(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】広い線形応答とロバストな公称性能を持つ磁気抵抗センサ素子及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H10N 50/10 20230101AFI20231101BHJP
G01R 33/09 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
H10N50/10 Z
G01R33/09
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023517996
(86)(22)【出願日】2021-10-28
(85)【翻訳文提出日】2023-03-17
(86)【国際出願番号】 IB2021059971
(87)【国際公開番号】W WO2022096992
(87)【国際公開日】2022-05-12
(32)【優先日】2020-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509096201
【氏名又は名称】クロッカス・テクノロジー・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】チルドレス・ジェフリー
(72)【発明者】
【氏名】ストレルコフ・ニキータ
(72)【発明者】
【氏名】ティモフィーエフ・アンドレイ
【テーマコード(参考)】
2G017
5F092
【Fターム(参考)】
2G017AA02
2G017AA10
2G017AD54
2G017AD65
5F092AA20
5F092AB01
5F092AC12
5F092AD22
5F092BB17
5F092BB22
5F092BB23
5F092BB35
5F092BB36
5F092BB42
5F092BB43
5F092BC04
5F092BC12
5F092BC13
5F092CA26
(57)【要約】
【課題】従来より高い磁場で使用可能な磁気センサ用の磁気抵抗素子を提供する。
【解決手段】本開示は、磁気センサ用の磁気抵抗素子(10)に関し、磁気抵抗素子(10)は、固定基準磁化(210)を持つ基準層(21)と自由検知磁化(230)を持つ検知層(23)との間に備わるトンネル障壁層(22)を備え、ここで検知磁化(230)は、安定した渦構成を備える。磁気抵抗素子(10)は、基準層(21)と接触し、第1ブロッキング温度(Tb1)で交換バイアスによって基準磁化(210)をピン止めする基準ピニング層(24)をさらに備える。
磁気抵抗素子(10)は、検知層(23)と接触し、第1ブロッキング温度(Tb1)よりも低い第2ブロッキング温度(Tb2)で交換バイアスによって検知磁化(230)をピン止めする検知ピニング層(25)をさらに備える。本発明は、磁気抵抗効果素子の製造方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気センサ用の磁気抵抗素子(10)であって、前記磁気抵抗素子(10)は、固定基準磁化(210)を持つ基準層(21)と自由検知磁化(230)を持つ検知層(23)との間に備わるトンネル障壁層(22)を備え、
前記検知磁化(230)は、印加磁場がない場合に安定した渦構成を備え、
前記磁気抵抗素子(10)は、前記基準層(21)と接触し、第1ブロッキング温度(Tb1)において交換バイアスによって前記基準磁化(210)をピン止めする基準ピニング層(24)をさらに備え、
前記検知層(23)と接触し、前記第1ブロッキング温度(Tb1)よりも低い第2ブロッキング温度(Tb2)で交換バイアスによって前記検知磁化(230)をピン止めする検知ピニング層(25)を備える、磁気抵抗素子(10)において、
前記検知層(23)が15nmと80nmの間の厚さを持つことを特徴とする、磁気抵抗素子(10)。
【請求項2】
前記検知ピニング層(25)は、前記検知ピニング層(25)と前記検知層(23)との間の交換バイアスの強さが、前記基準ピニング層(24)と前記基準層(21)との間の交換バイアスの強さよりも低くなるように構成されている、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項3】
検知ピニング層(25)と検知層(23)の間の交換バイアスの強度は、2x10
-8J/cm
2と4x10
-8J/cm
2の間である、請求項2に記載の磁気抵抗素子。
【請求項4】
検知層(23)は、CoFe、NiFe又はCoFeBベースの合金を含有している、請求項1から3のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
