IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ アクソジェン コーポレーションの特許一覧

特表2023-547085湿式組織保管のためのパッケージング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】湿式組織保管のためのパッケージング
(51)【国際特許分類】
   A01N 1/02 20060101AFI20231101BHJP
   B65D 75/34 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
A01N1/02
B65D75/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524283
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-05-25
(86)【国際出願番号】 US2021055711
(87)【国際公開番号】W WO2022087040
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】63/104,411
(32)【優先日】2020-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/504,668
(32)【優先日】2021-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517415528
【氏名又は名称】アクソジェン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】サディク、ミンディ イー.
【テーマコード(参考)】
3E067
4H011
【Fターム(参考)】
3E067AA11
3E067AC01
3E067BA01B
3E067BA01C
3E067BA25B
3E067BA25C
3E067BB01B
3E067BB11B
3E067BB14B
3E067BB14C
3E067BB25B
3E067BC04B
3E067EA04
3E067EB27
3E067FC01
4H011CA01
4H011CB05
4H011CC01
(57)【要約】
空洞(14b)を画定するパッケージング本体と、空洞を流体的にシールするためにパッケージング本体に接合されるように構成されたシール(18b)とを含む、パッケージング・システム(10b)が提供される。パッケージング・システムはまた、空洞内に配設されるように構成された少なくとも1つの組織受け台(16b)を含むことができる。単一のサイズを有する空洞が、異なってサイズ設定された組織受け台を収容するように構成され得る。空洞に加えて、パッケージング・システムは、一定のボリュームの液体を保つように構成された1つまたは複数の追加のリザーバを含むことができる。そのようなパッケージング・システムは、湿式保存または乾式保存されたヒトまたは動物の組織の保管に使用され得る。また、パッケージングされた組織標本、および組織をパッケージングするための方法が、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空洞を画定するパッケージング本体と、
前記空洞内に配設されるように構成された組織受け台と、
前記空洞を流体的にシールするために前記パッケージング本体に接合されるように構成されたシールとを備える、パッケージング・システム。
【請求項2】
前記パッケージング・システムが、複数の組織受け台を備え、前記空洞が、異なるサイズの組織受け台を受け入れるように構成されている、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項3】
前記空洞が、前記空洞内で前記組織受け台の位置を維持するために前記組織受け台の対応するタブと係合するように構成された少なくとも1つのスロットを備える、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項4】
前記組織受け台が、組織標本を支持するように構成されている、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項5】
前記組織受け台が、組織標本を支持し、前記空洞内に配設された液体中に前記組織標本を少なくとも部分的に浸漬するために前記空洞内に嵌まるように構成されている、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項6】
前記組織受け台が、前記空洞からの前記組織受け台の取り外し時に前記組織受け台から液体を排出することを可能にするように構成されている、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項7】
前記組織受け台が、前記空洞からの取り外し時に前記組織受け台から前記液体を排出することを可能にするために1つまたは複数の開口部を含む、請求項6に記載のパッケージング・システム。
【請求項8】
前記組織受け台が、前記組織受け台の操作を容易にするように構成された1つまたは複数の特徴を含む、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項9】
前記パッケージング・システムが、複数の組織受け台を備え、前記複数の組織受け台が、複数のサイズを有する組織標本を支持するように構成されている、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項10】
前記パッケージング・システムが、複数の組織受け台を備え、前記複数の組織受け台が、複数の異なるサイズである、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項11】
前記空洞および前記複数の組織受け台のそれぞれが、前記空洞内で前記複数の組織受け台の任意のものを支持するために共働特徴を含む、請求項10に記載のパッケージング・システム。
【請求項12】
前記シールが、プラスチック・フィルムを含む、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項13】
前記シールが、ホイル・シールを含む、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項14】
前記シールが、前記空洞へのアクセスを可能にするために前記パッケージング本体から剥がすことができるように構成されている、請求項1に記載のパッケージング・システム。
【請求項15】
パッケージングされた組織標本であって、前記組織標本が、組織パッケージング・システム内にパッケージングされ、前記組織パッケージング・システムが、
空洞を画定するパッケージング本体と、
前記空洞内に配設された組織受け台と、
前記空洞を流体的にシールするために前記パッケージング本体に接合されたシールとを備え、
前記組織標本が、前記組織受け台によって支持される、パッケージングされた組織標本。
【請求項16】
前記組織パッケージング・システムの前記空洞が、異なるサイズの組織受け台を受け入れるように構成されている、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項17】
前記組織標本が、
神経組織、維管束組織、泌尿器組織、腱、または筋肉組織の1つまたは複数を含む、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項18】
前記組織パッケージング・システムの前記組織受け台が、前記空洞内に配設された液体中に前記組織標本を少なくとも部分的に浸漬するように構成されている、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項19】
前記組織パッケージング・システムの前記組織受け台が、前記空洞からの取り外し時に前記組織受け台から液体を排出することを可能にするように構成されている、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項20】
前記組織パッケージング・システムの前記組織受け台が、前記空洞からの取り外し時に前記組織受け台から前記液体を排出することを可能にするために1つまたは複数の開口部を含む、請求項19に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項21】
前記組織パッケージング・システムの前記組織受け台が、前記組織受け台の操作を容易にするように構成された1つまたは複数の特徴を含む、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項22】
前記組織パッケージング・システムの前記組織受け台が、前記組織標本のサイズを支持するように構成されている、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項23】
前記組織パッケージング・システムの前記シールが、プラスチック・フィルムを含む、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項24】
