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▶ カルタムンディ トゥルンハウト エンフェーの特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】遊技カード・カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   A63F 1/10 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
A63F1/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023523529
(86)(22)【出願日】2021-10-27
(85)【翻訳文提出日】2023-04-18
(86)【国際出願番号】 EP2021079772
(87)【国際公開番号】W WO2022090285
(87)【国際公開日】2022-05-05
(31)【優先権主張番号】20204453.3
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】514078058
【氏名又は名称】カルタムンディ トゥルンハウト エンフェー
【氏名又は名称原語表記】Cartamundi Turnhout NV
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100173565
【弁理士】
【氏名又は名称】末松 亮太
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヘネヒテン,エリック
(72)【発明者】
【氏名】デホウワー,マルコ
(72)【発明者】
【氏名】ニートベルト,ステーベン・カーレル・マリア
(57)【要約】
本発明による遊技カード・カートリッジは、カード分配シューに結合するように構成されたコンテナを備えており、コンテナは空間域を定める。コンテナは、この空間域内に1組の遊技カードを含み、コンテナの空間域は1つ以上の封印具によって封印される。コンテナは、上壁、前壁、および側壁を含み、上壁は、摺動可能に側壁に接続され、前壁に向かって摺動するように構成され、上壁は少なくとも第1封印具によって、摺動するのを防止される。
【選択図】図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード配出シューに結合するように構成されたコンテナを備える遊技カード・カートリッジであって、
前記コンテナが空間域を定め、
前記コンテナが、前記空間域内に1組の遊技カードを含み、
前記コンテナの前記空間域が1つ以上の封印具によって封印され、
前記コンテナが、上壁、前壁、および側壁を含み、
前記上壁が摺動可能に前記側壁に接続されて、前記前壁に向かって摺動するように構成され、
前記上壁が、少なくとも第1封印具によって、摺動するのを防止される、遊技カード・カートリッジ。
【請求項2】
請求項1記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記上壁の下縁が前記前壁に向けられ、前記前壁の上縁が前記上壁に向けられ、前記上壁の下縁が前記前壁の上縁を越えて延びる、遊技カード・カートリッジ。
【請求項3】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記上壁の下縁が前記前壁から遠ざかるように向けられ、前記遊技カードを前記コンテナの前端に向けて押圧する押圧手段が、前記コンテナの空間域内に設けられ、前記カートリッジが、前記上壁の上縁が前記押圧手段を超えて摺動するのを防止する停止手段を備える、遊技カード・カートリッジ。
【請求項4】
請求項3記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記停止手段が、前記上壁に向けられた前記押圧手段側において、前記押圧手段上に突起を含み、前記停止手段が、更に、前記上壁内にある溝を含み、前記上壁における溝が、前記上壁の長さに沿って設けられ、前記上壁の上縁の前で終端し、前記押圧手段上の前記突起が、前記上壁内にある前記凹陥内を摺動する、遊技カード・カートリッジ。
【請求項5】
請求項3記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記停止手段が、前記上壁の内側に突起を含み、前記突起が前記押圧手段の上辺を超えて延びるように、前記突起が前記カートリッジの内側に突出する、遊技カード・カートリッジ。
【請求項6】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記コンテナが上壁と前壁とを含み、前記上壁の下縁が前記前壁に向けられ、前記前壁が、前記カートリッジが開放されると、前記コンテナの空間域からカードを取り出すことを可能にするカード引出手段を有し、少なくとも前記上壁の内面の前記下縁に続く部分が切り出され、前記カード引出手段に最も近いカードとは異なるカードが、前記カード引出手段を通って前記カートリッジから取り出されるのを防止する、遊技カード・カートリッジ。
【請求項7】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記コンテナの前端に向けて前記遊技カードを押圧する押圧手段が、前記コンテナの空間域に設けられ、前記押圧手段がばねによって前記前壁に向けて押し込まれる、遊技カード・カートリッジ。
【請求項8】
請求項7記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記ばねが定トルクばねである、遊技カード・カートリッジ。
【請求項9】
請求項8記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記定トルクばねがコイルを含み、前記コイルが前記押圧手段内に収容される、遊技カード・カートリッジ。
【請求項10】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記コンテナの空間域内に押圧手段が設けられ、前記コンテナが底壁を含み、前記押圧手段が、前記底壁に接触するその側面において、少なくとも1つの突起を含み、前記底壁が、前記コンテナの前端から前記コンテナの後端まで、当該底壁の長さに沿って、少なくとも1つの溝を含み、前記底壁に接触するその側面における前記押圧手段の前記突起が、前記底壁の長さに沿って、前記溝内を摺動する、遊技カード・カートリッジ。
【請求項11】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記コンテナが前壁を含み、前記前壁が、前記カートリッジが開放されたときに、前記コンテナの空間域からカードを取り出すことを可能にするカード引出手段を有し、前記1組の遊技カードの内、前記カード引出手段に最も近いカードが、少なくとも1つの封印具によって前記コンテナに固定される、遊技カード・カートリッジ。
【請求項12】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記コンテナが前壁を含み、前記前壁が、前記コンテナの空間域からカードを取り出すことを可能にするカード引出手段を有し、前記カートリッジが、前記カード引出手段を閉じる閉鎖蓋を含み、前記閉鎖蓋が、少なくとも1つの封印具によって前記コンテナに固定される、遊技カード・カートリッジ。
【請求項13】
請求項12記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記閉鎖蓋が、透過性または半透明のポリマー材料で作られる、遊技カード・カートリッジ。
【請求項14】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記カードの各々がカード識別コードを有し、前記カートリッジが、当該カートリッジによって保持された1組の遊技カードにおける、前記カードのカード識別コードについての情報を格納するデータ格納手段を含む、遊技カード・カートリッジ。
【請求項15】
請求項14記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記データ格納手段が、前記カートリッジによって保持された1組の遊技カードにおける、前記カードの配列についての情報を格納する、遊技カード・カートリッジ。
【請求項16】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記カートリッジが追跡手段を含む、遊技カード・カートリッジ。
【請求項17】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記コンテナが、1つ以上の予備封印具を格納するために少なくとも1つの格納場所を含む、遊技カード・カートリッジ。
