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特表2023-547030二等辺プリズムに基づく複合プリズム及びそのレーザー測距望遠鏡
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  • 特表-二等辺プリズムに基づく複合プリズム及びそのレーザー測距望遠鏡 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】二等辺プリズムに基づく複合プリズム及びそのレーザー測距望遠鏡
(51)【国際特許分類】
   G02B 23/00 20060101AFI20231101BHJP
   G02B 5/04 20060101ALI20231101BHJP
   G01S 7/481 20060101ALI20231101BHJP
   G02B 23/02 20060101ALN20231101BHJP
   G02B 23/10 20060101ALN20231101BHJP
【FI】
G02B23/00
G02B5/04 A
G02B5/04 F
G01S7/481 A
G02B23/02
G02B23/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023516196
(86)(22)【出願日】2020-09-10
(85)【翻訳文提出日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 CN2020114580
(87)【国際公開番号】W WO2022052000
(87)【国際公開日】2022-03-17
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519226654
【氏名又は名称】重慶海藍川馬光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHONGQING HYLON CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.8 Jinjie Road, Jinfeng Town, Jiulongpo District Chongqing 401329, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 杰
(72)【発明者】
【氏名】高 明暁
【テーマコード(参考)】
2H039
2H042
5J084
【Fターム(参考)】
2H039AA01
2H039AA05
2H039AB22
2H039AB63
2H039AC00
2H039AC03
2H039AC09
2H042CA12
2H042CA17
5J084AA05
5J084BA03
5J084BA31
5J084BB01
5J084BB12
5J084BB27
5J084DA01
5J084EA31
(57)【要約】
【課題】二等辺プリズムに基づく複合プリズム及びそのレーザー測距望遠鏡を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、二等辺プリズムに基づく複合プリズム及びそのレーザー測距望遠鏡を開示する。本発明の複合プリズムは、第1プリズムと、第2プリズムと、第3プリズムと、補償プリズムとを備える。第1プリズムは、3つの反射面を有する二等辺プリズムを用い、第2プリズムはダハプリズムを用い、第3プリズムはハーフペンタプリズムを用い、補償プリズムはくさび型プリズムを用いる。該複合プリズムを通じて観望系、レーザー投光系、レーザー受光系、照準及び表示系を合理的に組み合わせて、望遠鏡の性能及び構造形態が多様化し、体積も小さく、持ち運びに便利である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1プリズム(2)と、第2プリズム(3)と、第3プリズム(4)とを備えた二等辺プリズムに基づく複合プリズムであって、前記第1プリズム(2)は、二等辺プリズムを用い、前記第2プリズム(3)はダハプリズムを用い、前記第3プリズム(4)はハーフペンタプリズムを用い、前記第3プリズム(4)の