【請求項5】
前記基準ピニング層(24)と前記検知ピニング層(25)は、反強磁性材料を含有するか、反強磁性材料から形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子。
【請求項6】
前記基準ピニング層(24)と前記検知ピニング層(25)は、Ir及びMn、Fe及びMn、Pt及びMn、Ni及びMn、Cr、NiO又はFeOをベースとする合金を含有している、請求項5に記載の磁気抵抗素子。
【請求項7】
前記第1ブロッキング温度(Tb1)よりも高いアニール温度で、印加された外部磁場を用いて前記磁気抵抗素子(10)をアニール処理することと、
前記第2ブロッキング温度(Tb2)よりも高く、前記第1ブロッキング温度(Tb1)よりも低いアニール温度で、外部磁場が印加されていない状態で前記磁気抵抗素子(10)をアニール処理することと
を備える、請求項1から6のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子を製造する方法。
【請求項8】
前記基準ピニング層(24)を堆積することと、前記検知ピニング層(25)を堆積することとを備える、前記磁気抵抗素子(10)を形成することを備え、
ここでは、前記基準層(21)は、前記基準ピニング層(24)上に堆積され、前記検知層(23)は、前記検知ピニング層(25)上に堆積される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載の磁気抵抗素子(2)を複数備える磁気センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部磁場を検知するように適合され、広い線形応答と、磁気抵抗素子が高磁場を受けた後に実質的に不変のままである公称性能とを持つ磁気抵抗素子に関する。本発明は、さらに、磁気抵抗素子及びその磁気抵抗素子を複数持つ磁気センサを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図1は、基準磁化210を持つ強磁性基準層21と、平均自由検知磁化230を持つ強磁性検知層23と、基準強磁性層21と検知強磁性層23との間のトンネル障壁層22とを備える従来の磁気抵抗センサ素子2の断面図を示す。検知磁化230は、外部磁場60内で配向可能である一方、基準磁化210は、実質的に乱されないままである。よって、外部磁場60は、磁気抵抗センサ素子2の抵抗の計測によって検知できる。抵抗は、基準磁化210に対する平均検知磁化230の向きと大きさに依存する。基準磁化210は、反強磁性層24と基準層21との間の交換結合によってピン止めできる。
【0003】
図2a及び
図2bは、検知層23の上面図を示し、検知磁化230は、安定した渦構成を備える。渦構成では、磁化は、検知層23の縁部に沿って、外部磁場60に従って可逆的に移動可能なコア231の周りに円形経路で巻いた形になっている。渦構成は、磁気抵抗センサ素子2の実用的なサイズ及び検知層23の厚さに対して、外部磁場60の大きな振幅範囲において線形かつ非ヒステリシス挙動を提供する。したがって、渦構成は、磁気センサ用途に有利である。
【0004】
検知層23における渦構成の獲得は、検知層23の材料特性を含むいくつかの要因に依存する。一般に、渦構成は、検知層23の直径に対する厚さのアスペクト比を変化させることによって(ゼロ印加磁場において)有利になる。アスペクト比は、依然として典型的には1よりもはるかに小さい(例えば0.01から0.5)。より具体的には、
図2aは、外部磁場60が存在しない場合の検知磁化230を示し、渦構成のコア231は、検知層断面の実質的に中心にある。この構成では、検知層23は、実質的にゼロ(M=0)である正味磁気モーメントを持つ。
図2bは、外部磁場60の存在下での検知磁化230を示す。外部磁場60は、コア231を、外部磁場60の方向に対して実質的に垂直な方向(点線の矢印によって示される)に移動させる。コア231の変位は、検知層23における正味の磁気モーメント(Mは0ではない)をもたらす。特に、(
図2bに示されるように)右に向かうコア231の変位は、検知層23における正味の磁気モーメントM>0(正の軸は印加された磁場60に沿って向いている)をもたらし、一方、外部磁場60が
図2bに示される方向と反対に向けられるとき、左に向かうコア231の変位(図示せず)は、検知層23における正味の磁気モーメントM<0をもたらす。
【0005】
図3は、従来の磁気抵抗センサ素子の検知磁化230(M、任意単位)上の外部磁場60(H
ext、任意単位)に対するヒステリシス応答(又は磁化曲線)を示す。渦検知磁性230の完全なヒステリシスループは、渦放出磁場がH