【請求項18】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記少なくとも1つの封印具がRFIDラベルを含み、前記封印具が壊れたときにRFIDラベルが破れる、遊技カード・カートリッジ。
【請求項19】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記少なくとも1つの封印具が、軸方向にT字状断面を有し、前記封印具のT字状断面の本体に沿って、少なくとも1つのかかりが設けられ、その開口が前記T字状断面のヘッドに向けられる、遊技カード・カートリッジ。
【請求項20】
前出の請求項のいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジにおいて、前記コンテナがポリマー材料で作られる、遊技カード・カートリッジ。
【請求項21】
カード分配デバイスを提供する方法であって、
・カード分配シューを含むカード分配デバイスを用意するステップであって、前記カード分配デバイスが、請求項1から20までのいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジを受け取るように構成される、ステップと、
・請求項1から20までのいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジを用意するステップと、
・前記遊技カード・カートリッジを前記シューに結合するステップと、
・前記1つ以上の封印具の内少なくとも1つを除去することによって、前記カートリッジを開放するステップと、
を含む、方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法において、前記遊技カード・カートリッジが、請求項14または15記載の遊技カード・カートリッジであり、前記方法が、更に、
・前記データ格納手段に格納されているデータを得るステップと、
・配られた遊技カードから前記カード識別コードを読み取るステップと、
・前記読み取ったカード識別コードを、前記データ格納手段に格納されている、前記得られたデータと比較するステップと、
を含む、方法。
【請求項23】
請求項21または22記載の方法において、前記遊技カード・カートリッジが、請求項3から5までのいずれか1項記載の遊技カード・カートリッジであり、前記方法が、更に、
・ゲームがプレーされる間に配られたカードを収集するステップと、
・前記プレーされるゲームの終了時に、前記上壁を前記前壁に向けて摺動することによって、前記押圧手段の後ろ側で前記コンテナの一部を開放するステップと、
・前記押圧手段の後ろにある前記コンテナの開放部分に、前記配られたカードを入れるステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[01] 本発明は、一般的には、カード分配デバイス(card dealing device)内に挿入するように構成された遊技カード・カートリッジ(playing card cartridge)、およびこのような競技カード・カートリッジを含むカード分配デバイスからカードを分配する(deal)方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[02] カード遊技ゲームは、カジノおよび同様の施設において非常に普及している。行われる賭けに対して可能な払い戻しが大きいので、このようなカード・ゲームは、潜在的な詐欺および不正行為が起こる危険性が非常に高い。
【0003】
[03] 潜在的な詐欺および不正行為の第1の原因は、ディーラとプレーヤとの間で行われる談合(arrangement)、例えば、配ろうとしている次のカードに関して与えられる合図(signal)である。この理由のため、ディーラが配るとき、次のカードを見ることは絶対にできないようにされている。次のカード(1つまたは複数)についての情報が、ディーラおよびプレーヤに伝わるのを防止するために、精巧なシュー(shoes)およびカード分配デバイスが作られている。
【0004】
[04] 可能な詐欺および不正行為の他の原因は、偽造カード(false card)が1組のカードに入れられて、使用され得ることである。これらは、ゲーム自体の最中に入れられるか、または1組のカードの生産中およびこれらが配られるテーブルへの輸送の間に入れられる。
【0005】
[05] 可能な詐欺および不正行為の次の原因は、カード自体の上で見ることができる些細な欠陥に結び付けられたカードの番号(rank)および絵柄(suit)の情報である。このような些細な欠陥には、些細な色のずれ、カード上に印刷されたパターンのずれ、カードの不完全な切断による矩形形状の些細なずれ等をあげることができる。あらゆる種類のカードの欠陥を減らすため、または根絶するために、高いレベルの品質管理が採用されている。
【0006】
[06] 最後に、詐欺または不正行為の原因は、ゲーム中に使用される1組のカードに存在するカードの配列についての情報漏洩(leaked information)である。この情報が得られるのは、1組のカードの生産プロセスの間、ならびに組カード製造業者(card and set manufacturer)から、カジノの施錠区域を通って、1組のカードが配られるテーブルまで1組のカードを輸送する間である。情報漏洩の危険性を減らすために、輸送および生産チェーンは、時間および距離双方で、できるだけ短く保たれている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
[07] とりわけ、本発明の目的は、組カード製造業者から、1組のカードが配られるテーブルへの、おそらくはカジノの施錠区域を通る、1組のカードの輸送中における情報漏洩の危険性を更に減らすことである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[08] 本発明の第1の総合的態様(first general aspect of the invention)によれば、遊技カード・カートリッジを提供する。このカートリッジは、カード配出シュー(card dispensing shoe)に結合するように構成されたコンテナを備える。このコンテナは、空間域(volume)を定め、更にこのコンテナは、この空間域内に1組の遊技カードを含む。このコンテナの空間域、したがってカートリッジは、1つ以上の封印具(seal)によって封印される(seal)。
【0009】
[09] コンテナは、上壁、前壁、および側壁を含み、上壁は、摺動可能に側壁に接続され、前壁に向かって摺動するように構成され、上壁は、少なくとも第1封印具によって、即ち、前記1つ以上の封印具の内少なくとも1つの第1封印具によって、摺動することを妨げられる。したがって、コンテナは、上壁、前壁、および側壁を含み、上壁は、カートリッジを開放した(unseal)後、側壁に摺動可能に接続され、前壁に向かって摺動するように構成され、上壁は、前記1つ以上の封印具の内少なくとも第1封印具によって、摺動することを妨げられる。
【0010】
[10] 封印とは、開く(open)ためには壊さなければならない封鎖(closure)であり、このようにして改竄を暴露する。したがって、封印されたコンテナが意味するのは、封印具の内少なくとも1つを壊さなければ、コンテナを開けないということである。コンテナが開かれているとき、これは、少なくとも1つの壊された封印具の存在によって、開かれた封印具の痕跡(traces)によって、またはコンテナ自体が損傷や破壊までも受けたという事実によって、常に気付かせることができる。
【0011】
[11] カートリッジは、カード配出シューに結合するように構成される。したがって、カートリッジは、カートリッジおよびカード配出シューを繋ぐ別のデバイスを全く必要とせずに、通例ではカード分配デバイス(card dealing device)からカード配出シューに結合することができる。
【0012】
[12] カートリッジは、通例カード分配デバイスから、カード配出シューに結合するように構成されるので、ディーラは、遊技テーブルにおいてカートリッジを受け取るときと、カートリッジからカードを配ることによってゲームを開始するときとの間の期間において、コンテナ内にある1組のカードを操作する必要はなく、即ち、1組のカードに接触する必要がない。その上更に、1組のカードを作りカートリッジに挿入する製造設備において、カートリッジを封印することができる。したがって、製造業者と遊技テーブルとの間における1組のカードの輸送中、1組のカードの中のカードには誰も接触することはなく、この間カートリッジは封印されたままになっている。カードは、カートリッジが封印された後、カード配出機(dispenser)によって1つずつ実際に引き出されるとき以外は、決してカートリッジを離れることはない。カートリッジは封印されているので、この輸送期間中、誰もカードについての洞察を得ることも、カードに触ることも操作することさえもできない。したがって、遊技テーブルにおいて1組のカードから最初のカードを配ることによってゲームが開始されるまで、組カードの製造業者からの輸送の間、1組のカードにおけるカードの配列および識別について、誰も情報を収集することができない。通例ではカード分配デバイスから、カード配出シューにカートリッジを挿入する直前に、封印具の内少なくとも1つを除去することによって、カートリッジを開放することができる。その代わりに、カード配出シューにカートリッジを挿入し、その後に、封印具の内少なくとも1つを除去することによって、カートリッジを開放する。
