(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】通信デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
H04W 72/512 20230101AFI20231101BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20231101BHJP
H04W 72/23 20230101ALI20231101BHJP
【FI】
H04W72/512
H04W84/12
H04W72/23
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524524
(86)(22)【出願日】2021-10-29
(85)【翻訳文提出日】2023-06-14
(86)【国際出願番号】 EP2021080077
(87)【国際公開番号】W WO2022090440
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チオキナ-カー ダナ
(72)【発明者】
【氏名】ハンデ トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベレンスエラ ダニエル
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA14
5K067DD11
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本開示は、PPDUをプリエンプション処理する、すなわち、非レイテンシセンシティブ・トラフィックを運ぶPPDUを切り取り、レイテンシに制約のあるSTAを提供するという概念に関する。一態様によれば、第2の通信デバイスと通信するように構成された第1の通信デバイスが提供される。この第1の通信デバイスは、無線チャネル上の上記第2の通信デバイスと第3の通信デバイスの間で進行中のデータ交換をリッスンし、上記第3の通信デバイスに上記データ交換中に送信されたデータユニットを含むパケットから、上記データユニットの受信継続時間を推定し、上記データユニットの推定された上記受信継続時間の終端前に、上記データユニットの送信が切り取られているかどうか、かつ/または、トランケーション条件が満たされているかどうかを判定し、上記データユニットの送信が切り取られていた場合および/またはトランケーション条件が満たされた場合には、上記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、上記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信するように構成された回路を具備し、上記データユニットが切り取られていなかった場合には、上記受信継続時間は、上記第3の通信デバイスによる上記データユニットの受信時間を示す。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第2の通信デバイスと通信するように構成された第1の通信デバイスであって、
無線チャネル上の前記第2の通信デバイスと第3の通信デバイスの間で進行中のデータ交換をリッスンし、
前記第3の通信デバイスに前記データ交換中に送信されたデータユニットを含むパケットから、前記データユニットの受信継続時間を推定し、
前記データユニットの推定された前記受信継続時間の終端前に、前記データユニットの送信が切り取られているかどうか、かつ/または、トランケーション条件が満たされているかどうかを判定し、
前記データユニットの送信が切り取られていた場合および/またはトランケーション条件が満たされた場合には、前記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、前記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信する
ように構成された回路を具備し、
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第1の通信デバイス。
【請求項2】
前記回路は、前記無線チャネルが推定された前記受信継続時間前にアイドル状態かビジー状態かを評価し、かつ/または、
前記無線チャネルがビジーである場合、チャネルを周期的にリッスンして、前記データユニットの送信が切り取られているか否か、かつ/または、トランケーション条件が満たされているか否かを判定する
ように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項3】
前記回路は、
判定されたトランケーションの後にかつ推定された前記受信継続時間の前に、前記無線チャネルがビジーである原因となったデータユニットが、前記第1の通信デバイスの受信機アドレス、および/または、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションに対応する識別子を含むことを検証する
ように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項4】
前記回路は、データ送信のトランケーションの精度、フレーム間スペースおよび/または送信された前記データユニットの推定された前記受信持続時間によって決定される時間間隔で、前記無線チャネルを周期的にリッスンし、かつ、または、
前記第2の通信デバイスに送信された前記データユニットのプリアンブルに含まれる情報から、または、低レイテンシサービスセッションを確立する際に前記第1の通信デバイスと前記第3の通信デバイスの間でネゴシエートされたパラメータセットから、データ送信のトランケーションの精度を決定し、かつ、または、
前記送信されたデータユニットに含まれるOFDMシンボルの継続時間の整数倍に対応する時間間隔で、前記無線チャネルを周期的にリッスンする
ように構成されている
請求項2に記載の第1の通信デバイス。
【請求項5】
前記回路は、
前記第1の通信デバイスがアクティブ低レイテンシトラフィックセッションに関与していること、
前記第1の通信デバイスが前記第2の通信デバイスによって前記第3の通信デバイスに送信されたデータユニットのPHYヘッダに示されていること、
前記第1の通信デバイスが前記第2の通信デバイスによって前記第3の通信デバイスに送信されたデータユニットのMACフィールドに示されていること、
PHYデータユニット内および/またはMACデータユニット間で、もしくは、前記第2の通信デバイスによって前記第3の通信デバイスに送信されたMACデータユニットの後に、意図的なトランケーションを示すトランケーションパターンが識別されていること、および、
意図的なトランケーションが、送信されたデータユニットに適用可能であることを示す、前記送信されたデータユニットのプリアンブル内のトランケーションフラグが、前記第1の通信デバイスによって識別されていること
のうちの1つ以上をトランケーション条件として用いるように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項6】
前記回路は、
前記第1の通信デバイスではなく前記第3の通信デバイスに対してのみ、1つ以上のMACデータユニットを含む前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記進行中のデータ交換のデータユニットにおけるプリアンブル情報の意図された受信者として、前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスを識別するデバイス識別子を識別し、
前記デバイス識別子が識別され、かつ、前記進行中のデータ交換におけるトランケーションが判定されている場合には、前記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、前記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信する
ように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項7】
前記回路は、
進行中の送信が切り取られ、プリエンプティブデータユニットが前記第2の通信デバイスとの間で送受信されることを示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を、前記進行中の送信のデータユニットにおいて識別し、かつ、
前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示が識別された場合に、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されている
請求項5に記載の第1の通信デバイス。
【請求項8】
前記回路は、
前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記第1の通信デバイス用の空のリソース割り当てを識別し、かつ、
前記第1の通信デバイス用の空のリソース割り当てを識別した場合に、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されている
請求項5に記載の第1の通信デバイス。
【請求項9】
前記回路が、
前記第2の通信デバイスから前記第3の通信デバイスへのデータユニットが、第1の通信デバイスと第2の通信デバイスの間で確立されたアクティブなプリエンプティブ低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションの識別子に対応する識別子を含むかどうか、または、
進行中の送信の時間が、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシトラフィックセッションセットアップで示された間隔と部分的にオーバーラップするかどうか、または、
進行中の送信の時間が、低レイテンシセッションセットアップで確立されたものに対応する識別子を含む割り当て期間と部分的にオーバーラップするかどうか、または、
進行中の送信の時間が、プリエンプション指示で定義されたスケジュール間隔と部分的にオーバーラップするかどうか、
を判定し、ならびに、
ネットワーク割当ベクトル、NAVをリセットし、かつ/または、前記第1の通信デバイスがアクティブな低レイテンシトラフィックセッションに関与し、意図的なトランケーションが判定される場合、受信したデータユニットの推定された継続時間が経過する前に、チャネルがビジーまたはアイドルであるかどうかを再評価する
ように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項10】
前記回路が、
前記データユニットの予期される継続時間が経過する前に、意図的なトランケーションが判定され、かつ、前記低レイテンシトラフィックセッションの確立におけるものとパラメータが一致する場合、前記第2の通信デバイスとの間でデータユニットを送受信し、かつ/または、
前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間でプリエンプティブ低レイテンシトラフィックセッションを、進行中の送信に先行するフェーズでセットアップし、かつ/または、
トランケーションの精度、データユニットがより切り取りされやすい時間間隔、および、トランケーション後の追従送信の潜在的な受信者として前記第1の通信デバイスを識別するアクティブな低レイテンシトラフィックセッションに使用されるべき識別子のうちの1つ以上を含む、1つ以上のトランケーション関連パラメータ用の機能をネゴシエートまたは指示する
ように構成されており、
