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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-11-09
(54)【発明の名称】バックアップパッド
(51)【国際特許分類】
   B24D 9/08 20060101AFI20231101BHJP
   B24D 7/16 20060101ALI20231101BHJP
   B24B 45/00 20060101ALI20231101BHJP
   B24B 41/04 20060101ALI20231101BHJP
   B24B 27/00 20060101ALI20231101BHJP
   B24B 49/16 20060101ALI20231101BHJP
   B25J 13/08 20060101ALI20231101BHJP
【FI】
B24D9/08 A
B24D7/16
B24B45/00 Z
B24B41/04
B24B27/00 A
B24B49/16
B25J13/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2023526163
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(85)【翻訳文提出日】2023-04-28
(86)【国際出願番号】 IB2021060096
(87)【国際公開番号】W WO2022097009
(87)【国際公開日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】63/110,580
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100130339
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 憲
(74)【代理人】
【識別番号】100135909
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 和歌子
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(74)【代理人】
【識別番号】100171701
【弁理士】
【氏名又は名称】浅村 敬一
(72)【発明者】
【氏名】ジェーブド,サマド
(72)【発明者】
【氏名】アーサー,ジョナサン ビー.
(72)【発明者】
【氏名】リドル,ジャスティン エー.
(72)【発明者】
【氏名】ファーレイ,ジョーゼフ ビー.
(72)【発明者】
【氏名】ヘムス,ブレット アール.
(72)【発明者】
【氏名】ストレイ,トーマス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
3C034
3C063
3C158
3C707
【Fターム(参考)】
3C034AA08
3C034AA19
3C034BB01
3C034BB52
3C034BB92
3C034CA16
3C034CB04
3C063AA02
3C063AB05
3C063BA02
3C063BG15
3C063BG18
3C063BH07
3C063BH12
3C063BH27
3C063FF05
3C158AA04
3C158AA14
3C158AA16
3C158AC02
3C158BA06
3C158BB02
3C158BC02
3C158CB01
3C707AS13
3C707AS14
3C707KS31
3C707KS34
3C707KW03
3C707KX09
3C707LU08
(57)【要約】
研磨ディスクにわたって接触圧力を調整する方法が提示される。方法は、研磨ディスクを、研磨ディスクの半径にわたって加工表面によって経験される圧力を均一にさせる圧力調節特徴部を備えるバックアップパッドに結合することを含む。方法はまた、研磨ディスクを加工表面に接触させることによって加工表面を研磨することを含む。バックアップパッドは、圧力調節特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクの表面にわたって実質的に均一である切削率を有する研磨ディスクをもたらす。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
研磨ディスクにわたって接触圧力を管理する方法であって、
前記研磨ディスクを、前記研磨ディスクの半径にわたって加工表面によって経験される圧力を均一にさせる圧力調節特徴部を備えるバックアップパッドに結合することと、
前記研磨ディスクを加工表面に接触させることによって前記加工表面を研磨することと、を含み、
前記バックアップパッドが、圧力調節特徴部を有しないバックアップパッド上の前記研磨ディスクと比較して、前記研磨ディスクの表面にわたって実質的に均一である切削率を有する前記研磨ディスクをもたらす、方法。
【請求項2】
前記圧力調節特徴部が、弾性変形可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記圧力調節特徴部が、前記バックアップパッドと前記研磨ディスクとの間に配置されている、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記圧力調節特徴部が、発泡体、彫刻された、構造化された、3D印刷された、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物層、不織布層、又は軟質ゴムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記圧力調節特徴部が、層状又は集塊構造の複数の層又は複数の材料から作製されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記バックアップパッドが、前記研磨ディスクが取り付けられている前記圧力調節特徴部の表面から前記バックアップパッドの反対側の側部まで延びる、塵埃及びデブリを引き出すためのチャネルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記圧力調節特徴部が、不均一な厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記圧力調節特徴部が、前記バックアップパッドの円錐表面上に取り付けられた円錐空洞を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記圧力調節特徴部の硬度が、前記パッドにわたって前記パッドの中心から前記パッドの外周に向かって変化している、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
研磨システム用のバックアップパッドであって、
ツール係合特徴部と、
研磨物品係合特徴部と、
前記研磨物品係合特徴部に取り付けられた研磨物品の切削率プロファイルを変化させる圧縮可能特徴部と、を備える、バックアップパッド。
【請求項11】
前記ツール係合特徴部が前記バックアップパッドの第1の側部上にあり、前記研磨物品係合特徴部が前記バックアップパッドの第2の側部上にあり、前記第1の側部が前記第2の側部の反対側にある、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項12】
前記圧縮可能特徴部が、弾性変形可能である、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項13】
前記圧縮可能特徴部が、前記バックアップパッドと前記研磨ディスクとの間に配置されている、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項14】
前記圧縮可能特徴部が、所望の変形性を提供するようにパターン化された、3D印刷された、エンボス加工された、又は彫刻された材料を含む、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項15】
前記圧縮可能特徴部が、発泡体、彫刻された、構造化された、3D印刷された、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物若しくは不織布層、又は軟質ゴムを含む、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項16】
前記圧縮可能特徴部が、層状又は集塊構造の複数の層及び/又は複数の材料から作製されている、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項17】
前記バックアップパッドが、減衰特徴部の表面から前記バックアップパッドの反対側の側部まで延びるチャネルを含む、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項18】
前記圧縮可能特徴部が、約650psi未満の弾性率を有する材料を含む、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項19】
前記圧縮可能特徴部が、不均一な厚さを有する、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項20】
前記圧縮可能特徴部が、前記バックアップパッドの円錐表面上に取り付けられた円錐空洞を有する、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項21】
前記圧縮可能特徴部の硬度が、前記パッドにわたって前記パッドの中心から前記パッドの外周に向かって変化している、請求項10に記載のバックアップパッド。
【請求項22】
前記圧縮可能特徴部の前記硬度が、前記パッドにわたって徐々に変化している、請求項21に記載のバックアップパッド。
【請求項23】
前記圧縮可能特徴部の前記硬度が、前記パッドにわたって段階的に変化している、請求項21に記載のバックアップパッド。
【請求項24】
前記圧縮可能特徴部が、異なる硬度を有する同心リングを含む、請求項21に記載のバックアップパッド。
【請求項25】
前記圧縮可能特徴部の前記硬度が、前記パッドの中心から前記パッドの外周に向かって減少している、請求項21に記載のバックアップパッド。
【請求項26】
前記パッドにわたる前記圧縮可能特徴部の前記硬度の前記変化が、前記パッドの中心からの距離に比例している、請求項21に記載のバックアップパッド。
【請求項27】
前記バックアップパッドが、円錐形、半球形、又はドーム形の表面を有する、請求項21に記載のバックアップパッド。
【請求項28】
ロボット研磨システム用のスピンドルであって、
ツール係合シャフトと、
バックアップパッド係合表面と、を備え、
前記バックアップパッド係合表面が、前記バックアップパッドによって加工表面に対して加えられる圧力プロファイルを修正する圧力調節特徴部を含む、スピンドル。
【請求項29】
前記ツール係合シャフトが、動力ロボットアームに係合している、請求項28に記載のスピンドル。
【請求項30】
前記動力ロボットアームが、力制御ユニットを備える、請求項29に記載のスピンドル。
【請求項31】
コントローラが、前記スピンドルを介して受信したフィードバックに基づいて前記力制御ユニットを調整する、請求項30に記載のスピンドル。
【請求項32】
前記圧力調節特徴部が、前記バックアップパッド係合表面に複数のアパーチャを含む、請求項28に記載のスピンドル。
【請求項33】
前記複数のアパーチャが、前記バックアップパッド係合表面を完全に貫通して延びている、請求項32に記載のスピンドル。
【請求項34】
前記複数のアパーチャが、デブリ除去ツールに結合している、請求項32に記載のスピンドル。
【請求項35】
前記複数のアパーチャが、前記ツール係合シャフトの周りに等距離に配置されたアパーチャのセットを含む、請求項32に記載のスピンドル。
【請求項36】
前記アパーチャのセットが、実質的に同じサイズである、請求項32に記載のスピンドル。
【請求項37】
前記アパーチャのセットがアパーチャの第1のセットであり、前記複数のアパーチャがアパーチャの第2のセットを含む、請求項32に記載のスピンドル。
【請求項38】
前記バックアップパッド係合表面が、前記ツール係合シャフトに対して垂直であるツール部分の第1の側部上にあり、前記ツール部分が、前記第1の側部の反対側の第2の側部上で前記ツール係合シャフトに係合し、厚さが前記第1の側部と前記第2の側部とを隔てており、前記第1の側部が第1の領域を有し、前記第2の側部が第2の領域を有し、前記第1の領域及び前記第2の領域を接続する縁部が前記バックアップパッド係合表面と角度を形成するように、前記第2の領域が前記第1の領域よりも小さい、請求項37に記載のスピンドル。
【請求項39】
前記バックアップパッド係合表面が、複数のくぼみを含む外周を有する、請求項29に記載のスピンドル。
【請求項40】
前記圧力調節特徴部が、前記バックアップパッドと前記研磨ディスクとの間に配置されている、請求項39に記載のスピンドル。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
研磨繊維ディスクは、典型的には、バルカン繊維バッキング上に研磨層を有する。1つの一般的な使用では、研磨繊維ディスクは、角度グラインダの回転電動シャフトによって駆動されるバックアップパッドに取り付けられる。バックアップパッドは、オペレータが、圧力、角度、及び表面変動を軽減しながら、研磨されている加工表面に向かって圧力を加えることを可能にする。いくつかのそのようなバックアップパッドは、ディスクの隣接部分と比較して、圧力を増加させて、研磨されている加工表面に対してデブリを逃がすためのチャネルを提供することができる隆起したリッジを有し、それによって、増大した研磨率をもたらす。研磨ディスクが摩耗して交換される場合、それらはバックアップパッドから取り外されるが、バックアップパッドは、多くの場合、廃棄される前に数回再利用することができる。
