(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】ポリマーポリオールの製造方法
(51)【国際特許分類】
C08F 283/06 20060101AFI20231101BHJP
【FI】
C08F283/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023524584
(86)(22)【出願日】2021-10-20
(85)【翻訳文提出日】2023-04-21
(86)【国際出願番号】 KR2021014639
(87)【国際公開番号】W WO2022086148
(87)【国際公開日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2020-0138126
(32)【優先日】2020-10-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516298504
【氏名又は名称】コリア クンホ ペトロケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Korea Kumho Petrochemical Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】100,Cheonggyecheon-ro,Jung-gu,Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】キム,ギ ジュン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スルギ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ジンウ
【テーマコード(参考)】
4J026
【Fターム(参考)】
4J026AB19
4J026AC23
4J026BA05
4J026BA31
4J026BB03
4J026DB02
4J026DB09
4J026DB10
4J026DB12
4J026DB24
4J026DB28
4J026EA06
4J026FA04
4J026GA06
(57)【要約】
(a)有機希釈剤の存在下でポリオールおよび芳香族ビニル単量体を重合する段階と、(b)前記(a)段階の生成物にポリオール、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体をさらに投入し重合する段階と、(c)前記(b)段階の生成物から前記有機希釈剤を除去する段階と、を含み、前記有機希釈剤は、前記芳香族ビニル単量体の重合体に相溶性である、ポリマーポリオールの製造方法が開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)有機希釈剤およびポリオールの存在下で芳香族ビニル単量体を重合する段階と、
(b)前記(a)段階の生成物にポリオール、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体をさらに投入し重合する段階と、
(c)前記(b)段階の生成物から前記有機希釈剤を除去する段階と、を含み、
前記有機希釈剤が芳香族ビニル重合体と相溶性がある、ポリマーポリオールの製造方法。
【請求項2】
前記有機希釈剤は、n-オクタン、n-ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、ナフタレン、スチレン、o-キシレン、エチルベンゼン、p-ジエチルベンゼン、クロロメタン、メチレンクロリド、1,1-ジクロロエチレン、エチレンジクロリド、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、トリクロロエチレン、カーボンテトラクロリド、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジベンジルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケトン、アセトフェノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、イソホロン、ジイソブチルケトン、メチルアセテート、エチルホルメート、プロピレン-1,2-カーボネート、エチルアセテート、ジエチルカーボネート、n-ブチルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、イソアミルアセテート、2-ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ピリジン、モルホリン、アニリン、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキシルアミン、キノリン、N,N-ジメチルホルムアミド、カーボンジスルフィド、ジメチルスルホキシド、エタンチオール、エタノール、アリルアルコール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1-デカノール、安息香酸、ステアリン酸、フェノール、レゾルシノール、m-クレゾール、メチルサリシレート、エチレングリコール、グリセロールおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1つである、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項3】
