(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】装着型ボビンを含む巻き尺
(51)【国際特許分類】
G01B 3/1043 20200101AFI20231101BHJP
G01B 3/1005 20200101ALI20231101BHJP
【FI】
G01B3/1043
G01B3/1005
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524316
(86)(22)【出願日】2021-09-23
(85)【翻訳文提出日】2023-06-19
(86)【国際出願番号】 IB2021058683
(87)【国際公開番号】W WO2022084769
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0136482
(32)【優先日】2020-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516365172
【氏名又は名称】コメロン コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】カン,ドン ホン
(72)【発明者】
【氏名】アン,ソク ジュン
【テーマコード(参考)】
2F011
【Fターム(参考)】
2F011AB01
2F011AC01
2F011AD05
(57)【要約】
【要約】
【課題】本発明は、使用者や作業者がボビンとブレードを容易に装着することができる巻き尺を提供する。
【解決手段】装着型ボビンを含む巻き尺は第1ハウジングモジュール、装着型ボビン及び第2ハウジングモジュールを含んで、第1ハウジングモジュールは一側にスプリング空間を提供する第1ハウジング、第1ハウジングに一端が回転可能に装着される回転軸、スプリング空間内で一端が第1ハウジングに結束され、他端が回転軸に結束され、第1ハウジングに対して回転軸を回転させるスプリング、及びスプリング空間を覆う第1カバーを含み、第2ハウジングモジュールは第1ハウジングに対応する第2ハウジング及び回転軸の回転をボビンに伝達する動力伝達部を含み、ボビンは第1ハウジングモジュールのうちで回転軸または第1カバーに密着されながら回転軸周辺に装着及び分離が可能であり、ボビンが第1ハウジングモジュールに装着され、第2ハウジングモジュールが第1ハウジングモジュールと組み立てされながら、第1ハウジング、スプリング、回転軸、動力伝達部及びボビンが機械的に連結されることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻き尺において、
一側にスプリング空間を提供する第1ハウジング、前記第1ハウジングに一端が回転可能に装着される回転軸、前記スプリング空間内で一端が前記第1ハウジングに結束され、他端が前記回転軸に結束され、前記第1ハウジングに対して前記回転軸を回転させるスプリング、及び前記スプリング空間を覆う第1カバーを含む第1ハウジングモジュールと、
前記第1ハウジングモジュールのうちで前記回転軸または前記第1カバーに密着されながら前記回転軸の周辺に装着され、ブレードが巻かれるボビンと、及び
前記第1ハウジングに対応する第2ハウジング及び前記回転軸の回転を前記ボビンに伝達する動力伝達部を含む第2ハウジングモジュールと、を含んで、
前記ボビンが前記第1ハウジングモジュールに装着され、前記第2ハウジングモジュールが前記第1ハウジングモジュールと組み立てされながら、前記第1ハウジング、前記スプリング、前記回転軸、前記動力伝達部及び前記ボビンが機械的に連結されることを特徴とする、装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項2】
前記第1カバーは前記回転軸の外面を収容するように突き出されたシリンダー型の延長部をさらに含み、前記ボビンは前記回転軸または前記延長部の外面に接することを特徴とする請求項1に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項3】
前記第2ハウジングモジュールの前記動力伝達部は前記第2ハウジングの内側に装着されて前記回転軸の他端とかみ合う第1ギア、前記第1ギアとかみ合う第2ギア及び前記第2ギアとかみ合って前記ボビンに回転を伝達する第3ギアを含むことを特徴とする請求項1に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項4】
前記第2ハウジングモジュールは前記第1ギア及び前記第2ギアが装着されたギア空間を覆う第2カバーをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項5】