expl点に到達するまで、印加磁場H
extと共に磁性Mが線形に増加することを特徴とする。この時点で、検知磁化230は磁気的に飽和する。検知層23内の渦状態を回復するために、核形成磁場H
nuclよりも下に磁場を低減する必要があり、ここで核形成磁場H
nuclは、高磁場渦放出後に渦が再形成される磁場である。印加された磁場が検知磁場230内の渦放出磁場(+/-H
expl)に対応する大きさの範囲内にある限り、外部磁場60に対するヒステリシス応答は、外部磁場60によるコア231の移動に対応する可逆的な線形部分を含む。ヒステリシスループの線形部分の値及び傾きは、検知層23のサイズに強く依存する。磁化曲線の線形及び非ヒステリシス部分は、外部磁場H
extの小さな変動の計測を容易にする。
【0006】
特に、渦は、M(H)ループの線形領域の傾きに相当する磁化率χによって特徴付けられる。
【0007】
【0008】
この場合、磁気抵抗センサ素子2の感度Sは、磁気抵抗センサ素子2の磁化率χとトンネル磁気抵抗(TMR)との積に比例する。
【0009】
【0010】
複数の磁気抵抗センサ素子2を備える磁気センサ装置に対して透磁率試験を実行する場合、磁気抵抗センサ素子2は、それらの公称性能を著しく変化させることなく、200mTより大きい磁場のような高い磁場に露呈可能であるべきである。しかしながら、渦ベースの磁気センサ装置は、典型的には、例えば100mTよりも小さい低磁場で動作するように構成されている。渦ベースの磁気センサ装置の性能は、透磁率試験において使用される高磁場にさらされたときにしばしば変わってしまう。特に、渦ベースの磁気センサ装置は、低磁場を検知するときにセンサ精度を低下させるゼロ磁場オフセットシフトを受けることがある。
【0011】
さらに、渦ベースの磁気センサ装置は、限られた範囲の磁場の大きさにおいてのみ線形応答を持つ。
【0012】
特許文献1は、磁気検知層と、磁気基準層と、磁気検知層と磁気基準層との間のトンネル障壁層とを備える磁気抵抗センサを開示している。磁気抵抗センサはまた、反強磁性材料の層を持つ感知交換層を備える。感知交換層は、磁気感知層と交換結合される。また、磁気抵抗センサは、反強磁性材料の層を持つ基準交換層をさらに備える。基準交換層は、磁気基準層と交換結合される。
【0013】
特許文献2は、磁気基準層を含む磁気抵抗センサを開示している。磁気基準層は、所定の回転方向の永久閉磁束磁化パターンを備える。さらに、磁気抵抗センサは、磁気自由層を備える。磁気自由層は、磁気基準層の総横方向面積よりも小さい総横方向面積を持つ。磁気自由層の重心は、磁気基準層の重心に対して横方向に変位される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許出願公開第3104187号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2018/356474号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本開示は、磁気センサ用の磁気抵抗素子に関し、磁気抵抗素子は、固定基準磁化を持つ基準層と自由検知磁化を持つ検知層との間に備わるトンネル障壁層を備え、検知磁化は、安定した渦構成を備える。磁気抵抗素子は、基準層と接触し、第1ブロッキング温度で交換バイアスによって基準磁化をピン止めする基準ピニング層をさらに備える。磁気抵抗素子は、検知層と接触し、第1ブロッキング温度よりも低い第2ブロッキング温度で交換バイアスによって検知磁化をピン止めする検知ピニング層をさらに備える。検知層は、15nmから80nmの間の厚さを持つ。
【0016】
本開示は、さらに、上述の磁気抵抗素子を複数備えた磁気センサに関する。
【0017】
本開示はさらに、磁気抵抗素子を製造する方法であって
上述の第1ブロッキング温度より高いアニール温度で、印加された外部磁場を用いて前記基準層をアニール処理するステップと
上述の第2ブロッキング温度よりも高く、上述の第1ブロッキング温度よりも低いアニール温度で、外部磁場が印加されていない状態で前記検知層をアニール処理するステップと
を備える磁気抵抗素子を製造する方法に関する。
【発明の効果】
【0018】
本明細書に開示される磁気抵抗素子は、広い線形応答を持つ。磁気抵抗素子はさらに、磁気抵抗素子が透磁率試験を実行するときに使用される磁場などの高磁場にさらされた後に実質的に変化しないままの公称性能を持つ。換言すると、磁気抵抗素子は、より安定した再現可能な渦構成のために、ゼロ磁場オフセットシフトが低減されている。渦構成は、大きな渦核形成場Hnuclによって特徴付けられる。
【0019】
