(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】触覚フィードバックを提供する3次元タッチインターフェース
(51)【国際特許分類】
G06F 3/041 20060101AFI20231101BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20231101BHJP
G06F 3/0362 20130101ALI20231101BHJP
B06B 1/04 20060101ALN20231101BHJP
【FI】
G06F3/041 480
G06F3/041 600
G06F3/01 560
G06F3/0362 461
B06B1/04 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023525546
(86)(22)【出願日】2021-10-22
(85)【翻訳文提出日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 EP2021079407
(87)【国際公開番号】W WO2022090091
(87)【国際公開日】2022-05-05
(32)【優先日】2020-10-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519236125
【氏名又は名称】ハプトゥーユー
【氏名又は名称原語表記】HAP2U
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ゲイラード マキシム
(72)【発明者】
【氏名】コティン-バイゾン ミカエル
(72)【発明者】
【氏名】ルパン マシュー
【テーマコード(参考)】
5B087
5D107
5E555
【Fターム(参考)】
5B087AA09
5B087AB12
5B087BC06
5B087BC13
5D107CC01
5E555AA08
5E555BA15
5E555BB15
5E555CA04
5E555DA24
5E555EA21
5E555FA00
(57)【要約】
触覚フィードバックを提供する3次元タッチインターフェース。装置(20)を制御することを目的とし、外部体(9)が触れることを目的としたタッチインターフェース(1)は、- プレート(10)と、- プレート(10)を振動させるようにプレートに可変振幅圧力を加えるように構成された少なくとも一つの変換器(12)と、- プレートから延び、プレートと一体の近位面(2
p)と遠位面(2
d)の間にあり、外部体と接触するように意図されている制御部材(2)と、- 制御部材上の外部体の接触を表す状態信号(S(t))を発するように構成されたセンサー(14)と、センサー(14)に接続され、状態信号に基づいて活性化信号(Act(t))を少なくとも一つの変換器に送り、プレートに沿って制御部材に伝播する振動を形成する、制御ユニット(15)と、を備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置(20)を制御することを目的とし、外部体(9)が触れることを目的としたタッチインターフェース(1)であって、
- プレート(10)と、
- 前記プレート(10)を超音波振動周波数で振動させるように構成された少なくとも一つの変換器(12)と、
- 前記プレートに当てられた近位端(2
p)と、前記プレートから離れた位置にある遠位端(2
d)との間で前記プレートから伸びると共に、外部体と接触するように意図され、前記外部体によって作動されるときに前記プレートに対して静止するように構成されている制御部材(2)と、
- 前記制御部材上の外部体の接触を表す状態信号(S(t))を発するように構成されたセンサー(14)と、
- 前記センサー(14)に接続され、前記状態信号に基づいて活性化信号(Act(t))を前記少なくとも一つの変換器に送ると共に、前記プレートと前記制御部材を振動させるために、前記制御部材の超音波振動の影響を受けて、前記制御部材に対する前記外部体の摩擦が変化し、インターフェースからの触覚フィードバックにつながるようにした、制御ユニット(15)と、
を備える、タッチインターフェース。
【請求項2】
前記制御ユニット(15)が、前記状態信号(S(t))に基づいて制御信号(Com(t))を前記装置(20)に送るように構成される、請求項1に記載のタッチインターフェース。
【請求項3】
前記制御部材(2)が前記プレート(10)に固定されている、請求項1および2のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項4】
- 前記センサー(14)は、圧力センサー(14
b)を含み、前記プレート(10)上で制御部材(2)によって加えられる圧力を測定するように構成され、前記状態信号は、前記加えられた圧力に応じて圧力成分(S
b(t))を含み、
- 制御ユニット(15)は、前記圧力が所定の閾値(P
1、P'
1、P
2)を超えたとき、または圧力変動に基づいて、活性化信号(Act(t))を前記変換器に送るように構成される、請求項1から3のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項5】
前記圧力センサーは、
- 前記プレートに面して配置され、前記プレートから離れる距離(d)を測定するように構成され、前記プレートに加えられる圧力の影響下で前記プレートの変形を決定するように構成される距離計、
- または、前記プレートに加えられる圧力の影響下で前記プレートの変形の影響下で変形するように設計されたひずみ計、
- または、前記プレートに接して配置され、前記プレートに加えられる圧力の影響下で前記プレートの動きを検出するように構成されたダイナモメーター、
- または、前記プレートの振動の変動、前記プレートに加えられる圧力による変動を測定するように構成された変換器、
を含む、請求項4に記載のタッチインターフェース。
【請求項6】
圧力センサー(14
b)によって測定された圧力成分に応じて、前記制御ユニット(15)が、活性化シーケンスの形式をとる活性化信号を送信するように構成され、
前記活性化シーケンスは、クリックの効果が前記外部体によって感じられるようにパラメータ化され、前記クリックはインターフェースからの触覚フィードバックを形成する、請求項4および5のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項7】
- 前記センサー(14)は、前記プレートに平行に延びる導電性トラック(13)のネットワークに接続された容量性の位置センサー(14
a)を含み、
- 前記制御部材(2)は、電気的に絶縁された材料で形成され、互いに電気的に絶縁され、近位端(2
p)と遠位端(2
d)の間に延びる導電性要素(3)を含み、
- 少なくとも1つの導電性トラック(13)が、前記制御部材の少なくとも1つの導電性要素(3)と容量接触して配置され、前記導電性要素を介して、前記外部体 (9)と前記導電性トラックの間で、容量効果を介して電荷の移動を可能にし、
前記外部体と前記制御部材の間の接触の位置に応じて、前記状態信号(S(t))が位置成分(S
a(t))を構成する、請求項1から6のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項8】
前記制御ユニット(15)が、前記位置成分が前記外部体と前記制御部材の間の接触の位置の変動を表す変動を受けたときに、前記活性化信号(Act(t))を前記変換器に送るように構成される、請求項7に記載のタッチインターフェース。
【請求項9】
前記位置センサー(14
a)によって測定された前記位置成分に応じて、前記活性化信号(Act(t))がパラメータ化され、ノッチ効果が前記外部体によって感じられ、ノッチ効果がインターフェースからの触覚フィードバックを形成し、前記外部体に対応するノッチ効果が前記制御部材に少なくとも1つの仮想ノッチを感じるようになる、請求項7および8のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項10】
前記活性化信号が
- 各周期で振幅にわたって延びる周期的搬送波(w)と、
- 前記位置成分に基づいて変化する変調関数(A)と、を含み、
前記変調関数(A)による搬送波(w)の変調から、前記活性化信号の振幅が生じる、請求項9に記載のタッチインターフェース。
【請求項11】
前記変調関数が連続的に、
- 前記外部体がノッチに近づくときの前段階(dt
a)と、
- 前記外部体がノッチを横切るときのノッチ段階(dt
c)と、
- 前記外部体がノッチから離れるときの後段階(dt
p)と、を含み、
ユーザーによる仮想的なノッチの感覚が、前記前段階、ノッチ段階および後段階の間の変調関数に依存し、
前記変調関数は、ノッチ段階において、前段階および後段階よりも広い変動範囲にわたって変化するようになっている、請求項10に記載のタッチインターフェース。
【請求項12】
前記ノッチ段階において、前記変調関数は、その時間微分の絶対値(|A’(t)|)が前記前段階および後段階よりも高い最大値に達するようになっている、請求項11に記載のタッチインターフェース。
【請求項13】
前記制御部材(2)は、前記プレート(10)に対して可動である部品を備えていない、請求項1から12のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項14】
前記制御部材(2)は、ボタン、制御ホイール、またはスライダーの幾何学的形状を有する、請求項1から13のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項15】
前記プレート(10)は複数の変換器(12)に接続されている、請求項1から14のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項16】
前記プレート(10)が透明または不透明の剛体プレートである、請求項1から15のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項17】
スクリーン(11)を含み、