トラフィック特性、プリエンプション機能およびプリエンプション・パラメータに関する1つ以上の情報が交換されかつ/または確認されている
請求項9に記載の第1の通信デバイス。
【請求項11】
前記回路が、
前記進行中のデータ交換における、MACプロトコルデータユニット(MPDU)のヘッダ、またはPHYプロトコルデータユニット(PPDU)のプリアンブルにおいて、前記進行中のデータ交換が切り取られる可能性があることを示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を識別し、
プリエンプト可能な指示が識別された場合には、トランケーション通知を識別するために受信したデータユニットをデコードする
ように構成されている
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項12】
前記回路が、
前記進行中のデータ交換におけるMACプロトコルデータユニット(MPDU)の受信機アドレスがブロードキャストまたはマルチキャストとして定義されているかどうかを識別し、かつ、
前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されており、
前記マルチキャストは、前記第1の通信デバイスの識別子を含み、かつ、
送信されたデータユニットは、前記進行中のデータ交換における早期終了に続いて、潜在的な受信機またはプリエンプティブデータユニットの送信機として前記第1の通信デバイスを示す、MAC制御フレームを少なくとも含む
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項13】
前記回路は、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の後のデリミタの数および/または構造を識別し、かつ、
前記デリミタの数および/または構造が識別されていれば、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されており、
前記デリミタの数および/または構造は、進行中の送信が意図的に切り取られることを示すプリエンプト可能な指示、および/または、割り当ての指示、もしくは、前記第1の通信デバイスがプリエンプティブデータユニットの潜在的な送受信機としてそれ自体を識別することができるトラフィック識別子を表す
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項14】
前記回路は、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の内部または終端における制御フレームまたは制御フィールドを識別し、
前記制御フレームまたは前記制御フィールドが識別されていれば、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されており、
前記制御フレームまたは前記制御フィールドは、前記進行中のデータ交換が切り取られるか、または、プリエンプティブデータユニットが前記第2の通信デバイスとの間で送受信されるか、を示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を含むかまたは示す
請求項1に記載の第1の通信デバイス。
【請求項15】
第1の通信デバイスおよび第3の通信デバイスと通信するように構成された第2の通信デバイスであって、
無線チャネル上で前記第3の通信デバイスとの継続的なデータ交換を行い、
前記第3の通信デバイスへのデータユニットの送信を切り取り、かつ、
推定された受信継続時間が終了する前に、前記第1の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットの受信を開始するか、または、前記第1の通信デバイスへのプリエンプティブデータユニットの送信を開始する
ように構成された回路を具備し、
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第2の通信デバイス。
【請求項16】
前記回路は、プリエンプション機能を示し、かつ/または、プリエンプティブ低レイテンシセッションを確立し、ならびに/もしくは、前記第1の通信デバイスとプリエンプション・パラメータを示しかつ/またはネゴシエートするように構成されている
請求項15に記載の第2の通信デバイス。
【請求項17】
前記回路は、
判定されたトランケーションの後にかつ推定された前記受信継続時間の前に、前記無線チャネルがビジーである原因となったデータユニットにおいて、前記第1の通信デバイスの受信機アドレス、および/または、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションに対応する識別子を含み、かつ/または、
前記第1の通信デバイスではなく前記第3の通信デバイスに対してのみ、1つ以上のMACデータフレームを含む前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記進行中のデータ交換のデータユニットにおけるプリアンブル情報の意図された受信者として、前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスを識別するデバイス識別子を含み、かつ/または、
進行中の送信が切り取られ、プリエンプティブデータユニットが前記第1の通信デバイスとの間で送受信されることを示すプリエンプト可能な指示を、前記進行中の送信のデータユニットにおいて含み、かつ/または、
前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記第3の通信デバイスを示す情報フィールドおよび対応するリソース割り当てと、前記第1の通信デバイスを示す情報フィールドおよび対応する空のリソース割り当てと、および/または、プリエンプション指示とを含むか、かつ/または、
前記第2の通信デバイスから前記第3の通信デバイスへのデータユニットにおいて、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立されたアクティブなプリエンプティブ低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションの識別子に対応する識別子を含むか、または、進行中の送信の時間が、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシトラフィックセッションセットアップで示された間隔と部分的にオーバーラップし、かつ/または、
前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間でプリエンプティブ低レイテンシトラフィックセッションを、進行中の送信に先行するフェーズでセットアップし、かつ/または、
前記進行中のデータ交換における、MACプロトコルデータユニット(MPDU)のヘッダ、またはPHYプロトコルデータユニット(PPDU)のプリアンブルにおいて、前記進行中のデータ交換が切り取られる可能性があることを示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を含み、かつ/または、
前記進行中のデータ交換におけるMACプロトコルデータユニット(MPDU)の受信機アドレスをブロードキャストまたはマルチキャストとして定義し、かつ/または、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の後のデリミタの数および/または構造を含み、ならびに/もしくは、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の内部または終端における制御フレームまたは制御フィールドを含む
ように構成されており、
トラフィック特性、プリエンプション機能およびプリエンプション・パラメータに関する1つ以上の情報が交換されかつ/または確認されており、
前記マルチキャストは、前記第1の通信デバイスの識別子を含み、かつ、
送信されたデータユニットは、前記進行中のデータ交換における早期終了に続いて、潜在的な受信機またはプリエンプティブデータユニットの送信機として前記第1の通信デバイスを示す、MAC制御フレームを少なくとも含み、
前記デリミタの数および/または構造は、進行中の送信が意図的に切り取られることを示すプリエンプト可能な指示、および/または、割り当ての指示、もしくは、前記第1の通信デバイスがプリエンプティブデータユニットの潜在的な送受信機としてそれ自体を識別することができるトラフィック識別子を表し、ならびに、
前記制御フレームまたは前記制御フィールドは、前記進行中のデータ交換が切り取られるか、または、プリエンプティブデータユニットが前記第2の通信デバイスとの間で送受信されるか、を示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を含むかまたは示す
請求項15に記載の第2の通信デバイス。
【請求項18】
第2の通信デバイスと通信するための第1の通信方法であって、
無線チャネル上の前記第2の通信デバイスと第3の通信デバイスの間で進行中のデータ交換をリッスンするステップと、
前記第3の通信デバイスに前記データ交換中に送信されたデータユニットを含むパケットから、前記データユニットの受信継続時間を推定するステップと、
前記データユニットの推定された前記受信継続時間の終端前に、前記データユニットの送信が切り取られているかどうか、かつ/または、トランケーション条件が満たされているかどうかを判定するステップと、
前記データユニットの送信が切り取られていた場合および/またはトランケーション条件が満たされた場合には、前記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、前記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信するステップと
を含み、
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第1の通信方法。
【請求項19】
第1の通信デバイスおよび第3の通信デバイスと通信するための第2の通信方法であって、
無線チャネル上で前記第3の通信デバイスとの継続的なデータ交換を行うステップと、
前記第3の通信デバイスへのデータユニットの送信を切り取るステップと、
推定された受信継続時間が終了する前に、前記第1の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットの受信を開始するか、または、前記第1の通信デバイスへのプリエンプティブデータユニットの送信を開始するステップと
を含み
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第2の通信方法。
【請求項20】
プロセッサによって実行されると、請求項18または19に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム製品内に記憶される
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、それらが通信するための第1の通信デバイスおよび第2の通信デバイスに関する。本開示は、さらに、対応する通信方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.11-2016で定義されているWLANは、パケットベースのデータ転送を実装する。1つ以上の入力データパケットまたはMSDU(MAC層サービスデータユニット)が存在し、無線チャネルが空いている場合、これらのMSDUは、PPDU(物理層プロトコルデータユニット)として1つ以上のピアWLAN通信デバイスに送信される前に、1つ以上のMPDU(MAC層プロトコルデータユニット)へのMAC層およびPHY層によって処理される。