本発明の例示的な実施形態は、説明において開示され、次の図面によって示される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、検知層を備える従来の磁気抵抗センサ素子の断面図を示す。
【
図2a】
図2aは、外部磁場が存在しない場合の渦構成を備えた検知磁化を持つ検知層の上面図を示す。
【
図2b】
図2bは、外部磁場が存在する場合の渦構成を備えた検知磁化を持つ検知層の上面図を示す。
【
図3】
図3は、従来の磁気抵抗センサ素子のヒステリシス応答を示す。
【
図4】
図4は、一実施形態による、検知ピニング層と検知層を備えた磁気抵抗センサ素子の断面図を示し、検知層は、渦構成を備える検知磁化を持つ。
【
図5】
図5は、検知層の厚さの関数として、渦構成の渦放出場と渦核形成場を示す。
【
図6】
図6は、±1.6×10
4A/mの外部磁場の範囲と、2×10
-8J/cm
2及び4×10
-8J/cm
2の検知ピニング層によって生成される交換バイアスの強度とについて、検知層の厚さの関数として磁気抵抗素子の感度を報告する。
【
図7】
図7は、±1.6×10
4A/mの外部磁場の範囲と、2×10
-8J/cm
2及び4×10-8J/cm
2の検知ピニング層によって生成される交換バイアスの強度について、検知層の厚さの関数としての線形誤差に関する磁気抵抗素子応答の線形性を報告する。
【
図8】
図8は、検知ピニング層によって生成される交換バイアスの強度が2×10
-8J/cm
2及び4×10
-8J/cm
2であり、外部磁場の範囲が±1.6×10
4A/mである場合の磁気抵抗素子の感度の関数としての線形誤差に関する磁気抵抗素子応答の線形性を報告する。
【
図9】
図9は、検知ピニング層によって生成される交換バイアスの強度が2×10
-8J/cm
2及び4×10
-8J/cm
2であり、外部磁場の範囲が±3.2×10
4A/mである場合の磁気抵抗素子の感度の関数としての線形誤差に関する磁気抵抗素子応答の線形性を報告する。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図4を参照すると、一実施形態による磁気抵抗センサ素子2の断面図が示されている。磁気抵抗センサ素子2は、基準磁化210を持つ強磁性基準層21と、自由検知磁化230を持つ強磁性検知層23と、基準強磁性層21と検知強磁性層23との間のトンネル障壁層22とを備える。検知磁化230は、外部磁場60内で配向できる一方、基準磁化210は、実質的に乱されないままである。よって、外部磁場60は、磁気抵抗センサ素子2の抵抗の計測によって検知できる。抵抗は、基準磁化210に対する検知磁化230の向きに依存する。
【0022】
検知磁化230は、検知層23の縁部に沿ってコア231の周りを円形経路で回転する安定した渦構成を備え、外部磁場60に従って可逆的に移動可能である。磁気抵抗センサ素子2の所与の横方向寸法に対して、検知層23の厚さは、加わる磁場がない場合に検知層23が安定した渦構成の磁化を持つように選択される。
【0023】
基準磁化210は、基準層21の平面内で実質的に長手方向に配向される。基準磁化210の向きは、基準ピニング層24と基準層21との間の交換結合(交換バイアスを生成する)によって決定される。基準層21は、合成反強磁性(SAF)を備えてよい。
【0024】
一観点では、基準層21と検知層23は、コバルト(「Co」)、鉄(「Fe」)、又はニッケル(「Ni」)ベースの合金、優先的にはCoFe、NiFe、又はCoFeBベースの合金のような強磁性材料を含むか、もしくはそれから形成される。基準層21は、2nmから7nmの厚さを持ってよい。基準層21と検知層23は、複数層構造を備えてよく、各層は、Co、Fe又はNiベースの合金、好ましくはCoFe、NiFe又はCoFeBベースの合金のような強磁性材料を含有してよく、そしてTa、Ti、W、Ru、Ir(タンタル、チタン、タングステン、ルテニウム、イリジウム)のような非磁性層を備えてよい。
【0025】
基準磁化方向210と検知磁化方向230は、層21、23の平面に対して実質的に平行(
図4に示されるように面内の)であることと、層21、23の平面に対して実質的に垂直(面外)であることとの少なくとも一方の、磁気異方性を持ち得る。
【0026】
磁気抵抗センサ素子2は、第1しきい値温度Tb1において交換バイアスによって基準磁化210をピン止めする基準ピニング層24をさらに備える。「しきい値温度」という表現は、ネール温度のようなブロッキング温度、又は基準ピニング層24の別のしきい値温度に相当してよい。基準ピニング層24は、温度が第1しきい値温度Tb1よりも高いときに基準磁化210をピン止め解除又は分離する。
【0027】