- 前記プレートは透明であり、
- 前記プレートは前記スクリーンに対して配置される、請求項1から16のいずれかに記載のタッチインターフェース。
【請求項18】
パラメータ(18)によって制御することができ、前記パラメータを選択するか、前記パラメータの値を設定するように構成されたインターフェース(1)を含む装置(20)であって、
前記インターフェースが請求項1から17のいずれかに記載されているようなインターフェースであり、
前記インターフェースが前記パラメータの値を決定するか、または前記状態信号(S(t))に基づいて前記パラメータを選択するように構成されていることを特徴とする装置(20)。
【請求項19】
請求項1から17のいずれかに記載されているようなインターフェースを制御する方法であって、
a)前記制御部材(2)に前記外部体(9)を適用し、
b)センサー(14)が、前記外部体の作用下での前記制御部材上の位置および/または前記制御部材によって前記プレート上に加えられる圧力を表す状態信号(S(t))を形成し、
c)前記制御ユニットが、前記状態信号に基づいて、前記変換器(12)または各変換器の活性化信号(Act(t))を発し、
d)前記活性化信号の影響を受けて、前記プレートを振動させ、超音波振動が前記制御部材(2)を伝播するようにして、前記外部体(9)に触覚効果をもたらす、方法。
【請求項20】
前記インターフェースが、請求項4から6のいずれかに記載されているインターフェースである、請求項19に記載の方法であって、
- ステップa)において、前記外部体(9)が前記制御部材に前記プレートの方向に圧力を加え、
- ステップb)において、前記外部体によって前記制御部材上に加えられる圧力を表す前記状態信号(S
b(t))が、前記センサーによって形成され、
- ステップc)において、前記制御部材(15)は、前記圧力および/または前記圧力の変動に基づいて活性化信号(Act(t))を発する、方法。
【請求項21】
前記インターフェースが、請求項7から12のいずれかに記載のインターフェースである、請求項19または請求項20に記載の方法であって、
- ステップa)において、前記外部体(9)は導電性であり、様々な導電性要素(3)に面して制御部材(2)上を移動し、
- ステップb)において、前記制御部材上の外部体の位置の変動を表す前記状態信号(S
a(t))が、前記センサーによって形成され、
- ステップc)において、前記制御ユニット(15)が、前記外部体の位置の変動に基づいて活性化信号(Act(t))を発する、方法。
【請求項22】
請求項19から21のいずれかに記載の方法であって、
- ステップa)において、前記外部体(9)は導電性であり、前記制御部材(2)は、様々な導電性要素 (3)と相互作用して、様々な接触点で同時に接触することができ、
- ステップb)において、多数の接触点を表す前記状態信号が、前記センサーによって形成され、
- ステップc)において、前記制御ユニット(15) が、接触点の数の変動に基づいて活性化信号を発する、方法。
【請求項23】
前記制御ユニットが、前記センサーによって形成された状態信号に基づいて、制御信号(Com(t))を装置 (20)に送信するステップe) を含む、請求項19から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記外部体 (9) がユーザーの指である、請求項19から23のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触覚フィードバックを備えたタッチインターフェースであり、3次元制御部材を含み、制御部材は、例えば、ユーザーの指またはユーザーによって操作されるスタイラスのような外部体によって触れることができる。
【背景技術】
【0002】
装置向けの従来のインターフェースは、これらの産業用装置または一般向け装置であり、一般的には、押しボタン、制御ホイール、スライダーなどのボタンである制御部材を使用する。このタイプの部材は、インターフェースを介して制御される装置の操作パラメータを選択または設定することを可能にする。制御部材は一般に3次元で、表面から伸びている。アセンブリは制御ベイを形成する。制御部材はさまざまな形式を採用できる。これらは一般に、電気的相互接続とともに可動部品で構成される。その結果、製造コストが高くなり、一定期間使用すると摩耗する。
【0003】
このタイプのインターフェースに代わるものの1つは、タッチスクリーン、特に静電容量式タッチスクリーンの開発で登場した。これらは、対話的かつ非常に直感的に操作することができる。今日では、携帯電話や自動車のダッシュボードなどの一般的な装置の両方に使用されているが、より専門的な産業用途にも使用されている。ただし、タッチスクリーンは一般的にテクスチャリングのない平面である。
【0004】
平面の画面にユーザーの指を当てたときにテクスチャの感覚を感じることができる装置も開発されている。このようなテクスチャリングの原理は、例えば、刊行物Biet M.et al.,"Squeeze film effect for the design of an ultrasonic tactile plate"、 IEEE Transactions on Ultrasonic, Ferroelectrics and Frequency Control, IEEE, 2007, 54 (12)、 pp.2678-2688、または他の特許出願EP 1956466に記載されているほか、刊行物Vezzoli et al.,"Couplage vibration ultrasonique etelectro-vibration pour la stimulation tactile" [触覚刺激のための超音波振動と電気振動の結合]、 Electrical Engineering Symposium SGE 2014にも記載されている。後者では、いわゆる超音波振動効果を使用するものを含む、2つの触覚刺激技術が比較されている。これらの文献は、指で触れることを意図した接触面を形成する、滑らかなプレートを含むタッチインターフェースについて説明している。このプレートは、プレートに接触して配置された複数の圧電変換器によって、後者の下で振動される。変換器とプレートは、Lamb波型の定在曲げ波の形成に伝導する共振器を形成する。接触面の振動共振周波数が、例えば10kHzと200kHzの間の超音波範囲にあり、振動の振幅が小さい場合(通常は数ミクロン) 、ユーザーは、指がその表面に沿ってスライドするときに、接触面のテクスチャ効果を感じることがある。この効果は既知であり、通常は「スクイーズ膜」(または過圧膜)という用語で示される。プレートの振動は、指とプレートの間にエアクッションを生成し、プレート上の指の摩擦を軽減する。これは超音波潤滑とも呼ばれる。振動を変調することで、プレート上の指の摩擦を修正する。このように、ユーザーは、接触面が滑らかなままで、テクスチャリングの印象、粗さの感じ、または滑りに対する一定の抵抗を感じることがある。この効果は、透明または非透明の接触面に適用され、触覚インターフェースを形成する。このタイプのインターフェースは、タッチスクリーンと組み合わせることができる。
【0005】
ただし、インターフェースに3次元の制御部材が存在することは、操作性が向上する、操作が直感的になる、などの利点がある。3次元部材は、ユーザーの可視性が低下する用途や、インターフェースに十分な注意を集中できない場合にも適している。例えば、ユーザーが自動車の運転者である場合、自動車内の機器の制御インターフェースは、運転者が運転に集中できるように、運転者の注意が最小限で済むように、可能な限り直感的である必要がある。
【0006】
文献特許第6739692号では、3次元の制御ボタンを備えた触覚インターフェースについて説明している。3次元の制御ボタンは、プレート上を回転して移動できる。制御ボタンの回転の効果の下で、触覚インターフェースは、制御ボタンとプレートの間の摩擦を調整することで構成される触覚フィードバックを発揮する。これにより、ユーザーはプレート上の制御ボタンのスライドの変調を知覚することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】EP1956466
【特許文献2】特許第6739692号
【特許文献3】FR1907542
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Biet M.et al.,"Squeeze film effect for the design of an ultrasonic tactile plate"、 IEEE Transactions on Ultrasonic, Ferroelectrics and Frequency Control, IEEE, 2007, 54 (12)、 pp.2678-2688
【非特許文献2】Vezzoli et al.,"Couplage vibration ultrasonique etelectro-vibration pour la stimulation tactile" [触覚刺激のための超音波振動と電気振動の結合]、 Electrical Engineering Symposium SGE 2014
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明者は、タッチスクリーンと従来の3次元部材の利点を組み合わせた装置のインターフェースを設計した。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の主題は、装置を制御することを目的としたタッチインターフェースであり、インターフェースは外部体によって触れることを目的としており、
- プレートと、
- できれば超音波振動周波数で、プレートを振動させるように構成された少なくとも1つの変換器と、を備え、
インターフェースは、
- プレートに当てられた近位端と、プレートから離れた位置にある遠位端との間に、プレートから伸びていて、外部体と接触することを意図している制御部材と、
- 制御部材上の外部体の接触を表す状態信号を発するように構成されたセンサーと、