【0003】
無線チャネルで測定されるこのようなPPDUの長さには一定の制限が適用される。これらの制限により、最大長または送信時間は、考慮される規格に応じて2ms~10ms(時折20ms)の範囲に制限される。送信時間はPPDU送信の開始時に決定され、固定される。チャネルアクセス、プリアンブル送信、および/または制御フレーム送信を獲得するためのオーバヘッドが無視できるので、長い送信時間は、通信の高効率にとって有利である。
【0004】
低遅延通信のコンテキストでは、アクセスポイント(AP)または局(STA)は、非レイテンシセンシティブ・データパケットとレイテンシセンシティブ・データパケットの両方を送信することができる。しばしば、レイテンシセンシティブ・パケットの到着はランダムで、未知で、予測不可能である。従って、1つ以上のレイテンシセンシティブMSDUが到着した時、1つ以上の非レイテンシセンシティブMSDUの送信がちょうど開始されたことが起こる可能性がある。
現在のWLANの振る舞いによれば、レイテンシセンシティブMSDUを伝達する新しいPPDU送信が開始される前に、進行中のPPDU送信が終了することを要求される。従って、レイテンシセンシティブMSDUは、それらの伝送のために許容できない長さを待つ必要がある可能性がある。
【0005】
本明細書で提供される「背景技術」の説明は、本開示の背景を大まかに提示するためのものである。現に指名された発明者の著作物は、本背景技術の項に記載されている範囲において、また、出願時に先行技術とされていなかった明細書の態様において、本開示に対して先行技術として明示的にも黙示的にも認められない。
【発明の概要】
【0006】
例えば、レイテンシセンシティブ・データユニットが、進行中のデータ交換が実行されるものとは異なる通信デバイスから到着する場合に、改善された方法で、かつ、データ交換が進行中の状況で正しい振る舞いを扱う通信デバイスおよび方法を提供することが目的である。
さらに別の目的として、通信方法を実現するための対応するコンピュータプログラム、および通信方法を実現するための非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0007】
一態様によれば、第2の通信デバイスと通信するように構成された第1の通信デバイスが提供され、この第1の通信デバイスは、
無線チャネル上の上記第2の通信デバイスと第3の通信デバイスの間で進行中のデータ交換をリッスンし、
上記第3の通信デバイスに上記データ交換中に送信されたデータユニットを含むパケットから、上記データユニットの受信継続時間を推定し、
上記データユニットの推定された上記受信継続時間の終端前に、上記データユニットの送信が切り取られているかどうか、かつ/または、トランケーション条件が満たされているかどうかを判定し、
上記データユニットの送信が切り取られていた場合および/またはトランケーション条件が満たされた場合には、上記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、上記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信する
ように構成された回路を具備し、
上記データユニットが切り取られていなかった場合には、上記受信継続時間は、上記第3の通信デバイスによる上記データユニットの受信時間を示す。
【0008】
さらに別の態様によれば、第1の通信デバイスおよび第3の通信デバイスと通信するように構成された第2の通信デバイスが提供され、この第2の通信デバイスは、
無線チャネル上で上記第3の通信デバイスとの継続的なデータ交換を行い、
上記第3の通信デバイスへのデータユニットの送信を切り取り、かつ、
推定された受信継続時間が終了する前に、上記第1の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットの受信を開始するか、または、上記第1の通信デバイスへのプリエンプティブデータユニットの送信を開始する
ように構成された回路を具備し、
上記データユニットが切り取られていなかった場合には、上記受信継続時間は、上記第3の通信デバイスによる上記データユニットの受信時間を示す。
【0009】
第1の通信デバイスおよび第2の通信デバイスに対応するさらなる別の態様によれば、
コンピュータプログラムをコンピュータ上で実行するときに、コンピュータに本明細書に開示する方法のステップを実行させるためのプログラム手段を具備するコンピュータプログラムと、
プロセッサによって実行されるときに、本明細書に開示する方法を実行させるコンピュータプログラム製品を記憶する非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体と、
が提供される。
【0010】
本実施形態は、従属請求において定義される。開示された通信方法、開示されたコンピュータプログラム、および開示されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、クレームされた通信デバイスと同様の、および/または、同一のさらなる実施形態を有し、本明細書に記載かつ/または開示された従属クレームで定義される。
【0011】
本開示の1つの態様は、PPDUをプリエンプション処理する、すなわち、レイテンシ制約のあるSTAを処理するために、非レイテンシセンシティブ・トラフィックを運ぶPPDUを切り取るという概念である。さらなる態様は、トランケーション(切り取り)の理由であるSTAでの正しい動作を可能にするための強調、すなわち、即時更新を必要とするSTAまたは即時更新を必要とするSTAを扱う。
さらに、正しい振る舞いのための開示された技法は、低レイテンシセンシティブ・データが送られる通信デバイスが、意図的なトランケーションが実行され、かつ、後続のデータ送信の意図された受信者(レシピエント)であることを正しく理解することを可能にする。
【0012】
本開示のコンテキストにおいて、第1の通信デバイスは「プリエンプティブ局」または「pSTA」とも呼ばれ、第2の通信デバイスは「アクセスポイント」または「AP」とも呼ばれ、第3の通信デバイスは「始動局」または「sSTA」とも呼ばれる。
【0013】
前述の段落は一般的な導入により提供されており、以下の特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。説明される本実施形態は、さらなる利点とともに、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
添付の図面に関連して考慮される場合、以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるようになるので、本開示およびその付随する利点の多くのより完全な理解は、容易に得られる。
【
図1】
図1は、従来の無線LANにおけるデータユニットの関係と構成を示す図である。
【
図2】PPDU切り取りなしの、非レイテンシセンシティブかつレイテンシセンシティブ・データ送信を示す図である。
【
図3】非レイテンシセンシティブかつレイテンシセンシティブ・データ送信とPPDU切り取りを示す図である。
【
図4】WLANにおける送信のためのPHYとMAC間の相互作用を示す図である。
【
図6】本開示を適用するための第1のシナリオを概略的に示す。
【
図7】本開示を適用するための第2のシナリオを概略的に示す。
【
図8】本開示を適用するための第3のシナリオを概略的に示す。
【
図9】IEEE 802.11規格で定義されている受信機手順のいくつかのステップのフローチャートを概略的に示す。
【
図10】本開示による通信デバイスの模式図を示す。
【
図11】本開示に係る第1の通信デバイスの通信方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【
図12】本開示に係る第2の通信デバイスの通信方法の一実施形態のフローチャートを示す。
【
図13】IEEE 802.11規格で定義された受信機手順のいくつかのステップの修正されたフローチャートを概略的に示す。
【
図14A】pSTAクリア・チャネル・アセスメント(CCA)と、N個のOFDMシンボルの後のトランケーションの場合の振る舞いを示す図である。
【
図14B】pSTAクリア・チャネル・アセスメント(CCA)と、N個のOFDMシンボルの後のトランケーションなしの場合の振る舞いを示す図である。
【
図15】sSTAおよびpSTA ID指示を含むsPPDUフォーマットを示す図である。
【
図16】プリエンプションを示すための新たなデリミタ構造をもつ、切り取り可能なPPDUのペイロードフォーマットを示す図である。
【
図17】非AP局が低レイテンシトラフィック・セッションを開始するセッションの動作を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図面を参照すると、
図1は、いくつかの図全体にわたって同一または対応する部分を示し、
図1は、一般に知られているWLANにおけるデータユニットの関係および構成、特にMSDUまたはA-MSDU(集約MSDU)、MPDU、PSDU(物理層サービスデータユニット)およびPPDUを示す。
【0016】
本開示によれば、PPDU送信、すなわち、データユニットの送信は、既に送信されたデータを失うことなく、切り取られる(または遮断遮断される)ものとする。従って、これは、進行中のPPDU送信の受信機フレンドリなトランケーション(切り取り)と見なすことができる。
【0017】
図2および
図3は、低レイテンシ通信に対するPPDUトランケーションの利点を示す図を示している。
図2によると、PPDUトランケーションは使用されず、
図3によると、PPDUトランケーションが使用される。両方の図が従来のWLAN振る舞いを示し、MSDU到着時間が両方の図において等しいことに留意されたい。
【0018】
図2によれば、非レイテンシセンシティブMSDUを保持するPPDU 10は、PPDU 11内に保持されたレイテンシセンシティブMSDUが送信される前に終了することが要求される。これは、レイテンシセンシティブMSDUが送信可能になるまでキューまたはメモリにバッファされる必要があるため、レイテンシセンシティブMSDUに対して不要なキュー遅延を引き起こす。
しかしながら、
図3によれば、非レイテンシセンシティブ・データを保持するPPDU 20を2つのPPDU部21および22に切り取ることにより、レイテンシセンシティブ・データを保持するPPDU 23の高速伝送が可能になる。
従って、レイテンシセンシティブMSDUのキュー遅延は、
図2と比較して小さくなる。
図2のPPDU切り取りと比較して、
図3の非レイテンシセンシティブ・データのキュー遅延の増加は、異なるトラフィックタイプのキュー遅延のトレードオフを提供できるが、減少は提供しない。非レイテンシセンシティブMSDUとレイテンシセンシティブMSDUは、異なるSTAを対象としてもよいに注意すべきである。
【0019】
WLAN内では、PHYおよびMAC層の信号処理は、一実施形態ではブロック単位で行われてもよい。いくつかの処理ステップでは、ブロック長が異なる。想定されるPPDUトランケーション動作に対して守られるブロック長は、LDPC符号ワード長、OFDMシンボル長、およびMPDUデータユニットである。
【0020】
MPDUデータユニットは、(i)ヘッダ情報、(ii) (暗号化)ユーザデータ、しばしばMSDU、および(iii)フレームチェックシーケンス(FCS)から構成される。FCSは、ユーザデータおよび/またはヘッダ情報内の伝送エラーを検出するために使用される。誤差が検出された場合、MPDUは破棄され、そのMDPUの送信機から再送信が要求されてもよい。