【発明の概要】
【0002】
研磨ディスクにわたって接触圧力を管理する方法が提示される。方法は、研磨ディスクを、研磨ディスクの半径にわたって加工表面によって経験される圧力を均一にさせる圧力調節特徴部を備えるバックアップパッドに結合することを含む。方法はまた、研磨ディスクを加工表面に接触させることによって加工表面を研磨することを含む。バックアップパッドは、圧力調節特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクの表面にわたって実質的に均一である切削率を有する研磨ディスクをもたらす。
【図面の簡単な説明】
【0003】
図面では、必ずしも正確な縮尺では描かれておらず、異なる図において、同様の数字は同様の構成要素を説明し得る。図面は、本文書で論じられる様々な実施形態を、例示的にではあるが、限定することなく、全般的に示す。
【0004】
図1A】電動ツールの駆動シャフト上に取り付けられた研磨ディスクアセンブリ、及びそれに関連するパラメータを示す図である。
図1B】電動ツールの駆動シャフト上に取り付けられた研磨ディスクアセンブリ、及びそれに関連するパラメータを示す図である。
図1C】電動ツールの駆動シャフト上に取り付けられた研磨ディスクアセンブリ、及びそれに関連するパラメータを示す図である。
図2A】不均一な厚さの圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図2B】不均一な厚さの圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図2C】不均一な厚さの圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図2D】不均一な厚さの圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図2E】不均一な厚さの圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図3A】同心リング圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図3B】同心リング圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図4A】不均一な表面を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図4B】不均一な表面を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図4C】不均一な表面を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示す図である。
図5】本明細書の実施形態による、均一な切削率を提供する方法を示す図である。
図6】本発明の実施形態が有用である、ロボット塗装補修の概略図である。
図7】ロボット塗装補修スタックの構成要素の分解組立図である。
図8A】ロボット研磨動作用のツール、及び対応する圧力プロファイルを示す図である。
図8B】ロボット研磨動作用のツール、及び対応する圧力プロファイルを示す図である。
図9A】本明細書の実施形態によるロボット補修ユニットを用いてパターン化切削率を提供するためのツールを示す図である。
図9B】本明細書の実施形態によるロボット補修ユニットを用いてパターン化切削率を提供するためのツールを示す図である。
図9C】本明細書の実施形態によるロボット補修ユニットを用いてパターン化切削率を提供するためのツールを示す図である。
図9D】本明細書の実施形態によるロボット補修ユニットを用いてパターン化切削率を提供するためのツールを示す図である。
図9E】本明細書の実施形態によるロボット補修ユニットを用いてパターン化切削率を提供するためのツールを示す図である。
図9F】本明細書の実施形態によるロボット補修ユニットを用いてパターン化切削率を提供するためのツールを示す図である。
図9G】本明細書の実施形態によるロボット補修ユニットを用いてパターン化切削率を提供するためのツールを示す図である。
図10】本明細書の実施形態によるロボット研磨システムを用いてパターン化された切削率を提供する方法を示す図である。
図11A】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図11B】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図11C】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図11D】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図11E】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図11F】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図11G】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12A】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12B】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12C】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12D】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12E】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12F】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12G】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12H】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12I】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図12J】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図13A】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図13B】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図13C】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図14A】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図14B】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図14C】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
図14D】実施例及び比較例の構成、並びに以下の実施例のセクションでより詳細に論じられる結果に関する図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本出願では、用語「圧縮可能」又は「圧縮不可能」は、圧力に応答した材料の相対的な体積変化の尺度である、物体(例えば、エラストマー外側層)の材料特性、すなわち圧縮率を指す。例えば、用語「実質的に圧縮不可能」は、約0.45を超えるポアソン比を有する材料を指す。
【0006】
用語「弾性変形可能」は、変形した物体(例えば、合成発泡体の内側層)が、元の未変形の状態に実質的に100%(例えば、99%以上、99.5%以上、又は99.9%以上)回復することが可能であることを指す。
【0007】
本出願では、用語「ポリマー」(単数又は複数)は、ホモポリマー及びコポリマー、並びに、例えば、共押出しにより、又は例えば、エステル交換反応を含む反応により、混和性ブレンドにおいて形成され得るホモポリマー又はコポリマーを含む。用語「コポリマー」は、ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、及び星形(例えば、樹枝状)コポリマーを含む。
【0008】
本明細書で使用される用語「圧力調節特徴部」は、研磨バックアップパッドアセンブリの構成要素を指す。この特徴部は、アセンブリを電動ツールに接続するために使用される硬質バックアップ構成要素の他方の側部上のスピンドルの反対側の、アセンブリの硬質バックアップ構成要素の側部上に恒久的又は一時的に取り付けられる。研磨ディスクは、研磨プロセスにおいて硬質バックアップ構成要素から離して「圧力調節特徴部」の自由表面上に取り付けられる。「圧力調節特徴部」は、アセンブリの硬質バックアップ構成要素よりも実質的に軟質であり、したがって、アセンブリが研磨プロセスにおいて加工表面に係合されるときに、硬質バックアップ構成要素と比較して実質的な変形を経験する。研磨プロセス中の研磨バックアップパッドアセンブリにおける「圧力調節特徴部」の主な役割は、パッドアセンブリと材料が除去されることが想定される加工表面の所望の部分との間で接触圧力を均一に分布させること、加工表面の不規則性、研磨ディスクの不均一性、研磨電動ツールの振動などの外乱によって引き起こされる接触圧力変動を減衰させること、並びに熱及びデブリ管理を含むが、これらに限定されない。
【0009】
本出願では、数値又は形状への言及に関する用語「約」又は「おおよそ」は、数値又は特性若しくは特徴の±5パーセントを意味するが、明示的に、正確な数値を含む。例えば、「約」200psiの弾性率は、190~210psiの弾性率を指すが、正確に200psiの弾性率も明示的に含む。
【0010】
本出願では、特性又は特徴に関する用語「実質的に」は、その特性又は特徴が、その特性又は特徴の反対のものが呈される程度よりも高い程度で呈されることを意味する。例えば、「実質的に」透明な基材(例えば、ウェブ)は、それが透過しない(例えば、吸収する及び反射する)放射線よりも多くの放射線(例えば、可視光)を透過する基材(例えば、ウェブ)を指す。それゆえに、その表面上に入射する可視光のうちの50%より多くを透過する基材(例えば、ウェブ)は、実質的に透明であるが、その表面上に入射する可視光のうちの50%以下を透過する基材(例えば、ウェブ)は、実質的に透明ではない。
【0011】
ここで図1A及び図1Bを参照すると、典型的な研磨ディスク取り付けアセンブリ100は、バックアップパッド110と、研磨ディスク20を固定するクランプアセンブリ140とを備える。接続は、ねじ、キー、ボルト、摩擦、又は当業者には既知である任意の数の適切な締結具の選択肢であり得る。研磨ディスク取り付けアセンブリ100は、例えば角度グラインダなどの電動ツール(図示せず)のねじ付き駆動シャフト10に係合するように適合されている、外側に面して中央に配置された締結部材130(ねじ付きボアとして示されている、図4を参照)を含む。バックアップパッド110は、ディスク係合表面上に、研磨ディスク20に追加の支持を提供するリブ付き突起を有し得る。加工表面の研磨中、駆動シャフト10は、使用中の回転軸(115)を中心に回転する。
【0012】
図1Cに示されるように、研磨ディスク20は研磨動作中に方向30に回転するため、線速度プロファイル40及び材料除去率プロファイル50の両方が(研磨ディスク20と加工表面との間に加えられる圧力が一定であると仮定して)、ディスクの中心からの距離が大きくなるにつれて、より高い線速度及びより高い除去率を示す。これは、研磨ディスク20の表面にわたってディスクの中心からディスクの外周に向かって不均一な切削率を増大させる。加えて、研磨ディスク20上の摩耗は不均一であり、より速い摩耗が外側上で生じるため、研磨ディスクが摩耗するにつれて、研磨ディスクの表面にわたって更に不均一な切削率を引き起こす。人間が操作する研磨動作では、多くの場合、研磨ディスクの中心から縁部まで延びる半径に沿って均一な切削率を有することが望ましい。しかしながら、いくつかの研磨動作に対して、均一ではないパターン化された切削率を有することが望ましい場合があることが明確に企図されている。図2図7で説明された実施形態は、研磨ディスク20の表面にわたって均一であるパターン化された切削率を達成することを対象としているが、当業者であれば不均一な又は他のパターン化された切削率をもたらすようにそれらを適合させることができることが明確に企図されている。例えば、パターン化された切削率は、デブリ除去、熱発生、切削率の混合、切削率のフェザリング、二次的なスクラッチの低減、及びヘイズ回避を管理するのに有用であり得る。
【0013】
図1A及び図1Bは、円錐形バックアップパッド110を示している。しかしながら、他のバックアップパッド設計もまた、本明細書で論じられる実施形態から利益を得ることができることが明確に企図されている。例えば、図3A図3Bは、平坦なバックアップパッド304を示している。異なるバックアップパッドの設計及び構成は、異なる用途に有用であり得る。例えば、円錐設計は、有意な材料が除去又は追加されているときの体積変位に有用であり得る。加えて、異なる材料構成は、所与の用途の圧縮性又は可撓性での必要性のために重要であり得る。
【0014】