前記組織パッケージング・システムの前記シールが、ホイル・シールを含む、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項25】
前記組織パッケージング・システムの前記シールが、前記空洞へのアクセスを可能にするために前記パッケージング本体から剥がすことができる、請求項15に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項26】
組織受け台によって組織標本を支持する工程と、
パッケージング本体内に画定された空洞内に前記組織受け台を置く工程と、
液体によって前記空洞を少なくとも部分的に充填する工程と、
前記空洞を流体的にシールするために前記パッケージング本体にシールを連結する工程とを備える、組織をパッケージングする方法。
【請求項27】
前記組織受け台が、異なるサイズの複数の組織受け台から選択され、前記空洞が、異なるサイズの前記組織受け台のそれぞれを受け入れるように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記組織標本が、
神経組織、維管束組織、泌尿器組織、腱、または筋肉組織の1つまたは複数を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記組織受け台が、前記空洞内に配設された前記液体中に前記組織標本を少なくとも部分的に浸漬するように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記組織受け台が、前記空洞からの取り外し時に前記組織受け台から前記液体を排出することを可能にするように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記組織受け台が、前記空洞からの取り外し時に前記組織受け台から前記液体を排出することを可能にするために1つまたは複数の開口部を含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記組織受け台が、前記組織受け台の操作を容易にするように構成された1つまたは複数の特徴を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項33】
前記シールが、プラスチック・シールおよびホイル・シールの一方を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項34】
前記パッケージング本体に前記シールを連結する工程が、接着結合およびヒート・シーリングの一方を含む、請求項26に記載の方法。
【請求項35】
前記連結されたシールが、前記空洞へのアクセスを可能にするために前記パッケージング本体から剥がされるように構成されている、請求項26に記載の方法。
【請求項36】
空洞および1つまたは複数のリザーバを画定するパッケージング本体と、
前記空洞および前記1つまたは複数のリザーバを流体的にシールするために前記パッケージング本体に接合されるように構成されたシールとを備える、パッケージング・システム。
【請求項37】
前記空洞が、組織標本を支持するように構成されている、請求項36に記載のパッケージング・システム。
【請求項38】
前記空洞内に配設されるように構成された1つまたは複数の組織受け台をさらに備え、前記1つまたは複数の組織受け台が、組織標本を支持するように構成されている、請求項36に記載のパッケージング・システム。
【請求項39】
前記シールが、前記空洞および前記1つまたは複数の流体リザーバへのアクセスを徐々に可能にするために前記パッケージング本体から徐々に剥がすことができるように構成されている、請求項36に記載のパッケージング・システム。
【請求項40】
前記空洞と前記1つまたは複数のリザーバとの間に1つまたは複数の流体通路をさらに備える、請求項36に記載のパッケージング・システム。
【請求項41】
前記1つまたは複数の流体通路が、シールされた状態において前記空洞および前記1つまたは複数のリザーバを流体的に絶縁し、破断された状態において前記空洞と前記1つまたは複数のリザーバとの間に流体連通をもたらすように構成された脆弱シールを備える、請求項40に記載のパッケージング・システム。
【請求項42】
前記脆弱シールが、前記1つまたは複数のリザーバ内の流体圧力が閾値圧力を上回って増大されたときに破断されるように構成されている、請求項41に記載のパッケージング・システム。
【請求項43】
前記脆弱シールが、前記1つまたは複数の流体通路に沿って前記シールと前記パッケージング本体との間の結合強度が弱い領域を含む、請求項41に記載のパッケージング・システム。
【請求項44】
前記脆弱シールが、前記1つまたは複数の流体通路内に配設された破断可能な部材を含む、請求項41に記載のパッケージング・システム。
【請求項45】
前記空洞と前記パッケージング・システムの外部との間に排出路をさらに備える、請求項40に記載のパッケージング・システム。
【請求項46】
前記排出路が、シールされた状態において前記排出路を介して前記パッケージングの前記外部から前記空洞を流体的に絶縁するように構成され、破断された状態において前記排出路を介して前記パッケージング・システムの前記外部に前記空洞を流体的に連結するように構成された、脆弱シールを備える、請求項45に記載のパッケージング・システム。
【請求項47】
パッケージングされた組織標本であって、前記組織標本が、組織パッケージング・システム内にパッケージングされ、前記組織パッケージング・システムが、
空洞および1つまたは複数のリザーバを画定するパッケージング本体と、
前記空洞および前記1つまたは複数のリザーバを流体的にシールするために前記パッケージング本体に接合されたシールとを備え、
前記組織標本が、前記空洞内に配設される、パッケージングされた組織標本。
【請求項48】
前記パッケージング・システムが、前記空洞内に配設された受け台をさらに備え、前記組織受け台が、前記空洞内に配設された前記組織標本を支持する、請求項47に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項49】
前記シールが、前記空洞および前記1つまたは複数の流体リザーバへのアクセスを徐々に可能にするために前記パッケージング本体から徐々に剥がすことができるように構成されている、請求項47に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項50】
前記空洞と前記1つまたは複数のリザーバとの間に1つまたは複数の流体通路をさらに備える、請求項47に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項51】
前記1つまたは複数の流体通路が、シールされた状態において前記空洞および前記1つまたは複数のリザーバを流体的に絶縁し、破断された状態において前記空洞と前記1つまたは複数のリザーバとの間に流体連通をもたらすように構成された脆弱シールを備える、請求項50に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項52】
前記脆弱シールが、前記1つまたは複数のリザーバ内の流体圧力が閾値圧力を上回って増大されたときに破断されるように構成されている、請求項51に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項53】
前記脆弱シールが、前記1つまたは複数の流体通路に沿って前記シールと前記パッケージング本体との間の結合強度が弱い領域を含む、請求項51に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項54】
前記脆弱シールが、前記1つまたは複数の流体通路内に配設された破断可能な部材を含む、請求項51に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項55】
前記空洞と前記パッケージング・システムの外部との間に排出路をさらに備える、請求項40に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項56】
前記排出路が、シールされた状態において前記排出路を介して前記パッケージングの前記外部から前記空洞を流体的に絶縁するように構成され、破断された状態において前記排出路を介して前記パッケージング・システムの前記外部に前記空洞を流体的に連結するように構成された、脆弱シールを備える、請求項55に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項57】
前記組織標本が、液体中に少なくとも部分的に配設される、請求項47に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項58】
前記1つまたは複数のリザーバが、洗浄溶液を含む、請求項50に記載のパッケージングされた組織標本。
【請求項59】
前記洗浄溶液が、前記1つまたは複数の流体通路を介して前記空洞に対して少なくとも部分的に移送されるように構成されている、請求項58に記載のパッケージングされた組織標本。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、組織標本のためのパッケージング・システム、より詳細には液体培地中の組織の保管のためのパッケージング配置に関する。
