(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法
(51)【国際特許分類】
C12P 1/04 20060101AFI20231101BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20231101BHJP
A23L 5/00 20160101ALI20231101BHJP
A61K 36/22 20060101ALI20231101BHJP
A61K 36/03 20060101ALI20231101BHJP
A61K 36/05 20060101ALI20231101BHJP
A61K 36/9066 20060101ALI20231101BHJP
A61K 36/34 20060101ALI20231101BHJP
A61K 36/185 20060101ALI20231101BHJP
A61K 36/258 20060101ALI20231101BHJP
A61P 17/14 20060101ALI20231101BHJP
A61P 17/06 20060101ALI20231101BHJP
A61K 8/9789 20170101ALI20231101BHJP
A61K 8/9794 20170101ALI20231101BHJP
A61K 8/9711 20170101ALI20231101BHJP
A61K 8/9722 20170101ALI20231101BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20231101BHJP
A61Q 7/00 20060101ALI20231101BHJP
A61K 127/00 20060101ALN20231101BHJP
【FI】
C12P1/04 Z
A23L33/10
A23L5/00 J
A61K36/22
A61K36/03
A61K36/05
A61K36/9066
A61K36/34
A61K36/185
A61K36/258
A61P17/14
A61P17/06
A61K8/9789
A61K8/9794
A61K8/9711
A61K8/9722
A61Q19/00
A61Q7/00
A61K127:00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524271
(86)(22)【出願日】2021-10-12
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 KR2021014046
(87)【国際公開番号】W WO2022086025
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136301
(32)【優先日】2020-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519389317
【氏名又は名称】カン、スンチャン
【氏名又は名称原語表記】KANG, Seungchan
【住所又は居所原語表記】301Ho,43-24 Namgwang-ro 2-gi Jeju-si Jeju-do 63230 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】カン、スンチャン
【テーマコード(参考)】
4B018
4B035
4B064
4C083
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LB10
4B018LE05
4B018LE06
4B018MD27
4B018MD49
4B018MD52
4B018MD53
4B018MD55
4B018MD56
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4B064AC16
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4B064CC01
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4B064DA10
4C083AA111
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4C088AA13
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4C088AB16
4C088AB21
4C088AB30
4C088AB81
4C088AC05
4C088CA25
4C088MA07
4C088NA14
4C088ZA89
(57)【要約】