1つ以上のMPDUをA-MPDUに集約して、1つのPPDUで送信することができる(
図1)。PSDU、すなわちMPDUまたはA-MPDUがMAC層で容易に利用可能になると、すなわち、少なくとも送信されるデータ量が既知であると、PHY層は送信のためにトリガされる。
【0021】
図4は、送信のためのPHYとMACの相互作用、すなわち、PPDU送信の開始およびMACとPHY間のデータ転送を示している。MACはPHYをトリガして、PHY-TXSTART.request(要求)(TXVECTOR)機能(またはプリミティブ)によって送信を開始する。この要求には、PHY入力データユニット(PSDU)の長さ情報、変調符号化方式(MCS)、すなわちコードレートとコンスタレーションダイアグラムサイズ、空間ストリームの数、MIMOモード、帯域幅およびRUサイズなどのPHYの1つ以上の構成パラメータを保持するTXVECTORが含まれる。
【0022】
この情報に基づいて、PHYはLDPCおよびOFDM変調のためのブロックサイズとそれぞれの構造を決定する。このプロセスは様々なステップを保持しており、開示された解決策の一部ではないため、ここでは省略する。異なるブロックサイズは、PSDUの少なくとも終端(および好ましくは始端)ですべてのブロックの境界が一致するように決定される。これらのブロックサイズおよび関連するブロック構造は、それぞれのPPDUの符号化および変調プロセス全体の間、固定されたままである。
図5は、ブロック単位の操作と、PSDUの最初と最後のブロック境界の一致を視覚化したものである。
【0023】
図4では、PHY-TXSTART.requestとブロックサイズの計算に続いて、PHYは信号情報(SIG)と同様にチャネル見積もりシークエンス(STF、LTF)とトレーニングシンボルの送信を開始する。
この信号情報は、受信機がそのPPDUの受信用にPHYを設定するために使用される。SIGフィールドデータがコンパイルされると、PHYはPHY-TXSTART.confirm (TXSTATUS)プリミティブを発行して、データ交換の準備ができたことをMACに報告する。その後、MACはPHYDATA.request(DATA, USER_INDEX)プリミティブを使用してPHYにデータを送信する。これにより、DATAは、USER_INDEXによって識別されるユーザに対して送信される実際のデータを保持する。
多くの場合、DATAはサイズ1オクテットである。PHYは、PHY-DATA.confirmプリミティブを発行して正常なデータ転送を確認する。データ交換は、MACがPHYに送信を終了させることを示すPHY-TXEND.requestを発行するまで継続される。その後、無線メディアで送信されなくなった時点で、PHYはPHY-TXEND.conformによって送信が終了したことをMACに通知する。
【0024】
リアルタイムアプリケーション(RTA)のコンテキストでは、APは、レイテンシとジッタのポイントに厳しい制約がある基本サービスセット(BSS)内でSTAを処理する必要がある。一方、現在WLANで定義されているPPDUは、比較的長い伝送時間、例えば5msを持つことができる。従って、PPDUをプリエンプトする、即ち、非レイテンシセンシティブ・トラフィックを運ぶPPDUを切り取るという概念が、レイテンシに制約のあるSTAに役立つように出現した。
PPDU送信の切り取りは、PHYTXEND.requestプリミティブによっていつでもMACによって実行されてよい。しかしながら、この方法で切り取ることは、未完成の最後のOFDMシンボルを導く可能性があり、従って、受信機によって復調できず、データ損失に帰着するPPDUの部分的に損傷に至るかもしれない。さらに、PPDUの切り取りを引き起こしたもの、たとえばキャリア損失、干渉、および意図的な切り取りである可能性があることは、受信機にとっては明らかではない。受信機がPPDUの内容を切り取りまで正しくデコードできるようにするために、PPDUの早期終了の場合、特定のパディング技術が用いられる。
【0025】
APが、他のSTAとのデータ交換を行うために、STAに向けてデータユニットを切り取るとき、既存手法に従ってトランケーションを行うことは、上述のデータ損失のために、PPDUの最初の意図された受信機である前者のSTAだけでなく、トランケーションが行われる後者のSTAにも悪影響を及ぼす可能性がある。
本開示では、トランケーションの理由、すなわち、即時更新を必要とするか、即時更新を必要とするSTAで、STAでの正しい振る舞いを可能にするための、機能の拡張が提示される。
【0026】
【0027】
プリエンプティブSTA (pSTA)へのDL送信のためにダウンリンク(DL) PPDUトランケーションを使用する第1のシナリオを
図6に概略的に示す。
このシナリオでは、AP (本明細書では第2の通信デバイスとも呼ぶ)は、PPDU (本明細書では、一般に開始データユニットまたはsPPDUとも呼ぶ)を最初のSTA (本明細書では第3の通信デバイスまたは開始STAとも呼ぶ)に向けて送信する。sPPDU送信中のある時点において、APの上層は、異なるSTA (ここでは第1の通信デバイスまたはpSTA)に高優先度データを送信する必要性を示す。
結果として、処理遅延(pDelay)の後、sPPDUは切り取られ、sSTAへの送信は停止され、所定の時間間隔フレーム間スペース(IFS)の後、APは新たなPPDU (ここではプリエンプティブデータユニットまたはpPPDUとも呼ばれる)をpSTAに送信する。
図6では、継続時間Dが示されており、これは、sPPDUのsSTA 300への本来意図された送信時間を示す。したがって、切り取りが実行されない場合、DはsPPDUの継続時間を示す。元々意図されたsPPDUの継続時間Dは、sPPDUのプリアンブル、すなわち、sSTA 300とpSTA 100を、例えばプリアンブルフィールドに存在する情報からデコードできるSTAによって推定できる。
【0028】
pSTAからのアップリンク(UL)送信のためにDL PPDUトランケーションを使用する第2のシナリオが、
図7に概略的に描かれている。
このシナリオは、第1のシナリオの拡張であり、主な違いは、APからのDL送信が切り取り後に発生するだけでなく、pSTAからの応答も発生することである。このシナリオは一般的な意味で描写され、例えば次の特定のケースをカバーする。
i) APによって送信された第1のpPPDU (pPPDU1)は、通常の/暗黙のACKポリシーおよび/またはBAck要求フレームで集約されたpSTAに向けての高い優先度データを含み、一方、pPPDU2は確認応答またはブロック確認応答を含む。
ii) pSTAからのデータ送信を要求するpSTAにフレームを送信するために、APはpSTAから緊急の更新を必要とし、sSTAへの送信を中断する。この場合、pPPDU1(第1のpPPDU)は、pSTAからの実際のデータを含むpPPDU2(第2のpPPDU)をトリガまたは予定するフレームを含む。pPPDU1は、例えば、IEEE 802.11axで定義されたようなトリガフレーム(TF)であってもよく、pPPDU2の送信をトリガするものであってもよく、または、(例えば、開始指示および基本RU/BW割り当てを含む)類似の機能を備えたこの単純化されたバージョンであってもよい。
iii) APは、送信すべき緊急データを有するpSTAから別のリンクからの指示を受信した。したがって、APはsPPDUのプリエンプト後に送信を許可し、TFを送信してpSTAからの送信をトリガする。この場合、pPPDU1とpPPDU2のコンテンツは、それぞれトリガフレームとデータPPDUである。
【0029】
STAがマルチリンク能力を持ち、送信が発生するリンクとは異なるリンク上でプリエンプション要求が実行される場合、iiiの場合に提示されるTFフレームが、リンク上で正しいチャネルアクセスと一貫した継続時間情報を保証できるような容易な実装であることができる。ただし、遅延が発生するため、レイテンシ要件が厳しい場合にも、遅延なしの動作が必要になることがある。
従って、第3のシナリオは、
図8に概略的に示されるように、sPPDU切り取り後のpPPDUのための直接ULアクセスを使用して考慮されてもよい。
【0030】
この場合の一要件は、pSTAがリンクをリッスンすることで、少なくともsPPDUの開始以降にトランケーションが実行され、プリアンブル情報がデコードされる。DL送信およびトランケーションが実行されるリンクとは異なるリンク上でプリエンプションを要求するメカニズムは、本開示の範囲外である。しかし、完全性のために、
図8のマルチリンク関係の一例も同様である。ここでは、特定のリンクで送信機会(TXOP)の一貫性を確保することのみに焦点を当てる。
【0031】
図6~8に示したシナリオの正しい振る舞いを保証するためには、pSTAの認識を確実にする必要がある。pSTAは、「pSTAがPPDUの最初に意図された受信機でない場合でも、PPDUが切り取られる可能性があり、PPDU送信中に1つ以上の時間間隔でその媒体をリッスンし続ける必要がある」という事実を認識する必要がある。
トランケーション後にAPからの送信を受信できないpSTAは、pSTAとsSTAの両方に悪影響を及ぼす可能性があるため、このようなケースは避ける必要がある。
【0032】
しかしながら、この点において以下のような多くの現在の制限が存在する。
i) 現在の受信機PHY手順は、IEEE 802.11修正版において規定され、
図9に示されている。この手順によれば、STAがそれ自体に関心がないと識別するPPDUを受信した後、例えば、STA-IDまたはBSSカラー情報のようなプリアンブル情報に基づいて、STAは、PPDUの残りの部分の復号化を停止し、媒体がアイドル状態であるか否かを再評価し、さらなるPPDUを処理するために、RXTIMEに等しい時間間隔を待機する。
RXTIMEは、受信したPPDUの推定継続時間であり、PHYプリアンブル内の情報に基づいて、受信STAごとに個別に計算される。これは、
図6のDでマークされた継続時間に対応する。したがって、pSTAは、APがsSTA送信を中断したPPDUをデコードできない可能性がある。本開示の態様によってアドレス指定されるブロックは、
図9の「(X)」によって示される。
ii) STA-ID情報が存在しないPPDUの場合、(例えば、シングルユーザ(SU) PPDU)STAは、MACヘッダ内の情報を復号し続けることができる。ヘッダ情報およびより具体的にはこのフィールド内の受信側アドレス(RA)に基づいて、PPDUの意図された受信者ではないと判定されるならば、継続時間情報を検索した後に、コンテンツをさらに復号化することを停止してもよい。
iii) 最後に、MACヘッダ内のPHYプリアンブルまたはRA情報のSTA IDに基づいてPPDUが切り捨てられず、リスニングを継続する場合であっても、期待されたよりも少ない数のシンボルを受信したために途中で停止すると、pSTAが何らかのアクションをとる前に、PPDUの推定された継続時間に等しい待ち時間になる。したがって、pSTAは、推定されたsPPDUの受信終了の前にAPによって開始されている限り、トランケーション後の送信を再び処理できないであろう。
【0033】
図10は、第2の通信デバイス200(例えば、アクセスポイント、AP)と通信するための本開示の態様に従った第1の通信デバイス100(本明細書ではプリエンプティブ局、pSTAとも呼ぶ)を示す図である。第2の通信デバイス200は、第1の通信デバイス100および第3の通信デバイス300(本明細書では開始局、sSTAとも呼ぶ)とデータを交換(受信および/または送信)することができる。
【0034】