前記ポリオールは、重量平均分子量が1,000~6,000g/molである、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項4】
前記ポリオールは、水酸基価が30~60mgKOH/gである、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項5】
前記芳香族ビニル単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-(p-メチルフェニル)スチレン、5-tert-ブチル-2-メチルスチレン、tert-ブトキシスチレン、2-tert-ブチルスチレン、3-tert-ブチルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、1-ビニル-5-ヘキシルナフタレン、1-ビニルナフタレン、ジビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4-ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、ビニルピリジン、ビニルキシレン、ジフェニルエチレンおよびハロゲン置換スチレンからなる群から選ばれた少なくとも1つである、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項6】
前記不飽和ニトリル単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリルおよびα-クロロアクリロニトリルからなる群から選ばれた少なくとも1つである、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項7】
前記(a)段階で、
前記ポリオールおよび芳香族ビニル単量体の重量比は、それぞれ100:25~50である、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項8】
前記(a)段階で、
前記有機希釈剤および芳香族ビニル単量体の重量比は、それぞれ100:15~120である、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項9】
前記(a)段階のポリオールと前記(b)段階にさらに投入されたポリオールの重量比は、それぞれ100:100~500である、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項10】
前記(a)段階の芳香族ビニル単量体と前記(b)段階にさらに投入された単量体の総和の重量比は、それぞれ100:100~1,500である、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項11】
製造されたポリマーポリオールの固形分含有量が55重量%以上であり、25℃での粘度が15,000~55,000cpsである、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【請求項12】
前記(a)~(c)段階は、ワンポット工程(one-pot process)で行われ、請求項1に記載のポリマーポリオールの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ポリマーポリオールの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリマーポリオール(polymer polyol,POP)は、ポリウレタンフォーム(foam)の硬度を強化させるための目的で使用されるものであり、液状のベースポリオールに固状のポリマー粒子が分散した製品を意味する。一般的に、ポリマーポリオールに分散した固状の粒子としては、スチレン-アクリロニトリル(styrene-acrylonitrile;SAN)共重合体が使用され、ポリウレタンフォームの製造時にウレタンセル構造の内部で支持体の役割を行うことによって、フォームの伸縮性を維持しながらも、硬度を上昇させる効果を付与する。
【0003】
このような硬度改善効果により、ポリマーポリオールは、スラブ(slab)の他にも、モールド(mold)用ウレタンフォーム製品にも幅広く使用されている。最近、ウレタンフォーム市場は、低い密度でも高い硬度を有する低密度高硬度製品に対する需要が増加している。このような低密度高硬度特性を満足させるためにポリマーポリオール製品に要求されることは、高い固形分含有量(high solid content)である。しかしながら、ポリマーポリオール製品の固形分含有量を増加させると、粒子間の分散安定性の低下に起因して急激な粘度上昇および凝集現象が発生し、このような問題を最小化しつつ、固形含有量を増加させることは、非常に困難であると知られている。
【0004】
ポリマーポリオール内に分散したSAN粒子の割合を増加させると、分散した粒子間の距離が狭くなり、これによって、衝突が増加し、固形分限界点以上で粒子間分散安定性が急激に低下し、凝集が発生する。特に、ベースポリオールに粉末状のSAN粒子を直接分散させてポリマーポリオールを製造すると、固形分含有量の増加に伴って凝集発生がより速く進行するので、SANポリマーをポリオールの内部で直接重合して形成する方法が行われている。
【0005】