【0013】
[13] 使用する封印具は、セキュリティ・シール・テープ(security seal tape)のような、任意の種類の封印具にすることができ、あるいは鉛および/またはワックス、もしくはこのような封印具の任意の組み合わせによって、カートリッジを封印することができる。
【0014】
[14] コンテナは、ポリプロピレン(PP)のような熱可塑性ポリマー、またはポリカーボネート(PC)のような熱硬化性ポリマー、PC/ABS混合物のようなアクリルニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)、およびこれらの混合物のような、ポリマー材料で作る(provide)ことができる。好ましくは、カートリッジは、1つ以上の射出成形部品(pieces)で構成される。様々な壁またはエレメントは、1つの射出成形部品の一部であってもよい。コンテナの空間域は、底壁、2つの側壁、背壁、前壁、および上壁のような、様々な壁の組み合わせによって形成する(provide)ことができる。これらの壁の1つ、好ましくは、前壁には、一旦カートリッジが開放されたなら、立体空間内にあるカードをこの空間域から引き出すことを可能にする引出手段(exit means)が設けられる。一例として、コンテナは、上壁、底壁、2つの側壁、背壁、および前壁を含み、底壁、2つの側壁、および背壁が、射出成形部品のような、1つの一体部品を形成してもよい。コンテナは、部分的に、透過性であってもよい。即ち、一部の壁が透過性、半透明、不透明または不透過性でもよく、この壁の一部または壁全体がそうであってもよい。
【0015】
[15] 本発明の第1の総合的態様の第1の特定局面(particular facet)によれば、遊技カード・カートリッジを提供する。コンテナは、上壁、前壁、および側壁を含み、上壁は、側壁に摺動可能に接続され、前壁に向けて摺動するように構成され、上壁は、少なくとも第1封印具によって、摺動することを防止される。したがって、この第1封印具が壊されたときに、上壁は側壁に関して(in view of)摺動することができる。ある実施形態によれば、上壁の下縁は前壁に向けられ、前壁の上縁は上壁に向けられ、上壁の下縁は、前壁の上縁を超えて延びてもよい。
【0016】
[16] 封印具は、上壁が摺動可能に係合または接続される側壁に関して、前壁に向かう上壁のいずれの摺動をも防止する。前壁の上縁を越えて延びる上壁の下縁を設けることによって、おそらく双方の縁の接点に沿って存在する(present)場合もあるスリットにカードが滑り込むのを防止する。上壁が背壁に向けても摺動するように構成される場合、この封印具は、上壁が摺動可能に係合または接続される側壁に関して、背壁に向かう上壁のいずれの摺動をも防止することができる。代わりに、上壁が前壁に向かっても摺動するように構成される場合、第1封印具は、前壁に向かう上壁のいずれの摺動をも防止することができ、第2封印具は、背壁に向かう上壁のいずれの摺動も防止することができる。背壁に向かう摺動は、カートリッジの製造中に、コンテナの前端における空間を開放する(free)して、プレーされる1組のカードをコンテナに装填するために、使用することができる。輸送およびゲームのプレー中、この上壁の後方への摺動を防止する必要がある。何故なら、これは、カートリッジが開放された後に、カートリッジ内にあるカードの不正な手渡しを可能にするおそれがあるからである。
【0017】
[17] したがって、カートリッジが封印されるというのは、上壁が、封印状態にあるコンテナの側壁ならびに前壁および背壁によって定められた開口を覆うことを意味する。カートリッジを開放した後に、上壁は特定の状態の下で摺動することができる。上壁は、 カートリッジが開放された後、カートリッジからカードを抜き出す(remove)ことができても、上壁の摺動を防止する1つまたは複数の該当する封印具が除去されないまたは壊されない場合、上壁が前壁および/または背壁に向けて摺動するのを防止することができる。または、代わりに、カートリッジがカード配出シューに結合されるとき、カード配出シューが、上壁の前壁に向かう摺動を妨げて防止する(hinder and prevent)こともできる。この場合、随意に、第2封印具が、背壁に向かう上壁の摺動を防止することもできる。
【0018】
[18] ある実施形態によれば、上壁の上縁が前壁から離れるように向けられ、遊技カードをコンテナの前端に向けて押圧する押圧手段を、コンテナの空間域内に設け、カートリッジは、上壁の上縁がこの押圧手段を超えて摺動するのを防止する停止手段を備える。
【0019】
[19] ある実施形態によれば、上壁の上縁が前壁から離れるように向けられ、コンテナの空間域内に、遊技カードをコンテナの前端に向けて押圧する押圧手段が設けられる場合、押圧手段が、上壁の上縁が押圧手段を超えて摺動するのを防止する停止手段を備えてもよい。
【0020】
[20] 押圧手段は、その側面に、上壁に向けられた突起を有してもよく、この突起が、上壁内に存在する溝内を摺動する。上壁におけるこの溝は、上壁の長さに沿って設けられるが、上壁の上縁の前で終端する。したがって、上壁はカートリッジの前端まで摺動することができるが、上壁の上縁付近には溝がないので、上壁がそれより先に摺動するのを防止する。この突起は、溝の端部に当たり、上壁が更に摺動するのを防止する。あるいは、上壁における溝は、上壁の長さの少なくとも一部に沿って設けられる。好ましくは、上壁における溝は、上壁の長さ全域に沿って設けられる。
【0021】
[21] したがって、ある実施形態によれば、停止手段は、押圧手段上において、上壁に向けられた押圧手段の側面に、突起を含んでもよい。停止手段は、更に、上壁内に存在する溝を含み、この上壁内にある溝は、上壁の長さに沿って設けられ、上壁の上縁の前で終端する。押圧手段上の突起は、上壁内に存在する前記溝内を摺動する。
【0022】
[22] ある実施形態によれば、上壁の上縁が前壁から離れるように向けられ、コンテナの前端に向けて遊技カードを押圧する押圧手段が、コンテナの空間域内に設けられ、上壁が、上壁の上縁が押圧手段を越えて摺動するのを防止する停止手段を備えてもよい。上壁は、カートリッジの内側に突出する突起を含んでもよく、このような突起(such it)は、上壁に向けられた押圧手段の上辺よりも遠くまで達する。したがって、上壁は、カートリッジの前端まで摺動することができるが、上壁が押圧手段を超えて摺動するのを、 突起が防止する。突起は、押圧手段の後ろ側に当たり、上壁の更なる摺動を阻止する。
【0023】
[23] したがって、ある実施形態によれば、停止手段は、例えば、上壁の内面に、例えば、上縁に突起を含んでもよく、前記突起は、押圧手段の上辺を超えて延びるように、カートリッジの内側に突出する。この上辺は、上壁に向けられる。
【0024】
[24] カートリッジの使用中、カードがカートリッジから引き出され、1組のカードの残り部分は、押圧手段によって前方に押圧される。また、押圧手段もカートリッジ内で前方に進む。ゲームのプレー中、押圧手段の裏面と背壁との間に、新たな空間域が作られる。一旦ゲームが終了し、カートリッジが再度分配デバイスから除去されると、上壁は前壁に向かって摺動し、押圧手段の後ろ側において新たに作られた空間域を開放する。配られたカードを集めて、押圧手段の後ろにある、この新たに作られた空間域内に入れることができる。停止手段は、例えば、上壁上において内側に向かう突起または押圧手段上において上辺に向かう突起でもよく、上壁内の溝内を摺動し、上壁が停止手段を超えて摺動するのを防止する。上壁上で内側に向かう突起は、空間域内において、押圧手段の上辺よりも深くまで達してよい。この突起は、上壁の上縁、即ち、背壁に最も近い縁に隣接してもよい。押圧手段上において上辺に向かう突起が、上壁における溝内を摺動してもよい。この溝は、上壁の上縁から下縁に向かう方向に、上壁全域に沿ってもよいが、上壁の上縁の前に終端する。したがって、未だ押圧手段の前にある、配られていないカードには、触れる(contact)ことがでないままであり、触れられることなく(untouched)停留することができる。配られていないカードおよびその配列は、秘密のままであり、したがって、それらの識別および配列が知られるおそれは全くなく、カードを再利用(recuperate)することができる。