【背景技術】
【0002】
生体組織は、生体内の埋め込みに使用されるとき、等価の人工デバイスと比較して機能的パフォーマンスを向上させることが多くなり得る。しかし、組織移植片の利用可能性および使用は、固有の供給上の制約、ならびに摘出、輸送、および保管の物流の懸念によって制限され得る。外科的埋め込みに使用するのに適し得る組織の摘出、配送、および保管を可能にするさまざまな技術が、開発されている。しかし、開発されている技術の多くは、ドナー組織を極めて低い温度で保管するための特別な冷凍設備の使用を必要とし得る。そのような要求事項は、入手した組織を利用することができる施設を制限することが頻繁になり得、また、最終的に使用する外科的施設への組織の輸送を複雑にし得る。本明細書に説明されるパッケージングおよび関連する方法は、これらの問題のいくつかを克服し、輸送、保管、術前準備および湿式保存または乾式保存された組織の最終的使用に対するより簡便なアプローチを可能にし得る。いくつかの適切な保管アプローチでは、組織は、組織の有用な保管寿命を延長し得る保存溶液中に保管され得る。いくつかのそのような保管アプローチでは、組織は、外科的場面において使用されるまで保存溶液中に保持され得る。
【発明の概要】
【0003】
一実施態様によれば、パッケージング・システムは、空洞を画定するパッケージング本体を含むことができる。パッケージング・システムはまた、空洞内に配設されるように構成された組織受け台を含むことができる。パッケージング・システムは、空洞を流体的にシールするためにパッケージング本体に接合されるように構成されたシールをさらに含むことができる。
【0004】
次の特徴の1つまたは複数が、含められ得る。空洞は、異なるサイズの組織受け台を受け入れるように構成され得る。空洞は、空洞内に組織受け台の位置を維持するために組織受け台の対応するタブと係合するように構成された少なくとも1つのスロットを含むことができる。
【0005】
組織受け台は、組織標本を支持するように構成され得る。組織受け台は、空洞内に配設された液体中に組織標本を少なくとも部分的に浸漬するように構成され得る。組織受け台は、空洞からの取り外し時に組織受け台から液体を排出することを可能にするように構成され得る。組織受け台は、空洞からの取り外し時に組織受け台から液体を排出することを可能にするために1つまたは複数の開口部を含むことができる。
【0006】
組織受け台は、組織受け台の操作を容易にするように構成された1つまたは複数の特徴を含むことができる。組織受け台は、複数のサイズを有する組織標本を支持するように構成され得る。組織受け台は、複数の組織受け台のうちの1つを含むことができる。複数の組織受け台のそれぞれは、異なるサイズの組織標本を支持するように構成され得る。空洞および複数の組織受け台のそれぞれは、空洞内で複数の組織受け台の任意のものを支持するための共働特徴を含むことができる。
【0007】
シールは、プラスチック・フィルムを含むことができる。シールは、ホイル・シールを含むことができる。シールは、空洞へのアクセスを可能にするためにパッケージング本体から剥がされるように構成され得る。
【0008】
別の実施態様によれば、パッケージングされた組織標本が提供され、組織標本は、組織パッケージング・システム内にパッケージングされる。組織パッケージング・システムは、空洞を画定するパッケージング本体を含むことができる。組織パッケージング・システムはまた、空洞内に配設されるように構成された組織受け台を含むことができる。組織パッケージング・システムは、空洞を流体的にシールするためにパッケージング本体に接合されるように構成されたシールをさらに含むことができる。組織標本は、組織受け台によって支持され得る。
【0009】
次の特徴の1つまたは複数が、含められ得る。空洞は、異なるサイズの組織受け台を受け入れるように構成され得る。組織標本は、それだけに限定されないが、神経組織、維管束組織、泌尿器組織、皮膚組織、腱、および筋肉組織を含む1つまたは複数のヒト組織を含むことができる。組織標本は、それだけに限定されないが、神経組織、維管束組織、泌尿器組織、皮膚組織、腱、および筋肉組織を含む1つまたは複数の動物組織を含むことができる。
【0010】
組織受け台は、空洞内に配設された液体中に組織標本を少なくとも部分的に浸漬するように構成され得る。組織受け台は、空洞からの取り外し時に組織受け台から液体を排出することを可能にするように構成され得る。組織受け台は、空洞からの取り外し時に組織受け台から液体を排出することを可能にするために1つまたは複数の開口部を含むことができる。組織受け台は、組織受け台の操作を容易にするように構成された1つまたは複数の特徴を含むことができる。組織受け台は、複数のサイズのうちの1つを有する組織標本を支持するように構成され得る。組織受け台は、複数の組織受け台のうちの1つを含むことができる。複数の組織受け台のそれぞれは、異なるサイズの複数の組織標本のうちの1つを支持するように構成され得る。空洞および複数の組織受け台のそれぞれは、空洞内で複数の組織受け台の任意のものを支持するために共働特徴を含むことができる。
【0011】
シールは、プラスチック・フィルムを含むことができる。シールは、ホイル・シールを含むことができる。シールは、空洞へのアクセスを可能にするためにパッケージング本体から剥がされるように構成され得る。
【0012】
さらに別の実施態様によれば、組織をパッケージングする方法は、組織支持受け台内で組織標本を支持する工程を含むことができる。方法は、パッケージング本体内に画定された空洞内に組織支持受け台を置く工程を含むことができる。方法は、液体で空洞を少なくとも部分的に充填する工程を含むことができる。方法はまた、空洞を流体的にシールするためにパッケージング本体にシールを連結する工程を含むことができる。
【0013】
次の特徴の1つまたは複数が、含められ得る。組織受け台は、異なるサイズの複数の組織受け台から選択され得る。空洞は、異なるサイズの組織受け台のそれぞれを受け入れるように構成され得る。組織標本は、神経組織、維管束組織、泌尿器組織、腱、および筋肉組織の1つまたは複数を含むことができる。
【0014】
組織受け台は、空洞内に配設された液体中に組織標本を少なくとも部分的に浸漬するように構成され得る。組織受け台は、空洞からの取り外し時に組織受け台から液体を排出することを可能にするように構成され得る。組織受け台は、空洞からの取り外し時に組織受け台から液体を排出することを可能にするために1つまたは複数の開口部を含むことができる。
【0015】
組織受け台は、組織受け台の操作を容易にするように構成された1つまたは複数の特徴を含むことができる。組織受け台は、異なるサイズの複数の組織標本から選択された組織標本を支持するように構成され得る。組織受け台は、複数の組織受け台のうちの1つを含むことができる。複数の組織受け台のそれぞれは、異なってサイズ設定された組織標本を支持するように構成され得る。空洞および複数の組織受け台のそれぞれは、空洞内で複数の組織受け台の任意のものを支持するために共働特徴を含むことができる。
【0016】
シールは、プラスチック・シールおよびホイル・シールの一方を含むことができる。パッケージング本体にシールを連結することは、接着結合およびヒート・シーリングの一方を含むことができる。シールは、空洞へのアクセスを可能にするためにパッケージング本体から剥がされるように構成され得る。
【0017】
別の実施態様によれば、パッケージング・システムは、空洞および1つまたは複数のリザーバを画定するパッケージング本体を含むことができる。パッケージング・システムは、空洞および1つまたは複数のリザーバを流体的にシールするためにパッケージング本体に接合されるように構成されたシールをさらに含むことができる。
【0018】
次の特徴の1つまたは複数が、含まれ得る。空洞は、組織標本を支持するように構成され得る。パッケージング・システムは、空洞内に配設されるように構成された1つまたは複数の組織受け台をさらに含むことができる。1つまたは複数の組織受け台は、組織標本を支持するように構成され得る。シールは、空洞および1つまたは複数の流体リザーバへのアクセスを徐々に可能にするためにパッケージング本体から徐々に剥がすことができるように構成され得る。
【0019】
パッケージング・システムは、空洞と1つまたは複数のリザーバとの間に1つまたは複数の流体通路をさらに含むことができる。1つまたは複数の流体通路は、シールされた状態において空洞および1つまたは複数のリザーバを流体的に絶縁するように構成された脆弱シールを含むことができる。脆弱シールは、破断された状態において、空洞と1つまたは複数のリザーバとの間に流体連通をもたらすように構成され得る。脆弱シールは、1つまたは複数のリザーバ内の流体圧力が閾値圧力を上回って増大されたときに破断するように構成され得る。脆弱シールは、1つまたは複数の流体通路に沿ってシールとパッケージング本体との間の結合強度が弱い領域を含むことができる。脆弱シールは、1つまたは複数の流体通路内に配設された破断可能な部材を含むことができる
パッケージング・システムは、空洞とパッケージング・システムの外部との間に排出路をさらに含むことができる。排出路は、シールされた状態において排出路を介してパッケージングの外部から空洞を流体的に絶縁するように構成された脆弱シールを含むことができる。排出路は、破断された状態において排出路を介してパッケージング・システムの外部と空洞を流体的に連結するように構成された脆弱シールを含むことができる。