磁気抵抗センサ素子2は、第1しきい値温度Tb1よりも低い第2しきい値温度Tb2において交換バイアスによって検知磁化方向230をピン止めする検知ピニング層25をさらに備える。
【0028】
一観点では、検知ピニング層25によって検知層23に生成される交換バイアスの強度が、基準ピニング層24によって基準層21に生成される交換バイアスの強度よりも小さくなるように、検知ピニング層25を構成可能である。例えば、検知ピニング層25によって検知層23内に生成される交換バイアスの大きさは、実質的に2×10-8J/cm2から4×10-8J/cm2(0.2erg/cm2から0.4erg/cm2)である。
【0029】
いくつかの観点では、検知ピニング層25によって検知層23内に生成される交換バイアスの強度が、検知磁化230を外部磁場60に対して整列させて、磁化が変化し得る状態で計測可能にするように、検知層23の厚さを選択してよい。
【0030】
いくつかの観点では、基準ピニング層24と検知ピニング層25は、交換結合を通して基準磁化210と検知磁化230をそれぞれピン止めする反強磁性材料を含むか、もしくはそれから形成される。特に、基準ピニング層24と検知ピニング層25は、以下の反強磁性タイプの磁性材料を含むか、もしくはそれらから形成される。
マンガン(「Mn」)をベースとする合金、例えば、イリジウム(「Ir」)とMnをベースとする合金(例えば、IrMn)、
Fe(鉄)とMnをベースとする合金(例えば、FeMn)、
白金(「Pt」)とMnをベースとする合金(例えば、PtMn)、
Ni(ニッケル)とMnをベースとする合金(例えば、NiMn)又はクロム(「Cr」)か、NiO(酸化ニッケル)又はFeO(酸化鉄)をベースとする合金。
【0031】
いくつかの観点では、基準ピニング層24と検知ピニング層25の厚さは、4nmと15nmの間であってよい。
【0032】
トンネル障壁層22は、絶縁材料を含むか、又は絶縁材料から形成される。好適な絶縁材料としては、酸化アルミニウム(例えば、Al2O3)及び酸化マグネシウム(例えば、MgO)のような酸化物が挙げられる。トンネル障壁層22の厚さは、約1nmから約10nmのようなナノメートルの範囲としてよい。結晶質MgOベースのトンネル障壁層22を備える磁気トンネル接合2では、例えば200%までの大きなTMR(トンネル磁気抵抗)を得られる。
【0033】
図5は、渦放出場H
explと渦核形成場H
nuclを検知層23の厚さの関数として示す。渦放出磁場H
explと渦核形成磁場H
nuclの値は、NiFe合金と、140%の磁気抵抗センサ素子2のTMRと、面内(すなわち基準層21の平面内)に固定された基準磁性210とを備える検知層23について計算される。検知ピニング層25によって検知層23に発生する交換バイアスの強さは、2×10
-8J/cm
2と4×10
-8J/cm
2について計算した。検知ピニング層25によって生成される交換バイアスがない場合の検知層23の厚さの関数として計算された渦放出磁場H
explと渦核形成磁場H
nuclも示されている。
【0034】
図5は、検知層23が検知ピニング層25によって生成された交換バイアスを受けているときに、検知ピニング層25によって生成された交換バイアスがない場合の核形成磁場H
nuclと放出磁場H
explと比較して、核形成磁場H
nuclと放出磁場H
explの強度が、約40nmよりも小さい検知層23の厚さに対して概してより高いことを示す。核形成磁場H
nuclと放出磁場H
explの高い値は、15nmから80nmの間の検知層23の厚さに対して得られる。核形成磁場H
nuclと放出磁場H
explのより高い強度は、渦構成の安定度の増加を可能にする。それはさらに、磁気抵抗センサ素子2のより広い線形応答領域を可能にし、磁気抵抗センサ素子2が透磁率試験で使用される高磁場にさらされるときの磁気抵抗センサ素子2の応答変化の低減を可能にする。
【0035】
図6は、±1.6×10
4A/m(±200Oe)の外部磁場60の範囲と、2×10
-8J/cm
2(白丸)及び4×10
-8J/cm
2(白四角)の検知ピニング層25によって生成される交換バイアスの強度について、磁気抵抗素子10の感度Sを検知層23の厚さの関数として報告する。検知ピニング層25を備えていない従来の磁気抵抗素子の感度Sも、1.6×10
4A/m(200Oe)の外部磁場60に対して報告されている(無地の正方形)。磁化渦状態は、渦静磁気エネルギーと検知ピニング層25からの交換エネルギーとの間の平衡から生じる。検知層23の厚さが大きい場合の静磁気エネルギーと、検知層23の厚さが小さい場合の増大した交換エネルギー(又はピニング磁場)との間の競合により、磁気抵抗素子10の最大感度Sは、検知ピニング層25によって生成される交換バイアスの強度の調整によって得られる。ここで、4×10