【0025】
[25] したがって、本発明の一態様によれば、遊技カードをカートリッジ内に収集する方法を提供する。この方法は、
-遊技カード、好ましくは、本発明にしたがって、開放されたカートリッジから引き出され、配られたカードを収集するステップと、
-カートリッジ内において押圧手段の後ろにある空間域を開放するステップと、
-収集した遊技カードを、カートリッジ内において押圧手段の後ろにある空間域に挿入するステップと、
-カートリッジ内において押圧手段の後ろにある空間域を閉じるステップと、
を含む。
【0026】
[26] ある実施形態によれば、コンテナには、1つ以上の予備封印具を格納するために、少なくとも1つの格納空間(storage place)を設けることができる。封印されたカートリッジの内側にある予備封印具は、カートリッジが一旦使用された後に、カートリッジを封印するために使用することができる。1つ以上の格納空間が、各々、1つの予備の未使用封印具を格納するのでもよく、またはカートリッジの使用後にそれを封印するために使用される複数の予備封印具を格納するのでもよい。予備封印具は、戻り封印具(return seal)とも呼ばれ、したがって、カートリッジの使用後にそれを封印するために使用することができる。間違いを回避するために、新たなカートリッジを、所与の色を有する封印具で封印することができ、一方戻り封印具は、異なる色で、提供され、新たなカートリッジを封印するために使用される封印具から明らかに区別可能な色で、提供することができる。加えてまたは代わりに、新たなカートリッジ上の封印具および戻り封印具には、互いに異なる印(sign)、例えば、封印具に押印された印、またはラベル等を付けて提供してもよい。最も好ましくは、1つ以上の格納空間は、コンテナの背壁に、またはその背後に設けられる。また、1つ以上の格納空間は、再び封印されたカートリッジがカジノの事務管理部門に戻されるときに、新たなカートリッジの壊された封印具を格納するために使用されてもよい。
【0027】
[27] したがって、遊技カードをカートリッジ内に収集する方法は、更に、
-カートリッジにおける押圧手段の背後にある空間域を閉じる前に、カートリッジから予備封印具を取り出すステップと、
-この予備封印具を使用して、カートリッジを封印するステップと、
を含んでもよい(is provided may)。
【0028】
[28] 封印具、即ち、新たな遊技カード・カートリッジ上の封印具、および、随意に、戻り封印具に、RFIDラベルまたはRFIDストリップを設けてもよく、封印具が壊されるときに、このRFIDラベルまたはストリップも破られ、機能停止する。
【0029】
[29] したがって、本発明による封印具または遊技カード・カートリッジのある実施形態によれば、少なくとも1つの封印具はRFIDラベルを含んでもよく、このRFIDラベルは、封印具が壊されるときに、破れる。
【0030】
[30] 本発明の第1の総合的態様の第2の特定局面によれば、遊技カード・カートリッジを提供する。コンテナは、上壁と前壁とを含み、上壁の下縁が前壁に向けられる。前壁は、カード引出手段を有し、前記カートリッジが開放されたとき、コンテナの空間域からカードを取り出すことを可能にする。上壁の内面の内、少なくとも下縁に隣接する一部は、カード引出手段に最も近いカードとは異なるカードが、カード引出手段を通ってカートリッジから取り出されるのを防止するような外形に作られる(profile)。
【0031】
[31] 引出手段の前にあるカードとは異なるカードが、この引出手段の前にあるものの代わりに、引出手段を通って引き出されることを回避するために、ぎざぎざのある表面のような、切り出し表面(profiled surface)を、上壁の下縁に隣接して形成することによって、このような正しくないカードが引出手段から引き出されるのが防止されることがわかった。尚、ぎざぎざまたは輪郭(profile)は、上壁の下縁、即ち、前壁に最も近い縁に対して実質的に平行な突起および窪みによって設けられることは理解されよう。また、切り出し表面、例えば、ぎざぎざのある表面は、遊技カードが引出手段を通じてカートリッジに押し込まれることも防止する。
【0032】
[32] 本発明の第1の総合的態様の第3の特定局面によれば、遊技カード・カートリッジを提供する。遊技カードをコンテナの前端に向けて押圧する押圧手段が、コンテナの空間域内に設けられ、この押圧手段(またはプッシャ)を、ばねによって前壁に向けて押し込むことができる。ばねは、定トルクばねでもよい。定トルクばねはコイルを含んでもよい。あるいは、コイルを押圧手段内に収容してもよい。代わりに、コイルのような定トルクばねを、カートリッジ内においてコンテナの前壁付近の前端に配置することもできる。
【0033】
[33] ばねの使用により、押圧手段から、前壁およびその引出手段に向かう一定の力が、1組のカードに加えられる。一定の力は、カートリッジから引き出されるカードの各々に対して生成される一定の抵抗を確保する。ディーラは、カートリッジからカードを引き出すために、常に一定の力を出さなければならず、このため、誤りやカードの不正分配の危険性が低減する。
【0034】
[34] ある実施形態によれば、コンテナの空間域内に押圧手段が設けられ、この押圧手段は、カートリッジがカード配出シューに挿入されるとき、重力の下で押圧手段を立体空間内において変位させるために、少なくとも1つのホイールを含む。押圧手段は、少なくとも2つのホイール、即ち、押圧手段の各側にある1つずつのホイールによって、コンテナ内を変位可能であり、カートリッジがカード配出シューに挿入されたときに、重力の下で押圧手段をこの空間域内において変位させることができる。1つ以上のホイールは、押圧手段の下側に配置され、コンテナの底壁上で回転するのでもよい。
【0035】
[35] 他の実施形態では、コンテナが2つの側壁を含んでもよく、各側において1つずつのホイールが、これらの側壁の各々の内面における隆起線に接触し、その上を通る。代わりに、ホイールは、側壁の各々内面における溝と接触し、その中を通ってもよい。
【0036】
[36] 随意に、コンテナは2つの側壁を含み、押圧手段は、少なくとも2対のホイールによって、コンテナ内を変位可能でもよく、1対のホイールが押圧手段の各側にあり、前記ホイールの各々が、側壁の各々の内面における隆起線と接触し、その上を通る。代わりに、押圧手段は、少なくとも2対のホイールによって、コンテナ内を変位可能であり、1対のホイールが押圧手段の各側にあり、ホイールの各々は、側壁の各々の内面における溝と接触し、その中を通る。
【0037】
[37] 尚、隆起線または溝は、コンテナの背壁から前壁に多少下方向に傾斜してもよいことは理解されよう。これらの隆起線または溝は、カードがカートリッジから引き出されるとき、移動中の押圧手段をコンテナの前壁に向けて誘導する。
【0038】
[38] コイルのような定トルクばねといったばねと、このようなホイールまたは1対のホイールとの組み合わせも、同様に使用することもでき、コンテナにおける、したがってカートリッジにおける、押圧手段の移動を改善し、滑らかに誘導することが可能になる。
【0039】
[39] ある実施形態によれば、コンテナの空間域内に押圧手段が設けられ、コンテナは底壁を含み、押圧手段は、この底壁と接触する側面に、少なくとも1つの突起を含む。この突起は、底壁の少なくとも1つの溝内を摺動することができる。この少なくとも1つの溝は、コンテナの前端からコンテナの後端まで、底壁の長さに沿って存在してもよい。あるいは、押圧手段には、2つ以上の突起のような、1つよりも多い突起が設けられ、底壁は、突起毎に凹陥を含む。各突起は溝内を摺動する。各溝は、底壁の長さに沿って、コンテナの前端からコンテナの後端まで存在してもよい。1つまたは複数の溝内を摺動する1つまたは複数の突起は、押圧手段を、その経路において、コンテナの後端からコンテナの前端まで、下方に誘導する。
【0040】
[40] したがって、ある実施形態によれば、押圧手段がコンテナの空間域内に設けられてもよく、コンテナは底壁を含み、押圧手段は、底壁に接触するその側面に、少なくとも1つの突起を含み、底壁は、コンテナの前端からコンテナの後端まで、底壁の長さに沿って、少なくとも1つの溝を含み、底壁に接触する側面にある押圧手段の前記突起は、底壁の長さに沿って、前記溝内を摺動する。
【0041】