図2A図2Eは、不均一な厚さの圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示している。図2Aは、アセンブリ200の斜視図であり、アセンブリ200は、円錐バックアップパッド220に結合されたスピンドル210を含み、円錐バックアップパッド220は、第1の側部上で、円錐バックアップパッド220に実質的に一致する円錐形空洞を有する圧力調節特徴部230に結合されている。圧力調節特徴部230は、第1の側部上でバックアップパッド220に結合し、反対側の側部240上で研磨ディスクを受ける。研磨材受容側部240は、いくつかの実施形態では、図2B及び図2Cに示されるように、実質的に平坦である。図2Bは、アセンブリ200の側面図225を示している。図2Cは、図2Bに示される切断線2C-2Cに沿ったアセンブリ200の切断図250を示している。図示されるように、圧力調節特徴部230は、アセンブリ200の幅222に沿ってバックアップパッド220の深さ224を実質的に等しくする。
【0015】
図2Dは、図2Cのものと同様に設計されたバックアップパッドの半径に沿った、加工表面に対する接触圧力のグラフを示している。図示されるように、接触圧力は、バックアップパッドの半径に沿ってディスクの中心からディスクの外周に向かって減少している。
【0016】
図2Eは、バックアップパッド280及び圧力調節特徴部290の例示的な相対構成を、例えば、図250と同様の切断図として示している。圧力調節特徴部290に対応する高さ294の相対部分が減少すると、バックアップパッド280の相対部分が増加する。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、半径272全体に沿った深さ294の少なくとも一部である。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290の表面284は直線である。研磨ディスク286は、圧力調節特徴部290の表面284上に取り付けることができる。いくつかの実施形態では、半径272に沿った任意の点における、バックアップパッド280と圧力調節特徴290との間の界面282は、一定の勾配を伴う直線である。界面282の傾斜は、研磨プロセスにおいてパッドアセンブリ270が加工表面に対して圧縮されるときに、半径272に沿った研磨ディスク286上の接触圧力の所望のプロファイルに基づいて選択され得る。図2Eには図示されていないが、いくつかの実施形態では、パッドアセンブリ270は、研磨ディスクが取り付けられる圧力調節特徴部290の表面284と、塵埃及びデブリを引き出するためのバックアップパッド280上のアセンブリの反対側の表面との間に延びるチャネルを含み得る。
【0017】
圧力調節特徴部290の正確な構成及び硬度は、研磨プロセス中の研磨ディスク286と加工表面との間の所望の接触圧力プロファイルに基づいて変動し得る。より低い接触圧力は、より軟質の材料を使用することによって得ることができる。また、パッド半径にわたる圧力調節特徴部290の厚さのより多くの変動により、所望の切削プロファイルを得るために必要とされ得る、パッドにわたる接触圧力においてより多くの変動を引き起こす。
【0018】
バックアップパッド280及び圧力調節特徴部290の両方の構成要素は、好適な耐久性のある材料から作製されるべきである。バックアップパッド280の材料の例としては、エンジニアリングプラスチック(例えば、ナイロン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン、高密度ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなど)、ポリマー複合材料、金属、セラミック複合材料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0019】
圧力調節特徴部290に使用される材料は、バックアップパッド280に使用される材料よりも実質的に軟質であってもよい。この柔軟性は、例えば、より低い硬度(ショアA又はショアOOなどの任意の適切な硬度スケールを使用して示されるような)を有する材料を選択することによって、より低い弾性率を有する材料を選択することによって、より高い圧縮率(典型的には、材料のポアソン比によって定量化される)を有する材料を選択することによって、又は発泡体若しくは彫刻された構造などの複数の気体含有物を含有するようにより軟質な材料の構造を修正することによってなど、いくつかの方法でもたらされ得る。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、(ASTM D2240を使用して測定されるような)約50ショアA未満、約40ショアA未満、及び任意選択的に約40ショアA未満の硬度を有する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290で使用される材料は、約500psi未満、約400psi未満、又は任意選択的に約200psi未満の弾性率を有し得る。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290の圧縮率は、圧力調節特徴部が発泡体であるとき、ASTM D3574による圧縮力たわみ試験を介して、及び圧力調節特徴部が例えばスポンジなどの柔軟な海綿状材料又は拡張可能なゴムであるとき、ASTM D1056による圧縮たわみ試験を介して測定され得る。圧力調節特徴部290は、25%のたわみで約60psi未満、任意選択的に25%のたわみで約45psi未満の圧縮率を有し得る。圧力調節特徴部290は、弾性変形可能であるように、例えば、変形された後に元の状態に実質的に100%(例えば、99%以上、99.5%以上、又は99.9%以上)回復することが可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、所望の変形性を提供するために圧縮可能であり得る(すなわち、0.2未満又は0.1未満のポアソン比を有する)。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、実質的に圧縮不可能であってもよく、例えば、接触圧力に応じた材料の相対体積変化は、5%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、又は0.2%未満であるが、所望の変形性を提供するためには十分に軟質である。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、所望の変形性を提供するようにパターン化された、3D印刷された、エンボス加工された、又は彫刻された、実質的に圧縮不可能な材料で作製されてもよい。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、約0.5未満、約0.4未満、約0.3未満、又は好ましくは約0.2未満ポアソン比を有し得る。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、負のポアソン比を有し得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部290は、発泡体、彫刻された、構造化された、3D印刷された、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物若しくは不織布層、又は軟質ゴムのうちの1つ以上の材料を含み得る。好適な発泡体は、例えば、合成発泡体又は天然発泡体、熱成形発泡体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、充填又はグラフト化ポリエーテル、粘弾性発泡体、メラミン発泡体、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、アイオノマー発泡体などを含む、連続気泡体又は独立気泡体であり得る。圧力調節特徴部290としてはまた、例えば、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ポリ塩化ビニル及びニトリルゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)などのエチレン-プロピレンコポリマー、並びにブチルゴム(例えば、イソブチレン-イソプレンコポリマー)含む、発泡エラストマー又は加硫ゴムが挙げられ得る。好適な発泡体圧力調節特徴部290は、例えば、25%のたわみで約60psi未満、又は25%のたわみで約45psi未満の圧縮率を有し得る。圧力調節特徴部290は、例えば、ばね、不織布、織物、エアブラダなどの任意の好適な圧縮可能構造体を含み得ることを理解されたい。いくつかの圧力調節特徴部290は、所望のポアソン比、圧縮率、及び弾性応答を提供するように3D印刷され得る。
【0021】
加えて、単一の圧力調節特徴部290が図示されているが、特徴部290は、複数の層及び/又は複数の材料から層状又は集塊構造で作製され得ることが明確に企図されている。
【0022】
図3A図3Bは、同心リング圧力調節特徴部を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示している。図3A及び図3Bは、スピンドル302と、バックアップパッド304と、圧力調節特徴部350とを含むアセンブリ300の異なる斜視図を示している。図3Aに示されるように、圧力調節特徴部は、複数の同心リングを含む。3つのリング310、320、及び330が図3Aに示されているが、他の実施形態では、2つのリングのみが存在するか、又は4つ、5つ、6つ、8つ、10、若しくはそれ以上などのより多くのリングが存在することが、明確に企図されている。
【0023】
一実施形態では、図3Aに示されるように、全半径306のうち、各リング310、320、330は、等しい部分を占有し、各々が、圧力調節特徴350にわたって等しい半径方向深さ312、322、332を有する。圧力調節特徴部350はまた、パッドの中心から縁部まで、徐々に又は段階的に硬度が変化する単一の部品であり得る。接着層、フックアンドループ式取り付けシステム、又は別の好適な適切な取り付けシステムを使用して、研磨ディスクは、研磨用途においてバックアップパッド304から離れた圧力調節特徴部350の表面上に取り付けることができる。アセンブリ300の1つの利点は、圧力調節特徴部350の中心から縁部までの剛性又は硬度の変動が、図1Cの要素40によって示されるように、パッドにわたる線速度変動を考慮するように調整することができ、研磨又はポリッシング用途においてパッドにわたる均一な切削率を提供することである。
【0024】
リング310、320及び330の各々は、一実施形態では、それらの材料特性が異なる。一実施形態では、リングは、中心からの半径方向距離が大きくなるにつれて、材料の柔軟性が増加する。各リングは、隣接するリングの柔軟性がバックアップパッドの中心から外側まで増大するように、隣接するリングとは異なる材料で作製されてもよい。
【0025】
この柔軟性は、例えば、より低い硬度(ショアD、ショアA、又はショアOOなどの任意の適切な硬度スケールを使用して示されるような)を有する材料を選択することによって、より低い弾性率を有する材料を選択することによって、より高い圧縮率(典型的には、材料のポアソン比によって定量化される)を有する材料を選択することによって、又は発泡体若しくは彫刻された構造などの複数の気体含有物を含有するようにより軟質な材料の構造を修正することによってなど、いくつかの方法でもたらされ得る。例えば、アセンブリ300内のリング330及び320がそれぞれ(ASTM D2240を用いて測定されるような)60及び40ショアAの硬度を有する材料を含む場合、リング310の硬度は40ショアA未満であり得る。いくつかの場合では、硬度は、圧力調節特徴部350(例えば、ショアA又はショアOO)に対して異なるスケールを使用して最も適切に測定され得ることに留意されたい。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350で使用される材料の圧縮率は、材料が発泡体であるとき、ASTM D3574による圧縮力たわみ試験を介して、及び材料が例えばスポンジなどの柔軟な海綿状材料又は拡張可能なゴムであるとき、ASTM D1056による圧縮たわみ試験を介して測定され得る。圧力調節特徴350に使用される材料は、約650psi未満、約500psi未満、又は任意選択的に約400psi未満の弾性率を有し得る。圧力調節特徴部350は、25%のたわみで10~170psiの範囲の圧縮率を有する材料を含み得る。圧力調節特徴部350は、弾性変形可能であるように、例えば、変形された後に元の状態に実質的に100%(例えば、99%以上、99.5%以上、又は99.9%以上)回復することが可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350に使用されるいくつかの材料は、所望の変形性を提供するために圧縮可能であり得る(すなわち、0.2未満又は0.1未満のポアソン比を有する)。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350に使用されるいくつかの材料は、実質的に圧縮不可能であってもよく、例えば、接触圧に応じた材料の相対的な体積変化は、5%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、又は0.2%未満であるが、所望の変形性を提供するためには十分に軟質である。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350に使用されるいくつかの材料は、所望の変形性を提供するようにパターン化された、3D印刷された、エンボス加工された、又は彫刻された、実質的に圧縮不可能な材料で作製されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350は、約60ショアA未満、約40ショアA未満、又は更には約30ショアA未満の硬度を有する材料を含み得る。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350で使用される材料は、約0.5未満、約0.4未満、約0.3未満、又は更には約0.2未満のポアソン比を有し得る。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350で使用される材料のいくつかは、負のポアソン比を有し得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350は、発泡体、彫刻された、構造化された、3D印刷された、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物若しくは不織布層、又は軟質ゴムのうちの1つ以上の材料を含み得る。好適な発泡体は、例えば、合成発泡体又は天然発泡体、熱成形発泡体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、充填又はグラフト化ポリエーテル、粘弾性発泡体、メラミン発泡体、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、アイオノマー発泡体などを含む、連続気泡体又は独立気泡体であり得る。圧力調節特徴部350としてはまた、例えば、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ポリ塩化ビニル及びニトリルゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)などのエチレン-プロピレンコポリマー、並びにブチルゴム(例えば、イソブチレン-イソプレンコポリマー)含む、発泡エラストマー又は加硫ゴムが挙げられ得る。圧力調節特徴部350は、例えば、ばね、不織布、織物、エアブラダなどの任意の好適な圧縮可能構造体を含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部350の少なくとも一部分は、所望のポアソン比、圧縮率、及び弾性応答を提供するように3D印刷され得る。