本発明は、第1の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および乳酸菌0.05~1重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合した物質がpH4以下の酸性になるように、30日~6ヶ月の間発酵させて第1の発酵液を得る段階と、前記第1の植物材料と同一または異なる第2の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および前記第1の発酵液1~10重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合された物質が、糖度0.5~2brixの範囲であり、pH2~pH4範囲の強酸性になるように30日~6ヶ月の間発酵させて第2の発酵液を得る段階と、前記第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第3植物材料と前記第2の発酵液とを重量比で1:0.5~1:1.5の割合で混合し、5~25℃範囲の常温で20日~3ヶ月の間発酵させて植物発酵物を得る段階とを含む植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法を提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および乳酸菌0.05~1重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合した物質がpH4以下の酸性になるように、30日~6ヶ月の間発酵させて第1の発酵液を得る段階と、
前記第1の植物材料と同一または異なる第2の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および前記第1の発酵液1~10重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合された物質が、糖度0.5~2brixの範囲であり、pH2~pH4範囲の強酸性になるように30日~6ヶ月の間発酵させて第2の発酵液を得る段階と、
前記第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第3植物材料と前記第2の発酵液とを重量比で1:0.5~1:1.5の割合で混合し、5~25℃範囲の常温で20日~3ヶ月の間発酵させて植物発酵物を得る段階と
を含む植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法。
【請求項2】
前記第2の発酵液を得た後、第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第4植物材料を第2の発酵液に混合して第3発酵液を得て、該第3発酵液を前記第3植物材料と混合して発酵させて前記植物発酵物を得ることを特徴とする、請求項1に記載の植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法。
【請求項3】
前記第1の発酵液および第2の発酵液を得る過程で用いられる植物材料は、新鮮な状態、乾燥物、熱水抽出物、または糖が含まれた漬物の中から選ばれたいずれか一つで混合することを特徴とする、請求項1に記載の植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法。
【請求項4】
前記第1の発酵液または第2の発酵液は、植物材料との混合後、長時間発酵の初期段階において、発酵タンクを用いて高温で1次の速成発酵後、常温で2次の長時間発酵段階を経ることを特徴とする、請求項1に記載の植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法によって製造されたことを特徴とする植物発酵液を用いた植物発酵物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種植物材料に対する新たな発酵方法であって、乳酸菌を用いて植物の発酵液を得て、この植物発酵液で植物材料を低温で十分に発酵させて植物のポリフェノールを吸収可能な低分子化状態に変化させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人間は、酸素と食べ物から摂取した栄養素を燃焼させてエネルギー源を作り出して生命を維持可能にする。この過程で余分の酸素である活性酸素も一緒に生成されるが、これは正常な細胞を攻撃して損傷させ、細胞老化を誘発するなど、健康に致命的な害を与える。
【0003】
細胞呼吸において、酸素は、葡萄糖を二酸化炭素と水とに完全に酸化させてエネルギーを生成するのに必ず必要な存在である。しかし、細胞呼吸の電子伝達係が進められる過程で、付随的にヒドロキシルラジカル(HO・)とスーパーオキシドアニオン(O2-)などのような活性酸素(Free Radical)が発生する。通常、正常な酸素は、体内で約100秒以上滞留するが、活性酸素は不安定であるから100万分の1秒~10億分の1秒間生じてからあっという間に消える。このように、活性酸素は、あっという間に存在する物質であるものの、反応性が非常に強くて細胞膜を攻撃して細胞の機能を喪失させ、DNAの損傷を誘発する。すなわち、活性酸素は、細胞での信号伝達系を壊すか、免疫力を低下させるので、糖尿病、動脈硬化、癌などを誘発し、細胞の再生を阻害するから老化を促進させる。特に、年を取った人の肌で現われるしみは、活性酸素が作用してできたものである。活性酸素は、体内であっちこっち巡るので、血管から関節まですべての器官に疾病を引き起こす。活性酸素が体内に長期間とどまるようになると、慢性炎症を誘発して大きい問題になることができる。慢性炎症は、全身を回りながら幾多の疾病を引き起こす万病の根源と知られているが、胃炎、関節炎などはもちろん、脳卒中、動脈硬化、心筋梗塞のような血管疾患、並びに鬱病、認知症、ひいては癌の発病率を高め、突然死まで誘発することができる。