- センサーに接続され、状態信号に基づいて活性化信号を少なくとも1つの変換器に送り、プレートを制御部材と共に振動させる制御ユニットと、
を備えることを特徴する。
【0011】
このように振動は、プレートまたは制御部材のいずれかに触れる外部体によって感じられるテクスチャリングの印象をもたらす。その後、振動はインターフェースからの触覚フィードバックを構成し、触覚が修正される。振動は超音波振動であることが望ましい。超音波振動とは、周波数が20kHz以上の振動を意味すると理解されている。振動周波数は200kHz未満が望ましい。
【0012】
状態信号は、外部体から制御部材にかかる圧力および/または外部体から制御部材にかかる位置を表すことができる。
【0013】
制御ユニットは、状態信号に基づいて制御信号を装置に送るように構成することができる。
【0014】
制御部材はプレートに固定することができる。また、制御部材は取り外し可能な場合もある。
【0015】
第1の実施形態によれば、
- センサーは圧力センサーを備えており、プレート上の制御部材によって加えられた圧力を測定するように構成されており、状態信号は、加えられた圧力に応じた圧力成分を含み、
- 制御ユニットは、加えられた圧力に基づいて、特に圧力が所定の閾値を超えたとき、または圧力変動に基づいて、活性化信号を変換器に送るように構成されている。
【0016】
圧力センサーは、
- プレートに面して配置され、プレートから離れる距離を測定するように構成され、プレートに加えられる圧力の影響下でのプレートの変形を決定するように構成される距離計、
- または、プレートに加えられる圧力の影響下でのプレートの変形の影響下で変形するように設計されたひずみ計、
- または、プレートに接触して配置され、プレートに加えられた圧力の影響下でのプレートの動きを検出するように構成されているダイナモメーター、
- またはプレートの振動の変動、プレートに加えられた圧力による変動を測定するように構成されている変換器、を備えていてもよい。
【0017】
圧力センサーによって測定された圧力成分に応じて、制御ユニットは、活性化シーケンスの形式をとる活性化信号を送信するように構成されてもよい。活性化シーケンスは、クリック効果が外部体によって感じられるようにパラメータ化され、クリックはインターフェースからの触覚フィードバックを形成する。
【0018】
活性化信号は、
- 各周期で振幅にわたって延びる周期的搬送波と、
- 位置センサーで測定された圧力成分に基づいて変化する変調関数と、
から確立され、
変調関数による搬送波の変調から活性化信号の振幅が生じてもよい。
【0019】
第2の実施形態によると、
- センサーは静電容量式位置センサーを含み、プレートに平行に延びる導電性トラックのネットワークに接続されていることが望ましく、
- 制御部材は電気的に絶縁された材料で形成され、互いに電気的に絶縁され、近位端と遠位端の間に延びる導電性要素を含み、
- 少なくとも1つの導電性トラックが制御部材の少なくとも1つの導電性要素と容量性で接触して配置され、導電性要素を介して外部体と導電性トラックの間で容量性効果を介して電荷の移動を可能にし、
外部体と制御部材の間の接触の位置に応じて、状態信号が位置成分を含む。
【0020】
制御ユニットは、位置部品が外部体と制御部材間の接触位置の変動を受けたときに、活性化信号を変換器に送信するように構成されてもよい。
【0021】
位置センサーによって測定された位置部品に応じて、活性化信号は、ノッチ効果が外部体によって感じられるようにパラメータ化されてもよく、ノッチ効果はインターフェースからの触覚フィードバックを形成する。ノッチ効果は、制御部材上の少なくとも1つの仮想ノッチを感じる外部体に対応する。仮想ノッチは、活性化信号によるプレートの振動の結果として感じられるノッチである。
【0022】
活性化信号は、
- 各周期で振幅にわたって延びる周期的搬送波と、
- 位置成分に基づいて変化する変調関数と、
から確立され、
活性化信号の振幅は、変調関数による搬送波の変調から生じてもよい。
【0023】
変調関数は、連続的に
- 外体がノッチに近づくときの前段階と、
- 外体がノッチを横切るときのノッチ段階と、
- 外体がノッチから離れるときの後段階と、
を含んでおり、
ユーザーによる仮想ノッチの感覚は、前、ノッチ、および後段階の間の変調関数に依存してもよい。
【0024】
変調関数は、ノッチ段階では、前段階および後段階よりも広い変動範囲で変化してもよい。
【0025】
前段階、ノッチ段階および後段階は、仮想ノッチに関連する活性化シーケンスを形成する。活性化信号は、複数の連続する活性化シーケンスを含むことができ、各活性化シーケンスは仮想ノッチに対応する。
【0026】
ノッチ段階では、変調関数は、その時間微分の絶対値が前段階および後段階よりも高い最大値に達してもよい。
【0027】
インターフェースからの触覚フィードバックは、制御部材の実際の表面状態とは無関係に、感じられるテクスチャである限り、仮想テクスチャに例えることができる。
【0028】
第1の実施形態と第2の実施形態は、互いに独立して、または組み合わせて考えることができる。
【0029】
1つの可能性によると、制御部材は、プレートに対して移動可能な部品を構成しない。
【0030】
制御部材は、ボタン、制御ホイール、またはスライダーの幾何学的形状であることが望ましい。
【0031】
プレートは、複数の変換器に接続されることが望ましい。プレートは、剛体、透明または不透明である。1つの可能性によると、インターフェースはスクリーンで構成される。プレートは透明になり、スクリーンに対してまたは平行に配置される。
【0032】
本発明の第2の主題は、パラメータによって制御することができ、パラメータを選択し又はパラメータの値を設定するように構成されたインターフェースを有する装置であって、当該装置は、本発明の第1の主題に従ったインターフェースであり、パラメータの値を決定し又は状態信号に基づいてパラメータを選択するように構成されたインターフェースであることを特徴とする。
【0033】
本発明の第3の主題は、本発明の第1の主題に従ったインターフェースを制御する方法であって、
a)制御部材に対し外部体を適用することを含み、
b)センサーは、外部体の作用下での制御部材上の位置および/または制御部材によってプレート上に加えられる圧力を表す状態信号を形成し、
c)制御ユニットは、状態信号に基づいて変換器または各変換器の活性化信号を発し、
d)活性化信号の影響を受けてプレートを振動させ、好ましくは超音波振動がプレート内を伝播するようにして、外部体に触覚効果をもたらす、ことを含む。
【0034】
このように、超音波振動が外部体に与える影響は、インターフェースからの触覚フィードバックを構成する。
【0035】
このインターフェースは、本発明の第1の主題の第1の実施形態に関連して記述されてもよい。この方法において、
- (a)の段階で、外部体がプレートの方向で制御部材に圧力を加え、
- (b)の段階で、センサーによって形成される状態信号は、外部体が制御部材に加える圧力を表し、
- (c)の段階で、制御ユニットは圧力および/または圧力の変動に基づいて活性化信号を発してもよい。
【0036】
活性化信号は、本発明の第1の主題の第1の実施形態に関連して記述されてもよい。
【0037】
インターフェースは、本発明の第1の主題の第2の実施形態に関連して説明されてもよい。
【0038】
その場合、本方法において、
- ステップa)において、外部体は導電性であり、様々な導電性要素に面して制御部材上を移動し、
- ステップb)において、センサーによって形成される状態信号は、制御部材上の外部体の位置の変動を表し、
- ステップc)において、制御ユニットは、外部体の位置の変動に基づいて活性化信号を発してもよい。
【0039】
活性化信号は、本発明の第1の主題の第2の実施例に関連して記述されてもよい。活性化信号は、活性化シーケンスの形式をとることも、複数の連続する活性化シーケンスの形式をとることもできる。活性化シーケンス、または各活性化シーケンスは、ノッチ効果が外部体によって感じられ、ノッチ効果がインターフェースからの触覚フィードバックを形成するようにパラメータ化してもよい。
【0040】
本方法において、
- ステップa)において、外部体は導電性であり、制御部材は様々な導電性要素上の様々な接触点で同時に接触することができ、
- ステップb)において、センサーによって形成される状態信号は、多数の接触点を表すものであり、
- ステップc)において、制御ユニットは、接触点の数の変動に基づいて活性化信号を発してもよい。
【0041】
本方法は、センサーによって形成された状態信号に基づいて、制御ユニットが装置に制御信号を送信するステップe)を含むことができる。
【0042】
外部体は、ユーザーの指であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明は、以下に示す図を参照して、説明の残りの部分で提示されている例示的な実施形態の説明を読むことによって、よりよく理解されるであろう。
【0044】
【
図1A】制御ホイールに似た外観のタッチインターフェースの一例を示している。
【
図1B】制御ホイールに似た外観のタッチインターフェースの一例を示している。
【0045】
【
図1C】
図1Aおよび1Bに関連して説明されているインターフェースを介した超音波振動の伝播を概略的に示している。
【0046】
【
図1D】変換器の活性化の時間的シーケンスを示しており、クリック効果をもたらすようにプレートの振動をもたらしている。
【0047】
【
図1E】制御メンバーに沿った指の動きを概略的に示している。この動きの間、プレートの振動の影響の下で、指は制御部材の表面に仮想的なノッチの存在を感じる。
【0048】
【
図1F】それぞれ変調関数によるキャリアの振幅変調から生じる、プレートを起動するための変調関数、搬送波、および信号を示している。
【
図1G】それぞれ変調関数によるキャリアの振幅変調から生じる、プレートを起動するための変調関数、搬送波、および信号を示している。
【
図1H】それぞれ変調関数によるキャリアの振幅変調から生じる、プレートを起動するための変調関数、搬送波、および信号を示している。活性化信号により、