【0028】
バックアップパッド304は、圧力調節特徴部350よりも実質的に硬質であり、すなわち、アセンブリ300が研磨用途で使用される場合、バックアップパッド304の圧縮変形は、圧力調節特徴部350の圧縮変形と比較して無視できる。バックアップパッド304及び圧力調節特徴部350の両方の構成要素は、好適な耐久性のある材料から作製されるべきである。バックアップパッド304の材料の例としては、エンジニアリングプラスチック(例えば、ナイロン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン、高密度ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなど)、ポリマー複合材料、金属、セラミック複合材料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0029】
図4A図4Cは、不均一な表面を有する研磨ディスク取り付けアセンブリを示している。アセンブリ400は、電動ツール又は機械の駆動シャフトに接続するスピンドル410を含む。円錐バックアップパッド420は、その平坦表面450からスピンドル410に接続される。圧力調節特徴部430は、バックアップパッド420の、表面450の反対側の側部上の円錐側部上に取り付けられる。一実施形態では、圧力調節特徴部430の厚さは、円錐バックアップパッドにわたって均一である。研磨パッドは、接着層、フックアンドループ式取り付けシステム、又は研磨用途のための他の適切な取り付けシステムを使用して、圧力調節特徴部430の表面440上に取り付けることができる。図4Aは、アセンブリ400の側面図を示している。図4Bは、図4Aに示される切断線4B-4Bに沿って切り取られたアセンブリ400の切断図を示している。図4Cは、アセンブリ400の分解組立図を示している。一実施形態では、バックアップパッド420は、平坦部品460及び円錐部品436から作製することができる。アセンブリ400は、全体直径402を有する。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部430は、直径402と実質的に同じ長さである直径432を有する。しかしながら、いくつかの実施形態では、直径432は直径402よりも短い。円錐バックアップパッド420は、勾配434を有し、これは、アセンブリ400上の研磨パッドが研磨動作において加工表面に接触するときに、圧力調節特徴部430の表面440上に取り付けられた研磨パッドと加工表面との間の接触圧力を調節するように調整され得る。勾配434は、180°未満である。それは、例えば、約175°、約170°、約165°、約160°、約155°、約150°、約145°、約140°又は約135°であり得る。加えて、勾配はより浅くてもよく、例えば約176°~179°であり得る。
【0030】
いくつかの実施形態では、取り付けアセンブリ400上の研磨パッドは、最初に、その円錐部分の先端で加工表面と接触する。パッドを加工表面に対してより強く係合させることにより、研磨パッドの他の部分が加工表面に接触してそれを研磨する。このシナリオでは、圧力調節特徴部430は、円錐形先端の近くでより圧縮され、その圧縮はパッドの縁部に向かって減少する。これにより、パッドの中心で最大であり、かつパッドにわたりその縁部に向かって減少する接触圧力プロファイルをもたらす。この接触圧力の減少は、図1Cに示される線速度プロファイル40の増大を考慮することができ、その結果、パッドが、パッドにわたってその中心からその縁部に向かって均一な材料を除去するのを支援することができる。
【0031】
目標が加工表面の小部分を研磨することである別の実施形態では、取り付けアセンブリ400上のパッドは、加工表面の他の部分に接触することなく加工表面の所望の領域のみに接触するこの能力を提供する。この能力はまた、加工表面を研磨するためにパッドの異なる場所を使用する機会を与え、これにより、主にその縁部に近い領域から使用される平坦表面を伴う従来のパッドアセンブリと比較して、研磨パッドのより長い寿命をもたらす。
【0032】
圧力調節特徴部430に使用される材料は、円錐バックアップパッド420に使用される材料よりも実質的に軟質であり、すなわち、アセンブリ400が研磨用途で使用される場合、バックアップパッド420の圧縮変形は、圧力調節特徴部430の圧縮変形と比較して無視できる。柔軟性は、例えば、より低い硬度(ショアA又はショアOOなどの任意の適切な硬度スケールを使用して示されるような)を有する材料を選択することによって、より低い弾性率を有する材料を選択することによって、より高い圧縮率(典型的には、材料のポアソン比によって定量化される)を有する材料を選択することによって、又は、発泡体若しくは彫刻された構造などの複数の気体含有物を含有するようにより柔軟な材料の構造を修正することによってなど、いくつかの方法でもたらされ得る。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部430の圧縮率は、圧力調節特徴部が発泡体である場合にはASTM D3574による圧縮力たわみ試験を介して、圧縮性が例えばスポンジなどの柔軟な海綿状材料又は膨張性ゴムである場合にはASTM D1056による圧縮-たわみ試験を介して測定され得る。圧力調節特徴部430は、約60ショアA未満、約50ショアA未満、好ましくは約40ショアA未満の硬度を有し得る。圧力調節特徴部430に使用される材料は、約400psi未満、約300psi未満、好ましくは約200psi未満の弾性率を有し得る。圧力調節特徴部430は、25%のたわみで約75psi未満、任意選択的に25%のたわみで約45psi未満の圧縮率を有し得る。圧力調節特徴部430は、弾性変形可能であるように、例えば、変形された後に元の状態に実質的に100%(例えば、99%以上、99.5%以上、又は99.9%以上)回復することが可能であるように構成される。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部430は、所望の変形性を提供するために圧縮可能であり得る(すなわち、0.2未満又は0.1未満のポアソン比を有する)。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部430は、実質的に圧縮不可能であってもよく、例えば、接触圧力に応じた材料の相対体積変化は、5%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、又は0.2%未満であるが、所望の変形性を提供するためには十分に軟質である。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部430は、所望の変形性を提供するようにパターン化された、3D印刷された、エンボス加工された、又は彫刻された、実質的に圧縮不可能な材料で作製されてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部430は、発泡体、彫刻された、構造化された、3D印刷された、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物若しくは不織布層、又は軟質ゴムのうちの1つ以上の材料を含み得る。好適な発泡体は、例えば、合成発泡体又は天然発泡体、熱成形発泡体、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、充填又はグラフト化ポリエーテル、粘弾性発泡体、メラミン発泡体、ポリエチレン、架橋ポリエチレン、ポリプロピレン、シリコーン、アイオノマー発泡体などを含む、連続気泡体又は独立気泡体であり得る。圧力調節特徴部430としてはまた、例えば、イソプレン、ネオプレン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ニトリルゴム、ポリ塩化ビニル及びニトリルゴム、EPDM(エチレンプロピレンジエンモノマー)などのエチレン-プロピレンコポリマー、並びにブチルゴム(例えば、イソブチレン-イソプレンコポリマー)含む、発泡エラストマー又は加硫ゴムが挙げられ得る。好適な発泡体圧力調節特徴部430は、例えば、25%のたわみで約75psi未満、任意選択的に25%のたわみで約45psi未満の圧縮率を有し得る。圧力調節特徴部430は、例えば、ばね、不織布、織物、エアブラダなどの任意の好適な圧縮可能構造体を含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、圧力調節特徴部430は、所望のポアソン比、圧縮率、及び弾性応答を提供するように3D印刷され得る。
【0034】
バックアップパッド420及び圧力調節特徴部430の両方の構成要素は、好適な耐久性のある材料から作製されるべきである。バックアップパッド420の材料の例としては、エンジニアリングプラスチック(例えば、ナイロン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、高密度ポリエチレン、高密度ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなど)、ポリマー複合材料、金属、セラミック複合材料、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
【0035】
図2図4に示される実施形態は、バックアップパッドの直径にわたって均一であるパターン化された切削率を達成するように設計される。これにより、バックアップパッドに取り付けられた各個々の研磨パッドの全体的効率及び耐用年数を向上させる。これらの実施形態はまた、従来のパッドアセンブリと比較して、それらによって研磨されている加工表面上により均一な切削及び表面仕上げを提供する。図2図4に示される各実施形態は、例示的なものである。各々は、所与の研磨動作の要件に応じてカスタマイズされ得ることが明確に企図されている。例えば、貫通チャネルは、各実施形態では、研磨パッドに対して露出された取り付けシステムの表面からバックアップパッドの自由表面まで延びて、研磨用中のデブリ及び塵埃の引き出し及び管理を容易にすることができる。加えて、各実施形態は、固有の利点を提供する。
【0036】
図5は、本明細書の実施形態による、均一な切削率を提供する方法を示している。方法500は、図2図4の研磨ディスク取り付けアセンブリのいずれか、又は別の適切な研磨ディスク取り付け設計に有用であり得る。
【0037】
ブロック510において、研磨ディスク取り付けアセンブリIがツールに結合される。ツールは、直線サンダ、回転サンダ、軌道サンダ、ランダム軌道サンダ、又は他の適切なツールであり得る。研磨ディスク取り付けアセンブリは、ツール接続側部の反対側の側部上に、平坦表面502、円錐表面504、又は円錐台などの別の表面構造体506を有し得る。
【0038】
ブロック520において、研磨パッドは、圧力調節特徴部に結合されたバックアップパッドを含む研磨ディスク取り付けアセンブリに結合される。研磨パッドは、ブロック522に示されるように圧力調節特徴部に直接結合されてもよく、又はブロック524に示されるようにバックアップパッドに直接結合されてもよい。研磨パッドはまた、ブロック526に示されるように、別の適切な方法でアセンブリに結合されてもよい。
【0039】
ブロック530において、研磨動作が実行される。これには、ブロック527に示されるように手動で、ブロック528に示されるように半手動で、又はブロック529に示されるようにロボットなどの他の適切な方法によって、ツールを作動させることを含み得る。
【0040】
図6は、本発明の実施形態が有用である、ロボット塗装補修の概略図である。塗料補修ロボット604の実施例が図6に示されているが、図2図5及び図8図10に示されたツール及びバックアップパッドの実施形態は塗料補修以外の用途に使用され得ることが明確に企図されている。