ポリマーポリオールの製造初期に分散安定効果を付与するマクロマ(macromer)がグラフトしたシード粒子を前投入するシード重合(seed polymerization)技術が試みられた。初期製造過程で投入されたシード粒子は、高い分散安定性に基づいて後期形成されたSAN粒子の間で緩衝効果をあたえる重合安定剤の役割を行うことによって、従来の製造方法よりさらに高い固形分含有量のポリマーポリオールの製造が可能であったが、50%以上の超固形分含有量のポリマーポリオールを安定に製造しにくいという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
固形分含有量が高いポリマーポリオールを安定的かつ容易に製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、(a)有機希釈剤およびポリオールの存在下で芳香族ビニル単量体を重合する段階と、(b)前記(a)段階の生成物にポリオール、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体をさらに投入し重合する段階と、(c)前記(b)段階の生成物から前記有機希釈剤を除去する段階と、を含み、前記有機希釈剤は、芳香族ビニル重合体と相溶性がある、ポリマーポリオールの製造方法を提供する。
【0008】
一実施例において、前記有機希釈剤は、n-オクタン、n-ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、ナフタレン、スチレン、o-キシレン、エチルベンゼン、p-ジエチルベンゼン、クロロメタン、メチレンクロリド、1,1-ジクロロエチレン、エチレンジクロリド、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、トリクロロエチレン、カーボンテトラクロリド、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジベンジルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケトン、アセトフェノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、イソホロン、ジイソブチルケトン、メチルアセテート、エチルホルメート、プロピレン-1,2-カーボネート、エチルアセテート、ジエチルカーボネート、n-ブチルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、イソアミルアセテート、2-ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ピリジン、モルホリン、アニリン、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキシルアミン、キノリン、N,N-ジメチルホルムアミド、カーボンジスルフィド、ジメチルスルホキシド、エタンチオール、エタノール、アリルアルコール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1-デカノール、安息香酸、ステアリン酸、フェノール、レゾルシノール、m-クレゾール、メチルサリシレート、エチレングリコール、グリセロールおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよい。
【0009】
一実施例において、前記ポリオールは、重量平均分子量が1,000~6,000g/molであってもよい。
【0010】
一実施例において、前記ポリオールは、水酸基価が30~60mgKOH/gであってもよい。
【0011】
一実施例において、前記芳香族ビニル単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-(p-メチルフェニル)スチレン、5-tert-ブチル-2-メチルスチレン、tert-ブトキシスチレン、2-tert-ブチルスチレン、3-tert-ブチルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、1-ビニル-5-ヘキシルナフタレン、1-ビニルナフタレン、ジビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4-ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、ビニルピリジン、ビニルキシレン、ジフェニルエチレンおよびハロゲン置換スチレンからなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよい。
【0012】
一実施例において、前記不飽和ニトリル単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリルおよびα-クロロアクリロニトリルからなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよい。
【0013】
一実施例において、前記(a)段階で、前記ポリオールおよび芳香族ビニル単量体の重量比は、それぞれ100:25~50であってもよい。
【0014】
一実施例において、前記(a)段階で、前記有機希釈剤および芳香族ビニル単量体の重量比は、それぞれ100:15~120であってもよい。
【0015】