第3面III(403)は前記第1プリズム(2)の第3面I(203)と貼り合わせ、貼り合わせ面に分光膜がコーティングされ、第1波長の光は、前記第1プリズム(2)の第1面I(201)から入射し、前記第1プリズム(2)の第2面I(202)、前記第3面I(203)及び前記第1面I(201)で順次反射された後、前記第1プリズム(2)の前記第2面I(202)から出射し、前記第2プリズム(3)の第1面II(301)に入射し、さらに前記第2プリズム(3)のダハ面(302)及び前記第1面II(301)で反射され、第3面II(303)から射出することを特徴とする、二等辺プリズムに基づく複合プリズム。
【請求項2】
補償プリズム(5)をさらに備え、前記補償プリズム(5)の第2面IV(502)は前記第3プリズム(4)の第2面III(402)と貼り合わせ、貼り合わせ面に分光膜がコーティングされ、
第2波長の光は、前記第1プリズム(2)の前記第1面I(201)から入射し、前記第1プリズム(2)の前記第2面I(202)で反射され、前記第3面I(203)を通過して前記第3プリズム(4)に入射し、さらに前記第3プリズム(4)の前記第2面III(402)で反射され、前記第3プリズム(4)の第1面III(401)から射出する
ことを特徴とする、請求項1に記載の二等辺プリズムに基づく複合プリズム。
【請求項3】
前記第2波長の光は、前記第3プリズム(4)の前記第1面III(401)から入射し、前記第3プリズム(4)の前記第2面III(402)で反射された後、前記第3面III(403)を経由して前記第1プリズム(2)に入射し、前記第1プリズム(2)の前記第2面I(202)で反射された後、前記第1プリズム(2)の前記第1面I(201)から射出することを特徴とする、請求項2に記載の二等辺プリズムに基づく複合プリズム。
【請求項4】
レーザー測距望遠鏡であって、請求項2又は3に記載の複合プリズムと、接眼レンズ(1)と、前記対物レンズ(6)と、レーザー装置(7)と、レーザー受光器(8)とを備え、前記レーザー装置(7)及び前記レーザー受光器(8)は、第2波長の光が前記第3プリズム(4)に入射/出射する光路上に設けられることを特徴とする、レーザー測距望遠鏡。
【請求項5】
ディスプレイ(9-1)と、第1反射鏡(9-2)と、レンズ(9-3)と、第2反射鏡(9-4)とを備えた投影機をさらに備え、前記ディスプレイ(9-1)から出射された第3波長の光は、前記第1反射鏡(9-2)で反射された後で前記レンズ(9-3)を通過し、次に前記第2反射鏡(9-4)で反射されて前記補償プリズム(5)に入射し、さらに前記補償プリズム(5)及び前記第3プリズム(4)を通過して前記第1プリズム(2)に入射してから前記第1プリズム(2)の第1波長の光束に合流し、最後に複合プリズムと接眼レンズ(1)の間の位置に結像することを特徴とする、請求項4に記載のレーザー測距望遠鏡。
【請求項6】
前記第1プリズム(2)と、前記第2プリズム(3)と、前記第3プリズム(4)とを備えた二等辺プリズムに基づく複合プリズムであって、前記補償プリズム(5)をさらに備え、前記第1プリズム(2)は、二等辺プリズムを用い、前記第2プリズム(3)はダハプリズムを用い、前記補償プリズム(5)の前記第2面IV(502)は、前記第1プリズム(2)の前記第3面I(203)と貼り合わせ,貼り合わせ面に分光膜がコーティングされ、前記補償プリズム(5)の第1面IV(501)は前記第3プリズム(4)(4)の前記第3面III(403)と貼り合わせ、前記貼り合わせ面を第2波長の光束の光軸に垂直にさせ、
第1波長の光は、前記第1プリズム(2)の前記第1面I(201)から入射し、前記第1プリズム(2)の前記第2面I(202)、前記第3面I(203)及び前記第1面I(201)で順次反射された後、前記第1プリズム(2)の前記第2面I(202)から出射し、前記第2プリズム(3)の前記第1面II(301)に入射し、さらに前記第2プリズム(3)の前記ダハ面(302)及び前記第1面II(301)で反射され、前記第3面II(303)から射出し、