【0020】
さらなる実施態様によれば、パッケージングされた組織標本が提供され、この組織標本は、空洞および1つまたは複数のリザーバを画定するパッケージ本体を含むことができる組織パッケージング・システム内にパッケージングされる。パッケージング・システムはまた、空洞および1つまたは複数のリザーバを流体的にシールするためにパッケージング本体に接合されたシールを含むことができる。組織標本は、空洞内に配設される。
【0021】
次の特徴の1つまたは複数が、含められ得る。パッケージング・システムは、空洞内に配設された受け台をさらに含むことができる。組織受け台は、空洞内に配設された組織標本を支持することができる。シールは、空洞および1つまたは複数の流体リザーバへのアクセスを徐々に可能にするためにパッケージング本体から徐々に剥がすことができるように構成され得る。
【0022】
1つまたは複数の流体通路が、空洞と1つまたは複数のリザーバとの間に設けられ得る。1つまたは複数の流体通路は、シールされた状態において空洞および1つまたは複数のリザーバを流体的に絶縁するように構成された脆弱シールを含むことができる。脆弱シールは、破断された状態において空洞と1つまたは複数のリザーバとの間に流体連通をもたらすように構成され得る。脆弱シールは、1つまたは複数のリザーバ内の流体圧力が閾値圧力を上回って増大されたときには破断されるように構成され得る。脆弱シールは、1つまたは複数の流体通路に沿ってシールとパッケージング本体との間の結合強度が弱い領域を含むことができる。脆弱シールは、1つまたは複数の流体通路内に配設された破断可能な部材を含むことができる。
【0023】
パッケージング・システムはまた、空洞とパッケージング・システムの外部との間に排出路を含むことができる。排出路は、シールされた状態において排出路を介してパッケージングの外部から空洞を流体的に絶縁するように構成された脆弱シールを含むことができる。排出路は、破断された状態において排出路を介してパッケージング・システムの外部と空洞を流体的に連結するように構成された脆弱シールを含むことができる。
【0024】
組織標本は、液体中に少なくとも部分的に配設され得る。1つまたは複数のリザーバは、洗浄溶液を含むことができる。洗浄溶液は、1つまたは複数の流体通路を介して空洞に対して少なくとも部分的に移送されるように構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】本開示と一貫する、パッケージング・システムの第1の例示的な実施形態を示す図。
図1B】本開示と一貫する、図1Aのパッケージング・システムの例示的な実施形態の分解図。
図2A】本開示と一貫する、パッケージング・システムの第2の例示的な実施形態を示す図。
図2B図2Aのパッケージング・システムの例証する例示的な実施形態の組織受け台の例示的な実施形態を示す図。
図3A】本開示と一貫する、パッケージング・システムの第3の例示的な実施形態の分解図。
図3B】本開示と一貫する、図3Aのパッケージング・システムの例示的な実施形態の断面図。
図4A】本開示と一貫する、パッケージング・システムの別の例示的な実施形態の上面図。
図4B】本開示と一貫する、図4Aのパッケージング・システムの例示的な実施形態の側面図。
図5A】本開示と一貫する、パッケージング・システムの別の例示的な実施形態の上面図。
図5B】本開示と一貫する、図5Aのパッケージング・システムの例示的な実施形態の側面図。
図6A】本開示と一貫する、パッケージング・システムの別の例示的な実施形態の上面図。
図6B】本開示と一貫する、図6Aのパッケージング・システムの例示的な実施形態の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
概して、本開示と一貫する実施形態は、パッケージング・システムに関することができる。いくつかの実施態様では、パッケージング・システムは、たとえば、移植片または他の用途などの、さまざまな外科的処置に関連して使用するように意図され得る組織標本をパッケージングするために利用され得る。いくつかの例示的な実施形態では、パッケージング・システムは、たとえば、組織の保管または保存を容易にし得る液体培地中に組織標本をパッケージングすることを可能にし得る。いくつかの実施形態では、液体は、保存液および/または保存溶液を含むことができる。さらに、いくつかの例示的な実施形態では、本開示と一貫するパッケージング・システムは、たとえば、パッケージングから組織標本を取り外すときおよび/または他の作業中に、組織標本を操作することをより容易にし得る特徴を含むことができる。
【0027】
たとえば、そして図1Aおよび図1Bを参照すれば、例示的なパッケージング・システム10aが、全体的に示される。例示的な実施形態と一貫して、パッケージング・システム10aは、通常、空洞14aを画定するパッケージング本体12aを含む、ブリスタ・パッキング構成を有することができる。組織受け台16aは、空洞14a内に配設されるように構成されてもよく、パッケージング・システムは、空洞12aを流体的にシールするためにパッケージング本体12aに接合されるように構成されたシール18aをさらに含むことができる。
【0028】
本開示と一貫して、パッケージング本体12aは、それだけに限定されないが、さまざまなプラスチック材料を含む、任意の適切な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、パッケージング本体12aは、ガンマ殺菌、またはパッケージング・システム10aおよび/またはパッケージング・システム10a内に含有されるあらゆるものを殺菌することを可能にし得る他の適切な殺菌技術などによって殺菌を可能にする、プラスチック材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、パッケージング本体12aは、たとえば、酸素が空洞14aの内部内に移行することを防止するために、酸素バリアをもたらし得る適切な材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、パッケージング本体12aは、多層プラスチック材料から形成され得る。パッケージング本体12aは、それだけに限定されないが、熱成形または射出成形を含む任意の適切な形成技術によって形成され得る。
【0029】
パッケージング本体およびその内部に画定された空洞は、任意の適切な形状および構成を有することができる。例示的な実施形態では、空洞14aは、図1Aおよび図1Bに示されるように、略円形または半円筒形の形状を有することができる。いくつかのそのような実施形態では、パッケージング本体12aには、脚部20a、20bなどの特徴が設けられてもよく、この特徴は、(パッケージング本体12aが略水平表面上に置かれたときに)空洞14aの開口部が全体的に上方向に配向された状態で、パッケージング本体12aを安定化させることができる。他の例示的な実施形態では、たとえば図2Aおよび図3A図3Bに示されるように、パッケージング本体12b、12cは、たとえば略平坦な底部を有して形成されてもよく、この平坦な底部は、パッケージング本体12b、12cが略水平の表面上に置かれたとき、空洞14b、14cの開口部が全体的に上向きに配向された状態で、パッケージング本体12b、12cが略安定した配向に位置することを可能にし得る。描かれた実施形態以外の形状および構成が利用されてもよいことが、理解されよう。
【0030】
全般的に論じられるように、パッケージング・システムは、空洞内に少なくとも部分的に配設されるように構成された組織受け台を含むことができる。いくつかの実施形態では、組織受け台は、空洞内に取り外し可能に配設されるように構成され得る。さらに、組織受け台は、シールが略平面状構成を有することができ、組織受け台からの干渉無しにパッケージング本体に接合され得るように、空洞に対してサイズ設定され得る。他の実施形態では、シールは、空洞から少なくとも部分的に突起する組織受け台を収容するために曲線状構成を有することができる。
【0031】
概して、組織受け台は、組織標本を支持するように構成され得る。すなわち、組織受け台は、通常、組織受け台に対して組織標本を保持または配置するように成形され得る。したがって、組織受け台がパッケージング本体の空洞内に取り外し可能に配設され得る実施態様では、組織標本は、(組織標本を支持する)組織受け台を空洞内に置くことによって、および/または空洞から(組織標本を支持する)組織受け台を取り外すことによって、パッケージング内に置かれ、および/またはパッケージングから取り外され得る。たとえば、そして図1A図2Bを参照すれば、いくつかの実施形態では、組織受け台16a、16bは、通常、(たとえば、図1Aに示されるように、組織受け台16aの凹部22a内に組織標本24aを置くことによって)組織標本を支持し得る、凹部、窪み、または空洞(たとえば、凹部22a、22b)を有する開放トレイとして形成され得る。いくつかの実施態様では、組織受け台は、組織標本を少なくとも部分的に取り囲むことができる。たとえば、図3Bの実施形態に示されるように、組織受け台16cは、略クラムシェル型の構成を有することができ、この構成では、組織受け台16cの2つ以上の共働部分がそれぞれ組織標本24cの周りに折り畳まれて、組織標本24cを少なくとも部分的に包囲することができる。本開示と一貫する組織受け台が、空洞内に組織受け台を取り外し可能に置くことによって、パッケージング・システムの空洞内に組織標本を取り外し可能に置くことを可能にするように組織標本を支持し得る、さまざまな追加のおよび/または代替の構成を有してもよいことが理解されよう。