[41] 本発明の第1の総合的態様の第4の特定局面によれば、遊技カード・カートリッジを提供する。コンテナは、前壁を含み、この前壁はカード引出手段を有する。カード引出手段は、前記カートリッジが開放されたとき、コンテナの空間域からカードを取り出すことを可能にする。コンテナが封印状態にあるときに1組の遊技カードの中でカード引出手段に最も近いカードは、少なくとも1つの封印具によって、コンテナに封印される。ある実施形態によれば、カートリッジは、カード引出手段を閉じる閉鎖蓋(closing lid)を含んでもよく、この閉鎖蓋は、少なくとも1つの封印具によって、コンテナに固定(seal)することができる。カード引出手段を閉じると、コンテナから遊技カードを引き出すことが妨げられる。好ましくは、この閉鎖蓋は、ポリマー材料で作られ、最も好ましくは、透過性または半透明のポリマー材料で作られる。この透過性または半透明のポリマー材料は、カートリッジが開放されていないときであっても、カートリッジ内にある遊技カードの背面の色を見ることを可能にする。したがって、カートリッジを開放せずに、遊技カードの背面の正しさに対する視覚的チェックを行うことができる。
【0042】
[42] 最初のカード、即ち、1組の遊技カードの内、カートリッジが封印状態にあるときにカード引出手段に最も近いカードが、偽物またはダミー・カードであっても、この最初のカードに封印具を設けることによって、引出手段において封印されたカートリッジを設けることができる。しかしながら、引出手段を閉じる蓋を設ける方が更に好ましい。何故なら、これによって、1組のカードが不正な接触を受けていないという保証を高めるからである。
【0043】
[43] 本発明の第1の総合的態様の第5の特定局面によれば、遊技カード・カートリッジを提供する。カードの各々は、カード識別コードを有することができ、カートリッジは、このカートリッジによって保持されている1組の遊技カードの中のカードのカード識別コードについての情報を格納するデータ格納手段を含む。データ格納手段は、カートリッジによって保持されている1組の遊技カードにおけるカードの配列についての情報を格納することもできる。
【0044】
[44] カートリッジの空間域内に存在する1組のカードに伴う詐欺的扱いの回避(avoidance)および検出可能性を高めるために、カートリッジ内にある遊技カードは、各々、カード識別コードを有してもよく、一意の識別コードにすることができる。カード識別コードは、カードの番号および絵柄についての情報を含み、キャラクタの配列、随意に、キャラクタのランダムな配列と組み合わせてもよい。これは、0および1で構成される二進コードでもよく、またはキャラクタの文字列でもよい。キャラクタは、アルファベット、0から9までの数字、句読点および&、@、#、§、$、£、?のような特殊文字、任意の他のASCIIキャラクタ等から選択されたキャラクタとして理解されなければならない。カード識別コードは、一意のカード識別コードとして差し支えない。一意のカード識別は、厳格な一意性に言及するのではなく、本発明のコンテキスト、即ち、カジノにおけるような、カード・ゲームにおいて使用される遊技カードのコンテキストで理解されなければならない。識別が一意であるのは、同一のカード識別を有する第2の遊技カードを発見することが実現不可能である場合である。カード識別が一意であると言うことができるのは、カード識別が同じである第2の遊技カードが発見される可能性が、1/1,000,000以下というような、1/100,000以下、例えば、1/10,000,000以下である場合である。カード識別コードは、カードの各々の表面に1回以上印刷してもよい。これは、キャラクタの文字列として、または二進コードとして印刷してもよく、あるいはこのキャラクタの文字列または二進コードを最初にバーコード、QRコード(登録商標)等に変換してもよい。ある実施形態によれば、マイクロドット暗号化(micro-dot encryption)を使用して、カード識別文字列またはコードを印刷してもよい。カードの表面上においてカードの番号および絵柄を識別するためのマイクロドットの使用は、US9254435から公知である。
【0045】
[45] カード識別文字列またはコードは、裸眼では見ることができなくてもよい。カード識別文字列またはコードは、UV照明のみによって、または所与の波長または波長範囲の非可視光を用いた放射によって見ることができる、したがって検出できるのでもよい。しかるべきカメラ・システムを使用してカード識別文字列またはコードを読み取り可能にするために、LED UV照明のようなUV照明源を使用してもよい。
【0046】
[46] データ格納手段は、例えば、SIMカードまたはマイクロSIMカード等でもよく、カートリッジ内に一体化してもよい。カード分配デバイスは、データ読み取り手段を有してもよい。データ読み取り手段は、カートリッジがカード分配デバイスに挿入されたときに、データ格納手段に結合することができる。カード分配デバイスのデータ読み取り手段は、格納されているデータを読み取ることができる。カード分配デバイスが、カード上のカード識別コードを読み取るカード読み取り手段を有するとき、読み取ったコードを、データ格納手段に格納されているカード識別コードと比較することができる。読み取ったコードが、データ格納手段に格納されているカード識別コードの中の1つと一致しない場合、カートリッジに格納されている1組のカードに関して、詐欺的行為が行われたおそれがある。これが起きた場合(if and when)、警報を出してもよい。データ格納手段が、カートリッジの中にあるカードの配列についての情報を含むとき、読み取られたカード識別コードが、データ格納手段においてその配列に格納されている次のものとは異なる場合(if and when)、警報を出すことができる。
【0047】
[47] また、データ格納手段は、カートリッジを封印するために使用される封印具の中の1つの一部であってもよい。壊れた封印具は、読み取りデバイスに挿入されるように構成されてもよく、読み取りデバイスは、格納されているデータを読み取る。
【0048】
[48] カートリッジには、カートリッジ識別コードを設けてもよい。カートリッジ識別コードは、カートリッジの空間域内にある1組のカードにおいて、カードが並ぶpresent)配列におけるカードの各々から取り込まれたキャラクタからキャラクタ群を定め、それらを繋ぎ合わせたものでもよい。したがって、カートリッジ識別コードの一部の配列を、これらがカートリッジから引き出された配列におけるカード識別コードの一部と比較すれば、正しくないカード順序を明らかにすることができ、即ち、カートリッジから正しくないカードが引き出されたことを暴露することができる。この場合も、これは、カートリッジに格納されている1組のカードに関して行われた詐欺的行為の指摘となるとしてよい。
【0049】
[49] 本発明の第1の総合的態様の第6の特定局面によれば、遊技カード・カートリッジを提供する。カートリッジは、追跡(track and trace)手段を含んでもよい。この追跡手段は、任意の所与の時点においてカートリッジが存在する場所についての情報を提供することができる。このような追跡手段においてカートリッジを識別するために、カートリッジ識別コードを使用してもよい。
【0050】
[50] 本発明の第2の総合的態様によれば、カード分配デバイスを提供する方法を提供する。同様に、遊技カードをゲーム・テーブルに供給する方法も提供し、遊技カードをゲーム・テーブルに運び、随意にゲーム・テーブルから除去する方法も提供する。この方法は、
・カード分配シューを備えるカード分配デバイスを提供するステップであって、前記カード分配デバイスが、本発明の第1の総合的態様による遊技カード・カートリッジを受け取るように構成される、ステップと、
・本発明の第1の総合的態様による遊技カード・カートリッジを用意するステップと、
・遊技カード・カートリッジをカード分配シューに結合するステップと、
・1つ以上の封印具の内少なくとも1つを除去することによって、カートリッジを開放するステップとを含む。
【0051】
[51] あるいは、カード・ゲームにおいてカートリッジを使用する前に、即ち、最初のカードがカートリッジからカード分配シューを通して引き出される前に、全ての封印具を除去する。あるいは、遊技カード・カートリッジをカード分配シューに結合する前に、封印具を除去する。代わりに、一部の封印具を所定の位置に残しておき、カートリッジが使用された後にのみ除去し、随意に再利用する。一旦ゲームが終了したなら、カード分配シューからカートリッジを再度除去する。使用されたカートリッジは、通例、カジノの立ち入り禁止区域に返送され、カートリッジは複数の未使用カード、即ち、引き出されなかったカードを含んだままの場合もあるので、これらの未使用カードに対する不正な接近を防止するために、使用されたカートリッジを再度新たな封印具で封印することができる。
【0052】
[52] 本発明のある実施形態によれば、遊技カード・カートリッジは、本発明の第1の総合的態様の第1の特定局面による遊技カード・カートリッジであり、前述の方法は、更に、
・プレーされたゲームの間に配られたカードを集めるステップと、
・プレーされたゲームの終了時に、上壁を前壁に向けて摺動させることによって、押圧手段を超えてコンテナの一部を開くステップと、
・押圧手段の後ろにある(after)コンテナの開放部分に、配られたカードを入れるステップと、
を含む。