前記第3ギアは前記ボビンと一体で形成され、前記第2ハウジングモジュールが前記第1ハウジングモジュールに結束される時、前記第3ギアが前記第2カバーを通過して前記第2ギアとかみ合うことを特徴とする請求項4に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項6】
前記第3ギアは前記第2カバー内の前記ギア空間に装着され、前記第2ハウジングモジュールが前記第1ハウジングモジュールに結束される時、前記第3ギアが前記ボビンと結束されることを特徴とする請求項4に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項7】
前記回転軸は前記スプリング空間の外縁に沿って回転するフランジを含んで、前記スプリングの前記他端は前記フランジに結束され、前記スプリングの前記一端は前記スプリング空間の中央部で前記第1ハウジングに結束されることを特徴とする請求項1に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項8】
前記スプリングの前記一端が固定され、前記フランジの回転中心で前記回転軸に回転可能に結束される固定突起を含んで、前記固定突起は前記第1ハウジングに固定されることを特徴とする請求項7に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項9】
巻き尺において、
一側にスプリング空間を提供する第1ハウジング、前記第1ハウジングに一端が回転可能に装着される回転軸、前記スプリング空間内で一端が前記第1ハウジングに結束され、他端が前記回転軸に結束され、前記第1ハウジングに対して前記回転軸を回転させるスプリング、及び前記スプリング空間を覆う第1カバーを含む第1ハウジングモジュールと、
前記第1ハウジングモジュールのうちで前記回転軸または前記第1カバーに密着されながら前記回転軸の周辺に装着され、ブレードが巻かれるボビンと、及び
前記第1ハウジングに対応する第2ハウジングを含む第2ハウジングモジュールと、を含んで、
前記ボビンが前記第1ハウジングモジュールに装着されながら前記回転軸の自由端部と直接結束され、前記第2ハウジングモジュールが前記第1ハウジングモジュールと組み立てされながら、前記第1ハウジング、前記スプリング、前記回転軸及び前記ボビンが機械的に連結されることを特徴とする、装着型ボビンを含む巻き尺。
【請求項10】
前記第1カバーは前記回転軸の外面を収容するように突き出されたシリンダー型の延長部をさらに含み、前記ボビンは前記回転軸または前記延長部の外面に接することを特徴とする請求項9に記載の装着型ボビンを含む巻き尺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き尺に関するものであり、より詳細には、使用者や作業者がボビンとブレードを容易に装着することができる巻き尺に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般な巻き尺はハウジング、ハウジング内部に弾性支持されるリール(reel)、リールにコイル形態で絡められたブレード(blade)、ブレードの端部に結合されたエンドフック(end hook)を含む。使用者は測定のためにブレードをエンドフックが結合された端部から引き出して、所望の長さ程度引き出して対象の長さまたは距離を測定することができる。
【0003】
また、弾性的に作動するリール(reel)はぜんまいバネ及びぜんまいバネを収容するボビン(bobbin)を含んで、ボビンの外面にブレードが絡められた状態で提供されてハウジングに引き出しされ、前記ぜんまいバネの復元力によって引き出しされたブレードはボビンに巻かれる方向に復帰することができる。
【0004】
これに関して、アメリカ特許第6,751,883号(2004.06.22.登録)に“REEL ROTATION MOUNT ARRANGEMENT EQUIPPED WITH FRICTION REDUCTION MEANS FOR TAPE MEASURE”が開示される。前記リール装着に関する内容を見れば、ブレードとスプリングは一つのリール内に収容され、スプリングの一端が軸に固定されて他端がリールまたはブレードに固定される。よって、最初装着のためにスプリングを最大限巻いて装着しなければならないし、一度リールを装着するようになれば分離することがとても難しい。
【0005】