第2波長の光は、前記第1プリズム(2)の前記第1面I(201)から入射し、前記第1プリズム(2)の前記第2面I(202)で反射され、前記第3面I(203)を通過して前記補償プリズム(5)に入射し、前記補償プリズム(5)を通過して前記第3プリズム(4)(4)の前記第3面III(403)(403)から前記第3プリズム(4)に入射し、さらに前記第3プリズム(4)の前記第2面III(402)で反射され、前記第3プリズム(4)の前記第1面III(401)から射出し、
又は/及び前記第2波長の光は、前記第3プリズム(4)の前記第1面III(401)から入射し、前記第3プリズム(4)の前記第2面III(402)で反射された後、前記第3面III(403)を経由して前記第1プリズム(2)に入射し、前記第1プリズム(2)の前記第2面I(202)で反射された後、前記第1プリズム(2)の前記第1面I(201)から射出する
ことを特徴とする、二等辺プリズムに基づく複合プリズム。
【請求項7】
レーザー測距望遠鏡であって、請求項6に記載の複合プリズムと、前記対物レンズ(6)と、前記接眼レンズ(1)と、前記レーザー装置(7)と、前記レーザー受光器(8)とを備え、前記レーザー装置(7)及び前記レーザー受光器(8)は、第2波長の光が前記第3プリズム(4)に入射/出射する光路上に設けられることを特徴とする、レーザー測距望遠鏡。
【請求項8】
前記接眼レンズ(1)と複合プリズムとの間に設けられたレチクル表示ミラー(10)をさらに備えることを特徴とする、請求項7に記載のレーザー測距望遠鏡。
【請求項9】
前記レチクル表示ミラー(10)は、透射型LCD又はOLEDであることを特徴とする、請求項8に記載のレーザー測距望遠鏡。
【請求項10】
投影機の前記ディスプレイ(9-1)を照明光源に置換した後、投影機は、照明装置に変えられ、照明光源から出射された光は前記第1反射鏡(9-2)で反射された後で前記レンズ(9-3)を通過し、次に前記第2反射鏡(9-4)で反射されて前記第3プリズム(4)に入射し、さらに前記補償プリズム(5)を通過してから前記第1プリズム(2)に入射してから前記第1プリズム(2)の第1波長の光束に合流し、LCDレチクル表示ミラーに夜間照明を提供することを特徴とする、請求項7~9のいずれか一項に記載のレーザー測距望遠鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、望遠測距分野に関し、特に、二等辺プリズムに基づく複合プリズム、及び該複合プリズムを使用したレーザー測距望遠鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の望遠鏡は、ファッショナブルな民生品ではなく、観望に使用され、一部の望遠鏡にはレーザー光を高速で発射して対象物までの距離及び対象物までの速度を測定するなどの機能もあり、不可欠な測定ツールになっている。特許文献1及び特許文献2で開示されている双眼型測距望遠鏡のプリズムペアの第1プリズムはいずれも2つの反射面しか有しておらず、これにより決定される光束の伝搬方向は、レーザー発射器及びレーザー受光器と投影機の設置に役立たない。レーザー発射器及びレーザー受光器は、望遠鏡の鏡筒の中心軸に近い側に取り付けることが難しいことから、測距望遠鏡の構造形態及び機能の多様性を制限してきた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】中国特願第CN105806308A号公報
【特許文献2】中国特願第CN107219621A号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
構造がコンパクトで、体積が小さく、機能と構造形態が多様な測距望遠鏡を得るため、本発明は、二等辺プリズムに基づく複合プリズム、及び該複合プリズムを使用したレーザー測距望遠鏡を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、以下の技術的手段を採用している。
【0006】
第1プリズムと、第2プリズムと、第3プリズムとを備えた二等辺プリズムに基づく複合プリズムであって、前記第1プリズムは、3つの反射面を有する二等辺プリズムを用い、第2プリズムはダハプリズムを用い、第3プリズムはハーフペンタプリズムを用い、第3プリズムの第3面IIIは第1プリズムの第3面Iと貼り合わせ、貼り合わせ面に分光膜がコーティングされ、第1波長の光は、第1プリズムの第1面Iから入射し、第1プリズムの第2面I、第3面I及び第1面Iで順次反射された後、第1プリズムの第2面Iから出射し、第2プリズムの第1面IIに入射し、さらに第2プリズムのダハ面及び第1面IIで反射され、第3面IIから射出する。