【0053】
[53] ゲームの最中またはゲーム後に、配られたカードを集めて、一緒に纏めておくとよい。押圧手段の後ろにあるカートリッジの空間域を開くことによって、使用されたカードを押圧手段の後ろに入れることができる。したがって、使用されたカードをそのまま、カジノの立ち入り禁止区域に返送することができる。カートリッジは、一旦使用されたカードが押圧手段の後ろに入れられたなら、再度閉じられ、新たな封印具によって封印することもできる。したがって、立ち入り禁止区域において使用されたカードを数えることができ、配られて紛失したカードを識別することができる。配られたカードの除去または秘匿は、不正活動の発生源となるおそれもある。
【0054】
[54] これは、特に、全てのカードがカード識別コードを有するときに該当する。使用されたカードは、立ち入り禁止区域において数えることができ、配られて紛失したカードは、それらのカード識別コードによって識別することができる。紛失したカードには、随意にカード識別コードによって、フラグを立てることもできる。他のカートリッジを使用した他のゲームの最中に、フラグが立てられたカードが識別された場合、フラグが立てられたカードの出現(occurrence)とこのフラグが立てられたカードが除去されたカートリッジとの間に、リンクを作ることができる。したがって、ゲームのプレー中に、フラグが立てられたカードを即座に識別することができる。一旦フラグが立てられたカードに気付いたなら、ゲームを中断し、影響を及ぼす詐欺的行為を回避することができる。
【0055】
[55] 本発明のある実施形態によれば、遊技カード・カートリッジは、本発明の第1の総合的態様の第5の特定局面による遊技カード・カートリッジであり、この場合、前述の方法は、更に、
・データ格納手段に格納されているデータを得るステップと、
・配られた遊技カードからカード識別コードを読み取るステップと、
・読み取ったカード識別コードを、データ格納手段に格納されている、前述の得られたデータと比較するステップと、
を含む。
【0056】
[56] したがって、ゲームのプレー中に、不適切なカードまたは不完全な(defective)カードの配列を即座に識別することができる。一旦不完全なカードまたは配列に気付いたなら、ゲームを中断し、不正行為によるカジノの損失を回避することができる。
【0057】
[57] 本発明の第3の総合的態様によれば、パーツ・キット(kit of parts)を提供する。このパーツ・キットは、本発明の第1の態様によるカートリッジと、カートリッジを受け取るように構成されたカード分配シューを含むカード分配デバイスとを備える。カード分配デバイスは、カード分配シューを含み、このカード分配シューは、カートリッジがカード分配シュー内に挿入されたとき、またはその上に置かれたときにカートリッジを受け入れて保持するための保持手段を有してもよい。カード分配デバイスは、更に、マウスピースも含んでもよい。このマウスピースは、一旦カートリッジがカード分配シュー内に挿入されたとき、またはその上に置かれたときに、カード分配シュー上に、固定する(anchored)というように、装着する(mount)ことができる。マウスピースは、カートリッジの前壁を覆ってもよく、カートリッジから前壁を通り、マウスピースを抜けてカードを引き出すことを可能にする開口を含んでもよい。
【0058】
[58] カード分配デバイス、特に、カード分配シューには、以下の手段の内1つ以上を設けることもできる。
・カートリッジの存在を検知するため、または引き出されたカードを検出するための1つ以上のセンサ、
・引き出されたカードの番号および絵柄を読み取るカード・リーダ、
・カード識別コードを検出し読み取るためのカメラ、
・カートリッジのデータ格納手段を読み取るためのデータ読み取り手段、
・カートリッジ識別コードを読み取るための読み取り手段、
・カード識別コードをカートリッジ識別コードと比較するように構成されたプロセッサ、
・読み取られたカード識別コードと、カートリッジ識別コードにしたがって読み取られるカード識別コードとの間で不一致が発見された場合に、信号を供給する信号供給手段。供給される信号は、ベル、サイレン、明滅光等のような、視覚信号または聴覚信号でもよい。
【0059】
[59] カード分配シューは、カートリッジの底壁を受け入れるために溝が設けられた上面を有するのでもよい。この溝の周囲は、カートリッジの底壁を取り囲み、そして一致してもよい。したがって、カートリッジは、溝にぴったり嵌り(fall in)、使用中溝の深さに沿って沈み込んだままでいることができる。したがって、カートリッジは、使用中摺動してカード分配シューから出ることはできない。代わりにまたは加えて、カード分配シューは、使用中カートリッジをカード分配シュー内またはカード分配シュー上に保持する、保持手段を含むのでもよい。
【0060】
[60] 本発明の第4の総合的態様によれば、封印具を提供する。この封印具は、本発明の第1の総合的態様にしたがって、カートリッジと組み合わせて使用するように構成される。本発明の第4の態様による封印具は、本発明の第1の総合的態様にしたがって、カートリッジを封印するために使用することができる。
【0061】
[61] 封印具は、本体またはステム(stem)とヘッドとを有し、ヘッドは本体よりも広い。この本体には、封印具のヘッドに向けられた開口を有する少なくとも1つのかかり(barb)が設けられている。封印具の半径方向断面(本体の軸に対して垂直な断面)は、三角形、矩形、正方形のような多角形、または楕円形若しくは円形等であってもよい。封印具のヘッドの幅は、少なくとも1つのかかりの最外点を超えて延びる。あるいは、封印具は、T字状の本体の軸に対して互いに対向して位置付けられた、少なくとも2つのかかりを含む。
【0062】
[62] 封印具のヘッドは、本体の軸に関して傾き、90°とは異なる角度を形成してもよい。ヘッドの外側の点は、かかりを封印具の本体に対して作用させる(ply)とき、かかりの外側の点と比較して、本体の軸からもっと離れていてもよい。
【0063】
[63] 本体の軸に平行な平面に沿った(according to)封印具の断面は、T字状の断面を有してもよく、かかりは前記平面と共平面である。
【0064】
[64] 一例として、封印具は、軸方向に、即ち、本体の軸に対して平行な平面に沿って、T字状断面を有してもよく、かかりは前記平面と共平面であり、T字状断面を有してもよい。このかかりは、その開口がT字状のヘッドに向けられている。T字形状は、円筒形本体によって形成されてもよく、この円筒形本体に1つ以上のかかりが設けられる。封印具の半径方向断面、即ち、T字形本体の軸に対して垂直で、T字形ヘッドに対して実質的に平行な断面は、円形または楕円形である。その代わりとして、封印具の軸方向断面は、三角形、矩形、または正方形のような多角形である。封印具のヘッドの幅は、少なくともかかりが本体の軸に最も近い位置にあるときは、少なくとも1つのかかりの最外点を超えて延びる。好ましくは、封印具は、T字状の本体の軸に対して、互いに対向して位置付けられた、少なくとも2つのかかりを含む。
【0065】
[65] したがって、本発明のある実施形態によれば、少なくとも1つの封印具は、軸方向にT字状断面を有し、封印具のT字状断面の本体に沿って、少なくとも1つのかかりが設けられ、その開口はT字状断面のヘッドに向けられている。
【0066】
[66] 封印具は、ポリマー材料、好ましくは、PVC(塩化ポリビニール)、PP(ポリプロピレン)、PC(ポリカーボネート)、またはABS(アクリルニトリル-ブタジエンースチレン・ポリマー)のような、熱可塑性材料で作られてもよい。
【0067】
[67] 本発明の第5の総合的態様によれば、第1の総合的態様によるカートリッジには、本発明の第4の総合的態様による、封印具を受け入れる1つ以上のスロットが設けられる。1つまたは複数のスロットは、進入開口(entrance opening)を有し、その周囲(perimeter)は、半径方向における封印具のT字形ヘッドの周囲(circumference)よりも小さく、半径方向における封印具のT字形本体の周囲よりも大きい。封印具が1つのかかりしか有さない場合、進入開口の最大幅は、かかりの最外点とT字形本体との間の距離に、T字形本体の最少幅を加えることによって得られる長さ未満である。封印具が2つ以上のかかりを有する場合、進入開口の最大幅は、2つのかかりの2箇所の最外点間の距離の最大値未満である。1つまたは複数のスロットの深さは、T字形本体の底面(bottom)とかかりの最外点との間の最大軸方向距離よりも大きい。
【0068】
[68] したがって、封印具がスロットに導入されると、1つまたは複数のかかりは、スロットを通過する間に、T字形本体に向けて圧縮されるが、一旦十分に挿入されたなら、かかりはスロットの下で固定し、引き戻されるのが防止される。スロットから封印具を引き戻すと、かかりが壊れ、したがって封印具が壊れる。