図1Eに示す仮想ノッチを感じることができる。
【0049】
【
図1I】
図1Eに示す仮想ノッチを感じることができる別の活性化信号を示している。
【0050】
【
図2A】
図1Aから1Iに関連して説明されている特徴を含むインターフェースの様々な構成を示す。
【
図2B】
図1Aから1Iに関連して説明されている特徴を含むインターフェースの様々な構成を示す。
【
図2C】
図1Aから1Iに関連して説明されている特徴を含むインターフェースの様々な構成を示す。
【
図2D】
図1Aから1Iに関連して説明されている特徴を含むインターフェースの様々な構成を示す。
【
図2E】
図1Aから1Iに関連して説明されている特徴を含むインターフェースの様々な構成を示す。
【0051】
【
図3A】制御部材に沿って外部体、例えば指がスライドする効果の下で、インターフェースを伝播する超音波振動を形成するための活性化信号を示す。
【0052】
【
図3B】プレートに向かって外部体、例えば指によって加えられる圧力の効果の下で、インターフェースを伝播する超音波振動を形成するための活性化信号を示す。
【
図3C】プレートに向かって外部体、例えば指によって加えられる圧力の効果の下で、インターフェースを伝播する超音波振動を形成するための活性化信号を示す。
【0053】
【
図4A】超音波振動の発生を可能にする活性化信号が、制御部材上の多数の接触点の変動に基づいて活性化される一実施形態を示す。
【0054】
【0055】
【
図4D】制御部材の1つの特定の可能な幾何学的形状を示す。
【0056】
【
図5A】さまざまな実施例の主な手順を概略的に示している。
【
図5B】さまざまな実施例の主な手順を概略的に示している。
【
図5C】さまざまな実施例の主な手順を概略的に示している。
【
図5D】さまざまな実施例の主な手順を概略的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1Aおよび1Bは、本発明によるタッチインターフェース1の第1の例を示す。タッチインターフェースは、装置20を制御するために、外部体9によって動作するように意図されている。当該装置は、家電製品、自動車内の機器、その他の民生用又は業務用の機器の処理装置であってもよい。装置20は、有線又は無線リンクによってインターフェースに接続される。
【0058】
このアプリケーションで示されている例では、外部体9は指であり、想定されているほとんどのアプリケーションと一致している。代替として、外部体9はスタイラス、またはインターフェース1に作用するその他の手段であってもよい。「タッチインターフェース」とは、このような外部体9が触れるように構成されたインターフェースを指す。
【0059】
タッチインターフェースは、振動可能な剛性プレート10で構成される。プレート10は、外面10eと内面10iの間に延びている。外面10eは、指9にアクセスできる。内面10iと外面10eは、互いに平行に延びることが望ましい。外面10eと内面10iの間の距離は、プレートの厚さeを定義する。プレートの厚さeは、後述するように、超音波振動に応じてプレート10を振動させることができるように寸法が決められている。プレート10の厚さeは、10mm未満、または5mm未満であることが望ましい。厚さeは、材料の性質とその機械的特性(剛性、固体)に基づいて調整される。例えば、ガラスやプレキシグラスなどの材料の場合、厚さeは1mmから5mmの間である。
【0060】
示されている例では、内側の面10iと外面10eは平面であり、これは製造する最も単純な構成と一致している。プレートは、横軸Xに平行に幅lにわたって、縦軸Yに平行に長さLにわたって延びている。長さLと幅lは、5cmから数十cm、例えば30cm、またはそれ以上である。横軸Xと縦軸Yは主平面PXYを定義する。他の例では、内面10iおよび/または外面10eは湾曲していてもよい。
【0061】
プレート10は、ガラス、ポリマー、木材、金属、半導体、例えばシリコンなどの剛性材料から形成される。プレート10は透明または不透明である。プレート10は不透明な部分と透明な部分から構成されていてもよい。プレートは互いに積み重ねられた複数の層から構成されていてもよい。
【0062】
この例では、プレート10は横軸X上を第1側縁101と第2側縁102で区切られており、その近傍に変換器12が配置されている。近傍とは、プレート10の上または下で、できれば2cm未満の距離にあることを意味すると理解される。各変換器12は、電気的な活性化信号によって活性化することができ、活性化信号の効果の下で、プレートに垂直な方向にプレートの局所的な変形を生じさせるようにプレート10に圧力を加えることができる。活性化信号が周期的である場合、超音波周波数では、プレート10の変形は周期的であり、それによってプレート内を伝播する超音波振動19の形成につながる。振動は特に、プレート内を伝播する曲げ波によって生成されてもよい。曲げ波は定在波または進行波であってもよい。したがって、各変換器の活性化信号は時間変調および/または振幅変調されてもよい。プレートは複数の変換器12に接続されることが望ましい。変換器は、一般的に、プレート10の少なくとも一方の端の近く、できれば横軸Xおよび/または横軸Yに対して反対の二つの端の近くに配置される。プレート10の端における変換器12の配置は、必要条件ではない。変換器は、例えば、列の形、プレートの中央、またはマトリックスの他の構成で配置されてもよい。
【0063】
各変換器12は、2つの電極の間に配置された、例えばAlN、ZnOまたはPZTのような圧電材料からなる圧電変換器であってもよい。例えば、各変換器12は、PZT基準406であってもよい。代替として、各変換器は、例えばMEMS(MicroElectroMechanical System-electromechanical microresonator)タイプの電気機械式共振器であってもよいし、電歪式または磁歪式であってもよい。変換器12は、圧電材料がバイアス電極と接触して一層以上の薄層の形で堆積するようなものであってもよい。
【0064】
各変換器12は、プレート10の内面10iに接着結合によって接合されてもよい。変換器は、機械的に内面10iに接続されている。各変換器は、内面に直接接合されてもよいし、中間の、できれば剛性のある部品に接合されてもよく、または各変換器によってもたらされる振動をプレートに伝達できるように、内面10iに接合されていてもよい。
【0065】
中間部品は金属であってもよい。中間部品は、例えば、増幅器を形成する部品であり、プレートと変換器12(または各変換器12)の間に配置され、変換器12(または各変換器12)によって生成され、プレート10に伝達される振動を増幅するように設計されていてもよい。中間部品は、プレートの剛性を高めるために剛体層を形成してもよい。中間部品は、以下に説明するように、プレート10に接合されたスクリーン11とすることができる。プレート10は、スクリーン11の保護パネルを形成することができる。スクリーン11は、LCD (液晶ディスプレイ) またはOLED(有機発光ダイオード)スクリーンであってもよい。中間部品は、多層部品であってもよい。中間部品は、例えば、その下にアンプを形成する部分が配置され、変換器がアンプに結合されるスクリーンを含むことができる。
【0066】
一般的に言えば、各変換器12は超音波振動19を発生するように構成され、その超音波振動はプレート10内を伝播する。超音波振動19の周波数は10kHzから200kHzの間が望ましい。超音波振動19の周波数は、超音波スペクトル帯域に関係するように20kHzより大きく、150kHz未満が望ましい。超音波振動19の振幅は一般的に0.1μmから50μmの間である。
図1Cは、プレート10内を伝播する超音波振動19を模式的に示している。触覚フィードバックインターフェースの分野で知られているように、プレートの振動は、プレート10と指9の間に空気の薄膜の形成 (「スクイーズ膜効果」として知られている) をもたらし、それによって指とプレートの間の接触面の変化をもたらす。プレートの振動の振幅を変調すると、空気の膜の厚さが変化する。これは、従来技術で説明されているように、プレートと指の間の摩擦を修正し、それによって、ユーザーの指が外面10
e上を移動するときに、プレートのテクスチャリングの印象につながる。超音波振動19は静止していてもよいが、静止している必要はない。
【0067】
発明者らは、プレート10上、より正確にはプレートの外面10e上に剛性の三次元制御部材2を配置した。発明者らは、プレート10内を伝播する超音波振動19が、特に顕著な減衰なしにプレートの垂直移動を維持することが可能な場合に、制御部材2内でも伝播する可能性があることを発見した。超音波振動19は、指9が制御部材2に触れると、指9によって間接的に感じられる可能性がある。これは本発明の重要な要素であり、それによると、触覚効果はプレート10との接触だけでなく、制御部材2との接触でも感じられる可能性があり、制御部材2は剛性が高く、プレート10に接続されていることが望ましい。振動周波数が超音波であるという事実は、プレートの外面または制御部材2上を移動する外部体9を除いて、振動を知覚できないようにする。
【0068】
制御部材2はプレート10上に固定してもよい。また、制御部材2はプレート10の上に一時的に置くこともでき、取り外し可能である。いずれの場合も、制御部材はその動作中、すなわち外部体からの作動中は固定されたままである。
【0069】
制御部材2は、従来技術で説明されているように、制御ホイール、ボタンまたはスライダーという従来の制御部材の形態をとることができる。ただし、標準的な制御部材とは異なり、制御部材2は、可動部品や電子部品のない単純で不活性な要素であってもよい。制御部材2は、例えば、成形などの単純な製造プロセスによって得られる。
【0070】
一般に、制御部材2は、プレート10に接触する近位端2
pと、プレートから延長距離に位置する遠位端2
dとの間に延びている。延長距離は、プレート10に垂直な横軸Zに沿って、プレートと遠位端2
dとの間の距離に相当する。通常、数ミリメートルまたはセンチメートルに等しい。制御部材2は側面2
aからなり、近位端2
pを遠位端2
dに接続する。指9は、遠位端2
d(cf.
