複合セルロース紙を巻き付けることにより、煙形成部1と煙拘束部2とを逐次連結し、ねじることによって、形成される。煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、煙形成部及び煙拘束部の真円度は91.2%よりも大きく、加熱式カートリッジは、73mmの長さ及び6mmの直径を有する円筒形であり、煙形成部の長さは48mmであり、煙拘束部の長さは25mmである。ここで:
煙形成部は、発煙材料と発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、バーレイタバコ、膨張タバコ茎のタバコ原料、プロピレングリコール発煙剤及びキトサン成形助剤から構成され、それらの重量比は50:15:3.7であり、発煙材料はペースト状の発煙材料である。包装材料層は、Dongguan Linghang Silicone Products Co.,Ltd.によりシリコーンホースの商品名で販売されているプラスチックから作られた筒状層である。
【0073】
煙拘束部は、煙拘束部の長手方向軸と平行な流路を有する射出成形部品であり、煙拘束部は、筒状層に充填され、その後、煙形成部と連結されて煙形成部とともに包装される。煙拘束部の断面において、流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率は、1.5である。煙拘束部の流路は、鋸歯状の断面縁部を有する(図3参照)2つの平行な直線状流路である。煙拘束部の流路の壁と煙拘束部の外壁との間の距離は3.0mmであり、タバコ1本当たりの煙拘束部の質量は1.3gであり、煙拘束部の材料は、1.8KJ/(kg・℃)の比熱容量を有するメチルビニルフェニルシリコーンゴム材料であり、煙拘束部の含水量は、本明細書に記載する方法に従って2.4重量%である。
【0074】
実施例4
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジ
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジは、外層包装紙3としてShanghai Weixi Biotechnology Co.Ltdによって透明成形紙という商品名で販売されているプラスチックフィルムで包装することにより、煙形成部1と煙拘束部2とを逐次連結し、ねじることによって、形成される。煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、煙形成部及び煙拘束部の真円度は92.8%よりも大きい。加熱式カートリッジは、55mmの長さ及び10mmの直径を有する円筒形であり、煙形成部の長さは5mmであり、煙拘束部の長さは50mmである。ここで:
煙部は、発煙材料と発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、乾燥タバコ、膨張タバコ茎のタバコ原料、グリセロール発煙剤及びカラギーナン成形助剤から構成され、それらの重量比は60:30:1.8であり、発煙材料はシート状の発煙材料であり、包装材料層は、Yunnan Endian Technology Industry Development Co.Ltdによってフィルタスティック成形紙という商品名で販売されているセルロース紙から作られた筒状層である。
【0075】
煙拘束部は、その長手方向軸に平行な流路を有する、煙形成部と直接包装される押出成形部材であり、煙拘束部の断面において、流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率は2.0である。煙拘束部の流路は、断面形状が円形である、2つの平行な連続した折れ曲がった流路である。煙拘束部の流路の壁と煙拘束部の外壁との間の距離は1.6mmである。タバコ1本あたりの煙拘束部の質量は1.8gであり、煙拘束部の材料は、2.5KJ/(kg・℃)の比熱容量を有するフルオロシリコーンゴムの食品用シリコーンゴム材料であり、煙拘束部の含水量は、本明細書に記載の方法に従って3.5重量%である。
【0076】
実施例5
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジ
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジは、外層包装紙3としてYunnan Endian Technology Industry Development Co.Ltd.によってアルミ箔紙という商品名で販売されているアルミ箔複合紙で包装することにより、煙形成部1と煙拘束部2とを逐次連結し、ねじることによって、形成される。煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、煙形成部及び煙拘束部の真円度は92.0%よりも大きい。加熱式カートリッジは、84mmの長さ及び4mmの直径を有する円筒形であり、煙形成部の長さは60mmであり、煙拘束部の長さは24mmであり、ここで:
煙形成部は、発煙材料と発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、ミント葉無煙植物原料、グリセロールトリアセテート発煙剤及びキトサン成形助剤から構成され、それらの重量比は58:18:0.1であり、発煙材料は粒状の発煙材料であり、包装材料層は、Yutong Environmental Protection Technology(Suqian)Co.Ltd.により紙ストローという商品名で販売されている紙から作られた筒状層である。
【0077】
煙拘束部は、煙拘束部の長手方向軸と平行な流路を有する押出成形部品であり、煙拘束部は、紙材で包装され、次に、煙形成部とともに包装される。煙形成部の断面において、流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率は0.5である。煙拘束部の流路の数は1つであり、煙拘束部の流路は、円形の断面を有する螺旋状流路である。煙拘束部の流路の壁と煙拘束部の外壁との間の距離は0.1mmであり、タバコ1本当たりの煙拘束部の質量は0.8gであり、煙拘束部の材料は、2.0KJ/(kg・℃)の比熱容量を有するメチルビニルシリコーンゴム材料であり、煙拘束部の含水量は、本明細書に記載の方法により、4.0重量%である。
【0078】
実施例6
本発明の二重構造を有する加熱式型カートリッジ
本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジは、外層包装紙3としてShanghai Weixi Biotechnology Co.Ltdによって透明成形紙という商品名で販売されているプラスチック薄膜複合セルロース紙で包装することにより、煙形成部1と煙拘束部2とを逐次連結し、ねじることによって、形成される。煙形成部及び煙拘束部の直径は同じであり、煙形成部及び煙拘束部の真円度は92.5%よりも大きく、加熱式カートリッジは、90mmの長さ及び8mmの直径を有する円筒形であり、煙形成部の長さは34mmであり、煙拘束部の長さは56mmであり、ここで:
煙形成部は、発煙材料と、発煙材料を包む包装材料層とから構成され、発煙材料は、バーレイタバコ、膨張タバコ茎のタバコ原料、グリセリドジアセテート発煙剤及びカルボキシメチルセルロース成形助剤から構成され、それらの重量比は68:28:10であり、発煙材料はペースト状の発煙材料である。包装材料層は、Dongguan Linghang Silicone Products Co.,Ltd.によってシリコーンチューブの商品名で販売されているプラスチックから作られた筒状層である。
【0079】
煙拘束部は、煙拘束部の長手方向軸と平行な流路を有する射出成形部品であり、煙拘束部は、筒状層に充填され、次に、煙形成部と連結されて煙形成部とともに包装される。煙拘束部の断面において、流路の孔の総面積の非流路面積に対する比率は、1.8である。煙拘束部の流路の数は3つであり、すなわち、円形断面を有する直線状流路、正四角形の断面を有する直線状通路、及び円形断面を有する螺旋状流路が、外側から内側に配置されている。煙拘束部の流路の壁面と煙拘束部の外壁との間の距離は2.0mmであり、タバコ1本当たりの煙拘束部の質量は1.6gであり、煙拘束部の材料は、2.8KJ/(kg・℃)の比熱容量を有するメチルビニルフェニルシリコーンゴム材料であり、その含水量は、本明細書に記載する方法により、1.0重量%であった。
【0080】
発明の概要(課題を解決するための手段)に記載する方法に従って、実施例1~6の加熱式カートリッジの主流煙温度、唇側端温度及び煙濃度指数を検出し、その検出結果を表1、表2及び表3に振り分けている。
【0081】
表1~3の結果により、本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジの煙の温度は、HEETSサンプルの煙温度と比較して5~12℃低下し、唇側端温度は6~17℃低下し、最高煙濃度は24%異なり、実施例1~6のサンプルは、概して、煙温度、唇側端温度において、対照サンプルよりも低く、煙濃度指数は高いことが明確に示されている。本発明の二重構造を有する加熱式カートリッジは、煙温度が低く煙濃度が高いという二重の特性を有する。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【符号の説明】
【0085】
1 煙形成部
2 煙拘束部
2-1 流路壁
2-2 直線状流路
2-3 非直線状流路
3 包装紙
4 溝
4-1 内側溝
4-2 外側溝
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】