一実施例において、前記(a)段階のポリオールと前記(b)段階にさらに投入されたポリオールの重量比は、それぞれ100:100~500であってもよい。
【0016】
一実施例において、前記(a)段階の芳香族ビニル単量体と前記(b)段階にさらに投入された単量体の総和の重量比は、それぞれ100:100~1,500であってもよい。
【0017】
一実施例において、製造されたポリマーポリオールの固形分含有量が55重量%以上であり、25℃での粘度が15,000~55,000cpsであってもよい。
【0018】
一実施例において、前記(a)~(c)段階は、ワンポット工程(one-pot process)で行われ得る。
【発明の効果】
【0019】
一態様によれば、固形分含有量が高いポリマーポリオールを安定的かつ容易に製造する方法を提供することができる。
【0020】
本明細書の一態様の効果は、上記した効果に限定されるものではなく、本明細書の詳細な説明または請求範囲に記載された構成から推論可能なすべての効果を含むものと理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、具体的な実施例を参照して本明細書の一態様を説明することとする。しかしながら、本明細書の記載事項は、様々な異なる形態に具現することができ、したがって、ここで説明する実施例に限定されるものではない。
【0022】
明細書全体において、任意の部分が他の部分と「連結」されているというとき、これは、「直接連結」されている場合だけでなく、それらの中間に他の部材を間に置いて「間接連結」されている場合も含む。また、任意の部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに備えることができることを意味する。
【0023】
本明細書において数値的値の範囲が記載されたとき、これの具体的な範囲が別途記述されない限り、その値は、有効数字に対する化学における標準規則により提供された有効数字の精密度を有する。例えば、10は、5.0~14.9の範囲を含み、数字10.0は、9.50~10.49の範囲を含む。
【0024】
本明細書において、「ポリウレタン(polyurethane)」は、多量のウレタン(-NHCOO)結合を有するポリマー物質であり、一般的に、気泡を生成するポリマー反応によりハニカム形状の軽い物質であるフォーム(foam)形態に成形、加工して使用される。「ポリウレタンフォーム(polyurethane foam)」は、通常、軟質(flexible)、硬質(rigid)、半硬質(semi-rigid)に区分される。
【0025】
本明細書において、「ポリマーポリオール(polymer polyol,POP)」は、共重合体ポリオール(copolymer polyol,CPP)とも呼び、液状のベースポリオール(base polyol)に粒子化した有・無機物を一定の含有量で分散させた製品を意味する。一般的に、軟質、半硬質ポリウレタンフォームの硬度および通気性の向上の目的でシート、寝具、自動車部品など多様な分野において幅広く使用される。
【0026】
本明細書において、「マクロマ(macromer)」とは、巨大単量体(macromonomer)とも呼び、反応性末端基を有する巨大分子であり、ポリマー鎖内に単量体として導入することができ、重合安定性を改善することができる。例えば、エチレン性不飽和官能基を含むポリオールなどがマクロマに使用できる。
【0027】
ポリマーポリオールの製造方法
一態様によるポリマーポリオールの製造方法は、(a)有機希釈剤およびポリオールの存在下で芳香族ビニル単量体を重合する段階と、(b)前記(a)段階の生成物にポリオール、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体をさらに投入し重合する段階と、(c)前記(b)段階の生成物から前記有機希釈剤を除去する段階と、を含み、前記有機希釈剤は、芳香族ビニル重合体と相溶性があるものであってもよい。
【0028】
前記製造方法は、従来のシード重合と異なる溶解性シード重合法であり、高い固形分含有量を有するポリマーポリオールを安定的かつ簡単に製造することができる。
【0029】
前記(a)段階は、有機希釈剤とポリオールの存在下で芳香族ビニル単量体を単独で重合することであり、前記有機希釈剤として芳香族ビニル単量体から重合した芳香族ビニル重合体を溶解させることができるものを使用することによって、芳香族ビニル重合体が固状粒子化せずに、有機希釈剤およびポリオールにポリマー鎖の形態で溶解することができる。
【0030】
前記(a)段階は、100~150℃、例えば、100℃、105℃、110℃、115℃、120℃、125℃、130℃、135℃、140℃、145℃、150℃またはこれらのうち2つの値の間の範囲の温度で0.1~3時間、例えば、0.1時間、0.5時間、1時間、1.5時間、2時間、2.5時間、3時間またはこれらのうち2つの値の間の範囲の時間で行われ得る。前記芳香族ビニル重合体は、高温条件下で有機希釈剤およびポリオールの混合物に溶解することができるので、前記(a)段階および(b)段階は、温度を維持しつつ連続進行することができる。
【0031】
