(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】対象物の歯科用撮像のためのコントローラ、歯科用撮像システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
A61B 6/14 20060101AFI20231101BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
A61B6/14 310
A61B6/00 350P
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523189
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-14
(86)【国際出願番号】 FI2021050701
(87)【国際公開番号】W WO2022090612
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FI
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509353665
【氏名又は名称】パロデックス グループ オイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エロネン、エサ
(72)【発明者】
【氏名】リンタマキ、マルクス
(72)【発明者】
【氏名】ダクイスト、パウル
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA12
4C093AA22
4C093AA26
4C093CA13
4C093DA05
4C093FF03
4C093FF33
(57)【要約】
本発明は、対象物の歯科用撮像のためのコントローラ(106)に関する。コントローラは、少なくとも1つのプロセッサ(802)と、コンピュータプログラムコード(814)を含む少なくとも1つのメモリ(808)と、を備える。少なくとも1つのメモリ(808)及びコンピュータプログラムコード(814)は、少なくとも1つのプロセッサ(802)を用いて、コントローラ(106)に、少なくとも、光学スキャナユニット(104)から第1の画像データを取得することと、歯科用X線撮像ユニット(102)から第2の画像データを取得することと、取得された第1の画像データから第1の表面モデル(202)を作製することであって、第1の表面モデル(202)が対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、取得された第2の画像データを処理するために、第1の表面モデル(202)を使用することと、を行わせるように構成されている。本発明はまた、対象物の歯科用撮像のための撮像システム(100)、方法、コンピュータプログラム(814)、及びコンピュータ可読媒体にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の歯科用撮像のためのコントローラ(106)であって、
少なくとも1つのプロセッサ(802)と、
コンピュータプログラムコード(814)を含む少なくとも1つのメモリ(808)と、を備え、
前記少なくとも1つのメモリ(808)及び前記コンピュータプログラムコード(814)が、前記少なくとも1つのプロセッサ(802)を用いて、前記コントローラ(106)に、少なくとも、
光学スキャナユニット(104)から第1の画像データを取得することと、
歯科用X線撮像ユニット(102)から第2の画像データを取得することと、
取得された前記第1の画像データから第1の表面モデル(202)を作製することであって、前記第1の表面モデル(202)が前記対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、
前記第1の表面モデル(202)を使用して、取得された前記第2の画像データを処理することと、を行わせるように構成されている、コントローラ(106)。
【請求項2】
前記光学スキャナユニット(104)が、口腔内スキャナユニットである、請求項1に記載のコントローラ(106)。
【請求項3】
取得された前記第1の画像データが、以前に前記光学スキャナユニット(104)から取得された第1の画像データを含む、請求項1又は2に記載のコントローラ(106)。
【請求項4】
前記コントローラ(106)は、
前記第1の表面モデル(202)に基づいて、前記第2の画像データを得ている間に生じる前記対象物の動きを検出し、
前記第1の表面モデル(202)に基づいて、取得された前記第2の画像データから再構成された二次元又は三次元の歯科用X線画像における前記動きによって引き起こされるアーチファクトを低減させるように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のコントローラ(106)。
【請求項5】
前記動きの前記検出が、
取得された前記第2の画像データからの第2の表面モデル(302)の作製であって、前記第2の表面モデル(302)が、前記対象物の第2の部分の表面のX線3D形状を表し、前記対象物の前記第2の部分が、前記対象物の前記第1の部分と少なくとも部分的に重複する、作製と、
前記第2の表面モデル(302)と前記第1の表面モデル(202)との類似性の比較と、
前記第2の表面モデル(302)が前記第1の表面モデル(202)と異なる場合は、前記動きの検出と、を含む、請求項4に記載のコントローラ(106)。
【請求項6】
前記第2の表面モデル(302)の前記作製が、
取得された前記第2の画像データの三次元歯科用X線画像への再構成と、
セグメンテーションを使用した、前記三次元歯科用X線画像からの前記第2の表面モデル(302)の抽出と、を含む、請求項5に記載のコントローラ(106)。
【請求項7】
前記動きの前記検出が、前記比較の前の、前記第1の表面モデル(202)と前記第2の表面モデル(302)との合わせ込みを更に含む、請求項5又は6に記載のコントローラ(106)。
【請求項8】
前記コントローラ(106)が、
前記第1の表面モデル(202)に基づいて、前記対象物の解剖学的形状を決定し、
歯科用X線画像の焦点トラフが、前記第1の表面モデル(202)に基づいて決定された前記対象物の前記解剖学的形状に対応するように、取得された前記第2の画像データから前記歯科用X線画像の再構成を調整するように構成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載のコントローラ(106)。
【請求項9】
対象物の歯科用撮像のための撮像システム(100)であって、前記撮像システム(100)が、
第2の画像データを提供するための歯科用X線撮像ユニット(102)であって、
ガントリ部(112)と、
X線を放出するためのX線源部(118)と、
前記線源部(118)から前記X線を受信するための、X線撮像検出器部(120)と、を含み、
前記ガントリ部(112)が、前記線源部(118)及び前記検出器部(120)を含む、歯科用X線撮像ユニット(102)と、
第1の画像データを提供するための光学スキャナユニット(104)と、
請求項1~8のいずれか一項に記載のコントローラ(106)と、を備え、前記コントローラ(106)が、
前記光学スキャナユニット(104)から前記第1の画像データを取得することと、
前記歯科用X線撮像ユニット(102)から前記第2の画像データを取得することと、
取得された前記第1の画像データから第1の表面モデル(202)を作製することであって、前記第1の表面モデル(202)が前記対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、
取得された前記第2の画像データを処理するために、前記第1の表面モデル(202)を使用することと、を行うように構成されている、撮像システム(100)。
【請求項10】
請求項1~8のいずれか一項に記載のコントローラ(106)によって実施される、対象物の歯科用撮像のための方法であって、
光学スキャナユニット(104)から第1の画像データを取得することと、
歯科用X線撮像ユニット(102)から第2の画像データを取得することと、
取得された前記第1の画像データから第1の表面モデル(202)を作製することであって、前記第1の表面モデル(202)が前記対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、