アメリカ公開特許第2011/0099828号(2011.05.21.公開)には“COMPACT TAPE MEASURE”が開示されているし、前記コンパクト巻き尺でもリターンスプリングの一端が軸に固定されて他端がスプールに固定されて一旦装着された状態ではスプリングと結束されたスプールを分離するのがとても難しい。勿論、製造する過程でもスプリングを巻くことからスプールをハウジング内に固定させることも易しくない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ブレードを巻くためのリール、スプールまたはボビンを巻き尺に装着するにおいて、装着過程が容易で必要であったら交替も容易な巻き尺に関するものである。
【0007】
本発明は、スプリングとボビンを直接的に連結しないで間接的に連結してスプリングと別個でボビンを装着、分離または交替することができる巻き尺に関するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した本発明の目的らを達成するための本発明の例示的な一実施例によれば、装着型ボビンを含む巻き尺は第1ハウジングモジュール、装着型ボビン及び第2ハウジングモジュールを含んで、第1ハウジングモジュールは一側にスプリング空間を提供する第1ハウジング、第1ハウジングに一端が回転可能に装着される回転軸、スプリング空間内で一端が第1ハウジングに結束され、他端が回転軸に結束され、第1ハウジングに対して回転軸を回転させるスプリング、及びスプリング空間を覆う第1カバーを含み、第2ハウジングモジュールは第1ハウジングに対応する第2ハウジング及び回転軸の回転をボビンに伝達する動力伝達部を含み、ボビンは第1ハウジングモジュール中で回転軸または第1カバーに密着されながら回転軸周辺に装着及び分離が可能であり、ボビンが第1ハウジングモジュールに装着され、第2ハウジングモジュールが第1ハウジングモジュールと組み立てされながら、第1ハウジング、スプリング、回転軸、動力伝達部及びボビンが機械的に連結されることができる。
【0009】
第1カバーは回転軸の外面を収容するように突き出されたシリンダー型延長部をさらに含むことができるし、この場合回転軸または延長部の外面がボビンの内面と接しながら、ボビンの装着を容易にしてボビンの回転を安定的に支持することができる。
【0010】
ボビンが回転軸の外面に対応して密着するように装着されることで、ボビンの空間をさらに効率的に活用することができる。例えば、ボビンと軸の間の空間が省略されることで、ボビンに巻かれるブレードを多様な長さで提供することができるし、ブレードの長さを増加させながらもハウジングの全体大きさを増加させなくても良い。
【0011】
また、25ft、35ft、45ft、50ftなどのように多様な長さのブレードとボビンの組合を利用しても、ボビンと動力伝達部の間の結合構造さえ維持すれば、ハウジング及び回転軸、スプリングなどを分離する必要もなしにボビンだけ交替して多様な長さの巻き尺を具現することができる。また、このような装着と交替が容易で作業能率が向上されることは勿論、一般使用者もボビンとブレードを易しく交替するようにすることもできる。
【0012】
第2ハウジングモジュールの動力伝達部はギアまたはギア列を利用して回転軸の自由端部とボビンを機械的に連結することができる。一例で、動力伝達部は第2ハウジングの内側に装着されて回転軸の他端とかみ合う第1ギア、第1ギアとかみ合う第2ギア及び第2ギアとかみ合ってボビンに回転を伝達する第3ギアを含むことができる。
【0013】
第2ハウジングモジュールは第1ギア及び第2ギアが装着されたギア空間を覆う第2カバーをさらに含むことができる。
【0014】
第3ギアもギア空間に装着されるか、またはボビンと一体で形成されることもできる。例えば、第3ギアがボビンと一体で形成されれば、第2ハウジングモジュールが第1ハウジングモジュールに結束される時、第3ギアが第2カバーを通過して第2ギアとかみ合うことができるし、第3ギアがボビンと分離してギア空間に装着されれば、第2ハウジングモジュールが第1ハウジングモジュールに結束される時、第3ギアがボビンと結束されることができる。
【0015】
スプリングを基準で第1ハウジングはスプリングの外側で連結されることができるが、スプリングの内側でも連結されることができる。この場合、回転軸はスプリング空間の外縁に沿って回転するフランジをさらに含むことができるし、スプリングの外側に位置した他端はフランジに結束され、スプリングの内側に位置した一端はスプリング空間の中央部で第1ハウジングに結束されることができる。
【0016】
回転軸がフランジを含んでスプリングの外側で連結される場合、固定突起を利用して組み立てをさらに容易にすることができる。例えば、固定突起がスプリングの内側に位置した一端と直接固定され、フランジの回転中心で回転軸に回転可能に結束されることができる。したがって、固定突起は回転軸に結束されるが、前記固定突起が組み立てされた第1ハウジングの非円形突起に結束されながら、スプリングの一端は第1ハウジングに固定され、スプリングの他端は回転軸に固定されるようにすることができる。