【0007】
さらに、上記の技術的手段は、補償プリズムをさらに備え、前記補償プリズムの第2面IVは第3プリズムの第2面IIIと貼り合わせ、貼り合わせ面に分光膜がコーティングされ、第2波長の光は、第1プリズムの第1面Iから入射し、第1プリズムの第2面Iで反射され、第3面Iを通過して第3プリズムに入射し、さらに第3プリズムの第2面IIIで反射され、第3プリズムの第1面IIIから射出する。
【0008】
前記第2波長の光は、第3プリズムの第1面IIIから入射し、第3プリズムの第2面IIIで反射された後、第3面IIIを経由して第1プリズムに入射し、第1プリズムの第2面Iで反射された後、第1プリズムの第1面Iから射出する。
【0009】
さらに、本発明の補償プリズムは、このように設置することもでき、補償プリズムの第2面IVは第1プリズムの第3面Iと貼り合わせ、補償プリズムの第1面IVは第3プリズムの第3面IIIと貼り合わせ、補償プリズムと第3プリズムとの貼り合わせ面は第2波長の光束の光軸に対して垂直な面となる。
【0010】
上記複合プリズムを使用したレーザー測距望遠鏡であって、対物レンズと、接眼レンズと、レーザー装置と、レーザー受光器と、投影機とも備える。前記レーザー装置及びレーザー受光器は、第2波長の光が第3プリズムに入射/出射する光路上に設けられる。
【0011】
対物レンズ、複合プリズム及び接眼レンズで望遠鏡を構成する。レーザー装置、複合プリズム及び対物レンズでレーザー投光系を構成する。対物レンズ、複合プリズム及びレーザー受光器でレーザー受光系を構成する。投影機は、反射鏡とレンズとから成る。ディスプレイは、第1プリズムの側面に配置される。
【0012】
ディスプレイは、レーザー測距望遠鏡のレチクルパターン及び測定情報を表示するために用いられる。ディスプレイから出射された第3波長の光は、第1反射鏡で反射された後でレンズを通過し、次に第2反射鏡で反射されて右鏡筒の補償プリズムに入射し、さらに補償プリズム及び第3プリズムを通過して第1プリズムに入射してから第1プリズムの第1波長の光束に合流し、最後に右鏡筒の対物レンズの焦点面位置にディスプレイの画像を形成する。
【0013】
物体からの第1波長の光は、対物レンズから望遠鏡に入射し、複合プリズムによって像を正立にした後、物体を対物レンズの焦点面位置に結像する。右鏡筒内での物体の結像は、上記ディスプレイの画像と重ねる。さらに接眼レンズを通じてズームインして、物体への観望と照準を実現する。
【0014】
レーザー装置からの第2波長の光は、第3プリズムの第1面IIIからレーザー投光系に入射する。対物レンズでコリメートされた後、望遠鏡で狙った物体に向けて発射する。
【0015】
被照準物で反射された第2波長の光は、別の鏡筒の対物レンズによって集光されてレーザー受光系に入射する。レーザー測距望遠鏡は、レーザー光を物体に発射してからレーザー光を受光するまでの過程により物体距離を計算し、上記ディスプレイを介して関連情報を表示する。
【0016】
上記測距望遠鏡が投影機を使用しない場合、接眼レンズと複合プリズムとの間にレチクル表示ミラーを設けることができる。レチクル表示ミラーは、透過型のLCD或いはOLEDである。投影機のディスプレイを夜間にLCDレチクル表示ミラーを照らすために使用される光源に置換する。
【0017】
補償プリズムを第1プリズムと第3プリズムとの間に貼り合わせ、補償プリズムと第1プリズムとの貼り合わせ面に第1波長の光を反射すると共に第2と第3波長の光を透過する分光膜がコーティングされる。補償プリズムと第3プリズムとの貼り合わせ面を第2波長の光の光軸に垂直にさせる。第3プリズム及び補償プリズムは、異なるガラス材料を用いることができる。第3プリズムの第2面IIIが非貼り合わせ面となり、反射膜又は分光膜をコーティングする必要がないため、さらに第2波長の光伝搬効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