取得された前記第2の画像データを処理するために、前記第1の表面モデル(202)を使用することと、を含む、方法。
【請求項11】
命令を含むコンピュータプログラム(814)であって、前記命令が、前記プログラムが請求項1~8のいずれか一項に記載のコントローラ(106)によって実行されたときに、前記コントローラ(106)に請求項10に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム(814)。
【請求項12】
命令を含む有形の不揮発性コンピュータ可読媒体であって、前記命令が、請求項1~8のいずれか一項に記載のコントローラ(106)によって実行されたときに、前記コントローラ(106)に請求項10に記載の方法を実行させる、有形の不揮発性コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
対象物の歯科用X線撮像において光学画像データを使用するための方法であって、
光学スキャナユニット(104)から前記対象物の光学画像データを取得することと、
取得した前記光学画像データを、前記対象物の前記歯科用X線撮像において使用することと、を含む、方法。
【請求項14】
取得された前記光学画像データを前記使用することが、
前記光学画像データに基づいて、前記対象物のX線画像データを得ている間に生じる前記対象物の動きを検出することと、
前記光学画像データに基づいて、前記対象物の前記X線画像データから再構成された二次元又は三次元の歯科用X線画像における前記動きによって生じるアーチファクトを低減させることと、を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
取得された前記光学画像データを前記使用することが、前記歯科用X線画像内の焦点トラフが、前記光学画像データに基づいて決定された前記対象物の解剖学的形状に対応するように、前記対象物のX線画像データからの歯科用X線画像の再構築を調整することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
取得された前記光学画像データを前記使用することが、前記光学画像データに基づいて、前記対象物の前記X線画像データの取得のための歯科用X線撮像ユニット(102)の撮像ジオメトリを定義することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、歯科用撮像の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的に、患者の正しい位置決めは、X線撮像処理におけるX線撮像ユニットのユーザの最も時間のかかるタスクの1つであり得る。従来、患者は、患者の頭部を可能な限り静止させて保持することになる様々な支持方法を使用して、X線撮像ユニットに位置決めされ得る。
【0003】
従来の支持手段は、顎止め、静的咬合スティック、及び頭部支持体であり得、この場合、額、こめかみ、及び/又は頭蓋骨の背部が支持される。加えて、異なる種類のストラップを使用して、患者の位置決めを可能な限り剛性にすることができる。加えて、いくつかのX線撮像ユニットは、X線撮像ユニットに装着されるそのような咬合スティックを有し、それにより装着手段が咬合スティックをいくつかの方向に移動させることを可能にする。
【0004】
同様に従来のものと見なすことができるアプローチの1つは、スカウト画像を使用することである。これは、小線量のパノラマ画像又は90度の角度で撮影された2つの投影画像のセットであり、三次元(3D)画像のターゲティング補助として使用することができる。
【0005】
このようなアプローチでは、厳格な設定が非常に重要である。患者の位置決め(ターゲティング)が完了すると、患者は撮像処理全体にわたって安定した状態を保つべきである。患者及び/又はX線撮像ユニットが動いた場合、すなわち、ターゲティング段階とX線走査段階との間にX線撮像ユニットに対する患者の位置が変化した場合、結果として生じるX線画像は、診断的に役に立たない可能性がある。走査段階中の患者及び/又はX線撮像ユニットの動きは、結果として生じるX線画像に重度のアーチファクトを引き起こす可能性があり、動きによって引き起こされるこれらのアーチファクトは、可能であれば、歯科用X線画像への走査段階中の取得された画像データの再構築中に低減する必要があるか、又はソフトウェアベース、すなわちコンピュータプログラムベースの補正を使用することによって、低減を試みることができる。動きによって引き起こされるアーチファクトは、歯科用X線の画質に著しく影響を及ぼし得る。結果は、例えば、ぼやけた画像又は歪んだ画像となり得る。
【0006】
更に、パノラマ画像では、患者の顎の解剖学的形状はパノラマ画像を撮る前には不明である。パノラマ画像の品質は、事前定義された撮像層が患者の実際の解剖学的形状、例えば歯列弓に、いかに良好に対応するかに基づいて大きく影響される。典型的に、全ての患者に平均形状が使用され、これにより最適化されていない画像品質につながる可能性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に、様々な発明の実施形態のいくつかの態様の基本的な理解を提供するための簡略化された概要を提示する。本概要は、本発明の広範な概略ではない。これは、本発明の主要又は重要な要素を識別することも、本発明の範囲を描写することも意図されない。以下の概要は、本発明の例示的な実施形態のより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を単純化された形式で提示するに過ぎない。
【0008】
本発明の目的は、対象物の歯科用撮像のためのコントローラ、撮像システム、方法、コンピュータプログラム、及び有形の不揮発性コンピュータ可読媒体、並びに対象物の歯科用X線撮像において光学画像データを使用するための方法を提示することである。本発明の別の目的は、対象物の歯科用撮像のためのコントローラ、撮像システム、方法、コンピュータプログラム、及び有形の不揮発性コンピュータ可読媒体、並びに対象物の歯科用X線撮像において光学画像データを使用するための方法が、歯科用X線画像の品質を向上させることである。
【0009】
本発明の目的は、コントローラ、撮像システム、方法、コンピュータプログラム、及び有形の不揮発性コンピュータ可読媒体によって、それぞれの独立請求項の範囲によって定義されるように達成される。
【0010】
第1の態様によれば、対象物の歯科用撮像のためのコントローラが提供され、該コントローラは、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラムコードを含む少なくとも1つのメモリと、を備え、少なくとも1つのメモリ及びコンピュータプログラムコードは、少なくとも1つのプロセッサを用いて、コントローラに、少なくとも、光学スキャナユニットから第1の画像データを取得することと、歯科用X線撮像ユニットから第2の画像データを取得することと、取得された第1の画像データから第1の表面モデルを作製することであって、第1の表面モデルが対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、取得された第2の画像データを処理するために、第1の表面モデルを使用することと、を行わせるように構成されている。
【0011】
光学スキャナユニットは、口腔内スキャナユニットであり得る。
【0012】
取得された第1の画像データは、以前に光学スキャナユニットから取得された第1の画像データを含み得る。
【0013】
コントローラは、第1の表面モデルに基づいて、第2の画像データを得ている間に発生する対象物の動きを検出し、第1の表面モデルに基づいて、取得された第2の画像データから再構成された二次元又は三次元の歯科用X線画像内の動きによって引き起こされるアーチファクトを低減するように構成され得る。
【0014】
動きの検出は、取得された第2の画像データからの第2の表面モデルの作製であって、第2の表面モデルが対象物の第2の部分の表面のX線3D形状を表し、対象物の第2の部分が対象物の第1の部分と少なくとも部分的に重複する、作製と、第2の表面モデルと第1の表面モデルとの類似性の比較と、第2の表面モデルが第1の表面モデルと異なる場合は、動きの検出と、を含み得る。