【0017】
前述した本発明の目的らを達成するための本発明の例示的な一実施例によれば、装着型ボビンを含む巻き尺は、第1ハウジングモジュール、装着型ボビン及び第2ハウジングモジュールを含んで、第1ハウジングモジュールは一側にスプリング空間を提供する第1ハウジング、第1ハウジングに一端が回転可能に装着される回転軸、スプリング空間内で一端が第1ハウジングに結束され、他端が回転軸に結束され、第1ハウジングに対して回転軸を回転させるスプリング、及びスプリング空間を覆う第1カバーを含み、第2ハウジングモジュールは第1ハウジングに対応する第2ハウジングを含み、ボビンは第1ハウジングモジュール中で回転軸または第1カバーに密着されながら回転軸周辺に装着及び分離が可能であり、ボビンが第1ハウジングモジュールに装着されながら回転軸の自由端部と直接結束され、第2ハウジングモジュールが第1ハウジングモジュールと組み立てされながら、第1ハウジング、スプリング、回転軸及びボビンが機械的に連結されることができる。
【0018】
以前の実施例と異なるようにギアやギア列などを利用した動力伝達部なく、ボビンが回転軸または第1カバーに密着装着されながら回転軸の自由端部がボビンに直接結束されることもできる。この場合回転軸の自由端部を四角、三角などの多角柱形状で形成し、ボビンにそれに対応する溝を形成して回転軸の他端とボビンを物理的に直接結束することもできる。
【0019】
第1カバーは回転軸の外面を収容するように突き出されたシリンダー型延長部をさらに含むことができるし、ボビンの内面は回転軸または延長部の外面に接することができる形状で提供されることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の巻き尺は実質的に第1ハウジングモジュール、第2ハウジングモジュールのような半製品モジュールで提供され、その間にブレードを巻くためのボビンを装着し、ハウジングモジュールを組立てることで装着過程が容易で交替も容易にすることができる。
【0021】
既存の巻き尺ではスプリングの復元力が回転軸を基準でボビン、ブレードの順序で伝達したら、本実施例による巻き尺ではスプリングの復元力がハウジングを基準で回転軸、動力伝達部、ボビン及びブレードの順序で伝達されることができる。
【0022】
本発明の巻き尺はスプリングとボビンを直接的に連結しないで間接的に連結するために、スプリングを分解しなくても別個でボビンとブレードを装着、分離または交替することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の一実施例による巻き尺の斜視図である。
【
図3】
図1の巻き尺の第2ハウジング内側を説明するための斜視図である。
【
図4】
図1のA-A断面を説明するための断面図である。
【
図5】
図1の巻き尺の結合過程を説明するための断面図である。
【
図6】
図1と類似な構造の巻き尺らを利用してブレードの長さを多様化する過程を説明するための断面図らである。
【
図7】本発明の他の実施例による巻き尺の構造を説明するための断面図である。
【
図8】本発明の他の実施例による巻き尺の構造を説明するための断面図である。
【
図9】本発明の他の実施例による巻き尺の構造を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下添付された図面らを参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明するが、本発明が実施例によって制限されるか、または限定されるものではない。参照で、本説明で等しい番号は実質的に等しい要素を指称し、前記規則下で他の図面に記載された内容を引用して説明することができるし、当業者に自明であると判断されるか、または繰り返される内容は省略されることがある。
【0025】
図1は、本発明の一実施例による巻き尺の斜視図であり、
図2は
図1の巻き尺の分解斜視図であり、
図3は
図1の巻き尺の第2ハウジング内側を説明するための斜視図であり、
図4は
図1のA-A断面を説明するための断面図であり、
図5は
図1の巻き尺の結合過程を説明するための断面図である。
【0026】
図1乃至
図5を参照すれば、本実施例による巻き尺100は装着、分離または交替が可能なボビン140を含んで、ボビン140を中心に第1ハウジングモジュール(I)と第2ハウジングモジュール(II)が組み立てされて巻き尺の組み立てを完成することができる。すなわち、第1ハウジングモジュール(I)に所望のブレード180とボビン140を装着し、第2ハウジングモジュール(II)で反対側を覆って組立てることで既存巻き尺に比べて組み立て及び補修を容易にできる。