【0004】
なお、すべての植物は、周りの環境から自分を守るために、自ら生成した生理活性物質を持っており、種々の色素として存在するポリフェノールがそれである。ポリフェノールは、植物性化学物質であるファイトケミカルの一種である。ファイトケミカルは、植物が育ちながら外部環境(細菌、害虫、微生物など)から自らを保護するために作り出す物質であって、今まで明かされた種類だけでも1万種余りに至り、人間の体内に入って来る場合、強力な抗酸化作用によって健康に役に立つと知られた。多くのファイトケミカルの中で最も強い抗酸化物質が、まさにこのポリフェノールである。植物内におけるフェノール化合物を総称するポリフェノールは、抗酸化能力により体内の活性酸素と慢性炎症を除去することで、細胞保護、炎症抑制、老化防止、免疫力向上、坑癌などに効果的である。ポリフェノールが全身健康に効果的な理由は、抗酸化作用のためであり、抗酸化とは、活性酸素を除去することを意味する。
【0005】
ポリフェノールは、植物が光合性をするときに形成され、実際の量は、炭水化物やタンパク質に比べて極めて少ない。ポリフェノールは、光合性が盛んな時期に最大限形成される。この時期に、温度が25℃以上を超えるが、この温度では、悪い菌や自分の酵素などによってポリフェノールを分解することができないので、自分を保護することができる。ところが、炭水化物やタンパク質のように、唾液腺から分泌する分解酵素や胃から分泌する胃酸によって分解されて吸収されやすいものと異なり、ポリフェノールは、消化吸収されにくい。ポリフェノールの分解は、温度と密接した関係にあるが、人体は36.5℃であって、ポリフェノールが分解されるには高い温度であり、かつ分解する菌もないことから、いくら良いポリフェノールであっても吸収できないので便で排泄されるだけであり、その結果、腸内菌で分解されないポリフェノールを摂取できなくなる。
【0006】
植物の発酵を用いた技術としては、果物と砂糖を1:1の割合で混合して果物の砂糖漬けを作って、一定期間熟成後にイーストや酵母を投入してアルコール発酵を経た後、水を投入し、酢酸菌を混合して高温で一週間くらい発酵させて発酵酢を完成する方法などが一般化されている。
【0007】
また、韓国公開特許公報10-2020-0062450号によれば、タンポポ発酵物、明日葉発酵物またはこれらの混合物を有効成分として含む抗酸化機能性の食品組成物が提案されたが、前記発酵物は、a)タンポポ、タンポポ粕、明日葉または明日葉粕に、ラクトバチルス・プランタラムを接種した後、30~37℃で48時間の間培養する段階と、b)前記培養物を水分含量が4~5%になるように乾燥する段階と、c)前記乾燥物に蒸留水を添加した後に60~65℃で2~3時間抽出する段階と、d)前記抽出物をろ過した後、濃縮する段階と、e)前記濃縮物を凍結乾燥する段階とによって製造される。
【0008】
また、韓国登録特許10-2065584号によると、総ポリフェノール、フラボノイド及びライコペン含量と抗酸化及び抗肥満活性が増進されたトマト発酵液の製造方法を提案しているが、この方法は、(1)トマト抽出液に106~8CFU/ml濃度のラクトバチルス・プランタルムSRCM102223菌株(寄託番号:KFCC11811P)0.8~1.2%(v/v)を接種する段階と、(2)前記(1)段階の菌株を接種したトマト抽出液を32~38℃で44~52時間の間発酵する段階とを含んでいる。
【0009】
このように従来の植物発酵に係わる技術は、糖分を過度に多く含んでいるか、または、発酵温度が高く発酵時間は相対的に短くて植物に含有されたポリフェノールを分解して低分子化させるのに限界があり、その結果、植物発酵物の体内吸収力を増進させにくかった。また、各種植物の多様なポリフェノールを用いて健康を改善するにも限界があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前述の技術的背景下で案出されたもので、本発明の目的は、各種植物に含まれた多様なポリフェノールの機能と効果が得られるように体内吸収力を高めた植物発酵物の製造方法を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、低分子化されたポリフェノール、乳酸菌の代謝産物などの生理活性物質に富む植物発酵物を提供することである。
【0012】
本発明のまた他の目的は、多様な植物群の種々の成分を、人体に吸収可能な状態に変化させることができ、安定した工程で量産が可能な新たな植物発酵物の製造方法を提供することである。
【0013】