-8J/cm
2の交換バイアスは、15nmから80nmの間の厚さを持つ検知層23に対して3から5mV/V/mTの間の感度Sをもたらす。このような感度Sの値は、磁気センサ用途に適している。
【0036】
図7は、±1.6×10
4A/m(±200Oe)の外部磁場60の範囲と、2×10
-8J/cm
2(白丸)及び4×10
-8J/cm
2(白四角)の検知ピニング層25によって生成される交換バイアスの強度とについて、検知層23の厚さの関数としての線形誤差(%)に関して磁気抵抗素子10応答の線形性を報告する。検知ピニング層25を備えていない従来の磁気抵抗素子について得られた応答の線形性も、1.6×10
4A/m(200Oe)の外部磁場60について、検知層の厚さの関数として報告されている(無地の正方形)。
図7は、±1.6×10
4A/m(±200Oe)の外部磁場60の範囲に対する線形誤差が、検知ピニング層25を持たない磁気抵抗素子の線形誤差と比較して、20nm未満の厚さを持つ検知層23について低減できることを示す。
図7は、±1.6×10
4A/m(200±Oe)の外部磁場60の範囲に対する磁気抵抗素子10の応答の線形誤差が、15nmから80nmの厚さを持つ検知層23に対して4%未満であることを示している。
【0037】
図8及び
図9は、検知ピニング層25によって生成される交換バイアスの強度が2×10
-8J/cm
2(白丸)及び4×10
-8J/cm
2(白四角)である場合の磁気抵抗素子10の感度Sの関数として、磁気抵抗素子10の応答の線形性を線形誤差(%)の観点から報告している。
図8では、±1.6×10
4A/m(±200Oe)の外部磁場60の範囲について直線性を算出し、
図9では、±3.2×10
4A/m(±400Oe)の外部磁場60の範囲について直線性を算出した。検知ピニング層25を備えていない従来の磁気抵抗素子について得られた応答の線形性も、
図8の±1.6×10
4A/mの外部磁場60(白丸)と、
図9の±3.2×10
4A/mの外部磁場60(白丸)について、従来の磁気抵抗素子の感度Sの関数として報告されている。
【0038】
±1.6×104A/mの範囲の外部磁場60と2×10-8J/cm2の交換バイアスの場合、15nmから80nmの間の検知層23の厚さは、磁気抵抗素子10の応答において3.5%未満の線形誤差をもたらす。±3.2×104A/mのより大きい外部磁場60の範囲と2×10-8J/cm2の交換バイアスに対して、15nmから80nmの間の検知層23の厚さは、磁気抵抗素子10の応答において2%未満の線形誤差をもたらす。
【0039】
15nmから80nmの間の検知層の厚さは、検知ピニング層に近い層の部分における検知磁化の強い交換結合と、検知ピニング層から遠い層の部分における検知磁化のより弱い交換結合とを得られるようにする。その結果、外部磁場の存在下で、渦がそのより遠い部分において線形に挙動するようになる。15nmと80nmの間の検知層の厚さは、検知磁化の交換結合の効果(磁気抵抗素子が高磁場にさらされた後に公称性能は変化しないこと)と、広い線形応答の獲得との組み合わせを可能にする。
【0040】
磁気抵抗素子10の応答の低い感度S(例えば、5%より小さい感度S)は、検知ピニング層25によって生成される交換バイアスの強度の調整によって、及び検知層23の厚さの調整によって得られる。
【0041】
一実施形態によれば、磁気抵抗素子10を製造する方法は、以下のステップ、
基準層21の磁化を飽和させるのに十分な印加外部磁場を用いて、第1ブロッキング温度Tb1よりも高いアニール温度で磁気抵抗素子10をアニール処理し、印加磁場の方向に沿った方向に基準層21をピン止めするステップと、
第2ブロッキング温度Tb2よりも高く、第1ブロッキング温度Tb1よりも低いアニール温度で、外部磁場が印加されていない状態で磁気抵抗素子10をアニール処理するステップであって、検知層21を磁気渦構成に固定するステップとを備える。
【0042】
アニール処理のステップの前に、本方法は、磁気抵抗素子10を形成するステップを備えてよく、基準ピニング層24と検知ピニング層25を堆積するステップを備えてよい。基準層21は、基準ピニング層24上に直接堆積してよく、検知層23は、検知ピニング層25上に直接堆積してよい。
【0043】
磁気抵抗素子10を形成することは、トンネル障壁層22を堆積させることをさらに備えてよく、ここでは検知層23は、トンネル障壁層22上に堆積される。トンネル障壁層22の堆積は、RFマグネトロンスパッタリング技術又は任意の他の適切な技術を使用することによって実行され得る。
【0044】