【0032】
組織標本を空洞内に取り外し可能に置くことを可能にすることに加えて、および/またはその代替策として、組織受け台は、パッケージング・システム内で組織標本を保護および/または保持することにも役立ち得る。たとえば、組織受け台は、パッケージング本体の空洞と比較して、比較的小さいサイズを有する組織標本を空洞内に相対位置的に保持することを可能にし得る。たとえば、組織受け台は、空洞内の組織標本の可能な移動程度を低減する(たとえば、組織標本が受ける空洞周りの揺動程度またはその内部の横方向移動程度を低減する)ことができる。組織受け台は、比較的大きい空洞内に比較的小さい組織標本を支持することができるので、いくつかの実施形態では、パッケージング本体は、たとえば、高度な器用さを必要とせずに、ユーザによるパッケージング・システムの操作を容易にするようにサイズ設定され得る。本開示と一貫して、パッケージング・システムは、任意の所望の組織を含有するために使用され得る。たとえば、組織標本は、ヒト組織または動物組織を含むことができる。本開示に関連して使用され得る組織の例は、それだけに限定されないが、神経組織、維管束組織、泌尿器組織、腱、および筋肉組織などを含むことができる。
【0033】
いくつかの実施態様と一貫して、組織受け台は、空洞内に配設された液体中に組織標本を少なくとも部分的に浸漬するように構成され得る。たとえば、パッケージング中、パッケージング本体の空洞は、(たとえば、組織受け台および/または組織標本が空洞内に置かれる前後に)液体培地で少なくとも部分的に充填され得る。液体培地は、(たとえば保管寿命を増大する、生物活性を増大する、レシピエント受容を増大するなどのために)組織標本の1つまたは複数の特徴を維持および/または保存し得る、ならびに/またはたとえば空洞からの組織標本の取り外し中、および/または外科的処置における組織標本の取り扱い中に組織標本の取り扱いを容易にし得る、任意の適切な液体を含むことができる。
【0034】
1つの例によれば、液体は、組織標本の保管および/または保存を容易にすることができる。別の例によれば、液体は、約2重量%から約15重量%の間のジメチル・スルホキシド(DMSO)を含む溶液を含むことができる。溶液はまた、約150g/Lから2.5g/Lの塩化ナトリウムを含むことができる。溶液はまた、約0.3g/Lの塩化カリウムを含むことができる。溶液はまた、約0.2g/Lの塩化カルシウムを含むことができる。溶液はまた、約0.4g/Lの炭酸水素ナトリウムを含むことができる。溶液は、約0.1g/Lの塩化マグネシウムをさらに含むことができる。いずれも参照によって本明細書に援用する、米国特許出願公開第2020/0390087号として公開された、「組織の湿式保存(Wet Preservation of Tissue)」と題する米国特許出願第16/898,224号、および米国特許出願公開第2020/0390088号として公開された、これもまた「組織の湿式保存(Wet Preservation of Tissue)」と題する米国特許出願第16/939,889号内に開示された保存溶液を含む、それだけに限定されないが、一価および二価の金属カチオン(たとえばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)の混合物を備える溶液を含むさまざまな他の液体が、本開示と一貫する実施形態に関連して利用されてもよいことが理解されよう。
【0035】
いくつかの実施形態では、組織受け台は、空洞からの取り外し時に組織受け台から液体を排出することを可能にするように構成され得る。たとえば、上記で論じられたように、組織受け台は、組織受け台が空洞内に少なくとも部分的に配設されたときに液体中に組織標本を少なくとも部分的に浸漬するように構成され得る。さらに、組織受け台は、組織受け台が空洞から取り外されたときに組織受け台から液体を排出すること(したがって、組織標本周りから排出すること)を可能にするように構成され得る。たとえば、組織受け台は、組織標本を支持する組織受け台の凹部または内部から液体を排出することを可能にし得るような、任意の多様なスロット、孔、切欠部、穿孔部を含むことができる。図1Bおよび図2Bを参照すれば、例証される実施形態では、組織受け台16aおよび16bは、凹部22a、22bまたはそれぞれの組織受け台16a、16b内に1つまたは複数のスロット(たとえばスロット26a、26b)を含むことができる。スロット26a、26bは、組織受け台16a、16bが組織標本を支持し続けることを可能にしながらも、組織受け台16a、16bから液体を排出することを可能にし得る。図3A図3Bのさらに例証される例では、クラムシェル型組織受け台16cは、組織標本24cをクラムシェル型組織受け台16が支持し続けることを可能にしながら、クラムシェル型組織受け台16cの内部から液体を排出することを可能にし得る複数の孔(たとえば孔26c)を含むことができる。たとえば空洞からの組織受け台の取り外し時に、組織受け台が組織標本を支持し続けることを可能にしながら組織受け台から液体を排出することを可能にするために、さまざまな追加のおよび/または代替的な構成が設けられてもよいことが理解されよう。
【0036】
本開示と一貫するいくつかの実施形態では、組織受け台は、組織受け台の操作を容易にするように構成された1つまたは複数の特徴を含むことができる。たとえば、上記で全般的に論じられたように、組織受け台は、空洞内で組織標本を支持することができる。パッケージング・システムからの組織標本の取り外しは、空洞からの組織受け台の取り外しによって容易にされ得る。たとえば、組織受け台は、通常、組織標本より大きいサイズおよびより優れた構造的完全性(たとえば強度、硬度など)のものであってもよい。したがって、組織受け台が空洞内にあるままで組織受け台から組織標本を取り外すよりも、組織標本を支持したままの組織受け台を空洞から取り外すことの方がより容易であり得る。追加的に、上記で論じられたように、組織受け台は、組織受け台が空洞から取り外されたときに、組織受け台から液体を排出し、それによって組織標本周りから排出することを可能にし得る、孔、スロットなどの特徴を含むことができる。この目的を達成するために、組織受け台は、組織受け台を手動でおよび/または鉗子もしくはピンセットなどの外科的器具によって操作することを容易にし得る、1つまたは複数の特徴を含むことができる。
【0037】
前述と一貫して、さまざまな実施形態では、組織受け台は、延長部、タブ、フラップ、周囲周りの追加の材料などの特徴、ならびに組織受け台の取り扱いおよび操作を容易にし得る他の適切な特徴を含むことができる。図1A図1Bを参照すれば、例示的な実施形態では、組織受け台16aは、凹部22aの一方の端部からの延長部28aを含むことができる。延長部28aは、たとえば、空洞14aから組織受け台16aを取り外すために、ピンセットまたは鉗子によってより容易に把持可能である簡便な特徴を提供することができる。同様に、図2A図2Bの実施形態では、凹部22bからの延長部28bを含む組織受け台16bが示される。この実施形態と一貫して、延長部28bは、凹部22bに対して長手方向に延びることができるだけでなく、横方向に延びる特徴も含むことができる。さらに、図3Aおよび図3Bを参照すれば、特徴28c、28dは、組織受け台をより容易に把持し、操作することを可能にし得る、クラムシェル型組織受け台16cの両側のタブを含むことができる。さらに、図示されるように、いくつかの実施形態では、特徴28cおよび28dは、互いから少なくとも部分的にずらされてもよく、それによって、たとえば組織受け台16cから組織標本24cを抜き出すために、クラムシェル型組織受け台16cを開放することを容易にすることができる。
【0038】
上記で全般的に論じられたように、組織受け台は、組織受け台から液体を排出することを可能にするように構成され得る。いくつかの実施態様では、使用前に(たとえばレシピエントに組織標本を埋め込む前に)組織標本をすすぐことが望ましくなり得る。たとえば、外科的場面で患者に保管された組織を使用するための準備においてこの組織をすすぐ方法、ならびにその際に使用される液体および溶液は、使用される保管溶液および保存される組織のタイプによって左右され得る。そのような方法およびすすぎ液体、ならびにそのバリエーションは、当業者によって理解されよう。たとえば、いずれも参照によって本明細書に援用する、米国特許出願公開第2020/0390087号として公開された、「組織の湿式保存(Wet Preservation of Tissue)」と題する米国特許出願第16/898,224号、および米国特許出願公開第2020/0390088号として公開された、これもまた「組織の湿式保存(Wet Preservation of Tissue)」と題する米国特許出願第16/939,889号内に開示された方法およびすすぎ液が、使用され得る。そのような実施形態と一貫して、操作特徴(たとえば特徴28a~d)は、空洞からの組織受け台の取り外しを容易にすることができるだけでなく、たとえば組織受け台をすすぎ容器内に下降させる、および/またはすすぎ液体を含有する容器内で組織受け台(および組織受け台によって支持される組織標本)を浸すために把持するのに簡便な組織受け台の部分を提供することによって、組織標本のすすぎを容易にすることができる。この点に関して、組織受け台の排出特徴は、たとえば、組織受け台からすすぎ液を排出することを可能にすることによって、組織標本のすすぎを容易にすることもできる。