【0027】
装着型ボビンを含む巻き尺100は第1ハウジングモジュール(I)、ボビン140及び第2ハウジングモジュール(II)を含む。第1ハウジングモジュール(I)は内部にスプリング空間112を提供する第1ハウジング110、第1ハウジング110に一端が回転可能に装着される回転軸130、スプリング空間112内で一端が第1ハウジング110に結束され、他端が回転軸130に結束され、第1ハウジング110に対して回転軸130を復元回転させるスプリング190及びスプリング空間112を覆う第1カバー160を含んで、これら要素らが半製品形態で半組み立てされて提供されることができる。
【0028】
そして、第1ハウジングモジュール(I)で回転軸130または第1カバー160が突き出された構造を形成するが、この導出された回転軸130にブレード180が全部絡められているボビン140を挟んで回転軸130に組立てることができる。
【0029】
第2ハウジングモジュール(II)は第1ハウジング110に対応する第2ハウジング120及び回転軸130の回転をボビン140に伝達する動力伝達部150を含むことができる。第2ハウジングモジュール(II)が第1ハウジングモジュール(I)に組み立てされながら、ボビン140を覆って、回転軸130の他端を回転可能に固定することができる。
【0030】
既存の巻き尺ではスプリングの復元力が回転軸を基準でボビン、ブレードの順序で伝達されるが、本実施例による巻き尺ではスプリングの復元力がハウジングを基準で回転軸、動力伝達部、ボビン及びブレードの順序で伝達されることができる。
【0031】
また、既存の巻き尺で2個のハウジングのうちで一つを分離すればスプリングがすべて解けることができるし、一旦解けたスプリングは普通人の力では全部巻くことができない。
【0032】
しかし、本実施例ではブレードが全部巻かれた状態でのボビン140を回転軸130に挟んで、そのまま第2ハウジングモジュール(II)を組立てるか、または回転軸130を略90度程度巻いて第2ハウジングモジュール(II)を固定する過程だけでも組み立て過程を完了することができる。反対に、第1ハウジングモジュール(I)と第2ハウジングモジュール(II)を分離すると言っても、スプリング190はスプリング空間112に閉じこめておいた状態において分離される心配もなくて、スプリング空間112内で最大限解けた状態において危険でもない。
【0033】
また、スプリング190とボビン140が直接連結されないで、スプリング190とボビン140が回転する回転軸130及び動力伝達部150を通じて間接的に伝達されるために、スプリング190を分解しなくてもボビン140とブレードを巻き尺から分離または交替することが可能である。
【0034】
参照で、本実施例でスプリング190はぜんまい形状で提供されることができるし、従来に比べて狭い幅及び厚い厚さで形成されることができる。スプリング190はブレード180を巻くための力を持続的に提供することができるし、ハウジング外部に引き出しされたブレード180がハウジング内部に復帰してボビン140中央に絡められるようにすることができる。勿論、スプリングは他の形態で提供されることができるし、場合によってはスプリングの代わりに電子モータで復元力の代わりをするか、または補助することもできる。
【0035】
第1ハウジング110と第2ハウジング120との間には回転軸130、第1カバー160、ボビン140、第2カバー170及び動力伝達部150が提供されることができる。特に、本実施例で回転軸130は第1ハウジング110及び第2ハウジング120に固定されないでハウジング内で回転することができるし、スプリング空間112内に収容されるスプリング190の外側が第1ハウジング110に固定され、スプリング190の内側が回転軸130にスプリングの回転力を伝達することができる。
【0036】
スプリング190と回転軸130が装着された状態で、シリンダー型延長部162が形成された第1カバー160が第1ハウジング110の内側に固定されることができる。第1カバー160が第1ハウジング110に装着されながら、
図5の右側のように、第1ハウジング110を基本にスプリング190、回転軸130及び第1カバー160が一体で連結された一つの半組み立て部品が提供されることができる。
【0037】
また、
図3に示されたところのように、第2ハウジング120の内側にギア空間122が形成されることができるし、ギア空間122には第1ギア152及び第2ギア154が提供されることができる。第2ギア154はギア空間122に形成された3個の突起軸124に装着されることができるし、第1ギア152を中心に3個の第2ギア154がかみ合って提供されることができる。
【0038】