これに加えて、本発明のまた更なる目的及び技術的特徴は、以下の詳細な説明でより具体的に提示される。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するために、本発明は、第1の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および乳酸菌0.05~1重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合した物質がpH4以下の酸性になるように、30日~6ヶ月の間発酵させて第1の発酵液を得る段階と、前記第1の植物材料と同一または異なる第2の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および前記第1の発酵液1~10重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合された物質が、糖度0.5~2brixの範囲であり、pH2~pH4範囲の強酸性になるように30日~6ヶ月の間発酵させて第2の発酵液を得る段階と、前記第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第3植物材料と前記第2の発酵液とを重量比で1:0.5~1:1.5の割合で混合し、5~25℃範囲の常温で20日~3ヶ月の間発酵させて植物発酵物を得る段階とを含む植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法を提供する。
【0015】
本発明において、前記第2の発酵液を得た後、第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第4植物材料を第2の発酵液に混合して第3発酵液を得て、該第3発酵液を前記第3植物材料と混合して発酵させて前記植物発酵物を得ることができる。
【0016】
本発明において、前記第1の発酵液および第2の発酵液を得る過程で用いられる植物材料は、新鮮な状態、乾燥物、熱水抽出物、または糖が含まれた漬物の中から選ばれたいずれか一つを各発酵液と混合することができる。
【0017】
また、本発明において、前記第1の発酵液または第2の発酵液は、植物材料との混合後、長時間発酵の初期段階において、発酵タンクを用いて高温で1次の速成発酵後、常温で2次の長時間発酵段階を経ることができる。
【0018】
また、本発明は、前述した方法によって製造された植物発酵液を用いた植物発酵物を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、天然から容易に得られる多様な植物材料を、加工されない生の状態、乾燥物、粉末、糖漬けなど、様々な状態で用いられ、実、幹、葉、根、皮など植物の主要部分を容易に活用して、吸収可能なポリフェノール及び乳酸菌が生成する色々な生理活性物質に富む植物発酵物を得ることができる。
【0020】
本発明は、陸上及び海底植物から安定した工程でハイクオリティーの植物発酵物を量産することができ、発酵工程のために、高度の施設が要求されず、ハイクオリティーの植物発酵物を安価に普及することにも有効である。
【0021】
本発明によって製造された植物発酵液を用いた植物発酵物は、常温にて長期保管が可能であり、そのまま飲用したり冷水または湯と混合して希釈させたままお茶や飲み物としても摂取したりすることができ、体内吸収率に優れて天然状態で攝取し難い植物に対しても消化が可能である。
【0022】
特に、本発明による植物発酵物は、各種植物が保有している強力な抗酸化作用、防腐作用、抗菌作用、抗炎作用、触媒作用、消化作用など、色々な機能性を利用することができ、医薬品原料、化粧品原料、食品添加剤、植物活性剤、消毒剤など多様な分野に活用され得る。
【0023】
また、本発明による植物発酵液を用いた植物発酵物は、人体に対する消化吸収に優れるのみならず、植物成長にも役立つので、各種肥料や病虫害の代替材として活用でき、収穫した植物の貯蔵期間の増大にも供することができる。特に、悪臭成分を取り除く能力が卓越していることから、強力な防臭効果を提供するので、畜産現場の悪臭除去及び環境改善に役に立つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】
図1は、本発明の第1の発酵液を示したものであり、a)は、実施例1によって製造された黄漆発酵液の写真、b)は実施例1によって製造された黄漆発酵液をボトリングした写真、c)は、実施例2によって製造された高麗人参粉末発酵液の写真、d)は、実施例2によって製造された高麗人参発酵液をボトリングした写真である。
【
図2】
図2は、本発明の第1の発酵液を示したものであり、a)は、実施例3によって製造された緑茶葉発酵液の写真、b)は、実施例3によって製造された緑茶葉発酵液をボトリングした写真、c)は、実施例6によって製造されたかじめ発酵液の写真、d)は、実施例7によって製造された黒米発酵液をボトリングした写真、e)は、実施例8によって製造された黒ごま発酵液の写真である。
【
図3】
図3は、本発明の第2の発酵液を示したものであり、a)は、実施例9によって製造された黄漆発酵液の写真、b)は、実施例10によって製造されたアカモク発酵液の写真、c)は、実施例11によって製造されたアオサ発酵液の写真であり、d)は、実施例12によって製造されたキョウオウ+紫カブ発酵液の写真、e)は、実施例14によって製造された桔梗発酵液の写真である。
【
図4】