【0041】
図6では、それぞれのボックスは、ロボットコントローラ602と、ロボットマニピュレータ604と、コンプライアンス力制御ユニット608、ツール610、及び研磨物品/コンパウンド612を含む、ロボット塗装補修スタック606と、を含む、本システムの様々なハードウェア構成要素を表している。データの流れが背景矢印614によって示されており、基材における識別された欠陥を含む検査データを提供する、検査前データモジュール616から開始して、欠陥補修プロセスの間に基材620から生成されたデータを処理するための、検査後欠陥データモジュール618で終了する。
【0042】
動作中、欠陥の場所及び特性が、検査前データモジュール616から、ロボットマニピュレータ604を制御するロボットコントローラ602に供給され、このロボットコントローラにおいて、プログラムが、何らかの所定の補修プログラム(決定論的)ポリシーを実行するために、エンドエフェクタ(スタック)606を識別された欠陥に誘導する。いくつかの稀な場合には、ポリシーは、提供された欠陥の特性に応じて適応することが可能であり得る。
【0043】
塗装補修の用途に対して、ロボット塗装補修スタック606は、(コンプライアンス)力制御ユニット608などの任意の補助機器と共に、研磨ツール610と、研磨物品及びコンパウンド612とを含む。本明細書で使用するとき、ロボット塗装補修スタック606は、エンドエフェクタという用語とほぼ同義であるが、しかしながら、本文書では、用語「スタック」は、ロボット塗装補修の文脈におけるエンドエフェクタである。また、プライマー、塗装、及びクリアコートの補修を含めた、ロボット塗装補修を提供することに関して説明されているが、本明細書で説明される技術は、塗装補修の域を越えた他の産業用途にも役立つ点が理解されるであろう。
【0044】
図6のスタック606は、ロボット604、コンプライアンス力制御ユニット608、及びツール610の動作が研磨状況の間に設定を連続的に調整することができるように、フィードバックループにおいてコントローラ602に対してフィードバックを提供することができる。
【0045】
図7は、ロボット塗装補修スタックの構成要素の分解組立図を示している。図示されるように、ロボット塗装補修スタック606は、ロボットアーム700、力制御センサ及びデバイス608、研削/ポリッシングツール610、ハードウェア統合デバイス702、研磨パッド及びコンパウンド612、設計研磨プロセス704、並びに、データ及びサービス706を含む。これらの要素が一体となって機能することにより、欠陥の場所を識別することができ、2019年8月21日に出願された共有出願及び同時係属中のPCT出願第PCT/IB2019/057053号で論じられているポリシーなどの、識別された欠陥に関する決定論的ポリシーを使用して、所定の補修プログラムを実施することができる。
【0046】
図8A図8Bは、ロボット研磨動作用のツール、及び加工表面に対するツールの対応する接触圧力プロファイルを示している。
【0047】
図8Aは、ロボット研削ユニット用のツール800を示している。ツール800は、垂直シャフト810を介して回転装置に接続されている。研磨物品は、バックアップパッド820のシャフト810の反対側の側部上で、バックアップパッド820の表面上のツール800に取り付けられる。バックアップパッド820は、多くの場合、可撓性パッドである。図8Bは、加工表面に対して使用されているツールから生じる接触圧力プロファイル850を示している。たとえパッドの可撓性があっても、表面上の研磨材の圧力プロファイル850は不規則である。圧力は研磨ツール800の中心から測定されるため、中心から約9mm~半径上で13mmにおいて、圧力のスパイクが存在する。
【0048】
図8Aは、バッキング発泡体の圧力プロファイル内の表面に適合するように、接着剤、フックアンドループによって、又は機械的に接続された、研磨物品に可撓性を提供する発泡体パッドを含む、ツール800用の剛性ベッド設計を示している。破片の蓄積は、多くの場合、ツール800が加工表面に係合するときに生じる。これは、高速研磨中のツールの特性と同様に、圧力の均一性の欠如に寄与する。
【0049】
図9A図9Gは、本明細書の実施形態による、ロボット補修ユニットを用いてパターン化された切削率を提供するためのツールを示している。図9A図9Cは、例えば、いくつかの実施形態では、力制御ユニット及び/又はエンドエフェクタを使用して、ロボットに直接係合することができるツールの実施形態を示している。
【0050】
ハンドヘルド電動ツールは、人間のユーザにおいて固有のモータ精度の欠如に対応することを必要とする。しかしながら、図9A図9Cに示されるツールの実施形態は、自動研磨ツールの精度及び正確度を活用することができるロボットユニットに有用である。
【0051】
ツール900は、シャフト902を使用してロボットユニットに係合する。ツールは、研磨物品と係合するパッド904と係合するためのパッド係合表面910を有する。ツール表面910は、2つのサイズの孔912及び914を含むものとして図9Aに示される、アパーチャのパターンを含むように修正され得る。図9Aに示されるように、孔912、914が、表面910を貫通して延びている。孔のセット912及び914は、シャフト902の周りに配置され、より小さい孔912は、より大きい孔914よりもシャフトに近い。いくつかの実施形態では、孔912、914の所与のセット内の各孔は、隣接する同様のサイズの孔から等間隔に離して配置される。加えて、円形の孔が図9Aに示されているが、表面910を部分的又は完全に貫通して延びるスラット、表面910を部分的に通って延びるくぼみ、又は表面910の屈曲を可能にする別の適切な修正が想定されることが明確に企図されている。具体的には、図9Aの設計は、表面修正が容易に検出可能でないように、塗装欠陥が研磨されるときに「フェザリングされた縁部」を容易にする速度及び圧力下で、ツール800が屈曲することを可能にする。
【0052】
しかしながら、所与のツールの設計により、特定の効果(フェザリング、切削縁部)を容易にすることができるとともに、研磨動作中に生成される破片をより良好に管理することができることが明確に企図されている。切削を管理する目標は、望ましくない表面アーチファクトの生成を低減すること、並びに研磨ディスク寿命及び切削の一貫性を向上させることである。
【0053】
図9Bは、角度付きツール表面930に接続されたシャフト922を含む角度付きツール920を示し、これにより、より多くの力がツール920の中心に印加され、ツール900がツールの中心から遠く離れて接触するにつれて接触が弱まるように、外側縁部における接触点を弱めることを可能にする。
【0054】
図9Cは、角度付き表面に加えてスカラップ縁部を有するツール940を示している。しかしながら、いくつかの実施形態では、スカラップ縁部は、角度付き表面なしに単独で存在することが明確に企図されている。ツール940は、ツール表面950の円周に等間隔に離して配置された複数のスカラップ952を有する角度付きツール表面950に接続する、シャフト942を有する。スカラップ952は、ツール920と比較して、ツール940の中心から縁部までの力を更に区別する。
【0055】
図9Dは、アセンブリ962内に発泡体パッド964を有するロボットツール962を示している。
【0056】
図9Eは、アセンブリ970内に発泡体パッド974を有する可撓性ツール972を示している。図9Eに示されるように、可撓性ツールは、スピンドルからツールの縁部まで勾配976を有し、ツールの縁部は、ツールの中心よりも薄く、その結果、縁部において付加的な可撓性をもたらす。
【0057】
図9Fは、アセンブリ980内に発泡体パッド982を有するパターン化されたツール982を示している。図9Fに示されるように、ツール982は、ツール982の外周から内向きに延びる複数のくぼみ985を含む。くぼみ985を、角度986を形成するように一点で接触する2つの縁部988を有するものとして図9Fに示している。しかしながら、丸みを帯びた縁部及び変曲点が可能であることが明確に企図されている。くぼみ985は、ツール982の円周から内向きに延びる深さ987を有する。くぼみ985は、ツールアセンブリ980の外側においていくらかの圧力解放を提供し、これにより、縁部におけるより良好なデブリ管理を可能にする。図5Fに示されているのは、ツールの円周上に等間隔に離して配置された4個のくぼみを有する実施形態である。しかしながら、いくつかの実施形態では、より多くの又はより少ないくぼみが適切であり得ることが明確に企図されている。例えば、くぼみ985が2個のみ存在してもよく、又は3個のくぼみ985が存在してもよい。同様に、5個、6個、7個、8個、10個、12個、16個、20個又はそれ以上のくぼみ985が存在し得る。
【0058】
図9Gは、アセンブリ990内に発泡体パッド994を有するパターン化されたツール992を示している。ツール992は、ツール992内に存在する複数の切り欠き部分993を含む。図9Gに示されるように、切り欠き部分は、実質的に円周からツール992のスピンドル半径に延びている。切り欠き部分は、円周から垂直に延びる長さ998、及び幅997によって画定され得る。いくつかの実施形態では、幅997は、ツール992の円周からスピンドルまで可変であり、例えば、スピンドルよりも円周において広くなっている。いくつかの実施形態では、切り欠き993は、切り欠き993のツールスピンドルとの交点において曲率998を有する。切り欠き993は、ツール992のための有意な圧力解放を提供し、改善されたデブリ管理、熱管理、及びパターニングを可能にする。
【0059】
図9F及び図9Gは、ツールスピンドルから延びる平坦なツール表面を示すが、他の実施形態では、くぼみ985又は切り欠き993を勾配976と組み合わせて、更なる可撓性を提供することができることが明確に企図されている。
【0060】
図10は、本明細書の実施形態によるロボット研磨システムを用いてパターン化された切削率を提供する方法を示している。上述したように、ロボット研磨システムは、細かい制御で小さい領域(例えば、35mm未満の領域)を研磨する能力を有する。研磨動作が開始されると、ロボット制御ユニットは、切削率、切削効率を上げるために、又は補修後の加工表面の美観を改善するために、研削パラメータを調整することができる。本明細書で論じられるツールは、パターン化された切削率、例えば、接触領域の1つの点を別の点よりも深く切削させるように研磨動作中にツールが傾斜する角度付き切削率を生成するために使用され得る。切削率の他のパターンもまた、企図されている。
【0061】
ブロック1010において、ロボット制御セルが開始される。開始には、ロボット補修ユニットに電力供給し、研磨物品が加工表面に係合することができるような位置にロボット補修ユニットを移動させることを含み得る。研磨物品は、動力ロボットアームを使用して、加工表面と接触するように付勢されてもよい。圧力が、力制御ユニットを使用して研磨物品に加えられ得る。
【0062】
ブロック1020において、研磨動作が実行される。いくつかの実施形態では、研磨動作は、例えば、係合された加工表面の所望の最終状態に基づいて選択された、事前設定された補修計画に従う。他の実施形態では、研磨動作は、所望の結果(例えば、所望の最終加工表面状態、所望の切削形状、加工表面抵抗など)を達成するために動的計画に従う。
【0063】
ブロック1030では、フィードバックが受信される。例えば、フィードバックは、ロボット制御センサユニット、サーボツールモータセンサユニット、及び/又はツールに直接埋め込まれたセンサユニットから受信され得る。振動は、動作中のツールの動きをフレームごとに分析する視覚システムによって感知され得る。
【0064】
ブロック1040では、研磨動作が継続できるように、ツールパラメータがその場で修正される。いくつかの実施形態では、フィードバックが受信され、研磨ツールが加工表面との接触を断つことなく、修正が行われる。しかしながら、他の実施形態では、ツールは、センサ読取値が捕捉されて、フィードバックが提供されるように、表面から切断されなければならない。
【0065】
受信されたフィードバックに応じて修正され得るツールパラメータには、ツールと加工表面との間の接触圧力1042、加工表面に対するツールの接触角度144、又は別の適切なパラメータが含まれる。例えば、回転速度は、ツールに対して、又は加工表面に対するツールの動きのパターンに対して、又は別の適切なパラメータに対して修正され得る。
【0066】
研磨ディスクは、任意の好適な非恒久的取り付け特徴部を使用して、本明細書に記載されたバックアップパッド及び/又はダンパに結合され得る。例えば、一実施形態では、感圧性接着剤を含む、接着剤を適用することができる。研磨ディスクの非研磨側上に、フック部分又はループ部分のいずれかを有する、フックアンドループ式取り付けもまた使用することができる。
【0067】
研磨ディスクは、一実施形態では、複数の研磨砥粒がメイクコート内に埋め込まれ、かつ任意選択的にサイズコート及び/又はスーパーサイズコートで被覆されている、バッキングを含む被覆研磨ディスクである。バッキング基材は、織物、目の粗い織布、編布、多孔性布、ループ材料、非密閉布、連続気泡若しくは独立気泡発泡体、不織布、紡糸繊維、フィルム、有孔フィルム、又は任意の他の好適なバッキング材料のうちの、いずれかとすることができる。織物バッキングとしては、布(例えば、織る、編む、若しくはステッチボンドすることが可能な、ポリエステル、ナイロン、絹、綿、及び/又はレーヨンを含む繊維若しくは糸から作製されている、布)又はスクリムが挙げられる。研磨砥粒としては、成形研磨砥粒、破砕研磨砥粒、又は板状研磨砥粒を挙げることができる。研磨砥粒のサイズは、完了するべき補修作業の積極性に基づいて選択することができる。研磨ディスクは、剛性又は可撓性の研磨ディスクであり得る。