通信デバイス100、200、300の各々は、特定の動作を行うように構成された回路101、201、301を含む。回路は、それぞれのプロセッサまたはコンピュータによって、即ち、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして、または専用ユニットまたはコンポーネントによって実施することができる。例えば、それぞれプログラムされたプロセッサは、それぞれの回路101、201、301を表すことができる。
【0035】
図11は、本開示に係る第1の通信デバイス100(pSTA)の第1の通信方式110の一実施形態のフローチャートを示し、回路101によって実行されてもよい。
最初のステップ111において、pSTA 100は、無線チャネル上のAP 200とsSTA 300の間の進行中のデータ交換をリッスンする。第2のステップ112において、pSTA 100は、sPPDUの受信時間の間に、sSTA 300への進行中のデータ交換の間に(AP 200によって)送信される開始PPDUを含むパケットから推定する。
sPPDUの推定受信継続時間の終了前に、sPPDUの送信が切り取られた場合、および/または、切り取り条件が満たされた場合、第3のステップ113において、pSTA 100によってトランケーションが決定される。ここで、受信継続時間は、sPPDUが切り取れなかった場合に、sSTA 300によってsPPDUが受信された時間を示す。最後に、第4のステップS114において、PPDUの送信が切り取られた場合、および/または切り取り条件が満たされた場合、pSTA 100は、AP 200からプリエンプティブPPDU (pPPDU)を受信するか、またはpPPDUをAP 200に送信する。
【0036】
このコンテキストでは、切り取り条件は、以下の1つ以上の検証に含まれてもよい。
- トランケーションは、意図的なものである(すなわち、より高い優先度の送信を可能にするために、進行中のデータ交換が意図的に切り取られた)。
- pSTA 100は、sPPDUの推定受信継続時間が経過する前に、AP 200との間で受信または送信することができる。ここで、pSTA 100は、データの受信/送信に適格であるということは、pSTA 100が、トランケーションを決定し、初期PPDU終了に反応する機能を示し、かつ/または、トランケーションが実行され得る、かつ/またはデータ交換の前にAP 200と一連のプリエンプション・パラメータをネゴシエートした、低レイテンシトラフィック・セッションに関与していることを意味する。
【0037】
図12は、本開示に係る第2の通信デバイス200(AP)の第2の通信方式210の一実施形態のフローチャートを示すものであり、回路201によって実行されてもよい。
第1のステップ211において、AP 200は、無線チャネル上でsSTA 300との進行中のデータ交換を実行する。第2のステップ212において、AP 200は、sPPDUのsSTA 300への送信を切り取る。sPPDU切り取りの終端から1フレーム間スペース間隔の後、AP 200はpSTA 100からpPPDUを受信するか、pPPDUをpSTA 100に送信する。
【0038】
PPDUを切り取る場合、AP 200はOFDMシンボルの境界を守る必要がある。さらに、sSTA 300の効率的な動作を維持するためには、完了したMPDUがsPPDU内に存在するように、トランケーションを実行することが有益である。MPDUの一部のみが送信され、フラグメンテーションは示されない場合、受信者は誤差を検出してMPDUの再送信を要求することができる。
ただし、これには追加の遅延がある。MCSとMPDUのサイズが中程度の典型的な動作では、MPDUは複数のOFDMシンボルにまたがることがある。しかし、非常に高度なPHY構成の場合、OFDMシンボル内に複数のMPDUを含めることが可能である。
【0039】
MPDUのサイズとレイテンシ制約の要件に基づいて、APは整数個のOFDMシンボルの後にのみトランケーションを実行することができ、この場合、この個数は、例えばプリアンブルのSIGフィールドまたは以前のネゴシエーションフェーズで信号を送ることができる。この情報に基づいて、pSTAは、切り取りの精度、IFS、およびPPDUの受信期間に基づいて決定される少なくとも時間間隔において、PPDUの送信中に定期的に媒体をリッスンしていることを保証しなければならない。
一実施形態では、pSTAは、sPPDUの開始から以下の式(1)の後にチャネルをリッスンすることができる。
【数1】
ここでiは、1つのPPDU内のインデックスを示す。Wait_time(1)は、トランケーションが発生する可能性がある場合に、PPDUの開始からの第1の時間を示し、プリアンブル+ N OFDMシンボルの継続時間に対応する。同様に、トランケーションが発生し得る第2の時間は、式(1)に従って、プリアンブル+2N OFDMシンボルの継続時間である。周期的なリスニング時間は、例えば、CCATimeであってもよい。
PHYは、トランケーション精度として示されるOFDMシンボルのNブロックの境界にMPDUが揃うように、適切なパディングが使用されていることを確認する必要がある。これを保証できない場合、個々のOFDMシンボルベースでパディングを行う場合、リッスン時間は、プラスマイナス1OFDMシンボル継続時間をキャプチャできるように定義する必要がある。
【0040】
上記の変更は、(X)が付されたボックス内に
図13に示された拡張された受信機手順を示す修正された受信機ダイアグラムに影響される。これは、
図14において、トランケーションとトランケーションなしの場合にそれぞれより詳細に示されている。一実施形態では、正しいリスニング時間を確実にするために、PPDUの開始への参照を保持することが予期される。ただし、式(1)で説明されているように、マーカを最後の潜在的なトランケーション時間まで保持することもできる。
図14Aは、pSTAクリアチャネルアセスメント(CCA)と、N OFDMシンボル後に切り捨てが発生した場合の行動を示している。
図14Bは、pSTA CCAと、N個のOFDMシンボル後にトランケーションがない場合の振る舞いを示す。
【0041】
また、
図13に関して、pSTAは、推定されたシンボル数についてpPPDUをリッスンすることを要求され得る。送信の途中で損失が発生した場合、PHY-RX END Carrier Lostを発行するのではなく、PHY CCAをリセットする必要がある。つまり、PPDUの予想される継続時間に対応する待ち時間を無視し、PHY CCAをアイドル状態にリセットし、メディアのリッスンを続行する。
これは、
図9の分岐(Y)に描かれた挙動である。しかしながら、この挙動は直接関係するSTA、即ち、pSTAとsSTAに限定されるべきである。これは、リンク上で物理キャリアセンスのみを実行し、RTAトラフィックを予期していないSTAが、途中停止後にチャネルにアクセスできないようにし、CCAをビジー状態に維持する必要があるためである。
これは、pPPDUがSTAによってヒアリングできない可能性があり、コリジョンが発生する可能性があるシナリオ3で特に重要である。したがって、pSTAは、前述のトランケーション条件を満たすような、プリエンプションに参加する資格があることを確認する必要がある。
【0042】
この制限を実施し、かつ、一実施形態において提供されるように、これらがプリエンプションに参加する資格があると判定することをpSTAが可能にする1つの方法は、プリアンブルに含まれるシグナリング指示、例えばSIG-B内に含まれるシグナリング指示で、初期プリエンプティブテーブルPPDUをPPDUフォーマットで送信し、sSTAとpSTAの両方がプリアンブル情報に基づいて自身を意図された受信者として識別することを可能にすることである。
一方、このPPDUはsSTAのペイロード情報のみを伝送する。したがって、SIGのユーザ固有情報フィールド内では、sSTAにはリソース割り当てを指定するべきであるが、pSTAにはリソース割り当てを指定しない。
【0043】
あるいは、pSTAに対応するプリアンブルのユーザフィールド内で、プリエンプテーブル指示か、プリエンプテーブル指示のあるリソース割り当てだけを指定することができる。これは、PPDUがpSTAのためのペイロードを含まないが、pSTAとのプリエンプティブデータ交換が続くかもしれないことを示すためである。追加のプリエンプション関連情報は、プリアンブル内のpSTAに対応するユーザフィールドに含まれてもよく、これには、トランケーションが実行されるpSTAが属する、一連の潜在的なpSTAの1つだけ示すpSTAまたは抽象的識別子を識別する、潜在的なトランケーションの精度、すなわちOFDM記号またはSTA IDの数を含む。
これが意味することは、オリジナルの伝送が1つの意図されたSTAだけである場合でも、MU PPDUフォーマットが使用されることである。もちろん、このタイプのPPDUフォーマットは、同様に、アドレス指定されるsSTAの集合が、使用されるであろうリソース割り当てを示し、pSTAに対しては、STA IDまたは抽象STA IDが、リソース割り当ておよび/または単なるプリエンプティブフラグに関連づけられない、MU PPDUにも使用されることができる。
図15は、sSTAおよびpSTA ID指示を伴うsPPDUフォーマットを示す図である。
【0044】
MAC側では、1つの解決策は、低レイテンシトラフィックセッションを定義し、APとpSTAの両方に、厳格な遅延要件を持つ優先度の高い低レイテンシトラフィックの存在を通知し、他のSTAから/へのPPDUのプリエンプションを必要としてもよい。これは、APと潜在的pSTAとの間で確立でき、削除されるまでアクティブとして定義され、複数のTXOPにわたって拡張される。
この場合、PPDUがプリエンプティブ停止を起こしやすい指示で送られた場合、PPDUの早期終了の直後にBSS内NAVをリセットする必要があるのは、活性RTAの一部である割り当てID (AID)を持つpSTAだけである。APからのトランケーション、フラグメンテーション、キャリアセンス要件、pSTA RA (受信機アドレス)トラフィックからのレイテンシ、周期性要件などの特定のパラメータは、このRTAセッションのセットアップ時にネゴシエートできる。
【0045】
このコンテキストでは、RTAセッション(低レイテンシサービスセッションまたはプリエンプションセッションとも呼ばれる)は、pSTAがAPと交換される高優先順位の低レイテンシトラフィックを持つ期間として理解されるものとする。トラフィック要件のパラメータ(例えばレイテンシ要件)は交換され、トランケーションの精度のようなこれらのパラメータに基づいて決定できる。
【0046】
別の実施形態は、低レイテンシトラフィックストリーム特性およびプリエンプション・パラメータについて知らせるために、低レイテンシセンシティブ・トラフィックストリーム(LLSTS又はLLTS)セッションを確立することを扱う。この実施形態の一実施形態では、低レイテンシセンシティブトラフィックを有する非AP STAは、それが関連付けられているAPとの低レイテンシトラフィックセッションを確立することができる。
図17は、このようなセッションの動作を示す図である。
【0047】
このようなセッションを設定する場合、(ステーション管理エンティティ(SME)とMACを有する)非AP STAは、トラフィック特性(周期性、継続時間)と要件(データレートやレイテンシ境界のポイントなど)を対応するものに通知する。さらに、(SMEとMACを有する)APにプリエンプション準備であることを通知することもできる。この場合、サポートできるプリエンプション関連パラメータを追加で示すことがある(例えば、PPDUの受信中に連続的に、または、PPDUの受信中に定期的にのみリッスンできる場合、PPDUの間にどのくらいの頻度でCCAを実行できるか)。