図4は、本発明の第2の発酵液を示したものであり、a)は、実施例15によって製造された黒ごま発酵液の写真、b)は、実施例16によって製造された高麗人参発酵液の写真、c)は実施例17によって製造されたあざみ発酵液の写真、d)は、実施例18によって製造された松芽発酵液の写真、e)は、実施例19によって製造されたたまねぎ発酵液の写真である。
【
図5】
図5は、本発明の第2の発酵液を示したものであり、a)は、実施例20によって製造されたトロロアオイ粉末発酵液の写真、b)は、実施例21によって製造されたサルトリイバラ発酵液の写真、c)は、実施例22によって製造された天然山ニンジン蜜菓子発酵液の写真、d)は、実施例23によって製造された天然山ニンジン粉末発酵液の写真、e)は、実施例24によって製造された黒ニンニク発酵液の写真である。
【
図6】
図6は、本発明の第3発酵液を示したものであり、a)は、実施例25によって製造された黄漆発酵液にヨコワサルオガセを発酵させる写真、b)は、実施例26によって製造された黄漆発酵液に桔梗粉末を発酵させる写真、c)は、実施例27によって製造されたアオサ発酵液の写真、d)は、実施例28によって製造された高麗人参発酵液の写真である。
【
図7】
図7は、本発明の第3発酵液を示したものであり、a)は、実施例29によって製造された緑茶粉末発酵物の写真、b)は、実施例30によって製造された緑茶葉発酵物の写真、c)は、実施例31によって製造された黒米ご飯発酵物の写真、d)は、実施例31によって製造された黒米ご飯発酵物乾燥粉末の写真、e)は、実施例32によって製造されたニンニク皮発酵物の写真である。
【
図8】
図8は、本発明の実施例35によって製造された植物発酵物を示したものであり、a)は、大麦若葉粉末発酵物の写真、b)は、若芽麦粉末発酵物乾燥物の写真である。
【
図9】
図9は、本発明の実験例1~3による混合発酵液であり、a)は、みかん汁混合液とビーツ赤汁との混合液の写真、b)は、黒ニンニク抽出混合液の写真である。
【
図10】
図10は、本発明の実験例4及び5に関する発酵液製品であり、a)は、シャンプーの写真であり、b)およびc)は、せっけんの写真である。
【
図11】
図11は、本発明の実験例4~5に係わる脱毛患者の実験関連写真であり、a)は、最初の写真であり、b)は、実験2ヶ月経過後に発毛が進行された写真、c)は、実験3ヶ月経過後に発毛が多く進行された写真である。
【
図12】
図12は、本発明の実験例6の乾癬患者の実験開始当時の写真である。
【
図13】
図13は、本発明の実験例6の乾癬患者の実験2ヶ月経過後に好転した写真である。
【
図14】
図14は、本発明の実験例6の乾癬患者の実験3ヶ月経過後にきれいになった体と乾癬が完治されて壊死した皮膚が再生されている写真である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明は、第1の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および乳酸菌0.05~1重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合した物質がpH4以下の酸性になるように、30日~6ヶ月の間発酵させて第1の発酵液を得る段階と、前記第1の植物材料と同一または異なる第2の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および前記第1の発酵液1~10重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合された物質が、糖度0.5~2brixの範囲であり、pH2~pH4範囲の強酸性になるように30日~6ヶ月の間発酵させて第2の発酵液を得る段階と、前記第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第3植物材料と前記第2の発酵液とを重量比で1:0.5~1:1.5の割合で混合し、5~25℃範囲の常温で20日~3ヶ月の間発酵させて植物発酵物を得る段階とを含むことを特徴とする。
【0026】
本発明は、植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法に関し、乳酸菌で発酵させた植物発酵液を用いて多重発酵工程で植物のポリフェノールを低分子化させて吸収可能な状態に変化させる方法及びこれによって製造された低分子化されたポリフェノールを持つ植物発酵物を提案する。
【0027】
本発明の発明者は、ポリフェノールなど植物の有用な生理活性成分を効果的に利用しようと研究を重ねた結果、植物を乳酸菌で低温で長時間十分に発酵させてポリフェノール及び植物の薬性を低分子化した発酵物を製造する場合、生理活性成分をより効果的に利用できることを確認し、本発明の完成に至った。
【0028】
ポリフェノールは、人間が消化吸収できず、いくら多くのポリフェノールを食べても効果がなかったが、植物を長時間の間乳酸菌により十分に発酵させると、ポリフェノールの分子を分解して体内吸収力が改善されることを確認した。また、発酵過程で乳酸菌の代謝産物である酵素、有機酸、バクテリオシンなど生理活性物質が作られて、ウイルスなど病原体を死滅させるのに効果的であることを確認した。さらに、ポリフェノールを分解して体内吸収力を改善するためには、低温で長時間乳酸菌で発酵を進行しなければならないことを確認した。