図1B)または側面2
a(
図1A, 1B, 1C, 1Eを参照)のいずれかで制御部材2に接触する。
【0071】
また、指9は、制御部材の端部(例えば側面2
aと近位端2
pの接合部)、または制御部材が中空の場合は内面(例えばリングの場合)でも接触する。
図1Aの例では、遠位端2
dは二次元であり、プレート10の外面10
eに平行な平面に沿って延びている。遠位端2
dは制御部材2の支持面を構成してもよい。
【0072】
制御部材2が三次元に伸びていることで、1本以上の指9による握りが良くなる。指9は、側面2aに沿って容易にスライドするか、遠位端2dをプレート10の方向に押すことができる。また、制御部材2の三次元面により、インターフェースの接触面を大きくすることができる。三次元制御部材2により、平坦なインターフェースに比べて人間工学的に改善されたインターフェース1を得ることができることが理解されるであろう。
【0073】
図1A~
図1Cおよび
図1Eの例では、制御部材2はホイールの形状に似た円筒形をしている。他の構成に応じて、制御部材は他の形状、例えば、直方体、円錐、円錐台形、または半球形をしている。直方体または円錐台形の例は、
図4Bから4Dに関連して以下にコメントされている。制御部材2は剛体である。プレート10の外面10
eに接着接合してもよい。
【0074】
インターフェース1はセンサー14からなり、指9と制御部材2の接触状態に応じて状態信号と呼ばれる信号S(t)をtの時間で形成することができる。
接触状態とは、
- 制御部材2上の接触の位置、および/またはその位置の変動、
- および/または指9が制御部材2を介してプレート10に加える圧力、および/またはその圧力の変動、
を意味すると理解される。
【0075】
センサー14は位置センサー14
aを含むことができる。位置センサー14
aの機能は、外面10
eに平行な指9の接触位置を決定することである。
図1Aおよび
図1Bの例では、プレート10は誘電体材料で形成されており、位置センサー14
aは静電容量センサーである。位置センサー14
aは二次元ネットワーク上に配置された導電性トラック13に接続されている。導電性トラック13は内面10
iに隣接している。導電性トラックは、外面10
eの下でプレート10に平行に延びている。示されている例では、導電性トラックは静電容量スクリーン11上に形成され、内面10
iに隣接して配置されている。
【0076】
プレート10が不透明である場合、導電性トラック13は、例えば金属のような一般的な導電性材料から作られてもよい。プレート10が透明である場合、導電性トラック13は、例えばITO(Indium-Tin Oxide)のような一般的な材料である導電性酸化物のような透明な導電性材料から作られることが望ましい。導電性トラック13によって形成されるネットワークは、マトリックス型であってもよく、トラックは直線状で、行や列に広がっている。導電性トラックは、バイアス電圧に沿ってバイアスされていてもよい。
【0077】
導電性トラック13は、プレート10上に直接形成しても、プレート10内に形成してもよい。
【0078】
制御部材2は、例えばプラスチックのような誘電性材料で構成されても、または形成されてもよい。制御部材2は、例えば金属製で、できれば直線状の導電性要素3を含み、側面2aに沿って近位端2pから遠位端2dに向かって伸びている。様々な導電性要素3は互いに電気的に絶縁されている。このような制御部材2は、07/05/2019に出願された特許出願FR 1907542に記載されているように構造化することができる。近位端2pにおいて、各導電性素子3は、プレートによって形成されたわずかな厚さの誘電体材料によって分離されながら、導電性トラック13に面して配置される。その後、導電性トラック13と導電性素子3との間に容量結合を確立することができる。
【0079】
指9が導電性である場合、導電性素子3との近接効果の下で、導電性素子3と1つ以上の導電性トラック13との間で行われる容量結合によって、1つ以上の導電性トラック13と指9との間で容量効果を介して電荷移動を行うことができる。指9は、導電性素子3と直接電気的に接触することができる。また、指9は、導電性素子3と容量結合することもできる (例えば、導電性素子3が薄い誘電体層、例えば、ニスで覆われている場合) 。なお、容量結合に基づく検出は、制御部材2が、例えば金属製の導電性本体9、指または導電性スタイラスによって触れられていることを前提としている。
【0080】
図1Aおよび1Bは、導電性トラック13がプレート10の背後にあるため、ダッシュで示されている。
【0081】
導電性トラック13は、位置センサー14aに接続されている。この位置センサーは、プレート10に平行に、指9と導電性トラック13との間の容量性接触点の位置を推定するように構成されている。導電性トラック13の二次元配置により、位置センサー14aは、プレート10に平行な接触点の二次元座標 (x,y) を得ることができる。また、位置センサー14aは、接触点の変動を推定することができ、以下のものが検出される。
- 制御部材2に対する指9の移動時には、接触点の位置の空間的変動が検出される。
- 制御部材2に対する指9の適用または取り外し時には、接触点の位置の時間的変動が検出される。
【0082】
静電容量検出の分野で知られている方法では、導電性トラック13と導電性要素3は、複数の導電性トラック13によって指9の存在が同時に検出されるように、メッシュを有利に定義する。したがって、指は、少なくとも2つの隣接する導電性要素3と接触または静電容量結合して配置される。これにより、プレート10に平行な指の位置を高い空間分解能で求めることができる。
【0083】
プレート10の内面10
iに対して位置するスクリーン11の一部11'が
図1Aに示されている。この例では、スクリーン11により、後述のように制御部材2に作用する指9によって調整されたパラメータ18を部分11'に表示することができる。
【0084】
図2Aは、インターフェース1を形成する主要素の平面PXZでの図である。
図2Aの例では、センサー14は、位置センサー14
aに加えて、圧力センサー14
bを含む。圧力センサー14
bは、プレート10にかかる圧力を測定するように構成されており、その結果、当該プレートが変形する。制御部材2をプレート10に向かって押す指9が
図2Aの例に示されている。指9によって加えられた圧力は、制御部材2によってプレート10に伝達される。圧力の影響を受けてプレート10は変形し、圧力センサー14
bに向かって曲がる。
図2Aの例では、静電容量スクリーン11がプレート10の内面10
iに押し付けられている。プレート10に加えられた圧力の影響で、プレート10とスクリーン11によって形成されたアセンブリが変形する。
【0085】
圧力センサー14bは、プレート10から離れる距離の変化を測定するように構成された距離計を含むことができる。距離計の検出範囲は短距離に適応され、短距離の変動にも適応される。距離計は、例えば、動作範囲が1mmから5mmで、プレートから2.5mmの位置にある赤外線光学距離計であってもよい。このような距離計は一般に「反射物体センサー」と呼ばれる。例えば、基準センサーQRE 1113はこのような用途に適している。
【0086】
図2Bでは、インターフェースは位置センサー14
aを含むが、圧力センサー14
bは含まない。
【0087】
距離計に代わるものとして、圧力センサー14
bはひずみゲージであってもよく、プレート10と接触して配置されるか、プレート10とスクリーン11によって形成されるアセンブリと接触して配置されてもよい。ひずみゲージはプレートの変形を定量化することを可能にする。
図2Cにそのような構成の一例を示す。なお、
図2Cに示す構成では、センサー14は位置センサー14
aを構成していない。
【0088】
別の方法として、プレート10に接触させて、プレートによって加えられる圧力の測定を可能にするダイナモメトリックセンサーを使用する方法がある。ただし、設計の容易さから、距離計センサーの使用が好まれる。これにより、プレート10が受ける変形を非接触で測定することができる。
【0089】
別の代替案によると、圧力センサー14
bは特許出願EP 3566115に記載されているとおりである。圧力センサー14
bは、プレート10が少なくとも一つの圧電変換器12によって振動されている間に作用する。プレート10に加えられる圧力は、当該圧力の影響下で振動振幅の変動を測定することによって推定される。振動振幅の変動は、一つ以上の変換器12によって測定することができる。変換器12から生じる変動測定に基づいて、圧力センサー14
bはプレート10に加えられる圧力を決定する。このような構成では、
図2Dおよび2Eに示すように、圧力センサー14
bは変換器12に接続される。
【0090】
インターフェースは、また、センサー14に接続された制御ユニット15を含み、このセンサーは位置センサー14aおよび/または圧力センサー14bを含む。センサー14は制御ユニット15に状態信号S(t)を送る。
状態信号は、
- 位置センサー14aからの、制御部材2上の指または複数の指の位置を表す位置成分Sa(t)と、
- および/または圧力センサー14bからの、制御部材2上の、プレート10に向かって指によって加えられる圧力を表す圧力成分Sb(t)と、
を含む。
【0091】
状態信号S(t)は、例えば数十Hzから数百kHzの間の測定周波数で、各時間tで更新される。
【0092】
制御ユニット15は、マイクロコントローラまたはマイクロプロセッサで構成される。制御ユニット15は、以下に説明する動作を実行するようにパラメータ化またはプログラムされる。制御ユニット15は、センサー14によって送信される状態信号S(t)に基づいて、制御信号Com(t)を装置20に送信することができる。例えば、インターフェース1を使用して装置20の動作パラメータ18の値を定義する場合、制御ユニット15は、パラメータの値を当該装置に送信するように構成される。