これらのパラメータをレイテンシトラフィックセッション要求内に含めることは、1つの可能な実装にすぎない。代替案は、それが関連付けられているSTAとAPの間で交換される機能要素のフィールド内で、プリエンプション機能とパラメータを示すことである。
【0048】
APは、レイテンシトラフィックセッション要求に、承認/拒否または代替パラメータの提案で応答する。具体的には、プリエンプトに関して、APは、レイテンシの時点でトラフィック要件を満たすために、LLTS要求者以外のSTAに向けて、進行中のPPDUのトランケーションに頼ることができるかどうかを示してもよい。
さらに、トランケーションが行われる場合には、トランケーションのパラメータ、例えば可能なトランケーション精度、すなわち、トランケーションが行われる可能性のあるOFDMシンボルの数の後、あるいは一連の可能な値を示し、その中の正確なものは、トランケーション可能なPPDUのプリアンブルの中で示される。
スケジュールは、要求側STAに対する応答内に存在することができ、これは、レイテンシセンシティブ・トラフィックストリームが送信され得る特定の時間間隔、および/またはAPが更新を要求できる時間を信号送信する。さらに、潜在的なトランケーションがこれらのスケジュールに対応する指定された時間間隔内に可能であるか、あるいは、これらの範囲外で可能であるかを示すことができる。時間間隔を指定し、指定された間隔内でのみ実行される可能性のあるトランケーションを確実にすることは、pSTAの省電力動作の改善に貢献できる。
さもなければ、要求側pSTAは、他のSTAに属するPPDUを継続的にリッスンすることをコミットし、意図的なトランケーションが行われるかどうかを常に評価し、さらに、フォローアップ送信の識別子が自身に対応するかどうかを検証する必要がある。
【0049】
特定のスケジュールと周期性は、低レイテンシセンシティブ・トラフィックストリーム(LLSTS またはLLTS)セットアップで定義されることができる。あるいは、これらは、特定のSTA、例えば、個別またはブロードキャスト対象ウェイクアップ時間のためのスケジューリング間隔のセットアップおよび/またはアナウンスの中で、APによってさらにアナウンスされ得る。
pSTAがこれらの間隔を決定できるように、APは割り当てIDを割り当てる。このIDには、pSTAとAPの識別子とともにLLTS識別子がマッピングされる。ブロードキャストウェイクアップ時間間隔の場合、APは、セットアップまたは更新構成情報を含む制御フレーム内で、これらの間隔中の送信が切り取られる可能性があることを示してもよい。
【0050】
APとpSTAの間で低レイテンシセンシティブトラフィックが確立された場合、このトラフィックのトラフィックストリーム識別子とAPおよびpSTAの識別子とは、トランケーション後に送信されるPPDUに含まれる。
【0051】
同様に、別の実装では、非AP STAへの低レイテンシセンシティブトラフィックの存在を上位レイヤから通知されるAPは、それぞれのSTAとの低レイテンシセンシティブセッションを確立する場合がある。この場合、APがLLSTSReservation内に含めることができる場合、プリエンプションがサポートされているかどうか、および、どのパラメータ(例えば精度)を使用するかを示す。
続いて、pSTAは、例えば与えられたOFDM精度で周期的リスニングが可能であるならば、それがパラメータを受け入れるかどうかを確認する。IEEE 802.11規格で定義されているTS設定メカニズムをいくつか変更して再利用することで、低レイテンシセンシティブトラフィック情報と低レイテンシセンシティブトラフィックをセットアップできる。
【0052】
別の実施形態は、pSTAが起動され、追従送信を処理することができることが知られている特定の時間間隔でのみトランケーションを可能にする。この実施形態では、周期性またはレイテンシ要件のようなトラフィックストリームパラメータは、pSTAおよびAPによって、例えば通常のTSによって交換することができる。しかしながら、プリエンプション・パラメータは、特定に定義されたサービス期間、即ち、APと特定のpSTAとの間のより対象とされたデータ交換が実行される時間間隔内に交換され、起動される。このような時間間隔の例として、TWT SP (ターゲット・ウェイク・タイム・サービス期間)がある。
【0053】
pSTAとAPは、低レイテンシトラフィック特性に対応する潜在的な送信を実行できる間隔を確立する。セットアップフェーズでは、APとpSTA間のデータ交換の特性をネゴシエートできる。たとえば、pSTAからの送信の前にAPからのトリガを付ける必要がある場合である。さらに、上述のプリエンプション関連パラメータ、例えば、精度、は、レイテンシトラフィック特性、およびAPとpSTAの両方の機能およびBSS内からの他のトラフィック要件に応じて選択することができる。
選択されたパラメータは、APとpSTAの間でさらにネゴシエートすることができる。確立されたTWT SPの間に、pSTAはまた、ネゴシエートされたリンクの設定上の媒体上で交換されたPPDUをリッスンすることができるようにアウエイクさせることをコミットする。この方法で確立された時間間隔中に、pSTAがPPDUの早期終了を観察した場合、pSTAはトランケーションを決定した直後にPHY-CCAをアイドル状態に設定することが許可され、その後、それぞれの時間間隔内で定義されたさらなるルールに従う(つまり、プリエンプティブデータユニットを含むAPからの追従PPDUを待つか、pSTAからの送信をトリガするフレームを待つか、直接送信を開始する)。
【0054】
さらに、MAC側、具体的にはMACフレームおよびA-MPDUレベルで、いくつかの解決策を定義することもできる。PPDUのペイロードはプリアンブルよりも高いMCSで送信でき、チャネル条件で許可されない場合は他のSTAで正しくデコードされない可能性があるため、PHY側で定義されたソリューションよりも弱い場合がある。解決策の可能な実施例を以下に説明する。
【0055】
一実施形態によれば、MPDUのヘッダ内に、プリエンプティブテーブルの指示が設けられる。この場合、(RTAセッションに関与する可能性がある) STAは、それ自体を意図しない場合でもパケットのデコードを継続し、プリエンプションの指示を検索する。
【0056】
別の実施形態によれば、MPDUの受信側アドレス(RA)は、ブロードキャストとしてプリエンプト可能なPPDU内に送信され、新たに設計されたフレームがA-MPDUの先頭に提供される。これは、sSTAおよびpSTAのAIDを有する潜在的なトリガフレームであってよく、A-MPDUのコンテンツをさらに解釈する方法、すなわち、sSTAのためのユーザ情報、および、pSTAのためのプリエンプションの場合には、唯一のプリエンプト可能な情報、および、例えば、プリエンプションの最も早い時間のための潜在的な制御情報を示す。
この中の情報は、PPDUの早期終了の場合にのみ有効であり、その場合、pSTAは、それらのAIDがフレーム内のAIDに対応するかどうかをチェックする。「はい」の場合、必要な更新を送信するためにチャネルにアクセスすることが許可される。
【0057】
別の実施形態によれば、プリエンプションの指示は、特定の構造(例えば、特定の署名)を有するデリミタの形式でMPDUの最後に定義されてもよい。これまでのところ、デリミタの役割は、前のMPDUが失敗した場合でもMPDUをデコードできるように、STAがA-MPDU内のMPDUの境界を決定できるようにすることだけである。
それゆえ、共通の署名は、この目的のために十分である。しかし、プリエンプションのために、プリエンプションを示す容易な方法であり、意図されたpSTAも、指定された長さ=0、EOF=1のデリミタの繰り返しを使用することができる。現在使用されているASCII文字Nとは異なる署名が、単に早すぎる停止を示すために使用される可能性がある一方、署名の設定が定義され、そしてトランケーションを意図するpSTA IDをさらに示すために使用される可能性がある。
図16は、プリエンプションを示すための新たなデリミタ構造を有する、切り取り可能なPPDUのペイロードフォーマットを示す図である。
レガシー互換性を維持するには、A-MPDUの末尾にあるデリミタDel2のsignature2のみを変更して、MPDU間のデリミタDel1のsignature1と比較するだけで十分である。
【0058】
あるいは、別の実施形態では、制御フレームまたは制御フィールドがMPDUの最後に定義されてもよい。一例は、CF_Endフレームの変形であるが、修正されたRAを有する。この場合、RAはpSTAに対応してもよい。
【0059】
本開示の利点は、進行中の送信よりも高い優先度トラフィックを有するRTA局に対する改善されたレイテンシの1つ以上を含み、プリエンプティブ送信(すなわち、進行中の送信が途中で終了されたSTA)の意図された受信者における正しい処理を確実にし、障害の課題による中程度の無駄を避け、チャネルアクセスパラメータ設定を改善する。
【0060】
したがって、前述の議論は、単に本開示内容の例示的な実施形態を開示し、説明しているに過ぎない。当業者には理解されるように、本開示内容は、その精神または本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で実施することができる。従って、本開示は、他のクレームと同様に、例示的であることが意図されるが、本開示の範囲を限定するものではない。
本開示は、本明細書の教示の、任意の容易に識別可能な変形を含み、発明の主題が公衆に専用とされないように、前述の請求項の用語の範囲を部分的に定義する。
【0061】
さらに請求項において「含む、備える、具備する」という語は他の構成要件またはステップを除外することなく不定冠詞「1つの~」は複数を除外しない。単一要素または他のユニットは、請求範囲に記載されたいくつかの項目の機能を満たすことができる。相互に異なる従属請求において一定の手段が推奨されるという単なる事実は、これらの手段の組合せが有利に使用できないことを示すものではない。
【0062】
本開示の実施形態が、少なくとも部分的に、ソフトウェア制御型のデータ処理装置によって実装されるものとして説明されている限り、光ディスク、磁気ディスク、半導体メモリなど、そのようなソフトウェアを搬送する非一時的な機械可読媒体も、本開示の一実施形態を表すと考えられることが理解される。さらに、このようなソフトウェアは、インターネットまたは他の有線もしくは無線電気通信システムを介して、他の形態で配布することもできる。
【0063】
開示されたデバイス、装置およびシステムの要素は、対応するハードウェアおよび/またはソフトウェア要素、例えば、適切な回路または電気回路によって実現することができる。回路とは、従来の回路素子、特定用途向け集積回路を含む集積回路、標準集積回路、特定用途向け標準製品、およびフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイを含む電子部品の構造アセンブリである。さらに、回路は、中央処理ユニット、グラフィックス処理ユニット、およびソフトウェアコードに従ってプログラムまたは構成されるマイクロプロセッサを含む。
回路は、純粋なソフトウェアを含まないが、回路は、上述のハードウェア実行ソフトウェアを含む。回路または電気回路は、単一のデバイス、ユニット、複数のデバイスまたはユニット、あるいはチップセット、またはプロセッサによって実現することができる。
【0064】
本発明は、開示された主題のさらなる実施形態のリストに従う。
1. 第2の通信デバイスと通信するように構成された第1の通信デバイスであって、
無線チャネル上の前記第2の通信デバイスと第3の通信デバイスの間で進行中のデータ交換をリッスンし、