【0029】
植物を乳酸菌で発酵すると、貯蔵性に優れて保存性が向上するという長所と共に、発酵過程で植物が持っているポリフェノールを低分子物質に分解して吸収率が高くなり、かつ各種生理活性成分が生成されて健康に一層有用であるという長所を有する。このような乳酸菌を用いた植物発酵は、発酵及び熟成過程に長い時間と技術が求められる。同じ方法、同じ工程であっても、温度、湿度、光線、空気中の微生物などによって腐敗してしまったり、またはアルコールとなってしまったりして、未だポリフェノールを吸収可能な程度に低分子化させる植物発酵物を大量生産することができなかった。
【0030】
本発明では、乳酸菌で植物材料を発酵させてpH2~pH4の範囲の強酸性を維持させ、この過程で生き残った力強い発酵菌と低分子化されたポリフェノールと発酵菌が生成した各種生理活性物質に富む植物発酵液を製造した上で、この植物発酵液で植物材料を発酵させて最終植物発酵物を製造する。
【0031】
本発明は、次のような工程で行われる。
【0032】
まず、発酵液を作る過程として、発酵液を作る植物材料として、陸上植物や海藻のうち対象物を用意し、これらの発酵液材料を乳酸菌で発酵させて発酵液を作る。具体的に、第1の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および乳酸菌0.05~1重量部を混合して5~25℃の範囲の常温で混合した物質がpH4以下の酸性になるように、30日~6ヶ月間発酵させて第1の発酵液を得る。
【0033】
植物材料と、水と、乳酸菌の餌である糖類と、乳酸菌とを混合して発酵筒の中に入れて低温で十分に発酵させ、pH4以下に下がるまで発酵させることで、強酸性で生き残った発酵菌と、低分子化されたポリフェノールと、薬性と、発酵菌とが作り出した各種有機酸などを有する第1の発酵液は、それ自体でも一つの製品になるが、強力な抗菌、抗ウイルス、抗酸化作用を保有しているため後続工程で力強い発酵菌として用いることができる。
【0034】
本発明で用いられる第1の植物材料は、1種のみを単独で用いてもよく、複数の種類を混合して用いてもよい。植物材料としては、食用植物または非食用植物を用いることができ、食用植物としては、果物、野菜、穀物、薬剤など、陸上植物は勿論のこと、昆布、わかめ、海苔、ひじき、青海藻などの海藻類も使用可能である。また、非食用材料としては、ヒノキ、銀杏、萩、楮など、陸上植物は勿論のこと、かじめ、アカモクなど海藻類も使用可能である。
【0035】
次の段階で、前記第1の植物材料と同一または異なる第2の植物材料5~30重量部、水100重量部、糖分1~10重量部、および前記第1の発酵液1~10重量部を混合し、5~25℃範囲の常温で混合された物質が、糖度0.5~2brixの範囲であり、pH2~pH4範囲の強酸性になるように、30日~6ヶ月の間発酵させて第2の発酵液を得る。
【0036】
本発明は、乳酸菌で直接最終植物材料を発酵させることに代えて、発酵液を前もって得て、この発酵液で植物材料を最終発酵させるか、または、乳酸菌を用いて得た第1の発酵液を植物材料と混合して再び発酵させた第2の発酵液を、最終植物材料と混合して発酵させる多重発酵過程を経ることで、最終植物材料に含まれたポリフェノールの分解の度合いを向上させ、消化吸収力を改善することができる。特に、第2の発酵液を第3植物材料と混合して発酵させることにより、酸度の高い第2の発酵液の滅菌力乃至殺菌力によって雑菌が除去されて第3植物材料の発酵効率に優れており、最終的な植物発酵物の発酵臭を改善するとともに、澄み透るような色に変化させることができる。
【0037】
また、多重発酵過程で各植物材料の種類及び状態、例えば、原物、乾燥物、粉末状、前処理物などに変化させながら当該植物材料の固有成分及び変化された成分などを最終植物発酵物にまんべんなく包含させることができて、用いられた植物材料の薬性は言うまでもなく、人体に良い生理活性物質を吸収可能に保つことができる。
【0038】
次の段階で、前記第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第3植物材料と前記第2の発酵液とを重量比で1:0.5~1:1.5の割合で混合し、5~25℃範囲の常温で20日~3ヶ月の間発酵させて植物発酵物を得る。
【0039】
植物材料および第2の発酵液の混合は、例えば、ペースト状の発酵物が得られるように、発酵容器に植物材料が浸される程度に第2の発酵液を混合することができる。植物材料は、1種のみを単独で用いてもよく、複数の種類を一緒に用いてもよい。さらに、使用目的によって、水および糖類を付加的に混合して最終植物発酵物の濃度を調節することができる。
【0040】
本発明において、前記第2の発酵液を得た後、第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第4植物材料を第2の発酵液に混合して第3発酵液を得て、この第3発酵液を前記第3植物材料と混合して発酵させて前記植物発酵物を得ることができる。このような第3発酵液は、前述の第1の発酵液及び第2の発酵液と同様に、5~25℃の範囲の常温で30日~6ヶ月間発酵させる過程を経てもよく、単純混合だけで第3発酵液を完成してもよい。後者の場合、第3植物材料との混合によって最終植物発酵物を得る前に、常温または冷蔵保管する熟成段階を経ることができる。