いくつかの観点では、磁気抵抗素子10を形成することは、基準ピニング層24、基準層23、トンネル障壁層22、検知層23、及び検知ピニング層25をこの順序で堆積させることを備える。磁気抵抗素子10は、検知ピニング層25、検知層23、トンネル障壁層22、基準層23、基準ピニング層24をこの順序で堆積させることをさらに備え得る。
【0045】
一実施形態では、磁気センサは、ここに開示した磁気抵抗素子2を複数備えている。
【符号の説明】
【0046】
2 磁気抵抗素子
21 基準層
210 基準磁化
22 トンネル障壁層
23 検知層
230 検知磁化
231 コア
24 基準ピニング層
25 基準ピニング層
60 外部磁場
Hext 外部磁場
Hexpl 放出磁場
Hnucl 核生成磁場
S 感度
χ 磁化率
【手続補正書】
【提出日】2023-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気センサ用の磁気抵抗素
子であって、前記磁気抵抗素
子は、固定基準磁
化を持つ基準
層と自由検知磁
化を持つ検知
層との間に備わるトンネル障壁
層を備え、
前記検知磁
化は、印加磁場がない場合に安定した渦構成を備え、
前記磁気抵抗素
子は、前記基準
層と接触し、第1ブロッキング温
度において交換バイアスによって前記基準磁
化をピン止めする基準ピニング
層をさらに備え、
前記検知
層と接触し、前記第1ブロッキング温
度よりも低い第2ブロッキング温
度で交換バイアスによって前記検知磁
化をピン止めする検知ピニング
層を備える、磁気抵抗素
子において、
前記検知
層が15nmと80nmの間の厚さを持
っていて、
前記検知ピニング層と前記検知層の間の交換バイアスの強度が2x10
-8
J/cm
2
と4x10
-8
J/cm
2
の間である、磁気抵抗素
子。
【請求項2】
前記検知ピニング
層は、前記検知ピニング
層と前記検知
層との間の交換バイアスの強さが、前記基準ピニング
層と前記基準
層との間の交換バイアスの強さよりも低くなるように構成されている、請求項1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項3】
検知
層は、CoFe、NiFe又はCoFeBベースの合金を含有している、請求項
1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項4】
前記基準ピニング
層と前記検知ピニング
層は、反強磁性材料を含有するか、反強磁性材料から形成されている、請求項
1に記載の磁気抵抗素子。
【請求項5】
前記基準ピニング
層と前記検知ピニング
層は、Ir及びMn、Fe及びMn、Pt及びMn、Ni及びMn、Cr、NiO又はFeOをベースとする合金を含有している、請求項
4に記載の磁気抵抗素子。
【請求項6】
固定基準磁化を持つ基準層と自由検知磁化を持つ検知層との間に備わるトンネル障壁層を備える磁気抵抗素子であって、
前記検知磁化は、印加磁場がない場合に安定した渦構成を備え、
前記磁気抵抗素子は、前記基準層と接触し、第1ブロッキング温度において交換バイアスによって前記基準磁化をピン止めする基準ピニング層をさらに備え、
前記検知層と接触し、前記第1ブロッキング温度よりも低い第2ブロッキング温度で交換バイアスによって前記検知磁化をピン止めする検知ピニング層を備える、磁気抵抗素子において、
前記検知層が15nmと80nmの間の厚さを持っていて、
前記検知ピニング層と前記検知層の間の交換バイアスの強度が2x10
-8
J/cm
2
と4x10
-8
J/cm
2
の間である、磁気抵抗素子を製造する方法であって、
前記方法が、
基準ピニング層と、基準層と、トンネル障壁層と、検知層と、検知ピニング層とを堆積することであって、前記検知ピニング層と前記検知層の間の交換バイアスの強度が、2x10
-8
J/cm
2
と4x10
-8
J/cm
2
の間で構成される、前記堆積することと、
前記第1ブロッキング温
度よりも高いアニール温度で、印加された外部磁場を用いて前記磁気抵抗素
子をアニール処理することと、
前記第2ブロッキング温
度よりも高く、前記第1ブロッキング温
度よりも低いアニール温度で、外部磁場が印加されていない状態で前記磁気抵抗素
子をアニール処理することと
を備える、
前記磁気抵抗素子を製造する方法。
【請求項7】
前記基準ピニング
層を堆積することと、前記検知ピニング
層を堆積することとを備える、前記磁気抵抗素
子を形成することを備え、
ここでは、前記基準
層は、前記基準ピニング
層上に堆積され、前記検知
層は、前記検知ピニング
層上に堆積される、請求項
6に記載の方法。
【請求項8】
請求項
1に記載の磁気抵抗素
子を複数備える磁気センサ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