前記有機希釈剤は、n-オクタン、n-ドデカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、ナフタレン、スチレン、o-キシレン、エチルベンゼン、p-ジエチルベンゼン、クロロメタン、メチレンクロリド、1,1-ジクロロエチレン、エチレンジクロリド、クロロホルム、1,1-ジクロロエタン、トリクロロエチレン、カーボンテトラクロリド、クロロベンゼン、o-ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、1,4-ジオキサン、ジベンジルエーテル、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチルケトン、アセトフェノン、メチルイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、イソホロン、ジイソブチルケトン、メチルアセテート、エチルホルメート、プロピレン-1,2-カーボネート、エチルアセテート、ジエチルカーボネート、n-ブチルアセテート、2-エトキシエチルアセテート、イソアミルアセテート、2-ニトロプロパン、ニトロベンゼン、ピリジン、モルホリン、アニリン、N-メチル-2-ピロリドン、シクロヘキシルアミン、キノリン、N,N-ジメチルホルムアミド、カーボンジスルフィド、ジメチルスルホキシド、エタンチオール、エタノール、アリルアルコール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、ジアセトンアルコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1-デカノール、安息香酸、ステアリン酸、フェノール、レゾルシノール、m-クレゾール、メチルサリシレート、エチレングリコール、グリセロールおよびプロピレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0032】
前記ポリオールは、重量平均分子量が1,000~6,000g/mol、例えば、1,000g/mol、1,500g/mol、2,000g/mol、2,500g/mol、3,000g/mol、3,500g/mol、4,000g/mol、4,500g/mol、5,000g/mol、5,500g/mol、6,000g/molまたはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよいが、これに限定されるものではない。前記ポリオールの重量平均分子量が低すぎれば、最終製品の硬度など機械的物性が低下することがあり、高すぎれば、凝集が発生したり、粘度が過度に高くなり、加工性が低下することがある。
【0033】
前記ポリオールは、水酸基価(hydroxyl value,OHV)が30~60mgKOH/g、例えば、30mgKOH/g、35mgKOH/g、40mgKOH/g、45mgKOH/g、50mgKOH/g、55mgKOH/g、60mgKOH/gまたはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよいが、これに限定されるものではない。水酸基価は、ポリオール1gから得られたアセチル化合物に結合している酢酸を中和させるのに必要な水酸化カリウムの重量である。水酸基価は、ポリオール中の水酸基含有量を示すものであり、ポリウレタンの重合時にポリオールの比を決定することができる。
【0034】
前記ポリエーテルポリオールの粘度は、150~700cps、例えば、150cps、200cps、250cps、300cps、350cps、400cps、450cps、500cps、550cps、600cps、650cps、700cpsまたはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよい。粘度が150cps未満であれば、ポリウレタンフォームの機械的物性、耐久性が低下することがあり、粘度が700cpsを超えると、ポリウレタンの粘度が過度に上昇し、加工性が低下することがある。
【0035】
前記芳香族ビニル単量体は、スチレン、α-メチルスチレン、2-メチルスチレン、3-メチルスチレン、4-メチルスチレン、2,4-ジメチルスチレン、2,4-ジイソプロピルスチレン、4-プロピルスチレン、4-シクロヘキシルスチレン、4-(p-メチルフェニル)スチレン、5-tert-ブチル-2-メチルスチレン、tert-ブトキシスチレン、2-tert-ブチルスチレン、3-tert-ブチルスチレン、4-tert-ブチルスチレン、N,N-ジメチルアミノエチルスチレン、1-ビニル-5-ヘキシルナフタレン、1-ビニルナフタレン、ジビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ビニルベンジルジメチルアミン、(4-ビニルベンジル)ジメチルアミノエチルエーテル、ビニルピリジン、ビニルキシレン、ジフェニルエチレンおよびハロゲン置換スチレンからなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0036】
前記(a)段階で、芳香族ビニル単量体を単独で重合してホモ重合体(homopolymer)シードを製造することによって、有機希釈剤およびポリオールに溶解した状態に維持して初期重合段階のポリマーを固形分から排除させることができ、これによって、実際重合率に比べて低い固形分含有量の条件でポリマーポリオールの製造を進めて凝集を防止することができる。
【0037】
前記(a)段階は、有機希釈剤、ポリオールおよび芳香族ビニル単量体の他に、分散安定効果を付与する通常のマクロマ(macromer)重合安定剤とラジカル重合開始剤をさらに含んで行われ得る。