【0041】
本発明において、前記第1の発酵液および第2の発酵液を得る過程で用いられる植物材料は、新鮮な原物状態、乾燥物、粉末、熱水抽出物、または糖が含まれた漬物の中で選ばれるいずれか一つで混合することができる。
【0042】
すべての植物は、色素成分としてそれぞれポリフェノールを含んでいるが、代表的なポリフェノールとしては、ベータカロチン、リコペン(Lycopene)、ルテイン(Lutein)、ゼアキサンチン(ZeaXanthin)、フラボノイド(Flavonoid)、エラグ酸(Ellagic Acid)、クエルセチン(Quercetin)、ルチン(Lutin)、クルクミン(Curcumin)、ヘスペレチン(Hesperetin)、アントシアニン(Anthocyanin)、イソフラボン(Isoflavone)、リグナン(Lignan)、β-シトステロール(Beta-Sitosterol)、サポニン(Saponin)、カテキン(Catechin)、インドール(Indol)、スルフォラファン(Sulforaphane)、カプサイシン(Capsaicin)などが挙げられる。
【0043】
これらの多様なポリフェノールは、マンゴー、バナナ、トマト、すいか、グアバ、柿、干しがき、黄桃、グレープフルーツ、キーウィー、ウリ、ザクロ、スモモ、山いちご、ぶどう、ブルーベリー、オレンジ、レモン、みかん、柚子、ライム、カラマンシー、アボカド、ノニ、ザクロ、クランベリーなどの果物類、にんじん、さつまいも、ケール、カボチャ、パプリカ、キャベツ、ほうれんそう、アスパラガス、ブロッコリー、とうもろこし、サフラン、かぶ、ケール、からし、カラードグリーン、唐辛子、茄子、胡麻、大根、白菜、ニンニク、サラリー、パセリなどの野菜類、昆布、青海藻、わかめ、ひじきなどの海藻類、麦、米、黒米、そば、あわ、きび、燕麦、黒豆、黒ごま、枸杞などの穀類、高麗人参、桔梗、落花生、キョウオウ、ウコン、生姜、蔓人参、葛などの球根類(根植物)などに含まれている。
【0044】
したがって、本発明の植物発酵液または植物発酵物に用いられる植物材料には、多様な陸上及び海底植物が含まれることができ、植物の葉や幹、実、根などは勿論のこと、とりわけ、黄漆木(カクレミノ、隠蓑、Dendropanax morbiferus、Korean dendropanax)の葉や緑茶葉、桑の葉または各種野菜と果物の皮、乾果類、種子、銀杏、米ぬか、竹の子、とうもろこしの芯などの多様な植物材料などが含まれることができる。
【0045】
前述の第1の発酵液または第2の発酵液は、植物材料との混合後に長時間発酵の初期段階において、発酵タンクを用いて高温で1次の速成発酵後、常温で2次の長時間発酵段階を経てもよい。
【0046】
本発明の多重発酵工程によって製造された植物発酵物は、pH3水準の強酸性水、苛酷な条件下で生き残った発酵菌、酵素、各種有機酸、低分子化されたポリフェノールを持つ植物発酵液の力強い力により植物材料を低温で十分に発酵させることができ、この過程で低分子化されたポリフェノールと、発酵菌が作り出す各種生理活性物質に富む植物発酵物に変わる。
【0047】
また、本発明によって製造された発酵物は、植物材料の栄養成分および薬理成分に、発酵のために添加された発酵液の栄養および薬理成分が加えられ、乳酸菌が生成する各種生理活性物質によって栄養と薬理成分の種類が多様になり、量も増えて健康に一層有益な長所を持つ。さらに、植物材料と発酵液との組み合わせを異にすることで、種々の発酵物を手易く製造することができるが、例えば、緑茶を黄漆発酵液で発酵させると、緑茶-黄漆発酵物が製造され、緑茶を高麗人参発酵液で発酵させると、緑茶-高麗人参発酵物が製造される。本発明の植物発酵物は、薬理作用に優れるため、いろんな分野に使用可能である。例えば、本発明によって製造されるペースト状の発酵物は、水に混合して用いたり、水に有効成分を浸出させて用いてもよく、場合によっては、丸剤にして使用することができるなど、液状の発酵物に比べて、より多様な形態で使用することができるというメリットがある。
【0048】
以下では、具体的な実施例によって本発明による植物発酵液の製造及びこれを利用した植物発酵物の製造過程を詳しく説明し、製造された植物発酵物の効果についても付け加えて説明する。
【0049】
実施例
<第1の発酵液の製造>
【0050】
第1の発酵液を製造するために、第1の植物材料を選択して、水、糖分、乳酸菌を混合して発酵した。使用した第1の植物材料及び含量は、表1に示した通りであり、水100重量部、砂糖5重量部、発酵菌としてLactococcus lactis subsp lactisを1重量部接種して常温で30日間発酵させた。発酵過程が完了した後、液状だけを分離して得ることで発酵液を製造した。
図1及び
図2に各実施例による第1の発酵液の写真を示した。
【0051】
【0052】
<第2の発酵液の製造>
2次発酵液として、乳酸菌の代わりに前述の実施例による第1の発酵液のいずれか一つを使用し、第2の植物材料と水、糖分を混合して第2の発酵液を製造した。使用した第1の発酵液及び第2の植物材料は、下記表2に示した通りであり、第2の植物材料20重量部、水100重量部、砂糖5重量部、第1の発酵液5重量部を接種して常温で30日発酵させた後、液状分のみを分離して得ることで第2の発酵液を完成した。