レーザー測距望遠鏡の光学系において、二等辺プリズムに基づく複合プリズムは、観望系、レーザー投光系、レーザー受光系、照準及び表示系を合理的に組み合わせて、レーザー装置及びレーザー受光器をどちらも望遠鏡の中心軸に近い側に取り付けさせることができることから、レーザー測距望遠鏡の性能及び構造形態が多様化し、体積も減少する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の双眼レーザー測距望遠鏡の光学系を示す概略図である。
図2】本発明の複合プリズム及び投影機を示す概略図である。
図3】LCDレチクル表示ミラーを有効にした双眼レーザー測距望遠鏡の光学系を示す概略図である。
図4】単眼レーザー測距望遠鏡の光学系を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0020】
図1図2を参照されたい。双眼測距望遠鏡であって、2つの対物レンズ6と、2つの接眼レンズ1と、2つの複合プリズムと、レーザー装置7と、レーザー受光器8と、投影機とを備える。これらは、複合プリズムを介して組み合わせて双眼測距望遠鏡の光学系になる。
【0021】
前記複合プリズムは、第1プリズム2と、第2プリズム3と、第3プリズム4と、補償プリズム5とを備え、前記第1プリズム2は二等辺プリズムを用い、第2プリズム3はダハプリズムを用い、第3プリズム4はハーフペンタプリズムを用い、補償プリズム5はくさび型プリズムを用いる。第3プリズム4の第3面III403は、第1プリズム2の第3面I203と貼り合わせ、貼り合わせ面に第1波長の光を反射すると共に第2波長の光と第3波長の光を透過する分光膜がコーティングされる。補償プリズム5の第2面IV502は、第3プリズム4の第2面III402と貼り合わせ、貼り合わせ面に第2波長の光を反射すると共に第3波長の光を透過する分光膜がコーティングされる。補償プリズム5の第1面IV501は、第3波長の光束の光軸に対して垂直である。
【0022】
対物レンズ、複合プリズム及び接眼レンズで1つの単眼望遠鏡を構成する。2つの単眼望遠鏡を並置し、中心軸の連結を介して2つの鏡筒の光軸を平行にさせることで、双眼望遠鏡を構成する。一方の鏡筒において、レーザー装置、複合プリズム及び対物レンズでレーザー投光系を構成し、レーザー投光系は複合プリズム及び対物レンズを望遠鏡と共有する。他方の鏡筒において、対物レンズ、複合プリズム及びレーザー受光器でレーザー受光系を構成し、レーザー受光系は、対物レンズ及び複合プリズムを該単眼望遠鏡と共有する。投影機は、ディスプレイ9-1と、第1反射鏡9-2と、第2反射鏡9-4と、レンズ9-3とから成る。第1反射鏡9-2、第2反射鏡9-4及びレンズ9-3は、右鏡筒の複合プリズムの底部に配置され、ディスプレイ9-1は右鏡筒の複合プリズムの側面に配置される。
【0023】
投影機のディスプレイ9-1から出射された第3波長の光は、第1反射鏡9-2で反射された後でレンズ9-3を通過し、次に第2反射鏡9-4で反射されて右側鏡筒の補償プリズム5に入射し、さらに補償プリズム5、第3プリズム4の第3面III403を通過して第1プリズム2に入射してから第1プリズム2の第1波長の光束に合流し、最後に右鏡筒の対物レンズ焦点面位置(図1のFで示した位置)にディスプレイの画像を形成し、該画像にはレーザー測距望遠鏡のレチクルパターンと測定情報を表示するためのパターンが含まれる。
【0024】
物体からの第1波長の光は、対物レンズ6から望遠鏡に入射してから第1プリズム2の第1面I201に入射し、第1プリズム2の第2面I202及び第3面I203で反射された後、さらに第1面I201で反射されて第2面I202から出射し、その後第2プリズム3に入射し、第2プリズムのダハ面302及び第1面II301で順次反射され、第3面II303から射出し、物体を対物レンズの焦点面位置に結像し、右鏡筒内での物体の結像は、上記ディスプレイの画像と重ねる。さらに接眼レンズを通じてズームインして、物体への観望と照準を実現する。
【0025】