【0038】
前記重合開始剤は、アゾビスイソブチロニトリル(azobisisobutyronitrile)、4,4′-アゾビス(4-シアノ吉草酸)(4,4′-azobis(4-cyanovaleric acid))、1,1′-アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(1,1′-azobis(cyclohexanecarbonitrile))、ベンゾイルペルオキシド(benzoyl peroxide)、1,1-ビス(tert-ブチルペルオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン(1,1-bis(tert-butylperoxy)-3,3,5-trimethylcyclohexane)、シクロヘキサノンペルオキシド(cyclohexanone peroxide)、ラウロイルペルオキシド(lauroyl peroxide)および過硫酸カリウム(potassium persulfate)からなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0039】
前記(a)段階で、前記ポリオール100重量部を基準として芳香族ビニル単量体が25~50重量部、例えば、25重量部、30重量部、35重量部、40重量部、45重量部、50重量部またはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよい。ポリオールに対して芳香族ビニル単量体の含有量が前記範囲を外れると、凝集が発生したり、最終製品の機械的物性が低下することがある。
【0040】
前記(a)段階で、前記有機希釈剤100重量部を基準として芳香族ビニル単量体が15~120重量部、例えば、15重量部、20重量部、25重量部、30重量部、35重量部、40重量部、45重量部、50重量部、55重量部、60重量部、65重量部、70重量部、75重量部、80重量部、85重量部、90重量部、95重量部、100重量部、105重量部、110重量部、115重量部、120重量部またはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよい。有機希釈剤に対して芳香族ビニル単量体の含有量が前記範囲を外れると、芳香族ビニル重合体の凝集が発生したり、前記(c)段階の有機希釈剤の除去に過度なエネルギーおよび費用がかかることがある。
【0041】
前記(b)段階は、前記(a)段階の生成物にポリオール、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体をさらに投入し重合することであり、芳香族ビニル重合体が溶解した状態を維持するために、前述した(a)段階の反応温度の条件で0.1~10時間、例えば、0.1時間、0.5時間、1.0時間、1.5時間、2.0時間、2.5時間、3.0時間、3.5時間、4.0時間、4.5時間、5.0時間、5.5時間、6.0時間、6.5時間、7.0時間、7.5時間、8.0時間、8.5時間、9.0時間、9.5時間、10.0時間またはこれらのうち2つの値の間の範囲の時間の間行われ得る。
【0042】
前記不飽和ニトリル単量体は、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、フェニルアクリロニトリルおよびα-クロロアクリロニトリルからなる群から選ばれた少なくとも1つであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0043】
前記(b)段階のさらなる投入は、ポリオール、芳香族ビニル単量体、不飽和ニトリル単量体およびラジカル重合開始剤を予め混合した後、前記(a)段階の生成物に連続投入して行われ得る。
【0044】
前記(b)段階後、反応温度で5~15℃を昇温させた後、0.5~3時間の間熟成させて重合物の安定性を改善することができる。
【0045】
前記(a)段階のポリオール100重量部を基準として前記(b)段階にさらに投入されたポリオールは、100~500重量部、例えば、100重量部、110重量部、120重量部、130重量部、140重量部、150重量部、160重量部、170重量部、180重量部、190重量部、200重量部、210重量部、220重量部、230重量部、240重量部、250重量部、260重量部、270重量部、280重量部、290重量部、300重量部、310重量部、320重量部、330重量部、340重量部、350重量部、360重量部、370重量部、380重量部、390重量部、400重量部、410重量部、420重量部、430重量部、440重量部、450重量部、460重量部、470重量部、480重量部、490重量部、500重量部またはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよい。前記(a)および(b)段階のポリオールの割合が前記範囲を外れると、ポリマーポリオールに分散した粒子粒径が不均一で品質が低下したり、溶解性オリゴマーの発生により品質が低下することがある。
【0046】