【0015】
第2の表面モデルの作製は、取得された第2の画像データの三次元歯科用X線画像への再構成と、セグメンテーションを使用した、三次元歯科用X線画像からの第2の表面モデルの抽出と、を含み得る。
【0016】
代替的に又は追加的に、動きの検出は、比較の前の、第1の表面モデルと第2の表面モデルとの合わせ込みを更に含み得る。
【0017】
代替的に、コントローラは、第1の表面モデルに基づいて、対象物の解剖学的形状を決定し、歯科用X線画像の焦点トラフが、第1の表面モデルに基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、取得された第2の画像データから歯科用X線画像の再構成を調整するように構成されてもよい。
【0018】
第2の態様によれば、対象物の歯科用撮像のための撮像システムが提供され、該撮像システムは、第2の画像データを提供するための歯科用X線撮像ユニットであって、ガントリ部と、X線を放出するためのX線源部と、線源部からX線を受信するためのX線撮像検出器部と、を含み、ガントリ部が線源部及び検出器部を含む、歯科用X線撮像ユニットと、第1の画像データを提供するための光学スキャナユニットと、上述のコントローラと、を備え、コントローラは、光学スキャナユニットから第1の画像データを取得することと、歯科用X線撮像ユニットから第2の画像データを取得することと、取得された第1の画像データから第1の表面モデルを作製することであって、第1の表面モデルが対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、取得された第2の画像データを処理するために、第1の表面モデルを使用することと、を行うように構成されている。
【0019】
第3の態様によれば、上で定義されたコントローラによって実施される、対象物の歯科用撮像のための方法が提供され、該方法は、光学スキャナユニットから第1の画像データを取得することと、歯科用X線撮像ユニットから第2の画像データを取得することと、取得された第1の画像データから第1の表面モデルを作製することであって、第1の表面モデルが対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、取得された第2の画像データを処理するために、第1の表面モデルを使用することと、を含む。
【0020】
第4の態様によれば、命令を含むコンピュータプログラムが提供され、該命令は、プログラムが上述したコントローラによって実行されたときに、該コントローラに、上述した方法を実行させる。
【0021】
第5の態様によれば、命令を含む有形の不揮発性コンピュータ可読媒体が提供され、該命令は、上述したコントローラによって実行されたときに、該コントローラに、上述した方法を実行させる。
【0022】
第6の態様によれば、対象物の歯科用X線撮像において光学画像データを使用するための方法が提供され、該方法は、光学スキャナユニットから対象物の光学画像データを取得することと、取得した光学画像データを、対象物の歯科用X線撮像において使用することと、を含む。
【0023】
取得された光学画像データを使用することは、光学画像データに基づいて、対象物のX線画像データを得ている間に生じる対象物の動きを検出することと、光学画像データに基づいて、対象物のX線画像データから再構成された二次元又は三次元の歯科用X線画像における動きによって生じるアーチファクトを低減させることと、を含み得る。
【0024】
代替的に、取得された光学画像データを使用することは、歯科用X線画像内の焦点トラフが、光学画像データに基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、対象物のX線画像データからの歯科用X線画像の再構築を調整することを含み得る。
【0025】
代替的に、取得された光学画像データを使用することは、光学画像データに基づいて、対象物のX線画像データの取得のための歯科用X線撮像ユニットの撮像ジオメトリを定義することを含み得る。
【0026】
本発明の様々な例示的及び非限定的な実施形態は、追加の目的及びその利点とともに、構造及び動作方法の両方に関して、添付の図面と併せて読まれたときに、特定の例示的及び非限定的な実施形態の以下の説明から最もよく理解されるであろう。
【0027】
動詞「含める(to comprise)」及び「含める(to include)」は、本明細書において、列挙されていない特徴の存在を排除するものでもなく、また必要とするものでもない、開放的制限として使用される。従属請求項の範囲に列挙されている特徴は、特に明示的に記載されない限り、相互に自由に組み合わせることができる。更に、本明細書を通して「a」又は「an」、すなわち単数形の使用が複数を除外しないことを理解されたい。
【0028】
本発明の実施形態は、限定としてではなく例として、添付の図面の図に例示されている。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明による撮像システムの一例を概略的に示す。
【
図2】光学画像データから作製された第1の表面モデルの一例を示す。
【
図3】歯科用X線画像データから作製された第2の表面モデルの一例を示す。
【
図6】本発明による方法の更に別の例を概略的に示す。
【
図7】本発明による方法の更に別の例を概略的に示す。
【
図8】本発明によるコントローラの一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書では、歯科用X線撮像処理の異なる段階について、以下の語彙を使用する。放射という用語は、単に照射を含む段階、すなわち、X線源がX線撮像検出器まで対象物を通過するX線ビームを提供している段階を意味する。対象物は、放射中、可能な限り静止したまま、すなわち不動であることが期待され得る。放射する間、歯科用X線撮像ユニットの1つ以上の部分が移動し得る。次に、走査という用語は、歯科用X線撮像ユニットの1つ以上の部分の放射及び移動を含む段階を意味する。走査は、X線画像を提供するための正しい場所にX線撮像ユニットの1つ以上の部分を位置決めすることを含まない。撮像という用語は、放射、走査、及び位置決めを含む処理全体を意味する。
【0031】
図1は、本発明による撮像システム100の例を示す。撮像システム100は、対象物の歯科用X線画像データ、すなわち第2の画像データを提供するための歯科用X線撮像ユニット102と、対象物の光学画像データ、すなわち第1の画像データを提供するための光学スキャナユニット104と、コントローラ106とを備える。
【0032】
歯科用X線撮像ユニット102は、例えば、人間の頭蓋骨の歯顎顔面複合体の撮像のために構成され得る。歯科用X線撮像ユニット102は、コンピュータ断層撮影(CT)撮像、パノラマ撮像(標準、小児、オルトゾーン、ワイドアーチ、直交など)、及び/又は頭部マトリックス撮像(頭部小児横方向投影、頭部横方向投影、頭部前後など)を含むがこれらに限定されない、異なるタイプの撮像法を提供するように構成され得る。CT撮像は、コーンビームCT(CBCT)撮像であり得、ビームは、コーン形状ビームであるか、又は代替CT撮像であり、ビームは、ピラミッド形状ビーム、半月形状コーンビーム、又は任意の他の形状のビームである。
図1は、本開示の概念とともに使用するための歯科用X線撮像ユニット102の一例のみを示す。
【0033】
歯科用X線撮像ユニット102は、支持柱103上に移動可能に支持されるハウジング101を備える。ハウジング101は、支持柱103に沿ってハウジング101を垂直に上下に動かすように構成されたガイドモータ(
図1には示さず)によって垂直方向に上下に動かされ得る。支持セクション、すなわち、上部棚110は、支持セクション110に対して水平面で回転可能であるガントリ部、すなわち、回転部112を支持するように構成される。支持セクション110及び/又はガントリ部112は、ガントリ部112を回転させるように構成された回転モータ(
図1には示さず)を含み得る。代替的に又は追加的に、支持セクション110は、ガントリ部112を柱103の周りで枢動させるように構成された、ピボットモータ(
図1には示さず)を含んでもよい。代替的に又は追加的に、歯科用X線撮像ユニット102は、支持構造、例示的には柱103によって支持される壁(