【0069】
[69] 一例として、カートリッジの前壁に、前壁から上に向かって延びる1つのスロットを除いて、前壁の材料によって包囲される空間域を設けてもよい。スロットの下にある空間域は、このスロットよりも広い。上壁には、スロットの進入開口と同じ周囲を有する開口が設けられる。進入開口および上壁にある開口は、上壁がカートリッジを完全に閉じたときには、一致する。本発明の第5の態様による封印具は、上壁にある開口を通って、前壁のスロットに挿入される。かかりは開き、スロットの下にある空間域内に封印具を閉じ込める(block)。このようにして、カートリッジを封印することができる。封印具を壊すと、その結果、スロットの下にある空間域に、壊れた封印具が残ることになる。前壁が透過性材料、例えば、透過性ポリマー材料で作られる場合、挿入された封印具の完全性をいつでも検査することができる。
【0070】
[70] 代替例として、カートリッジは閉鎖蓋を含み、カートリッジの閉鎖蓋には、閉鎖蓋から上に向けて延びるスロットを除いて、閉鎖蓋の材料によって包囲された空間域を設けてもよい。スロットの下にある空間域は、スロットよりも広い。上壁には、スロットの進入開口と同じ周囲を有する開口が設けられる。進入開口および上壁にある開口は、上壁がカートリッジを完全に閉じたときには、一致する。本発明の第5の態様による封印具は、上壁にある開口を通って、閉鎖蓋のスロットに挿入される。かかりは開き、スロットの下にある空間域内に封印具を閉じ込める。封印具を壊すと、スロットの下にある空間域内に、緩い(loose)かかりが残される。このようにして、カートリッジを封印することができる。閉鎖蓋が透過性材料、例えば、透過性ポリマー材料で作られる場合、挿入された封印具の完全性をいつでも検査することができる。
【0071】
[71] 本発明の第6の総合的態様によれば、第1および/または第5の総合的態様によるカートリッジに、追跡(track and trace)および/またはリアル・タイム追跡手段(tracking means)を設ける。追跡/リアル・タイム追跡手段は、RFIDチップでもよく、このRFIDチップをカートリッジに、例えば、封印されたカートリッジのコンテナの空間域の内側に設ける。封印されたカートリッジを常時追跡するためにスキャナを使用することもできる一方、カートリッジを識別するために封印具を壊す必要はない。RFIDをカートリッジ識別コードにリンクすることができ、またはRFIDがカートリッジ識別コードを担持することもできる。
【0072】
[72] 代替実施形態では、カートリッジの位置を追跡し、リアル・タイム追跡を行うために、Bluetooth低エネルギ・タグ(BLEタグ)を使用することもできる。
【0073】
[73] 一般に、追跡および/またはリアル・タイム追跡手段は、カートリッジに追加される集積回路、または埋め込まれる集積回路を使用してもよい。集積回路(IC)は、カートリッジによって保持される1組の遊技カードの中のカードのカード識別コードについての情報を格納するデータ格納手段であってもよく、または随意にカートリッジ識別コードを格納する、同様であるが別個の集積回路でもよい。この集積回路は、SIMカード、ナノSIMカード、マイクロSIMカードまたはマイクロSIMカード等であってもよい。カートリッジ識別コードを格納する集積回路は、カートリッジ内に、例えば、カートリッジの壁の1つの外面または底面に一体化されてもよい。
【0074】
[74] ICは、カード識別コードおよび/またはカートリッジ識別コードを格納するデータ格納手段としても機能することができる。
【0075】
[75] 遊技カード分配デバイスは、データ読み取り手段を有することもできる。データ読み取り手段は、データ格納手段からカード識別コードを読み取るように構成され、更にカートリッジ識別コードも読み取ることもできる。データ読み取り手段は、随意に、更に他のデータ読み取り手段(the further the data reading means)は、カートリッジがカード分配デバイスに挿入されたときに、集積回路に結合されればよい。読み取られたカートリッジ識別コードは、プレーしようとするゲームの間、どの程度までこのカートリッジを使用することが許可されるのか検証するために使用することができる。
【0076】
[76] 独立請求項および従属請求項は、本発明の特異な特徴および好ましい特徴について明記する。従属請求項からの特徴は、適宜、独立請求項または他の従属請求項の特徴と組み合わせてもよく、および/または以上の説明および/または以下の説明において明記される特徴と組み合わせてもよい。
【0077】
[77] 本発明の以上のならびに他の特性、特徴、および利点は、以下の詳細な説明を添付図面と併せて検討することによって明らかになるであろう。添付図面は、一例として、本発明の原理を示す。この説明は、本発明の範囲を限定することなく、一例として示したに過ぎない。以下で引用する参照図(reference figures)は、添付図面を指す。
【図面の簡単な説明】
【0078】
図1A】本発明による遊技カード・カートリッジの模式図である。
図1B図1Aに示すように、平面AAに沿った長手方向断面図である。
図2】開放状態にあるカートリッジの正面図を模式的に示す。
図3】本発明による遊技カード・カートリッジにおいて使用される封印具の模式図である。
図4】遊技カード・カートリッジが設けられたカード分配デバイスの模式図である。
図5】本発明によるカートリッジと組み合わせて使用することができる封印具の実施形態を模式的に示す。
図6】本発明による遊技カード・カートリッジの模式図である。
図7図6の遊技カード・カートリッジの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0079】
[84] 同じ参照符号は、異なる図において同じエレメント、同様のエレメント、または類似のエレメントを示す。
【0080】
[85] 本発明について、特定の実施形態に関して説明する。尚、「備える」(comprising)という用語が請求項において使用される場合、その後に列挙される手段に限定されると解釈してはならず、他の要素またはステップを除外しないことは、注記してしかるべきである。したがって、これは、述べられた特徴、ステップ、またはコンポーネントの存在を、引用された通りに指定すると解釈してしかるべきであるが、1つ以上の他の特徴、ステップまたはコンポーネント、あるいはそのグループの存在も、追加も除外しない。つまり、「手段AおよびBを備えるデバイス」という表現の範囲は、コンポーネントAおよびBのみからなるデバイスに限定されてはならない。これが意味するのは、本発明に関して、デバイスの唯一の関連あるコンポーネントがAおよびBであるということである。
【0081】
[86] この明細書全体を通じて、「一実施形態」または「実施形態」に言及することがある。このような言及は、その実施形態に関係付けて記載した特定の特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを示す。つまり、「一実施形態において」または「実施形態において」という語句が、この明細書全体を通じて種々の場所において現れるときは、必ずしも全てが同じ実施形態に言及している訳ではないが、そうである可能性もある。
【0082】
[87] 更に、1つ以上の実施形態において特定の特徴または特性を任意の適した方法で組み合わせることもできる。これは当業者には明白であろう。
【0083】
[88] 図1Aは、本発明による遊技カード・カートリッジ100の正面図を示す。図1Bは、図1Aに示すような、平面AAに沿った遊技カード・カートリッジ100の長手方向断面図である。図2は、開放された状態のカートリッジ100の正面図を示す。
【0084】
[89] 遊技カートリッジ(playing cartridge)は、カード配出シューに結合するように構成されたコンテナ101を備えている。コンテナ101は、1組の遊技カード103が入れられる(provide)空間域102を定める。コンテナ101の空間域102は、封印具104によって封印されている。
【0085】
[90] コンテナ101は、上壁110、前壁111、ならびに側壁112および113を含む。上壁110は、摺動可能に側壁に接続されている。コンテナは、更に、背壁114と底壁115とを含む。1組の遊技カードの後ろに、押圧手段120が設けられている。カートリッジ100は、上壁110の上縁121が押圧手段120を超えて摺動するのを防止する停止手段130を含む。上壁110内には、溝122が設けられ、これは上縁121の付近で終端する。押圧手段120には、突起123が設けられ、この突起123は溝122内を摺動する。開放状態において、上壁110が前壁111に向かって摺動すると、上縁121は突起に当たり、前壁111に向かって更に摺動するのを防止される。上壁110は、押圧手段120を超えて摺動することはできない。