【0039】
本開示と一貫するいくつかの実施形態によれば、パッケージング・システムの空洞は、異なるサイズの組織受け台を少なくとも部分的に受け入れるように構成され得る。たとえば、いくつかの状況では、所与のサイズの組織標本を収容するようにサイズ設定された凹部を有する組織受け台を提供することが望ましくなり得る。たとえば、組織受け台の凹部は、たとえば、凹部内の組織標本のより小さい移動を可能にするために、組織標本と同様のサイズであることなどが望ましくなり得る。したがって、比較的大きい凹部を有する組織受け台は、比較的大きい組織標本を支持するために利用され得、比較的小さい凹部を有する組織受け台は、比較的小さい組織標本を支持するために利用され得る。いくつかのそのような配置と一貫して、同じようにサイズ設定された空洞を有する同じパッケージング本体を、異なってサイズ設定された凹部を有する組織受け台と共に使用できることが望ましくなり得る。さらに、組織受け台の凹部のサイズに関係なく、空洞内での組織受け台の移動の自由性が(たとえば、組織標本が凹部からずらされる、または別様では組織受け台が組織標本を支持しなくなるようなやり方で移動されることを防止するために)限定されることが望ましくなり得る。
【0040】
前述と一貫して、空洞が異なるサイズの受け台を少なくとも部分的に受け入れるように構成され得る実施形態では、受け台の全体サイズは、組織標本を支持するための凹部のサイズとは無関係であってもよい。たとえば、図1A図1Bの例証される実施形態では、組織受け台16aは、凹部22aと延長部28aとを含むことができる。組織受け台16aの全体サイズは、空洞14aと略同様であり、および/または空洞14aと略同様の断面図および/または平面図サイズならびに/または形状を有することができる。したがって、組織受け台16aは、通常、空洞14a内で位置的に制約され得る。例示的な実施形態では、空洞14aは、同様の全体サイズを有するが異なってサイズ設定された凹部を有する、異なる組織受け台を少なくとも部分的に受け入れるように構成され得る。たとえば、比較的大きい(たとえば、比較的大きい組織標本を支持するように構成され得る)凹部を有する組織受け台は、比較的小さい延長部を有し、それによって略同様の全体サイズを有することができる。同様に、比較的小さい(たとえば、比較的小さい組織標本を支持するように構成され得る)凹部を有する組織受け台は、比較的大きい延長部を有することができる。可変にサイズ設定された長手方向延長部を有することに加えて、異なってサイズ設定された凹部を有する組織受け台が、たとえば、略同様の全体サイズおよび/または形状を提供するために、可変のサイズの横方向延長部を有してもよいことが理解されよう。
【0041】
いくつかの実施形態では、単一のサイズを有する空洞が、空洞に対して組織受け台を全体的に位置的に制約しながら、異なってサイズ設定された組織受け台を収容するように構成され得る。たとえば、上記で論じられたように、異なってサイズ設定された組織標本を支持するために異なってサイズ設定された凹部を有する異なる組織受け台が、提供され得る。図1Aおよび図1Bに対して論じられた例では、異なるサイズの凹部を有する異なる組織受け台は、(たとえ凹部が異なるサイズであり得る場合でも)同様の全体サイズを有する異なる組織受け台を提供することによって、空洞に対して位置的に制約され得る。別の例と一貫して、空洞および組織受け台は、空洞に対して組織受け台を位置的に制約し得る特徴を含むことができる。たとえば、図2Aに示されるように、空洞14bは、空洞14b内で組織受け台16bの位置を維持するために組織受け台16bの対応するタブ(たとえばタブ32a~32b)と係合するように構成された、少なくとも1つのスロット(たとえば、スロット30a~30d)を含むことができる。
【0042】
前述と一貫して、いくつかの実施形態では、空洞および複数の組織受け台のそれぞれは、空洞内で複数の組織受け台の任意のものを支持するために対応する特徴を含むことができる。たとえば、組織受け台16aの延長部28aは、空洞14aの全体寸法と共働するように構成され得る。さらに、タブ32a、32bは、空洞14bのスロット30a~30dと共働するように構成され得る。したがって、異なってサイズ設定された組織標本を支持するように構成された複数の受け台が、共通してサイズ設定されたおよび/または構成された空洞で利用され得る。
【0043】
例証される実施形態は、空洞14bの両側の4つのスロット30a~30dを利用するが、より多いまたはより少ない数のスロットが利用されてもよいことが理解されよう。追加的に、図2Aおよび図2Bの実施形態は、空洞の各側にスロットおよび組織受け台の各側にタブを含んでいるが、他の実施形態では、スロットは、空洞の一方の側のみに設けられてもよく、タブは、組織受け台の一方の側のみに設けられてもよい。スロットおよびタブ以外の共働する特徴が、同じ結果を達成するために利用されてもよいことも理解されよう。
【0044】
別の例では、空洞に対して組織受け台を位置的に制約することに加えて、共働特徴は、組織受け台によって支持される組織標本のサイズの表示を提供することができる。たとえば、図2Aに示されるように、スロット30a~30dのそれぞれは、関連するサイズマーキングを含む。そのような例と一貫して、サイズマーキングは、サイズマーキングに関連するスロットと係合し得る組織受け台によって保持され得る組織標本のサイズに対応することができる。したがって、共働する特徴は、組織標本のサイズインジケータを提供することもできる。
【0045】
前述と一貫して、いくつかの実施形態では、組織受け台は、複数の組織受け台のうちの1つを含むことができる。複数の組織受け台のそれぞれは、異なってサイズ設定され、すなわち、異なってサイズ設定された組織標本を支持するように構成され得る(たとえば、複数の組織受け台のそれぞれは、異なってサイズ設定された凹部を含むことができる)。いくつかのそのような実施形態では、異なるサイズの組織標本を支持するようにサイズ設定された組織受け台は、同じサイズのパッケージング空洞で使用され得る。しかし、他の実施形態では、異なるサイズの組織標本を支持するように構成された組織受け台それ自体は、異なるサイズのものであってもよいが、同じサイズのパッケージング空洞内に使用されるように構成されてもよく(たとえば、1つの空洞サイズは、異なるサイズの組織受け台を収容することができる)、組織受け台と空洞との間に、空洞に対して組織受け台を位置的に制約するための共働特徴を含むことができる。
【0046】
いくつかの例では、組織受け台は、複数のサイズを有する組織標本を支持するように構成され得る。たとえば、そして図1Aを参照すれば、1つの実施形態では、組織受け台16aは、所与の長さ(たとえば例証される例では15mm)の組織標本を支持するようにサイズ設定された凹部22aを含むことができる。さらに、凹部22aは、所与の長さであるが、異なる直径を有する組織標本(たとえば、まとめて組織標本24d)を支持するようにサイズ設定され得る。たとえば、凹部22aの幅および深さは、所与の長さの最大直径の組織標本を支持するようにサイズ設定されてもよく、最大直径の組織標本より小さい直径の所与の長さの組織標本を適切に支持してもよい。凹部22aは、所与の長さの組織標本を支持するようにサイズ設定されてもよいが、凹部22aは、同様に、より短い長さを有する組織標本も支持可能であることが理解されよう。
【0047】
図3A図3Bも参照すると、いくつかの例示的な実施形態では、単一にサイズ設定された組織受け台16cは、異なる長さおよび/または異なる直径の組織標本を支持するように構成され得る。たとえば、組織受け台16cは、たとえばクラムシェル型構成を有することができ、クラムシェル型構成は、組織標本を囲んで閉鎖されて、組織標本を支持すると共に、クラムシェル型によって画定された、包囲された凹部内に組織標本を保持することができる。したがって、包囲された凹部は、(たとえば、クラムシェル型組織受け台内に配設された組織標本は、組織受け台によってすべての側で囲まれ得るために)組織標本が組織受け台16cから位置ずれすることを抑制しながら、より大きい組織標本およびより小さい組織標本を支持することができる。
【0048】
上記で全般的に論じられたように、パッケージング・システムは、空洞を流体的にシールするためにパッケージング本体に接合されるように構成されたシールを含むことができる。例証されるさまざまな実施形態に示されるように、各パッケージング・システムの空洞は、通常、開放表面を含むことができる。シールは、空洞を流体的にシールするために、また、空洞内に組織受け台および組織標本を保持するために、空洞の周囲周りでパッケージング本体に接合され得る。さらに、シールは、組織標本に関連して利用され得るあらゆる保管液が逃げるのを防止することができるだけでなく、シールは、たとえば組織標本に有害な影響を与え、および/または組織標本の意図する使用を妨げ得るあらゆる汚染物質の進入を防止することもできる。いくつかの実施態様では、シールは、シールがパッケージング本体に接合された後、空洞内への酸素の侵入を防止および/または低減するために、たとえば酸素バリアを追加的にもたらすことができる。