前記第3の通信デバイスに前記データ交換中に送信されたデータユニットを含むパケットから、前記データユニットの受信継続時間を推定し、
前記データユニットの推定された前記受信継続時間の終端前に、前記データユニットの送信が切り取られているかどうか、かつ/または、トランケーション条件が満たされているかどうかを判定し、
前記データユニットの送信が切り取られていた場合および/またはトランケーション条件が満たされた場合には、前記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、前記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信する
ように構成された回路を具備し、
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第1の通信デバイス。
2. 前記回路は、前記無線チャネルが推定された前記受信継続時間前にアイドル状態かビジー状態かを評価するように構成されている
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
3. 前記回路は、前記無線チャネルがビジーである場合、チャネルを周期的にリッスンして、前記データユニットの送信が切り取られているか否か、かつ/または、トランケーション条件が満たされているか否かを判定する
ように構成されている
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
4. 前記回路は、
判定されたトランケーションの後にかつ推定された前記受信継続時間の前に、前記無線チャネルがビジーである原因となったデータユニットが、前記第1の通信デバイスの受信機アドレス、および/または、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションに対応する識別子を含むことを検証する
ように構成されている
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
5. 前記回路は、データ送信のトランケーションの精度、フレーム間スペースおよび/または送信された前記データユニットの推定された前記受信持続時間によって決定される時間間隔で、前記無線チャネルを周期的にリッスンする
ように構成されている
実施形態2~4のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
6. 前記回路は、前記第2の通信デバイスに送信された前記データユニットのプリアンブルに含まれる情報から、または、低レイテンシサービスセッションを確立する際に前記第1の通信デバイスと前記第3の通信デバイスの間でネゴシエートされたパラメータセットから、データ送信のトランケーションの精度を決定する
ように構成されている
実施形態5に記載の第1の通信デバイス。
7. 前記回路は、前記送信されたデータユニットに含まれるOFDMシンボルの継続時間の整数倍に対応する時間間隔で、前記無線チャネルを周期的にリッスンする
ように構成されている
実施形態2~6のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
8. 前記回路は、前記無線チャネルを定期的にリッスンしているときに、明確なチャネル評価を実行するように構成されている
実施形態2~7のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
9. 前記回路は、
前記第1の通信デバイスがアクティブ低レイテンシトラフィックセッションに関与していること、
前記第1の通信デバイスが前記第2の通信デバイスによって前記第3の通信デバイスに送信されたデータユニットのPHYヘッダに示されていること、
前記第1の通信デバイスが前記第2の通信デバイスによって前記第3の通信デバイスに送信されたデータユニットのMACフィールドに示されていること、
PHYデータユニット内および/またはMACデータユニット間で、もしくは、前記第2の通信デバイスによって前記第3の通信デバイスに送信されたMACデータユニットの後に、意図的なトランケーションを示すトランケーションパターンが識別されていること、および、
意図的なトランケーションが、送信されたデータユニットに適用可能であることを示す、前記送信されたデータユニットのプリアンブル内のトランケーションフラグが、前記第1の通信デバイスによって識別されていること
のうちの1つ以上をトランケーション条件として用いるように構成されている
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
10. 前記回路は、
前記第1の通信デバイスではなく前記第3の通信デバイスに対してのみ、1つ以上のMACデータユニットを含む前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記進行中のデータ交換のデータユニットにおけるプリアンブル情報の意図された受信者として、前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスを識別するデバイス識別子を識別し、
前記デバイス識別子が識別され、かつ、前記進行中のデータ交換におけるトランケーションが判定されている場合には、前記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、前記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信する
ように構成されている
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
11. 前記回路は、
進行中の送信が切り取られ、プリエンプティブデータユニットが前記第2の通信デバイスとの間で送受信されることを示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を、前記進行中の送信のデータユニットにおいて識別し、かつ、
前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示が識別された場合に、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されている
実施形態10に記載の第1の通信デバイス。
12. 前記回路は、
前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記第1の通信デバイス用の空のリソース割り当てを識別し、かつ、
前記第1の通信デバイス用の空のリソース割り当てを識別した場合に、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されている
実施形態10または11に記載の第1の通信デバイス。
13. 前記回路は、前記プリエンプト可能な指示および/または前記進行中のデータ交換のデータユニットのプリアンブル内の前記リソース割当てを識別するように構成されている
実施形態11または12に記載の第1の通信デバイス。
14. 前記回路が、
前記第2の通信デバイスから前記第3の通信デバイスへのデータユニットが、第1の通信デバイスと第2の通信デバイスの間で確立されたアクティブなプリエンプティブ低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションの識別子に対応する識別子を含むかどうか、または、
進行中の送信の時間が、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシトラフィックセッションセットアップで示された間隔と部分的にオーバーラップするかどうか、または、
進行中の送信の時間が、低レイテンシセッションセットアップで確立されたものに対応する識別子を含む割り当て期間と部分的にオーバーラップするかどうか、または、
進行中の送信の時間が、プリエンプション指示で定義されたスケジュール間隔と部分的にオーバーラップするかどうか、
を判定し、ならびに、
ネットワーク割当ベクトル、NAVをリセットし、かつ/または、前記第1の通信デバイスがアクティブな低レイテンシトラフィックセッション(または活性RTAセッション)に関与し、意図的なトランケーションが判定される場合、受信したデータユニットの推定された継続時間が経過する前に、チャネルがビジーまたはアイドルであるかどうかを再評価する
ように構成されている
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
15. 前記回路が、
前記データユニットの予期される継続時間が経過する前に、意図的なトランケーションが判定され、かつ、前記低レイテンシトラフィックセッションの確立におけるものとパラメータが一致する場合、前記第2の通信デバイスとの間でデータユニットを送受信する
ように構成されている
実施形態14に記載の第1の通信デバイス。
16. 前記回路が、
前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間でプリエンプティブ低レイテンシトラフィックセッションを、進行中の送信に先行するフェーズでセットアップする
ように構成されており、
トラフィック特性、プリエンプション機能およびプリエンプション・パラメータに関する1つ以上の情報が交換されかつ/または確認されている
実施形態14または15に記載の第1の通信デバイス。
17. 前記回路が、
トランケーションの精度、データユニットがより切り取りされやすい時間間隔、および、トランケーション後の追従送信の潜在的な受信者として前記第1の通信デバイスを識別するアクティブな低レイテンシトラフィックセッションに使用されるべき識別子のうちの1つ以上を含む、1つ以上のトランケーション関連パラメータ用の機能をネゴシエートまたは指示するように構成されている
実施形態14~16のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
18. 前記回路が、
前記進行中のデータ交換における、MACプロトコルデータユニット(MPDU)のヘッダ、またはPHYプロトコルデータユニット(PPDU)のプリアンブルにおいて、前記進行中のデータ交換が切り取られる可能性があることを示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を識別し、
プリエンプト可能な指示が識別された場合には、トランケーション通知を識別するために受信したデータユニットをデコードする
ように構成されている
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
19. 前記回路が、
前記進行中のデータ交換におけるMACプロトコルデータユニット(MPDU)の受信機アドレスがブロードキャストまたはマルチキャストとして定義されているかどうかを識別し、かつ、
前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されており、
前記マルチキャストは、前記第1の通信デバイスの識別子を含み、かつ、
送信されたデータユニットは、前記進行中のデータ交換における早期終了に続いて、潜在的な受信機またはプリエンプティブデータユニットの送信機として前記第1の通信デバイスを示す、MAC制御フレームを少なくとも含む
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
20. 前記回路は、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の後のデリミタの数および/または構造を識別し、かつ、