レーザー装置からの第2波長の光は、第3プリズム4の第1面III401から入射し、第3プリズム4の第2面III402で反射された後、第3面III403を経由して第1プリズム2に入射し、第1プリズム2の第2面I202で反射された後該プリズムの第1面I201から出射し、さらに対物レンズでコリメートされた後、望遠鏡で狙った物体に向けて発射する。
【0026】
被照準物で反射された第2波長の光は、別の鏡筒の対物レンズによって集光されて第1プリズム2の第1面I202から入射し、第1プリズム2の第2面I202で反射され、第3面I203を通過して第3プリズム4に入射し、第3プリズム第2面III402で反射されて、該プリズムの第1面III401から射出してレーザー受光器に入射する。レーザー測距望遠鏡は、レーザー光を物体に発射してからレーザー光を受光するまでの過程により物体距離を計算し、上記ディスプレイを介して関連情報を表示する。次に接眼レンズを通じてディスプレイの投影画像を観察して関連の情報を取得する。
【実施例2】
【0027】
図3を参照すると、レーザー測距望遠鏡は、右鏡筒の接眼レンズ1と複合プリズムとの間にレチクル表示ミラー10が設けられる。レチクル表示ミラー10は、透過型LCDレチクル表示ミラー又はOLCDレチクル表示ミラーを用い、対物レンズの焦点面位置に取り付けられる。
【0028】
複合プリズム内の補償プリズム5の第2面IV502は、第1プリズム2の第3面I203と貼り合わせ、貼り合わせ面に第1波長の光を反射すると共に第2と第3波長の光を透過する分光膜がコーティングされる。補償プリズム5の第1面IV501は、第3プリズム4の第3面III403と貼り合わせ、この貼り合わせ面は第2波長の光束の光軸に対して垂直である。第3プリズム4は、補償プリズム5とは異なるガラス材料を用いることができる。
【0029】
この時ディスプレイを照明光源9-1に置換した後、投影機は、照明装置に変えられる。照明光源9-1から出射された第3波長の光は、第1反射鏡9-2で反射された後でレンズ9-3を通過し、次に第2反射鏡9-4で反射されて右側鏡筒の第3プリズム4に入射し、さらに補償プリズム5を通過してから第1プリズム2に入射してから第1プリズム2の第1波長の光束に合流し、LCDレチクル表示ミラーに夜間照明を提供する。
【0030】
物体からの第1波長の光は、対物レンズ6から望遠鏡に入射してから第1プリズム2の第1面I201に入射し、第1プリズム2の第2面I202及び第3面I203で反射された後、さらに第1面I201で反射されて第2面I202から出射し、その後第2プリズム3に入射し、第2プリズムのダハ面302及び第1面II301で順次反射され、第3面II303から射出し、物体を対物レンズの焦点面位置に結像する。右鏡筒内での物体の結像は、レチクル表示ミラーと重ねる。さらに接眼レンズを通じてズームインして、物体への観望と照準を実現する。
【0031】
レーザー装置からの第2波長の光は、第3プリズム4の第1面III401から入射し、第3プリズム4の第2面III402で反射された後、第3面III403を経由して補償プリズム5に入射し、補償プリズム5を通過して第1プリズム2に入射し、第1プリズム2の第2面I202で反射された後該プリズムの第1面I201から出射し、さらに対物レンズでコリメートされた後、望遠鏡で狙った物体に向けて発射する。
【0032】
被照準物で反射された第2波長の光は、別の鏡筒の対物レンズによって集光されて第1プリズム2の第1面I202から入射し、第1プリズム2の第2面I202で反射され、第3面I203を通過して補償プリズム5に入射し、さらに補償プリズム5を通過して第3プリズム4に入射し、第3プリズム第2面III402で反射されて、該プリズムの第1面III401から射出してレーザー受光器に入射する。
【0033】
レーザー測距望遠鏡は、レーザー光を物体に発射してからレーザー光を受光するまでの過程により物体距離を計算し、測定情報をレチクル表示ミラーに表示する。接眼レンズを通じてレチクル表示ミラーを観察して関連の情報を取得する。
【実施例3】
【0034】
図4を参照すると、単眼観測レーザー測距望遠鏡の光学系である。本発明の双眼レーザー測距望遠鏡に適用する技術は、均しく単眼観測レーザー測距望遠鏡に適用する。


図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】