【0049】
多様な適切な材料がシールに使用されてもよいことが、理解されよう。そのような材料の例は、それだけに限定されないが、プラスチック・フィルム、金属ホイル、多層構造(たとえば、プラスチックラミネート紙、プラスチックラミネート金属ホイル、多層プラスチックホイルなど)を含むことができる。追加的に、さまざまな技術が、パッケージング本体にシールを接合して流体密封シールをもたらすために利用されてもよいことが理解されよう。たとえば、シールは、パッケージング本体に接着式に結合されてもよく、パッケージング本体にヘッド結合されてもよく、および/または別様でパッケージング本体に接合されてもよい。さらに、例証される実施形態は、全般的に平面状部材としてシールを描いているが、他の実施形態では、シールは、形状および/または曲線状部材を含んでもよいことが理解されよう。いくつかのそのような実施形態では、シールは、これがパッケージング本体に接合されたときにパッケージング本体の空洞と少なくとも部分的に位置合わせされ得る追加の空洞を含むことができる。
【0050】
例示的な実施形態では、シールは、(たとえば、空洞からの組織受け台および/または組織標本の取り外しを可能にするために)空洞へのアクセスを可能にするためにパッケージング本体から剥がされるように構成され得る。たとえば、上記で論じられたように、シールは、接着結合および/または熱結合(たとえばヒート・シーリング)によって、パッケージング本体に接合され得る。いくつかの実施形態では、シールの一部分は、パッケージング本体に接合されなくてもよい。たとえば、シールの一部分は、シールとパッケージング本体との間の接合部を超えて周辺に延びることができる。たとえば、図1Aおよび図2Aに示されるように、シール18a、18b(それぞれ)は、フラップ部分34a、34b(それぞれ)を含むことができる。シール18a、18bがパッケージング本体に接合されたとき、少なくともフラップ部分34a、34bは、パッケージング本体12a、12bに接合されなくてもよく、シール18a、18bとパッケージング本体12a、12bとの間の接合部を超えて延びることができる。フラップ部分34a、34bは、パッケージング本体12a、12bからシール18a、18bを剥がすためにシール18a、18bを把持するための簡便な場所を提供することができる。同様に、パッケージング本体12a、12bは、シール18a、18bとパッケージング本体12a、12bとの間の接合部を超えて周辺に延び得るタブ36a、36b(それぞれ)を含むことができる。フラップ部分34a、34bと同様のやり方で、タブ部分36a、36bは、パッケージング本体12a、12bからシール18a、18bを剥がすためにパッケージング本体12a、12bを把持するためのパッケージング本体12a、12bの一部分を提供することができる。さまざまな他の実施形態と一貫して、シールは、(たとえば、組織受け台および/または組織標本を取り外すために)空洞へのアクセスを可能にするためにパッケージング本体から切断されるか、または破られ得る。
【0051】
図4から図6を参照すれば、別の例によれば、1つまたは複数のすすぎまたは洗浄溶液を含有するための1つまたは複数のリザーバを含み得るパッケージング配置が、提供され得る。たとえば、図4Aおよび図4Bの例を参照すれば、例示的なパッケージング・システム10dである。図示されるように、パッケージング・システム10dは、組織標本24dを含有するための空洞14dを画定し得るパッケージング本体12dを含むことができる。いくつかの実施形態では、組織標本24dは、組織受け台16dによって支持されてもよく、その一方で他の実施形態では、組織標本は、空洞自体によって支持されてもよい。さまざまな実施態様と一貫して、空洞14dおよび/または組織受け台16dは、これまで説明された任意の空洞および/または組織受け台と同様のやり方で、および/またはこれまで説明された空洞および組織受け台の特徴のさまざまな組み合わせを含んで構成され得る。他の実施態様では、空洞14dおよび/または組織受け台16dは、これまで説明された実施形態とは異なる特徴および/または構成を有することができる。さらに、全般的に言及されるように、いくつかの実施形態では、パッケージング・システム10dは、組織受け台を含まなくてもよい。そのような実施形態と一貫して、組織標本24dは、空洞14dによって支持され得る。
【0052】
空洞14dに加えて、パッケージング・システム10dは、1つまたは複数の追加のリザーバ40a~40cを含むことができる。1つまたは複数の追加のリザーバ40a~40cは、一定のボリュームの液体を保つように構成され得る、パッケージング本体12d内に形成された空洞を含むことができる。先行する実施形態で論じられたように、パッケージング・システム10dは、シール(図示せず)を含むことができ、このシールは、(シールされた構成において)1つまたは複数のリザーバ40a~40cを包囲することができ、1つまたは複数のリザーバ40a~40cへのアクセスを可能にするためにパッケージング本体12dから剥がされ得る。いくつかの実施態様では、シールは、空洞14および1つまたは複数のリザーバ40a~40dへのアクセスを徐々に可能にするためにパッケージング本体12dから徐々に剥がされ得る。たとえば、シールは、空洞14dへのアクセスを可能にするようにパッケージング本体12dから剥がされ得る。その後、シールは、第1のリザーバ40aへのアクセスを可能にするようにパッケージング本体12dから剥がされ得る。次いで、シールは、第2のリザーバ40bへのアクセスを可能にするようにパッケージング本体12dから剥がされ得る。さらに、シールは、第3のリザーバ40cへのアクセスを可能にするようにパッケージング本体12dから剥がされ得る。たとえば、2つ以上のリザーバを一度に露出させるようにパッケージング本体からシールを剥がすなど、他の構成が実施されてもよいことが理解されよう。
【0053】
いくつかの実施態様では、1つまたは複数のリザーバは、組織標本の準備、使用、および/または埋め込みに関連して使用され得る液体および/または物品を含有するために利用され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、組織標本は、保存溶液などの保存培地または処理を使用して保存され得る。いくつかのそのような実施態様では、保存培地を少なくとも部分的に除去するか、または変位させるために使用前(たとえば、埋め込みまたは他の使用前)に組織標本をすすぐか、または洗浄することが望ましくなり得る。そのような実施形態では、リザーバの1つまたは複数が、すすぎ液または洗浄液を含有することができる。一例によれば、組織標本24dの使用中、組織標本24dは、空洞14dから取り外され得、たとえば、リザーバ40a~40cの1つまたは複数内に組織標本24dを置くことによって、および/またはリザーバ40a~40cの1つまたは複数内に含有された液体中に組織標本24dを沈める、および/または浸すことによって、リザーバ40a~40cの1つまたは複数内に含有されたすすぎ液または洗浄液に対して露出され得る。1つの実施形態では、組織標本24は、各それぞれのリザーバ40a~40c内に含有された液体に順次露出され得る。いくつかの実施態様では、各リザーバ40a~40cは、同じ液体を含有することができる。いくつかの実施態様では、リザーバ40a~40cの1つまたは複数は、他のリザーバ40a~40cの1つまたは複数とは異なる液体を含むことができる。たとえば、異なる液体は、組織標本の連続的な洗浄、すすぎ、および/または処理を可能にするために異なるリザーバ内に含有され得る。すすぎ液および/または洗浄液の例は、それだけにされないが、水、生理用食塩水、乳酸リンゲル液(「LRS」)、リン酸緩衝食塩水(PBS)、または他の適切なすすぎ溶液および/液を含むことができる。液体に加えて、および/またはその代替策として、リザーバの1つまたは複数は、組織標本の使用に関連付けられ得る装置の部材、または他の物品を含むことができる。したがって、パッケージング・システム10dは、組織標本と、関連する装置または物品の両方を提供し、保護することができる。他の実施態様が利用されてもよい。3つのリザーバが描かれているが、これは例証するためにすぎず、より多いまたは少ない数のリザーバが設けられてもよいことが理解されよう。
【0054】