本開示は、磁気センサ用の磁気抵抗素子に関し、磁気抵抗素子は、固定基準磁化を持つ基準層と自由検知磁化を持つ検知層との間に備わるトンネル障壁層を備え、検知磁化は、安定した渦構成を備える。磁気抵抗素子は、基準層と接触し、第1ブロッキング温度で交換バイアスによって基準磁化をピン止めする基準ピニング層をさらに備える。磁気抵抗素子は、検知層と接触し、第1ブロッキング温度よりも低い第2ブロッキング温度で交換バイアスによって検知磁化をピン止めする検知ピニング層をさらに備える。検知層は、15nmから80nmの間の厚さを持つ。検知ピニング層と検知層の間の交換バイアスの強度が2x10
-8
J/cm
2
と4x10
-8
J/cm
2
の間である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
本開示はさらに、磁気抵抗素子を製造する方法であって
基準ピニング層と、基準層と、トンネル障壁層と、検知層と、検知ピニング層とを堆積することであって、前記検知ピニング層と前記検知層の間の交換バイアスの強度が、2x10
-8
J/cm
2
と4x10
-8
J/cm
2
の間で構成される、前記堆積するステップと
上述の第1ブロッキング温度より高いアニール温度で、印加された外部磁場を用いて前記基準層をアニール処理するステップと
上述の第2ブロッキング温度よりも高く、上述の第1ブロッキング温度よりも低いアニール温度で、外部磁場が印加されていない状態で前記検知層をアニール処理するステップと
を備える磁気抵抗素子を製造する方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
一実施形態において、磁気センサは、ここに開示した複数の磁気抵抗素子2を複数備えている。
別の観点による本願の実施の形態を以下列挙する。
1)磁気センサ用の磁気抵抗素子(10)であって、前記磁気抵抗素子(10)は、固定基準磁化(210)を持つ基準層(21)と自由検知磁化(230)を持つ検知層(23)との間に備わるトンネル障壁層(22)を備え、
前記検知磁化(230)は、印加磁場がない場合に安定した渦構成を備え、
前記磁気抵抗素子(10)は、前記基準層(21)と接触し、第1ブロッキング温度(Tb1)において交換バイアスによって前記基準磁化(210)をピン止めする基準ピニング層(24)をさらに備え、
前記検知層(23)と接触し、前記第1ブロッキング温度(Tb1)よりも低い第2ブロッキング温度(Tb2)で交換バイアスによって前記検知磁化(230)をピン止めする検知ピニング層(25)を備える、磁気抵抗素子(10)において、
前記検知層(23)が15nmと80nmの間の厚さを持つことを特徴とする、磁気抵抗素子。
2)前記検知ピニング層(25)は、前記検知ピニング層(25)と前記検知層(23)との間の交換バイアスの強さが、前記基準ピニング層(24)と前記基準層(21)との間の交換バイアスの強さよりも低くなるように構成されている、1)に記載の磁気抵抗素子。
3)検知ピニング層(25)と検知層(23)の間の交換バイアスの強度は、2x10-8J/cm2と4x10-8J/cm2の間である、2)に記載の磁気抵抗素子。
4)検知層(23)は、CoFe、NiFe又はCoFeBベースの合金を含有している、1)から3)のいずれか一つに記載の磁気抵抗素子。
5)前記基準ピニング層(24)と前記検知ピニング層(25)は、反強磁性材料を含有するか、反強磁性材料から形成されている、1)から4)のいずれか一つに記載の磁気抵抗素子。
6)前記基準ピニング層(24)と前記検知ピニング層(25)は、Ir及びMn、Fe及びMn、Pt及びMn、Ni及びMn、Cr、NiO又はFeOをベースとする合金を含有している、5)に記載の磁気抵抗素子。
7)前記第1ブロッキング温度(Tb1)よりも高いアニール温度で、印加された外部磁場を用いて前記磁気抵抗素子(10)をアニール処理することと、
前記第2ブロッキング温度(Tb2)よりも高く、前記第1ブロッキング温度(Tb1)よりも低いアニール温度で、外部磁場が印加されていない状態で前記磁気抵抗素子(10)をアニール処理することと
を備える、1)から6)のいずれか一つに記載の磁気抵抗素子を製造する方法。
8)前記基準ピニング層(24)を堆積することと、前記検知ピニング層(25)を堆積することとを備える、前記磁気抵抗素子(10)を形成することを備え、
ここでは、前記基準層(21)は、前記基準ピニング層(24)上に堆積され、前記検知層(23)は、前記検知ピニング層(25)上に堆積される、7)に記載の方法。
9)上述の1)から6)のいずれか一つに記載の磁気抵抗素子を複数備える磁気センサ。
【国際調査報告】