【0068】
上記で提示された説明及び図は、単なる例として意図されているものであり、添付の請求項に記載されている場合を除き、いかなる方式でも例示的実施形態を限定することを意図するものではない。上述されている様々な例示的実施形態の、様々な要素の様々な技術的態様は、数多くの他の方式で組み合わせることができ、それらの組み合わせの全てが、本開示の範囲内にあると見なされる点に留意されたい。
【0069】
したがって、例示目的のために例示的実施形態が開示されてきたが、当業者であれば、様々な修正、追加、及び置換が可能である点が理解されるであろう。それゆえ、本開示は、上述の実施形態に限定されるものではなく、それらの等価物の全範囲と共に、添付の請求項の範囲内で修正することができる。
【0070】
研磨ディスクをバックアップパッドに結合することを含む、研磨ディスクにわたって接触圧力を管理する方法が提示される。バックアップパッドは、研磨ディスクの半径にわたって加工表面によって経験される圧力を均一にさせる圧力調節特徴部を含む。方法はまた、研磨ディスクを加工表面に接触させることによって加工表面を研磨することを含む。バックアップパッドは、圧力調節特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクの表面にわたって実質的に均一である切削率を有する研磨ディスクをもたらす。
【0071】
方法は、圧力調節特徴部が弾性変形可能であるように実施されてもよい。
【0072】
方法は、圧力調節特徴部がバックアップパッドと研磨ディスクとの間に配置されるように実施されてもよい。
【0073】
方法は、圧力調節特徴部が約60ショアA未満の硬度を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0074】
方法は、圧力調節特徴部が25%のたわみで約170psi未満の圧縮率を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0075】
方法は、圧力調節特徴部が圧縮可能である材料を含むように実施されてもよい。
【0076】
方法は、圧力調節特徴部が実質的に圧縮不可能である材料を含むように実施されてもよい。
【0077】
方法は、圧力調節特徴部が、パターン化された、3D印刷された、エンボス加工された、又は彫刻された、実質的に圧縮不可能な材料を含むように実施されてもよい。
【0078】
方法は、圧力調節特徴部が、発泡体、彫刻された、構造化された、3D印刷された、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物層、不織布層、又は軟質ゴムを含むように実施されてもよい。
【0079】
方法は、圧縮可能特徴部が、層状又は集塊構造の複数の層及び/又は複数の材料から作製されるように実施されてもよい。
【0080】
方法は、バックアップパッドが、研磨ディスクが取り付けられている圧力調節特徴部の表面からバックアップパッドの反対側の側部まで延びる、塵埃及びデブリを引き出すためのチャネルを含むように実施されてもよい。
【0081】
方法は、圧力調節特徴部が、約650psi未満の弾性率を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0082】
方法は、圧力調節特徴部が不均一な厚さを有するように実施されてもよい。
【0083】
方法は、圧力調節特徴部が、バックアップパッドの円錐表面上に取り付けられた円錐空洞を有するように実施されてもよい。
【0084】
方法は、圧力調節特徴部の硬度がパッドにわたってパッドの中心からパッドの周囲に向かって変化するように実施されてもよい。
【0085】
方法は、圧力調節特徴部の硬度がパッドにわたって徐々に変化するように実施されてもよい。
【0086】
方法は、圧力調節特徴部の硬度がパッドにわたって段階的に変化するように実施されてもよい。
【0087】
方法は、圧力調節特徴部が異なる硬度を有する同心リングを含むように実施されてもよい。
【0088】
方法は、圧力調節特徴部の硬度がパッドの中心からパッドの周囲に向かって減少するように実施されてもよい。
【0089】
方法は、パッドにわたる圧力調節特徴部の硬度の変化がパッドの中心からの距離に比例するように実施されてもよい。
【0090】
方法は、バックアップパッドが非平面表面を有し、均一な厚さを有する圧力調節特徴部がその表面上に取り付けられるように実施されてもよい。
【0091】
方法は、バックアップパッドの非平面表面が、円錐形、半球形、又はドーム形であるように実施されてもよい。
【0092】
方法は、圧力調節特徴部と組み合わせたバックアップパッドが、圧力調節特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクのデブリ管理を改善させるように実施されてもよい。
【0093】
方法は、圧力調節特徴部と組み合わせたバックアップパッドが、圧力調節特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクの熱管理を改善させるように実施されてもよい。
【0094】
方法は、圧力調節特徴部と組み合わせたバックアップパッドが、圧力調節特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクの特徴部混合を改善させるように実施されてもよい。
【0095】
研磨ディスクにパターン化された切削率を提供させる研磨システムは、研磨ディスクの動きを駆動するように構成されたツールを含む。システムはまた、ツールに結合されたバックアップパッドを含む。システムはまた、パターン特徴部を含む。パターン特徴部は、ツールが作動されるときに、研磨ディスクにパターン化された切削率を示させる。パターン化された切削率は、パターン特徴部のないバックアップパッド及びツールに取り付けられた研磨ディスクによって示される切削率とは異なる。
【0096】
本システムは、ツールがロボットツールであるように実施されてもよい。パターン特徴部は、ツール内に統合される。
【0097】
システムは、パターン特徴部がツールのバックアップパッド係合表面であるように実施されてもよい。
【0098】
システムは、パターン特徴部がツールのバックアップパッド係合表面における複数のアパーチャであるように実施されてもよい。
【0099】
システムは、複数のアパーチャがアパーチャの第1のセット及びアパーチャの第2のセットを含むように実施されてもよい。
【0100】
システムは、アパーチャの第1のセットがアパーチャの第2のセットよりもツールのバックアップ係合表面の縁部に近くなるように実施されてもよい。
【0101】
システムは、アパーチャの第1のセットが第1の半径を有し、アパーチャの第2のセットが第2の半径を有し、第1の半径が第2のアパーチャよりも大きいように実施されてもよい。
【0102】
システムは、アパーチャがツールのバックアップパッド係合表面を完全に貫通して延びるように実施されてもよい。
【0103】
システムは、パターン特徴部がスピンドルに結合されたツールのバックアップパッド係合部分であるように実施されてもよい。バックアップパッド係合部分は、スピンドルに対して垂直である。
【0104】
システムは、バックアップパッド係合部分が、第1の直径を有するバックアップパッド係合表面と第2の直径を有するスピンドル係合表面とを有するように実施されてもよい。第1の直径は、第2の直径よりも大きい。
【0105】
システムは、バックアップパッド係合部分の外側縁部が、スピンドル係合表面からバックアップパッド係合表面まで角度付けられるように実施されてもよい。
【0106】
システムは、バックアップパッド係合表面がスカラップ縁部を含むように実施されてもよい。
【0107】
システムは、バックアップパッド係合部分が複数の凹部を有する外周を含むように実施されてもよい。
【0108】
システムは、凹部が円周の周りに等間隔に離して配置されるように実施されてもよい。
【0109】
システムは、パターン特徴部が、研磨動作中にツールのバックアップパッド係合部分を屈曲させるように実施されてもよい。
【0110】
システムは、ツールが、電動ツールに係合するように構成されたスピンドルであるように実施されてもよい。
【0111】
システムは、パターン特徴部が第1の側部上のツール及び第2の側部上のバックアップパッドの両方に結合されるように実施されてもよい。
【0112】
システムは、パターン特徴部が第1の部分及び第2の部分を含むように実施されてもよい。
【0113】
システムは、第1の部分及び第2の部分が同一平面上にあり、かつツール及びバックアップパッドの両方に結合されるように実施されてもよい。
【0114】
システムは、第1の部分及び第2の部分が異なる材料を含むように実施されてもよい。
【0115】
システムは、第1及び第2の部分が圧縮可能な材料を含むように実施されてもよい。
【0116】
システムは、第1及び第2の部分が圧縮不可能な材料を含むように実施されてもよい。
【0117】
システムは、パターン特徴部が圧縮可能な円錐形特徴部を含むように実施されてもよい。
【0118】
システムは、パターン特徴部が第1の側部上でバックアップパッドに結合され、かつ第2の側部上で研磨物品に結合するように構成されるように実施されてもよい。
【0119】
システムは、システムの切削率が、バックアップパッドの中心からバックアップパッドの縁部まで延びる半径にわたって実質的に均一であるように実施されてもよい。
【0120】
システムは、システムの切削率が極大値を有するように実施されてもよい。
【0121】
システムは、切削率が少なくとも2つの極大値を有するように実施されてもよい。
【0122】
システムは、パターン特徴部が弾性変形可能であるように実施されてもよい。
【0123】
システムは、パターン特徴部がバックアップパッドと研磨ディスクとの間に配置されるように実施されてもよい。
【0124】
システムは、パターン特徴部が約60ショアA未満の硬度を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0125】
システムは、パターン特徴部が25%のたわみで約170psi未満の圧縮率を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0126】
システムは、パターン特徴部が、パターン化された、3D印刷された、エンボス加工された、又は彫刻された、実質的に圧縮不可能な材料から作製される材料を含むように実施されてもよい。
【0127】
システムは、パターン特徴部が圧縮可能である材料を含むように実施されてもよい。
【0128】
システムは、パターン特徴部が、発泡体、彫刻された、構造化された、3Dプリントされた、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物層、不織布層、又は軟質ゴムのうちの1つ以上の材料を含むように実施されてもよい。
【0129】
システムは、パターン特徴部が、層状又は集塊構造の複数の層又は複数の材料から作製されるように実施されてもよい。
【0130】
システムは、バックアップパッドが、減衰特徴部の表面からバックアップパッドの反対側の側部まで延びるチャネルを含むように実施されてもよい。
【0131】
システムは、パターン特徴部が約650psi未満の弾性率を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0132】
システムは、パターン特徴部が不均一な厚さを有するように実施されてもよい。
【0133】
システムは、パターン特徴部がバックアップパッドの円錐表面上に取り付けられた円錐空洞を有するように実施されてもよい。
【0134】
システムは、パターン特徴部の硬度がバックアップパッドにわたって中心から外周まで変化するように実施されてもよい。
【0135】
システムは、パターン特徴部の硬度がバックアップパッドにわたって徐々に変化するように実施されてもよい。
【0136】
システムは、パターン特徴部の硬度がバックアップパッドにわたって段階的に変化するように実施されてもよい。
【0137】
システムは、パターン特徴部が複数の同心リングを含み、各同心リングが異なる硬度を有するように実施されてもよい。
【0138】
システムは、パターン特徴部の硬度が中心から外周まで減少するように実施されてもよい。
【0139】
システムは、パターン特徴部の硬度の変化がバックアップパッドにわたって中心からの距離に比例するように実施されてもよい。
【0140】
システムは、バックアップパッドが非平面表面を有するように実施されてもよい。パターン特徴部は、非平面表面に取り付けられる。
【0141】
システムは、バックアップパッドの非平面表面が、円錐形、半球形、又はドーム形であるように実施されてもよい。
【0142】
ツール係合特徴部を含む研磨システム用のバックアップパッドが提示される。バックアップパッドはまた、研磨物品係合特徴部を含む。バックアップパッドはまた、研磨物品係合特徴部に取り付けられた研磨物品の切削率プロファイルを変化させる圧縮可能特徴部を含む。
【0143】
バックアップパッドは、ツール係合特徴部がバックアップパッドの第1の側部上にあり、研磨物品係合特徴部がバックアップパッドの第2の側部上にあるように実施されてもよい。第1の側部は、第2の側部の反対側にある。
【0144】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が弾性変形可能であるように実施されてもよい。
【0145】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部がバックアップパッドと研磨ディスクとの間に配置されるように実施されてもよい。