前記デリミタの数および/または構造が識別されていれば、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されており、
前記デリミタの数および/または構造は、進行中の送信が意図的に切り取られることを示すプリエンプト可能な指示、および/または、割り当ての指示、もしくは、前記第1の通信デバイスがプリエンプティブデータユニットの潜在的な送受信機としてそれ自体を識別することができるトラフィック識別子を表す
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
21. 前記回路は、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の内部または終端における制御フレームまたは制御フィールドを識別し、
前記制御フレームまたは前記制御フィールドが識別されていれば、前記第2の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されており、
前記制御フレームまたは前記制御フィールドは、前記進行中のデータ交換が切り取られるか、または、プリエンプティブデータユニットが前記第2の通信デバイスとの間で送受信されるか、を示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を含むかまたは示す
上記の実施形態のいずれか1つに記載の第1の通信デバイス。
22. 第1の通信デバイスおよび第3の通信デバイスと通信するように構成された第2の通信デバイスであって、
無線チャネル上で前記第3の通信デバイスとの継続的なデータ交換を行い、
前記第3の通信デバイスへのデータユニットの送信を切り取り、かつ、
推定された受信継続時間が終了する前に、前記第1の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットの受信を開始するか、または、前記第1の通信デバイスへのプリエンプティブデータユニットの送信を開始する
ように構成された回路を具備し、
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第2の通信デバイス。
23. 前記回路は、プリエンプション機能を示し、かつ/または、プリエンプティブ低レイテンシセッションを確立し、ならびに/もしくは、前記第1の通信デバイスとプリエンプション・パラメータを示しかつ/またはネゴシエートするように構成されている
実施形態22に記載の第2の通信デバイス。
24. 前記回路は、
判定されたトランケーションの後にかつ推定された前記受信継続時間の前に、前記無線チャネルがビジーである原因となったデータユニットにおいて、前記第1の通信デバイスの受信機アドレス、および/または、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションに対応する識別子を含む
ように構成されている
実施形態22または23に記載の第2の通信デバイス。
25. 前記回路は、
前記第1の通信デバイスではなく前記第3の通信デバイスに対してのみ、1つ以上のMACデータフレームを含む前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記進行中のデータ交換のデータユニットにおけるプリアンブル情報の意図された受信者として、前記第1の通信デバイスおよび前記第3の通信デバイスを識別するデバイス識別子を含み、
前記デバイス識別子が識別され、かつ、前記進行中のデータ交換におけるトランケーションが判定されている場合には、前記第1の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、前記第1の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信する
ように構成されている
実施形態22~24のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
26. 前記回路は、
進行中の送信が切り取られ、プリエンプティブデータユニットが前記第1の通信デバイスとの間で送受信されることを示すプリエンプト可能な指示を、前記進行中の送信のデータユニットにおいて含み、かつ、
前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示が識別された場合に、前記第1の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されている
実施形態22~25のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
27. 前記回路は、
前記進行中のデータ交換のデータユニットにおいて、前記第3の通信デバイスを示す情報フィールドおよび対応するリソース割り当てと、前記第1の通信デバイスを示す情報フィールドおよび対応する空のリソース割り当てを含むか、
前記第1の通信デバイスに対応するユーザフィールド内に、空のリソース割り当てを示すか、または、
前記第1の通信デバイスに対応するユーザフィールド内に、予約または空のリソース割り当てをマークし、かつ、
前記第1の通信デバイス用の空のリソース割り当てを識別した場合に、前記第1の通信デバイスとの間でプリエンプティブデータユニットを送受信する
ように構成されている
実施形態22~26のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
28. 前記回路は、前記プリエンプト可能な指示および/または前記進行中のデータ交換のデータユニットのプリアンブル内の前記リソース割当てを含むように構成されている
実施形態26または27に記載の第2の通信デバイス。
29. 前記回路は、
前記第2の通信デバイスから前記第3の通信デバイスへのデータユニットにおいて、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立されたアクティブなプリエンプティブ低レイテンシセンシティブ・トラフィックセッションの識別子に対応する識別子を含むか、または、
進行中の送信の時間が、前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間で確立された低レイテンシトラフィックセッションセットアップで示された間隔と部分的にオーバーラップする
ように構成されている
実施形態22~28のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
30. 前記回路が、
前記第1の通信デバイスと前記第2の通信デバイスの間でプリエンプティブ低レイテンシトラフィックセッションを、進行中の送信に先行するフェーズでセットアップする
ように構成されており、
トラフィック特性、プリエンプション機能およびプリエンプション・パラメータに関する1つ以上の情報が交換されかつ/または確認されている
実施形態29に記載の第2の通信デバイス。
31. 前記回路が、
前記進行中のデータ交換における、MACプロトコルデータユニット(MPDU)のヘッダ、またはPHYプロトコルデータユニット(PPDU)のプリアンブルにおいて、前記進行中のデータ交換が切り取られる可能性があることを示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を含む
ように構成されている
実施形態22~30のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
32. 前記回路が、
前記進行中のデータ交換におけるMACプロトコルデータユニット(MPDU)の受信機アドレスをブロードキャストまたはマルチキャストとして定義する
ように構成されており、
前記マルチキャストは、前記第1の通信デバイスの識別子を含み、かつ、
送信されたデータユニットは、前記進行中のデータ交換における早期終了に続いて、潜在的な受信機またはプリエンプティブデータユニットの送信機として前記第1の通信デバイスを示す、MAC制御フレームを少なくとも含む
実施形態22~31のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
33. 前記回路は、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の後のデリミタの数および/または構造を含む
ように構成されており、
前記デリミタの数および/または構造は、進行中の送信が意図的に切り取られることを示すプリエンプト可能な指示、および/または、割り当ての指示、もしくは、前記第1の通信デバイスがプリエンプティブデータユニットの潜在的な送受信機としてそれ自体を識別することができるトラフィック識別子を表す
実施形態22~32のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
34. 前記回路は、
前記進行中のデータ交換のMACプロトコルデータユニット(MPDU)の内部または終端における制御フレームまたは制御フィールドを含む
ように構成されており、
前記制御フレームまたは前記制御フィールドは、前記進行中のデータ交換が切り取られるか、または、プリエンプティブデータユニットが前記第2の通信デバイスとの間で送受信されるか、を示す前記第1の通信デバイス用のプリエンプト可能な指示を含むかまたは示す
実施形態22~33のいずれか1つに記載の第2の通信デバイス。
35. 第2の通信デバイスと通信するための第1の通信方法であって、
無線チャネル上の前記第2の通信デバイスと第3の通信デバイスの間で進行中のデータ交換をリッスンするステップと、
前記第3の通信デバイスに前記データ交換中に送信されたデータユニットを含むパケットから、前記データユニットの受信継続時間を推定するステップと、
前記データユニットの推定された前記受信継続時間の終端前に、前記データユニットの送信が切り取られているかどうか、かつ/または、トランケーション条件が満たされているかどうかを判定するステップと、
前記データユニットの送信が切り取られていた場合および/またはトランケーション条件が満たされた場合には、前記第2の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットを受信するか、または、前記第2の通信デバイスにプリエンプティブデータユニットを送信するするステップと
を含み、
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第1の通信方法。
36. 第1の通信デバイスおよび第3の通信デバイスと通信するための第2の通信方法であって、
無線チャネル上で前記第3の通信デバイスとの継続的なデータ交換を行うステップと、
前記第3の通信デバイスへのデータユニットの送信を切り取るステップと、
推定された受信継続時間が終了する前に、前記第1の通信デバイスからプリエンプティブデータユニットの受信を開始するか、または、前記第1の通信デバイスへのプリエンプティブデータユニットの送信を開始するステップと
を含み
前記データユニットが切り取られていなかった場合には、前記受信継続時間は、前記第3の通信デバイスによる前記データユニットの受信時間を示す
第2の通信方法。
37.プロセッサによって実行されると、実施形態35または36に記載の方法を実行させる、コンピュータプログラム製品内に記憶される
非一時的なコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
38. コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに、実施形態35または36に記載の方法のステップを前記コンピュータに実行させるためのプログラムコード手段を具備する
コンピュータプログラム。
【国際調査報告】