図1には示さず)に取り付けられてもよい。
【0034】
歯科用X線撮像ユニット102は、X線源ハウジング114及びX線撮像検出器ハウジング116を更に含み、これらは互いに対向して配置され、ガントリ部112から概ね垂直に延在している。線源ハウジング114は、X線源118を含む。X線源118は、X線源118から、撮像される対象物、例えば患者の頭部を通って、X線撮像検出器ハウジング116内に位置するX線撮像検出器120にX線を放出するように位置決めされている。
【0035】
更に、歯科用X線撮像ユニット102は、ハウジング101から延在する下部棚122を含み得る。下部棚122は、
図1の例示的な歯科用X線撮像ユニット102にあるように、対向するX線源118とX線撮像検出器120との間に、対象物、例えば患者の頭部(
図1には示さず)を位置決めするための顎支持体124を含み得る。代替的又は追加的に、歯科用X線撮像ユニット102は、
図1の例示的な歯科用X線撮像ユニット102にあるように、水平支持セクション110から回転部112を通って延在する頭部支持体126を含んでもよい。代替的に、下部棚122が頭部支持体126を含んでもよい。患者支持部、すなわち顎支持体124及び頭部支持体126は任意選択であってもよく、患者の位置決めは他の方法で行われてもよい。
【0036】
X線源118は、X線撮像検出器120に向かってX線のビーム(
図1には図示せず)を投影するように構成されている。X線源118は、X線のビームを制限及び/又は成形するためのコリメータ(
図1には示さず)を含み得る。X線は、例えば患者の生体構造、例えば患者の頭部などの対象物の一部分を通過する。X線が通過する解剖学的構造は、様々な量のX線エネルギーを吸収し得る。対象物を通過した後、減衰したX線は、X線撮像検出器120によって受信される。X線撮像検出器120は、受信したX線エネルギーの大きさを変換し、X線撮像検出器120における吸収されていないX線を表すデジタル化された出力、すなわちX線画像データを生成するように構成されている。X線源118からのX線のビームの単一の放出に対応する、X線撮像検出器120からのデジタル化された出力の収集は、撮像される対象物、例えば、患者の頭部の投影画像を参照し得る。
【0037】
ガントリ部112は、例えば、回転モータによって回転され得る。ガントリ部112の回転により、X線源118及びX線撮像検出器120は、撮像対象物の周りで、例えば回転軸を中心に回転する。回転軸は、機械的回転軸又は仮想回転軸であり得る。ガントリ部112の機械的回転軸は、撮像対象物の中心に、又は撮像対象物、例えば患者の頭部内の対象とする特定の解剖学的特徴に配向されてもよい、すなわちこれらと位置合わせされてもよい。仮想回転軸は、例えば、機械的回転軸を円形経路に沿って移動させることによって得られてもよく、その結果、仮想回転軸は、当該円形経路の中心に形成されてもよい。非円形回転は、例えば、X線源108及びX線撮像検出器120を、円形経路、例えば楕円経路から逸脱する経路に沿って移動させることによって作り出されてもよい。回転軸のための他の技術又は位置合わせもまた、当業者によって認識されるように使用され得る。X線源118及びX線撮像検出器120が対象物、例えば患者の頭部の周りで回転すると、X線撮像デバイス102は、増分回転角で撮られた対象物の複数の投影画像を取得するように動作する。非限定的な例として、投影画像は、例えば、CT撮像において、約180°又は360°の回転で取得されてもよい。別の非限定的な例によれば、投影画像は、例えば、パノラマ撮像において、約220°の回転で取得されてもよい。更に、X線撮像ユニット102は、撮像動作において、例えば250~1600枚の投影画像を捕捉してもよい。ただし、これは本開示を制限することを意図しない。そのような増分は回転度の分数を表し得る。他の角度増分及び他の全回転角は本開示の範囲内で企図される。歯科用X線画像は、X線画像データを歯科用X線画像に再構成することによって複数の投影画像から形成されてもよい。
【0038】
光学スキャナユニット104は、
図1の例に示すように、口腔内スキャナ(IOS)ユニットであり得る。口腔内スキャナは、歯科で直接光学印象を捕捉するためのデバイスである。IOSユニット104を用いて、対象物の光学画像データは、患者の口の中に直接提供されてもよく、又は対象物から作製された歯型若しくは歯科印象から提供されてもよい。代替的に、光学スキャナユニット104は、デスクトップ光学スキャナユニットであってもよい。デスクトップ光学スキャナユニット104を用いて、対象物の光学画像データは、対象物から作製された歯型又は歯科印象から提供されてもよい。
図1は、本開示の概念とともに使用するための光学スキャナユニット104の一例のみを示す。
【0039】
コントローラ106は、光学スキャナユニット104から、対象物、例えば患者の生体構造、例えば患者の歯列弓の第1の画像データを取得するように構成されている。第1の画像データは、例えば、上述したように光学スキャナユニット104によって提供される、すなわち取得される光学画像データであり得る。更に、コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102から少なくとも部分的に同じ対象物の第2の画像データを取得するように構成されている。第2の画像データは、例えば、上述したように歯科用X線撮像ユニット102によって提供される、すなわち取得されるX線画像データであり得る。光学スキャナユニット104の視野(FOV)は、対象物の第1の画像データと歯科用X線撮像ユニット102の3D FOVとを提供するときと、同じ対象物の第2の画像データを提供するときとで、少なくとも部分的に重複してもよい。コントローラ106は、第1の画像データを、光学スキャナユニット104から直接取得してもよく、又は以前に光学スキャナユニット104から取得した第1の画像データを記憶し得るデータベース108から取得してもよく、すなわち、取得された第1の画像データは、以前に光学スキャナユニット104から取得された第1の画像データを含む。例えば、以前に取得された第1の画像データは、コントローラ106による画像処理の数分前又は更に数年前に取得されデータベース108に記憶されてもよい。代替的又は追加的に、コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102から直接、又は以前に歯科用X線撮像ユニット102から取得された第2の画像データが記憶され得るデータベース108から、第2の画像データを取得してもよい。例えば、以前に取得された第2の画像データは、コントローラ106による画像処理の数分前又は更に数年前に取得されデータベース108に記憶されてもよい。以前に取得された第1の画像データ及び以前に取得された第2の画像データは、別々のデータベースに記憶されてもよいし
図1の例に図示される同じデータベース108に記憶されてもよい。
【0040】
本発明の一例によれば、歯科用X線撮像ユニット102から第2の画像データを取得することに応答して、コントローラ106は、以前に取得された同じ対象物の第1の画像データがデータベース108に記憶されているかどうかを確認するように構成されてもよい。コントローラ106が、以前に取得された同じ対象物の第1の画像データがデータベース108に記憶されていることを検出した場合、コントローラ106は、データベース108から第1の画像データを取得するように構成されている。
【0041】
コントローラ106は、取得された第1の画像データから第1の表面モデル202を作製するように更に構成されてもよい。第1の表面モデルは、対象物の第1の部分の表面の光学的三次元(3D)形状を表す。
図2は、第1の画像データから作製された第1の表面モデル202の非限定的な例を示す。コントローラ106は、取得された第2の画像データを処理するために、第1の表面モデル202を使用するように更に構成されてもよい。取得された第2の画像データを処理するために、コントローラ106によって第1の表面モデル202を使用することは、撮像法のタイプ、例えばCT撮像又はパノラマ撮像、すなわちパノラマモダリティに依存し得る。
【0042】