【0086】
[91] 押圧手段120は、定トルクばね140によって、前壁111に向かって押し込まれ、このコイルは押圧手段自体の中に配置されている。コイルの先端は、カートリッジの前側の前壁111付近に固定されている。コイルの巻かれていない部分は、底壁115の溝内に配置されている。ばね140のコイルは、押圧手段120に、1組の遊技カード103の後ろ側に対する一定の圧力で、前壁111に向かう方向に押圧させる。
【0087】
[92] カートリッジ100を封印するには、1つまたは2つの封印具104を用意する。これらの封印具は、矩形プレートであり、双方の長辺が、これらの長辺の外端付近に、かかり144を有する。カートリッジ100の前壁111は、閉鎖蓋150によって覆われており、閉鎖蓋150の縁は突起を有し、この突起は側壁112および113内にある溝に嵌り込む(clip into)。閉鎖蓋は、透過性ポリマー材料で作られる。蓋150の底面には、2本のフィンガ171および172が、前壁111にある開口170を閉じる。この開口170は、カードを空間域101から引き出すことを可能にするために存在する。これらのフィンガは、カードが空間域から引き出されることが可能になるのを防止する。また、閉鎖蓋は、上壁110の下縁122を超えて延び、上壁の下縁にある小さな開口内に接続する(hook into)。したがって、上壁は、前壁111に向かっても、また背壁114に向かっても、摺動することはできない。
【0088】
[93] 図3に、封印具104を示す。この封印具は、本体141とヘッド(図示せず)とを有する。封印具の本体141の軸142に対して対称的に、2つのかかり144が設けられている。蓋150には、2つのスリット151および152がある。図3に示すように、前壁111上に設けられた閉鎖蓋150は、1つまたは2つの封印具104を閉鎖蓋150内にあるスリット151および152の一方または双方に導入することによって、カートリッジ100の前壁111に固定される(seal)。また、かかりは、前壁111の上縁において、2つのスリット161および162を貫通し、これらのかかりは前壁111の後ろに停留する(clip)。封印具は、剛性のポリマー材料で作られ、この封印具が開口から引き出されると、かかり144は壊れる。この封印状態では、完全な内部空間域102には到達することができない。空間域101は封印されており、封印具を壊さなければ、この空間域には何も入ることも、取り出すこともできない。カートリッジ100の空間域101を開放するためには、1つまたは2つの封印具104をスリット151および161、あるいは/もしくは152および162から引き出す。かかり144は、引き出す間に壊れるので、封印具が引き出された後に再度スリットに導入されたときには、もはや機能せず、スリット内に緩く挿入されたままになる。したがって、封印具が取り出されたという事実が検出可能となる。
【0089】
[94] 代わりの封印具104を図5に示す。また、ここでは、封印具は本体141またはステムとヘッド145とを有する。ヘッド145は本体141よりも広い。本体141には、1つのかかり144が設けられ、その開口は封印具104のヘッド145に向けられている。封印具の半径方向断面(本体の軸に対して垂直な断面)は多角形である。封印具のヘッド145の幅は、少なくとも1つのかかりの最外点を超えて延びる。
【0090】
[95] 封印具104のヘッド145は、本体141の軸142に関して傾斜し、90°とは異なる角度を形成してもよい。ヘッド145の外側の点146は、かかりを封印具の本体に対して作用させる(ply)とき、かかり144の外側の点147と比較して、本体141の軸142からもっと離れてもよい。本体の軸に対して平行な平面に沿った封印具の断面は、T字状の断面を有し、かかりはこの平面と共平面にある。
【0091】
[96] 一旦カートリッジ100がカード分配シューに挿入されて使用されると、押圧手段120の後ろに、新たな空の空間域が作られる。何故なら、押圧手段120は徐々に前壁111に向かって摺動するからである。カートリッジが封印状態にあるときに押圧手段120の後ろに存在する小さな空間域180は、容積が増大する。ゲームが終了すると、カートリッジ100がカード分配シューから取り出され、上壁110を前壁111に向かって摺動させることができる。したがって、空間域180が開放される。停止手段130が存在するために、上壁110は押圧手段120を超えて摺動しない。配られたカードを空間域180内に挿入することができ、上壁110を背壁114に向けて後方に摺動させることができる。随意に、閉鎖蓋150を再度前壁111の上に載せることができ、スリット151および161、あるいは/もしくは152および162に新たな封印具を挿入することができる。したがって、使用され、再度封印されたカートリッジを供給することができる。
【0092】
[97] カートリッジの後ろ側には、空間域180内にメモリ・カードがある(図1Bには示されていない)。このメモリ・カードは、一旦カートリッジがカード分配デバイスに挿入されると、カード分配デバイスによって読み取ることができる。
【0093】
[98] 未使用で(fresh)封印されているカートリッジと、使用され再度封印されたカートリッジを区別できるように、使用された封印具は、区別するための異なる色を有することができる。
【0094】
[99] 図4に、カード分配デバイス1000を示す(provide)。カード分配デバイス1000は、カード分配シュー1001を含み、カード分配シュー1001は、カートリッジ100がカード分配シュー1001に挿入されたときに、カートリッジ100を受け取り保持する保持手段1010を有してもよい。カード分配デバイス1000は、更に、マウスピース1002も含み、マウスピース1002は、一旦カートリッジ100がカード分配シュー1001に挿入されると、カード分配シュー1001上に実装することができる。マウスピース1002は、カートリッジの前壁111を覆い、カートリッジ100から前壁111を通り、マウスピース1002を抜けて、カードを引き出すことを可能にする開口1011を含む。マウスピースは、上壁が前壁まで摺動するのを防止する。保持手段は、上壁が背壁に向かって摺動するのを防止する。
【0095】
[100] カード分配シュー1001は、上面1020を有する。上面1020には、カートリッジ100の底壁115を受け入れる溝1021が設けられている。この実施形態では、溝1022は、深さが異なる2つの異なるゾーンを有し、最も深いゾーンは、ばねのコイルの巻かれていない端部(uncoiled end)が位置する底壁115の部分を受け入れるためにある。溝1021の周囲は、カートリッジ100の底壁115と一致する。したがって、カートリッジ100は、溝1021にぴったり嵌り、使用中溝の深さに沿って沈み込んだままでいることができる。使用中、カートリッジ100は摺動してカード分配シュー1001から出ることはできない。
【0096】
[101] カード分配シュー1001にはセンサ、カメラ等が設けられ、これらは、カートリッジが使用中カード読み取りシュー1001内に入れられマウスピース1002によって覆われると、カートリッジの前端に隣接する2本の隆起線1030に配置される。
【0097】
[102] カートリッジ2000の第2実施形態を図6および図7に示す。図1Aおよび図1Bにおけるカートリッジ100に該当する場合、同じ参照番号は同じ構造を示す。カートリッジ2000は、押圧手段120を有し、底壁115内にある2つの溝2002内を摺動する2つの突起2001を有する。上壁110は、コンテナ101の空間域内に突出する突起を有する。この突起は、上壁115の上縁121が、押圧手段120を超えて通過するのを防止する。
【0098】
[103] カートリッジ内には、SIMカード2100が設けられ、カード識別コード、およびカートリッジ2000におけるカードの配列についてのデータを含む。また、このSIMカードはカートリッジ識別コードも含む。コンテナの内側には、予備の封印具を携帯するためにポケットのような格納場所が設けられている。カートリッジが使用されカジノの事務管理部門に戻すとき、一旦配られたカードが、押圧手段120とカートリッジの背壁114との間にある空間域に挿入され、一方上壁が背壁114から離れるように摺動されたなら、カートリッジを封印するために予備の封印具を使用することができる。閉鎖蓋150を前壁111上に止める(click)ために、スナップ・クリック・システム153が閉鎖蓋150に設けられている。
【0099】
[104] 尚、本発明による実施形態を示すために、好ましい実施形態および/または素材について論じたが、本発明の範囲および主旨から逸脱することなく、種々の修正または変更を行ってもよいことは、理解されてしかるべきである。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】