前記(a)段階の芳香族ビニル単量体100重量部を基準として前記(b)段階にさらに投入された単量体の総和は、100~1,500重量部、例えば、100重量部、110重量部、120重量部、130重量部、140重量部、150重量部、160重量部、170重量部、180重量部、190重量部、200重量部、210重量部、220重量部、230重量部、240重量部、250重量部、260重量部、270重量部、280重量部、290重量部、300重量部、310重量部、320重量部、330重量部、340重量部、350重量部、360重量部、370重量部、380重量部、390重量部、400重量部、410重量部、420重量部、430重量部、440重量部、450重量部、460重量部、470重量部、480重量部、490重量部、500重量部、600重量部、610重量部、620重量部、630重量部、640重量部、650重量部、660重量部、670重量部、680重量部、690重量部、700重量部、710重量部、720重量部、730重量部、740重量部、750重量部、760重量部、770重量部、780重量部、790重量部、800重量部、810重量部、820重量部、830重量部、840重量部、850重量部、860重量部、870重量部、880重量部、890重量部、900重量部、910重量部、920重量部、930重量部、940重量部、950重量部、960重量部、970重量部、980重量部、990重量部、1,000重量部、1,010重量部、1,020重量部、1,030重量部、1,040重量部、1,050重量部、1,060重量部、1,070重量部、1,080重量部、1,090重量部、1,100重量部、1,110重量部、1,120重量部、1,130重量部、1,140重量部、1,150重量部、1,160重量部、1,170重量部、1,180重量部、1,190重量部、1,200重量部、1,210重量部、1,220重量部、1,230重量部、1,240重量部、1,250重量部、1,260重量部、1,270重量部、1,280重量部、1,290重量部、1,300重量部、1,310重量部、1,320重量部、1,330重量部、1,340重量部、1,350重量部、1,360重量部、1,370重量部、1,380重量部、1,390重量部、1,400重量部、1,410重量部、1,420重量部、1,430重量部、1,440重量部、1,450重量部、1,460重量部、1,470重量部、1,480重量部、1,490重量部、1,500重量部またはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよい。前記(b)段階に投入された単量体の総和とは、芳香族ビニル単量体および不飽和ニトリル単量体の総和の重量比を意味し、前記(a)および(b)段階の単量体重量比が前記範囲を外れると、シードの製造時に凝集が発生したり、異常に粘度が上昇することができる。
【0047】
前記(c)段階は、溶媒に使用された前記有機希釈剤を除去することであり、ポリマーポリオール自体の物性に影響が少ないものであれば、脱気、乾燥など公知の溶媒除去工程を適用することができる。前記(c)段階後、ポリマー鎖の形態で溶解した初期重合芳香族ビニル重合体は、固状の粒子で析出し、最終製品の固形分含有量を安定的に高めることができる。
【0048】
製造されたポリマーポリオールの固形分含有量が55重量%以上、例えば、55重量%、56重量%、57重量%、58重量%、59重量%、60重量%またはこれらのうち2つの値の間の範囲であるか、60重量%以上であり、25℃での粘度が15,000~55,000cps、例えば、15,000cps、16,000cps、17,000cps、18,000cps、19,000cps、20,000cps、21,000cps,22,000cps、23,000cps、24,000cps、25,000cps、26,000cps、27,000cps、28,000cps、29,000cps、30,000cps、31,000cps、32,000cps、33,000cps、34,000cps、35,000cps,36,000cps、37,000cps、38,000cps、39,000cps、40,000cps、41,000cps、42,000cps、43,000cps、44,000cps、45,000cps、46,000cps、47,000cps、48,000cps、49,000cps、50,000cps、51,000cps、52,000cps、53,000cps、54,000cps、55,000cpsまたはこれらのうち2つの値の間の範囲であってもよい。芳香族ビニル重合体と相溶性がある有機希釈剤を使用して前記工程を行う場合、重合時に固形分含有量を一時的に減少させて、高い固形分含有量を有するポリマーポリオールを凝集なしで製造することができる。
【0049】
前記(a)~(c)段階は、ワンポット工程(one-pot process)で行われ得る。このようなワンポット工程を適用し、前記(a)段階で製造されたシードの析出を防止しつつポリマーポリオールを製造し、溶媒を除去して固状粒子化することによって、簡単かつ安定的に超高固形分含有量のポリマーポリオール(ultra-high solid POP)を具現することができる。
【0050】
以下、本明細書の実施例に関してより詳細に説明することとする。ただし、以下の実験結果は、前記実施例のうち代表的な実験結果のみを記載したものであり、実施例などによって本明細書の範囲と内容を縮小または制限して解釈することはできない。以下に明示的に示されていない本明細書の様々な具現例のそれぞれの効果は、当該部分で具体的に記載することとする。
【0051】
試料
ベースポリオール:ポリエーテルポリオール
重合性不飽和単量体:スチレン(SM)、アクリロニトリル(AN)