次に、取得された第2の画像データを処理するために、コントローラ106によって第1の表面モデル202を使用する例について考察し、ここで、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法は、例えばCT撮像、例えばCBCT撮像であり得る。コントローラ106は、第2の画像データを得ている間、すなわち第2の画像データが提供される走査処理中に生じる対象物の動きを検出し、第1の表面モデル202に基づいて、取得された第2の画像データから再構築された二次元(2D)又は三次元(3D)歯科用X線撮像における動きによって引き起こされるアーチファクトを低減するように構成されてもよい。2D又は3D歯科用X線撮像は、例えば、CT撮像であってもよい。
【0043】
コントローラ106は、取得された第2の画像データから第2の表面モデル302を作製するように構成されてもよい。第2の表面モデル302は、対象物の第2の部分の表面のX線3D形状を表す。
図3は、第2の画像データから作製された第2の表面モデル302の非限定的な例を示す。対象物の第2の部分は、第1の表面モデル202及び第2の表面モデル302が少なくとも部分的に同じ対象物の同じ部分からのものになるように、対象物の第1の部分と少なくとも部分的に重複する。例えば、第1の表面モデル202が提供される対象物の第1の部分は、患者の上部及び/又は下部の完全な歯列弓、患者の上部及び/又は下部の歯列弓の一部、又は患者の単一の歯を含んでもよい。代替的又は追加的に、第2の表面モデル302が提供される対象物の第2の部分は、対象物の第2の部分が対象物の第1の部分と少なくとも部分的に重複する限り、患者の上部及び/又は下部の完全な歯列弓、患者の上部及び/又は下部の歯列弓の一部、又は患者の単一の歯を含んでもよい。第2の表面モデル302の作製は、取得された第2の画像データを3D歯科用X線画像に再構築することと、セグメンテーションを使用して、3D歯科用X線画像から第2の表面モデル302を抽出することとを含み得る。
【0044】
第2の画像データを得ている間に生じる対象物の動きを検出するために、コントローラ106は、第2の表面モデル302と第1の表面モデル202との類似性を比較し、第2の表面モデル302が第1の表面モデル202と異なる場合に、動きを検出するように構成されてもよい。一例によれば、表面モデル202、203の類似性の比較前に、コントローラ106は、第1の表面モデル202と第2の表面モデル302とを合わせ込む、すなわち位置合わせするように構成されてもよい。合わせ込みには、第2の表面モデル302からの少なくとも1つの参照構造の決定、第1の表面モデル202からの少なくとも1つの対応する参照構造の検索、及び少なくとも1つの参照構造に基づく第1の表面モデル202と第2の表面モデル302との合わせ込みが含まれ得る。代替的に、合わせ込みには、第1の表面モデル202からの少なくとも1つの参照構造の決定、第2の表面モデル302からの少なくとも1つの対応する参照構造の検索、及び少なくとも1つの参照構造に基づく第1の表面モデル202と第2の表面モデル302との合わせ込みが含まれ得る。例えば、少なくとも1つの参照構造は、限定されないが、特定の歯であり得る。
【0045】
上で考察したように、歯科用X線画像は、複数の投影画像から形成され得る。各投影画像は、正確に定義された既知の撮像ジオメトリを有する。対象物が不動でないか、又は歯科用X線撮像ユニット102の移動が定義された撮像ジオメトリに従っていない場合、再構築結果、すなわち再構築された歯科用X線画像は、動きによって引き起こされるアーチファクトによって歪められる。コントローラ106が、第2の表面モデル302が第1の表面モデル202と異なることを検出した場合、コントローラ106は、動きを検出する、すなわち、第2の画像データを得ている間に対象物が動いたことを推定する。動きを検出したことに応答して、コントローラ106は、取得された第2の画像データから再構成された歯科用X線画像内の動きによって引き起こされるアーチファクトを低減するように更に構成されてもよい。代替的に、コントローラ106が、第2の表面モデル302と第1の表面モデル202との間に実質的な差異がないことを検出した場合、コントローラ106は、動きを検出せず、すなわち、第2の画像データを得ている間に対象物が動かなかったことを推測し、これによりX線画像の任意の補正、例えばアーチファクトの低減を実施する必要はなくなる。
【0046】
一例によれば、動きによって引き起こされるアーチファクトの低減は、第1の表面モデル202と第2の表面モデル202との間の差が最小となることをもたらすために、すなわち第1の表面モデルと第2の表面モデルとの間の最良の一致を見出すために、取得された第2の画像データから再構成された歯科用X線画像を形成する複数の投影画像の相互撮像ジオメトリの反復適合を含み得、これにより第2の表面モデル302が第1の表面モデル202と可能な限り類似するようになる。
【0047】
次に、取得された第2の画像データを処理するために、コントローラ106によって第1の表面モデル202を使用する別の例について考察し、ここで、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法は、例えばパノラマ撮像であり得る。コントローラ106は、第1の表面モデル202に基づいて、対象物の解剖学的形状、例えば患者の歯列弓又は顎骨形状を決定し、歯科用X線画像の焦点トラフが第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、取得された第2の画像データからの歯科用X線画像の再構成を調整するように構成されてもよい。歯科用X線画像は、2D歯科用X線画像、例えば、2Dパノラマ画像又は咬翼画像であり得る。鮮明な層に当たる患者の生体構造の部分は、歯科用X線画像において鮮明であり、患者の生体構造の他の部分はぼやけている。
【0048】
本発明の例示的な実施形態によれば、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法は、例えばパノラマ撮像であってもよく、コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102を用いた第2の画像データの取得において、光学スキャナ104から取得された第1の画像データ、例えば光学画像データを使用するように構成されてもよい。この例示的な実施形態における第1の画像データの使用は、コントローラ106が第1の画像データを使用して、第2の画像データの取得のための、すなわち第2の画像データが提供される走査処理のための、X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリを定義するように構成され得ることを含み得る。コントローラ106は、上で考察したように、光学スキャナユニット104から対象物、例えば患者の生体構造の第1の画像データを取得するように構成されてもよい。これもまた上で考察したように、コントローラ106は、第1の画像データを、光学スキャナユニット104から直接取得してもよく、又は以前に光学スキャナユニット104から取得した第1の画像データを記憶し得るデータベース108から取得してもよく、すなわち、取得された第1の画像データは、以前に光学スキャナユニット104から取得された第1の画像データを含む。
【0049】
コントローラ106は、取得された第1の画像データから第1の表面モデル202を作製するように更に構成されてもよい。第1の表面モデル202は、上で考察されたような対象物の第1の部分の表面の光学的3D形状を表す。第1の表面モデル202が提供され得る対象物の第1の部分は、患者の上部及び/又は下部の完全な歯列弓を含んでもよい。コントローラ106は、上で考察されたように、第1の表面モデル202に基づいて、対象物の解剖学的形状、例えば患者の歯列弓又は顎骨形状を決定するように更に構成されてもよい。
【0050】