【0093】
本発明の重要な側面の一つは、制御ユニット15が、状態信号S(t)に基づいて、活性化信号Act(t)を少なくとも一つの変換器12に、できれば各変換器12に送るように構成されていることである。望まれる目的は、ユーザーに送られるインターフェース1から触覚フィードバックを得ることである。活性化信号の効果の下で、活性化された各変換器は超音波振動19を発生させ、
図1Cに示すように、プレート10を通って制御部材2を通ってユーザーの指9に伝播する。
【0094】
図1Dは、圧電変換器の活性化の効果の下で、時間の関数としての超音波振動19の振幅の変調を示している。
図1Dはクリック効果の発生に対応している。クリック効果とは、制御部材2に接触している指が触覚的なクリック感を知覚する効果を意味すると理解されており、例えば従来の制御ボタンを押したり離したりして動作するクリックに相当する。この効果は、
図1Dに示すように、変換器12の全部または一部を活性化シーケンスにかけることによって得られる。活性化シーケンスは、プレート10を振動させることができる時間Δtの間の活性化信号Act(t) の生成を意味すると理解される。この例では、活性化シーケンスは時間Δt=10msにわたって拡張される。他の例によると、数ms、例えば5msから数百msの間続くことがある。変換器12の活性化は、例えば2μmのピーク間に等しいかもしれない振幅でプレート10の超音波振動をもたらす。
図1Dでは、横軸は時間(単位は秒)に対応し、縦軸は変換器12に送られる活性化信号Act(t)の振幅に対応する。
図1Dの縦軸の単位はピコメートルであり、これはプレートの変形の振幅を表す。クリックに対応する活性化シーケンスは、活性化信号の振幅または周波数とともに、持続時間Δtによってパラメータ化することができる。これらのパラメータの1つを変化させることで、感じられるクリック効果を変化させることができる。したがって、制御ユニット15は、それぞれの活性化シーケンスが特定のクリック感に対応する、様々な活性化シーケンスを生成することができる。ある変形例によると、クリック効果は、2019年9月3日に出願された特許出願FR 1909660に記載されているように生成されてもよい。活性化シーケンスは、制御ユニット15に接続されたメモリ16に記録される場合がある。
【0095】
図1Dに示す活性化シーケンスでは、活性化信号Act(t)は、周期的に振幅変調された、いわゆる「搬送波」信号wによって形成される。搬送波信号wの周期は、好ましくは超音波周波数、すなわち20kHzから200kHzの間に相当する。この例では、搬送波wは正弦波である。活性化信号は変調関数Aによる搬送波の振幅変調によって形成される。
図1Dに示されている例では、変調関数Aは最初に増加し、次に一定になり、次に減少する。活性化信号は次のようなものである。
【数1】
【0096】
搬送波の変調中、変調関数Aは所定の時間形式を採用する。変調関数Aは、単純なゲート関数、台形、ガウス関数、三角形、または別のタイプの周期関数であってもよい。
【0097】
別の実施形態によると、指9は制御部材2に沿ってスライドするときにノッチ効果を知覚する。制御部材2の側面2
aに沿った仮想ノッチCは、
図1Eに示されている。ノッチCは仮想的であり、実際のテクスチャリングや制御部材2の表面状態には対応していない。これらは、プレートと制御部材の振動の影響を受けて、表面2
aに沿って指がスライドすることによって感じられるノッチである。例えば、制御部材の表面は滑らかであり、制御部材上をスライドする指は、互いに間隔を空けたノッチに対応する仮想テクスチャリングを知覚する。ノッチ効果とは、制御部材2に沿ってスライドするときに、制御ホイールを回転させるときに知覚される機械的なノッチの通過に匹敵する触覚的なノッチ感覚を指が感じる効果を意味すると理解される。つまり、ノッチのある機械的なスライダーに指が作用した場合に知覚されるノッチ感覚を模倣することである。これにより、指が各ノッチ上を移動するときの速度がほぼ瞬時に変化する。指の速度の変化は、加速または減速に対応する。速度の変化は、インターフェースに沿って滑る指の摩擦の変化によってもたらされる。摩擦の変化は、以下に詳述するように、プレートを振動させることによって得られる。
【0098】
クリック効果と同様に、周期的な搬送波wの振幅変調によって活性化信号が得られる。振幅変調は振幅変調関数によって行われる。クリックに対応する活性化シーケンスとは異なり、複数の連続したノッチの感覚を得たい場合、振幅変調関数は周期的である。
【0099】
図1Fから
図1Hに示す第1の可能性によると、変調関数は上三角である。
図1F、
図1Gおよび
図1Hは、それぞれ式(1)に従って、変調関数A、正弦波の搬送波w、および、変調関数Aによる正弦波の搬送波振幅変調から生じる活性化信号Actを示す。
【0100】
それぞれの図において、横軸は時間t(単位:秒)、縦軸は振幅に対応している。
【0101】
変調関数の時間的形状は、ノッチごとに次の、
- 指がノッチに近づくと発生する前時間段階dta、
- 指がノッチを横切ると発生するノッチ時間段階dtc、
- 指がノッチから離れると発生する後時間段階dtpから、構成される、ことが分かる。
【0102】
前、ノッチおよび後時間段階が連続的に活性化される。これらはノッチに関連する活性化シーケンスを定義する。したがって、各ノッチに対して、活性化信号は、継承前段階、ノッチ段階、後段階に対応する活性化シーケンスを形成する。活性化シーケンスの期間は、前段階、ノッチ段階、および後段階のそれぞれの期間の合計に対応する。
【0103】
一般的に言えば、ノッチに対応する各活性化シーケンスは、ノッチ段階中に、変調関数Aの振幅がシーケンスの前および後段階よりも大幅に大きな変動範囲内で変化するようなものである。振幅変調は制御部材2の表面上の指の摩擦を決定する。ノッチの知覚は、ノッチの前後で摩擦が比較的安定しており、ノッチ通過時に摩擦が大きく変化する場合に現実的である。これにより、ノッチ通過時に指の速度が急激に変化し、ユーザーがノッチを知覚することにつながる。速度の急激な変化は、減速、加速、または加速と減速の組み合わせである場合がある。ノッチの前後の前段階および後段階の間、変調振幅の変動はノッチ相の間よりも小さい。前相および後相の間、振幅変調は、
図1Fおよび1Hに示すように、これを必要とせずに、例えば0のように安定している場合がある。安定した振幅変調は、仮想ノッチCが通過する前または後に、制御部材2の表面の平坦感を生成する。
【0104】
したがって、振幅変動に対応する場合、ノッチ時系列は次のようになる。
【数2】
【0105】
図1Fと1Hの例では、ノッチ段階dt
cの間に、プレートの振幅変調が徐々に増加し、それによってスライドの知覚が増加し、指の速度が増加する。ノッチ段階は切れ目で終わり、指が突然遅くなる。加速と減速の組み合わせによってノッチが知覚される。
【0106】
ノッチに対応する時系列は、ノッチ段階の間、変調関数の時間微分A’(t)の絶対値が前段階と後段階の間よりも高い最大値を持つようなものが望ましい。
A(t)が変調関数に対応する場合:
【0107】
これは、ノッチ段階の間に、変調関数が前段階と後段階の間よりも大きなおよび/または速い振幅変動を受けるという事実を反映している。これにより、摩擦の変化がより速く、またはより大きくなり、指で知覚されるノッチが生じる。
【0108】
2つの連続するノッチに対応する2つのノッチ段階は、期間dtによって時間的に間隔が置かれる。周期dtは、制御部材2に沿った指9の位置の変化に基づいて適応される。例えば、周期dtは、指の移動速度が速いほど短くなる。これは、ユーザーの指にとって、時間的に近いノッチの感覚をもたらす。このように、変調関数の周期dtは、ノッチの知覚のリアリティを向上させるために、指の速度に基づいて調整される。
【0109】
各仮想ノッチの形状および各仮想ノッチ間の間隔は、制御ユニット15に接続されたメモリ16にデジタル的に事前定義されている。ノッチの形状は、ノッチに対応する活性化シーケンスにおいて指が感じる形状を意味すると理解される。一つの同じ制御部材上で、ノッチ数は調整したい値のパラメータ18に基づいて可変であってもよい。連続するノッチ間の間隔も同様であり、当該間隔は必ずしも規則的ではない。したがって、制御ユニット15に接続されたメモリ16は、一つの同じ制御部材に対して、仮想テクスチャのライブラリを構成することができ、各テクスチャは、形状および制御部材2上のノッチの分布に対応する。
【0110】
2つの連続するノッチ間の時間に加えて、指が知覚するノッチ感覚を変調することができる。
図1Iは、別のノッチ効果を感じるための活性化シーケンスの別の例を示しており、
図1Hに示されたシーケンスに従って得られたノッチ効果とは異なる。
図1Iでは、搬送波は
図1Gに示された搬送波と同一である。変調関数は下降三角形である。
【0111】
ノッチ信号を生成する他の活性化シーケンスは、例えば、時間形式がスロットを含むか、正弦波波形を持つ変調関数で考えられる。これにより、指9による多種多様なノッチ感覚を得ることができる。例えば、徐々に抵抗が増加する知覚を発生させるノッチを得ることができる。ノッチのシーケンスは、周波数および/または搬送波の形状および/または変調関数の形状および/または振幅によってパラメータ化される。変調関数Aは、より複雑な効果を作成するために複数の基本要素で構成される場合がある。
【0112】
図1Dに関連して説明されているように、クリック効果の生成は、一般に、指 (またはより一般的には外部体9)からの制御部材2への圧力の影響下で、継続時間Δtの中断されない活性化シーケンスを送信することによって行われる。中断されない活性化シーケンスは、中断することなく、初期時間と最終時間の間に広がる活性化シーケンスを意味すると理解される。
【0113】