図5A図5Bおよび図6A図6Bを参照すれば、さらなる例によれば、1つまたは複数のリザーバは、空洞に流体的に連結されることが可能になり得る。たとえば、1つまたは複数のリザーバは、シールがパッケージング本体の少なくとも一部分に連結および/または接合されたままの間、空洞に流体的に連結されることが可能になり得る。たとえば、図5Aおよび図5Bを参照すれば、空洞14eおよびリザーバ40dを含むパッケージング・システム10eの例が示される。図示されるように、空洞14eは、組織受け台を使用せずに、または使用せずに、組織標本を保持するように構成され得る。この実施形態と一貫して、パッケージング・システム10eは、空洞14eとリザーバ40dとの間に流体通路42aを含むことができる。たとえば、シール(図示せず)は、パッケージング本体12eの周囲部分よりも、流体通路42aの領域内のパッケージング本体12eの方により弱く接合されるようなやり方で、パッケージング本体12eに接合され得る。そのような実施形態と一貫して、空洞14eまたはリザーバ40dに圧力を印加することにより、空洞14eおよび/またはリザーバ40d内に圧力の上昇が引き起こされ得る。圧力のこの上昇により、シールとパッケージング本体12eとの間の接合部は、流体通路42aに沿って破損され得る。流体通路に沿ったシールとパッケージング本体12eとの間の接合部の破損により、空洞14eとリザーバ40dとの間の流体連通が可能になり得る。
【0055】
1つの例では、たとえば、リザーバ40dの領域内でパッケージング・システム10eを圧迫することによって、圧力がリザーバ40dに印加され得る。印加された圧力は、リザーバ40d内ですすぎ溶液および/または他の流体の圧力の上昇を引き起こすことができ、その結果、流体通路42aの領域内でシールとパッケージング本体12eとの間の結合を破損することができる。流体通路の領域内のシールとパッケージング本体との間の結合の破損により、流体通路42aを介したリザーバ40dと空洞14eとの間の流体連通が可能になり得る。いくつかの実施形態では、流体通路42が(たとえばシールとパッケージング本体12eとの間の結合の破損によって)開かれると、リザーバ40d内の圧力上昇により、リザーバ40dから空洞14e内への流体の少なくとも部分的な移送が可能になり得る。いくつかの実施態様では、リザーバから空洞内への流体の少なくとも部分的な移送により、組織標本のすすぎおよび/または洗浄が開始され得る。流体通路42aが、シールとパッケージング本体との間の比較的弱い結合の線および/または領域を表し得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、シールは、流体通路の領域内でパッケージング本体に対して未結合であってもよい。さらに、シールとパッケージング本体との間の結合の比較的細い線が、流体通路を横切って(たとえば、流体通路の接合点と流体通路およびリザーバの接合点との間の1つまたは複数の領域に)設けられ得る。そのような実施形態では、流体通路の全体に沿ってシールとパッケージング本体との間の接合部の破損を引き起こすのではなく、圧力の上昇により、流体通路に沿ってシールとパッケージング本体との間の接合部の比較的小さい範囲の破損のみが引き起こされ、こうして、空洞とリザーバとの間の流体連通のための流体通路をもたらすことができる。前述の配置のいずれかと一貫して、リザーバは、シールとパッケージング本体との間の接合部の破損によって流体通路が開かれるまで、空洞から流体的に絶縁され得る。
【0056】
図6Aおよび図6Bも参照すれば、いくつかの実施形態では、パッキングシステム10fは、1つまたは複数のそれぞれの流体通路(たとえば流体通路42b~42d)を介して空洞14fと流体連通することができ得る2つ以上のリザーバ(たとえばリザーバ40e~40g)を含むことができる。たとえば、空洞14fおよびリザーバ40e~40gは、先行する例示的な実施形態の1つまたは複数に関して全般的に上記で論じられたようなやり方で、パッケージング本体12f内に形成され得る。空洞14fは、組織受け台を使用して、および/または使用せずに組織標本を保持するように構成され得る。1つまたは複数のリザーバ40e~40gは、1つまたは複数の流体通路42b~42dを介して空洞14fに対して少なくとも部分的に移送され得る(たとえば、各リザーバ内の同じ流体および/または1つまたは複数の異なる流体を含み得る)1つまたは複数の流体を含むことができる。したがって、2つ以上の異なる流体に組織標本を露出し、および/または流体への順次的な露出をもたらす(たとえば、順次的なすすぎをもたらす)ことが可能になり得る。
【0057】
いくつかの実施形態では、流体通路の1つまたは複数は、周囲領域と比較して、パッケージング本体12fにシール(図示せず)がより弱く接合された領域を含むことができる。したがって、リザーバ40e~40gの1つまたは複数内で流体に印加された圧力は、それぞれの流体通路に沿って結合の局所的な破損を引き起こすことができる。他の実施形態では、流体通路は、たとえば、流体通路およびリザーバの接合点と、流体通路と空洞との間の接合点との間の個別の領域を除いて、パッケージング本体12fに接合されない。そのような個別の領域は、脆弱シールを表し得る。脆弱シールは、脆弱シールの1つまたは複数が、(たとえば1つまたは複数のそれぞれのリザーバに力を印加することによって)破断するようなときまで、空洞14fとそれぞれのリザーバ40e~40gとの間の流体絶縁を維持することができる。いくつかの実施形態では、流体通路42b~42dの1つまたは複数は、パッケージング本体内および/またはシール内に形成されたチャネルを含むことができる。そのような実施形態と一貫して、流体通路は、たとえば、個別の脆弱シールを含むことができ、この脆弱シールは、それぞれの脆弱シールが(たとえば1つまたは複数のそれぞれのリザーバに対する圧力の印加によって)破断するまで、それぞれの流体リザーバおよび空洞を流体的に絶縁することができる。脆弱シールは、流体通路を流体的にシールし得るが、それぞれのリザーバに対する圧力の印加によって破裂または破断し得る、任意の材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、脆弱シールは、シールとパッケージング本体との間の接合部の破損を引き起こし得る圧力より低い、リザーバに対して印加された圧力で破断することができる。したがって、脆弱シールは、別様ではパッケージング・システムを損なうことなく、1つまたは複数のリザーバと空洞との間に流体連通をもたらすように破断され得る。各リザーバと空洞との間に別個の流体通路が描かれているが、いくつかの実施形態では、流体通路の少なくとも一部分が共通であってもよいことが理解されよう。たとえば、各リザーバは、共通の流体通路によって、1つまたは複数の送り出し通路によって、および/またはそれぞれの脆弱シールを介して直接的に空洞に連結され得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、空洞は、たとえば、パッケージング・システムの外部との流体連通をもたらし得る、排出路を含むことができる。たとえば、図6Aおよび図6Bの例証される例に示されるように、空洞14fは、パッケージング・システム10fの外部との流体連通をもたらし得る排出路44を含むことができる。いくつかの実施形態では、排出路44は、これまで説明された脆弱シールのいずれかと一貫する脆弱シールを含むことができる(たとえば、シールとパッケージング本体12fとの間の比較的脆弱な結合の領域、排出路内に配設された脆弱部材として)。上記で論じられたように、いくつかの実施形態では、たとえば、リザーバと空洞との間の流体通路を(たとえば脆弱シールを破断することによって、および/またはシールとパッケージング本体との間で結合破損を引き起こすことなどによって)開き得る圧力が、リザーバに印加され得る。追加的に、リザーバと空洞との間の流体通路が開かれると、リザーバ上の圧力上昇により、空洞内で圧力の上昇が引き起こされ得る。いくつかの実施形態では、この結果として生じた空洞内の圧力上昇が、(たとえば、脆弱シールを破断することによって、および/またはシールとパッケージング本体との間に結合破損を引き起こすことによって)排出路44を開かせることができる。したがって、空洞は、パッケージング・システムの外部と流体連通することができる。これにより、たとえば、空洞内にすでにある、(および/またはリザーバから空洞に対してそれまでに移送された)あらゆる流体が空洞を出るための排出路を設けることによって、1つまたは複数のリザーバ内の流体の少なくとも一部分が空洞に移送されることが可能になり得る。したがって、いくつかのそのような実施形態では、空洞から流体を、たとえば、この流体をリザーバの1つまたは複数からの流体で変位させることによってフラッシングすることが可能になり得る。さらに、このアプローチは、リザーバからの液体によって組織標本を順次すすぐ、および/または処理するために利用され得る。
【0059】
前述の例示的な実施形態のいくつかが組織標本用のパッケージング・システムの文脈で説明されてきたが、本明細書において説明される原理、特徴、および/または利点が、他の材料用のパッケージングにも同様に適用可能となり得ることが理解されよう。追加的に、前述の例示的な実施形態のいくつかが液体培地中に保管された組織標本のためのパッケージング・システムの文脈で説明されてきたが、本明細書において説明される原理、特徴、および/または利点が、液体培地を使用せずに組織を保管することにも同様に適用可能となり得ることが理解されよう。したがって、本開示は、開示される例示的な実施形態のいずれによっても限定されてはならず、付属の特許請求の範囲の全範囲が与えられなければならない。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
【国際調査報告】