本実施例で、第2ギア154らの内側に第3ギア156が提供されることができるし、第3ギア156の中心は中空に提供されて第1ギア152の結束部が露出されることができる。
図5の左側のように、第2ハウジング120を基本に第1ギア152、第2ギア154、第3ギア156及び第2カバー170が一体で連結されたまた一つの半組み立て部品が提供されることができる。
【0039】
ここでブレード180が巻かれたボビン140が提供され、ボビン140を回転軸130及びシリンダー型延長部162が突き出された部分に挿入し、第2ハウジング120を含む第2ハウジングモジュール(II)を第1ハウジングモジュール(I)に組立てることができる。この過程でストッパ118などは第1ハウジング110と第2ハウジング120との間に装着されることができる。
【0040】
第1ハウジングモジュール(I)と第2ハウジングモジュール(II)を組立てる過程で、回転軸130の端部結束部132は第1ギア152と結束されることができるし、第3ギア156もボビン140の内側と結束されることができる。よって、回転軸130の回転は端部結束部132を通じて第1ギア152に伝達され、第1ギア152の回転は第2ギア154を経って第3ギア156に伝達され、第3ギア156の回転は再びボビン140に伝達されることができる。ギアの減速比などを適切に調節してスプリング190の回転とボビン140の回転の割合を適切に調節することができる。
【0041】
図6は、
図1と類似な構造の巻き尺らを利用してブレードの長さを多様化する過程を説明するための断面図らである。
【0042】
図6を見れば、第1ハウジング110、第2ハウジング120、回転軸130、スプリング190、第1カバー、第2カバー、ギアらを等しく維持しながら、多様な長さに対応するブレードとボビンを装着または交替することができる。
【0043】
(a)のように、略35ft長さのブレード180のためのボビン140を基準で、略45ft及び50ftなどでその測定可能な長さを増加させようとする時にも、(b)と(c)のように、生産者や使用者は同一構造に挟まれるブレード(180-m、180)とボビン(140-m、140)を異にして装着し、その測定長さを拡張させることができる。そして、このような過程でハウジング110、120の大きさはそのまま維持され、ボビンでのブレード領域を増加させることでできる。
【0044】
このような観点で、生産者は同一構造及び同一サイズのハウジングを利用するが、ブレードとボビンを異にすることで多様な商品群を形成することができるし、使用者も必要ならばブレードとボビンを交替して新しい製品のように使用するか、または他の長さで交替することも可能である。
【0045】
また、
図5に示されたところのように、ブレード180が巻かれたボビン140を装着する時にも、生産者などは第1ギア152と回転軸130を結束する前に第2ハウジング120の中央貫通ホール126を通じて回転軸130を小さな角度程度、例えば、略90度程度だけ回して、この状態で第1ギア152と回転軸130を結束しながら、ハウジング結合を完了することができる。すなわち、組み立て前にスプリングをほとんど最後まで回して最大テンションを維持するようにする過程を略することができる。
【0046】
第1カバー160は全体的にT-字形の断面を有することができるし、中央には回転軸130を収容することができる中空のシリンダー型延長部162を提供することができる。シリンダー型延長部162は内面で回転軸130の軸ベアリング機能ができて、回転軸130と延長部162は外面としてはボビン140の軸ベアリング機能をすることができる。シリンダー型延長部162によって回転軸130とボビン140との間の直接的な接触を阻むか、または減らすことができるために回転軸130とボビン140との間の滑りをさらに円滑にすることができる。
【0047】
本実施例の動力伝達部150は第1ギア152、第2ギア154及び第3ギア156を利用したギア列を利用することができるし、これらギア列は中央に貫通ホールが形成された第2カバー170によって保護されることができる。ギアを利用した動力伝達部150によってボビン140の回転数に比べてスプリング190と連結された回転軸130の回転数を相対的に少なく維持するようにできて、
図6のように、ブレード180の測定可能長さが長くなるほどボビンは十分な回転数を確保しなければならないので、ギア列を利用した減速比を活用することができる。
【0048】
図7は、本発明の他の実施例らによる巻き尺の構造を説明するための断面図らであり、
図8は本発明の他の実施例らによる巻き尺の構造を説明するための断面図らである。
【0049】