図4Aに関連して説明されている1つの変形例では、クリック効果は、制御部材2に接触する指の数の変化によって活性化される場合がある。
【0114】
1つの変形例によると、この方法では、指が圧力を維持している間に、2回の連続した近接クリック、またはそれ以上に、各クリックが別のクリックから短い間隔で発生する場合がある。すべてのクリックに対応する活性化シーケンスの合計時間は、10ms未満であることが望ましい。
【0115】
図2Aに模式的に示す例では、制御部材はプレート10に対して静止している。これは、プレート10に対して可動性のある部品を構成していない。
図2Bから2Eに示す制御部材についても同様である。これはインターフェースの特に単純な機械的設計に相当する。
【0116】
図2Bに概略的に示された例では、センサー14は圧力センサー14
bを構成しておらず、制御ユニット15に送られる状態信号S(t)は、制御部材2上の指9の接触位置を表す成分S
a(t)のみで構成されている。
【0117】
図2Cに示された制御部材2は、近位端2
pから延びる電気伝導体3を構成していないため、特に単純である。
図2Cに概略的に示された例では、センサー14は位置センサー14
aを構成しておらず、制御ユニット15に送られる状態信号S(t)は、指9が制御部材2に加える圧力を表す成分S
b(t)のみで構成されている。
【0118】
スクリーン11は、インターフェース2から離れた場所に配置することができる。この構成は、
図2Dに示されており、スクリーンは、インターフェース1によって制御される装置20に、当該インターフェースから遠隔的に統合されている。
【0119】
図2Eに概略的に示されている例では、インターフェース1は、プレート10の表面の一部のみを占めるスクリーン11で構成されている。
【0120】
ここで、インターフェース1のいくつかの実施例について説明する。
第1の実施例
【0121】
第1の実施例によると、インターフェース1は
図1A、1B、1C、1E、および2Aに概略的に示されているようになる。制御ユニット15は、位置成分S
a(t)と圧力成分S
b(t)からなる状態信号S(t)を受信する。ユーザーの指9は、
図1A、1Cおよび1Eに示すように、制御部材2の周りをスライドすることができる。導電性トラック13に容量結合された導電性要素3によって、制御部材2上の指9の位置を決定することができる。指の位置、または指の位置の変動に応じて、制御ユニット15は各変換器12に活性化信号Act(t)を送信して超音波振動19を形成し、指9の摩擦を制御部材2の表面で変調する。これにより、粗さが増したり減ったりした印象となる。このように、摩擦の変調によって得られるノッチの効果をユーザーは感じる。摩擦の変調は、変換器12を制御する活性化信号に依存する。ノッチ効果を得るために、活性化信号は
図1Eから1Iに関連して説明されてもよい。
【0122】
一つの可能性として、制御ユニット15は、位置成分S
a(t)に基づいて、所定の位置に対する指の位置を決定する。制御ユニット15は、
図1Eから
図1Iに関連して説明されているように、「ノッチ効果」活性化シーケンスを送信し、指が決定された位置の上を通過したときにノッチ感覚をもたらすようにする。制御ユニット15に接続されたメモリ16では、仮想ノッチCが上記の所定位置のそれぞれに対応している。
【0123】
別の可能性としては、制御ユニット15は、位置成分S
a(t)に基づいて、指の位置の変動、例えば、制御部材2に沿った指の移動速度を決定する。活性化信号は、移動速度に基づいてパラメータ化されてもよい。例えば、移動速度が速いほど、活性化信号の周期dtは減少する。
図3Aは、指の移動速度の関数としての活性化信号の変動を示している。第1の時間間隔T
1の間、指は制御部材2に沿って一定の速度でスライドする。時間間隔T
1の後の第2の時間間隔T
2の間、指は制御部材2に沿ってより高い速度でスライドする。これにより、活性化信号が修正される。したがって、活性化信号、特にその周期dtは、制御部材2に沿った、またはその周囲の指の速度に基づいて修正される。
【0124】
上記のように、指9が制御部材2に沿ってスライドすると、制御ユニット15はノッチ効果を発生する。ノッチ効果は、ノッチ付きの機械式ホイールを動かすことによって得られるノッチの感覚を模倣する。
【0125】
指9がプレート10の方向で遠位端2
dを押すと、圧力成分S
b(t)は、加えられた圧力の増加を表す。第1の降下閾値と呼ばれる圧力閾値P
1に達すると、制御ユニット15は制御信号Act(t)を変換器に送り、
図1Dに関連して説明されているように、活性化シーケンスに従って、当該変換器が超音波振動を発生する。活性化シーケンスの持続時間Δtは、例えば1msから1sの間、好ましくは1msから100msの間である。超音波振動19は、ユーザーの指9によって間接的に感じられる制御部材2まで伝播する。活性化シーケンスは、ユーザーが感じるクリック効果を形成する。インターフェースによって実行されるクリック効果は、指を使用して従来の機械的なボタンを押したときに感じる機械的なクリック効果を模倣する。クリック効果がユーザーによって感じられると、そのユーザーは圧力を解放することができる。
【0126】
必要に応じて、ユーザーの指が解放された影響の下で、プレート10に加えられた圧力が減少し、解放閾値P
2を下回ると、制御ユニット15は変換器12に活性化信号を送信して、第1の下降閾値P
1を超えたときに発生するクリック効果と同様または異なる第2のクリック効果を形成することができる。時間関数としてプレートに加えられる圧力の発展、および時間関数としてのプレートの振動振幅が
図3Bに示されている。時刻t
1において、加えられた圧力は下降閾値P
1を超え、それによってクリック効果が発生する。時刻t
2において解放閾値P
2を超える。この例では、解放閾値を超えたときのプレートの振動振幅Aは、第1の下降閾値P
1を超えたときのプレートの振動振幅よりも小さくなっている。いくつかの代替案によると、各活性化シーケンスの持続時間Δtは変調される可能性があり、第1の下降閾値P
1を超えたときに長くなり、解放閾値P
2を超えたときに短くなるか、またはその逆になる可能性がある。
【0127】
したがって、クリック効果を発生させる活性化シーケンスをトリガーするために、制御ユニット15は、プレートに加えられる圧力レベルだけでなく、圧力レベルの変動の増減方向も考慮することができる。下降閾値は、加えられた圧力が増加している間にトリガーされ、解放閾値は、加えられた圧力が減少している間にトリガーされる場合がある。
【0128】
必要に応じて、複数の下降閾値を定義できる。これを
図3Cに示す。第2の下降閾値P'
1が定義されている。第2の下降閾値P'
1を超えると、t'
1の時点で、プレートにかかる圧力が増加している間に、制御ユニット15は、第1の下降閾値P
1を超えたときにトリガーされる活性化シーケンスとは異なる変換器12の活性化シーケンスを命令してもよい。
図3Cに示す例では、第2の下降閾値P'
1に対応する振動振幅は、第1の下降閾値P
1に対応する振動振幅よりも大きくなる。異なる下降閾値の数は、2よりも大きくなる場合がある。
【0129】
このような実施形態の一例的な適用は、パラメータ18の値の調整、次に選択された値の検証に対応する。指9は、制御部材2の側面2
aの周りをスライドすることができる。各種導電性素子3に対する指の位置の進化に応じて、制御ユニット15は指の回転方向を決定する。回転方向、場合によっては回転速度に応じて、パラメータ18の値は一段階以上増減する。制御ユニット15は、指の位置(および/または指の速度)とパラメータの一段階の通過の関係を定義する。パラメータ18の値は、
図1Aに示すように、画面11の一部11'に表示することができる。
【0130】
インターフェース1によって生成される触覚フィードバックによって、ユーザーは各増分を感じることができ、それによってパラメータ18を正確に調整することができる。触覚フィードバックは、
図1Eから1Iおよび
図3Aに関連して説明されているように、ノッチ効果に対応する。インクリメントを超えると、制御ユニット15は制御信号Com(t)を装置20に送信し、パラメータの値を一インクリメントだけ修正する。
【0131】
選択されたパラメータの値を確認するために、指9がプレート10に向かって先端2
dを押す。結果として生じるクリック効果により、選択された値が有効であるという情報を提供することができる。ユーザーの指9が制御部材2を押すと、
図3Bに関連して説明されているように、第1の下降閾値P
1まで、圧力が徐々に増加する。加えられた圧力は、圧力センサー14
bによって検出される。その後、制御ユニット15は変換器12の活性化シーケンスを指令する活性化信号を生成する。この活性化シーケンスはクリック効果の代表的なものである。インターフェースによって生成される触覚フィードバックにより、ユーザーはクリック効果を感じることができる。その後、そのユーザーに、インターフェース1によって自分の押し操作が考慮されたことを通知される。また、制御ユニット15は制御信号Com(t)を装置20に送信し、ユーザーが選択したパラメータの値を確認する。
【0132】
別の代表的なアプリケーションによると、指が制御部材2に沿って移動すると、画面11はブラウジングモードと呼ばれるさまざまなオプションを表示する。インクリメントごとに、新しいオプションが提供される。ユーザーがオプションを保持したい場合は、遠位端2dで指9を押すことによって提供されたオプションが有効になる。
【0133】
【0134】
ステップ100:位置センサー14aを使用して、制御部材2上の接点の位置を検出する。
【0135】
ステップ110:接点の位置の変化が検出された場合、制御ユニット15は、ノッチ効果を表す一つ以上の活性化シーケンスに従って、変換器12の活性化信号Act(t)を発動する。
【0136】