上で考察されたように、コントローラ106は、第1の表面モデル202に基づいて、第2の画像データの取得のための歯科用X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリを定義するように構成されてもよい。歯科用X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリは、定義された撮像ジオメトリを使用して取得された第2の画像データから再構成された歯科用X線画像の焦点トラフが、第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に基づいて、コントローラ106によって定義されてもよい。換言すれば、この例示的実施形態では、歯科用X線撮像ユニット102による第2の画像データの取得前に、すなわち第2の画像データが提供される走査処理前に、第1の表面モデル202が形成され、対象物の解剖学的形状が第1の表面モデル202に基づいて決定される。コントローラ106は、X線撮像ユニット102の定義された撮像ジオメトリを使用して取得された第2の画像データから再構成された歯科用X線画像の焦点トラフが、第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、対象物の位置決めを表す情報を使用して、歯科用X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリを定義するように更に構成されてもよい。対象物の位置決めを表す情報は、例えば患者支持部のうちの1つ以上を使用することによって対象物が支持される位置、及び/又は対象物の中心を含み得る。対象物の位置決めを表す情報は、任意の既知の技術を使用することによって定義されてもよい。非限定的な例によれば、対象物が支持される位置は、例えば顎支持体124に配置された咬合ブロック、例えば咬合スティックに基づいて画定され得る。コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102の定義された撮像ジオメトリを歯科用X線撮像ユニット102に提供するように構成されてもよく、次いで、定義された撮像ジオメトリを使用することによって、同じ対象物の第2の画像データを取得する、すなわち提供するように構成されてもよい。
【0051】
コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102から、歯科用X線ユニット102の定義された撮像ジオメトリを使用して得られた第2の画像データを取得し、取得された第2の画像データを歯科用X線画像、例えば2Dパノラマ画像又は咬翼画像に再構築するように更に構成されてもよく、取得された第2の画像データから再構築された歯科用X線画像の焦点トラフは、第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応する。
【0052】
上記で本発明はコントローラ106を参照して説明されている。本発明はまた、対象物の歯科用撮像のための方法に関する。第1の画像データ、例えば光学画像データは、対象物の歯科用X線撮像において使用されてもよい。第1の画像データは、取得された第2の画像データ、例えばX線画像データを処理するために使用され得る。代替的に、第1の画像データは、歯科用X線撮像ユニット102を用いて第2の画像データの取得において使用されてもよい。取得された第1の画像データを、第2の画像データを得る際に、例えばパノラマ撮像において使用することは、第1の画像データに基づいて、第2の画像データを取得するための歯科用X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリを定義することを含み得る。得られた第2の画像データを処理するために、第1の画像データを例えばCT撮像において使用することは、第1の画像データに基づいて、第2の画像データを得ている間に生じる対象物の動きを検出することと、第1の画像データに基づいて、第2の画像データから再構成された二次元又は三次元の歯科用X線画像内の動きによって引き起こされるアーチファクトを低減することとを含み得る。代替的に、得られた第2の画像データを処理するために、第1の画像データを例えばパノラマ撮像において使用することは、歯科用X線画像内の焦点トラフが、第1の画像データに基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、第2の画像データから歯科用X線画像の再構成を調整することを含み得る。
【0053】
次に、
図4を参照して、本発明による方法の一例が記載される。
図4は、本発明をフロー図として概略的に示す。本方法の実施形態は、本明細書に開示されるステップの各々を行うことなく、又は追加のステップと併せて実行され得ることが認識されるべきである。
【0054】
ステップ402で、コントローラ106は、光学スキャナユニット104から、対象物、例えば患者の生体構造の第1の画像データを取得する。第1の画像データは、例えば光学画像データであってもよい。上で考察したように、コントローラ106は、第1の画像データを、光学スキャナユニット104から直接取得してもよく、又は以前に光学スキャナユニット104から取得した第1の画像データを記憶し得るデータベース108から取得してもよく、すなわち、取得された第1の画像データは、以前に光学スキャナユニット104から取得された第1の画像データを含む。
【0055】
ステップ404で、コントローラ106は、例えば、歯科用X線撮像ユニット102から同じ対象物の第2の画像データを取得する。第2の画像データは、例えばX線画像データであってもよい。一例によれば、歯科用X線撮像ユニット102から第2の画像データを取得することに応答して、コントローラ106は、以前に取得された同じ対象物の第1の画像データがデータベース108に記憶されているかどうかを確認する。コントローラ106が、以前に取得された同じ対象物の第1の画像データがデータベース108に記憶されていることを検出した場合、コントローラ106は、ステップ402においてデータベース108から第1の画像データを取得するように構成されている。
【0056】
ステップ406で、コントローラ106は、取得された第1の画像データから第1の表面モデル202を作製する。第1の表面モデル202は、上で考察されたような対象物の第1の部分の表面の光学的3D形状を表す。
【0057】
ステップ408で、コントローラ106は、取得された第2の画像データを処理するために、第1の表面モデル202を使用する。ステップ408において、取得された第2の画像データを処理するために、コントローラ106によって第1の表面モデル202を使用することは、撮像法のタイプ、例えばCT撮像又はパノラマ撮像、すなわちパノラマモダリティに依存し得る。ステップ408は、
図5及び
図6を参照することによってより詳細に考察される。
図5は、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法が、例えばCT撮像、例えばCBCT撮像であり得る場合の、本発明による方法の例示的な実施形態を示す。
図6は、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法が、例えばパノラマ撮像であり得る場合の、本発明による方法の別の例示的な実施形態を示す。
図5及び
図6の例示的な方法のステップ402~408は、
図4の例示的な方法のステップ402~408に対応するが、ステップ408、すなわち、取得された第2の画像データを処理するために第1の表面モデル202を使用するステップは、
図5及び
図6を参照して、より詳細に開示される。
【0058】
次に、取得された第2の画像データを処理するために、ステップ408においてコントローラ106によって第1の表面モデル202を使用する例について、
図5を参照して考察し、ここで、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法は、例えばCT撮像、例えばCBCT撮像であり得る。
【0059】
ステップ501で、コントローラ106は、取得された第2の画像データから第2の表面モデル302を作製する。第2の表面モデル302は、対象物の第2の部分の表面の3D X線形状を表す。対象物の第2の部分は、第1の表面モデル202及び第2の表面モデル302が、少なくとも部分的に上で考察された対象物の同じ部分からのものになるように、対象物の第1の部分と少なくとも部分的に重複する。
【0060】
図5のステップ408で、コントローラ106は、第2の画像データを得ている間、すなわち第2の画像データが提供される走査処理中に生じる対象物の動きを検出し、第1の表面モデルに基づいて、取得された第2の画像データから再構築された2D又は3D歯科用X線撮像における動きによって引き起こされるアーチファクトを低減し得る。これは、