【0146】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が約60ショアA未満の硬度を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0147】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が25%のたわみで約170psi未満の圧縮率を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0148】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が、所望の変形性を提供するようにパターン化された、3D印刷された、エンボス加工された、又は彫刻された材料を含むように実施されてもよい。
【0149】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が圧縮可能である材料を含むように実施されてもよい。
【0150】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が、発泡体、彫刻された、構造化された、3D印刷された、若しくはエンボス加工されたエラストマー、織物若しくは不織布層、又は軟質ゴムを含むように実施されてもよい。
【0151】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が、層状又は集塊構造の複数の層及び/又は複数の材料から作製されるように実施されてもよい。
【0152】
バックアップパッドは、バックアップパッドが塵埃及びデブリを引き出すために、減衰特徴部の表面からバックアップパッドの反対側の側部まで延びるチャネルを含むように実施されてもよい。
【0153】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が約650psi未満の弾性率を有する材料を含むように実施されてもよい。
【0154】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が不均一な厚さを有するように実施されてもよい。
【0155】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部がバックアップパッドの円錐表面上に取り付けられた円錐空洞を有するように実施されてもよい。
【0156】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部の硬度がパッドにわたってパッドの中心からパッドの周囲に向かって変化するように実施されてもよい
【0157】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部の硬度がパッドにわたって徐々に変化するように実施されてもよい。
【0158】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部の硬度がパッドにわたって段階的に変化するように実施されてもよい。
【0159】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部が異なる硬度を有する同心リングを含むように実施されてもよい。
【0160】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部の硬度がパッドの中心からパッドの外周に向かって減少するように実施されてもよい。
【0161】
バックアップパッドは、パッドにわたる圧縮可能特徴部の硬度の変化がパッドの中心からの距離に比例するように実施されてもよい。
【0162】
バックアップパッドは、バックアップパッドが非平面表面を有し、均一な厚さを有する圧縮可能特徴部がその表面上に取り付けられるように実施されてもよい。
【0163】
バックアップパッドは、バックアップパッドの非平面表面が円錐形、半球形、又はドーム形であるように実施されてもよい。
【0164】
バックアップパッドは、バックアップパッドが、圧縮可能特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクのデブリ管理を改善させるように実施されてもよい。
【0165】
バックアップパッドは、バックアップパッドが、圧縮可能特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクの熱管理を改善させるように実施されてもよい。
【0166】
バックアップパッドは、圧縮可能特徴部と組み合わせたバックアップパッドが、減衰特徴部を有しないバックアップパッド上の研磨ディスクと比較して、研磨ディスクの特徴部混合を改善させるように実施されてもよい。
【0167】
ロボット研磨システム用のスピンドルは、ツール係合シャフトを含む。スピンドルはまた、バックアップパッド係合表面を含む。バックアップパッド係合表面は、バックアップパッドによって加工表面に対して加えられる圧力プロファイルを修正する圧力調節特徴部を含む。
【0168】
スピンドルは、ツール係合シャフトが動力ロボットアームに係合するように実施されてもよい。
【0169】
スピンドルは、動力ロボットアームが力制御ユニットを含むように実施されてもよい。
【0170】
スピンドルは、コントローラがスピンドルを介して受信したフィードバックに基づいて力制御ユニットを調整するように実施されてもよい。
【0171】
スピンドルは、圧力調節特徴部がバックアップパッド係合表面に複数のアパーチャを含むように実施されてもよい。
【0172】
スピンドルは、複数のアパーチャがバックアップパッド係合表面を完全に貫通して延びるように実施されてもよい。
【0173】
スピンドルは、複数のアパーチャがデブリ除去ツールに結合するように実施されてもよい。
【0174】
スピンドルは、複数のアパーチャが、ツール係合シャフトの周りに等距離に配置されたアパーチャのセットを含むように実施されてもよい。
【0175】
スピンドルは、アパーチャのセットが実質的に同じサイズであるように実施されてもよい。
【0176】
スピンドルは、アパーチャのセットがアパーチャの第1のセットであるように実施されてもよい。複数のアパーチャは、アパーチャの第2のセットを含む。
【0177】
スピンドルは、アパーチャの第2のセットが、アパーチャの第1のセットに関連する第1の半径よりも大きい第2の半径を有するように実施されてもよい。
【0178】
スピンドルは、バックアップパッド係合表面が、ツール係合シャフトに対して垂直であるツール部分の第1の側部上にあるように実施されてもよい。ツール部分は、第1の側部の反対側の第2の側部上でツール係合シャフトに係合する。厚さが、第1の側部と第2の側部とを隔てている。
【0179】
スピンドルは、第1の側部が第1の領域を有し、第2の側部が第2の領域を有するように実施されてもよい。第1の領域と第2の領域とを接続する縁部がバックアップパッド係合表面と角度を形成するように、第2の領域は第1の領域よりも小さい。
【0180】
スピンドルは、第1の領域が複数のくぼみを含む外周を有するように実施されてもよい。
【0181】
スピンドルは、複数のくぼみが外周の周りに規則的に間隔を空けて配置されるように実施されてもよい。
【0182】
スピンドルは、バックアップパッド係合表面が複数のくぼみを含む外周を有するように実施されてもよい。
【0183】
スピンドルは、複数のくぼみが外周の周りに規則的に間隔を空けて配置されるように実施されてもよい。
【0184】
スピンドルは、圧力調節特徴部が弾性変形可能であるように実施されてもよい。
【0185】
スピンドルは、圧力調節特徴部がバックアップパッドと研磨ディスクとの間に配置されるように実施されてもよい。
【実施例
【0186】
これらの実施例は、単に例証を目的としたものであり、添付の特許請求の範囲を過度に限定することを意図するものではない。本開示の幅広い範囲を示す数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体的な実施例において示される数値は、可能な限り正確に報告している。しかしながら、いずれの数値にも、それぞれの試験測定値において見出される標準偏差から必然的に生じる、特定の誤差が本質的に含まれる。最低でも、各数値パラメータは少なくとも、報告される有効桁の数に照らして通常の丸め技法を適用することにより解釈されるべきであるが、このことは特許請求の範囲への均等論の適用を制限しようとするものではない。
【0187】
研磨実験と有限要素解析(FEA)モデリングとの組み合わせを使用して、本開示に記載される研磨バックアップパッドの性能属性を、均一な厚さの平坦な発泡体層を有する典型的な研磨バックアップパッドと比較した。各実施例では、研磨パッドによって研磨されている加工表面は平面であり、実験で使用された研磨ディスクの表面に対して平行であった。Abaqusの市販ソフトウェア(Dassault Systemes(登録商標)によるSIMULIA(商標))を使用して、バックアップパッドの属性を実験的に測定することが困難又は不可能であったいくつかの実施例において、研磨バックアップパッドを加工表面に対してモデリングした。
【0188】
実施例1
この実施例では、図2A図2Cに示されるものと同様の本開示に記載される研磨バックアップパッドの研磨性能を、FEAモデリングを使用して評価した。図2Eは、この実施例の加工表面の研磨バックアップパッドの軸対称断面を示している。以下の表1に記載される幾何学的パラメータ及び材料特性を有する軸対称FEAモデルが、Abaqusにおいて開発された。研磨ディスク286の表面284に対して平行に置かれて接触している、バックアップパッド280及び平坦な加工表面は、この実施例では圧力調節特徴部290よりも実質的に硬質である。したがって、計算時間を低減するため、FEAモデルにおいてバックアップパッド280及び加工表面に剛体制約が適用されている。加工表面は境界条件としてその場所に固定され、中心線292に対して平行な垂直変位荷重がFEAモデルのバックアップパッドに印加された。
【表1】
【0189】
図11Aは、FEAモデルによって予測された、加工表面に対するパッドの0.03インチ押圧下での、研磨パッドと加工表面との間の接触圧力プロファイルを示している。接触圧力は、パッドの中心から縁部に向かって減少している。図11Bは、FEAモデルによって予測された加工表面に対するパッドの0.03インチ押圧下での、変形した研磨バックアップパッドの応力等高線プロットを示している。示されるように、圧力調節特徴部の均一な圧縮により、パッドの中心線の近くでより高く、パッドの縁部に向かって減少する、圧力調節特徴部にわたって不均一な応力が印加され、これにより、研磨ディスクと加工表面との間の接触圧力をパッドの中心からその外側縁部の加工表面まで減少させる。
【0190】
この研磨パッドが、K=1と仮定された加工表面に対して60RPMの角速度で回転している場合、以下に示される経験的プレストン式を使用して、パッドの表面にわたる加工表面からの材料除去率を判定することができる[I.F.W.Preston,J.Soc.Glass.Technol.,11,214,1927]。図11Cは、パッドの表面にわたる材料除去(切削)率の変動を示している。示されるように、この実施例の研磨ディスクの材料除去率は、パッドの表面にわたってほぼ均一である。
材料除去率=K×V×P:プレストン式
:材料定数
V:線速度
P:接触圧力
【0191】
比較例1:
この実施例では、平坦な硬質バックアップパッド上に取り付けられた均一な厚さの発泡体層を有する典型的な研磨バックアップパッドの研磨性能を、FEAモデリングを使用して評価した。図11Dは、平坦な加工表面を研磨するために使用され、研磨ディスクに対して平行に置かれて研磨ディスクに接触している、この実施例の研磨バックアップパッドの軸対称FEAモデルを示している。
【0192】
図11Eは、FEAモデルによって予測された加工表面に対するパッドの0.03インチ押圧下での、研磨パッドと加工表面との間の接触圧力プロファイルを示している。接触圧力は、パッドの表面にわたって均一である。図11Fは、FEAモデルによって予測された加工表面に対するパッドの0.03インチ押圧下での、変形した研磨バックアップパッドの応力等高線プロットを示している。示されるように、発泡体層はパッドにわたって均一に変形し、パッドにわたって研磨ディスクと加工表面との間に均一な接触圧力を生じさせる。
【0193】
パッドの表面全体にわたる均一な接触圧力、及び中心から外側縁部までの線速度の増大により、材料除去率は(図1Cに概略的に示されるように)中心から外側縁部まで増大する。この研磨パッドが、K=1と仮定された加工表面に対して60RPMの角速度で回転している場合、経験的プレストン式を使用して、パッドの表面にわたる加工表面からの材料除去率を判定することができる。図11Gは、パッドにわたる材料除去(切断)率の変動を示している。
【0194】
図11C図11Gとを比較すると、図2Eの研磨パッドが、パッドの表面にわたって加工表面上に更により均一な切削率を適用すると結論付けることができる。加工表面からの総切削量を示すこれらの曲線の下の領域を比較すると、図2Eのパッドが、典型的な研磨パッドと比較して加工表面からより多くの材料を除去することを観察することができる。
【0195】
実施例2:
この実施例では、図2A図2Cに示されたパッドと同様の研磨バックアップパッドの研磨性能を評価した。本開示におけるこのパッドの概念を試験するために、直径5インチのパッドを実験的に作製した。パッドは、6061アルミニウムから製造されたスピンドルを含む金属製円錐バックアップパッドと、円錐バックアップパッドと同じプロファイルを伴う円錐空洞を有する多層発泡体ブロックから作製された圧力調節特徴部とを有していた。空洞を有する発泡体ブロックは、20層の3M(商標)Cushion-Mount(商標)Plus Plate Mounting Tape E1060H(厚さ0.06インチの二重被覆(double coated)発泡体テープである)から作製した。パッドは、以下のように作製した。