ステップ120:接点の位置の変化が検出された場合、制御ユニット15は、装置20に制御信号Com(t)を発動し、パラメータ18またはパラメータ18の値を調整する。
【0137】
ステップ110と120は同時に実行することができる。
【0138】
ステップ130:圧力センサー14bを使用して、制御部材2によってプレートに加えられた圧力を検出する。
【0139】
ステップ140:加えられた圧力が増加し、第1の下降閾値P1を超えると、制御ユニット15は、クリック効果を表す活性化シーケンスに従って、変換器12の活性化信号Act(t)を発動する。
【0140】
テップ150:加えられた圧力が増加し、第1の下降閾値P1を超えると、制御ユニット15は、選択されたパラメータ18を検証するために、装置20に制御信号Com(t)をトリガーする。
【0141】
ステップ140と150は同時に実行することができる。
【0142】
ステップ160 (任意):加えられた圧力が増加し、第2の下降閾値P'1を超えると、制御ユニット15は、例えばパラメータの検証をキャンセルするなどの補完的なアクションを実行するために、制御信号Com(t)を装置20に発動する。それと並行して、第2の下降閾値に対応するクリック効果の活性化シーケンスに従って、活性化信号Act(t)が変換器12に送られる。第2の下降閾値に対応するクリック効果は、第1の下降閾値に対応するクリック効果と類似していても、異なっていてもよい。
【0143】
ステップ170 (任意):加えられた圧力が減少し、解放閾値P2を超えると、制御ユニット15は、圧力の解放に対応するクリック効果を表す活性化シーケンスに従って、変換器12の活性化信号Act(t)を発動する。このクリック効果は、以前のクリック効果と類似または異なる場合がある。
第2の実施例
【0144】
図2Bに関連して説明されている第2の実施例では、第1の実施例に関連して説明されているように、様々な導電性素子3との相互作用により、ユーザーの指が制御部材2に沿ってスライドすると、前述のようなノッチ効果が発生する。これは、ノッチ効果を通じてインターフェースからの触覚フィードバックにつながる。
【0145】
この例によると、インターフェース1は圧力センサー14bを構成していない。ユーザーは、側壁2a上の1本以上の指9を動かして、様々な導電性要素3に連続して向き合うようにスライドさせることができる。このような接触は、位置センサー14aによって検出される。これは、第1の実施例に関連して説明されているように、ノッチ効果を介してインターフェースからの触覚フィードバックにつながる。
【0146】
1つの代表的な用途は、第1の実施例で説明されているように、指9が制御部材2に沿ってスライドするときにパラメータの値を調整することである。調整中、制御部15は、パラメータの値の調整を表す制御信号Com(t)を装置20に送信する。
【0147】
この第2の実施例の主な手順を
図5Bに要約する。ステップ100から120は第1の実施例で説明する。
第3の実施例
【0148】
図2Cに関連して説明されている第3の実施例によると、インターフェース2は位置センサー14
aを構成していない。指9がプレート10の方向で遠位端2
dを押すと、圧力成分S
b(t)は指9によって加えられる圧力の増加(または減少)を表している。制御ユニット15によって変換器12に送られる活性化信号は、第1の実施例および
図3Bおよび3Cに関連して説明されているように、圧力レベルおよび当該圧力の変動方向に依存する。
【0149】
この第3の実施例の主な手順を
図5Cに要約する。これらの手順は、第1の実施例で説明されている。
第4の実施例
【0150】
図4Aに関連して説明されている第4の実施例によると、インターフェースは位置センサー14
aと、場合によっては圧力センサー14
bを含む。この例によると、位置センサー14
aによって送信される要素S
a(t)に基づいて、制御ユニット15は、位置センサーによって識別され、増減する接触点の数、に応じて、触覚フィードバックを生成する。第1の指9と第2の指9'が
図4Aに示されている。制御ユニット15は、制御部材2上の接点の数が変更されたときに、変換器12に活性化信号を送ってもよい。
【0151】
例えば、前述のように、制御部材2に沿って一本の指がスライドすると、制御ユニット15はノッチ効果に対応した活性化信号を送る。この段階は、パラメータの値の調整に対応している場合がある。
【0152】
制御部材に第2の指を当てると、位置センサーが2つの接触点を検出する。この場合、制御ユニット15はノッチ効果とは異なり、クリック効果に応じた活性化信号を送る。この段階は、パラメータの選択値の検証に対応する場合がある。
【0153】
このような実施例では、第1の実施例に関連して説明されているように、パラメータの値が調整される。パラメータは、圧力を加えることによってではなく、制御部材上の接触点の数を変更することによって、接触点の数を増減することによって検証される。
【0154】
この第4の実施例の主な手順は、
図5Dに関連して説明されている手順と同様である。この実施例は、
図5Aに関連して説明されているステップ100,110および120に加えて、次のステップで構成されている。
【0155】
ステップ135:位置センサーが接触点の数の変動を検出すると、制御ユニット15は、クリック効果を表す活性化シーケンスに従って、活性化信号Act(t)を変換器12に送信する。
【0156】
ステップ145:位置センサーが接点数の変動を検出すると、制御ユニット15は、選択されたパラメータ18を検証するために、制御信号Com(t)も装置20に送信する。
変形例
【0157】
上記の例では、制御部材2は円筒形である。上記のように、他の形状も考えられる。
図4Bの例では、制御部材2は平行六脚形状である。横軸Xに沿って、様々な導電性要素3が互いに間隔を置いて配置されており、前述のように、ユーザーの指が制御部材の側面2
aまたは遠位端2
dに沿ってスライドして、様々な導電性要素3に連続的に接触することができる。これにより、例えば、第1、第2、第4の実施例に関連して説明されているように、パラメータの値を調整することができる。指の動きは、位置センサー14
aによって検出される。
【0158】
この変形例によれば、インターフェース1は、プレート10に向かって制御部材2に加えられる圧力を検出するために、圧力センサー14bを含んでいてもよい。
【0159】
このような変形例は、制御ユニットが制御部材2上の接触点の数の変動を考慮することができる第4の実施例と互換性がある。
【0160】
【0161】
本発明の実施に特に適した幾何学的形状の制御部材2を
図4Dに示した。制御部材2は、先端2dから円筒状に延びている。その後、先端2
pまでフレアアウトし、スカートを形成する。円筒部とスカートのインターフェースに1本以上の指9を当てると、制御部材2上の1本以上の指の接触面が大きくなる。これにより、触覚フィードバックの感触が良くなる。また、このフレア形状は、制御部材2を把持する際に、1本以上の指9の先端とプレート10との直接接触が少なく、この直接接触が制御部材2上での1本以上の指の位置の認識や動きを妨げる可能性があるという利点がある。
【0162】
本発明によるインターフェースは、ユーザーの指を使用して制御することもできるし、制御部材2に接触するために他の外部体9を使用して制御することもできる。位置センサーが容量検出を実装する場合、外部体は導電性である。
【0163】
このインターフェースは、家電製品の分野など、消費者向け装置の制御に適している。例えば、簡単で安価に製造できる堅牢な制御部材を使いながら、オーブンの温度や洗濯機のプログラムを制御することを可能にする。実際、各制御部材は可動部分を構成していない場合がある。インターフェースにより、ユーザーが知覚できる触覚フィードバックを行うことができる。好ましくは、触覚フィードバックは、移動する機械的な部材からの機械的な応答を模倣する。これにより、インターフェースが使いやすく、ユーザーフレンドリーになる。
【0164】
インターフェースは、ユーザーの可視性が低下した場合や、インターフェースがユーザーの視野の外にある場合に、装置を制御するのに特に適している。これは、ユーザーが自動車の運転手や航空機のパイロットである場合などである。制御部材2は三次元的なボリュームで伸びているため、そのユーザーは、制御部材2を容易に見つけて扱うことができる。したがって、制御部材を見るために注意をそらす必要がない。当該制御部材は、ユーザーの観察範囲外にありながら容易に操作することができる。これは、従来のタッチスクリーンとの顕著な違いである。
【0165】
このインターフェースは、様々なメニューの選択、様々なパラメータの調整と選択という、タッチスクリーンによって可能になったモジュール性を持ちながら、機械的な制御メンバーの扱いやすさと使いやすさを兼ね備えている。触覚フィードバックは使用補助を構成し、制御部材に対するユーザーのアクションが考慮されていることをユーザーに保証する。また、ユーザーは観察フィールドを変更することなくインターフェースを操作できる。
【0166】
インターフェース1は、多種多様な活性化信号を生成する機能を利用しており、さまざまなクリック効果やノッチ効果をできるだけ多く生成することができる。これは、制御部材2がプレート10に対して静的なままであり、可動部分を含まないことができるため、非常に単純な機械設計の装置を使用して行われる。これにより、制御部材2に可動部分がないため、製造コストが低く、機械的摩耗が少ないインターフェースが得られる。
【0167】
もう1つの利点は、活性化信号の単純なパラメータ化によって、触覚フィードバックの感覚の変更を得ることができることである。この目的のために、制御ユニット15は、特定の用途に適応するように、特定のプログラミングを受けることができる。フィーリングの変更は、同じ制御部材2で得ることができ、プログラミングまたは制御ユニットに接続されたメモリの変更のみを必要とする。
【国際調査報告】