図5のステップ502~510を参照することによって、より詳細に考察される。2D又は3D歯科用X線撮像は、例えば、CT撮像であってもよい。
【0061】
ステップ502で、コントローラ106は、第2の画像データを得ている間、すなわち走査処理中に対象物が動いたかどうかを検出するために、第2の表面モデル302と第1の表面モデル202との類似性を比較する。一例によれば、表面モデルの比較の前に、コントローラ106は、第1の表面モデル202と第2の表面モデル302とを合わせ込んでも、すなわち位置合わせしてもよい。合わせ込みには、第2の表面モデル203からの少なくとも1つの参照構造の決定、第1の表面モデル202からの少なくとも1つの対応する参照構造の検索、及び少なくとも1つの参照構造に基づく第1の表面モデル202と第2の表面モデル302との合わせ込みが含まれ得る。代替的に、合わせ込みには、第1の表面モデル202からの少なくとも1つの参照構造の決定、第2の表面モデル302からの少なくとも1つの対応する参照構造の検索、及び少なくとも1つの参照構造に基づく第1の表面モデル202と第2の表面モデル302との合わせ込みが含まれ得る。例えば、少なくとも1つの参照構造は、限定されないが、特定の歯であり得る。
【0062】
コントローラ106が、ステップ502における比較に基づいて、第2の表面モデル302が第1の表面モデル202と異なることをステップ504で検出した場合、コントローラ106は、ステップ506で動きを検出する、すなわち、対象物が第2の画像データの取得を動かしたと推定する。ステップ506で動きを検出したこと応答して、コントローラは、ステップ510で、動きによって引き起こされる取得された第2の画像データから再構築された歯科用X線画像内の動きによって引き起こされるアーチファクトを低減する。代替的に、コントローラ106が、ステップ502での比較に基づいて、第2の表面モデル302と第1の表面モデル202との間に実質的な差異がないことをステップ504で検出した場合、コントローラ106は、ステップ508で動きを検出せず、すなわち、第2の画像データを得ている間に対象物が動かなかったことを推測し、これにより歯科用X線画像の任意の補正、例えばアーチファクトの低減を実施する必要はなくなる。
【0063】
一例によれば、動きによって引き起こされるアーチファクトのステップ510での低減は、第1の表面モデル202と第2の表面モデル302との間の差が最小となること若しくは類似性が最大となることをもたらすために、すなわち第1の表面モデル202と第2の表面モデル203との間の最良の一致を見出すために、取得された第2の画像データから再構成された歯科用X線画像を形成する複数の投影画像の相互撮像ジオメトリの反復適合を含み得、これにより第2の表面モデル302が第1の表面モデル202と可能な限り類似するようになる。
【0064】
次に、取得された第2の画像データを処理するために、ステップ408においてコントローラ106によって第1の表面モデル202を使用する例について、
図6を参照して考察し、ここで、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法は、例えばパノラマ撮像であり得る。
【0065】
ステップ602で、コントローラ106は、第1の表面モデル202に基づいて、対象物の解剖学的形状、例えば患者の歯列弓又は顎骨形状を決定する。
【0066】
ステップ604で、コントローラ106は、歯科用X線画像の焦点トラフが第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、取得された第2の画像データからの歯科用X線画像の再構成を更に調整し得る。鮮明な層に当たる患者の生体構造の部分は、歯科用X線画像において鮮明であり、患者の生体構造の他の部分はぼやけている。歯科用X線画像は、2D歯科用X線画像、例えば2Dパノラマ画像であってもよい。
【0067】
図7は、本発明による方法の別の例示的な実施形態を概略的に示しており、ここで、コントローラ106は、光学スキャナ104から取得された第1の画像データ、例えば光学画像データを、第2の画像データの取得において、すなわち第2の画像データが提供され得る走査処理において、歯科用X線撮像ユニット102を用いて使用し得る。例えば、
図7の例示的な方法では、歯科用X線撮像ユニット102によって使用される撮像法は、パノラマ撮像であり得る。
【0068】
ステップ702で、コントローラ106は、ステップ402を参照して上で考察したように、光学スキャナユニット104から、対象物、例えば患者の生体構造の第1の画像データを取得する。第1の画像データは、例えば光学画像データであってもよい。これもまた上で考察したように、コントローラ106は、第1の画像データを、光学スキャナユニット104から直接取得してもよく、又は以前に光学スキャナユニット104から取得した第1の画像データを記憶し得るデータベース108から取得してもよく、すなわち、取得された第1の画像データは、以前に光学スキャナユニット104から取得された第1の画像データを含む。
【0069】
ステップ704で、コントローラ106は、取得された第1の画像データから第1の表面モデル202を作製する。第1の表面モデル202は、ステップ406を参照して上で考察したような、対象物の第1の部分の表面の光学的3D形状を表す。第1の表面モデル202が提供され得る対象物の第1の部分は、患者の上部及び/又は下部の完全な歯列弓を含んでもよい。
【0070】
ステップ706で、コントローラ106は、ステップ602を参照して上で考察したように、第1の表面モデル202に基づいて、対象物の解剖学的形状、例えば患者の歯列弓又は顎骨の形状を決定する。
【0071】
ステップ708で、コントローラ106は、第2の画像データの取得において第1の画像データを使用する。第2の画像データの取得において第1の画像データを使用することは、コントローラ106が、第1の表面モデル202に基づいて、第2の画像データの取得のためのX線撮像ユニット102の撮像ジオメトリを定義することを含み得る。歯科用X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリは、定義された歯科用X線ユニット102の撮像ジオメトリを使用して取得された第2の画像データから再構成された歯科用X線画像の焦点トラフが、第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、第1の表面モデル202に基づいて決定された、対象物の決定された解剖学的形状に基づいて、コントローラ106によって定義されてもよい。換言すれば、この例示的な実施形態では、歯科用X線撮像部102による第2の画像データの取得前、すなわち、第2の画像データが提供される走査処理前に、第1の表面モデル202が形成され、対象物の解剖学的形状が第1の表面モデル202に基づいて決定される。コントローラ106は更に、X線撮像ユニット102の定義された撮像ジオメトリを使用して取得された第2の画像データから再構成された歯科用X線画像の焦点トラフが、第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応するように、対象物の位置決めを表す情報を使用して、歯科用X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリを定義し得る。対象物の位置決めを表す情報は、例えば患者支持部のうちの1つ以上を使用することによって対象物が支持される位置、及び/又は対象物の中心を含み得る。対象物の位置決めを表す情報は、任意の既知の技術を使用することによって定義されてもよい。非限定的な例によれば、対象物が支持される位置は、例えば顎支持体124に配置された咬合ブロック、例えば咬合スティックに基づいて画定され得る。コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102の定義された撮像ジオメトリを歯科用X線撮像ユニット102に提供してもよく、歯科用X線撮像ユニット102は、次いで、定義された撮像ジオメトリを使用することによって、同じ対象物の第2の画像データを取得、すなわち提供してもよい。
【0072】
ステップ710で、コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102の定義された撮像ジオメトリを使用して取得された第2の画像データを、歯科用X線撮像ユニット102から更に取得し得る。