図7の(a)を見れば、第3ギア156-aをボビン140-aと一体で形成することも可能である。動力伝達部の第3ギア156-aがボビン140-aと一体で形成されることができるし、第2ハウジング120の第2カバー170には第3ギア156-aが進入することができる空間が形成されることができる。第2ハウジング120と第1ハウジング110が結合されながら、ボビン140-aと一体である第3ギア156-aが第2カバー170を通過して第2ギア154とかみ合うことができるし、一旦かみ合えば回転軸130から伝達される復元力をボビン140に伝達することができる。
【0050】
図7の(b)を見れば、動力伝達部なしに回転軸130-bの端部結束部132-bとボビン140-bの内側が直接連結されることができる。この場合減速比は期待することができないが、回転軸130-bの回転はボビン140-bで直接連結されることができる。
【0051】
回転軸130の端部結束部132-bは円形ではない非円形、例えば四角柱、三角柱などの多角柱形状で提供されることができるし、ボビン140に結束される部分も多角柱形状に対応する溝またはホールを形成して回転軸130-bの他端と物理的に直接結束されることができる。
【0052】
図8の(c)を見れば、第1カバー160-cはシリンダー型延長部なしにディスク形状で提供されることができる。この場合にも回転軸130-cは第1ギア152、第2ギア154及び第3ギア156-cを通じてボビン140-cに回転力を伝達することができる。
【0053】
図8の(d)を見れば、動力伝達部及びシリンダー型延長部なしに提供されることができるし、回転軸130-dの端部結束部132-dとボビン140-dが直接結束されることができる。参照で、端部結束部132-dからボビン140-dと結束される部分は多角柱形状で提供されることができるし、第2ハウジング120-dに挿入される部分は円錐または円錐台形状で提供されることができる。第1カバー160-dはシリンダー型延長部なしにディスク形状で提供されることができるし、ギア空間とともに第2カバーも省略されることができる。
【0054】
図9は、本発明の他の実施例による巻き尺の構造を説明するための断面図である。
【0055】
図9を参照すれば、巻き尺は半製品組み立て状態の第1ハウジングモジュール(I)及び第2ハウジングモジュール(II)で提供され、その間に装着されるボビン140-eを含むことができる。
【0056】
第1ハウジングモジュール(I)の回転軸130-eは単純シャフト構造外にもフランジ134-eを含む構造で形成されることができる。本実施例で回転軸130のベースにはスプリング190を収容することができるフランジ134-eをさらに含むことができるし、フランジ134-eによってスプリング190-eの外側が回転軸130-eに連結され、スプリング190-eの内側が第1ハウジング110-eに固定されるようにできる。
【0057】
フランジ134-eは回転軸130-eと一体で形成され、スプリング空間112-eの外縁またはわくに沿って回転することができるし、固定突起114-eを利用して回転軸130-eは第1ハウジング110-eに対して回転可能に装着されることができる。
【0058】
固定突起114-eは第1ハウジング110-eに対して非円形溝を含むことができるし、第1ハウジング110-eは非円形溝に対応する突起を含むことができる。固定突起114-eはスプリング190-eの内側端部と結束されることができるし、フランジ134-eの内面はスプリング190-eの外側端部と結束されることができる。
【0059】
したがって、回転軸130-e、フランジ134-e、固定突起114-e及びスプリング190-eもまるで一つの半組み立て部品のように提供されることができるし、生産者は第1ハウジング110-eに回転軸130-eを含む半製品部品を装着し、その上にブレード180とボビン140-eを挿入した後、最後に第1ギア152と第2ギア154を含む第2ハウジング120を組立てて巻き尺組み立てを完成することができる。
【0060】
この時、ボビン140-eと第3ギア156-eは一体で提供されることができるし、第2ハウジング120が結合されながら第3ギア156-eは第2ギア154とかみ合うように装着されることができる。
【0061】
前述したところのように、本発明の望ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者なら下記の請求範囲に記載された本発明の思想及び領域から脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更させることができることを理解することができるであろう。
【符号の説明】
【0062】
100 巻き尺
110 第1ハウジング
112 スプリング空間
130 回転軸
140 ボビン
180 ブレード
【国際調査報告】