・レーザ切削機を使用して、20枚の外側直径5インチの円形ディスクを上記のMounting Tape e から切り出した。
・同じレーザ切削機を使用して、適切な直径を有する円形孔を20個のMounting Tapeディスクのうちの16個から切り出して、これらの16個のリング層を積層することによって、円錐バックアップパッドと同様のプロファイルを有する円錐空洞を作製した。
・4枚の残った無傷のMounting Tapeディスクを互いに積層し、次いで、スタック積層体を、空洞を有する発泡体スタックの底部に接着した。この時点において、本発明者らは、中心空洞を有する圧力調節特徴部を有していた。
・厚さ3ミルの両面Scotch VHBテープの層を、金属製バックアップパッドの円錐側部の表面全体に接着した。
・圧力調節特徴部を、その空洞側部から金属製円錐バックアップパッド上のVHBテープ上に取り付けた。
・3M NX Disc Coated Aluminum Oxide Disc-Very Fine Grade-P180 Grit(直径5インチ)31217を、そのPSA側部から、作製したパッド上の圧力調節特徴部の平坦表面に接着した。
【0196】
図12A図12Dは、上述のプロセスに従って作製された研磨パッド物品を示している。図12Aは、スピンドルを有する金属製円錐バックアップパッドを示している。図12Bは、多層発泡体ブロック構造で作製された圧力調節特徴部を示している。図12Cは、圧力調節特徴部の自由表面上に取り付けられた研磨ディスクを有する研磨パッドアセンブリを示し、図12Dは、図12Cに示される切断線12D-12Dに沿って切り取られた切断図を示している。
【0197】
実施例2 摩耗試験
試験方法には、研磨パッドをボール盤に装填することを含んだ。ボール盤は、McMaster-Carrから入手した(部品番号:2799A21、これは、120 V ACで、13-1/4インチ最大加工表面直径を有するEconomy Benchtopボール盤である)。ボール盤は、典型的な作業台テーブルチャック上に固定された加工表面内に研磨パッドを駆動する。加工表面からの材料は、穿孔プロセス中に除去される。試験手順の具体的なステップは以下の通りである。
1. 厚さ0.5インチのMIC 6鋳造アルミニウム6インチ×6インチの平坦なシート(研磨6061アルミニウム)である加工表面を、ボール盤テーブル上に置く。2つの「Cクランプ」を介して加工表面をボール盤テーブルに固定する。
2. ボール盤にRPM(800rpm)及び試験期間(1分)を設定する。
3. ドリルをオンにし、固定された所与の荷重(5ポンド)下で加工表面の上面に研磨材を係合させる。
4. 加工表面を取り外してクリーニングする。研磨された加工表面をドリルテーブルから除去した後、加工表面を高圧ノズル(100psi)からの吹き付け空気で清浄にする。次いで、水及びIPAを含むハンドタオルを使用して、研磨された表面ダストの加工表面を清浄にした。
5. 加工表面をNanovea HS2000 3D非接触表面形状測定装置内に置き、その研磨された加工表面上の切削プロファイルを測定する。
【0198】
図12Eは、上記の試験手順を使用して図12A図12Dに示される研磨パッドで研磨された加工表面の切削プロファイルを示している。示されるように、均一な切削が研磨パッドにわたって加工表面上に適用された。
【0199】
比較例2:
この実施例では、研磨プロセスにおいて現在使用されている、平坦なバックアップパッド上に取り付けられた均一な厚さの発泡体ブロックを有する典型的な研磨バックアップパッドの研磨性能を実験的に評価した。実施例2で用いたものと同じ構成材料を使用して、直径5インチのパッドを作製した。このパッドは、6061アルミニウムから製造されたスピンドルを含む金属製の平坦なバックアップパッドと、金属製のバックアップパッドの平坦表面上に取り付けられた平坦な多層発泡体ブロックとを有する。発泡体ブロックは、7層の3M(商標)Cushion-Mount(商標)Plus Plate Mounting Tape E1060Hから作製した。このパッドを製造するステップは、以下の通りである。
・レーザ切削機を使用して、7枚の外側直径5インチの円形ディスクを上記のMounting Tapeから切り出した。
・前のステップで作製した全ての円形ディスクを互いに積層して、円筒形発泡体ブロックを作製した。
・厚さ3ミルの両面Scotch VHBテープの層を、金属製バックアップパッドの平坦表面全体に接着した。
・発泡体ブロックを、その表面上で、平坦なバックアップパッド上のVHBテープ上に取り付けた。
・3M NX Disc Coated Aluminum Oxide Disc-Very Fine Grade-P180 Grit(直径5インチ)31217を、そのPSA側部から、金属製バックアップパッドから離して、作製したパッドの多層発泡体ブロックの平坦表面に接着した。
【0200】
得られた構造を、図12F図12Iに示している。平坦なバックアップパッドを図12Fに示し、多層発泡体ブロックを図12Gに示し、アセンブリ全体を図12Hに示している。図12Iは、切断線12I-12Iに沿った、12Hのアセンブリの切断図を示している。上記の実施例2の摩耗試験で説明されたものと同じ摩耗試験手順を使用して、この実施例の研磨パッドの研磨性能を評価した。
【0201】
得られた研磨パッド12Fの切削プロファイルを図12Jに示している。図示されるように、パッド中心からその縁部に向かって増大する不均一な切削が、研磨パッドにわたって加工表面に適用された。
【0202】
実施例3
この実施例では、本開示の図3A及び図3Bに示されるものと同様の同心リング圧力調節特徴部を有する研磨バックアップパッドの研磨性能を実験的に評価した。本開示におけるこのパッドの概念を試験するために、直径5インチのパッドを作製した。パッドは、図12Fに示されるような6061アルミニウムから製造されたスピンドルと、図3Aに示されるような3つのリングから作製された圧力調節特徴部とを含む金属製の平坦なバックアップパッドを有していた。パッドは、以下のように作製した。
・レーザ切削機を使用して、McMaster-Carrから入手したResilient Polyurethane Foam Sheet-Soft(厚さ0.25インチ、25%を圧縮するための圧力11psi)(部品番号:86375K134)から、1.666インチの外側直径を有する2枚の円形ディスクを切り出した。
・厚さ3ミルの両面Scotch VHBテープの層を使用して、前のステップで作製した2枚の円形ディスクを互いに積層した。この積層体は、パッド内の圧力調節特徴部の中心部分として使用された。
・同じレーザ切削機を使用して、McMaster-Carrから入手したResilient Polyurethane Foam Sheet-Ultra Soft(厚さ0.5インチ、25%を圧縮するための圧力3psi)(部品番号:86375K114)から、レーザ切削機を使用して、1.666インチの内側直径及び3.333インチの外側直径を有する円形リングを切り出した。このリングは、パッド内の圧力調節特徴部の中間同心リングとして使用された。
・同じレーザ切削機を使用して、McMaster-Carrから入手したSuper-Cushioning Polyurethane Foam Circle(厚さ0.5インチ、25%を圧縮するための圧力0.3psi)(部品番号:8883K54)から、レーザ切削機を使用して、3.333インチの内側直径及び5インチの外側直径を有する別の円形リングを切り出した。このリングは、パッド内の圧力調節特徴部の外側同心リングとして使用された。
・厚さ3ミルの両面Scotch VHBテープの層を、金属製バックアップパッドの平坦表面全体に接着した。
・前のステップで作製した円形積層体及び2つの同心リングを、それらの表面上で、平坦なバックアップパッド上のVHBテープ上に取り付けた。
・3M NX Disc Coated Aluminum Oxide Disc-Very Fine Grade-P180 Grit(直径5インチ)31217を、そのPSA側部から、金属製バックアップパッドから離して、作製したパッドの同心リング圧力調節特徴部の平坦表面に接着した。
・圧力調節特徴部を、その空洞側部から金属製円錐バックアップパッド上のVHBテープ上に取り付けた。
・3M NX Disc Coated Aluminum Oxide Disc-Very Fine Grade-P180 Grit(直径5インチ)31217を、そのPSA側部から、作製したパッド上の圧力調節特徴部の平坦表面に接着した。
【0203】
上記の実施例2の摩耗試験で説明されたものと同じ摩耗試験手順を使用して、この実施例の研磨パッドの研磨性能を評価した。この実施例の研磨パッドの得られた切削プロファイルを図13Aに示している。図示されるように、不均一な切削パターンが、研磨パッドにわたって加工表面上に適用された。図12Jに示されるように、平坦な発泡体層を有する典型的な研磨パッドを使用すると、パッドの縁部に向かって線速度が上昇することにより、パッドの中心からその縁部に向かって切削率が増大するため、加工表面から、研磨パッドの中心部分は最大限の材料が除去され、研磨パッドの外側部分は最小限の材料が除去された。
【0204】
次いで、研磨ディスクの表面に対して平行に置かれた平坦な加工表面に対する本実施例の研磨パッドのFEAモデルを開発した。金属製バックアップパッド、中央発泡体ディスク、及び圧力調節特徴部の同心リングには同じ幾何学的形状を使用した。11、3及び0.3psiの弾性率並びに0.4、0.1及び0.1のポアソン比をそれぞれ、FEAモデルにおける中央ディスク、中間及び他の同心リングの材料特性として使用した。剛体拘束が金属製バックアップパッド及び加工表面に適用され、それらが圧力調節特徴部よりも実質的に硬質であるため、計算時間を短縮した。加工表面を所定の位置に固定しながら、加工表面に対してバックアップパッドのスピンドルに5ポンドの圧縮荷重を印加した。図13Bは、研磨パッドと加工表面との間のFEA予測接触圧力プロファイルを示している。図示されるように、接触圧力は、圧力調節特徴部の中央ディスクの上方のディスクの中央領域において実質的により大きく、研磨ディスクの縁部に向かって減少した。この接触圧力プロファイルの背後にある理由は、図13Cに示されるように、同心リングの上方の領域よりもディスクの中央領域において有意に高い圧縮応力を引き起こす圧力調節特徴部において使用される材料の硬度の分布にある。
【0205】
この実施例のパッドを作製するために使用された材料は、パッドにわたる圧力調節特徴部の硬度変動がパッドの切削率性能に及ぼす影響を単に示すために任意に選択された。しかしながら、同心リングの数及びパッド全体にわたるそれらの硬度を調整することにより、切削パターンを調整し、パッドにわたる所望の切削プロファイルを得ることができる。
【0206】
実施例4
この実施例では、本開示の図14A図14Cに示されるものと同様の不均一な表面を有する研磨バックアップパッドの研磨性能を実験的に評価した。本開示におけるこのパッドの概念を試験するために、直径5インチのパッドを作製した。パッドは、図14Aに示されるバックアップパッドのように、一方の側部上に円錐表面を含み、他方の側部上に6061アルミニウムから製造されたスピンドルを有する平坦表面を含む金属製バックアップパッドと、0.5インチの均一な厚さを有する発泡体層から作製された圧力調節特徴部とを有していた。パッドは、以下のように作製した。
・レーザ切削機を使用して、McMaster-Carrから入手したResilient Polyurethane Foam Sheet-Ultra Soft(厚さ0.5インチ、25%を圧縮するための圧力3psi)(部品番号:86375K114)から、5インチの外側直径を有する円形ディスクを切り出した。
・厚さ3ミルの両面Scotch VHBテープの層を、金属製バックアップパッドの円錐表面全体に接着した。
・前のステップで作製した円形発泡体ディスクを、その表面上で、円錐バックアップパッド上のVHBテープ上に取り付けた。
・3M NX Disc Coated Aluminum Oxide Disc-Very Fine Grade-P180 Grit(直径5インチ)31217を、そのPSA側部から、金属製バックアップパッドから離して、作製したパッドの圧力調節特徴部の自由表面に接着した。
【0207】
上記の実施例2の摩耗試験で説明されたものと同じ摩耗試験手順を使用して、この実施例の研磨パッドの研磨性能を評価した。この実施例の研磨パッドの得られた切削プロファイルを図14Dに示している。図示されるように、均一な切削パターンが、研磨パッドにわたって加工表面上に適用された。研磨パッドを加工表面に対して係合させることにより、加工表面により近い研磨パッドの中央領域が最初に加工表面に接触し、圧力調節特徴部の中央領域が圧縮されて、研磨ディスク上の他の領域を加工表面と接触させた。したがって、研磨ディスクの中央領域は、研磨プロセスの間、より長い時間にわたって加工表面と接触し、これにより、パッドの中心に近い領域からのより高い材料除去がもたらされた。また、パッドの中央領域は、発泡体層の高密度化により、パッドの他の領域よりもこの領域を硬質にする圧縮をより多く受けた。これにより、パッドの中央領域下でより高い接触圧力を引き起こし、パッドの縁部に向かって接触圧力プロファイルを減少させ、これが一方で、パッドの縁部に向かって上昇するパッドの線速度を補償した。その結果、パッドは、パッドにわたって加工表面から均一な材料除去を行った。
図1A
図1B
図1C
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図12A
図12B
図12C
図12D
図12E
図12F
図12G
図12H
図12I
図12J
図13A
図13B
図13C
図14A
図14B
図14C
図14D
【国際調査報告】