図3~
図5に各実施例による第2の発酵液の写真を示した。
【0053】
前述の第1の発酵液をもって植物材料を混合して最終植物発酵物を製造することもできるが、本発明では第2の発酵液を製造し、これを植物材料と混合して発酵させる多重発酵工程を経ることで、植物含有ポリフェノールの分解を促進し、最終植物発酵物の成分と機能をさらに向上させる。
【0054】
【0055】
<第3発酵液の製造>
前述の第2の発酵液に第1の植物材料または第2の植物材料と異なる第4植物材料を混合して、薬性が追加された第3発酵液を製造した。実施例9によって製造された黄漆発酵液を第2の発酵液として用い、表3に示した多様な原料を第4植物材料として混合して第3発酵液を製造した。先の実施例と異なり、低温長期発酵過程は進めておらず、常温で混合工程だけで第3発酵液を製造したし、完成された第3発酵液は、常温または冷蔵保管した。
図6及び
図7に各実施例による第3発酵液の写真を示した。
【0056】
【0057】
<最終植物発酵物の製造>
前述の実施例によって製造された発酵液を、第1の植物材料または第2の植物材料と同一または異なる第3植物材料と混合して、常温で熟成させてペースト状の発酵物を製造した。発酵液5リットルと第3植物材料5リットルを発酵筒に入れてよく攪拌して混合した後、常温で、季節によって、5℃~25℃の範囲で、20~30日間熟成して最終発酵物を完成した。使用した第3植物材料及び発酵液の種類は、表4に示した。
図8に、実施例35による植物発酵物の写真を例示的に示した。
【0058】
【0059】
実験例
<実験例1-3>抽出液の保存性の向上
【0060】
a)みかんを搾汁し、実施例9で製造した黄漆発酵液を沸かして滅菌した後、5wt%含量で抽出液に混合して変化を観察した。常温で15日間、冷蔵庫では30日間腐敗しなかったし、みかんの組職を分解させて柔らかい食感が感じられた。時間が経過するほど搾汁混合液から炭酸ガスが発生したが、6ヶ月が経過しても腐敗は起こらなかった。
【0061】
b)赤ビーツを搾汁してみかん搾汁液と同様な方法で実験した結果、腐敗なしに長期間保存性を維持することができた。
【0062】
c)黒ニンニクを熱水抽出して、みかん搾汁液と同な方法で実験した結果、腐敗なしに長期間保存性を維持することができた。
【0063】
図9に、実験例1-3による搾汁混合物の写真を示した。
【0064】
<実験例4-5>発酵液混合シャンプー及びせっけんの脱毛改善
【0065】
a)シャンプーの原料に、実施例9による黄漆発酵液5%を入れて混合シャンプーを製造した。この混合シャンプーを長期間使用した結果、頭皮の皮膚病がなくなり、脱毛防止の効果があった。
【0066】
b)実施例9、10、11、12、13、14、15、16によって製造した8種の発酵液を、等しい割合で混合し、この混合発酵液3%を入れてせっけんを製造した。混合発酵液せっけんを使用して長期間の間顔及び頭皮洗浄に適用した結果、頭皮皮膚病がなくなり、3ヶ月が経過すると、脱毛患者の頭皮で発毛が発生し始めた。
【0067】
図10に、発酵液混合シャンプー及び発酵液混合せっけんの写真を示し、
図11に、実験例4~5による脱毛改善の写真を示した。
【0068】
<実験例6>
実施例9、10、11、12、13、14、15、16によって製造した8種の発酵液を等しい割合で混合し、この混合発酵液を50代の乾癬患者に少量飲用させ、かつ肌に塗らせた結果、1ヶ月後から皮膚が改善されることを確認したし、3ヶ月経過後に皮膚乾癬が完治されることを確認した。
図12~
図14に、実験例6による乾癬皮膚疾患患者の改善された模様を示した。
【0069】
以上、好ましい実施例によって本発明を例示的に説明したが、本発明は、これらの特定の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明で提示した技術的思想、具体的には、特許請求の範囲に記載した範疇内で多様な形態に修正、変更、または改善することができる。
【産業上の利用可能性】
【0070】
前述のように、本発明による植物発酵液を用いた植物発酵物の製造方法を提供することで、製造された植物発酵液を用いた植物発酵物は、常温にて長期保管が可能であり、そのまま飲用したり冷水または湯と混合して希釈させたままお茶や飲み物としても摂取したりすることができ、体内吸収率に優れて天然状態で攝取し難い植物に対しても消化が可能であり、前期植物発酵物は、各種植物が保有している強力な抗酸化作用、防腐作用、抗菌作用、抗炎作用、触媒作用、消化作用など、色々な機能性を利用することができ、医薬品原料、化粧品原料、食品添加剤、植物活性剤、消毒剤など多様な分野に活用され得、植物発酵液を用いた植物発酵物は、人体に対する消化吸収に優れるのみならず、植物成長にも役立つので、各種肥料や病虫害の代替材として活用でき、収穫した植物の貯蔵期間の増大にも供することができる。特に、悪臭成分を取り除く能力が卓越していることから、強力な防臭効果を提供するので、畜産現場の悪臭除去及び環境改善に役に立つことができるので、産業上の利用可能性が非常に高い発明であると言える。
【国際調査報告】