重合安定剤:マクロマ形態の重合安定剤
重合開始剤:アゾビスイソブチロニトリル、2,2′-アゾビス(2-メチルプロピオニトリル)
有機希釈剤:エチルベンゼン(EB)、トルエン(TOL)、イソプロピルアルコール(IPA)
実施例1
(1)溶解性シード(soluble seed)の形成
撹拌機が設置された4Lの反応器に重合性不飽和単量体であるスチレン90重量部と重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル0.9重量部を混合し、常温で完全に溶解させた後、重合安定剤であるマクロマ40重量部と、分子量3,000g/mol、水酸基価56、粘度500cpsのベースポリオール200重量部を投入し、10分間撹拌した。有機希釈剤であるエチルベンゼン300重量部を前記反応槽にさらに投入し、完全に溶解させた。投入物の完全溶解後、250rpmの速度で撹拌しつつ、1時間にわたって反応物の温度を120℃まで昇温した。その後、1時間の間温度を維持しつつ、スチレン単量体を重合し、溶解性シードを製造した。生成されたポリスチレンが高温のエチルベンゼンおよびポリオールに溶解し、反応物が透明な状態を維持した。また、1時間反応後、試料を一部採取して常温に冷却したとき、懸濁度が増加する現象を確認し、ポリスチレンがポリマー鎖の形態で溶解したことを確認した。
【0052】
(2)ポリマーポリオールの重合
溶解性シードの製造後、重合性不飽和単量体であるスチレン777重量部およびアクリロニトリル333重量部に重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル11.1重量部を混合し、完全溶解させた後、前記ベースポリオール560重量部と共に、連続添加槽に投入し、5分間撹拌した後、前記溶解シード反応器に5時間の間連続投入した。反応器の温度および撹拌条件は、前記溶解性シードの重合時と同一に維持した。投入後、温度を130℃まで昇温し、2時間の間熟成させた。
【0053】
(3)ポリスチレンポリマーの粒子化
重合物を精製槽に移送し、120℃温度の条件で20時間の間減圧し、重合物に溶解したエチルベンゼンを脱気して除去し、ポリマーポリオールを収得した。
【0054】
実施例2
有機希釈剤としてエチルベンゼンをトルエンに変更したことを除いて、前記実施例1と同じ方法でポリマーポリオールを製造した。
【0055】
実施例3
溶解性シードの製造時にスチレン単量体の投入量を90重量部から60重量部に変更したことを除いて、前記実施例1と同じ方法でポリマーポリオールを製造した。
【0056】
実施例4
ベースポリオールを分子量5,000g/mol、水酸基価34に変更したことを除いて、前記実施例1と同じ方法でポリマーポリオールを製造した。
【0057】
実施例5
有機希釈剤であるエチルベンゼンの投入量を300重量部から400重量部に変更したことを除いて、前記実施例1と同じ方法でポリマーポリオールを製造した。
【0058】
比較例1
溶解性シードの製造時に投入される単量体であるスチレン90重量部をスチレン63重量部およびアクリロニトリル27重量部の混合物に変更し、初期シード粒子がベースポリオールとエチルベンゼン混合溶媒に溶解しないSAN共重合体であることを除いて、前記実施例1と同じ方法でポリマーポリオールを製造した。
【0059】
比較例2
有機希釈剤であるエチルベンゼンをポリスチレンに非相溶性溶媒であるイソプロピルアルコールに変更したことを除いて、前記実施例1と同じ方法でポリマーポリオールを製造した。
【0060】
比較例3
前記(2)段階で投入されるスチレン777重量部およびアクリロニトリル333重量部をスチレン1,110重量部の単独投入に変更したことを除いて、前記実施例1と同じ方法でポリマーポリオールを製造した。
【0061】
前記実施例1~実施例5および比較例1~比較例3のポリマーポリオール製造に対する結果を下記の表1に示した。
【0062】
【0063】
前記表1を参照すると、スチレン単独重合で溶解性シードを形成し、ポリスチレン溶解性溶媒を有機希釈剤として使用した実施例1~5は、凝集しない固形分含有量60%以上のポリマーポリオールを製造することができた。
【0064】
一方、比較例1は、スチレンおよびアクリロニトリルを重合した不溶性SAN共重合体シードを使用していて、凝集が発生した。比較例2は、有機希釈剤としてポリスチレン非相溶性イソプロピルアルコールを使用してシードが溶解しないので、凝集が発生した。比較例3は、スチレンだけの単独重合でポリマーポリオールを製造したものであり、凝集が発生した。
【0065】
前述した本発明の説明は、例示のためのものであり、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術的思想や必須の特徴を変更することなく、他の具体的な形態に容易に変形が可能であることが理解できる。したがって、以上で記述した実施例は、すべての面において例示的なものであり、限定的なものと理解すべきである。例えば、単一型と説明されている各構成要素は、分散して実施されてもよく、同様に、分散したものと説明されている構成要素も、結合された形態で実施されてもよい。
【0066】
本発明の範囲は、後述する請求範囲により示され、請求範囲の意味および範囲そしてその均等概念から導き出されるすべての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解すべきである。
【国際調査報告】