【0073】
ステップ712で、コントローラ106は、取得された第2の画像データを、歯科用X線画像、例えば2Dパノラマ画像又は咬翼に更に再構築し得、ここで、取得された第2の画像データから再構築された歯科用X線画像内の焦点トラフは、第1の表面モデル202に基づいて決定された対象物の解剖学的形状に対応する。
【0074】
図8は、本発明によるコントローラ106の概略的な例を示す。コントローラ106は、プロセッサ部802、データ転送部804、ユーザインターフェース部806、及びメモリ部808を含み得る。プロセッサ部802は、ユーザ及び/又はコンピュータプログラム(ソフトウェア)によって開始された命令を実施し、データを処理するように構成されている。プロセッサ部802は、少なくとも1つのプロセッサを含み得る。メモリ部808は、データを記憶及び維持するように構成されている。データは、命令、コンピュータプログラム、及び任意のデータファイルであり得る。メモリ部808は、少なくとも1つのメモリを含み得る。メモリ部808は、データ転送部804を制御するための少なくともデータ転送アプリケーション810、UI部806を制御するためのユーザインターフェースアプリケーション812、及びコントローラ106の動作を制御するためのコンピュータプログラム(コード)814を更に含み得る。メモリ部880及びコンピュータプログラム814は、プロセッサ部802とともに、コントローラ106に、上述した1つ以上の方法ステップ及び/又はコントローラ106の動作を少なくとも実装させ得る。
【0075】
データ転送部804は、制御コマンド外部ユニット、例えば、歯科用X線撮像ユニット102を送信するように構成されてもよい。加えて、データ転送部804は、外部ユニット、例えば、歯科用X線撮像ユニット102、光学スキャナユニット104、データベース、及び/又は任意の他の外部ユニットからデータを受信し得る。
【0076】
ユーザインターフェース(UI)部806は、制御コマンドを入力し、情報及び/又は命令を受信し、情報を表示するように構成され得る。UI部806は、少なくとも表示装置、スクリーン、タッチスクリーン、少なくとも1つのファンクションキー、キーボード、有線又は無線リモコン、又は任意の他のユーザ入力及び/又は出力デバイスを含み得る。
【0077】
コンピュータプログラム814は、コンピュータプログラム製品であってもよく、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ、すなわちコントローラ106で使用するために具現化されたコンピュータプログラムコード814を担持する、有形の不揮発性(非一時的)コンピュータ可読媒体に含まれ得る。
【0078】
コントローラ106のいくつかの非限定的な例は、例えば、サーバ、クラウドサーバ、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、コンピューティング回路、又はコンピューティングデバイスのネットワークであり得る。コントローラ106の場所は限定されず、コントローラ106はどこに位置してもよい。例えば、コントローラ106は、歯科用X線撮像ユニット102の一部として実装されてもよい。代替的に、コントローラ106は、歯科用X線撮像102の外部、すなわち外部ユニットとして実装されてもよい。
【0079】
上述した本発明の少なくともいくつかの実施形態は、光学画像データを使用することによって、2D又は3D歯科用X線画像、例えば3D CBCT画像から対象物の動きによって引き起こされるアーチファクトを低減させる簡単な方法を可能にする。上述した本発明の少なくともいくつかの実施形態は、光学画像データを使用することによって、例えば3D CBCT画像及び/又は2Dパノラマ画像などの歯科用X線画像の品質を向上させる。
【0080】
上記の説明で提供された特定の実施例は、添付の特許請求の範囲の適用可能性及び/又は解釈を制限するものと見なされるべきではない。上記の説明で提供された実施例のリスト及びグループは、特に明示的に記載されていない限り、網羅的ではない。
【0081】
以下の番号付けされた条項は、本発明のいくつかの態様を記載する。
【0082】
条項1。対象物の歯科用撮像のためのコントローラ106であって、
少なくとも1つのプロセッサ802と、
コンピュータプログラムコード814を含む少なくとも1つのメモリ808と、を備え、
少なくとも1つのメモリ808及びコンピュータプログラムコード814が、少なくとも1つのプロセッサ802を用いて、コントローラ106に、少なくとも、
光学スキャナユニット104から第1の画像データを取得することと、
取得された第1の画像データから第1の表面モデル202を作製することであって、第1の表面モデル202が対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、
第1の表面モデル202を対象物の第2の画像データの取得時に使用することと、を行わせるように構成されている、コントローラ106。
【0083】
条項2。光学スキャナユニット104が、口腔内スキャナユニットである、条項1に記載のコントローラ106。
【0084】
条項3。取得された第1の画像データが、以前に光学スキャナユニット104から取得された第1の画像データを含む、先行条項のいずれか一項に記載のコントローラ106。
【0085】
条項4。コントローラ106が、第1の表面モデル202に基づいて、対象物の第2の画像データを取得するための歯科用X線撮像ユニット102の撮像ジオメトリを定義するように構成されている、先行条項のいずれか一項に記載のコントローラ106。
【0086】
条項5。コントローラ106が、
歯科用X線撮像ユニット102の定義された撮像ジオメトリを使用して取得した対象物の第2の画像データを、歯科用X線撮像ユニット102から取得し、
取得された第2の画像データを歯科用X線画像に再構築するように更に構成されている、条項4に記載のコントローラ106。
【0087】
条項6。対象物の歯科用撮像のための撮像システム100であって、該撮像システム100が、
第2の画像データを提供するための歯科用X線撮像ユニット102であって、
ガントリ部112と、
X線を放出するためのX線源部118と、
線源部118からX線を受信するための、X線撮像検出器部120と、を含み、
ガントリ部112が、線源部118及び検出器部120を含む、歯科用X線撮像ユニット102と、
第1の画像データを提供するための光学スキャナユニット104と、
先行条項のいずれか一項に記載のコントローラ106と、を備え、該コントローラ106が、
光学スキャナユニット104から第1の画像データを取得することと、
取得された第1の画像データから第1の表面モデル202を作製することであって、第1の表面モデル202が対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、
第1の表面モデル202を対象物の第2の画像データの取得時に使用することと、を行うように構成されている、撮像システム100。
【0088】
条項7。条項1~5のいずれか一項に記載のコントローラ106によって実施される、対象物の歯科用撮像のための方法であって、
光学スキャナユニット104から第1の画像データを取得することと、
取得された第1の画像データから第1の表面モデル202を作製することであって、第1の表面モデル202が対象物の第1の部分の表面の光学的三次元形状を表す、作製することと、
第1の表面モデル202を対象物の第2の画像データの取得時に使用することと、を含む、方法。
【0089】
条項8。命令を含むコンピュータプログラム814であって、該命令が、プログラムが条項1~5のいずれか一項に記載のコントローラ106によって実行されたときに、コントローラ106に条項7に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム814。
【0090】
条項9。命令を含む有形の不揮発性コンピュータ可読媒体であって、該命令が、条項1~5のいずれか一項に記載のコントローラ106によって実行されたときに、コントローラ106に条項7に記載の方法を実行させる、有形の不揮発性コンピュータ可読媒体。
【国際調査報告】